IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本電産サンキョー株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-入力装置 図1
  • 特開-入力装置 図2
  • 特開-入力装置 図3
  • 特開-入力装置 図4
  • 特開-入力装置 図5
  • 特開-入力装置 図6
  • 特開-入力装置 図7
  • 特開-入力装置 図8
  • 特開-入力装置 図9
  • 特開-入力装置 図10
  • 特開-入力装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145883
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/83 20130101AFI20231004BHJP
   G09F 19/18 20060101ALI20231004BHJP
   G09F 19/12 20060101ALI20231004BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20231004BHJP
   G06F 3/042 20060101ALN20231004BHJP
【FI】
G06F21/83
G09F19/18 Z
G09F19/12 Z
G07G1/00 331Z
G06F3/042 484
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052772
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 伸也
(72)【発明者】
【氏名】竹内 淳朗
(72)【発明者】
【氏名】藤本 将也
(72)【発明者】
【氏名】小口 洋介
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142GA32
(57)【要約】
【課題】ユーザの指先を用いて暗証番号等の情報を入力するための入力装置において、ユーザの指先の位置を検知するための指先検知機構が実装される回路基板からのデータの不正な取得を効果的に防止することが可能な入力装置を提供する。
【解決手段】この入力装置は、情報が入力される入力部においてユーザの指先の位置を検知するための指先検知機構3と、指先検知機構3が実装される回路基板11と、回路基板11の一部を覆うフレキシブルプリント基板12と、回路基板11が取り付けられる本体部と、本体部から回路基板11が取り外されたことを検知するための取外し検知機構15とを備えている。フレキシブルプリント基板12には、タンパ検知パターンが形成されている。取外し検知機構15は、接触式の検知スイッチ41を備えている。検知スイッチ41は、回路基板11の、フレキシブルプリント基板12に覆われている部分と本体部との間に配置されている。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの指先を用いて情報を入力するための入力装置であって、
情報が入力される入力部において前記ユーザの前記指先の位置を検知するための指先検知機構と、前記指先検知機構が実装される回路基板と、前記回路基板の少なくとも一部を覆うフレキシブルプリント基板と、前記回路基板が取り付けられる本体部と、前記本体部から前記回路基板が取り外されたことを検知するための取外し検知機構とを備え、
前記フレキシブルプリント基板には、少なくとも自身が断線したことを検知するためのタンパ検知パターンが形成され、
前記取外し検知機構は、接触式の検知スイッチを備え、
前記検知スイッチは、前記回路基板の、前記フレキシブルプリント基板に覆われている部分と前記本体部との間に配置されていることを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記本体部は、前記回路基板が電気的に接続される制御基板を有する制御モジュールを備え、
前記制御基板には、暗号化されたデータが前記回路基板から送信され、
前記制御モジュールは、前記制御基板が収容される筐体を備え、
前記検知スイッチは、前記回路基板の、前記フレキシブルプリント基板に覆われている部分と前記筐体との間に配置されていることを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記フレキシブルプリント基板は、前記回路基板の厚さ方向において前記回路基板の一部を両側から覆い、
前記本体部は、前記回路基板の厚さ方向において前記回路基板の一方側に配置され、
前記回路基板の、前記フレキシブルプリント基板に覆われている部分の全体が、前記回路基板の厚さ方向において前記筐体と重なっていることを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
前記検知スイッチは、前記フレキシブルプリント基板に実装されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の入力装置。
【請求項5】
前記回路基板の厚さ方向において前記回路基板と前記本体部との間に配置される平板状の平板部材を備え、
前記フレキシブルプリント基板の一部は、前記平板部材に貼り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の入力装置。
【請求項6】
前記回路基板の厚さ方向の一方側を第1方向側とし、前記第1方向側の反対側を第2方向側とすると、
前記フレキシブルプリント基板は、前記回路基板の一部を前記第1方向側から覆う第1基板部と、前記回路基板の一部を前記第2方向側から覆う第2基板部と、前記第1基板部と前記第2基板部とを繋ぐ接続基板部とを備え、
