(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146000
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】交流検電方法及び交流用検電器
(51)【国際特許分類】
G01R 19/145 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
G01R19/145
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052957
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】591147719
【氏名又は名称】中部精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094156
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 民安
(72)【発明者】
【氏名】加藤 磨隆
【テーマコード(参考)】
2G035
【Fターム(参考)】
2G035AA21
2G035AB08
2G035AC03
2G035AC16
2G035AD27
(57)【要約】
【課題】誘導の影響のある電線路や設備において、実電圧と誘導電圧とを判別することによって、正確な検電が行える交流用検電器を提供する。
【解決手段】検電対象導体に接触された検知子からの電流が入力される入力回路1と、入力された電流の位相を検出する位相判定回路2と、入力された電流を電圧に変換する電圧判定回路3と、位相差が閾値よりも小で、かつ、電圧が閾値よりも大であるとき、検電対象導体が充電線であると判定するアンド回路4と、アンド回路4の出力値が1であるときに、検電対象導体が充電線であることを表示する発音・発光回路5とを備えた。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電部に接続され得る検電対象導体に検知子を接触させ、
前記検知子からの電流の基準位相に対する位相差を検出するとともに、前記電流を電圧に変換し、
前記位相差が予め設定した閾値よりも小であって、かつ、前記電圧が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が充電線であると判定し、
前記位相差が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が停電線であると判定する
ことを特徴とする交流検電方法。
【請求項2】
充電部に接続され得る検電対象導体に第1検知子を接触させ、
前記充電部又は前記充電部に接続された導体からの信号を第2検知子により検出し、
前記第2検知子からの電流の位相を基準位相として、前記第1検知子からの電流の前記基準位相に対する位相差を検出するとともに、前記電流を電圧に変換し、
前記基準位相に対する遅れが予め設定した閾値よりも大であって、かつ、前記電圧が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が充電線であると判定し、
前記基準位相に対する遅れが前記閾値よりも小であるときに、前記検電対象導体が停電線であると判定する
ことを特徴とする交流検電方法。
【請求項3】
充電部に接続され得る検電対象導体に接触される検知子と、
前記検知子からの電流の基準位相に対する位相差を検出する位相判定回路と、
前記電流を電圧に変換する電圧判定回路と、
前記位相差が予め設定した閾値よりも小であって、かつ、前記電圧が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が充電線であると判定する論理回路と、
前記論理回路が出力する真理値が1であるときに、前記検電対象導体が充電線であることを表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする交流用検電器。
【請求項4】
充電部に接続され得る検電対象導体に接触される第1検知子と、
前記充電部又は前記充電部に接続された導体からの信号を検出する第2検知子と、
前記第2検知子からの電流の位相を基準位相として、前記第1検知子からの電流の前記基準位相に対する位相差を検出する位相判定回路と、
前記電流を電圧に変換する電圧判定回路と、
前記基準位相に対する遅れが予め設定した閾値よりも大であって、かつ、前記電圧が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が充電線であると判定する論理回路と、
