(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145898
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G09G 5/36 20060101AFI20231004BHJP
G06F 16/906 20190101ALI20231004BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G09G5/36 520G
G06F16/906
G09G5/36 520P
G09G5/02 B
G09G5/36 520D
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052795
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100107216
【弁理士】
【氏名又は名称】伊與田 幸穂
(72)【発明者】
【氏名】利光 弘企
【テーマコード(参考)】
5B175
5C182
【Fターム(参考)】
5B175DA10
5B175FA03
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB02
5C182AB08
5C182AB14
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC38
5C182BA01
5C182BA03
5C182BA04
5C182BA73
5C182BC26
5C182CA32
5C182CB13
5C182CB14
5C182CB41
5C182CB42
5C182CB43
5C182CB44
5C182CB47
5C182CC01
5C182CC11
5C182DA44
(57)【要約】
【課題】縮小表示の際にサムネイルを整列させるものと比べ、配置の自由度低下を抑制する。
【解決手段】プロセッサを備え、プロセッサは、縮小表示の対象になる文書510~560の配置により文書510~560が属するサムネイル群を定め、サムネイル群に属する文書510~560と文書510~560以外の他の文書610~630とが互いに近づくように配置する態様で縮小表示を行う、ことを特徴とする情報処理装置である。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
縮小表示の対象になるサムネイルの配置により当該サムネイルが属するサムネイル群を定め、
前記サムネイル群に属する前記サムネイルと当該サムネイル以外の他のサムネイルとが互いに近づくように配置する態様で前記縮小表示を行う、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記配置する態様は、予め定められている領域に前記サムネイル及び前記他のサムネイルが収まるように配置されるものである、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記収まるように配置される態様は、前記サムネイル群の前記サムネイル同士の距離を維持して配置されるものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記収まるように配置される態様は、前記サムネイル群の前記サムネイル同士の相対位置を維持しつつ距離が縮まるように配置されるものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記収まるように配置される態様は、前記サムネイル群が複数ある場合、当該サムネイル群の各々が互いに近づくように配置されるものである、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記縮小表示は、前記サムネイルが属する前記サムネイル群を示す態様で表示される、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記サムネイル群を示す態様は、当該サムネイル群に属する前記サムネイルの少なくとも一部を含む領域を付加することである、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記付加される領域は、前記サムネイル群ごとに区別可能である、
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記サムネイル群ごとに異なる色が付される、
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記サムネイル群を示す態様は、当該サムネイル群に属する前記サムネイルに対する付加である、
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記サムネイルに対する付加は、前記サムネイル群ごとに異なる色の付加である、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記サムネイルに対する付加は、前記サムネイル群ごとに異なるアイコンの付加である、
ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置に、
縮小表示の対象になるサムネイルの配置により当該サムネイルが属するサムネイル群を定める機能と、
前記サムネイル群に属する前記サムネイルと当該サムネイル以外の他のサムネイルとが互いに近づくように配置する態様で前記縮小表示を行う機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項14】
縮小表示の対象になるサムネイルの配置により当該サムネイルが属するサムネイル群を定めるステップと、
前記サムネイル群に属する前記サムネイルと当該サムネイル以外の他のサムネイルとが互いに近づくように配置する態様で前記縮小表示を行うステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、文書情報と、文書情報を保管するとともに保管する文書情報の参照画像の配置位置からなる第1の位置情報を保管する第1の保管先の情報と、文書情報を保管するとともに保管する文書情報の参照画像の配置位置からなる第2の位置情報を保管する第2の保管先の情報とを記憶する記憶部と、第1の保管先に保管された文書情報の参照画像を、第1の位置情報に基づいて第1の表示ウインドウに表示する第1の表示手段と、第1の表示ウインドウに表示された文書情報の参照画像が選択されて移動される際、移動先として第2の保管先が指定されると、第2の表示ウインドウを作成して第2の保管先に保管された文書情報の参照画像を第2の位置情報に基づいて表示する第2の表示手段と、選択された文書情報の参照画像が第2の表示ウインドウ内の配置位置に移動するように指定されると、選択された文書情報の保管先を第2の保管先に変更し、第2の表示ウインドウ上に移動された文書情報の参照画像の配置位置に基づいて第2の位置情報を更新して、記憶部に格納する格納手段とを有することを特徴とする文書情報管理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、サムネイルを任意の配置で一覧表示する画面について、全体を俯瞰するために縮小表示しようとすると、サムネイルの配置によっては小さくなりすぎて視認性が低下する。その一方で、無駄なスペースを排除するようにサムネイルを整列させると、配置の任意性ないし自由度が損なわれるおそれがある。
本発明の目的は、縮小表示の際にサムネイルを整列させるものと比べ、配置の自由度低下を抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、縮小表示の対象になるサムネイルの配置により当該サムネイルが属するサムネイル群を定め、前記サムネイル群に属する前記サムネイルと当該サムネイル以外の他のサムネイルとが互いに近づくように配置する態様で前記縮小表示を行う、ことを特徴とする情報処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記配置する態様は、予め定められている領域に前記サムネイル及び前記他のサムネイルが収まるように配置されるものである、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記収まるように配置される態様は、前記サムネイル群の前記サムネイル同士の距離を維持して配置されるものである、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記収まるように配置される態様は、前記サムネイル群の前記サムネイル同士の相対位置を維持しつつ距離が縮まるように配置されるものである、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記収まるように配置される態様は、前記サムネイル群が複数ある場合、当該サムネイル群の各々が互いに近づくように配置されるものである、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置である。
