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  • 特開-クリアフォルダー 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145866
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】クリアフォルダー
(51)【国際特許分類】
   B42F 7/00 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
B42F7/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052740
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】500231377
【氏名又は名称】株式会社泰誠
(74)【代理人】
【識別番号】100081558
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 晴男
(74)【代理人】
【識別番号】100154287
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 貴広
(72)【発明者】
【氏名】細矢 一
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017QA06
(57)【要約】
【課題】紙葉の挟持以外の多用途使用が可能であり、また、設計図面のようなA1サイズの紙葉の使用も想定されているクリアフォルダーを提供することを課題とする。
【解決手段】樹脂製シート2を二つ折りして表紙面7と裏表紙面4を形成し、裏表紙面4又は表紙面7の側辺を若干延長して内側に折り返し、その折り返し部5の下端部を裏表紙面4又は表紙面7の下端部に溶着(溶着部6)して成る。表紙面7の裏表紙面4の折り返し部5下端の溶着部6に相対する部分、あるいは、裏表紙面4の表紙面7の折り返し部5下端の溶着部6に相対する部分が切除(切除部8)されることがある。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製シートを二つ折りして表紙面と裏表紙面を形成し、前記裏表紙面又は表紙面の側辺を若干延長して内側に折り返し、その折り返し部の下端部を前記裏表紙面又は表紙面の下端部に溶着して成るクリアフォルダー。
【請求項2】
前記表紙面の前記裏表紙面の折り返し部下端の溶着部に相対する部分、あるいは、前記裏表紙面の前記表紙面の折り返し部下端の溶着部に相対する部分が切除されている、請求項1に記載のクリアフォルダー。
【請求項3】
樹脂製シートを二つ折りして表紙面と裏表紙面を形成し、その表紙面と裏表紙面双方の側辺をそれぞれ若干延長して内側に折り返し、その折り返し部の下端部をそれぞれ前記表紙面又は裏表紙面の下端部に溶着して成るクリアフォルダー。
【請求項4】
丸め及び折り畳みが可能な柔らかさである、請求項1乃至3のいずれかに記載のクリアフォルダー。
【請求項5】
マーカーによる書き消しが可能である、請求項1乃至4のいずれかに記載のクリアフォルダー。
【請求項6】
罫線が薄く印刷されている、請求項1乃至5のいずれかに記載のクリアフォルダー。
【請求項7】
ホワイトボード等のボードや壁面に定着可能である、請求項1乃至6のいずれかに記載のクリアフォルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クリアフォルダーに関するものであり、より詳細には、紙葉の挟入保持その他、種々の用途に用いることができ、特に、A1サイズ(A4サイズの8倍)ほどの特大サイズまで想定されているクリアフォルダーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
クリアフォルダー(クリアファイル)は一般に、二つ折りした樹脂シートの底辺を溶着して、二辺を開口して形成されるものであり、そのほとんどがA4サイズである。この一般的クリアフォルダーの場合は、上辺と一側辺の二辺が開口されているため、紙葉の挟入は容易であるが、クリアフォルダーを傾けると紙葉が脱落するおそれがある。また、紙葉を挟入した状態のまま紙葉に筆記することは想定されていない。
【0003】
底辺を溶着することなく、樹脂シートの中央折り返し部の上下を縦に溶着し、その溶着部間に紙葉の側端部を挟入保持するための縦長のポケットを形成すると共に、裏表紙に、表紙の側辺を係止するための係止爪を設けたクリアフォルダーが提案されている(特許文献1:特開2010-269529号公報)。
【0004】
