IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー株式会社の特許一覧

特開2023-146214振動素子、振動素子アレイ及び電子機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146214
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】振動素子、振動素子アレイ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   H10N 30/30 20230101AFI20231004BHJP
   H03H 9/17 20060101ALI20231004BHJP
   H03H 9/22 20060101ALI20231004BHJP
   H10N 30/80 20230101ALI20231004BHJP
   H10N 35/80 20230101ALI20231004BHJP
   H10N 30/20 20230101ALI20231004BHJP
   H10N 35/00 20230101ALI20231004BHJP
   H10N 30/853 20230101ALI20231004BHJP
   H10N 35/85 20230101ALI20231004BHJP
   H10N 52/85 20230101ALI20231004BHJP
   H01L 29/82 20060101ALI20231004BHJP
   H10N 30/85 20230101ALI20231004BHJP
【FI】
H01L41/113
H03H9/17 F
H03H9/22
H01L41/04
H01L41/06
H01L41/09
H01L41/12
H01L41/187
H01L41/20
H01L43/10
H01L29/82 Z
H01L41/18 101D
H01L41/18 101Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053291
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112874
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 薫
(72)【発明者】
【氏名】松下 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】川村 昂
【テーマコード(参考)】
5F092
5J108
【Fターム(参考)】
5F092AB01
5F092BD03
5F092BD04
5F092BD05
5F092BD12
5J108BB07
5J108BB08
5J108CC01
5J108EE04
5J108EE07
5J108EE13
5J108KK01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電場及び磁場を相互に効率良く変換できる構造を有する振動素子、電子部品及び積層セラミックコンデンサを提供する。
【解決手段】振動素子10は、電場印加により弾性変形する複数の第1弾性層と、磁場印加により弾性変形する少なくとも1つの第2弾性層と、を含む複数の層が積層された振動部を備える。振動素子によれば、電場及び磁場を相互に効率良く変換できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電場印加により弾性変形する複数の第1弾性層と、
磁場印加により弾性変形する少なくとも1つの第2弾性層と、
を含む複数の層が積層された振動部を備える、振動素子。
【請求項2】
前記第1弾性層は、前記第2弾性層の弾性変形により弾性変形したときに電場を発生させ、
前記第2弾性層は、前記第1弾性層の弾性変形により弾性変形したときに磁場を発生させる、請求項1に記載の振動素子。
【請求項3】
前記第1弾性層同士が隣接していない、請求項1に記載の振動素子。
【請求項4】
前記第2弾性層が複数あり、
前記第2弾性層同士が隣接していない、請求項1に記載の振動素子。
【請求項5】
前記複数の層は、第3弾性層を含み、
前記第3弾性層の両側に前記第1弾性層が配置されている、請求項1に記載の振動素子。
【請求項6】
前記第2弾性層が複数あり、
前記第3弾性層及び該第3弾性層の両側の前記第1弾性層を含む積層部の両側に前記第2弾性層が配置されている、請求項5に記載の振動素子。
【請求項7】
前記第1及び第2弾性層が交互に積層されている、請求項1に記載の振動素子。
【請求項8】
前記第2弾性層の両側に前記第1弾性層が配置されている、請求項1に記載の振動素子。
【請求項9】
前記複数の層は、前記第2弾性層及び該第2弾性層の両側の前記第1弾性層を含む積層部の両側に配置された第3弾性層を含む、請求項8に記載の振動素子。
【請求項10】
前記第2弾性層が少なくとも3つあり、
前記第2弾性層及び該第2弾性層の両側の前記第1弾性層を含む積層部の両側に前記第2弾性層が配置されている、請求項8に記載の振動素子。
【請求項11】
前記複数の層のうち積層方向の中間に位置する層の両側に前記第1弾性層が配置され、
該第1弾性層同士は、厚さ及び/又は材質が異なる、請求項1に記載の振動素子。
【請求項12】
前記第2弾性層が複数あり、
前記複数の層のうち積層方向の中間に位置する層の両側に前記第2弾性層が配置され、
該第2弾性層同士は、厚さ及び/又は材質が異なる、請求項1に記載の振動素子。
【請求項13】
前記複数の層は、共振調整層を有する、請求項1に記載の振動素子。
【請求項14】
前記振動部から延在する複数の腕部と、
前記複数の腕部を介して前記振動部を振動可能に支持する支持構造と、
を更に備える、請求項1に記載の振動素子。
【請求項15】
前記支持構造は、前記振動部の一部が配置される凹部を有する支持部材を含み、
前記複数の腕部の各々の先端を含む部分が前記凹部の開口端に接続されている、請求項14に記載の振動素子。
【請求項16】
前記第1弾性層は、圧電層を含む、請求項1に記載の振動素子。
【請求項17】
前記第2弾性層は、磁歪特性を持つ磁性層を含む、請求項1に記載の振動素子。
【請求項18】
前記第3弾性層は、非圧電層を含む、請求項5に記載の振動素子。
【請求項19】
前記第3弾性層は、非圧電層を含む、請求項9に記載の振動素子。
【請求項20】
前記第2弾性層は、交互に積層された磁歪特性を持つ磁性層及び絶縁層を含む、請求項1に記載の振動素子。
【請求項21】
前記振動素子は、アンテナ素子である、請求項1に記載の振動素子。
【請求項22】
2.45GHz帯付近で動作可能である、請求項21に記載の振動素子。
【請求項23】
請求項1に記載の振動素子がアレイ状に複数配置された、振動素子アレイ。
【請求項24】
請求項1に記載の振動素子を備える、電子機器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示に係る技術(以下「本技術」とも呼ぶ)は、振動素子、振動素子アレイ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、圧電層上に磁歪層が設けられた磁界センサが知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-148503号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の磁界センサでは、電場及び磁場を相互に効率良く変換できる構造を有していなかった。
