(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145861
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】料金決定装置、料金収受システム、料金決定方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20231004BHJP
【FI】
G07B15/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052732
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】立尾 幸輝
(72)【発明者】
【氏名】松本 洋幸
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA03
3E127CA17
3E127CA18
3E127CA38
3E127EA04
3E127EA23
3E127EA24
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を適用することができる料金決定装置を提供する。
【解決手段】複数の駐車区画を有し、前記駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定装置は、前記駐車場の出入口に設けられた路側機から、前記駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得する車両情報取得部と、前記車両に搭載された車載器から、前記車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて前記車両が駐車した駐車区画を判別する駐車区画判別部と、前記車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算する料金計算部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の駐車区画を有し、前記駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定装置であって、
前記駐車場の出入口に設けられた路側機から、前記駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得する車両情報取得部と、
前記車両に搭載された車載器から、前記車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報に基づいて前記車両が駐車した駐車区画を判別する駐車区画判別部と、
前記車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算する料金計算部と、
を備える料金決定装置。
【請求項2】
前記料金計算部は、前記車両が駐車した駐車区画の基礎駐車料金に対し、当該駐車区画の駐車料金を計算する時点の使用率と、当該駐車区画の過去の使用率の統計情報から算出した時間帯別の係数とに基づき算出された混雑時料金を加算して、前記駐車料金を計算する、
請求項1に記載の料金決定装置。
【請求項3】
前記料金計算部は、単位時間を経過するごとに、前記車両の単位時間当たりの料金を加算した前記駐車料金を計算する、
請求項2に記載の料金決定装置。
【請求項4】
前記入場情報は、前記車両が特定車両であるか否かを識別可能な情報をさらに含み、
前記料金計算部は、前記車両が駐車した駐車区画が特定車両の駐車のみが許可された区画であり、且つ、前記入場情報から前記車両が特定車両でないと識別した場合に、当該車両の駐車料金に追加料金を加算する、
請求項1から3の何れか一項に記載の料金決定装置。
【請求項5】
複数の駐車区画を有し、前記駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金収受システムであって、
前記駐車場の出入口に設けられる路側機と、
前記駐車場を利用する車両に搭載された車載器と、
請求項1から4のいずれか一項に記載の料金決定装置と、
を備える料金収受システム。
【請求項6】
複数の駐車区画を有し、前記駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定方法であって、
前記駐車場の出入口に設けられた路側機から、前記駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得するステップと、
前記車両に搭載された車載器から、前記車両の位置情報を取得するステップと、
前記位置情報に基づいて前記車両が駐車した駐車区画を判別するステップと、
前記車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算するステップと、
を有する料金決定方法。
【請求項7】
複数の駐車区画を有し、前記駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定装置に、
前記駐車場の出入口に設けられた路側機から、前記駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得するステップと、
前記車両に搭載された車載器から、前記車両の位置情報を取得するステップと、
前記位置情報に基づいて前記車両が駐車した駐車区画を判別するステップと、
