(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146231
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053315
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】391010943
【氏名又は名称】株式会社藤商事
(72)【発明者】
【氏名】井上 孝司
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BA09
2C088BA12
2C088BA15
2C088CA05
2C088CA15
2C088CA35
2C088DA23
2C088EA10
(57)【要約】
【課題】遊技者が獲得した賞球数が一定数を超え、強制的に遊技を終了させる際の制御処理や報知演出に関して、より最適化された処理を行うことができる遊技機を提供する。
【解決手段】所定情報記憶手段が記憶する所定情報が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段を備え、遊技停止手段は、特別遊技中に所定情報記憶手段が記憶する所定情報が所定値となった場合、特別遊技の終了後に停止処理を実行する。
【選択図】
図5-1-1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図柄抽選に基づく図柄変動を実行する図柄変動実行手段と、
前記図柄変動の結果が特定態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技を実行可能な特別遊技実行手段と、
遊技実績に基づく所定情報を計数する計数処理を行う計数手段と、
前記所定情報が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段と、
を備え、
前記遊技停止手段は、前記特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合、前記特別遊技の終了後に停止処理を実行するよう構成された
ことを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のパチンコ機等の遊技機として、遊技者が獲得した賞球数が一定数を超えると、強制的に遊技を終了させる打ち止め機能を備えたものが知られている(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の上記遊技機では、遊技を強制的に終了させる場合に、強制終了させる前後の制御処理や報知演出に関して十分な方策がとられていなかった。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、遊技者が獲得した賞球数が一定数を超え、強制的に遊技を終了させる際の制御処理や報知演出に関して、従来よりも改善された遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記本発明の目的は、以下の手段によって達成される。なお、括弧内は、後述する実施形態の参照符号を付したものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図柄抽選(例:大当り抽選処理)に基づく図柄変動(例:特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示)を実行する図柄変動実行手段(例:特別図柄1変動表示用LED76a、特別図柄2変動表示用LED76b、主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
前記図柄変動の結果が特定態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技(例:大当り遊技、小当り遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(例:主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
遊技実績に基づく所定情報(例:賞球数とアウト数の差数)を計数する計数処理を行う計数手段(例:主制御部520、安全装置計数処理(S1528、S1512)、差玉カウンタ計数処理(S1531、S1541))と、
前記所定情報が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段(主制御部520、遊技停止処理(S1520、S1509~S1511))と、
を備え、
前記遊技停止手段は、前記特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合、前記特別遊技の終了後に停止処理を実行するよう構成された
ことを特徴とする遊技機。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技者が獲得した賞球数が一定数を超え、強制的に遊技を終了させる際の制御処理や報知演出に関して、より最適化された処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1-1】本発明の実施形態に係るパチンコ機の正面斜視図である
【
図1-4】同パチンコ機の制御系のブロック図である。
【
図2-1】同パチンコ機の主制御部におけるメモリマップの説明図である。
【
図2-2】同パチンコ機の主制御部のシステム処理のフローチャート(前半)を示す図である。
【
図2-3】同パチンコ機の主制御部のシステム処理のフローチャート(後半)を示す図である。
【
図2-4】同パチンコ機の主制御部のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
【
図2-5】同パチンコ機の主制御部のメインループ内領域外処理のフローチャート、タイマ割込み内領域外処理のフローチャートを示す図である。
【
図3-1】同パチンコ機の演出制御部のシステム設定処理のフローチャートを示す図である。
【
図3-2】同パチンコ機の演出制御部のメイン処理のフローチャートを示す図である。
【
図3-3】同パチンコ機の演出制御部のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-1-1】本発明の実施形態1-1に係る主制御部のシステム処理のフローチャート(後半)を示す図である。
【
図4-1-2】本発明の実施形態1-1に係る主制御部の領域外遊技開始設定のフローチャートを示す図である。
【
図4-1-3】本発明の実施形態1-1に係る主制御部のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-1-4】本発明の実施形態1-1に係る主制御部のメインループ内領域外処理のフローチャート、タイマ割込み内領域外処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-1-5】本発明の実施形態1-1に係る主制御部の安全装置計数処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-1-6】本発明の実施形態1-1に係る主制御部の安全装置作動管理処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-1-7】本発明の実施形態1-1に係る主制御部の遊技停止処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-2-1】本発明の実施形態1-2に係る主制御部の領域外遊技開始設定のフローチャートを示す図である。
【
図4-2-2】本発明の実施形態1-2に係る主制御部の安全装置計数処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-2-3】本発明の実施形態1-2に係る主制御部の安全装置作動管理処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-3-1】本発明の実施形態1-3に係る主制御部の領域外遊技開始設定のフローチャートを示す図である。
【
図4-3-2】本発明の実施形態1-3に係る主制御部のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-3-3】本発明の実施形態1-3に係る主制御部の安全装置計数処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-4-1】本発明の実施形態1-4に係る主制御部のタイマ割込み処理のフローチャートを示す図である。
【
図4-4-2】本発明の実施形態1-4に係る主制御部のメインループ内領域外処理のフローチャート、タイマ割込み内領域外処理のフローチャートを示す図である。
【
図5-1-1】本発明の実施形態2-1に係る大当り遊技中に安全装置が作動した場合のタイムチャートで、主制御部、演出制御部、払出制御部により制御される各種機能部の動作状態を示す図である。
【
図5-2-1】本発明の実施形態2-2に係る図柄変動遊技中に安全装置が作動した場合のタイムチャートで、主制御部、演出制御部、払出制御部により制御される各種機能部の動作状態を示す図である。
【
図5-2-2】本発明の実施形態2-3に係る図柄変動遊技中に安全装置が作動した場合のタイムチャートで、主制御部、演出制御部、払出制御部により制御される各種機能部の動作状態を示す図である。
【
図5-3-1】本発明の実施形態2-4に係る非遊技中(待機中)に安全装置が作動した場合のタイムチャートで、主制御部、演出制御部、払出制御部により制御される各種機能部の動作状態を示す図である。
【
図5-3-2】本発明の実施形態2-5に係る非遊技中(待機中)に安全装置が作動した場合のタイムチャートで、主制御部、演出制御部、払出制御部により制御される各種機能部の動作状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態3-1に係る大当り終了INTのタイムチャートで、大当り終了INT中の演出態様を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施形態に関する下記の内容を、各図面に基づいて詳述する。
(遊技枠)
(発射ハンドルユニット)
└(発射ハンドルユニット2)
(中押しボタンユニット)
└(中押しボタンユニット2)
(受け皿)
└(受け皿2)
(音量調整ボタン)
└(音量調整ボタン2)
(光量調整ボタン)
└(光量調整ボタン2)
(十字ボタン)
└(十字ボタン2)
(スピーカー)
(球貸しボタン、返却ボタン)
└(玉貸しボタン、返却ボタン2)
(サイドユニット)
└(サイドユニット2)
(賞球払出装置)
└(賞球払出装置2)
(基板ケース)
(裏カバー)
(外部端子板)
└(外部端子板2)
(ブロック図)
(電源基板)
(制御基板)
(払出制御部)
(払出発射制御基板)
(枠開放スイッチ)
(主制御部)
(主制御基板)
(RWMクリアスイッチ)
(設定キースイッチ)
(性能表示LED)
(演出制御部)
(演出IF基板、液晶制御基板、液晶IF基板、ROM基板)
(遊技盤)
(盤面遊技部品)
(図柄表示装置)
(特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示)
(特別図柄1記憶表示、特別図柄2記憶表示)
(普通図柄変動表示)
(普通図柄記憶表示)
(電チューサポート)
(大当り遊技)
(小当り遊技)
(ラウンド表示)
(遊技状態)
(右打ち表示)
(状態表示)
(装飾図柄変動遊技、保留表示)
(先読み予告)
(疑似連予告)
(ステップアップ予告)
(背景変化予告)
(可動物)
(メモリマップ)
(主制御システム処理)
(設定変更処理)
(RWMエラー処理)
(RWMクリア処理)
(設定確認処理)
(バックアップ復帰処理)
(メインループ処理)
(メインループ内領域外処理)
(タイマ割込み処理)
((1)電源異常チェック処理)
((2)タイマ管理処理)
((3)入力管理処理)
((4)乱数回路処理)
((5)賞球管理処理)
((6)普通図柄管理処理)
((7)普通電動役物管理処理)
((8)特別図柄管理処理)
((9)特別電動役物管理処理)
((10)エラー管理処理)
((11)遊技情報報知管理処理)
((12)外部端子管理処理)
((13)ソレノイド管理処理)
((14)LED管理処理)
((15)領域移行処理&タイマ割込み内領域外処理)
(タイマ割込み内領域外処理)
((16)アウトコマンド送信処理)
((17)SPI通信開始)
((18)WDTクリア処理)
(演出制御システム設定)
(演出制御メイン処理)
(演出制御タイマ割込み処理)
(安全装置)
(主制御システム処理_安全装置1)
(領域外遊技開始設定処理_安全装置1)
(タイマ割込み処理_安全装置1)
(タイマ割り込み内領域外処理_安全装置1)
(メインループ内領域外処理_安全装置1)
(安全装置計数処理_安全装置1)
(安全装置作動管理処理_安全装置1)
(領域外遊技開始設定処理_安全装置2)
(安全装置計数処理_安全装置2)
(安全装置作動管理処理_安全装置2)
(領域外遊技開始設定処理_安全装置3)
(タイマ割込み処理_安全装置3)
(安全装置計数処理_安全装置3)
(タイマ割込み処理_安全装置4)
(タイマ割り込み内領域外処理_安全装置4)
(大当り遊技中に安全装置が作動した場合)
(図柄変動遊技中に安全装置が作動した場合1)
(図柄変動遊技中に安全装置が作動した場合2)
(非遊技中に安全装置が作動した場合1)
(非遊技中に安全装置が作動した場合2)
(安全装置が作動する場合の大当り終了INTに関して)
[構成例1]~[構成例7]
【0010】
図1ー1及び
図1-2は、本実施例に示す遊技機1の斜視図である。
【0011】
(遊技枠)
本実施例の遊技機1は、縦長の矩形枠状に形成された木製の外枠2と、外枠2の前側に位置する合成樹脂製の内枠3と、内枠3の前側に位置する合成樹脂製の前枠4とを備える遊技枠5により構成されている。
【0012】
内枠3は、外枠2の左端側の上下二箇所に接合された外枠ヒンジ6を介して回動開閉可能及び/又は着脱可能に外枠2に対して取り付けられており、遊技枠5の右端下側に配設された施錠装置6によって外枠2に対して閉状態で施錠されている。
【0013】
前枠4は、内枠3の左端側の上下二箇所に接合された内枠ヒンジ7を介して回動開閉可能及び/又は着脱可能に内枠3に対して取り付けられており、遊技枠の右端下側に配設された施錠装置6によって内枠3に対して閉状態で施錠されている。
【0014】
内枠3には、遊技盤8を装着するための内枠開口部9が設けられており、内枠開口部9には、遊技盤8が着脱自在となるように設けられた遊技盤装着部(図示せず)が形成されている。この遊技盤装着部に遊技盤8を装着した際、遊技盤8の前側に前枠4の前枠開口部10が位置するように構成されている。
【0015】
前枠4には、前枠開口部10に対応するように透過性を有するガラス板ユニットが装着可能なガラス板ユニット装着部(図示せず)が形成されている。ガラス板ユニットを構成するガラス板は透過性を有するものであり、遊技者は、遊技枠5の正面からガラス板ユニット越しに内枠3に装着された遊技盤4を視認できるように構成されている。
【0016】
また、前枠開口部10の外周の表面部には、非透過性の非透過装飾カバー11と透過性を有する透過装飾カバー12とが複数配設されており、これにより前枠4の意匠形状を形成している。さらに、透過装飾カバー12の内部にはLEDを有する前枠LED基板(図示せず)が複数配設されており、遊技者からは透過装飾カバー12を介してLEDによる光を受けた彩光を視認可能となっている。
【0017】
(発射ハンドルユニット)
遊技枠5の右下部には発射ハンドルユニット13が配置されている。この発射ハンドルユニットは、発射ハンドル13a、発射停止ボタン(図示せず)、ハンドルタッチセンサ13b、発射強度調整部(図示せず)、LEDを有する発射ハンドルLED基板(図示せず)とで構成されている。
【0018】
遊技者が発射ハンドル13aに触れることで、発射装置による遊技球の打ち出しが可能となっており、発射する遊技球の飛距離を任意に調整することができる構成となっている。
【0019】
(中押しボタンユニット)
遊技枠5の中央下部には、遊技者が操作可能な中押しボタンユニット14(演出ボタンユニット)が配置されている。この中押しボタンユニット14は、中押しボタン押下部14a(操作手段)及び中押しボタン検出スイッチ14b、中押しボタン位置検出スイッチ14c、中押しボタン可動物(図示せず)及び中押しボタン可動物モータ14d、LEDを有する中押しボタンLED基板(図示せず)により構成されている。
【0020】
遊技者が中押しボタン押下部14aを操作することで、所定の演出(画像、ランプ、音声、可動物など)の実行や切り替え等を行うことが可能に構成されている。
【0021】
(受け皿)
遊技枠5の左側下部には、受け皿が配置されている。受け皿は上受け皿15及び下受け皿(図示せず)により構成されている。受け皿は遊技者が遊技球を自由に取り出すことができ、受け皿に貯留された遊技球の数をおおむね確認することが可能に形成されている。
【0022】
(音量調整ボタン)
遊技枠5の左側下部には、音量調整ボタン16が配置されている。音量調整ボタンは音量ボタン上16a及び音量ボタン下16b、音量ボタン上スイッチ16c及び音量ボタン下スイッチ16d(音量ボタン検出スイッチ)により構成されている。遊技者が音量ボタン上16a(又は音量ボタン下16b)を操作することで、音量ボタン上スイッチ16c(又は音量ボタン下スイッチ16d)が操作を検出し、各スピーカー19a、19b、19c、19dから出力される出力音量を変更可能に構成されている。
【0023】
(光量調整ボタン)
遊技枠5の左側下部には、光量調整ボタン17が配置されている。光量調整ボタン17は光量ボタン上17a及び光量ボタン下17b、光量ボタン上スイッチ17c及び光量ボタン下スイッチ17d(光量ボタン検出スイッチ)により構成されている。遊技者が光量ボタン上17a(又は光量ボタン下17b)を操作することで、光量ボタン上スイッチ17c(又は光量ボタン下スイッチ17d)が操作を検出し、各LED63a、64aの光量を変更可能に構成されている。
【0024】
(十字ボタン)
遊技枠5の左側下部には、十字ボタン18が配置されている。十字ボタン18は上下左右に配置された4個の各ボタン(上ボタン18a、右ボタン18b、下ボタン18c、左ボタン18d)と、上下左右の各ボタンに対応する4個のボタン検出スイッチ49a、49b、49c、49d(十字ボタン検出スイッチ)とで構成されている。遊技者が上下左右いずれかのボタンを操作することで、各操作に対応した所定の演出(画像、ランプ、音声、可動物など)の実行や切り替え等を行うことが可能に構成されている。
【0025】
(スピーカー)
遊技枠5の左右上部に左上スピーカー19a及び右上スピーカー19b、左右下部に左下スピーカー19c及び右下スピーカー19d、右側下部に下スピーカー(図示せず)が夫々配置されている。各スピーカー19a、19b、19c、19dは効果音等の音声の再生出力を行うためのものであり、特に下スピーカーは低音出力を行うように構成されている。
【0026】
左上スピーカー19a及び右上スピーカー19bの近傍にはLEDを有する左上LED基板(図示せず)と右上LED基板(図示せず)が夫々配置されている。また左上スピーカー19a及び右上スピーカー19bの前側には、LEDの光を導光可能な導光部(図示せず)を有するとともに、合成樹脂製で透過性を有する左上スピーカーカバー19e及び右上スピーカーカバー19fが設けられており、左上LED基板又は右上LED基板のLEDを発光させた場合に、その発光色に応じて各スピーカーカバー19e、19fが発光するように構成されている。
【0027】
また、左下スピーカー19c及び右下スピーカー19dの前側にも左下スピーカーカバー19g及び右下スピーカーカバー19hが夫々設けられており、これらのカバー19g、19hにはパンチングメタルが採用されている。
【0028】
また、下スピーカーの前側には合成樹脂製で非透過性の下スピーカーカバー19Iが設けられている。この下スピーカーカバー19Iはハンドルユニット13の後方側に位置しており、下スピーカーから音声出力が行われた際に、下スピーカーカバー19Iを通じて、発射ハンドル13aを握る遊技者の手に、下スピーカーからの音声出力に伴う風圧が伝わるように設計されている。
【0029】
(玉貸しボタン、返却ボタン)
遊技枠5の右側下部には、玉貸しボタン20と返却ボタン21が配置されている。遊技者が玉貸しボタン20を操作すると、受け皿(上受け皿15及び下受け皿)に遊技球の払い出しが行われ、遊技者に対して遊技球の貸出処理が行われる。また、遊技者が返却ボタン21を操作すると、遊技価値残高に関する清算処理が行われる。
【0030】
(サイドユニット)
前枠4の上部右側には、逆L字型のサイドユニット22が着脱可能に配置されている。このサイドユニット22は送風装置が搭載されたブロアデバイス22a、タッチセンサを有するタッチデバイス22b、サイドユニット可動物(図示せず)及びサイドユニット可動物モータ22c、サイドユニット位置検出スイッチ22d、LEDを有するサイドユニットLED基板(図示せず)により構成されている。
【0031】
このサイドユニット22は、前枠4を開放した状態で、工具を使用することなく前枠4に対して着脱自在に構成されている。具体的には、前枠4の裏側に設けられ、裏側から前側に向けて貫通状に設けられた手ネジ(図示せず)と、同じく前枠4の裏側に設けられ、サイドユニット22側に設けられた係止部22eをロックするためのクランプ(図示せず)とを夫々操作することで着脱自在となるように設計されている。手ネジは前枠左側上部に一箇所、前枠右側に二箇所、クランプは前枠右側上部に一箇所夫々配置されている。
【0032】
また、サイドユニット22の裏側上部にはサイドユニット内部に設けられた接続コネクタにアクセスするための開口部22fが設けられており、この開口部22fを介して、前枠上部に配設された接続ハーネスとサイドユニット内部の接続コネクタとの脱着が可能となることで、サイドユニット22の電気的接続と解除を行うことができる。
【0033】
このように、前枠4の一部をユニット化し、ユニット部を比較的簡易に換装可能な構成とすることにより、遊技枠5の意匠変更を安価且つ容易に行うことができる。また、ユニット部を交換するだけで、販売機種のモチーフに合わせた枠意匠や機能デバイスを採用することが可能となるので、開発自由度が飛躍的に向上する。
【0034】
図1ー3は、本実施例に示す遊技機1の背面側の斜視図である。
【0035】
(賞球払出装置)
遊技機1の背面の上部から右側にかけて、賞球払出装置23が設けられている。賞球払出装置23は、貯留タンク23a、払出モータ23b、球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、払出カセット23e、払出回転体(図示せず)、排出レバー(図示せず)により構成される。賞球払出装置23が作動することにより、遊技球の払出動作が実行され、遊技者に対して遊技球の払出が実行される。
【0036】
(基板ケース)
遊技機1の背面の下部には、電源基板50が格納された電源基板ケース24と、その電源基板ケース24と前後方向に重なるように背面側に配置された払出発射制御基板51が格納された払出基板ケース25と、その上方に位置し主制御基板52が格納された主基板ケース26と、さらにその上方に位置し演出IF基板53、液晶制御基板54、液晶IF基板55、ROM基板56が格納された演出基板ケース27とが夫々着脱可能に配置されている。また、電源基板ケース24と払出基板ケース25は遊技枠5側に実装され、主基板ケース26と演出基板ケース27は遊技盤8側に実装されている。ここで、各基板ケース24、25、26、27は無色透明であり、内部の基板を容易に見通すことができるように成形されている。
【0037】
各基板ケース24、25、26、27の上面には、基板内の電子部品から発生した熱を外部に放熱するためのケース放熱孔25a、26a、27aが成形されている。払出基板ケース25、主基板ケース26、演出基板ケース27は電源基板ケース24に比べて、ケース放熱孔25a、26a、27aが比較的小さく形成されている。これはケース放熱孔25a、26a、27aから基板内部の電子部品にアクセスするようなゴト行為を抑制するためである。一方で、電源基板ケース24については放熱効率を重視して比較的大きなケース放熱孔(図示せず)が設けられている。
【0038】
また、各基板ケース24、25、26、27は、上面ケース体と下面ケース体とを結合することで、その内部に各基板を収容するように構成されている。ここで、払出基板ケース25、主基板ケース26、演出基板ケース27については、上面ケース体と下面ケース体とを結合後に分離不能に封止するカシメ部(図示せず)が設けられている。カシメ部は、下面ケース体に一体成型されたカシメピンにより構成されており、結合時に、カシメピンが上面ケース体に差し込まれることにより封止状態となり、容易に開封ができない構成となっている。このように、ケースの開封が困難となることで、ゴト行為を抑制することが可能となっている。
【0039】
また、払出基板ケース25、主基板ケース26については、さらに封止シール(図示せず)とシールカッター(図示せず)が設けられており、ケースの開封時には必ずシールカッターにより封止シールが破壊されるように構成されている。これにより、カシメ部が破壊されてケースが開封された場合には、封止シールも破損することになるため、開封の痕跡を残すことが可能となっている。
【0040】
(裏カバー)
遊技機1の背面には、透過性を有した樹脂製の裏カバー(図示せず)が開閉可能に設けられている。裏カバーを閉鎖した状態では、電源基板50が格納された電源基板ケース24、払出発射制御基板51が格納された払出基板ケース25、主制御基板52が格納された主基板ケース26、演出IF基板53、液晶制御基板54、液晶IF基板55、ROM基板56が格納された演出基板ケース27が、裏カバーの内側に収納されるように配置されている。これにより各基板50~56は裏カバー越しに視認可能な状態で配置されるとともに、裏カバーにより保護された状態となる。
【0041】
また、裏カバーには、各基板内の電子部品から発生した熱を外部に放熱するための裏カバー放熱孔が、各基板の配置位置に対応して設けられている。また、放熱孔以外にも、裏カバーを閉じた状態で、主制御基板52に設けられた設定キースイッチ523にアクセス可能とするための開口部が設けられている。
【0042】
(外部端子版)
遊技機1の背面上部には、外部端子板60が設けられている。外部端子板60には、外部出力用の複数のコネクタ(コネクタ1~コネクタ13)が配置されており、本実施例の遊技機は、外部端子板60を介して所定の外部信号をホールコンピュータ(ホール施設側設備)に送信可能に構成されている。
【0043】
(ブロック図)
図1ー4は、本実施例に示す遊技機1の制御系のブロック図を示している。
【0044】
本実施例に示す遊技機1は、外部電源から遊技機1の各基板に対して必要な電源を生成し供給する電源基板50と、賞球払出装置23による払出制御及び発射ハンドルユニット13(発射ハンドル13a)の操作量に基づく遊技球の発射制御を行う払出発射制御基板51と、遊技動作を統括的に制御する主制御基板52と、演出動作の実行を執り行う演出IF基板53、液晶制御基板54、液晶IF基板55、ROM基板56とを中心に構成されている。
図1-4では、各基板同士の接続関係を矢印で示しており、図示するように、片側矢印は一方向通信を示し、両側矢印は双方向通信を夫々示している(矢印の向きが通信方向を示す)。また、同様に各基板と接続される電子部品(スイッチ、センサ、ソレノイド、モータ、スピーカー、デバイス、ユニット、表示装置など)の接続関係についても図示している。さらに、枠側実装部品として点線で囲んでいる基板及び電子部品については、遊技機1の遊技枠5側に実装されていることを示し、それ以外の基板及び電子部品については、遊技機1の遊技盤8側に実装されていることを示している。以下に、夫々の詳細について記述する。
【0045】
(電源基板)
電源基板50には電源スイッチ500が設けられており、電源スイッチ500を操作することで、外部の交流電源(商用電源の100Vや変圧器により変圧された24Vなど)を遊技機に取り込むことが可能となっている。電源基板50は、取り込んだ交流電源を直流電源に変換するための整流回路や、生成した直流電源を所定の直流電圧に変換する変換回路を有している。電源基板50はコネクタを介して、払出発射制御基板51、主制御基板52、演出IF基板53と接続されており、変換回路により変換した所定電圧の直流電源を各基板51~56に対して供給している。この直流電源には、バックアップ電源が含まれており、バックアップ電源が主制御基板52やバックアップ基板61を介して払出発射制御基板51へと供給されることで、主制御基板52の主制御CPU520や払出発射制御基板51の払出制御CPU510においてバックアップ処理が行えるように構成されている。また、電源基板50では、交流電源の投入と遮断を監視する電源監視部を有しており、電源監視部が交流電源の遮断を検知すると、電源異常信号を出力するように構成されている。この電源異常信号は払出発射制御基板51や主制御基板52へと出力され、払出発射制御基板51の払出制御CPU510や主制御基板52の主制御CPU520による電源異常を判定するための処理において利用される。
【0046】
(制御基板)
遊技に関する種々の制御を実行する基板として、払出発射制御基板51、主制御基板52、演出IF基板53、液晶制御基板54、液晶IF基板55、ROM基板56を備えている。
【0047】
払出発射制御基板51は、主に遊技球の払出制御や発射制御を行う基板であり、CPUコア(払出制御CPU510)と内蔵メモリ(内臓ROM、内蔵RWM)を有するワンチップマイクロコントローラの払出制御部510(払出制御手段)が搭載されている。払出制御部510は払出基板ケース25の外側から視認可能な状態で配置されている。
【0048】
主制御基板52は、遊技に関する制御を統括的に行う基板であり、CPUコア(主制御CPU520)と内蔵メモリ(内臓ROM、内蔵RWM)を有するワンチップマイクロコントローラの主制御部520(主制御手段)、性能表示LED521、RWMクリアスイッチ522、設定キースイッチ523が搭載されている。RWMクリアスイッチ522及び設定キースイッチ523は、主基板ケース26の外側から操作可能な状態で設けられており、主制御部520及び性能表示LED521は主基板ケース26の外側から視認可能な状態で配置されている。
【0049】
演出IF基板53、液晶制御基板54、液晶IF基板55、ROM基板56(これらを総称して演出制御基板とする)は、各種演出手段(スピーカー19a、19b、19c、19d、LED63a、64a、可動物モータ14d、22c、30、LCDユニット31)を制御して、演出動作を実行する基板であり、演出IF基板53には、可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))を制御するための可動物用IC530、スピーカー19a、19b、19c、19dの出力音声を制御するための音声用IC531、音声データを記憶するための音声用ROM532が搭載されており、液晶制御基板54には、演出制御部540(演出制御CPU、演出制御手段)、VDP回路541、演出制御部540が処理するためのプログラムを記憶する制御用ROM542が搭載されている。また、ROM基板56には画像データを記憶する演出用ROM560(CGROM)が搭載されている。演出IF基板53、液晶制御基板54、液晶IF基板55、ROM基板56は夫々ドロワコネクタ32により接続されており、各基板同士が一体的に組み合わされた状態で共通の基板ケース(演出基板ケース27)に収納されている。
【0050】
(払出制御部)
払出制御部510は、8ビットマイクロプロセッサの払出制御CPUと、遊技に関するプログラム及びデータを記憶するROMと、遊技情報を記憶するワークエリア及びスタックポインタを記憶するスタック領域を有するRWMとを有して構成されている。
【0051】
また、図示しないが、払出制御部510は、内部クロックを生成するためのクロック生成回路と、プログラムの停止や暴走を監視し、払出制御部510及び内部機能をリセットするためのWDT(ウォッチドッグタイマ)と、タイマ値をカウントし、所定値に達した場合に割込み要求信号を出力するPTC(タイマ回路)と、PTCからの割込み要求信号を受け付けることで、割込み処理プログラムを実行可能な割込みコントローラと、外部とのシリアル通信を行うためのシリアル通信回路(非同期シリアル通信回路)と、外部とのパラレル通信を行うためのパラレル入出力ポートと、複数種類のリセット(払出制御部510への供給電源が低下した場合に発生するシステムリセット、WDTによるWDTリセット、プログラムの指定禁止領域にアクセスがあったと判断した場合に発生するユーザリセット)を発生させるリセットコントローラと、これらの機能を制御するための内蔵機能レジスタなどを備えている。
【0052】
払出制御部510の主な役割としては、遊技球等貸出装置33からの貸出コマンドや主制御部520からの払出制御コマンドを受信することで、遊技球の貸出や賞球を行うための賞球払出装置23の払出制御を実行することである。
【0053】
(払出発射制御基板)
払出発射制御基板51は、電源基板50から電源供給を受けることで、スイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)、駆動源(払出モータ23b、発射ソレノイド37a、玉送りソレノイド37b)、センサ類(ハンドルタッチセンサ13b)、各種基板(電源基板50、主制御基板52、外部端子板60、バックアップ基板61、度数表示基板62)、外部装置(遊技球等貸出装置33)と、必要に応じて中継基板(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0054】
これにより、払出制御部510は、主に、遊技球等貸出装置33からの貸出要求信号の受信や、主制御部520からの賞球信号(賞球コマンド)の受信が可能となり、信号の受信に基づいて、払出モータ23bを駆動させることで、賞球払出装置23による遊技球の払出制御を実行する。また、遊技者により発射ハンドル13aが操作された場合に、ハンドルタッチセンサ13bの検出に基づいて、発射ソレノイド37a、玉送りソレノイド37bを駆動させることで、発射制御を実行する役割も担っている。
【0055】
また、払出制御部510は、以下(1)~(6)の機能を有するように構成されている。
(1)補給切れ検出スイッチ23dの異常検出に基づいて、払い出し遊技球が不足していることを把握可能となっている。
(2)球詰まり検出スイッチ36の異常検出に基づいて、下受け皿が満タン状態となっていることを把握可能となっている。
(3)球計数スイッチ23cの異常検出に基づいて、遊技球の過剰な払い出しが生じていることを把握可能となっている。
(4)枠開放スイッチ35a、35bの検出に基づいて、内枠3又は前枠4が開放していることを把握可能となっている。
(5)発射停止スイッチ34の検出に基づいて、発射ソレノイド37aとの通電を非通電状態とすることで、発射ハンドルユニット13による遊技球の発射を停止させる。
(6)スイッチ類23c、23d、34、35a、35b、36が断線していることを把握可能となっている。
【0056】
払出制御部510は、球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、枠開放スイッチ35a、35b、球詰まり検出スイッチ36の信号を検出した場合に、主制御部520に対してそれらの情報を送信可能に構成されている。さらに、電源投入時においては、払出制御CPUの起動完了した場合に、正常に起動していることを示す払出通信信号を主制御部520に対して送信可能に構成されている。
【0057】
払出制御部510は、バックアップ基板61から供給されるバックアップ電源を受けることで、電源遮断時においても内蔵RWMの内容を記憶しておくことが可能となっており、これにより電源投入時にバックアップ復帰が可能に構成されている。
【0058】
(賞球払出装置2)
払出制御部510による賞球払出装置23の払出制御について詳述する。補給装置(貯留タンク23aへ遊技球を供給するために設置されているホール設備)から供給された遊技球は、遊技枠5の上部の貯留タンク23aを通り、遊技枠5の背面右側に位置する払出カセット23eへと遊技球が一列に整列して転動するように傾斜状に設けられた貯留球整列通路23fを通って誘導される。払出カセット23eに到達した遊技球は、払出動作が実行されるまで払出カセット23e内の払出回転体(図示せず)に当接し、停留状態とされる。このように先頭の遊技球が停留状態となることで、後続の遊技球は貯留球整列通路23f及び貯留タンク23aに滞積される。これにより、遊技機への遊技球の装填が完了する。
【0059】
遊技者により玉貸しボタン20が操作され、払出制御部510に貸出信号が送信された場合、払出制御部510は払出カセット23e内に位置する払出モータ23bにモータ制御信号を送信する。また、遊技盤8の遊技領域8aに配置された各入賞口38、39、40、41、42、43、44、45の入賞口スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aを遊技球が通過し、主制御部520に入賞信号が送信され、入賞信号を受信した主制御部520から払出制御部510に対して賞球信号が送信された場合も同様に、払出制御部510は払出カセット23e内に位置する払出モータ23bにモータ制御信号を送信する。これにより遊技球の払出動作が実行される。
【0060】
払出モータ23bが駆動すると、モータの駆動に連動して払出回転体が90度の回転動作を行う。これにより払出回転体と当接状態にある遊技球が払出通路側へと押し出される形で誘導される。さらに、当接状態にあった遊技球が払出通路へと誘導されたことで、滞積されていた後続の遊技球が新たに払出回転体と当接状態となる。
【0061】
払出通路には球計数スイッチ23cが設置されており、球計数スイッチ23cが遊技球を検出すると、払出制御部510に球計数信号が送信される。払出制御部510は球計数信号を受信することにより、払出された遊技球を計数することが可能となっている。払出制御部510は、球計数スイッチ23cによる遊技球の検出数が予め払い出す予定の払出個数に達するまで払出モータ23b及び払出回転体の駆動を行い、払出個数に達した場合に払出動作を終了する。
【0062】
貯留球整列通路23fには、補給切れ検出スイッチ23dが設けられている。補給切れ検出スイッチ23dが検出状態(貯留球が検出されていない状態)となることで、払出制御部510に対して補給切れ信号が送信される。払出制御部510は補給切れ信号を受信すると、払出モータ23bにモータ制御信号を送信し、払出モータ23bの駆動を停止させる。これにより遊技機に充分に遊技球が装填されていない状態では払出動作が行われないように構成している。
【0063】
また、払出カセット23eには、払出カセット23e内の遊技球を排出通路側へと案内する排出レバーが払出回転体よりも上流側に位置するように設けられている。排出レバーが操作された場合、払出カセット23e内で滞積されていた遊技球は排出通路側へと誘導され、排出通路を通って遊技機1の背面下部の遊技球排出口から遊技機1の外側へと排出される。ここで、排出レバーの操作が続いている限り、貯留球整列通路23f及び貯留タンク23aに滞積された遊技球の全てが払出通路側へと誘導されることとなり、遊技機1を非装填状態とすることが可能となっている。ちなみに、払出回転体と当接状態にある遊技球及び払出レバーと払出回転体との間に滞留する遊技球については排出通路側へと誘導されることなく残留する。
【0064】
(玉貸しボタン、返却ボタン2)
払出制御部510による球貸制御について詳述する。玉貸しボタン20と返却ボタン21は度数表示基板62に設けられており、遊技者が玉貸しボタン20を操作すると、ホール施設側に設置されている遊技球等貸出装置33に対して貸出信号が送信される。遊技球等貸出装置33は貸出信号を受信すると、払出制御部510に対して貸出要求信号を出力する。払出制御部510は貸出要求信号を受信すると、所定単位個数の遊技球の貸出処理を実行する。これにより受け皿に遊技球の払い出しが行われ、遊技者に対して遊技球の貸出が行われる。
【0065】
度数表示基板62には、玉貸しボタン20と返却ボタン21の他に、度数表示器62aが設けられている。度数表示器62aには遊技者が遊技球等貸出装置33に投入した貨幣等の残高情報が表示されている。遊技者が玉貸しボタン20を操作した場合には、前述した貸出処理が行われるとともに、遊技球等貸出装置33により、度数表示器62aの残高情報の更新処理が行われる。一方、遊技者が返却ボタン21を操作した場合には、遊技球等貸出装置33により度数表示器62aの残高情報のクリア処理が行われ、遊技者に対して遊技価値残高の清算が行われる。
【0066】
(受け皿2)
