IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-遮断システム及び分電盤 図1
  • 特開-遮断システム及び分電盤 図2
  • 特開-遮断システム及び分電盤 図3
  • 特開-遮断システム及び分電盤 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146024
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】遮断システム及び分電盤
(51)【国際特許分類】
   H01H 83/02 20060101AFI20231004BHJP
   H02B 1/40 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
H01H83/02 E
H02B1/40 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022052995
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】大垣 史迅
【テーマコード(参考)】
5G030
5G211
【Fターム(参考)】
5G030FA05
5G030XX17
5G211AA12
5G211DD14
5G211DD27
5G211DD36
5G211DD37
5G211GG05
5G211GG06
5G211GG08
(57)【要約】
【課題】電路に関する異常を精度よく検知することができる遮断システムなどを提供する。
【解決手段】遮断システム100は、交流電源ACと負荷31との間の電路に流れる電流値を取得する取得部22と、ソフトウエアを実行することにより取得された電流値に基づいて電路に関する異常を検知する検知部11と、異常が検知された場合に電路を遮断する遮断部12と、電路が遮断される前の遮断前電流値及び異常が検知されたことを示す検知結果を含む第1情報を出力する通信部と、遮断前電流値に基づいて検知結果が示す異常が誤検知によるものであると判断された場合に、ソフトウエアを更新する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源と負荷との間の電路に流れる電流値を取得する取得部と、
ソフトウエアを実行することにより、取得された前記電流値に基づいて前記電路に関する異常を検知する検知部と、
前記異常が検知された場合に前記電路を遮断する遮断部と、
前記電路が遮断される前の遮断前電流値、及び、前記異常が検知されたことを示す検知結果を含む第1情報を出力する通信部と、
前記遮断前電流値に基づいて前記検知結果が示す前記異常が誤検知によるものであると判断された場合に、前記ソフトウエアを更新する制御部と、を備える
遮断システム。
【請求項2】
前記通信部は、外部装置に前記第1情報を出力し、
前記外部装置は、前記ソフトウエアを更新するための第2情報を、前記通信部に出力し、
前記制御部は、前記通信部によって取得された前記第2情報に基づいて、前記ソフトウエアを更新する
請求項1に記載の遮断システム。
【請求項3】
前記外部装置はクラウドサーバである
請求項2に記載の遮断システム。
【請求項4】
前記異常が誤検知によるものであるか否かを判断する判断部を備え、
前記通信部は、前記判断部による第1判断結果を出力する
請求項1~3のいずれか1項に記載の遮断システム。
【請求項5】
ユーザから、前記異常が誤検知によるものであるか否かの第2判断結果を示す操作を受付ける入力受付部を備え、
前記通信部は、受付けられた前記操作が示す前記第2判断結果を出力する
請求項1~4のいずれか1項に記載の遮断システム。
【請求項6】
前記取得部と、前記検知部と、前記遮断部と、前記通信部とを収容
する収容部を備える
請求項1~5のいずれか1項に記載の遮断システム。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の遮断システムと、
前記遮断システムを格納する分電盤用キャビネットと、を備える
分電盤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮断システム及び分電盤に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電路の通電状態に異常があるときに電路を遮断する遮断部(遮断システム)と、通信部とを備える分電盤が開示されている。このような分電盤においては、通信部は、通電状態の異常の有無の検知結果を出力するために用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-048771号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年新しい種類の電化製品が創出され、例えば住宅などにおいて、この電化製品が、既存の負荷とは異なる新しい種類の負荷として交流電源に接続される。このような新しい種類の負荷が使用される場合においても、分電盤における電路の異常が検知される必要がある。
【0005】
このような新しい種類の負荷が分電盤に接続され使用された状態で、分電盤の製造時又は出荷時に当該分電盤に記憶されたソフトウエアを実行することで電路の異常を検知しようとすると、誤検知が発生してしまう場合がある。誤検知の一例としては、異常が発生していないにもかかわらず、誤って異常が発生していると検知するような事例が挙げられる。例えば、特許文献1に開示される遮断システム及び分電盤では、新しい種類の負荷が使用されても、製造時などに記憶されたソフトウエアを実行して検知を行うことが想定されるため、誤検知が頻発するおそれがある。つまり、このような遮断システム及び分電盤では、電路に関する異常を精度よく検知することができない場合がある。
