(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145856
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】媒体搬送装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 15/00 20060101AFI20231004BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231004BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B65H15/00 A
B65H15/00 B
G03G15/00 450
G03G21/00 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052727
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100085040
【弁理士】
【氏名又は名称】小泉 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100108925
【弁理士】
【氏名又は名称】青谷 一雄
(74)【代理人】
【識別番号】100087343
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 智廣
(72)【発明者】
【氏名】江口 裕丈
(72)【発明者】
【氏名】廣江 伸弘
(72)【発明者】
【氏名】出口 宏治
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 潔
(72)【発明者】
【氏名】後藤 康伸
(72)【発明者】
【氏名】小池 克典
(72)【発明者】
【氏名】中田 菜摘
(72)【発明者】
【氏名】松崎 好樹
【テーマコード(参考)】
2H072
2H270
3F102
【Fターム(参考)】
2H072AA09
2H072AA13
2H072AA23
2H072AA29
2H072AB09
2H072CA01
2H072JA02
2H270LC02
2H270LC10
2H270MC70
2H270MC71
2H270MD11
2H270ZC03
2H270ZC04
3F102AA01
3F102AB01
3F102BA02
3F102BA03
3F102BB02
3F102BB04
3F102BB07
3F102CA03
3F102CB01
3F102DA06
3F102EA03
3F102FA04
(57)【要約】
【課題】媒体の前端を突き当てる媒体の傾斜補正と、媒体の幅方向の位置補正とを順に行う構成に比べて、傾斜補正不足の発生を抑制すること。
【解決手段】幅方向に媒体(S)を移動させて媒体(S)の幅方向の位置を補正する位置補正部(Rr)と、位置補正部(Rr)よりも上流側で、媒体(S)の搬送方向に対する媒体(S)の傾斜の補正を行う第1の傾斜補正部(2)と、媒体の搬送方向に対して第1の傾斜補正部(2)よりも上流側で、媒体(S)の搬送方向に対する媒体の傾斜の補正を行う第2の傾斜補正部(21)と、を備えた媒体搬送装置。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送すると共に、媒体の幅方向に媒体を移動させて媒体の幅方向の位置を補正する位置補正部と、
媒体の搬送路に配置され、媒体の搬送方向に対する媒体の傾斜の補正を行う第1の傾斜補正部と、
媒体の搬送方向に対して前記第1の傾斜補正部よりも上流側で、媒体の搬送方向に対する媒体の傾斜の補正を行う第2の傾斜補正部と、
を備えたことを特徴とする媒体搬送装置。
【請求項2】
前記第2の傾斜補正部は、媒体幅方向に離れて配置された2つの傾斜補正部材を有し、各傾斜補正部材は媒体搬送時に個別に駆動可能であり、一方の傾斜補正部材と他方の傾斜補正部材での媒体の搬送に差を発生させることで、媒体の傾斜の補正を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の媒体搬送装置。
【請求項3】
前記一方の傾斜補正部材と前記他方の傾斜補正部材とで媒体の搬送速度を変えることで、媒体の搬送に差を発生させる
ことを特徴とする請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項4】
前記一方の傾斜補正部材と前記他方の傾斜補正部材とで媒体の搬送速度を変化させる時期を変えることで、媒体の搬送に差を発生させる
ことを特徴とする請求項2に記載の媒体搬送装置。
【請求項5】
前記第2の傾斜補正部で媒体の傾斜の補正を行っている期間は、前記2つの傾斜補正部材を除いて、媒体を搬送する部材を媒体から離間させる
ことを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項6】
媒体の搬送方向の長さに応じて、媒体から離間させる部材が選択される
ことを特徴とする請求項5に記載の媒体搬送装置。
【請求項7】
媒体の種類が、予め定められた傾斜が大きくなりやすい紙種の場合に前記第2の傾斜補正部を使用した媒体の傾斜の補正を行う
ことを特徴とする請求項2ないし6のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項8】
前記第1の傾斜補正部は、媒体の搬送方向の前端が突き当てられることで、媒体の傾斜の補正を行う
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項9】
前記第1の傾斜補正部で媒体の傾斜の補正を行っている期間は、前記第1の傾斜補正部を除いて、媒体を搬送する部材を媒体から離間させる
ことを特徴とする請求項8に記載の媒体搬送装置。
【請求項10】
媒体の搬送方向の長さに応じて、媒体から離間させる部材が選択される
ことを特徴とする請求項9に記載の媒体搬送装置。
【請求項11】
前記位置補正部は、媒体搬送方向に対して前記第1の傾斜補正部よりも下流側に配置された第1の位置補正部材と、前記第1の傾斜補正部よりも上流側に配置された第2の位置補正部材と、を有し、前記第1の位置補正部材と前記第2の位置補正部材とで媒体が保持された状態で、前記第1の位置補正部材と前記第2の位置補正部材とが媒体の幅方向に移動することで、媒体の幅方向の位置を補正する
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項12】
前記位置補正部で媒体の幅方向の位置の補正を行っている期間は、前記位置補正部を除いて、媒体を搬送する部材を媒体から離間させる
ことを特徴とする請求項11に記載の媒体搬送装置。
【請求項13】
前記第1の位置補正部材と前記第2の位置補正部材との間の媒体の搬送路は、弧状に形成されている
ことを特徴とする請求項11または12に記載の媒体搬送装置。
【請求項14】
媒体の種類が、予め定められた搬送抵抗が大きな紙種の場合には前記第1の位置補正部材と前記第2の位置補正部材とを使用して媒体の幅方向の位置の補正を行い、媒体の種類が予め定められた搬送抵抗が小さな紙種の場合には前記第1の位置補正部材のみを使用して媒体の幅方向の位置の補正を行う