前記論理回路が出力する真理値が1であるときに、前記検電対象導体が充電線であることを表示する表示手段と
を備えたことを特徴とする交流用検電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交流電圧の検電を行うための交流検電方法及び交流用検電器に関し、検電作業における実電圧と誘導電圧とを判別する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図6Aは、従来の交流用検電器による充電線の検電動作時の等価回路を示す回路図である。
交流用検電器は、
図6Aに示すように、「充電線101→交流用検電器(入力回路)102→[交流用検電器(入力回路)102及び大地103間のインピーダンス108]→大地103」という経路で流れる電流
【数1】
【0003】
を読み取り、抵抗r
1で電圧に変換して、充電の有無を判定する(特許文献1)。
充電線101には、充電部(交流電源)104が接続されている。入力回路102には、充電線101に接触された検知子105を介して電流
【数2】
【0004】
が入力される。なお、
図6Aにおいて、Rは、検電器の入力抵抗106、r
1は、読み取り抵抗107(r
1≪R,Z
C1)、Z
C1は、入力回路102及び大地103間の静電容量分のインピーダンス108をそれぞれ示す。入力抵抗106及び読み取り抵抗107は、直列に接続されている。
【0005】
図7は、従来の交流用検電器の判定回路を示すブロック図である。
従来の交流用検電器の入力回路102は、
図7に示すように、充電線101からの電流
【数3】
【0006】
【0007】
を電圧に変換し、この電圧値に基づいて電圧判定回路110により発音・発光回路111を作動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、上述した従来の交流用検電器では、充電部に接続されていない停電線を、充電線と誤判定する場合があった。
【0010】
図6Bは、従来の交流用検電器による誘導の影響のある停電線での検電動作時の等価回路を示す回路図である。
【0011】
従来の交流用検電器の入力回路102では、
図6Bに示すように、充電部104に接続されていない停電線101aであっても、充電部104に接続された充電線との間の静電容量成分112のインピーダンスZ
c2を介して流れる電流
【数5】
【0012】
が大きい場合には、充電線101として誤判定することがあったのである。
【0013】
そこで、本発明は、上述した従来の交流用検電器の実情に鑑みて提案されたものであって、誘導の影響のある電線路や設備において、実電圧と誘導電圧とを判別することによって、正確な検電が行える交流検電方法及び交流用検電器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、第1の発明(請求項1記載の発明)は、充電部に接続され得る検電対象導体に検知子を接触させ、前記検知子からの電流の基準位相に対する位相差を検出するとともに、前記電流を電圧に変換し、前記位相差が予め設定した閾値よりも小であって、かつ、前記電圧が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が充電線であると判定し、前記位相差が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が停電線であると判定することを特徴とするものである。
【0015】
第2の発明(請求項2記載の発明)は、充電部に接続され得る検電対象導体に第1検知子を接触させ、前記充電部又は前記充電部に接続された導体からの信号を第2検知子により検出し、前記第2検知子からの電流の位相を基準位相として、前記第1検知子からの電流の前記基準位相に対する位相差を検出するとともに、前記電流を電圧に変換し、前記基準位相に対する遅れが予め設定した閾値よりも大であって、かつ、前記電圧が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が充電線であると判定し、前記基準位相に対する遅れが前記閾値よりも小であるときに、前記検電対象導体が停電線であると判定することを特徴とするものである。
【0016】
