(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146171
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231004BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20231004BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053226
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】丸山 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】矢ヶ崎 啓介
(72)【発明者】
【氏名】市川 友己
(72)【発明者】
【氏名】沖宗 亮介
(72)【発明者】
【氏名】西尾 新一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L049CC42
(57)【要約】
【課題】電気自動車を用いた複数のサービスを同時に提供することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】電気自動車に搭載された制御装置に通信可能に接続された情報処理装置10は、ユーザ端末から、電気自動車を用いたサービスに関する要求情報を受信して、記憶部に保存する要求受信部であって、サービスは、電気自動車の蓄電池を充電する充電サービス及び電気自動車の蓄電池から外部機器に電力を供給する給電サービスの少なくとも一方を含む基本サービスと、基本サービスの提供中に、電気自動車を用いて受けることができる付加サービスと、を含む、要求受信部114と、要求情報に基づいて、電気自動車のスケジュールを生成するスケジュール生成部115と、制御装置に、スケジュール生成部が生成したスケジュールを出力する出力部116とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車に搭載された制御装置に通信可能に接続された情報処理装置であって、
ユーザ端末から、電気自動車を用いたサービスに関する要求情報を受信して、記憶部に保存する要求受信部であって、前記サービスは、電気自動車の蓄電池を充電する充電サービス及び電気自動車の蓄電池から外部機器に電力を供給する給電サービスの少なくとも一方を含む基本サービスと、前記基本サービスの提供中に、前記電気自動車を用いて受けることができる付加サービスと、を含む、要求受信部と、
前記要求情報に基づいて、電気自動車のスケジュールを生成するスケジュール生成部と、
前記制御装置に、前記スケジュール生成部が生成したスケジュールを出力する出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記基本サービスは、人を輸送する人流サービスをさらに含む、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記スケジュール生成部がスケジュールを生成した後にユーザ端末から受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在するか否か判定する追加要求受信部であって、対応可能な電気自動車が存在する場合、前記対応可能な電気自動車のスケジュールに前記受信した要求情報を含めるよう、前記スケジュール生成部に指示する追加要求受信部
をさらに備え、
前記スケジュール生成部は、前記追加要求受信部の指示に基づいて前記対応可能な電気自動車のスケジュールを更新し、
前記出力部は、前記更新されたスケジュールを前記対応可能な電気自動車の制御装置に出力する、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
制御装置から故障情報を受信して、前記制御装置を備える電気自動車のスケジュールのうち、未対応のスケジュールを代行する電気自動車を決定する故障情報受信部であって、前記代行する電気自動車のスケジュールに前記未対応のスケジュールを含めるよう、前記スケジュール生成部に指示する故障情報受信部
をさらに備え、
前記スケジュール生成部は、前記故障情報受信部の指示に基づいて前記代行する電気自動車のスケジュールを更新し、
前記出力部は、前記更新されたスケジュールを前記代行する電気自動車の制御装置に出力する、
請求項1~3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
制御装置から充電要求を受信して、前記制御装置を備える電気自動車の給電に向かう電気自動車を決定する充電要求受信部であって、前記給電に向かう電気自動車のスケジュールに、前記制御装置を備える電気自動車へ給電を行うスケジュールを含めるよう、前記スケジュール生成部に指示する充電要求受信部
をさらに備え、
前記スケジュール生成部は、前記充電要求受信部の指示に基づいて前記給電に向かう電気自動車のスケジュールを更新し、
前記出力部は、前記更新されたスケジュールを前記給電に向かう電気自動車の制御装置に出力する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
外部サーバから気象情報及び/又は災害情報を取得して前記記憶部に保存する情報取得部
をさらに備え、
前記スケジュール生成部は、前記気象情報及び/又は災害情報を参照してスケジュールを生成する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記基本サービスは、物を輸送する物流サービスをさらに含み、
前記記憶部は、電気自動車が走行する地図上の複数のエリアと、エリア毎の受渡拠点に関する情報とをさらに記憶し、
前記要求受信部は、前記要求情報がエリアをまたぐ物流サービスを示す場合、前記要求情報を1又は複数の受渡拠点を経由する複数の要求情報に分割し、分割した要求情報を前記記憶部に保存する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記要求情報は、前記サービスを受ける時間に関する情報を含み、前記時間に関する情報は、ユーザの優先度に応じて設定可能である、
請求項1~7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
電気自動車に搭載された制御装置に通信可能に接続された情報処理装置によって実行される方法であって、
ユーザ端末から、電気自動車を用いたサービスに関する要求情報を受信して、記憶部に保存するステップであって、前記サービスは、電気自動車の蓄電池を充電する充電サービス及び電気自動車の蓄電池から外部機器に電力を供給する給電サービスの少なくとも一方を含む基本サービスと、前記基本サービスの提供中に、前記電気自動車を用いて受けることができる付加サービスと、を含む、ステップと、
前記要求情報に基づいて、電気自動車のスケジュールを生成するステップと、
前記制御装置に、前記生成したスケジュールを出力するステップと
を含む方法。
【請求項10】
電気自動車に搭載された制御装置に通信可能に接続されたコンピュータに、
ユーザ端末から、電気自動車を用いたサービスに関する要求情報を受信して、記憶部に保存する処理であって、前記サービスは、電気自動車の蓄電池を充電する充電サービス及び電気自動車の蓄電池から外部機器に電力を供給する給電サービスの少なくとも一方を含む基本サービスと、前記基本サービスの提供中に、前記電気自動車を用いて受けることができる付加サービスと、を含む、処理と、
前記要求情報に基づいて、電気自動車のスケジュールを生成する処理と、
前記制御装置に、前記生成したスケジュールを出力する処理と
を実行させるプログラム。
【請求項11】
電気自動車に搭載された制御装置であって、
サーバ装置からスケジュールを受信するスケジュール受信部であって、前記スケジュールには前記電気自動車を用いたサービスに関する複数の要求情報が含まれ、前記サービスは、電気自動車の蓄電池を充電する充電サービス及び電気自動車の蓄電池から外部機器に電力を供給する給電サービスの少なくとも一方を含む基本サービスと、前記基本サービスの提供中に、前記電気自動車を用いて受けることができる付加サービスと、を含む、スケジュール受信部と、
前記受信したスケジュールに従って自律モードで前記電気自動車を走行させるように制御する自動運転制御部と
を備える制御装置。
【請求項12】
前記電気自動車の故障に関する情報を前記サーバ装置に送信する故障情報送信部
をさらに備え、
前記サーバ装置は、当該制御装置を備える電気自動車のスケジュールのうち、未対応のスケジュールを代行する電気自動車を決定し、前記代行する電気自動車のスケジュールを更新し、前記更新したスケジュールを前記代行する電気自動車の制御装置に出力するように構成されている、
請求項11に記載の制御装置。
【請求項13】
前記サーバ装置に充電要求を送信する充電要求送信部
をさらに備え、
前記サーバ装置は、当該制御装置を備える電気自動車の給電に向かう電気自動車を決定し、前記給電に向かう電気自動車のスケジュールを更新し、前記更新したスケジュールを前記給電に向かう電気自動車に出力するようにさらに構成されている、
請求項11又は12に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脱炭素社会の実現に向けて再生可能エネルギーの導入が加速している。電気自動車は、走行時のCO2排出量を削減するだけでなく、電気自動車による電力輸送により再生エネルギーの利用促進を図る手段として、更なる普及が期待されている。
【0003】
また、自動車を単なる移動手段として活用するだけでなく、自動車と他のサービスとを掛け合わせて活用することで、都市全体の利便性を向上させていく取り組みが模索されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、複数の種類のサービスを提供可能な車両における、各サービスを効率良く提供可能なスケジュールを生成するための車両管理装置が開示されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の車両管理装置では、異なるサービスを提供する際に、その都度、サービス内容に応じた機能ボディを付け替える必要があり、結果として、各サービスは異なる時間帯に提供せざるを得ない。
【0007】
そこで、本発明は、電気自動車を用いた複数のサービスを同時に提供することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る、電気自動車に搭載された制御装置に通信可能に接続された情報処理装置は、ユーザ端末から、電気自動車を用いたサービスに関する要求情報を受信して、記憶部に保存する要求受信部であって、サービスは、電気自動車の蓄電池を充電する充電サービス及び電気自動車の蓄電池から外部機器に電力を供給する給電サービスの少なくとも一方を含む基本サービスと、基本サービスの提供中に、電気自動車を用いて受けることができる付加サービスと、を含む、要求受信部と、要求情報に基づいて、電気自動車のスケジュールを生成するスケジュール生成部と、制御装置に、スケジュール生成部が生成したスケジュールを出力する出力部とを備える。