【0005】
そこで、本技術は、電場及び磁場を相互に効率良く変換できる構造を有する振動素子を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術は、電場印加により弾性変形する複数の第1弾性層と、
磁場印加により弾性変形する少なくとも1つの第2弾性層と、
を含む複数の層が積層された振動部を備える、振動素子を提供する。
前記第1弾性層は、前記第2弾性層の弾性変形により弾性変形したときに電場を発生させ、前記第2弾性層は、前記第1弾性層の弾性変形により弾性変形したときに磁場を発生させてもよい。
前記第1弾性層同士が隣接していなくてもよい。
前記第2弾性層が複数あり、前記第2弾性層同士が隣接していなくてもよい。
前記複数の層は、第3弾性層を含み、前記第3弾性層の両側に前記第1弾性層が配置されていてもよい。
前記第2弾性層が複数あり、前記第3弾性層及び該第3弾性層の両側の前記第1弾性層を含む積層部の両側に前記第2弾性層が配置されていてもよい。
前記第1及び第2弾性層が交互に積層されていてもよい。
前記第2弾性層の両側に前記第1弾性層が配置されていてもよい。
前記複数の層は、前記第2弾性層及び該第2弾性層の両側の前記第1弾性層を含む積層部の両側に配置された第3弾性層を含んでいてもよい。
前記第2弾性層が少なくとも3つあり、前記第2弾性層及び該第2弾性層の両側に配置された前記第1弾性層を含む積層部の両側に前記第2弾性層が配置されていてもよい。
前記複数の層のうち積層方向の中間に位置する層の両側に前記第1弾性層が配置され、該第1弾性層同士は、厚さ及び/又は材質が異なっていてもよい。
前記第2弾性層が複数あり、前記複数の層のうち積層方向の中間に位置する層の両側に前記第2弾性層が配置され、該第2弾性層同士は、厚さ及び/又は材質が異なっていてもよい。
前記複数の層は、共振調整層を有していてもよい。
前記振動素子は、前記振動部から延在する複数の腕部と、前記複数の腕部を介して前記振動部を振動可能に支持する支持構造とを更に備えていてもよい。
前記支持構造は、前記振動部の一部が配置される凹部を有する支持部材を含み、前記複数の腕部の各々の先端を含む部分が前記凹部の開口端に接続されていてもよい。
前記第1弾性層は、圧電層を含んでいてもよい。
前記第2弾性層は、磁歪特性を持つ磁性層を含んでいてもよい。
前記第3弾性層は、非圧電層を含んでいてもよい。
前記第2弾性層は、交互に積層された磁歪特性を持つ磁性層及び絶縁層を含んでいてもよい。
前記振動素子は、前記振動部に接合された反射層を更に備える、請求項1に記載の振動素子。
前記振動素子は、アンテナ素子であってもよい。
前記振動素子は、2.45GHz帯で動作可能であってもよい。
本技術は、前記振動素子がアレイ状に複数配置された、振動素子アレイも提供する。
本技術は、前記振動素子を備える、電子機器も提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】比較例1の振動素子の断面構成を示す図である。
図2】ジュール効果を表す式及びビラリ効果を表す式である。
図3図3Aは、比較例1の振動素子の共振周波数と位相との関係を説明するための図である。図3Bは、比較例2の振動素子の共振周波数と位相との関係を説明するための図である。
図4図4Aは、本技術の第1実施形態に係る振動素子の斜視図である。図4Bは、本技術の第1実施形態の振動素子の断面構成例を示す図である。図4Cは、本技術の第1実施形態に係る振動素子の回路特性を説明するための図である。
図5】本技術の第1実施形態の実施例1に係る振動素子の断面図である。
図6】本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の断面図である。
図7】本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の平面図である。
図8】本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の機能を示すブロック図である。
図9図9Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の実装例を示す図である。図9Bは、従来のアンテナ素子の実装例を示す図である。
図10】本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図11図11Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の断面図である。図11Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の平面図である。
図12図12Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の断面図である。図12Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の平面図である。
図13図13Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の断面図である。図13Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の平面図である。
図14図14Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の断面図である。図14Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の平面図である。
図15図15Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の断面図である。図15Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の平面図である。
図16図16Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の断面図である。図16Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の平面図である。
図17図17Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の断面図である。図17Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の平面図である。
図18図18Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の断面図である。図18Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の平面図である。
図19図19Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の断面図である。図19Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の製造方法の一例の工程毎の平面図である。
図20図20Aは、比較例1の振動素子の応力/周波数特性を示す図である。図20Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の応力/周波数特性を示す図である。
図21図21Aは、比較例1の振動素子の共振点の周波数を示す図である。図21Bは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子の共振点の周波数を示す図である。