前記車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算するステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、料金決定装置、料金収受システム、料金決定方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングモールなどに設けられた駐車場は、駐車スペース(1台分の領域)を複数連ねた駐車区画を多数有している場合がある。このような駐車場では、駐車区画により混雑度の偏りが生じる場合がある。例えば、店舗入口付近の駐車区画は、店舗入口から遠い駐車区画と比較して混雑度が高くなる傾向がある。
【0003】
このため、駐車区画の混雑度が平均化するように、あるいは、駐車場事業者の誘導したい駐車区画へ利用者が駐車するように、コントロールすることが求められている。例えば、特許文献1には、各駐車スペースの利便性に応じて、課金額を変動させる技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、駐車スペースごとにセンサや、駐車券を発行する発券装置などを設置する必要があり、多数の駐車スペースを有する大規模駐車場に適用するのは現実的ではない。また、従来の技術では、駐車区画ごとに課金額が異なる駐車場は、駐車区画ごとにゲートや課金処理装置などを設置する必要があり、複数の駐車場を個々に運営するのと同等の設備点数やコストが生じてしまう。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を適用することができる料金決定装置、料金収受システム、料金決定方法、およびプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、複数の駐車区画を有し、前記駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定装置は、前記駐車場の出入口に設けられた路側機から、前記駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得する車両情報取得部と、前記車両に搭載された車載器から、前記車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報に基づいて前記車両が駐車した駐車区画を判別する駐車区画判別部と、前記車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算する料金計算部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様によれば、複数の駐車区画を有し、前記駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金収受システムは、前記駐車場の出入口に設けられる路側機と、前記駐車場を利用する車両に搭載された車載器と、上述の態様に係る料金決定装置と、を備える。
【0009】
本開示の一態様によれば、複数の駐車区画を有し、前記駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定方法は、前記駐車場の出入口に設けられた路側機から、前記駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得するステップと、前記車両に搭載された車載器から、前記車両の位置情報を取得するステップと、前記位置情報に基づいて前記車両が駐車した駐車区画を判別するステップと、前記車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算するステップと、を有する。
【0010】
本開示の一態様によれば、プログラムは、複数の駐車区画を有し、前記駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定装置に、前記駐車場の出入口に設けられた路側機から、前記駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得するステップと、前記車両に搭載された車載器から、前記車両の位置情報を取得するステップと、前記位置情報に基づいて前記車両が駐車した駐車区画を判別するステップと、前記車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る料金決定装置、料金収受システム、料金決定方法、およびプログラムによれば、簡易な構成で車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る路側機の機能構成を示すブロック図である。
【
図3】本開示の一実施形態に係る入場情報の一例を示す図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る退場情報の一例を示す図である。
【
図5】本開示の一実施形態に係る車載器の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】本開示の一実施形態に係る料金決定装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図7】本開示の一実施形態に係る路側機の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】本開示の一実施形態に係る車載器の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】本開示の一実施形態に係る料金決定装置の処理の一例を示す第1のフローチャートである。
【
図10】本開示の一実施形態に係る料金決定装置の処理の一例を示す第2のフローチャートである。
【
図11】本開示の一実施形態に係る管理情報の一例を示す図である。
【
図12】本開示の一実施形態に係る時間帯係数の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の第1の実施形態に係る料金収受システム1について、
図1~