請求項6に記載の発明は、前記縮小表示は、前記サムネイルが属する前記サムネイル群を示す態様で表示される、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置である。
請求項7に記載の発明は、前記サムネイル群を示す態様は、当該サムネイル群に属する前記サムネイルの少なくとも一部を含む領域を付加することである、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項8に記載の発明は、前記付加される領域は、前記サムネイル群ごとに区別可能である、ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置である。
請求項9に記載の発明は、前記サムネイル群ごとに異なる色が付される、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置である。
請求項10に記載の発明は、前記サムネイル群を示す態様は、当該サムネイル群に属する前記サムネイルに対する付加である、ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置である。
請求項11に記載の発明は、前記サムネイルに対する付加は、前記サムネイル群ごとに異なる色の付加である、ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置である。
請求項12に記載の発明は、前記サムネイルに対する付加は、前記サムネイル群ごとに異なるアイコンの付加である、ことを特徴とする請求項10に記載の情報処理装置である。
請求項13に記載の発明は、情報処理装置に、縮小表示の対象になるサムネイルの配置により当該サムネイルが属するサムネイル群を定める機能と、前記サムネイル群に属する前記サムネイルと当該サムネイル以外の他のサムネイルとが互いに近づくように配置する態様で前記縮小表示を行う機能と、を実現させるプログラムである。
請求項14に記載の発明は、縮小表示の対象になるサムネイルの配置により当該サムネイルが属するサムネイル群を定めるステップと、前記サムネイル群に属する前記サムネイルと当該サムネイル以外の他のサムネイルとが互いに近づくように配置する態様で前記縮小表示を行うステップと、を含むことを特徴とする情報処理方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1によれば、縮小表示の際にサムネイルを整列させるものと比べ、配置の自由度低下を抑制することができる。
請求項2によれば、予め定められている領域にサムネイル及び他のサムネイルが収まるように配置されるものでない場合に比べ、配置の自由度低下を抑制することができる。
請求項3によれば、サムネイル群のサムネイル同士の距離を維持して配置されるものでない場合に比べ、配置の自由度低下を抑制することができる。
請求項4によれば、サムネイル群のサムネイル同士の相対位置を維持しつつ距離が縮まるように配置されるものでない場合に比べ、予め定められている領域が狭い場合にも対応することができる。
請求項5によれば、サムネイル群が複数ある場合にサムネイル群の各々が互いに近づくように配置されるものでない場合に比べ、配置の自由度低下を抑制することができる。
請求項6によれば、縮小表示がサムネイルの属するサムネイル群を示す態様で表示されるものでない場合に比べ、縮小表示されたサムネイルが属するサムネイル群の把握を容易に行うことができる。
請求項7によれば、サムネイル群を示す態様がサムネイル群に属するサムネイルの少なくとも一部を含む領域を付加するものでない場合に比べ、縮小表示されたサムネイルが属するサムネイル群の把握を容易に行うことができる。
請求項8によれば、付加される領域がサムネイル群ごとに区別可能なものでない場合に比べ、縮小表示されたサムネイルが属するサムネイル群の把握を容易に行うことができる。
請求項9によれば、付加される領域がサムネイル群ごとに異なる色が付されるものでない場合に比べ、縮小表示されたサムネイルが属するサムネイル群の把握を容易に行うことができる。
請求項10によれば、サムネイル群を示す態様がサムネイル群に属するサムネイルに対する付加でない場合に比べ、縮小表示されたサムネイルが属するサムネイル群の把握を容易に行うことができる。
請求項11によれば、サムネイルに対する付加がサムネイル群ごとに異なる色の付加でない場合に比べ、縮小表示されたサムネイルが属するサムネイル群の把握を容易に行うことができる。
請求項12によれば、サムネイルに対する付加がサムネイル群ごとに異なるアイコンの付加でない場合に比べ、縮小表示されたサムネイルが属するサムネイル群の把握を容易に行うことができる。
請求項13によれば、縮小表示の際にサムネイルを整列させるものと比べ、配置の自由度低下を抑制することができる。
請求項14によれば、縮小表示の際にサムネイルを整列させるものと比べ、配置の自由度低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態が適用される情報処理システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】本実施の形態が適用される画像表示装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態に係る画像表示装置の構成例を示す図である。
【
図4】表示部に表示される操作画面の構成例を示す図である。
【
図5】画像表示装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図6】画像表示装置の機能構成例を示したブロック図である。
【
図7】画像表示装置の操作画面を説明する図であり、(a)は、画像表示装置の操作画面を示し、(b)は、他の画像表示装置の操作画面を示す。
【
図8】他の画像表示装置の操作画面を説明する図であり、(a)は、マウスオーバーの状態を示し、(b)は、概要表示の第1態様を示す。
【
図9】他の画像表示装置の操作画面を説明する図であり、(a)は、概要表示の第2態様を示し、(b)は、概要表示の第3態様を示す。
【
図10】概要表示処理部による処理例を説明する第1の実施の形態に係るフローチャートである。
【
図11】フローチャートの追加説明を行うためのワークスペースを示す図であり、(a)はステップ102、(b)はステップ104及びステップ106を説明する図である。
【
図12】フローチャートの追加説明を行うためのワークスペースを示す図であり、(a)はステップ107~108、(b)はステップ109~111を説明する図である。である。
【
図13】フローチャートの追加説明を行うためのワークスペースを示す図であり、(a)及び(b)はステップ112を説明する図である。
【
図14】フローチャートの追加説明を行うためのワークスペースを示す図であり、(a)及び(b)はステップ114を説明する図である。
【
図15】画像表示装置の不揮発性メモリに格納されている情報を説明する図であり、(a)は作業領域情報、(b)は文書情報を示す。
【
図16】第2の実施の形態に係る画像表示装置の構成例を示す図である。
【
図17】画像表示装置の操作画面を説明する図であり、(a)は、画像表示装置の操作画面を示し、(b)は、他の画像表示装置の操作画面を示す。
【
図18】他の画像表示装置の操作画面を説明する図であり、(a)は、マウスオーバーの状態を示し、(b)は、概要表示の第1態様を示す。
【
図19】概要表示処理部による処理例を説明する第2の実施の形態に係るフローチャートである。
【
図20】フローチャートの追加説明を行うためのワークスペースを示す図であり、(a)はステップ202及びステップ206、(b)はステップ204及びステップ209を説明する図である。
【
図21】フローチャートの追加説明を行うためのワークスペースを示す図であり、(a)はステップ210~211、(b)はステップ212~214を説明する図である。