図22】本技術の第2実施形態に係る振動素子の断面図である。
図23】本技術の第3実施形態に係る振動素子の断面図である。
図24】本技術の第4実施形態に係る振動素子の断面図である。
図25図25Aは、本技術の第4実施形態の実施例1に係る振動素子の平面図である。図25Bは、本技術の第4実施形態の実施例2に係る振動素子の平面図である。
図26】本技術の第5実施形態に係る振動素子の断面図である。
図27】本技術の第6実施形態に係る振動素子の断面図である。
図28図28Aは、本技術の第6実施形態の実施例1に係る振動素子の断面図である。図28Bは、本技術の第6実施形態の実施例2に係る振動素子の断面図である。
図29】本技術の第7実施形態の実施例1に係る振動素子の断面図である。
図30】本技術の第7実施形態の実施例2に係る振動素子の断面図である。
図31】本技術の第7実施形態の実施例3に係る振動素子の断面図である。
図32】本技術の第8実施形態の実施例1に係る振動素子の断面図である。
図33】本技術の第8実施形態の実施例2に係る振動素子の断面図である。
図34】本技術の第8実施形態の実施例3に係る振動素子の断面図である。
図35図35Aは、本技術の第9実施形態の実施例1に係る振動素子アレイの斜視図である。図35Bは、本技術の第9実施形態の実施例2に係る振動素子アレイの斜視図である。
図36】本技術の第10実施形態に係る振動素子の断面図である。
図37図37Aは、本技術の第10実施形態の実施例1に係る振動素子の平面図である。図37Bは、本技術の第10実施形態の実施例2に係る振動素子の平面図である。図37Cは、本技術の第10実施形態の実施例3に係る振動素子の平面図である。図37Dは、本技術の第10実施形態の実施例4に係る振動素子の平面図である。
図38図38Aは、本技術の第10実施形態の実施例5に係る振動素子の平面図である。図38Bは、本技術の第10実施形態の実施例6に係る振動素子の平面図である。図38Cは、本技術の第10実施形態の実施例7に係る振動素子の平面図である。
図39図39Aは、本技術の第10実施形態の実施例8に係る振動素子の平面図である。図39Bは、本技術の第10実施形態の実施例9に係る振動素子の平面図である。
図40図40Aは、本技術の第10実施形態の実施例10に係る振動素子の断面図である。図40Bは、本技術の第10実施形態の実施例11に係る振動素子の断面図である。図40Cは、本技術の第10実施形態の実施例12に係る振動素子の断面図である。
図41】本技術の第11実施形態の実施例1に係る振動素子の断面図である。
図42】本技術の第11実施形態の実施例2に係る振動素子の断面図である。
図43】本技術の第11実施形態の実施例3に係る振動素子の断面図である。
図44】本技術の第11実施形態の実施例4に係る振動素子の断面図である。
図45】本技術の第12実施形態に係る振動素子の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照しながら、本技術の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。本明細書において、本技術に係る振動素子、振動素子アレイ及び電子機器が複数の効果を奏することが記載される場合でも、本技術に係る振動素子、振動素子アレイ及び電子機器は、少なくとも1つの効果を奏すればよい。本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものではなく、また他の効果があってもよい。
【0009】
また、以下の順序で説明を行う。
0.導入
1.本技術の第1実施形態に係る振動素子
2.本技術の第2実施形態に係る振動素子
3.本技術の第3実施形態に係る振動素子
4.本技術の第4実施形態に係る振動素子
5.本技術の第5実施形態に係る振動素子
6.本技術の第6実施形態に係る振動素子
7.本技術の第7実施形態に係る振動素子
8.本技術の第8実施形態に係る振動素子
9.本技術の第9実施形態に係る振動素子アレイ
10.本技術の第10実施形態に係る振動素子
11.本技術の第11実施形態に係る振動素子
12.本技術の第12実施形態に係る振動素子
【0010】
<0.導入>
従来、SMR(Solidly Mounted Resonator)共振子、FBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)共振子等の共振子を持つ振動素子(例えばアンテナ素子)が知られている。しかしながら、従来の振動素子では、電場及び磁場を相互に効率良く変換できる構造を有していなかった。該構造を有する振動素子は、小型化且つ高性能化が可能なため、特に設置スペースに制約のある小型の電子機器(例えばイヤフォン、スマートウォッチ、スマートフォン、IOTデバイス等のモバイル機器)に搭載する上で極めて有用である。
【0011】
そこで、発明者らは、鋭意検討の末、電場及び磁場を相互に効率良く変換できる構造を有する振動素子として、本技術に係る振動素子を開発した。
【0012】
[比較例の振動素子]
図1は、比較例1の振動素子(例えばアンテナ素子)の断面構成を示す図である。図2は、ジュール効果を表す式及びビラリ効果を表す式である。
【0013】
図1に示すように、比較例1の振動素子1では、圧電層(例えばAlN層)上に磁歪特性を有する磁性層(例えばFeGaB層)が設けられている。磁性層は、電極を兼ねる。圧電層の下面には、例えばPtからなる電極が設けられている。すなわち、振動素子1は、圧電層が2つの電極で挟まれた構成を有している。振動素子1は、図1に示すように、面内方向の中央に共振部(振動部)を有し、面内方向の周辺に該共振部から外方に延在する腕部を複数(例えば2つ)有する。詳述すると、振動素子1は、共振周波数2.3025GHzを待つユニモルフ構造のFBAR共振子である。
【0014】
(受信時)
振動素子1では、受信時に周囲の電磁波が磁性層に入る。このとき、ジュール効果(図2参照)により磁性層に磁歪が発生し、振動素子1全体に歪みが生じる。このとき、正圧電効果により圧電素子から電圧が出力される。
【0015】
(発信時)
振動素子1では、発信時に圧電層に電圧が印加される。このとき、逆圧電効果により圧電層に歪みが発生し、振動素子1全体に歪みが生じる。このとき、ビラリ効果(図2参照)により磁性層の磁化が周期的に変化する。周期的な磁化変化により、周囲に磁場が発生する。
【0016】
(問題点及び解決策)
比較例1の振動素子では、入力に対する出力の比率であるゲイン(利得)が要求水準に達していない。高ゲインを得るためには、磁化を増加させる必要がある。磁化を増加させる手法としては、以下の2点が有効である。
1.振動素子全体の歪みを大きくしてビラリ効果を増加させる。
2.磁性層自体の体積を増加させ、磁化を増加させる(元々の体積分磁化Mを増やす)。
【0017】
図3Aは、比較例1の振動素子の共振周波数と位相との関係を説明するための図である。振動素子1では共振周波数2.45GHz付近で位相が-66°となる。
【0018】
図3Bは、比較例2の振動素子の共振周波数と位相との関係を説明するための図である。図3Bに示す比較例2の振動素子2は、図3Aに示す比較例1の振動素子1の磁性層の厚さを2倍にした構成を有している。振動素子2では共振周波数1.59GHz付近で位相が-8°となり、振動素子1に対して共振周波数が変わり、且つ、振幅が小さくなる。このように、比較例1の振動素子1の磁性層の厚さを単純に厚くしても、同一の共振周波数(所望の共振周波数)でより大きな振幅、すなわちより大きなゲインを得ることはできない。なお、振動素子は、構造(メカ)の相違のみでは、共振周波数が大きく変わらないことが確認されている。
