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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145951
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】カバー部材
(51)【国際特許分類】
   E02B 13/02 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
E02B13/02 Z
E02B13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052879
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】300072462
【氏名又は名称】株式会社ほくつう
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100134359
【弁理士】
【氏名又は名称】勝俣 智夫
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】竹村 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】田中 正
(72)【発明者】
【氏名】谷口 輝行
(57)【要約】
【課題】休耕時においても自動開閉装置を取り外すことを不要とすることができるカバー部材を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の態様1に係るカバー部材40は、給水栓10の開閉を操作する自動開閉装置20の上に配置されて自動開閉装置20に直接的または間接的に固定され、自動開閉装置20を保護する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水栓の開閉を操作する自動開閉装置の上に配置されて前記自動開閉装置に直接的または間接的に固定され、前記自動開閉装置を保護するカバー部材。
【請求項2】
傾斜した形状を有する本体部と、
前記本体部の下方に配置され、前記自動開閉装置に取り付けるための取付部と、
を備える、
請求項1に記載のカバー部材。
【請求項3】
前記給水栓及び前記自動開閉装置の周囲に配置される保護管と、
前記保護管の上部に配置されるキャップ部材と、
を備える、
請求項1に記載のカバー部材。
【請求項4】
前記給水栓及び前記自動開閉装置の周囲に配置された枡の内周面と、前記保護管の外周面と、の間に配置されるスペーサを更に備える、
請求項3に記載のカバー部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カバー部材に関する。
【背景技術】
【0002】
水田等の耕作区において、作物に用水を供給するために自動給水栓が用いられる。自動給水栓の動力源として、自動開閉装置が用いられる。特許文献1では、筐体の上面に設置された太陽電池の排水性を向上した自動開閉装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6612573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
自動開閉装置は、積雪による荷重で破損することがある。このため、冬季は自動開閉装置を取り外して保管することが推奨されている。ここで、水田等が複数の自動給水栓を備える場合において、自動開閉装置のそれぞれに位置情報が登録されていることがある。この場合、一度取り外した複数の自動開閉装置は、それぞれ元の場所に配置される必要がある。この手間をなくすために、休耕時において自動開閉装置を取り外し不要としたい旨の課題がある。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、休耕時においても自動開閉装置を取り外すことを不要とすることができるカバー部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
<1>本発明の態様1に係るカバー部材は、給水栓の開閉を操作する自動開閉装置の上に配置されて前記自動開閉装置に直接的または間接的に固定され、前記自動開閉装置を保護する。
【0007】
この発明によれば、カバー部材によって、自動開閉装置の上に雪が積もることを防ぐことができる。よって、自動開閉装置が積雪によって破損することを防ぐことができる。したがって、休耕時においても自動開閉装置を取り外すことを不要とすることができる。
【0008】
<2>本発明の態様2に係るカバー部材は、態様1に係るカバー部材において、傾斜した形状を有する本体部と、前記本体部の下方に配置され、前記自動開閉装置に取り付けるための取付部と、を備える。
【0009】
この発明によれば、上方に面し、傾斜した形状を有する本体部と、下方に面し、自動開閉装置に取り付けるための取付部と、を備える。本体部が傾斜した形状を有することで、例えば、本体部の上に雪が積もることを防ぐことができる。取付部を有することで、本体部を自動開閉装置に取り付けることができる。
【0010】
<3>本発明の態様3に係るカバー部材は、態様1に係るカバー部材において、前記給水栓及び前記自動開閉装置の周囲に配置される保護管と、前記保護管の上部に配置されるキャップ部材と、を備える。
【0011】
