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  • 特開-スポット溶接部の検査方法 図1
  • 特開-スポット溶接部の検査方法 図2
  • 特開-スポット溶接部の検査方法 図3
  • 特開-スポット溶接部の検査方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146170
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】スポット溶接部の検査方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 11/25 20060101AFI20231004BHJP
   B23K 11/11 20060101ALI20231004BHJP
   B23K 31/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B23K11/25 513
B23K11/11 540
B23K31/00 K
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053225
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100155457
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】西堀 篤史
(72)【発明者】
【氏名】大島 勇樹
【テーマコード(参考)】
4E165
【Fターム(参考)】
4E165AB02
4E165AC01
4E165BA01
4E165BB02
4E165BB12
4E165BB22
(57)【要約】
【課題】スポット溶接部の良否を簡便にかつ比較的正確に検査することを可能とする。
【解決手段】溶接対象物20を構成する金属板21,22同士の接触部C1に形成されるスポット溶接部としてのナゲットMの良否を検査する検査方法であって、スポット溶接部の形成中には、溶接対象物20を加圧している一対の電極4,5を保持した電極保持部材3に生じる歪量を計測し、この歪量に基づいてスポット溶接部(ナゲットM)の良否を検査する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の金属板を重ね合わせた溶接対象物を挟んで対向配置した一対の電極で前記溶接対象物を加圧しつつ前記一対の電極間に通電することにより前記金属板同士の接触部に形成されるスポット溶接部の良否を検査するスポット溶接部の検査方法において、
前記スポット溶接部の形成中に前記一対の電極を保持した電極保持部材に生じる歪量を計測し、この歪量に基づいて前記スポット溶接部の良否を検査することを特徴とするスポット溶接部の検査方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポット溶接部の検査方法に関する。
【背景技術】
【0002】
抵抗溶接の一種であるスポット溶接は、複数の金属板を重ね合わせた溶接対象物を挟んで加圧している正負一対の電極間に通電し、金属板同士の接触部にナゲットとも称されるスポット溶接部を形成することにより、金属板同士を接合する方法である。このスポット溶接は、金属板同士を迅速にかつ強固に接合可能であることから、例えば自動車の車体や外板パネルを製造する際に重用されている。但し、スポット溶接部が要求品質を満足していなければ、車体等の強度や耐久性、ひいては自動車の走行性能等に悪影響が及ぶ。このため、スポット溶接部の形成中、あるいは形成後には、スポット溶接部の品質(良否)が検査される。
【0003】
スポット溶接部の検査方法としては、例えば、互いに溶接された金属板間に差し込んだタガネによりスポット溶接部が剥離するか否かを確認するタガネ検査や、スポット溶接部を切断して切断面の金属組織を観察等する破壊検査等、実際に形成されたスポット溶接部の良否を検査するものがある。このような検査方法は、スポット溶接部の良否を正確に検査できるという利点がある反面、検査に多大な手間と時間を要する。また、タガネ検査によってスポット溶接部が破壊された場合や、上記破壊検査を実施した場合は、検査対象物を製品として利用することができないため、製品歩留を低下させることになる。そこで、例えば、下記の特許文献1に開示されているような超音波を利用する検査方法が提案されている。
【0004】