払出制御部510による受け皿上の遊技球の発射制御について詳述する。上受け皿15は、払い出された遊技球及び遊技者が投入した遊技球を貯留し、貯留された遊技球が一列に整列する整列通路を有するように形成されている。遊技球が一列に整列する箇所には静電気防止用の静電気シールド板が設けられている。整列通路は玉送りソレノイド37bが駆動する玉送りカセット23eへと繋がることで、上受け皿15に貯留された遊技球が、玉送りカセット23eへと供給されるように構成されている。
【0067】
払出制御部510により、玉送りソレノイド37bが通電状態となると、玉送りカセット23eの駆動により、整列通路から発射レール(図示せず)へと遊技球が供給される仕組みとなっており、さらに、払出制御部510により発射ソレノイド36が通電状態となることで、発射レールに装填された遊技球が槌により打ち出される様に構成されている。
【0068】
上受け皿15は上皿球抜き部を有しており、この上皿球抜き部は、球抜きボタン48及び球抜きシャッター(図示せず)により構成されている。球抜きボタン48が操作されると球抜きシャッターが開放され、上受け皿15に貯留されている遊技球を下受け皿へと誘導するように構成されている。球抜きボタン48の操作がされなくなると、球抜きシャッターは閉鎖する。
【0069】
下受け皿は、払い出された遊技球、上受け皿15が満タンで貯留しきれなくなくなることで誘導された遊技球、球抜きシャッターの開放により誘導された遊技球、発射レールから打ち出された遊技球、遊技盤8に形成される遊技領域8aに到達しなかった遊技球(ファール球)を貯留するように形成されている。ちなみに、遊技領域8aに到達しなかった遊技球は、ファール球通路を通過することで、下受け皿に誘導されるように構成されている。
【0070】
また、下受け皿は下皿球抜き部を有しており、この下皿球抜き部は、球抜きレバー(図示せず)により構成されている。球抜きレバーが開方向へ操作されることで、下受け皿の一部に開放部が形成され、下受け皿に貯留されている遊技球を遊技機1の外側へ排出するように構成されている。球抜きレバーが閉方向へ操作されると、球抜きレバーにより開放部が閉鎖される。
【0071】
また、下受け皿へと遊技球を供給する供給通路には球詰まり検出スイッチ36が設けられている。下受け皿が満タンの状態にもかかわらず遊技球の供給が行われ続けた場合に、供給通路に遊技球が蓄積される。蓄積された遊技球を球詰まり検出スイッチ36が検知すると、払出制御部510に満タン検出信号を送信する。払出制御部510は満タン検出信号を受信すると、遊技球の払出動作を一旦停止し、主制御部520に対して下皿満タン信号を送信する。主制御部520は下皿満タン信号を受信すると、演出制御部540に対して下皿満タンエラー報知コマンドを送信する。これにより下皿が満タン状態となった場合に、演出制御部540により下皿満タン報知を行うように構成されている。
【0072】
(発射ハンドルユニット2)
払出制御部510による発射ハンドルユニット13の発射制御について詳述する。遊技者が発射ハンドル13aに触れることで、ハンドルタッチセンサ13bが遊技者操作を感知し、払出制御部510にハンドルタッチセンサ信号が送信される。払出制御部510はこのハンドルタッチセンサ信号を受信することにより、発射ソレノイド37a及び玉送りソレノイド37bと通電可能状態となる。
【0073】
発射強度調整部では、発射ハンドル13aの操作量に応じた抵抗値の変化を検出しており、その検出結果を払出制御部510に送信する。払出制御部510は検出結果を受信すると、変化した抵抗値に応じた電流値を発射ソレノイド37aに通電する。このように、発射ソレノイド37aが受ける電流値が変化することにより、遊技球の打ち出し距離が変化し、遊技者が発射する遊技球の飛距離を任意に調整することができる構成となっている。
【0074】
また、玉送りソレノイド37bが通電状態となると、発射レール(図示せず)に遊技球が供給される仕組みとなっており、前述した発射ソレノイド37aの駆動により、発射レールに装填された遊技球が槌により打ち出される様に構成されている(発射装置の構成)。このように、払出制御部510が繰り返し通電を行うことにより、遊技球を1個ずつ1分間に99.9個発射可能に設計されている。なお、遊技球は1個ずつ発射レールへと供給される。
【0075】
発射停止ボタンが操作されると、発射停止スイッチ信号が払出制御部510に送信される。払出制御部510が発射停止スイッチ信号を受信すると、発射ソレノイド37aと通電不可状態となり、遊技球の発射が停止する。なお、発射ハンドル13aが操作されていない状態であっても、発射停止スイッチ34により発射停止スイッチ信号は払出制御部510へと送信される。
【0076】
また、遊技球貸出装置33が未接続の場合又は、主制御部520から送信される発射制御信号がOFFの場合には、払出制御部510は発射ソレノイド37aへの通電を停止する構成となっている。
【0077】
また、前述したハンドルタッチセンサ信号が払出制御部510だけでなく演出制御部540にも送信されるように構成していることで、演出制御部540はハンドルタッチセンサ信号を受信した場合に、発射ハンドルLED基板のLEDを発光制御することが可能な構成となっている。
【0078】
(枠開放スイッチ)
払出制御部510による主制御部520への情報送信について詳述する。内枠3には、前枠4の開放を検知する前枠開放スイッチ35aと、外枠2に対して内枠3自身の開放を検知する内枠開放スイッチ35bが設置されている。前枠4が開放状態となると、前枠開放スイッチ35aから払出制御部510に前枠開放信号が送信される。払出制御部510は前枠開放信号を受信すると、主制御部520に対して扉・枠開放信号を送信する。主制御部520は扉・枠開放信号を受信すると、演出制御部540に対して扉・枠開放エラー報知コマンドを送信する。これにより前枠4が開放状態となった場合に、演出制御部540によりエラー報知を行うように構成されている。
【0079】
また、外枠2に対して内枠3が開放状態となると、内枠開放スイッチ35bから払出制御部510に内枠開放信号が送信される。払出制御部510は内枠開放信号を受信すると、主制御部520に対して扉・枠開放信号を送信する。主制御部520は扉・枠開放信号を受信すると、演出制御部540に対して扉・枠開放エラー報知コマンドを送信する。これにより前枠4が開放状態となった場合に、演出制御部540により扉・枠開放エラー報知を行うように構成されている。ここで、前枠4の開放と内枠3の開放のいずれの場合であっても、払出制御部510が主制御部520に、主制御部520が演出制御部540に夫々送信する情報と、演出制御部540によるエラー報知の内容は同様のものとなっている。
【0080】
(主制御部)
主制御部520は、8ビットマイクロプロセッサの主制御CPUと、遊技に関するプログラム及びデータを記憶するROMと、遊技情報や遊技実績に関する情報を記憶するワークエリア及びスタックポインタを記憶するスタック領域を有するRWMとを有して構成されている。
【0081】
ROMには遊技に関するプログラム及びデータの他に、プログラムのタイトルやバージョンなどの任意のデータを設定することが可能なROMコメントや、所定の命令処理(呼び出し命令)にて使用される呼び出し先の先頭アドレスを設定するためのベクタテーブル、主制御部520の内部機能をハードウェア的に設定するためのパラメータを設定するHWパラメータなどが記憶されている。
【0082】
また、図示しないが、主制御部520は、内部クロックを生成するためのクロック生成回路と、乱数値を生成するための4種類の乱数回路(8ビット固定長乱数回路、16ビット固定長乱数回路、8ビット可変長乱数回路、16ビット可変長乱数回路)と、プログラムの停止や暴走を監視し、主制御部520及び内部機能をリセットするためのWDT(ウォッチドッグタイマ)と、タイマ値をカウントし、所定値に達した場合に割込み要求信号を出力するCTC(カウンタタイマ)と、CTCからの割込み要求信号を受け付けることで、割込み処理プログラムを実行可能な割込みコントローラと、外部とのシリアル通信を行うためのシリアル通信回路(非同期シリアル通信回路及び同期シリアル通信回路)と、複数種類のリセット(主制御部520への供給電源が低下した場合に発生するシステムリセット、WDTによるWDTリセット、HWパラメータの設定に基づいて発生する定期リセット、ROMやRWMのアクセス禁止領域に不正アクセスがあったと判断した場合に発生するイリーガルアクセスリセット)を発生させるリセットコントローラと、これらの機能を制御するための内蔵機能レジスタなどを備えている。
【0083】
また、主制御部520は、乱数値を生成するための4種類の乱数回路のうち、16ビット可変長乱数回路を大当り判定用乱数(0~65535)として利用し、16ビット可変長乱数回路から取得した乱数値が所定の範囲内の数値か否かを判定することで、大当り抽選処理を実行している。
【0084】
主制御部520の主な役割としては、大当り抽選処理などの遊技動作全般を管理するとともに、遊技機1の異常判定などを行うことである。また、必要時には、払出制御部510に対して払出制御コマンドを送信したり演出制御部540に対して演出制御コマンドを送信したりすることで、必要に応じて払出制御部510や演出制御部540が制御する周辺装置を作動させるようにコントロールしている。ちなみに、払出制御部510とはシリアル双方向通信でコマンドの送受信を行い、演出制御部540とはパラレル一方向通信でコマンドの送信を行っている。
【0085】
(主制御基板)
主制御基板52は、電源基板50から電源供給を受けることで、スイッチ類(特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a、アウトスイッチ47a)、駆動源(大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)、各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)、各種基板(電源基板50、払出発射制御基板51、演出IF基板53 )、表示装置(図柄表示装置76)と、必要に応じて中継基板(図示せず)を介して電気的に接続される。
【0086】
これにより、主制御部520は、特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)の検出信号を受信可能となることで、いずれかの入賞口38、39、40、41、42、43、44、45に遊技球が入球したと判定することができる。この判定後、賞球を行う必要がある場合に主制御部520は払出制御部510に対して賞球信号を送信することで、遊技者に対して所定個数の遊技球(賞球)が払い出される。
【0087】
また、主制御部520は、磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75の検出信号を受信することで、磁石、電波、衝撃を利用した不正行為を検知するように構成されている。
【0088】
また、主制御部520は、大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72を駆動することで、大入賞口44、45の開閉板44b、45bや特別図柄2始動口39の可動片39bを変位させ、大入賞口44、45や特別図柄2始動口39への遊技球の入球を容易又は困難(又は不能)となるように開閉制御するように構成されている。
【0089】
また、主制御部520は、アウトスイッチ47aの検出信号を受信することで、遊技領域8aに発射された遊技球の個数を把握することが可能となっている。
【0090】
また、主制御部520は、図柄表示装置76に表示情報を送信することで、特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示、特別図柄1記憶表示、特別図柄2記憶表示、普通図柄変動表示、普通図柄記憶表示、右打ち表示、ラウンド表示、状態表示に関する情報を表示制御している。
【0091】
(RWMクリアスイッチ)
RWMクリアスイッチ522は、主基板ケース26の外側からアクセス可能に設けられており、押下操作を行うことで、押下時にはON状態となり、非押下時にはOFF状態に切り替えることが可能に構成されている。
【0092】
RWMクリアスイッチ522は、主制御CPUのプログラムにおいて、ON/OFF状態の判定がされることで、電源投入時に内蔵RWM領域を初期化するための初期化処理、大当り確率を複数段階(設定1~設定6の6段階)に変更するための設定変更処理(S1006)、現在の設定段階(設定値)がいずれに設定されているかを確認するための設定確認処理(S1013)、夫々を実行するための条件の1つに設定されている。
【0093】
電源投入時において、主制御部520は、RWMクリアスイッチ522が押下されているか否かの判定を行う。押下されていると判定した場合には、内蔵RWMの初期化処理を実行する。押下されていないと判定した場合には、内蔵RWMの内容が正常か否かを判定するためにバックアップフラグの内容を判定する。(チェックサムを用いて判定するようにしてもよい)その結果、内蔵RWMの内容が正常と判定した場合は、電断前の状態に復帰し、異常であると判定された場合には内蔵RWMの初期化処理を実行する。
【0094】
また、払出制御部510においても、電源投入時において、主制御基板52に設けられたRWMクリアスイッチ522が押下されているか否かの判定を行う。押下されていると判定した場合には、内蔵RWMの初期化処理を実行する。押下されていないと判定した場合には、内蔵RWMの内容が正常か否かを判定するためにチェックサムの内容を判定する。(バックアップフラグを用いて判定するようにしてもよい)その結果、内蔵RWMの内容が正常と判定した場合は、電断前の状態に復帰し、異常であると判定された場合には内蔵RWMの初期化処理を実行する。
【0095】
(設定キースイッチ)
設定キースイッチ523(設定操作手段)は、主基板ケース26の外側からアクセス可能に設けられており、設定キースイッチ523の鍵穴部分に設定キーを差し込んで、回動操作することにより、ON/OFF状態を切り替えることが可能に構成されている。
【0096】
設定キースイッチ523は、主制御CPUのプログラムにおいて、ON/OFF状態の判定がされることで、大当り確率を複数段階(設定1~設定6の6段階)に変更するための設定変更処理(S1006)又は、現在の設定段階(設定値)がいずれに設定されているかを確認するための設定確認処理(S1013)を実行するための条件の1つに設定されている。
【0097】
設定変更処理(S1006)又は設定確認処理(S1013)を行うためには設定キーが必要とされていることで、ホール関係者以外の人間が容易に設定段階を変更したり確認したりすることができないように構成されている。なお、設定変更処理(S1006)又は設定確認処理(S1013)については、大当り確率が1段階(設定1のみ)しかない場合であっても、実行条件さえ満たせば実行可能となるように構成してもよい。
【0098】
(性能表示LED)
性能表示LED521(性能表示モニタ、性能表示手段)は、主基板ケース26の外側から視認可能な状態で主制御基板52上に配置されており、複数の7セグ表示器(4個)の集合体により構成されている。性能表示LED521は状況に応じて、以下の(1)~(3)を表示する為の表示手段として機能する。
(1)設定変更中(S1006)又は設定確認中(S1013)に、大当り確率の設定段階に関する設定情報を表示する設定表示手段として機能する。
(2)電源投入時にRWMの記憶内容に異常があると判定されてRWMエラー状態(S1008)となった場合に、RWMエラー状態であることを示す情報(「E」)を表示するRWM異常表示手段として機能する。
(3)電源投入後、上記(1)(2)以外の場合に、ベース値((低確率低ベース状態の払出個数÷低確率低ベース状態のアウト個数)×100)を表示する性能表示手段として機能する。
【0099】
(1)設定表示手段としての機能について
設定段階(1段階~6段階)に対応して、「1」~「6」の数値を設定情報として、性能表示LED521に表示する(複数の7セグ表示器のうちの1つに表示)。ここで、設定変更中(S1006)においては、設定情報が未だ未確定な変更状態であることを示すために「1.」~「6.」のようにドットポイントを付加した設定情報を表示するように構成されている。一方、設定確認中(S1013)においては、設定情報は既に確定しているため「1」~「6」(ドットポイントなし)の設定情報を表示するように構成されている。
【0100】
(2)RWM異常表示手段としての機能について
RWMエラー中(S1008)は、RWMエラー状態であることを示すために「E」のエラー情報を表示するように構成されている。RWMエラー状態が継続している間は、常に「E」のエラー情報の表示を行う。
【0101】
(3)性能表示手段としての機能について
ベース値を算出するに際して必要な情報である払出個数とは、各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)に入賞した際に、賞球として払い出された遊技球の合計個数であり、特別図柄1始動口38は1個賞球、特別図柄2始動口39は1個賞球、左上入賞口40は5個賞球、左中入賞口41は5個賞球、左下入賞口42は5個賞球、右入賞口43は2個賞球、上大入賞口44は15個賞球、下大入賞口45は10個賞球となっている。
【0102】
また、ベース値を算出するに際して必要な情報であるアウト個数とは、遊技領域8aに発射された遊技球がアウト口47や入賞口38、39、40、41、42、43、44、45を通過し、最終的に排出される際にアウトスイッチ47aにより検出された個数(≒遊技領域に発射された遊技球の個数)である。
【0103】
ベース値((低確率低ベース状態の払出個数÷低確率低ベース状態のアウト個数)×100)に関する情報としては、現在計測中のリアルタイムベース値、1回前に計測した第1累積ベース値、2回目に計測した第2累積ベース値、3回前に計測した第3累積ベース値、を表示可能に構成されている。
【0104】
また、性能表示手段として構成される4個の7セグ表示器のうち、2個の表示器を識別セグとして利用し、残りの2個の表示器を比率セグとして利用している。例えば、リアルタイムベース値を表示する際は、識別セグとして「bL.」を比率セグとして「ベース値」を表示している。
【0105】
さらに、第1累積ベース値を表示する際は、識別セグとして「b1.」を比率セグとして「ベース値」を、第2累積ベース値を表示する際は、識別セグとして「b2.」を比率セグとして「ベース値」を、第3累積ベース値を表示する際は、識別セグとして「b3.」を比率セグとして「ベース値」を夫々表示する。性能表示手段は、リアルタイムベース値→第1累積ベース値→第2累積ベース値→第3累積ベース値の順に夫々5秒間表示を行い、このサイクルを繰り返し行うことで、各ベース値の表示を繰り返し行うように構成されている。
【0106】
ここで、各ベース値は、全遊技状態(低確率低ベース状態、低確率高ベース状態、高確率低ベース状態、高確率高ベース状態、大当り遊技状態)における累積アウト60000個毎に集計された数値となっている。具体的には、リアルタイムベース値の計測中に累積アウト60000個に達した場合には、第2累積ベース値の値が第3累積ベース値として記憶され(旧第3累積ベース値の値は破棄される)、第1累積ベース値の値が第2累積ベース値として記憶され、リアルタイムベース値の情報が第1累積ベース値として記憶される。そして、再び累積アウトが60000個に到達するまで新たにリアルタイムベース値の計測が開始される。
【0107】
リアルタイムベース値の計測に際しては、累積アウト個数が6000個に到達するまで(0個~5999個)は、リアルタイムベース値の表示を点滅表示とし、6000個到達以降は点灯表示とするように構成されている。ここで、累積アウト個数が6000個に到達するまでを点滅表示にしているのは、累積アウト個数が少ない期間は一時的にベース値が安定しない(短期間で一時的に上振れたり、下振れたりする)可能性があるので、信頼性の低いデータが生じやすいことを示すためである。
【0108】
また、前述の通り第1~第3の累積ベース値は60000個毎のリアルタイムベース値の計測を繰り返すことで蓄積されていくが、未だ蓄積されていない場合に第1~第3の累積ベース値を表示する際には、値がないこと示す「--」が表示される。
【0109】
また、初回の電源投入が行われてから、全遊技状態のアウトが300個に達するまでは、リアルタイムベース値及び第1~第3累積ベース値の全てが「--」で表示される。これについても前述と同じ理由で、累積アウト個数が少ない期間は一時的にベース値が安定しないためである。
【0110】
(外部端子板2)
外部端子板60は、払出発射制御基板51を介して主制御部520と接続されており、主制御部520から所定の外部出力情報に関する外端信号が出力された場合に、その情報をホールコンピュータ(ホール施設側設備)に送信するように構成されている。
【0111】
外部端子板60には複数の出力端子が設けられており、主制御部520から出力される複数種類の外部出力情報の内容に応じて、異なる出力端子から外端信号を出力するように構成されている。これにより、ホールコンピュータHCに対して個別に情報を伝達することが可能となっている。
【0112】
(演出制御部)
演出制御部540は、32ビットマイクロプロセッサの演出制御CPUと、遊技演出に関するプログラム及びデータを記憶するROM542と、遊技演出に関する情報を記憶するワークエリア及びスタックポインタを記憶するスタック領域を有するRWMとを有して構成されている。
【0113】
演出制御部540は、LCDユニット31(画像表示手段)に表示するための画像データを描画するための描画機能を有するVDP回路541(描画回路)と、サウンド再生機能を有するサウンド回路と、LED点灯機能を有するLED回路と、モータ駆動機能を有するモータ回路と、演出制御部540及び内部機能をリセットするWDT回路などが内蔵された複合チップで構成されている。本実施例においては、このうちVDP回路541(描画回路)のみを使用しており、音声再生とモータ駆動に関しては、演出IF基板53に配置されている音声用IC532と可動物用IC531とを利用することで、スピーカー19a、19b、19c、19dや可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))による演出を実現している。また、WDT回路については、図示しないが液晶制御基板54上に設けた外部のWDT回路を使用している。
【0114】
また、演出制御部540は、VDP回路541(描画回路)が画像表示手段31に表示するための画像データを生成するために使用される内蔵VRAMと、VDP回路541(描画回路)による描画動作に先行して演出用ROM560(CGROM)にアクセスし、内蔵VRAMまたは外部のDRAM(液晶制御基板54上に搭載)に一時的に画像データや描画内容が記載されたディスプレイリストDLを転送するプリロード動作を実行するプリローダ回路と、演出用ROM560(CGROM)から読み出した画像の圧縮データをデコードするデコーダ回路と、内蔵VRAM内に設けられたフレームバッファ領域に描画された画像データを読み出して、必要であれば適宜な画像加工処理を実行した後、LCDユニット31へと表示画像データを出力する表示回路と、LCDユニット31へと出力するデータをLVDS信号に変換して送信するLVDS変換回路なども内蔵して構成されている。
【0115】
また、演出制御部540は、演出制御CPUを介さずにデータ(プログラムデータ、変数データ、ランプデータ、サウンドデータ、モータデータ、ディスプレイリスト)の転送を実現可能なDMAC回路(Direct Memory Access Controller)を内蔵している。
【0116】
また、演出制御部540は、計時機能を有するRTC回路(液晶制御基板54上に搭載)から適宜、計時情報を取得可能に構成されている。
【0117】
演出制御部540の主な役割としては、主制御部520からの演出制御コマンドを受信することで、受信した演出制御コマンドに基づく演出内容の選択、VDP回路541(描画回路)を利用した画像表示手段31の表示制御、音声用IC532を利用したスピーカー19a、19b、19c、19dによる音声制御、盤側LED基板63の盤側LED63a及び枠側LED基板64の枠側LED64aの発光制御、可動物用IC531を利用した可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))による駆動制御などを行うことである。このように、演出制御部540による種々の演出制御を、演出シナリオに従って時系列的に複合させることで、図柄変動演出や予告演出などの演出パターンが実現されることとなる。
【0118】
なお、主制御部520からの演出制御コマンドについては、1バイト長の上位コマンド(MODE)と下位コマンド(EVENT)との2バイト構成で形成されている。主制御部520は送信対象のコマンドがある場合には、演出制御部540に対してまず、1回目のストローブ信号を送信した後、上位コマンド(MODE)を送信する。上位コマンド(MODE)の送信から所定時間経過した後、2回目のストローブ信号を送信して下位コマンド(EVENT)の送信を行う。
【0119】
一方、演出制御部540では、主制御部520からの1回目のストローブ信号を受信した場合に、コマンド受信用の割込み処理を発生させ、上位コマンド(MODE)の受信処理を実行する。さらに、2回目のストローブ信号を受信した場合も同様に、コマンド受信用の割込み処理を発生させ、下位コマンド(EVENT)の受信処理を実行する。このように、演出制御コマンドの受信処理を割込み処理により実行することで、他のプログラム処理の実行によりコマンド受信処理が妨げられることがなく、プログラム処理が錯綜することによる受信ミスが発生することがないように設計されている。
【0120】
(演出IF基板、液晶制御基板、液晶IF基板、ROM基板)
演出IF基板53、液晶制御基板54、液晶IF基板55、ROM基板56(総称して演出制御基板とする)は、電源基板50から電源供給を受けることで、スイッチ類(中押しボタン位置検出スイッチ14c、サイドユニット位置検出スイッチ22d、音量・光量ボタン検出スイッチ16c、16d、17c、17d、十字ボタン検出スイッチ49a、49b、49c、49d、盤側可動物位置検出スイッチ77)、駆動源(サイドユニット可動物モータ22c、中押しボタン可動物モータ14d、盤面側可動物モータ30)、各種装置(ブロアデバイス22a、タッチデバイス22b、LCDユニット31)、各種基板(電源基板50、主制御基板52、盤側LED基板63、枠側LED基板64)と、必要に応じて中継基板(図示せず)を介して電気的に接続される。(盤側LED基板63、枠側LED基板64のようにLEDが搭載された基板を総称して装飾基板とする)
【0121】
これにより、演出制御部540は、中押しボタン位置検出スイッチ14c、音量・光量ボタン検出スイッチ16c、16d、17c、17d、十字ボタン検出スイッチ49a、49b、49c、49dの検出信号を受信可能となることで、各ボタンの操作がなされたことを検出可能に構成されている。
【0122】
また、演出制御部540は、中押しボタン位置検出スイッチ14c、サイドユニット位置検出スイッチ22d、盤側可動物位置検出スイッチ77の検出信号を受信することで、可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))の可動位置を把握しながら、駆動制御を実行することが可能となるように構成されている。また、各位置検出スイッチ14c、22d、77からの検出信号に基づいて、可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))の可動位置に不具合があると判断した場合には、改めて、各位置検出スイッチ14c、22d、77からの検出信号が得られるまで再可動させたり、可動物異常に関する所定のエラー報知を実行したりする。
【0123】
また、演出制御部540は、サイドユニット可動物モータ22c、中押しボタン可動物モータ14d、盤面側可動物モータ30を駆動することで、可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))による可動演出動作を実行可能に構成されている。
【0124】
また、演出制御部540は、ブロアデバイス22aを駆動することで、サイドユニット22に設けられた送風口から演出用の風を噴出することが可能となっている。また、タッチデバイス22bを駆動することで、遊技者によるタッチデバイス22bの操作に応じて、所定の演出を実行可能に構成されている。
【0125】
また、演出制御部540は、盤側LED基板63に搭載された盤側LED63a、枠側LED基板64に搭載された枠側LED64aに点灯用信号を送信することで、各LED63a、64aの発光(点灯)演出を実行可能に構成されている。
【0126】
なお、演出制御部540と可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))の通信には、モータドライバ(図示せず)が介在しており、演出制御部540はモータドライバに対して駆動データを送信することで、モータドライバが駆動データに応じた可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))の駆動を実行している。ちなみに、本実施例においては、可動物IC530を使用しているため、演出制御部540が可動物IC530に駆動演出データを送信し、可動物IC530は受信した駆動演出データに対応する駆動データをモータドライバに送信することで、可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))の駆動を実現している。
【0127】
また、演出制御部540と各LED63a、64aの通信には、LEDドライバ(図示せず)が介在しており、演出制御部540はLEDドライバに対して点灯データを送信することで、LEDドライバが点灯データに応じた各LED63a、64aの点灯制御を実行している。ちなみに、1のLEDドライバにより複数のLEDを点灯制御可能であり、盤側LED基板63に搭載された複数の盤側LED63aを点灯制御するための盤側LEDドライバと、枠側LED基板64に搭載された複数の枠側LED64aを点灯制御するための枠側LEDドライバが夫々複数個設けられている。
【0128】
(中押しボタンユニット2)
演出制御部540による中押しボタンユニット14を利用した演出について詳述する。遊技者が中押しボタン押下部14a(操作手段)を操作することで、中押しボタン検出スイッチ14bが遊技者操作を検知し、演出制御部540に操作検出信号を送信する。演出制御部540は操作検出信号を受信することで、所定の演出(画像、ランプ、音声、可動物など)の実行や切り替え等を行うことが可能に構成されている。
【0129】
また、主制御部520から演出制御部540に送信される所定の制御信号に基づいて、演出制御部540から中押しボタン可動物モータ14dにモータ制御信号が送信される。これにより可動物モータが駆動することで中押しボタン可動物14dが可動するように構成されている。ここで、特に限定はされないが、可動物モータ14dとしてはステッピングモータを利用するようにしてもよい。ステッピングモータを適宜回転駆動させることで、所定の演出に応じて、中押しボタン可動物を可動又は停止させることができる。
【0130】
また、本実施例においては、可動物モータ14dとして、前述したステッピングモータとは別にDCモータ(振動手段)が搭載されている。このDCモータを回転駆動させることで中押しボタン押下部14dを振動させる振動演出が実行可能に構成されている。ここで、振動演出を実行するに際して、DCモータのトルク設定値を適宜変更することで、当選期待度に応じて振動演出の振動の強度を変化させることが可能となっている。ちなみに、DCモータに替えて、ACモータやステッピングモータを利用することで、中押しボタン押下部14dを駆動させるように構成してもよい。
【0131】
また、主制御部520から演出制御部540に送信される所定の制御信号に基づいて、演出制御部540から中押しボタンLED基板にLED駆動制御信号を送信することで、中押しボタンLED基板上のLEDを発光制御することが可能な構成となっている。
【0132】
また、中押しボタン押下部14dは、所定の予告演出(操作演出)にて利用される。所定の予告演出(操作演出)において設定された操作有効時間中に、遊技者による所定操作(1回押し、連打押し、長押しなど)が行われることで、所定の演出(画像、ランプ、音声、可動物など)の実行や切り替え等を行うことが可能に構成されている。なお、操作有効期間中は、中押しボタンLED基板のLEDを所定の発光態様で発光制御することにより、遊技者に対して操作有効時間中であることを報知可能に構成されている。
【0133】
(音量調整ボタン2)
演出制御部540による音量調整ボタン16を利用した演出について詳述する。遊技者が音量ボタン上16a(又は音量ボタン下16b)を操作すると、音量ボタン上スイッチ16c(又は音量ボタン下スイッチ16d)が操作を検出し、演出制御部540に音量操作検出信号を送信する。演出制御部540は音量操作検出信号を受信することにより、スピーカー19a、19b、19c、19dから出力される出力音量を変更する。
【0134】
音量調整ボタン16により変更可能な出力音量は10段階で構成されている。音量設定1が最も小さく、音量設定の段階が大きくなるにつれて出力音量が大きくなり、音量設定10が最も大きい出力音量となっている。現在の音量設定が何段階に設定されているかについては、画像表示手段31に表示されるように設計されており、遊技者により音量ボタン上16a(又は音量ボタン下16b)が操作されたことに応じて出力される音量操作検出信号に基づき、演出制御部540が現在の音量設定を示す音量設定情報を画像表示手段31に表示するように構成されている。
【0135】
また、それ以外に、遊技者により遊技が行われていない状態が所定時間続いた場合にも、演出制御部540が現在の音量設定を表示手段に表示するように構成されている。さらに、遊技中か否かに応じて、音量設定情報の表示態様を変更している。遊技中は非遊技中よりも音量設定情報の表示サイズが小さくなるように表示しており、表示位置も表示画面の端に近い位置に表示するように設計されている。これは、遊技中は非遊技中に比べて、その他の表示物(図柄変動画像、保留画像、予告画像など)が多く、可能な限り表示位置が重ならないようにするためである。
【0136】
(光量調整ボタン2)
演出制御部540による光量調整ボタン17を利用した演出について詳述する。遊技者が光量ボタン上17a(又は光量ボタン下17b)を操作すると、光量ボタン上スイッチ17c(又は光量ボタン下スイッチ17d)が操作を検出し、演出制御部540に光量操作検出信号を送信する。演出制御部540は光量操作検出信号を受信することにより、各LED63a、64aの光量を変更する。
【0137】
光量調整ボタン17により変更可能な光量は3段階で構成されている。光量設定1が最も小さく、光量設定の段階が大きくなるにつれて光量が大きくなり、光量設定3が最も大きい光量となっている。現在の光量設定が何段階に設定されているかについては、画像表示手段31に表示するように設計されており、遊技者により光量ボタン上17a(又は光量ボタン下17b)が操作されたことに応じて出力される光量操作検出信号に基づき、演出制御部540が現在の光量設定を示す光量設定情報を画像表示手段31に表示するように構成されている。
【0138】
また、それ以外に、遊技者により遊技が行われていない状態が所定時間続いた場合にも、演出制御部540が現在の光量設定を表示手段に表示するように構成されている。さらに、遊技中か否かに応じて、光量設定情報の表示態様を変更している。遊技中は非遊技中よりも光量設定情報の表示サイズが小さくなるように表示しており、表示位置も表示画面の端に近い位置に表示するように設計されている。これは、遊技中は非遊技中に比べて、その他の表示物(図柄変動画像、保留画像、予告画像など)が多く、可能な限り表示位置が重ならないようにするためである。
【0139】
また、光量調整ボタン17により光量を変更可能なLEDは、演出制御部540により表示制御される遊技枠5の各所に設置された演出用の枠側装飾LED64aや遊技盤の各所に設置された演出用の盤側装飾LED63aの光量に限られる。そのため例えば、主制御部520により表示制御される図柄表示装置76のように、遊技の結果を表示するためのLEDについては光量調整ボタン17により光量を変更することができない。また、演出制御部540により表示制御されるLEDとして、図柄の変動状況を表示する変動表示装置95、図柄変動の保留数を表示するための保留表示LEDなどが搭載されている場合には、これらのLEDについても光量調整ボタン17により光量を変更することができないように構成することが望ましい。
【0140】
また、光量調整ボタン17により光量を変更可能なLEDは、枠側装飾LED64a及び盤側装飾LED63aとしているが、いずれか一方のみを変更可能な構成としてもよい。また、枠側装飾LED64aや盤側装飾LED63aに限らず、LCDユニット31のバックライト光量(表示画面の光量)を変更可能な構成としてもよい。
【0141】
(十字ボタン2)
演出制御部540による十字ボタン18を利用した演出について詳述する。遊技者が上下左右いずれかのボタン18a、18b、18c、18dを操作すると、ボタン検出スイッチ49a、49b、49c、49dが操作を検出し、演出制御部540に十字ボタン操作検出信号を送信する。演出制御部540は十字ボタン操作検出信号を受信することにより、各操作に対応した所定の演出(画像、ランプ、音声、可動物など)の実行や切り替え等を行うことが可能に構成されている。
【0142】
特に限定はされないが、十字ボタンは所定の予告演出(操作演出)において使用されたり、遊技者が任意に設定可能な遊技カスタマイズ機能を実行したりする際に、遊技者がカスタマイズの設定内容を選択するのに使用される。
【0143】
(サイドユニット2)
演出制御部540によるサイドユニット22を利用した演出について詳述する。主制御部520から演出制御部540に送信される所定の制御信号に基づいて、演出制御部540によりブロアデバイス22aが通電される。これにより送風装置が作動し、遊技枠5の上部前側に位置するサイドユニット22の送風口(図示せず)から風が噴出される。その後、ブロアデバイス22aが通電されなくなると、送風装置の作動が停止する。ブロアデバイス22aは、所定の予告演出(例えば、エアー演出)にて利用される。
【0144】
また、タッチデバイス22bは、所定の予告演出(例えば、操作演出)にて利用される。操作演出において設定された操作有効時間中に、遊技者によりタッチデバイス22bに対して所定操作(タッチ操作)が行われることで、演出制御部540に感知信号が送信され、演出制御部540は感知信号を受信することで、所定の演出(画像、ランプ、音声、可動物など)の実行や切り替え等を行うことが可能に構成されている。なお、操作有効期間中は、サイドユニットLED基板のLEDを所定の発光態様で発光制御することにより、遊技者に対して操作有効期間中であることを報知可能に構成されている。
【0145】
サイドユニットLED基板はブロアデバイス22aを利用したエアー演出やタッチデバイスを利用した操作演出の実行時に夫々の演出に対応した発光態様でLEDを点灯させる。また、演出制御部540による統括的な発光制御により、前枠4に設けられた前枠LED基板の発光と同期することで、遊技枠5全体で一体感のある発光演出を実行可能に構成されている。
【0146】
(遊技盤)
図1-5では、本実施例に示す遊技機1の遊技盤8の正面図を示している。
図1-5に示すように、遊技盤8は、ベニヤ板80(又は透明樹脂板)を備え、その表面に、発射された遊技球を案内するための内レール81aと外レール81b(相称してガイドレール81)が環状に配置されており、ガイドレール81に取り囲まれた内側に発射された遊技球が転動可能な遊技領域8aが形成されている。
【0147】
この遊技領域8aには、センター飾り82、特別図柄1始動口38(特
図1始動手段)、特別図柄2始動口39(特
図2始動手段)、その他の入賞口(左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43)、大入賞口(上大入賞口44、下大入賞口45)、右ゲート46(普通図柄作動装置)、アウト口47、多数の遊技釘96、風車83等が配置されている。また、遊技領域8aの外側(非遊技領域)の下部には、図柄表示装置76が配置されている。
【0148】
ガイドレール81は、遊技盤8の左側及び上側に渡って配置される左上コーナー飾り84と、右側及び下側に渡って配置される右下コーナー飾り85とにより取り囲んだ領域を遊技領域8aとして形成している。
【0149】
センター飾り82は、遊技領域8a中央にて、ベニヤ板80の開口孔に対応して着脱可能に装着されており、画像表示手段31の表示画面の前面側に位置するように配置されている。センター飾り82は、画像表示手段31の表示画面が視認可能となるように開口部86が形成されており、この開口部86を取り囲むように前側に張り出した庇部87を有している。この庇部87により、センター飾り82の開口部86の周囲を転動する遊技球の開口部86内側への侵入が阻止されることで、画像表示手段31の表示画面領域が保護されている。
