(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145855
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】媒体搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 29/58 20060101AFI20231004BHJP
B65H 15/00 20060101ALI20231004BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231004BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B65H29/58 A
B65H15/00 E
G03G15/00 463
B65H5/06 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052726
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】糸崎 佑甫
(72)【発明者】
【氏名】植原 牧雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 利尚
(72)【発明者】
【氏名】籾山 弘行
(72)【発明者】
【氏名】松本 匡史
【テーマコード(参考)】
2H072
3F049
3F053
3F102
【Fターム(参考)】
2H072AA09
2H072AA16
2H072AA22
2H072AA29
2H072AA32
2H072AB14
2H072AB15
2H072CB01
2H072FA01
2H072JA02
3F049AA10
3F049DA12
3F049DB02
3F049DB11
3F049EA24
3F049EA29
3F049LA03
3F049LB03
3F053EA01
3F053EB04
3F053EC02
3F053ED03
3F053ED31
3F053LA01
3F053LB01
3F102AA05
3F102AA07
3F102AB01
3F102CA03
3F102CB01
3F102EB02
3F102EC04
3F102FA08
(57)【要約】
【課題】媒体の案内手段が媒体の前端を案内後に媒体の前端以降の部位に接触する場合に比べて、媒体に記録される画像の損傷を抑制すること。
【解決手段】画像が記録された媒体(S)を案内する案内手段(1)であって、媒体(S)の搬送方向に対して湾曲する形状の前記案内手段(1)と、案内手段(1)が媒体(S)に接触する接触位置と、案内手段(1)が媒体(S)から離間する離間位置との間で、案内手段(1)を作動させる作動手段(2)と、を備え、媒体(S)の搬送方向の前端が案内手段(1)を通過するまでは案内手段(1)は接触位置に移動し、媒体(S)の搬送方向の前端が案内手段(1)を通過した後に、案内手段(1)が離間位置に移動することを特徴とする媒体搬送装置(SU)。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像が記録された媒体を案内する案内手段であって、媒体の搬送方向に対して湾曲する形状の前記案内手段と、
前記案内手段が媒体に接触する接触位置と、前記案内手段が前記媒体から離間する離間位置との間で、前記案内手段を作動させる作動手段と、
を備え、
媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過するまでは前記案内手段は前記接触位置に移動し、前記媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過した後に、前記案内手段が前記離間位置に移動する
ことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
画像が記録された媒体を案内する案内手段であって、媒体の搬送方向に対して湾曲する形状の前記案内手段と、
前記案内手段が媒体に接触する接触位置と、前記案内手段が前記媒体から離間する離間位置との間で、前記案内手段を作動させる作動手段と、
前記作動手段を制御する制御手段であって、媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過するまでは、前記案内手段を前記接触位置に移動させると共に、媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過した後に、前記案内手段を前記離間位置に移動させる前記制御手段と、
を備えたことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項3】
前記案内手段は、媒体の搬送路の湾曲する部分において、湾曲の外側に配置されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
一面目に画像が形成された後に表裏が反転されて二面目に画像が形成される媒体が搬送される反転路に配置され、前記一面目に対向して配置される前記案内手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
