(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146138
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】除塵システム
(51)【国際特許分類】
F24F 9/00 20060101AFI20231004BHJP
B08B 5/02 20060101ALI20231004BHJP
H05F 3/02 20060101ALI20231004BHJP
H01T 19/00 20060101ALI20231004BHJP
H01T 23/00 20060101ALI20231004BHJP
H05F 3/04 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
F24F9/00 H
F24F9/00 J
F24F9/00 D
B08B5/02 Z
H05F3/02 H
H01T19/00
H01T23/00
H05F3/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053167
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】久保田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】森 豊
【テーマコード(参考)】
3B116
5G067
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB53
3B116BB22
3B116BB88
3B116BB89
3B116CD42
3B116CD43
5G067AA02
5G067DA01
5G067DA17
5G067DA22
(57)【要約】
【課題】粉塵の除去率を高めることが可能な除塵システムを提供する。
【解決手段】対象者Pの通行経路Wに沿って並ぶように配置可能であり、前記通行経路Wに向かって送風可能な複数の送風ユニット10を具備した。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の通行経路に沿って並ぶように配置可能であり、前記通行経路に向かって送風可能な複数の送風ユニットを具備する、
除塵システム。
【請求項2】
複数の前記送風ユニットは、前記通行経路に沿って互いに所定の間隔を空けて配置されることにより、前記通行経路を通行する前記対象に対して断続的に風を吹き付けることが可能である、
請求項1に記載の除塵システム。
【請求項3】
複数の前記送風ユニットは、互いに別体で形成される、
請求項1又は請求項2に記載の除塵システム。
【請求項4】
除電可能なイオンを発生させるイオン発生ユニットをさらに具備する、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の除塵システム。
【請求項5】
複数の前記送風ユニットは、前記通行経路の両側にそれぞれ配置される、
請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の除塵システム。
【請求項6】
前記通行経路の両側に配置された複数の前記送風ユニットは、前記通行経路を挟んで互いに対向するように配置される、
請求項5に記載の除塵システム。
【請求項7】
少なくとも2以上の前記送風ユニットに対して一括して空気を送る送風機をさらに具備する、
請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の除塵システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人に付着した粉塵を除去する除塵システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人に付着した粉塵を除去する除塵システムの技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、建築物の出入口に設置された除塵システム(花粉分離装置)が記載されている。特許文献1に記載の除塵システムでは、建築物に出入りする人を検知し、検知した人に向けて風を吹き出すことで、人に付着した粉塵(花粉や塵挨等)を除去することができる。
【0004】
このような除塵システムの技術に関しては、粉塵の除去率をより高めることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、粉塵の除去率を高めることが可能な除塵システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、対象の通行経路に沿って並ぶように配置可能であり、前記通行経路に向かって送風可能な複数の送風ユニットを具備するものである。
【0009】
請求項2においては、複数の前記送風ユニットは、前記通行経路に沿って互いに所定の間隔を空けて配置されることにより、前記通行経路を通行する前記対象に対して断続的に風を吹き付けることが可能なものである。