第3の発明(請求項3記載の発明)は、充電部に接続され得る検電対象導体に接触される検知子と、前記検知子からの電流の基準位相に対する位相差を検出する位相判定回路と、前記電流を電圧に変換する電圧判定回路と、前記位相差が予め設定した閾値よりも小であって、かつ、前記電圧が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が充電線であると判定する論理回路と、前記論理回路が出力する真理値が1であるときに、前記検電対象導体が充電線であることを表示する表示手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0017】
第4の発明(請求項4記載の発明)は、充電部に接続され得る検電対象導体に接触される第1検知子と、前記充電部又は前記充電部に接続された導体からの信号を検出する第2検知子と、前記第2検知子からの電流の位相を基準位相として、前記第1検知子からの電流の前記基準位相に対する位相差を検出する位相判定回路と、前記電流を電圧に変換する電圧判定回路と、前記基準位相に対する遅れが予め設定した閾値よりも大であって、かつ、前記電圧が予め設定した閾値よりも大であるときに、前記検電対象導体が充電線であると判定する論理回路と、前記論理回路が出力する真理値が1であるときに、前記検電対象導体が充電線であることを表示する表示手段とを備えたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、誘導の影響のある電線路や設備において、実電圧と誘導電圧とを判別することによって、正確な検電が行える交流検電方法及び交流用検電器を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1の実施形態の交流検電方法における検出電流及び誘導電流の位相状態を示すベクトル図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態の交流用検電器の構成を示すブロック図である。
【
図3A】第2の実施形態の交流用検電器による充電線の検電動作時の等価回路を示す回路図である。
【
図3B】第2の実施形態の交流用検電器による誘導の影響のある停電線での検電動作時の等価回路を示す回路図である。
【
図4】第2の実施形態の交流検電方法における充電線からの電流、検出電流及び誘導電流の位相状態を示すベクトル図である。
【
図5】第2の実施形態の交流用検電器の構成を示すブロック図である。
【
図6A】従来の交流用検電器による充電線の検電動作時の等価回路を示す回路図である。
【
図6B】従来の交流用検電器による誘導の影響のある停電線での検電動作時の等価回路を示す回路図である。
【
図7】従来の交流用検電器の判定回路を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る交流検電方法及び交流用検電器の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
〔第1の実施形態〕
本発明に係る交流検電方法においては、
図6Aに示した検出電流
【数6】
【0022】
【0023】
を、以下のようにして判別する。
図1は、本発明の第1の実施形態の交流検電方法における検出電流及び誘導電流の位相状態を示すベクトル図である。
すなわち、
図1のベクトル図に示すように、充電部104に接続された充電線の電圧
【数8】
【0024】
を基準(位相0°)として、交流用検電器の入力回路102を流れる検出電流
【数9】
【0025】
【0026】
には、位相差がある。
充電線101からの検出電流
【数11】
【0027】
の位相θは、以下のように示される。
θ=tan
-1(Z
C1/R)
一方、停電線101aからの誘導電流
【数12】
【0028】
の位相θ´は、以下のように示される。
θ´=tan-1((ZC1+ZC2)/R)
【0029】
位相θと位相θ´との中間にある適切な値を閾値として設定し、この閾値と比較することにより、検出電流
【数13】
【0030】
【0031】
の位相θ´との判別を行うことができる。位相θと位相θ´との判別ができれば、検出電流
【数15】
【0032】
【0033】
とを判別できる。
図2は、本発明の第1の実施形態の交流用検電器の構成を示すブロック図である。
本発明に係る交流用検電器は、上述のような検出電流
【数17】
【0034】
【0035】
との判別を行うべく、
図2に示すように、位相判定回路2を備える。
この交流用検電器においては、充電部104に接続され得る検電対象導体(充電線101又は停電線101a)に接触された検知子105を介して、
図2に示すように、充電線101からの検出電流
【数19】
【0036】
【0037】
【0038】
は、位相判定回路2により、充電線の電圧
【数22】
【0039】
