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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146103
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】繊維構造体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 1/49 20120101AFI20231004BHJP
   D04H 1/46 20120101ALI20231004BHJP
   D04H 1/4382 20120101ALI20231004BHJP
【FI】
D04H1/49
D04H1/46
D04H1/4382
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053122
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003159
【氏名又は名称】東レ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】新宅 知徳
【テーマコード(参考)】
4L047
【Fターム(参考)】
4L047AA21
4L047AA27
4L047AB02
4L047AB07
4L047AB09
4L047BA03
4L047BA04
4L047CB02
(57)【要約】
【課題】従来技術の課題を克服し、優れたクッション性を有する繊維構造体を提供する。
【解決手段】180℃の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数が50コ/25mm以上の潜在倦縮繊維の短繊維を繊維ウェブとし、該繊維ウェブにニードルパンチ加工およびウォータージェット加工を行ってシート化することを特徴とする、繊維構造体の製造方法。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
180℃の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数が50コ/25mm以上の潜在倦縮繊維の短繊維を繊維ウェブとし、該繊維ウェブにニードルパンチ加工およびウォータージェット加工を行ってシート化することを特徴とする、繊維構造体の製造方法。
【請求項2】
潜在捲縮短繊維が、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン2~7モル%とイソフタル酸5~13モル%とを共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート(A)と、ポリエチレンテレフタレート(B)とが、サイドバイサイドに接合されてなる複合繊維であって、前記共重合ポリエチレンテレフタレート(A)と前記ポリエチレンテレフタレート(B)の固有粘度差が0.03~0.08の範囲にあり、単繊維繊度が1.0~14.0dtexであることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造体の製造方法。
【請求項3】
シート化後に熱処理により倦縮を発現させることを特徴とする、請求項1および2に記載の繊維構造体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は繊維構造体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維構造体に関して、その用途に対して必要な物性や特性をもった繊維を用いて達成せんとするものが過去多数提案されてきた。
これまでにもクッション性のよい繊維構造体を得る為に多数の提案がなされている。
【0003】
例えば、潜在倦縮繊維を使用した繊維構造体として、特許文献1には複数の層からなる繊維構造体であって、各層の使用繊維を規定し、その中に潜在倦縮繊維を用いているものが提案されている。しかしながら複数の繊維層を作製する必要があるほか、各層において複数の繊維を用いて、さらに繊維間を接着する必要があるなど、製造工程も複雑であり、コスト的にも不利なものであった。
【0004】
また、立体倦縮のポリエステル繊維からなる不職布も提案されている。特許文献2には、立体倦縮の繊維のみで構成されている不織布からなる乾式清掃用シートが提案されおり、立体倦縮の表記から相応のクッション性を有するものと推定できるが、本件は繊維形状を立体倦縮とすることにより、不織布にダストの保持性を高め、不織布におけるワイピング性能を高めるもので、クッション性についての開示はない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005-120511号公報
【特許文献2】特開2013-176432号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来技術の課題を克服し、優れたクッション性を有する繊維構造体製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、優れたクッション性を有する繊維構造体を得るものであり、目的を達成するため、以下の構成を採用する。
【0008】