ことを特徴とする請求項11ないし13のいずれかに記載の媒体搬送装置。
【請求項15】
媒体を搬送する請求項1ないし14のいずれかに記載の媒体搬送装置と、
媒体に画像を形成する画像形成手段と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体搬送装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像がこれから印刷されたり、印刷後の媒体を搬送する媒体搬送装置において、以下の特許文献1に記載の技術が知られている。
【0003】
特許文献1としての特開2008-1473号公報には、軸方向に離れて配置された斜行補正ローラ(21,22)と、斜行補正ローラ(21,22)の下流側の横レジローラ対(30)とを備えた構成が記載されている。特許文献1では、シート(S)が斜行補正ローラ(21,22)で挟まれると、横レジローラ対(30)はシート(S)を挟まないように互いに離間した状態となり、シート(S)の先端の斜行量に応じて、2つの斜行補正ローラ(21,22)の搬送速度に差をつけることで、シート(S)の斜行が補正される。次に、斜行が補正されたシート(S)は、斜行補正ローラ(21,22)の下流側の横レジローラ対(30)で挟まれ、斜行補正ローラ(21,22)がシート(S)から離間した後、横レジローラ対(30)が軸方向に移動してシート(S)の横端の位置を横レジ位置に移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、媒体の前端を突き当てる媒体の傾斜補正と、媒体の幅方向の位置補正とを順に行う構成に比べて、傾斜補正不足の発生を抑制することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の媒体搬送装置は、
媒体を搬送すると共に、媒体の幅方向に媒体を移動させて媒体の幅方向の位置を補正する位置補正部と、
媒体の搬送路に配置され、媒体の搬送方向に対する媒体の傾斜の補正を行う第1の傾斜補正部と、
媒体の搬送方向に対して前記第1の傾斜補正部よりも上流側で、媒体の搬送方向に対する媒体の傾斜の補正を行う第2の傾斜補正部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の媒体搬送装置において、
前記第2の傾斜補正部は、媒体幅方向に離れて配置された2つの傾斜補正部材を有し、各傾斜補正部材は媒体搬送時に個別に駆動可能であり、一方の傾斜補正部材と他方の傾斜補正部材での媒体の搬送に差を発生させることで、媒体の傾斜の補正を行う
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の媒体搬送装置において、
前記一方の傾斜補正部材と前記他方の傾斜補正部材とで媒体の搬送速度を変えることで、媒体の搬送に差を発生させる
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の媒体搬送装置において、
前記一方の傾斜補正部材と前記他方の傾斜補正部材とで媒体の搬送速度を変化させる時期を変えることで、媒体の搬送に差を発生させる
ことを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項2ないし4のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
前記第2の傾斜補正部で媒体の傾斜の補正を行っている期間は、前記2つの傾斜補正部材を除いて、媒体を搬送する部材を媒体から離間させる
ことを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の媒体搬送装置において、
媒体の搬送方向の長さに応じて、媒体から離間させる部材が選択される
ことを特徴とする。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項2ないし6のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
媒体の種類が、予め定められた傾斜が大きくなりやすい紙種の場合に前記第2の傾斜補正部を使用した媒体の傾斜の補正を行う
ことを特徴とする。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項1ないし7のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
前記第1の傾斜補正部は、媒体の搬送方向の前端が突き当てられることで、媒体の傾斜の補正を行う
ことを特徴とする。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の媒体搬送装置において、
前記第1の傾斜補正部で媒体の傾斜の補正を行っている期間は、前記第1の傾斜補正部を除いて、媒体を搬送する部材を媒体から離間させる
ことを特徴とする。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の媒体搬送装置において、
媒体の搬送方向の長さに応じて、媒体から離間させる部材が選択される
ことを特徴とする。
【0016】
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし10のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
前記位置補正部は、媒体搬送方向に対して前記第1の傾斜補正部よりも下流側に配置された第1の位置補正部材と、前記第1の傾斜補正部よりも上流側に配置された第2の位置補正部材と、を有し、前記第1の位置補正部材と前記第2の位置補正部材とで媒体が保持された状態で、前記第1の位置補正部材と前記第2の位置補正部材とが媒体の幅方向に移動することで、媒体の幅方向の位置を補正する
ことを特徴とする。
【0017】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の媒体搬送装置において、
前記位置補正部で媒体の幅方向の位置の補正を行っている期間は、前記位置補正部を除いて、媒体を搬送する部材を媒体から離間させる
ことを特徴とする。
【0018】
請求項13に記載の発明は、請求項11または12に記載の媒体搬送装置において、
前記第1の位置補正部材と前記第2の位置補正部材との間の媒体の搬送路は、弧状に形成されている
ことを特徴とする。
【0019】
請求項14に記載の発明は、請求項11ないし13のいずれかに記載の媒体搬送装置において、
媒体の種類が、予め定められた搬送抵抗が大きな紙種の場合には前記第1の位置補正部材と前記第2の位置補正部材とを使用して媒体の幅方向の位置の補正を行い、媒体の種類が予め定められた搬送抵抗が小さな紙種の場合には前記第1の位置補正部材のみを使用して媒体の幅方向の位置の補正を行う
ことを特徴とする。
【0020】
前記技術的課題を解決するために、請求項15に記載の発明の画像形成装置は、