【0150】
センター飾り82の頂点部に位置する庇部87は、頂点部87aを境に左右方向に夫々所定の傾斜角を有して設けられており、遊技領域8aへと発射された遊技球は、この頂点部87aを境に左右に振り分けられ、センター飾り82及び画像表示手段31の左側に位置する左流下通路88と右側に位置する右流下通路89との何れかを流下することとなる。
【0151】
また、センター飾り82は、ベニヤ板80の表面に沿ってその前側を遊技球が通過可能な透過性を有する球流下部90を有しており、この球流下部90は左流下通路88に位置するように形成されているとともに、遊技球の落下の方向に変化を与える樹脂釘90aが複数配置されている。
【0152】
また、センター飾り82は、その下端部側に左右方向に渡って遊技球が転動可能なステージ91を有している。左流下通路88側に、ステージ91へと入球可能な通過口91aが開口状態で配置されており、左流下通路88を流下する遊技球が通過口91aに入球することで、ステージ91上へと遊技球が案内されるように設計されている。ステージ91の中央には、ステージ91下方に上向き開口状に配置される特別図柄1始動口38へ向けて遊技球を案内するように、ステージ91上から遊技球を落下させる落下経路91bが設けられている。この落下経路91bが存在していること及び左流下経路88にのみステージ91へと入球可能な通過口91aがあることで、右流下通路89を流下してきた遊技球よりも左流下通路88を流下してきた遊技球の方が高い確率で特別図柄1始動口38へ入球可能となるように構成されている。
【0153】
また、通過口91aを通過せずに左流下通路88を流下する遊技球よりも、通過口91aを通過してステージ91上へと案内された遊技球の方が高い確率で特別図柄1始動口38へ入球する。
【0154】
(盤面遊技部品)
遊技盤8は、遊技領域8a内に配置される遊技部品として、遊技領域8aの左下部に配置された左サイド飾り92と、遊技領域の中央下部に配置された特別図柄1始動口ユニット93と、遊技領域8aの中央に配置されたセンター飾り82を含むセンター役物ユニット94と、を有している。
【0155】
左サイド飾り92は、ベニヤ板80の開口孔に対応して着脱可能に装着されており、ベニヤ板80の表面に沿ってその前側を遊技球が通過可能な台板92aと、遊技球が入球可能な複数の入賞口(左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42)とアウト口47とを備えて構成されている。また、台板92aから前側に突出し、左右方向に所定角度を有して傾斜状に設けられた球案内通路92bを有しており、流下してきた遊技球がこの球案内通路92bに接触したり、転動したりすることで、遊技球の流下方向に変化を与えるように構成されている。
【0156】
左サイド飾り92の各入賞口40、41、42の内部には、遊技球1個分の幅の球通路が形成されている。この球通路の道中には、遊技球の入球を検出するための入賞口スイッチ40a、42aが設けられており、球通路を流下する遊技球は、この入賞口スイッチ40a、42aを必ず通過するように構成されている。これにより、各入賞口40、41、42に入球した遊技球を必ず検出することが可能となっている。
【0157】
入賞口スイッチ40a、42aにより検出された遊技球は、その後、球通路を辿って遊技盤の裏面側へと排出される。ここで、各入賞口40、41、42のうち、左上入賞口40と左中入賞口41の球通路は、左サイド飾り92内で合流するように形成されており、合流箇所に設置された共通の左上左中入賞口スイッチ40aにより入球が検出されるように構成されている。左下入賞口42については、別途独立して左下入賞口スイッチ42aが設けられている。
【0158】
一方、左サイド飾りに設けられたアウト口47については、各入賞口40、41、42と同様に遊技球1個分の幅の球通路が形成されているが、この球通路の道中には検出スイッチが設けられておらず、入球した遊技球は、球通路を辿って遊技盤8の裏面側へと排出されるのみである。アウト口47に入球した遊技球については、遊技盤8の裏面側へ排出された後に、排出経路に設けられているアウトスイッチ46aを通過するように構成されていることで、アウト球としてカウントすることが可能となっている。
【0159】
ちなみに、遊技領域8aの最下部に設けられたアウト口47に入球した遊技球についても同様に、遊技盤8の裏面側へ排出された後に、排出経路に設けられているアウトスイッチ46aを通過するように構成されていることで、アウト球としてカウントすることが可能となっている。
【0160】
特別図柄1始動口ユニット93は、ベニヤ板80の開口孔に対応して着脱可能に装着されており、ベニヤ板80の表面に沿ってその前側を遊技球が通過可能な台板93aと、遊技球が入球可能な非開閉式で形成され、特別図柄1変動表示を開始させるための特別図柄1始動口38(特
図1始動手段)と、LEDを有する特別図柄1始動口LED基板(図示せず)とを備えて構成されている。特別図柄1始動口38は、台板93aから前側に突出し、上向き開口状に配置されている。特別図柄1始動口LED基板は、特別図柄1始動口38の後方側に配置されており、LEDの発光により特別図柄1始動口38の周囲の台板93aを後方から照射するように構成されている。
【0161】
特別図柄1始動口ユニットの特別図柄1始動口38の内部には、遊技球1個分の幅の球通路が形成されている。この球通路の道中には、遊技球の入球を検出するための特別図柄1始動口スイッチ38aが設けられており、球通路を流下する遊技球は、この特別図柄1始動口スイッチ38aを必ず通過するように構成されている。これにより、特別図柄1始動口38に入球した遊技球を検出することが可能となっている。特別図柄1始動口スイッチ38aにより検出された遊技球は、その後、球通路を辿って遊技盤8の裏面側へと排出される。
【0162】
センター役物ユニット94は、ベニヤ板80の開口孔に対応して着脱可能に装着されており、ベニヤ板80の表面に沿ってその前側を遊技球が通過可能な台板94aと、センター飾り82と、遊技球が通過可能な通過ゲート46で形成された普通図柄変動表示を開始させるための右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)と、可動片39bの変位により遊技球が入球可能な開状態と入球不能(又は開状態よりも困難)な閉状態とに変化可能な開閉式で形成された特別図柄2変動表示を開始させるための特別図柄2始動口39(特
図2始動手段)と、遊技球が入球可能な入賞口(右入賞口43)と、開閉板44b、45bの変位により遊技球が入球可能な開状態と入球不能(又は開状態よりも困難)な閉状態とに変化可能な大入賞口(上大入賞口44、下大入賞口45)と、アウト口47と、特別図柄2始動口39の可動片39bまたは大入賞口44、45の開閉板44b、45bを開閉させるための各ソレノイド(上大入賞口開閉ソレノイド70、下大入賞口開閉ソレノイド71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)と、不正を検知するための各不正検知センサ(磁気センサ73、電波センサ74)と、特別図柄1、特別図柄2及び/又は普通図柄の変動状態を示す変動表示装置95と、LEDを有するセンター役物LED基板(図示せず)とを備えて構成されている。
【0163】
センター役物LED基板は、センター飾り82のステージ91の下面や、特別図柄2始動口39、上大入賞口44、下大入賞口45、変動表示装置95の後方など複数箇所に配置されており、LEDの発光によりステージ91や、特別図柄2始動口39、上大入賞口44、下大入賞口45、変動表示装置95を照射するように構成されている。
【0164】
特別図柄2始動口39(特
図2始動手段)の内部には、特別図柄2始動口スイッチ39aが設けられており、この特別図柄2始動口スイッチ39aにより特別図柄2始動口39に入球した遊技球を検出することが可能となっている。
【0165】
また、上大入賞口44、下大入賞口45の内部には、夫々、大入賞口スイッチ(上大入賞口スイッチ44a、下大入賞口スイッチ45a)が設けられており、これらにより上大入賞口44または下大入賞口45に入球した遊技球を検出することが可能となっている。
【0166】
ちなみに、特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45に入球した遊技球は各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aにてその入球が検出されるが、各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aによる検出後、遊技盤8の裏面側へ排出され、排出経路に設けられているアウトスイッチ47aを通過するように構成されている。これにより、遊技領域8aに発射された遊技球は漏れなくアウトスイッチ47aを通過する。また、アウトスイッチ47aに替えて、発射される遊技球をカウントするための発射スイッチを設けるようにしてもよい。これにより遊技領域8aへと発射される遊技球を漏れなくカウントすることができる。
【0167】
(図柄表示装置)
図柄表示装置76は、遊技盤8の下部に配置されており、右コーナー飾り85の一部として構成されている。
図1-5に図柄表示装置76の拡大図を示している。
【0168】
図柄表示装置は、32個のLEDの集合体で構成されており、32個のLED76a、76b、76c、76d、76e、76f、76g、76h、76i、76jのうち、特別図柄1変動表示として8個の特別図柄1変動表示用LED76a、特別図柄2変動表示として8個の特別図柄2変動表示用LED76b、特別図柄1記憶表示として2個の特別図柄1記憶表示用LED76c、特別図柄2記憶表示として2個の特別図柄2記憶表示用LED76d、普通図柄変動表示として2個の普通図柄変動表示用LED76e、普通図柄記憶表示として2個の普通図柄記憶表示用LED76f、右打ち表示として2個の右打ち表示用LED76g、ラウンド表示として4個のラウンド表示用LED76h、状態表示として2個の状態表示用LED76i、76jを夫々割り当てている。
【0169】
ここで、32個のLED76a、76b、76c、76d、76e、76f、76g、76h、76i、76jは8個1組で4つのLEDグループに分類されており、第1LEDグループは特別図柄1変動表示76aを、第2LEDグループは特別図柄2変動表示76bを、第3LEDグループは特別図柄1記憶表示76c、特別図柄2記憶表示76d、普通図柄記憶表示76f、状態表示76i、76jを、第4LEDグループは普通図柄変動表示76e、右打ち表示76g、ラウンド表示76hを、夫々構成している。
【0170】
(特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示)
図柄表示装置76を用いた特別図柄1変動表示は、特
図1始動手段38が遊技球を検出したことを条件に開始され、8個の特別図柄1変動表示用LED76aが変動中発光パターンで発光表示される。その後、特別図柄1変動表示用LED76aが停止発光パターンで発光表示されることで、特別図柄1変動表示が終了する。具体的には、特
図1始動手段38による遊技球の検出を契機に、主制御部520により大当り判定用乱数(0~65535)が取得され、取得した大当り乱数に基づいた大当り抽選処理が実行され、主制御部520はその抽選結果に基づいて、変動中発光パターンで特別図柄1変動表示を実行する。
【0171】
主制御部520は、変動中発光パターンによる特別図柄1変動表示を所定時間実行した後、抽選結果が大当りの場合には大当り停止発光パターンを選択し、抽選結果が小当りの場合には小当り停止発光パターンを選択し、抽選結果がハズレの場合にはハズレ停止発光パターンを選択する。主制御部520は選択した停止発光パターンに基づいて特別図柄1変動表示用LED76aを発光表示させて、特別図柄1変動表示を終了させる。ここで、停止発光パターンが、大当り停止発光パターンであった場合には大当り遊技が発生し、小当り停止発光パターンであった場合には、小当り遊技が発生する。
【0172】
図柄表示装置76を用いた特別図柄2変動表示は、特
図2始動手段39が遊技球を検出したことを条件に開始され、8個の特別図柄2変動表示用LED76bが変動中発光パターンで発光表示される。その後、特別図柄2変動表示用LED76bが停止発光パターンで発光表示されることで、特別図柄1変動表示が終了する。具体的には、特
図2始動手段39による遊技球の検出を契機に、主制御部520により大当り判定用乱数(0~65535)が取得され、取得した大当り乱数に基づいた大当り抽選処理が実行され、主制御部520はその抽選結果に基づいて、変動中発光パターンで特別図柄2変動表示を実行する。
【0173】
主制御部520は、変動中発光パターンによる特別図柄2変動表示を所定時間実行した後、抽選結果が大当りの場合には大当り停止発光パターンを選択し、抽選結果が小当りの場合には小当り停止発光パターンを選択し、抽選結果がハズレの場合にはハズレ停止発光パターンを選択する。主制御部520は選択した停止発光パターンに基づいて特別図柄2変動表示用LED76bを発光表示させて、特別図柄2変動表示を終了させる。ここで、停止発光パターンが、大当り停止発光パターンであった場合には大当り遊技が発生し、小当り停止発光パターンであった場合には、小当り遊技が発生する。
【0174】
なお、特別図柄1変動表示(又は特別図柄2変動表示)の変動中発光パターンと各停止発光パターンについては、夫々8個の特別図柄1表示用LED76a(又は特別図柄2変動表示用LED76b)による消灯又は点灯の組み合わせにより構成される。
【0175】
また、主制御部520は、大当りの種類に応じて異なる複数種類の大当り停止発光パターンを、小当りの種類に応じて異なる複数種類の小当り停止発光パターンを、ハズレの種類に応じて異なる複数種類のハズレ停止発光パターンを、夫々有して構成されている。
【0176】
また、本実施例においては、特別図柄1変動表示と特別図柄2変動表示とが並行して実行されることはなく、いずれかの変動表示の実行中には、もう一方の変動表示は実行されず、実行中の変動表示が終了した後に、もう一方の変動表示が開始されるように構成されている。ただし、特に限定はされず、特別図柄1変動表示と特別図柄2変動表示とが並行して実行されるように構成してもよい。
【0177】
(特別図柄1記憶表示、特別図柄2記憶表示)
特別図柄1変動表示中、特別図柄2変動表示中、大当り遊技中、小当り遊技中などの特別図柄変動保留期間において、特
図1始動手段38が遊技球を検出した場合には、それを契機に取得した大当り判定用乱数が所定の上限個数(例:4個)を限度とし、特別図柄1保留記憶として記憶される。その後、所定期間が終了した際に、特別図柄1保留記憶が1以上の場合には、保留記憶数を1つ消化させ、特別図柄1変動表示の実行を開始する。この保留記憶の数は、図柄表示装置76の特別図柄1記憶表示用LED76cにて、特別図柄1記憶表示として報知される。特別図柄1記憶表示は、2個の特別図柄1記憶表示用LED76cの発光態様(例:点灯、点滅、消灯)を組み合わせた所定個数(0~4個)を示す5種類の表示態様で、特別図柄1記憶表示用LED76cを発光表示させることで、特別図柄1保留記憶の保留記憶数を報知可能に構成されている。
【0178】
特別図柄1変動表示中、特別図柄2変動表示中、大当り遊技中、小当り遊技中などの特別図柄変動保留期間において、特
図2始動手段39が遊技球を検出した場合には、それを契機に取得した大当り判定用乱数が所定の上限個数(例:4個)を限度とし、特別図柄2保留記憶として記憶される。その後、所定期間が終了した際に、特別図柄2保留記憶が1以上の場合には、保留記憶数を1つ消化させ、特別図柄2変動表示の実行を開始する。この保留記憶の数は、図柄表示装置76の特別図柄2記憶表示用LED76dにて、特別図柄2記憶表示として報知される。特別図柄2記憶表示は、2個の特別図柄2記憶表示用LED76dの発光態様(例:点灯、点滅、消灯)を組み合わせた所定個数(0~4個)を示す5種類の表示態様で、特別図柄2記憶表示用LED76dを発光表示させることで、特別図柄2保留記憶の保留記憶数を報知可能に構成されている。
【0179】
また、本実施例においては、特別図柄1保留記憶と特別図柄2保留記憶とが共に1以上ある場合には、特別図柄2保留記憶が優先して消化されるように構成されている。そのため、特別図柄1保留記憶と特別図柄2保留記憶とが共に1以上ある状態で、実行中の特別図柄1変動表示又は特別図柄2変動表示が終了した場合には、特別図柄2保留記憶の保留記憶数が優先的に消化されるので、次の変動表示として特別図柄2変動表示が実行されることとなる。ただし、特に限定はされず、特別図柄1保留記憶が優先して消化されるように構成してもよい。
【0180】
(普通図柄変動表示)
図柄表示装置76を用いた普通図柄変動表示は、右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)が遊技球を検出したことを条件に開始され、2個の普通図柄変動表示用LED76eが変動中発光パターンで発光表示される。その後、普通図柄変動表示用LED76eが停止発光パターンで発光表示されることで、普通図柄変動表示が終了する。具体的には、右ゲートスイッチ46aによる遊技球の検出を契機に、主制御部520により当り判定用乱数(0~30000)が取得され、取得した当り乱数に基づいた当り抽選処理が実行され、主制御部520はその抽選結果に基づいて、変動中発光パターンで普通図柄変動表示を実行する。
【0181】
主制御部520は、変動中発光パターンによる普通図柄変動表示を所定時間実行した後、抽選結果が当りの場合には当り停止発光パターンを選択し、抽選結果がハズレの場合にはハズレ停止発光パターンを選択する。主制御部520は選択した停止発光パターンに基づいて普通図柄変動表示用LED76eを発光表示させて、普通図柄変動表示を終了させる。ここで、停止発光パターンが、当り停止発光パターンであった場合には、特
図2始動手段39の開放遊技(電チューサポート)を発生させる。
【0182】
また、当りの種類に応じて異なる複数種類の当り停止発光パターンを、ハズレの種類に応じて異なる複数種類のハズレ停止発光パターンを、夫々有するように構成してもよい。
【0183】
(普通図柄記憶表示)
普通図柄変動表示中、特
図2始動手段39の開放遊技中などの普通図柄変動保留期間において、右ゲートスイッチ46aが遊技球を検出した場合には、それを契機に取得した当り判定用乱数が所定の上限個数(例:4個)を限度とし、普通図柄保留記憶として記憶される。その後、普通図柄変動保留期間が終了した際に、普通図柄保留記憶が1以上の場合には、保留記憶数を1つ消化させ、普通図柄変動表示の実行を開始する。
【0184】
この保留記憶の数は、図柄表示装置76の普通図柄記憶表示用LED76fにて、普通図柄記憶表示として報知される。普通図柄記憶表示は、2個の普通図柄記憶表示用LED76fの発光態様(例:点灯、点滅、消灯)を組み合わせた所定個数(0~4個)を示す5種類の表示態様で、普通図柄記憶表示用LED76fを発光表示させることで、普通図柄保留記憶の保留記憶数を報知可能に構成されている。
【0185】
(電チューサポート)
普通図柄変動表示が終了し、その結果が、当り停止発光パターンであった場合には特
図2始動手段39の開放遊技(電チューサポート)が発生する。この電チューサポートが生起すると、主制御部520が特別図柄2始動口開閉ソレノイド72を駆動することで、特別図柄2始動口39の可動片39bを所定の開閉パターンにより開閉動作させる。これにより特別図柄2始動口39が開放することで、特別図柄2始動口39への遊技球の入球が可能となる。
【0186】
特別図柄2始動口39に遊技球が入球した場合、特別図柄2始動口39の内部の特別図柄2始動口スイッチ39aにより入賞が検出され、特別図柄2始動口スイッチ39aからの検出信号を受信した主制御部520により、正常な入賞と判定された場合に、所定の賞球が遊技者に対して払い出されるとともに、特別図柄2変動表示に係る大当り抽選処理が行われ、特別図柄2変動表示が開始される。
【0187】
この際、実行中の特別図柄2変動表示などが存在する場合には、特別図柄2の保留記憶が1つ加算される。特別図柄2始動口39の開放は所定時間(例:開放延長機能未作動時は0.068秒、開放延長機能作動時は5.7秒)行われるか、特別図柄2始動口39への入賞数が予め定められた所定個数(例:10個)に達した場合に終了し、特別図柄2始動口39は閉鎖状態となる。このような特別図柄2始動口39による電チューサポートが1回行われることで、遊技者に対して一定個数の賞球と、特別図柄2変動表示を実行する機会を付与可能な電チューサポートが実現される。
【0188】
ちなみに、本実施例においては、特別図柄2始動口39は右流下通路89に配置されているので、左流下通路88を流下してきた遊技球よりも右流下通路89を流下してきた遊技球の方が特別図柄2始動口39へ入賞し易い構成となっている。
【0189】
また、当り停止発光パターンを複数有する場合には、当り停止発光パターンの種類に応じて、電チューサポートにおける開閉パターンを異ならせるように構成してもよい。
【0190】
(大当り遊技)
特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示が終了し、その結果が、大当り停止発光パターンであった場合には大当り遊技が発生する。この大当り遊技では、主制御部520が大入賞口開閉ソレノイド70、71を駆動することで、大入賞口44、45の開閉板44b、45bを所定の開閉パターンにより開閉動作させる。これにより大入賞口44、45が開放することで、大入賞口44、45への遊技球の入球が可能となる。
【0191】
大入賞口44、45に遊技球が入球した場合、大入賞口44、45の内部の大入賞口スイッチ44a、45aにより入賞が検出され、大入賞口スイッチ44a、45aからの検出信号を受信した主制御部520により、正常な入賞と判定された場合に、所定の賞球が遊技者に対して払い出されるようになっている。大入賞口44、45の開放は所定時間(最大連続開放時間は29.8秒)行われるか、大入賞口44、45への入賞数が予め定められた所定個数(例:10個)に達した場合に終了し、大入賞口44、45は閉鎖状態となる。このような大入賞口44、45による開放遊技(ラウンド遊技)を1回(1ラウンド)とし、これを予め定められた所定回数繰り返す(例:2ラウンド~10ラウンド)ことで、遊技者に対して一定個数の賞球を付与可能な大当り遊技が実現される。
【0192】
ちなみに、本実施例においては、大入賞口44、45は右流下通路89に配置されているので、左流下通路88を流下してきた遊技球よりも右流下通路89を流下してきた遊技球の方が大入賞口44、45へ入賞し易い構成となっている。
【0193】
また、大当り遊技には、大当り開始前インターバルと、ラウンド間インターバルと、大当り終了インターバルなどのインターバル時間が設定されている。
【0194】
特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示が大当り停止発光パターンとなった後、最初のラウンド遊技が開始されるまでに設けられている時間が大当り開始前インターバルであり、この時間を利用して、遊技者に対してラウンド遊技に関する遊技説明等を行う。例えば、大入賞口44、45へと遊技球を入球させ易くするために、右流下通路89を狙って遊技球を発射する旨の指示を行う。
【0195】
次に、1回のラウンド遊技が終了した後、次回のラウンド遊技を開始するまでに設けられている時間がラウンド間インターバルであり、この時間を利用して、大入賞口44、45内に残留している遊技球が大入賞口スイッチ44a、45aを通過して排出されるまでの排出待ち時間としたり、画像表示手段31などを利用して表示しているラウンド遊技回数の情報などを更新したりする。ここで、排出待ち時間については、ラウンド間インターバルを利用してもよいし、別途排出待ち時間を設け、この排出待ち時間が経過した後に、ラウンド間インターバルを開始するように構成してもよい。
【0196】
次に、最終回のラウンド遊技が終了した後、再び特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示が実行可能な状態となるまでに設けられている時間が大当り終了インターバルであり、この時間を利用して、遊技者に対して、プリペイドカードの取り忘れやのめり込み防止に関する注意喚起や、大当り遊技終了後の遊技状態、ここまでの獲得出玉数の報知、企業ロゴの表示などを行う。ちなみに、最終回のラウンド遊技が終了した後、大当り終了インターバルを開始するまでは、厳密にはラウンド遊技とラウンド遊技の間ではないが、この時間に対しても前述したラウンド間インターバルと同様の時間を設定してもよい。
【0197】
また、本実施例の遊技機においては、大当り遊技のラウンド遊技回数として、10ラウンド大当り、5ラウンド大当り、2ラウンド大当りの3種類の大当り遊技を実行可能であり、特別図柄1変動表示を契機とする場合と、特別図柄2変動表示を契機とする場合とで、実行可能な大当り遊技の種類が異なる。具体的には、特別図柄1変動表示を契機に生起される大当り遊技として5ラウンド大当りと2ラウンド大当りが実行可能であり、特別図柄2変動表示を契機に生起される大当り遊技として10ラウンド大当りと5ラウンド大当りが実行可能に構成されている。また、特にこれに限定はされず、特別図柄1変動表示と特別図柄2変動表示とで、実行可能な大当り遊技の種類が同じとなるように構成してもよい。
【0198】
(小当り遊技)
特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示が終了し、その結果が、小当り停止発光パターンであった場合には小当り遊技が発生する。この小当り遊技では、主制御部520が大入賞口開閉ソレノイド70、71を駆動することで、大入賞口44、45の開閉板44b、45bを所定の開閉パターンにより開閉動作させる。これにより大入賞口44、45が開放することで、大入賞口44、45への遊技球の入球が可能となる。
【0199】
大入賞口44、45に遊技球が入球した場合、大入賞口44、45の内部の大入賞口スイッチ44a、45aにより入賞が検出され、大入賞口スイッチ44a、45aからの検出信号を受信した主制御部520により、正常な入賞と判定された場合に、所定の賞球が遊技者に対して払い出されるようになっている。
【0200】
大入賞口44、45の開放は所定時間(最大連続開放時間は1.8秒)行われるか、大入賞口44、45への入賞数が予め定められた所定個数(例:10個)に達した場合に終了し、大入賞口44、45は閉鎖状態となる。このような大入賞口44、45による開放遊技(小当り遊技)が1回行われることで、遊技者に対して一定個数の賞球を付与可能な小当り遊技が実現される。
【0201】
ここで、大入賞口44、45の開閉板を短時間で開閉を繰り返す短開閉パターンで動作させる場合、大入賞口44、45が開放状態となっている時間の合計が所定時間(1.8秒)を超えないないように設定されていればよく、例えば、閉鎖時間が比較的長く設定された開閉動作を繰り返すことで1回の小当り遊技の時間が1.8秒を超えてしまうことについては差し支えない。
【0202】
また、本実施例の遊技機においては、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示を契機に小当り遊技を実行可能としているが、これに限らず、特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示のいずれか一方の変動表示を契機としてのみ小当り遊技を実行可能に構成してもよい。
【0203】
(ラウンド表示)
図柄表示装置76を用いたラウンド表示は、大当り遊技における大当り開始前インターバルの開始と略同じタイミングで開始され、4個のラウンド表示用LED76hにより、今回の大当り遊技におけるラウンド遊技の回数が表示される。例えば、大当り遊技のラウンド遊技回数として、10ラウンド大当り、5ラウンド大当り、2ラウンド大当りの3種類の大当り遊技を実行可能な場合には、今回実行される大当り遊技がそのいずれであるかが、ラウンド表示用LED76hにより示される。これにより遊技者は当選した大当り遊技の種類を把握することが可能となっている。
【0204】
ラウンド表示用LED76hの点灯制御は主制御部520により行われ、10ラウンド大当りを実行する場合には10ラウンド大当り用点灯パターン、5ラウンド大当りを実行する場合には5ラウンド大当り用点灯パターン、2ラウンド大当りを実行する場合には2ラウンド大当り用点灯パターンを夫々、主制御部520が選択し、選択した点灯パターンに基づいてラウンド表示用LED76hを点灯表示することにより実現される。
【0205】
(遊技状態)
本遊技機では、大当り遊技状態、小当り遊技状態の他に複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。詳細は後述するが、低確率低ベース状態(通常遊技状態)、低確率高ベース状態(時短遊技状態)、高確率低ベース状態(潜確遊技状態)、高確率高ベース状態(確変遊技状態)の4種類の遊技状態のうちからいずれかの遊技状態が主制御部520により生起される。
【0206】
主制御部520は、特別図柄(特別図柄1、特別図柄2)変動表示の大当り抽選確率を変動させる確率変動機能(特図確変機能)と、普通図柄変動表示の当り抽選確率を変動させる確率変動機能(普図確変機能)と、を有している。
【0207】
特図確変機能は、大当り抽選確率を通常確率の低確率状態(例:205/65535≒1/319)から低確率状態よりも遊技者に有利となる高確率状態(例:658/65535≒1/99)に変動させる機能である。特図確変機能が作動することで特別図柄が高確率状態となる特別図柄高確率状態が生起される。この特別図柄高確率状態中は、主制御部520による大当り抽選処理において、大当り遊技を発生させると判定する判定範囲が通常状態(特別図柄低確率状態)よりも広く設定されることで、大当り遊技が発生し易い状態となる。ちなみに、大当り確率を複数段階(設定1~設定6の6段階)有する場合には、設定段階毎に、低確率状態の抽選確率のみならず、高確率状態の抽選確率も異なる。
【0208】
普図確変機能は、当り抽選確率を通常確率の低確率状態(例:125/251≒1/2.008)から低確率状態よりも遊技者に有利となる高確率状態(例:250/251≒1/1.004)に変動させる機能である。普図確変機能が作動することで普通図柄が高確率状態となる普通図柄高確率状態が生起される。この普通図柄高確率状態中は、主制御部520による当り抽選処理において、当り遊技を発生させると判定する判定範囲が低確率状態(普通図柄低確率状態)よりも広く設定されることで、大当り遊技が発生し易い状態となる。
【0209】
また、特図確変機能と普図確変機能については、両機能を有するように構成してもよいし、特図確変機能のみを有する又は普図確変機能のみを有するように構成してもよい。
【0210】
主制御部520はさらに、特別図柄(特別図柄1、特別図柄2)変動表示の変動時間を短縮させる変動短縮機能(特図変動短縮機能)と、普通図柄変動表示の変動時間を短縮させる変動短縮機能(普図変動短縮機能)とを有している。
【0211】
特図変動短縮機能は、1回の特別図柄(特別図柄1、特別図柄2)変動表示にかかる時間(変動開始から変動停止までの時間)を短縮させる機能である。特図変動短縮機能が作動することで特別図柄の変動時間が短縮する特別図柄変動短縮状態が生起される。この特別図柄変動短縮状態中は、通常状態(特別図柄非変動短縮状態)に比べて所定時間あたりに変動可能な特別図柄の変動回数が向上するため、それに応じて大当り抽選を受ける回数が増加する。
【0212】
普図変動短縮機能は、1回の普通図柄変動表示にかかる時間(変動開始から変動停止までの時間)を短縮させる機能である。普図変動短縮機能が作動することで普通図柄の変動時間が短縮する普通図柄変動短縮状態が生起される。この普通図柄変動短縮状態中は、通常状態(普通図柄非変動短縮状態)に比べて所定時間あたりに変動可能な普通図柄の変動回数が向上するため、それに応じて当り抽選を受ける回数が増加する。
【0213】
また、主制御部520は、特
図2始動手段39の開放遊技(電チューサポート)について、この電チューサポートによる特別図柄2始動口39の開放時間を延長させる開放延長機能(開延機能)を有している。
【0214】
開放延長機能は、電チューサポート発生時の特別図柄2始動口39の可動片39bの開放時間を延長(例:0.068秒→5.7秒)させる機能である。開放延長機能が作動することで特別図柄2始動口39の開放時間が延長する開放延長状態が生起される。この開放延長状態中は、通常状態(開放延長未作動状態)に比べて特別図柄2始動口39への入球が容易となるため、通常状態よりも所定時間あたりに変動可能な特別図柄2の変動回数が向上し、大当り抽選を受ける回数が増加する。
【0215】
これらのことから、特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態、特別図柄変動短縮状態、普通図柄変動短縮状態、開放延長状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であると言える。
【0216】
また、各機能(特図確変機能、普図確変機能、特図変動短縮機能、普図変動短縮機能、開放延長機能)は、特別図柄(特別図柄1、特別図柄2)変動表示の結果、各機能を作動させることとなる大当り遊技が発生した場合に、その大当り遊技の終了後から作動を開始し、各状態(特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態、特別図柄変動短縮状態、普通図柄変動短縮状態、開放延長状態)へと移行する。より詳細には、主制御部520は、大当り抽選の結果が大当りの場合に、複数種類の大当り遊技のうちいずれを実行するかを抽選する大当り図柄抽選を行っており、その大当り図柄抽選の結果、各機能を作動させることとなる大当り遊技の当選図柄(確変大当り図柄や時短大当り図柄)が選択された場合に、各状態が生起されることとなる。
【0217】
また、大当り抽選の結果がハズレの場合であってもハズレの種類を抽選するためのハズレ図柄抽選を行っており、そのハズレ図柄抽選の結果、各機能のうち特別図柄変動短縮状態、普通図柄変動短縮状態、開放延長状態を作動させることとなる当選図柄(ハズレ時短図柄)が選択された場合には、特別図柄変動短縮状態、普通図柄変動短縮状態、開放延長状態の全て又はいずれか複数又は1つの遊技状態が生起されることとなる。ハズレ図柄抽選においては、特別図柄高確率状態、普通図柄高確率状態を生起させるための当選図柄は存在せず、ハズレの場合にこれらの遊技状態が生起されることはない。
【0218】
以上、上述した各機能を1または複数種類作動させることで、低確率低ベース状態、低確率高ベース状態、高確率低ベース状態、高確率高ベース状態の4種類の遊技状態を生起することが可能となっている。以下にその詳細を示す。
・低確率低ベース状態(通常遊技状態)=各機能が未作動の状態
・低確率高ベース状態(時短遊技状態)=特図確変機能が未作動で、普図確変機能、普図変動短縮機能、開放延長機能の全て又はいずれか複数または1つが作動している状態
・高確率低ベース状態(潜確遊技状態)=開放延長機能が未作動で、少なくとも特図確変機能が作動している状態
・高確率高ベース状態(確変遊技状態)=各機能が作動している状態
ちなみに、大当り遊技状態または小当り遊技状態については、各機能は未作動の状態で行われる。
【0219】
また、低確率高ベース状態については、複数種類の低確率高ベース状態を生起する構成してもよく、例えば、上述した低確率高ベース状態(時短遊技状態)とは別に、特図確変機能と普図確変機能が未作動で、普図変動短縮機能または開放延長機能の両方またはいずれか一方が作動する特定低確率高ベース状態(微時短遊技状態)を有していてもよい。また、この特定低確率高ベース状態(微時短遊技状態)については、前述した大当り抽選の結果がハズレで当選図柄(ハズレ時短図柄)が選択された場合に生起可能に構成するようにしてもよい。
【0220】
これらのことから、低確率高ベース状態、高確率低ベース状態、高確率高ベース状態、特定低確率高ベース状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態は、低確率低ベース状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であると言える。
【0221】
(右打ち表示)
図柄表示装置76を用いた右打ち表示は、遊技球が右流下通路89を流下するように右打ち発射する方が遊技者にとって有利な状態なのか、遊技球が左流下通路88を流下するように左打ち発射する方が遊技者にとって有利な状態なのかを2個の右打ち表示用LED76gにより、いずれかを示す情報が表示される。例えば、右打ちが有利な状態であることを示す場合には2個のLED76gを点灯状態とし、左打ちが有利な状態であることを示す場合には2個のLED76gを消灯状態とする。
【0222】
ここで、右打ちが有利な状態としては、低確率高ベース状態、高確率高ベース状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態が該当し、左打ちが有利な状態としては、低確率低ベース状態、高確率低ベース状態が該当する。
【0223】
低確率高ベース状態、高確率高ベース状態においては、右流下通路89に配置された特別図柄2始動口39への入球が容易であり、左流下通路88を狙って特別図柄1変動を目指すよりも右流下通路89を狙って特別図柄2変動を目指す方が有利であるため、右打ち表示が行われる。大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、右流下通路89に配置された大入賞口44、45への入球が容易であり、左流下通路88を狙って大入賞口44、45への入球を目指すよりも、右流下通路89を狙って大入賞口44、45への入球を目指す方が有利であるため、右打ち表示が行われる。
【0224】
一方で、低確率低ベース状態、高確率低ベース状態においては、右流下通路89に配置された特別図柄2始動口39への入球が不能又は困難であり、右流下通路89を狙って特別図柄2変動を目指すよりも左流下通路88を狙って特別図柄1変動を目指す方が有利であるため、左打ち表示(消灯状態)が行われる。
【0225】
また、特定低確率高ベース状態については、開放延長機能の作動を伴う場合には、右流下通路89に配置された特別図柄2始動口39への入球が容易であり、左流下通路88を狙って特別図柄1変動を目指すよりも右流下通路89を狙って特別図柄2変動を目指す方が有利であるため、右打ち表示が行われるが、開放延長機能の作動を伴わない場合には、右流下通路89に配置された特別図柄2始動口39への入球が不能又は困難であり、右流下通路89を狙って特別図柄2変動を目指すよりも左流下通路88を狙って特別図柄1変動を目指す方が有利であるため、左打ち表示(消灯状態)が行われる。
【0226】
(状態表示)
図柄表示装置76を用いた状態表示は、特別図柄(特別図柄1、特別図柄2)変動表示の大当り抽選確率を変動させる確率変動機能(特図確変機能)と普通図柄変動表示の当り抽選確率を変動させる確率変動機能(普図確変機能)のうち、少なくとも一方が作動しているか否かを示す1個の高確率報知用LED76iと、特別図柄(特別図柄1、特別図柄2)変動表示の変動時間を短縮させる変動短縮機能(特図変動短縮機能)と、普通図柄変動表示の変動時間を短縮させる変動短縮機能(普図変動短縮機能)のうち、少なくとも一方が作動しているか否かを示す1個の変動短縮報知用LED76jと、の合計2個の状態表示用LED76i、76jにより構成されている。
【0227】
例えば、高確率報知用LED76iは、低確率高ベース状態(普図確変機能が作動している場合)、高確率低ベース状態、高確率高ベース状態中において、点灯態様となることで、現在の遊技状態において、特図確変機能または普図確変機能が作動していることを報知する。一方、低確率低ベース状態、低確率高ベース状態(普図確変機能が作動していない場合)、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、非点灯態様となることで、現在の遊技状態において、特図確変機能または普図確変機能が作動していないことを報知する。
【0228】
変動短縮報知用LED76jは、低確率高ベース状態(普図変動短縮機能が作動している場合)、高確率低ベース状態(特図変動短縮機能が作動している場合)、高確率高ベース状態中において、点灯態様となることで、現在の遊技状態において、特図変動短縮機能または普図変動短縮機能が作動していることを報知する。一方、低確率低ベース状態、低確率高ベース状態(普図変動短縮機能が作動していない場合)、高確率低ベース状態(特図変動短縮機能が作動していない場合)、大当り遊技状態、小当り遊技状態においては、非点灯態様となることで、現在の遊技状態において、特図変動短縮機能または普図変動短縮機能が作動していないことを報知する。
【0229】
また、高確率報知用LED76iは、特図確変機能と普図確変機能のうち、少なくとも一方が作動している場合に点灯態様となるとしたが、これに限らず、特図確変機能が作動している時のみ点灯態様となるように構成してもよい。また普図確変機能が作動している時のみ点灯態様となるように構成してもよい。