この発明によれば、給水栓及び自動開閉装置の周囲に配置される保護管と、保護管の上部に配置されるキャップ部材と、を備える。これにより、給水栓及び自動開閉装置に干渉することなく、給水栓及び自動開閉装置の両方の全体を覆うことができる。これにより、例えば、積雪によってカバー部材の位置や形状が変化した場合であっても、給水栓及び自動開閉装置に影響が及ばないようにすることができる。また、保護管と給水栓及び自動開閉装置との間に空間があることで、保護管の内側に、給水栓及び自動開閉装置以外の物(例えば、水位センサ)を格納することができる。よって、休耕時において自動開閉装置を取り外すことを不要とすることに加え、必要なものを保護管の内側に保管することができる。
【0012】
<4>本発明の態様4に係るカバー部材は、態様3に係るカバー部材において、前記給水栓及び前記自動開閉装置の周囲に配置された枡の内周面と、前記保護管の外周面と、の間に配置されるスペーサを更に備える。
【0013】
この発明によれば、枡の内周面と、保護管の外周面と、の間に配置されるスペーサを備える。これにより、枡の内側において保護管の位置が変化することを、スペーサによって抑えることができる。よって、保護管の位置が変化することによって、給水栓及び自動開閉装置に影響が及ぶことを確実に防ぐことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、休耕時においても自動開閉装置を取り外すことを不要とすることができるカバー部材を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】自動給水栓の正面図である。
図2図1の平面図である。
図3】本発明の第1例に係るカバー部材が設けられた自動給水栓の正面図である。
図4図3の左側面図である。
図5】本発明に係るカバー部材の第1例の斜視図である。
図6】本発明の第2例に係るカバー部材が設けられた自動給水栓の正面図である。
図7】本発明の第3例に係るカバー部材が設けられた自動給水栓の正面図である。
図8図7の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係る自動給水栓100及びカバー部材40を説明する。
図1に示す自動給水栓100は、水田等の耕作区Fにおいて、作物に用水を供給するために用いられる。本実施形態において、自動給水栓100は、例えば、図2に示すように、耕作区Fの地上に配置された枡Mの内部に配置される。枡Mの底面からは、耕作区Fの地下に埋設され、用水を運搬する水道管Pが突出している。
図1に示すように、自動給水栓100は、給水栓10と、自動開閉装置20と、水位センサ30と、カバー部材40と、を備える。
【0017】
給水栓10は、枡Mの底面から突出した水道管Pの端部に接続される。給水栓10は、開閉することによって、用水を耕作区Fに供給する。具体的には、給水栓10を開くと、用水が水道管Pから吐出される。吐出された用水は、枡Mの内部に溜まる。枡Mの内部が用水で満たされると、枡Mから用水が溢れ出る。これにより、耕作区Fに用水が供給される。
【0018】
本実施形態において、給水栓10は、公知のものが好適に用いられる。給水栓10には、例えば、浮上式の止水栓ボールを用いた開閉弁を備えたものが用いられる。止水栓ボールは、例えば、止水栓ボールに接したスピンドルを回転させることで上下方向に移動する。これにより、止水栓を開閉する。
【0019】
自動開閉装置20は、給水栓10の開閉を操作する。本実施形態において、自動開閉装置20は、給水栓10の上に配置される。自動開閉装置20は、例えば、不図示のモータ、制御装置、及び太陽電池パネルを備える。
モータは、止水栓のスピンドルを回転させる。制御装置は、モータの駆動を制御する。制御装置は、例えば、水位センサ30が検知する耕作区Fの水位に合わせて、モータの駆動を制御する。
【0020】
太陽電池パネルは、自動開閉装置20を駆動させるための電気エネルギーを発電する機構である。太陽電池パネルが発電した電気は、蓄電池に供給される。これにより、電源を別途設けることを不要とする。本実施形態において、太陽電池パネルは、自動開閉装置20の上面に配置される。太陽電池パネルは、例えば、太陽の位置を問わず発電を可能とするため、水平に設けられることが好ましい。
【0021】
水位センサ30は、耕作区Fの水位を検知する。水位センサ30は、例えば、耕作区Fの地上に立てるようにして配置される。水位センサ30は、例えば、休耕時において耕作区Fから取り外し可能であることが好ましい。水位センサ30は、自動開閉装置20の制御装置に、ケーブルCを介して接続される。
【0022】
カバー部材40は、自動開閉装置20の上に配置され、自動開閉装置20を保護する。カバー部材40は、冬季をはじめとする休耕時に、積雪によって自動開閉装置20が破損することを防ぐ為に用いられる。本実施形態に係るカバー部材40として、第1カバー部材41、第2カバー部材42、第3カバー部材43、が例示される。以下、これらを区別しない場合にカバー部材40と呼称する。
【0023】
第1カバー部材41は、図3及び図4に示すように、自動開閉装置20の上に直接的に固定される。第1カバー部材41は、図5に示すように、本体部41aと、取付部41bと、を備える。第1カバー部材41の本体部41a及び取付部41bは、例えば、板状の部材を折り曲げることで形成される。
【0024】