【0019】
[1.本技術の第1実施形態に係る振動素子]
≪第1実施形態に係る振動素子の構成≫
図4Aは、本技術の第1実施形態に係る振動素子の斜視図である。図4Bは、本技術の第1実施形態の振動素子の断面構成例を示す図である。図4Cは、本技術の第1実施形態に係る振動素子の回路特性を説明するための図である。以下の説明では、断面構成例を示す図及び断面図において、便宜上、上側を上、下側を下として説明する。
【0020】
振動素子10は、一例としてアンテナ素子である。振動素子10は、一例として、2.45GHz帯(ブルートゥース(登録商標)の通信規格に対応する周波数帯)付近で動作可能である。すなわち、振動素子10は、一例として、共振周波数が2.45GHz帯になるように設計されている。なお、振動素子10は、共振周波数が2.45GHz帯未満の周波数帯又は2.45GHzを超える周波数帯になるように設計することも可能である。
【0021】
振動素子10は、図4Bに示すように、電場印加により弾性変形する複数(例えば2つ)の第1弾性層と、磁場印加により弾性変形する少なくとも1つ(例えば2つ)の第2弾性層とを含む複数(例えば5つ)の層が積層された振動部(共振部)を備える。振動素子10が有する複数の層は、基材層としての第3弾性層を更に含み、該第3弾性層の両側に第1弾性層が配置されている。
【0022】
振動素子10では、第1弾性層同士が隣接していない。振動素子10では、第2弾性層同士が隣接していない。振動素子10では、第3弾性層及び該第3弾性層の両側の第1弾性層を含む積層部の両側に第2弾性層が配置されている。
【0023】
振動素子10は、図4Aに示すように、振動部から外方に延在する複数(例えば2つ)の腕部を有する。図4Aの例では、振動素子10は、振動部の相対する2つの端部の一方から面内方向に沿って外方に延在する腕部と、該2つの端部の他方から面内方向に沿って外方に延在する腕部とを有している。各腕部は、振動素子10側とは反対側の端部が支持構造に支持されうる。各腕部の先端側には電極が設けられる。
【0024】
振動素子10は、2つの第1弾性層の間の第3弾性層が共通電極となり電源の一方の端子に接続され、且つ、2つの第2弾性層が短絡され電源の他方の端子に接続されうる。すなわち、振動素子10及び電源を含む回路は、図4Cに示すように2並列回路と等価である。
【0025】
第1弾性層は、第2弾性層の弾性変形により弾性変形したときに電場を発生させ、第2弾性層は、第1弾性層の弾性変形により弾性変形したときに磁場を発生させる。第1弾性層は、例えば圧電層を含みうる。第2弾性層は、例えば磁歪特性を持つ磁性層(磁歪層とも呼ぶ)を含みうる。第3弾性層は、例えば非圧電層を含みうる。
【0026】
第1弾性層の一例としての圧電層の材料としては、例えばPZT、ZnO、AlN、AlScN、KNN、PVDF、PLA、水晶、LiNbO、BaTiO等が挙げられる。各圧電層の厚さは、例えば1~1000nm程度である。なお、各圧電層の厚さは、層毎の物性値により決まる弾性波波長の少なくとも1/2倍又は1/4倍の厚さであることが好ましい。
【0027】
第2弾性層の一例としての磁歪特性を持つ磁性層の材料としては、導電性を有し、磁歪定数が0でなく、透磁率が高い材料が好ましく、例えば鉄系磁性材料系、電磁鋼板系、パーマロイ系、パーメンダ系、FeNi/Al/Co合金系、FeAlSi合金系、フェライト系、アモルファス・ナノ結晶磁性材系等が挙げられ、より詳細には、例えばNi、Ni-Co合金、Ni-Co-Cr合金、Ni-Fe合金、Fe-Co合金、Fe-Al合金、Fe-Co合金のNi、Fe系の金属磁性体、Niフェライト、Ni-Coフェライト、Ni-Cu-Coフェライト等のフェライト系磁性体が挙げられる。各磁性層の厚さは、例えば1~1000nm程度である。
【0028】
第3弾性層の一例としての基材層の材料としては、非圧電性の導電材料が好ましく、例えばMo、Pt、Al、Cu、Au,Ag等が挙げられる。基材層の厚さは、例えば50~200nm程度である。
【0029】
≪第1実施形態に係る振動素子の動作≫
振動素子10は、受信時及び発信時に上述した比較例1の振動素子1の動作と概ね同様の動作(但し、第3弾性層(基材層)を中心としたバイモルフの動作)を行う。
【0030】
(実施例1)
図5は、本技術の第1実施形態の実施例1に係る振動素子10-1の断面図である。振動素子10-1は、図5に示すように、電場印加により弾性変形する2つの第1弾性層101と、磁場印加により弾性変形する2つの第2弾性層102と、を含む5つの層が積層された振動部VPを備える。振動素子10-1は、振動部VPの相対する2つの端部の一方から外方に延在する腕部APと、他方から外方に延在する腕部APとを有している。振動素子10-1では、一例として、各第1弾性層101の厚さが同一とされ、且つ、各第2弾性層102の厚さが同一とされている。各第1弾性層101は、例えば圧電層を含みうる。各第2弾性層102は、例えば磁歪特性を持つ磁性層を含みうる。以下では、上側の第1弾性層101が圧電層を含む場合に該圧電層を上部圧電層とも呼ぶ。下側の第1弾性層101が圧電層を含む場合に該圧電層を下部圧電層とも呼ぶ。上側の第2弾性層102が磁歪特性を持つ磁性層を含む場合に該磁性層を上部磁性層とも呼ぶ。下側の第2弾性層102が磁歪特性を持つ磁性層を含む場合に該磁性層を下部磁性層とも呼ぶ。
【0031】
(実施例2)
図6は、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2の断面図である。図7は、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2の平面図である。図8は、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2の機能を示すブロック図である。振動素子10-2は、図6及び図7に示すように、複数の腕部APを介して振動部VPを振動可能に支持する支持構造を有する点を除いて、実施例1に係る振動素子10-1と同様の構成を有する。該支持構造は、振動部VPの一部が挿入される凹部104aを有する支持部材としての基板104を含む。複数の腕部APの各々の先端部が凹部104aの開口端に接続されている。振動部VPは、下端部(例えば下部磁性層を含む部分)が凹部104a内に配置される。
【0032】
振動素子10-2は、図8に示すように、振動部VPに接続された整合回路1000と、該整合回路1000に接続された通信ICと組み合わされて通信装置を構成しうる。整合回路1000は、振動部VPのインピーダンスと通信ICのインピーダンスとを一致させる機能(インピーダンスマッチング機能)を有する。通信ICは、振動素子10-2と、該振動素子10-2を内蔵する電子機器の制御部との間での通信を制御する。
【0033】
図9Aは、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2の実装例を示す図である。図9Bは、従来のアンテナ素子の実装例を示す図である。図9Aに示すように、振動素子10-2は、超小型で高ゲインを得ることが可能なので、例えばイヤフォン本体に実装される場合に設置の自由度が極めて高く、スペースユーティリティに優れる。一方、図9Bに示すように、従来のアンテナ素子は、例えばイヤフォン本体に実装される場合に所望の特性を得るためには、ある程度の大きさが必要であり(小型化に限界があり)、設置にある程度のスペースを要してしまう。
【0034】