【0230】
また、変動短縮報知用LED76jは、特図変動短縮機能と普図変動短縮機能の少なくとも一方が作動している場合に点灯態様となるとしたが、これに限らず、特図変動短縮機能が作動している時のみ点灯態様となるように構成してもよい。また普図変動短縮機能が作動している時のみ点灯態様となるように構成してもよい。
【0231】
また、高確率報知用LED76iは、電源投入時においてのみ現在の遊技状態において、特図確変機能または普図確変機能が作動しているか否かを示すように構成してもよく、この場合には、その後、遊技状態が変化して、特図確変機能または普図確変機能の作動の有無が変化した場合であっても、特図確変機能または普図確変機能の作動の有無にかかわらず、非点灯状態又は点灯状態のままとすることが望ましい。また、変動短縮用LED76jについても同様の構成としてもよい。
【0232】
また、変動短縮報知用LED76jは、現在の遊技状態が微時短遊技状態においては、普図変動短縮機能が作動しているか否かにかかわらず、点灯状態とならないように構成してもよい。一方、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合において、普図変動短縮機能が作動している場合には、点灯状態となることが望ましい。
【0233】
このように、変動短縮報知用LED76jについては、微時短遊技状態では点灯せず、時短遊技状態でのみ点灯するように構成してもよい。これにより、変動短縮報知用LED76jの点灯態様からは微時短遊技状態であることが把握できないため、遊技者に対して現在の遊技状態が微時短遊技状態なのか通常遊技状態なのかを秘匿することが可能となる。ただし、これに限らず、微時短遊技状態においても普図変動短縮機能が作動している場合には点灯状態となるように構成してもよい。
【0234】
また、電源投入時の遊技状態が、微時短遊技状態である場合には、変動短縮報知用LED76jを点灯させるようにし、その後、遊技状態が変化して、再度微時短遊技状態となった場合には、変動短縮報知用LED76jが点灯しないように構成してもよい。これにより、微時短遊技状態は、電源投入時にのみ変動短縮報知用LED76jが点灯することで、電源投入時においてだけ微時短遊技状態であるか否かが把握可能に構成することができる。
【0235】
(装飾図柄変動遊技、保留表示)
画像表示手段31では、図柄表示装置76を用いた特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示と並行して、複数の装飾図柄100、101、102による変動表示を実行する装飾図柄変動遊技が行われる。装飾図柄100、101、102は、主にキャラクタ部100a、101a、102aと数字部100b、101b、102bとで構成されており、1~9の数字部100b、101b、102bの数字に対応して、夫々異なる9種類のキャラクタがキャラクタ部100a、101a、102aに表示される。
【0236】
そして、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102の3つが夫々所定方向にスクロール表示(例:高速変動表示)されることで変動表示を開始し、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の変動停止と略同じタイミングで、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102も停止表示されるようになっている。
【0237】
特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の結果が、大当り停止発光パターンであった場合には、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102が全て同じ図柄で揃う大当り表示態様となり、ハズレ停止発光パターンであった場合には、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102の少なくとも1つまたは全部が異なる図柄となるハズレ表示態様で停止表示される。また、最終的に大当り表示態様となる装飾図柄変動遊技のことを大当り変動パターン、最終的にハズレ表示態様となる装飾図柄変動遊技のことをハズレ変動パターンと称する。
【0238】
ちなみに、装飾図柄100、101、102の種類として、上述したもの以外のものが含まれるように構成してもよく、例えば、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の結果が、小当り停止発光パターンであった場合に、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102の少なくとも1つまたは全部が、小当りを示すキャラクタ部100a、101a、102aや数字部100b、101b、102bで構成された小当り図柄で停止表示されるように構成してもよい。同様に、大当りを示すキャラクタ部100a、101a、102aや数字部100b、101b、102bで構成された大当り図柄やハズレを示すキャラクタ部100a、101a、102aや数字部100b、101b、102bで構成されたハズレ図柄を停止表示させるように構成してもよい。また、最終的に小当り図柄が停止表示される小当り表示態様となる装飾図柄変動遊技のことを小当り変動パターンと称する。
【0239】
ここで、各装飾図柄変動遊技(大当り変動パターン、小当り変動パターン、ハズレ変動パターン)においては、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102が停止表示される前段階において、最終的に停止表示される装飾図柄100、101、102のうち共通の停止目を構成する一部の図柄を仮停止状態(確定表示していない状態)とするリーチ状態を実行可能となっている。
【0240】
また、リーチ状態が実行される各装飾図柄変動遊技のことをリーチ変動パターン(大当りリーチ変動パターン、小当りリーチ変動パターン、ハズレリーチ変動パターン)という。具体的には、最終的に左装飾図柄100が7図柄(数字部100bが7の図柄)、中装飾図柄101が7図柄(数字部101bが7の図柄)、右装飾図柄102が7図柄(数字部100cが7の図柄)の大当り表示態様となる場合、左装飾図柄100と右装飾図柄102とを7図柄(数字部100b、100cが7の図柄)で仮停止させ、中装飾図柄101をスクロール表示させる。また、最終的に左装飾図柄100が7図柄(数字部100bが7の図柄)、中装飾図柄101が6図柄(数字部101bが6の図柄)、右装飾図柄102が7図柄(数字部100cが7の図柄)のハズレ表示態様となる場合、左装飾図柄100と右装飾図柄102とを7図柄(数字部100b、100cが7の図柄)で仮停止させ、中装飾図柄101をスクロール表示させる。このようなリーチ演出が実行されることで、スクロール表示中の中装飾図柄101が最終的に7図柄(数字部101bが7の図柄)で停止するか6図柄(数字部101bが6の図柄)で停止するかで遊技の結果が異なるため、その行末について遊技者に対して期待感を与えることができる。
【0241】
そして、このリーチ状態中において、中装飾図柄101の停止目が如何様になるかを煽ることで、より期待感を与えるための演出としてリーチ演出を実行可能となっている。リーチ演出は、画像表示手段31による画像演出に同期して、スピーカー19a、19b、19c、19dによる音声演出、LED63a、64aによる発光演出、可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))による可動物演出、操作手段14aによる操作演出などを利用して行われる。
【0242】
また、画像表示手段31では、装飾図柄変動遊技に付随して、装飾図柄変動遊技の結果を示唆、予見させるための種々の演出の表示も行われる。このような演出は、装飾図柄変動遊技や予告演出に同期して、音声演出、発光演出、可動物演出、操作演出などでも行われる。本実施例においては、このように種々の演出手段を利用して実行される演出として、装飾図柄変動遊技の当選期待度(大当り当選期待度、小当り当選期待度、ハズレ時短当選期待度など)を示唆、報知するものを予告演出と称する。
【0243】
また、画像表示手段31では、図柄表示装置76を用いた特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示と並行して、装飾図柄変動遊技のほかに、ミニ図柄103aによる変動表示を実行するミニ図柄変動遊技が行われる。このミニ図柄変動遊技は、画像表示手段31の表示領域の端に表示されており、装飾図柄変動遊技が実行される変動領域よりも小さい変動領域にて、変動表示が行われる。ミニ図柄103aは、主に1~9の数字部のみで構成されており、左ミニ図柄、中ミニ図柄、右ミニ図柄の3つが夫々所定順序で切り替え表示されることで、変動表示を開始し、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の変動停止と略同じタイミングで、左ミニ図柄、中ミニ図柄、右ミニ図柄も停止表示されるようになっている。
【0244】
このミニ図柄103aの役割としては、主に装飾図柄変動遊技の視認性が困難または不能となった場合のリスク対策であり、例えば、画像表示手段31の前側に位置する可動物(下可動物30a、上可動物30b)が表示画面の前側に可動してきた場合に、可動物(下可動物30a、上可動物30b)により装飾図柄変動遊技が見えなくなる可能性がある。このような場合であっても、少なくともミニ図柄103aの視認性は損なわれないように表示することで、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示と同期した図柄変動遊技(装飾図柄変動遊技またはミニ図柄変動遊技)の内容を常に画像表示手段31に表示し続けることが可能となる。このような性質上、ミニ図柄変動遊技については、基本的に装飾図柄変動遊技と同期した形で実行される。また、ミニ図柄変動遊技が常に視認性を保って表示されることで、例えば、一時的に装飾図柄100、101、102が見えなくなるような表示態様で表示することなどが可能となる。このように、ミニ図柄103aの存在により装飾図柄100、101、102の表示の仕方に多様性を持たせることが可能となっている。
【0245】
また、ミニ図柄103aは数字部だけで構成されているものとしたが、これに限らずキャラクタ部を有する(またはキャラクタ部のみを有する)ように構成してもよい。さらに、ミニ図柄103aの種類として、上述したもの以外のものが含まれるように構成してもよく、例えば、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の結果が、小当り停止発光パターンであった場合に、左ミニ図柄、中ミニ図柄、右ミニ図柄の少なくとも1つまたは全部が、小当りを示すキャラクタ部や数字部で構成された小当り図柄で停止表示されるように構成してもよい。同様に、大当りを示すキャラクタ部や数字部で構成された大当り図柄やハズレを示すキャラクタ部や数字部で構成されたハズレ図柄を停止表示させるように構成してもよい。
【0246】
さらに、画像表示手段31では、特別図柄1記憶表示や特別図柄2記憶表示に対応して、現在の保留記憶数を示す保留表示104aが行われる。保留表示104aは、保留の有無を示すための保留画像に所定の動的アニメーションを付加した形で表示される。この保留画像が現在の保留記憶数(例:1個~4個)と同じ数だけ表示される。(104bは未だ保留されていない未表示の未保留表示箇所を示す)
【0247】
保留画像は、当該保留105aの画像を表示するための当該保留表示領域105に近い側を先頭に所定間隔で保留表示領域104内に表示される。ここで、当該保留105aとは、現在変動中の特別図柄1記憶表示や特別図柄2記憶表示に対応する表示物であり、変動中の特別図柄1記憶表示や特別図柄2記憶表示が終了した場合には、それに対応する当該保留画像が削除される。特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示中に、特
図1始動手段または特
図2始動手段が遊技球を検出することに基づいて、特別図柄1記憶表示や特別図柄2記憶表示が増加した場合には、保留表示領域104内に保留画像が1個追加表示される(当該保留表示領域105に近い側の未保留表示箇所104bに保留表示104aが表示される)。
【0248】
また、変動中の特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示が終了し、新たな特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示が開始することに基づいて、特別図柄1記憶表示や特別図柄2記憶表示が減少した場合には、当該保留画像を削除するとともに、保留表示領域104内の先頭の保留画像が1個、当該保留表示領域に向けてシフトするように移動表示される。この際、保留画像が複数個(最大で4個)あった場合には、各保留画像も待ち行列の先頭方向へ向けて、1個分ずつシフト表示される。
【0249】
また、画像表示手段31には、現在の特別図柄1記憶表示の個数を表示する特別図柄1記憶個数表示106aと、現在の特別図柄2記憶表示の個数を表示する特別図柄2記憶個数表示106bとが表示されている。ここで、
図1-5では、特別図柄1記憶表示が2個、特別図柄2記憶表示が0個の状況を示しており、特別図柄1記憶個数表示106aが2個を示す「2」表示となり、特別図柄2記憶個数表示106aが0個を示す「0」表示となっている。また、保留表示領域104では、保留表示104aが2個の状況を示しており、保留表示領域104a内には、保留表示104aが2個表示され、未表示の未保留表示箇所104bが2個残留している表示態様となっている。
【0250】
(先読み予告)
先読み予告とは、予告演出の一種であり、装飾図柄変動遊技の実行待ちである保留記憶について、対象となる保留記憶に対応する装飾図柄変動遊技の実行前に、保留画像の表示態様や、対象となる保留表示104に対応する装飾図柄変動遊技よりも前に実行される先の装飾図柄変動遊技を利用して、対象となる保留表示104に関する当選期待度を示唆する演出を実行するものである。
【0251】
先読み予告による演出は、画像表示手段31を利用した画像演出の他、スピーカー19a、19b、19c、19dによる音声演出、LED63a、64aによる発光演出、可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))による可動物演出などを利用して実行される。
【0252】
また、本実施例においては、保留画像の表示態様を変化(例:白色から青色、黄色、緑色、赤色、虹色などに変化)させることで、その変化態様に応じて当選期待度を事前に示唆する先読み予告を保留変化演出と称する。(例:青色→黄色→緑色→赤色→虹色の順に当選期待度が高く、虹色は当選確定を示唆)
【0253】
(疑似連予告)
疑似連予告とは、予告演出の一種であり、装飾図柄100、101、102による変動表示を利用して行われる疑似的変動表示を実行するものである。具体的には、1回の装飾図柄変動遊技において、装飾図柄100、101、102の一部または全部を仮停止状態とし、仮停止状態から再度装飾図柄を再変動表示させる疑似変動を、1または複数回繰り返すものである。これにより、実際には1回の装飾図柄変動遊技であるにもかかわらず、複数回の装飾図柄変動遊技が実行されているかの様な錯覚効果を遊技者に与えることが可能となっている。
【0254】
このような疑似連予告では、疑似変動が実行される回数に応じて、その装飾図柄変動遊技の当選期待度を示唆するように構成されている。すなわち、1回の装飾図柄変動遊技において、疑似連予告による疑似変動の実行回数が多ければ多いほど、その装飾図柄変動遊技の当選期待度が高まるようになっている。
【0255】
(ステップアップ予告)
ステップアップ予告とは、予告演出の一種であり、複数段階の演出ステップによる演出である。具体的には、1段階目のステップアップ1演出(SU1演出)から複数段階目のステップアップN(N≦2)演出に発展させ、その発展結果がより高段階(Nの値がより大きくなるほど)になればなるほど、その装飾図柄変動遊技の当選期待度が高まるようになっている予告のことである。ステップアップ演出の発展に関しては、SU1演出→SU2演出→SU3演出のように段階的に発展させるようにしてもよいし、SU1演出→SU3演出のように所定段階を飛ばすように発展させるようにしてもよい。
【0256】
(背景変化予告)
背景変化予告とは、予告演出の一種であり、装飾図柄変動遊技中において、現在の演出ステージを異なる他の演出ステージへと移行させる予告演出のことである。演出ステージが変化することで、例えば、背景画像のデザイン、装飾図柄100、101、102のキャラクタ部100a、101a、102aや数字部100b、101b、102bのデザイン、保留表示104の保留画像や当該保留表示105の当該保留画像のデザインが、移行先の演出ステージに応じた内容に変更される。そして、移行する演出ステージの種類や、演出ステージ移行時に発生するステージ移行演出の内容に応じて、その装飾図柄変動遊技の当選期待度が高まるように構成されている。
【0257】
(可動物)
遊技盤8には、演出用の可動物として、画像表示手段31の前側下部で遊技球の流下を阻害しない位置に配置された下可動物30aと、画像表示手段31の前側上部で遊技球の流下を阻害しない位置に配置された上可動物30bとが搭載されている。下可動物30aと上可動物30bはそれぞれ、画像表示手段31とベニヤ板80(又は透明樹脂板)との間に形成された可動空間内を移動可能に構成されている。下可動物30aは、所定のキャラクタの絵を有する意匠で形成されており、画像表示手段31の前側下部の原点位置から可動空間の上部側方向に向けて移動し、画像表示手段31の表示領域の中央前側の演出位置に到達すると移動動作を停止し、この演出位置にてLEDによる発光演出(可動物内部に設置された可動物LED基板のLEDによる発光や、遊技枠5側に搭載されたLED64aや遊技盤8側に搭載されたLED63aによる発光)や所定の演出動作(演出位置での停止動作または可動物を小刻みに振動させる振動動作など)を行い、その後原点位置に回帰可能に構成されている。
【0258】
一方、上可動物30bは、所定の文字列を有したロゴ意匠で形成されており、画像表示手段31の前側上部の原点位置から可動空間の下部側方向に向けて移動し、画像表示手段31の表示領域の中央前側の演出位置に到達すると移動動作を停止し、この演出位置にてLEDによる発光演出(可動物内部に設置された可動物LED基板のLEDによる発光や、遊技枠側に搭載されたLED64aや遊技盤側に搭載されたLED63aによる発光)や所定の演出動作(演出位置での停止動作または可動物を小刻みに振動させる振動動作など)を行い、その後原点位置に回帰可能に構成されている。
【0259】
このような下可動物30aによる可動演出動作や上可動物30bによる可動演出動作は、演出制御部540の制御指示により執り行われる。演出制御部540は、下可動物30aのみを可動させる可動パターンや、上可動物30bのみを可動させる可動パターンのほか、下可動物30aと上可動物30bとを同時期に可動させる可動パターンなどを実行可能に構成されている。このように、演出制御部540により種々の可動パターンが実行されることで、単数または複数の可動物を利用した一連の可動演出が実現される。
【0260】
(メモリマップ)
図2-1では、主制御部520のメモリマップを示している。先頭番地0000H~01EBH(00C6H~0112H、0130H~0150H、017CH~01EBHは未使用)のアドレス領域には、リード/ライト(読出/書込)可能な内蔵RWMが割り当てられている。次に、1000H~1073Hのアドレス領域には、一部リード/ライト可能な内蔵レジスタ(≒内蔵機能レジスタ)が割り当てられている。次に、8000H~A32FH(8A36H~9000H、9935H~9C10H、A07DH~A2000H、A32FH~最終番地FFFFHは未使用)のアドレス領域には、リード可能でライト不可な内蔵ROMが割り当てられている。
【0261】
ここで、内蔵RWMが割り当てられたアドレス領域のうち、0000H~0130H(00C6H~0112Hは未使用)のアドレス領域には、使用領域のワーク及び使用領域のスタック(総称して使用領域内RWMとする)が配置されている。また、内蔵RWMが割り当てられたアドレス領域のうち、0150H~0200H(017CH~01EBHは未使用)のアドレス領域には、使用領域外のワーク及び使用領域外のスタック(総称して使用領域外RWMとする)が配置されている。使用領域内RWMとは、遊技機の認定及び型式の認定等に関する規則において、所定の上限容量内となるように定められている領域であり(RWMの記憶容量は1024バイト)、使用領域外RWMはそれとは別に設けられている領域となっている。
【0262】
また、内蔵ROMが割り当てられたアドレス領域のうち、8000H~9935H(8A36H~9000Hは未使用)のアドレス領域には、使用領域のプログラム及び使用領域のデータ(総称して使用領域内プログラムとする)が配置されている。さらに、内蔵ROMが割り当てられたアドレス領域のうち、9C10H~A32FH(A07DH~A200Hは未使用)のアドレス領域には、使用領域外のプログラム及び使用領域外のデータ(総称して使用領域外プログラムとする)が配置されている。使用領域内プログラムとは、遊技機の認定及び型式の認定等に関する規則において、所定の上限容量内となるように定められている領域であり(ROMの記憶容量は最大で16KB)、使用領域外プログラムはそれとは別に設けられている領域となっている。
【0263】
使用領域のプログラムでは、使用領域のデータ領域を参照し、使用領域内RWMを参照及び更新することが可能であるが、使用領域外RWMについては参照のみ可能で、更新を行うことはできない。また、使用領域外のプログラムでは、使用領域外のデータ領域を参照し、使用領域外RWMを参照及び更新することが可能であるが、使用領域内RWMについては参照のみ可能で、更新を行うことはできない。そのため、使用領域のプログラムの処理中に、使用領域外RWMの更新を行う場合には、使用領域外のプログラムを呼び出し、使用領域外のプログラム処理において、使用領域外RWMの更新を行う必要がある。これは、使用領域外のプログラムの処理中に、使用領域内RWMの更新を行う場合も同様である。
【0264】
(主制御システム処理)
図2ー2では、電源投入時に主制御部520により実行されるシステム処理のフローチャートを示している。このシステム処理は使用領域内プログラムによって実行される処理となっている。
【0265】
システム処理が開始されると、まず初期設定(S1000)として、タイマ割込み処理の実行の禁止、スタックポインタの設定、RWM領域のプロテクト状態を無効化し、リード/ライト可能な状態とするためのRWMプロテクト無効設定及びRWM領域のアクセス禁止領域にアクセスした場合にイリーガルアクセスリセットの発生を無効化するための禁止領域無効設定、遊技開始前の不用意な発射を防止するために発射制御信号をOFFにする。
【0266】
続いて、サブCPUブート待ち処理(S1001)を実行する。ここでは演出制御部540の初期設定が完了し、コマンド受信可能な状態となるまで、所定時間のウェイト処理を実行する。このウェイト処理の実行中はWDTのクリア処理を実行するとともに、電源異常チェック処理を実行している。この電源異常チェック処理により電源異常が確認された場合には、演出制御部540に対して電源断コマンド1(BA33H)と、電源断コマンド2(BA55H)を送信する。演出制御部540が電源断コマンド2(BA55H)を受信すると、画像表示手段31に黒画面の表示が行われる。さらに、演出制御部540は無限ループ処理によるWDTリセット待ち状態となる。
【0267】
サブCPUブート待ち処理が終了すると、演出制御部540に対して待機画面表示コマンド(BA08H)を送信する(S1002)。演出制御部540が待機画面表示コマンド(BA08H)を受信すると、画像表示手段31に黒画面で白文字の「Please Wait」の表示が行われる。
【0268】
続いて、演出制御部540に対してチップコードの送信(S1003)を行う。このチップコードは個々のワンチップマイクロコンピュータ毎に異なる値が設定されており、固有の識別情報としてチップコードレジスタに格納されている。
【0269】
演出制御部540は、最初の電源投入時に受信したチップコードを記憶しており、電源投入の度に新たに受信するチップコードが既に記憶しているチップコードと一致するか否かを判定している。チップコードが一致する場合には、正常なチップコードを受信したと判断して特別な処理は行わないが、不一致の場合には、異常なチップコードを受信したとして異常報知を行うことが可能となっている。これにより、ゴト行為等で主制御部520が不正に取り替えられた可能性があることを判断することが可能となっている。
【0270】
次に、払出制御部510からの通信信号がONであると判定されるまで、WDTのクリア処理及び電源異常チェック処理を繰り返し実行しながら、払出制御部510の起動待ちを行う(S1004)。
【0271】
S1004までの処理を終えると、次いで、設定値を変更可能な設定変更処理を行うための設定変更条件が成立しているか否かを判定する(S1005)。S1005においては、外枠2に対して内枠3が開放状態(内枠開放スイッチ35bがON状態)で且つ、RWMクリアスイッチ522が押下状態(ON状態)で、設定キースイッチ523が回動操作されている状態(ON状態)であることを満たしている場合には、設定変更条件が成立していると判断して、設定変更処理(S1006)を実行する。
【0272】
(設定変更処理)
設定変更処理(S1006)では、まず演出制御部540に対して設定変更開始コマンド(BA76H)を送信する。演出制御部540が設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると、画像表示手段31に黒画面で白文字の「設定変更中」の表示が行われるとともに、スピーカー19a、19b、19c、19dから「設定変更中」の音声が出力される。
【0273】
次に、バックアップフラグをクリアするとともに、使用領域内RWMの設定値記憶領域から設定値の情報をレジスタに取得し、取得した設定値が異常値(設定1~設定6の6段階に対応する00H~05H以外の値)であるか否かを判定する。異常値の場合には、取得した設定値を正常値(00H)に補正する。ただし、この際、設定値記憶領域の値は変更しない。
【0274】
次に、RWMクリアスイッチ522の入力情報を取得する。なお、RWMクリアスイッチ522は、設定変更中は設定値を変更するための設定値変更操作手段として機能する。設定値変更操作手段が操作されている場合には取得した設定値を更新(+01H)する。この時、更新後の設定値が設定6に対応する05Hを超過した場合(05H→06H)には、設定1に対応する00Hに補正することで、設定値が設定1~設定6の範囲で循環的に切り替わるようになっている。
【0275】
その後、取得した設定値又は更新した設定値に基づいて、設定値情報(設定1~設定6のいずれかの情報)を設定表示手段521に表示する。
【0276】
そして、設定キースイッチ523がON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には、再度RWMクリアスイッチ522の入力情報を取得するところから上述の処理をくり返し行い、OFF状態である場合には、現在の設定値を設定値記憶領域に格納して、設定値を確定させるとともに、演出制御部540に対して設定値コマンド(設定1~設定6の6段階に対応するBA70H~BA75H)を送信して、設定変更処理を終了する。
【0277】
また、設定変更中においても、WDTのクリア処理を実行するとともに、電源異常チェック処理を実行しており、これにより設定変更中の電源異常やプログラム異常に対応できるように構成されている。
【0278】
また、設定変更中は、外部出力情報として、セキュリティ情報をホールコンピュータに送信するように構成されている。
【0279】
ちなみに、設定段階が1段階の場合であっても設定変更処理を実行可能に構成してもよく、その場合、設定値変更操作手段が操作されたとしても設定値が変更されることはない。ただし、内部の制御処理上は、取得した設定値(例:00H)を更新(+01H)するとともに、更新後の設定値が設定1に対応する00Hを超過したと判断することで、再度、設定1に対応する00Hに補正するようにしてもよい。このように構成することで、機種毎に設定段階の有無が生じたとしてもプログラムの改変は数値変更のみの対応で済むので、大部分のプログラムを共通化することができる。
【0280】
一方、S1005において、設定変更条件が成立していないと判断された場合には、S1007の設定値異常の判定に移行する。S1007では、使用領域内RWMの設定値記憶領域から設定値の情報を取得し、取得した設定値が異常値(設定1~設定6の6段階に対応する00H~05H以外の値)であるか否かを判定する。その結果、異常値であると判定された場合には、RWMエラー処理(S1008)を実行する。
【0281】
また、S1007での設定値記憶領域から取得した設定値が異常値ではないと判定した場合には、S1009のバックアップフラグの判定に移行する。S1009では、前回の電断時に正常に電断処理が実行された場合に設定されるバックアップフラグがON状態(AA55H)であるか否かを判定する。その結果、ON状態ではないと判定された場合(≠AA55H)には、RWMエラー処理(S1008)を実行する。
【0282】
(RWMエラー処理)
RWMエラー処理(S1008)では、主制御部520による遊技プログラムの進行を停止させる遊技停止状態に制御する。具体的には、遊技停止状態であることを示す情報(「E」表示)を性能表示LED521に表示するとともに、演出制御部540に対してRWMエラーコマンド(BA7FH)を送信する。演出制御部540がRWMエラーコマンド(BA7FH)を受信すると、画像表示手段31に黒画面で白文字の「設定変更してください」の表示が行われるとともに、スピーカー19a、19b、19c、19dから所定のエラー音が出力される。
【0283】
その後、WDTのクリア処理及び電源異常チェック処理を繰り返す無限ループ処理が実行される。一度、RWMエラー処理(S1008)により遊技停止状態となった場合には、電源スイッチにより再度電源投入動作を行うとともに設定変更処理(S1006)が実行されない限り、遊技停止状態が解消されることがなく、無限ループ処理が継続されるようになっている。
【0284】
また、遊技停止状態中は、外部出力情報として、セキュリティ情報をホールコンピュータに送信するように構成されている。
【0285】
ちなみに、設定段階が1段階の場合であってもRWMエラー処理(S1008)を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、機種毎に設定段階の有無が生じたとしてもプログラムの改変は数値変更のみの対応で済むので、大部分のプログラムを共通化することができる。
【0286】
一方、S1009において、バックアップフラグがON状態(AA55H)であると判定された場合(=AA55H)には、S1010のRWMクリア条件が成立しているか否かの判定に移行する。S1010では、RWMクリアスイッチ522がON状態(押下されている状態)か否かの判定を行う。その結果、ON状態であると判定された場合には、RWMクリア処理(S1011)を実行する。
【0287】
(RWMクリア処理)
RWMクリア処理(S1011)では、使用領域内RWMのうち、設定値記憶領域を除くRWM領域の全てをクリアする使用領域RWMクリア処理が実行される(使用領域外RWMはクリア処理の対象外)。さらに、演出制御部540に対してイニシャライズコマンド(BA01H)と、RWMクリアコマンド(BA02H)とを送信する。演出制御部540がイニシャライズコマンド(BA01H)を受信すると、動作確認の為に可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))を所定の動作パターンで駆動するイニシャライズ動作が実行される。また、演出制御部540がRWMクリアコマンド(BA02H)を受信すると、画像表示手段31、スピーカー19a、19b、19c、19d、LED63a、64a等を使用してRWMクリアが行われたことを報知するRWMクリア報知が所定時間(例:30秒間)実行される。この時、画像表示手段31には、初期状態を示すデフォルト背景画面が表示され、装飾図柄100、101、102はRWMクリア後の態様を示す所定の表示態様(例:「2」「3」「7」)で表示される。
【0288】
次に、使用領域RWMクリア処理に応じてRWMクリア時初期設定が行われる。RWMクリア時初期設定では、RWMクリア報知の報知時間(30秒間)を計測するための不正情報タイマの設定と、特別図柄1変動表示用LED76a、特別図柄2変動表示用LED76bの夫々を特定のハズレ停止発光パターンで表示するための特定ハズレ停止発光パターンの設定と、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の回数が、予め設定した特定回数(900回)に達した場合に救済モード(時短遊技状態)を発動させるための救済発動回数カウンタの設定とを行う。これらの設定が完了した後、RWMクリア処理(S1011)を終了する。
【0289】
また、RWMクリア処理(S1011)は、S1010において、RWMクリアスイッチ522がON状態であると判定された場合だけでなく、設定変更処理(S1006)が終了した後にも実行されるように構成されている。そのため、設定変更処理(S1006)が行われた場合には、併せてRWMクリア処理(S1011)も実行されるようになっている。
【0290】
一方、S1010において、RWMクリアスイッチ522がOFF状態(押下されていない状態)であると判定された場合には、S1012の設定確認条件が成立しているか否かを判定に移行する。S1012では、外枠2に対して内枠3が開放状態(内枠開放スイッチ35bがON状態)で且つ、設定キースイッチ523が回動操作されている状態(ON状態)であることを満たしている場合には、設定確認条件が成立していると判断して、設定確認処理(S1013)を実行する。
【0291】
(設定確認処理)
設定確認処理(S1013)では、まず使用領域内RWMの設定値記憶領域から設定値の情報をレジスタに取得し、取得した設定値に基づいて、設定値情報(設定1~設定6のいずれかの情報)を設定表示手段521に表示する。
【0292】
次に、演出制御部540に対して設定確認開始コマンド(設定1~設定6の6段階に対応するBA60H~BA65H)を送信する。演出制御部540が設定確認開始コマンドを受信すると、画像表示手段31に黒画面で緑文字の「設定変更中」の表示とともに、設定履歴一覧画面を表示する。また、スピーカー19a、19b、19c、19dからは「設定変更中」の音声が出力される。設定履歴一覧画面が表示されると、操作手段14aや十字ボタン18を使用することで、これまでの設定値の履歴情報や、設定時間などを確認できるようになっている。
【0293】
履歴情報は、最大で50回前の設定情報までを表示可能であり、新たな履歴情報が更新されるたびに、最も古い履歴情報(50回目)から順に削除されていく。また、設定時間については、最大で999:59(分)まで表示可能となっている。また、設定履歴一覧画面が表示されている状態で、十字ボタンの上下キーを3秒間長押しすることで、設定履歴をクリアすることが可能となっている。
【0294】
その後、設定キースイッチ523がON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には、再度RWMクリアスイッチ522の入力情報を取得するところから上述の処理をくり返し行い、OFF状態である場合には、演出制御部540に対して設定値コマンド(設定1~設定6の6段階に対応するBA70H~BA75H)を送信して、設定確認処理(S1013)を終了する。
【0295】
また、設定確認中においても、WDTのクリア処理を実行するとともに、電源異常チェック処理を実行しており、これにより設定確認中の電源異常やプログラム異常に対応できるように構成されている。
【0296】
また、設定確認中は、外部出力情報として、セキュリティ情報をホールコンピュータに送信しており、設定確認が終了した後も所定時間(30秒間)の間はセキュリティ信号が出力されるように構成されている。
【0297】
ちなみに、設定段階が1段階の場合であっても設定確認処理(S1013)を実行可能に構成してもよい。このように構成することで、機種毎に設定段階の有無が生じたとしてもプログラムの改変は数値変更のみの対応で済むので、大部分のプログラムを共通化することができる。
【0298】
一方、S1012において、設定確認条件が成立していないと判断された場合には、S1014のバックアップ復帰処理に移行する。
【0299】
(バックアップ復帰処理)
バックアップ復帰処理(S1014)では、電断時にバックアップされたバックアップデータに基づいて各種遊技処理の復帰処置が行われる。
【0300】
また、演出制御部540に対して、イニシャライズコマンド(BA01H)と、バックアップ復帰コマンド(BA03H)と、を送信する。演出制御部540が設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると、画像表示手段31に黒画面で白文字の「停電から復帰しました。遊技を再開して下さい」の表示が行われる。また、これと並行して、イニシャライズコマンドによる可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))のイニシャライズ動作も実行される。演出制御部540へのコマンド送信を終えると、バックアップ復帰処理(S1014)を終了する。
【0301】
また、バックアップ復帰処理(S1014)は、S1012において、設定確認条件が成立していないと判断された場合だけでなく、設定確認処理(S1013)が終了した後にも実行されるように構成されている。そのため、設定確認処理(S1013)が行われた場合には、併せてバックアップ復帰処理(S1014)も実行されるようになっている。
【0302】
上述の処理をまとめると、主制御システム処理では、以下の(1)~(4)のいずれかの処理が行われる。
(1)設定変更処理(S1006)+RWMクリア処理(S1011)
(2)RWMクリア処理(S1011)
(3)設定確認処理(S1013)+バックアップ復帰処理(S1014)
(4)バックアップ復帰処理(S1014)
そして、(1)~(4)のいずれかの処理が行われた後、
図2-3に示す遊技開始クリア処理(S1015)が行われる。この処理では、使用領域RWMのエラー情報を記憶するエラー情報記憶領域をクリアする。具体的には、バックアップフラグ、電源異常判定回数を記憶するための電源異常カウンタ、払出制御部510の異常を判定した回数を記憶する払出異常カウンタ、各種エラー(球詰まり、補給切れ、計数異常、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等)を判定するためのエラーフラグ、各種エラー状態を検出するためのエラー検出タイマ、各種エラー報知時間を管理するためのエラー報知タイマをクリアする。これにより、電源投入時には電断前のエラー情報がクリアされるので、電源投入処理が行われた場合には、エラー状態が解除された状態で復帰することが可能となっている。
【0303】
続いて、遊技開始設定(S1016)が行われる。この処理では、内部機能レジスタの設定と、遊技に関する各種設定が行われる。
【0304】
まず、内部機能レジスタの設定として、割込み優先順位レジスタ、CTCコントロールレジスタ、CTCデータレジスタ、割込み許可レジスタ、WDTコントロールレジスタ、送信プリスケーラレジスタ、8ビット可変長乱数最大値レジスタ、16ビット可変長乱数最大値レジスタ、外部ラッチコントロールレジスタ等の設定を行う。
【0305】
割込み優先順位レジスタは、複数の割込み要求が発生した場合の優先順位を設定するレジスタである。本実施例においては1のCTCによる割込み要求しか使用しないため、優先順位付けは特に必要としないが、使用するCTCによる割込み要求の優先順位が上位となるように設定している。
【0306】
CTCコントロールレジスタは、CTCによるタイマ値の設定方法を設定するレジスタであり、固定値に設定している。CTCデータレジスタは、CTCによる割込み要求信号の出力タイミングを決めるカウント値を設定するレジスタであり、本実施例においては4ms周期で発生するタイマ割込み処理を実現するために4msに相当するカウント値を設定している。
【0307】
割込み許可レジスタは、CTCによる割込み要求信号の許可/禁止を設定するレジスタであり、タイマ割込み処理(S1024~S1045)を発生させるために許可状態に設定する。
【0308】
