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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146095
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20231004BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/044 127
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053103
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】神田 進司
(72)【発明者】
【氏名】細川 義広
(57)【要約】
【課題】タッチ操作の検知速度を向上させるとともに、タッチ位置を精度よく検知することができる入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置1であって、複数の第1センサ電極10と、複数の第2センサ電極20と、を備える。また、複数の第1センサ電極10と複数の第2センサ電極20とは、電気的に接続されていない。また、複数の第1センサ電極10は、基準点を中心として放射状に配置されている。そして、複数の第2センサ電極20のそれぞれは、基準点を中心とした同心円状に配置されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電容量方式の入力装置であって、
複数の第1センサ電極と、
複数の第2センサ電極と、を備え、
前記複数の第1センサ電極と前記複数の第2センサ電極とは、電気的に接続されておらず、
前記複数の第1センサ電極は、基準点を中心として放射状に配置され、
前記複数の第2センサ電極のそれぞれは、前記基準点を中心とした同心円状に配置される、
入力装置。
【請求項2】
板状の絶縁体を備え、
前記複数の第1センサ電極のそれぞれは、前記絶縁体の一方面に配置され、
前記複数の第2センサ電極のそれぞれは、前記絶縁体の他方面に配置され、
前記他方面は、前記一方面よりも操作面側に配置される、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記複数の第1センサ電極のそれぞれは、面状電極であり、
前記複数の第2センサ電極のそれぞれは、線状電極である、
請求項2に記載の入力装置。
【請求項4】
板状の絶縁体を備え、
前記複数の第1センサ電極のそれぞれは、平面視において、前記第2センサ電極が重畳する部分で分割された複数の電極片と、前記複数の電極片のうちの放射方向に沿って隣り合う2つの電極片を電気的に接続する接続部とを有し、
前記複数の第2センサ電極のそれぞれは、前記絶縁体の他方面に配置され、
前記接続部は、前記複数の第2センサ電極を迂回するように前記他方面より下層に形成される、
請求項1に記載の入力装置。
【請求項5】
前記複数の第1センサ電極のそれぞれの幅は、前記基準点から離れるほど大きくなるように形成されている
請求項1~4のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項6】
前記複数の第1センサ電極のそれぞれを覆うように配置される操作パネルを備え、
前記操作パネルは、前記基準点に向かうにつれて肉厚または肉薄であり、
前記操作パネルの表面は、傾斜面または湾曲面であり、
前記複数の第2センサ電極のそれぞれは、前記基準点を含む平面であって前記放射方向に直交する平面で前記入力装置を切断した場合の断面において、前記操作パネルの表面と前記第2センサ電極との距離が離れるほど、前記複数の第2センサ電極のうちの隣り合う2つの第2センサ電極の間隔が狭まるように同心円状に配置される、
請求項1~5のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項7】
前記複数の第2センサ電極のぞれぞれは、前記基準点を中心として同心円状に配置された環状部と、前記環状部から前記放射方向に沿って延在する延在部とを有する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の入力装置。
【請求項8】
前記複数の第1センサ電極、および、前記複数の第2センサ電極におけるそれぞれの静電容量の変化に基づき、操作体による入力位置を特定する制御部を備える、