【0010】
請求項3においては、複数の前記送風ユニットは、互いに別体で形成されるものである。
【0011】
請求項4においては、除電可能なイオンを発生させるイオン発生ユニットをさらに具備するものである。
【0012】
請求項5においては、複数の前記送風ユニットは、前記通行経路の両側にそれぞれ配置されるものである。
【0013】
請求項6においては、前記通行経路の両側に配置された複数の前記送風ユニットは、前記通行経路を挟んで互いに対向するように配置されるものである。
【0014】
請求項7においては、少なくとも2以上の前記送風ユニットに対して一括して空気を送る送風機をさらに具備するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の効果として、粉塵の除去率を高めることができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態に係る除塵システムを示した平面模式図。
【
図3】対象者の除塵を行う様子を示した側面模式図。
【
図4】送風ユニットの配置を変更した例を示した平面模式図。
【
図5】連続風と断続風による粉塵の除去率の違いを示した図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
まず、
図5を用いて、粉塵を効率的に除去する方法について説明する。
【0018】
図5には、対象物に対して空気(風)を吹き付け、対象物に付着した粉塵がどの程度除去できたか(粉塵の除去率)を実験した一例を示している。
【0019】
図5のデータ(1)及びデータ(2)は、連続風(途切れることのない風)を対象物に吹き付けた場合の粉塵の除去率を示している。データ(1)は、連続風を10秒間吹き付けた例を示している。データ(2)は、連続風を30秒間吹き付けた例を示している。
【0020】
図5のデータ(3)及びデータ(4)は、断続風(断続的に送られる風)を対象物に吹き付けた場合の粉塵の除去率を示している。データ(3)は、1秒間の送風を10回断続的に行った(のべ10秒間送風した)例を示している。データ(4)は、0.3秒間の送風を5回断続的に行った(のべ1.5秒間送風した)例を示している。なお、上記データ(1)~(4)の風速は全て同一であるものとする。
【0021】
図5のデータ(1)とデータ(2)の比較から、連続風であれば、処理時間(送風時間)が長いほど除去率が増加することが分かる。また、データ(1)とデータ(3)の比較から、同じのべ処理時間では、断続風の方が除去率が高くなることが分かる。また、データ(1)とデータ(4)の比較、及び、データ(2)とデータ(3)の比較から、同等の除去率を得るために必要な処理時間は、断続風の方が短くなることが分かる。
【0022】
以上のことから、粉塵を効率的に除去するためには、断続風を対象物に吹き付けることが好ましいことが分かる。そこで以下では、対象物に断続風を吹き付けることが可能な除塵システム1(本発明の一実施形態)について説明する。
【0023】
図1に示す除塵システム1は、対象となる人や物(便宜上、以下では「対象者P」と称する)に付着した粉塵を除去するものである。ここで、粉塵とは、花粉等の空気中に浮遊する粒子を指す。粉塵には、花粉の他に砂塵や微小なホコリ、PM2.5(粒径2.5μm以下の粒子状物質)等の粒子が含まれる。除塵システム1は、主として送風ユニット10、イオン発生ユニット20、通過検知ユニット30、送風機40及び制御ユニット50を具備する。
【0024】
送風ユニット10は、対象者Pに向かって空気を吐出する(送風する)ものである。送風ユニット10は、主として筐体11及び送風口12を具備する。
【0025】
図2に示す筐体11は、中空の箱状に形成される。筐体11の形状は特に限定するものではないが、省スペース化の観点から、前後及び左右の幅は極力小さく形成することが望ましい。また対象者Pの全体(例えば人の頭から脚まで)に空気を吹きつけることを考慮して、筐体11の上下幅(高さ)は一般的な人よりも大きくなるように形成することが望ましい。
【0026】
送風口12は、後述する送風機40から送られてくる空気を吐出する部分である。送風口12は、筐体11の一側面に形成される。送風口12は、筐体11の内部と外部とを連通するように設けられる。送風口12の形状は特に限定するものではないが、対象者Pの全体に空気を吹きつけることを考慮して、筐体11の上端部近傍から下端部近傍までに亘る縦長状に形成することが望ましい。
【0027】
図1に示すように、除塵システム1は、複数の送風ユニット10を具備する。送風ユニット10は、対象者Pが移動することが想定される経路(以下、「通行経路W」と称する)に沿って配置される。通行経路Wとしては、例えば建築物に出入りする対象者Pが通行する動線や、壁等によって区画された通路、廊下等が想定される。
【0028】
具体的には、送風ユニット10は、通行経路Wを挟んで両側にそれぞれ複数配置される。