媒体を搬送する請求項1ないし14のいずれかに記載の媒体搬送装置と、
媒体に画像を形成する画像形成手段と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
請求項1,15に記載の発明によれば、媒体の前端を突き当てる媒体の傾斜補正と、媒体の幅方向の位置補正とを順に行う構成に比べて、傾斜補正不足の発生を抑制することができる。
請求項2に記載の発明によれば、2つの傾斜補正部材を個別に駆動して媒体の傾斜を補正できる。
請求項3に記載の発明によれば、2つの傾斜補正部材に搬送速度差をつけて、媒体の傾斜を補正できる。
請求項4に記載の発明によれば、2つの傾斜補正部材で搬送速度を変化させる時期を変えて、媒体の傾斜を補正できる。
【0022】
請求項5に記載の発明によれば、傾斜補正部材以外の搬送する部材を媒体から離間させない場合に比べて、傾斜補正を確実にできる。
請求項6,10に記載の発明によれば、媒体の搬送方向の長さに応じて、搬送する部材を離間させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、傾斜が大きくなりやすく、傾斜補正が不足しやすい紙種の場合に、第2の傾斜補正部で傾斜の補正を行って、傾斜補正不足の発生を抑制できる。
請求項8に記載の発明によれば、第1の傾斜補正部で突き当てない場合に比べて、確実に傾斜を補正できる。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、第1の傾斜補正部以外の媒体を搬送する部材を離間させない場合に比べて、第1の傾斜補正部で傾斜を確実に補正できる。
請求項11に記載の発明によれば、2つの位置補正部で位置の補正をしない場合に比べて、搬送方向の長さが長い媒体でも、確実に位置を補正できる。
請求項12に記載の発明によれば、位置補正部以外の媒体を搬送する部材を離間させない場合に比べて、媒体の位置を確実に補正できる。
請求項13に記載の発明によれば、媒体の搬送路が弧状で位置補正時の抵抗が大きな場合でも、2つの位置補正部を使用しない場合に比べて、確実に位置の補正ができる。
請求項14に記載の発明によれば、搬送抵抗が小さな場合には、1つの位置補正部のみで位置の補正を行うことができ、搬送抵抗が大きな場合には、2つの位置補正部で位置の補正を確実にできる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
【
図2】
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
【
図3】
図3は実施例1の媒体搬送装置の説明図である。
【
図4】
図4は実施例1の媒体搬送装置における位置補正部と傾斜補正部の位置関係の説明図である。
【
図6】
図6は実施例1の作用説明図であり、
図6Aはスキュー量検出時の説明図、
図6Bは粗調整動作時の説明図、
図6Cは粗調整終了後の状態の説明図、
図6Dは微調整実行時の説明図、
図6Eはサイドシフト補正時の説明図である。
【
図7】
図7は実施例1のスキュー補正およびサイドシフト動作のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,-X,Y,-Y,Z,-Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【実施例0026】
図1は実施例1の画像形成装置の全体説明図である。
図2は実施例1の可視像形成装置の拡大説明図である。
図1において、画像形成装置の一例としての複写機Uは、操作部の一例としてのユーザインタフェースUI、画像読取装置の一例としてのスキャナ部U1、媒体供給装置の一例としてのフィーダ部U2、画像記録装置の一例としての作像部U3、および媒体処理装置U4を有している。
【0027】
(ユーザインタフェースUIの説明)
ユーザインタフェースUIは、複写開始や複写枚数の設定などに用いられる入力ボタンUIaを有する。また、前記ユーザインタフェースUIは、前記入力ボタンUIaにより入力された内容や、複写機Uの状態が表示される表示部UIbを有する。
【0028】
(フィーダ部U2の説明)
図1において、フィーダ部U2は、媒体収容容器の一例としての複数の給紙トレイTR1,TR2,TR3,TR4を有している。また、前記フィーダ部U2は、前記各給紙トレイTR1~TR4に収容された画像記録用の媒体の一例としての記録用紙Sを取り出して、作像部U3に搬送する媒体供給路SH1等を有している。
【0029】
(作像部U3及び媒体処理装置U4の説明)
図1において、作像部U3は、前記フィーダ部U2から搬送された記録用紙Sにスキャナ部U1により読み取った原稿画像に基づいて画像記録を行う画像記録部U3aを有する。
図1、
図2において、作像部U3の潜像形成装置の駆動回路Dは、スキャナ部U1から入力された画像情報に基づいて、それに応じた駆動信号を予め設定された時期に、各色Y~Kの潜像形成装置ROSy,ROSm,ROSc,ROSkに出力する。書き込み手段の一例としての各潜像形成装置ROSy~ROSkの下方には、像保持手段の一例としての感光体ドラムPy,Pm,Pc,Pkが配置されている。
【0030】
回転する感光体ドラムPy~Pk表面は、それぞれ、帯電手段の一例としての帯電ロールCRy,CRm,CRc,CRkにより一様に帯電される。表面が帯電された感光体ドラムPy~Pkの表面には、潜像形成装置ROSy~ROSkの出力する潜像書込光の一例としてのレーザビームLy,Lm,Lc,Lkにより静電潜像が形成される。感光体ドラムPy~Pkの表面の静電潜像は、現像手段の一例としての現像装置Gy,Gm,Gc,Gkによりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の可視像の一例としてのトナー像に現像される。
なお、現像装置Gy~Gkにおいて、現像により消費された現像剤は、現像剤の収容手段の一例としてのトナーカートリッジKy,Km,Kc,Kkから補給される。トナーカートリッジKy~Kkは、現像剤補給装置U3bに着脱可能に装着される。
【0031】
感光体ドラムPy~Pk表面上のトナー像は、転写手段の一例であって一次転写器の一例としての1次転写ロールT1y,T1m,T1c,T1kにより、中間転写手段の一例としての中間転写ベルトB上に1次転写領域Q3y,Q3m,Q3c,Q3kで順次重ねて転写され、中間転写ベルトB上に多色可視像の一例としてのカラートナー像が形成される。中間転写ベルトB上に形成されたカラートナー像は、2次転写領域Q4に搬送される。
なお、K色の画像情報のみの場合はK色の感光体ドラムPkおよび現像装置Gkのみが使用され、K色のトナー像のみが形成される。
1次転写後の感光体ドラムPy~Pkは、像保持手段の清掃手段の一例としてのドラムクリーナCLy,CLm,CLc,CLkにより、表面に付着した残留現像剤や紙粉等の残留物が除去される。
【0032】