180℃の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数が50コ/25mm以上の潜在倦縮繊維の短繊維を繊維ウェブとし、該繊維ウェブにニードルパンチ加工およびウォータージェット加工を行ってシート化することを特徴とする、繊維構造体の製造方法。
【0009】
また、以下の態様が好ましい。すなわち、
潜在捲縮短繊維が、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン2~7モル%とイソフタル酸5~13モル%とを共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート(A)と、ポリエチレンテレフタレート(B)とが、サイドバイサイドに接合されてなる複合繊維であって、前記共重合ポリエチレンテレフタレート(A)と前記ポリエチレンテレフタレート(B)の固有粘度差が0.03~0.08の範囲にあり、単繊維繊度が1.0~14.0dtexであることを特徴とする請求項1に記載の繊維構造体の製造方法。
【0010】
シート化後に熱処理により倦縮を発現させることを特徴とする、請求項1および2に記載の繊維構造体の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、優れたクッション性を有する繊維構造体の提供が可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明における繊維構造体は、以下の潜在倦縮繊維が用いられてなる繊維構造体である。繊維構造体の好ましい形態としては不織布が挙げられる。
【0014】
繊維構造体を構成する主たる繊維はサイドバイサイドに接合されてなる複合繊維であり、具体的には、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン2~7モル%とイソフタル酸(以下、IPAを略すことがある。)5~13モル%とを共重合した共重合ポリエチレンテレフタレート(A)と、ポリエチレンテレフタレート(B)とが、サイドバイサイドに接合されてなる複合繊維であって、前記共重合ポリエチレンテレフタレート(A)と前記ポリエチレンテレフタレート(B)の固有粘度差が0.03~0.08の範囲にあり、180℃の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数が50コ/25mm以上であり、単繊維繊度が1.0~14.0dtexである潜在捲縮性ポリエステル複合繊維の短繊維が用いられることが好ましい。
【0015】
本発明で用いられる共重合ポリエチレンテレフタレート(A)は、エチレンテレフタレート単位を主たる構成成分とする共重合ポリエチレンテレフタレートであり、共重合成分として2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンまたはそのエステル形成誘導体(以下、エステル形成誘導体も含めてBHPPと略すことがある。)とIPAとを用いて改質された共重合ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。ここで言うエチレンテレフタレート単位とは、テレフタル酸とエチレングリコールの一等量同士が脱水縮合反応したものである。
【0016】
本発明においては、共重合ポリエチレンテレフタレート(A)中のBHPPの共重合割合は、2~7モル%とすることが好ましく、中でも共重合割合を4~6モル%とすることがより好ましい。
【0017】
BHPPの共重合割合を2モル%~7モル%とすることで、本発明に最適な検出発現が得られ、繊維構造体とした場合、十分な空隙やクッション性が得られ繊維構造体を作製するのに好適な繊維が得られる。また、本発明においては、共重合ポリエチレンテレフタレート(A)中のIPAの共重合割合は、5~13モル%とすることが好ましく、中でも共重合割合を7~11モル%とすることが好ましい。IPAの共重合割合を5~13モル%とすることで、実施的に大きさが十分な倦縮が得られポリマーの融点も大きく低下することがなく熱安定性も確保できる。
【0018】
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート(B)は、共重合成分としてのBHPPが0.5モル%未満であり、IPAが1モル%未満のポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。ポリエチレンテレフタレート(B)は、上記のとおり、BHPPを0.5モル%未満共重合することができるが、その共重合割合は好ましくは0.25モル%未満であり、最も好ましくはゼロ(0)モル%である。
【0019】
また、ポリエチレンテレフタレート(B)は、上記のとおり、IPAを1モル%未満共重合することができるが、その共重合割合は好ましくは0.5モル%未満であり、最も好ましくはゼロ(0)モル%である。
【0020】
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート(B)において、BHPPとIPAの共重合割合が多くなると、本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート(B)において、BHPPとIPAの共重合割合を0~0.5モル%とすることで、十分な熱収縮差となり、十分な発現倦縮数が得られるものである。
【0021】