前記本体部は、前記フレキシブルプリント基板の前記第1方向側に配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の入力装置。
【請求項7】
前記第1基板部と前記第2基板部とが離れたことを検知するための接触式の第2検知スイッチを備えることを特徴とする請求項6記載の入力装置。
【請求項8】
前記フレキシブルプリント基板は、前記第1基板部に繋がる第3基板部を備え、
前記第1基板部の前記第1方向側の面と前記第3基板部の前記第2方向側の面とが対向しており、
前記第2検知スイッチは、前記第2基板部の前記第1方向側の面に実装され、
前記検知スイッチは、前記第3基板部の前記第1方向側の面に実装されていることを特徴とする請求項7記載の入力装置。
【請求項9】
前記本体部は、画像を表示する表示面を有する表示機構と、前記表示面に表示された画像を空間に投射することで空中像として結像させる空中結像機構とを備え、
前記空中像が表示される領域である空中像表示領域が前記入力部となっていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザの指先を用いて情報を入力するための入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザの指先を用いて情報を入力するための入力装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の入力装置は、たとえば、クレジットカード等の決済時の認証装置で使用される。この入力装置は、三次元空間に空中像を表示する空中像表示装置と、空中像が表示される領域である空中像表示領域においてユーザの指先の位置を検知するための光学式の検知機構とを備えている。検知機構は、回路基板に実装されている。空中像表示領域は、情報を入力するための入力部となっている。
【0003】
特許文献1に記載の入力装置では、入力部において暗証番号が入力される。このときには、ユーザは、空中像表示領域に空中像として表示されるキーパッドを利用して暗証番号を入力する。具体的には、ユーザは、空中像表示領域に表示されたキーパッドの中の所定のキー(数字)の位置に指先を順次移動させることで、暗証番号を入力する。入力装置では、検知機構の検知結果に基づいて、入力部で入力された暗証番号が特定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2022/018972号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の入力装置では、検知機構の検知結果に基づいて暗証番号が特定されており、検知機構が実装される回路基板では、安全性の確保が必要なデータである暗証番号を特定するためのデータが伝達されたり、処理されたりする。そのため、特許文献1に記載の入力装置では、検知機構が実装される回路基板からのデータの不正な取得を効果的に防止することが可能になっていることが好ましい。
【0006】
そこで、本発明の課題は、ユーザの指先を用いて暗証番号等の情報を入力するための入力装置において、ユーザの指先の位置を検知するための指先検知機構が実装される回路基板からのデータの不正な取得を効果的に防止することが可能な入力装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の入力装置は、ユーザの指先を用いて情報を入力するための入力装置であって、情報が入力される入力部においてユーザの指先の位置を検知するための指先検知機構と、指先検知機構が実装される回路基板と、回路基板の少なくとも一部を覆うフレキシブルプリント基板と、回路基板が取り付けられる本体部と、本体部から回路基板が取り外されたことを検知するための取外し検知機構とを備え、フレキシブルプリント基板には、少なくとも自身が断線したことを検知するためのタンパ検知パターンが形成され、取外し検知機構は、接触式の検知スイッチを備え、検知スイッチは、回路基板の、フレキシブルプリント基板に覆われている部分と本体部との間に配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の入力装置は、回路基板の少なくとも一部を覆うとともにタンパ検知パターンが形成されるフレキシブルプリント基板を備えている。そのため、本発明では、回路基板の、安全性の確保が必要な部分(すなわち、回路基板の、安全性の確保が必要なデータが伝達される部分や安全性の確保が必要なデータの処理が行われる部分)をフレキシブルプリント基板によって覆うことで、犯罪者が、回路基板からデータを不正に取得しようとして回路基板の、安全性の確保が必要な部分に不正にアクセスをしたときに、タンパ検知パターンを断線させることが可能になるとともに、タンパ検知パターンの断線が検知されたときに所定の異常処理を実行することが可能になる。
【0009】
また、本発明の入力装置は、本体部から回路基板が取り外されたことを検知するための取外し検知機構を備えているため、犯罪者が、回路基板からデータを不正に取得しようとして本体部から回路基板を取り外したときに、取外し検知機構の検知結果に基づいて所定の異常処理を実行することが可能になる。さらに、本発明の入力装置では、取外し検知機構が有する接触式の検知スイッチが、回路基板の、フレキシブルプリント基板に覆われている部分と本体部との間に配置されているため、回路基板の、安全性の確保が必要な部分をフレキシブルプリント基板によって覆うことで、回路基板の、安全性の確保が必要な部分の近傍に本体部を配置することが可能になる。したがって、本発明では、犯罪者は、回路基板の、安全性の確保が必要な部分にアクセスしにくくなる。
【0010】