以下、本技術の第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2の製造方法について、図10のフローチャート等を参照して説明する。
【0035】
最初のステップS1では、レジストパターンRP1を形成する(図11A及び図11B参照)。具体的には、基板104上に凹部104aが形成される箇所に開口するレジストパターンRP1を形成する。
【0036】
次のステップS2では、凹部104aを形成する(図12A及び図12B参照)。具体的には、レジストパターンRP1をマスクとして基板104を所定の深さ(凹部104aの深さ)までエッチング(例えばドライエッチング)することにより凹部104aを形成する。
【0037】
次のステップS3では、酸化膜OFを成膜する(図13A及び図13B参照)。具体的には、凹部104aが形成された基板104の全面に凹部104aの空隙を一定量埋めるように酸化膜OFを成膜する。
【0038】
次のステップS4では、下側の第2弾性層102としての下部磁性層を成膜する(図14A及び図14B参照)。具体的には、例えばRFスパッタ、マグネトロンスパッタ等により下部磁性層を全面に例えば厚さ1~1000nm程度で成膜する。
【0039】
次のステップS5では、平坦化を行う(図15A及び図15B参照)。具体的には、例えばCMP装置(Chemical Mechanical Polisher)を用いて全体を基板104の上面と同じ高さまで研磨して平坦化する。
【0040】
次のステップS6では、下側の第1弾性層101としての下部圧電層を成膜する。具体的には、例えばスパッタにより下部圧電層を全面に例えば厚さ25~1000nm程度で成膜する。
【0041】
次のステップS7では、非圧電性の第3弾性層103としての基材層を成膜する。具体的には、例えばCVDにより基材層を全面に例えば厚さ50~200nm程度で成膜する。
【0042】
次のステップS8では、上側の第1弾性層101としての上部圧電層を成膜する。具体的には、例えばスパッタにより上部圧電層を全面に例えば厚さ25~1000nm程度で成膜する。
【0043】
次のステップS9では、上側の第2弾性層102としての上部磁性層を成膜する(図16A及び図16B参照)。具体的には、例えばRFスパッタ、マグネトロンスパッタ等により上部磁性層を全面に例えば厚さ1~1000nm程度で成膜し、積層体を生成する。
【0044】
次のステップS10では、レジストパターンRP2を形成する(図17A及び図17B参照)。具体的には、積層体上に振動部VPが形成される箇所を覆うレジストパターンRP2を形成する。
【0045】
次のステップS11では、振動部VPを形成する(図18A及び図18B参照)。具体的には、レジストパターンRP2をマスクとして積層体を基板104が露出するまでエッチング(例えばドライエッチング)することにより振動部VPを形成する。
【0046】
最後のステップS12では、空隙を形成する(図19A及び図19B参照)。具体的には、エッチング(例えばウェットエッチング)により酸化膜OFを除去し、凹部104a内に空隙を形成する。
【0047】
なお、例えばステップS11又はステップS12の後に、例えばリフトオフにより、各腕部APの先端側に電極を形成してもよい(図25参照)。
【0048】
≪第1実施形態に係る振動素子の効果≫
以上の説明から分かるように、振動素子10は、第3弾性層(基材層)の両側に第1弾性層が配置された積層部がバイモルフ構造(一方が伸びると他方が縮むように構成された構造)を有している。さらに、振動素子10は、積層部の両側に第2弾性層が配置されたバイモルフ構造に近似する構造を有している。よって、振動素子10は、第1弾性層の変位及び該変位により第2弾性層に生じるビラリ効果を増加させることができ、且つ、第2弾性層の変位及び該変位により第1弾性層に生じる圧電効果を増加させることができる。これにより、振動素子10は、比較例1、2の振動素子に比べて、小型化しつつ高いゲインを得ることができる。
【0049】
さらに、振動素子10は、第3弾性層(基材層)を中心とした理想的なバイモルフの動作を行う場合に、ユニモルフ構造を有する比較例1の振動素子1に対して、一部繰り返しになるが以下の1~8の効果も得ることができる。
1.合成インピーダンスが略1/2となる。
2.同じ電力が入力される場合、電圧は1/√2倍、電流は√2倍となる。
3.各磁性層の磁気モーメントは電圧に比例するので1/√2倍、磁性層2層分では√2倍となる。
4.2つの磁性層は電気的に非常に近い距離に配置されるので、磁場(フィールド)は同位相で合成される。
5.放射電力は理想的に磁気モーメントの2乗に比例するので2倍となる。同時に放射効率も2倍となる。
6.共振周波数が図3Bの通りずれるため、所望の変位が当該周波数で発生しない。これに対して図4Bの構造を採用することで、共振周波数を同じにして、変位の低下を避け維持することができる。具体的には、振動素子10は、複数の第1弾性層101がバイモルフ構造を有し、且つ、複数の第2弾性層102がバイモルフ構造に近似する構造を有するため、体積が増加した場合でも変位を維持もしくは変位の減少を抑えることができる。
7,最大変位の維持-とともに応力も、振動素子1(図20A参照)よりも振動素子10の方が大きくなる(図20B参照)。
8.第1弾性層101をバイモルフ構造とし、第2弾性層102をバイモルフ構造に近似する構造とすることによっても、比較例1の振動素子1(図21A参照)と同様に、共振周波数を所望の周波数(例えば2.45GHz)付近とすることができる(図21B参照)。
【0050】
(総括)
第1実施形態に係る振動素子10は、電場印加により弾性変形する複数(例えば2つ)の第1弾性層101と、磁場印加により弾性変形する少なくとも1つ(例えば1つ)の第2弾性層102と、を含む複数の層が積層された振動部VPを備える。これにより、電場及び磁場を相互に効率良く変換できる構造を有する振動素子を提供することができる。
【0051】
[2.本技術の第2実施形態に係る振動素子]
図22は、本技術の第2実施形態に係る振動素子20の断面図である。振動素子20は、第1弾性層101が第2弾性層102の積層方向(上下方向)の両側に配置され、且つ、第2弾性層102及び該第2弾性層102の両側の第1弾性層101を含む積層部の積層方向(上下方向)の両側に第3弾性層103が配置されている点を除いて、第1実施形態の実施例1に係る振動素子10-1と同様の構成を有する。
【0052】
振動素子20では、第1及び第2弾性層101、102が交互に積層されている。
【0053】
振動素子20は、第2弾性層102を中心としたバイモルフの動作を行う点を除いて、振動素子10-1と同様の動作を行う。
【0054】
振動素子20によれば、振動素子10-1と同様の効果を得ることができる。
【0055】
[3.本技術の第3実施形態に係る振動素子]
図23は、本技術の第3実施形態に係る振動素子30の断面図である。振動素子30は、第2弾性層102及び該第2弾性層102の両側の第1弾性層101を含む積層部の積層方向(上下方向)の両側に第2弾性層102が配置されている点を除いて、第2実施形態に係る振動素子20と同様の構成を有する。
【0056】
振動素子30では、第1及び第2弾性層101、102が交互に積層されている。
【0057】
振動素子30は、振動素子20と同様の動作を行う。
【0058】
振動素子30によれば、振動素子20と同様の効果を得ることができる。
【0059】
[4.本技術の第4実施形態に係る振動素子]
