(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145893
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20220101AFI20231004BHJP
G06F 16/903 20190101ALI20231004BHJP
G09G 5/14 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06F16/903
G09G5/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052788
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107216
【弁理士】
【氏名又は名称】伊與田 幸穂
(72)【発明者】
【氏名】田中 匠
【テーマコード(参考)】
5B175
5C182
5E555
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175HA02
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AB08
5C182AB14
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC38
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA06
5C182BA65
5C182BA66
5C182BC26
5C182CB47
5C182CC01
5C182DA44
5E555AA01
5E555BA01
5E555BB01
5E555BC01
5E555CB45
5E555CC03
5E555DA01
5E555DB18
5E555DB53
5E555DC23
5E555EA03
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】ファイルに対して処理に関する操作を設定する場合に比べ、ユーザの操作負担の軽減を図る。
【解決手段】プロセッサを備え、プロセッサは、TrayAのトレイアイコン51に格納される文書[Document1]に対するユーザの指示を受け付けるための受付画像61を表示し、受付画像61に対するユーザの指示を受け付けた場合、トレイアイコン51に対して予め定められている処理であって受付画像61に対応する[Document1]に対する処理を案内する(符号62a)、ことを特徴とする情報処理装置である。
【選択図】
図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
格納部に格納されるファイルに対するユーザの指示を受け付けるための受付画像を表示し、
前記受付画像に対するユーザの指示を受け付けた場合、前記格納部に対して予め定められている処理であって当該受付画像に対応する前記ファイルに対する処理を案内する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
案内される前記処理は、前記格納部に対して予め定められている処理の一部である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記予め定められている処理の一部は、前記ファイルに対して実行すべき処理を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記予め定められている処理の一部は、前記ファイルに対する実行が制限される処理を含まない、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記予め定められている処理は、前記格納部ごとの設定が可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記格納部ごとの設定は、当該格納部に格納の前記ファイルについての操作履歴を基に行われる、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記格納部ごとの設定は、当該格納部に格納の前記ファイルについての操作履歴の中からユーザが抽出することで行われる、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記格納部ごとの設定は、複数の操作についての操作内容及び操作順に関しユーザにより行われる、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記格納部ごとの設定は、当該格納部に対してユーザが選択可能な複数の設定である、
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記処理を案内する場合の画像である案内画像は、前記受付画像と共に表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記案内画像は、前記受付画像と重ならないように表示される、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記ファイルに対する処理が、複数の操作についての操作内容及び操作順を予め定めているものである場合、
前記案内による前記ファイルに対する処理の進捗を保存する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記ファイルに対する処理の進捗が保存された場合の当該ファイルに対応する前記受付画像に、当該処理の進捗を示すアイコンが付加される、
ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
【請求項14】
情報処理装置に、
格納部に格納されるファイルに対するユーザの指示を受け付けるための受付画像を表示する機能と、
前記受付画像に対するユーザの指示を受け付けた場合、前記格納部に対して予め定められている処理であって当該受付画像に対応する前記ファイルに対する処理を案内する機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項15】
格納部に格納されるファイルに対するユーザの指示を受け付けるための受付画像を表示するステップと、