WDTコントロールレジスタでは、WDTのクリアモードやタイマに関する設定を行う。送信プリスケーラレジスタでは、払出制御部510とのシリアル通信の送信ボーレートの設定を行う。
【0309】
8ビット可変長乱数最大値レジスタでは、特別図柄1変動表示や特別図柄2変動表示における大当り停止発光パターン、小当り停止発光パターン、ハズレ停止発光パターンなどの停止図柄の種類を抽選するための特別図柄抽選処理で用いる特別図柄用乱数の総数(例:205)の設定や、普通図柄変動表示における当り停止発光パターンやハズレ停止発光パターンなどの停止図柄の種類を抽選する普通図柄抽選処理で用いる普通図柄用乱数の総数(例:200)を設定する。8ビット可変長乱数最大値レジスタに、各乱数の最大値(総数)を設定することで、各乱数回路が起動するように構成されている。
【0310】
16ビット可変長乱数最大値レジスタでは、特別図柄1変動表示や特別図柄2変動表示の変動態様(変動時間や変動演出)を抽選するための特別図柄変動パターン抽選処理で用いる特別図柄用変動パターン乱数の総数(例:10000)の設定や、普通図柄変動表示の変動態様(変動時間や変動演出)を抽選するための普通図柄変動パターン抽選処理で用いる普通図柄用変動パターン乱数の総数(例:30000)の設定を行う。16ビット可変長乱数最大値レジスタに各乱数の最大値(総数)を設定することで、各乱数回路が起動するように構成されている。
【0311】
外部ラッチコントロールレジスタでは、各乱数回路(8ビット固定長乱数回路、16ビット固定長乱数回路、8ビット可変長乱数回路、16ビット可変長乱数回路)に乱数値を取得(ラッチ)するための取得信号が入力された場合に、各乱数値の取得を許可する為の設定を行う。
【0312】
また、特別図柄用変動パターン乱数を複数種類設け、複数種類の特別図柄用変動パターン乱数を用いて変動態様を決定するように構成してもよく、その場合には、8ビット可変長乱数最大値レジスタに、第2特別図柄用変動パターン乱数の総数(例:240)や、第3特別図柄用変動パターン乱数の総数(例:252)を設定するように構成してもよい。
【0313】
ちなみに、特別図柄1変動表示や特別図柄2変動表示の当否抽選に用いられる大当り判定用乱数や普通図柄変動表示の当否抽選に用いられる当り判定用乱数については、それぞれ16ビット固定長乱数回路を使用しており、この16ビット固定長乱数回路ついては、主制御部520のシステムリセットまたはWDTのリセット後に自動で起動するように構成されている。そのため、乱数回路を起動させる為に乱数の最大値を設定する必要がない。
【0314】
また、大当り判定用乱数、当り判定用乱数、特別図柄用乱数、普通図柄用乱数、特別図柄用変動パターン乱数、普通図柄用変動パターン乱数については、各乱数回路を使用することなく、プログラムにより乱数生成を行うように構成してもよい(ソフト乱数)。この場合には、例えば、循環的に実行されるメインループ処理(S1017~S1023)やタイマ割込み処理(S1024~S1045)において、各乱数値の更新や各乱数値の初期値を設定するための乱数更新処理を行うように構成することが望ましい。
【0315】
次に、遊技に関する各種設定として、LEDコモンポートのクリア処理、発射制御信号のON設定、性能表示LED521の動作確認表示タイマの設定を行う。
【0316】
本実施例においては、性能表示LED521、図柄表示装置76をそれぞれダイナミック点灯方式により点灯制御しており、LEDコモンポートのクリア処理では、それぞれに出力されるコモンポートのコモンデータを一旦クリアしている。
【0317】
次に、主制御システム処理の開始時にOFFに設定した発射制御信号をONに設定することで、遊技球の発射動作を許容する。
【0318】
最後に、性能表示LED521を全点滅させる動作確認表示を所定時間(約5秒間)行うための動作確認表示タイマの設定を行う。これにより、性能表示LED521は、電源投入が行われる度に必ず所定時間の動作確認表示を行い、所定時間の動作確認表示が終了した後に、ベース値の表示を開始する。
【0319】
これらの設定が完了すると、次にメインループ処理(S1017~S1023)へと移行する。
【0320】
(メインループ処理)
メインループ処理(S1017~S1023)では、まず、割込み処理プログラムの発生を禁止するための割込み禁止処理(S1017)を行う。次に、全レジスタをスタック領域に退避させるとともに、使用領域RWM領域を指定するための基準アドレスとなるテーブルポインタレジスタをスタック領域に退避させる(S1018~S1019)。その後、使用領域外プログラムに配置されたメインループ内領域外処理(S1020)を呼び出して実行する。メインループ内領域外処理(S1020)の実行後には、テーブルポインタレジスタを復帰させるとともに、全レジスタを復帰させ(S1021~S1022)、割込み処理プログラムの発生を許可するための割込み許可処理(S1023)を行う。
【0321】
この一連のメインループ処理(S1017~S1023)を繰り替えし行っている間に、所定周期(4ms周期)で発生する割込みタイミングが到来した場合にはタイマ割込み処理(S1024~S1045)が実行されるように構成されている。ちなみに、メインループ処理(S1017~S1023)の実行中は、割込み禁止処理(S1017)が行われているので、タイマ割込み処理(S1024~S1045)が実行されることはない。タイマ割込み処理(S1024~S1045)は、S1023にて割込み許可処理が行われてから次に割込み禁止処理(S1017)が行われるまでの間に実行されることとなる。
【0322】
(メインループ内領域外処理)
ここで、
図2-5を参照して、メインループ内領域外処理(S1020)について説明する。
図2-5にはメインループ内領域外処理(S1020)のフローチャートを示している。メインループ内領域外処理(S1020)は、メインループ処理(S1017~S1023)の実行中に呼び出されて実行される。
【0323】
メインループ内領域外処理(S1020)が呼び出されると、まず使用領域のスタックポインタを退避させるとともに、使用領域外のスタックポインタの設定を行う(S1046)。
【0324】
次に、RWMの初期化判定処理(S1047)を実行する。ここでは、使用領域外RWMの内容に異常がないかを判定し、異常が生じていると判断した場合には、使用領域外RWMをクリアして、初期データを設定する。ここで、異常が生じているか否かの判断には、性能表示LED521の表示内容(リアルタイムベース値、第1累積ベース値、第2累積ベース値、第3累積ベース値)を指定するための表示内容ポインタの値が異常値ではないか、性能表示LED521の集計除算処理(S1048)において、除算タスクの段階を管理する除算タスクポインタの値が異常値ではないか、などの異常を監視する他、遊技機1の最初の電源投入時であるか否かを判断する初期フラグがON(最初の電源投入時)か否かも監視している。これは、最初の電源投入時には、未だ必要なデータが設定されておらず、初期データを設定する必要があるためである。
【0325】
次に、性能表示LED521に表示するベース値を算出するための性能表示LED集計除算処理(S1048)を実行する。性能表示LED集計除算処理(S1048)では、各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)に入賞があった場合に入賞に伴う賞球数をカウントし、アウトスイッチカウント47aに入球があった場合にアウト数をカウントし、カウントした賞球数及びアウト数に基づいてベース値を算出する。算出されたベース値は使用領域外RWMの比率バッファに記憶され、この比率バッファに記憶されたベース値が性能表示LED521に表示されることとなる。
【0326】
最後に、使用領域外のスタックポインタを復帰させて(S1049)、メインループ内領域外処理(S1020)を終了する。
【0327】
(タイマ割込み処理)
メインループ処理(S1017~S1023)の実行中に、割込みタイミングが到来すると、
図2-4に示すタイマ割込み処理(S1024~S1045)を実行する。タイマ割込み処理(S1024~S1045)では、以下の(1)~(18)の順に遊技に関する各処理(遊技処理)を実行する。
(1)電源異常をチェックして、有事の際には電断時処理を行う電源異常チェック処理(S1024)
(2)遊技処理に用いる各種タイマの更新を行うタイマ管理処理(S1025)
(3)スイッチ類(特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a、アウトスイッチ47a等)の入力情報に基づき入力データの作成や管理を行う入力管理処理(S1026)
(4)乱数回路の異常を確認する乱数回路処理(S1027)
(5)入賞カウンタの情報を参照し、入賞があった場合には、払出制御部510に賞球数を指定する払出制御コマンド(賞球コマンド)の送信を行う賞球管理処理(S1028)
(6)右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)への入球監視、普通図柄保留記憶情報の更新、当り抽選処理、普通図柄抽選処理、普通図柄変動パターン抽選処理、普通図柄変動表示の開始処理及び停止処理を行う普通図柄管理処理(S1029)
(7)特別図柄2始動口39の可動片39bの開閉動作など、電チューサポートの実行に必要な処理を行う普通電動役物管理処理(S1030)
(8)特別図柄1始動口スイッチ38a及び特別図柄2始動口スイッチ39aへの入球監視、特別図柄保留記憶情報の更新、先読み予告の実行判定、大当り抽選処理、特別図柄抽選処理、特別図柄変動パターン抽選処理、特別図柄変動表示の開始処理及び停止処理、遊技状態の移行に関する設定処理を行う特別図柄管理処理(S1031)
(9)当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)に関する実行処理や大当り遊技後の遊技状態の設定処理を行う特別電動役物管理処理(S1032)
(10)各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づき、遊技動作にエラー(異常)が生じたかを監視する監視処理を行い、演出制御部540にエラーの種別を特定可能なエラーコマンドの送信を行うエラー管理処理(S1033)
(11)右打ちが有利な状態において右打ち表示用LED76gを点灯させ、左打ちが有利な状態において、右打ち表示用LED76gを消灯させる処理を行う遊技情報報知管理処理(S1034)
(12)外部端子板60から外部出力情報に関する外端信号をホールコンピュータへと送信する処理を行う外部端子管理処理(S1035)
(13)駆動源(大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)に対して駆動信号(励磁信号)の出力処理を行うソレノイド管理処理(S1036)
(14)ダイナミック点灯制御の点灯周期を管理するポート出力カウンタの更新処理や、図柄表示装置76及び性能表示LED521へと制御信号(コモンデータ、点灯データ)の出力処理を行うLED管理処理(S1037)
(15)使用領域プログラムと使用領域外プログラムとの移行に関する処理を行う領域移行処理と、性能表示LED521にベース値を表示するための表示処理、試射試験信号の作成及び出力に関する処理などを行うタイマ割込み内領域外処理(S1038~S1042)
(16)アウトスイッチ47aが遊技球を検出した場合に、演出制御部540に検出情報を示すアウトコマンドの送信を行うアウトコマンド送信処理(S1043)
(17)シリアル通信バッファに格納したシリアルデータを出力するSPI通信開始処理(S1044)
(18)WDTのクリア処理を行うWDTクリア処理(S1045)
【0328】
上記の(1)~(18)の各処理に関して、以下に詳述する。
【0329】
((1)電源異常チェック処理)
電源異常チェック処理(S1024)では、まず、電源異常信号が入力される入力ポートの情報を取得し、電源異常信号がONの場合には電源異常カウンタを加算(+01H)し、OFFの場合には電源異常カウンタの値をクリア(00Hにクリア)する。この時、電源異常信号がOFFの場合にはここで処理を終える。電源異常信号がONの場合には処理を継続し、加算した電源異常カウンタの値が所定値(例:02H)に達しているかの判定を行う。所定値に達していると判定された場合には(2回連続で電源異常信号がONであると判定した場合には)、電源異常であると判断し、バックアップ処理を実行する。その後、電源遮断に備えて、遊技処理の進行を停止する無限ループ処理を実行する。
【0330】
電源遮断前に行うバックアップ処理では、演出制御部540に対して電源断コマンド1(BA33H)及び電源断コマンド2(BA55H)を送信する。演出制御部540が電源断コマンド2(BA55H)を受信すると、画像表示手段31に黒画面の表示が行われる。ちなみに、電源断コマンド1(BA33H)及び電源断コマンド2(BA55H)は、設定変更処理S1006、RWMエラー処理S1008、設定確認処理S1013中に行われる電源異常チェック処理にて、電源異常が確認された場合も同様に、演出制御部540に送信される。
【0331】
続いて、バックアップフラグをON状態(AA55H)に設定する。バックアップフラグがON状態(AA55H)に設定されることで、正常にバックアップ処理が行われた上で電源遮断が行われたことを、次回電源投入時に判断することが可能となっている。さらに、RWM領域のプロテクト状態を有効化し、リード可能/ライト不能な状態とするためのRWMプロテクトの有効設定を行い、これ以降のRWM領域のデータの書き換えを禁止する。
【0332】
その後、主制御部520が駆動制御する各種ソレノイド(大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)の駆動信号及び、発射制御信号及び、演出制御部540にコマンドを送信する際に送信するストローブ信号を出力するためのソレノイドポートをクリアする。さらに、外端信号を全てOFFにするための外部出力情報(OFF信号)と、図柄表示装置76及び性能表示LED521へと出力するコモンデータを全てOFFにするためのOFFデータと、図柄表示装置76及び性能表示LED521へと出力するデータとして全て消灯させるための消灯データをシリアル通信出力バッファに格納して、出力処理を開始する。これにより、電源遮断前に各種機能を停止させる。
【0333】
最後に、タイマ割込み処理の発生を禁止するために、割込み許可レジスタを禁止状態に設定するとともに、割込み処理プログラム(S1024~S1045)の発生を禁止するための割込み禁止処理を行い、無限ループ処理へと移行させる。
【0334】
((2)タイマ管理処理)
タイマ管理処理(S1025)では、遊技処理において用いられる各種タイマの値を更新する。対象となるタイマの種類としては、普図普電タイマ、特図特電タイマ、不正情報タイマ、磁気エラー報知タイマ、電波エラー報知タイマ、入賞口エラー報知タイマ、普電入賞有効タイマ、大入賞口入賞有効タイマ、動作確認表示タイマなどがある。
【0335】
ここで、普図普電タイマは、普通図柄変動表示の変動時間や停止発光パターンの発光時間(普通図柄確定時間、普図確定時間)、電チューサポートの開放時間や開放前後のインターバル時間などが必要時に都度設定され、これを管理するためのタイマである。
【0336】
特図特電タイマは、特別図柄変動表示の変動時間や停止発光パターンの発光時間(特別図柄確定時間、特図確定時間)、大入賞口44、45の開放時間や大当り開始前インターバル時間、ラウンド間インターバル時間、大当り終了インターバル時間などが必要時に都度設定され、これを管理するためのタイマである。
【0337】
不正情報タイマは、RWMクリア報知時間、特別図柄2始動口への不正入賞(電チューサポート非作動時における入賞)による不正報知時間、大入賞口44、45への不正入賞(大入賞口44、45非開放時における入賞)による不正報知時間などが必要時に都度設定され、これを管理するためのタイマである。
【0338】
磁気エラー報知タイマは、磁気センサ73の磁気検知による磁気エラー報知時間が設定され、これを管理するためのタイマである。電波エラー報知タイマは、電波センサ74の電波検知による電波エラー報知時間が設定され、これを管理するためのタイマである。振動エラー報知タイマは、振動センサ75の振動検知による振動エラー報知時間が設定され、これを管理するためのタイマである。入賞口報知タイマは、複数の入賞口(左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42)への不正入賞(各入賞口スイッチ40a、42a、43aが所定時間連続検知)による不正検知時間が設定され、これを管理するためのタイマである。
【0339】
普電入賞有効タイマは、電チューサポートの開放時間の終了後に所定の入賞有効時間が設定され、これを管理するためのタイマである。特電入賞有効タイマは、大入賞口44、45の開放時間の終了後に所定の入賞有効時間が設定され、これを管理するためのタイマである。動作確認表示タイマは、性能表示LED521を全点滅させる動作確認表示の実行時間が設定され、これを管理するためのタイマである。
【0340】
また、タイマ管理処理において、更新対象となるタイマは基本的には2バイトで構成される2バイトタイマが使用されるが、これに限らず4バイトで構成される4バイトタイマを使用するように構成してもよい。この場合、タイマ管理処理(S1025)において、2バイトタイマのタイマ更新処理と4バイトタイマのタイマ更新処理とを夫々実行する。
【0341】
((3)入力管理処理)
入力管理処理(S1026)では、スイッチ類(特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a、アウトスイッチ47a等)の入力情報に基づいて、スイッチ入力データ(スイッチのエッジデータとレベルデータ)を作成する。
【0342】
さらに、作成したスイッチ入力データに基づいて、特別図柄2始動口39及び大入賞口44、45への不正入賞がないかをチェックし、不正入賞であると判定した場合には、不正入賞と判定した特別図柄2始動口39又は大入賞口44、45に関するスイッチ入力データをクリアするとともに、不正情報タイマに不正報知時間を設定する。
【0343】
続いて、スイッチ入力データに基づいて、入賞カウンタの情報を更新する。ここで更新された入賞カウンタの情報に基づいて、後述する賞球管理処理(S1028)において、払出制御部510に対して賞球コマンドが送信されることとなる。
【0344】
また、入賞カウンタは賞球数に応じて複数設けられている。最後に、スイッチ入力データに基づいて、演出制御部540に対してスイッチ通過コマンドを送信して、この処理を終える。
【0345】
((4)乱数回路処理)
乱数回路処理(S1027)では、乱数回路の異常を示す乱数エラーステータスレジスタ(内蔵レジスタ)を参照して、乱数回路に異常がないかの確認処理を行う。ここで、乱数エラーステータスレジスタは、8ビット固定長乱数回路、16ビット固定長乱数回路、8ビット可変長乱数回路、16ビット可変長乱数回路の夫々のステータスを個別に示すものであり、どの乱数回路に異常が生じているかを判断可能に構成されている。
【0346】
乱数エラーステータスレジスタを参照した結果、各乱数回路のうち少なくとも1つに異常が生じていると判断した場合には、乱数回路異常確認フラグをON状態(05AH)に設定し、演出制御部540に対して主基板エラーコマンド(E00BH)を送信する。演出制御部540が主基板エラーコマンド(E00BH)を受信すると、画像表示手段31に「主基板エラー」の表示が行われる。また、異常が生じていないと判断した場合には、フラグの設定やコマンド送信は行わずに処理を終える。
【0347】
ここで、乱数回路異常確認フラグがON状態(05AH)に設定された場合には、後述する普通図柄管理処理(S1029)において、右ゲートスイッチ46aへの入球を検出した場合に取得される当り判定用乱数、普通図柄用乱数、普通図柄用変動パターン乱数を夫々クリア(00Hに設定)するように構成されている。当り判定用乱数や普通図柄用乱数がクリア(00Hに設定)されることで、当否抽選や普通図柄抽選の結果は常にハズレが選択されることとなり、普通図柄変動表示の結果は常にハズレ停止パターンとなる。また、普通図柄用変動パターン乱数もクリア(00Hに設定)されることで、変動時間が短く、変動演出が少ない普通図柄変動パターンが選択される様になっている。
【0348】
また、同様に、特別図柄管理処理(S1031)において、特別図柄1始動口スイッチ38a及び特別図柄2始動口スイッチ39aへの入球を検出した場合に取得される大当り判定用乱数、特別図柄用乱数、特別図柄用変動パターン乱数も夫々クリア(00Hに設定)するように構成されている。大当り判定用乱数や特別図柄用乱数がクリア(00Hに設定)されることで、当否抽選や特別図柄抽選の結果は常にハズレが選択されることとなり、特別図柄変動表示の結果は常にハズレ停止パターンとなる。また、特別図柄用変動パターン乱数もクリア(00Hに設定)されることで、変動時間が短く、変動演出が少ない特別図柄変動パターンが選択される様になっている。
【0349】
このように、乱数回路に異常が生じていると判断した場合には、異常による誤動作やゴト(当たり値のみを抽出するなど)を回避するために、取得した各乱数値(当り判定用乱数、普通図柄用乱数、普通図柄用変動パターン乱数、大当り判定用乱数、特別図柄用乱数、特別図柄用変動パターン乱数)を強制的に書き換えるように構成されている。また、一度乱数回路異常確認フラグがON状態(05AH)に設定された場合には、RWMクリア処理(S1011)により乱数回路異常確認フラグをクリアしない限り、正常に普通図柄管理処理(S1029)や特別図柄管理処理(S1031)が実行されることはない。
【0350】
((5)賞球管理処理)
賞球管理処理(S1028)では、入賞カウンタを参照し、入賞カウンタに入賞情報があると判定した場合には、払出制御部510に対して入賞情報に基づいた賞球コマンドの送信を行う。
【0351】
賞球コマンドの送信を行う場合には、入賞カウンタの入賞情報をクリア(入賞カウンタを01H減算)しており、これにより1の入賞情報に対して1回の賞球コマンドの送信を行うように構成されている。
【0352】
また、入賞カウンタは入賞数に応じて複数個設けられているので、いずれかの入賞カウンタに入賞情報がある場合には、払出制御部510に対して賞球コマンドの送信を行うこととなる。
【0353】
ちなみに、複数の入賞カウンタに入賞情報がある場合であっても、1回の賞球管理処理(S1028)で賞球コマンドは1回だけ送信するように構成されており、処理されなかった入賞カウンタの入賞情報は、次回以降のタイマ割込み処理(S1024~S1045)の賞球管理処理(S1028)において処理されるように構成されている。このように構成することで、賞球管理処理(S1028)に要する処理時間が入賞情報の数に影響されないので、処理時間を一定に保つことが可能となっている。
【0354】
また、賞球管理処理(S1028)では、払出制御部510からの通信信号がON状態(正常状態)であるか否かを判定しており、OFF状態(異常状態)であると判定した場合には、払出通信異常確認カウンタを加算(+01H)し、加算した払出通信異常確認カウンタの値が所定値(例:02H)に達しているかの判定を行う。
【0355】
所定値に達していると判定された場合には(2回連続で通信信号がOFF状態であると判定した場合には)、払出通信異常であると判断し、シリアル回路エラーフラグをON状態(5AH)に設定するとともに、演出制御部540に対して払出基板エラーコマンド(E009H)を送信する。演出制御部540が払出基板エラーコマンド(E009H)を受信すると、画像表示手段31に「払出基板エラー」の表示が行われる。
【0356】
このように、シリアル回路エラーフラグがON状態(5AH)に設定された場合には、今回の賞球管理処理(S1028)や次回以降の賞球管理処理(S1028)において、入賞カウンタに入賞情報があるか否かにかかわらず、払出制御部510に対して賞球コマンドの送信を行わないように構成されている。そのため、一度シリアル回路エラーフラグがON状態(5AH)に設定された場合には、RWMクリア処理によりシリアル回路エラーフラグをクリアしない限り、払出制御部510に対して賞球コマンドの送信が行われることはない。
【0357】
一方、払出制御部510からの通信信号がON状態(正常状態)であると判定した場合には、払出通信異常確認カウンタをクリア(00Hにクリア)し、入賞情報の有無に応じて賞球コマンドの送信を行う。
【0358】
((6)普通図柄管理処理)
普通図柄管理処理(S1029)では、普通変動表示の実行中か否かにかかわらず、右ゲートスイッチ46aが遊技球を検出したか否かを監視しており、遊技球を検出したと判断した場合には、普通図柄保留記憶を加算(+1)するとともに、普通図柄変動表示を実行するのに必要な複数種類の乱数情報(当り判定用乱数、普通図柄用乱数、普通図柄用変動パターン乱数)の取得処理を実行する。
【0359】
これらの乱数情報を記憶するための領域として、乱数記憶エリア(当り判定用乱数記憶エリア、普通図柄用乱数記憶エリア、普通図柄用変動パターン乱数記憶エリア)が、普通図柄保留記憶の上限記憶個数(例:4個)分だけ夫々設けられており、取得した乱数情報は、現在の普通図柄保留記憶の数(加算後の普通図柄保留記憶の数)に対応する記憶エリアに格納される。
【0360】
そして、普通図柄変動表示の開始条件が成立した場合には、普通図柄保留記憶数を減算するとともに、先頭の記憶エリアに格納された情報(保留記憶数1に対応する記憶エリアの情報)が、今回の普通図柄変動表示で使用する情報を格納する領域として設けられたバッファ領域(当り判定用乱数バッファ、普通図柄用乱数バッファ、普通図柄用変動パターン乱数バッファ)に格納され、後続の記憶エリアに格納された情報(保留記憶数2~4に対応する記憶エリアの情報)が待ち行列の先頭に向けて順にシフトされる(保留記憶数4に対応する記憶エリアの情報→保留記憶数3に対応する記憶エリアの情報→保留記憶数2に対応する記憶エリアの情報→保留記憶数1に対応する記憶エリアの情報)。
【0361】
このように、記憶エリアに記憶された乱数情報は先入れ先出し式に処理されるように構成されている。そして、バッファ領域に格納された乱数情報を用いて、今回の普通図柄変動表示に関する当り抽選処理、普通図柄抽選処理、普通図柄変動パターン抽選処理を夫々実行する。
【0362】
当り抽選処理では、当り下限判定値と当り上限判定値とが設定された当り判定テーブルを用いて当否抽選処理を行っており、当り判定用乱数バッファに格納された乱数情報の値が、当り下限判定値よりも大きく且つ当り上限判定値よりも小さい乱数値(当り下限判定値<乱数情報<当り上限判定値)であると判定した場合に、乱数値が当り判定範囲に属すると判断し、当り判定フラグをON状態(当り判定)に設定する。
【0363】
一方、乱数値が当り判定範囲に属さないと判断した場合には、当り判定フラグをOFF状態(ハズレ判定)に設定する。ここで当り判定フラグをON状態(当り判定)に設定されることで、後述する普通電動役物管理処理において、電チューサポートの実行に必要な処理が実行されることとなる。
【0364】
普通図柄抽選処理では、当り抽選処理の結果に応じて(当り判定フラグの内容に応じて)、普図ハズレ図柄テーブルか普図当り図柄テーブルのいずれかを用いて図柄抽選処理を行う。普図ハズレ図柄テーブルと普図当り図柄テーブルには、乱数判定値と、この乱数判定値に対応して停止図柄の種類を決定するための停止図柄種別情報と普通図柄変動パターン抽選処理において普通図柄変動パターンを決定するために使用する変動パターンオフセット情報とが設定されており、普通図柄用乱数バッファに格納された乱数情報の値と対応する乱数判定値を検索し、検索の結果、対応する乱数判定値に応じた停止図柄種別情報と変動パターンオフセット情報が取得される。
【0365】
ここで取得した停止図柄種別情報に基づいて普通図柄変動表示後の停止図柄が決定され、普通図柄変動表示が終了した場合には、決定された停止図柄の内容が表示される。また、取得した変動パターンオフセット情報に基づいて、後述する普通図柄変動パターン抽選処理において普通図柄変動パターンが選択される。
【0366】
普通図柄変動パターン抽選処理では、普通図柄抽選処理において取得した変動パターンオフセット情報と、現在の遊技状態や遊技モードの情報と、必要に応じて(例えば、ハズレの場合のみ)保留記憶個数と、を参照して、複数種類の変動パターンテーブルの中から決定した変動パターンテーブルを用いて変動パターン抽選処理を行う。
【0367】
変動パターンテーブルには乱数判定値が設定されており、普通図柄用変動パターン乱数バッファに格納された乱数情報と対応する乱数判定値を検索し、検索の結果、対応する乱数判定値に応じた普通図柄変動パターン情報が取得される。ここで取得した普通図柄変動パターン情報に基づいて、普通図柄変動表示の変動実行時間が決定され、普図普電タイマに変動実行時間が設定される。
【0368】
また、取得した普通図柄変動パターン情報に基づいて、演出制御部540に対して普通図柄変動パターンコマンドを送信するようにしてもよく、演出制御部540が普通図柄変動パターンコマンドを受信すると、画像表示手段31に、図柄表示装置76を用いた普通図柄変動表示と並行して、複数の装飾図柄100、101、102による変動表示を実行する装飾図柄普通変動遊技が実行されるように構成してもよい。
【0369】
このように、当り抽選処理、普通図柄抽選処理、普通図柄変動パターン抽選処理が実行されることで、今回の普通図柄変動表示が開始されるが、普通図柄変動表示の実行中は、新たな普通図柄変動表示の開始条件が成立しないように構成されており、今回の普通図柄変動表示が終了するまでは(変動実行時間及び図柄確定時間が終了するまでは)、新たな普通図柄変動表示に関する当り抽選処理、普通図柄抽選処理、普通図柄変動パターン抽選処理が実行されることはない。
【0370】
普通図柄管理処理(S1029)では、普通図柄変動表示の実行中は、普図普電タイマに設定された変動実行時間を監視しており、変動実行時間が終了した場合には、新たに普図普電タイマに図柄確定時間を設定するとともに、決定した停止図柄の内容を表示するための処理を実行する。そして、図柄確定時間が終了した場合に、当り判定フラグがON状態(当り判定)に設定されていると判断した場合には、電チューサポート実行フラグを設定する。
【0371】
この電チューサポート実行フラグが設定されることで、後述する普通電動役物管理処理(S1030)において、電チューサポートの実行処理が行われる。以上を以て、一連の普通図柄変動表示に関する処理を終了する。
【0372】
また、右ゲートスイッチ46aが遊技球を検出した場合に、加算した普通図柄保留記憶に関する情報を、普通図柄保留加算コマンドとして演出制御部540に対して送信するようにしてもよい。また、普通図柄変動表示の開始条件が成立した場合に、減算した普通図柄保留記憶に関する情報を、普通図柄減算コマンドとして演出制御部540に対して送信するようにしてもよい。これにより演出制御部540が、現在の普通図柄保留記憶の数を把握することができるとともに、画像表示手段31に、現在の普通図柄記憶表示の数を示す普通図柄保留表示を表示することができる。
【0373】
また、普通図柄変動表示の開始条件が成立した場合のみならず、右ゲートスイッチ46aが遊技球を検出した場合に、当り抽選処理、普通図柄抽選処理、普通図柄変動パターン抽選処理を実行するように構成してもよい。さらに、演出制御部540に対して普通図柄保留加算コマンドを送信する場合には、普通図柄変動パターン抽選処理により取得した普通図柄変動パターン情報を付加して送信するように構成してもよい。これにより、演出制御部540は、今回の普通図柄保留記憶に基づく普通図柄変動表示の変動内容を把握することが可能となり、変動内容に応じた先読み演出(特定の変動内容でのみ実行可能な専用の先読み演出など)を実行することが可能となる。
【0374】
また、普通図柄保留加算コマンドに、先読み予告禁止情報を付加して送信するように構成してもよい。これにより、演出制御部540による先読み予告の実行を制限することが可能となる。
【0375】
((7)普通電動役物管理処理)
普通電動役物管理処理(S1030)は、前述した普通図柄管理処理(S1029)において、普通変動表示の結果が当りと判定され、その結果、電チューサポート実行フラグが設定されている場合に、電チューサポートの実行に必要な処理を実行するように構成されている。そのため、電チューサポート実行フラグが設定されていない場合には、普通電動役物管理処理(S1030)において電チューサポートの実行に必要な処理は行われない。
【0376】
普通電動役物管理処理(S1030)では、普通電動役物作動開始前設定処理(電チューサポート作動開始前設定処理)と、普通電動役物作動開始時設定処理(電チューサポート作動開始時設定処理)と、普通電動役物作動設定処理(電チューサポート作動設定処理)と、普通電動役物作動終了設定処理(電チューサポート作動終了設定処理)の処理が実行される。ちなみに、普通電動役物管理処理(S1030)により、これらの処理が実行されている間は、新たな普通図柄変動表示の開始条件が成立しないように構成されている。
【0377】
まず、普通電動役物作動開始前設定処理では、電チューサポートを実行する前の電チューサポート開始前インターバル時間を普図普電タイマに設定する。ここで設定される電チューサポート開始前インターバル時間により、普通図柄変動表示が終了してから電チューサポートが開始されるまでの時間が決定する。
【0378】
電チューサポート開始前インターバル時間が経過すると、普通電動役物作動開始時設定処理が実行され、ここでは、特別図柄2始動口39への入賞数をカウントするための普通電動役物入賞数カウンタがクリア(0に設定)されるとともに、特別図柄2始動口39の可動片39bを開閉させるための開閉パターンが選択される。そして、選択した開閉パターンに基づいて、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の駆動制御データの設定を行う。さらに、特別図柄2始動口39の可動片39bを開放させる連続開放時間を普図普電タイマに設定し、普通電動役物作動設定処理へと移行させる。
【0379】
普通電動役物作動設定処理では、普通電動役物入賞数カウンタの値が最大入賞数に達しているかを監視し、最大入賞数に達していると判断した場合には、その時点で特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の駆動制御を終了するように設定するとともに、電チューサポート終了後の電チューサポート終了インターバル時間を普図普電タイマに設定する。また、最大入賞数に達せずとも、普図普電タイマに設定した連続開放時間が経過した場合も、同様の設定を行い、普通電動役物作動終了設定処理へと移行させる。
【0380】
電チューサポート終了インターバル時間が経過すると、普通電動役物作動終了設定処理が実行される。ここでは、今回の電チューサポートで使用した開閉パターンの情報や電チューサポート実行フラグ、各種カウンタをクリアするとともに、次回の普通図柄変動表示の開始条件が成立可能となるよう設定処理を行う。すなわち、ここで設定される電チューサポート終了インターバル時間により、電チューサポートが終了してから次回の普通図柄変動表示が開始可能となるまでの時間が決定する。
【0381】
以上の処理を以て、普通電動役物管理処理(S1030)による電チューサポートの実行に関する一連の処理が終了する。
【0382】
((8)特別図柄管理処理)
特別図柄管理処理(S1031)では、特別図柄1変動表示または特別図柄2変動表示の実行中か否かにかかわらず、特別図柄1始動口スイッチ38aまたは特別図柄2始動口スイッチ39aが遊技球を検出したか否かを監視する。なお、以降の処理は、特別図柄1に関する内容か、特別図柄2に関する内容かに関する違いだけであり、実質的に同じ内容なので、重複記載を避けるために、特別図柄1に関する内容を中心に記載する。
【0383】
特別図柄1始動口スイッチ38aが遊技球を検出したと判断した場合には、特別図柄1保留記憶を加算(+1)するとともに、特別図柄1変動表示を実行するのに必要な複数種類の乱数情報(大当り判定用乱数、特別図柄用乱数、特別図柄用変動パターン乱数)の取得処理を実行する。これらの乱数情報を記憶するための領域として、乱数記憶エリア(大当り判定用乱数記憶エリア、特別図柄用乱数記憶エリア、特別図柄用変動パターン乱数記憶エリア)が、特別図柄保留記憶の上限記憶個数(例:4個)分だけ夫々設けられており、取得した乱数情報は、現在の特別図柄保留記憶の数(加算後の特別図柄保留記憶の数)に対応する記憶エリアに格納される。
【0384】
また、この時、特別図柄1保留記憶数が記憶上限個数(4個)に達していた場合には、上限個数を超えるオーバー入賞であると判断し、演出制御部540に対してオーバー入賞コマンドを送信する。
【0385】
次に先読み予告の実行を禁止するか否かの判定処理を行う。この判定処理により、特別図柄1先読み禁止条件が成立していると判定した場合には、先読み予告禁止情報を取得する。先読み予告禁止情報が取得された場合には、加算した特別図柄1保留記憶に関する情報である特別図柄保留加算コマンドに、先読み予告禁止情報を付加して、演出制御部540に対して送信する。これにより先読み予告の実行が制限される。
【0386】
ちなみに、特別図柄1先読み禁止条件は、現在の遊技状態が、特別図柄2保留記憶が発生し易い低確率高ベース状態(時短遊技状態)か大当り遊技状態である場合に成立する。
【0387】
また、特別図柄2先読み禁止条件は、現在の遊技状態が、特別図柄1保留記憶が発生し易い低確率低ベース状態(または高確率低ベース状態)か大当り遊技状態である場合に成立する。
【0388】
また、特別図柄1先読み禁止条件が成立していないと判定された場合には、特別図柄保留加算コマンドに特別図柄変動パターン情報が付加されて、演出制御部540に対して送信される。この特別図柄変動パターン情報は、乱数記憶エリアの情報に基づいて作成される。これにより、特別図柄変動パターンに応じた先読み予告の実行が可能となっている。
【0389】
特別図柄変動表示の開始条件が成立した場合には、特別図柄保留記憶数を減算するとともに、減算した特別図柄1保留記憶に関する情報である特別図柄保留減算コマンドを演出制御部540に対して送信する。さらに、先頭の記憶エリアに格納された情報(保留記憶数1に対応する記憶エリアの情報)が、今回の特別図柄変動表示で使用する情報を格納する領域として設けられたバッファ領域(大当り判定用乱数バッファ、特別図柄用乱数バッファ、特別図柄用変動パターン乱数バッファ)に格納され、後続の記憶エリアに格納された情報(保留記憶数2~4に対応する記憶エリアの情報)が待ち行列の先頭に向けて順にシフトされる(保留記憶数4に対応する記憶エリアの情報→保留記憶数3に対応する記憶エリアの情報→保留記憶数2に対応する記憶エリアの情報→保留記憶数1に対応する記憶エリアの情報)。
【0390】
このように、記憶エリアに記憶された乱数情報は先入れ先出し式に処理されるように構成されている。そして、バッファ領域に格納された乱数情報を用いて、今回の特別図柄変動表示に関する大当り抽選処理、特別図柄抽選処理、特別図柄変動パターン抽選処理を夫々実行する。
【0391】
大当り抽選処理では、大当り下限判定値と大当り上限判定値及び、小当り下限判定値と小当り上限判定値とが設定された大当り判定テーブルを用いて当否抽選処理を行っており、大当り判定用乱数バッファに格納された乱数情報の値が、大当り下限判定値よりも大きく且つ大当り上限判定値よりも小さい乱数値(大当り下限判定値<乱数情報<大当り上限判定値)であると判定した場合に、乱数値が大当り判定範囲に属すると判断し、大当り判定フラグをON状態(大当り判定)に設定し、同様に乱数値が小当り判定範囲に属すると判断した場合には、小当り判定フラグをON状態(小当り判定)に設定する。
【0392】
一方、乱数値が大当り判定範囲または小当り判定範囲に属さないと判断した場合には、大当り判定フラグまたは小当り判定フラグをOFF状態(はずれ判定)に設定する。
【0393】
また、大当り判定範囲については、低確率状態と高確率状態とで判定範囲が異なるように設定されている。
【0394】
特別図柄抽選処理では、大当り抽選処理の結果に応じて(大当り判定フラグ及び小当り判定フラグの内容に応じて)、特図ハズレ図柄テーブル、特図大当り図柄テーブル、特図小当り図柄テーブルのいずれかを用いて図柄抽選処理を行う。
【0395】
各図柄テーブルには、乱数判定値と、この乱数判定値に対応して停止図柄の種類を決定するための停止図柄種別情報と特別図柄変動パターン抽選処理において特別図柄変動パターンを決定するために使用する変動パターンオフセット情報とが設定されており、特別図柄用乱数バッファに格納された乱数情報の値と対応する乱数判定値を検索し、検索の結果、対応する乱数判定値に応じた停止図柄種別情報と変動パターンオフセット情報が取得される。
【0396】
ここで取得した停止図柄種別情報に基づいて特別図柄変動表示後の停止図柄が決定され、特別図柄変動表示が終了した場合には、決定された停止図柄の内容が表示される。さらに、この停止図柄種別情報により、大当り種別(10R確変大当り、4R確変大当り、4R通常大当り)や、ハズレ種別(ハズレA、ハズレB)などの図柄種別が決定される。