【
図22】画像表示装置の不揮発性メモリに格納されているオブジェクト情報を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される情報処理システム1の全体構成例を示した図である。
本実施の形態に係る情報処理システム1は、ユーザがファイルを閲覧するために使用する画像表示装置1a及び画像表示装置1b等が、通信回線NWを介して接続されることにより構成されている。
通信回線NWは、例えば、LAN(=Local Area Network)やインターネット等の回線であり、画像表示装置1aと画像表示装置1bとの間の情報通信に用いられる。もっとも、ネットワークは、LANとインターネットとの複合型の構成でもよい。
本実施の形態の情報処理システム1は、画像表示装置1a、1bにてファイルを閲覧や編集するものとする。画像表示装置1a、1bは、情報処理装置の一例である。
【0009】
なお、本実施の形態において、「ファイル」とは、画像表示装置1a、1b等に記憶される電子ファイルのことである。
このファイルは、文字のほかに画像を含んでいてもよく、文字を含まず画像のみからなっていてもよい。また、ファイルには、文書データ、画像データだけでなく、文書データを画像に変換する際に用いられる情報や、ファイルの更新日時、用紙サイズ、ページ数、ファイル内のキーワード等の属性情報が含まれてもよい。
【0010】
画像表示装置1a、1bは、ファイルを閲覧したり、編集したりするための装置である。画像表示装置1a、1bは、ファイルに対応する画像を表示する表示部を有する。画像表示装置1a、1bは、コンピュータ装置を備える。画像表示装置1a、1bの形態としては、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン、タブレット型情報端末、スマートフォン、ゲーム機器などが挙げられる。
【0011】
[画像表示装置1a、1bのハードウェア構成]
図2は、本実施の形態が適用される画像表示装置1a、1bのハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、本実施の形態に係る画像表示装置1a、1bは、画面表示に際して予め定められた処理プログラムに従ってデジタル演算処理を実行する演算処理部10と、ユーザからの入力操作を受け付ける入力部20と、HDD(Hard Disk Drive)にて実現される2次記憶部30と、を備えている。また、画像表示装置1a、1bは、ユーザに対して画像やテキスト情報等を表示する液晶ディスプレイパネルや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイパネル等からなる表示部40と、ネットワークを介してデータの送受信を行う通信部50と、を備えている。
【0012】
演算処理部10は、プロセッサの一例として装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)11、CPU11の作業用メモリ等として用いられるRAM(Random Access Memory)12、及び、CPU11により実行される画像表示処理プログラム等が格納されるROM(Read Only Memory)13を備えている。また、演算処理部10は、書き換え可能で電源供給が途絶えた場合にもデータを保持できる、電池によりバックアップされたSRAM(Static RAM)やフラッシュメモリ等の不揮発性メモリ14、及び、演算処理部10に接続される入力部20等の各部を制御するインターフェース部15を備えている。不揮発性メモリ14には、文書や、表示部40にて表示されるサムネイル情報等の画像情報が記憶されている。
【0013】
入力部20は、ユーザが操作の入力を行うポインティングデバイス等の装置である。
例えば入力部20がマウス等の場合、ユーザがカーソルの移動操作やクリック操作を行うことにより、表示部40の画面上の位置や表示された画像等を指定することができる。
また、入力部20がタッチパネル等の場合、ユーザは、指等をタッチパネルに接触させる操作や、この指等が接触した状態を予め定められた時間より長く維持する操作を行うことにより、画面上の位置や表示された画像を指定することができる。なお、この場合、入力部20は、表示部40と一体となって設けられる。
なお、上記したポインティングデバイス等の装置の他に、キー入力操作を行うキーボード等を入力部20として備えてもよい。
【0014】
また、2次記憶部30には、画像データ等が記憶される他、演算処理部10により実行される画像表示処理プログラムが記憶されており、演算処理部10がこの画像表示処理プログラムを読み込むことによって、本実施の形態の画像表示装置1a、1bの各処理が実行される。
【0015】
表示部40は、例えばオフィスソフトその他のアプリケーション・プログラムで作成されるオフィス文書等を表示するものであり、複数のアプリケーションファイルやイメージファイル等を管理するのに利便性が高いサムネイル情報が用いられる。
【0016】
かかるサムネイル情報とは、ファイルを一覧表示するために縮小化された画像をいい、ファイルを開かなくても内容を大まかに把握することができる。
かかるファイルが複数のページで構成される場合には、先頭のページないし代表のページのみの内容が大まかに把握できるようにする縮小表示態様のほか、全ページをページごとに区別できるように分離して各ページの内容が大まかに把握できるようにする縮小表示態様で表示してもよい。また、サムネイル画像は、ユーザの操作により、ファイルを開かずに表示部40に拡大して表示する画像の態様で表示してもよい。かかる態様の画像を「拡大サムネイル画像」といい、拡大サムネイル画像を表示することを「拡大表示」ということがある。
ファイルは、単一頁の構成であってもよく、複数の頁を束ねた頁構成であってもよい。
【0017】
ここで、CPU11により実行されるプログラムは、磁気記録媒体(例えば磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(例えば光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で、演算処理部10へ提供される。また、CPU11によって実行されるプログラムは、インターネットなどの通信手段を用いて画像表示装置1a、1bにダウンロードしてもよい。
【0018】
なお、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、CPU等の汎用的なプロセッサや、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス等、専用のプロセッサを含むものである。
また、プロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。そしてプロセッサの各動作の順序は、記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【0019】
なお、画像表示装置1a、1bを、ネットワークで他の装置と接続してもよい。これにより、他の装置で作成されネットワークにより転送された文書等を画像表示装置1a、1bに表示される。例えば開発仕様書と業務発注書など、ある業務が複数の文書で構成される場合、これらの複数の文書が画像表示装置1a、1bで表示される。また、ページ毎に異なる関連部署に回して最後に1つの書類として束ねて完成させる作業が画像表示装置1a、1bで行われ、さらに、例えば承認等の作業が行われる。
かかるネットワークは、LAN(=Local Area Network)やインターネットを使用するが、LANとインターネットとの複合型の構成でもよい。
【0020】
[第1の実施の形態]
次に、第1の実施の形態に係る画像表示装置1a、1bを説明する。
図3は、第1の実施の形態に係る画像表示装置1a、1bの構成例を示す図である。
同図に示すように、画像表示装置1aの表示部40a及び画像表示装置1bの表示部40b(以下、表示部40ということがある。)には、個人用の作業空間としてのワークスペース41a、41b(以下、ワークスペース41ということがある。)が設定されている。ワークスペース41は、RAM12(
図2参照)を用いるファイルハンドリングソフトウェアにより実現される。
【0021】
ワークスペース41には、任意の座標位置に文書に紐づくサムネイル情報が表示される。また、ワークスペース41は、サムネイル情報の座標位置を移動したり、文書をプレビュー/複製/削除などの作業をしたりすることができるユーザの作業空間である。
