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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023145954
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】軒樋支持構造、緩止構造及び受具
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/072 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
E04D13/072 501P
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052883
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 政博
(57)【要約】
【課題】受具タイプの軒樋支持構造におけるボルト及びナットの緩みを防止できる軒樋支持構造、緩止構造及び受具を提供する。
【解決手段】軒樋支持構造100は、軒樋を載せる受梁と、屋根を挟む上材12u及び下材12bを有する支持梁12と、受梁と支持梁12とを連結する鉛直材と、を含む受具10と、屋根及び支持梁12を貫通する軸部21を有するボルト20と、ボルト20に螺合するナット30と、ボルト20又はナット30の少なくとも一方に係止する第1係止部41、及び、第1係止部41が係止する対象とは異なる部材に係止する第2係止部42を有し、ボルト20とナット30との相対回転を規制する緩止部材40と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軒樋を載せる受梁と、屋根を挟む上材及び下材を有する支持梁と、前記受梁と前記支持梁とを連結する鉛直材と、を含む受具と、
前記屋根及び前記支持梁を貫通する軸部を有するボルトと、
前記ボルトに螺合するナットと、
前記ボルト又は前記ナットの少なくとも一方に係止する第1係止部、及び、前記第1係止部が係止する対象とは異なる部材に係止する第2係止部を有し、前記ボルトと前記ナットとの相対回転を規制する緩止部材と、を備える
軒樋支持構造。
【請求項2】
前記ボルトは、前記支持梁に係止する係止突起を有する
請求項1に記載の軒樋支持構造。
【請求項3】
前記第2係止部は、前記支持梁の被係止孔に係止する
請求項1又は請求項2に記載の軒樋支持構造。
【請求項4】
前記第2係止部は、前記支持梁の被係止突起に係止する
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の軒樋支持構造。
【請求項5】
前記第2係止部は、前記支持梁の被係止縁に係止する
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の軒樋支持構造。
【請求項6】
前記第2係止部は、前記屋根に係止する
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の軒樋支持構造。
【請求項7】
前記屋根は、隣接する屋根板を重ね合わせて係合されたハゼを有する折板屋根であり、
前記第2係止部は、前記ハゼに係合する
請求項6に記載の軒樋支持構造。
【請求項8】
前記支持梁の断面形状は、中空形状である
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の軒樋支持構造。
【請求項9】
屋根を挟む上材及び下材を有する支持梁と、
前記屋根及び前記支持梁を貫通する軸部を有するボルトと、
前記ボルトに螺合するナットと、
前記ボルト又は前記ナットの少なくとも一方に係止する第1係止部、及び、前記第1係止部に係止される対象とは異なる部材に係止する第2係止部を有し、前記ボルトと前記ナットとの相対回転を規制する緩止部材と、を備える
緩止構造。
【請求項10】
軒樋を載せる受梁と、屋根を挟む上材及び下材を有する支持梁と、前記受梁と前記支持梁とを連結する鉛直材と、を含み、
前記支持梁は、
前記屋根に取り付けられるボルトを貫通させるとともに前記ボルトの相対回転を規制するボルト規制孔と、
前記ボルト又は前記ボルトに螺合するナットの相対回転を規制する緩止部材を係合させる被係合部と、を有する
受具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軒樋支持構造、緩止構造及び受具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軒樋支持構造があった(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-98718号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の軒樋支持構造は、軒樋を上から吊って支持する支持具を、吊りボルトで吊った状態でナットによって締め付けた、吊具タイプのものであった。そして、従来の吊具タイプの軒樋支持構造におけるボルト及びナットの緩み防止部材は、吊具タイプに適応する特有の構造であった。そのため、従来の緩み防止部材は、軒樋を載せて支持する、受具タイプの軒樋支持構造に適応するものではなかった。
【0005】