【0397】
また、取得した変動パターンオフセット情報に基づいて、後述する特別図柄変動パターン抽選処理において特別図柄変動パターンが選択される。
【0398】
特別図柄変動パターン抽選処理では、特別図柄抽選処理において取得した変動パターンオフセット情報と、現在の遊技状態や遊技モードの情報と、必要に応じて(例えば、ハズレの場合のみ)保留記憶個数と、を参照して、複数種類の変動パターンテーブルの中から決定した変動パターンテーブルを用いて変動パターン抽選処理を行う。
【0399】
変動パターンテーブルには乱数判定値が設定されており、特別図柄用変動パターン乱数バッファに格納された乱数情報と対応する乱数判定値を検索し、検索の結果、対応する乱数判定値に応じた特別図柄変動パターン情報が取得される。ここで取得した特別図柄変動パターン情報に基づいて、特別図柄変動表示の変動実行時間が決定され、特図特電タイマに変動実行時間が設定される。
【0400】
また、取得した特別図柄変動パターン情報に基づいて、演出制御部540に対して特別図柄変動パターンコマンドを送信するとともに、停止図柄種別情報に基づいて、図柄指定コマンドを送信する。演出制御部540が特別図柄変動パターンコマンド及び図柄指定コマンドを受信すると、画像表示手段31に、図柄表示装置76を用いた特別図柄1変動表示と並行して、複数の装飾図柄100、101、102による変動表示を実行する装飾図柄変動遊技が実行される。また、演出制御部540は、受信した特別図柄変動パターンコマンドの内容に応じて、装飾図柄変動遊技の演出内容(リーチなし変動パターン、リーチあり変動パターンなど)を決定する。
【0401】
このように、大当り抽選処理、特別図柄抽選処理、特別図柄変動パターン抽選処理が実行されることで、今回の特別図柄変動表示が開始されるが、特別図柄変動表示の実行中は、新たな特別図柄変動表示の開始条件が成立しないように構成されており、今回の特別図柄変動表示が終了するまでは(変動実行時間及び図柄確定時間が終了するまでは)、新たな特別図柄変動表示に関する大当り抽選処理、特別図柄抽選処理、特別図柄変動パターン抽選処理が実行されることはない。
【0402】
特別図柄管理処理(S1031)では、特別図柄変動表示の実行中は、特図特電タイマに設定された変動実行時間を監視しており、変動実行時間が終了した場合には、新たに特図特電タイマに図柄確定時間を設定するとともに、決定した停止図柄の内容を表示するための処理を実行する。また、この時、演出制御部540に対して、図柄停止コマンドを送信することで、装飾図柄変動遊技による装飾図柄100、101、102の変動表示を停止させる。
【0403】
そして、図柄確定時間が終了した場合に、大当り判定フラグがON状態(大当り判定)に設定されていると判断した場合には、大当り遊技実行フラグを設定する。この大当り遊技実行フラグが設定されることで、後述する特別電動役物管理処理(S1032)において、大当り遊技の実行処理が行われる。
【0404】
また、小当り判定フラグがON状態(小当り判定)に設定されていると判断した場合には、小当り遊技実行フラグを設定する。小当り遊技実行フラグが設定された場合には、特別電動役物管理処理(S1032)において、小当り遊技の実行処理が行われる。以上を以て、一連の普通図柄変動表示に関する処理を終了する。
【0405】
また、本実施例においては、特別図柄1保留記憶と特別図柄2保留記憶の両方が存在する場合には、特別図柄2保留記憶を優先的に消化(減算)させて、特別図柄2変動表示を開始するように構成されている(特
図2優先変動)。しかしながら、これに限らず、特別図柄1保留記憶を優先的に消化(減算)させて、特別図柄1変動表示を開始する(特
図1優先変動)ように構成してもよい。
【0406】
また、保留記憶された順に消化(減算)させて、特別図柄1または特別図柄2の変動表示を順に行うように構成してもよい(入賞順変動)。
【0407】
また、保留記憶を同時並行的に消化(減算)させ、特別図柄1変動表示と特別図柄2変動表示とを同時並行的に行うように構成してもよい(同時変動)。
【0408】
((9)特別電動役物管理処理)
特別電動役物管理処理(S1032)は、特別図柄変動表示の結果が大当り又は小当りと判定され、その結果、大当り遊技実行フラグ又は小当り遊技実行フラグが設定されている場合に、大当り遊技又は小当り遊技の実行に必要な処理を実行するように構成されている。これらの実行フラグが設定されていない場合には、特別電動役物管理処理(S1032)において大当り遊技又は小当り遊技の実行に必要な処理は行われない。
【0409】
特別電動役物管理処理(S1032)では、特別電動役物作動開始前設定処理(大当り又は小当り作動開始前設定処理)と、特別電動役物作動開始設定処理(ラウンド遊技作動開始設定処理)と、特別電動役物作動中設定処理(ラウンド遊技作動中設定処理)と、特別電動役物作動継続処理(ラウンド遊技継続処理)と、特別通電動役物作動終了設定処理(大当り又は小当り作動終了設定処理)の処理が実行される。ちなみに、特別電動役物管理処理(S1032)により、これらの処理が実行されている間は、新たな特別図柄変動表示の開始条件が成立しないように構成されている。
【0410】
まず、特別電動役物作動開始前設定処理では、大当り遊技を実行する前の大当り開始前インターバル時間を特図特電タイマに設定する。ここで設定される大当り開始前インターバル時間により、特別図柄変動表示が終了してから最初のラウンド遊技が開始されるまでの時間が決定する。また、停止図柄種別情報の大当り種別を参照し、今回の大当り遊技のラウンド回数を最大ラウンド回数バッファに記憶するとともに、ラウンド実行回数をカウントするためのラウンド回数カウンタを、1ラウンド目の実行に備えて加算(+01H)する。
【0411】
次に、演出制御部540に対して大当り開始コマンドを送信する。大当り開始コマンドには、大当り種別や遊技状態の情報などが含まれており、演出制御部540がこのコマンドを受信すると、大当り遊技中に実行する大当り遊技演出の内容を決定し、大当り開始インターバル演出を開始する。
【0412】
大当り開始前インターバル時間が経過すると、特別電動役物作動開始設定処理が実行される。なお、初回のラウンド遊技(1ラウンド)に関しては、大当り開始前インターバル時間の経過後に本処理が実行されるが、次回以降のラウンド遊技(2ラウンド以降)は、後述の特別電動役物作動継続処理で設定されるラウンド間インターバル時間の経過後に本処理が実行されることとなる。
【0413】
特別電動役物作動開始設定処理では、大入賞口44、45への入賞数をカウントするための特別電動役物入賞数カウンタがクリア(0に設定)されるとともに、大入賞口44、45の開閉板44b、45bを開閉させるための開閉パターンが選択される。開閉パターンは、大当り種別や現在のラウンド回数に基づいて決定される。そして、選択した開閉パターンに基づいて、大入賞口開閉ソレノイド70、71の駆動制御データの設定を行う。さらに、大入賞口44、45の開閉板44b、45bを開放させる最大連続開放時間を特図特電タイマに設定する。
【0414】
次に、演出制御部540に対して大入賞口開放コマンドを送信する。大入賞口開放コマンドには、現在のラウンド遊技数の情報などが含まれており、演出制御部540がこのコマンドを受信すると、現在のラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行したり、ラウンド遊技数を示すラウンド数表示を更新したりする。以上を以て、特別電動役物作動中設定処理へと移行する。
【0415】
特別電動役物作動中設定処理では、特別電動役物入賞数カウンタの値が最大入賞数に達しているかを監視している。ここで、大入賞口44、45に入賞があったと判定した場合には、演出制御部540に対して大入賞口入賞コマンドを送信する。大入賞口入賞コマンドには、入賞の発生や入賞数の情報が含まれており、演出制御部540がこのコマンドを受信すると、入賞の発生に伴う入賞演出を実行する。また、最大入賞数を超えて入賞があった場合には、オーバー入賞の発生に伴うオーバー入賞演出を実行する。
【0416】
そして、別電動役物入賞数カウンタの値が最大入賞数に達していると判断した場合には、その時点で大入賞口開閉ソレノイド70、71の駆動制御を終了するための設定を行うとともに、大入賞口44、45内に残留している遊技球が大入賞口スイッチ44a、45aを通過して排出されるまでの排出待ち時間を特図特電タイマに設定する。また、最大入賞数に達せずとも、特図特電タイマに設定した最大連続開放時間が経過した場合も、同様の設定を行い、特別電動役物作動継続処理へと移行させる。
【0417】
排出待ち時間が経過すると、特別電動役物作動継続処理が実行され、ラウンド回数カウンタの値と最大ラウンド回数バッファの値を比較し、最大ラウンド数に達しないと判断した場合(継続判定)には、次回のラウンド遊技の実行に備えてラウンド回数カウンタを加算(01H)し、1ラウンド目の実行に備えて加算ラウンド間インターバル時間を特図特電タイマに設定する。
【0418】
さらに、演出制御部540に対してラウンド間インターバルコマンドを送信して、再び特別電動役物作動開始設定処理へと移行させる。ラウンド間インターバルコマンドにはラウンド終了情報や、ラウンド数の情報が含まれており、演出制御部540がこのコマンドを受信すると、ラウンド遊技の終了に伴うラウンド終了演出や、ラウンド間で行うラウンド間演出などを実行する。
【0419】
一方、最大ラウンド数に達している判断した場合(終了判定)には、大当り遊技を終了するための大当り終了インターバル時間を特図特電タイマに設定する。さらに、演出制御部540に対して大当り終了コマンドを送信して、特別通電動役物作動終了設定処理へと移行させる。大当り終了コマンドには、大当り種別や遊技状態の情報などが含まれており、演出制御部540がこのコマンドを受信すると、大当り終了時に行うエンディング演出を実行する。
【0420】
大当り終了インターバル時間が経過すると、特別通電動役物作動終了設定処理が実行され、大当り種別などの情報に基づいて、大当り遊技終了後に移行する遊技状態を生起させるための設定処理が行われる。これにより、大当り遊技終了後の遊技状態が決定する。また、今回の大当り遊技で使用した開閉パターンの情報や大当り遊技実行フラグ、各種カウンタをクリアするとともに、次回の特別図柄変動表示の開始条件が成立可能となるよう設定処理を行う。
【0421】
以上の処理を以て、特別電動役物管理処理(S1032)による大当り遊技の実行に関する一連の処理が終了する。また、ここでは、大当り遊技の実行に関する内容を主として記載したが、小当り遊技を実行する場合には、その性質上、ラウンド遊技が連続して行われることがないので、特別電動役物作動継続処理にて継続判定されることはないものの、その他は、概ね大当り遊技の実行時と同様の手順により小当り遊技に関する処理が行われる。(大当り開始コマンド、大当り終了コマンドについては、小当り時には小当り開始コマンド、小当り終了コマンドが送信される)
【0422】
((10)エラー管理処理)
エラー管理処理(S1033)では、玉計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、枠開放スイッチ35a、35b、球詰まり検出スイッチ36、磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75、信号線の断線、不正入賞の検出を監視しており、監視の結果、異常が生じていると判断した場合には、演出制御部540に対して異常の内容を特定可能なエラー報知コマンドを送信する。また、異常が解消したと判断した場合には、演出制御部540に対して、エラー解除コマンドを送信する。
【0423】
ここで、磁気センサ73の検出、電波センサ74の検出、振動センサ75の検出、不正入賞の検出については、所定のエラー判定時間が設けられており、所定時間その異常を検出した場合に、異常が生じていると判断するように構成されている。そのため、ノイズ等により一時的に各センサからの信号を検出したとしても、それにより異常が生じていると判断することはない。
【0424】
また、エラー判定時間の計測は、各検出タイマ(電波エラー検出タイマ、磁気エラー検出タイマ、振動エラー検出タイマ、入賞口エラー検出タイマ)により計測しており、これらはタイマ管理処理(S1025)内で更新されるように構成されている。
【0425】
また、異常が生じた場合において、演出制御部540に対してエラー報知コマンドを送信するとともに、エラー報知時間(例:30秒)を計測するための各報知タイマ(電波エラー報知タイマ、磁気エラー報知タイマ、振動エラー報知タイマ、入賞口報知タイマ、不正情報タイマ)の設定を行う。
【0426】
エラー管理処理(S1033)では、異常が生じたと判断した事象(例:磁気センサ73の異常検出)自体が解消しても、その時点で演出制御部540に対してエラー解除コマンドを送信せず、その事象自体が解消した後、設定した報知タイマの値が0になった場合に、演出制御部540に対してエラー解除コマンドを送信するように構成されている。これにより、演出制御部540は、エラー報知コマンドを受信してエラー報知を開始した場合、所定のエラー報知時間が経過してエラー解除コマンドを受信するまでは、エラー報知を継続的に行うように構成されている。
【0427】
また、異常が生じたと判断した事象が継続して発生している場合には、都度、各報知タイマにエラー報知時間が設定されるように構成されている。そのため、事象自体が解消していないにもかかわらず、エラー報知タイマの値が0になることはなく、その事象の発生中は常に所定のエラー報知時間が設定されている状態となり、エラー解除コマンドが送信されることはない。
【0428】
((11)遊技情報報知管理処理)
遊技情報報知管理処理(S1034)では、現在の遊技状態を判別し、右打ちが有利な遊技状態(低確率高ベース状態、高確率高ベース状態、大当り遊技状態、小当り遊技状態)であると判断した場合には、図柄表示装置76の右打ち表示用LED76gを点灯させるための点灯用LEDデータを作成する。
【0429】
また、左打ちが有利な遊技状態(低確率低ベース状態、高確率低ベース状態)であると判断した場合には、図柄表示装置76の右打ち表示用LED76gを消灯させるための消灯用LEDデータを作成する。
【0430】
((12)外部端子管理処理)
外部端子管理処理(S1035)では、外端信号としてホールコンピュータに対して出力する外部出力情報の作成を実行している。ここで、作成される外部出力情報には、以下の(外部出力情報1)~(外部出力情報10)ものがある。
(外部出力情報1)特別図柄確定回数情報(特別図柄変動表示1及び特別図柄変動表示2の変動停止から100ms間出力)
(外部出力情報2)始動口情報(特別図柄1始動口スイッチ38a又は特別図柄2始動口スイッチ39aが遊技球を検出した時から100ms間出力)
(外部出力情報3)大当り及び変動短縮情報(変動短縮機能作動中及び大当り中に出力)
(外部出力情報4)大当り情報(大当り遊技中に出力)
(外部出力情報5)特別図柄1始動口情報(特別図柄1始動口スイッチ38aが遊技球の通過を検出した時から100ms間出力)
(外部出力情報6)特別図柄2始動口情報(特別図柄2始動口スイッチ39aが遊技球の通過を検出した時から100ms間出力)
(外部出力情報7)特別図柄1確定回数情報(特別図柄1変動表示の変動停止から100ms間出力)
(外部出力情報8)普図入賞口情報(右ゲートスイッチ46aが遊技球の通過を検出した時から100ms間出力)
(外部出力情報9)メイン賞球情報(賞球予定信号を出力)
(外部出力情報10)セキュリティ情報(所定のエラー発生時に出力)
外部端子管理処理(S1035)では、必要時にこれらの外部出力情報を作成し、外端信号としてシリアル通信出力バッファへ格納するように構成されている。
【0431】
((13)ソレノイド管理処理)
ソレノイド管理処理(S1036)では、普通電動役物管理処理(S1030)で設定された特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の駆動制御データや、特別電動役物管理処理(S1032)で設定された大入賞口開閉ソレノイド70、71の駆動制御データに基づいて、各ソレノイド70、71、72に対して駆動信号の出力処理を行う。これにより、特別図柄2始動口39の可動片39bや大入賞口44、45の開閉板44b、45bの開閉動作が実現される。
【0432】
((14)LED管理処理)
LED管理処理(S1037)では、図柄表示装置76を構成するLED76a、76b、76c、76d、76e、76f、76g、76h、76i及び性能表示LED521を構成するLEDを、ダイナミック点灯方式により発光管理している。その詳細について、以下に示す。
【0433】
LED管理処理(S1037)が開始されると、まずポート出力カウンタの値を加算(+01H)する。そして、LEDコモン出力選択テーブルを参照して、ポート出力カウンタの値に対応するコモンデータを選択して、シリアル通信出力バッファへ格納する。
【0434】
LED出力選択テーブルには、出力するコモン情報が設定されており、具体的には、図柄表示装置76の特別図柄1変動表示用LED76a(計8個)を指定する第1コモン情報と、図柄表示装置76の特別図柄2変動表示用LED76b(計8個)を指定する第2コモン情報と、図柄表示装置76の特別図柄1記憶表示用LED76c、特別図柄2記憶表示用LED76d、普通図柄記憶表示用LED76f、状態表示用LED76i、76j(計8個)を指定する第3コモン情報と、図柄表示装置76の普通図柄変動表示用LED76e、右打ち表示用LED76g、ラウンド表示用LED76h(計8個)を指定する第4コモン情報と、性能表示LED521の複数の7セグ表示器のうち7セグ表示器1のLED(計8個)を指定する第5コモン情報と、性能表示LED521の複数の7セグ表示器のうち7セグ表示器2のLED(計8個)を指定する第6コモン情報と、性能表示LED521の複数の7セグ表示器のうち7セグ表示器3のLED(計8個)を指定する第7コモン情報と、性能表示LED521の複数の7セグ表示器のうち7セグ表示器4のLED(計8個)を指定する第8コモン情報と、が設定されている。
【0435】
さらに、LED出力選択テーブルは、第1コモン情報~第8コモン情報を、4つのコモンデータに分けて選択可能に構成されており、具体的には、第1コモン情報と第5コモン情報とを指定する第1コモンデータと、第2コモン情報と第6コモン情報とを指定する第2コモンデータと、第3コモン情報と第7コモン情報とを指定する第3コモンデータと、第4コモン情報と第8コモン情報とを指定する第4コモンデータのいずれかを選択することができる。例えば、今回選択されたコモンデータが第1コモンデータであった場合には、図柄表示装置76の特別図柄1変動表示用LED76a(計8個)と、性能表示LED521の複数の7セグ表示器のうち7セグ表示器1のLED(計8個)が制御対象となる。
【0436】
本実施例においては、LED管理処理(S1037)が実行される毎に、更新されるポート出力カウンタの値に応じて、第1コモンデータ~第4コモンデータを循環的に選択するように構成されており(第1コモンデータ→第2コモンデータ→第3コモンデータ→第4コモンデータ→第1コモンデータ→第2コモンデータ→・・・)、これにより、所定周期(タイマ割込み処理(S1024~S045)が実行される4ms周期)毎に、出力するコモンデータが切り替えられることで、所定周期(4ms周期)のダイナミック点灯を実現している。
【0437】
シリアル通信出力バッファへのコモンデータの格納が完了すると、次に、点灯データ選択してシリアル通信出力バッファへ格納する。点灯データの選択に際しては、再びLED出力選択点灯テーブルを参照して、先に選んだコモンデータに対応する点灯データを選択する。
【0438】
LED出力選択テーブルには、コモンデータに加えて、出力する点灯データが設定されている。点灯データは、1種類のコモンデータに対して2種類ずつ設定されており、具体的には、第1コモンデータに対応する第1-1点灯データおよび第1-2点灯データと、第2コモンデータに対応する第2-1点灯データおよび第2-2点灯データと、第3コモンデータに対応する第3-1点灯データおよび第3-2点灯データと、第4コモンデータに対応する第4-1点灯データおよび第4-2点灯データと、が設定されている。例えば、今回選択されたコモンデータが第1コモンデータであった場合には、第1-1点灯データおよび第1-2点灯データの中からいずれかの点灯データが選択されることとなる。
【0439】
本実施例においては、LED管理処理(S1037)が実行される毎に、更新されるポート出力カウンタの値に応じて、第1点灯データテーブル(第1-1点灯データ、第2-1点灯データ、第3-1点灯データ、第4-1点灯データ)の中から今回選択されたコモンデータに対応する点灯データを選択する場合と、第2点灯データテーブル(第1-2点灯データ、第2-2点灯データ、第3-2点灯データ、第4-2点灯データ)の中から今回選択されたコモンデータに対応する点灯データを選択する場合と、を所定周期(128ms周期)で切り替えるように構成されている。これにより、例えば、第1点灯データテーブルに点灯用データを配置し、第2点灯データテーブルに消灯用データを配置することで、所定周期(128ms)の点滅表示を実現することが可能となっている。
【0440】
このようにして、コモンデータ及び点灯データのシリアル通信出力バッファへの格納が完了すると、LED管理処理(S1037)を終了する。
【0441】
ちなみに、本実施例においては、LED出力選択テーブルに設定されている点灯データは全て、図柄表示装置76を構成するLED76a、76b、76c、76d、76e、76f、76g、76h、76iに関するデータが設定されており、性能表示LED521を構成するLEDに関するデータは設定されていない。そのため、LED管理処理(S1037)内でシリアル通信出力バッファへ格納する点灯データは、全て図柄表示装置76を構成するLED76a、76b、76c、76d、76e、76f、76g、76h、76iに関するデータとなっており、性能表示LED521を構成するLEDに関するデータはここでは選択されない。性能表示LED521を構成するLEDに関するデータは、LED管理処理(S1037)の終了後に領域外プログラムにおいて選択され、シリアル通信出力バッファへ格納されるように構成されている。LED管理処理(S1037)内では、コモンデータ(第1コモンデータ~第4コモンデータのいずれか)を選択することで、性能表示LED521の複数の7セグ表示器(7セグ表示器1~7セグ表示器4)のうち、今回の制御対象となる7セグ表示器を選択するのみとなっている。
【0442】
((15)領域移行処理&タイマ割込み内領域外処理)
領域移行処理(S1038~S1042)では、まず、全レジスタをスタック領域に退避させるとともに、使用領域RWM領域を指定するための基準アドレスとなるテーブルポインタレジスタをスタック領域に退避させる(S1038~S1039)。その後、使用領域外プログラムに配置されたタイマ割込み内領域外処理(S1040)を呼び出して実行する。
【0443】
タイマ割込み内領域外処理(S1040)では、性能表示LED521にベース値を表示するための表示処理や試射試験信号の作成及び出力に関する処理などが行われる。タイマ割込み内領域外処理(S1040)の実行後には、テーブルポインタレジスタを復帰させるとともに、全レジスタを復帰させ(S1040~S1041)、次の処理へと移行する。
【0444】
(タイマ割込み内領域外処理)
ここで、
図2-5を参照して、タイマ割込み内領域外処理(S1040)について説明する。
図2-5にはタイマ割込み内領域外処理(S1040)のフローチャートを示している。タイマ割込み内領域外処理(S1040)は、タイマ割込み処理(S1024~S1045)の実行中に呼び出されて実行される。
【0445】
タイマ割込み内領域外処理(S1040)が呼び出されると、まず使用領域のスタックポインタを退避させるとともに、使用領域外のスタックポインタの設定を行う(S1050)。
【0446】
次に、性能表示LED表示内容更新処理(S1051)を実行する。この性能表示LED表示内容更新処理(S1051)により、性能表示LED521が全点灯と全点滅を所定時間(約5秒間)、繰り返す動作確認表示(全点滅)や、複数種類のベース値(リアルタイムベース値、第1累積ベース値、第2累積ベース値、第3累積ベース値)を所定順序で循環的に切り替えて表示するための処理などが行われる。
【0447】
ここで、動作確認表示の実行に際しては、動作確認表示タイマが参照される。動作確認表示タイマには動作確認表示の実行時間が記憶されている。性能表示LED表示内容更新処理(S1051)では、動作確認表示タイマの値が所定値(0)となるまで、全点灯表示パターンと全消灯表示パターンとを所定時間毎に切り替えて表示制御を行っている。これにより、性能表示LED521による動作確認表示が実現される。
【0448】
また、ベース値の表示に際しては、使用領域外RWMの比率バッファが参照される。比率バッファには算出されたベース値が記憶されている。性能表示LED表示内容更新処理(S1051)では、比率バッファの値に応じた点灯表示パターンを点灯表示パターンテーブルから選択してベース値の表示制御を行っている。これにより、性能表示LED521によるベース値の表示が実現される。
【0449】
また、比率バッファの値が所定値(100)以上だった場合には、点灯表示パターンとして特定表示パターン(「99.」)が選択されるように構成されている。これは、性能表示LED521により表示可能なベース値の桁数が2桁(比率セグが2個)で構成されているためである。
【0450】
性能表示LED表示内容更新処理(S1051)では、動作確認表示に応じた点灯パターンや識別比率バッファの値(ベース値)に応じた点灯パターン、ベース値の種別を示す識別セグの表示内容(「bL.」「b1.」「b2.」「b3.」)に応じた点灯パターンを夫々選択し、選択した点灯パターンを性能表示出力用バッファに格納する。性能表示出力用バッファに格納された点灯パターンは、使用領域外LED更新処理(S1052)にてシリアル通信出力バッファ格納され、タイマ割込み内の処理で出力されることで、性能表示LED521に選択した点灯パターンが表示されることとなる。
【0451】
次に、使用領域外LED更新処理(S1052)を実行する。使用領域外LED更新処理(S1052)では、性能表示出力用バッファに格納された点灯パターンをシリアル通信出力バッファに格納する。性能表示出力用バッファは性能表示LED521を構成する7セグ表示器の数(4個)だけ設けられており、タイマ割込み処理(S1024~S1045)内のLED管理処理(S1037)にて更新されるポート出力カウンタの値に応じて、今回の出力対象とする性能表示出力用バッファを選択するように構成されている。ここで選択された性能表示出力用バッファの点灯パターンが、LED管理処理(S1037)にて選択されたコモンデータ(第1コモンデータ~第4コモンデータのいずれか)により対象となっている性能表示LED521の7セグ表示器(7セグ表示器1~7セグ表示器4のいずれか)に出力されるように構成されている。
【0452】
次に、通常状態判定処理(S1053)を実行する。通常状態判定処理(S1053)では、現在の遊技状態が、低確率低ベース状態であるか否かを判定している。ここで、低確率低ベース状態であると判定された場合のみ、各入賞口38、39、40、41、42、43、44、45への入賞に伴う賞球数やアウト個数(アウトスイッチ47aの検出数)のカウントを行うように構成することで、低確率低ベース状態におけるベース値((低確率低ベース状態の払出個数÷低確率低ベース状態のアウト個数)×100)を表示することを可能にしている。
【0453】
次に、試射試験信号更新処理(S1054)を実行する。試射試験信号更新処理(S1054)では、遊技機の型式試験で使用する必要な情報を出力するための処理が行われる。
【0454】
最後に、使用領域外のスタックポインタを復帰させて(S1055)、タイマ割込み内領域外処理(S1040)を終了する。
【0455】
((16)アウトコマンド送信処理)
アウトコマンド送信処理(S1043)では、アウトスイッチ47aが遊技球を検出した場合に、演出制御部540に対してアウトスイッチ47aの検出情報を示すアウトコマンド(CD71H)を送信する。演出制御部540がアウトコマンド(CD71H)を受信すると、アウト個数を計数するための計数カウンタを加算する。これにより総アウト個数を計測している。また、これに限らず、アウト個数やアウトスイッチ47aの検出に関連した演出を実行するように構成してもよい。
【0456】
((17)SPI通信開始)
タイマ割込み処理内の(1)~(16)の処理が行われた後、SPI(Serial Peripheral Interface)通信が開始される(S1044)。ここでは、シリアル通信用のデータを格納するためのシリアル通信出力バッファに格納されたデータを出力ポートへと出力する処理を行う。シリアル通信出力バッファには、外部端子管理処理(S1035)にて外部出力情報と、LED管理処理(S1037)にて図柄表示装置76及び性能表示LED521のコモンデータ及び図柄表示装置76を構成するLED76a、76b、76c、76d、76e、76f、76g、76h、76iに関する点灯データと、使用領域外LED更新処理(S1052)にて性能表示LED521を構成するLEDに関する点灯データと、が夫々格納されている。このように、本処理では、異なる種類のシリアルデータを同タイミングで出力するように構成している。
【0457】
このように、図柄表示装置76と性能表示LED521のような出力対象が異なるシリアルデータの出力タイミングを共通化することで、例えば、図柄表示装置76と性能表示LED521の表示タイミング(夫々のLEDの点灯タイミング)が同期するので、違和感のない表示制御を実行することが可能となっている。
【0458】
また、図柄表示装置76と性能表示LED521に限らず、外部出力情報についてもシリアルデータの出力タイミングを共通化することで、個別に出力処理に関するプログラムを規定するよりも、プログラム容量を削減することが可能となっている。
【0459】
((18)WDTクリア処理)
タイマ割込み処理の最後にWDTのクリア処理を行う(S1045)。これにて、タイマ割込み処理(S1024~S1045)を終了し、次のタイマ割込み処理(S1024~S1045)が開始されるまでメインループ処理(S1017~S1023)を実行する。
【0460】
(演出制御システム設定)
図3ー1では、電源投入時に演出制御部540より実行されるシステム設定処理のフローチャートを示している。システム設定処理が開始されると、まずバスステートコントローラの設定が行われる(S2000)。バスステートコントローラは、制御レジスタの設定に基づいて機能し、演出制御CPU540と各種機能部(VDP回路541、モータ回路、RTC回路)及び各種IC(可動物用IC530、音声用IC531)、各種メモリデバイス(制御用ROM542、演出用ROM560、DRAM)との通信動作を最適化するものである。バスステートコントローラの初期設定を行うことで演出制御CPU540からのアクセスが可能となる。
【0461】
続いて、VDP回路541の起動待ち処理(S2001)を行う。演出制御CPU540は、VDP回路541のデバイスコードが格納されている特定のVDPレジスタの値を取得し、その値が正常値(デバイスコード)であるか否かを判定する。正常値である場合には、VDP回路541が演出制御CPU540からの命令を受け付け可能であると判定し、正常値ではない(デバイスコードが正常に取得できない)場合には、VDP回路541自体がハードウェアリセットの動作を未だ終えていないと判断し、正常値が取得できるまで、この処理を繰り返す。
【0462】
VDP回路541の起動が完了していると判定した場合には、各種バスの設定(S2002)を行う。具体的には、演出制御CPU540からVDP回路541のアクセスする場合のデータバス幅の設定(32bitに設定)や、各種機能部(VDP回路541、モータ回路、RTC回路)、各種IC(可動物用IC530、音声用IC531)、各種メモリデバイス(制御用ROM542、演出用ROM560、DRAM)を制御するためにバスアドレスの設定を行う。
【0463】
次に、メモリセクションの初期化(S2003)を行う。予め制御用ROM542に格納されているプログラムやデータのうち、割込み処理プログラム(S2029~S2033)、メイン処理プログラム(S2004)、初期値あり変数、定数データなどを、外付けのDRAMや演出制御部540の内臓のRWMに転送する。これにより、アクセス速度に劣るROM(制御用ROM542)へのアクセスを回避し、演出制御CPUの処理の高速化を図りることが可能となっている。
【0464】
また、このメモリセクションの初期化(S2003)に際しては、演出制御CPUを介さずにデータ転送を実現可能なDMAC回路(Direct Memory Access Controller)を使用している。これにより、演出制御CPUの負荷を軽減し、データ転送時間を短縮することができる。また、このDMAC回路は、メモリセクションの初期化(S2003)に限らず、ランプデータ、サウンドデータ、モータデータ、ディスプレイリストの転送に際しても使用可能に構成されている。本実施例においては、演出制御CPUからプリロ―ダ回路(最終的にVDP回路)へとディスプレイリストを転送する際に、DMAC回路を使用しているが、これに限らず、ランプデータ、サウンドデータ、モータデータの転送時にも使用するように構成してもよい。
【0465】
ここまでの処理は、制御用ROM542に格納されている初期設定プログラム(S2000~S2003)が実行されることで実現されており、この初期設定プログラムの最後にメイン処理(S2004)が呼び出される。このメイン処理(S2004)は、演出制御部540の内蔵のRWMに転送されたメイン処理プログラム(S2004)であり、以降の処理は、メイン処理プログラム(S2004)が演出制御部540の内蔵のRWMから読み出され実行されることで実現される。
【0466】
(演出制御メイン処理)
図3ー2では、演出制御メイン処理のフローチャートを示している。演出制御メイン処理(S2004)が開始されると、まずハードウェアセットアップの設定が行われる(S2005)。これにより、各種IC(可動物用IC530、音声用IC531)、VDP回路541、WDT回路、演出制御タイマ割込処理(S2029~S2033)を発生させる割込みコントローラなど、演出制御部540の内蔵回路をソフトウェア処理によって初期化する。また、各種スケジューラ(画像スケジューラ、演出シナリオスケジューラ、サウンドスケジューラ、ランプスケジューラ、デバイススケジューラ)の初期化が行われるとともに、可動物(中押しボタン可動物、サイドユニット可動物、盤側可動物(下可動物30a、上可動物30b))の初期位置(原点位置)への復帰動作が実行される。
【0467】
次に、演出制御タイマ割込み処理(S2029~S2033)の発生を許可するために、割込み許可レジスタに許可設定値を書き込み、割込み許可状態に設定する(S2006)。
【0468】
ここまでの処理が終了すると、以降は演出制御ループ処理(S2007~S2028)が繰り返し実行され、その間、所定周期(1ms周期)毎に演出制御タイマ割込み処理(S2029~S2033)が発生することとなる。
【0469】
本実施例では、演出制御ループ処理(S2007~S2028)が33.3ms周期で一巡するように構成されている。演出制御ループ処理(S2007~S2028)では、16.6ms毎に発生する画像表示手段31のVブランク信号を監視しており、Vブランク信号が2回発生したことに応じて、画像表示手段31に表示する画像データのフレーム更新を行うことで、1フレームの更新周期が33.3ms周期となるように設計されている。また、演出制御ループ処理(S2007~S2028)において、この1フレームの更新周期期間(33.3ms)中に、各種スケジューラ(画像スケジューラ、演出シナリオスケジューラ、サウンドスケジューラ、ランプスケジューラ、デバイススケジューラ)の更新が実行されることで、画像データのフレーム更新周期に同期した各種スケジューラの更新が可能となっている。
【0470】
以下、この演出制御ループ処理(S2007~S2028)の内容について詳述する。
【0471】
演出制御ループ処理(S2007~S2028)では、まず、フレーム更新フラグの判定処理が行われる(S2007)。フレーム更新フラグは、画像表示手段31の画像データのフレーム更新に必要な処理が実行済みか否かを判定するためのフラグである。実行済みの場合はON判定となりS2016の処理に移行するが、演出制御ループ処理(S2007~S2028)の開始時点では、未実行であるため、その場合にはOFF判定となりS2008の処理に移行する。
【0472】
フレーム更新フラグの判定処理(S2007)の結果、OFF判定となった場合には、ディスプレイリストバッファの初期化処理(S2008)を行う。ディスプレイリストバッファは、作成したディスプレイリストを格納しておくためにRWMに設けられた記憶領域である。ここでは、新たに作成したディスプレイリストを格納するのに備えて、事前にディスプレイリストバッファを初期化する。これは、前回格納したディスプレイリストの情報が残っている可能性があるためである。
【0473】
ディスプレイリストバッファの初期化が完了すると、フレームバッファの設定を行う(S2009)。フレームバッファは、内蔵VRAM内に設けられた画像表示手段31に表示するための画像データを一時的に記憶しておく領域であり、ディスプレイリストの内容に基づいて、VDP回路541により1フレーム分の画像データがここに描画される。本実施例においては、描画領域と読出領域に区分されたダブルバッファ構造を採用しており、一対のフレームバッファを交互に用途を切り替えて使用している。
【0474】
ここで行われる設定は、SETDAVRコマンドやSETDAVFコマンドなどの環境設定コマンドを使用して、実際に画像表示手段31に表示する画像データを描画するための描画領域を特定する。具体的には、基点アドレスを所定座標(0、0)に設定することで、フレームバッファの先頭位置から描画有効データとして活用する。これによりフレームバッファの描画領域と表示回路の有効表示領域とが結びつけられる。
【0475】
フレームバッファの設定が完了すると、次に画像スケジューラの実行処理(S2010)を行う。
【0476】
画像スケジューラ実行処理(S2010)では、画像スケジューラ(図示せず)のシナリオタイマの更新が行われる。画像スケジューラは、複数の動画像データの動画像再生シナリオの実行を再生チャンネル毎に管理するものであり、シナリオタイマは、各動画像再生シナリオの進行を管理するためのタイマとなっている。
【0477】
ここで、本処理の終了後、S2015でフレーム更新フラグがON状態に設定されることで、以降のS2007では、ON判定となりS2016の処理に移行する。そのため、以降の演出制御ループ処理(S2007~S2028)では、本処理(S2010)を含むS2008~S2015の処理が回避されるように構成されている。S2008~S2015の処理は、S2028でフレーム更新フラグがOFF状態に設定された場合に再び実行される。すなわち、33.3msで1巡するように構成されている演出制御ループ処理(S2007~S2028)において、本処理(S2010)を含むS2008~S2015は夫々1回だけ実行される。
【0478】
シナリオタイマは、本処理(S2010)が実行される毎に1回(33.3msに1回)更新されるため、各動画像再生シナリオは33.3ms周期で進行するように構成される。このように、シナリオタイマは1フレームの更新周期(33.3ms)に応じて更新するように構成されている。
【0479】
画像スケジューラに登録された動画像再生シナリオには、フレーム単位の動画像データに関する情報が含まれており、シナリオタイマの更新に応じて、動画像再生シナリオから今回の描画対象となる1フレーム分の動画像データに関する情報が取得される。このように、シナリオタイマの更新に応じて、1フレーム毎に動画像再生シナリオに基づく動画像データに関する情報が順次取得されることで、最終的に画像表示手段31に動画像再生シナリオに基づく一連の動画像が表示されることとなる。
【0480】
そして、ここで取得された1フレーム分の動画像データの情報に基づいて、ディスプレイリストの作成処理が行われる(S2011)。
【0481】
ディスプレイリストは、表示回路が画像表示手段31に出力すべき画像データを特定したものであり、より具体的には、画像表示手段31の1フレームの画像データを特定するための一連の指示コマンドにより構成される。一連の指示コマンドには、演出用ROM560(CGROM)から画像データを読み出してデコードするためのコマンドや、デコード先のVRAMの領域を特定するためのコマンドや、デコード後の画像データをフレームバッファに配置するためのコマンドなど、VDP回路541に対して描画動作を指示するためのコマンドが含まれている。
【0482】