ここにいう文書は、文書の実体(オリジナルのコンテントデータ)である。なお、上述したように、ワークスペース41には、文書に対応付けられるサムネイル情報等が表示されるが、「サムネイル情報」の代わりに、「サムネイル」ないし「文書」という文言を用いて説明することがある。
【0022】
ワークスペース41に配置される作業領域42、43は、不図示の受信トレイ上で選択した文書をマウス操作によるドラッグ&ドロップや、一括取り出し操作などで移動した文書に対して作業を行う領域(ワークスペース)である。
図3に示す例では、サムネイル情報として、作業領域42に文書1-1、文書1-2が保存され、また、作業領域43に文書2-1、文書2-2が保存されている。
なお、不図示の受信トレイは、任意の他ユーザから複数の文書を受け取ることができる機能を有し、他ユーザから受信した文書を一時的に溜めておくことができる保存領域である。
【0023】
また、画像表示装置1a、1bの不揮発性メモリ14としてのデータベースには、作業領域管理部14aが設定されている。作業領域管理部14aは、例えば作業領域ID、作業領域名などの作業領域情報(例えば
図15(a)の符号14cを参照)を有する。
【0024】
また、データベースには、文書情報管理部14bが設定されている。文書情報管理部14bは、文書の実体に付帯する属性情報である文書情報(例えば
図15(b)の符号14dを参照)を管理する機能を有する。属性情報は、例えば文書ID、文書名、ワークスペース41上の座標位置(X座標値、Y座標値)のほか、作成者ID、文書種別、案件番号などである。
【0025】
図4は、表示部40bに表示される操作画面400bの構成例を示す図である。
表示部40bは、画像表示装置1b(
図1参照)が備えるものであり、同図に例示する操作画面400bを表示する。操作画面400bは、ファイルハンドリングソフトウェア上のワークスペース41bである。
なお、ファイルハンドリングソフトウェアとは、画像データや文書データ等のファイルを電子化して管理するソフトウェアであり、紙と電子の一元管理を促進する機能を有する。
【0026】
操作画面400bには、ワークスペース一覧表示部410b及びワークスペース表示部420bが表示される。
操作画面400bのワークスペース一覧表示部410bは、ログインユーザがアクセス可能なワークスペースを一覧表示する。
図4に示す例では、ワークスペース一覧表示部410bに、ワークスペースとしての「workspace1」を示す項目411と、「workspace2」を示す項目412と、を一覧表示している。「workspace1」は、画像表示装置1aのワークスペースであり、「workspace2」は、画像表示装置1bのワークスペースである。
図4に示す状態は、ハッチングを付して示す項目412が選択された状態であり、「workspace2」に破線で示す文書500、600、700が表示されている。なお、破線で示す文書500、600、700は、サムネイル情報の配置位置を示しているが、例えばユーザが編集等する複数の文書が配置されるユーザごとに設定される領域であるユーザ領域を示す場合もある。
【0027】
例えば、項目411をマウス操作で選択すると、「workspace1」への切り替えを行うかどうかを確認する画像等が表示され、それに対する操作を行うことで、ワークスペース表示部420bが「workspace1」のサムネイル情報表示に切り替えられる。また、項目412をマウス操作で選択すると「workspace2」への切り替えを行うかどうかを確認する画像等が表示され、それに対する操作を行うことで、ワークスペース表示部420bが「workspace2」のサムネイル情報表示に切り替えられる。
【0028】
さらに説明すると、本実施の形態では、例えば項目412が選択されている状態で、項目411に対するマウスオーバーというユーザ操作を検知すると、ワークスペース表示部420bに、新たにプログラムを起動させずに「workspace1」の概要表示が追加される。詳細は後述する。
【0029】
ここで、サムネイル情報としての文書500、600、700は、「workspace2」において任意の場所(座標)に配置されたものであり、「workspace2」が共有のワークスペース(作業領域)として利用されている。
さらに説明すると、文書500、600、700は、利用ユーザごとに視覚的に区別ができるように分類する形で配置されている。すなわち、「workspace2」では、文書500が配置されている領域と、文書600が配置されている領域と、文書700が配置されている領域というように、作業領域が整理整頓されている。例えば、文書500の領域はユーザA用のユーザ領域(作業領域)、文書600の領域はユーザB用のユーザ領域(作業領域)、文書700の領域(作業領域)はユーザC用のユーザ領域というように、割り振られている。
【0030】
なお、サムネイル情報としての文書500、600、700は、文書ないしファイルを開く前にその文書の概要を把握できるようにした画像であり、表示対象である。また、文書500、600、700は、ファイルハンドリングソフトウェアにて管理されるファイルについて、内容を把握するための画像であり、ユーザの業務を円滑に進めることができる情報が表示される。
本実施の形態において、文書500、600、700は、対応する文書を開くためのアイコンとして機能する。例えば、文書500、600、700に対しダブルクリック操作等の特定の操作を行うことで、対応する文書を開く。
【0031】
[画像表示装置1a、1bの機能構成]
次に、画像表示装置1a、1bの機能構成について説明する。
図5及び
図6は、画像表示装置1a、1bの機能構成例を示したブロック図である。
図5に示すように、画像表示装置1a、1bは、演算処理部10(
図1参照)にて実現される、取出し処理部101と、表示制御部102と、概要表示処理部103と、サムネイル情報生成部104と、サムネイル情報記憶部105と、を有する。
【0032】
取出し処理部101は、不図示の受信トレイからの文書取り出し処理を行う。すなわち、取出し処理部101は、サムネイル情報としての文書を例えばワークスペース表示部420b(
図4参照)に移動し、その際、サムネイル情報としての文書を配置するワークスペース表示部420bの座標位置を決定する。
【0033】
表示制御部102は、取出し処理部101により決定された座標位置を基に、ワークスペース表示部420bにサムネイル情報を配置する。なお、表示制御部102は、共有のワークスペースとして利用する場合、ユーザごとに予め定められた領域にサムネイル情報を自動整列するようにしてもよい。
【0034】
さらに説明すると、
図5に示す概要表示処理部103は、
図6に示すように、取得部3aと、文書グルーピング部3bと、算出部3cと、グループ内文書移動情報保持部3dと、グループ間移動情報保持部3eと、を備える。
【0035】
取得部3aは、不揮発性メモリ14の作業領域管理部14a(
図3参照)が有する上述の作業領域情報や、文書情報管理部14b(同図参照)が有する上述の文書情報を取得する。また、取得部3aは、概要表示を指示する操作(概要表示操作)が行われたことを検知する。
【0036】
文書グルーピング部3bは、ワークスペース41a、41bにおいて複数の文書の位置情報を基にグルーピングする。例えば、ワークスペース41a、41bを共有のワークスペースとして利用する場合に、グルーピングによりユーザごとの文書を区別する。
【0037】
算出部3cは、取得部3aにより取得された情報及び文書グルーピング部3bによるグルーピング結果を用い、各グループの代表点や各グループの文書を包括する仮想的な円の半径等を算出する。
【0038】
グループ内文書移動情報保持部3dは、文書グルーピング部3bによりグルーピングされた各グループにおいて、グループ内の各文書が概要表示に伴って移動する場合の移動情報を保持する。かかるグループ内文書移動情報は、上述の算出部3cにより算出される。
【0039】
グループ間移動情報保持部3eは、文書グルーピング部3bによりグルーピングされたグループを単位として、概要表示に伴い各グループが移動する場合の移動情報を保持する。かかるグループ間移動情報は、上述の算出部3cにより算出される。
【0040】
ここで、上述した概要表示について
図7~
図9を用いて説明する。すなわち、概要表示される場合を
図7(a)、同図(b)及び
図8(a)を用いて説明すると共に、
図8(b)に示す概要表示の第1態様、