搬送される媒体の厚さ方向に沿って移動する前記案内手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
媒体の搬送方向に対して一方の端部に配置された回転軸を中心として前記接触位置と離間位置との間で移動する前記案内手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
媒体搬送方向に対して前記案内手段の下流側に配置され、媒体を検出する媒体検出手段と、
前記媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過した後、前記媒体検出手段が媒体を検出した場合に、前記案内手段が前記離間位置に移動する
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
前記案内手段に配置され、媒体から受ける圧力を検出する圧力検出手段と、
前記媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過した後、前記圧力検出手段が検出する圧力が予め定められた圧力に達した場合に、前記案内手段が前記離間位置に移動する
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項9】
媒体の種類が、予め定められた紙種の場合は、前記案内手段を離間位置に移動させない
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項10】
前記予め定められた紙種は、普通紙である
ことを特徴とする請求項9に記載の媒体搬送装置。
【請求項11】
媒体の搬送方向に沿って延びて媒体に接触する凸条部が、媒体の幅方向に対して間隔をあけて複数配置された前記案内手段、
を備えたことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項12】
媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で画像が形成された媒体を搬送する請求項1ないし11のいずれかに記載の媒体搬送装置と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像がこれから印刷されたり、印刷後の媒体を搬送する媒体搬送装置を有する画像形成装置において、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2019-74624号公報には、2次転写領域(Q4)と定着領域(Q5)との間で、画像未定着の記録用紙(S)を案内するガイド(1)について、2次転写領域(Q4)と定着領域(Q5)とで記録用紙(S)の搬送速度に差が発生して、記録用紙(S)が撓んでも、ガイド(1)が記録用紙(S)から離間する方向に移動することで、記録用紙(S)の搬送への悪影響を抑制し、転写不良や定着領域での紙しわの発生を抑制することが記載されている。特許文献1では、ガイド(1)はコイルバネ(4)で移動可能に支持される構成や、ソレノイド(31)で移動させる構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、媒体の案内手段が媒体の前端を案内後に媒体の前端以降の部位に接触する場合に比べて、媒体に記録される画像の損傷を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の媒体搬送装置は、
画像が記録された媒体を案内する案内手段であって、媒体の搬送方向に対して湾曲する形状の前記案内手段と、
前記案内手段が媒体に接触する接触位置と、前記案内手段が前記媒体から離間する離間位置との間で、前記案内手段を作動させる作動手段と、
を備え、
媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過するまでは前記案内手段は前記接触位置に移動し、前記媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過した後に、前記案内手段が前記離間位置に移動する
ことを特徴とする。
【0007】
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明の媒体搬送装置は、
画像が記録された媒体を案内する案内手段であって、媒体の搬送方向に対して湾曲する形状の前記案内手段と、
前記案内手段が媒体に接触する接触位置と、前記案内手段が前記媒体から離間する離間位置との間で、前記案内手段を作動させる作動手段と、
前記作動手段を制御する制御手段であって、媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過するまでは、前記案内手段を前記接触位置に移動させると共に、媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過した後に、前記案内手段を前記離間位置に移動させる前記制御手段と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の媒体搬送装置において、