図12を参照しながら説明する。
【0014】
(全体構成)
図1は、本開示の一実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。
料金収受システム1は、例えばショッピングモールや駅などの施設に隣接して、または、施設の付近に設けられた大規模な駐車場9において、駐車区画90ごとに異なる駐車料金を課金可能とするシステムである。
【0015】
図1に示すように、駐車場9は、複数の駐車区画90(90A、90B、90C、90D)を有している。駐車区画90は、車両V1台が駐車可能な駐車スペースを複数連ねた領域を示す。一般的に、複数の駐車区画90がある駐車場9においては、施設入口に近い駐車区画90(
図1の例では、駐車区画90B)は、施設入口から遠い駐車区画(
図1の例では、駐車区画90C)よりも混雑度が高くなる傾向がある。
【0016】
また、駐車場9は、特定車両のみの駐車を許可する駐車区画90を有していてもよい。特定車両とは、例えば、駐車スペースを定期契約している利用者の車両、身体障がい者が搭乗する車両、電気自動車(EV;Electric Vehicle)などである。
図1の例では、駐車区画90Dが特定車両用の駐車区画(例えば、EV充電区画)であるとする。また、特定車両用の駐車区画90D以外の駐車区画90A、90B、90Cは、一般区画とも記載する。
【0017】
料金収受システム1は、路側機10と、車載器20と、料金決定装置30とを備える。本実施形態に係る料金収受システム1は、例えば、電子式料金収受システム(Electronic Toll Collection System;ETC(登録商標)、「自動料金収受システム」とも言う)の仕組みを利用して、車両Vに搭載された車載器20と無線通信を行い、駐車料金を収受する。
【0018】
路側機10は、駐車場9の出入口に設けられ、通信区画R内に位置する車両V(駐車場9に入場する車両V、または、駐車場9から退場する車両V)の車載器20と無線通信を行って、駐車料金の課金処理に係る各種情報を送受信する。
【0019】
車載器20は、駐車場9を利用する車両Vそれぞれに搭載される。車載器20は、駐車場9から入退場する際に路側機10と無線通信を行い、自動的に車両Vの駐車料金の支払いを行う。
【0020】
料金決定装置30は、車両Vが駐車した駐車区画90に応じた駐車料金を計算する。
【0021】
(路側機の機能構成)
図2は、本開示の一実施形態に係る路側機の機能構成を示すブロック図である。
図2に示すように、路側機10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とを備えている。
【0022】
プロセッサ11は、所定のプログラムに従って動作することにより、車両情報生成部110、駐車料金取得部111、および課金処理部112としての機能を発揮する。
【0023】
車両情報生成部110は、駐車場9に入場する車両Vの車載器20から、無線通信を介して車両Vの識別情報を取得し、取得した識別情報を含む入場情報D1を生成する。また、車両情報生成部110は、駐車場9から退場する車両Vの車載器20から、無線通信を介して車両Vの識別情報を取得し、取得した識別情報を含む退場情報D2を生成する。
【0024】
また、車両情報生成部110は、車両Vの車載器20から、識別情報とともに車両Vが特定車両であるか識別可能な特定車両情報をさらに取得する。特定車両情報は、例えば、特定車両である場合に「1」、特定車両でない場合に「0」となるフラグ情報である。また、他の実施形態では、特定車両情報は、特定車両の種類(「定期契約車両」、「身体障がい者が搭乗する車両」、「EV」など)を示す情報であってもよい。車両Vが特定車両でない場合、特定車両情報は「情報なし(NULL)」となる。
【0025】
図3は、本開示の一実施形態に係る入場情報の一例を示す図である。
例えば、
図3に示すように、入場情報D1は、路側機10が設置された駐車場9の識別情報(例えば、駐車場ID)と、車両Vの識別情報(例えば、車載器ID)と、車両Vの特定車両情報と、駐車場9への入場時刻とを含む。
【0026】
図4は、本開示の一実施形態に係る退場情報の一例を示す図である。
例えば、
図4に示すように、退場情報D2は、路側機10が設置された駐車場9の識別情報(例えば、駐車場ID)と、車両Vの識別情報(例えば、車載器ID)と、駐車場9からの退場時刻と、車両Vに課金した駐車料金とを含む。
【0027】
車両情報生成部110は、生成した入場情報D1および退場情報D2をストレージ13に記録する。また、車両情報生成部110は、生成した入場情報D1および退場情報D2を車載器20および料金決定装置30に送信する。
【0028】
駐車料金取得部111は、料金決定装置30から、車両Vの識別情報と駐車料金を関連付けた料金情報を取得する。取得した料金情報は、ストレージ13に記録される。
【0029】
課金処理部112は、車両Vが駐車場9を退場するときに、ストレージ13から当該車両Vの識別情報と関連付けられた料金情報を読み出して、車両Vに対する課金処理を行う。
【0030】
メモリ12は、プロセッサ11の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0031】
ストレージ13は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0032】
通信インタフェース14は、車載器20および料金決定装置30との間で各種情報(信号)の送受信を行うためのインタフェースである。
【0033】
(車載器の機能構成)
図5は、本開示の一実施形態に係る車載器の機能構成を示すブロック図である。
図5に示すように、車載器20は、プロセッサ21と、メモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24と、出力部25とを備えている。