このように、本発明では、タンパ検知パターンの断線が検知されたときに所定の異常処理を実行することが可能になり、かつ、取外し検知機構の検知結果に基づいて所定の異常処理を実行することが可能になるとともに、犯罪者は、回路基板の、安全性の確保が必要な部分にアクセスしにくくなる。したがって、本発明では、回路基板からのデータの不正な取得を効果的に防止することが可能になる。
【0011】
本発明において、本体部は、回路基板が電気的に接続される制御基板を有する制御モジュールを備え、制御基板には、暗号化されたデータが回路基板から送信され、制御モジュールは、制御基板が収容される筐体を備え、検知スイッチは、回路基板の、フレキシブルプリント基板に覆われている部分と筐体との間に配置されていることが好ましい。
【0012】
このように構成すると、回路基板の、安全性の確保が必要な部分をフレキシブルプリント基板によって覆うことで、回路基板の、安全性の確保が必要な部分の近傍に制御モジュールの筐体を配置することが可能になる。したがって、犯罪者が、回路基板の、安全性の確保が必要な部分に不正にアクセスしたときに、制御モジュールが破壊されやすくなる。そのため、制御モジュールの破壊が検知されたときに所定の異常処理を実行することで、回路基板からのデータの不正な取得をより効果的に防止することが可能になる。
【0013】
本発明において、フレキシブルプリント基板は、回路基板の厚さ方向において回路基板の一部を両側から覆い、本体部は、回路基板の厚さ方向において回路基板の一方側に配置され、回路基板の、フレキシブルプリント基板に覆われている部分の全体が、回路基板の厚さ方向において筐体と重なっていることが好ましい。
【0014】
このように構成すると、回路基板の、フレキシブルプリント基板に覆われている部分の全体が、回路基板の厚さ方向において筐体と重なっているため、回路基板の、安全性の確保が必要な部分をフレキシブルプリント基板によって覆うことで、犯罪者は、回路基板の、安全性の確保が必要な部分によりアクセスしにくくなる。また、犯罪者が、回路基板の、安全性の確保が必要な部分に不正にアクセスしたときに、制御モジュールがより破壊されやすくなるため、制御モジュールの破壊が検知されたときに所定の異常処理を実行することで、回路基板からのデータの不正な取得をより効果的に防止することが可能になる。
【0015】
本発明において、検知スイッチは、フレキシブルプリント基板に実装されていることが好ましい。このように構成すると、検知スイッチを実装するための基板を別途設ける必要がなくなる。したがって、入力装置の構成を簡素化することが可能になる。
【0016】
本発明において、入力装置は、たとえば、回路基板の厚さ方向において回路基板と本体部との間に配置される平板状の平板部材を備え、フレキシブルプリント基板の一部は、平板部材に貼り付けられている。この場合には、回路基板と本体部との間に平板部材が配置されているため、犯罪者は、回路基板の、安全性の確保が必要な部分によりアクセスしにくくなる。
【0017】
本発明において、たとえば、回路基板の厚さ方向の一方側を第1方向側とし、第1方向側の反対側を第2方向側とすると、フレキシブルプリント基板は、回路基板の一部を第1方向側から覆う第1基板部と、回路基板の一部を第2方向側から覆う第2基板部と、第1基板部と第2基板部とを繋ぐ接続基板部とを備え、本体部は、フレキシブルプリント基板の第1方向側に配置されている。
【0018】
本発明において、入力装置は、第1基板部と第2基板部とが離れたことを検知するための接触式の第2検知スイッチを備えることが好ましい。このように構成すると、犯罪者が、回路基板からデータを不正に取得するために何らかの作業を行って第1基板部と第2基板部とが離れたときに、第2検知スイッチの検知結果に基づいて所定の異常処理を実行することが可能になる。したがって、回路基板からのデータの不正な取得をより効果的に防止することが可能になる。
【0019】
本発明において、たとえば、フレキシブルプリント基板は、第1基板部に繋がる第3基板部を備え、第1基板部の第1方向側の面と第3基板部の第2方向側の面とが対向しており、第2検知スイッチは、第2基板部の第1方向側の面に実装され、検知スイッチは、第3基板部の第1方向側の面に実装されている。この場合には、展開された状態のフレキシブルプリント基板において、検知スイッチと第2検知スイッチとがフレキシブルプリント基板の同じ面に実装されている。したがって、フレキブルプリント基板への検知スイッチおよび第2検知スイッチの実装作業を容易に行うことが可能になる。
【0020】
本発明において、たとえば、本体部は、画像を表示する表示面を有する表示機構と、表示面に表示された画像を空間に投射することで空中像として結像させる空中結像機構とを備え、空中像が表示される領域である空中像表示領域が入力部となっている。
【発明の効果】
【0021】
以上のように、本発明では、ユーザの指先を用いて暗証番号等の情報を入力するための入力装置において、ユーザの指先の位置を検知するための指先検知機構が実装される回路基板からのデータの不正な取得を効果的に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施の形態にかかる入力装置の斜視図である。
図2図1に示す入力装置から筐体カバーを取り外した状態の斜視図である。
図3図2に示す本体部と入力モジュールとを分離した状態の斜視図である。
図4図3に示す入力モジュールを異なる方向から示す斜視図である。
図5図4に示す入力モジュールの構成を説明するための斜視図である。
図6図1に示す入力装置の構成を説明するための概略図である。
図7図1に示す入力装置で使用される空中像表示機構の構成を説明するための概略図である。
図8図1に示す空中像表示領域に表示される空中像の一例を示す図である。
図9図5に示す回路基板およびフレキシブルプリント基板等を抜き出して示す斜視図である。