前記案内手段は、媒体の搬送路の湾曲する部分において、湾曲の外側に配置されている
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
一面目に画像が形成された後に表裏が反転されて二面目に画像が形成される媒体が搬送される反転路に配置され、前記一面目に対向して配置される前記案内手段、
を備えたことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
搬送される媒体の厚さ方向に沿って移動する前記案内手段、
を備えたことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
媒体の搬送方向に対して一方の端部に配置された回転軸を中心として前記接触位置と離間位置との間で移動する前記案内手段、
を備えたことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
媒体搬送方向に対して前記案内手段の下流側に配置され、媒体を検出する媒体検出手段と、
前記媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過した後、前記媒体検出手段が媒体を検出した場合に、前記案内手段が前記離間位置に移動する
ことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
前記案内手段に配置され、媒体から受ける圧力を検出する圧力検出手段と、
前記媒体の搬送方向の前端が前記案内手段を通過した後、前記圧力検出手段が検出する圧力が予め定められた圧力に達した場合に、前記案内手段が前記離間位置に移動する
ことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
媒体の種類が、予め定められた紙種の場合は、前記案内手段を離間位置に移動させない
ことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の媒体搬送装置において、
前記予め定められた紙種は、普通紙である
ことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
媒体の搬送方向に沿って延びて媒体に接触する凸条部が、媒体の幅方向に対して間隔をあけて複数配置された前記案内手段、
を備えたことを特徴とする。
【0017】
前記技術的課題を解決するために、請求項12に記載の発明の画像形成装置は、
媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段で画像が形成された媒体を搬送する請求項1ないし11のいずれかに記載の媒体搬送装置と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1,2,12に記載の発明によれば、媒体の案内手段が媒体の前端を案内後に媒体の前端以降の部位に接触する場合に比べて、媒体に記録される画像の損傷を抑制できる。
請求項3に記載の発明によれば、湾曲の外側に膨らんだ媒体に案内手段が接触することが抑制できる。
請求項4に記載の発明によれば、両面印刷時の一面目の画像の損傷を抑制できる。
請求項5に記載の発明によれば、案内手段を媒体の厚さ方向に移動させて、媒体と案内手段との接触を抑制できる。
請求項6に記載の発明によれば、回転軸を中心として案内手段を移動させて、媒体と案内手段との接触を抑制できる。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、媒体の前端通過に応じて案内手段を離間位置に移動させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、媒体からの圧力の検出に応じて案内手段を離間位置に移動させることができる。
請求項9に記載の発明によれば、全ての紙種で離間位置に移動させる場合に比べて、無駄な作動、制御を抑制できる。
請求項10に記載の発明によれば、厚紙に比べて損傷が発生しにくい普通紙の場合でも離間位置に移動させる場合に比べて、無駄な作動、制御を抑制できる。
請求項11に記載の発明によれば、凸条部を有しない場合に比べて、搬送抵抗を抑制しつつ、離間位置への移動で損傷も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【
図2】
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
【
図3】
図3は実施例1の媒体搬送装置の説明図である。
【
図4】
図4は実施例1の案内手段の要部拡大図である。
【
図5】
図5は実施例1の案内手段の説明図であり、
図5Aは接触位置に移動した状態の説明図、
図5Bは離間位置に移動した状態の説明図である。
【
図6】
図6は実施例1の作用説明図であり、
図6Aは記録用紙の前端がシートガイドに差し掛かった状態の説明図、
図6Bは
図6Aの状態から記録用紙が下流側に搬送された状態の説明図、
図6Cは
図6Bの状態からさらに記録用紙が下流側に搬送された状態の説明図、
図6Dは
図6Cの状態からさらに記録用紙が下流側に搬送された状態の説明図である。
【
図7】
図7は実施例2のシートガイドの説明図であり、実施例1の
