(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145845
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】コロイダルシリカおよび合成シリカ粉の製造方法
(51)【国際特許分類】
C01B 33/18 20060101AFI20231004BHJP
C03B 8/02 20060101ALI20231004BHJP
C03B 20/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
C01B33/18 Z
C03B8/02 A
C03B8/02 H
C03B20/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052710
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】309011192
【氏名又は名称】合資会社 ナベショー
(72)【発明者】
【氏名】渡部 弘行
【テーマコード(参考)】
4G014
4G072
【Fターム(参考)】
4G014AH01
4G014AH02
4G072AA25
4G072AA28
4G072BB05
4G072CC04
4G072CC13
4G072GG01
4G072HH17
4G072HH21
4G072JJ14
4G072JJ22
4G072LL06
4G072MM03
4G072MM06
4G072MM22
4G072MM23
4G072MM26
4G072MM28
4G072MM31
4G072MM36
4G072PP03
4G072PP11
4G072TT19
4G072TT20
4G072UU21
(57)【要約】 (修正有)
【課題】超高純度のコロイダルシリカおよび合成シリカ粉の製造方法を提供する。
【解決手段】ケイ酸アルカリ中の未溶解シリカを除去することで、超高純度のコロイダルシリカを得ることができる。そのため、シリカあるいは工業用ケイ酸アルカリとアルカリ水溶液とを、SiO2/Na2Oのモル比が1.0から2.0になるように調合して加熱反応し、その後シリカが完全に反応したことを確認して、酸化剤を加えてろ過し、ろ液をナトリウム型陽イオン交換樹脂に通し、そこに還元剤を加えて水素型陽イオン交換樹脂に通液する製造方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリカあるいは工業用ケイ酸アルカリとアルカリ水溶液とを、SiO2/Na2Oのモル比が1.0から2.0になるように調合して加熱反応し、その後シリカが完全に反応したことを確認して、酸化剤を加えてろ過し、ろ液をナトリウム型陽イオン交換樹脂に通し、そこに還元剤を加えて水素型陽イオン交換樹脂に通液することを特徴とするコロイダルシリカおよび合成シリカ粉の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載のシリカが天然石英粉あるいは石英ガラス粉であることを特徴とするコロイダルシリカおよび合成シリカ粉の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の工業用ケイ酸アルカリが乾式法によるSiO2/Na2Oのモル比が2.1から3.5であることを特徴とするコロイダルシリカおよび合成シリカ粉の製造方法。
【請求項4】
請求項1記載のコロイダルシリカから調製した合成シリカ粉のアルミニウム、チタン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属の含有量が合計1ppm以下であることを特徴とする製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高純度のコロイダルシリカおよび合成シリカ粉の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ケイ酸アルカリを水素型陽イオン交換樹脂に通液してコロイダルシリカを調製し、合成シリカ粉を製造し、それを既存の溶融法で溶融して合成石英ガラスを製造することが行われている。合成シリカ粒子には天然石英粒子にあるインクルージョンがなく、溶融後のガラス中の気泡や異物が格段に少なくなるという利点がある。純度的にも天然石英粉を凌駕しているため、半導体や光学用として使われている。
【0003】