図10図4に示す取外し検知機構の構成を説明するための拡大図である。
図11図3に示す制御基板の構成を説明するためのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0024】
(入力装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる入力装置1の斜視図である。図2は、図1に示す入力装置1から筐体カバー6を取り外した状態の斜視図である。図3は、図2に示す本体部5と入力モジュール4とを分離した状態の斜視図である。図4は、図3に示す入力モジュール4を異なる方向から示す斜視図である。図5は、図4に示す入力モジュール4の構成を説明するための斜視図である。図6は、図1に示す入力装置1の構成を説明するための概略図である。図7は、図1に示す入力装置1で使用される空中像表示機構18の構成を説明するための概略図である。図8は、図1に示す空中像表示領域Rに表示される空中像の一例を示す図である。
【0025】
本形態の入力装置1は、ユーザの指先を用いて情報を入力するための装置である。入力装置1は、たとえば、クレジットカード等による決済時の認証装置として使用される。本形態の入力装置1では、暗証番号が入力される。入力装置1は、たとえば、図1等のZ方向と上下方向(鉛直方向)とが一致するように設置されて使用される。以下の説明では、図1等のZ方向を上下方向とし、上下方向に直交する図1等のY方向を左右方向とし、上下方向と左右方向とに直交する図1等のX方向を前後方向とする。また、前後方向の一方側である図1等のX1方向側を「前」側とし、その反対側である図1等のX2方向側を「後ろ」側とする。
【0026】
本形態では、入力装置1の前側に立つユーザが上側から入力装置1に対して所定の操作を行う。入力装置1は、情報が入力される入力部2においてユーザの指先の位置を検知するための指先検知機構3(図6参照)を有する入力モジュール4と、入力モジュール4が取り付けられる本体部5と、入力モジュール4の一部および本体部5を覆う筐体カバー6とを備えている。図1に示すように、筐体カバー6は、筐体カバー6の上側部分を構成する上側筐体カバー7と、筐体カバー6の下側部分を構成する下側筐体カバー8とによって構成されている。
【0027】
入力モジュール4は、本体部5の上端部に固定されている。入力モジュール4は、指先検知機構3に加えて、指先検知機構3が実装される回路基板11(図5参照)と、回路基板11の少なくとも一部を覆うフレキシブルプリント基板12(以下、「FPC12」とする。)と、回路基板11が固定されるカバー部材13と、回路基板11を下側から覆うようにカバー部材13に固定される平板状の平板部材14とを備えている。
【0028】
カバー部材13は、長方形の枠状に形成される基部13aと、基部13aの内周端から下側に向かって突出する四角筒状の内側筒部13bと、基部13aの外周端から下側に向かって突出する四角筒状の外側筒部13cとから構成されており、カバー部材13には、上下方向に貫通する長方形の貫通穴が形成されている。カバー部材13は、長方形の枠状に形成される基部13aの長辺の方向が前後方向と一致するように配置されている。回路基板11は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板である。平板部材14は、金属製の金属板である。回路基板11および平板部材14は、平板状に形成されている。また、回路基板11および平板部材14は、長方形の枠状に形成されている。回路基板11および平板部材14は、内側筒部13bと外側筒部13cとの間に配置されている。
【0029】
カバー部材13は、本体部5の上端部に固定されている。すなわち、カバー部材13に固定される回路基板11および平板部材14は、カバー部材13を介して本体部5に取り付けられている。また、入力モジュール4は、本体部5から入力モジュール4が取り外されたことを検知するための取外し検知機構15を備えている。すなわち、入力モジュール4は、本体部5から回路基板11が取り外されたことを検知するための取外し検知機構15を備えている。入力モジュール4のより具体的な構成については後述する。
【0030】
本体部5は、三次元空間に空中像を表示する空中像表示機構18(図7参照)と、空中像表示機構18が収容される筐体19とを備えている。また、本体部5は、回路基板11が電気的に接続される制御基板20(図3参照)を有する制御モジュール21を備えている。筐体19は、上面側および前面側が開口する直方体の箱状に形成されている。制御基板20は、ガラスエポキシ基板等のリジッド基板であり、たとえば、長方形の平板状に形成されている。制御モジュール21は、制御基板20が収容される筐体22を備えている。制御モジュール21は、筐体19の前面側の開口を塞ぐように筐体19の前端部に固定されている。
【0031】
図7に示すように、空中像表示機構18は、画像を表示する表示面25aを有する表示機構25と、表示面25aに表示される画像を空間に投射することで空中像として結像させる空中結像機構26とを備えている。空中結像機構26は、ビームスプリッタ27と、再帰性反射材28とを備えている。表示機構25は、たとえば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイであり、表示面25aは、ディスプレイの画面である。表示機構25は、制御モジュール21の筐体22の後面に固定されている。表示面25aは、後ろ側を向いている。表示機構25は、制御基板20に電気的に接続されている。
【0032】