図9(a)に示す概要表示の第2態様及び、同図(b)に示す概要表示の第3態様を説明する。
なお、以下の説明は、画像表示装置1aの操作画面400aにサムネイル情報としての文書が表示されている場合において、画像表示装置1bの操作画面400bの文書が操作画面400aに概要表示される場合である。
【0041】
図7は、画像表示装置1a、1bの操作画面400a、400bを説明する図であり、
図7(a)は、画像表示装置1aの操作画面400aを示し、同図(b)は、画像表示装置1bの操作画面400bを示す。また、
図8は、画像表示装置1aの操作画面400aを説明する図であり、(a)は、マウスオーバーの状態を示し、(b)は、概要表示の第1態様を示す。
なお、
図7(a)と
図8(a)及び(b)に示す操作画面400aは、左上隅に表記があるように「workspace1」についてのものであり、また、
図7(b)に示す操作画面400bは、左上隅に表記があるように「workspace2」についてのものである。
【0042】
図7(a)に示す操作画面400aは、画像表示装置1a(
図1参照)のワークスペース41aを示しており、ワークスペース表示部420aでは、右上隅の文書800の領域に、「D-1」の文書810、「D-2」の文書820が配置されている。
【0043】
さらに説明すると、ワークスペース41aの左右方向中央から左寄りは、文書が配置されていない空き領域である。かかる空き領域を利用して、後述する概要表示部4が表示される。なお、例えば文書800の領域がワークスペース表示部420aの中央である場合、後述する概要表示部4が表示される場合に、文書800の領域を例えば右上隅の位置に表示させるようにしてもよい。
【0044】
図7(b)に示す操作画面400bは、画像表示装置1b(
図1参照)のワークスペース41bを示しており、ワークスペース表示部420bでは、左上隅の文書500の領域に、「A-1」の文書510、「A-2」の文書520、「A-3」の文書530、「A-4」の文書540、「A-5」の文書550、「A-6」の文書560が配置されている。
また、ワークスペース表示部420bにおいて、右寄りに位置する文書600の領域には、「B-1」の文書610、「B-2」の文書620、「B-3」の文書630が配置され、また、中央下寄りの文書700の領域には、「C-1」の文書710、「C-2」の文書720、「C-3」の文書730が配置されている。
【0045】
文書500の領域と文書600の領域と文書700の領域は、互いに離れて位置し、文書500、600、700の各領域における文書510等の相互間隔に比べて距離があり、ワークスペース表示部420b内で、各文書510等が整理整頓されている。
【0046】
さらに説明すると、
図7(b)に示すワークスペース表示部420bでは、右側にスライドバーが表示されており、ワークスペース41bの一部が表示されている。具体的には、文書500の領域及び文書600の領域はすべて表示されているが、文書700の領域はすべてが表示されていない。より詳細には、文書700の領域の上側部分すなわち文書710のみが表示され、残りの部分すなわち文書720、730は、ワークスペース表示部420bに表示されていない。文書720、730は、スライドバーを下に動かすことで、ワークスペース表示部420bに表示されることになる。
【0047】
ここで、
図7(a)に示すワークスペース一覧表示部410aでは、項目411が選択状態であり、また、同図(b)に示すワークスペース一覧表示部410bでは、項目412が選択状態である。
【0048】
そして、
図8(a)に示すように、操作画面400aにおいて、ワークスペース一覧表示部410aの項目412にカーソル44aを重ねるマウスオーバーが行われると、同図(b)に示すように、ワークスペース41aに概要表示部4が表示される。かかる概要表示部4は、「D-1」の文書810、「D-2」の文書820と共に、ワークスペース表示部420aに収まるように配置されている。
【0049】
なお、カーソル44aが項目412から外れてマウスオーバーが行われなくなると、概要表示部4が表示されなくなるが、マウスオーバーが行われなくなっても、予め定められている操作がなされるまで概要表示部4が表示された状態であるようにすることも考えられる。
【0050】
上述した概要表示の態様について説明する。
概要表示の第1態様として
図8(b)に示す概要表示部4は、
図7(a)に示すワークスペース41aの全体が表示されている。すなわち、スライドバーを動かさないと見えない文書720、730も含めて全体を俯瞰できるように、概要表示部4に表示されている。
【0051】
さらに説明すると、文書500の領域、文書600の領域及び文書700の領域は、相互の距離が近づくように配置されている。すなわち、各々の領域が互いに近づくように配置されている。このように、各領域が効率的に表示されるように位置調整している。その一方で、文書500の領域における文書510~560同士の相対位置関係を維持し、文書600の領域における文書610~630同士の相対位置関係を維持し、文書700の領域における文書710~730同士の相対位置関係を維持するようにしている。このようにして、概要表示部4における一覧性を高めている。
なお、例えば文書500の領域における文書510~560同士の相対位置関係を維持しているのであれば、文書510~560相互の距離を変えないようにしてもよく、また、距離が縮まるようにしてもよい。
【0052】
付言すると、概要表示部4における文書510等の大きさは、
図7(b)に示すワークスペース41bの場合と同じである。なお、概要表示部4における文書510等の大きさをワークスペース41bの場合よりも縮小する場合であっても、その縮小率が小さくなることが抑制される。
【0053】
また、
図8(b)に示す第1態様では、概要表示部4に、文書500の領域を示す円形部の画像CAと、文書600の領域を示す円形部の画像CBと、文書700の領域を示す円形部の画像CCとが表示されている。かかる画像CA、CB、CCは、
図7(b)に示すワークスペース41bには表示されていないものであり、これにより、複数の文書510等がどの領域に属しているのかを認識し易くなり、概要表示部4における視認性を高めている。
【0054】
さらに、
図8(b)に示す第1態様では、円形の画像CA、CB、CCの大きさは、文書の少なくとも一部が円内に含まれるようにしている。これにより、視認性を確保している。なお、文書のすべてが円内に含まれるようにしてもよい。
付言すると、画像CAの大きさは、画像CB、CCよりも大きい。これは、含まれる文書の数に応じて大きさを決定したことによる。しかしながら、文書同士が比較的離れている場合には、文書の数が少なくても大きな円形状としてもよい。
なお、画像CA、CB、CCを円形以外の図形、例えば楕円形状や四角形状の図形とすることも考えられる。
【0055】
さらにまた、
図8(b)に示す第1態様では、画像CA、CB、CCを外形のみを示す線で示しているが、これに限られず、円形内を色付けするようにしてもよい。その場合、画像CA、CB、CCよりも文書510~560が優先して表示されるように紙面垂直方向の相対位置を設定することが好ましい。また、画像CA、CB、CCの円形内を色づけする場合、同じ色としてもよく、互いに異なる色としてもよい。
【0056】
図9は、画像表示装置1aの操作画面400aを説明する図であり、(a)は、概要表示の第2態様を示し、(b)は、概要表示の第3態様を示す。
概要表示の第2態様として
図9(a)に示す概要表示部4は、文書500の領域内に位置する文書510~560、文書600の領域内に位置する文書610~630、文書700の領域内に位置する文書710~730の各輪郭線の線種を変えている。すなわち、文書510~560は実線で示し、文書610~630は破線で示し、文書710~730は二点鎖線で示す。
【0057】
第2態様は、文書を示すサムネイルの表示方法を変えるものであり、例えばサムネイルの輪郭線の線種を変える場合の他、輪郭線の色を変えるようにしてもよい。その一例を示すと、文書510~560の輪郭線を青色で示し、文書610~630の輪郭線を紫色で示し、文書710~730の輪郭線を緑色で示す。
このように、第2態様は、別の画像を追加するものでない点で、文書の数が多い場合、円形状の画像CA、CB、CCを用いる第1態様(
図8(b))よりも視認性を高めることができる。
【0058】
なお、第2態様の概要表示部4における文書配列は、上述の第1態様の場合と同じであり、変形例を含め、その説明を省略する。