特許文献1に記載の検査方法は、スポット溶接部の外側の複数位置からスポット溶接部を通過するように金属板を伝搬する超音波信号を送波すると共に、この超音波信号をスポット溶接部の外側の複数の受波位置において受波し、受波位置で受波された超音波信号の伝搬時間に基づいてスポット溶接部の良否を判定するというものである。この方法によれば、スポット溶接部を破壊することなくスポット溶接部の良否を検査することができ、しかも、スポット溶接時に形成される熱影響部(金属板の金属組織が元の金属組織から変化した部分)の影響を受けることなくスポット溶接部の良否を正確に検査することができる、としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012-93307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の検査方法を実施するには、超音波信号を送波する送波手段、及び送波手段から送波された超音波信号を受波する受波手段をスポット溶接部を挟んで対向配置する必要がある。そのため、検査(検査準備)に要する手間を十分に減じることが出来ず、また、検査頻度を高める(検査個数を増加させる)ことも難しい。従って、特許文献1に記載の検査方法は、タガネ検査や破壊検査と同様に、抜き取り検査として少数実施できるに留まると考えられる。
【0007】
そこで、本発明は、検査に要する種々の手間を減じて簡便に実施できるものでありながら、スポット溶接部の良否を比較的正確に検査することができる検査方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、複数の金属板を重ね合わせた溶接対象物に金属板同士を接合するスポット溶接部(ナゲット)を形成すべく、溶接対象物を挟んで対向配置された一対の電極を相対的に接近移動させつつ両電極間に通電すると、溶接対象物に付与される加圧力等に起因する力(以下、便宜上、この力を「二次加圧力」とも言う。)が一対の電極を保持している電極保持部材に作用し、その結果、電極保持部材に歪が生じること、さらには、スポット溶接部としてのナゲットが成長するのに伴い、電極保持部材に生じる歪量が所定の変化態様を示すことを見出した。そこで、スポット溶接中に電極保持部材に生じる歪量を計測・観察すれば、それだけでもスポット溶接部の大きさ(ナゲット径)を推測し、スポット溶接部の良否を比較的正確に検査できることを見出し、本発明を創案するに至った。
【0009】
上記の知見に基づいて創案された本発明は、複数の金属板を重ね合わせた溶接対象物を挟んで対向配置した一対の電極で溶接対象物を加圧しつつ上記一対の電極間に通電することにより金属板同士の接触部に形成されるスポット溶接部の良否を検査するスポット溶接部の検査方法において、スポット溶接部の形成中に上記一対の電極を保持した電極保持部材に生じる歪量を計測し、この歪量に基づいてスポット溶接部の良否を検査することを特徴とする。
【0010】
金属板同士の接触部をスポット溶接する際に、一対の電極を保持した電極保持部材に生じる歪量を計測すれば、前述したとおり、スポット溶接部の大きさ(ナゲット径)を推測し、スポット溶接部の良否を比較的正確に検査することができる。そして、係る方法では、形成されたスポット溶接部を破壊等する必要がなく、また、一対の電極を保持した電極保持部材に、この電極保持部材に生じる歪量を計測する歪センサ等の歪量計測手段を取り付けておくだけでスポット溶接部の良否を検査することができるので、検査に要する種々の手間を減じて簡便に検査することができる。さらに、本発明に係る検査方法であれば、スポット溶接部の形成中(スポット溶接部が形成される毎)にスポット溶接部の良否を検査することができるので、検査頻度を高めること、ひいては全数検査を実施することも可能となる。
【発明の効果】
【0011】
以上より、本発明に係るスポット溶接部の検査方法によれば、検査に要する種々の手間を減じつつ、スポット溶接部の良否を比較的正確に検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】スポット溶接装置の部分概略図である。
図2】重ね合わせた二枚の金属板をスポット溶接している様子を示す概略断面図であり、(a)図は溶接開始時の概略断面図、(b)図は溶接開始後所定時間経過した段階の概略断面図、(c)図は(b)図の段階からさらに所定時間経過した段階の概略断面図である。
図3】新品の電極を用いたスポット溶接時に電極保持部材に生じた歪量の推移等を示す図である。
図4】先端部が所定量摩耗した電極を用いたスポット溶接時に電極保持部材に生じた歪量の推移等を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0014】
図1は、スポット溶接装置1、より詳細には、本発明に係るスポット溶接部の検査方法を実施することができるスポット溶接装置1の部分概略図である。同図に示すスポット溶接装置1は、例えば、図2に示す複数(二枚)の金属板21,22を重ね合わせた溶接対象物20をスポット溶接する際に使用されるものであり、例えば、図示しないフレームに固定された状態、あるいは三次元移動可能なロボットアームの先端に取り付けられた状態で使用される溶接ガン2と、制御装置8とを備える。なお、以下、説明の便宜上「上側」や「下側」との語句を使用するが、これらは単に図1及び図2の「紙面上側」及び「紙面下側」を意図したものであり、溶接中における溶接ガン2の姿勢等を限定する趣旨ではない。
【0015】