S2011で行われるディスプレイリストの作成に際しては、前述の指示コマンドが適宜な順番で列記されるとともに、演出用ROM560(CGROM)から読み出すべく画像データを特定するために、画像スケジューラ実行処理(S2010)において取得した各動画像再生シナリオの1フレーム分の動画像データに関する情報が参照される。そうして、ディスプレイリストバッファに、一連の指示コマンドを列記することでディスプレイリストを完成させる。
【0483】
また、ディスプレイリストは、データサイズが常に256バイトとなるように調整して作成されている。これは、ディスプレイリストをVDP回路541へと転送する際のデータ転送サイズに対応させるためであり、これにより転送効率を高めている。データサイズの調整には、NOP(ノーオペレーション)コマンドが使用され、ディスプレイリストバッファの不足領域(不使用領域)をNOPコマンドで埋めることで、ディスプレイリストのデータサイズが毎回一定サイズ(256バイト)となるように調整している。
【0484】
ディスプレイリストが完成すると、次にランプデータ作成処理(S2012)を行う。ここで作成されるランプデータは、後述するランプスケジューラに登録されているランプシナリオの情報に基づいて、実際に各LED63a、64aを駆動するLEDドライバに対して送信するための点灯データである。ちなみに、ここで作成されるランプデータには、点灯情報(点灯色や輝度情報を含む)及び消灯情報が含まれており、点灯させるLEDの点灯情報のみではなく、消灯させるLEDの点灯情報についても作成を行う。換言すれば、ここでは、全てのLEDに対するランプデータが作成され、ランプデータバッファに格納される。ランプデータバッファに格納されたランプデータは、後述するランプデータ送信処理(S2027)において、各LEDドライバに出力される。
【0485】
ランプデータの作成処理(S2012)が完了すると、ディスプレイリストのプリロードを開始する(S2013)。ここで、ディスプレイリストバッファに完成させたディスプレイリストをプリローダ回路へと転送することで、プリローダ回路によるプリロード動作が実行される。プリロード動作が実行されると、ディスプレイリストに記載されている画像データが、実際の描画動作(VDP回路541によるフレームバッファへの描画)に先行して、演出制御用ROM560(CGROM)からDRAMへと読み出される。これにより、NAND型のフラッシュメモリである演出制御用ROM560(CGROM)よりもアクセス速度の速いDRAMに、描画に必要な画像データ(圧縮されたCGデータ)が事前に読み出されることとなり、VDP回路541が画像データをフレームバッファへと描画する際の処理速度を向上させることが可能となっている。そのため、プリロード動作を実行せずに、VDP回路541が直接、演出制御用ROM560(CGROM)から画像データを取得する場合と比べて、描画速度が向上する。
【0486】
また、プリローダ回路は、ディスプレイリストに記載された画像データを演出制御用ROM560(CGROM)からDRAMへと読み出した場合、画像データの参照先を転送先であるDRAM上のアドレスに書き換えた書換ディスプレイリストをVDP回路560へと発行する。これにより、VDP回路560がフレームバッファへの描画を実行する際には、書換ディスプレイリストの内容が参照され、描画の際に必要な画像データが、DRAMから取得されることとなる。
【0487】
ディスプレイリストのプリロード処理を開始させた後、スケジューラ更新フラグをOFF状態に設定する(S2014)。スケジューラ更新フラグは、後述する演出シナリオスケジューラ実行処理(S2021)、サウンドスケジューラ実行処理(S2022)、ランプスケジューラ実行処理(S2023)を実行したか否かを判断するためのフラグであり、この時点では、未だ未実行であるためOFF状態に設定される。
【0488】
ちなみに、S2020において、スケジューラ更新フラグがON状態に設定されると、以降の演出制御ループ処理(S2007~S2028)では、S2020~S2023の処理が回避されるように構成されている。このように、スケジューラ更新フラグが切り替えられることで、S2020~S2023の処理は、1回の演出制御ループ処理(S2007~S2028)において、夫々1回だけ実行されることとなる。これにより、S2021~S2023において更新される各スケジューラの各シナリオは、1フレームの更新周期(33.3ms)に同期して進行するように構成される。
【0489】
次に、フレーム更新フラグをON状態に設定し(S2015)、再びフレーム更新フラグの判定処理(S2007)へと回帰する。S2015にて、フレーム更新フラグがON状態に設定されることで、次のフレーム更新フラグの判定処理(S2007)ではON判定となりS2016の処理に移行する。そのため、以降の演出制御ループ処理(S2007~S2028)では、S2028にてフレーム更新フラグがOFF状態に設定されるまで、S2008~S2015の処理が回避されることとなる。
【0490】
S2016では、フレーム処理経過時間が26ms以上経過しているか否かの判定が行われる。フレーム処理経過時間とは、画像表示手段31に今回のフレーム(1フレーム目)の画像が表示されてからの経過時間であり、フレーム処理経過時間が33.3ms経過したタイミングで、2回目のVブランク信号が発生し、次のフレーム(2フレーム目)の画像へと更新される。
【0491】
ここで、フレーム処理経過時間が26ms未満の場合には、S2017で主制御部520からのコマンドを受信しているか否かの判定が行われ、受信コマンドが存在する場合には、コマンド解析処理(S2018)が行われる。本実施例では、S2024で2回目のVブランク信号が発生していないと判定された場合には、再びS2016に回帰するように構成されている。そのため、フレーム処理経過時間が26msを経過するまでの間は、繰り返しコマンド解析処理(S2018)の実行が可能となるように構成されている。これは、フレーム処理経過時間が26ms未満の場合には、2回目のVブランク信号が発生するまで(33.3ms経過まで)にまだ猶予時間があり、コマンド解析処理(S2018)を行うのに十分な処理時間が残されているためである。
【0492】
一方、フレーム処理経過時間が26ms以上経過している場合には、S2024に移行し、2回目のVブランク信号が発生しているか否かの判定が行われ、この場合には、受信コマンドの有無にかかわらず、コマンド解析処理(S2018)は行われない。これは、コマンド解析処理(S2018)に要する処理時間を考慮し、既にフレーム処理経過時間が26ms以上経過している状況で、コマンド解析処理(S2018)を行うと、フレーム処理経過時間が33.3msを超過し、フレーム遅延を発生させる恐れがあるからである。そのため、本実施例では、このようなフレーム遅延の発生を防止するために、一定の制限時間を設け、フレーム処理経過時間が26ms以上経過している場合には、2回目のVブランク信号の発生の監視(S2024)のみを行うように構成されている。
【0493】
次に、S2017及びS2018の内容ついて説明する。S2017では、主制御部520から送信された演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファに、未読の演出制御コマンドが格納されているか否かを判定している。未読の演出制御コマンドが存在する場合には、コマンド解析処理(S2018)へと移行する。
【0494】
コマンド解析処理(S2018)では、主制御部520から送信された演出制御コマンドを解析し、コマンドの種別に応じた処理を実行する。演出制御コマンドとしては、電源投入時コマンド1、電源投入時コマンド2、チップコード、設定変更開始コマンド、RWMエラーコマンド、イニシャライズコマンド、RWMクリアコマンド、設定確認開始コマンド、バックアップ復帰コマンド、電源断コマンド1、電源断コマンド2、主基板エラーコマンドスイッチ通過コマンド、オーバー入賞コマンド、特別図柄保留加算コマンド、特別図柄保留減算コマンド、特別図柄変動パターンコマンド、図柄指定コマンド、図柄停止コマンド、大当り開始コマンド、大入賞口開放コマンド、大入賞口入賞コマンド、ラウンド間インターバルコマンド、大当り終了コマンド、小当り開始コマンド、小当り終了コマンド、エラー報知コマンド、エラー解除コマンド、アウトコマンドなどがあり、受信したコマンドに対応した処理を実行する。
【0495】
例えば、特別図柄変動パターンコマンド、図柄指定コマンドを受信した場合には、複数の装飾図柄100、101、102による変動表示を実行する装飾図柄変動遊技を行うための処理を実行する。具体的には、装飾図柄変動遊技において実行する予告演出(疑似連予告、ステップアップ予告、背景変化予告など)を抽選するための予告抽選処理が行われ、予告抽選処理の結果に応じて演出シナリオが演出シナリオスケジューラに設定される。演出シナリオが演出シナリオスケジューラに登録されることで、後述する演出シナリオスケジューラ実行処理(S2021)にて、演出シナリオが進行し、結果として、演出シナリオに記載された内容に応じた各種演出(画像、音、ランプ、モータ)が実行されることとなる。
【0496】
コマンド解析処理(S2018)を終えると、スケジューラ更新フラグの判定処理が行われる(S2019)。前述した通り、スケジューラ更新フラグは、演出シナリオスケジューラ実行処理(S2021)、サウンドスケジューラ実行処理(S2022)、ランプスケジューラ実行処理(S2023)を実行したか否かを判断するためのフラグであり、この時点では、未だ未実行であるためOFF状態であると判定され、S2020の処理へと移行する。
【0497】
S2020では、これ以降の処理において、演出シナリオスケジューラ実行処理(S2021)、サウンドスケジューラ実行処理(S2022)、ランプスケジューラ実行処理(S2023)が実行されるため、予めスケジューラ更新フラグがON状態となるように設定する。ここで、スケジューラ更新フラグがON状態に設定されることで、次にスケジューラ更新フラグの判定処理(S2019)が行われた場合には、既に、演出シナリオスケジューラ実行処理(S2021)、サウンドスケジューラ実行処理(S2022)、ランプスケジューラ実行処理(S2023)が実行済みであると判断され、これらの処理の実行が回避される。スケジューラ更新フラグは、フレーム処理経過時間(33.3ms)が経過し、次回の演出制御ループ処理のS2014にてOFF状態に設定されるまでON状態に維持されているため、演出シナリオスケジューラ実行処理(S2021)、サウンドスケジューラ実行処理(S2022)、ランプスケジューラ実行処理(S2023)は、1回の演出制御ループ処理(S2007~S2028)において1回のみ、換言するなら、1フレーム(33.3ms)毎に1回だけ実行されるように構成されている。これにより、フレーム更新に応じた各種シナリオ進行が可能となっている。
【0498】
演出シナリオスケジューラ実行処理(S2021)では、演出シナリオスケジューラ(図示せず)のシナリオタイマの更新が行われる。演出シナリオスケジューラは、複数の演出シナリオの実行をチャンネル毎に管理するものであり、シナリオタイマは、各演出シナリオの進行を管理するためのタイマとなっている。
【0499】
シナリオタイマは、本処理が実行される毎に1回(33.3msに1回)更新されるため、各演出シナリオは33.3ms周期で進行するように構成される。このように、シナリオタイマは1フレームの更新周期(33.3ms)に応じて更新するように構成されている。
【0500】
演出シナリオには、時系列順に規定された複数または単数のシナリオファンクションが設定されている。演出シナリオスケジューラ実行処理(S2021)では、シナリオタイマの更新に応じて演出シナリオを進行させることで、時系列順に規定されたシナリオファンクションの内容に応じた処理を実行する。
【0501】
シナリオファンクションには、動画像再生に関する動画像ファンクション、音声再生に関するサウンドファンクション、ランプ駆動に関するランプファンクション、モータ駆動に関するデバイスファンクションなどがある。動画像ファンクションには、再生すべき動画像データのシナリオ情報が、サウンドファンクションには再生すべきサウンドデータのシナリオ情報が、ランプファンクションには実行すべきランプパターンのシナリオ情報が、デバイスファンクションには実行すべき駆動パターンのシナリオ情報が、夫々含まれている。
【0502】
動画像ファンクションが実行された場合には、指定された動画像データのシナリオ情報が画像スケジューラの空き再生チャンネルへと登録される。同様に、サウンドファンクションが実行された場合には、指定されたサウンドデータのシナリオ情報がサウンドスケジューラの空きチャンネルへと登録され、ランプファンクションが実行された場合には、指定されたランプパターンのシナリオ情報がランプスケジューラの空きチャンネルへと登録され、デバイスファンクションが実行された場合には、指定された駆動パターンのシナリオ情報がデバイススケジューラの空きチャンネルへと登録される。このように、実行されるファンクションの種類に応じて、各スケジューラにシナリオ情報(実行内容)が登録されることで、各スケジューラのシナリオの進行に応じて実行内容が処理されていく流れとなっている。
【0503】
演出シナリオスケジューラ実行処理(S2021)が終了すると、次にサウンドスケジューラ実行処理(S2022)を行う。
サウンドスケジューラ実行処理では、サウンドスケジューラ(図示せず)のシナリオタイマの更新が行われる。サウンドスケジューラは、複数の音声シナリオの実行をチャンネル毎に管理するものであり、シナリオタイマは、各音声シナリオの進行を管理するためのタイマとなっている。
【0504】
シナリオタイマは、本処理が実行される毎に1回(33.3msに1回)更新されるため、各音声シナリオは33.3ms周期で進行するように構成される。このように、シナリオタイマは1フレームの更新周期(33.3ms)に応じて更新するように構成されている。
【0505】
音声シナリオには、時系列順に規定された複数または単数の音声再生ファンクションが設定されている。サウンドスケジューラ実行処理(S2022)では、シナリオタイマの更新に応じて音声シナリオを進行させることで、時系列順に規定された音声再生ファンクションの内容に応じた処理を実行する。
【0506】
音声再生ファンクションには、指定されたサウンドデータを再生するための再生情報やフェード処理を実行するためのフェード情報などが含まれている。また、再生情報には、指定されたサウンドデータに対するループ再生の有無、出力遷移量、ステレオ再生/モノラル再生などの各種情報も含まれている。音声再生ファンクションが実行された場合には、指定された再生情報やフェード情報などが、音声再生チャンネルに登録される。音声再生チャンネルに登録された情報は、後述するサウンド更新処理(S2032)において処理され、登録された音声再生チャンネルの情報に基づいて、音声用IC531に対して音声再生を実現するための指示情報の送信処理が実行される。
【0507】
サウンドスケジューラ実行処理(S2022)が終了すると、次にランプスケジューラ実行処理(S2023)を行う。ランプスケジューラ実行処理では、ランプスケジューラ(図示せず)のシナリオタイマの更新が行われる。ランプスケジューラは、複数のランプシナリオの実行をチャンネル毎に管理するものであり、シナリオタイマは、各ランプシナリオの進行を管理するためのタイマとなっている。
【0508】
シナリオタイマは、本処理が実行される毎に1回(33.3msに1回)更新されるため、各ランプシナリオは33.3ms周期で進行するように構成される。このように、シナリオタイマは1フレームの更新周期(33.3ms)に応じて更新するように構成されている。
【0509】
ランプシナリオには、時系列順に規定された複数または単数のランプ駆動ファンクションが設定されている。ランプスケジューラ実行処理(S2023)では、シナリオタイマの更新に応じてランプシナリオを進行させることで、時系列順に規定されたランプ駆動ファンクションの内容に応じた処理を実行する。
【0510】
ランプ駆動ファンクションには、盤側または枠側に搭載された各LED63a、64aの点灯態様を決定するための点灯パターン情報が含まれている。点灯パターン情報には、例えば全てのLEDを消灯させる全消灯パターンや、特定のLEDを白色点滅させる点滅パターンや、特定のLEDを虹色で左右方向(または上下方向)に遷移するように点灯させるグラデーション点灯パターンなど、様々なパターンが含まれている。ランプ駆動ファンクションが実行された場合には、指定された点灯パターン情報が、ランプ再生チャンネルに登録される。ランプ再生チャンネルに登録された情報は、ランプデータ作成処理(S2012)において用いられ、登録されたランプ再生チャンネルの情報に基づいて、実際に各LED63a、64aを駆動するLEDドライバに対して送信するための点灯データが作成される。
【0511】
ランプスケジューラ実行処理(S2023)が終了すると、次にVブランク信号の判定処理(S2024)を行う。ここで、未だ2回目のVブランク信号が発生していないと判定された場合には、再びS2016に回帰する。一方、2回目のVブランク信号が発生していると判定された場合には、S2025へと移行する。本実施例においては、Vブランク信号の発生を2回判定(Vブランク信号は16.6ms毎に発生)した場合に、画像表示手段31のフレーム更新を実行するように構成しており、これにより、画像表示手段31のフレーム更新単位が33.3msとなるように設計されている。そのため、Vブランク信号の発生を2回判定するまでは、未だフレーム更新タイミング(33.3ms経過時)に達していないので、S2016に回帰して、フレーム処理経過時間が26ms以上経過するまで、S2017~S2019の処理を繰り返し実行するように構成されている。
【0512】
Vブランク信号の判定処理(S2024)において、2回目のVブランク信号が発生していると判定されると、フレームバッファの切替処理が実行される(S2025)。
【0513】
ここでは、描画領域用フレームバッファと読出領域用フレームバッファとを切り替えることで、表示回路が読み出すべき対象となるフレームバッファ(=読出領域用フレームバッファ)を変更する。これにより、画像表示手段31に表示される動画像データの内容が更新される。このように、フレームバッファの切替処理が1回の演出制御ループ処理(S2007~S2028)が実行される毎に行われるので、1回の演出制御ループ処理(S2007~S2028)の周期(33.3ms)に応じて、画像表示手段31のフレーム更新が行われることとなる。
【0514】
また、描画領域用フレームバッファには、前回の演出制御ループ処理(S2007~S2028)において、VDP回路541が完成させた画像データが格納されており、今回の演出制御ループ処理(S2007~S2028)で、描画領域用フレームバッファから読出領域用フレームバッファに切り替えられることで、画像データの内容が表示回路により画像表示手段31へと出力される。
【0515】
一方で、読出領域用フレームバッファは、描画領域用フレームバッファに切り替えられ、次に実行されるS2026にて、プリロード済みのディスプレイリストの内容に基づいた描画処理がVDP回路541により行われることとなる。ここで、VDP回路541により描画領域用フレームバッファに描画された画像データが、次回の演出制御ループ処理(S2007~S2028)にて、読出領域用フレームバッファに切り替えられることで、画像データの内容が表示回路により画像表示手段31へと出力される。
【0516】
以上のように、描画領域用フレームバッファと読出領域用フレームバッファとをトグル的に切り替えることで、ダブルバッファ構造による表示制御を実現している。
【0517】
フレームバッファの切替処理(S2025)が完了すると、次にプリロード済みのディスプレイリストに基づく描画が開始される(S2026)。
本実施例においては、プリロード機能を使用しているため、S2011で作成されたディスプレイリストは、S2013においてプリロード回路によりDRAMへと転送され、ディスプレイリストに記載された画像データの参照先を演出制御用ROM542(CGROM)からDRAM上のアドレスに書き換えた書換ディスプレイリストが構築されている。
【0518】
そのため、本処理においては、プリロード済みのディスプレイリストである書換ディスプレイリストが参照され、VDP回路541による描画領域用フレームバッファへの描画が実行される。なお、この描画動作に際して、VDP回路541は、演出制御用ROM542(CGROM)にアクセスすることなく、DRAM上の画像データの格納領域にアクセスするので、一連の描画動作を迅速に完了することが可能となっている。
【0519】
S2026にて、VDP回路541に描画指示を行うことで描画処理が開始された後、ランプデータ送信処理が行われる(S2027)。ここでは、S2012のランプデータ作成処理においてランプデータバッファに格納されたランプデータを、出力先である各LEDドライバへと送信するための処理を実行する。これにより、各LED63a、64aがランプデータの内容に基づく態様で駆動する。また、フレームバッファの切替処理(S2025)が実行された後、遅滞なく本処理が実行されるように設計されていることで、画像表示手段31のフレーム更新タイミングと、各LED63a、64aの駆動態様の変化タイミングとを可能な限り同期させることが可能となっている。これにより、より一体感のある画像演出とランプ演出を実行することができる。
【0520】
ランプデータ送信処理(S2027)が完了すると、最後に、フレーム更新フラグをOFF状態に設定し(S2028)、再びフレーム更新フラグの判定処理(S2007)へと回帰する。これにて、今回の演出制御ループ処理(S2007~S2028)が完了し、次回の演出制御ループ処理(S2007~S2028)が開始されることとなる。
【0521】
(演出制御タイマ割込み処理)
演出制御メイン処理のS2006にて、割込み許可状態に設定されると、以降、所定周期(1ms周期)毎に演出制御タイマ割込み処理(S2029~S2033)が発生する。そのため、演出制御ループ処理(S2007~S2028)の実行中に、割込みタイミングが到来すると、
図3-3に示す演出制御タイマ割込処理(S2029~S2033)が実行される。
【0522】
演出制御タイマ割込処理(S2029~S2033)が発生すると、まず、デバイススケジューラ更新処理(S2029)が行われる。デバイススケジューラ実行処理では、デバイススケジューラ(図示せず)のシナリオタイマの更新が行われる。デバイススケジューラは、複数のデバイスシナリオの実行をチャンネル毎に管理するものであり、シナリオタイマは、各音声シナリオの進行を管理するためのタイマとなっている。
【0523】
シナリオタイマは、本処理が実行される毎に1回(1msに1回)更新されるため、各デバイスシナリオは1ms周期で進行するように構成される。このように、シナリオタイマは演出制御タイマ割込み処理(S2029~S2033)の実行周期(1ms)に応じて更新するように構成されている。
【0524】
デバイスシナリオには、時系列順に規定された複数または単数のデバイス駆動ファンクションが設定されている。デバイススケジューラ実行処理(S2029)では、シナリオタイマの更新に応じてデバイスシナリオを進行させることで、時系列順に規定されたデバイス駆動ファンクションの内容に応じた処理を実行する。
【0525】
デバイス駆動ファンクションには、各種モータ(ブロアデバイス11a、中押しボタン可動物モータ14d、サイドユニット可動物モータ22c、盤側可動物モータ30など)の駆動態様を決定するための駆動パターン情報が含まれている。駆動パターン情報には、モータの回転角度を規定する出力クロックの出力パルス数情報や、加速制御を行うための加速レート情報、減速制御を行うための減速レート情報、開始終了速度情報、目標速度情報などの動作パラメータが含まれている。
【0526】
デバイス駆動ファンクションが実行された場合には、指定された駆動パターン情報が、可動パターン送信バッファへと格納される。可動パターン送信バッファに格納された駆動パターン情報は、後述するモータデータ送信処理(S2031)において、実際に各種モータ(ブロアデバイス11a、中押しボタン可動物モータ14d、サイドユニット可動物モータ22c、盤側可動物モータ30など)の駆動制御を行う可動物用IC530に対して送信される。
【0527】
デバイススケジューラ更新処理(S2029)が終了すると、次に、センサデータ更新処理(S2030)が行われる。ここでは、中押しボタン位置検出スイッチ14cのセンサ信号、サイドユニット位置検出スイッチ22dのセンサ信号、盤側可動物位置検出スイッチ77のセンサ信号を取得している。演出制御部540は、ここで取得したセンサ信号を記憶し、その後のデバイスシナリオの管理やモータ演出に活用する。但し、これら各センサ信号の情報は、可動物IC530が把握可能に構成されており、可動物IC530がセンサ信号の情報に応じたモータ演出を実現することが可能であるため、演出制御部31は特にセンサ信号を把握する必要はなく、本処理を省略することもできる。
【0528】
センサデータ更新処理(S2030)が終了すると、次にモータデータ送信処理(S2031)が行われる。ここでは、可動パターン送信バッファに格納された駆動パターン情報を可動物用IC530に対して送信する。
【0529】
可動物IC530が駆動パターン情報を受信すると、受信した内容に応じた各種モータ(ブロアデバイス11a、中押しボタン可動物モータ14d、サイドユニット可動物モータ22c、盤側可動物モータ30など)の駆動制御が実現される。このように、各種モータ(ブロアデバイス11a、中押しボタン可動物モータ14d、サイドユニット可動物モータ22c、盤側可動物モータ30など)の駆動制御に関しては、演出制御部540は指定の駆動パターン情報を可動物用IC530に対して送信すればよく、演出制御部540による直接的な駆動制御を必要としない。本実施例では、可動物IC530を活用することで、演出制御部540の制御負担を増加させることなく、各種モータ(ブロアデバイス11a、中押しボタン可動物モータ14d、サイドユニット可動物モータ22c、盤側可動物モータ30など)の駆動制御を実現している。
【0530】
モータデータ送信処理(S2031)が終了すると、次にサウンド更新処理(S2032)が行われる。ここでは、サウンドスケジューラ実行処理(S2022)において、音声再生チャンネルに登録された情報(再生情報、フェード情報など)に基づいて、音声用IC531に対して送信するための音声出力用データを作成する。音声用IC531は音声出力用データを受信すると、音声出力用データに基づいて、出力すべき音声データを音声用ROM532から取得し、所定の音量及び出力態様にて出力処理を行う。このように、音声用IC531を活用することで、演出制御部540の制御負担を増加させることなく、スピーカー19a、19b、19c、19dによる音声演出を実現している。
【0531】
ちなみに、フェード情報に基づくフェード処理に関しては、音声用IC531ではなく演出制御部31により実現しており、サウンド更新処理(S2032)では、音声再生チャンネルに登録されたフェード情報に基づいて、出力音量を段階的(1フレーム(33.3ms)毎)に変化させるフェード処理を実行し、決定した出力音量を段階的(1フレーム(33.3ms)毎)に、音声用IC531に対して音声出力用データとして送信することで、フェード処理を実現している。
【0532】
サウンド更新処理(S2032)が終了すると、最後にキー入力処理(S2033)が行われる。ここでは、中押しボタン検出スイッチ14bの入力信号、音量・光量ボタン検出スイッチ16c、16d、17c、17dの入力信号、タッチデバイス22bの入力信号、十字ボタン検出スイッチ49a、49b、49c、49dの入力信号を取得している。演出制御部540は、ここで取得した入力信号を記憶し、その後の演出シナリオの進行管理や、操作演出に活用する。具体的には、音量・光量調整が可能な期間において、音量・光量ボタン検出スイッチ16c、16d、17c、17dの入力信号を検出した場合には、音量・光量の設定情報を表示するための演出シナリオが設定される。また、中押しボタンの操作有効期間中に、中押しボタン検出スイッチ14bの入力信号を検出した場合には、中押しボタンの操作に伴う操作後演出を実行するための演出シナリオが設定される。
【0533】
次に、
図4-1ー1~
図4-1-7を用いて、本発明の特徴部分である安全装置を搭載した主制御部520の制御フロー(実施形態1ー1)について詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0534】
(安全装置)
本発明の遊技機1には、賞球数(≒払出遊技球数)とアウト数(≒発射遊技球数)の差数(≒遊技者の獲得遊技個数)が所定数となった場合、所定条件の成立(大当り遊技中又は小当り遊技中ではないこと、ラウンド遊技中ではないこと等)を条件に、それ以降の遊技(特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示、普通図柄変動表示、大当り遊技、小当り遊技など)を停止/中止させるための安全装置が搭載されている。
【0535】
この安全装置は主制御部520のプログラムにより実現されており、主制御部520が賞球数とアウト数の差数を計測し、賞球数がアウト数を所定数上回った(賞球過多)と判断した場合には、タイマ割込み処理(S1024~S1045)内の一部の遊技処理を実行しないように構成されることで、それ以降の遊技が行われない遊技停止状態に制御されることを特徴としている。遊技停止状態では、それ以降の遊技が一切行われないので、一度遊技停止状態となると、その後、賞球またはアウトが生じることはない。このように、安全装置を搭載した遊技機1においては、遊技機1の払出個数に一定の基準値を設けることで、払出個数が著しく大きくならないように遊技機1の遊技動作を制限する機能が設けられている。
【0536】
ここで、安全装置により計数対象となる賞球数とは、各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)に入賞した際に、賞球として払い出された遊技球の合計個数であり、アウト数とは、遊技領域8aに発射された遊技球がアウト口47や入賞口38、39、40、41、42、43、44、45を通過し、最終的に排出される際にアウトスイッチ47aにより検出された個数(≒遊技領域8aに発射された遊技球の個数)である。
【0537】
また、賞球数とアウト数の差数の計測結果は、主制御部520のRWM領域に設けられた差玉カウンタに記憶され、この差玉カウンタが所定値に到達したと判断した場合に、安全装置が発動(機能)し、遊技停止状態に制御される。この差玉カウンタは、遊技機1の電源投入時に必ず初期化されるように構成されている。これは、ホール営業における1日単位の差玉数を計測し管理し易くするためである(ホール営業においては開店時にのみ1度だけ電源投入が行われる)。
【0538】
(主制御システム処理_安全装置1)
図4-1-1は、安全装置を搭載した主制御部520により実行されるシステム処理(S1000~S1014の実行後)のフローチャートを示している。なお、S1015~S1016、S1017~S1023の処理については、前述した
図2-3に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0539】
図4-1-1のS1015~S1016の処理が終わると、次に、全レジスタをスタック領域に退避させるとともに、使用領域RWM領域を指定するための基準アドレスとなるテーブルポインタレジスタをスタック領域に退避させる(S1501~S1502)。その後、使用領域外プログラムに配置された領域外遊技開始設定処理(S1503)を呼び出して実行する。領域外遊技開始設定処理(S1503)の実行後には、テーブルポインタレジスタを復帰させるとともに、全レジスタを復帰させる(S1504~S1505)。
【0540】
ここまでの処理が完了すると、次にメインループ処理(S1017~S1023)へと移行する。
【0541】
(領域外遊技開始設定処理_安全装置1)
ここで、
図4-1-2を参照して、領域外遊技開始設定処理(S1503)について説明する。
図4-1-2では領域外遊技開始設定処理(S1503)のフローチャートを示している。領域外遊技開始設定処理(S1503)が呼び出されると、まず使用領域のスタックポインタを退避させるとともに、使用領域外のスタックポインタの設定を行う(S1506)。
【0542】
次に、差玉カウンタに初期値を設定する(S1507)。差玉カウンタは、主制御部520の領域外RWM領域に設けられており、差玉カウンタの初期化及び更新は使用領域外プログラムにおいて行われる。ここでは、差玉カウンタに、初期値(95000)が設定される。差玉カウンタは、遊技球が各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)へ入賞して賞球が生じた場合に、発生した賞球数に応じた値が減算される。また、遊技球がアウト口47や入賞口38、39、40、41、42、43、44、45を通過し、最終的に排出される際にアウトスイッチ47aにより検出された場合に、発生したアウト数に応じた値(1アウト=1個)が加算されるように構成されている。そのため、ここで差玉カウンタに設定された初期値(95000)に対して、賞球又はアウトが発生する度に、減算処理又は加算処理が行われていくこととなる。
【0543】
ここで、本実施例においては、差玉カウンタが所定値(0)に到達したと判定された場合に安全装置が発動するように構成されている。すなわち、賞球発生回数(減算数)がアウト発生回数(加算数)を上回り、減算処理が複数回繰り返された結果、差玉カウンタの値が所定値(0)に到達したと判定された場合に、安全装置の発生に関する各処理が実行されることとなる。
【0544】
ちなみに、差玉カウンタには初期値として「95000」が設定されるが、これは差玉カウンタにおける最大値ではない。そのため、アウトが頻発し加算処理が複数回繰り返された場合には、差玉カウンタの値は初期値(95000)を上回る値となる場合がある。すなわち、安全装置が発動するまでに遊技者が獲得可能な賞球数は、初期値(95000)に応じた95000発に限られるわけではなく、差玉カウンタの値が初期値(95000)を上回っている場合には、95000発以上の賞球数を獲得可能となるように構成されている。
【0545】
このように、本実施例においては差玉カウンタに設定する初期値は差玉カウンタにおける最大値ではない値を設定することとしているが、これに限らず、最大値を設定するように構成してもよい。これにより、遊技者は初期値として設定された値以上の賞球数を獲得することができないため、遊技者に対する払出個数の管理を容易に行うことが可能となる。例えば、初期値として最大値である所定値(95000)を設定した場合(95000を最大値として扱う場合)、差玉カウンタの値が最大値である所定値(95000)となっている間は、アウトが発生したとしても差玉カウンタの加算処理が実行されることはない。これにより、初期値として設定された所定値(95000)以上の賞球数が払い出されることがないように構成することができる。
【0546】
また、初期値として最大値である所定値(95000)を設定するか否かに限らず、差玉カウンタの値が予め定めた最大値(95000)となった場合には、アウトが発生したとしても差玉カウンタの加算処理が実行されないように構成してもよい。これにより、最大値として設定された所定値(95000)以上の賞球数が払い出されることがないように構成することができる。
【0547】
また、本実施例においては、差玉カウンタは、遊技機1の電源投入時に必ず初期化(初期値を設定)されるようにしているが、これに限らず、所定の条件を満たす場合にのみ差玉カウンタを初期化(初期値を設定)するように構成してもよい。例えば、差玉カウンタが所定の値(例えば、初期値として設定される95000)以下の値となっている場合のみ、電源投入時に差玉カウンタを初期化(初期値を設定)するように構成してもよい。また、差玉カウンタが所定値(0)に到達している場合のみ電源投入時に差玉カウンタを初期化(初期値を設定)するように構成してもよい。また、差玉カウンタが所定の値(例えば、初期値として設定される95000)以上の値となっている場合のみ、電源投入時に差玉カウンタを初期化(初期値を設定)するように構成してもよい。このように、差玉カウンタの初期化(初期値を設定)条件を設定することで、現在の差玉カウンタの値に応じて、安全装置が発動するまで(所定値(0)に達するまで)の基準値を設定することが可能となり、差玉数に応じて安全装置の発動条件を異ならせることができる。
【0548】
S1507の処理が終了すると、最後に、使用領域外のスタックポインタを復帰させて(S1508)、領域外遊技開始設定処理(S1503)を終了する。
【0549】
(タイマ割込み処理_安全装置1)
安全装置を搭載した主制御部520では、メインループ処理(S1017~S1023)の実行中に、割込みタイミングが到来すると、
図4-1-3に示すタイマ割込み処理(S1024~S1045、S1509~S1512)が実行される。なお、S1024~S1039、S1041~S1045の処理については、前述した
図2-4に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0550】
S1509では、遊技停止フラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する。その結果、ON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、安全装置作動管理処理(S1512)へと移行する。一方、ON状態であると判定された場合(=5AH)には、S1510の処理へと移行する。
【0551】
ここで、遊技停止フラグは、後述する安全装置作動管理処理(S1512)において、安全装置の作動条件(差玉カウンタが所定値に到達)を満たし、遊技停止状態に制御すると判断された場合にON状態(5AH)に設定される。そのため、S1509において、遊技停止フラグがON状態であると判定された場合(=5AH)には、遊技停止状態とするための必要処理(S1510~S1511)が実行されるとともに、タイマ割込み処理の一部の遊技処理(S1025~S1037、S1512)の実行が回避され、これにより遊技停止状態に制御されることとなる。
【0552】
遊技停止フラグは、一度ON状態に設定されると、その後、RWMクリア処理(S1011)を伴う電源投入処理が行われない限り、OFF状態に切り替わることがないように構成されている。遊技停止フラグは、主制御部520の領域内RWM領域に設けられており、RWMクリア処理(S1011)が実行されることで、使用領域内RWMのうち、設定値記憶領域を除くRWM領域の全てがクリアされることにより、遊技停止フラグもOFF状態に設定されるように構成されている。このように、遊技停止状態を解除するためには、RWMクリア処理(S1011)を伴う電源投入処理を行う必要があり、それ以外の方法で遊技停止状態を解除することができないように構成されている。ちなみに、安全装置の作動条件を満たした場合のみならず、特定のエラー(磁気エラー、電波エラー等)が発生したと判断した場合にも遊技停止状態に制御するように構成してもよく、この場合には、安全装置の作動条件を満たした場合に設定される遊技停止フラグと、特定のエラーが発生したと判断した場合に設定される遊技停止フラグとを、異なる遊技停止フラグを用いて管理するように構成することが望ましい。これにより、設定された遊技停止フラグの種類によって、異なる遊技停止状態(遊技停止画面の内容及び/又は遊技停止中の報知態様が異なる)に制御されるように構成することが可能となる。また、安全装置の作動条件を満たした場合に設定される遊技停止フラグについては、RWMクリア処理(S1011)を伴う電源投入処理が行われない限り、OFF状態に切り替わることがないように構成し、特定のエラーが発生したと判断した場合に設定される遊技停止フラグについては、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理が行われることで、OFF状態に切り替わるように構成してもよいし、どちらの遊技停止フラグについても、RWMクリア処理(S1011)を伴う電源投入処理が行われない限り、OFF状態に切り替わることがないように構成してもよい。ただし、これに限らず、共通の遊技停止フラグを用いて管理するように構成してもよく、この場合にはフラグの共通化によりデータ容量が削減されるとともに、遊技停止状態とするための必要処理(S1510~S1511)や一部の遊技処理(S1025~S1037、S1512)の実行回避など遊技停止時のプログラム処理が共通化され、プログラム容量を削減することができる。
【0553】
次に、S1510の処理について説明する。なお、本来の処理順では、安全装置作動管理処理(S1512)へと移行した後に、遊技停止フラグがON状態に設定されるため、S1510の処理が安全装置作動管理処理(S1512)に先行して行われることはないが、説明の手順上、先にS1510の処理について説明する。
【0554】