前記受付画像に対するユーザの指示を受け付けた場合、前記格納部に対して予め定められている処理であって当該受付画像に対応する前記ファイルに対する処理を案内するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ファイルのアイコン上にポインタがポイントしている場合に、対象ファイルの更新日時やサイズなどのファイル情報、対象ファイルの内容を表すプレビューを含むツールチップを表示する構成が開示されている。また、特許文献2には、ファイルに特定の処理を実行することのできる特定処理手段と、表示手段とを有する情報処理装置であって、ユーザが選択したある一つのファイルに対して特定処理手段が特定の処理を実行した後、一つのファイルの識別情報と、特定処理手段の識別情報とを表示手段に表示させる手段と、表示手段に表示された一つのファイルの識別情報が選択されると、特定の処理に関連する処理の識別情報を表示手段に表示させる手段と、表示手段に表示された特定の処理に関連する処理の識別情報がユーザにより選択されると、選択された識別情報に対応する処理を実行する手段と、表示手段に表示される特定処理手段の識別情報がユーザにより選択されると、特定処理手段で特定の処理が過去に実行された複数のファイルの識別情報を含むリストを表示手段に表示させる手段とを有することを特徴とする情報処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-129164号公報
【特許文献2】特許第5822971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、格納部に格納されているファイルに対しユーザが処理を行う場合にファイルの各々に対して処理に関する同様の操作をユーザが行う必要があると、処理に伴う操作の効率化を図ることが困難である。その一方で、ファイルに対して処理に関する操作を設定する場合には、新たに追加されるファイルに対して設定操作を行う必要があり、ユーザの操作負担の軽減を図ることが困難である。
本発明の目的は、ファイルに対して処理に関する操作を設定する場合に比べ、ユーザの操作負担の軽減を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、格納部に格納されるファイルに対するユーザの指示を受け付けるための受付画像を表示し、前記受付画像に対するユーザの指示を受け付けた場合、前記格納部に対して予め定められている処理であって当該受付画像に対応する前記ファイルに対する処理を案内する、ことを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、案内される前記処理は、前記格納部に対して予め定められている処理の一部である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記予め定められている処理の一部は、前記ファイルに対して実行すべき処理を含む、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記予め定められている処理の一部は、前記ファイルに対する実行が制限される処理を含まない、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記予め定められている処理は、前記格納部ごとの設定が可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記格納部ごとの設定は、当該格納部に格納の前記ファイルについての操作履歴を基に行われる、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記格納部ごとの設定は、当該格納部に格納の前記ファイルについての操作履歴の中からユーザが抽出することで行われる、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記格納部ごとの設定は、複数の操作についての操作内容及び操作順に関しユーザにより行われる、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記格納部ごとの設定は、当該格納部に対してユーザが選択可能な複数の設定である、ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記処理を案内する場合の画像である案内画像は、前記受付画像と共に表示される、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記案内画像は、前記受付画像と重ならないように表示される、ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記ファイルに対する処理が、複数の操作についての操作内容及び操作順を予め定めているものである場合、前記案内による前記ファイルに対する処理の進捗を保存する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項13に記載の発明は、前記ファイルに対する処理の進捗が保存された場合の当該ファイルに対応する前記受付画像に、当該処理の進捗を示すアイコンが付加される、ことを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置である。
請求項14に記載の発明は、情報処理装置に、格納部に格納されるファイルに対するユーザの指示を受け付けるための受付画像を表示する機能と、前記受付画像に対するユーザの指示を受け付けた場合、前記格納部に対して予め定められている処理であって当該受付画像に対応する前記ファイルに対する処理を案内する機能と、を実現させるプログラムである。
請求項15に記載の発明は、格納部に格納されるファイルに対するユーザの指示を受け付けるための受付画像を表示するステップと、前記受付画像に対するユーザの指示を受け付けた場合、前記格納部に対して予め定められている処理であって当該受付画像に対応する前記ファイルに対する処理を案内するステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1によれば、ファイルに対して処理に関する操作を設定する場合に比べ、ユーザの操作負担の軽減を図ることができる。
請求項2によれば、案内される処理が格納部に対して予め定められている処理の全部である場合に比べ、ユーザの操作負担の軽減を図ることができる。
請求項3によれば、予め定められている処理の一部がファイルに対して実行すべき処理を含まない場合に比べ、ユーザが実行すべき操作を探す際の負担を軽減することができる。
請求項4によれば、予め定められている処理の一部がファイルに対する実行が制限される処理を含む場合に比べ、実行させたくない処理の制限管理を行うことができる。
請求項5によれば、予め定められている処理が格納部ごとに設定するものでない場合に比べ、ファイルの在処に応じた案内を行うことができる。
請求項6によれば、格納部ごとの設定が操作履歴を基に行われるものでない場合に比べ、ユーザの操作性を向上させることができる。
請求項7によれば、格納部ごとの設定が操作履歴の中からユーザが抽出することで行われるものでない場合に比べ、ユーザの操作性を向上させることができる。
請求項8によれば、格納部ごとの設定が操作内容及び操作順に関しユーザにより行われるものでない場合に比べ、ユーザの操作性を向上させることができる。
請求項9によれば、格納部ごとの設定がユーザによる選択可能な複数の設定ではない場合に比べ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
請求項10によれば、案内画像が受付画像と共に表示されるものでない場合に比べ、ユーザの操作負担の軽減を図ることができる。