【0034】
プロセッサ21は、所定のプログラムに従って動作することにより、測位情報取得部210、識別情報通知部211、位置情報通知部212、駐車判定部213、および支払処理部214としての機能を発揮する。
【0035】
測位情報取得部210は、車両Vの位置および移動速度を含む測位情報を取得する。測位情報取得部210は、車載器20の動作中、所定周期ごと(例えば、1秒ごと)に測位情報を取得し続ける。
【0036】
識別情報通知部211は、路側機10の要求に応答して、車両Vの識別情報(車載器ID)を路側機10に通知する。このとき、識別情報通知部211は、識別情報とともに特定車両情報を路側機10に通知してもよい。なお、識別情報通知部211は、路側機10に識別情報を通知したあと、路側機10から入場情報D1または退場情報D2を受信した場合に、これらをストレージ23に記録する。
【0037】
また、路側機10との通信完了後、識別情報通知部211は、料金決定装置30に車両Vの識別情報を通知する。
【0038】
位置情報通知部212は、料金決定装置30に識別情報を通知後、測位情報を取得する度に、車両Vの位置情報を料金決定装置30に通知する。なお、位置情報通知部212は、測位情報のうち位置を特定可能な情報のみ(例えば、緯度および経度)を位置情報として料金決定装置30に通知してもよいし、測位情報全てを位置情報として料金決定装置30に通知してもよい。
【0039】
駐車判定部213は、車両Vがいずれかの駐車区画90の駐車スペースに駐車したか否かを判定する。
【0040】
支払処理部214は、車両Vが駐車場9から退場する際に、路側機10から通知された駐車料金を支払う処理を行う。
【0041】
メモリ22は、プロセッサ21の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0042】
ストレージ23は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。ストレージ23には、予め車両Vの識別情報、特定車両情報などが記憶されている。
【0043】
通信インタフェース24は、路側機10および料金決定装置30との間で各種情報(信号)の送受信を行うためのインタフェースである。
【0044】
出力部25は、駐車料金などの通知を音、画像、テキストなどで出力するスピーカ、ディスプレイ、またはこれらの組み合わせである。
【0045】
(料金決定装置の機能構成)
図6は、本開示の一実施形態に係る料金決定装置の機能構成を示すブロック図である。
図6に示すように、料金決定装置30は、プロセッサ31と、メモリ32と、ストレージ33と、通信インタフェース34とを備えている。
【0046】
プロセッサ31は、所定のプログラムに従って動作することにより、車両情報取得部310、位置情報取得部311、駐車区画判別部312、および料金計算部313としての機能を発揮する。
【0047】
車両情報取得部310は、路側機10から車両Vの識別情報を含む入場情報D1および退場情報D2を取得する。また、車両情報取得部310は、駐車場9に入場した車両Vの車載器20から、車両Vの識別情報を取得する。
【0048】
位置情報取得部311は、駐車場9に入場した車両Vの車載器20から、車両Vの位置情報を取得する。
【0049】
駐車区画判別部312は、車両Vの位置情報に基づいて、当該車両Vが駐車した駐車区画90を判別する。
【0050】
料金計算部313は、車両Vが駐車した駐車区画90に応じた駐車料金を計算する。
【0051】
メモリ32は、プロセッサ31の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0052】
ストレージ33は、いわゆる補助記憶装置であって、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。
【0053】
通信インタフェース34は、路側機10および料金決定装置30との間で各種情報(信号)の送受信を行うためのインタフェースである。
【0054】
なお、路側機10のプロセッサ11、車載器20のプロセッサ21、および料金決定装置30のプロセッサ31が実行する所定のプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶される。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしてもよい。さらに、このプログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0055】
(路側機の処理フロー)
図7は、本開示の一実施形態に係る路側機の処理の一例を示すフローチャートである。
ここでは、
図7を参照しながら、路側機10の処理の流れについて説明する。
【0056】
まず、車両情報生成部110は、通信区画Rに位置する車両Vの車載器20から、当該車両Vの識別情報(車載器ID)と、特定車両情報とを取得する(ステップS100)。
【0057】
次に、車両情報生成部110は、ストレージ13を参照し、取得した識別情報に対応する入場情報D1が存在しないか判断する(ステップS101)。
【0058】
車両情報生成部110は、取得した識別情報に対応する入場情報D1が存在しない場合(ステップS101;YES)、この車両Vは新たに駐車場9に入場した車両Vであると判断する。そうすると、車両情報生成部110は、車載器20から取得した識別情報および特定車両情報に、駐車場IDおよび入場時刻を加えた入場情報D1(
図3)を生成する(ステップS102)。
【0059】
また、車両情報生成部110は、生成した入場情報D1を、車載器20および料金決定装置30に送信して(ステップS103)、処理を終了する。