ケイ酸アルカリよりコロイダルシリカや合成シリカ粉を製造する方法はすでに公開されている。本発明者も発明者の一人である特開2002-173314には、三号ケイ酸ナトリウムからチタンを除去するために、いったん水素型陽イオン交換樹脂に通液した後に過酸化水素水と酸を加えて、再度水素型イオン交換樹脂に通液することが開示されている。特開2015-020916には、フュームドシリカからケイ酸アルカリを作り、それを水素型陽イオン交換樹脂に通液することで高純度の合成シリカを製造する方法が開示されている。フュームドシリカは、四塩化ケイ素から得られるためチタンなどは含まれていないため、水素型陽イオン樹脂に一回通液するだけで高純度が得られる。また特開2003-089786は、3~1重量%のケイ酸アルカリ水溶液を水素型陽イオン交換樹脂に通液した後、キレート式イオン交換樹脂に通液することで、金属ベース不純物含有量の低い(アルカリ金属<50ppm、Cu<100ppb、Zn<1ppm、Ca<7ppm、Mg<10ppm、Fe<13ppm)のコロイダルシリカを作る方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-173314
【特許文献2】特開2015-020916
【特許文献3】特開2003-089786
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
工業化されているケイ酸アルカリを水素型陽イオン交換樹脂に通液することで、ほとんどの陽イオン不純物は除去可能であるが、チタン、ボロン、酸化鉄などはイオン化していないために除去することはできない。そのため水素型陽イオン交換樹脂に通液した後、酸化剤と酸を加えて再度、水素型陽イオン交換樹脂に通液する。しかしながら、この方法ではチタンやボロンは除去可能であるが、アルミニウムや鉄が0.2ppm程度は残ってしまうという問題があった。
【0006】
高純度フュームドシリカには、チタンやボロンは非常に少なく、アルミニウムや鉄も少ないため、ケイ酸アルカリの材料としては向いている。またフュームドシリカは表面積が大きいため常圧で容易にアルカリ水溶液と反応しケイ酸アルカリとなる。したがって水素型陽イオン交換一回で高純度の合成シリカが得られるが、フュームドシリカ自体の価格が高いこと、また得られた合成シリカ粉のシラノール基含有量が高くなることの問題があった。
【0007】
工業用のケイ酸アルカリ水溶液を、陽イオン交換樹脂に通液した後、キレート樹脂に通液しても不純物は除去できない。それは水ガラス中のチタンや他の金属は酸化物として安定状態になっているからである。したがって、従来の方法では、半導体が必要とする純度に到達できなかった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は、工業用ケイ酸アルカリ水溶液を使用すると、超高純度のコロイダルシリカができない原因が、ケイ酸アルカリを調製する時のSiO2/Na2Oのモル比に関係することを突き止め、さらにケイ酸アルカリ中の未溶解のシリカが原因であることを発見した。
【0009】
そしてシリカあるいはケイ酸アルカリとアルカリ水溶液とを、SiO2/Na2Oのモル比が1.0から2.0になるように調合して加熱反応し、シリカが完全に反応したことを確認して、その後に酸化剤を加えてろ過し、ろ液をナトリウム型陽イオン交換樹脂に通し、そこに還元剤を加えて水素型陽イオン交換樹脂に通液することで、安価に超高純度のコロイダルシリカや合成シリカを作れることを見出した。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、超高純度の合成シリカ粉が安価に得られるため、高い紫外線透過率が必要なエキシマステッパー用レンズ材の原料として有用である。また高純度が必要とされる半導体熱処理部材の原料として最適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、アルカリ水溶液とシリカ粉あるいは工業用ケイ酸アルカリを用いて、SiO2/Na2Oのモル比が1.0から2.0になるように調合し、加熱反応してケイ酸アルカリを調製し、酸化剤を加えてろ過し、ろ液をナトリウム型陽イオン交換樹脂に通し、そこに還元剤を加えて水素型陽イオン交換樹脂に通液して高純度のコロイダルシリカを調製することを特徴とするものである。さらにこのコロイダルシリカをゲル化させ、凍結融解し、酸処理をしたのち、焼成して超高純度合成シリカ粉を作るものである。
【0012】
まずアルカリ水溶液とシリカ粉あるいは工業用ケイ酸アルカリを加熱反応させ、ケイ酸アルカリを調製するが、アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが使用できるが、イオン交換樹脂をナトリウム型陽イオン交換樹脂とする場合は、水酸化ナトリウムを使用しなければならない。アルカリ水溶液を水酸化カリウムとした場合には、陽イオン交換樹脂をカリウム型にしなければならず、コスト的に不利となるので、アルカリ水溶液としては水酸化ナトリウムを使用したほうが良い。シリカ粉は天然石英粉、石英ガラス粉、アモルファスシリカを使用することができるが、フュームドシリカやホワイトカーボンなどは高価であり、天然石英粉は珪肺を引き起こす危険性があるため、好ましくは石英ガラス粉、特に廃棄石英ガラスを粉砕したものが良い。加熱反応は、天然石英粉および石英ガラス粉の場合はオートクレーブが良い。オートクレーブは市販のオートクレーブを使用できるが、その材質は鉄、ステンレスを用いる。内面にフッ素樹脂などのライニングを施すと不純物の混入を避けることができるが、シリカは摩耗性が高く、フッ素樹脂などの樹脂が混入してしまうので好ましくない。また工業用のケイ酸アルカリと水酸化アルカリ水溶液との反応は常圧でもできる。