ビームスプリッタ27は、表示機構25の後ろ側に配置されている。ビームスプリッタ27は、表示面25aから射出された光の一部を反射する。再帰性反射材28は、ビームスプリッタ27の下側に配置されている。再帰性反射材28には、ビームスプリッタ27で反射した光が入射する。再帰性反射材28は、入射した光をビームスプリッタ27に向かって入射方向と同じ方向へ反射する。再帰性反射材28で反射した光は、ビームスプリッタ27を透過する。ビームスプリッタ27を透過した光によって空中像が形成される。
【0033】
本形態では、カバー部材13の内側筒部13bの内周側が、空中像が表示される領域である空中像表示領域Rとなっており、空中像表示領域Rは、内側筒部13bに囲まれている(図6参照)。また、本形態では、空中像表示領域Rが、ユーザが指先を用いて暗証番号を入力するための入力部2となっている。すなわち、カバー部材13の内側筒部13bの内周側が入力部2となっている。
【0034】
入力部2において暗証番号が入力されるときには、表示機構25は、暗証番号を入力するためのキーパッドの画像を表示面25aに表示し、空中結像機構26は、表示面25aに表示されたキーパッドの画像を空中像として空中像表示領域Rに表示する(図8参照)。ユーザは、空中像表示領域Rに表示されるキーパッドを利用して暗証番号を入力する。具体的には、ユーザは、空中像表示領域Rに表示されたキーパッドの中の所定のキー(数字)の位置に指先を順次移動させることで、暗証番号を入力する。すなわち、ユーザは、入力部2において指先を順次移動させて、暗証番号を入力する。
【0035】
(入力モジュールの構成)
図9は、図5に示す回路基板11およびFPC12等を抜き出して示す斜視図である。図10は、図4に示す取外し検知機構15の構成を説明するための拡大図である。
【0036】
上述のように、入力モジュール4は、指先検知機構3と回路基板11とFPC12とカバー部材13と平板部材14と取外し検知機構15とを備えている。回路基板11は、上述のように、平板状に形成されている。回路基板11は、前側に向かうにしたがって下側に向かうようにわずかに傾斜した状態で配置されており、回路基板11の厚さ方向は、上下方向と概ね一致している。
【0037】
以下の説明では、回路基板11の厚さ方向の一方側を第1方向側とし、第1方向側の反対側を第2方向側とする。本形態では、第1方向側は、下側と概ね一致しており、第2方向側は、上側と概ね一致している。上述のように、入力モジュール4は、本体部5の上端部に固定されており、本体部5は、入力モジュール4の下側に配置されている。すなわち、本体部5は、回路基板11の厚さ方向において回路基板11の一方側(具体的には、第1方向側)に配置されている。
【0038】
指先検知機構3は、入力部2においてユーザの指先の位置を検知する。指先検知機構3は、第1検知機構31と第2検知機構32とによって構成されている。第1検知機構31は、左右方向おいて空中像表示領域Rを挟むように対向配置される発光部33および受光部34を有する透過型の光学式センサである。第2検知機構32は、前後方向おいて空中像表示領域Rを挟むように対向配置される発光部35および受光部36を有する透過型の光学式センサである。第1検知機構31および第2検知機構32は、赤外線センサである。また、第1検知機構31および第2検知機構32は、ラインセンサである。発光部33、35では、複数の発光素子が直線状に配列され、受光部34、36では、複数の受光素子が直線状に配列されている。
【0039】
指先検知機構3は、回路基板11の上側の面に実装されている。すなわち、指先検知機構3は、回路基板11の第2方向側の面に実装されている。指先検知機構3および回路基板11は、カバー部材13の基部13aの下側に配置されている。また、指先検知機構3は、カバー部材13の内側筒部13bの外周側に配置されている。すなわち、発光部33、35および受光部34、36は、内側筒部13bの外周側に配置されている。なお、カバー部材13は、赤外線を透過する樹脂材料によって形成されており、発光部33、35から射出される赤外光は、内側筒部13bを透過する。
【0040】
空中像表示領域Rを含む所定の領域(すなわち、入力部2を含む所定の領域)にユーザの指先が配置されると、受光部34、36が有する複数の受光素子のうちの特定の受光素子に赤外光が入射しなくなる。そのため、指先検知機構3によって、空中像表示領域Rを含む所定の領域においてユーザの指先の位置が検知される。本形態では、空中像表示領域Rの全域において(すなわち、入力部2の全域において)、指先検知機構3によってユーザの指先の位置が検知される。入力部2において入力される暗証番号は、指先検知機構3の検知結果に基づいて特定される。
【0041】
回路基板11および平板部材14は、上述のように、長方形の枠状に形成されている。回路基板11は、長方形の枠状に形成される回路基板11の長辺の方向が前後方向と略一致するように配置され、平板部材14は、長方形の枠状に形成される平板部材14の長辺の方向が前後方向と略一致するように配置されている。平板部材14は、回路基板11と略同形状の枠状に形成されている。
【0042】
平板部材14は、平板部材14の厚さ方向と回路基板11の厚さ方向とが一致するように配置されている。また、平板部材14は、回路基板11の下側に配置されており、回路基板11の厚さ方向において回路基板11と本体部5との間に配置されている。平板部材14は、回路基板11を下側から覆っている。平板部材14は、カバー部材13の基部13aに固定されている。本形態では、平板部材14が基部13aに固定されることで、回路基板11がカバー部材13に固定されている。
【0043】
回路基板11の前側部分を構成する前辺部11aには、指先検知機構3によって検知された指先の位置データ(具体的には、受光部34、36の出力信号)を処理して暗号化するための暗号化回路が実装されている。前辺部11aは、回路基板11の、安全性(セキュリティ性)の確保が必要なデータの処理が行われる部分となっている。前辺部11aには、フレキシブルプリント基板39(以下、「FPC39」とする。)の一端が繋がっている。FPC39の他端は、制御基板20に繋がっている。制御基板20には、暗号化されたデータが回路基板11からFPC39を介して送信される。