本体部41aは、上方に面する部位である。本体部41aは、傾斜した形状を有する。本体部41aは、例えば、図5に示すように、四角錐の頂点が上側に位置し、側面が下方に向かって傾斜するように形成される。これにより、例えば、本体部41aの上に雪等が降った時、自動開閉装置の上から落下する。このような形状とすることで、本体部41aの上に雪等が積もることを防ぐ。本体部41aは、少なくとも傾斜の下端が水平方向において自動開閉装置の外側に位置していれば、その他任意の形状としてもよい。
【0025】
取付部41bは、下方に面する部位である。取付部41bは、自動開閉装置20に取り付けるために用いられる。具体的には、例えば、取付部41bを自動開閉装置20の上部に差し込むようにして取り付ける。
【0026】
第2カバー部材42は、図6に示すように、自動開閉装置20の上に間接的に固定される。具体的には、第2カバー部材42は、枡Mの内側の地面を介して、自動開閉装置20の上に取り付けられる。言い換えれば、第2カバー部材42は、給水栓10及び自動開閉装置20の周囲に配置される。第2カバー部材42は、保護管42aと、キャップ部材42bと、を備える。
【0027】
保護管42aは、給水栓10及び自動開閉装置20の周囲に配置される。保護管42aには、例えば、硬質ポリ塩化ビニル管が用いられ、VU管が好適に用いられる。これに限らず、保護管42aには任意の材質が用いられてもよい。保護管42aの内径は、例えば、給水栓10及び自動開閉装置20との間に十分な隙間が生じる程度であることが好ましい。これにより、図6に示すように、保護管42aの内部に耕作区Fから取り外した水位センサ30を格納することができるようにすることが好ましい。
【0028】
キャップ部材42bは、保護管42aの上部に配置される。これにより、保護管42aとキャップ部材42bとによって、給水栓10及び自動開閉装置20の全体を覆う。キャップ部材42bには、例えば、硬質ポリ塩化ビニルが用いられる。これに限らず、キャップ部材42bには任意の材質が用いられてもよい。
キャップ部材42bは、例えば、図6に示すように、上面が水平な形状を有する。キャップ部材42bは、傾斜した形状を有してもよい。
【0029】
第3カバー部材43は、図7及び図8に示すように、第2カバー部材42の保護管42a及びキャップ部材42bに加えて、スペーサ43aを更に備える点で第2カバー部材42と相違する。
スペーサ43aは、枡Mの内部において保護管42aの位置が変化することを防ぐために用いられる。スペーサ43aは、枡Mの内周面と、保護管42aの外周面と、の間に配置される。具体的には、スペーサ43aは、枡Mの内周面及び保護管42aの外周面の両方に接するように配置される。例えば、図8に示すように枡Mが四角形状である場合、スペーサ43aは、枡Mの各頂点の内側に配置されることが好ましい。
スペーサ43aには、保護管42aよりも小径の硬質ポリ塩化ビニル管が用いられ、VU管が好適に用いられる。これに限らず、スペーサ43aには任意の材質が用いられてもよい。
【0030】
以上説明したように、本実施形態に係るカバー部材40によれば、自動開閉装置20の上に雪が積もることを防ぐことができる。よって、自動開閉装置20が積雪によって破損することを防ぐことができる。したがって、休耕時においても自動開閉装置20を取り外すことを不要とすることができる。
【0031】
また、上方に面し、傾斜した形状を有する本体部41aと、下方に面し、自動開閉装置20に取り付けるための取付部41bと、を備える。本体部41aが傾斜した形状を有することで、例えば、本体部41aの上に雪が積もることを防ぐことができる。取付部41bを有することで、本体部41aを自動開閉装置20に取り付けることができる。
【0032】
また、給水栓10及び自動開閉装置20の周囲に配置される保護管42aと、保護管42aの上部に配置されるキャップ部材42bと、を備える。これにより、給水栓10及び自動開閉装置20に干渉することなく、給水栓10及び自動開閉装置20の両方の全体を覆うことができる。これにより、例えば、積雪によってカバー部材40の位置や形状が変化した場合であっても、給水栓10及び自動開閉装置20に影響が及ばないようにすることができる。また、保護管42aと給水栓10及び自動開閉装置20との間に空間があることで、保護管42aの内側に、給水栓10及び自動開閉装置20以外の物(例えば、水位センサ30)を格納することができる。よって、休耕時において自動開閉装置20を取り外すことを不要とすることに加え、必要なものを保護管42aの内側に保管することができる。
【0033】
また、枡Mの内周面と、保護管42aの外周面と、の間に配置されるスペーサ43aを備える。これにより、枡Mの内側において保護管42aの位置が変化することを、スペーサ43aによって抑えることができる。よって、保護管42aの位置が変化することによって、給水栓10及び自動開閉装置20に影響が及ぶことを確実に防ぐことができる。
【0034】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、カバー部材40は、枡Mの上部に設けられ、給水栓10及び自動開閉装置20の全体を1つの部材で覆うものであってもよい。
【0035】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0036】
10 給水栓
20 自動開閉装置
30 水位センサ
40 カバー部材
41a 本体部
42a 保護管
42b キャップ部材
43a スペーサ
M 枡
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8