【0006】
本発明は、電路に関する異常を精度よく検知することができる遮断システムなどを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る遮断システムは、交流電源と負荷との間の電路に流れる電流値を取得する取得部と、ソフトウエアを実行することにより、取得された前記電流値に基づいて前記電路に関する異常を検知する検知部と、前記異常が検知された場合に前記電路を遮断する遮断部と、前記電路が遮断される前の遮断前電流値、及び、前記異常が検知されたことを示す検知結果を含む第1情報を出力する通信部と、前記遮断前電流値に基づいて前記検知結果が示す前記異常が誤検知によるものであると判断された場合に、前記ソフトウエアを更新する制御部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様に係る分電盤は、上記記載の遮断システムと、前記遮断システムを格納する分電盤用キャビネットと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の遮断システムなどは、電路に関する異常を精度よく検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、実施の形態に係る遮断システムの機能構成を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態に係る動作例のフローチャートである。
図3図3は、実施の形態の変形例1に係る遮断システムの機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態の変形例2に係る遮断システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
【0013】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る遮断システム100の構成について説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る遮断システム100の機能構成を示すブロック図である。
【0015】
本実施の形態に係る遮断システム100は、異常を検知して電路を遮断するためのシステムであり、例えば戸建て住宅等の建物B内に設置される分電盤50に用いられる。本実施の形態においては、検知される異常は、電路におけるアークなどである。遮断システム100は、外部装置の一例であるサーバ装置200と通信を行う。
【0016】
分電盤50は、主幹ブレーカ10及び計測ユニット20を有する遮断システム100と、複数の分岐ブレーカ30とを、分電盤用キャビネット5内に備える。換言すると、分電盤50は、遮断システム100と、複数の分岐ブレーカ30と、分電盤用キャビネット5と、を備える。
【0017】
分電盤50は、電力線40からの交流電力を、主幹ブレーカ10を介して複数の分岐ブレーカ30に分配する。例えば単相3線式の配電方式が用いられるとよい。
【0018】
ここでは、主幹ブレーカ10は、商用電源のような外部の交流電源ACに電気的に接続されている電力線40と、分電盤50内の計測ユニット20に電気的に接続される電力線41との間に電気的に接続されている。また、計測ユニット20は、電力線41と、分電盤50内の複数の分岐ブレーカ30に電気的に接続される電力線42との間に電気的に接続されている。
【0019】
複数の分岐ブレーカ30のそれぞれは、電力線42及び電力線43との間に電気的に接続されている。複数の分岐ブレーカ30のそれぞれは、電力線43を介して負荷31に接続されている。
【0020】
本実施の形態においては、遮断システム100によって遮断される電路は、交流電源ACと複数の負荷31との間の電路であって、一例として、電力線40、電力線41及び電力線42である。
【0021】
遮断システム100は、上記の通り、主幹ブレーカ10と計測ユニット20とを有する。
【0022】
まずは主幹ブレーカ10について説明する。
【0023】
主幹ブレーカ10は、ソフトウエアを実行することにより、計測ユニット20によって計測された電流値に基づいて、電路を遮断する装置である。より具体的には、主幹ブレーカ10は、検知部11、遮断部12、第1制御部13、第1記憶部14及び第1通信部16を含む。
【0024】
検知部11は、ソフトウエア(以下検知用ソフトウエアと記載する場合がある)を実行することにより、計測ユニット20によって計測された電路に流れる電流値に基づいて、電路に関する異常を検知する処理部である。検知部11は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサ又は専用回路によって実現されてもよい。検知部11の機能は、検知部11を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサなどのハードウェアが第1記憶部14に記憶されたソフトウエア(コンピュータプログラム)を実行することによって実現される。
【0025】