に対する位相差を検出されるとともに、電圧判定回路3により、電圧に変換されて判定される。なお、入力回路1は、従来の交流用検電器の入力回路102と同様に構成されている。
【0040】
この交流用検電器において、位相判定回路2、電圧判定回路3及びアンド回路4は、論理回路を構成している。すなわち、位相判定回路2における位相差の検出は、予め設定した閾値と比較し、閾値よりも大(進み位相)であるか、閾値よりも小(遅れ位相)であるかを判別する。閾値よりも小(遅れ位相)であるときに、真理値=1をとして、アンド回路4に入力する。
【0041】
電圧判定回路3における電圧の判定は、予め設定した閾値と比較し、閾値よりも大(高電圧)であるか、閾値よりも小(低電圧)であるかを判別する。閾値よりも大(高電圧)であるときに、真理値=1をとして、アンド回路4に入力する。
【0042】
アンド回路4は、入力回路1に入力された電流が検出電流
【数23】
【0043】
【0044】
を変換した電圧が閾値よりも大であるときに、真理値=1を出力して、表示手段となる発音・発光回路5に入力する。
入力回路1に入力された電流が誘導電流
【数25】
【0045】
であるときには、アンド回路4は、誘導電流
【数26】
【0046】
を変換した電圧が閾値よりも大であっても小であっても、真理値=0を出力して、発音・発光回路5に入力する。
【0047】
発音・発光回路5は、真理値=1が入力されたときに、発音や発光を行って、所定の電流量以上の検出電流
【数27】
【0048】
が検出されたことを表示する。なお、発音・発光回路5は、発音や発光を行うものに限定されず、液晶表示器のようなディスプレイ装置や、振動発生器のようなものでもよい。
【0049】
なお、検知子105を充電線101又は停電線101aに接触させることにより、実電圧と誘導電圧との位相の差が十分に大きくなるので、高い判別性能を実現することができる。
【0050】
〔第2の実施形態〕
図3Aは、第2の実施形態の交流用検電器による充電線の検電動作時の等価回路を示す回路図である。
図3Bは、第2の実施形態の交流用検電器による誘導の影響のある停電線での検電動作時の等価回路を示す回路図である。
【0051】
上述のような検電作業では、充電部の電圧
【数28】
【0052】
を測定することは煩雑である。そこで、この実施形態では、
図3A及び
図3Bに示すように、検電対象導体に接触させて検電を行うための第1検知子6とは別に、検電対象導体に接触せず、充電部104又は充電部104に接続された導体からインピーダンス8(Z
C3)を介して、誘導判別用の信号を検出する第2検知子7を設けた。
【0053】
第1検知子6側の第1入力回路は、従来の交流用検電器の入力回路102(
図6A、
図6B)と同様に、入力抵抗106(R)と読み取り抵抗107(r
1)とで構成されている。第2検知子7側の第2入力回路12は、第2検知子7-充電部104間のインピーダンス8(Z
C3)、入力インピーダンス10(Z
C4)及び、交流用検電器(第2入力回路12)-大地103間のインピーダンス11(Z
C1´)の和(Z
C3+Z
C4+Z
C1´)より十分に小さな値の第2読み取り抵抗9(r
2)で構成する。
【0054】
なお、ZC4は0でもよい。ZC3は、検電箇所と離れた位置にある充電部104に直接接触するのが煩雑な作業になる場合に生ずるインピーダンスであるので、0にはならない。
【0055】
なお、
図3A、
図3Bにおいて、Rは、検電器の入力抵抗106、r
1は、第1読み取り抵抗107(r
1≪R,Z
C1,Z
C2)、r
2は、第2読み取り抵抗9(r
2≪Z
C3+Z
C4+Z
C1´)、Z
C1は、第1入力回路102及び大地103間の静電容量分のインピーダンス108、Z
C1´は、第2入力回路12及び大地103間の静電容量分のインピーダンス11、Z
C2は、充電部104に接続された充電線との間の静電容量成分112のインピーダンス、Z
C3は、充電部104-第2検知子7間の静電容量分のインピーダンス、Z
C4は、第2検知子7の入力インピーダンスをそれぞれ示す。
【0056】
図4は、第2の実施形態の交流検電方法における充電線からの電流、検出電流及び誘導電流の位相状態を示すベクトル図である。
この実施形態においては、
図4に示すように、第1実施形態と同様に、充電部104に接続された充電線の電圧
【数29】
【0057】
を基準(位相0°)として、交流用検電器の第1入力回路102を流れる検出電流
【数30】
【0058】
【0059】
には、位相差がある。
充電線101からの検出電流
【数32】