図24は、本技術の第4実施形態に係る振動素子40の断面図である。振動素子40は、第1弾性層101の内部に第3弾性層103が配置されている点を除いて、第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2と概ね同様の構成を有する。
【0060】
振動素子40では、第1弾性層101(上部圧電層)の上面に外部電極e1が設けられ、該外部電極e1と導電材料からなる第3弾性層103(基材層)とが第1弾性層101内に設けられたビアV1を介して電気的に接続されている。外部電極e1及びビアV1は、一例として第3弾性層103と同一の導電材料からなるが、外部電極e1及びビアV1の少なくとも一方は、第3弾性層103とは異なる導電材料(例えばPt、Ti、Al、Cu、Mo、Au、Ag等)からなってもよい。
【0061】
振動素子40では、第1弾性層101の積層方向(上下方向)の上側に配置された導電材料からなる第2弾性層102(上部磁性層)と、第1弾性層101の下側に配置された導電材料からなる第2弾性層102(下部磁性層)とが第1弾性層101を貫通するビアV2を介して電気的に接続されている。ビアV2は、一例として、第2弾性層102と同一の導電材料からなるが、異なる導電材料(例えばPt、Ti、Al、Cu、Mo、Au、Ag等)からなってもよい。
【0062】
振動素子40では、一例として、外部電極e1が電源に接続され、且つ、上部磁性層がグラウンドに接続されているが、外部電極e1がグラウンドに接続され、且つ、上部磁性層が電源に接続されていてもよい。
【0063】
振動素子40は、第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2と同様の動作を行う。
【0064】
振動素子40は、第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2の製造方法に準じた製造方法により製造できる。
【0065】
振動素子40によれば、第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2と同様の効果を得ることができる。
【0066】
(実施例1)
図25Aは、本技術の第4実施形態の実施例1に係る振動素子40-1の平面図である。振動素子40-1では、小面積の外部電極e1と第3弾性層103とが例えば1つのビアV1を介して電気的に接続され、且つ、小面積の上部磁性層と下部磁性層とが例えば1つのビアV2を介して電気的に接続されている。振動素子40-1によれば、ビアの数が少なく、製造プロセスを簡略化できる。
【0067】
(実施例2)
図25Bは、本技術の第4実施形態の実施例2に係る振動素子40-2の平面図である。振動素子40-2では、大面積の外部電極e1と第3弾性層103とが例えば3つのビアV1を介して電気的に接続され、且つ、大面積の上部磁性層と下部磁性層とが例えば3つのビアV2を介して電気的に接続されている。振動素子40-2によれば、外部電極e1及び各磁性層の面積を大きくすることができ、低抵抗化を図ることができ、ひいては電力損失を低減することができる。
【0068】
[5.本技術の第5実施形態に係る振動素子]
図26は、本技術の第5実施形態に係る振動素子50の断面図である。振動素子50は、上側の第2弾性層102(上部磁性層)とは別に第1弾性層101上に外部電極e2が設けられ、且つ、下側の第2弾性層102(下部磁性層)とは別に第1弾性層101と基板104との間に内部電極e3が設けられている点を除いて、第4実施形態に係る振動素子40と同様の構成を有する。外部電極e2及び内部電極e3は、例えばPt、Ti、Al、Cu、Mo、Au、Ag等の導電材料からなってもよい。
【0069】
振動素子50は、第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2と同様の動作を行う。
【0070】
振動素子50は、第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2の製造方法に準じた製造方法により製造できる。
【0071】
振動素子50によれば、第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2と同様の効果を得ることができる。
【0072】
[6.本技術の第6実施形態に係る振動素子]
図27は、本技術の第6実施形態に係る振動素子60の断面図である。振動素子60は、導電材料からなり電極としても機能する第3弾性層103が電源Eの一方の端子(例えば負極端子)に配線で接続され、且つ、導電性を有する磁性層からなり電極としても機能する上側及び下側の第2弾性層102が電源Eの他方の端子(例えば正極端子)に接続される。すなわち、振動素子60は、電源Eに対して上半部及び下半部が並列に接続される。図27の例では、電源Eとして直流電源を用いているが、交流電源を用いてもよい。
【0073】
振動素子60では、電源EのON時に、上側の第1弾性層101(上部圧電層)及び下側の第1弾性層101(下部圧電層)の各々に電源Eの電圧が印加され、上部圧電層及び下部圧電層をバイモルフの動作を行うように弾性変形させることができる。
【0074】
(実施例1)
図28Aは、本技術の第6実施形態の実施例1に係る振動素子60-1の断面図である。振動素子60-1は、電源Eに対して振動素子60(図27参照)と同様に配線で接続されている。振動素子60-1では、各第1弾性層101(圧電層)の第3弾性層103(基材層)側の端部がマイナスに帯電し、第3弾性層103側とは反対側の端部がプラスに帯電するように分極する。これにより、各第1弾性層101は、図28Aの矢印に示すように同方向に変形する。このように、振動素子60-1では、パラレル型の変位優先の動作を行う。図28Aの例では、電源Eとして直流電源を用いているが、交流電源を用いてもよい。
【0075】
(実施例2)
図28Bは、本技術の第6実施形態の実施例2に係る振動素子60-2の断面図である。振動素子60-2は、導電性を有する磁性層からなり電極としても機能する上側及び下側の第2弾性層102のうち上側の第2弾性層102が電源Eの一方の端子(例えば正極端子)に接続され、下側の第2弾性層102が電源Eの他方の端子(例えば負極端子)に接続される。すなわち、振動素子60-2は、電源Eに対して上半部及び下半部が直列に接続される。振動素子60-2では、上側の第1弾性層101(圧電層)の第3弾性層103(基材層)側の端部がマイナスに帯電し、且つ、第3弾性層103側とは反対側の端部がプラスに帯電するように分極する。振動素子60-2では、下側の第1弾性層101(圧電層)の第3弾性層103側の端部がプラスに帯電し、且つ、第3弾性層103側とは反対側の端部がマイナスに帯電するように分極する。これにより、各第1弾性層101は、図28Bの矢印に示すように異方向に変形する。このように、振動素子60-2は、シリーズ型のセンシング性能優先の動作を行う。図28Bの例では、電源Eとして直流電源を用いているが、交流電源を用いてもよい。
【0076】
[7.本技術の第7実施形態に係る振動素子]
第7実施形態に係る振動素子は、積層方向の中央に位置する層である第3弾性層103の両側に第1弾性層101が配置され、該第1弾性層101同士は、厚さ及び/又は材質が異なりうる。第7実施形態に係る振動素子は、積層方向の中央に位置する層である第3弾性層103の両側に第2弾性層102が配置され、該第2弾性層102同士は、厚さ及び/又は材質が異なりうる。第7実施形態に係る振動素子によれば、応答可能な周波数帯域(共振周波数が存在する周波数帯域)を広げることが可能である。