遮断部12は、検知部11によって異常が検知された場合に電路を遮断する。より具体的には、遮断部12は、以下のように、電路を遮断する。まず、本実施の形態においては、電力線40と電力線41との間には、接点部が設けられている。遮断部12からの開信号によって、接点部が開くように構成されている。
【0026】
遮断部12は、検知部11によって異常が検知された場合に、第1制御部13から出力される遮断信号に応じて接点部を開く開信号を生成し、生成した開信号を接点部に出力する。言い換えると、遮断部12は、検知部11の検知結果に応じて電路を遮断する機能を有する。
【0027】
第1制御部13は、検知部11によって異常が検知された場合に、遮断信号を遮断部12に出力する処理部である。つまり、検知部11は、異常を検知すると当該異常が検知されたことを示す検知結果を第1制御部13に出力し、第1制御部13は出力された検知結果に応じて、遮断信号を遮断部12に出力する。第1制御部13は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサ又は専用回路によって実現されてもよい。第1制御部13の機能は、第1制御部13を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサなどのハードウェアが第1記憶部14に記憶されたソフトウエア(コンピュータプログラム)を実行することによって実現される。
【0028】
第1記憶部14は、遮断部12及び第1制御部13が実行するソフトウエアなどの、電路の遮断のための情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。第1記憶部14は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0029】
第1通信部16は、通信部の一例であり、主幹ブレーカ10が、計測ユニット20及びサーバ装置200と通信を行うための通信回路である。本実施の形態においては、第1通信部16は、無線通信を行うための回路であり、第1通信部16は、具体的には、BLE(Blutooth(登録商標) Low Energy)又はWi-Fi(登録商標)などの通信規格にしたがって無線通信を行う。なお、第1通信部16は、有線通信を行うための回路であってもよい。例えば、第1通信部16は、計測ユニット20によって計測された電流値を、計測ユニット20から取得する。また、第1通信部16は、電路が遮断される前の遮断前電流値、及び、異常が検知されたことを示す検知結果を含む第1情報を出力する。ここでは、第1通信部16は、サーバ装置200に第1情報を出力する。
【0030】
また、検知部11、遮断部12、第1制御部13、第1記憶部14及び第1通信部16は、図1に示すように、主幹ブレーカ10の筐体1内に収容されている。筐体1は、収容部の一例である。
【0031】
次に、計測ユニット20について説明する。
【0032】
計測ユニット20は、交流電源ACと複数の負荷31との間の電路に流れる電流値を計測する。計測ユニット20は、計測部21と、取得部22と、判断部23と、第2制御部24と、第2記憶部25と、入力受付部26と、第2通信部27とを含む。
【0033】
計測部21は、交流電源ACと複数の負荷31との間の電路に流れる電流値を計測する機器であり、つまりは、一例として電流値センサであり、より具体的にはCT(Current Transformer)センサである。
【0034】
取得部22は、交流電源ACと複数の負荷31との間の電路に流れる電流値を取得する処理部である。つまり、取得部22は、計測部21によって計測された電流値を取得する。取得部22は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサ又は専用回路によって実現されてもよい。取得部22の機能は、取得部22を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサなどのハードウェアが第2記憶部25に記憶されたソフトウエア(コンピュータプログラム)を実行することによって実現される。
【0035】
判断部23は、検知部11によって検知された異常が誤検知によるものであるか否かを判断する処理部である。判断部23は、上記の遮断前電流値に基づいて、異常が誤検知によるものであるか否かを判断する。例えば、複数の負荷31のうち1つの負荷31が新しい種類の負荷に相当する場合に、検知部11は、異常が発生していないにもかかわらず、誤って異常が発生していると検知するような事態がある。誤検知とは、このように異常が発生していないにもかかわらず誤って異常が発生していると検知するような事態を指す。判断部23は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサ又は専用回路によって実現されてもよい。判断部23の機能は、判断部23を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサなどのハードウェアが第2記憶部25に記憶されたソフトウエア(コンピュータプログラム)を実行することによって実現される。
【0036】
第2制御部24は、取得部22が電流値を取得した場合に、取得された電流値を主幹ブレーカ10に出力するように、第2通信部27を制御する。また、第2制御部24は、判断部23が異常が誤検知によるものであるか否かを判断した場合に、判断部23による判断結果である第1判断結果を出力するように、第2通信部27を制御する。第2制御部24は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサ又は専用回路によって実現されてもよい。第2制御部24の機能は、第2制御部24を構成するマイクロコンピュータ又はプロセッサなどのハードウェアが第2記憶部25に記憶されたソフトウエア(コンピュータプログラム)を実行することによって実現される。