請求項11によれば、案内画像が受付画像と重ならないように表示されるものでない場合に比べ、ユーザの操作負担の軽減を図ることができる。
請求項12によれば、案内によるファイルに対する処理の進捗を保存するものでない場合に比べ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
請求項13によれば、受付画像に処理の進捗を示すアイコンが付加されない場合に比べ、ユーザの使い勝手を向上させることができる。
請求項14によれば、ファイルに対して処理に関する操作を設定する場合に比べ、ユーザの操作負担の軽減を図ることができる。
請求項15によれば、ファイルに対して処理に関する操作を設定する場合に比べ、ユーザの操作負担の軽減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】本実施の形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【
図3】端末装置のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
【
図5】トレイアイコンに対応するワークフローを事前設定する場合のフローチャートである。
【
図6】表示部における実際の処理を示すフローチャートである。
【
図8】ワークスペースに表示される第1処理設定の画面例を示す図である。
【
図9】ワークスペースに表示される第2処理設定の画面例を示す図である。
【
図10】ワークスペースに表示されるワークフローの設定の画面例を示す図である。
【
図11】データベースに格納されている情報例を説明する図である。
【
図13】通知後にワークフローの処理1が実行される場面を説明する図である。
【
図14】ワークフローの処理2が実行される場面を説明する図である。
【
図15】ワークフローの処理3が実行される場面を説明する図である。
【
図16】文書一覧が行われた場面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成例を示した図である。
本実施の形態に係る情報処理システム1は、ファイルを管理するサーバ装置10と、ユーザがファイルを閲覧するために使用する端末装置20(20a,20b,…)と、データベース30とが、通信回線80を介して接続されることにより構成されている。
通信回線80は、例えば、LAN(=Local Area Network)やインターネット等の回線であり、サーバ装置10と端末装置20との間及びサーバ装置10とデータベース30との間の情報通信に用いられる。もっとも、ネットワークは、LANとインターネットとの複合型の構成でもよい。
本実施の形態の情報処理システム1は、サーバ装置10にアップロードしデータベース30に保存されているファイルを、端末装置20にて閲覧や編集するものとする。
【0009】
なお、本実施の形態において、「ファイル」とは、サーバ装置10や端末装置20、データベース30等に記憶される電子ファイルのことである。
このファイルは、文字のほかに画像を含んでいてもよく、文字を含まず画像のみからなっていてもよい。また、ファイルには、文書データ、画像データだけでなく、文書データを画像に変換する際に用いられる情報や、ファイルの更新日時、用紙サイズ、ページ数、ファイル内のキーワード等の属性情報が含まれてもよい。
【0010】
サーバ装置10は、端末装置20からアップロードされたファイルを管理するための装置である。サーバ装置10により管理されるファイルは、データベース30に保存されて複数のユーザにより共有され、一又は複数のユーザにより編集され得る。
サーバ装置10は、例えば、コンピュータ装置により実現される。サーバ装置10は、単一のコンピュータにより構成してもよく、複数のコンピュータによる分散処理により実現してもよい。
【0011】
端末装置20は、サーバ装置10にて管理されているファイルを閲覧したり、編集したりするための装置である。
端末装置20は、ファイルに対応する画像を表示する表示部を有する。端末装置20は、コンピュータ装置を備える。端末装置20の形態としては、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット型情報端末、スマートフォン、ゲーム機器などが挙げられる。
【0012】
サーバ装置10のハードウェア構成について説明する。
図2は、本実施の形態に係るサーバ装置10のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。
サーバ装置10には、ファイルの管理を実現させるプログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部11と、ファイル等が記録される2次記憶部12と、通信回線80(
図1参照)を介して情報の送受信を行う通信部13とを有している。
2次記憶部12は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0013】
演算処理部11には、プロセッサの一例としてのCPU11aが設けられている。このCPU11aは、サーバ装置10の装置全体の制御を行う。
また、演算処理部11は、CPU11aの作業用メモリ等として用いられるRAM11b、CPU11aにより実行されるプログラム等が格納されるROM11cを備える。
また、演算処理部11は、書き換え可能に構成され電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ11d、演算処理部11に接続される通信部13等の各部を制御するインターフェース部11eを備えている。
【0014】
不揮発性メモリ11dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成され、不揮発性メモリ11dには、ファイルの情報やファイル同士を対応付ける対応情報等が記憶される。
また、2次記憶部12には、ファイル等が記憶される他、演算処理部11により実行されるプログラムが記憶される。
本実施形態では、演算処理部11が2次記憶部12に記憶されたプログラムを読み込むことによって、サーバ装置10の各処理が実行される。なお、演算処理部11と、2次記憶部12と、通信部13とは、バスや信号線を通じて接続される。
【0015】
サーバ装置10は、端末装置20からの要求等に応じて、新たなファイルの取得、ファイルの抽出、ファイル同士の対応付け、ファイルの更新内容の反映、データベース30に対するアクセス等の処理を実行する。
また、サーバ装置10は、端末装置20からの要求等に応じ、ファイル、検索処理の結果、更新情報等の各種の情報を、端末装置20へ提供する。
本実施形態では、2次記憶部12が、ファイル等を記憶する。また、通信部13が端末装置20からの要求等を受信したり、要求されたファイル等を送信したりする。
【0016】