図3に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,-X,Y,-Y,Z,-Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例0022】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
図1において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、操作部の一例としてのユーザインタフェースUI、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1、媒体供給装置の一例としてのフィーダ部U2、画像記録装置の一例としての作像部U3、および媒体処理装置U4を有している。
【0023】
(ユーザインタフェースUIの説明)
ユーザインタフェースUIは、複写開始や複写枚数の設定などに用いられる入力ボタンUIaを有する。また、前記ユーザインタフェースUIは、前記入力ボタンUIaにより入力された内容や、複写機Uの状態が表示される表示部UIbを有する。
【0024】
(フィーダ部U2の説明)
図1において、フィーダ部U2は、媒体収容容器の一例としての複数の給紙トレイTR1,TR2,TR3,TR4を有している。また、前記フィーダ部U2は、前記各給紙トレイTR1~TR4に収容された画像記録用の媒体の一例としての記録用紙Sを取り出して、作像部U3に搬送する媒体供給路SH1等を有している。
【0025】
(作像部U3及び媒体処理装置U4の説明)
図1において、作像部U3は、前記フィーダ部U2から搬送された記録用紙Sにスキャナ部U1により読み取った原稿画像に基づいて画像記録を行う画像記録部U3aを有する。
図1、
図2において、作像部U3の潜像形成装置の駆動回路Dは、スキャナ部U1から入力された画像情報に基づいて、それに応じた駆動信号を予め設定された時期に、各色Y~Kの潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。書き込み手段の一例としての各潜像形成装置ROSy~ROSkの下方には、像保持手段の一例としての感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkが配置されている。
【0026】
回転する感光体ドラムPy~Pk表面は、それぞれ、帯電手段の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkにより一様に帯電される。表面が帯電された感光体ドラムPy~Pkの表面には、潜像形成装置ROSy~ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkにより静電潜像が形成される。感光体ドラムPy~Pkの表面の静電潜像は、現像手段の一例としての現像装置Gy,Gm,Gc,Gkによりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の可視像の一例としてのトナー像に現像される。
なお、現像装置Gy~Gkにおいて、現像により消費された現像剤は、現像剤の収容手段の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkから補給される。トナーカートリッジKy~Kkは、現像剤補給装置U3bに着脱可能に装着される。
【0027】
感光体ドラムPy~Pk表面上のトナー像は、転写手段の一例であって一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写手段の一例としての中間転写ベルトB上に1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色可視像の一例としてのカラートナー像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラートナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、K色の画像情報のみの場合はK色の感光体ドラムPkおよび現像装置Gkのみが使用され、K色のトナー像のみが形成される。
1次転写後の感光体ドラムPy~Pkは、像保持手段の清掃手段の一例としてのドラムクリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより、表面に付着した残留現像剤や紙粉等の残留物が除去される。
【0028】
実施例1では、感光体ドラムPk、帯電ロールCRk、ドラムクリーナCLkが、像保持体ユニットの一例としてのK色の感光体ユニットUKとして一体化されている。そして、他の色Y,M,Cについても同様に、感光体ドラムPy,Pm,Pc、帯電ロールCRy,CRm,CRc、ドラムクリーナCLy,CLm,CLcにより、感光体ユニットUY,UM,UCが構成されている。
また、K色の感光体ユニットUKと、現像剤保持手段の一例としての現像ロールR0kを有する現像装置Gkとにより、K色の像形成手段UK+Gkが構成される。同様に、Y,M,C色の感光体ユニットUY,UM,UCと、現像ロールR0y,R0m,R0cを有する現像装置Gy,Gm,Gcとにより、それぞれ、Y,M,C色の像形成手段UY+Gy,UM+Gm,UC+Gcが構成される。