【0059】
概要表示の第3態様として
図9(b)に示す概要表示部4は、文書500の領域内に位置する文書510~560にアイコンAAが付加され、文書600の領域内に位置する文書610~630にアイコンABが付加され、文書700の領域内に位置する文書710~730にアイコンACが付加されている。
アイコンAA、AB、ACの形状は、互いに異なるものであり、アイコンAAは、円形状であり、アイコンABは三角形状であり、アイコンACは四角形状である。
【0060】
このように、第3態様は、別の画像を追加するものでない点で、文書の数が多い場合、円形状の画像CA、CB、CCを用いる第1態様(
図8(b))よりも視認性を高めることができる。また、第3態様は、各文書に対して別の画像を追加することで、文書の枠で区別表示する第2態様に比べて、視認性を高めることができる。
【0061】
第3態様におけるアイコンAA、AB、ACの文書に対する位置は、右上の角部であるが、これは一例であり、他の角部や、例えば上辺の中央位置等であってもよい。また、アイコンAA、AB、ACの内側を塗りつぶすことで、視認性が高まる。
【0062】
なお、第3態様の概要表示部4における文書配列は、上述の第1態様の場合と同じであり、変形例を含め、その説明を省略する。
【0063】
付言すると、上述した第1態様、第2態様及び第3態様の複数を組み合わせた態様を、概要表示部4に適用してもよい。例えば、第1態様の画像CA、CB、CCの付加(
図8(b)参照)と第2態様のサムネイルの表示変更(
図9(a)参照)を組み合わせたり、第2態様のサムネイルの表示変更(
図9(a)参照)と第3態様のアイコンAA、AB、ACの付加(
図9(b)参照)を組み合わせたりすることが考えられる。
【0064】
ここで、概要表示部4(
図8(b)、
図9(a)、(b)参照)において、例えば文書510~560は、文書510~560が属するA群を示す態様で表示されており、かかる表示は、サムネイルが属するサムネイル群を示す態様で表示されることの一例である。
【0065】
かかる場合、概要表示部4に付加される画像CA(
図8(b)参照)は、A群に属する文書510~560の少なくとも一部を含む領域であり、サムネイル群に属するサムネイルの少なくとも一部を含む領域の一例である。また、A群に対する画像CA、B群に対する画像CB、C群に対する画像CCは、色や模様を付することで、A群、B群、C群ごとに区別可能であり、画像CA、CB、CCは、付加される領域の一例である。画像CA、CB、CCは、A群、B群、C群ごとに異なる色が付されていてもよい。
【0066】
また、かかる場合、A群に属する文書510~560、B群に属する文書610~630、C群に属する文書710~730に対し、A群、B群、C群のいずれに属するかという群を示す付加がある。文書を示すサムネイルの表示方法を変える態様(
図9(a)参照)は、サムネイル群に属するサムネイルに対する付加の一例であり、サムネイル群ごとに異なる色の付加の一例である。また、アイコンAA、AB、ACを付加する態様(
図9(b)参照)は、サムネイル群に属するサムネイルに対する付加の一例であり、サムネイル群ごとに異なるアイコンの付加の一例である。
【0067】
[画像表示装置1a、1bの機能構成による処理例]
次に、画像表示装置1a、1bの機能構成(
図5、
図6参照)による処理例について
図10を用いて説明する。すなわち、概要表示処理部103による処理例を説明する。
図10は、概要表示処理部103による処理例を説明する第1の実施の形態に係るフローチャートである。以下、上述した概要表示を説明する
図7~
図8等を参照しつつ説明する。
例えば操作画面400aでワークスペース41aが表示されている場合において(
図9(a)参照)、他のワークスペース41bについての概要表示操作例えば項目412に対するマウスオーバー(
図8(a)参照)を検知すると(ステップ101)、取得部3a(
図6参照)が、他のワークスペース41bに存在するすべての文書510~560、610~630、710~730(
図8(b)参照)の座標位置を取得する(ステップ102)。
【0068】
なお、概要表示処理部103は、概要表示操作としてのマウスオーバーをトリガーとして処理を実行する。なお、概要表示操作は、マウスオーバーに限られず、概要表示を指示するボタンをワークスペース41aに配置し、かかるボタンをクリックすることを、概要表示処理部103による処理のトリガーとしてもよい。
【0069】
取得した座標位置を用いて、算出部3c(
図6参照)は、すべての文書の座標位置(X軸とY軸の直交座標の位置)の代表点を算出する(ステップ103)。文書の代表点としては、例えば文書の中心位置の点または文書の左上隅の点が挙げられる。
【0070】
文書グルーピング部3b(同図参照)は、算出したすべての文書の代表点を基に、非階層クラスタリングを行ってすべての文書についてグルーピングを行う(ステップ104)。すなわち、すべての文書の代表点を母集団として「X-means法」(k-means法の改良版)を利用した非階層クラスター分析を実施する。事前にクラスター数を指定しなくても自動的に分類される。
これにより、N個のクラスター群に各文書の代表点が分類される。
【0071】
その後、文書ごとにグループを設定する(ステップ105)。すなわち、「X-means法」を利用したクラスター分析結果から、文書ごとに分類されたグループの情報を紐付ける。
【0072】
そして、算出部3c(
図6参照)は、各グループの代表点ないし重心点(
図11(b)の符号4a2、4b2、4c2を参照)を抽出し(ステップ106)、文書ごとに各グループの代表点からの相対ベクトルの成分を算出する(ステップ107)。
かかる重心点の抽出は、「X-means法」を利用したクラスター分析結果から、各グループの代表点(重心点)を保持することで行われる。
【0073】
その後、算出部3c(
図6参照)は、グループの文書を包括する仮想的な円(
図11(b)の符号4a1、4b1、4c1を参照)の半径を算出する(ステップ108)。かかる半径の算出は、文書ごとに各グループの代表点からの相対的なベクトルの成分、2点間の距離(グループの円の半径)を算出することで行われる。
【0074】
また、算出部3c(
図6参照)は、各グループの代表点を結んだN点の重心点(
図12(b)の符号4d2を参照)を算出する(ステップ109)。その後、N点の重心点を中心点とする仮想的な小円(同図(b)の符号4d3を参照)を形成する(ステップ110)。
【0075】
さらに、「各グループの仮想的な円(
図11(b)の符号4a1、4b1、4c1を参照)」と「仮想的な小円(
図12(b)の符号4d3を参照)」が外接するように(
図13(b)参照)、各グループの代表点(
図11(b)の符号4a2、4b2、4c2を参照)をN点の重心点(
図12(b)の符号4d2を参照)の方向に座標移動する(ステップ111)。
その後、概要表示部である描画領域の中心座標(
図13(a)の符号4e3を参照)に「N点の重心点(
図12(b)の符号4d2を参照)」を原点移動する(ステップ112)。
【0076】
そして、「N点の重心点(
図13(a)の符号4d2を参照)」と「各グループの代表点(
図13(a)の符号4a2、4b2、4c2を参照)」と「各文書の代表点」の座標位置を相対的に計算してサムネイルを描画する(ステップ113)。また、グループごとに文書が分類されていることを特徴付けるようにサムネイルの強調表示(
図8(b)、
図9(a)、(b)を参照)を行う(ステップ114)。
【0077】
次に、上述したフローチャート(
図10参照)の処理例について、
図11~
図14を用いて追加的に説明する。
図11は、フローチャートの追加説明を行うためのワークスペース41bを示す図であり、(a)はステップ102、(b)はステップ104及びステップ106をそれぞれ説明する図である。
【0078】
図11(a)に示すワークスペース41bにおいて、文書510~560、610~630、710~730の各々の座標位置を取得する。例えば、文書510~560の座標位置は、順に、(20,30)、(70,30)、(110,30)、(20,70)、(70,70)、(110,70)であり、文書610~630の座標位置は、順に(300,100)、(350,100)、(300,150)であり、文書710~730の座標位置は、順に、(60,200)、(60,250)、(100,250)であるとする。
【0079】
上述のフローチャート(