【0044】
FPC12は、柔軟性を有する平らなフィルム状のフレキシブルプリント基板を所定形状に折り曲げることで形成されている。FPC12は、回路基板11に電気的に接続されている。また、FPC12は、回路基板11およびFPC39を介して制御基板20に電気的に接続されている。FPC12は、回路基板11の前辺部11aを覆っている。また、FPC12は、回路基板11の厚さ方向において前辺部11aを両側から覆っている。すなわち、FPC12は、回路基板11の厚さ方向において回路基板11の一部を両側から覆っている。
【0045】
FPC12は、前辺部11aを第1方向側から覆う第1基板部12aと、前辺部11aを第2方向側から覆う第2基板部12bと、第1基板部12aと第2基板部12bとを繋ぐ接続基板部12cとを備えている。第1基板部12aは、前辺部11aの下側に配置されている。第2基板部12bは、前辺部11aの上側に配置されている。接続基板部12cは、前辺部11aの前側に配置されている。
【0046】
第1基板部12aの左右方向の幅と第2基板部12bの左右方向の幅とは等しくなっている。接続基板部12cは、第1基板部12aの前端と第2基板部12bの前端とを繋いでいる。第1基板部12aは、平板部材14の前側部分を構成する前辺部14aの上側に配置されている。第1基板部12aは、前辺部14aの上面に貼り付けられている(図5参照)。すなわち、FPC12の一部は、平板部材14に貼り付けられている。
【0047】
また、FPC12は、第1基板部12aに繋がる第3基板部12dを備えている。第3基板部12dの左右方向の幅は、第1基板部12aの左右方向の幅よりも狭くなっている。第3基板部12dは、第1基板部12aの下側に配置されている。第3基板部12dは、第1基板部12aの前端に繋がっている。また、第3基板部12dは、平板部材14の前辺部14aの下側に配置されている。第3基板部12dは、前辺部14aの下面に貼り付けられている。第1基板部12aの第1方向側の面と第3基板部12dの第2方向側の面とは、前辺部14aを介して対向している。
【0048】
上述のように、本体部5は、入力モジュール4の下側に配置されており、FPC12の下側に配置されている。すなわち、本体部5は、FPC12の第1方向側に配置されている。本形態では、FPC12は、制御モジュール21の筐体22の上側に配置されており、回路基板11の厚さ方向において制御モジュール21と重なっている。具体的には、FPC12の全体が、回路基板11の厚さ方向において筐体22と重なっている。すなわち、回路基板11の、FPC12に覆われている部分の全体が回路基板11の厚さ方向において筐体22と重なっている。
【0049】
FPC12には、タンパ検知パターンP1、P2が形成されている(図11参照)。たとえば、FPC12には、2本のタンパ検知パターンP1、P2が形成されている。タンパ検知パターンP1、P2は、タンパ検知パターンP1、P2自身が断線したことおよびタンパ検知パターンP1とタンパ検知パターンP2とが短絡したことを検知するために設けられている。タンパ検知パターンP1とタンパ検知パターンP2とは、一対になった状態で不規則に引き回されている。また、タンパ検知パターンP1、P2は、FPC12の全域で引き回されており、FPC12の全域に形成されている。
【0050】
取外し検知機構15は、接触式の検知スイッチ41を備えている。本形態の取外し検知機構15は、検知スイッチ41によって構成されている。検知スイッチ41は、押しボタンスイッチである。すなわち、検知スイッチ41は、プッシュ型の検知スイッチである。検知スイッチ41は、FPC12に実装されている。具体的には、検知スイッチ41は、第3基板部12dの第1方向側の面(下側の面)に実装されている。検知スイッチ41は、FPC12、回路基板11およびFPC39を介して制御基板20に電気的に接続されている。
【0051】
検知スイッチ41は、回路基板11の厚さ方向に移動可能な円柱状の可動ピン41aを備えている。可動ピン41aは、可動ピン41aの軸方向と回路基板11の厚さ方向とが一致するように配置されている。可動ピン41aは、第1方向側(下側)に向かって突出している。可動ピン41aは、第1方向側に向かって付勢されている。第3基板部12dの第1方向側の面に実装される検知スイッチ41は、回路基板11の、FPC12に覆われている部分(すなわち、前辺部11a)と筐体22との間に配置されている。すなわち、検知スイッチ41は、回路基板11の、FPC12に覆われている部分と本体部5との間に配置されている。
【0052】
入力モジュール4が本体部5に固定されているときには(すなわち、回路基板11が本体部5に取り付けられているときには)、可動ピン41aの先端面が筐体22の上端面に接触している。このときには、図10(A)に示すように、筐体22によって可動ピン41aが上側に押されており、検知スイッチ41がオン状態になっている。一方、本体部5から入力モジュール4が取り外されると、図10(B)に示すように、第3基板部12dに対して可動ピン41aが下側に移動して、検知スイッチ41がオフ状態に切り替わる。
【0053】
そのため、検知スイッチ41の検知結果に基づいて、本体部5から入力モジュール4が取り外されたこと(すなわち、本体部5から回路基板11が取り外されたこと)を検知することが可能になっている。なお、可動ピン41aが上側に押されているときに検知スイッチ41がオフ状態になり、可動ピン41aが下側に移動したときに検知スイッチ41がオン状態になっても良い。
【0054】