実施例1では、感光体ドラムPk、帯電ロールCRk、ドラムクリーナCLkが、像保持体ユニットの一例としてのK色の感光体ユニットUKとして一体化されている。そして、他の色Y,M,Cについても同様に、感光体ドラムPy,Pm,Pc、帯電ロールCRy,CRm,CRc、ドラムクリーナCLy,CLm,CLcにより、感光体ユニットUY,UM,UCが構成されている。
また、K色の感光体ユニットUKと、現像剤保持手段の一例としての現像ロールR0kを有する現像装置Gkとにより、K色の像形成手段UK+Gkが構成される。同様に、Y,M,C色の感光体ユニットUY,UM,UCと、現像ロールR0y,R0m,R0cを有する現像装置Gy,Gm,Gcとにより、それぞれ、Y,M,C色の像形成手段UY+Gy,UM+Gm,UC+Gcが構成される。
【0033】
感光体ドラムPy~Pkの下方には、中間転写手段の一例としてのベルトモジュールBMが配置されている。ベルトモジュールBMは、像保持手段の一例としての中間転写ベルトBと、中間転写手段の駆動手段の一例としての駆動ロールRd、張力付与手段の一例としてのテンションロールRt、蛇行防止手段の一例としてのウォーキングロールRw、従動手段の一例としての複数のアイドラロールRfおよび対向手段の一例としてのバックアップロールT2aと、前記1次転写ロールT1y~T1kとを有する。中間転写ベルトBは矢印Ya方向に回転移動可能に支持されている。
なお、実施例1のY,M,C色の1次転写ロールT1y,T1m,T1cは、感光体ドラムPy,Pm,Pcに対して接近、離間可能に支持されている。Y,M,C色の1次転写ロールT1y,T1m,T1cは、多色印刷(カラー印刷)の場合には、感光体ドラムPy~Pcに接近して中間転写ベルトBを、予め定められた接触圧で挟み込む。一方、黒色のみの単色印刷(モノクロ印刷)の場合には、感光体ドラムPy~Pcから離間する。
【0034】
前記バックアップロールT2aの下方には、2次転写ユニットUtが配置されている。前記2次転写ユニットUtは、2次転写手段の一例としての2次転写ロールT2bを有する。前記2次転写ロールT2bが中間転写ベルトBと接触する領域により2次転写領域Q4が形成されている。また、2次転写ロールT2bには、中間転写ベルトBを挟んで、対向手段の一例としてのバックアップロールT2aが対向している。バックアップロールT2aには、給電手段の一例としてのコンタクトロールT2cが接触している。コンタクトロールT2cには、トナーの帯電極性と同極性の2次転写電圧が印加される。
前記バックアップロールT2a、2次転写ロールT2b及びコンタクトロールT2cにより、転写手段の一例としての2次転写器T2が構成されている。
なお、実施例1の2次転写ユニットUtは、中間転写ベルトBに対して接近、離間方向に移動可能に構成されている。使用される記録用紙Sの種類に応じて2次転写ユニットUtが移動して2次転写ロールT2bと中間転写ベルトBとの接触圧を変化させる。例えば、厚紙が使用される場合には、普通紙を使用する場合に比べて接触圧を弱めて、厚紙の前端が2次転写領域Q4に突入する際の衝撃を緩和することが可能である。
【0035】
前記ベルトモジュールBMの下方には、媒体の搬送路SH2が配置されている。前記フィーダ部U2の媒体供給路SH1から給紙された記録用紙Sは、媒体の搬送手段の一例としての搬送ロールRaにより、搬送時期の調節手段の一例としてのレジロールRrに搬送される。レジロールRrは、中間転写ベルトB上に形成されたトナー像が2次転写領域Q4に搬送される時期に合わせて、記録用紙Sを下流側に搬送する。レジロールRrにより送り出された記録用紙Sは、レジ側の用紙ガイドSGr、転写前の用紙ガイドSG1で案内されて、2次転写領域Q4に搬送される。
中間転写ベルトB上のトナー像は、2次転写領域Q4を通過する際に、2次転写器T2により記録用紙Sに転写される。なお、カラートナー像の場合は中間転写ベルトB表面に重ねて1次転写されたトナー像が一括して記録用紙Sに2次転写される。
前記1次転写ロールT1y~T1k、前記2次転写器T2、中間転写ベルトBにより、実施例1の転写装置(転写手段)T1y~T1k+T2+Bが構成されている。
【0036】
2次転写後の中間転写ベルトBは、2次転写領域Q4の下流側に配置された中間転写手段の清掃手段の一例としてのベルトクリーナCLBにより清掃される。ベルトクリーナCLBは、2次転写領域Q4において、転写されずに残った現像剤や紙粉などの残留物を、中間転写ベルトBから除去する。
【0037】
トナー像が転写された記録用紙Sは、転写後の用紙ガイドSG2で案内されて、媒体搬送手段の一例としてのベルト搬送装置BHに送られる。ベルト搬送装置BHは、記録用紙Sを定着装置Fに搬送する。
定着装置Fは、加熱手段の一例としての加熱ロールFhと加圧手段の一例としての加圧ロールFpとを有する。記録用紙Sは、加熱ロールFhと加圧ロールFpとが接触する領域である定着領域Q5に搬送される。記録用紙Sのトナー像は、定着領域Q5を通過する際に、定着装置Fにより加熱および加圧されて、定着される。
前記像形成手段UY+Gy~UK+Gk、転写装置T1y~T1k+T2+B、定着装置Fにより、実施例1の画像形成手段の一例としての画像記録部U3aが構成されている。
【0038】
前記定着装置Fの下流側には、切替手段の一例としての切替ゲートGT1が設けられている。前記切替ゲートGT1は、定着領域Q5を通過した記録用紙Sを、媒体処理装置U4側の排出路SH3または反転路SH4のいずれかに、選択的に切り替える。排出路SH3に搬送された記録用紙Sは、媒体処理装置U4の用紙搬送路SH5に搬送される。用紙搬送路SH5には、反りの補正手段の一例としてのカール補正部材U4aが配置されている。カール補正部材U4aは、搬入された記録用紙Sの反り、いわゆるカールを補正する。カールが補正された記録用紙Sは、媒体の排出部材の一例としての排出ロールRhにより、媒体の排出部の一例としての排出トレイTH1に、用紙の画像定着面が上向きで排出される。
【0039】
前記切替ゲートGT1により作像部U3の反転路SH4側に搬送された記録用紙Sは、切替部材の一例としての第2のゲートGT2を通って作像部U3の反転路SH4に搬送される。
このとき、記録用紙Sの画像定着面を下向きに排出する場合には、第2のゲートGT2を記録用紙Sの搬送方向後端が通過した後に、記録用紙Sの搬送方向を逆転させる。ここで、実施例1の第2のゲートGT2は、薄膜状の弾性部材により構成されている。したがって、第2のゲートGT2は、反転路SH4に搬送されてきた記録用紙Sをそのまま一旦通過させ、通過した記録用紙Sが反転、いわゆるスイッチバックされてくると、搬送路SH3,SH5側に案内する。そして、スイッチバックされた記録用紙Sは、カール補正部材U4aを通過して、画像定着面が下を向いた状態で排出トレイTH1に排出される。
【0040】
前記作像部U3の反転路SH4には循環路SH6が接続されており、その接続部には、切替手段の一例としての第3のゲートGT3が配置されている。また、反転路SH4の下流端は、媒体処理装置U4の反転路SH7に接続されている。