【0013】
アルカリ水溶液とシリカの配合比率は、調製するケイ酸アルカリにおけるSiO2/R2O(Rはアルカリ金属)のモル比で1から2になるように調整するが、好ましくは1.5から1.8である。オートクレーブの反応温度は摂氏150から200度とし、圧力は0.2から0.5MPaである。シリカを完全に反応させるには、反応を2,3時間でいったんやめ、ろ過した後、もう一度オートクレーブに戻して反応を再開し、2,3時間かけて未反応のシリカを無くすることが好ましい。
【0014】
一般的なケイ酸ナトリウムを製造する方法は、乾式法と呼ばれる方法である。それはシリカ粉、一般的には珪砂を用いて炭酸ナトリウムと約摂氏1400度で反応させて、ケイ酸ナトリウムカレットを調製し、オートクレーブで水に溶解するものであるが、SiO2/Na2Oのモル比が2.1~3.4が一般的である。このケイ酸ナトリウム溶液には、シリカ粒子の表面だけが反応した状態のシリカ粒子が多く含まれている。このケイ酸ナトリウム溶液を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に通液してもシリカ中の不純物は除去できない。その工業用ケイ酸アルカリに水酸化アルカリ水溶液をSiO2/R2O(Rはアルカリ金属)のモル比で1から2になるように加え、加熱反応することで完全に未溶解のシリカを無くすることができる。SiO2/R2O(Rはアルカリ金属)のモル比で1以下の場合は、水素型陽イオン交換樹脂に通液したときの発熱量が大きすぎるため、ゲル化する可能性があり、生産性が悪くなる。SiO2/R2O(Rはアルカリ金属)のモル比が2以上ではシリカが完全に溶解しない。
【0015】
反応を完結させた後にケイ酸アルカリ水溶液を取り出し、酸化剤を加える。この理由は、オートクレーブから混入した鉄を水酸化鉄から酸化鉄として析出するためである。酸化剤としては、酸素、オゾン、塩素、過酸化水素、酸化マンガン、過酸化マンガン酸カリウム、二クロム酸カリウムなどが使用できるが、過酸化水素が最も好ましい。過酸化水素の場合、加える量は、ケイ酸アルカリ中のシリカ濃度に対し、0.3から3重量%とする。ケイ酸アルカリ水溶液が摂氏50度から70度で加えると酸化鉄の粒子が短時間で大きくなり、沈殿を生じるので好ましい。
【0016】
次にこの水溶液をろ過して酸化鉄を除くのだが、ろ紙は5μmから0.1μmのものを使用する。好ましくは1μmから0.1μmが好ましい。ろ過方式は遠心法、減圧法、加圧法、プレス法を使用することができるが、ろ紙を用いた減圧法が好ましい。また磁選機を組み合わせることもよい方法である。
【0017】
ろ液にはイオン化したチタンやボロンなどが含まれているため、ケイ酸ナトリウムの場合は、ナトリウム型陽イオン交換に通液することでチタンやボロンを除去することができる。ケイ酸カリウムの場合は、カリウム型陽イオン交換樹脂を使用する。この反応は吸熱反応であり、ケイ酸アルカリの温度が高い方がよい。陽イオン交換樹脂の量はケイ酸アルカリ中のシリカ100kgに対し、イオン交換樹脂50L以上であればよい。この時、ナトリウム型陽イオン交換樹脂ではなく、水素型陽イオン交換樹脂を使用すると、ケイ酸アルカリ水溶液中のアルカリが水素と交換して、簡単にゲル化してしまう。
【0018】
次に通液されたケイ酸アルカリ水溶液に還元剤を加えて撹拌する。還元剤としては、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、シュウ酸などを使用できるが、チオ硫酸ナトリウムや亜硫酸ナトリウムが好ましい。加える量は先に加えた酸化剤の1.5倍量以上とする。これにより、ろ過、ナトリウム型イオン交換樹脂で除去できなかった金属不純物を水酸化物に戻す。
【0019】
ケイ酸アルカリをシリカ濃度4から8重量%に純水で希釈してから液を水素型陽イオン交換樹脂に通液する。この反応は発熱であるため、ゲル化しやすいので通液後の温度を摂氏40度以下に管理する必要がある。このイオン交換処理により、アルミニウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、リチウムなどのカチオン元素が水素イオンとの交換によりイオン交換樹脂に吸着される。
【0020】