請求項1~7のいずれか1項に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、基板と、基板に設けられ、タッチの位置と圧力とを検知する第1センサと、基板に設けられた静電容量方式の複数の第2センサと、を含み、第1センサが基板の一面の中央領域に位置し、複数の第2センサが第1センサを囲むように配置されているタッチセンサが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-224266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のタッチセンサの第1センサは、圧力センサであるため、指などの接触によって発生した屈曲振動を検知することができる。しかし、第1センサが接触によって屈曲振動を発生させる構成を有することになるため、圧力検知のリアルタイム性に乏しく、細やかスライド操作を検出できないという課題がある。
【0005】
そこで、本開示は、タッチ操作の検知速度を向上させるとともに、タッチ位置を精度よく検知することができる入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る入力装置は、静電容量方式の入力装置であって、複数の第1センサ電極と、複数の第2センサ電極と、を備え、前記複数の第1センサ電極と前記複数の第2センサ電極とは、電気的に接続されておらず、前記複数の第1センサ電極は、基準点を中心として放射状に配置され、前記複数の第2センサ電極のそれぞれは、前記基準点を中心とした同心円状に配置される。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な側面は、システム、装置、方法、記録媒体、または、コンピュータプログラムで実現されてもよく、システム、装置、方法、記録媒体、および、コンピュータプログラムの任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の入力装置は、タッチ操作の検知速度を向上させるとともに、タッチ位置を精度よく検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態における入力装置を示すブロック図である。
図2図2は、実施の形態における入力装置を示す平面図である。
図3A図3Aは、図2のA-A線における入力装置を示す断面図である。
図3B図3Bは、実施の形態における別の入力装置を示す平面図である。
図3C図3Cは、図3BのA1-A1線における別の入力装置を示す断面図である。
図4図4は、実施の形態の変形例1における入力装置を示す平面図である。
図5図5は、図4のB-B線における入力装置を示す断面図である。
図6図6は、実施の形態の変形例2における入力装置を示す平面図である。
図7図7は、図6のC-C線における入力装置を示す断面図である。
図8図8は、実施の形態の変形例2における別の入力装置を示す平面図である。
図9図9は、図8のD-D線における入力装置を示す断面図である。
図10図10は、実施の形態の変形例3における入力装置を示す平面図である。
図11図11は、その他変形例における入力装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0011】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0012】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0013】
また、以下の実施の形態において、略直交または板状等の表現を用いている。例えば、略直交または板状は、完全に直交または板であることを意味するだけでなく、実質的に直交または板である、すなわち数%程度の誤差を含むことも意味する。また、略直交または板状は、本開示による効果を奏し得る範囲において直交または板という意味である。他の「略」、「状」を用いた表現についても同様である。
【0014】
(実施の形態)
<構成>
まず、入力装置1の構成について図1図3Aを用いて説明する。
【0015】
図1は、実施の形態における入力装置1を示すブロック図である。図2は、実施の形態における入力装置1を示す平面図である。図3Aは、図2のA-A線における入力装置1を示す断面図である。図3Bは、実施の形態における別の入力装置1を示す平面図である。図3Cは、図3BのA1-A1線における別の入力装置1を示す断面図である。
【0016】
図1に示すように、入力装置1は、静電容量方式のタッチセンサである。入力装置1は、車両、航空機等の移動体、施設等における装置の操作装置として用いられる。本実施の形態の入力装置1は、車両におけるステアリングに搭載されたステアリングスイッチとして用いられる。また、入力装置1は、車両のセンタークラスターに搭載された操作装置として用いられても良い。
【0017】