サーバ装置10に設けられたCPU11aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、サーバ装置10へ提供しうる。また、CPU11aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、サーバ装置10へ提供してもよい。
【0017】
次に、端末装置20のハードウェア構成について説明する。
図3は、端末装置20のハードウェア構成の一例を示したブロック図である。端末装置20は、情報処理装置の一例である。
本実施の形態に係る端末装置20の各々は、プログラムに従って画像の表示処理を実行する演算処理部21と、ファイル等が記録される2次記憶部22と、通信回線80(
図1参照)を介して情報の送受信を行う通信部23とを有する。
【0018】
また、端末装置20の各々は、ユーザからの入力操作を受け付ける入力部24と、ユーザに対して画像やテキスト情報などを表示する表示部25とを有する。この表示部25は、例えば、液晶ディスプレイパネルや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイパネルなどにより構成される。
2次記憶部22は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ、磁気テープ等、既存の情報記憶装置により実現される。
【0019】
演算処理部21は、プロセッサの一例としてのCPU21aを有する。このCPU21aは、端末装置20の装置全体の制御を行う。
また、演算処理部21は、CPU21aの作業用メモリ等として用いられるRAM21b、CPU21aにより実行されるプログラム等が格納されるROM21cを備える。
また、演算処理部21は、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる不揮発性メモリ21d、演算処理部21に接続される通信部23等の各部を制御するインターフェース部21eを備える。
【0020】
不揮発性メモリ21dは、例えば、電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等で構成され、ファイル、更新情報等が記憶される。
また、2次記憶部22には、ファイル等が記憶される他、演算処理部21により実行されるプログラムが記憶される。演算処理部21が、この2次記憶部22に記憶されたプログラムを読み込むことによって、端末装置20の各処理が実行される。
なお、演算処理部21と、2次記憶部22と、通信部23とは、バスや信号線を通じて接続される。
【0021】
入力部24は、ユーザが情報を入力する際に操作するポインティングデバイス等である。
例えば入力部24がマウスの場合、ユーザは、カーソル501(例えば
図7参照)の移動操作やクリック操作を行うことにより、表示部25に表示された表示画面上の位置の指定や、表示部25に表示された画像の指定や、指定した画像の移動を行う。
また、入力部24がタッチパネルの場合、ユーザは、指等をタッチパネルに接触させる操作や、タッチパネルに接触させた指を移動させる操作を行う。これにより、ユーザは、表示部25に表示された表示画面上の位置の指定や、表示部25に表示された画像の指定や、指定した画像の移動を行える。
【0022】
なお、端末装置20にはタッチパネルが設けられている場合もあり、この場合、入力部24と表示部25とが一体となって設けられる形となる。
また、入力部24は、上記のポインティングデバイス等の他に、キーによる入力操作を行うキーボードであってもよい。
【0023】
端末装置20に設けられたCPU21aによって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、端末装置20へ提供しうる。また、CPU21aによって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて、端末装置20へ提供してもよい。
【0024】
本明細書において、プロセッサとは、広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU:Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC:Application Specific Integrated Circuit、FPGA:Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は、本実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0025】
次に、端末装置20のCPU21aにおける機能ブロック図について説明する。
図4は、CPU21aの機能ブロック図である。なお、同図の機能ブロック図は、端末装置20のCPU21aについてのものであるが、サーバ装置10のCPU11aとしてもよい。
図4に示すように、CPU21aは、表示制御部41と、処理部42と、案内部43と、を含んで構成されている。
【0026】
表示制御部41は、表示部25における表示、例えばトレイに対応する設定(
図5参照)を行う際にワークスペース500(例えば
図7参照)の表示を制御する。例えば、ワークスペース500において、トレイに対する設定(
図8~
図10参照)を行う際の表示を制御する。
また、ワークスペース500において、通知画像61(例えば
図12参照)の表示や、クイックビュー領域62(例えば
図13参照)での文書のプレビュー、文書一覧領域71(
図16参照)の表示等を制御する。
【0027】
処理部42は、トレイの設定に対する実際の内部処理を行う。すなわち、処理部42は、トレイアイコン51~53(
図7参照)に格納されている文書に対する処理を行う。例えば、ワークスペース500のクイックビュー領域62に表示される文書に対する電子印の付与(例えば
図14参照)等の処理である。
【0028】
案内部43は、設定による実際の処理(
図6参照)を行う際にワークフローに従って文書に対する処理を案内する。かかる処理の案内は、例えばクイックビュー領域62内での案内領域62a~62c(
図13~
図15参照)の表示、案内領域72a(
図16参照)の表示により行われる。詳細は後述する。
【0029】
次に、文書等のファイルを収容するトレイに対応する設定を行う場合や設定に対する実際の処理を
図5及び
図6を用いて説明する。
図5は、トレイアイコン51に対応するワークフローを事前設定する場合のフローチャートである。なお、ワークフローの事前設定が行われないスキップが行われる場合もある。
同図に示すフローチャートでは、端末装置20の表示部25において(
図3参照)事前設定を行うトレイの指定操作があると、その受付を行い(ステップ101)、指定されたトレイの第1処理設定の画面を表示部25に表示する(ステップ102)。第1処理設定の画面は、例えば、カーソル501(
図7参照)を合わせた文書を拡大表示しページをめくって中身を確認できるクイックビューにて表示される処理等を設定するためのものである。
【0030】