本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、受具タイプの軒樋支持構造におけるボルト及びナットの緩みを防止できる軒樋支持構造、緩止構造及び受具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決する手段は、次のとおりである。
(1)本発明の一態様に係る軒樋支持構造は、軒樋を載せる受梁と、屋根を挟む上材及び下材を有する支持梁と、前記受梁と前記支持梁とを連結する鉛直材と、を含む受具と、前記屋根及び前記支持梁を貫通する軸部を有するボルトと、前記ボルトに螺合するナットと、前記ボルト又は前記ナットの少なくとも一方に係止する第1係止部、及び、前記第1係止部が係止する対象とは異なる部材に係止する第2係止部を有し、前記ボルトと前記ナットとの相対回転を規制する緩止部材と、を備える。
(2)上記(1)において、前記ボルトは、前記支持梁に係止する係止突起を有してよい。
(3)上記(1)又は(2)において、前記第2係止部は、前記支持梁の被係止孔に係止してよい。
(4)上記(1)から(3)のいずれかにおいて、前記第2係止部は、前記支持梁の被係止突起に係止してよい。
(5)上記(1)から(4)のいずれかにおいて、前記第2係止部は、前記支持梁の被係止縁に係止してよい。
(6)上記(1)から(5)のいずれかにおいて、前記第2係止部は、前記屋根に係止してよい。
(7)上記(6)において、前記屋根は、隣接する屋根板を重ね合わせて係合されたハゼを有する折板屋根であり、前記第2係止部は、前記ハゼに係合してよい。
(8)上記(1)から(7)のいずれかにおいて、前記支持梁の断面形状は、中空形状であってよい。
(9)本発明の一態様に係る緩止構造は、屋根を挟む上材及び下材を有する支持梁と、前記屋根及び前記支持梁を貫通する軸部を有するボルトと、前記ボルトに螺合するナットと、前記ボルト又は前記ナットの少なくとも一方に係止する第1係止部、及び、前記第1係止部に係止される対象とは異なる部材に係止する第2係止部を有し、前記ボルトと前記ナットとの相対回転を規制する緩止部材と、を備える。
(10)本発明の一態様に係る受具は、軒樋を載せる受梁と、屋根を挟む上材及び下材を有する支持梁と、前記受梁と前記支持梁とを連結する鉛直材と、を含み、前記支持梁は、前記屋根に取り付けられるボルトを貫通させるとともに前記ボルトの相対回転を規制するボルト規制孔と、前記ボルト又は前記ボルトに螺合するナットの相対回転を規制する緩止部材を係合させる被係合部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、受具タイプの軒樋支持構造におけるボルト及びナットの緩みを防止できる軒樋支持構造、緩止構造及び受具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】軒樋支持構造を示す斜視図である。
図2図1におけるA矢視図である。
図3】軒樋支持構造を示す斜視図である。
図4】第1実施形態に係る緩止構造を上から見た分解斜視図である。
図5】第1実施形態に係る緩止構造を下から見た分解斜視図である。
図6】第1実施形態に係る緩止構造を示す組立斜視図である。
図7】第2実施形態に係る緩止構造を示す組立斜視図である。
図8】第3実施形態に係る緩止構造を示す組立斜視図である。
図9】第4実施形態に係る緩止構造を示す組立斜視図である。
図10図9におけるB矢視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、図面を参照し、実施形態に係る軒樋支持構造100を説明する。
図1は、軒樋支持構造100を示す斜視図である。図2は、図1におけるA矢視図である。図3は、軒樋支持構造100を示す斜視図である。図4は、第1実施形態に係る緩止構造1を上から見た分解斜視図である。図5は、第1実施形態に係る緩止構造1を下から見た分解斜視図である。図6は、第1実施形態に係る緩止構造1を示す組立斜視図である。なお、図1から図3において、緩止部材40は不図示である。
【0010】
図1及び図2に示すように、実施形態に係る軒樋支持構造100は、建築物の屋根Rに取り付けられる。軒樋支持構造100は、軒先Raに沿う軒樋G(雨樋ともいう。)を支持する。
【0011】
(軒樋支持構造)
図2及び図3に示すように、軒樋支持構造100は、軒樋Gを載せる受梁11と、屋根を挟む上材12u及び下材12bを有する支持梁12と、受梁11と支持梁12とを連結する鉛直材13と、を含む受具10を備えている。
【0012】
軒樋支持構造100は、屋根R及び支持梁12を貫通する軸部21を有するボルト20と、ボルト20に螺合するナット30を備えている。
【0013】
ここで、図4から図6示すように、軒樋支持構造100は、ボルト20又はナット30の少なくとも一方に係止する第1係止部41、及び、第1係止部41が係止する対象とは異なる部材に係止する第2係止部42を有し、ボルト20とナット30との相対回転を規制する緩止部材40を備えている。
このように、軒樋支持構造100の緩止部材40は、第1係止部41をボルト20又はナット30の少なくとも一方に係止され、第2係止部42を、第1係止部41が係止する対象とは異なる部材に係止されている。これにより、緩止部材40を回転させないようにでき、ボルト20とナット30との相対回転を規制できる。よって、受具タイプの軒樋支持構造100におけるボルト20及びナット30の緩みを防止できる。
【0014】
(緩止構造)