【0037】
第2記憶部25は、取得部22、判断部23及び第2制御部24が実行するソフトウエアなどの電路の遮断のための情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。第2記憶部25は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0038】
入力受付部26は、ユーザの操作を受付ける。入力受付部26は、具体的には、タッチパネルなどによって実現される。なお、ユーザは、遮断システム100の修理又は点検を行うサービスマンなどである。入力受付部26は、ユーザから、検知部11によって検知された異常が誤検知によるものであるか否かの第2判断結果を示す操作を受付ける。
【0039】
第2通信部27は、計測ユニット20が、主幹ブレーカ10及びサーバ装置200と通信を行うための通信回路である。本実施の形態においては、第2通信部27は、無線通信を行うための回路であり、第2通信部27は、具体的には、BLE又はWi-Fi(登録商標)などの通信規格にしたがって無線通信を行う。例えば、入力受付部26が第2判断結果を示す操作を受付けると、第2制御部24は、入力受付部26によって受付けられた操作が示す第2判断結果を出力するように、第2通信部27を制御する。第2通信部27は、サーバ装置200に第2判断結果を出力する。なお、第2通信部27は、有線通信を行うための回路であってもよい。
【0040】
また、計測部21と、取得部22と、判断部23と、第2制御部24と、第2記憶部25と、入力受付部26と、第2通信部27とは、図1に示すように、計測ユニット20の筐体2内に収容されている。筐体2は、収容部の一例である。なお、これに限られず、筐体2は、取得部22と、判断部23と、第2制御部24と、第2記憶部25と、入力受付部26と、第2通信部27とを収容し、計測部21は、筐体2の外部であって、分電盤用キャビネット5内に配置されていてもよい。
【0041】
なお、本実施の形態においては、筐体1と筐体2とは、別体であり、別個の筐体である。
【0042】
さらに、サーバ装置200について説明する。
【0043】
サーバ装置200は、外部装置の一例である。サーバ装置200は、本実施の形態においては、クラウドサーバである。また例えば、サーバ装置200にかえて、遮断システム100の専用の高性能なプロセッサなどが外部装置として用いられてもよい。サーバ装置200などの外部装置は、建物B外に設置され、より具体的には、建物Bから遠隔地に設置されている。なお、外部装置は、建物B内に設置されてもよい。サーバ装置200は、遮断システム100を管理する管理者によって使用される装置である。
【0044】
サーバ装置200は、主幹ブレーカ10から出力された第1情報と、計測ユニット20から出力された第1判断結果及び第2判断結果とを取得する。
【0045】
サーバ装置200は、第3通信部201を有する。第3通信部201は、サーバ装置200が、主幹ブレーカ10及び計測ユニット20と通信を行うための通信回路である。本実施の形態においては、第3通信部201は、無線通信を行うための回路であり、第3通信部201は、具体的には、BLE又はWi-Fi(登録商標)などの通信規格にしたがって無線通信を行う。第3通信部201は、主幹ブレーカ10から出力された第1情報と、計測ユニット20から出力された第1判断結果及び第2判断結果とを取得する。なお、第3通信部201は、有線通信を行うための回路であってもよい。
【0046】
ここで、検知部11によって検知された異常が誤検知によるものであると判断された場合に、管理者は、検知部11によって実行された検知用ソフトウエアを更新するための第2情報を作成する。さらに、サーバ装置200は、作成された第2情報を第1通信部16に出力する。
【0047】
また、主幹ブレーカ10において、第1通信部16は、出力された第2情報を取得する。さらに第1制御部13は、取得された第2情報に基づいて、検知部11が実行する検知用ソフトウエアを更新する。
【0048】
次に、以上のように構成された本実施の形態における遮断システム100における動作について説明する。
【0049】
[動作例]
図2は、本実施の形態に係る動作例のフローチャートである。図2の動作は、例えば、分電盤50(遮断システム100)が建物Bに設置され、建物Bにおいて複数の負荷31が分電盤50に接続された後に行われる。本動作例においては、複数の負荷31のうち1つの負荷31は、「発明が解決しようとする課題」で説明された新しい種類の負荷に相当する。
【0050】
まず、計測部21は、交流電源ACと複数の負荷31との間の電路に流れる電流値を計測する(S10)。
【0051】
取得部22は、計測部21によって計測された電流値を取得する(S12)。第2通信部27は、取得部22によって取得された電流値を、第1通信部16に出力する。なお、より具体的には、取得部22は、計測された電流値と、当該電流値が計測された時刻とを紐づけた電流値情報を第1通信部16に出力する。第1通信部16は、第2通信部27によって出力された電流値情報を取得する。
【0052】