第1処理設定が終了すると、指定されたトレイについての第2処理設定の画面を表示する(ステップ103)。第2処理設定の画面は、例えばクイックビューにて実行が制限される処理を設定するためのものである。
【0031】
第2処理設定が終了すると、指定されたトレイに対応するワークフローの設定が行われ(ステップ104)、その設定は、データベース30(
図1参照)に保存される(ステップ105)。これにより、指定されたトレイとワークフローの設定とが対応付けられ、指定されたトレイに収容されたファイルに対して、保存されたワークフローが適用可能になる。
【0032】
図6は、表示部25における実際の処理を示すフローチャートである。
同図に示すように、文書の選択を受け付けると(ステップ201)、受け付けた文書の対応する場所の文書がプレビューされる(ステップ202)。
ここにいう文書選択の受付としては、後述するいずれかのトレイアイコン51~53(
図7参照)に格納されている文書に対するユーザの指示を受け付けるための受付画像が表示制御部41により表示され、これに応じてユーザが受付画像に対する操作を行ったことを受け付ける。かかる受付画像としては、トレイの中の文書を選択する場合の他、新着通知された文書を選択する場合もある。なお、ここにいうトレイをフォルダということもできる。
【0033】
対応する場所ないし文書の在処であるトレイアイコン51~53(
図7参照)に対するワークフローがあるかどうかを確認する(ステップ203)。かかるワークフローの存否確認は、データベース30(
図1参照)に格納されているかどうかで判定される。
【0034】
事前設定(
図5参照)のワークフローがある場合(ステップ203でYes)、そのワークフローの実行を開始する(ステップ204)。すなわち、予め定められている処理であって受付画像に対応する文書に対する処理を案内する。このように、トレイにワークフローがある場合、プレビューからそのまま操作を実行できる。
かかる案内に対し、端末装置20の表示部25に、ワークフローに従って最初の操作表示がなされる(ステップ205)。かかる最初の操作表示に応じたユーザの操作が行われると、かかる操作を受け付ける(ステップ206)。
【0035】
そして、ワークフローに次の処理が含まれているかどうかを確認し(ステップ207)、含まれている場合(ステップ207でYes)、ステップ205に戻り、次の操作表示がなされる。ワークフローに次の操作が含まれていない場合、すなわち、ワークフローに含まれる操作表示に対する操作をすべて受け付けた場合(ステップ207でNo)、操作に関する履歴を保存する(ステップ208)。かかる履歴の情報は、データベース30(
図1参照)に格納される。
【0036】
事前設定(
図5参照)のワークフローがない場合(ステップ203でNo)、操作履歴を表示し(ステップ209)、操作の受付を行い(ステップ210)、ステップ208に進む。
なお、操作履歴の情報は、データベース30のテーブル35(
図11参照)に格納されている場所ごとの操作履歴を用いる。
【0037】
<表示部25における表示>
次に、端末装置20の表示部25における表示について説明する。
本実施形態では、サーバ装置10に設けられた、プロセッサの一例としてのCPU11a(
図2参照)によって、端末装置20に設けられた表示部25における表示の制御に用いられる情報が生成される。そして、この情報に応じて、端末装置20が、表示制御を行う。これにより、端末装置20の表示部25では、以下で説明する各種の画面が表示される。
なお、端末装置20の表示部25における表示の制御に用いられる情報は、サーバ装置10ではなく、端末装置20が生成してもよい。また、この制御に用いられる情報は、その一部をサーバ装置10が生成し、他の一部を端末装置20が生成してもよい。
【0038】
図7は、表示部25の表示例を示す図である。
同図に示すように、表示部25は、端末装置20に設けられた表示部25に、所謂ファイルハンドリングソフトウェア上のワークスペース500が表示される。
このファイルハンドリングソフトウェアは、電子化されたファイルを管理するソフトウェアであり、紙と電子の一元管理を促進する機能を有する。
表示部25には、さらに、ユーザによる操作位置を示すカーソル501が表示される。カーソル501は、ユーザによるマウスの操作に応じて移動する。
ユーザは、表示部25のうちの、自身が希望する位置までカーソル501を移動させて、表示部25に表示されている要素の選択を行う。
【0039】
図7に示す表示例では、表示部25にワークスペース500として、ワークスペースWが表示され、ワークスペースW上に、トレイアイコン51、52、53が表示されている。トレイアイコン51~53は、ユーザによる選択可能な要素の各々に対応して表示される画像であって表示部25上に表示される画像である。
トレイアイコン51~53には、絵や記号や文字情報などが表示される。トレイアイコン51~53の各々は、サムネイル画像とも言える。
【0040】
トレイアイコン51~53は順に、トレイ名「TrayA」、「TrayB」、「TrayC」が付されている。ユーザは、トレイアイコン51~53の各々にファイルを収容することができ、また、受信により取得したファイルが、トレイアイコン51~53のうち指定された場所に自動で追加される。
本実施の形態では、上述したように、トレイアイコン51~53の各々に対し、収容されているファイルに対する処理を事前に設定することができる。
ワークスペースWのトレイアイコン51~53は、格納部の一例である。
【0041】
さらに説明すると、ワークスペースW上には、ユーザの操作に応じて設定画面や案内画面等が表示されたりファイルの受信等に応じて通知が表示されたりする。
また、ワークスペースW上には、トレイアイコン51~53に収容されているファイルを示すファイルアイコンが表示されたり、ファイルアイコンを開かないで処理を行うためのクイックビューが表示されたりする。詳細は後述する。
なお、ワークスペースW上に、ユーザからの拡大の指示を受けた場合に拡大画像が表示される。
【0042】
次に、表示部25のワークスペースWに表示される第1処理設定(
図5のステップ102参照)、第2処理設定(同図のステップ103参照)およびワークフローの設定(同図のステップ104参照)の各画面について、
図8、
図9及び
図10を用いて説明する。かかる設定は、管理者により行われるが、ユーザが行ってもよい。
図8は、ワークスペースWに表示される第1処理設定の画面例を示す図である。
同図に示すように、トレイ名「TrayA」のトレイアイコン51が選択され、処理設定の指示操作が行われると、第1処理設定の一例としての「TrayAの処理設定(1/2)」の設定画面511が表示部25に表示される。
【0043】
すなわち、同図に示す表示部25は、トレイ名「TrayA」のトレイアイコン51がカーソル501(
図7参照)で選択されて設定が指示された場合を示し、これにより、まず設定画面511がワークスペースWに表示されている。
【0044】