図1図3Aに示すように、入力装置1は、絶縁体30と、複数の第1センサ電極10と、複数の第2センサ電極20と、制御部40とを備えている。
【0018】
絶縁体30は、板状をなした基板である。絶縁体30は、複数の第1センサ電極10、および、複数の第2センサ電極20を配置することができる。具体的には、絶縁体30は、一方面31と、一方面31の反対側の面である他方面32とを有している。絶縁体30の一方面31には、複数の第1センサ電極10のそれぞれが配置されている。絶縁体30の他方面32には、複数の第2センサ電極20のそれぞれが配置されている。
【0019】
本実施の形態では、絶縁体30は、円板状をなした基板またはPET(Polyethylene Terephthalate)フィルム等の静電シートである。なお、絶縁体30の形状は、平面視で円形状に限定されない。例えば、多角形状であってもよく、円形状と多角形状とを組み合わせた形状であってもよい。
【0020】
複数の第1センサ電極10のそれぞれは、面状電極をなし、互いに電気的に接続されないように、離間した状態で絶縁体30の一方面31に配置されている。複数の第1センサ電極10のそれぞれは扇状をなしており、平面視した場合、複数の第1センサ電極10の全体で円形状を構成している。つまり、複数の第1センサ電極10のそれぞれは、基準点を中心として放射状に延びるように配置され、複数の第1センサ電極10のそれぞれの幅が基準点から離れるほど大きくなるように形成されている。
【0021】
本実施の形態では、8つの第1センサ電極10が絶縁体30の一方面31に配置されているが、7つ以下の第1センサ電極10が絶縁体30の一方面31に配置されていてもよく、9つ以上の第1センサ電極10が絶縁体30の一方面31に配置されていてもよい。
【0022】
複数の第2センサ電極20のそれぞれは、線状電極をなし、互いに電気的に接続されないように、離間した状態で他方面32に配置されている。複数の第2センサ電極20のそれぞれは円形状をなしており、平面視した場合、複数の第2センサ電極20のそれぞれは基準点を中心とした同心円状に配置されている。
【0023】
本実施の形態では、4つの第2センサ電極20が絶縁体30の他方面32に配置されているが、3つ以下の第2センサ電極20が絶縁体30の他方面32に配置されていてもよく、5つ以上の第2センサ電極20が絶縁体30の他方面32に配置されていてもよい。
【0024】
複数の第1センサ電極10と複数の第2センサ電極20とが電気的に接続されないように、第1センサ電極10が絶縁体30の一方面31に配置され、第2センサ電極20が絶縁体30の他方面32に配置されている。つまり、他方面32は、一方面31よりも操作面側に配置されている。より好ましくは、他方面32は、一方面31よりも操作体側に配置されている。このように、他方面32に線状電極の第2センサ電極20が配置され、一方面31に面状電極の第1センサ電極10が配置されることで、入力装置1は、操作体の接近を精度よく検知することができる。操作面とは、例えば、入力装置1において操作体が操作する仮想面、又は、他方面32を覆う操作パネルが配置される場合は操作パネルの表面である。
【0025】
また、図3Bに示すように、複数の第2センサ電極20は、一部が切り欠かれていてもよい。切り欠かれた複数の第2センサ電極20の端部が制御部40と電気的に接続されていてもよい。複数の第2センサ電極20の一部が切り欠かれた箇所は、周方向に沿って配置された隣り合う2つの第1センサ電極10の隙間に対応していてもよい。つまり、入力装置1を平面視した場合、複数の第2センサ電極20の一部が切り欠かれた箇所は、隣り合う2つの第1センサ電極10の隙間と重なっていてもよい。このため、複数の第2センサ電極20は、当該隙間に対応する第2センサ電極20の一部を切り欠くことで、複数の第2センサ電極20と制御部40とを個別に電気的に接続する配線を配置してもよい。
【0026】
また、図3Cに示すように、複数の第2センサ電極20は、入力装置1に別途、配線層39を設けることで、制御部40と電気的に接続されていてもよい。この場合、絶縁体30を第1層と第2層とが重なった2層構造にしてもよく、配線層39を第1層と第2層との間に配置し、配線層と複数の第2センサ電極20とを電気的に接続することで、複数の第2センサ電極20のそれぞれが制御部40に電気的に接続されてもよい。また、図3Cに示すように、複数の第1センサ電極10よりも下層に別途、配線層39を設けることで、複数の第2センサ電極20と制御部40とが電気的に接続されていてもよい。この場合、複数の第1センサ電極10の下に絶縁層30bが積層され、絶縁層30bの下にさらに配線層39が設けられてもよい。いずれの場合でも、複数の第2センサ電極20において、周方向に沿って配置された隣り合う2つの第1センサ電極10の隙間に対応する絶縁体30a、30bの個所にスルーホール33を形成することで、複数の第2センサ電極20と配線層39とを電気的に接続することができる。