前記切替ゲートGT1を通って反転路SH4に搬送された記録用紙Sは、第3のゲートGT3により前記媒体処理装置U4の反転路SH7側に搬送される。実施例1の第3のゲートGT3は、第2のゲートGT2と同様に、薄膜状の弾性部材により構成されている。したがって、第3のゲートGT3は、反転路SH4を搬送されてきた記録用紙Sを、一旦通過させ、通過した記録用紙Sがスイッチバックされてくると、循環路SH6側に案内する。
【0041】
前記循環路SH6に搬送された記録用紙Sは、媒体の搬送路SH2を通って2次転写領域Q4に再送され、二面目の印刷が行われる。
前記符号SH1~SH7で示された要素により用紙搬送路SHが構成されている。また、前記符号SH,Ra,Rr,Rh,SGr,SG1,SG2,BH,GT1~GT3で示された要素により、実施例1の用紙搬送装置SUが構成されている。
【0042】
(媒体搬送装置の説明)
図3は実施例1の媒体搬送装置の説明図である。
図3において、実施例1のレジロールRrは、図示しないモータから駆動が伝達された場合に回転して記録用紙Sを2次転写領域Q4に向けて送り出すと共に、回転軸の軸方向に沿って移動可能に構成されている。したがって、実施例1のレジロールRrは、2次転写領域Q4への送出し時期を調整する機能に加えて、位置補正部の一例であって、第1の位置補正部材の一例としてのサイド補正下流ロールとしての機能も有する。
レジロールRrの上流側の第1の搬送ロール1の位置には、第1の傾斜補正部の一例としての突き当てゲート2が配置されている。突き当てゲート2は、突き当て部2aが媒体の搬送路SH2内に進入する突き当て位置(
図3の実線参照)と、突き当て部2aが媒体の搬送路SH2から退避する退避位置(
図3の破線参照)との間で移動可能に構成されている。突き当てゲート2が突き当て位置に移動した状態では、記録用紙Sの前端が突き当たり、記録用紙Sの傾斜、いわゆるスキューが補正可能である。
【0043】
媒体の搬送路SH2には、循環路SH6の搬送方向下流部分の合流路SH6aが合流している。実施例1の合流路SH6aは、下方から上方に行くにつれて円弧状に湾曲した形状に形成されている。
合流路SH6aに沿って、第1の搬送ロール1の搬送方向上流側には、搬送手段の一例としての第2の搬送ロール3が配置されている。第2の搬送ロール3の上流側には、搬送手段の一例としての第3の搬送ロール4が配置されている。実施例1では、第1の搬送ロール1~第3の搬送ロール4は、記録用紙Sを挟んで対向するロール対が、互いに離間する離間位置と、互いに接触する接触位置との間で移動可能に構成されている。すなわち、接触位置に移動した状態では、記録用紙Sが各搬送ロール1~4で挟まれた状態となり、離間位置に移動した状態では、記録用紙Sが挟まれた状態とならない。なお、実施例1では、各搬送ロール1~4は、ロール対の一方が駆動し、他方が従動する構成となっているが、駆動側は移動せず、従動する側が移動するように構成されている。なお、
図3において、駆動側は黒丸で表記し、従動側は白丸で表記している。
【0044】
図3において、循環路SH6において、第3の搬送ロール4の上流側には、位置補正部の一例であって、第2の位置補正部材の一例としてのサイド補正上流ロール11が配置されている。サイド補正上流ロール11は、レジロールRrと同様に、回転軸の軸方向に沿って移動可能に構成されている。なお、実施例1では、サイド補正上流ロール11も、各搬送ロール1~4と同様に、接触位置と離間位置との間で移動可能に構成されている。
【0045】
図4は実施例1の媒体搬送装置における位置補正部と傾斜補正部の位置関係の説明図である。
なお、
図4では、位置補正部と傾斜補正部とは関係のない部材については図示を省略している。
図3、
図4において、サイド補正上流ロール11の上流側には、第2の傾斜補正部の一例としてのスキュー補正ロール21が配置されている。
図4において、スキュー補正ロール21は、回転軸の軸方向、すなわち、記録用紙Sの幅方向に対して、間隔をあけて一対配置されている。すなわち、実施例1のスキュー補正ロール21は、幅方向の一方側に配置された一方の傾斜補正部材の一例としての左ロール21aと、幅方向の他方側に配置された他方の傾斜補正部材の一例としての右ロール21bと、を有する。実施例1の左ロール21aと右ロール21bへのモータからの駆動の伝達は個別に制御可能となっており、左ロール21aと右ロール21bの回転速度や、駆動や駆動停止、速度変更の時期も、個別に独立して制御可能となっている。
【0046】
図3において、実施例1のスキュー補正ロール21も、各搬送ロール1~4やサイド補正上流ロール11と同様に、接触位置と離間位置との間で移動可能に構成されている。スキュー補正ロール21の上流側には、媒体の搬送手段の一例としての複数の搬送ロール31~34が配置されている。搬送ロール31~34は、各搬送ロール1~4と同様に、接触位置と離間位置との間で移動可能に構成されている。
【0047】
図3、
図4において、実施例1の複写機Uでは、媒体の搬送路SH2において、レジロールRrの下流側には、位置検出手段の一例としての第1のサイド検出センサSN1が配置されている。
図4において、第1のサイド検出センサSN1は、記録用紙Sの幅方向の一端部、いわゆるサイドを検出する。実施例1の第1のサイド検出センサSN1は、検出部が線上に配置された構成、いわゆるラインセンサで構成されているが、これに限定されない。例えば、CIS(Contact Image Sensor)等のような従来公知の検出手段で、記録用紙Sの端部が検出可能な任意の検出手段を採用可能である。
サイド補正上流ロール11の下流側には、位置検出手段の一例としての第2のサイド検出センサSN2が配置されている。第2のサイド検出センサSN2は、サイド検出センサSN1と同様に構成されており、記録用紙の幅方向の一端部を検出可能である。
【0048】
図3、
図4において、スキュー補正ロール21の下流側には、傾斜検出手段の一例としてのスキュー検出センサSN3が配置されている。
図4において、スキュー検出センサSN3は、左ロール21aに対応して配置された左センサSN3aと、右ロール21bに対応して配置された右センサSN3bとを有する。したがって、記録用紙Sの搬送方向前端が一方のセンサSN3a,SN3bで検出されてから、他方のセンサSN3a,SN3bで検出されるまでの時間差と、スキュー補正ロール21の搬送速度とに基づいて、記録用紙Sの搬送方向に対する傾斜、いわゆるスキューが導出、検出可能である。
前記各ロールRr,1~34や各センサSN1~SN3により、実施例1の媒体搬送装置が構成されている。
【0049】
(実施例1の制御部の説明)
図5は実施例1の制御部の説明図である。
図5において、複写機Uの制御手段の一例としての制御部(コントローラ)Cは、外部との信号の入出力等を行う入出力インターフェースI/Oを有する。また、制御部Cは、必要な処理を行うためのプログラムおよび情報等が記憶されたROM:リードオンリーメモリを有する。また、制御部Cは、必要なデータを一時的に記憶するためのRAM:ランダムアクセスメモリを有する。また、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU:中央演算処理装置を有する。したがって、実施例1の制御部Cは、小型の情報処理装置、いわゆるマイクロコンピュータにより構成されている。よって、制御部Cは、ROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