設定画面511は、「TrayAの処理設定(1/2)」との表記と、「クイックビューで表示する処理」としての項目を表示選択するための領域512と、「クイックビューで最初に表示するページ」を指定するための領域513と、を有する。また、設定画面511は、次に進む指示を行うためのOKボタンや一つ前の画面に戻る指示を行うための戻るボタンを有する。
【0045】
領域512には、項目と、項目を選択する際にチェックされるラジオボタンとが表示されている。ラジオボタンがチェックされると、対応する項目が選択状態になり、チェックされないと非選択状態である。
図8の例では、6つの項目とこれに対応する6つのラジオボタンが配置されている。項目としては、二列の左側では上から下に順に「電子印を付与」、「ダウンロード」及び「文書の送付」が整列され、また、右側の項目は「文書のコピー」、「文書の束ね・ばらし」及び「バージョン追加」が整列されている。
【0046】
ここにいう「電子印を付与」という項目は、「TrayA」に収容されている文書である対象文書に電子印を付与するための処理についてのものである。また、「文書のコピー」は、対象文書をコピーするための処理であり、「ダウンロード」は、対象文書を自装置すなわち端末装置20(
図1参照)にダウンロードするための処理である。さらに、「文書の束ね・ばらし」は、対象文書についてページ単位に束ねたりばらしたりする編集を行うための処理であり、「文書の送付」は、対象文書を電子送付するための処理であり、「バージョン追加」は、対象文書のバージョンを追加するための処理である。
【0047】
そして、ユーザは、クイックビューで表示したい処理のラジオボタンにチェックを入れる操作を行い、表示したくない処理のラジオボタンにチェックを入れないようにする。
図8に示す状態は、「電子印を付与」及び「文書の送付」という2つの項目の各々に対応するラジオボタンにチェックが入れられ、他の項目に対応するラジオボタンにはチェックが入れられていない。
【0048】
また、領域513には、ページ数を指定する入力欄と、入力欄に続けて「ページ」という表記がある。トレイアイコン51に収容されたファイルにおける処理が予め定められているページに対して行われる場合には、入力欄にそのページの数を入力することで、そのページがワークスペースWに表示されたりそのページに対して処理が行われたりするようになる。
【0049】
図9は、ワークスペースWに表示される第2処理設定の画面例を示す図であり、第1処理設定の画面にあるOKボタン(
図8参照)に対する操作が行われることで、続いて表示される「TrayA」に対する設定画面514を示す。
【0050】
ここで、第1処理設定の「表示/非表示」は、クイックビューで最初に表示される項目を選ぶための設定であり、第1処理設定で「非表示」とされた項目は、例えば「すべての処理ボタン」(不図示)を押すことで、表示されるものであり、ショートカットアイコン等とすることが可能である。
これに対し、第2処理設定の「制限/非制限」は、クイックビューでユーザが使えるようにするか使えないようにするかの設定であり、「制限」された項目は、上述の「すべての処理ボタン」(不図示)をたとえ押したとしても表示されない。
【0051】
図9に示す設定画面514は、「TrayAの処理設定(2/2)」との表記と、「クイックビューで制限する処理」としての項目を表示選択するための領域515と、を有する。また、設定画面514は、設定画面511(
図8参照)と同じく、OKボタン及び戻るボタンを有する。
【0052】
領域515には、上述した領域512と同じ項目及びラジオボタンが表示されている。ユーザは、クイックビューで実行を許可せず制限したい処理のラジオボタンにチェックを入れ、制限しない処理のラジオボタンにチェックを入れない。
なお、
図9に示す領域515では、いずれのラジオボタンにもチェックが入れられていない状態である。
【0053】
図10は、ワークスペースWに表示されるワークフローの設定の画面例を示す図であり、第2処理設定の画面にあるOKボタン(
図9参照)に対する操作が行われることで、続いて表示される「TrayA」に対する設定画面516を示す。
図10に示す設定画面516は、「TrayAのワークフロー設定」との表記と、「処理1:文書の確認」についての領域517と、「処理2:電子印を付与」についての領域518と、「処理3:文書の送付」についての領域519と、を有する。また、設定画面516は、設定画面511(
図8参照)等と同じく、OKボタン及び戻るボタンを有する。
【0054】
領域517には、ワークフロー実行時に処理1に対して表示する文章を入力する領域が配置されている。
図10では、「承認者、起案日、起案番号を確認してください。」という文章が入力されている。
【0055】
領域518には、処理2に対して表示する文章を入力する領域が配置されている。かかる領域に、「電子印を押印してください。」という文章が入力されている。
領域519には、処理3に対して表示する文書を入力する領域が配置されており、かかる領域に、「TrayXX」という文書が入力されている。なお、領域519には、送付先が1つであるが、複数の送付先を入力しておき、ワークフロー実行時にユーザがいずれかを選択できるようにしてもよい。
【0056】
このように、
図10に示すワークフロー設定では、ワークフローの対象となる対象文書を確認し、確認された対象文書に電子印が付与され、電子印が付与された対象文書を「TrayXX」に送付する一連の処理が実行されるようにしている。
なお、上述した第1処理設定画面及び第2処理設定画面による設定(
図8、
図9参照)やワークフローの設定(
図10参照)の各情報は、データベース30(例えば
図1参照)に格納される。
【0057】
ここで、
図8、
図9及び
図10を用いて、「TrayA」であるトレイアイコン51に対する設定を説明したが、同様の設定をトレイアイコン52、53に対しても行うことができる。言い換えると、トレイアイコン51~53の各々に対する設定を互いに異なるものとすることができる。
さらに説明すると、
図8及び
図9に示す例では、クイックビューで表示/制限する処理として設定された処理の中から抽出するが、これに限られず、トレイアイコン51~53に格納の文書についての操作履歴(
図11のテーブル35に示す操作履歴)を基に、クイックビューで表示/制限する処理が自動的に設定される場合の他、ユーザが手動で設定するようにしてもよい。
また、トレイアイコン51~53ごとの設定は、ワークフローすなわち、複数の操作についての操作内容及び操作順に関しユーザにより行われるようにしてもよい。
【0058】
さらに、トレイアイコン51~53の各々に対して行う設定は、一つのトレイアイコンに対して一つであるが、これに限られず、一つのトレイアイコンに対して複数としてもよい。かかる場合、クイックビュー領域62(
図13参照)が表示されるときに、いずれの設定を実行させるかをユーザに選択させることが考えられる。
【0059】
次に、データベース30に格納されている情報例について
図11を用いて説明する。
図11は、データベース30に格納されている情報例を説明する図である。