【0077】
(実施例1)
図29は、本技術の第7実施形態の実施例1に係る振動素子70-1の断面図である。振動素子70-1は、上側及び下側の第1弾性層101(例えば圧電層)の厚さ及び材質のうち少なくとも厚さが異なる点を除いて、第1実施形態の実施例1に係る振動素子10-1と同様の構成を有する。振動素子70-1では、下側の第1弾性層101が上側の第1弾性層101よりも薄いが、厚くてもよい。
【0078】
(実施例2)
図30は、本技術の第7実施形態の実施例2に係る振動素子70-2の断面図である。振動素子70-2は、上側及び下側の第2弾性層102(例えば磁性層)の厚さが異なる点を除いて、第1実施形態の実施例1に係る振動素子10-1と同様の構成を有する。振動素子70-2では、下側の第2弾性層102が上側の第2弾性層102よりも厚いが、薄くてもよい。
【0079】
(実施例3)
図31は、本技術の第7実施形態の実施例3に係る振動素子70-3の断面図である。振動素子70-3は、上側及び下側の第1弾性層101(例えば圧電層)の厚さが異なり、且つ、上側及び下側の第2弾性層102(例えば磁性層)の厚さが異なる点を除いて、第1実施形態の実施例1に係る振動素子10-1と同様の構成を有する。振動素子70-3では、下側の第1弾性層101が上側の第2弾性層101よりも薄いが、厚くてもよい。振動素子70-3では、下側の第2弾性層102が上側の第2弾性層102よりも厚いが、薄くてもよい。
【0080】
[8.本技術の第8実施形態に係る振動素子]
第8実施形態に係る振動素子は、共振調整層を有する点を除いて、上記第1実施形態の実施例1に係る振動素子10-1と同様の構成を有する。第8実施形態に係る振動素子によれば、例えば振動素子10-1単体の機械設計では共振周波数が所望の周波数からずれる場合に、該ずれを共振調整層により調整し、低減(好ましくは略0に)することが可能である。
【0081】
(実施例1)
図32は、本技術の第8実施形態の実施例1に係る振動素子80-1の断面図である。振動素子80-1では、振動部VPの上面(詳しくは上側の第2弾性層102の上面)に共振調整層105が設けられている。該共振調整層105は、電極も兼ねるため、例えばAl、Cu、Pb等の金属などの導電材料からなる。共振調整層105は、振動部VPの下面(詳しくは下側の第2弾性層102の下面)に設けられていてもよい。
【0082】
(実施例2)
図33は、本技術の第8実施形態の実施例2に係る振動素子80-2の断面図である。振動素子80-2では、腕部APの上面に共振調整層105が設けられている。該共振調整層105は、振動部VP側から腕部AP側への電流のリークを抑制するために例えば絶縁性樹脂、絶縁性磁性材料等の絶縁材料で構成されている。共振調整層105は、腕部APの下面に設けられていてもよい。
【0083】
(実施例3)
図34は、本技術の第8実施形態の実施例3に係る振動素子80-3の断面図である。振動素子80-3では、振動部VPの上面及び腕部APの上面に跨って共振調整層105が設けられている。該共振調整層105は、電極を兼ね、且つ、振動部VP側から腕部AP側への電流のリークを抑制するために例えば非導電性磁性材で構成されている。共振調整層105は、振動部VPの下面及び腕部APの下面に跨って設けられていてもよい。
【0084】
[9.本技術の第9実施形態に係る振動素子アレイ]
第9実施形態に係る振動素子アレイは、振動素子がアレイ状に複数配置されて構成される。第9実施形態に係る振動素子アレイによれば、従来のアンテナアレイと同様の効果を得ることができるとともに設置可能なスペースを有効活用できる振動素子アレイを提供することができる。
【0085】
(実施例1)
図35Aは、第9実施形態の実施例1に係る振動素子アレイ90-1の斜視図である。振動素子アレイ90-1は、第1~第8実施形態のいずれかに係る振動素子が四角形の設置領域上にマトリクス状に複数配置されている。各振動素子は、振動部が振動可能となるように複数の腕部を介して支持構造に支持される。
【0086】
(実施例2)
図35Bは、第9実施形態の実施例2に係る振動素子アレイ90-2の斜視図である。振動素子アレイ90-2は、第1~第8実施形態のいずれかに係る振動素子が円形の設置領域上に複数配置されている。各振動素子は、振動部が振動可能となるように複数の腕部を介して支持構造に支持される。
【0087】
[10.本技術の第10実施形態に係る振動素子]
図36は、第10実施形態に係る振動素子100の断面図である。振動素子100は、腕部APが比較的長い点を除いて、上記第1実施形態の実施例2に係る振動素子10-2と同様の構成を有する。
【0088】
(実施例1)
図37Aは、本技術の第10実施形態の実施例1に係る振動素子100-1の平面図である。振動素子100-1は、振動部VPの相対する2つの端部の各々が腕部APを介して支持構造で支持されている。
【0089】
(実施例2)
図37Bは、本技術の第10実施形態の実施例2に係る振動素子100-2の平面図である。振動素子100-2は、振動部VPが周方向に等間隔で並ぶ4つの端部の各々が腕部APを介して支持構造で支持されている。
【0090】
(実施例3)
図37Cは、本技術の第10実施形態の実施例3に係る振動素子100-3の平面図である。振動素子100-3は、振動部VPの周方向に等間隔で並ぶ12個の端部の各々が腕部APを介して支持構造で支持されている。
【0091】
(実施例4)
図37Dは、本技術の第10実施形態の実施例4に係る振動素子100-4の平面図である。振動素子100-4は、振動部VPの相対する2つの端部の各々の外側近傍に設けられた開口部と振動部VPとの間の部分が腕部APとなっている。
【0092】
(実施例5)
図38Aは、本技術の第10実施形態の実施例5に係る振動素子100-5の平面図である。振動素子100-5は、平面視形状が楕円形の振動部VPの長手方向の相対する2つの端部の各々が腕部APを介して支持構造に支持されている。
【0093】
(実施例6)
図38Bは、本技術の第10実施形態の実施例6に係る振動素子100-6の平面図である。振動素子100-6は、平面視形状が円形の振動部VPの相対する2つの端部の各々が腕部APを介して支持構造に支持されている。
【0094】
(実施例7)
図38Cは、本技術の第10実施形態の実施例7に係る振動素子100-7の平面図である。振動素子100-7は、平面視形状が多角形(例えば五角形)の振動部VPの相対する2つの端部の各々が腕部APを介して支持構造に支持されている。
【0095】
(実施例8)
図39Aは、本技術の第10実施形態の実施例8に係る振動素子100-8の平面図である。振動素子100-8は、平面視形状が長方形の振動部VPの長手方向の相対する2つの端部の各々が腕部APを介して支持構造に支持されている。
【0096】
(実施例9)
図39Bは、本技術の第10実施形態の実施例9に係る振動素子100-9の平面図である。振動素子100-9は、平面視形状が正方形の振動部VPの相対する2つの端部の各々が腕部APを介して支持構造に支持されている。
【0097】
(実施例10)
図40Aは、本技術の第10実施形態の実施例10に係る振動素子100-10の平面図である。振動素子100-10は、平面視形状が直径d(例えば200μm)の円形の振動部VPの相対する2つの端部の各々が腕部APを介して支持構造に支持されている。
【0098】
(実施例11)
図40Bは、本技術の第10実施形態の実施例11に係る振動素子100-11の平面図である。振動素子100-11は、平面視形状が一辺の長さa(例えば200μm)の正方形の振動部VPの相対する2つの端部の各々が腕部APを介して支持構造に支持されている。