溶接ガン2は、一対の電極4,5と、電極保持部材3と、加圧機構6と、トランス7と、歪量計測手段としての歪センサ11とを備える。
【0016】
一対の電極4,5は、両者の先端部が互いに対向するように同軸配置(図示例では上下に並べて同軸配置)された状態で、導電性を有する金属材料で略C字形状に形成された電極保持部材3の一端及び他端にそれぞれ保持されている。一対の電極4,5は、冷却液が流通可能な内部構造を有し、溶接対象物20の溶接中には内部を流通する冷却液により常時冷却される。
【0017】
歪センサ11は、電極保持部材3に取り付けられており、図示例では、電極保持部材3のうち、電極4,5の軸線と平行に配置された部分3aの長手方向中央部付近に取り付けられている。なお、歪センサ11は、スポット溶接部の良否を検査する際に使用する。検査方法の詳細は後段で詳述する。
【0018】
加圧機構6は、一対の電極4,5のうちの一方(上側に配置された電極4)を昇降移動させることにより、一対の電極4,5間に配置される溶接対象物20に板厚方向の加圧力を付与する。電極4は、この加圧機構6を介して電極保持部材3の一端に保持されている。加圧機構6としては、電極4の昇降移動量、すなわち溶接対象物20に付与すべき加圧力を精密に調整できるもの、例えば、サーボモータを駆動源とした直動アクチュエータが好ましく用いられる。
【0019】
トランス7は、図示しない電源と電気的に接続されており、一対の電極4,5間に溶接用の高電流を発生させる。一対の電極4,5は、それぞれ、銅や銅合金で形成されたシャントとも称される導電部材や電極保持部材3などを介してトランス8の正極端子(又は負極端子)及び負極端子(又は正極端子)と電気的に接続されている。
【0020】
制御装置8は、第1制御部9と、第2制御部10とを備える。第1制御部9は、加圧機構6を構成するサーボモータと電気的に接続されており、溶接対象物20を構成する金属板の板厚等に応じて予め決定付けられた所定の加圧パターンに従ってサーボモータの動作を制御する。第2制御部10は、トランス7と電気的に接続されており、溶接対象物20を構成する金属板の板厚や材質等に応じて予め決定付けられた所定の通電パターンに従って、電極4,5間に流す溶接電流量等を制御する。
【0021】
以上の構成を有するスポット溶接装置1を用いた場合、例えば以下のようにして、重ね合わされた二枚の金属板21,22同士の接触部に両者を接合したスポット溶接部としてのナゲットが形成される。
【0022】
まず、図2(a)に示すように、重ね合わされた二枚の金属板21,22からなる溶接対象物20を横姿勢(平置き姿勢)で電極4,5間に配置する。そして、制御装置8の第1制御部9から出力された動作指令に基づき、溶接ガン2の加圧機構6(を構成するサーボモータ)が駆動されると、溶接対象物20は、一対の電極4,5により上下両側から板厚方向に挟持される。溶接対象物20が挟持された後には、第1制御部9に予め保存されていた加圧パターンと、第2制御部10に予め保存されていた通電パターンとに従って、溶接対象物20に付与する加圧力と、両電極4,5間に流す溶接電流量とを変化させながら溶接対象物20の溶接が行われる。
【0023】
電極4,5間に通電されると、金属板21,22同士の接触部C1で発熱が生じ、当該接触部C1にスポット溶接部としてのナゲット(金属板21,22の構成金属が溶融して混ざり合い、その後硬化したもの)Mが形成される。ナゲットMは、まず、金属板21,22同士の接触部C1のうち、電極4,5と溶接対象物20との接触部(電極4と金属板21との接触部C2、及び電極5と金属板22との接触部C3)の範囲内に形成され[図2(b)参照]、以降、電極4,5の径方向外側に拡大するようにして成長する。そして、図2(c)に示すように、ナゲットMの直径寸法(ナゲット径)d2が、上記接触部C2,C3の直径寸法(接触部C2,C3における電極と金属板の接触面積)よりも大きくなるまでナゲットMが成長すると、溶接対象物20への加圧力付与、及び両電極4,5間への通電が停止される。これにより、二枚の金属板21,22同士を所定の接合強度で接合してなるナゲットMが形成される。
【0024】
以下、本発明に係るスポット溶接部(ナゲットM)の検査方法について説明する。この検査は、金属板21,22同士を接合したスポット溶接部の良否、具体的には、ナゲットMが所定寸法以上に成長しているか否か、すなわちナゲット径d2が所定寸法以上になっているか否かを検査・確認するためのものであり、端的に述べると、電極保持部材3に取り付けた歪センサ11の計測値に基づいて行われる。
【0025】
歪センサ11は、溶接対象物20を構成する金属板21,22同士の接触部C1にスポット溶接部としてのナゲットMを形成するときに、電極保持部材3に生じる歪(歪量)を計測するために取り付けたものである。これは、上記接触部C1にナゲットMを形成すべく、一対の電極4,5で溶接対象物20を金属板21,22の板厚方向に加圧しつつ両電極4,5間に通電すると、
(1)溶接対象物20に付与される加圧力等に起因する力(二次加圧力)が両電極4,5を保持している電極保持部材3に作用し、その結果、電極保持部材3に歪が生じること、さらには、