【0009】
この態様によれば、情報処理装置は、例えば給電サービスを利用するユーザにその待ち時間の間、カラオケサービスを提供する等、複数のサービスを同時に提供することができる。電力サービスを提供可能な電気自動車に、更なる付加サービスの機能を備えることで、電気自動車という資源を最大限に活用してユーザにサービスを提供することができる。
【0010】
上記情報処理装置において、基本サービスは、人を輸送する人流サービスをさらに含んでもよい。この態様によれば、情報処理装置は、例えば人流サービスを利用するユーザにその移動中に車内で理髪サービスや買い物サービスを提供する等、電気自動車を移動手段として利用するユーザに、その移動時間を活用して更なる付加サービスを提供することができる。
【0011】
上記情報処理装置は、スケジュール生成部がスケジュールを生成した後にユーザ端末から受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在するか否か判定する追加要求受信部であって、対応可能な電気自動車が存在する場合、対応可能な電気自動車のスケジュールに受信した要求情報を含めるよう、スケジュール生成部に指示する追加要求受信部をさらに備え、スケジュール生成部は、追加要求受信部の指示に基づいて対応可能な電気自動車のスケジュールを更新し、出力部は、更新されたスケジュールを対応可能な電気自動車の制御装置に出力してもよい。
【0012】
この態様によれば、情報処理装置は、スケジュール生成部がスケジュールを生成した後にユーザ端末から受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在するか否か判定する追加要求受信部を備えることで、一度スケジュールを生成した後でも、電気自動車の空き時間を活用して更なるサービスを提供することができる。
【0013】
上記情報処理装置は、制御装置から故障情報を受信して、制御装置を備える電気自動車のスケジュールのうち、未対応のスケジュールを代行する電気自動車を決定する故障情報受信部であって、代行する電気自動車のスケジュールに未対応のスケジュールを含めるよう、スケジュール生成部に指示する故障情報受信部をさらに備え、スケジュール生成部は、故障情報受信部の指示に基づいて代行する電気自動車のスケジュールを更新し、出力部は、更新されたスケジュールを代行する電気自動車の制御装置に出力してもよい。
【0014】
この態様によれば、情報処理装置は、電気自動車が故障してしまった場合にも、故障車の未対応のスケジュールを代行する電気自動車を決定することができるので、ユーザは安心してサービスの提供を受けることができる。
【0015】
上記情報処理装置は、制御装置から充電要求を受信して、制御装置を備える電気自動車の給電に向かう電気自動車を決定する充電要求受信部であって、給電に向かう電気自動車のスケジュールに、制御装置を備える電気自動車へ給電を行うスケジュールを含めるよう、スケジュール生成部に指示する充電要求受信部をさらに備え、スケジュール生成部は、充電要求受信部の指示に基づいて給電に向かう電気自動車のスケジュールを更新し、出力部は、更新されたスケジュールを給電に向かう電気自動車の制御装置に出力してもよい。
【0016】
この態様によれば、情報処理装置は、電気自動車から充電要求があった場合に、給電に向かう電気自動車を決定することができるので、例えば予期せぬ渋滞等で電気自動車の蓄電池残量が予想以上に低下してしまった場合にも対処することができる。
【0017】
上記情報処理装置は、外部サーバから気象情報及び/又は災害情報を取得して記憶部に保存する情報取得部をさらに備え、スケジュール生成部は、気象情報及び/又は災害情報を参照してスケジュールを生成してもよい。この態様によれば、情報処理装置は、気象情報や災害情報を取得して活用することにより、実効性の高いスケジュールを生成することができる。
【0018】
上記情報処理装置において、基本サービスは、物を輸送する物流サービスをさらに含み、記憶部は、電気自動車が走行する地図上の複数のエリアと、エリア毎の受渡拠点に関する情報とをさらに記憶し、要求受信部は、要求情報がエリアをまたぐ物流サービスを示す場合、要求情報を1又は複数の受渡拠点を経由する複数の要求情報に分割し、分割した要求情報を記憶部に保存してもよい。
【0019】
この態様によれば、情報処理装置は、事前設定したエリアをまたぐ物流サービスが要求された場合、エリア毎に設置した受渡拠点を経由する複数の要求に分割する構成を備えることで、エリア内に配備した電気自動車の構成を大きく変えることなく、安定して各地でサービスを提供することができる。
【0020】
上記情報処理装置において、要求情報は、サービスを受ける時間に関する情報を含み、時間に関する情報は、ユーザの優先度に応じて設定可能であってよい。この態様によれば、情報処理装置は、要求情報においてユーザの優先度に応じた時間の設定を可能とすることで、より多くの要求を効率よくスケジューリングすることができる。
【0021】
本開示の他の態様に係る、電気自動車に搭載された制御装置に通信可能に接続された情報処理装置によって実行される方法は、ユーザ端末から、電気自動車を用いたサービスに関する要求情報を受信して、記憶部に保存するステップであって、サービスは、電気自動車の蓄電池を充電する充電サービス及び電気自動車の蓄電池から外部機器に電力を供給する給電サービスの少なくとも一方を含む基本サービスと、基本サービスの提供中に、電気自動車を用いて受けることができる付加サービスと、を含む、ステップと、要求情報に基づいて、電気自動車のスケジュールを生成するステップと、制御装置に、生成したスケジュールを出力するステップとを含む。
【0022】
本開示の他の態様に係るプログラムは、電気自動車に搭載された制御装置に通信可能に接続されたコンピュータに、ユーザ端末から、電気自動車を用いたサービスに関する要求情報を受信して、記憶部に保存する処理であって、サービスは、電気自動車の蓄電池を充電する充電サービス及び電気自動車の蓄電池から外部機器に電力を供給する給電サービスの少なくとも一方を含む基本サービスと、基本サービスの提供中に、電気自動車を用いて受けることができる付加サービスと、を含む、処理と、要求情報に基づいて、電気自動車のスケジュールを生成する処理と、制御装置に、生成したスケジュールを出力する処理とを実行させる。
【0023】
本開示の他の態様に係る、電気自動車に搭載された制御装置は、サーバ装置からスケジュールを受信するスケジュール受信部であって、スケジュールには電気自動車を用いたサービスに関する複数の要求情報が含まれ、サービスは、電気自動車の蓄電池を充電する充電サービス及び電気自動車の蓄電池から外部機器に電力を供給する給電サービスの少なくとも一方を含む基本サービスと、基本サービスの提供中に、電気自動車を用いて受けることができる付加サービスと、を含む、スケジュール受信部と、受信したスケジュールに従って自律モードで電気自動車を走行させるように制御する自動運転制御部とを備える。
【0024】
この態様によれば、制御装置を備える電気自動車は、例えば給電サービスを利用するユーザにその待ち時間の間、カラオケサービスを提供する等、複数のサービスを同時に提供することができる。電力サービスを提供可能な電気自動車に、更なる付加サービスの機能を備えることで、電気自動車という資源を最大限に活用してユーザにサービスを提供することができる。
【0025】
上記制御装置は、電気自動車の故障に関する情報をサーバ装置に送信する故障情報送信部をさらに備え、サーバ装置は、当該制御装置を備える電気自動車のスケジュールのうち、未対応のスケジュールを代行する電気自動車を決定し、代行する電気自動車のスケジュールを更新し、更新したスケジュールを代行する電気自動車の制御装置に出力してもよい。
【0026】
この態様によれば、電気自動車が故障してしまった場合にも、制御装置を備える電気自動車は、故障車の未対応のスケジュールを代行する電気自動車をサーバ装置に決定させることができるので、ユーザは安心してサービスの提供を受けることができる。
【0027】
上記制御装置は、サーバ装置に充電要求を送信する充電要求送信部をさらに備え、サーバ装置は、当該制御装置を備える電気自動車の給電に向かう電気自動車を決定し、給電に向かう電気自動車のスケジュールを更新し、更新したスケジュールを給電に向かう電気自動車に出力してもよい。
【0028】
この態様によれば、例えば予期せぬ渋滞等で電気自動車の蓄電池残量が予想以上に低下してしまった場合にも、制御装置を備える電気自動車は、給電に向かう電気自動車をサーバ装置に決定させることができるので、ユーザは安心してサービスの提供を受けることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、電気自動車を用いた複数のサービスを同時に提供することが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の一実施形態に係るサーバ装置を含むシステムの構成の一例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るサーバ装置が提供するサービスの概要を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るサーバ装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る制御装置の構成の一例を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係るスケジュールの一例を示す図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係るサーバ装置の要求受信処理を例示するフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係るサーバ装置のスケジュール生成処理を例示するフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態に係るサーバ装置の追加要求受信処理を例示するフローチャートである。
【
図12】本発明の一実施形態に係るサーバ装置の故障情報受信処理を例示するフローチャートである。
【
図13】本発明の一実施形態に係るサーバ装置の充電要求受信処理を例示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であり、係る実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0032】
(システム構成)
まず、
図1及び
図2を用いて、本発明の概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置を含むシステムの構成を例示する図である。
図2は、本発明の一実施形態に係るサーバ装置が提供するサービスを説明する概略図である。
【0033】