【0029】
感光体ドラムPy~Pkの下方には、中間転写手段の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、像保持手段の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写手段の駆動手段の一例としての駆動ロールRd、張力付与手段の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止手段の一例としてのウォーキングロールRw、従動手段の一例としての複数のアイドラロールRfおよび対向手段の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写ロールT1y~T1kとを有する。中間転写ベルトBは矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
なお、実施例1のY,M,C色の1次転写ロールT1y,T1m,T1cは、感光体ドラムPy,Pm,Pcに対して接近、離間可能に支持されている。Y,M,C色の1次転写ロールT1y,T1m,T1cは、多色印刷(カラー印刷)の場合には、感光体ドラムPy~Pcに接近して中間転写ベルトBを、予め定められた接触圧で挟み込む。一方、黒色のみの単色印刷(モノクロ印刷)の場合には、感光体ドラムPy~Pcから離間する。
【0030】
前記バックアップロールT2aの下方には、2次転写ユニットUtが配置されている。前記2次転写ユニットUtは、2次転写手段の一例としての2次転写ロールT2bを有する。前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと接触する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、2次転写ロールT2bには、中間転写ベルトBを挟んで、対向手段の一例としてのバックアップロールT2aが対向している。バックアップロールT2aには、給電手段の一例としてのコンタクトロールT2cが接触している。コンタクトロールT2cには、トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記バックアップロールT2a、2次転写ロールT2b及びコンタクトロールT2cにより、転写手段の一例としての2次転写器T2が構成されている。
なお、実施例1の2次転写ユニットUtは、中間転写ベルトBに対して接近、離間方向に移動可能に構成されている。使用される記録用紙Sの種類に応じて2次転写ユニットUtが移動して2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとの接触圧を変化させる。例えば、厚紙が使用される場合には、普通紙を使用する場合に比べて接触圧を弱めて、厚紙の前端が2次転写領域Q4に突入する際の衝撃を緩和することが可能である。
【0031】
前記ベルトモジュールBMの下方には、媒体の搬送路SH2が配置されている。前記フィーダ部U2の媒体供給路SH1から給紙された記録用紙Sは、媒体の搬送手段の一例としての搬送ロールRaにより、搬送時期の調節手段の一例としてのレジロールRrに搬送される。レジロールRrは、中間転写ベルトB上に形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、記録用紙Sを下流側に搬送する。レジロールRrにより送り出された記録用紙Sは、レジ側の用紙ガイドSGr、転写前の用紙ガイドSG1で案内されて、2次転写領域Q4に搬送される。
中間転写ベルトB上のトナー像は、2次転写領域Q4を通過する際に、2次転写器T2により記録用紙Sに転写される。なお、カラートナー像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録用紙Sに2次転写される。
前記1次転写ロールT1y~T1k、前記2次転写器T2、中間転写ベルトBにより、実施例1の転写装置(転写手段)T1y~T1k+T2+Bが構成されている。
【0032】
2次転写後の中間転写ベルトBは、2次転写領域Q4の下流側に配置された中間転写手段の清掃手段の一例としてのベルトクリーナCLBにより清掃される。ベルトクリーナCLBは、2次転写領域Q4において、転写されずに残った現像剤や紙粉などの残留物を、中間転写ベルトBから除去する。
【0033】
トナー像が転写された記録用紙Sは、転写後の用紙ガイドSG2で案内されて、媒体搬送手段の一例としてのベルト搬送装置BHに送られる。ベルト搬送装置BHは、記録用紙Sを定着装置Fに搬送する。
定着装置Fは、加熱手段の一例としての加熱ロールFhと加圧手段の一例としての加圧ロールFpとを有する。記録用紙Sは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが接触する領域である定着領域Q5に搬送される。記録用紙Sのトナー像は、定着領域Q5を通過する際に、定着装置Fにより加熱および加圧されて、定着される。