また、第2基板部12bには、第1基板部12aと第2基板部12bとが離れたことを検知するための接触式の検知スイッチ42が実装されている(図5参照)。すなわち、入力モジュール4は、第1基板部12aと第2基板部12bとが離れたことを検知するための接触式の検知スイッチ42を備えている。検知スイッチ42は、検知スイッチ41と同様に構成される押しボタンスイッチである。本形態の検知スイッチ42は、第2検知スイッチである。
【0055】
検知スイッチ42は、第2基板部12bの第1方向側の面(下側の面)に実装されている。検知スイッチ42は、第2基板部12bの左右方向の両端側の2箇所に実装されている。検知スイッチ42は、FPC12、回路基板11およびFPC39を介して制御基板20に電気的に接続されている。検知スイッチ42は、回路基板11の厚さ方向に移動可能な円柱状の可動ピン42aを備えている。可動ピン42aは、可動ピン42aの軸方向と回路基板11の厚さ方向とが一致するように配置されている。可動ピン42aは、第1方向側(下側)に向かって突出している。可動ピン42aは、第1方向側に向かって付勢されている。
【0056】
平板部材14がカバー部材13に固定されていて第1基板部12aと第2基板部12bとが近づいているときには、可動ピン42aの先端面が第1基板部12aの第2方向側の面に接触している。このときには、第1基板部12aおよび平板部材14によって可動ピン42aが上側に押されており、検知スイッチ42がオン状態になっている。一方、平板部材14がカバー部材13から取り外されて第1基板部12aと第2基板部12bとが離れると、第2基板部12bに対して可動ピン42aが下側に移動して、検知スイッチ42がオフ状態に切り替わる。
【0057】
そのため、検知スイッチ42の検知結果に基づいて、第1基板部12aと第2基板部12bとが離れたことを検知することが可能になっている。なお、可動ピン42aが上側に押されているときに検知スイッチ42がオフ状態になり、可動ピン42aが下側に移動したときに検知スイッチ42がオン状態になっても良い。
【0058】
(制御基板の構成)
図11は、図3に示す制御基板20の構成を説明するためのブロック図である。
【0059】
制御基板20には、FPC12と検知スイッチ41、42とが電気的に接続されるタンパ検知回路45が実装されている。タンパ検知回路45は、タンパ検知パターンP1、P2が断線したことおよびタンパ検知パターンP1とタンパ検知パターンP2とが短絡したことを検知するための破壊検知回路46と、本体部5から回路基板11が取り外されたことを検知するための取外し検知回路47と、第1基板部12aと第2基板部12bとが離れたことを検知するための分離検知回路48とを備えている。破壊検知回路46には、タンパ検知パターンP1、P2が電気的に接続されている。取外し検知回路47には、検知スイッチ41が電気的に接続されている。分離検知回路48には、2個の検知スイッチ42が電気的に接続されている。
【0060】
入力装置1では、犯罪者が回路基板11からデータを不正に取得するための不正行為を行おうとして、タンパ検知回路45において、タンパ検知パターンP1、P2が断線したこと、タンパ検知パターンP1とタンパ検知パターンP2とが短絡したこと、本体部5から回路基板11が取り外されたこと、および、第1基板部12aと第2基板部12bとが離れたことの少なくともいずれか1つが検知されると、所定の異常処理が実行される。
【0061】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、タンパ検知パターンP1、P2が形成されるFPC12が、回路基板11の、安全性の確保が必要なデータの処理が行われる部分である前辺部11aを覆っている。そのため、本形態では、犯罪者が、回路基板11からデータを不正に取得しようとして回路基板11の前辺部11aに不正にアクセスをしたときに、タンパ検知パターンP1、P2を断線させたり、短絡させたりすることが可能になる。また、本形態では、タンパ検知パターンP1、P2が断線したことが検知されると、所定の異常処理が実行されている。
【0062】
また、本形態では、本体部5から回路基板11が取り外されたことを検知するための取外し検知機構15が設置されているため、犯罪者が、回路基板11からデータを不正に取得しようとして本体部5から回路基板11を取り外したときに、本体部5から回路基板11が取り外されたことを検知することが可能になる。また、本形態では、本体部5から回路基板11が取り外されたことが検知されると、所定の異常処理が実行されている。
【0063】
さらに、本形態では、接触式の検知スイッチ41が、回路基板11の、FPC12に覆われている部分(すなわち、前辺部11a)と筐体22との間に配置されており、回路基板11の、安全性の確保が必要なデータの処理が行われる部分である前辺部11aの近傍に筐体22が配置されている。そのため、本形態では、犯罪者は、回路基板11の、安全性の確保が必要な部分である前辺部11aにアクセスしにくくなる。
【0064】
このように、本形態では、タンパ検知パターンP1、P2の断線が検知されたときに所定の異常処理が実行され、かつ、本体部5から回路基板11が取り外されたことが検知されたときに所定の異常処理が実行されるとともに、犯罪者は、回路基板11の、安全性の確保が必要な部分にアクセスしにくくなる。したがって、本形態では、回路基板11からのデータの不正な取得を効果的に防止することが可能になる。
【0065】
本形態では、接触式の検知スイッチ41が、回路基板11の、FPC12に覆われている部分(すなわち、前辺部11a)と制御モジュール21の筐体22との間に配置されており、前辺部11aの近傍に制御モジュール21の筐体22が配置されている。そのため、本形態では、犯罪者が、前辺部11aに不正にアクセスしたときに、制御モジュール21が破壊されやすくなる。したがって、本形態では、制御モジュール21の破壊が検知されたときに所定の異常処理を実行することで、回路基板11からのデータの不正な取得をより効果的に防止することが可能になる。