実施例1の制御部Cは、信号出力要素からの信号が入力され、被制御要素に信号を出力して制御する。
【0050】
(信号出力要素の説明)
制御部Cには、図示しないセンサ等の信号出力要素からの信号が入力される。
(被制御要素の説明)
制御部Cは、電源回路Eや、レジロールRr、搬送ロール1~34を駆動するモータM1、各ロール1~34を接触位置と離間位置との間で移動させる移動手段の一例としてのソレノイド、レジロールRrとサイド補正上流ロール11を記録用紙Sの幅方向に移動させるモータM2、等の被制御要素へ信号を出力する。
【0051】
(制御部Cの機能)
実施例1の制御部Cは以下の機能手段(機能モジュール、プログラムモジュール)C1~C6を有する。
媒体の大きさ検出手段の一例としての用紙サイズ検出手段C1は、記録用紙Sの大きさ、特に、搬送方向に沿った記録用紙Sの長さを検出する。用紙サイズ検出手段C1は、ユーザーがUIを通じて用紙サイズが入力された場合は、入力された用紙サイズを記録用紙Sの用紙サイズとして検出する。また、長尺用紙が使用される場合で、ユーザーが用紙サイズを入力していない場合は、搬送路SH1~SH7の各所に配置された記録用紙Sの通過を検出するセンサの検出結果から、そのセンサの位置を通過する時間および記録用紙Sの搬送速度から記録用紙Sの長さを検出することが可能である。
【0052】
傾斜量検出手段の一例としてのスキュー量検出手段C2は、スキュー検出センサSN3の検出結果に基づいて、記録用紙Sのスキュー量(搬送方向や幅方向に対する傾斜量、傾斜角度)を検出する。実施例1のスキュー量検出手段C2は、一例として、左センサSN3aと右センサSN3bが記録用紙Sの前端を検出する時期のずれと、記録用紙Sの搬送速度とから、用紙幅方向の単位長さに対する用紙搬送方向のズレの長さを、スキュー量として演算することで、スキュー量を検出する。
位置補正量検出手段の一例としてのサイドシフト量検出手段C3は、サイド検出センサSN1,SN2の検出結果に基づいて、記録用紙Sの幅方向の位置補正量、いわゆるサイドシフト量を検出する。実施例1のサイドシフト量検出手段C3は、第1のサイド検出センサSN1の検出結果から、記録用紙Sの前端部のサイドシフト量を検出する。また、第1のサイド検出センサSN1で記録用紙Sの側端を検出する際に第2のサイド検出センサSN2でも記録用紙Sの後部を検出している場合、すなわち、レジロールRr-サイド補正上流ロール11間の長さよりも記録用紙Sが長い長尺の記録用紙の場合には、第2のサイド検出センサSN2の検出結果から、記録用紙Sの後端部分のサイドシフト量も検出する。
【0053】
図6は実施例1の作用説明図であり、
図6Aはスキュー量検出時の説明図、
図6Bは粗調整動作時の説明図、
図6Cは粗調整終了後の状態の説明図、
図6Dは微調整実行時の説明図、
図6Eはサイドシフト補正時の説明図である。
傾斜補正制御手段の一例としてのスキュー補正手段C4は、粗調整手段C4Aと、微調整手段C4Bとを有し、記録用紙Sのスキューを補正する。
第2の傾斜補正制御手段の一例としての粗調整手段C4Aは、回転速度設定手段C4A1を有し、記録用紙Sのスキューの補正を行う。
図6A、
図6Bにおいて、実施例1の粗調整手段C4Aは、スキュー補正ロール21を制御して、記録用紙Sのスキューの補正を行うことで、第2の傾斜補正の一例としての粗調整を行う。
【0054】
回転速度設定手段C4A1は、スキュー量検出手段C2で検出されたスキュー量に応じて、スキュー量が小さくなるように、スキュー補正ロール21の回転速度を設定する。実施例1の回転速度設定手段C4A1は、一例として、用紙幅方向の左側の方が右側に比べて先行するように傾斜している場合は、左ロール21aの回転速度を右ロール21bの回転速度よりも低速にして、スキュー量が小さくなるようにする。ここで、左ロール21aの右ロール21bに対する速度差は、検出されたスキュー量に応じた速度差に設定することが可能である。なお、スキュー補正は、各ロール21a,21bの回転速度をスキュー量に応じて設定する場合に限定されず、例えば、回転速度は、高速と低速の2段階としておき、先行する側を高速から低速に切り替える時期、すなわち、低速で搬送する期間を、スキュー量に応じて調整することでスキュー補正を行うことも可能である。
【0055】
第1の傾斜補正制御手段の一例としての微調整手段C4Bは、スキュー補正ロール21でスキュー補正がされた記録用紙Sの下流側で、記録用紙Sのスキューを補正する。
図6Dにおいて、実施例1の微調整手段C4Bは、突き当てゲート2に記録用紙Sの前端を突き当てて、記録用紙Sのスキューを補正する。すなわち、突き当てゲート2を使用した記録用紙Sのスキュー補正を行うことで、第1の傾斜補正の一例としての微調整を行う。実施例1では、循環路SH6を記録用紙Sが搬送されてくると、突き当てゲート2を突き当て位置に移動させ、記録用紙Sの前端が突き当てゲート2の位置に到達してから、予め定められた時間(突き当て時間)が経過すると、突き当てゲート2を退避位置に移動させるように、突き当てゲート2を制御する。
【0056】
位置補正制御手段の一例としてのサイドシフト手段C5は、サイドシフト量検出手段C3で検出されたサイドシフト量に応じて、レジロールRrやサイド補正上流ロール11を軸方向に移動させて、記録用紙Sの幅方向の端の位置を補正する。
図6Eにおいて、実施例1のサイドシフト手段C5は、記録用紙Sの長さがレジロールRr-サイド補正上流ロール11間の長さよりも短い場合は、レジロールRrのみで記録用紙Sを幅方向に移動させて(サイドシフトさせて)位置を補正する。また、記録用紙Sの長さがレジロールRr-サイド補正上流ロール11間の長さよりも長い場合は、レジロールRrとサイド補正上流ロール11の両方を使用して記録用紙Sを幅方向に移動させて(サイドシフトさせて)位置を補正する。
【0057】
離間制御手段C6は、スキュー補正動作時やサイドシフト動作時に離間位置や接触位置にロール1~34を移動させる制御を行う。
図6A、
図6Bにおいて、実施例1の離間制御手段C6は、スキュー補正ロール21でスキュー補正(粗調整)を行う場合には、スキュー補正ロール21は接触位置に移動させると共に、スキュー補正ロール21よりも上流側の搬送ロール31~34を離間位置に移動させる。実施例1では、上流側の搬送ロール31~34の全てを離間位置に移動させるのではなく、記録用紙Sの長さに基づいて、記録用紙Sに接触する搬送ロール31~34を離間位置に移動する。すなわち、記録用紙Sの長さが短い場合は、1つのみ搬送ロール31が離間位置に移動することもあるし、記録用紙Sの長さが長い場合は、全ての搬送ロール31~34が離間位置に移動することもある。したがって、スキュー補正ロール21でスキュー補正を行う場合には、スキュー補正ロール21のみが記録用紙Sに接触して、その他のロール11~34が接触しないように制御される。なお、この時、スキュー補正ロール21よりも下流側の搬送ロール1~4、11は接触位置に移動させる。そして、粗調整のスキュー補正は、記録用紙Sの前端がサイド補正上流ロール11に到達する前の予め定められた時期に終了する。