【0060】
の位相θは、以下のように示される。
θ=tan
-1(Z
C1/R)
一方、停電線101aからの誘導電流
【数33】
【0061】
の位相θ´は、以下のように示される。
θ´=tan-1((ZC1+ZC2)/R)
【0062】
【0063】
【0064】
であっても、誘導の影響を受ける停電線101aを流れる電流
【数36】
【0065】
【0066】
に対して90°の進み位相差となる。これは、第2読み取り抵抗9(r
2)が、第2検知子7-充電部104間のインピーダンス8(Z
C3)、入力インピーダンス10(Z
C4)及び、交流用検電器(第2入力回路12)-大地103間のインピーダンス11(Z
C1´)の和(Z
C3+Z
C4+Z
C1´)より十分に小さな値であることによる。
θ
I2=θ
I2´=tan
-1((Z
C3+Z
C4+Z
C1´)/r
2)≒tan
-1∞=90°
電流
【数38】
【0067】
【0068】
の位相差をθ
1´とし、第1実施形態で示した
【数40】
【0069】
【0070】
の位相θ、θ´は、
θ=90°-θ
1
θ´=90°-θ
1´
となり、直接充電部104の電圧
【数42】
【0071】
を測定しなくても、位相θ、θ´の測定が可能となる。位相θ、θ´を測定し、予め設定した閾値との比較によって位相θ、θ´を判別すれば、検出電流
【数43】
【0072】
【0073】
とを判別できる。
図5は、第2の実施形態の交流用検電器の構成を示すブロック図である。
【0074】
この交流用検電器においては、
図5に示すように、充電部104に接続され得る検電対象導体(充電線101又は停電線101a)に接触された第1検知子6を介して、充電線101からの検出電流
【数45】
【0075】
【0076】
が第1入力回路1に入力される。これら電流
【数47】
【0077】
は、位相判定回路2により、充電線の電圧
【数48】
【0078】
に対する位相差を検出されるとともに、電圧判定回路3により、電圧に変換されて判定される。
また、充電部104に接続された導体に近接された第2検知子7を介して、電流
【数49】
【0079】
が第2入力回路12に入力される。これら電流
【数50】
【0080】
は、位相判定回路2により、充電線の電圧
【数51】
【0081】
に対する位相差(90°の進み位相差)を検出され、基準位相となる。
【0082】
この交流用検電器において、位相判定回路2、電圧判定回路3及びアンド回路4は、論理回路を構成している。すなわち、位相判定回路2における位相差の検出は、前述したように、〔90°-θ1=θ〕であるか、〔90°-θ1´=θ´〕であるかを、予め設定した閾値との比較によって、基準値(90°進み位相)に対する遅れが閾値よりも大であるか、基準値(90°進み位相)に対する遅れが閾値よりも小であるかを判別する。基準値(90°進み位相)に対する遅れが閾値よりも大であるときに、真理値=1をとして、アンド回路4に入力する。
【0083】
電圧判定回路3における電圧の判定は、予め設定した閾値と比較し、閾値よりも大(高電圧)であるか、閾値よりも小(低電圧)であるかを判別する。閾値よりも大(高電圧)であるときに、真理値=1をとして、アンド回路4に入力する。
【0084】
アンド回路4は、入力回路1に入力された電流が検出電流
【数52】
【0085】
【0086】
を変換した電圧が閾値よりも大であるときに、真理値=1を出力して、表示手段となる発音・発光回路5に入力する。
入力回路1に入力された電流が誘導電流
【数54】
【0087】
であるときには、アンド回路4は、誘導電流
【数55】
【0088】
を変換した電圧が閾値よりも大であっても小であっても、真理値=0を出力して、発音・発光回路5に入力する。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、交流電圧の検電を行うための交流用検電器に適用される。
【符号の説明】
【0090】
1 入力回路(第1入力回路)
2 位相判定回路(論理回路を構成)
3 電圧判定回路(論理回路を構成)
4 アンド回路(論理回路を構成)
5 発音・発光回路(表示手段)
6 第1検知子
7 第2検知子
8 充電部104-第2検知子7間の静電容量
9 第2読み取り抵抗
10 入力インピーダンス
11 第2入力回路12-大地103間のインピーダンス
12 第2入力回路
101 充電線
101a 停電線
102 入力回路
103 大地
104 充電部
105 検知子
106 入力抵抗
107 読み取り抵抗
108 第1入力回路102-大地103間のインピーダンス