同図に示すように、データベース30には、場所ごとの操作設定を示すテーブル31、場所ごとのワークフロー設定を示すテーブル32、詳細説明を示すテーブル33、ワークフローの進捗を示すテーブル34、及び場所ごとの操作履歴を示すテーブル35が格納されている。
【0060】
各テーブル31~35について、より詳細に説明する。
テーブル31は、場所ごとの操作設定の情報を格納する。すなわち、テーブル31には、トレイアイコン51(例えば
図7参照)に対応する「TrayA」、トレイアイコン52(例えば同図参照)に対応する「TrayB」及び、トレイアイコン53(例えば同図参照)に対応する「TrayC」についての操作設定の情報が格納されている。
【0061】
より詳細には、「TrayA」については、「電子署名(座標XXX,YYY)送信」の操作設定の情報と、「表示する」との設定の情報が格納されている。また、「TrayB」については、「バージョン追加送信(to UserZZZ)」及び「表示する」の設定の情報、「TrayC」については、「ダウンロード」及び「表示しない」の設定の情報が格納されている。
【0062】
テーブル32は、場所ごとのワークフロー設定の情報を格納する。すなわち、テーブル32には、「WF1」というワークフローが「TrayA」に対して設定されており、その処理内容は、「1.電子署名(座標XXX,YYY)」及び「2.送信(TrayXX)」である。また、「WF2」というワークフローが「TrayB」に対して設定された処理内容は、「1.ダウンロード」、「2.バージョン追加」及び「3.送信(to UserYYY)」である。
【0063】
テーブル33は、詳細説明の情報を格納する。例えば、「WF1」というワークフローの「1.電子署名(座標XXX,YYY)」に対する設定としての「WF1-1」には「電子印を押印してください。」という情報が格納されている。また、「WF2」というワークフローの「2.バージョン追加」に対する設定としての「WF2-2」には「○○処理済みのバージョンを追加してください。」という情報が格納されている。
【0064】
テーブル34は、ワークフローの進捗を示す情報を格納する。例えば、「WF1」というワークフローについては、「DocA」に対する「2.送信」の処理が「UserX」により行われたことを示す情報が格納されている。また、「WF2」というワークフローについては、「DocB」に対する「2.バージョン追加」の処理が「UserY」により行われたことを示す情報及び「DocC」に対する「3.送信」の処理が「UserX」により行われたことを示す情報が格納されている。
【0065】
このように、テーブル34では、文書に対する処理がワークフローで定められている場合、案内による文書に対する処理の進捗を保存する。このように保存されている進捗の情報は、場所に格納されている文書をプレビューする際に、進捗状況をユーザに通知するためのアイコン表示に反映することができる(
図16参照)。
【0066】
テーブル35は、場所ごとの操作履歴を示す情報を格納する。「TrayA」においては、「20XX/01/12 08:54:12」に「電子署名」が行われたことを示す情報が格納され、「20XX/01/12 15:22:55」に「送信」が行われたことを示す情報が格納されている。また、「TrayB」においては、「20XX/01/12 12:13:54」に「バージョン追加」が行われたことを示す情報が格納されている。
【0067】
かかる操作履歴の情報は、例えば、文書の場所にワークフローが設定されていない場合に、ユーザに提示する際に用いられる(
図6のS209参照)。
また、ワークフローの設定の場合に、処理の候補としてユーザに提示する際に用いてもよい(
図5のS102、S103参照)。すなわち、文書の場所ごとに処理を管理者ないしユーザが選択するための画面表示に、ファイルの操作履歴が用いられる。かかるファイルの操作履歴は、表示制御部41により予め定められている方法で画面表示する場合の他、ファイルの操作履歴を選択の候補として画面表示し、管理者ないしユーザが選択する場合でもよい。
【0068】
次に、ワークスペースWでの通知を契機としてワークフローが実行される場合について
図12~
図15を用いて説明する。ワークフローの実行は、ユーザにより行われる。
図12は、通知が行われた場面を説明する図であり、
図13~
図15は、通知後にワークフローが実行される場面を説明する図である。すなわち、
図13は処理1が実行される場面、
図14は、処理2が実行される場面、
図15は処理3が実行される場面を示す。
図12に示す場面では、例えば端末装置20a(
図1参照)において、TrayAに文書が追加された旨の通知が行われている。具体的には、表示部25のワークスペース500に、通知画像61が表示されている。かかる通知画像61は、トレイアイコン51~53等の場所に変更があった場合に通知される画像であり、
図12に示す例では、追加された文書の内容が縮小表示されたサムネイルの文書61aと、「TrayAに文書[Document1]が追加されました。」という表記を含んでいる。文書[Document1]は、文書61aを指す。
【0069】
通知画像61は、端末装置20a(
図1参照)が文書[Document1]を受信し、かつ、文書[Document1]に対して指定されたトレイに追加されたことを契機に表示されるものである。通知画像61は、ユーザが能動的に行った操作を契機に表示されるものではない。
【0070】
図12の次の場面を示す
図13では、ユーザによりカーソル501が通知画像61に重なる位置にあり、マウスオーバの状態である。かかるカーソル501の位置を検知することで、クイックビュー領域62が表示される。
このように、ユーザがカーソル501を通知画像61に重ねる操作を行うことで、クイックビュー領域62が表示される。また、後述するように、TrayAに対してワークフローが存在する場合には、設定済みの処理のガイダンスを開始する。
【0071】
図13に示すクイックビュー領域62には、TrayAに追加された文書[Document1]の内容(不図示)が表示されると共に、TrayAに対応するワークフローの内容が表示される。
図13に示すクイックビュー領域62には、ワークフローの処理1に対応する表記がなされている。すなわち、
図13では、「承認者、起案日、起案番号を確認してください。」という説明と、次の画面に進む際に操作される「次へ」のボタン及びクイックビューを終了させる際に操作される「終了」のボタンが表記される案内領域62aが示されている。
なお、かかる説明は、上述した「TrayAのワークフロー設定」の処理1にて入力された文章(
図10参照)である。
【0072】
「承認者、起案日、起案番号」の確認が行われて、
図13に示す「次へ」のボタンが押されると、
図14に示すように、クイックビュー領域62に、ワークフローの処理2に対応する表記がなされる。すなわち、