システムは、サーバ装置10を備え、サーバ装置10は、ユーザ端末20、発電施設端末30及び電気自動車に搭載された制御装置40と通信ネットワークNを介して通信を行うよう構成されている。ここで、電気自動車とは、電気をエネルギー源として電気モーターで走行する自動車であり、車、トラック、バスなどの様々な車両を含む。また、本実施形態では、電気自動車は、自律モードで完全に又は部分的に動作する自動運転車として構成され得る。自動運転車とは、人間が運転を行わなくとも自動で走行できる自動車であり、本実施形態では、自動車の運転権限がシステム側にあることを前提としたもの(例えば、自動車の自動運転の自動化レベル3以上)を想定している。
【0034】
サーバ装置10は、ユーザ端末20を介してユーザから電気自動車を用いたサービスの要求情報を受信する。また、サーバ装置10は、発電施設端末30から発電情報を受信する。そして、ユーザ端末20から受信した要求情報と発電施設端末30から受信した発電情報とに基づいて、サーバ装置10は、各電気自動車のスケジュールを生成して電気自動車の制御装置40に送信する。
【0035】
例えば、電気自動車を用いたサービスには、電気自動車で人を輸送する人流サービス、電気自動車で物を輸送する物流サービス、電気自動車で電力を輸送する電力サービス等が含まれる。電力サービスには、ユーザ又は発電施設の電力供給設備を用いて電気自動車の蓄電池を充電する充電(売電)サービスと、電気自動車の蓄電池からユーザの機器に電力を供給する給電サービスとが含まれる。また、本実施形態では、出発地点から目的地点まで人を輸送する人流サービスの提供中に、あるいは電力サービスの提供中に、さらに付加サービスを提供することができる。一例では、付加サービスには、カラオケ、理髪、買い物等が含まれる。付加サービスを利用するユーザは、移動中あるいは電力サービスの提供を受けている間に電気自動車においてカラオケ、理髪、買い物等を行うことができる。
【0036】
サーバ装置10はまた、気象庁や内閣府等を含む外部サーバ50と、通信ネットワークNを介して通信を行うよう構成されており、気象情報及び災害情報を周期的に取得している。サーバ装置10は、外部サーバ50から取得した気象情報又は災害情報に基づいて、電気自動車のスケジュールを生成することができる。
【0037】
図1では、1台のユーザ端末20が図示されているが、複数のユーザ端末20(201~20n)を有するシステムにおいて本発明を実装することができる。また、
図1では、1台の発電施設端末30が図示されているが、複数の発電施設端末30(301~30n)を有するシステムにおいて本発明を実装することができる。
【0038】
[機能構成]
(サーバ装置)
次に、
図3を用いて、サーバ装置10の構成の一例について説明する。なお、
図3では、単一のサーバ装置10を想定し、必要な機能構成だけを示しているが、サーバ装置10を、複数のコンピュータシステムによる多機能の分散システムの一部として構成することもできる。
【0039】
サーバ装置10は、機能的な構成として、例えば、サイト提供部110、会員登録部111、情報取得部112、発電情報受信部113、要求受信部114、スケジュール生成部115、出力部116、追加要求受信部117、進捗管理部118、故障情報受信部119、充電要求受信部120及び記憶部100を有する。記憶部100は、例えば、電気自動車データベース101、会員データベース102、地図データベース103、エリアデータベース104、発電データベース105、要求データベース106、気象災害データベース107及びスケジュールデータベース108を記憶する。各機能構成について、以下に記載する。
【0040】
電気自動車データベース101には、電気自動車の属性情報が保存される。一実施形態では、電気自動車データベース101には、自動車ID、出発地点、乗車定員数、付加サービス種別、蓄電池容量、蓄電池残量及び電費等が含まれていることが望ましい。自動車IDは、電気自動車を一意に識別するための情報である。出発地点は、電気自動車が出発する地点を示す情報である。乗車定員数は、電気自動車に乗車可能な人数である。
【0041】
付加サービス種別は、電気自動車が提供可能な付加サービスの情報を示す。一例では、付加サービス種別には、カラオケ、理髪、買い物等が含まれる。例えば、付加サービス種別「カラオケ」の属性情報を有する電気自動車は、車内にカラオケサービスの提供に必要な機材等を有する。同様に、付加サービス種別「理髪」の属性情報を有する電気自動車は、車内に理髪サービスの提供に必要な機材等を有し、付加サービス種別「買い物」の属性情報を有する電気自動車は、車内に買い物サービスの提供に必要な商品等を有する。
【0042】
会員データベース102には、サーバ装置10の提供する電気自動車サービスサイトの会員の基本情報が保存される。一実施形態では、会員データベース102には、会員ID、氏名、住所、メールアドレス等が含まれていることが望ましい。会員IDは、電気自動車サービスサイトの会員を一意に識別するための情報である。本実施形態では、電気自動車サービスサイトを利用するユーザは、本発明を用いたサービスの利用契約を行っているものとする。利用契約を通じてユーザには会員IDが付与され、会員IDごとに会員ページが作成されるものとする。
【0043】
地図データベース103には、地図に関する情報が保存されている。一実施形態では、地図データベース103には、緯度経度等の位置情報、道路情報等が含まれていることが望ましい。なお、地図データベース103は、外部システムから取得してもよい。
【0044】
エリアデータベース104には、電気自動車が走行する地図上のエリアに関する情報が保存されている。一実施形態では、エリアデータベース104には、エリアID、エリア範囲、受渡拠点住所等が含まれていることが望ましい。エリアIDは、エリアを一意に識別するための情報である。エリア範囲には、エリアを識別可能な単位で示されるエリアが保存される。一例では、エリアの識別単位として郵便番号を用いることができるが、他の市、区、町等の単位を用いてもよい。ここで、受渡拠点とは、エリアをまたぐ物流サービスを提供する場合に、荷物の受け渡しを行う拠点である。受渡拠点住所には、受渡拠点の住所が保存される。
【0045】
発電データベース105には、発電施設に関する情報が保存される。一実施形態では、発電データベース105には、発電施設ID、住所、発電量等が含まれることが望ましい。発電施設IDは、発電施設を一意に識別するための情報である。発電量には、発電施設で発電可能な電力量が保存される。
【0046】
要求データベース106には、ユーザからの要求に関する情報が保存される。一実施形態では、要求データベース106には、要求ID、予約日付、開始時間、終了時間、サービス種別、付加サービス種別、会員ID、第1地点、第2地点、電力量等が含まれていることが望ましい。要求IDは、要求を一意に識別するための情報である。
【0047】
サービス種別は、電気自動車が提供可能な基本サービスの情報を示す。本実施形態では、サービス種別には、人流サービス、物流サービス、充電サービス、給電サービスのいずれかを指定することができる。付加サービス種別は、サービス種別として人流サービス、充電サービス又は給電サービスを指定したユーザが電気自動車を用いて付加的に受けることができるサービスの情報を示す。本実施形態では、付加サービス種別には、カラオケ、理髪、買い物等を指定することができる。
【0048】
会員IDには、予約した会員の会員IDが保存される。第1地点及び第2地点には、電気自動車が提供するサービスに関する地点の情報が保存される。サービス種別が人流サービス又は物流サービスである場合、第1地点には出発地点(集荷地点)が保存され、第2地点には目的地点(配達地点)が保存される。サービス種別が充電サービス又は給電サービスである場合、第1地点のみ、サービスを提供する地点情報が保存される。電力量には、電気自動車の蓄電池に充電される電気量、又は電気自動車の蓄電池からユーザの機器に給電される電気量が保存される。
【0049】
気象災害データベース107には、気象情報及び災害情報が保存される。本実施形態では、サーバ装置10が電気自動車を用いたサービスを提供するエリアに関する気象情報及び災害情報が保存される。一実施形態では、気象災害データベース107には、気象情報及び/又は災害情報に関連付けて実績を保存してもよい。実績には、気象情報及び/又は災害情報の結果として引き起こされた渋滞や通行止めの情報が保存される。
【0050】
スケジュールデータベース108には、電気自動車のスケジュールが保存される。一実施形態では、スケジュールデータベース108には、自動車ID、スケジュール、空き時間等が含まれていることが望ましい。本実施形態では、スケジュールには、後述のスケジュール生成部115が生成した電気自動車のスケジュールが保存される。空き時間には、スケジュール生成時に把握される空き時間が保存される。
【0051】
サイト提供部110は、サーバ装置10の提供する電気自動車サービスサイトを、例えばインターネットである通信ネットワークN上で提供する。当該ウェブサイトでは、電気自動車を用いたサービスの予約を行うことができる。このためにサイト提供部110は、HTML(HyperText Markup Language)等で記述されたウェブページを、ユーザ端末20へ送信すると共に、ユーザによる入力結果等を、ユーザ端末20から受信する。
【0052】
サイト提供部110は、ユーザからの入力等に応答して、対応するウェブページを作成してユーザ端末20に送信する。具体的には、サイト提供部110は、例えば、会員を登録するための会員登録画面、サービスを予約するための予約画面等に係る各種ウェブページを、ユーザ端末20に送信する。
【0053】
会員登録部111は、ユーザ端末20からの会員登録要求に応じて、会員の情報を登録する。本実施形態では、会員登録要求には、氏名、住所、メールアドレス等が含まれ、会員登録部111は、会員登録要求に基づいて、会員IDを付与して会員データベース102に会員情報を登録する。
【0054】
情報取得部112は、外部サーバ50から気象情報や災害情報を周期的に取得して、保存する。情報を取得する周期は一定とすることもできるし、サーバ装置10の管理者が必要に応じて変更することもできる。本実施形態では、情報取得部112は、サーバ装置10が電気自動車を用いたサービスを提供するエリアについて、外部サーバ50から気象情報又は災害情報を取得して、取得した情報を気象災害データベース107に保存する。一実施形態では、情報取得部112は、既に保存した気象情報や災害情報の結果として引き起こされた渋滞や通行止めの情報を、気象災害データベース107の実績に保存してもよい。
【0055】
発電情報受信部113は、発電施設端末30から発電可能な電力量を含む発電情報を受信して、保存する。本実施形態では、発電情報には、発電施設IDと発電量とが含まれ、発電情報受信部113は、受信した発電施設IDで特定される発電データベース105の発電量に受信した発電量を保存する。
【0056】
要求受信部114は、ユーザ端末20から要求情報を受信して、要求情報を保存する。本実施形態では、要求情報には、予約日付、開始時間、終了時間、サービス種別、付加サービス種別、会員ID、第1地点、第2地点、電力量等が含まれ、要求受信部114は、予約日付が前日までの要求情報について、要求データベース106にレコードを登録する。なお、付加サービス種別は任意の項目であり、要求情報受信部114は、付加サービス種別を含む要求情報、及び、付加サービス種別を含まない要求情報のいずれも受信し得る。