【0060】
一方、車両情報生成部110は、取得した識別情報に対応する入場情報D1が存在する場合(ステップS101;NO)、この車両Vは駐車場9から退場する車両Vであると判断する。そうすると、課金処理部112は、ストレージ13に記録されている各車両Vの料金情報から、取得した識別番号に関連付けられた駐車料金を読み出す(ステップS104)。詳細は後述するが、各車両Vの料金情報は、車両Vがいずれかの駐車区画に駐車したタイミング、および、所定の単位時間(例えば、1時間)を経過するごとのタイミングで料金決定装置30において計算されて、路側機10に通知される。
【0061】
また、課金処理部112は、車両Vの車載器20に駐車料金を通知して、課金処理を行う(ステップS105)。この課金処理の内容は、ETCなど既存の処理と同じであるため、説明を省略する。
【0062】
課金処理が終了すると、車両情報生成部110は、ステップS100で取得した車両Vの識別情報に、駐車場ID、退場時刻、および駐車料金を加えた退場情報D2(
図4)を生成する(ステップS106)。また、車両情報生成部110は、生成した退場情報D2を、車載器20および料金決定装置30に送信して(ステップS107)、処理を終了する。
【0063】
(車載器の処理フロー)
図8は、本開示の一実施形態に係る車載器の処理の一例を示すフローチャートである。
ここでは、
図8を参照しながら、車載器の処理の流れについて説明する。
【0064】
識別情報通知部211は、車両Vが路側機10の通信区画Rに入ると、路側機10からの要求に応答して、車両Vの識別情報を路側機10に通知する(ステップS200)。
【0065】
次に、識別情報通知部211は、路側機10から入場情報D1を受信したか判断する(ステップS201)。
【0066】
入場情報D1を受信した場合(ステップS201;YES)、車載器20は入場時の処理(ステップS202~S206)を行う。一方、入場情報D1を受信していない場合(ステップS201;NO)、車載器20は退場時の処理(ステップS207)を行う。
【0067】
まず、入場時における車載器20の処理について説明する。路側機10は、新たに駐車場9に入場する車両Vを検出すると、この車両Vの入場情報D1を生成して、車載器20に送信する(
図7のステップS102~S103)。車載器20の識別情報通知部211は、この入場情報D1を受信すると(ステップS201;YES)、この入場情報D1をストレージ23に記録して、料金決定装置30に車両Vの識別情報を通知する(ステップS202)。
【0068】
次に、測位情報取得部210が測位情報を取得すると(ステップS203)、位置情報通知部212は、測位情報に含まれる車両Vの位置情報を料金決定装置30に通知する(ステップS204)。
【0069】
また、駐車判定部213は、測位情報に基づいて、車両Vがいずれかの駐車区画に駐車したか判定する(ステップS205)。
【0070】
例えば、駐車判定部213は、測位情報に含まれる車両Vの移動速度が「0」になってから一定時間経過した場合に、車両Vが駐車したと判定する(ステップS205;YES)。この場合、駐車判定部213は、料金決定装置30に車両が駐車したことを通知して(ステップS206)、処理を終了する。
【0071】
また、駐車判定部213は、車両Vの移動速度が「0」ではない場合、または、車両Vの移動速度が「0」になってから一定時間を経過していない場合に、車両Vは駐車していないと判定する(ステップS205;NO)。この場合、ステップS203の処理に戻り、再度、車両Vの駐車を検出する処理(ステップS203~S205)を実行する。
【0072】
次に、退場時における車載器20の処理について説明する。路側機10は、駐車場9から退場する車両Vを検出すると、この車両Vの駐車料金を通知するとともに、課金処理を行う(
図7のステップS105)。そうすると、車載器20の支払処理部214は、路側機10の指示に基づいて、通知された駐車料金を支払う処理を行う(ステップS207)。なお、この支払処理の内容は、ETCなど既存の処理と同じであるため、説明を省略する。また、支払処理部214は、支払処理が完了すると、路側機10から受信した退場情報D2をストレージ23に記録して処理を終了する。
【0073】
(料金決定装置の処理フロー)
図9は、本開示の一実施形態に係る料金決定装置の処理の一例を示す第1のフローチャートである。
図10は、本開示の一実施形態に係る料金決定装置の処理の一例を示す第2のフローチャートである。
ここでは、
図9~
図10を参照しながら、料金決定装置30の処理の流れについて説明する。なお、
図9~
図10のフローチャートでは、料金決定装置30がある1台の車両Vの駐車料金を決定する処理の例について説明するが、実際には、料金決定装置30は、複数の車両Vそれぞれに対し、並行して同様の処理を行う。
【0074】
まず、車両Vが駐車場9に入場すると、車両情報取得部310は、路側機10からこの車両Vの入場情報D1を取得する(ステップS300)。車両情報取得部310は、ストレージ33に入場情報D1を記録する。
【0075】
次に、車両情報取得部310は、車両Vの車載器20から識別情報を取得する(ステップS301)。
【0076】
車両情報取得部310は、ストレージ33を参照して、車載器20から取得した識別情報と、同一の識別情報が関連付けられた入場情報D1を抽出する。そして、車両情報取得部310は、これらを紐付けした管理情報D3(
図11)をストレージ33に記録する(ステップS302)。
【0077】
図11は、本開示の一実施形態に係る管理情報の一例を示す図である。