前記像形成手段UY+Gy~UK+Gk、転写装置T1y~T1k+T2+B、定着装置Fにより、実施例1の画像形成手段の一例としての画像記録部U3aが構成されている。
【0034】
前記定着装置Fの下流側には、切替手段の一例としての第1のゲートGT1が設けられている。前記第1のゲートGT1は、定着領域Q5を通過した記録用紙Sを、媒体処理装置U4側の排出路SH3または反転路SH4のいずれかに、選択的に切り替える。排出路SH3に搬送された記録用紙Sは、媒体処理装置U4の用紙搬送路SH5に搬送される。用紙搬送路SH5には、反りの補正手段の一例としてのカール補正部材U4aが配置されている。カール補正部材U4aは、搬入された記録用紙Sの反り、いわゆるカールを補正する。カールが補正された記録用紙Sは、媒体の排出部材の一例としての排出ロールRhにより、媒体の排出部の一例としての排出トレイTH1に、用紙の画像定着面が上向きで排出される。
【0035】
前記第1のゲートGT1により作像部U3の反転路SH4側に搬送された記録用紙Sは、切替部材の一例としての第2のゲートGT2を通って作像部U3の反転路SH4に搬送される。
このとき、記録用紙Sの画像定着面を下向きに排出する場合には、第2のゲートGT2を記録用紙Sの搬送方向後端が通過した後に、記録用紙Sの搬送方向を逆転させる。第2のゲートGT2を通過した記録用紙Sが反転、いわゆるスイッチバックされてくると、記録用紙Sは搬送路SH3,SH5側に案内される。そして、スイッチバックされた記録用紙Sは、カール補正部材U4aを通過して、画像定着面が下を向いた状態で排出トレイTH1に排出される。
【0036】
前記作像部U3の反転路SH4には循環路SH6が接続されており、その接続部には、切替手段の一例としての第3のゲートGT3が配置されている。また、反転路SH4の下流端は、媒体処理装置U4の反転路SH7に接続されている。
前記第1のゲートGT1を通って反転路SH4に搬送された記録用紙Sは、第3のゲートGT3により前記媒体処理装置U4の反転路SH7側に搬送される。実施例1の第3のゲートGT3は、薄膜状の弾性部材により構成されている。したがって、第3のゲートGT3は、反転路SH4を搬送されてきた記録用紙Sを、一旦通過させ、通過した記録用紙Sがスイッチバックされてくると、循環路SH6側に案内する。
【0037】
前記循環路SH6に搬送された記録用紙Sは、媒体の搬送路SH2を通って2次転写領域Q4に再送され、二面目の印刷が行われる。
前記符号SH1~SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH,GT1~GT3で示された要素により、実施例1の用紙搬送装置SUが構成されている。
【0038】
(媒体搬送装置の説明)
図3は実施例1の媒体搬送装置の説明図である。
図4は実施例1の案内手段の要部拡大図である。
図3において、媒体搬送装置の一例としての実施例1の用紙搬送装置SUは、案内手段の一例としてのシートガイド1を有する。シートガイド1は、第1のゲートGT1と第2のゲートGT2との間で、反転路SH4の湾曲した部分に配置されている。
図4において、シートガイド1は、記録用紙Sの幅に対応する幅を有する基部1aと、基部1aから記録用紙S側に突出する凸条部1bとを有する。凸条部1bの表面は、記録用紙Sの搬送方向に沿って表面が弧状に形成されている。また、凸条部1bは、記録用紙Sの幅方向に対して間隔をあけて複数配置されている。
【0039】
図5は実施例1の案内手段の説明図であり、
図5Aは接触位置に移動した状態の説明図、
図5Bは離間位置に移動した状態の説明図である。
図3において、シートガイド1の基部1aは、作動手段の一例としてのソレノイド2のプランジャ2aの先端に支持されている。プランジャ2aには、付勢部材の一例としてのコイルバネ3が装着されている。
ソレノイド2の非作動時は、コイルバネ3の弾性力でプランジャ2aが伸びた状態となる。よって、シートガイド1は、
図5Aに示すように、反転路SH4の内側に移動して、記録用紙Sに接触する接触位置にシートガイド1が移動する。また、ソレノイド2の作動時は、電磁力でプランジャ2aが縮む。したがって、シートガイド1は、
図5Bに示すように、反転路SH4から退避する方向に移動して、シートガイド1が記録用紙Sから離間する離間位置にシートガイド1が移動する。したがって、実施例1のシートガイド1は、ソレノイド2の作動に伴って、搬送される記録用紙Sの厚さ方向に沿って移動、いわゆる、スライド移動する。
第2のゲートGT2の下流側の搬送ロールRaの近傍には、媒体検出手段の一例としてのシートセンサSN1が配置されている。シートセンサSN1は、記録用紙Sを検出する。したがって、記録用紙Sの有無の検出結果から、記録用紙Sの前端や後端の通過や、紙詰まりが検出可能である。
【0040】
(実施例1の制御部の説明)