【0027】
制御部40は、複数の第1センサ電極10のそれぞれ、および、複数の第2センサ電極20のそれぞれにおける静電容量の変化に基づき、操作体による入力位置を特定する。具体的には、操作体が入力装置1に近づくまたは接触すると、第1センサ電極10と操作体との間および第2センサ電極20と操作体との間の静電容量が変化する。制御部40は、第1センサ電極10および第2センサ電極20における静電容量の変化に基づいて操作体による入力位置を極座標で特定する。具体的には、複数の第2センサ電極20の静電容量の変化に基づき、基準点からの距離(半径)rを取得し、複数の第1センサ電極10の静電容量の変化に基づき、角度θを取得することで、極座標で入力位置を特定する。基準点からの距離(半径)rを取得し、複数の第2センサ電極20を用いることにより、操作体が接近されたまま、なぞるような操作がなされた場合も操作を検出することが可能である。
【0028】
制御部40は、特定した結果として、入力装置1における操作体の位置座標、ジェスチャーによる位置の変化を出力する。位置座標は、平面座標、または、極座標である。平面座標は、基準点を0としたx軸とy軸とを規定した場合、複数の第1センサ電極10のうちの第1センサ電極10と、複数の第2センサ電極20のうちの第2センサ電極20との交点がx、y座標で示される。極座標は、基準点を0としたx軸とy軸とを規定した場合、x軸に対して検知された第1センサ電極10の角度θと、基準点から検知された第2センサ電極20までの距離(半径)rとで示される。ジェスチャーによる位置の変化量は、スライド操作等による座標の変化である。操作体は、人の指、タッチペン等である。このような、制御部40は、専用の制御回路または汎用プロセッサ等で構成されている。
【0029】
<作用効果>
次に、本実施の形態における入力装置1の作用効果について説明する。
【0030】
上述したように、本実施の形態に係る入力装置1は、静電容量方式の入力装置1であって、複数の第1センサ電極10と、複数の第2センサ電極20と、を備える。また、複数の第1センサ電極10と複数の第2センサ電極20とは、電気的に接続されていない。また、複数の第1センサ電極10は、基準点を中心として放射状に配置されている。そして、複数の第2センサ電極20のそれぞれは、基準点を中心とした同心円状に配置されている。
【0031】
これによれば、静電容量方式の入力装置1であるため、圧力センサを用いる場合に比べて、タッチ操作の検知のリアルタイム性に優れている。
【0032】
また、例えば人が指で入力装置1にタッチ操作した場合、複数の第1センサ電極10のうちの第1センサ電極10と複数の第2センサ電極20のうちの第2センサ電極20とがそれぞれ独立してタッチ操作を検知することができる。つまり、複数の第1センサ電極10は基準点を中心として放射状に配置されているため、周方向におけるタッチ位置を検知することができる。また、複数の第2センサ電極20のそれぞれは、基準点を中心とした同心円状に配置されているため、基準点に対して径方向におけるタッチ位置を検知することができる。
【0033】
したがって、入力装置1では、タッチ操作の検知速度を向上させるとともに、タッチ位置を精度よく検知することができる。
【0034】
特に、特許文献1のタッチセンサでは、第1センサがタッチの位置と圧力とを検知するために、タッチされる際に第1センサが屈曲する構成となっているが、本実施の形態では、静電容量方式の入力装置1であるため、人が指で入力装置1にタッチ操作した場合に、第1センサ電極10および第2センサ電極20を屈曲させる構成としなくてもよい。
【0035】
また、本実施の形態に係る入力装置1は、板状の絶縁体30を備える。また、複数の第1センサ電極10のそれぞれは、絶縁体30の一方面31に配置される。また、複数の第2センサ電極20のそれぞれは、絶縁体30の他方面32に配置される。そして、他方面32は、一方面31よりも操作面側に配置される。
【0036】
これによれば、複数の第2センサ電極20のそれぞれを他方面32に配置し、複数の第1センサ電極10のそれぞれを一方面31に配置するため、操作体側に複数の第2センサ電極20を配置することで、複数の第1センサ電極10と複数の第2センサ電極20とが操作体を検知することができる。
【0037】
また、絶縁体30の一方面31に複数の第1センサ電極10のそれぞれを配置し、絶縁体30の他方面32に複数の第2センサ電極20のそれぞれを配置するため、第1センサ電極10および第2センサ電極20のパターンを絶縁体30に容易かつ簡易に形成することができる。