【0057】
なお、本実施形態では、要求情報の開始時間及び終了時間について、ユーザはその優先度に応じた設定をすることができる。要求の優先度が高く、開始時間にサービスが提供されることを望む場合、ユーザは、開始時間を設定して要求情報を送信する。反対に、要求の優先度が低く、例えば予約日付であればどの時間にサービスが提供されてもよい場合、ユーザは、開始時間及び終了時間を設定せずに要求情報を送信する。その他、ユーザは、終了時間のみを設定してもよいし、ユーザが許容可能な時間幅で開始時間と終了時間とを設定してもよい。一実施形態では、サーバ装置10は、開始時間及び終了時間の設定内容に応じたサービスの料金を設定してもよい。
【0058】
一例では、人流サービスの場合、ユーザ端末20から、予約日付、開始時間、サービス種別「人流サービス」、付加サービス種別「買い物」、会員ID、第1地点「自宅」、第2地点「○○駅」を含む要求情報Aが送信される。要求受信部114は、会員IDに基づいて会員データベース102から当該会員の住所を取得して、要求情報の第1地点を会員の住所に置き換える。さらに要求受信部114は、地図データベース103から「〇〇駅」の住所を取得して、要求情報の第2地点を取得した住所に置き換える。
【0059】
また、要求受信部114は、第1地点と第2地点とに基づいて終了時間を算出し、算出した終了時間及び要求情報Aに基づいて要求データベース106にレコードを登録する。一実施形態では、要求受信部114は、気象災害データベース107の渋滞情報を用いて移動時間を算出したり、通行止め情報を用いて移動時間を算出したりしてもよい。
【0060】
一例では、物流サービスの場合、ユーザ端末20から、予約日付、開始時間、サービス種別「物流サービス」、会員ID、第1地点「自宅」、第2地点を含む要求情報Bが送信される。要求受信部114は、会員IDに基づいて会員データベース102から当該会員の住所を取得して、要求情報の第1地点を会員の住所に置き換える。次に、要求受信部114は、エリアデータベース104に基づいて、第1地点と第2地点が同一エリアであるか否か判定する。第1地点と第2地点が同一エリア内の場合、要求受信部114は、第1地点と第2地点とに基づいて終了時間を算出し、算出した終了時間及び要求情報Bに基づいて要求データベース106にレコードを登録する。一方で、第1地点と第2地点が異なるエリアである場合、要求受信部114は、要求情報を、第1地点から第2地点の経路上に存在する、受渡拠点を経由する複数の要求情報に分割して、分割した要求情報に基づいて要求データベース106にレコードを登録する。
【0061】
例えば、第1地点(エリア1)から受渡拠点(エリア2)と受渡拠点(エリア3)とを経由して第2地点(エリア3)に物を輸送する場合、要求受信部114は、要求情報Bを要求情報B1(第1地点からエリア2の受渡拠点)、要求情報B2(エリア2の受渡拠点からエリア3の受渡拠点)、要求情報B3(エリア3の受渡拠点から第2地点)に分割する。
【0062】
その後、要求受信部114は、B1の第1地点と第2地点(エリア2の受渡拠点住所)とに基づいて、B1の終了時間を算出する。要求情報B2及び要求情報B3の開始時間及び終了時間については、本実施形態では、要求受信部114は、要求情報Bの終了時間に基づいて決定する。例えば、要求情報Bで終了時間が設定されていない場合、要求受信部114は、要求情報B2及び要求情報B3の開始時間及び終了時間を設定せず、予約日付のみ設定して要求データベース106にレコードを登録する。一方で、要求情報Bで終了時間が設定されている場合、要求受信部114は、設定された終了時間に間に合うよう、予約日付に加えて要求情報B2及び要求情報B3の開始時間及び終了時間を設定して要求データベース106にレコードを登録する。
【0063】
また、一例では、給電サービスの場合、ユーザ端末20から、予約日付、終了時間「18:00」、サービス種別「給電サービス」、付加サービス種別「カラオケ」、会員ID、第1地点「自宅」、電力量を含む要求情報が送信される。まず、要求受信部114は、会員IDに基づいて会員データベース102から当該会員の住所を取得して、要求情報の第1地点を会員の住所に置き換える。次に、一実施形態では、要求受信部114は、電力量に基づいて、終了時間「18:00」までに給電サービスを終了するための最も遅い開始時間「17:00」を算出し、開始時間に「17:00より前」を設定して、要求情報を要求データベース106に保存してもよい。このように時間設定に幅を持たせることで、後述のスケジュール生成部115は、より最適なスケジュールを生成することができる。
【0064】
スケジュール生成部115は、電気自動車データベース101、要求データベース106及び発電データベース105に基づいて、電気自動車のスケジュールを生成する。本実施形態では、スケジュール生成部115は、前日までに保存された各データベースの情報に基づいて各電気自動車のスケジュールを生成し、生成したスケジュールとスケジュール生成時に把握した空き時間とをスケジュールデータベース108に保存する。
【0065】
一実施形態では、
図8に示されるように、スケジュールには、要求ID、時間、場所、サービス内容、付加サービス種別、完了フラグ等が含まれていることが望ましい。本実施形態では、1つの要求につき、サービスの開始と終了とを示す2つのデータセットがスケジュールに含まれる。要求IDは、要求データベース106の要求IDであり、同一の要求IDのデータセットが、2つずつ存在する。スケジュール生成部115は、要求データベース106の開始時間、終了時間、第1地点、第2地点、サービス種別及び付加サービス種別に基づいて、スケジュールの時間、場所、サービス内容、付加サービス種別の各データを埋めてスケジュールを生成していく。完了フラグは、サービス内容が完了したか否かを示す情報であり、本実施形態では、サービス内容が完了すると「1:完了」が保存される。なお、本実施形態では、スケジュールの要求IDには、要求データベース106の要求IDに代えて、共通の業務IDを含めてもよい。一例では、業務IDには、電気自動車の夜間充電業務を示す「ZZZZ」や、故障車を所定の拠点に運ぶ故障車輸送業務を示す「EEEE」、他の電気自動車に連結して給電する連結給電業務を示す「PPPP」が含まれる。
【0066】
スケジュール生成部115は、少なくとも、電気自動車データベース101の出発地点、蓄電池容量、蓄電池残量、電費と要求データベース106の充電サービス及び給電サービスとに基づいて、電気自動車の蓄電池残量が所定値に低下することがないように、スケジュールを生成する。
【0067】
また、スケジュール生成部115は、電気自動車データベース101の付加サービス種別を参照して、要求情報で付加サービス種別が指定されている場合、指定された付加サービス種別により示される付加サービスを提供するために、同一の付加サービス種別が関連付けられている電気自動車に当該要求情報を割り当てるようにスケジュールを生成する。
【0068】
さらに、スケジュール生成部115は、要求データベース106において開始時間や終了時間が厳密に設定されている要求を優先して割り当て、その後、時間設定に幅がある要求を割り当てていく。
【0069】
一実施形態では、スケジュール生成部115は、気象災害データベース107を参照して、スケジュールを生成する。一例では、スケジュール生成部115は、気象災害データベース107の渋滞情報を用いて移動時間を算出したり、通行止め情報を用いて移動時間を算出したりしてもよい。また、スケジュール生成部115は、気象災害データベース107の直近の気象情報に基づいて気象災害データベース107の過去の実績を参照して、過去の実績に基づいて移動時間を算出してもよい。
【0070】
なお、本実施形態では、スケジュール生成部115は、同一エリア内の要求情報を優先して組み合わせてスケジュールを生成するものとするが、別のエリアの要求情報を組み合わせてスケジュールを生成してもよい。
【0071】
また、スケジュール生成部115は、後述の追加要求受信部117から、要求情報と自動車IDとを受信すると、自動車IDで特定される電気自動車のスケジュールに受信した要求情報を組み込むように更新する。複数の自動車IDが含まれる場合、スケジュール生成部115は、自動車IDで特定される複数の電気自動車のスケジュールに基づいて、より最適な電気自動車のスケジュールを選択して要求情報を組み込むように更新する。スケジュールデータベース108の更新が完了すると、スケジュール生成部115は、更新したスケジュールの出力を後述の出力部116に指示する。
【0072】
さらにまた、スケジュール生成部115は、後述の故障情報受信部119から故障情報と代行する電気自動車の自動車IDとを受信すると、自動車IDで特定される電気自動車のスケジュールに、故障情報で示される未対応のスケジュールを組み込むように更新する。本実施形態では、故障情報には、故障車の自動車ID、現在位置及び当該電気自動車のスケジュールのうち未対応のスケジュールを示す情報が含まれる。スケジュールデータベース108の更新が完了すると、スケジュール生成部115は、更新したスケジュールの出力を後述の出力部116に指示する。
【0073】
さらにまた、スケジュール生成部115は、後述の充電要求受信部120から充電要求と給電に向かう電気自動車の自動車IDとを受信すると、自動車IDで特定される電気自動車のスケジュールに、充電要求で示される電気自動車に連結して給電するスケジュールを組み込むように更新する。スケジュールデータベース108の更新が完了すると、スケジュール生成部115は、更新したスケジュールの出力を後述の出力部116に指示する。
【0074】
出力部116は、電気自動車の制御装置40にスケジュールを出力する。本実施形態では、出力部116は、スケジュールデータベース108に基づいて、自動車IDで特定される電気自動車の制御装置40に、対応するスケジュールを出力する。
【0075】
追加要求受信部117は、ユーザ端末20から受信した要求情報に対応できるか否か判定する。本実施形態では、追加要求受信部117は、スケジュールデータベース108の空き時間と自動車IDに関連付けられた付加サービス種別とに基づいて、受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在するか否か判定する。受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在する場合、追加要求受信部117は、受信した要求情報と当該要求情報に対応可能な電気自動車の自動車IDとをスケジュール生成部115に渡して、スケジュールの更新を依頼する。スケジュール生成部115によるスケジュールの更新が完了すると、追加要求受信部117は、ユーザ端末20に要求情報を受け付けた旨を送信するために、サイト提供部110にウェブページの更新を依頼する。
【0076】
一方、受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在しない場合、追加要求受信部117は、ユーザ端末20に要求情報が受け付けられない旨を送信するために、サイト提供部110にウェブページの更新を依頼する。あるいは、一実施形態では、追加要求受信部117は、スケジュールデータベース108の空き時間と自動車IDに関連付けられた付加サービス種別とに基づいて、要求情報の開始時間及び/又は終了時間を変更することで要求情報を受け付け可能である旨を送信するために、サイト提供部110にウェブページの更新を依頼してもよい。