図3において、複写機Uの制御手段の一例としての制御部(コントローラ)Cは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、制御部Cは、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリを有する。また、制御部Cは、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリを有する。また、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。したがって、実施例1の制御部Cは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されている。よって、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
実施例1の制御部Cは、シートセンサSN1等の信号出力要素からの信号が入力され、ソレノイド2やゲートGT1~GT3等の被制御要素に信号を出力して制御する。
【0041】
(制御部Cの機能)
実施例1の制御部Cは以下の機能手段(機能モジュール、プログラムモジュール)C1~C3を有する。
媒体の種類の判別手段の一例としての紙種判別手段C1は、使用される記録用紙Sの種類を判別する。実施例1では、媒体の種類の一例として、普通紙、薄紙、厚紙等の種類を判別する。なお、媒体の種類の判別は、例示した方法に限定されず、用紙坪量や曲げこわさ(剛性、いわゆる、紙の腰)等に基づいて判別することも可能である。
媒体の位置検出手段の一例としてのシート検出手段C2は、シートセンサSN1の検知結果に基づいて、記録用紙Sの前端がシートセンサSN1の位置を通過したか、すなわち、シートガイド1の位置を記録用紙Sの前端が既に通過しているか否かを判別する。
【0042】
作動制御手段の一例としてのソレノイド制御手段C3は、ソレノイド2を制御する。実施例1のソレノイド制御手段C3は、両面印刷が行われる場合に、一面目の画像が印刷された記録用紙Sが反転路SH4に搬送されるまでは、ソレノイド2が非作動の状態に制御されて、シートガイド1が接触位置に保持される。また、ソレノイド制御手段C3は、記録用紙Sの搬送方向の前端がシートガイド1を通過すると、ソレノイド2が作動状態に制御されて、シートガイド1が離間位置に移動する。なお、実施例1では、記録用紙SがシートセンサSN1に検出された場合に、記録用紙Sの搬送方向の前端がシートガイド1を通過したと判別する。また、実施例1のソレノイド制御手段C3は、紙種が厚紙の場合に離間位置に移動させる制御を行うが、紙種が普通紙や薄紙の場合には、離間位置に移動させずに接触位置で保持する。
【0043】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、両面印刷が行われる場合には、一面目の画像が定着された記録用紙Sが反転路SH4に搬送され、循環路SH6に送られる。循環路SH6を搬送された記録用紙Sは、表裏が反転された状態で2次転写領域Q4に送られ二面目の画像が転写される。
【0044】
図6は実施例1の作用説明図であり、
図6Aは記録用紙の前端がシートガイドに差し掛かった状態の説明図、
図6Bは
図6Aの状態から記録用紙が下流側に搬送された状態の説明図、
図6Cは
図6Bの状態からさらに記録用紙が下流側に搬送された状態の説明図、
図6Dは
図6Cの状態からさらに記録用紙が下流側に搬送された状態の説明図である。
図6Aにおいて、一面目の画像が定着された記録用紙Sは、反転路SH4に送られると、搬送方向の前端が、接触位置のシートガイド1に接触して案内される。そして、前端が下流側の搬送ロールRaに到達すると、シートガイド1が退避位置に移動する。
定着後の記録用紙Sに接触するシートガイドが移動不能な従来構成の場合、記録シートSの表面に擦過傷が発生して、画像が損傷し、印刷物の価値を損なう問題がある。これに対して、実施例1のシートガイド1は、記録用紙Sの前端を案内した後は、離間位置に移動して、記録用紙Sの前端以降の部分には接触しにくくなっている。したがって、記録用紙Sに擦過傷が発生しにくくなっている。
【0045】
また、実施例1のシートガイド1は、反転路SH4の湾曲する位置に配置されている。したがって、記録用紙Sも湾曲して搬送され、平坦状な姿勢で搬送される場合に比べて、記録用紙Sの姿勢が安定しにくい(膨らんだ姿勢になりやすい)。特に、実施例1の構成では、印刷時には常時使用される第1のゲートGT1の上流側の搬送ロールRa1と、両面印刷時には使用されない第2のゲートGT2の下流側の搬送ロールRa2とで、経時的な摩耗が異なることがあり、2つの搬送ロールRa1,Ra2の間で搬送速度差が発生することがある。よって、2つのロールRa1,Ra2間で記録用紙Sが弛んで、湾曲した反転路SH4では膨らんだ状態となることがある。そして、シートガイド1が離間位置に移動しない構成では記録用紙Sがシートガイド1に接触しやすいが、これに比べて、シートガイド1が離間位置に移動する実施例1では、記録用紙Sに接触しにくく、画像の損傷が抑制される。
特に、実施例1のシートガイド1は、記録用紙Sの定着直後の画像面に対向する位置である、反転路SH4の湾曲部分において湾曲の外側に配置されている。定着から間もない位置では、一度溶けたトナーが冷え切っていない(固まり切っていない)場合があり、シートガイド1が画像面に接触すると損傷しやすい。これに対して、実施例1では、画像面に対向するシートガイド1が離間位置に移動しており、画像の損傷が抑制される。
【0046】