また、本実施の形態においては、ステップS10では計測部21は電路に流れる電流値を常時計測し、ステップS12では取得部22は常時計測された電流値を取得して、さらに第2通信部27は当該電流値を第1通信部16に出力している。つまり、計測ユニット20においては、計測部21が電路に流れる電流値を常時計測(監視)し、当該電流値は全て、取得部22によって取得され、第2通信部27によって主幹ブレーカ10に出力される。
【0053】
続いて、検知部11が、第1記憶部14に記憶されている検知用ソフトウエアを実行して、第2通信部27によって取得された電流値情報(より具体的には、電流値)に基づいて、電路についての異常を検知する(S14)。例えば、検知用ソフトウエアを実行した検知部11においては、取得された電流値が所定の閾値よりも大きい又は小さい場合に、電路についての異常が検知される、つまりは検知部11が異常があることを検知するとよいが、これに限られない。
【0054】
検知部11が異常を検知しない場合、つまりは、異常がない場合(S14でNo)には、動作を終了する。
【0055】
検知部11が異常を検知した場合、つまりは、異常がある場合(S14でYes)には、遮断部12は電路を遮断する(S16)。ここでは、検知部11によって異常が検知された場合に、第1制御部13は遮断信号を遮断部12に出力する。さらに、遮断部12は、第1制御部13によって出力された遮断信号に応じて接点部を開く開信号を生成し、生成した開信号を接点部に出力する。遮断部12からの開信号によって、接点部が開くことで、電路が遮断される。なお、以下では、ステップS12で取得された電流値であって、S14でYesと判断されるような電流値を、異常電流値と記載する場合がある。
【0056】
さらに、電路が遮断されると、第1通信部16は、電路が遮断される前の遮断前電流値、及び、異常が検知されたことを示す検知結果を含む第1情報を、第2通信部27に出力する。また、第1情報は、第1記憶部14に記憶されているとよい。なお、遮断前電流値とは、電路が遮断される前の時刻から電路が遮断された時刻までの所定時間における電流値であり、一例として当該所定時間は、数ミリ秒以下、数秒以下又は十数秒以下の時間である。
【0057】
判断部23は、検知部11によって検知された異常が誤検知によるものであるか否かを判断する(S18)。ここでは、判断部23は、第2通信部27によって取得された第1情報に基づいて、上記を判断する。判断部23は、第1情報が含む異常が検知されたことを示す検知結果を取得し、第1情報が含む遮断前電流値に基づいて、上記を判断する。ここでは、判断部23は、第2記憶部25に記憶されているソフトウエアを実行することにより、第1情報が含む遮断前電流値に基づいて、検知部11によって検知された異常が誤検知によるものであるか否かを判断する。
【0058】
なお、ここで、検知部11と判断部23との処理性能について説明する。
【0059】
分電盤用キャビネット5において、主幹ブレーカ10の筐体1の配置及びサイズの制約は大きく、特に、筐体1を大きくすることは困難である。このため、筐体1内に配置される検知部11を構成するマイクロコンピュータも大きくすることが困難であるため、検知部11の処理性能を高めることは困難である。
【0060】
一方で、分電盤用キャビネット5において、計測ユニット20の筐体2の配置及びサイズが制約されることは少なく、筐体2を大きくすることは容易である。このため、筐体2内に配置される判断部23を構成するマイクロコンピュータも大きくすることができる。よって、検知部11に比べて判断部23の処理性能を高めることができる。
【0061】
このように、より処理性能の高い判断部23は、より処理性能の低い検知部11によって検知された異常が誤検知によるものであるか否かについてより正確に判断することができる。
【0062】
また、異常が誤検知によるものであるか否かが判断部23によって判断された結果が、第1判断結果である。第1判断結果には、当該異常が誤検知によるものであるか否かが示されている。
【0063】
次に、入力受付部26は、ユーザの一例であるサービスマンから、検知部11によって検知された異常が誤検知によるものであるか否かの第2判断結果を示す操作を受付ける(S20)。例えば、ステップS16にて電路が遮断された後に、建物Bに住む住人からサービスマンへ当該電路が遮断された旨が連絡されると、サービスマンが建物Bにおいて遮断システム100などを点検する。このとき、サービスマンは、第1記憶部14に記憶されている第1情報に基づいて、異常が誤検知によるものであるか否かを判断する。この判断結果が、第2判断結果である。第2判断結果には、当該異常が誤検知によるものであるか否かが示されている。また、例えば、第1情報に基づいて異常が誤検知であるか否かを判断するための診断装置をサービスマンが操作して、当該診断装置が第1情報に基づいて第2判断結果を示してもよい。入力受付部26は、当該診断装置が示した第2判断結果を示す操作をサービスマンから受け付けてもよい。
【0064】
続いて、第1通信部16は電路が遮断される前の遮断前電流値及び異常が検知されたことを示す検知結果を含む第1情報を、第2通信部27は第1判断結果及び第2判断結果を、外部装置であるサーバ装置200に、出力する(S22)。サーバ装置200は、第1通信部16及び第2通信部27によって出力された第1情報と第1判断結果と第2判断結果とを取得する。
【0065】
サーバ装置200は、取得された第1情報と第1判断結果と第2判断結果とに基づいて、検知部11によって検知された異常が誤検知によるものであるか否かを判断する(S24)。
【0066】