【0077】
進捗管理部118は、電気自動車の制御装置40から進捗情報を受信して、スケジュールデータベース108を更新する。本実施形態では、進捗情報には自動車ID、要求ID及びサービス内容が含まれ、進捗管理部118は、自動車IDを用いてスケジュールデータベース108を参照して、要求IDとサービス内容とで特定されるデータセットの完了フラグに「1:完了」を設定する。
【0078】
故障情報受信部119は、電気自動車の制御装置40から故障情報を受信して、故障車のスケジュールのうち、未対応のスケジュールを代行する電気自動車を決定する。本実施形態では、故障情報には自動車ID、現在位置及び当該電気自動車のスケジュールのうち未対応のスケジュールを示す情報が含まれ、故障情報受信部119は、故障車の現在位置、未対応のスケジュールの内容等に基づいて、代行の電気自動車を決定する。なお、未対応のスケジュールを示す情報には、スケジュールに含まれる要求IDのうち、完了フラグに「1:完了」が設定されていない要求IDが含まれるものとする。代行する電気自動車を決定すると、故障情報受信部119は、故障情報と代行する電気自動車の自動車IDとをスケジュール生成部115に渡して、スケジュールの更新を依頼する。
【0079】
なお、本実施形態では、故障情報受信部119は、代行する電気自動車が、故障車を所定の拠点に運ぶ業務を遂行するように、スケジュール生成部115に指示する。一例では、故障情報受信部119は、未対応のスケジュールを示す情報に、故障車輸送業務を示す業務ID「EEEE」を付加することで、スケジュール生成部115にその旨を指示する。別の実施形態では、故障情報受信部119は、未対応のスケジュールを代行する第1の電気自動車と、故障車を所定の拠点に運ぶ第2の電気自動車とを決定し、第1の電気自動車及び第2の電気自動車のスケジュールの更新をスケジュール生成部115に依頼するようにしてもよい。
【0080】
充電要求受信部120は、電気自動車の制御装置40から充電要求を受信して、充電要求を送信した電気自動車の給電に向かう電気自動車を決定する。本実施形態では、充電要求には自動車ID及び現在位置が含まれ、充電要求受信部120は、充電要求を送信した電気自動車の位置、他の電気自動車の蓄電池残量やスケジュール等に基づいて、給電に向かう電気自動車を決定する。本実施形態では、電気自動車は自車両の蓄電池と他車両の蓄電池とで双方向に電力供給が可能な充放電装置を備えており、2つの車両を連結して走行しながら電力供給を行うことが可能である。
【0081】
(電気自動車の制御装置)
次に、
図4を用いて、電気自動車の制御装置40の構成の一例について説明する。制御装置40は、機能的な構成として、例えば、スケジュール受信部41、自動運転制御部42、進捗送信部43、故障情報送信部44、充電要求送信部45及び記憶部46を有する。記憶部46は、例えば、地図情報401及びスケジュール情報402を記憶する。各機能構成について、以下に記載する。
【0082】
地図情報401には、地図に関する情報が保存されている。一実施形態では、地図情報401には、緯度経度等の位置情報、道路情報等が含まれていることが望ましい。なお、地図情報401は、外部システムから取得してもよい。
【0083】
スケジュール情報402には、電気自動車のスケジュールが保存される。一実施形態では、スケジュール情報402には、サーバ装置10から受信した電気自動車の一日のスケジュールが保存される。一実施形態では、スケジュール情報402には、要求ID、時間、場所、サービス種別、付加サービス種別、完了フラグ等が含まれていることが望ましい。
【0084】
スケジュール受信部41は、サーバ装置10からスケジュールを受信する。本実施形態では、スケジュール受信部41は、サーバ装置10からスケジュールを受信し、スケジュール情報402に保存する。
【0085】
自動運転制御部42は、所定のスケジュールに従って自律モードで電気自動車を走行させるように制御する。本実施形態では、自動運転制御部42は、スケジュール情報402に従って自律モードで電気自動車を走行させるように制御する。
【0086】
進捗送信部43は、スケジュール情報402の進捗に関する情報をサーバ装置10に送信する。本実施形態では、スケジュール情報402のサービス内容が完了すると、自動車ID、要求ID及びサービス内容を含む進捗情報をサーバ装置10に送信する。
【0087】
故障情報送信部44は、電気自動車の故障に関する情報をサーバ装置10に送信する。本実施形態では、故障情報送信部44は、自動車ID、現在位置及び未対応のスケジュールを示す情報をサーバ装置10に送信する。一例では、未対応のスケジュールを示す情報には、スケジュールに含まれる要求IDのうち、完了フラグに「1:完了」が設定されていない要求IDを含めてもよい。
【0088】
充電要求送信部45は、サーバ装置10に充電要求を送信する。本実施形態では、電気自動車の蓄電池残量が所定値に低下した場合に、充電要求送信部45は、サーバ装置10に自動車ID及び現在位置を含む充電要求を送信する。
【0089】
[ハードウェア構成]
(サーバ装置)
次に、
図5を用いて、サーバ装置10のハードウェア構成の一例について説明する。
図5の例では、サーバ装置10は、演算装置に相当するCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processor Unit)等のプロセッサ10aと、RAM(Random Access Memory)10bと、ROM(Read only Memory)10cと、通信装置10dと、記憶装置10eと、入力装置10fと、表示装置10gとを有してもよい。これらの各構成は、バスを介して相互にデータを送受信できるように接続される。
【0090】
プロセッサ10aは、ROM10c又は記憶装置10eに記憶されたプログラムをRAM10bに展開して実行することで、データの演算や加工を行う制御部として機能する。プロセッサ10aは、通信装置10dや入力装置10fから種々の入力データを受信し、入力データを演算した結果を通信装置10dや表示装置10gから出力したり、RAM10bや記憶装置10eに格納したりする。
【0091】
本実施形態におけるプロセッサ10aは、ROM10c又は記憶装置10eに記憶されたプログラムを実行することにより、上述した電気自動車サービスに係る処理を実現可能に構成される。例えば、
図3に機能構成として示したサイト提供部110、会員登録部111、情報取得部112、発電情報受信部113、要求受信部114、スケジュール生成部115、出力部116、追加要求受信部117、進捗管理部118、故障情報受信部119及び充電要求受信部120は、プロセッサ10a上でプログラムを実行することにより実現される。このプログラムは、RAM10bやROM10c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信装置10dにより接続される通信ネットワークNを介して提供されてもよい。
【0092】
RAM10bは、例えば半導体記憶素子で構成され、書き換え可能なデータを記憶する。RAM10bは、プログラムに含まれるコードの他、記憶部100の一部又は全部のデータを一時的に記憶する。ROM10cは、例えば半導体記憶素子で構成され、読み出し可能かつ書き換え不可能なデータを記憶する。ROM10cは、プログラム及び電気自動車サービスに係る処理に必要な各種データ、例えば記憶部100のデータを記憶する。
【0093】
通信装置10dは、ユーザ端末20、発電施設端末30及び電気自動車の制御装置40を含む外部の装置との間で、有線又は無線による通信ネットワークNを介したデータ通信を行うための装置である。
【0094】
記憶装置10eは、例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成される不揮発性の記憶媒体である。記憶装置10eは、プログラム及び記憶部100のデータを記憶する。
【0095】
入力装置10fは、ユーザからの操作を受け付けるための装置であり、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現することができる。
【0096】
表示装置10gは、情報を表示するための装置であり、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等によって実現することができる。
【0097】
(ユーザ端末)
次に、
図6を用いて、ユーザ端末20のハードウェア構成の一例について説明する。
図6の例では、ユーザ端末20は、演算装置に相当するCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processor Unit)等のプロセッサ20aと、RAM(Random Access Memory)20bと、ROM(Read only Memory)20cと、通信装置20dと、記憶装置20eと、入力装置20fと、表示装置20gとを有してもよい。これらの各構成は、バスを介して相互にデータを送受信できるように接続される。
【0098】
プロセッサ20aは、ROM20c又は記憶装置20eに記憶されたプログラムをRAM20bに展開して実行することで、データの演算や加工を行う制御部として機能する。プロセッサ20aは、通信装置20dや入力装置20fから種々の入力データを受信し、入力データを演算した結果を通信装置20dや表示装置20gから出力したり、RAM20bや記憶装置20eに格納したりする。
【0099】
本実施形態におけるプロセッサ20aは、記憶装置20eに記憶されたプログラムを実行することにより、ブラウザを実現可能に構成される。ブラウザは、サーバ装置10の提供するウェブサイトを含む通信ネットワークN上の各種ウェブサイトをユーザに閲覧可能とするためのアプリケーションプログラムである。なお、本実施形態では、ユーザ端末20に実装されたブラウザでのユーザの操作に従って各種要求をサーバ装置10に送信すると共に、その処理結果を受信してブラウザ上に表示するが、他の実施形態では、ユーザ端末20に記憶された電気自動車サービスの予約アプリケーションを実行することで実現する機能により各種要求をサーバ装置10に送信すると共に、その処理結果を受信して表示してもよい。
【0100】
RAM20bは、例えば半導体記憶素子で構成され、書き換え可能なデータを記憶する。RAM20bは、プログラムに含まれるコードの他、電気自動車サービスに係る処理に必要な一部又は全部のデータを一時的に記憶する。ROM20cは、例えば半導体記憶素子で構成され、読み出し可能かつ書き換え不可能なデータを記憶する。ROM20cは、プログラム及び各種データを記憶する。
【0101】
通信装置20dは、サーバ装置10を含む外部の装置との間で、有線又は無線による通信ネットワークNを介したデータ通信を行うための装置である。
【0102】