この提案に係るクリアフォルダーの場合、紙葉はその一辺が縦長のポケット内に収まって保持され、クリアフォルダーの表紙の側辺が、裏表紙に形成された係止爪に係止されることで、紙葉の脱落が抑止されるという利点があるが、紙葉の側辺をポケット内へ挿入し、また、表紙の側辺を係止爪へ係入させるのに手間がかかる。また、従来のクリアフォルダーは、そのほとんどがA4サイズであって、例えば、設計図面のようなA1サイズの紙葉に対応する特大サイズの紙葉には対応しておらず、更に、従来のクリアフォルダーは、紙葉の挟持以外の用途での使用は想定されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-269529号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来の挟持した紙葉の脱落が抑止されるクリアフォルダーの場合は、紙葉の挟持という使用方法以外の使用法は想定されておらず、また、設計図面のようなA1サイズの紙葉の使用は想定されていなかった。そこで、本発明は、紙葉の挟持以外の多用途使用が可能であり、また、設計図面のようなA1サイズの紙葉の使用も想定されているクリアフォルダーを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、樹脂製シートを二つ折りして表紙面と裏表紙面を形成し、前記裏表紙面又は表紙面の側辺を若干延長して内側に折り返し、その折り返し部の下端部を前記裏表紙面又は表紙面の下端部に溶着して成るクリアフォルダーである。
【0008】
一実施形態においては、前記表紙面の前記裏表紙面の折り返し部下端の溶着部に相対する部分、あるいは、前記裏表紙面の前記表紙面の折り返し部下端の溶着部に相対する部分が切除される。
【0009】
上記課題を解決するための請求項3に記載の発明は、樹脂製シートを二つ折りして表紙面と裏表紙面を形成し、その表紙面と裏表紙面の双方の側辺をそれぞれ若干延長して内側に折り返し、その折り返し部の下端部をそれぞれ前記表紙面又は裏表紙面の下端部に溶着して成るクリアフォルダーである。
【0010】
一実施形態においては、丸め及び折り畳みが可能な柔らかさのものとされ、また、マーカーによる書き消しが可能にされる。また、一実施形態においては、罫線が薄く印刷されることもある。
【0011】
更に一実施形態においては、ホワイトボード等のボードや壁面に定着可能にされる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係るクリアフォルダーは上記のとおりであって、中心の折り目と折り返し部及びその下端の溶着部によって紙葉を確固と保持することができ、その状態で紙葉に筆記したり消去したりすることができ、携帯に際して折り畳んだり丸めたりすることができ、また、罫線が印刷されている場合には、それを利用して、マーカーできれいに体裁よく筆記することが可能となり、更には、ボードや壁面に定着してホワイトボード機能を発揮させることができるといった効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明に係るクリアフォルダーの一実施形態を示す図である。
図2】本発明に係るクリアフォルダーの他の実施形態を示す図である。
図3】本発明に係るクリアフォルダーの更に他の実施形態を示す図である。
図4】本発明に係るクリアフォルダーの更に他の実施形態を示す図である。
図5】本発明に係るクリアフォルダーの使用態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明を実施するための形態につき、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示される本発明の第1の実施形態におけるクリアフォルダー1は、ポリエチレン等の樹脂製シート2を中央の折り目3から二つ折りして表紙面7と裏表紙面4を形成し、その裏表紙面4の側辺を若干延長して内側に折り返し、その折り返し部5の下端部を、裏表紙面4の下端部に溶着(溶着部6)して成る。通例、折り返し部5の上端部は切除される(図1の切除部5a)。あるいは、表紙面7の側辺を若干延長して内側に折り返し、その折り返し部5の下端部を、表紙面4の下端部に溶着(溶着部6)して形成される場合もある。
【0015】
本クリアフォルダー1は、A4サイズの紙葉11を対象とすることが多いが、それに限られる訳ではなく、例えば、A1サイズ(594×841mm)の設計図面のような特大サイズの紙葉11を挟持対象とすることも想定されている。A1サイズのクリアフォルダー1を形成する場合の樹脂製シート2は、ほぼその倍のA0サイズということになる。そのような特大サイズのものを収める場合があることを考えて、樹脂製シート2は、丸めたり、二つ折りあるいは四つ折りしたりすることができるような、比較的薄手で柔らかな素材製とされる(例えば、厚さ100μのポリエチレンフィルム製)。以下の各実施形態の場合も同様である。なお、本クリアフォルダー1は、A4サイズよりも小サイズに形成されることもあることは言うまでもない。