例えば、第1判断結果及び第2判断結果の少なくとも一方が異常が誤検知によるものであることを示す場合に、サーバ装置200は異常が誤検知によるものであると判断するとよい。また例えば、第1判断結果及び第2判断結果の両方が異常が誤検知によるものであることを示す場合に、サーバ装置200は異常が誤検知によるものであると判断するとよい。
【0067】
また例えば、S24にかえて、遮断システム100を管理する管理者が、取得された第1情報と第1判断結果と第2判断結果とに基づいて異常が誤検知よるものであるか否かを判断し、管理者による当該判断結果をサーバ装置200が取得してもよい。この場合、サーバ装置200は、取得された当該判断結果が示す内容に従って、検知部11によって検知された異常が誤検知によるものであるか否かを判断する。
【0068】
サーバ装置200によって異常が誤検知によるものであると判断された場合(S24でYes)、サーバ装置200は、検知部11によって実行される検知用ソフトウエアを更新するための第2情報を、第1通信部16に出力する(S26)。
【0069】
なお、第2情報は、管理者によって作成されている。取得された第1情報が示す遮断前電流値が解析されることにより、異常が誤検知されないように検知用ソフトウエアを更新するための第2情報が作成される。
【0070】
そして、第1通信部16は、サーバ装置200から出力された第2情報を取得する。
【0071】
主幹ブレーカ10において、第1制御部13は、第1通信部16によって取得された第2情報に基づいて、検知部11が実行する検知用ソフトウエアを更新する(S28)。検知用ソフトウエアは、更新されることにより、新しい種類の負荷に対応した検知用ソフトウエアとなる。検知部11は、この更新された検知用ソフトウエアを実行することで、取得された電流値に基づいて異常を誤検知しない。
【0072】
また、サーバ装置200によって異常が誤検知によるものでないと判断された場合(S24でNo)、動作が終了する。
【0073】
ここで、本実施の形態に係る遮断システム100及び分電盤50と、特許文献1に開示される遮断システム及び分電盤との差分について説明する。
【0074】
「発明が解決しようとする課題」で記載の通り、近年新しい種類の電化製品が創出され、例えば建物Bの一例である住宅において、この電化製品が負荷として交流電源ACに接続される。特許文献1に開示される遮断システム及び分電盤においては、異常を検知するための検知用ソフトウエアが更新されることはないため、製造時に記憶された検知用ソフトウエアが変更されることなく利用され続ける。製造時に記憶された検知用ソフトウエアは、既存の負荷が特許文献1に開示される遮断システム及び分電盤に接続された場合に異常を検知するために用いられる。このため、特許文献1に開示される遮断システム及び分電盤が製造された後に創出された電化製品(つまりは新しい種類の負荷)が交流電源に接続された場合に、当該ソフトウエアが用いられると、誤検知が頻発するおそれがある。換言すると、製造時に記憶された検知用ソフトウエアは、新しい種類の負荷が交流電源ACに接続された場合に異常を検知するために利用されることができず、つまりは、新しい種類の負荷に対応していない。
【0075】
以上より、特許文献1に開示されるような、検知用ソフトウエアが更新されない遮断システム及び分電盤では、新しい種類の負荷が使用されると、誤検知の発生が頻発するおそれがある。
【0076】
しかし、本実施の形態においては、検知部11が実行する検知用ソフトウエアが更新される。検知用ソフトウエアは、更新されることにより、新しい種類の負荷に対応した検知用ソフトウエアとなる。検知部11がこの更新された検知用ソフトウエアを実行しても、取得された電流値に基づいて異常が誤検知されない。
【0077】
検知用ソフトウエアの更新としては以下の例が挙げられる。上記の通り、取得された電流値が所定の閾値よりも大きい又は小さい場合に、電路についての異常が検知されるが、検知用ソフトウエアが更新されることにより、この所定の閾値が変更される。
【0078】
検知用ソフトウエアが更新された後(つまりは上記の所定の閾値が変更された後)に、再度図2が示す動作が行われた場合について説明する。この場合、検知用ソフトウエアの更新前の動作例のステップS12で取得された異常電流値と同等の電流値が、検知用ソフトウエアの更新後の動作例のステップS12で取得されても、ステップS14では更新されたソフトウエアが実行され、異常を検知しない。つまり誤検知の発生が抑制される。
【0079】
以上まとめると、検知用ソフトウエアが更新されることにより、遮断システム100においては、新しい種類の負荷が交流電源ACに接続された場合でも、誤検知の発生を抑制することができる。つまりは、電路に関する異常を精度よく検知することができる遮断システム100が実現される。
【0080】
なお、本動作例においては、ステップS22において、第1情報が第1通信部16から、第1判断結果及び第2判断結果が第2通信部27からサーバ装置200へ出力されたが、これに限られない。
【0081】
例えば、第1情報は、ステップS16とステップS18との間に、第1通信部16からサーバ装置200へ出力されてもよく、第1判断結果は、ステップS18とステップS20との間に、第2通信部27からサーバ装置200へ出力されてもよい。このような場合には、ステップS22において、第2判断結果のみが、第2通信部27からサーバ装置200へ出力される。
【0082】
[効果など]