記憶装置20eは、例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成される不揮発性の記憶部媒体である。記憶装置20eは、ブラウザのプログラム及び各種データを記憶する。
【0103】
入力装置20fは、ユーザからの操作を受け付けるための装置であり、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現することができる。
【0104】
表示装置20gは、情報を表示するための装置であり、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等によって実現することができる。
【0105】
(発電施設端末)
次に、発電施設端末30のハードウェア構成の一例について説明する。ユーザ端末20と同様に、発電施設端末30は、演算装置に相当するCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processor Unit)等のプロセッサ30aと、RAM(Random Access Memory)30bと、ROM(Read only Memory)30cと、通信装置30dと、記憶装置30eと、入力装置30fと、表示装置30gとを有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータを送受信できるように接続される。
【0106】
本実施形態におけるプロセッサ30aは、記憶装置30eに記憶されたプログラムを実行することにより、発電情報送信部を実現可能に構成される。発電情報送信部は、サーバ装置10に発電可能な電力量を含む発電情報を送信する。本実施形態では、発電情報には、発電施設IDと発電量とが含まれる。
【0107】
なお、プロセッサ30a、RAM30b、ROM30c、通信装置30d、記憶装置30e、入力装置30f、表示装置30gはそれぞれ、プロセッサ20a、RAM20b、ROM20c、通信装置20d、記憶装置20e、入力装置20f、表示装置20gと同様の構成を有するので、詳細な説明は省略する。
【0108】
(電気自動車の制御装置)
次に、
図7を用いて、電気自動車の制御装置40のハードウェア構成の一例について説明する。制御装置40は、演算装置に相当するCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサ40aと、RAM(Random Access Memory)40bと、ROM(Read only Memory)40cと、通信装置40dと、記憶装置40eと、入出力インタフェース40fとを有する。これらの各構成は、バスを介して相互にデータを送受信できるように接続される。
【0109】
プロセッサ40aは、ROM40c又は記憶装置40eに記憶されたプログラムをRAM40bに展開して実行することで、データの演算や加工を行う制御部として機能する。プロセッサ40aは、通信装置40dから種々の入力データを受信し、入力データを演算した結果を通信装置40dから出力したり、RAM40bや記憶装置40eに格納したりする。
【0110】
本実施形態におけるプロセッサ40aは、ROM40c又は記憶装置40eに記憶されたプログラムを実行することにより、
図4に機能構成として示したスケジュール受信部41、自動運転制御部42、進捗送信部43、故障情報送信部44及び充電要求送信部45に係る処理を実現可能に構成される。このプログラムは、RAM40bやROM40c等のコンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよいし、通信装置40dにより接続される通信ネットワークNを介して提供されてもよい。
【0111】
RAM40bは、例えば半導体記憶素子で構成され、書き換え可能なデータを記憶する。RAM40bは、プログラムに含まれるコードの他、記憶部46の一部又は全部のデータを一時的に記憶する。ROM40cは、例えば半導体記憶素子で構成され、読み出し可能かつ書き換え不可能なデータを記憶する。ROM40cは、プログラム及び電気自動車サービスに係る処理に必要な各種データ、例えば記憶部46のデータを記憶する。
【0112】
通信装置40dは、サーバ装置10を含む外部の装置との間で、有線又は無線による通信ネットワークNを介したデータ通信を行うための装置である。
【0113】
記憶装置40eは、例えばHDD(Hard Disk Drive)で構成される不揮発性の記憶媒体である。記憶装置40eは、プログラム及び記憶部46のデータを記憶する。
【0114】
入出力インタフェース40fは、電気自動車に搭載される各装置と通信するためのインタフェースである。本実施形態の制御装置40は、入出力インタフェース40fを介して蓄電池、GPS装置、外部センサ、内部センサ、入力装置、アクチュエータ等に接続される。
【0115】
GPS装置は、電気自動車の現在位置を測定する装置である。外部センサは、電気自動車の周辺の情報を検出するセンサ群である。内部センサは、電気自動車の走行状態を検出するセンサ群である。入力装置は、電気自動車に乗車している乗員が操作するためのスイッチ群であり、アクセルペダル、ブレーキペダル、ステアリングホイール等が含まれる。アクチュエータは、電気自動車の加速、減速及び操舵の少なくとも何れかに係るハードウェア要素であり、アクセルアクチュエータ、ブレーキアクチュエータ、ステアリングホイールアクチュエータ等が含まれる。
【0116】
(要求受信処理)
次に、
図9~
図13を用いて、サーバ装置10の処理の流れを説明する。まず、
図9を用いて、実施形態に係るサーバ装置の要求受信処理を詳細に説明する。本実施形態では、
図9で説明される処理を行う前に、サーバ装置10の電気自動車データベース101、地図データベース103、エリアデータベース104及び気象災害データベース107に、各種データが保存されているものとする。さらに、本実施形態では、
図9で説明される処理を行う前に、ユーザAはサーバ装置10の提供する電気自動車サービスサイトの会員登録を済ませており、サーバ装置10の会員データベース102にユーザAのレコードが格納されているものとする。同様に、サーバ装置10の会員データベース102にユーザXのレコードが格納されているものとする。
【0117】
<人流サービス>
電気自動車サービスサイトの会員であるユーザAが、ユーザ端末20のブラウザを用いてサーバ装置10の提供する電気自動車サービスサイトへとアクセスすると(S901)、サーバ装置10のサイト提供部110は、アクセスを受けたURLに応じたウェブページをユーザ端末20へと送信する(S902)。
【0118】
例えばブラウザ上に表示された「サービスを予約する」コントロールをユーザAが選択する等、ブラウザでのユーザAの操作に応じて、ユーザ端末20からサーバ装置10にサービスを予約するための要求が送信されると(S903)、サイト提供部110は、予約画面のウェブページをユーザ端末20に送信する(S904)。本実施形態では、サイト提供部110は、予約日付、開始時間、終了時間、サービス種別、付加サービス種別、第1地点、第2地点、電量量等を指定可能な予約画面に対応するウェブページがユーザ端末20に送信されるものとする。
【0119】
なお、本実施形態では、要求情報の開始時間及び終了時間について、ユーザはその優先度に応じた設定をすることができる。要求の優先度が高く、開始時間にサービスが提供されることを望む場合、ユーザは、開始時間を設定して要求情報を送信する。反対に、要求の優先度が低く、例えば予約日付であればどの時間にサービスが提供されてもよい場合、ユーザは、開始時間及び終了時間を設定せずに要求情報を送信する。その他、ユーザは、終了時間のみを設定してもよいし、ユーザが許容可能な時間幅で開始時間と終了時間とを設定してもよい。本実施形態では、サイト提供部110は、開始時間及び/又は終了時間が設定されると、その設定内容に応じたサービスの料金を表示するように更新した予約画面のウェブページを送信する。
【0120】
予約画面で各データの入力を済ませた後、例えば、ブラウザ上で「予約」コントロールを選択する等、ブラウザでのユーザAの操作に応じて、ユーザ端末20からサーバ装置10に要求情報が送信されると(S905)、サーバ装置10の要求受信部114は、まず、要求情報に含まれる第1地点及び第2地点をチェックする(S906)。本実施形態では、要求情報には、予約日付、開始時間、終了時間、サービス種別、付加サービス種別、会員ID、第1地点、第2地点、電力量等が含まれる。
【0121】
ここでは、ユーザ端末20から、予約日付「2022/4/1」、開始時間「7:30」、サービス種別「人流サービス」、付加サービス種別、会員ID「100A」、第1地点「自宅」、第2地点「○○駅」を含む要求情報Aを受信して、要求受信部114は、会員ID「100A」に基づいて会員データベース102から当該会員の住所「地点1A」を取得して、要求情報の第1地点を会員の住所「地点1A」に置き換える。さらに要求受信部114は、地図データベース103から「〇〇駅」の住所「地点2A」を取得して、要求情報の第2地点を「地点2A」に置き換える。
【0122】
次に、要求受信部114は、サービス種別が物流サービスであるか否か判定する(S907)。物流サービス以外の場合、処理はS908に進み、物流サービスの場合、処理はS911へ進む。ここでは、要求受信部114は物流サービスでないと判定し、処理はS908に進む。
【0123】
S908において、要求受信部114は、要求情報に含まれる開始時間及び終了時間をチェックする。ここでは、要求受信部114は、第1地点「地点1A」と第2地点「地点2A」とに基づいて終了時間「7:50」を算出する。最後に、要求受信部114は、予約日付が当日であるか否か判定し、当日でない場合(S909:No)、要求データベース106にレコードを登録する(S910)。ここでは、予約日付は当日ではなく、要求受信部114は、算出した終了時間「7:50」及び要求情報Aに基づいて要求データベース106にレコードを登録したものとする。一方、予約日付が当日である場合(S909:Yes)、処理は
図11へ進む。
【0124】
<物流サービス>
電気自動車サービスサイトの会員であるユーザXが、ユーザ端末20のブラウザを用いてサーバ装置10の提供する電気自動車サービスサイトへとアクセスすると(S901)、サーバ装置10のサイト提供部110は、アクセスを受けたURLに応じたウェブページをユーザ端末20へと送信する(S902)。
【0125】
例えばブラウザ上に表示された「サービスを予約する」コントロールをユーザAが選択する等、ブラウザでのユーザAの操作に応じて、ユーザ端末20からサーバ装置10にサービスを予約するための要求が送信されると(S903)、サイト提供部110は、予約画面のウェブページをユーザ端末20に送信する(S904)。
【0126】
予約画面で各データの入力を済ませた後、例えば、ブラウザ上で「予約」コントロールを選択する等、ブラウザでのユーザXの操作に応じて、ユーザ端末20からサーバ装置10に要求情報が送信されると(S905)、サーバ装置10の要求受信部114は、まず、要求情報に含まれる第1地点及び第2地点をチェックする(S906)。本実施形態では、要求情報には、予約日付、開始時間、終了時間、サービス種別、付加サービス種別、会員ID、第1地点、第2地点、電力量等が含まれる。