図1では一例として、通行経路Wの両側にそれぞれ5台ずつ、計10台の送風ユニット10を配置した例を示している。送風ユニット10は、送風口12が通行経路Wを向くように(通行経路Wに向かって送風可能となるように)配置される。通行経路Wに沿って隣接する送風ユニット10の間には、適宜の間隔が設けられる。また本実施形態では、通行経路Wの両側に配置された送風ユニット10が、通行経路Wを挟んで互いに対向するように配置されている。
【0029】
なお、送風ユニット10同士の間隔は、後述するように通行経路Wを通行する対象者Pに対して断続的に風を送風することができる程度に設定される。すなわち、送風ユニット10同士の間隔が近すぎると、対象者Pに常に風が吹き付けられることになる(連続風になる)ため、ある程度の間隔を空ける必要がある。
【0030】
イオン発生ユニット20は、対象者Pに向かってイオンを含む空気を吐出するものである。イオン発生ユニット20は、主として筐体21、送風口22及びイオン発生部23を具備する。
【0031】
図2に示す筐体21は、中空の箱状に形成される。筐体21の形状は特に限定するものではないが、美観性の観点から、送風ユニット10の筐体11と類似の形状に形成されることが望ましい。本実施形態では、イオン発生ユニット20の筐体21は、送風ユニット10の筐体11と略同一の外形となるように形成されている。
【0032】
送風口22は、後述する送風機40から送られてくる空気を吐出する部分である。送風口22は、筐体21の一側面に形成される。送風口22は、筐体11の内部と外部とを連通するように設けられる。送風口22の形状は特に限定するものではないが、対象者Pの全体に空気を吹きつけることを考慮して、縦長状に形成することが望ましい。
【0033】
イオン発生部23は、イオン(正イオン及び負イオン)を発生するものである。イオン発生部23としては、コロナ放電により正イオン及び負イオンを発生させる構成を採用可能である。具体的には、イオン発生部23は、一対の電極に電圧を印加することで起こるコロナ放電により、空気中の分子(例えば水分子)を電気的に分解し、正イオン(水素イオン)及び負イオン(酸素イオン)を発生させる。
【0034】
イオン発生部23により発生させるイオンとしては、水素イオン及び酸素イオンに限られず、適宜の正イオン及び負イオンを採用可能である。また、イオンとしては、正イオン及び負イオンの周りに空気中の水分子を集合させたクラスターイオンも採用可能である。イオン発生部23は、送風口22から吐出される空気にイオンを含ませることができるように、筐体21の内部に設けられる。
【0035】
図1に示すように、除塵システム1は、複数のイオン発生ユニット20を具備する。イオン発生ユニット20は、送風ユニット10と共に並ぶように通行経路Wに沿って配置される。イオン発生ユニット20は、通行経路Wにおいて、送風ユニット10よりも上流側に配置される。
【0036】
イオン発生ユニット20は、通行経路Wを挟んで両側にそれぞれ配置される。
図1では一例として、通行経路Wの両側にそれぞれ1台ずつ、計2台のイオン発生ユニット20を配置した例を示している。イオン発生ユニット20は、送風口22が通行経路Wを向くように配置される。本実施形態では、通行経路Wの両側に配置されたイオン発生ユニット20が、通行経路Wを挟んで互いに対向するように配置されている。
【0037】
通過検知ユニット30は、対象者Pが通行経路Wの所定の位置を通過したことを検知するものである。通過検知ユニット30は、主として筐体31及びセンサ32を具備する。
【0038】
図2に示す筐体31は、中空の箱状に形成される。筐体31の形状は特に限定するものではないが、美観性の観点から、送風ユニット10の筐体11や、イオン発生ユニット20の筐体21と類似の形状に形成されることが望ましい。本実施形態では、通過検知ユニット30の筐体31は、送風ユニット10の筐体11等と略同一の外形となるように形成されている。
【0039】
センサ32は、対象者Pの存在を検知可能なものである。センサ32としては、例えば赤外線や超音波を用いて人を検知する方式のセンサを採用可能である。センサ32は、筐体31の内部に配置される。センサ32は、赤外線等を発生する発生部や、赤外線等を受信する受信部が、筐体31の外部に露出するように配置される。
【0040】
図1に示すように、除塵システム1は、複数の通過検知ユニット30を具備する。通過検知ユニット30は、送風ユニット10及びイオン発生ユニット20と共に並ぶように通行経路Wに沿って配置される。通過検知ユニット30は、通行経路Wにおいて、送風ユニット10及びイオン発生ユニット20よりも上流側に配置される。
【0041】
通過検知ユニット30は、通行経路Wを挟んで両側にそれぞれ配置される。
図1では一例として、通行経路Wの両側にそれぞれ1台ずつ、計2台の通過検知ユニット30を配置した例を示している。通過検知ユニット30は、センサ32が通行経路Wを挟んで対向するように配置される。
【0042】
例えば、一方の通過検知ユニット30から照射した赤外線が、他方の通過検知ユニット30で受信できているか否かを判定することで、2つの通過検知ユニット30の間を対象者Pが通過したか否か判定することができる。なお、この対象者Pの通過の有無の判定方法は一例であり、センサ32の方式等に応じて任意の方法で対象者Pの通過を検知することが可能である。