以上説明したように、遮断システム100は、取得部22と、検知部11と、遮断部12と、通信部(第1通信部16)と、制御部(第1制御部13)とを備える。
【0083】
取得部22は、交流電源ACと負荷31との間の電路に流れる電流値を取得する。
【0084】
検知部11は、ソフトウエア(検知用ソフトウエア)を実行することにより、取得された電流値に基づいて電路に関する異常を検知する。
【0085】
遮断部12は、異常が検知された場合に電路を遮断する。
【0086】
第1通信部16は、電路が遮断される前の遮断前電流値、及び、異常が検知されたことを示す検知結果を含む第1情報を出力する。
【0087】
第1制御部13は、遮断前電流値に基づいて検知結果が示す異常が誤検知によるものであると判断された場合に、ソフトウエア(検知用ソフトウエア)を更新する。
【0088】
上記の通り、特許文献1に開示されるような、検知用ソフトウエアが更新されない遮断システム及び分電盤では、新しい種類の負荷が使用されると、誤検知の発生が頻発するおそれがある。
【0089】
しかし、本実施の形態においては、遮断システム100が上記構成となることで、検知部11が実行する検知用ソフトウエアが更新される。検知用ソフトウエアは、更新されることにより、新しい種類の負荷に対応した検知用ソフトウエアとなる。検知部11がこの更新された検知用ソフトウエアを実行しても、取得された電流値に基づいて異常が誤検知されない。
【0090】
検知用ソフトウエアが更新されると、例えば、上記の所定の閾値が変更される。この結果、検知用ソフトウエアが更新された後には、異常電流値と同等の電流値が、検知用ソフトウエアの更新後の動作例のステップS12で取得されても、ステップS14では更新されたソフトウエアが実行され、異常を検知しない。つまり誤検知の発生が抑制される。
【0091】
以上まとめると、検知用ソフトウエアが更新されることにより、遮断システム100においては、新しい種類の負荷が交流電源ACに接続された場合でも、誤検知の発生を抑制することができる。つまりは、電路に関する異常を精度よく検知することができる遮断システム100が実現される。
【0092】
また例えば、通信部(第1通信部16)は、外部装置(サーバ装置200)に第1情報を出力する。外部装置は、ソフトウエア(検知用ソフトウエア)を更新するための第2情報を、第1通信部16に出力する。第1制御部13は、第1通信部16によって取得された第2情報に基づいて、検知用ソフトウエアを更新する。
【0093】
つまり、建物B外に設置されたサーバ装置200から出力された第2情報を第1通信部16が取得し、取得された第2情報に基づいて、検知用ソフトウエアが更新される。このため、検知された異常が誤検知であると判断されても、サービスマンなどは、検知用ソフトウエアを更新するために、遮断システム100が配置された建物Bに向かう必要がない。つまり検知用ソフトウエアを容易に更新することができる。
【0094】
また例えば、外部装置はクラウドサーバ(サーバ装置200)である。
【0095】
これにより、第1通信部16は、クラウドサーバ(サーバ装置200)である外部装置から第2情報を取得することができる。
【0096】
遮断システム100は、異常が誤検知によるものであるか否かを判断する判断部を備える。第1通信部16は、判断部による第1判断結果を出力する。
【0097】
これにより、異常が誤検知によるものか否かがより正確に判断される。
【0098】
また、仮に、主幹ブレーカ10が判断部23を有している場合に比べ、本実施の形態においては計測ユニット20が判断部23を有しているため、主幹ブレーカ10における処理負担が軽減される。
【0099】
また例えば、遮断システム100は、ユーザから、異常が誤検知によるものであるか否かの第2判断結果を示す操作を受付ける入力受付部26を備える。第1通信部16は、受付けられた操作が示す第2判断結果を出力する。
【0100】
これにより、異常が誤検知によるものか否かがより正確に判断される。
【0101】
また例えば、本実施の形態に係る分電盤50は、上記の遮断システム100と、遮断システム100を格納する分電盤用キャビネット5と、を備える。
【0102】
上記の通り、遮断システム100は、電路に関する異常を精度よく検知することができる。よってこのような遮断システム100を備える分電盤50も、電路に関する異常を精度よく検知することができる。
【0103】
(実施の形態の変形例1)
次に、実施の形態の変形例1について説明する。実施の形態の変形例1では、主に、主幹ブレーカ10a(第1通信部16a)とサーバ装置200とが直接通信しない点が、実施の形態と相違する。以下では、実施の形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0104】
実施の形態の変形例1に係る遮断システム100aの構成例について図3を用いて説明する。
【0105】
図3は、本実施の形態の変形例1に係る遮断システム100aの機能構成を示すブロック図である。
【0106】
分電盤50aは、主幹ブレーカ10a及び計測ユニット20aを有する遮断システム100aと、複数の分岐ブレーカ30と、分電盤用キャビネット5と、を備える。
【0107】
主幹ブレーカ10aは、第1通信部16にかえて第1通信部16aを有する点を除いて、主幹ブレーカ10と同じ構成を有する。また、計測ユニット20aは、第2通信部27にかえて第2通信部27aを有する点を除いて、計測ユニット20と同じ構成を有する。
【0108】