図4から図6に示すように、緩止構造1は、屋根R(不図示)を挟む上材12u及び下材12bを有する支持梁12と、屋根R及び支持梁12を貫通する軸部21を有するボルト20と、ボルト20に螺合するナット30と、ボルト20又はナット30の少なくとも一方に係止する第1係止部41、及び、第1係止部41に係止される対象(ここでは、ナット30。ボルト20であってもよい。)とは異なる部材(ここでは、支持梁12。屋根Rであってもよい。)に係止する第2係止部42を有し、ボルト20とナット30との相対回転を規制する緩止部材40と、を備えている。
これにより、緩止構造1の緩止部材40は、ボルト20又はナット30の少なくとも一方に係止する第1係止部41、及び、第1係止部41に係止される対象とは異なる部材に係止する第2係止部42を有し、ボルト20とナット30との相対回転を規制する。よって、受具タイプの軒樋支持構造100におけるボルト20及びナット30の緩みを防止できる。
【0015】
(受具)
図2に示すように、受具10は、軒樋Gを載せる受梁11と、屋根Rを挟む上材12u及び下材12bを有する支持梁12と、受梁11と支持梁12とを連結する鉛直材13と、を含んでいる。
これにより、軒樋Gの荷重を、受梁11で受け、鉛直材13及び支持梁12を経て、屋根Rに伝達させることができる。よって、受具10を介して屋根Rに軒樋Gを支持させることができる。
受具10は、軒樋Gを囲むことができる大きさで枠状に形成されていてよい。
【0016】
上材12uは、ボルト20を貫通させる孔を有している。
【0017】
ここで、図4及び図5に示すように、支持梁12(ここでは、下材12b)は、屋根Rに取り付けられるボルト20を貫通させるとともにボルト20の相対回転を規制するボルト規制孔12Hと、ボルト20又はボルト20に螺合するナット30の相対回転を規制する緩止部材40を係合させる被係合部(被係止孔12q、被係止突起12p又は被係止縁12e)と、を有している。
これにより、図6に示すように、支持梁12と、ボルト20と、ナット30と、緩止部材40とが組み立てられた状態において、ボルト20の回転をボルト規制孔12Hによって規制し、ナット30の回転を緩止部材40によって規制できる。よって、ボルト20とナット30との相対回転を規制でき、緩みを防止できる。
【0018】
支持梁12の断面形状は、中空形状であることが好ましい。これにより、曲げ剛性を高めることができるとともに、被係合部(被係止孔12q)に挿通される第2係止部42が配置されるスペースを確保できる。
【0019】
(ボルト)
ボルト20は、軸部21と、適宜の頭部と、を有している。
ここで、ボルト20は、支持梁12に係止する係止突起22を有している。係止突起22は、例えば、図4及び図5に示すように、ボルト20の軸部21の軸芯を中心とする四角柱形状であってよい。ボルト20は、いわゆる、角根ボルトであってよい。これにより、ボルト20を支持梁12に係止でき、ボルト20の回転を規制できる。
また、ボルト20の係止突起22に対応して、支持梁12(この例では、下材12b)は、係止突起22の形状に応じた形状のボルト規制孔12Hを有していることが好ましい。係止突起22が四角柱形状である場合、ボルト規制孔12Hは、例えば、四角形状である。これにより、ボルト20を支持梁12に、より確実に係止でき、ボルト20の回転を規制できる。
【0020】
(ナット)
ナット30は、ボルト20に螺合される。ナット30は、貫通孔の内面に、ボルト20の外面に形成された雄ねじに螺合する雌ねじを形成している。ナット30は、ボルト20の頭部との間に、屋根R及び支持梁12を挟み込んだ状態で締め付け力を与えて、屋根Rと支持梁12とを、ボルト20とナット30とで締結した状態にする。ナット30は、例えば、六角ナットであってよい。
【0021】
(緩止部材)
緩止部材40は、ボルト20又はナット30(ここでは、ナット30。)の少なくとも一方に係止する第1係止部41、及び、第1係止部41が係止する対象とは異なる部材(ここでは、上材12u)に係止する第2係止部42を有している。これにより、緩止部材40は、第1係止部41と第2係止部42との少なくとも2箇所で係止されて位置決めされて回転できないようになる。よって、第1係止部41で係止したボルト20又はナット30の回転を防止できる。
【0022】
第1係止部41は、ナット30の外形状に応じた形状の貫通孔であってよい。例えば、ナット30が六角ナットである場合、第1係止部41は、六角ナットの形状と相似な六角形状の貫通孔であってよい。これにより、ナット30の回転を規制できる。
【0023】
第2係止部42は、支持梁12の被係止孔に係止している。これにより、緩止部材40を支持梁12に確実に係止でき、緩止部材40を回転させないようにできる。
【0024】
第2係止部42は、平板状の本体から支持梁12の方向に突出する爪であってよい。これにより、緩止部材40を支持梁12に確実に係止でき、緩止部材40を回転させないようにできる。
【0025】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る軒樋支持構造100の緩止構造1について説明する。
図7は、第2実施形態に係る緩止構造1を示す組立斜視図である。なお、第2実施形態において、第1実施形態と同様の機能を有する部材は、同じ符号又は記号を付される場合があり、説明を省略される場合がある。