水素型陽イオン交換樹脂に通液した溶液はコロイダルシリカゾル酸性溶液となる。水素イオン濃度は2から3となって安定している。これをゲル化させるには温度を上げるか水素イオン濃度を4から5とする必要がある。好ましくは水酸化アンモニウム水溶液によって水素イオン濃度を調製する。
【0021】
寒天状のシリカゲルを小分けして冷凍する。冷凍方式は、空気式、液体式、接触式、液化ガス式があるが、導入、ランニングコストから空気式が好ましい。凍結した後は、これを融解する。融解方法は、ヒーター式、マイクロウェーブ式、温水式などを用いることができる。この凍結・融解によりシリカゲルは粒状の粉体とすることができる。粒度分布を調製するためには、シリカゾルの段階でシリカ濃度を調製することで行われる。シリカ濃度が高ければ、シリカゲルの強度が高くなり、結果として粒径は大きくなる。逆にシリカ濃度が低ければ、シリカゲルの強度が低くなり、結果として粒径は小さくなる。
【0022】
得られたシリカゲル粉体を酸処理する。使用する酸は、塩酸、硫酸、硝酸、フッ酸のうち少なくとも一種類の酸を用いる。濃度は酸によっても異なるが、2重量%から8重量%のものを使用する。その後は酸が無くなるまで洗浄する。
【0023】
得られた粒状シリカゲルを乾燥する。その温度は摂氏300度以上とする。摂氏300度以下では遊離水を除去するのに長時間を有するため工業的でない。乾燥後のドライゲル粒子中の水分量は約50重量%であり、シラノール基含有量が非常に多いと言える。これはケイ酸アルカリを原料とする時の特徴である。したがって、シラノール基を減少させることは簡単ではない。そのドライゲル粒子を摂氏1200から1300度で焼成して細孔を消滅させ、シラノール基を減少させる。
【0024】
ここで評価方法について述べる。ケイ酸アルカリ中の未溶解シリカは、まずケイ酸アルカリを摂氏300度で乾燥し、粉末1gに2N塩酸30ミリリットルを加えて摂氏60度で加熱して溶解する。5種Bのろ紙でろ過し、残分を5%炭酸ナトリウム溶液30ミリリットルで摂氏80度加熱し、5種Bのろ紙でろ過し、十分な熱水で洗浄し、残分を摂氏1000度で加熱して、冷却後秤量した。また合成シリカ中の不純物の定量は合成シリカ粉をフッ酸で溶解し、蒸発乾固したのち硝酸で溶解してICP-MSにて定量した。
【実施例0025】
実施例について説明する。なお本発明はこの実施例に限ったものではない。
石英ガラス粉50から200メッシュ品800kgを3m3SUS316製オートクレーブに投入し、粒状水酸化ナトリウム630kgと純水1560Lを投入した。摂氏185度、圧力0.25MPaで5時間反応した。このケイ酸ナトリウム水溶液を摂氏60度でダイヤフラムポンプを用いて撹拌機付きのポリプロピレン製タンクに移送した。そこに35%過酸化水素水4.5kgを加え60分攪拌した。そのあと、5Cろ紙を使用して減圧ろ過した。その後ろ液をナトリウム型陽イオン交換樹脂500Lに通液した。
ダイヤフラムポンプを用いて撹拌機付きのポリプロピレン製タンクに移送した。そこにチオ硫酸ナトリウム粉末6.0kgを加えて60分撹拌した。純水を加えてシリカ濃度6重量%に希釈した。それを中空糸膜フィルター0.1ミクロンメーターでろ過して、6重量%1トンを水素型陽イオン交換樹脂2m3にSV値7で通液した。できたコロイダルシリカの水素イオン濃度は2.4であった。
このコロイダルシリカに10重量%濃度の水酸化アンモニウム水溶液を加え、水素イオン濃度が4.5になるようしてゲル化した。これを摂氏-30度の冷凍庫で6時間かけて冷凍した。その後この冷凍シリカゲルを摂氏80度の温水に投入して解凍した。この時シリカゲルは粒子状となり、脱水後の重量は134kgであった。
このシリカゲル粉体を34インチ石英ルツボに移し55Lの5%塩酸を加えて摂氏80から90度で1時間煮沸した。超純水を加えてダイヤフラムポンプで洗浄槽に移し、さらに超純水を加えて10分間オーバーフローし、ダイヤフラムポンプでポリプロピレン製の300メッシュのろ紙を使用し、減圧ろ過して脱水した。またシリカゲル粉を34インチの石英ルツボに戻し、超純水100Lを加えて1時間煮沸した。1時間後、超純水を加えてダイヤフラムポンプで洗浄槽に移し、さらに超純水を加えて10分間オーバーフローし、ダイヤフラムポンプでポリプロピレン製の300メッシュのろ紙を使用し、減圧濾過して脱水した。
このシリカゲル粉体をいったん摂氏700度の石英ガラス管内で乾燥し、30インチの石英ルツボに移し、電気炉に投入し、摂氏1270度で5時間焼成した。冷却後に取り出して総重量は58kgであった。
この合成シリカ中の不純物はアルミニウムが5ppb、鉄が7ppb、ナトリウム、カリウムおよびカルシウムが4から5ppb、リチウムは0.7ppbであった。その他不純物元素は各々5ppb以下であった。アルミニウム、チタン、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属の含有量は総計0.2ppmであった。