図11に示すように、管理情報D3は、駐車場ID、車両Vの識別情報、特定車両情報、入場時刻、退場時刻、駐車区画、および駐車料金を含む。駐車場ID、車両Vの識別情報、特定車両情報、および入場時刻は、路側機10から取得する入場情報D1に含まれる情報である。退場時刻は、路側機10取得する退場情報D2に含まれる情報である。駐車区画および駐車料金は、後述の駐車区画判別部312および料金計算部313の処理により入力される情報である。
【0078】
次に、位置情報取得部311は、識別情報の送信元である車載器20から、車両Vの位置情報を取得する(ステップS303)。
【0079】
また、駐車区画判別部312は、識別情報の送信元である車載器20から、駐車通知を受信したか判断する(ステップS304)。
【0080】
車載器20から駐車通知を受信していない場合(ステップS304;NO)、ステップS303に戻る。
【0081】
一方、車載器20から駐車通知を受信した場合(ステップS304;YES)、駐車区画判別部312は、車両Vが駐車した駐車区画90を判別する(ステップS305)。例えば、ストレージ33には、予め駐車場9の各駐車区画90の位置を表した地図情報が記録されている。駐車区画判別部312は、地図情報から、車載器20から駐車通知の直前に取得した位置情報と一致する駐車区画90を特定する。また、地図情報には、駐車場9内の車両Vが走行する通路の情報が含まれていてもよい。この場合、駐車区画判別部312は、車載器20から取得した各位置情報からマップマッチング処理などをおこなって、車両Vの走行経路および到達した駐車区画90を特定してもよい。
【0082】
次に、料金計算部313は、車両Vの駐車料金を計算する処理を実行する(ステップS306)。この処理の具体的な内容については、
図10を参照しながら説明する。
【0083】
まず、料金計算部313は、車両Vが駐車した駐車区画90が一般区画であるか判断する(ステップS310)。
【0084】
例えば、車両Vが駐車した駐車区画90が特定車両用の駐車区画90D(
図1)であったとする(ステップS310;NO)。この場合、料金計算部313は、管理情報D3の特定車両情報を参照して、この車両Vが特定車両用の駐車区画90Dへの駐車が許可された特定車両であるか判断する(ステップS311)。
【0085】
料金計算部313は、車両Vが特定車両である場合(ステップS311;YES)、この車両Vに対する追加料金を加算せず(ステップS312)、ステップS314に進む。一方、料金計算部313は、車両Vが特定車両でない場合(ステップS311;NO)、この車両Vに対する追加料金(ペナルティ)を加算して(ステップS313)、ステップS314に進む。
【0086】
また、車両Vが駐車した駐車区画90が一般区画90A、90B、90C(
図1)のいずれかであったとする(ステップS310;YES)。この場合、追加料金の処理(ステップS311~S313)をスキップして、ステップS314に進む。
【0087】
次に、料金計算部313は、駐車料金を計算する時点における、車両Vが駐車した駐車区画90の単位時間当たりの使用率を計算する(ステップS314)。各駐車区画90の使用率は、例えば、単位時間における各車両Vの駐車時間の合計を、単位時間における駐車区画90全体の利用可能時間(駐車スペース数×単位時間)で割った値である。例えば、ある駐車区画90Aの駐車スペース数が12台分、単位時間が1時間であり、現在時刻から単位時間前までの期間内に10台の車両Vがそれぞれ0.5時間ずつ駐車していた場合、この駐車区画90Aの現在時刻における単位時間あたりの使用率は以下の式(1)に示すように、約0.42となる。
【0088】
(10台×0.5時間)÷(12台×1時間)≒0.42・・・(1)
【0089】
なお、料金計算部313は、例えば単位時間毎に、各駐車区画90の使用率を予め計算してストレージ33に記憶しておいてもよい。この場合、料金計算部313は、ステップS314において、ストレージ33に記憶されている最新の使用率を読み出す。
【0090】
また、料金計算部313は、現在時刻に対応する車両Vが駐車した駐車区画90の時間帯係数を読み出す(ステップS315)。時間帯係数は、各駐車区画90について、過去の使用率の統計情報から算出した時間帯別の係数である。各時間帯は、例えば1日を1時間ごとに分割した期間である。例えば、現在時刻が9時台(9:00~9:59)である場合、料金計算部313は、9時~10時の時間帯係数を読み出す。
【0091】
図12は、本開示の一実施形態に係る時間帯係数の一例を示す図である。
図12の横軸は時間帯を表し、縦軸は時間帯係数の値を表す。例えば、料金計算部313は、所定期間(例えば、1か月、半年、1年など)における使用率の統計情報に基づいて、使用率が高い時間帯ほど値が高くなるように、時間帯係数を計算して、ストレージ33に記憶する。なお、時間帯係数は、駐車場の運営者が作成して料金決定装置30のストレージ33に記録してもよい。
【0092】
次に、料金計算部313は、以下の式(2)により、車両Vの単位時間当たりの駐車料金を計算する。
【0093】
単位時間当たりの駐車料金=基礎駐車料金+混雑時料金×(使用率+時間帯係数)÷2 ・・・(2)
【0094】
基礎駐車料金は、駐車区画90に車両Vを駐車した場合に必ず科す最低料金である。たとえば、単位時間ごとに駐車料金を変化させる場合、基礎駐車料金が300円、混雑時料金が150円、使用率が0.42、時間帯係数が0.58である場合、単位時間当たりの駐車料金は、「300円+150円×(0.42+0.58)÷2=375円」となる。単位時間当たりの駐車料金は、管理情報D3に記録される。
【0095】
なお、料金計算部313は、駐車区画90の使用率が所定の閾値以上となった場合にのみ、混雑時料金を加算するようにしてもよい。この場合、車両Vが駐車した駐車区画90の使用率が閾値未満のときは、単位時間当たりの駐車料金は基礎駐車料金のみとなる。
【0096】