【0127】
ここでは、ユーザ端末20から、予約日付「2022/4/2」、開始時間「10:00」、サービス種別「物流サービス」、会員ID「100X」、第1地点「自宅」、第2地点「地点2X」を含む要求情報Bを受信して、要求受信部114は、会員ID「100X」に基づいて会員データベース102から当該会員の住所「地点1X」を取得して、要求情報の第1地点を会員の住所「地点1X」に置き換える。なお、「地点2X」は住所を示すデータであるため、要求情報の第2地点については置き換えの処理は不要である。
【0128】
次に、要求受信部114は、サービス種別が物流サービスであるか否か判定する(S907)。ここでは、要求受信部114は物流サービスであると判定し、S911に進む。S911において、要求受信部114は、エリアデータベース104に基づいて、第1地点と第2地点が同一エリアであるか否か判定する。第1地点と第2地点が同一エリア内の場合(S911:Yes)、処理はS908に進み、要求受信部114は、第1地点と第2地点とに基づいて終了時間を算出し、算出した終了時間及び要求情報Bに基づいて要求データベース106にレコードを登録する(S910)。
【0129】
一方で、第1地点と第2地点が異なるエリアである場合(S911:No)、要求受信部114は、要求情報を、第1地点から第2地点の経路上に存在する、受渡拠点を経由する複数の要求情報に分割する(S912)。ここでは、第1地点(エリア1)から受渡拠点(エリア2)と受渡拠点(エリア3)とを経由して第2地点(エリア3)に物を輸送する場ものとし、要求受信部114は、要求情報Bを要求情報B1(第1地点「地点1X」からエリア2の受渡拠点住所「地点S2」)、要求情報B2(エリア2の受渡拠点住所「地点S2」からエリア3の受渡拠点住所「地点S3」)、要求情報B3(エリア3の受渡拠点住所「地点S3」から第2地点住所「地点2X」)に分割する。
【0130】
その後、処理はS908に進み、要求受信部114は、B1の第1地点と第2地点とに基づいて、B1の終了時間を算出する。ここでは、第1地点「地点1X」と第2地点「地点S2」とに基づいて、B1の終了時間「10:40」を算出したものとする。さらに、要求情報B2及び要求情報B3の開始時間及び終了時間について、要求受信部114は、要求情報Bの終了時間に基づいて決定する。例えば、要求情報Bで終了時間が設定されていない場合、要求受信部114は、要求情報B2及び要求情報B3の開始時間及び終了時間を設定せず、予約日付のみ要求情報Bの予約日付を設定する。
【0131】
一方で、要求情報Bで終了時間が設定されている場合、要求受信部114は、設定された終了時間に間に合うよう、予約日付に加えて、要求情報B2及び要求情報B3の開始時間及び終了時間を設定する。ここでは、要求情報Bの終了時間が設定されていないので、要求受信部114は、要求情報B2及び要求情報B3の開始時間及び終了時間を設定せず、予約日付「2022/4/2」のみそれぞれ設定したものとする。最後に、要求受信部114は、要求データベース106にレコードを登録する(S910)。ここでは、要求受信部114は、分割した要求情報B1、要求情報B2及び要求情報B3に基づいて要求データベース106にレコードを登録したものとする。
【0132】
(スケジュール生成処理)
次に、
図10を用いて、実施形態に係るサーバ装置のスケジュール生成処理を詳細に説明する。本実施形態では、
図10で説明される処理を行う前に、サーバ装置10の発電データベース105に、各種データが保存されているものとする。また、本実施形態では、スケジュール生成部115は、前日までに保存された要求データベース106に基づいて電気自動車のスケジュールを生成するものとする。
【0133】
所定の時刻になると、スケジュール生成部115は、当日の要求情報を取得する(S1001)。本実施形態では、毎日午前0時になると、スケジュール生成部115は当日の要求情報を取得する。
【0134】
スケジュール生成部115は、取得したすべての要求情報について処理したか否か判定する(S1002)。未処理の要求情報がある場合(S1002:Yes)、処理はS1003に進む。S1003において、スケジュール生成部115は、未処理の要求情報に基づいてスケジュールを生成する。
【0135】
本実施形態では、スケジュール生成部115は、電気自動車ごとに、
図8に示されるようなスケジュールを生成する。
図8の例では、スケジュールには、要求ID、時間、場所、サービス内容、付加サービス種別、完了フラグ等が含まれている。本実施形態では、1つの要求につき、サービスの開始と終了とを示す2つのデータセットがスケジュールに含まれる。要求IDは、要求データベース106の要求IDであり、同一の要求IDのデータセットが、2つずつ存在する。スケジュール生成部115は、要求データベース106の開始時間、終了時間、第1地点、第2地点、サービス種別及び付加サービス種別に基づいて、スケジュールの時間、場所、サービス内容、付加サービス種別の各データを埋めてスケジュールを生成していく。
【0136】
スケジュール生成部115は、少なくとも、電気自動車データベース101の出発地点、蓄電池容量、蓄電池残量、電費と要求データベース106の充電サービス及び給電サービスとに基づいて、電気自動車の蓄電池残量が所定値に低下することがないように、スケジュールを生成する。
【0137】
また、スケジュール生成部115は、電気自動車データベース101の付加サービス種別を参照して、要求情報で付加サービス種別が指定されている場合、指定された付加サービス種別により示される付加サービスを提供するために、同一の付加サービス種別が関連付けられている電気自動車に当該要求情報を割り当てるようにスケジュールを生成する。
【0138】
さらに、スケジュール生成部115は、要求データベース106において開始時間や終了時間が厳密に設定されている要求を優先して割り当て、その後、時間設定に幅がある要求を割り当てていく。
【0139】
一実施形態では、スケジュール生成部115は、気象災害データベース107を参照して、スケジュールを生成する。一例では、スケジュール生成部115は、気象災害データベース107の渋滞情報を用いて移動時間を算出したり、通行止め情報を用いて移動時間を算出したりしてもよい。
【0140】
なお、本実施形態では、スケジュール生成部115は、同一エリア内の要求情報を優先して組み合わせてスケジュールを生成するものとするが、別のエリアの要求情報を組み合わせてスケジュールを生成してもよい。
【0141】
未処理の要求情報がない場合(S1002:No)、処理はS1004に進み、S1004において、スケジュール生成部115は、生成したスケジュールをスケジュールデータベース108に保存する。本実施形態では、スケジュールデータベース108には、自動車ID、スケジュール、空き時間が含まれており、スケジュール生成部115は、自動車ID、スケジュールと共に、スケジュールから把握される空き時間をスケジュールデータベース108に保存したものとする。
【0142】
その後、出力部116は、電気自動車の制御装置40にスケジュールを出力する(S1005)。本実施形態では、出力部116は、スケジュールデータベース108に基づいて、自動車IDで特定される電気自動車に、対応するスケジュールを出力する。
【0143】
(追加要求受信処理)
次に、
図9及び
図11を用いて、実施形態に係るサーバ装置の追加要求受信処理を詳細に説明する。本実施形態では、
図11で説明される処理を行う前に、ユーザαはサーバ装置10の提供する電気自動車サービスサイトの会員登録を済ませており、サーバ装置10の会員データベース102にユーザαのレコードが格納されているものとする。
【0144】
電気自動車サービスサイトの会員であるユーザαが、ユーザ端末20のブラウザを用いてサーバ装置10の提供する電気自動車サービスサイトへとアクセスすると(S901)、サイト提供部110は、アクセスを受けたURLに応じたウェブページをユーザ端末20へと送信する(S902)。
【0145】
例えばブラウザ上に表示された「サービスを予約する」コントロールをユーザαが選択する等、ブラウザでのユーザαの操作に応じて、ユーザ端末20からサーバ装置10にサービスを予約するための要求が送信されると(S903)、サイト提供部110は、予約画面のウェブページをユーザ端末20に送信する(S904)。
【0146】
予約画面で各データの入力を済ませた後、例えば、ブラウザ上で「予約」コントロールを選択する等、ブラウザでのユーザαの操作に応じて、ユーザ端末20からサーバ装置10に要求情報が送信されると(S905)、要求受信部114は、まず、要求情報に含まれる第1地点及び第2地点をチェックする(S906)。
【0147】
ここでは、ユーザ端末20から、予約日付「2022/4/1」、開始時間「11:00」、サービス種別「人流サービス」、会員ID「100α」、第1地点「自宅」、第2地点「地点2α」を含む要求情報Aを受信して、要求受信部114は、会員ID「100α」に基づいて会員データベース102から当該会員の住所「地点1α」を取得して、要求情報の第1地点を会員の住所「地点1α」に置き換える。
【0148】
次に、要求受信部114は、サービス種別が物流サービスであるか否か判定し、ここでは、要求受信部114は物流サービスでないと判定し、処理はS908に進む。
【0149】
S908において、要求受信部114は、要求情報に含まれる開始時間及び終了時間をチェックする。ここでは、要求受信部114は、第1地点「地点1α」と第2地点「地点2α」とに基づいて終了時間「11:30」を算出する。そして、要求受信部114は、予約日付が当日であるか否か判定し(S909)、ここでは、予約日付が当日であるため(S909:Yes)、処理は
図11へ進むものとする。
【0150】
サーバ装置10の追加要求受信部117は、要求情報に対応できるか否か判定する(S1101)。本実施形態では、追加要求受信部117は、スケジュールデータベース108の空き時間と自動車IDに関連付けられた付加サービス種別とに基づいて、受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在するか否か判定する。受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在する場合(S1101:Yes)、追加要求受信部117は、受信した要求情報と当該要求情報に対応可能な電気自動車の自動車IDとをスケジュール生成部115に渡して、スケジュールの更新を依頼する(S1102)。ここでは、追加要求受信部117は、受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在すると判定し、要求情報αと自動車ID「EV-A」とをスケジュール生成部115に渡したものとする。
【0151】
スケジュール生成部115は、自動車IDで特定される電気自動車のスケジュールに受信した要求情報を組み込むように更新する(S1103)。本実施形態では、複数の自動車IDが含まれる場合、スケジュール生成部115は、自動車IDで特定される複数の電気自動車のスケジュールに基づいて、より最適な電気自動車のスケジュールを選択して要求情報を組み込むように更新する。ここでは、スケジュール生成部115は、自動車ID「EV-A」で特定される電気自動車のスケジュールを