【0038】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、複数の第1センサ電極10のそれぞれは、面状電極である。そして、複数の第2センサ電極20のそれぞれは、線状電極である。
【0039】
これによれば、絶縁体30の一方面31に複数の第1センサ電極10が配置され、絶縁体30の他方面32に複数の第2センサ電極20が配置されるため、複数の第1センサ電極10及び複数の第2センサ電極20が操作体を精度よく検知することができる。
【0040】
また、本実施の形態に係る入力装置1において、複数の第1センサ電極10のそれぞれの幅は、基準点から離れるほど大きくなるように形成されている。
【0041】
これによれば、操作を行う領域が円状の場合に適するように構成することができるため、操作を行う領域が円状の場合でもタッチ位置を精度よく検知することができる。
【0042】
また、本実施の形態に係る入力装置1は、複数の第1センサ電極10、および、複数の第2センサ電極20におけるそれぞれの静電容量の変化に基づき、操作体による入力位置を特定する制御部40を備える。
【0043】
これによれば、操作体による入力位置を精度よく特定することができる。このため、入力装置1に表示された意匠に応じてユーザが操作した場合、制御部40は、入力位置に対応する意匠に応じた指示を外部装置に出力することができる。
【0044】
(実施の形態の変形例1)
本変形例の入力装置1aの第1センサ電極10が電極片11と接続部12とを有する点で実施の形態の入力装置と相違する。本変形例では、実施の形態の入力装置と同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を適宜省略する。
【0045】
本変形例の入力装置1aについて図4および図5を用いて説明する。
【0046】
図4は、実施の形態の変形例1における入力装置1aを示す平面図である。図5は、図4のB-B線における入力装置1aを示す断面図である。
【0047】
図4および図5に示すように、複数の第1センサ電極10のそれぞれは、絶縁体30の一方面31および他方面32に配置されている。複数の第2センサ電極20のそれぞれは、絶縁体30の他方面32に配置されている。複数の第1センサ電極10のそれぞれは、絶縁体30の他方面32において、第2センサ電極20と重畳する部分で分割されている。
【0048】
具体的には、複数の第1センサ電極10のそれぞれは、複数の電極片11と、接続部12とを有している。
【0049】
電極片11は、第1センサ電極10を平面視した場合において、第1センサ電極10が第2センサ電極20と重畳する部分で分割された第1センサ電極10の一部である。このため、複数の電極片11のそれぞれは、絶縁体30の他方面32に離散して配置されている。
【0050】
1つの第1センサ電極10において、接続部12は、複数の電極片11のうちの放射方向に沿って隣り合う2つの電極片11を電気的に接続している。接続部12は、複数の第2センサ電極20を迂回するように絶縁体30の他方面32より下層に配置されている。
【0051】
具体的には、接続部12は、隣り合う2つの電極片11のうちの一方の電極片11から絶縁体30に形成されたスルーホール33を挿通して絶縁体30の一方面31側に向かって延びて絶縁体30の一方面31に至り、隣り合う2つの電極片11のうちの他方の電極片11が配置されている絶縁体30の一方面31まで延び、絶縁体30に形成された別のスルーホール33を挿通して隣接する電極片11と電気的に接続されるまで延びている。本実施の形態では、接続部12は、絶縁体30の他方面32よりも下層である絶縁体30の内部、および、絶縁体30の一方面31に配置されている。
【0052】
このように、本変形例に係る入力装置1aは、板状の絶縁体30を備えている。また、複数の第1センサ電極10のそれぞれは、平面視において、第2センサ電極20が重畳する部分で分割された複数の電極片11と、複数の電極片11のうちの放射方向に沿って隣り合う2つの電極片11を電気的に接続する接続部12とを有する。また、複数の第2センサ電極20のそれぞれは、絶縁体30の他方面32に配置される。そして、接続部12は、複数の第2センサ電極20を迂回するように他方面32より下層に形成される。
【0053】
これによれば、第1センサ電極10の電極片11と第2センサ電極20とを絶縁体30の他方面32に配置することができる。このため、第1センサ電極10と操作体との距離および第2センサ電極20と操作体との距離を同等にすることができるため、第1センサ電極10の感度と第2センサ電極20の感度とを同等にすることができる。