繊維に潜在倦縮性を付与するため、共重合ポリエチレンテレフタレート(A)とポリエチレンテレフタレート(B)の固有粘度に差があることが必要であり、固有粘度差は0.03~0.08の範囲であることが好ましい。この範囲であれば180℃の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数が50コ/25mm以上のものが得られる。
【0022】
本発明における潜在倦縮繊維は、共重合ポリエチレンテレフタレート(A)とポリエチレンテレフタレート(B)とが、サイドバイサイドに接合されてなる複合繊維である。
共重合ポリエチレンテレフタレート(A)とポリエチレンテレフタレート(B)との複合比率は、質量比率でA:B=30~70:70~30の範囲が好ましく用いられる。この範囲内であれば180℃の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数が50コ/25mm以上のものが得られる。
【0023】
本発明における潜在倦縮繊維は、180℃の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮数が50コ/25mm以上であることが必要である。50コ/25mm未満であれば倦縮が不足し、繊維構造体となったときに曲線的な空隙を得られなくなり、優れたクッション性が得られない。発現捲縮数の上限は特にないが、90コ/25mm以上発現すると空隙がつぶれて繊維構造体に十分な空隙を付与することができない可能性がある。発現捲縮数は、共重合ポリエチレンテレフタレート(A)やポリエチレンテレフタレート(B)の組成、固有粘度差や複合比率等により調整が可能である。
【0024】
本発明における潜在倦縮繊維は、好ましくは1.0~14.0dtex、さらに好ましくは1~6dtexの単繊維繊度の繊維であることが、風合いなど使用感の点からが好ましい。
【0025】
本発明における潜在倦縮繊維は短繊維であり、好ましくは10mm以上、さらに好ましくは30~100mmの繊維長を有するものが選択される。
【0026】
本発明における潜在倦縮繊維の断面形態は、丸型、Y型、T型、扁平、楕円、だるま型など各種の形態のものを使用することができ、中実、中空のいずれも使用できる。
【0027】
このほか必要に応じてその他の重合体成分、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料のほか、各種の抗酸化剤、着色防止剤、耐光剤、帯電防止剤等が、本来の機能を喪失しないかぎり、複合や混合などにより添加することができる。
【0028】
次に、本発明の繊維構造体の製造方法について説明する。
【0029】
まず、上述した潜在倦縮繊維の短繊維を繊維ウェブとする。具体的には、潜在倦縮繊維の短繊維をオープナーで粗く開繊し、カード機にかけて更に開繊しウェブ化する製法があげられ、さらにクロスラッパなどでカード機から得たウェブを積層してウェブに厚みを持たせてもよい。
【0030】
ウェブに行う繊維同士の交絡のための加工に関しては、ニードルパンチ加工、スパンレース加工、ウォータージェット加工などがあげられるが、本発明はニードルパンチ加工とウォータージェット加工の2つの加工を行う製造方法である。ニードルパンチ加工では、ウェブにニードル加工することにより、一部の繊維をウェブの厚み方向に配列、交絡させる作用がある。ウォータージェット加工には水流をウェブに浸透させやすくする効果があり、水流で繊維を交絡させるため、ウェブ全体の繊維をからみこませることが可能であり、本繊維構造体の特徴である曲線的な空隙を得るためには最適な加工方法である。
【0031】
本発明において、ニードルパンチ加工とウォータージェット加工との順序は特に限定されないが、ニードルパンチ加工後にウォータージェット加工を行って、シート化することが好ましい。ニードルパンチ加工後にウォータージェット加工を行うことで、より繊維配列がウェブの厚み方向になり、より曲線的な空隙が得られ易くなる。
【0032】
ニードルパンチ加工としては、その条件は繊維構造体の目付により適宜選択できるが、ロッド数(ニードルの打ち込み条件)が40本/cm~200本/cmの範囲が好ましく用いられる条件である。打ち込み数は繊維構造体の目付や使用繊維の繊度により適宜調整選択できる。
【0033】
また、ウォータージェット加工としては、その条件は繊維構造体の目付や繊維の繊度により適宜選択できるが、水圧は30~130barが好ましい。ウェブの片面からだけでなく、両面から加工することもできる。
【0034】
シート化した後、熱処理を行うことによって倦縮を発現させ、繊維構造体中に曲線的な空隙を発現させることができ、優れたクッション性を奏する繊維構造体となる。熱処理としては、潜在倦縮繊維を構成するポリマーの組成等にもよるが、150℃から200℃で処理時間は1~3分程度が最も好ましい。
【0035】
本発明において、繊維構造体の目付(密度)は、特に規定されるものではないが、不織布とする場合の目付は50~300g/mとすることが好ましい。また、その他に繊維構造体に吸水性などを持たせるためにレーヨンやコットンといった繊維を10重量%~30重量%の範囲で混合することも、本来の性能が失われない範囲で可能である。ただし、潜在倦縮性を持たない繊維を混合することは、十分に倦縮の効果が得られない、すなわち曲線的な空隙を得られない可能性があるため留意する必要がある。同じ潜在倦縮繊維同士でも、その収縮に差があるものを混合することも、本発明の目的とする性能が失われない範囲で可能である。潜在倦縮繊維の収縮に差がある場合、特に180℃の温度における無荷重熱処理時の発現捲縮倦縮数が50コ/25mm以下のものである場合、その発現する倦縮数が低い繊維に影響され、繊維構造体の倦縮発現自体が抑制されてしまい、倦縮が発現せず、曲線的な空隙を発現しにくくなる場合がある。