【0016】
図2に示される第2の実施形態のクリアフォルダー1は、裏表紙面4に折り重なる表紙面7の、折り返し部5下端の溶着部6に相対する部分が切除(切除部8)されて成る(図2参照)。そのようにした場合は、表紙面7を裏表紙面4に折り重ねた際に、表紙面7の側端縁を折り返し部5内に差し込むことができ、傾けても表紙面7が開かなくなるので、紙葉11を一層安定状態に挟持でき、収納した紙葉11が動いたり、脱落したりすることが確実に防止される。また、折り返し部5が表紙面7の方に設けられるときは、切除部8は、裏表紙面4の方に形成される。
【0017】
図3に示される第3の実施形態のクリアフォルダー1は、表紙面7と裏表紙面4双方の側辺をそれぞれ若干延長して内側に折り返し、その折り返し部5の下端部をそれぞれ表紙面7又は裏表紙面4の下端部に溶着(溶着部6)して成る。この第3の実施形態のクリアフォルダー1の場合は、紙葉11を、裏表紙面4の折り返し部5と表紙面7の折り返し部5のいずれか一方又は双方に紙葉11の側辺を差し込んで使用することができ、また、倍サイズの紙葉11の場合は、紙葉11の両側片を裏表紙面4の折り返し部5と表紙面7の折り返し部5とに差し込んで使用することができる。
【0018】
図4に示される第4の実施形態のクリアフォルダー1は、樹脂製シート2に、通例、薄い青色の罫線(格子線等のガイドライン)9が印刷され(図4における罫線9は、便宜上濃い線で表現してあるが、実際には目立たない薄線とされる。)、また、マーカーによる書き消しが可能なものとされる。そして更に、ホワイトボード等のボードや壁面に、粘着、磁着等により定着可能にされる(図4)。罫線9が印刷され、マーカーによる書き消しが可能な場合は、表紙面7及び裏表紙面4に、罫線9を利用してきれいに文字や図形を描くことができ、不要となった場合は消去することができる。また、マスキングテープや文字テープを、罫線9に合わせてきれいに貼ることができる。
【0019】
本クリアフォルダー1の種々の使用方法及び収納方法について、図5を参照して説明する。そこに示されるように、クリアフォルダー1は、一般的なクリアフォルダーと異なり、下辺が閉じられていないので、平坦に開くことができる(図5(A))。紙葉11は、クリアフォルダー1を開いた状態において、上方あるいは斜め上方からその側辺を折り返し部5の下側に差し込み、下端の溶着部6に当たるまでずらし動かした後、表紙面7を裏表紙面4に重ねる(図5(B))。紙葉11はこのようにして表紙面4と裏表紙面7間に収められるが、その一側辺下端が溶着部6に押さえ止められ、また、当該一側辺がポケット機能を果たす折り返し部5により、他側辺が折り目3によってそれぞれ押さえ止められるため、傾けたり揺動させたりしても、ずれ動いたり、脱落したりすることなく安定した状態で挟持され続ける。
【0020】
クリアフォルダー1は、丸めたり、二つ折り又は四つ折りしたりすることができるので(図5(C)、(D))、大きなサイズの場合は、小さく折り畳んでカバンやバッグに収納することができる(図5(E))。また、A1サイズの設計図面のような特大サイズの場合には、丸めて抱えることができる(図5(F))。なお、丸めた場合においても、紙葉11の両側が押さえ止められるため、左右いずれの方向から丸めたとしても、紙葉11の端部が飛び出ることはない。更に、紙葉11を収めた状態で表紙面7を開いて紙葉11を露出させ、紙葉11に追記したり、筆記事項を修正したりすることができる(図5(G))。
【0021】
クリアフォルダー1を特大サイズに形成し、マーカーによる書き消しを可能にし、且つ、罫線9を印刷した実施例の場合は、拡げて、ホワイトボード10等のボードや壁面に、粘着、磁着等により定着可能にすることができる(図4)。この場合、本クリアフォルダーをホワイトボード10に貼り付けることで、罫線付きホワイトボードとしての使用が可能となる。その場合も、罫線9を利用して、文字や図形をきれいに描くことが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明に係るクリアフォルダーは上記のとおりであって、中心の折り目と折り返し部及びその下端の溶着部によって紙葉を確固と保持することができ、その状態で紙葉に筆記したり消去したりすることができ、携帯に際して折り畳んだり丸めたりすることができ、また、罫線が印刷されている場合には、それを利用して、マーカーできれいに体裁よく筆記することが可能となり、更には、ボードや壁面に定着してホワイトボード機能を発揮させることができるといった効果があり、その産業上の利用可能性は大である。
【符号の説明】
【0023】
1 クリアフォルダー
2 樹脂製シート
3 折り目
4 裏表紙
5 折り返し部
6 溶着部
7 表紙
8 切除部
9 罫線
11 紙葉
図1
図2
図3
図4
図5