また、料金計算部313は、車両Vの駐車料金の合計額を計算する(ステップS317)。具体的には、料金計算部313は、単位時間ごとの駐車料金と、追加料金(ペナルティ)とを合計した金額を計算する。例えば、単位時間が1時間であり、車両Vが2時間駐車したとする。各単位時間における駐車料金が375円であり、追加料金なし(ステップS312)であった場合、この車両Vの駐車料金の合計額は「375円+375円+0円=750円」となる。一方、追加料金あり(ステップS313)のとき、追加料金が250円である場合、この車両Vの駐車料金の合計額は「375円+375円+250円=1000円」となる。
【0097】
次に、料金計算部313は、車両Vの識別情報と、駐車料金(合計額)とを関連付けた料金情報を路側機10に通知する(ステップS318)。
【0098】
次に、車両情報取得部310および料金計算部313は、車両Vの退場情報D2を取得したか判断する(ステップS320)。退場情報D2を取得した場合(ステップS320;YES)、車両情報取得部310は、車両Vの管理情報D3に退場情報D2が示す退場時刻を入力して更新する(ステップS320)。また、料金決定装置30は、この車両Vに対する処理を終了する。
【0099】
一方、退場情報D2を取得していない場合(ステップS320;NO)、料金計算部313は、単位時間を経過したか判断する(ステップS321)。料金計算部313は、前回駐車料金を計算してから単位時間を経過していない場合(ステップS321;NO)、ステップS319に戻る。また、料金計算部313は、前回駐車料金を計算してから単位時間を経過した場合(ステップS321;YES)、次の単位時間における車両Vの駐車料金を計算すべく、ステップS314に戻る。料金決定装置30は、このようにして、車両Vの駐車時間および駐車区画に応じた駐車料金の合計額を計算する。
【0100】
(作用、効果)
以上のように、本実施形態に係る料金決定装置30は、路側機10から駐車場9に入場する車両Vの入場情報を取得する車両情報取得部310と、車両Vに搭載された車載器20から車両Vの位置情報を取得する位置情報取得部311と、位置情報に基づいて車両Vが駐車した駐車区画90を判別する駐車区画判別部312と、車両Vが駐車した駐車区画90に応じた駐車料金を計算する料金計算部313と、を備える。
【0101】
このようにすることで、料金決定装置30は、複数の駐車区画90を有する駐車場9において、車載器20から取得した位置情報に基づいて車両Vの駐車区画90を判別することにより、各車両Vに対し、駐車した駐車区画90ごとに応じた駐車料金を適用することができる。
【0102】
また、料金計算部313は、車両Vが駐車した駐車区画90の基礎駐車料金に対し、当該駐車区画90の使用率と、当該駐車区画90の過去の使用率の統計情報から算出した時間帯係数とに基づき算出された混雑時料金を加算して、車両Vの駐車料金を計算する。
【0103】
このようにすることで、料金決定装置30は、各駐車区画90の使用率、および統計情報に基づく使用率の傾向に応じて、異なる駐車料金を適用することができる。これにより、料金決定装置30は、使用率が高い(混雑度合いが高い)駐車区画ほど高額となるように駐車料金を調整して、利用者を比較的使用率の低い駐車区画に駐車するように誘導することができる。これにより、料金決定装置30は、各駐車区画の使用率の平均化を図ることができる。
【0104】
また、料金計算部313は、単位時間を経過するごとに、車両Vの単位時間当たりの料金を加算した駐車料金を計算する。
【0105】
このようにすることで、料金決定装置30は、単位時間を超えて駐車する車両Vに対し、単位時間ごとに駐車区画の使用率に応じて異なる駐車料金を加算することができる。
【0106】
また、料金計算部313は、車両Vが駐車した駐車区画が特定車両の駐車のみが許可された区画であり、且つ、車両Vが特定車両であない場合に、車両Vの駐車料金に追加料金(ペナルティ)を加算する。
【0107】
このようにすることで、料金決定装置30は、特定車両用の駐車区画に、特定車両以外の車両Vが駐車する(不正利用する)ことを抑制することができる。
【0108】
以上のとおり、本開示に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0109】
例えば、上述の実施形態において、車載器20の駐車判定部213が測位情報に含まれる移動速度に基づいて駐車したか否かを判定する例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、駐車判定部213は、測位情報ではなく、車両Vから取得した車両信号(例えば、車速パルス信号、パーキングブレーキ信号など)に基づいて駐車したか否かを判定するようにしてもよい。
【0110】
また、上述の実施形態において、車載器20の位置情報通知部212が測位情報に含まれる位置情報を料金決定装置30に通知する例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、位置情報通知部212は、駐車場9への入場時に路側機10から駐車場9の地図情報を受信して、マップマッチング処理により車両Vの地図情報位置(駐車場9内の通路および駐車区画90を示す位置)を特定してもよい。この場合、車載器20の位置情報通知部212は、マップマッチング結果を一情報として料金決定装置30に通知する。また、料金決定装置30の駐車区画判別部312は、車載器20から通知されたマップマッチング結果に基づいて、車両Vが駐車した駐車区画90を判別する。
【0111】
また、上述の実施形態において、料金決定装置30の料金計算部313が、駐車区画90の使用率に応じて混雑時料金を加算する例について説明したが、これに限られることはない。他の実施形態では、駐車区画90の使用率が駐車場の運営者が計画した目標値に満たない場合、料金計算部313は、所定の割引額(または所定の割引率分の金額)を基礎駐車料金から減じるようにしてもよい。これにより、車両Vが割引の適用される駐車区画90に駐車するように誘導して、この駐車区画90の使用率を向上させることができる。