図10参照)のステップ102では、このように、ワークスペース41bに存在するすべての文書510等の座標位置を取得する。かかる座標位置により、文書の大きさや文書間の間隔を算出できる。
【0080】
図11(b)では、文書510~560、文書610~630及び文書710~730にグルーピングされ、グループの設定が行われている。すなわち、上述のフローチャート(
図10参照)のステップ104において、本例では、文書510~560がA群に分類され、文書610~630がB群に分類され、文書710~730がC群に分類されるという3個のクラスター群に分類される。具体的には、(20,30)、(70,30)、(110,30)、(20,70)、(70,70)、(110,70)がA群に分類される。また、(300,100)、(350,100)、(300,150)がB群に分類され、(60,200)、(60,250)、(100,250)がC群に分類される。
【0081】
また、
図11(b)では、A群の代表点4a2、B群の代表点4b2及びC群の代表点4c2が示されている。すなわち、上述のフローチャート(
図10参照)のステップ106において、本例では、A群の代表点4a2が(67,50)であり、B群の代表点4b2が(316,116)であり、C群の代表点4c2が(73,233)である。
【0082】
図12は、フローチャートの追加説明を行うためのワークスペース41bを示す図であり、(a)はステップ107~108、(b)はステップ109~111を、それぞれ説明する図である。
図12(a)に示すワークスペース41bにおいて、例えばC群の場合、代表点4c2が(73,233)であり、代表点4c2と「C-1」の文書710との相対的なベクトルの成分は(-13,-33)であり、2点間の距離(グループの円の半径)は約35である。また、代表点4c2と「C-2」の文書720との相対的なベクトルの成分は(-13,17)であり、2点間の距離(グループの円の半径)は約21である。さらに、代表点4c2と「C-3」の文書730との相対的なベクトルの成分は(27,17)であり、2点間の距離(グループの円の半径)は約32である。なお、上述のベクトル成分は、
図12(a)に破線で示したものになる。
【0083】
なお、C群において、算出した2点間の距離を基に、代表点4c2に対して文書710~730が移動する場合、その移動距離は、グループ内文書移動情報として、グループ内文書移動情報保持部3d(
図6参照)に保持される。代表点4c2に対する文書710~730の移動がない場合には、その情報がグループ内文書移動情報保持部3dに保持される。
【0084】
このようにして、上述のフローチャート(
図10参照)のステップ107では、相対的なベクトルの成分を算出し、ステップ108では、C群の場合、上述した2点間の距離である「35」、「21」、「32」のうち最大値である「35」をそのグループの範囲を示す円の「半径」として保持する。
A群やB群についても、上述したC群の場合と同様に算出することができる。
【0085】
図12(b)に示すワークスペース41bにおいて、各グループの代表点を結んだ3N点の重心点の算出は、
【0086】
【数1】
により算出する。さらに説明すると、3点の重心座標式は、
【0087】
【0088】
上述のフローチャート(
図10参照)のステップ109では、上記式により、重心点4d2の位置が算出できる。本例では、重心点4d2の座標位置は、(152、133)である。
【0089】
また、上述のフローチャート(
図10参照)のステップ110における仮想的な小円4d3は、本例では、座標位置が(152、133)である重心点4d2を中心点とした半径15の小円である。
かかる仮想的な小円4d3の値の大きさは、表示の仕方によって値を変更しても良い。かかる値について補足説明すると、例えば半径の値を小さくすることで概要表示をするときにより無駄な空間を除外できるが、小さくし過ぎた場合に、他のグループの文書の距離が縮まるため見やすくなるとは限らない。
【0090】
さらに、上述のフローチャート(
図10参照)のステップ111における各グループの代表点の座標移動は、次のように行われる。
すなわち、
図12(b)において、まず、「各グループの仮想的な円4a1、4b1、4c1」の中心点4a2、4b2、4c2と「仮想的な小円4d3」の中心点である重心点4d2を互いに結ぶ線分の一次関数式を算出する。本例では、A群は、Y=0.9X-15であり、B群は、Y=-0.1X+148.2であり、C群は、Y=-1.3X+326である。すなわち、線分4d4の一次関数式はY=0.9X-15、線分4d5の一次関数式はY=-0.1X+148.2、線分4d6の一次関数式はY=-1.3X+326である。
【0091】
そして、「各グループの仮想的な円4a1、4b1、4c1の半径」と「仮想的な小円4d3の半径」とによる2つの円の中心間の距離を算出する。ここでは、C群を例として算出する。C群の仮想的な円4c1の半径を「rc」とし、その値を35とする。また、仮想的な小円4d3の半径を「rg」とし、その値を15とする。
d=rc+rg±ε(ε:許容誤差)
を満たす「d」となる「C群の代表点4c2の座標(x,y)」を算出する。ここでの許容誤差の範囲の大きさは表示の仕方によって値を変更しても良い。この許容誤差の範囲を大きくすることで計算時間が短縮され、ユーザへの応答時間が短くなる場合がある。
【0092】
こうして、配置調整をした「C群の代表点4c2の座標(x,y)」と重心点4d2の座標の距離を算出することができる。すなわち、本例では、代表点4c2の座標は、(120,173)であり、重心点4d2の座標は、(152,133)であり、距離は約51である。
かかる距離を示す情報は、グループ間移動情報として、グループ間移動情報保持部3e(
図6参照)に保持される。
A群やB群についても、上述したC群の場合と同様に算出することができる。
【0093】
図13及び
図14は、フローチャートの追加説明を行うためのワークスペース41bを示す図であり、
図13の(a)及び(b)はステップ112を説明する図であり、
図14は、ステップ114を説明する図である。
図13(a)に示すように、各グループの仮想的な円4a1、4b1、4c1と仮想的な小円4d3(
図12(b)参照)が外接するようにした後に、N点の重心点4d2が描画領域の中心座標4e3に重なるように全体を移動する。これにより、同図(b)に示すように、描画領域の中心寄りの位置にA群、B群及びC群が配置される。
なお、描画領域は、すべての文書が表示可能な範囲を算出することで設定される。また、描画領域の中心座標4e3の位置は、縦線4e1と横線4e2の交点であり、ワークスペース41bの中心位置とすることができる。
【0094】
図14では、
図13(b)には表されていた仮想的な円4a1、4b1、4c1、各グループの代表点4a2、4b2、4c2、重心点4d2、仮想的な小円4d3(
図12(b)参照)が表示されなくなり、また、縦線4e1、横線4e2及び中心座標4e3も表示されなくなる。
また、
図14では、上述のフローチャート(
図10参照)のステップ114のサムネイル強調表示として、円形状の画像CA、CB、CCが付加されている(
図8(b)の第1態様を参照)。
このようにして、概要表示処理部103(
図5、
図6参照)による概要表示が生成され、概要表示部4が表示可能になる。
【0095】
ここにいうワークスペース41bの文書510~560、610~630、710~730(
図14参照)は、縮小表示の対象になるサムネイルの一例であり、また、A群、B群、C群は、サムネイルが属するサムネイル群であってサムネイルの配置により定められるサムネイル群の一例である。
また、概要表示部4の概要表示は、例えばA群に属する文書とA群に属する文書510~560以外の他の文書610~630、710~730とが互いに近づくように配置する態様の一例であり、概要表示における文書510~560、610~630、710~730は、かかる態様で行われた縮小表示の一例である。
【0096】
また、概要表示部4の枠内は、予め定められている領域の一例であり、概要表示部4の枠内に文書510~560及び他の文書610~630、710~730が収まるように配置される態様は、配置する態様の一例である。
かかる場合、A群の文書510~560同士の距離を維持して配置してもよく、A群の文書510~560同士の相対位置を維持しつつ距離が縮まるように配置してもよい。また、A群のほかB群が存在する場合、A群とB群の各々が互いに近づくように配置してもよい。
【0097】