本変形例においては、主幹ブレーカ10a(第1通信部16a)とサーバ装置200とが直接通信する必要がない。第1通信部16aから出力された情報は、計測ユニット20a(第2通信部27a)を介して、サーバ装置200に到達する。例えば、第1情報は、第1通信部16aから第2通信部27aに出力され、さらに第2通信部27aは、第1情報をサーバ装置200に出力する。また、例えば、第2情報は、サーバ装置200から第2通信部27aに出力され、さらに第2通信部27aは、第2情報を第1通信部16aに出力する。
【0109】
このような変形例1においては、第1通信部16aがサーバ装置200と直接通信する必要がないため、主幹ブレーカ10aにおける処理の負担が軽減される。
【0110】
(実施の形態の変形例2)
次に、実施の形態の変形例2について説明する。実施の形態の変形例2では、主に、主幹ブレーカ10bが取得部22などを有する点が、実施の形態と相違する。以下では、実施の形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0111】
[構成]
実施の形態の変形例2に係る遮断システム100bの構成例について図4を用いて説明する。
【0112】
図4は、本実施の形態の変形例2に係る遮断システム100bの機能構成を示すブロック図である。
【0113】
分電盤50bは、主幹ブレーカ10bを有する遮断システム100bと、複数の分岐ブレーカ30と、分電盤用キャビネット5と、を備える。
【0114】
主幹ブレーカ10bは、検知部11、遮断部12、第1制御部13b、第1記憶部14b、第1通信部16b、計測部21と、取得部22と、判断部23と、入力受付部26とを含む。
【0115】
また、遮断システム100bは、収容部の一例である筐体1bを備える。図4に示すように、筐体1bは、検知部11、遮断部12、第1制御部13b、第1記憶部14b、第1通信部16b、計測部21と、取得部22と、判断部23と、入力受付部26とを収容する。
【0116】
第1制御部13bは、実施の形態に係る第1制御部13及び第2制御部24が行う処理を行う。第1記憶部14bには、実施の形態に係る第1記憶部14及び第2記憶部25に記憶されている情報が記憶されている。第1通信部16bは、実施の形態に係る第1通信部16及び第2通信部27が行う処理を行う。
【0117】
つまり、主幹ブレーカ10bは、実施の形態に係る主幹ブレーカ10及び計測ユニット20が一体化された構成を有している。
【0118】
[効果など]
本変形例においては、遮断システム100bは、収容部(筐体1b)を備える。筐体1bは、取得部22と、検知部11と、遮断部12と、通信部(第1通信部16b)とを収容する。より具体的には、筐体1bは、検知部11、遮断部12、第1制御部13b、第1記憶部14b、第1通信部16b、計測部21と、取得部22と、判断部23と、入力受付部26とを収容する。
【0119】
例えば実施の形態が示すように2つの筐体1及び2が設けられる場合と比べて、1つの筐体1bが設けられることで、遮断システム100bを備える分電盤50bをコンパクト化することができる。さらに、上記実施の形態で示した、主幹ブレーカ10(第1通信部16)と計測ユニット20(第2通信部27)との間の通信が不要となり、主幹ブレーカ10bにおける処理の負担が軽減される。
【0120】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0121】
また、上記実施の形態で説明した装置間の通信方法は、一例である。装置間の通信方法については特に限定されるものではない。
【0122】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0123】
また、上記実施の形態において、制御部などの構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0124】
また、制御部などの構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、制御部などの構成要素は、回路(又は集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0125】
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又はコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。例えば、本発明は、上記実施の形態の分電盤又はサーバ装置として実現されてもよいし、分電盤が実行する情報処理方法として実現されてもよい。本発明は、このような情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録された非一時的な記録媒体として実現されてもよい。このようなプログラムには、汎用の情報端末などのコンピュータを、上記実施の形態のサーバ装置として機能させるためのアプリケーションプログラムが含まれる。
【0126】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、又は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0127】
5 分電盤用キャビネット
11 検知部
12 遮断部
22 取得部
23 判断部
26 入力受付部
31 負荷
50、50a、50b 分電盤
100、100a、100b 遮断システム
AC 交流電源
図1
図2
図3
図4