図8(A)から
図8(B)に示されるように更新したものとする。
【0152】
スケジュールデータベース108の更新が完了すると、出力部116は、更新したスケジュールを出力する(S1104)。ここでは、出力部116は、自動車ID「EV-A」で特定される電気自動車に更新したスケジュールを出力したものとする。また、追加要求受信部117は、ユーザ端末20に要求情報を受け付けた旨を送信するために、サイト提供部110にウェブページの更新を依頼する(S1105)。これを受け、サイト提供部110は、ユーザ端末20に、要求情報の受付完了を示す画面のウェブページを送信する(S1106)。
【0153】
一方、受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在しない場合(S1101:No)、追加要求受信部117は、ユーザ端末20に要求情報が受け付けられない旨を送信するために、サイト提供部110にウェブページの更新を依頼する(S1107)。これを受け、サイト提供部110は、ユーザ端末20に、要求情報の受付失敗を示す画面のウェブページを送信する(S1108)。
【0154】
なお、本実施形態では、前日までに保存された要求データベース106に基づいてスケジュール生成部115がスケジュールを生成し、その後ユーザ端末20から受信した要求情報に対応可能な電気自動車があるか否か判定するようにしているが、別の実施形態では、他の異なる時点でスケジュール生成部115がスケジュールを生成するようにしてもよい。
【0155】
(故障情報受信処理)
次に、
図12を用いて、実施形態に係るサーバ装置の故障情報受信処理を詳細に説明する。
【0156】
電気自動車の制御装置40から故障情報を受信すると(S1201)、サーバ装置10の故障情報受信部119は、故障車のスケジュールのうち、未対応のスケジュールを代行する電気自動車を決定する(S1202)。本実施形態では、故障情報には自動車ID、現在位置及び当該電気自動車のスケジュールのうち未対応のスケジュールを示す情報が含まれ、故障情報受信部119は、故障車の現在位置と未対応のスケジュールの内容に基づいて、代行の電気自動車を決定する。なお、未対応のスケジュールを示す情報には、スケジュールに含まれる要求IDのうち、完了フラグに「1:完了」が設定されていない要求IDが含まれるものとする。
【0157】
ここでは、制御装置40から自動車ID「EV-A」、現在位置「地点Y」及び当該電気自動車のスケジュールのうち未対応のスケジュールを示す情報「0020、0011、0021」を含む故障情報を受信して、故障情報受信部119は、自動車ID「EV-D」で特定される電気自動車を代行として決定したものとする。
【0158】
代行する電気自動車を決定すると、故障情報受信部119は、故障情報と代行する電気自動車の自動車IDとをスケジュール生成部115に渡して、スケジュールの更新を依頼する(S1203)。なお、本実施形態では、故障情報受信部119は、代行する電気自動車が、故障車を所定の拠点に運ぶ業務を遂行するように、スケジュール生成部115に指示し、ここでは、故障情報受信部119は、未対応のスケジュールを示す情報「0020、0011、0021」に、故障車輸送業務を示す業務ID「EEEE」を付加することで、スケジュール生成部115にその旨を指示する。
【0159】
スケジュール生成部115は、自動車IDで特定される電気自動車のスケジュールに未対応のスケジュールを組み込むように更新する(S1204)。ここでは、スケジュール生成部115は、自動車ID「EV-D」で特定される電気自動車のスケジュールに要求ID「0020」、「0011」、「0021」で特定される要求情報が含まれるように更新したものとする。さらに、未対応のスケジュールを示す情報に含まれる業務ID「EEEE」に基づいて、スケジュール生成部115は、自動車ID「EV-D」で特定される電気自動車のスケジュールに、業務ID「EEEE」、場所「地点Y」を含む故障車の輸送スケジュールが含まれるように更新したものとする。
【0160】
スケジュールデータベース108の更新が完了すると、出力部116は、更新したスケジュールを出力する(S1205)。ここでは、出力部116は、自動車ID「EV-D」で特定される電気自動車に更新したスケジュールを出力したものとする。なお、本実施形態では、電気自動車は他の電気自動車と連結して走行する機能を備えており、代行する電気自動車は、故障車を連結して運びながら未対応のスケジュールを代行することができる。
【0161】
なお、本実施形態では、故障情報受信部119は、代行する電気自動車が故障車を所定の拠点に運ぶ業務を遂行するように、スケジュール生成部115に指示したが、別の実施形態では、故障情報受信部119は、未対応のスケジュールを代行する第1の電気自動車と、故障車を所定の拠点に運ぶ第2の電気自動車とを決定し、第1の電気自動車及び第2の電気自動車のスケジュールの更新を依頼するようにしてもよい。
【0162】
また、本実施形態では、未対応のスケジュールを代行する1の電気自動車を決定したが、未対応のスケジュールを代行する複数の電気自動車を決定して、複数の電気自動車のスケジュールの更新を依頼するようにしてもよい。
【0163】
(充電要求受信処理)
次に、
図13を用いて、実施形態に係るサーバ装置の充電要求受信処理を詳細に説明する。
【0164】
電気自動車の制御装置40から充電要求を受信すると(S1301)、サーバ装置10の充電要求受信部120は、充電要求を送信した電気自動車の給電に向かう電気自動車を決定する(S1302)。本実施形態では、充電要求には自動車ID及び現在位置が含まれ、充電要求受信部120は、充電要求を送信した電気自動車の位置、他の電気自動車の蓄電池残量やスケジュール等に基づいて、給電に向かう電気自動車を決定する。なお、本実施形態では、電気自動車は自車両の蓄電池と他車両の蓄電池とで双方向に電力供給が可能な充放電装置を備えており、2つの車両を連結して走行しながら電力供給を行うことが可能である。
【0165】
ここでは、制御装置40から自動車ID「EV-A」及び現在位置「地点W」を含む充電要求を受信して、充電要求受信部120は、自動車ID「EV-E」で特定される電気自動車を、給電に向かう電気自動車として決定したものとする。
【0166】
給電に向かう電気自動車を決定すると、充電要求受信部120は、充電要求と給電に向かう電気自動車の自動車IDとをスケジュール生成部115に渡して、スケジュールの更新を依頼する(S1303)。なお、本実施形態では、充電要求受信部120は、給電に向かう電気自動車が、連結して走行しながら電力供給業務を遂行するようにスケジュール生成部115に指示し、ここでは、充電要求受信部120は、充電要求に、連結給電業務を示す業務ID「PPPP」を含めることで、スケジュール生成部115にその旨を指示する。
【0167】
スケジュール生成部115は、自動車IDで特定される電気自動車のスケジュールに連結給電のスケジュールを組み込むように更新する(S1304)。ここでは、スケジュール生成部115は、自動車ID「EV-E」で特定される電気自動車のスケジュールに、業務ID「PPPP」、場所「地点W」、サービス内容「EV-Aへの給電」を含む連結給電スケジュールが含まれるように更新したものとする。
【0168】
スケジュールデータベース108の更新が完了すると、出力部116は、更新したスケジュールを出力する(S1305)。ここでは、出力部116は、自動車ID「EV-E」で特定される電気自動車に更新したスケジュールを出力したものとする。
【0169】
以上、本実施形態によれば、サーバ装置10は、例えば人流サービスを利用するユーザにその移動中に車内で理髪サービスや買い物サービス等を提供したり、給電サービスを利用するユーザにその待ち時間の間、カラオケサービスを提供したり等、複数のサービスを同時に提供することができる。人流サービス、物流サービス及び電力サービスを提供可能な電気自動車に、更なる付加サービスの機能を備えることで、電気自動車という資源を最大限に活用してユーザにサービスを提供することができる。
【0170】
さらに、サーバ装置10は、スケジュール生成部がスケジュールを生成した後にユーザ端末から受信した要求情報に対応可能な電気自動車が存在するか否か判定する追加要求受信部を備えることで、一度スケジュールを生成した後でも、電気自動車の空き時間を活用して更なるサービスを提供することができる。
【0171】
さらに、サーバ装置10は、電気自動車が故障してしまった場合にも、故障車の未対応のスケジュールを代行する電気自動車を決定することができるので、ユーザは安心してサービスの提供を受けることができる。
【0172】
さらに、サーバ装置10は、電気自動車から充電要求があった場合に、給電に向かう電気自動車を決定することができるので、例えば予期せぬ渋滞等で電気自動車の蓄電池残量が予想以上に低下してしまった場合にも対処することができる。
【0173】
さらに、サーバ装置10は、気象情報や災害情報を取得して活用することにより、実効性の高いスケジュールを生成することができる。
【0174】
さらに、サーバ装置10は、事前設定したエリアをまたぐ物流サービスが要求された場合、エリア毎に設置した受渡拠点を経由する複数の要求に分割する構成を備えることで、エリア内に配備した電気自動車の構成を大きく変えることなく、安定して各地でサービスを提供することができる。
【0175】
さらに、サーバ装置10は、要求情報においてユーザの優先度に応じた時間の設定を可能とすることで、より多くの要求を効率よくスケジューリングすることができる。
【符号の説明】
【0176】
10…サーバ装置(情報処理装置)、10a…プロセッサ、10b…RAM、10c…ROM、10d…通信装置、10e…記憶装置、10f…入力装置、10g…表示装置、100、記憶部、101…電気自動車データベース、102…会員データベース、103…地図データベース、104…エリアデータベース、105…発電データベース、106…要求データベース、107…気象災害データベース、108…スケジュールデータベース、110…サイト提供部、111…会員登録部、112…情報取得部、113…発電情報受信部、114…要求受信部、115…スケジュール生成部、116…出力部、117…追加要求受信部、118…進捗管理部、119…故障情報受信部、120…充電要求受信部、20…ユーザ端末、20a…プロセッサ、20b…RAM、20c…ROM、20d…通信装置、20e…記憶装置、20f…入力装置、20g…表示装置、30…発電施設端末、30a…プロセッサ、30b…RAM、30c…ROM、30d…通信装置、30e…記憶装置、30f…入力装置、30g…表示装置、40…制御装置、40a…プロセッサ、40b…RAM、40c…ROM、40d…通信装置、40e…記憶装置、40f…入出力インタフェース、401…地図情報、402…スケジュール情報、41…スケジュール受信部、42…自動運転制御部、43…進捗送信部、44…故障情報送信部、45…充電要求送信部、46…記憶部、50…外部サーバ、N…通信ネットワーク