図15は、画像表示装置1a、1bの不揮発性メモリ14に格納されている情報を説明する図であり、(a)は、作業領域情報14c、(b)は、文書情報14dを示す。なお、作業領域情報14cは、作業領域管理部14a(
図3参照)に格納されるものであり、文書情報14dは、文書情報管理部14b(同図参照)に格納されるものである。
【0098】
図15(a)に示す作業領域情報14cは、作業領域(
図3の符号42、43を参照)を特定する作業領域IDと、作業領域IDに対応する作業領域名を含む。
また、
図15(b)に示す文書情報14dは、文書IDと、文書IDに対応する文書名と、その座標情報としてのX座標及びY座標を含む。このような文書情報14dは、取得部3a(
図6参照)により取得された情報である。
【0099】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に係る画像表示装置1a、1bを説明する。なお、第2の実施の形態は、上述した第1の実施の形態の場合と共通する構成や処理等を備えることから、共通する構成等には同じ符号を用い、また、その説明を省略することがある。
【0100】
図16は、第2の実施の形態に係る画像表示装置1a、1bの構成例を示す図であり、第1の実施の形態を説明する
図3に対応する。
図16に示す画像表示装置1a、1bでは、サムネイル情報として、作業領域42に「文書1-1」が保存されるほか、「トレイ1」が設定されている。また、作業領域43に「文書2-1」が保存されるほか、「トレイ2」が設定されている。
このように、第2の実施の形態では、複数の文書のサムネイルを内包するトレイ1、2を備えている点で、第1の実施の形態(
図3参照)と異なる。
【0101】
また、不揮発性メモリ14としてのデータベースには、作業領域管理部14aのほか、オブジェクト情報管理部14eが設定されている。オブジェクト情報管理部14eは、例えばオブジェクトID、オブジェクト名などのオブジェクト情報(例えば
図22の符号14fを参照)を有する。
【0102】
図17及び
図18は、画像表示装置1a、1bの操作画面400a、400bを説明する図であり、
図17(a)は、画像表示装置1aの操作画面400aを示し、同図(b)と
図18(a)及び(b)は、画像表示装置1bの操作画面400bを示す。なお、
図17及び
図18は、第1の実施の形態を説明する
図7及び
図8に対応するものである。図面参照の容易のため、
図17(a)に
図7(a)と同じものを示し、
図18(a)に
図8(a)と同じものを示す。
【0103】
図17(b)に示す操作画面400bは、左上隅の文書500の領域に、「A-1」の文書510、「A-2」の文書520、「A-3」の文書530、「A-4」の文書540、「A-5」の文書550、「A-6」の文書560が配置されている。
また、ワークスペース表示部420bにおいて、右寄りに位置する文書600の領域には、「B-1」の文書610、「B-2」の文書620、「B-3」の文書630が配置されている。
【0104】
さらには、ワークスペース表示部420bの中央下寄りには、「トレイ1」のトレイ900が配置されている。
第2の実施の形態では、ワークスペース表示部420bにトレイ900が配置されている点で、第1の実施の形態(
図7(b)参照)と異なる。
【0105】
図18(a)に示すマウスオーバーにより、同図(b)に示すように、ワークスペース41aに概要表示部4が表示される。概要表示部4には、文書510等と共にトレイ900が表示されている。
【0106】
次に、画像表示装置1の機能構成による処理例について説明する。
図19は、概要表示処理部103(
図5、
図6参照)による処理例を説明する第2の実施の形態に係るフローチャートであり、第1の実施の形態を説明する
図10に対応するものである。なお、
図19では、ステップ201~217のうちステップ201~205、209~217は、それぞれ
図10のステップ101~114に対応するものである。したがって、以下、ステップ206~208について説明する。なお、ステップ206~208は、トレイに関する処理である。
【0107】
取得部3a(
図6(a)参照)は、他のワークスペース41bに存在するすべてのトレイ(
図18(b)参照)の座標位置を取得する(ステップ206)。取得した座標位置を用いて、算出部3c(
図6参照)は、すべてのトレイの座標位置(X軸とY軸の直交座標の位置)の代表点を算出する(ステップ207)。
その後、すべてのトレイについて単独のグループとして設定する(ステップ208)
【0108】
次に、上述したフローチャート(
図19参照)の処理例について、
図20~
図21を用いて追加的に説明する。
図20は、フローチャートの追加説明を行うためのワークスペース41bを示す図であり、(a)はステップ202及びステップ206、(b)はステップ204及びステップ209をそれぞれ説明する図である。なお、
図20は、第1の実施の形態を説明する
図11に対応するものである。
【0109】
図20(a)に示すワークスペース41bにおいて、文書510~560、610~630の各々の座標位置を取得し(ステップ202参照)、また、トレイ900の座標位置も取得する(ステップ206参照)。
文書510~560、610~630の座標位置は、第1の実施の形態と同じであるとする。また、トレイ900の座標位置は、(73,233)であるとする。
【0110】
図20(b)では、文書510~560及び文書610~630にグルーピングされ、グループの設定が行われている(ステップ205参照)。トレイ900は、単独のグループとして設定される(ステップ208参照)。
また、
図20(b)では、A群の代表点4a2、B群の代表点4b2及びトレイ1の代表点4f2が示されている。かかる代表点4a2、4b2、4f2の抽出(ステップ209参照)により、本例では、A群の代表点4a2が(67,50)であり、B群の代表点4b2が(316,116)であり、トレイ1の代表点4f2が(73,233)である。
【0111】
図21は、フローチャートの追加説明を行うためのワークスペース41bを示す図であり、(a)はステップ210~211、(b)はステップ212~214を、それぞれ説明する図である。なお、
図21は、第1の実施の形態を説明する
図12に対応するものである。また、ステップ210~211は、第1の実施の形態におけるステップ107~108に対応し、ステップ212~214は、ステップ109~111に対応する。
【0112】
図21(a)に示すワークスペース41bにおいて、A群において文書510~560と代表点4a2とを結ぶベクトル成分を破線で示し、B群において文書610~630と代表点4bsとを結ぶベクトル成分も破線で示している。トレイ900は、単独のグループであることから、かかるベクトル成分が示されていない。
【0113】
図21(b)に示すワークスペース41bにおいて、A群の代表点4a2を線分4d4に沿って重心点4d2に移動させ、仮想的な円4a1が仮想的な小円4d3に接するようにする。同じく、B群の代表点4b2についても同様に行う。
また、C群の代表点4f2については、仮想的な円がないことから、トレイ900の輪郭が仮想的な小円4d3に近くなるように、線分4d6に沿って移動する。
【0114】
図22は、画像表示装置1a、1bの不揮発性メモリ14に格納されているオブジェクト情報14fを説明する図である。かかるオブジェクト情報は、オブジェクト情報管理部14e(
図16参照)に格納されるものである。なお、不揮発性メモリ14の作業領域管理部14a(同図参照)に格納されている作業領域情報14cは、第1の実施の形態を説明する
図15(a)と同じものゆえ、その図示及び説明を省略する。
図22に示すオブジェクト情報14fは、文書及びトレイのオブジェクトIDと、オブジェクトIDに対応するオブジェクト名と、オブジェクトタイプと、座標情報としてのX座標及びY座標を含む。このようなオブジェクト情報14fは、取得部3a(
図6参照)により取得された情報である。
【0115】
上記各実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU: Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、変更してもよい。
【符号の説明】
【0116】
1a,1b…画像表示装置、4…概要表示部、11…CPU、103…概要表示処理部、510~560,610~630,710~730…文書、900…トレイ、AA,AB,AC…アイコン、CA,CB,CC…画像