図7に示すように、支持梁12は、被係止突起12pを有している。被係止突起12pは、支持梁12の表面から緩止部材40に向けて(ここでは、上方に向けて、)突出している。
第2係止部42は、緩止部材40の外方から内方向けて凹む切込みであってよい。
緩止部材40は、第1係止部41と第2係止部42とを有している。
ここで、緩止部材40の第2係止部42は、支持梁12の被係止突起12pに係止している。
これにより、緩止部材40を支持梁12に確実に係止でき、緩止部材40を回転させないようにできる。
【0026】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る軒樋支持構造100の緩止構造1について説明する。
図8は、第3実施形態に係る緩止構造1を示す組立斜視図である。なお、第3実施形態において、第1実施形態又は第2実施形態と同様の機能を有する部材は、同じ符号又は記号を付される場合があり、説明を省略される場合がある。
図8に示すように、支持梁12は、被係止縁12eを有している。被係止縁12eは、支持梁12の長手方向に沿って延びている。
緩止部材40は、第1係止部41と第2係止部42とを有している。
ここで、緩止部材40の第2係止部42は、支持梁12の被係止縁12eに係止している。
具体的には、図8に示すように、緩止部材40は、幅方向における一方の被係止縁12eと他方の被係止縁12eとを跨いで挟むように配置される一対の第2係止部42を有している。
これにより、支持梁12に特別な加工を要することなく、緩止部材40を支持梁12に確実に係止でき、緩止部材40を回転させないようにできる。
【0027】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る軒樋支持構造100の緩止構造1について説明する。
図9は、第4実施形態に係る緩止構造1を示す組立斜視図である。図10は、図9におけるB矢視断面図である。なお、第4実施形態において、第1実施形態から第3実施形態と同様の機能を有する部材は、同じ符号又は記号を付される場合があり、説明を省略される場合がある。
図9及び図10に示すように、緩止部材40は、第1係止部41と第2係止部42とを有している。
ここで、緩止部材40の第2係止部42は、屋根Rに係止している。
これにより、支持梁12に特別な加工を要することなく、緩止部材40を屋根Rに確実に係止でき、緩止部材40を回転させないようにできる。
【0028】
ここで、図10に示すように、屋根Rが、隣接する屋根板を重ね合わせて係合されたハゼRzを有する折板屋根である場合、第2係止部42は、ハゼRzに係合してもよい。
これにより、支持梁12にも屋根Rにも特別な加工を要することなく、緩止部材40を屋根Rに確実に係止でき、緩止部材40を回転させないようにできる。
【0029】
以上説明したように、実施形態に係る軒樋支持構造100は、軒樋Gを載せる受梁11と、屋根を挟む上材12u及び下材12bを有する支持梁12と、受梁11と支持梁12とを連結する鉛直材13と、を含む受具10を備えている。軒樋支持構造100は、屋根R及び支持梁12を貫通する軸部21を有するボルト20と、ボルト20に螺合するナット30を備えている。軒樋支持構造100は、ボルト20又はナット30の少なくとも一方に係止する第1係止部41、及び、第1係止部41が係止する対象とは異なる部材に係止する第2係止部42を有し、ボルト20とナット30との相対回転を規制する緩止部材40を備えている。このように、軒樋支持構造100の緩止部材40は、第1係止部41をボルト20又はナット30の少なくとも一方に係止され、第2係止部42を、第1係止部41が係止する対象とは異なる部材に係止されている。これにより、緩止部材40を回転させないようにでき、ボルト20とナット30との相対回転を規制できる。よって、受具タイプの軒樋支持構造100におけるボルト20及びナット30の緩みを防止できる。
【0030】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、緩止部材40の第2係止部42は、ボルト20の頭部に係止されてもよい。ナット30に係止される第1係止部41とボルト20の頭部に係止される第2係止部42との間を跨るような構造であってよい。これにより、ボルト20が支持梁12によって回転を規制されていなくても、ボルト20の回転を規制できる。よって、ボルト20とナット30との相対回転を規制できる軒樋支持構造100、緩止構造1及び受具10を提供できる。
【0031】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。また、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記した変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 緩止構造
10 受具
11 受梁
12 支持梁
12b 下材
12e 被係止縁
12H ボルト規制孔
12p 被係止突起
12q 被係止孔
12u 上材
13 鉛直材
20 ボルト
21 軸部
22 係止突起
30 ナット
40 緩止部材
41 第1係止部
42 第2係止部
100 軒樋支持構造
G 軒樋
R 屋根
Ra 軒先
Rz ハゼ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10