【0058】
図6Cにおいて、粗調整のスキュー補正が終了すると、スキュー補正ロール21よりも上流側の搬送ロール31~34は接触位置に移動する。
図6Dにおいて、次に、突き当てゲート2を使用したスキュー補正(微調整)が行われる。実施例1では各ロール1~34が接触位置に移動した状態で微調整が行われるが、これに限定されず、突き当てゲート2の上流側近傍の第1の搬送ロール1以外の各ロール3~34を離間位置に移動させた状態で微調整を行うことも可能である。
図6Eにおいて、微調整のスキュー補正が終了して、記録用紙Sの前端がレジロールRrに挟まれて、サイドシフト動作が開始されると、レジロールRrとサイド補正上流ロール11以外のロールが離間位置に移動する。したがって、サイドシフト動作時は、レジロールRrとサイド補正上流ロール11の2つのロールで記録用紙Sが挟まれた状態となる。
そして、サイドシフト動作で記録用紙Sの位置が補正された後は、レジロールRrとサイド補正上流ロール11の2つのロールで記録用紙Sを搬送する、もしくは離間位置に移動していた一部のロールを接触位置に移動した状態で記録用紙Sを搬送する。記録用紙Sの搬送が完了した後、次の用紙に備えて離間位置に移動していた全てのロール1~4,21,31~34が接触位置に移動する。
【0059】
(実施例1の流れ図の説明)
次に、実施例1の複写機Uにおける制御の流れを流れ図、いわゆるフローチャートを使用して説明する。
図7は実施例1のスキュー補正およびサイドシフト動作のフローチャートである。
図7のフローチャートの各ステップSTの処理は、制御部Cに記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は複写機Uの他の各種処理と並行して実行される。
図7に示すフローチャートは複写機Uの電源投入により開始される。
【0060】
図7のST1において、画像形成動作であるジョブが開始されたか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST2に進み、ノー(N)の場合はST1を繰り返す。
ST2において、記録用紙Sがスキュー検出センサSN3の位置に到達したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST4に進み、ノー(N)の場合はST3に進む。
ST3において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻り、ノー(N)の場合はST2に戻る。
ST4において、スキュー検出センサSN3の検出結果に基づいて、スキュー量を検出する。そして、ST5に進む。
ST5において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST6に進む。
(1)スキュー量に応じてスキュー補正ロール21の速度を設定する。
(2)上流側の搬送ロール31~34を、記録用紙Sの長さに応じて離間位置に移動させる。
【0061】
ST6において、スキュー補正ロール21を使用したスキュー補正である粗調整が終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST7に進み、ノー(N)の場合はST6を繰り返す。
ST7において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST8に進む。
(1)離間位置に移動していた上流側の搬送ロール31~34を接触位置に移動させる。
(2)突き当てゲート2を突き当て位置に移動させる。
ST8において、突き当てゲート2を使用したスキュー補正である微調整が終了したか否かを判別する。すなわち、突き当てゲート2を突き当て位置に移動させてから、所定時間が経過して、記録用紙Sの前端が突き当てられてスキュー補正が終了したか否かを判別する。そして、ST9に進む。
【0062】
ST9において、突き当てゲート2を退避位置に移動させる。そして、ST10に進む。
ST10において、記録用紙Sがサイド検出センサに到達したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST11に進み、ノー(N)の場合はST10を繰り返す。
ST11において、次の処理(1)、(2)を実行して、ST12に進む。
(1)サイド検出センサSN1,SN2の検出結果からサイドシフト量を検出する。
(2)レジロールRrとサイド補正上流ロール11以外の各ロール1~4,21,31~34を離間位置に移動させる。
ST12において、サイドシフト量に応じてレジロールRrやサイド補正上流ロール11を軸方向に移動(サイドシフト)させて、記録用紙Sの側端の位置を補正する。そして、ST13に進む。
ST13において、ジョブが終了したか否かを判別する。イエス(Y)の場合はST1に戻り、ノー(N)の場合はST2に戻る。
【0063】
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の複写機Uでは、両面印刷が行われる場合には、一面目に画像が記録された記録用紙Sが循環路SH6を搬送されて表裏が反転される。循環路SH6を搬送された記録用紙Sは、搬送中に発生した傾斜(スキュー)と側端の位置ずれが補正された状態で、2次転写領域Q4に送られて、表裏の画像位置の位置ずれが抑制された状態で2面目の印刷が行われる。
実施例1では、循環路SH6の用紙搬送方向に沿って、上流側のスキュー補正ロール21でまずスキュー補正を行い、次に、下流側の突き当てゲート2でもスキュー補正を行う。そして、スキュー補正後の記録用紙Sに対して側端の位置ずれの補正(サイドシフト補正)を行う。
【0064】
特許文献1に記載の構成のように、斜行補正ローラ(21,22)でスキュー補正を行う構成では、記録用紙Sを搬送しながらスキューを補正しており、次のローラに到達すれば、スキュー補正がそれ以上できなくなる。したがって、補正可能なスキュー量に上限があり、スキュー量が大きい場合は、スキューの補正が不足する場合がある。
斜行補正ローラ(21,22)に変えて、ゲートに突き当ててスキュー補正を行うことも考えられる。しかし、突き当てて補正を行う場合は、前端部分は補正されるが、補正後の搬送に伴い搬送方向の後部のスキューが補正しきれない場合がある。特に、記録用紙Sの長さが長くなるほど、スキューの補正が厳しくなる。
【0065】
これらに対して、実施例1では、上流側のスキュー補正ロール21でスキュー補正が行われた後、下流側の突き当てゲート2でもスキュー補正が行われる。したがって、スキュー補正ロール21でのスキュー補正で補正が不足していても、下流側の突き当てゲート2でスキューの補正が行われる。見方を変えれば、上流側のスキュー補正ロール21で大まかにスキュー補正を行い(粗調整)、下流側の突き当てゲート2で最終のスキュー補正を行う(微調整)ともいえる。したがって、特許文献1の構成に比べて、全体としてスキュー補正不足の発生を抑制することが可能である。