【0099】
(実施例12)
図40Cは、本技術の第10実施形態の実施例12に係る振動素子100-12の平面図である。振動素子100-12は、平面視形状が短辺の長さa(例えば100μm)、長辺の長さb(例えば200μm)の長方形の振動部VPの長手方向の相対する2つの端部の各々が腕部APを介して支持構造に支持されている。
【0100】
[11.本技術の第11実施形態に係る振動素子]
本技術の第11実施形態に係る振動素子は、第2弾性層102が、交互に積層された磁歪特性を持つ磁性層及び絶縁層を含む点を除いて、第1実施形態の実施例1に係る振動素子10-1と同様の構成を有する。第11実施形態に係る振動素子によれば、第2弾性層102における磁場の方向を制御でき、且つ、磁場のエネルギーを閉じ込めることができるため、特性及び利得が向上する。
【0101】
(実施例1)
図41は、本技術の第11実施形態の実施例1に係る振動素子110-1の断面図である。振動素子110-1では、第2弾性層102が、交互に積層された磁歪特性を持つ磁性層102M(例えば磁歪定数が0でない軟磁性材料)及び絶縁層102Iを含む積層構造を有する。
【0102】
(実施例2)
図42は、本技術の第11実施形態の実施例2に係る振動素子110-2の断面図である。振動素子110-2では、第2弾性層102が積層構造の面内方向の両側にも磁性層102Mを有する点を除いて、実施例1に係る振動素子110-1と同様の構成を有する。
【0103】
(実施例3)
図43は、本技術の第11実施形態の実施例3に係る振動素子110-3の断面図である。振動素子110-3では、第2弾性層102が積層構造の面内方向の片側にも磁性層102Mを有する点を除いて、実施例1に係る振動素子110-1と同様の構成を有する。
【0104】
(実施例4)
図44は、本技術の第11実施形態の実施例4に係る振動素子110-4の断面図である。振動素子110-4では、第2弾性層102が積層構造の面内方向の片側に導電材料からなる電極102Eを有する点を除いて、実施例1に係る振動素子110-1と同様の構成を有する。
【0105】
[12.本技術の第12実施形態に係る振動素子]
図45は、本技術の第12実施形態に係る振動素子120の断面図である。振動素子120は、下側の第2弾性層102の下面に反射層107が設けられている点を除いて、第1実施形態の実施例1に係る振動素子10-1と同様の構成を有する。振動素子120では、反射層107が音響振動を下面で反射させ、振動部VPの変位・応力を増強させる機能を有する。
【0106】
以上の各実施形態についての説明からわかるように、本技術に係る振動素子は、一例として、超小型且つ高性能のアンテナ素子として、小型の電子機器(例えばイヤフォン等)に搭載するのに非常に適している。また、本技術に係る振動素子は、例えば部屋の壁、電子機器の筐体の壁面等へのエナジーハーベスターを必要とする用途に用いることも可能である。
【0107】
なお、上記各実施形態に係る振動素子の構成は、適宜変更可能である。例えば、振動素子は、上述した第1~第3弾性層、基板及び反射層以外の層を含んでいてもよい。例えば、上記各実施形態に係る振動素子の構成の一部を相互に矛盾しない範囲内で組み合わせてもよい。
【0108】
また、本技術は、以下のような構成をとることもできる。
(1)電場印加により弾性変形する複数の第1弾性層と、
磁場印加により弾性変形する少なくとも1つの第2弾性層と、
を含む複数の層が積層された振動部を備える、振動素子。
(2)前記第1弾性層は、前記第2弾性層の弾性変形により弾性変形したときに電場を発生させ、前記第2弾性層は、前記第1弾性層の弾性変形により弾性変形したときに磁場を発生させる、(1)に記載の振動素子。
(3)前記第1弾性層同士が隣接していない、(1)又は(2)に記載の振動素子。
(4)前記第2弾性層が複数あり、前記第2弾性層同士が隣接していない、(1)~(3)のいずれか1つに記載の振動素子。
(5)前記複数の層は、第3弾性層を含み、前記第3弾性層の両側に前記第1弾性層が配置されている、(1)~(4)のいずれか1つに記載の振動素子。
(6)前記第2弾性層が複数あり、前記第3弾性層及び該第3弾性層の両側の前記第1弾性層を含む積層部の両側に前記第2弾性層が配置されている、(5)に記載の振動素子。
(7)前記第1及び第2弾性層が交互に積層されている、(1)~(6)のいずれか1つに記載の振動素子。
(8)前記第2弾性層の両側に前記第1弾性層が配置されている、(1)~(7)のいずれか1つに記載の振動素子。
(9)前記複数の層は、前記第2弾性層及び該第2弾性層の両側の前記第1弾性層を含む積層部の両側に配置された第3弾性層を含む、(7)又は(8)に記載の振動素子。
(10)前記第2弾性層が少なくとも3つあり、前記第2弾性層及び該第2弾性層の両側に配置された前記第1弾性層を含む積層部の両側に前記第2弾性層が配置されている、(7)~(9)のいずれか1つに記載の振動素子。
(11)前記複数の層のうち積層方向の中間に位置する層の両側に前記第1弾性層が配置され、該第1弾性層同士は、厚さ及び/又は材質が異なる、(1)~(10)のいずれか1つに記載の振動素子。
(12)前記第2弾性層が複数あり、前記複数の層のうち積層方向の中間に位置する層の両側に前記第2弾性層が配置され、該第2弾性層同士は、厚さ及び/又は材質が異なる、(1)~(11)のいずれか1つに記載の振動素子。
(13)前記複数の層は、共振調整層を有する、(1)~(12)のいずれか1つに記載の振動素子。
(14)前記振動部から延在する複数の腕部と、前記複数の腕部を介して前記振動部を振動可能に支持する支持構造と、更に備える、(1)~(13)のいずれか1つに記載の振動素子。
(15)前記支持構造は、前記振動部の一部が配置される凹部を有する支持部材を含み、前記複数の腕部の各々の先端を含む部分が前記凹部の開口端に接続されている、(14)に記載の振動素子。
(16)前記第1弾性層は、圧電層を含む、(1)~(15)のいずれか1つに記載の振動素子。
(17)前記第2弾性層は、磁歪特性を持つ磁性層を含む、(1)~(16)のいずれか1つに記載の振動素子。
(18)前記第3弾性層は、非圧電層を含む、(5)に記載の振動素子。
(19)前記第3弾性層は、非圧電層を含む、(9)に記載の振動素子。
(20)前記第2弾性層は、交互に積層された磁歪特性を持つ磁性層及び絶縁層を含む、(1)~(19)のいずれか1つに記載の振動素子。
(21)前記振動素子は、アンテナ素子である、(1)~(20)のいずれか1つに記載の振動素子。
(22)2.45GHz帯付近で動作可能である、(1)~(21)のいずれか1つに記載の振動素子。
(23)(1)~(22)のいずれか1つに記載の振動素子がアレイ状に複数配置された、振動素子アレイ。
(24)(1)~(22)のいずれか1つに記載の振動素子を備える、電子機器。
(25)(23)に記載の振動素子アレイを備える、電子機器。
【符号の説明】
【0109】
10、10-1、10-2、20、30、40、40-1、40-2、50、60、60-1、60-2、70-1~70-3、80-1~80-3、100、100-1~100-12、110-1~110-4、120:振動素子、90-1、90-2:振動素子アレイ、101:第1弾性層、102:第2弾性層、102M:磁性層、102I:絶縁層、103:第3弾性層、104:基板(支持部材)、104a:凹部、VP:振動部、AP:腕部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43
図44
図45