【0054】
(実施の形態の変形例2)
本変形例の入力装置1b、1cが操作パネル50を有する点、隣り合う2つの第2センサ電極20の間隔が狭まるように同心円状に配置される点で実施の形態の入力装置と相違する。本変形例では、実施の形態の入力装置と同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を適宜省略する。
【0055】
本変形例の入力装置1b、1cについて図6図9を用いて説明する。
【0056】
図6は、実施の形態の変形例2における入力装置1bを示す平面図である。図7は、図6のC-C線における入力装置1bを示す断面図である。図8は、実施の形態の変形例2における別の入力装置1cを示す平面図である。図9は、図8のD-D線における入力装置1cを示す断面図である。図6及び図8では、操作パネル50は省略している。また、操作パネル50は、図7の操作パネル50a、図9の操作パネル50bの総称である。
【0057】
図6図9に示すように、本変形例の入力装置1b、1cは、絶縁体30、複数の第1センサ電極10、複数の第2センサ電極20および制御部40の他に、操作パネル50を備えている。
【0058】
操作パネル50は、複数の第1センサ電極10のそれぞれを覆うように配置されている。操作パネル50の表面51に操作体が直接接触することができるため、操作体と複数の第1センサ電極10のそれぞれとの間、および、操作体と複数の第2センサ電極20のそれぞれとの間には、静電容量が形成される。操作パネル50の表面51には意匠が形成されていてもよい。
【0059】
操作パネル50は、入力装置1b、1cに応じた形状をなしている。本変形例では、操作パネル50は、円盤状をなしている。
【0060】
操作パネル50は、基準点に向かうにつれて肉厚または肉薄に形成された傾斜面または湾曲面を有している。
【0061】
例えば、図6および図7に示すように、操作パネル50aの表面51は、半球状または放物面状の凸形状であってもよい。つまり、操作パネル50aは、基準点に向かうにつれて肉厚に形成された傾斜面または湾曲面を有していてもよい。
【0062】
また、図8および図9に示すように、操作パネル50bの表面51は、半球状または放物面状の凹形状であってもよい。つまり、操作パネル50bは、基準点に向かうにつれて肉薄に形成された傾斜面または湾曲面を有していてもよい。
【0063】
図6図9に示すように、複数の第2センサ電極20のそれぞれは、基準点を含む平面であって放射方向に略直交する平面で入力装置1b、1cを切断した場合の断面において、操作パネル50の表面51と第2センサ電極20との距離が離れるほど、複数の第2センサ電極20のうちの隣り合う2つの第2センサ電極20の間隔が狭まるように同心円状に配置される。なお、操作パネル50の表面51と第2センサ電極20との距離とは、例えば、第2センサ電極20から第2センサ電極20の直上の表面51までの距離である。
【0064】
例えば、図6および図7に示すように、操作パネル50aが基準点に向かうにつれて肉厚に形成された傾斜面または湾曲面を有している場合、基準点に近づくほど隣り合う2つの第2センサ電極20の間隔が狭まるように、複数の第2センサ電極20が同心円状に配置される。このため、絶縁体30の他方面32に配置されている第2センサ電極20が占める単位面積当たりの密度は、基準点に近づくにつれて大きくなる。
【0065】
また、図8および図9に示すように、操作パネル50bが基準点に向かうにつれて肉薄に形成された傾斜面または湾曲面を有している場合、基準点から遠ざかるほど隣り合う2つの第2センサ電極20の間隔が狭まるように、複数の第2センサ電極20が同心円状に配置される。このため、絶縁体30の他方面32に配置されている第2センサ電極20が占める単位面積当たりの密度は、基準点から遠ざかるほど大きくなる。
【0066】
つまり、図6図9に示すように、操作パネル50の肉厚の部分に対応して配置されている隣り合う2つの第2センサ電極20は、他の個所に比べて間隔が狭まるように配置されている。このため、肉厚の部分に接触した操作体を精度よく検知することができる。
【0067】
このように、本変形例に係る入力装置1b、1cは、複数の第1センサ電極10のそれぞれを覆うように配置される操作パネル50を備える。また、操作パネル50は、基準点に向かうにつれて肉厚または肉薄である。また、操作パネル50の表面51は、傾斜面または湾曲面である。そして、複数の第2センサ電極20のそれぞれは、基準点を含む平面であって放射方向に直交する平面で入力装置1b、1cを切断した場合の断面において、操作パネル50の表面51と第2センサ電極20との距離が離れるほど、複数の第2センサ電極20のうちの隣り合う2つの第2センサ電極20の間隔が狭まるように同心円状に配置される。