【0036】
また、繊維構造体に熱接着繊維を混合すると、熱処理時に接着点が生成されるため、不織布にハリ・コシ感や形態安定性を与えることができるが、本発明の主目的である曲線的な空隙を得るための倦縮発現を阻害することになるため、熱接着繊維を混合することは好ましくない。
【0037】
これまで述べたとおり、本発明の製造方法によって製造された繊維構造体は、潜在捲縮繊維がニードルパンチ加工およびウォータージェット加工によって交絡された状態で熱処理により捲縮発現されることになるため、従来の繊維構造体、特に従来の短繊維不織布、のような空隙とは異なる、曲線的な空隙を有するものであり、この特徴的な空隙により優れたクッション性を得ることができるものである。
【実施例0038】
以下、本発明を実施例で詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、繊維構造体としては以下のとおり不織布を作製し、実施例中の各特性値等は、以下の評価方法を用いて測定した。
【0039】
<評価方法>
<繊度>
JIS-L1015(2010年)-7-51Aの方法に基づいて測定した。
【0040】
<切断強度(cN/dtex)および切断伸度(%)>
JIS-L1015(2010年)の方法に従い測定した。
【0041】
<平均繊維長(カット長)>
JIS-L1015(2010年)A法(ステープルダイヤグラム法)に基づいて測定した。
【0042】
<捲縮数および捲縮度>
捲縮数および捲縮度はJIS-L1015(2010年)-7-12-1およびJIS-L1015(2010年)-7-12-2の方法に基づいて測定した。
【0043】
なお、180℃における無荷重熱処理時の発現捲縮数は乾熱180℃における無荷重下での熱処理後の繊維の捲縮数であり、測定法は上記に同じである。
【0044】
<不織布の目付け(g/m)>
JIS-L1085(1998年)の方法により、20cm×20cmの試料重量を測定し、1mあたりの質量として求めた。
【0045】
<空隙形状確認>
繊維構造体の平面方向、厚み方向それぞれの断面を、マイクロスコープ(キーエンス製 VHX-6000)で画像を倍率200倍で撮影。10人のモニターに撮影した写真(範囲およそ1240μm×1040μm)を視認いただき、以下の指標を用いて評価した。
5点:空隙形状が曲線状のものが断面全体に視認できる
3点:空隙形状が曲線状のものが断面の半数視認できる
2点:空隙形状が曲線状のものが断面の一部でも視認できる
1点:空隙形状に曲線上のものが全く認められない(曲線状の空隙が0)
平均3.0点以上を合格とした。
【0046】
<使用感・クッション性>
実際に敷物材(1m四方)のもの作り、10人の方に実際に座ったりして、クッション性を良いものから5点、4点、3点、2点、もっとも悪いものを1点として5段階で評価した。平均3.0点以上を合格とした。
【0047】
[実施例1]
共重合ポリエチレンテレフタレート(A)として、エチレンテレフタレートを主成分とし、これにIPA7.1モル%とBHPP4.4モル%とを共重合した、固有粘度0.67の共重合ポリエチレンテレフタレートを用い、またポリエチレンテレフタレート(B)として、固有粘度0.60のポリエチレンテレフタレートホモポリマーを用いて、複合溶融紡糸装置によって丸断面口金孔から300℃の温度で質量比率(A)/(B)=50/50とし、0.60g/分の単孔吐出量で溶融紡出し、1200m/分の速度で巻き取り、サイドバイサイド型未延伸糸を得た。得られたサイドバイサイド型未延伸糸を収束後、延伸倍率3.30倍、延伸温度85℃で延伸し、緊張熱処理温度140℃で熱処理を行い、押し込み式捲縮機で機械捲縮を付与した後、切断して捲縮数が16コ/25mm、繊維長が51mm、単繊維繊度が2.2dtex、180℃熱処後の倦縮は63コ/25mmの短繊維を得た。
得られた短繊維を、オープナー(大和機工株式会社;OP-200)にかけた後、ローラーカード(大和機工株式会社;SC―600DI2)にかけて得られた繊維ウェブを、ニードルパンチ加工機(大和機工株式会社、NL-700)に打ち込み回数40本/cmにて1回通して、ウォータージェット機(上野山機工 試験用ジェットレース機)にて水圧60Bar、速度1m/分、ノズル形状0.08mmφ、0.6mmピッチ2列、499.5mm効き幅の条件で片面加工した後、更に180℃の温度で1min熱処理して100g/mを狙い不織布を得た。得られた曲線上の空隙形態を有し、使用感のよいクッション性のある繊維構造体が得られた。
【0048】
[比較例1]
実施例と同じ方法得た潜在倦縮繊維を50重量%と潜在倦縮繊維ではない繊維として、ポリエステル繊維東レ製“テトロン”短繊維T201-2.2T×51mmを50重量%混綿し、それ以外は実施例1と同じ方法で繊維構造体を得た。潜在倦縮繊維ではないものが、倦縮発生を阻害し、十分な空隙が得られず使用感(クッション性)も良いものではなかった。
【0049】
[比較例2]
潜在倦縮繊維ではない繊維として、ポリエステル繊維東レ製“テトロン”短繊維T201-2.2T×51mmを用い、それ以外は実施例1と同じ方法で繊維構造体を得た。潜在倦縮繊維ではないため倦縮は発現せず、曲線状の空隙は得られないものであり、使用感(クッション性)も良いものではなかった。
【0050】
【表1】