(2)ナゲットMが成長するのに伴い、電極保持部材3に作用する二次加圧力(電極保持部材3に生じる歪量)が所定の変化態様を示すこと、
を本発明者らが見出したためである。このような知見を獲得するに至った理由を図3及び図4を参照しながら以下説明する。因みに、図3は、新品の電極4,5を用いたスポット溶接時に電極保持部材3に生じた歪量の計測結果(推移)、及びナゲット径の計測結果を併せて示す図であり、図4は、スポット溶接に何度か使用した結果、摩耗した電極4,5を用いたスポット溶接時に電極保持部材3に生じた歪量の計測結果(推移)、及びナゲット径の計測結果を併せて示す図である。
【0026】
図3及び図4に示すとおり、スポット溶接時に電極保持部材3に生じる歪量の計測結果(推移)を示す線図は、何れも、一つのピーク部(分岐点)を有する山型形状を呈する。つまり、スポット溶接に使用する電極4,5が摩耗しているか否かに関わらず、スポット溶接時に電極保持部材3に生じる歪量は、スポット溶接の開始(電極4,5間への通電開始)後、所定時間経過するまでは徐々に増加し、その後、通電終了まで徐々に減少することがわかる。また、新品の電極4,5を用いた場合は、摩耗した電極4,5を用いる場合に比べ、ナゲットMが成長するタイミングが早いこともわかる。
【0027】
図3及び図4の何れにおいても、ナゲットMがある程度の大きさまで成長したときに電極保持部材3の歪量が概ねピークを迎え、ピークを超えた後は、ナゲットMがさらに成長しても電極保持部材3の歪量は徐々に減少していることから、ナゲットMの大きさ(ナゲット径d2)が電極保持部材3の歪量の変化態様に影響を及ぼしていると考えられる。その理由は、電極保持部材3に歪を生じさせる原因となる上記の二次加圧力が、主に、上記接触部C1で金属板21,22の構成金属が溶融して熱膨張することにより生じる反力であると考えられるからである。
【0028】
つまり、スポット溶接の初期段階では、ナゲットMが電極4,5と溶接対象物20との接触部C2,C3の範囲内で成長するので、上記熱膨張により生じる反力が電極4,5にそのまま加わり、両電極4,5を保持した電極保持部材3に生じる歪量も徐々に増加する。これに対し、ナゲットMが成長してナゲット径d2が上記接触部C2,C3の直径寸法d1を上回ると、金属板21,22間にすべりが生じて電極4,5が軸方向に相対移動し、電極4,5に加わっていた反力(の一部)が逃げる。その結果、両電極4,5を保持した電極保持部材3に生じる歪量が徐々に減少する。
【0029】
従って、歪センサ11で計測した電極保持部材3の歪量(の推移)を示す線図が、図3及び図4に示すように、一つのピーク部(分岐点)を有する山型形状をなすことを確認できれば、金属板21,22同士の接触部C1に、所定のナゲット径d2、ひいては接合強度を有するナゲットMが形成されていると推測することができる。
【0030】
以上から、金属板21,22同士の接触部C1をスポット溶接する際に、一対の電極4,5を保持した電極保持部材3に生じる歪量を計測すれば、スポット溶接部としてのナゲットMの直径寸法(ナゲット径)d2を推測し、スポット溶接部の良否を比較的正確に検査することができる。そして、係る方法では、金属板21,22同士の接触部C1に形成されたナゲットMを破壊等する必要がなく、また、両電極4,5を保持した電極保持部材3に、この電極保持部材3に生じる歪量を計測する歪センサ11を取り付けておくだけでスポット溶接部の良否を検査することが可能となるので、検査に要する種々の手間を減じて簡便に検査することができる。さらに、本発明に係る検査方法であれば、スポット溶接部の形成中(スポット溶接部が形成される毎)にスポット溶接部の良否を検査することができるので、検査頻度を高めること、ひいては全数検査を実施することも可能となる。
【0031】
以上、本発明の一実施形態について説明を行ったが、本発明は、以上で説明した実施形態に限定適用されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことができる。
【0032】
例えば、以上で説明した実施形態においては、電極保持部材3のうち、両電極5,6の軸心と平行な部分3aの中央部に歪センサ11を取り付けたが、歪センサ11の取り付け位置は任意に変更することができ、例えば、下側の電極5又は上側の電極4の近傍位置に歪センサ11を取り付けても構わない。但し、本発明者らの検証によれば、スポット溶接中に電極保持部材3に生じる歪の量は、上記の中央部で最も大きくなる。そのため、電極保持部材3に対する歪センサ11の取り付け位置は、図1に示す位置とするのが最も好ましい。
【符号の説明】
【0033】
1 スポット溶接装置
3 電極保持部材
4,5 電極
6 加圧機構
7 トランス
11 歪センサ
20 溶接対象物
21,22 金属板
d2 ナゲット径
C1 金属板同士の接触部
C2,C3 電極と金属板の接触部
M ナゲット(スポット溶接部)
図1
図2
図3
図4