【0112】
<付記>
上述の実施形態に記載の料金決定装置、料金収受システム、料金決定方法、およびプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0113】
(1)本開示の第1の態様によれば、複数の駐車区画を有し、駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定装置(30)は、駐車場の出入口に設けられた路側機(10)から、駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得する車両情報取得部(310)と、車両に搭載された車載器(20)から、車両の位置情報を取得する位置情報取得部(311)と、位置情報に基づいて車両が駐車した駐車区画を判別する駐車区画判別部(312)と、車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算する料金計算部(313)と、を備える。
【0114】
このようにすることで、料金決定装置は、複数の駐車区画を有する駐車場において、車載器から取得した位置情報に基づいて車両Vの駐車区画を判別することにより、各車両に対し、駐車した駐車区画ごとに応じた駐車料金を適用することができる。
【0115】
(2)本開示の第2の態様によれば、第1の態様に係る料金決定装置(30)において、料金計算部(313)は、車両が駐車した駐車区画の基礎駐車料金に対し、当該駐車区画の駐車料金を計算する時点の使用率と、当該駐車区画の過去の使用率の統計情報から算出した時間帯別の係数とに基づき算出された混雑時料金を加算して、駐車料金を計算する。
【0116】
このようにすることで、料金決定装置は、各駐車区画の使用率、および統計情報に基づく使用率の傾向に応じて、異なる駐車料金を適用することができる。これにより、料金決定装置は、使用率が高い(混雑度合いが高い)駐車区画ほど高額となるように駐車料金を調整して、利用者を比較的使用率の低い駐車区画に駐車するように誘導することができる。これにより、料金決定装置は、各駐車区画の使用率の平均化を図ることができる。
【0117】
(3)本開示の第3の態様によれば、第2の態様に係る料金決定装置(30)において、料金計算部(313)は、単位時間を経過するごとに、車両の単位時間当たりの料金を加算した駐車料金を計算する。
【0118】
このようにすることで、料金決定装置は、単位時間を超えて駐車する車両に対し、単位時間ごとに駐車区画の使用率に応じて異なる駐車料金を加算することができる。
【0119】
(4)本開示の第4の態様によれば、第1から第3の何れか一の態様に係る料金決定装置(30)において、入場情報は、車両が特定車両であるか否かを識別可能な情報をさらに含み、料金計算部(313)は、車両が駐車した駐車区画が特定車両の駐車のみが許可された区画であり、且つ、入場情報から車両が特定車両でないと識別した場合に、当該車両の駐車料金に追加料金を加算する。
【0120】
このようにすることで、料金決定装置は、特定車両用の駐車区画に、特定車両以外の車両が駐車する(不正利用する)ことを抑制することができる。
【0121】
(5)本開示の第5の態様によれば、複数の駐車区画を有し、駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金収受システム(1)は、駐車場の出入口に設けられる路側機(10)と、駐車場を利用する車両に搭載された車載器(20)と、第1から第4のいずれか一の態様に係る料金決定装置(30)と、を備える。
【0122】
(6)本開示の第6の態様によれば、複数の駐車区画を有し、駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定方法は、駐車場の出入口に設けられた路側機(10)から、駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得するステップと、車両に搭載された車載器(20)から、車両の位置情報を取得するステップと、位置情報に基づいて車両が駐車した駐車区画を判別するステップと、車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算するステップと、を有する。
【0123】
(7)本開示の第7の態様によれば、プログラムは、複数の駐車区画を有し、駐車区画それぞれが車両1台を駐車可能な駐車スペースを複数有する駐車場の料金決定装置(30)に、駐車場の出入口に設けられた路側機(10)から、駐車場に入場する車両の識別情報を含む入場情報を取得するステップと、車両に搭載された車載器(20)から、車両の位置情報を取得するステップと、位置情報に基づいて車両が駐車した駐車区画を判別するステップと、車両が駐車した駐車区画に応じた駐車料金を計算するステップと、を実行させる。
【符号の説明】
【0124】
1 料金収受システム
10 路側機
11 プロセッサ
110 車両情報生成部
111 駐車料金取得部
112 課金処理部
12 メモリ
13 ストレージ
14 通信インタフェース
20 車載器
21 プロセッサ
210 測位情報取得部
211 識別情報通知部
212 位置情報通知部
213 駐車判定部
214 支払処理部
22 メモリ
23 ストレージ
24 通信インタフェース
25 出力部
30 料金決定装置
31 プロセッサ
310 車両情報取得部
311 位置情報取得部
312 駐車区画判別部
313 料金計算部
32 メモリ
33 ストレージ
34 通信インタフェース