【0068】
操作パネルの肉厚の部分では第2センサ電極と操作体との距離が、操作パネルの肉薄の部分よりも長くなるため、第2センサ電極と操作体との静電容量が小さくなってしまう。しかしながら、本実施の形態では、隣り合う2つの第2センサ電極20の間隔が狭まるように同心円状に配置することができるため、第2センサ電極20と操作体との静電容量を確保することで、操作パネル50の肉厚の部分における感度を向上させることができる。このため、操作パネル50の肉厚の部分に操作体が接触しても、その接触の検知精度を確保することができる。
【0069】
(実施の形態の変形例3)
本変形例の入力装置1dが複数の第2センサ電極20のそれぞれが環状部21と延在部22とを有する点で実施の形態の入力装置と相違する。本変形例では、実施の形態の入力装置と同一の構成および機能については同一の符号を付し、これら構成および機能に関する詳細な説明を適宜省略する。
【0070】
本変形例の入力装置1dについて図10を用いて説明する。
【0071】
図10は、実施の形態の変形例3における入力装置1dを示す平面図である。
【0072】
本変形例では、図10に示すように、複数の第1センサ電極10のそれぞれは絶縁体30の一方面31に配置されている。複数の第2センサ電極20のそれぞれは絶縁体30の他方面32に配置されている。
【0073】
複数の環状部21のそれぞれは、基準点を中心として同心円状に配置された環状の電極である。
【0074】
延在部22は、環状部21から放射方向に沿って延在している。本実施の形態では、延在部22は、環状部21と直交するように環状部21の内周側と外周側とに延在しているが、環状部21の内周側または外周側に延在しているだけでもよい。延在部22は、第1センサ電極10と重なるように、絶縁体30の他方面32に配置されている。なお、延在部22の配置位置は、本実施の形態に限定されず、第1センサ電極10と重ならないように絶縁体30の他方面32に配置されていてもよい。本変形例では、1つの第2センサ電極20には複数の延在部22が形成されており、複数の延在部22は、複数の第1センサ電極10と一対一で対応している。
【0075】
このように、本変形例に係る入力装置1dにおいて、複数の第2センサ電極20のぞれぞれは、基準点を中心として同心円状に配置された環状部21と、環状部21から放射方向に沿って延在する延在部22とを有する。
【0076】
これによれば、延在部22が配置される分だけ、操作体に対する第2センサ電極20の面積が増加することで、操作体と第2センサ電極20との静電容量を増やすことができるため、第2センサ電極20の感度を向上させることができる。
【0077】
(その他の変形例)
以上、本開示に係る入力装置について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い付く各種変形を実施の形態に施したものも、本開示の範囲に含まれてもよい。
【0078】
例えば、上記実施の形態に係る入力装置において、複数の第1センサ電極の全ての投影面積と、複数の第2センサ電極の全ての投影面積とは等しくてもよい。この場合、複数の第1センサ電極の感度と複数の第2センサ電極の感度とを同等にすることができる。
【0079】
また、上記実施の形態に係る入力装置1eのその他の変形例について、図11を用いて説明する。図11は、その他変形例における入力装置1eを示す平面図である。図11に示すように、第1センサ電極10は、長方形状、または、帯状をなしていてもよい。複数の第1センサ電極10は、基準点を中心として放射状に延びるように配置されていてもよい。
【0080】
なお、上記の実施の形態に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態における構成要素および機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本開示に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本開示の入力装置は、例えば車両、特に車両のステアリングホイール等に適用可能である。
【符号の説明】
【0082】
1、1a、1b、1c、1d、1e 入力装置
10 第1センサ電極
11 電極片
12 接続部
20 第2センサ電極
21 環状部
22 延在部
30 絶縁体
31 一方面
32 他方面
40 制御部
50、50a、50b 操作パネル
51 操作パネルの表面
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11