図14では、「電子印を押印してください。」という説明と、クイックビューを終了させる際に操作される「終了」のボタンが表記される案内領域62bが示されている。なお、かかる説明は、上述した「TrayAのワークフロー設定」の処理2にて入力された文章(
図10参照)である。
図14に示すクイックビュー領域62には、カーソル501の操作により、電子印の印影63が文書[Document1]に対して追加されている。印影63には、日付(xx/xx/xx)と氏名(・・・)が含まれている。これにより処理2が終了し、次の処理3に進む。
【0073】
図15に示すクイックビュー領域62には、ワークフローの処理3に対応する表記がなされている。すなわち、
図15では、「トレイ送付先」という表記と、送付先候補を示す表記64と、文書の送付を行う場合に操作される「送る」ボタン及び文書の送付を行わない場合に操作される「キャンセル」のボタンが表記される案内領域62cが示されている。
【0074】
表記64は、送付先候補である「TrayXX」と、送付先候補に対応するチェックボックスが含まれる。なお、送付先候補は、上述した「TrayAのワークフロー設定」の処理3にて入力された文章(
図10参照)である。
【0075】
図15の「送る」ボタンを押すと、電子印が押されたTrayAの文書[Document1]が「TrayXX」に送信される。
このように、ユーザは、「TrayAに文書[Document1]が追加されました。」という通知画像61が表示された場合、通知画像61に対するカーソル501のマウスオーバにより、TrayAのワークフローに従って文書[Document1]に対する処理が実行されるというユーザの操作負担が軽減されるようになる。
【0076】
ここで、通知画像61(例えば
図12参照)は、トレイアイコン51に格納される文書61aに対するユーザのマウスオーバという指示を受け付けるための画像であり、受付画像の一例である。文書61aは、ファイルの一例である。
また、クイックビュー領域62に表示される案内領域62a(
図13参照)、案内領域62b(
図14参照)、案内領域62c(
図15参照)は、トレイアイコン51(
図12~
図15のいずれかを参照)に対して予め定められているワークフローの処理であって通知画像61に対応する文書[Document1]の文書61aに対する処理を案内する場合の画像であり、案内画像の一例である。
【0077】
さらに説明すると、案内領域62aは、通知画像61と共に表示されている(
図13参照)。また、案内領域62bは通知画像61と共に表示され(
図14参照)、案内領域62cは通知画像61と共に表示されている(
図15参照)。また、案内領域62a~62cは、通知画像61と重ならないように表示される(
図13~
図15参照)。なお、案内領域62a~62cと通知画像61とが一部重なるように表示してもよい。
【0078】
案内領域62a~62cで案内される処理は、「文書の確認」である処理1、「電子印を付与」である処理2、及び「文書の送付」である処理3であり(例えば
図10参照)、トレイアイコン51に対して「クイックビューで表示する処理」(
図8参照)として予め定められている処理の一部である。
さらに説明すると、トレイアイコン51に対して「クイックビューで制限する処理」(
図9参照)でチェックされた処理は、実行が制限される処理であり、案内される処理ではない。したがって、上述の予め定められている処理の一部は、文書に対する実行が制限される処理が含まれない。言い換えると、かかる処理の一部には、チェックされていない処理である実行可能な処理ないし実行すべき処理が含まれる。
【0079】
次に、「TrayA」の文書一覧からのクイックビューを契機としてワークフローが実行される場合について
図16を用いて説明する。
図16は、文書一覧が行われた場面を説明する図である。
図16に示す場面では、ワークスペース500のトレイアイコン51にカーソル501を重ねることで、トレイアイコン51の文書一覧を示す文書一覧領域71が表示されている。
【0080】
このように、通知画像61の表示を起点とするワークフローに従った案内を行う場合の他、トレイの文書一覧からクイックビューさせた際にも同様の案内が行われる。付言すると、
図16に示す場合は、ユーザが能動的に行った操作により文書一覧領域71が表示されている。この点で、
図16に示す文書一覧領域71は、
図13~
図15に示されている通知画像61の場合とは異なる。
【0081】
さらに説明すると、文書一覧領域71には、「TrayA」に収容されたファイルを表すものとして縮小表示された文書71a~71fが示されている。
【0082】
また、文書71a~71fのうち文書71c及び文書71dには、処理の進捗ないし進捗度を示すチェックマークアイコンが付加されている。他の文書71a~71b、71e~71fには、チェックマークアイコンが付加されていない。このように、文書71a~71fの各々についての進捗度を示す情報がデータベース30のテーブル34(
図11参照)に格納されていることから、進捗度をユーザに知らせることができる。複数の操作についての操作内容及び操作順を予め定めているワークフローの途中まで進んでいる場合、このようなチェックマークに着目することで、ワークフローの途中からの再開が円滑に行われる。
なお、
図16では、チェックマークアイコンが1種類であるが、ワークフローがどの段階まで進んでいるかを示す複数種類のチェックマークとしてもよい。
【0083】
図16に示す文書一覧領域71の文書71fにカーソル501が重ねられており、これにより、クイックビュー領域72がワークスペース500に表示される。
かかるクイックビュー領域72には、文書71fに対する案内領域72aが示されている。かかる案内領域72aは、上述の案内領域62a(
図13参照)と同じであることからその説明を省略する。
なお、
図16の場面から次の場面に進むと、上述の案内領域62b、62c(
図14、
図15参照)と同じ内容の案内が行われることから、その説明及び図示を省略する。
【0084】
ここで、
図16に示す文書一覧領域71は、トレイアイコン51に格納される文書71a~71fのうち文書71fに対するユーザのマウスオーバという指示を受け付けるための画像であり、受付画像の一例である。文書71a~71fは、ファイルの一例である。
また、同図に示すクイックビュー領域72の案内領域72aは、トレイアイコン51に対して予め定められているワークフローの処理であって文書一覧領域71に対応する文書71fに対する処理を案内する場合の画像であり、案内画像の一例である。
さらに説明すると、案内領域72aは、文書一覧領域71と共に表示されている(
図16参照)。また、案内領域72aは、文書一覧領域71と重ならないように表示される(
図16参照)。
【0085】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【符号の説明】
【0086】
20,20a,20b…端末装置、21a…CPU、51,52,53…トレイアイコン、61…通知画像、61a,71a~71f…文書、62a~62c,72a…案内領域、71…文書一覧領域