【0043】
図1及び
図2に示す送風機40は、送風ユニット10及びイオン発生ユニット20へと空気を送るものである。送風機40は、適宜のファンの動作により空気を送り出すことができる。送風機40から送り出される空気は、ダクト41を介して送風ユニット10及びイオン発生ユニット20へと送られる。送風機40は、後述する制御ユニット50内に配置される。
【0044】
図1に示すように、除塵システム1は、複数の送風機40を具備する。
図1では一例として、通行経路Wの両側にそれぞれ1台ずつ、計2台の送風機40を配置した例を示している。送風機40は、通行経路Wの同じ側に設置された送風ユニット10及びイオン発生ユニット20とダクト41で接続され、当該送風ユニット10等に空気を送ることができる。
【0045】
図1及び
図2に示す制御ユニット50は、各種の情報処理を行うことで、除塵システム1の各部の制御を行うものである。制御ユニット50は、筐体の内部にCPU等の演算処理装置や、RAMやROM、HDD等の記憶装置等が設けられて構成される。制御ユニット50の筐体には、送風機40が収容される。制御ユニット50は、イオン発生ユニット20、通過検知ユニット30及び送風機40と通信可能となるように接続される。
【0046】
図1に示すように、除塵システム1は、複数の制御ユニット50を具備する。
図1では一例として、通行経路Wの両側にそれぞれ1台ずつ、計2台の制御ユニット50を配置した例を示している。制御ユニット50は、通行経路Wの同じ側に設置されたイオン発生ユニット20及び送風機40を制御する。また2台の制御ユニット50は互いに連係して送風機40等の制御を行うことができる。
【0047】
以下では、
図1及び
図3を参照して、上述のように構成された除塵システム1を用いた除塵方法について説明する。なお、
図3では説明の便宜上、除塵システム1のうち送風ユニット10のみを図示し、その他の部材(イオン発生ユニット20等)の図示は省略している。
【0048】
通常、制御ユニット50は送風機40等を停止させている。この状態では、送風ユニット10及びイオン発生ユニット20から風が吹き出されることはない。
【0049】
対象者Pが通行経路Wに沿って通過検知ユニット30の間を通過すると、通過検知ユニット30がそれを検知する。通過検知ユニット30が対象者Pの通過を検知すると、制御ユニット50は送風機40及びイオン発生部23を作動させる。送風機40が作動することで、空気が送風ユニット10及びイオン発生ユニット20へと送られる。送風ユニット10へと送られた空気は、送風ユニット10の送風口12から通行経路Wに向かって送風される。またイオン発生ユニット20へと送られた空気は、イオン発生部23により発生されたイオンを含んだ状態で、イオン発生ユニット20の送風口22から通行経路Wに向かって送風される。
【0050】
通行経路Wに沿って移動する対象者Pは、次にイオン発生ユニット20の間を通過する。この際、イオン発生ユニット20からのイオンを含む風が対象者Pに吹き付けられる。これによって、対象者Pの衣服等の除電を行う(帯電した部分を電気的に中和させる)ことで静電気を除去し、送風ユニット10による除塵を行い易くすることができる。
【0051】
その後、対象者Pは、通行経路Wの両側に配置された複数の送風ユニット10の間を順に通過する。ここで、通行経路Wには、複数の送風ユニット10が適宜の間隔を空けて並べられている。このため、対象者Pが送風ユニット10の前を通過する際には、当該送風ユニット10から対象者Pに風が吹き付けられる(
図3に示す「ON」)。一方、対象者Pが送風ユニット10がない位置(隣接する送風ユニット10同士の間)を通行する際には、対象者Pに風が吹き付けられることがない(
図3に示す「OFF」)。
【0052】
このように、対象者Pが通行経路Wを通行することで、当該対象者Pに風が吹き付けられる状態と、風が吹き付けられない状態とが交互に発生する。すなわち、対象者Pに断続的な風(断続風)を吹き付けることができる。対象者Pに断続風を吹き付けることで、対象者Pに付着した粉塵を効率的に除去することができる。特に本実施形態では、通行経路Wを移動中の対象者Pに断続風を吹き付けることができるため、対象者Pが除塵のために立ち止まる必要がなく、対象者Pの時間の節約もできる。
【0053】
制御ユニット50は、対象者Pが全ての送風ユニット10を通過した後で、送風機40等を停止させることができる。なお、対象者Pが送風ユニット10を通過したことは、適宜のセンサ(不図示)で検出することが可能である。また、送風機40の作動(通過検知ユニット30による対象者Pの検知)から所定時間経過した時点で対象者Pが送風ユニット10を通過したとみなし、送風機40等を停止させることも可能である。
【0054】
なお、
図1では通行経路Wが直線状である例を示しているが、例えば
図4に示すように、通行経路Wが屈曲している場合であっても、本除塵システム1を適用することが可能である。この場合、