【0066】
本形態では、回路基板11の前辺部11aの全体が回路基板11の厚さ方向において筐体22と重なっている。そのため、本形態では、犯罪者は、前辺部11aによりアクセスしにくくなる。また、犯罪者が、前辺部11aに不正にアクセスしたときに、制御モジュール21がより破壊されやすくなるため、制御モジュール21の破壊が検知されたときに所定の異常処理を実行することで、回路基板11からのデータの不正な取得をより効果的に防止することが可能になる。
【0067】
本形態では、検知スイッチ41は、FPC12に実装されている。そのため、本形態では、検知スイッチ41を実装するための基板を別途設ける必要がない。したがって、本形態では、入力装置1の構成を簡素化することが可能になる。また、本形態では、回路基板11が平板部材14に下側から覆われているため、犯罪者は、回路基板11の前辺部11aによりアクセスしにくくなる。
【0068】
本形態では、FPC12に、第1基板部12aと第2基板部12bとが離れたことを検知するための接触式の検知スイッチ42が実装されており、第1基板部12aと第2基板部12bとが離れたことが検知されると、所定の異常処理が実行されている。そのため、本形態では、犯罪者が、回路基板11からデータを不正に取得しようとして何らかの作業を行って第1基板部12aと第2基板部12bとが離れたときに所定の異常処理が実行される。したがって、本形態では、回路基板11からのデータの不正な取得をより効果的に防止することが可能になる。
【0069】
本形態では、検知スイッチ41が第3基板部12dの第1方向側の面に実装されるとともに、検知スイッチ42が第2基板部12bの第1方向側の面に実装されており、展開された状態のFPC12において(すなわち、所定形状に折り曲げられる前のFPC12において)、検知スイッチ41と検知スイッチ42とがFPC12の同じ面に実装されている。そのため、本形態では、FPC12への検知スイッチ41、42の実装作業を容易に行うことが可能になる。
【0070】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0071】
上述した形態では、本体部5は、空中像表示機構18を備えているが、本体部5は、空中像表示機構18を備えていなくても良い。この場合には、たとえば、カバー部材13の内側筒部13bよりも下側に液晶ディスプレイ等の表示機構が配置されている。この場合であっても、内側筒部13bの内周側が入力部2となっている。ユーザは、表示機構に表示されたキーパッドを利用して暗証番号を入力する。具体的には、ユーザは、表示機構に表示されたキーパッドの中の所定のキーの上側に指先を順次移動させることで、表示機構に触れることなく暗証番号を入力する。
【0072】
上述した形態において、第1検知機構31および第2検知機構32は、赤外光を射出する発光部と、発光部から射出されてユーザの指先で反射した赤外光が入射する受光部とを備える反射型の光学式センサであっても良い。また、上述した形態において、指先検知機構3は、光学式センサ以外のセンサであっても良い。たとえば、指先検知機構3は、静電容量センサであっても良い。
【0073】
上述した形態では、検知スイッチ41は、可動ピン41aを備えているが、検知スイッチ41は、可動ピン41aを備えていないメンブレンスイッチ(シートスイッチ)であっても良い。また、検知スイッチ41は、レバー型の検知スイッチであっても良い。同様に、検知スイッチ42は、メンブレンスイッチであっても良いし、レバー型の検知スイッチであっても良い。また、上述した形態において、入力モジュール4は、検知スイッチ42を備えていなくても良い。
【0074】
上述した形態において、FPC12に形成されるタンパ検知パターンの数は、1本であっても良いし、3本以上であっても良い。FPC12に形成されるタンパ検知パターンの数が1本である場合には、タンパ検知パターンは、自身が断線したことのみを検知するために設けられている。また、上述した形態において、FPC12は、第3基板部12dを備えていなくても良い。この場合には、検知スイッチ41は、第1基板部12aの第1方向側の面(下側の面)に実装されている。さらに、上述した形態において、検知スイッチ41は、FPC12に実装されていなくても良い。この場合には、検知スイッチ41が実装される基板が別途設けられている。
【0075】
上述した形態において、回路基板11の前辺部11aの一部分のみが回路基板11の厚さ方向において筐体22と重なっていても良い。また、上述した形態において、前辺部11aの全体または一部分が回路基板11の厚さ方向において筐体19と重なっていても良い。また、上述した形態において、入力部2で入力される情報は、暗証番号以外の情報であっても良い。たとえば、入力部2でユーザのサインが入力されても良い。さらに、上述した形態において、回路基板11は、フレキシブルプリント基板であっても良い。また、本発明が適用される入力装置1は、認証装置以外の装置として使用されても良い。
【符号の説明】
【0076】
1 入力装置
2 入力部
3 指先検知機構
5 本体部
11 回路基板
12 FPC(フレキシブルプリント基板)
12a 第1基板部
12b 第2基板部
12c 接続基板部
12d 第3基板部
14 平板部材
15 取外し検知機構
20 制御基板
21 制御モジュール
22 筐体
25 表示機構
25a 表示面
26 空中結像機構
41 検知スイッチ
42 検知スイッチ(第2検知スイッチ)
P1、P2 タンパ検知パターン
R 空中像表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11