また、実施例1のシートガイド1は、ソレノイド2の作動に伴って、記録用紙Sの厚み方向にスライド移動する。記録用紙Sの搬送方向に対して、上流側と下流側でシートガイド1の移動距離が異なると、上流側または下流側で記録用紙Sが接触しやすい場合があるが、実施例1ではスライド移動で安定して記録用紙Sからシートガイド1が離間される。よって、シートガイド1と記録用紙Sとの接触が安定して抑制されやすく、画像の損傷が抑制されやすい。
さらに、実施例1では、シートセンサSN1の検出結果に基づいて、シートガイド1を移動させている。シートガイド1へ記録用紙Sが実際に接触したことを検出した場合にシートガイド1を移動させる構成とすることも可能であるが、この場合、検出された接触時の擦過傷の発生は防ぐことができない。これに対して、実施例1では、シートガイド1へ記録用紙Sが実際に接触しなくても、シートガイド1を離間位置に移動させることが可能であり、擦過傷の発生が抑制される。
【0047】
また、実施例1では、紙種が厚紙の場合に、シートガイド1を離間位置に移動させるが、普通紙の場合は離間位置に移動させない。厚紙の場合は、曲げこわさが高く、湾曲しにくい。よって、厚紙がシートガイド1に接触する際の接触圧が高くなりやすく、接触圧が低い場合に比べて、損傷しやすい。一方で、普通紙や薄紙は、厚紙に比べると、湾曲しやすく、接触圧が低く、損傷しにくい。よって、湾曲しにくい厚紙の場合はシートガイド1を退避させて画像の損傷を抑制すると共に、湾曲しやすい普通紙等の場合はシートガイド1を接触位置で保持して無駄な動作、制御や電力消費を削減することが可能である。
【0048】
さらに、実施例1のシートガイド1は凸条部1bを有している。凸条部1bを設けた場合、凸条部を有しない場合に比べて、記録用紙Sとシートガイド1との接触面積が減少し、搬送抵抗を減少させることが可能である。一方で、接触面積が減少すると、接触圧は上昇し、記録用紙Sで接触する部分で、筋状の擦過傷、画像の損傷が発生しやすい。これに対して、実施例1のシートガイド1は、記録用紙Sの前端の案内時は凸条部1bが接触して搬送抵抗が少ない状態で案内しつつ、記録用紙Sの前端が通過すると退避位置に移動して、記録用紙Sの擦過傷を抑制している。
作動制御手段の一例としてのモータ制御手段C5は、モータ12を制御する。実施例2のモータ制御手段C5は、両面印刷が行われる場合に、一面目の画像が印刷された記録用紙Sが反転路SH4に搬送されるまでは、モータ12を制御してシートガイド1′を接触位置にする。また、モータ制御手段C5は、記録用紙Sの搬送方向の前端がシートガイド1′を通過した後に、ロードセルSN2が検出する圧力が予め定められた圧力(閾値)に達すると、モータ12を制御して、シートガイド1′を離間位置に移動させる。また、実施例2のモータ制御手段C5は、紙種が厚紙または薄紙の場合に離間位置に移動させる制御を行うが、紙種が普通紙の場合には、離間位置に移動させずに接触位置で保持する。
なお、閾値は、擦過傷の発生しやすさが上昇する0.02N/mm2を使用することが望ましいが、これに限定されない。反転路SH4の湾曲の曲率や、湾曲の始まりと終わりの搬送方向成す角、記録用紙Sの曲げこわさ等に応じて、適宜変更可能である。また、閾値は、厚紙と薄紙とで異なる値を使用することも可能であり、紙種ごとに変更することが可能である。
(H02)前記実施例において、シートガイド1,1′は、反転路SH4に配置する場合を例示したが、これに限定されない。搬送路の任意の位置に配置することが可能である。ここで、擦過傷は湾曲した部分で発生しやすいことから、湾曲した部分にシートガイド1,1′を設けることが望ましいが、平坦な場所に設けることも可能である。また、湾曲した部分の外側の方が撓んだ記録用紙との接触が発生しやすいが、張った記録用紙が接触しやすい湾曲の内側に適用することも可能である。よって、シートガイド1,1′は、一面目の画像面に対向する側ではなく、画像面とは反対側に配置して、二面目、すなわち、これから画像が印刷される面が損傷することを抑制することも可能である。
(H03)前記実施例において、作動手段として、ソレノイド2とモータ12を例示したが、例示した構成に限定されない。リンク機構やギア列、クラッチ等を組み合わせた構成とすることも可能である。また、離間位置と接触位置の2段階に限定されず、中間位置等も含む3段階以上でシートガイド1,1′を移動させる構成とすることも可能である。
(H04)前記実施例において、第2のゲートGT2の下流側のシートセンサSN1で前端の通過を判別したが、これに限定されない。第1のゲートGT1の上流側のシートセンサを通過してからの時間で判別したり、給紙のタイミングやレジロールRrで送り出したタイミング等、任意のタイミングからの経過時間に基づいて判別が可能である。
(H05)前記実施例において、普通紙の場合は離間位置に移動させない構成を例示したが、これに限定されない。普通紙の場合も離間位置に移動させることが可能である。
(H06)前記実施例において、凸条部1bを有するシートガイド1を例示したが、これに限定されない。凸条部1bを有しない構成とすることも可能である。他にも、複数の半球状の突起を設けた構成としたり、複数の孔を形成した構成とする等、搬送抵抗を減少させる任意の構成を適用可能である。