【0066】
また、実施例1では、上流側のスキュー補正ロール21では、幅方向の両側のロール21a,21bの駆動を個別に制御して、スキューの補正を行っている。スキュー補正ロール21に変えて突き当てゲートを設けることも可能であるが、突き当てゲートでは記録用紙Sの搬送が一旦停止することとなる。よって、突き当てゲートを2段階で設けると、記録用紙Sの搬送が全体として遅くなる問題がある。これに対して、実施例1では、スキュー補正ロール21で記録用紙Sを下流側に搬送しながらスキュー補正を行っており、突き当てゲートを2段設ける場合に比べて、記録用紙Sの全体の搬送が遅くなることが抑制される。
さらに、実施例1では、スキュー量に応じて2つのロール21a,21bの回転速度を変えて、幅方向の一端側と他端側で搬送に差を発生させ、スキューの補正を行っている。したがって、回転速度の差を大きくすることが容易であり、大きなスキューにも対応しやすい。なお、回転速度を高速から低速に切り替える時期を、スキュー量に応じて調整することも可能である。この場合は、回転速度の差を大きくすることはできないが、切替時期だけの調整であるため、容易に制御が可能である。
【0067】
また、実施例1では、スキュー補正ロール21でスキュー補正を行う場合には、上流側の搬送ロール31~34が離間位置に移動する。スキュー補正ロール21で補正を行う際に、上流側の搬送ロール31~34でも記録用紙Sが挟まれていると、スキュー補正の妨げになると共に、記録用紙Sが歪んで紙しわや破れが発生する恐れがある。これに対して、実施例1では、スキュー補正ロール21でスキュー補正を行う場合には、記録用紙Sはスキュー補正ロール21のみで挟まれた状態となっており、スキュー補正が妨げられず、紙しわ等の発生も抑制される。特に、実施例1では、記録用紙Sの長さに応じて、離間位置に移動させる搬送ロール31~34が選択される。したがって、離間させる必要のない搬送ロール31~34は接触位置で保持され、無駄な動作が削減される。
【0068】
また、実施例1では、微調整では突き当てゲート2を使用しており、記録用紙Sが突き当てられない場合に比べて、精度よく前端のスキューを補正可能である。なお、微調整を行う際に、第1の搬送ロール1以外のロールを離間位置に移動させた状態とする方が、第2の搬送ロール3等で記録用紙Sが挟まれている場合に比べて、記録用紙Sの上流側のスキューも補正されやすく好ましい。また、第1の搬送ロール1以外のロールを離間させる場合には、記録用紙Sの長さに応じて離間させる搬送ロール3~34を選択することが好ましい。
【0069】
さらに、実施例1では、サイドシフト補正は、レジロールRrとサイド補正上流ロール11の2つのロールを使用して行われる。したがって、長尺の用紙のような搬送方向に長い記録用紙Sの場合でも、用紙幅方向の位置の補正を精度よく行うことが可能である。特に、実施例1では、循環路SH6の合流路SH6aが弧状に形成されており、レジロールRrとサイド補正上流ロール11とは合流路SH6aの下流側と上流側に配置されている。弧状の合流路SH6aに記録用紙Sが差し掛かっている状態でサイドシフト補正を行う場合、記録用紙Sが引っ掛かりやすく、長尺の記録用紙Sでは、サイドシフト補正が不十分になる恐れがある。これに対して、実施例1では、合流路SH6aの前後に配置されたレジロールRrとサイド補正上流ロール11でサイドシフト補正が行われており、サイドシフト補正が不十分になることが抑制される。
【0070】
また、実施例1では、サイドシフト補正時は、レジロールRrとサイド補正上流ロール11以外のロール1~4,21~34が離間位置に移動する。レジロールRrとサイド補正上流ロール11以外のロール1~4,21~34が接触位置に保持されていると、サイドシフト補正の妨げになるが、実施例1では、サイドシフト補正を確実に行うことが可能である。
【0071】
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)~(H07)を下記に例示する。
(H01)前記実施例において、画像形成装置の一例としての複写機Uを例示したが、これに限定されず、FAXに適用したり、FAXや、プリンタ、複写機などの複数の機能を備えた複合機等に適用可能である。また、多色現像の画像形成装置に限定されず、単色、いわゆるモノクロの画像形成装置により構成することも可能である。さらに、画像形成装置に限定されず、モータと歯車を使用する任意の電子機器や機械装置に適用可能である。
【0072】
(H02)前記実施例において、スキュー補正は、全ての記録用紙Sを対象として行う場合を例示したがこれに限定されない。例えば、比較的スキューが発生しにくい薄紙や厚紙の場合は、粗調整または微調整のいずれか一方のスキュー補正を行わないようにすることが可能であり、普通紙の場合のみ粗調整と微調整の両方を行うようにすることが可能である。
(H03)前記実施例において、スキュー補正として、粗調整はスキュー補正ロール21を使用し、微調整は突き当てゲート2を使用する場合を例示したが、これに限定されない。粗調整も微調整もスキュー補正ロールを使用することも可能であるし、粗調整も微調整も突き当てゲートを使用することも可能である。また、粗調整を突き当てゲートとし、微調整をスキュー補正ロールとすることも可能である。
【0073】
(H04)前記実施例において、サイドシフト補正を行う際に、サイド補正上流ロール11も使用することが望ましいが、これに限定されない。例えば、レジロールRrのみでサイドシフト補正を行う構成とすることも可能である。また、例えば、厚紙のように、弧状の合流路SH6aで引っ掛かりやすい紙種、すなわち、サイドシフト時の抵抗(搬送抵抗)が大きな紙種の場合には、レジロールRrとサイド補正上流ロール11の両方を使ってサイドシフト補正を行い、サイドシフト時の抵抗が小さな普通紙や薄紙ではレジロールRrのみでサイドシフト補正を行う構成とすることも可能である。なお、レジロールRrのみでサイドシフト補正を行う場合には、サイド補正上流ロール11も離間位置に移動させる必要がある。
【0074】
(H05)前記実施例において、各ロールを離間位置に移動させる場合に、記録用紙Sから完全に離間させる構成、すなわち、紙との接触圧力がゼロとすることが望ましいが、これに限定されない。記録用紙Sと各ロールとが完全に離間せず、接触圧力を記録用紙を搬送する場合よりも低い状態として、記録用紙とロールとが滑る、スリップする状態とすることも可能である。
(H06)前記実施例において、サイド検出センサを2つ設ける構成を例示したが、これに限定されない。例えば、下流側のサイド検出センサSN1のみでも良い。サイド検出センサSN1の検出結果からサイドシフト量を算出し、レジロールRrとサイド補正上流ロール11の両方を同じ量だけサイドシフトさせることで位置を補正可能である。
(H07)前記実施例において、各ロールを径方向に移動させて離間位置に移動させるのではなく、各ロールを軸方向に自由に移動できるようにしても良い(スラストフリー構成。軸両端のバネでロールが中央位置に戻るようにする)。