図4に示すように、屈曲した通行経路Wに沿って送風ユニット10が並べられる。このように本実施形態では、複数の送風ユニット10が互いに独立している(別体で形成されている)ため、通行経路Wの形状に応じて送風ユニット10を並べることができる。すなわち、通行経路Wの形状に関わらず、対象者Pの除塵を行うことができる。
【0055】
以上の如く、本実施形態に係る除塵システム1は、
対象(対象者P)の通行経路Wに沿って並ぶように配置可能であり、前記通行経路Wに向かって送風可能な複数の送風ユニット10を具備するものである。
このように構成することにより、粉塵の除去率を高めることができる。すなわち、通行経路Wを通行する対象者Pに対して、複数の送風ユニット10から送風することで、対象者Pに断続的に風を吹きつけることができる。これによって、粉塵を効果的に除去することができる。また本除塵システム1では、断続風を生成するための送風機40や送風ユニット10の複雑な制御が不要であるため、除塵システム1のコストの削減を図ることができる。
【0056】
また、複数の前記送風ユニット10は、前記通行経路Wに沿って互いに所定の間隔を空けて配置されることにより、前記通行経路Wを通行する前記対象に対して断続的に風を吹き付けることが可能なものである。
このように構成することにより、簡素な構成で強弱の比較的大きな断続風を生成することができる。すなわち、複数の送風ユニット10を互いに間隔を空けて配置することで、送風ユニット10の正面(送風口12と対向する位置)と、送風ユニット10の正面以外(送風口12と対向しない位置)とで、対象者Pに吹き付けられる風に比較的大きな強弱を付けることができる。これによって粉塵をより効果的に除去することができる。
【0057】
また、複数の前記送風ユニット10は、互いに別体で形成されるものである。
このように構成することにより、除塵システム1の汎用性を高めることができる。すなわち、送風ユニット10を個別に任意の位置及び向きに配置することができるため、通行経路Wの形状に応じて送風ユニット10を配置することができる。
【0058】
また、除塵システム1は、
除電可能なイオンを発生させるイオン発生ユニット20をさらに具備するものである。
このように構成することにより、粉塵の除去率を高めることができる。
【0059】
また、複数の前記送風ユニット10は、前記通行経路Wの両側にそれぞれ配置されるものである。
このように構成することにより、粉塵の除去率を高めることができる。すなわち、対象者Pに両側から風を吹き付けることができるため、対象者Pに付着した粉塵をムラなく除去することができる。
【0060】
また、前記通行経路Wの両側に配置された複数の前記送風ユニット10は、前記通行経路Wを挟んで互いに対向するように配置されるものである。
このように構成することにより、粉塵の除去率を高めることができる。
【0061】
また、除塵システム1は、
少なくとも2以上の前記送風ユニット10に対して一括して空気を送る送風機40をさらに具備するものである。
このように構成することにより、構成の簡素化を図ることができる。すなわち、各送風ユニット10に対して個別に送風機40を設ける必要がないため、コストや設置スペースの削減を図ることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0063】
例えば、上記実施形態で示した各部材(送風ユニット10、イオン発生ユニット20等)の形状、個数、配置等は一例であり、任意に変更することが可能である。例えば、送風ユニット10を、対象者Pが内側を通行可能な門型に形成することも可能である。また、イオン発生ユニット20を設けず、送風ユニット10からの送風のみで除塵を行うことも可能である。また、複数のユニット(送風ユニット10、イオン発生ユニット20等)を、1つの筐体に収容して配置したり、通路の壁内に組み込む構成とすることも可能である。
【0064】
また、上記実施形態では、イオン発生ユニット20及び通過検知ユニット30を通行経路Wに沿う方向の一方側(送風ユニット10より上流側)に配置した例(
図1参照)を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば、イオン発生ユニット20及び通過検知ユニット30を、通行経路Wに沿う方向の他方側(送風ユニット10より下流側)にも配置してもよい。これによって、
図1に示した方向とは反対の方向に通行経路Wを通行する対象者Pに対しても、除塵を行うことが可能となる。
【0065】
また、上記実施形態では、隣接する送風ユニット10の間に適宜の間隔を設けた例を示したが、本発明はこれに限るものではない。例えば隣接する送風ユニット10同士を、間隔を空けることなく配置することも可能である。この場合、例えば隣接する送風ユニット10から吹き出される空気の風速に差を設けることで、対象者Pに断続風を吹き付けることができる。
【符号の説明】
【0066】
1 除塵システム
10 送風ユニット
20 イオン発生ユニット
30 通過検知ユニット
40 送風機
50 制御ユニット