S1510では、主制御部520が駆動制御する各種ソレノイド(大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)の駆動信号及び、発射制御信号及び、演出制御部540にコマンドを送信する際に送信するストローブ信号を出力するためのソレノイドポートをクリアする。これにより、遊技停止状態に制御する場合には、駆動中、非駆動中かを問わずに、各種ソレノイド(大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)の駆動を停止させるとともに、発射停止制御を行う。なお、発射停止制御に関しては、安全装置作動管理処理(S1512)内の遊技停止処理(S1520)において、遊技停止フラグがON状態に設定される際に発射停止処理(S1527)を行っているため、ここでの発射停止制御は一見不要だが、遊技停止状態となった後、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合には、再び遊技停止状態とする必要があり、その際に発射停止制御を行うために必要な処理となっている。
【0555】
次に、S1511では、シリアル通信出力バッファに外部端子板60から出力するセキュリティ信号、図柄表示装置76及び性能表示LED521のコモンデータ(OFFデータ)、図柄表示装置76のLEDデータ(消灯データ)を格納する。ここでは、シリアル通信出力バッファに遊技停止状態に制御するために必要な各種出力情報を格納するのみで、実際の出力処理はS1044において行われるように構成されている。
【0556】
S1511において、シリアル通信出力バッファに格納される外部端子板60から出力するセキュリティ信号は、外部出力情報10のセキュリティ情報であり、これは遊技停止状態の他、所定のエラー発生時においても出力されるように構成されている。なお、S1511では、外部出力情報としてセキュリティ信号の出力情報を格納するとともに、その他の外部出力情報(外部出力情報1~9)をクリアするようにしている(非出力状態としている)。これにより、現在出力中の外部出力情報(外部出力情報1~9)があったとしても、遊技停止状態の開始とともにその出力が中止され、遊技停止状態中においては、セキュリティ信号(外部出力情報10)以外の外部出力情報は出力されないように構成されている。
【0557】
また、S1511において、シリアル通信出力バッファに格納される図柄表示装置76及び性能表示LED521のコモンデータは、いずれの表示対象も指定しないOFFデータ(00H)である。S1511では、さらに図柄表示装置76のLEDデータとして、図柄表示装置76を消灯させるための消灯データ(00H)をシリアル通信出力バッファに格納している。これにより、遊技停止状態においては図柄表示装置76及び性能表示LED521が消灯状態に制御されることとなる。ちなみに、ここでシリアル通信出力バッファに格納されるLEDデータは図柄表示装置76の消灯データ(00H)のみであり、性能表示LED521のLEDデータは、後述するタイマ割込み内領域外処理(S1040)のS1533において、同じく消灯データ(00H)がシリアル通信出力バッファに格納される。
【0558】
ちなみに、図柄表示装置76及び性能表示LED521のコモンデータとしてOFFデータを出力するようにしておけば、仮に図柄表示装置76及び性能表示LED521のLEDデータとして点灯データが出力されたとしても、図柄表示装置76及び性能表示LED521が点灯することない。同様に、図柄表示装置76及び性能表示LED521のLEDデータとして消灯データを出力するようにしておけば、図柄表示装置76及び性能表示LED521のコモンデータとして表示対象を指定するコモンデータが出力されたとしても、図柄表示装置76及び性能表示LED521が点灯することない。そのため、シリアル通信出力バッファにコモンデータとしてOFFデータを格納するか又はLEDデータとして消灯データを格納するかのいずれかを行うように構成してもよく、その場合には、遊技停止状態において図柄表示装置76及び性能表示LED521を消灯させるために必要なプログラム容量を削減することができる。
【0559】
また、遊技停止状態においては、図柄表示装置76及び性能表示LED521を消灯状態に制御することとしたが、これに限らず、所定の表示態様となるように制御してもよい。例えば、RWMエラー処理(S1008)と同様に、遊技停止状態であることを示す情報(「E」表示)を性能表示LED521に表示するように構成してもよい。また、現在の遊技停止状態が、RWMエラー処理(S1008)により生じたものなのか、安全装置の発動を契機として生じたものなのかを判断可能とするために、RWMエラー処理(S1008)とは異なる遊技停止状態であることを示す情報(例えば、「A」表示や「AE」表示など)を性能表示LED521に表示するように構成してもよい。また、性能表示LED521に限らず、図柄表示装置76に遊技停止状態であることを示す情報を表示するように構成してもよく、この場合、図柄表示装置76及び性能表示LED521の両方で遊技停止状態であることを示す情報を表示してもよいし、図柄表示装置76のみで遊技停止状態であることを示す情報を表示するようにしてもよい。また、図柄表示装置76及び性能表示LED521の両方で遊技停止状態であることを示す情報を表示する場合には、両者の表示は、異なる表示態様となるようにしてもよいし、共通の表示態様となるようにしてもよい。
【0560】
いずれにしても、遊技停止状態において、図柄表示装置76及び/又は性能表示LED521を所定の表示態様とする場合には、S1511において、図柄表示装置76及び性能表示LED521の表示対象を指定するコモンデータ及び図柄表示装置76の点灯データがシリアル通信出力バッファに格納され、後述するタイマ割込み内領域外処理(S1040)のS1533において、性能表示LED521の点灯データが出力バッファに格納されるように構成されることとなる。
【0561】
S1511の処理が終わると、次にS1038の処理へと移行する。このように、遊技停止フラグがON状態であると判定され、遊技停止状態に制御すると判断された場合には、一部の遊技処理(S1025~S1037、S1512)の実行が回避される。これにより、遊技停止状態では、以下のような状態に制御されることとなる。
【0562】
タイマ管理処理(S1025)が回避されることで、遊技処理に用いる各種タイマ(普図普電タイマ、特図特電タイマ、不正情報タイマ、磁気エラー報知タイマ、電波エラー報知タイマ、入賞口エラー報知タイマ、普電入賞有効タイマ、大入賞口入賞有効タイマ、動作確認表示タイマなど)の更新が中止される。ちなみに、前述した各種タイマの全ての更新を中止させてもよいし、一部のタイマの更新を中止させるようにしてもよい。例えば、普図普電タイマ、特図特電タイマ、普電入賞有効タイマ、大入賞口入賞有効タイマ、動作確認表示タイマの更新を中止し、不正情報タイマ、磁気エラー報知タイマ、電波エラー報知タイマ、入賞口エラー報知タイマなどのエラー報知に関するタイマの更新は継続させる(中止しない)ように構成してもよい。
【0563】
さらに、入力管理処理(S1026)が回避されることで、スイッチ類(特別図柄1始動口スイッチ38a、特別図柄2始動口スイッチ39a、入賞口スイッチ40a、42a、43a、大入賞口スイッチ44a、45a、右ゲートスイッチ46a、アウトスイッチ47a等)の入力情報の有無にかかわらず、入力データの作成が一切行われない。
【0564】
さらに、乱数回路処理(S1027)が回避されることで、乱数回路の異常確認が行われない。また、遊技停止状態中であっても、各乱数回路(8ビット固定長乱数回路、16ビット固定長乱数回路、8ビット可変長乱数回路、16ビット可変長乱数回路)は停止させず、大当り判定用乱数、当り判定用乱数、特別図柄用乱数、普通図柄用乱数、特別図柄用変動パターン乱数、普通図柄用変動パターン乱数の更新は行うように構成している。これは、各乱数回路(8ビット固定長乱数回路、16ビット固定長乱数回路、8ビット可変長乱数回路、16ビット可変長乱数回路)を停止させてしまうことで、固定化された乱数値を狙って大当りを誘発するようなゴトを防止するためである。ただし、遊技停止状態中であっても、各乱数回路(8ビット固定長乱数回路、16ビット固定長乱数回路、8ビット可変長乱数回路、16ビット可変長乱数回路)を停止させるように構成してもよい。
【0565】
さらに、賞球管理処理(S1028)が回避されることで、入賞の有無にかかわらず、払出制御部510に賞球数を指定する払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)の送信が行われない(既に払出制御部510に対して送信済みの払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)に基づく遊技球の払い出しに関しては、遊技停止状態中であっても払出制御部510により実行される)。ただし、遊技停止状態に制御する場合であっても、入賞カウンタの情報を参照し、入賞カウンタが0になるまでは、払出制御部510に賞球数を指定する払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)の送信を行うようにしてもよい。このように構成することで、遊技停止状態に制御する前に生じた入賞にかかる賞球処理を完遂させることが可能となる。また、この場合は、遊技停止状態に制御する最初のタイマ割込み処理においてのみ、入賞カウンタの情報を参照し、入賞カウンタが0になるまで払出制御部510に賞球数を指定する払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)の送信を行うようにしてもよいし、遊技停止状態中に繰り返し循環されるタイマ割込み処理において、一回の割込み毎に入賞カウンタの情報を参照し、入賞カウンタが0になるまで払出制御部510に賞球数を指定する払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)の送信を行うようにしてもよいし、遊技停止状態中であっても賞球管理処理(S1028)は実行するように構成してもよい。ただし、いずれの場合であっても入賞カウンタが0になった場合には、それ以降入賞カウンタの情報を参照せずに、払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)の送信も行わないように構成することが望ましい。一方で、入賞カウンタが0になった場合であっても、入賞カウンタの情報を参照して、払出制御部510に賞球数を指定する払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)の送信を行うように構成してもよいが、いずれにしても遊技停止状態中においては、入賞判定がなされることはないので、入賞カウンタの情報が更新される(入賞カウンタの値が1以上となる)ことはない。
【0566】
さらに、普通図柄管理処理(S1029)が回避されることで、右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)への入球監視、普通図柄保留記憶情報の更新、当り抽選処理、普通図柄抽選処理、普通図柄変動パターン抽選処理、普通図柄変動表示の開始処理及び停止処理が一切行われない。これにより、遊技停止状態中は、新たな普通図柄保留記憶や、新たな普通図柄変動表示が実行されることはない。また、既に記憶済みの普通図柄保留記憶に基づく普通図柄変動表示が実行されることもない。また、図柄表示装置76を用いた普通図柄変動表示や普通図柄記憶表示については、S1511の処理に基づき、図柄表示装置76が消灯状態に制御されるため、強制的に中止/中断されることとなる。
【0567】
さらに、普通電動役物管理処理(S1030)が回避されることで、特別図柄2始動口39の可動片39bの開閉動作などの電チューサポートの実行に必要な処理が一切行われない。これにより、遊技停止状態中は、新たな電チューサポートが実行されることはない。
【0568】
さらに、特別図柄管理処理(S1031)が回避されることで、特別図柄1始動口スイッチ38a及び特別図柄2始動口スイッチ39aへの入球監視、特別図柄保留記憶情報の更新、先読み予告の実行判定、大当り抽選処理、特別図柄抽選処理、特別図柄変動パターン抽選処理、特別図柄変動表示の開始処理及び停止処理、遊技状態の移行に関する設定処理が一切行われない。これにより、遊技停止状態中は、新たな特別図柄保留記憶や、新たな特別図柄変動表示が実行されることはない。また、既に記憶済みの特別図柄保留記憶に基づく特別図柄変動表示が実行されることもない。また、図柄表示装置76を用いた特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示や特別図柄1記憶表示、特別図柄2記憶表示については、S1511の処理に基づき、図柄表示装置76が消灯状態に制御されるため、強制的に中止/中断されることとなる。
【0569】
さらに、特別電動役物管理処理(S1032)が回避されることで、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)に関する実行処理や大当り遊技後の遊技状態の設定処理が一切行われない。これにより、遊技停止状態中は、新たな当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)が開始されることはない。また、本実施例においては、当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の実行中に、差玉カウンタが所定数(基準値)に到達し、安全装置が発動(機能)した場合には、実行中の当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)の終了後に、遊技停止状態に制御するように構成されている。そのため、実行中の当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)が遊技停止状態に制御されることによって中止/中断されることはない。
【0570】
さらに、エラー管理処理(S1033)が回避されることで、各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づき、遊技動作にエラー(異常)が生じたかを監視する監視処理を行われず、演出制御部540にエラーの種別を特定可能なエラーコマンドの送信が行われることがない。これにより、遊技停止状態中は、各種センサ(磁気センサ73、電波センサ74、振動センサ75)やスイッチ類(球計数スイッチ23c、補給切れ検出スイッチ23d、発射停止スイッチ34、枠開放スイッチ35、球詰まり検出スイッチ36)の検出情報に基づく、エラー報知が行われることがない。また、エラー報知の実行中に遊技停止状態に制御すると判断された場合には、。実行中のエラー報知は、強制的に中止/中断されることとなる。ただし、これに限らず、実行中のエラー報知については、所定時間実行を継続するようにしてもよい。また、エラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するようにしてもよい。さらに、エラー報知の内容に応じて、中止/中断するエラー報知と、所定時間又はエラーの発生要因が解消するまでエラー報知を実行するものとで異ならせるようにしてもよい。
【0571】
遊技情報報知管理処理(S1034)が回避されることで、右打ち表示用LED76gの点灯/消灯処理が一切行われない。また、S1511の処理に基づき、図柄表示装置76が消灯状態に制御されるため、遊技停止状態中は常に右打ち表示用LED76gが消灯状態に制御される。また、右打ち表示用LED76gの点灯中に遊技停止状態に制御される場合には、右打ち表示用LED76gの点灯が強制的に中止/中断されることとなる。
【0572】
外部端子管理処理(S1035)が回避されることで、外部出力情報に関する外端信号をホールコンピュータへと送信する処理が行われない。これにより、遊技停止状態では、新たに外部出力情報に関する外端信号がホールコンピュータへと送信されることがない。また、S1511の処理に基づき、セキュリティ信号以外の外部出力情報(外部出力情報1~9)がクリアされる(非出力状態となる)ため、現在出力中の外部出力情報(外部出力情報1~9)があったとしても、遊技停止状態の開始とともにその出力が中止される。ただし、遊技停止状態の開始時に、既に所定のエラーが発生しており、セキュリティ信号が出力中の場合には、このセキュリティ信号については、遊技停止状態となっても継続して出力される。ただし、遊技停止状態の開始時に一旦セキュリティ信号の出力を停止させた後、再びセキュリティ信号の出力を開始するように構成してもよい。
【0573】
さらに、ソレノイド管理処理(S1036)が回避されることで、駆動源(大入賞口開閉ソレノイド70、71、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72)に対して駆動信号(励磁信号)の出力処理が一切行われない。これにより、遊技停止状態中は、特別図柄2始動口39の可動片39bや大入賞口44、45の開閉板44b、45bの開閉動作が行われないように構成されている。また、特別図柄2始動口39の可動片39bや大入賞口44、45の開閉板44b、45bの開閉動作の実行中に、遊技停止状態の制御が開始される場合には、S1510において、ソレノイドポートがクリアされることで、その時点で、特別図柄2始動口39の可動片39bや大入賞口44、45の開閉板44b、45bの開閉動作が強制的に中止/中断されることとなる。
【0574】
さらに、LED管理処理(S1037)が回避されることで、ダイナミック点灯制御の点灯周期を管理するポート出力カウンタの更新処理や、図柄表示装置76及び性能表示LED521へと制御信号(コモンデータ、点灯データ)の出力処理が一切行われない。これにより、遊技停止状態中は、S1511の処理に基づき、図柄表示装置76及び性能表示LED521が消灯状態に制御され、その消灯状態を維持する(点灯状態に更新されない)ように構成されている。ただし、遊技停止状態中に、図柄表示装置76及び/又は性能表示LED521を、所定の表示態様となるように制御する場合には、ダイナミック点灯制御の点灯周期を管理するポート出力カウンタの更新処理を実行するように構成することが望ましい。
【0575】
このように遊技停止状態では、一部の遊技処理(S1025~S1037、S1512)の実行が回避されることで、遊技を実行する上で根幹となる基本的な処理が強制的に中止/中断される。そして、その後の遊技停止状態では一部の遊技処理(S1025~S1037、S1512)を通じて実行される遊技に関する新たな事象が生起されることがないように構成されている。
【0576】
続いて、タイマ割込み内領域外処理(S1040)について説明する。なお、前述した通りS1038~S1039、S1041~S1045の処理については、
図2-4に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0577】
(タイマ割込み内領域外処理_安全装置1)
安全装置を搭載した主制御部では、
図4-1-4のフローチャートに示すタイマ割込み内領域外処理(S1040)が実行される。
図4-1-4のタイマ割込み内領域外処理(S1040)は、
図4-1-3に示すタイマ割込み処理(S1024~S1045、S1509~S1512)の実行中に呼び出されて実行される。なお、S1050~S1055の処理については、前述した
図2-5に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0578】
S1532では、遊技停止フラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する。その結果、ON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、使用領域外LED更新処理(S1052)へと移行する。一方、ON状態であると判定された場合(=5AH)には、S1533の処理へと移行する。このように、S1532では、遊技停止フラグを参照し、遊技停止状態に制御されているか否かに応じて、性能表示LED521に表示する表示内容を切り替えるようにしている。
【0579】
S1532において、遊技停止フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、使用領域外LED更新処理(S1052)へと移行するが、使用領域外LED更新処理(S1052)による内容は、前述した
図2-5に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛し、ここでは、ON状態であると判定された場合(=5AH)、すなわち遊技停止状態に制御されている場合に行われるS1533の処理について説明する。
【0580】
S1533では、シリアル通信出力バッファに性能表示LED521を消灯させるための消灯データ(00H)を格納する。ここで格納された消灯データ(00H)はタイマ割込み処理内のS1044において出力される。これにより、遊技停止状態においては性能表示LED521が消灯状態に制御されるように構成されている。また、遊技停止状態が開始される際に、性能表示LED521が点灯状態に制御されていたとしても、ここで、シリアル通信出力バッファに消灯データ(00H)が格納され、性能表示LED521が消灯状態に制御されることで、点灯中の表示内容が強制的に中止/中断されることとなる。ただし、遊技停止状態中に、性能表示LED521を所定の表示態様となるように制御する場合には、ここで所定の表示態様に対応する点灯データがシリアル通信出力バッファに格納されることとなる。
【0581】
次に、S1534について説明する。S1534では、遊技停止フラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する。その結果、ON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、領域外スイッチ更新処理(S1535)へと移行する。一方、ON状態であると判定された場合(=5AH)には、領域外スイッチ更新処理(S1535)が回避されるように構成されている。このように、S1534では、遊技停止フラグを参照し、遊技停止状態に制御されているか否かに応じて、領域外スイッチ更新処理(S1535)を実行するか否かを決定するように構成されている。
【0582】
S1534において、遊技停止フラグがON状態ではないと判定された場合に実行される領域外スイッチ更新処理(S1535)では、性能表示LED521に表示するベース値を算出するための情報である各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)の各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aの入力情報及び、アウトスイッチ47aの入力情報の更新処理を行っている。
【0583】
領域外スイッチ更新処理(S1535)では、使用領域内プログラムであるタイマ割込み処理内の入力管理処理(S1026)で作成され、使用領域内RWMに記憶されている各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を参照し、これに基づいて、領域外プログラムで使用するための各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を作成している。これにより、使用領域内RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)と同様のスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)が使用領域外RWMにも記憶されることとなる。また、これに加えて、アウトスイッチ47aの入力情報に基づいて、スイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)も作成し、使用領域外RWMにも記憶している。アウトスイッチ47aに関しては、便宜上、アウトスイッチ47aの入力情報を参照しているが、各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)と同様に、使用領域内RWMに記憶されているアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を参照するようにしてもよい。
【0584】
そして、領域外スイッチ更新処理(S1535)で作成されて使用領域外RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45a及びアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)に基づいて、性能表示LED集計除算処理(S1048)において、各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aに入賞があったか否かが判定されるとともに、アウトスイッチ47aに入球があったか否かが判定される。
【0585】
ここで、S1534において、遊技停止フラグがON状態(5AH)であると判定された場合(=5AH)には、領域外スイッチ更新処理(S1535)が回避されることになると説明したが、これは、遊技停止状態中は性能表示LED521に表示するベース値の更新を行わないことを意味している。すなわち、領域外スイッチ更新処理(S1535)が回避されることで、各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45a及びアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)が作成されないようになるので、実際にベース値の計数処理を行う性能表示LED集計除算処理(S1048)では、各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aへの入賞及び、アウトスイッチ47aに入球があったと判定することがなくなる。そのため、遊技停止状態となった場合には、ベース値の更新が行われることがなく、遊技停止状態開始時のベース値を維持したままとなる。
【0586】
このように、遊技停止状態中はベース値の更新が行われないが、遊技停止状態中であってもメインループ処理及びタイマ割込み処理は循環的に実行され、その中で
図4-1-4に示すメインループ内領域外処理(S1020)やタイマ割込み内領域外処理(S1040)は実行される。そのため、性能表示LED集計除算処理(S1048)や性能表示LED表示内容更新処理(S1051)などのベース値の表示内容に関する処理は内部的に実行されることとなる。しかしながら、遊技停止状態では、前述したように性能表示LED集計除算処理(S1048)ではベース値の更新が行われないような工夫がなされている。
【0587】
さらに、性能表示LED表示内容更新処理(S1051)においては、動作確認表示に応じた点灯パターンや識別比率バッファの値(ベース値)に応じた点灯パターン、ベース値の種別を示す識別セグの表示内容(「bL.」「b1.」「b2.」「b3.」)に応じた点灯パターンが夫々選択され、選択した点灯パターンが性能表示出力用バッファに格納されることになるが、遊技停止状態では、その後、使用領域外LED更新処理(S1052)が回避されるので、ここで性能表示出力用バッファに格納した情報が、シリアル通信出力バッファに格納されることはない。そのため、性能表示出力用バッファに格納した情報が性能表示LED521に対して出力されることはない。このように、遊技停止状態では、性能表示LED表示内容更新処理(S1051)を実行したとしても、性能表示LED521が消灯状態を維持するような工夫がなされている。
【0588】
このような制御内容とすることで、遊技停止状態とそれ以外の状態とで、可能な限り制御プログラムを共通化させることが可能となっており、不要な分岐プログラム等でプログラム容量を圧迫しないような設計がなされている。また、遊技停止状態開始時のベース値が維持されることで、遊技停止状態が解除された後、引き続き正常な状態でのベース値の計数を行うことができるようになっている。
【0589】
また、遊技停止状態中に、性能表示LED表示内容更新処理(S1051)が実行されることで、複数種類のベース値(リアルタイムベース値、第1累積ベース値、第2累積ベース値、第3累積ベース値)を所定順序で循環的に切り替える処理は継続的に行われるため、遊技停止状態が解除された後、本来表示されるべきベース値から表示を再開することができるようになっている。
【0590】
また、性能表示LED521が全点灯と全点滅を所定時間(約5秒間)繰り返す動作確認表示(全点滅)を行っている際に、遊技停止状態となった場合には、所定時間(約5秒間)が経過しても動作確認表示が終了したと判定されることがなく、複数種類のベース値(リアルタイムベース値、第1累積ベース値、第2累積ベース値、第3累積ベース値)を所定順序で循環的に切り替える処理には移行しないように構成されている。これにより、遊技停止状態が解除された後、本来表示されるべきベース値から表示を再開することができるようになっている。ちなみに、動作確認表示は、動作確認表示タイマの値が所定値(0)となるまで、全点灯表示パターンと全消灯表示パターンとを所定時間毎に切り替えて実行されるが、動作確認表示タイマは、タイマ割込み処理内のタイマ管理処理(S1025)において更新されており、遊技停止状態ではタイマ管理処理(S1025)が回避されるので、動作確認表示タイマの値が所定値(0)となることがない。これにより、複数種類のベース値(リアルタイムベース値、第1累積ベース値、第2累積ベース値、第3累積ベース値)を所定順序で循環的に切り替える処理への移行が制限されるように構成されている。ちなみに、遊技停止状態となった際に、性能表示LED521による動作確認表示が行われている場合には、実行中の動作確認表示については、その時点で中断/中止(性能表示LED521を非表示にする)してもよいし、動作確認表示を継続させるように構成してもよい。
【0591】
また、遊技停止状態後に、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合には、再び遊技停止状態に制御されることとなるが、この際、主制御システム処理内の遊技開始設定(S1016)において、動作確認表示タイマの設定(5秒)が行われるように構成されている。そのため、再度遊技停止状態となった状態での性能表示LED表示内容更新処理(S1051)では、所定時間(約5秒間)が経過しても動作確認表示が終了したと判定されることがなく、複数種類のベース値(リアルタイムベース値、第1累積ベース値、第2累積ベース値、第3累積ベース値)を所定順序で循環的に切り替える処理には移行しないように構成されている。これにより、遊技停止状態が解除された後、本来表示されるべきベース値から表示を再開することができるようになっている。ちなみに、電源投入時に再び遊技停止状態に制御された場合には、性能表示LED521による動作確認表示を実行してもよいし、非実行となるように構成してもよい。
【0592】
また、動作確認表示において、全点灯表示パターンと全消灯表示パターンとを所定時間毎に切り替えたり、必要に応じてベース値(リアルタイムベース値、第1累積ベース値、第2累積ベース値、第3累積ベース値)を点滅させる際に使用する点滅タイマ(点滅の切り替え時間を計測)については、性能表示LED表示内容更新処理(S1051)において更新処理が行われているため、遊技停止状態においても、この点滅タイマの更新は行われる。これにより、遊技停止状態が解除された後、本来表示されるべき表示態様で表示を再開することができるようになっている。
【0593】
タイマ割込み内領域外処理(S1040)を終えると、再び
図4-1-3に示すタイマ割込み処理へと回帰し、続いてS1041~S1045の処理が行われる。S1041~S1045の処理が終了すると、タイマ割込み処理が終了し、メインループ処理(S1017~S1023)が実行される。このように、遊技停止状態では、メインループ処理(S1017~S1023)と
図4-1-3に示すタイマ割込み処理(S1024~S1045、S1509~S1512)が循環的に実行され、この際実行されるタイマ割込み処理においては、一部の遊技処理(S1025~S1037、S1512)が回避されるように構成されている。
【0594】
(メインループ内領域外処理_安全装置1)
安全装置を搭載した主制御部520では、
図4-1-4のフローチャートに示すメインループ内領域外処理(S1020)が実行される。
図4-1-4のメインループ内領域外処理(S1020)は、
図4-1-1に示すメインループ処理(S1017~S1023)の実行中に呼び出されて実行される。なお、S1046~S1049の処理については、前述した
図2-5に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0595】
図4-1-4に示すメインループ内領域外処理(S1020)では、安全装置の発動のトリガーとなる差玉カウンタの計数処理を行うための安全装置計数処理(S1528)が行われる。
【0596】
(安全装置計数処理_安全装置1)
図4-1-5は、安全装置計数処理(S1528)のフローチャートを示している。安全装置計数処理(S1528)が実行されると、まずS1529において、遊技停止フラグがON状態(5AH)であるか否かの判定が行われる。その結果、ON状態であると判定された場合(=5AH)には安全装置計数処理(S1528)を終了する。一方、遊技停止フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、S1530の処理へと移行する。
【0597】
安全装置計数処理(S1528)において、差玉カウンタの計数処理は後述するS1531で行われるが、遊技停止フラグがON状態(5AH)であると判定された場合には、S1531の処理が実行されない。すなわち、遊技停止フラグがON状態(5AH)となる遊技停止状態においては、差玉カウンタの計数処理が実行されないように構成されている。これは、遊技停止状態においては、既に差玉カウンタの値が所定値(0)に到達しているため、これ以上の計数処理は不要であるためである。また、差玉カウンタの計数処理を実行してしまうと、一度差玉カウンタの値が所定値(0)に到達したにもかかわらず、所定値(0)以上の値に更新されてしまう恐れがあるため、これらの点を考慮して、S1531の処理を実行しないようにしている。
【0598】
しかしながら、遊技停止状態(遊技停止フラグがON状態(5AH))であっても、差玉カウンタの計数処理を実行するように構成してもよい。この場合には、遊技停止状態で差玉カウンタの計数処理が行われるが、計数処理の結果、差玉カウンタの値が所定値(0)以上の値に更新されたとしても、遊技停止状態を継続(遊技停止フラグのON状態を継続)するように構成することが望ましい。このように構成すれば、仮に遊技停止状態でS1531の処理を実行したとしても、遊技停止状態が解除されてしまうことはない。
【0599】
S1529において、遊技停止フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)にはS1530へと移行する。S1530では、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であるか否かの判定が行われる。その結果、ON状態であると判定された場合(=5AH)には、安全装置計数処理(S1528)を終了する。一方、安全装置作動フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、S1531の処理へと移行する。
【0600】
ここで、S1530において判定対象となっている安全装置作動フラグは、後述する安全装置作動管理処理(S1512)において、安全装置の作動条件(差玉カウンタが所定値「0」(=第2基準値)に到達)を満たした場合にON状態(5AH)に設定される。ちなみに、遊技停止フラグは、安全装置作動フラグがON状態に設定されていることを条件としてON状態に設定するか否かの判定がなされるように構成されている。すなわち、安全装置作動フラグは遊技停止フラグに先立って設定されるフラグとなっている。
【0601】
前述した通り、安全装置計数処理(S1528)において、差玉カウンタの計数処理は後述するS1531で行われるが、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であると判定された場合には、S1531の処理が実行されない。すなわち、安全装置作動フラグがON状態(5AH)となっている状態においては、差玉カウンタの計数処理が実行されないように構成されている。これは、安全装置作動フラグがON状態となっている状態においては、既に差玉カウンタの値が所定値(0)に到達しているため、これ以上の計数処理は不要であるためである。また、差玉カウンタの計数処理を実行してしまうと、一度差玉カウンタの値が所定値(0)に到達したにもかかわらず、所定値(0)以上の値に更新されてしまう恐れがあるため、これらの点を考慮して、S1531の処理を実行しないようにしている。
【0602】
続いて、S1530において安全装置作動フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)に移行する差玉カウンタ計数処理(S1531)について説明する。
【0603】
差玉カウンタ計数処理(S1531)では、賞球が発生したと判定された場合に差玉カウンタから賞球数に応じた値を減算するための減算処理が行われ、アウトが発生したと判定された場合に差玉カウンタからアウト数に応じた値を加算するための加算処理が行われる。
【0604】
具体的には、賞球が発生したか否かについては、使用領域内RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を参照し、スイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)が存在する場合には、各入賞スイッチに対応する賞球数を差玉カウンタから減算する。また、アウトが発生したか否かについては、使用領域内RWMに記憶されたアウトスイッチ47aを参照し、スイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)が存在する場合には、アウト球数を差玉カウンタに加算する。ちなみに、使用領域内RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45a及びアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)は、使用領域内プログラムであるタイマ割込み処理内の入力管理処理(S1026)で作成される。
【0605】
このようにして、差玉カウンタ計数処理(S1531)では、発生した賞球数及びアウト数に応じて差玉カウンタの値を更新するように構成されている。しかしながら、これに限らず、使用領域外RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45a及びアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を参照して、減算処理及び加算処理を行うように構成してもよい。ちなみに、使用領域外RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45a及びアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)は、使用領域外プログラムである領域外スイッチ更新処理(S1535)で作成される。
【0606】
いずれにしても、差玉カウンタ計数処理(S1531)における差玉カウンタの加算処理及び減算処理に関して、入力管理処理(S1026)又は領域外スイッチ更新処理(S1535)で作成された各スイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)の情報を参照するようにすれば、新たにスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)の作成を行う必要がないので、プログラム容量を削減することが可能となる。また、共通の各スイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を使用することで、実際に遊技者に払い出される賞球数や、性能表示LED521のベース値に計数される賞球数やアウト数との間で誤差が生じにくい設計とすることができる。
【0607】
しかしながら、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であっても、差玉カウンタの計数処理を実行するように構成してもよい。この場合には、安全装置作動フラグがON状態で差玉カウンタの計数処理が行われるが、計数処理の結果、差玉カウンタの値が所定値(0)以上の値に更新されたとしても、安全装置作動フラグをON状態(5AH)のまま継続させておくように構成することが望ましい。このように構成すれば、仮に安全装置作動フラグがON状態でS1531の処理を実行したとしても、安全装置作動フラグがON状態からOFF状態に変化する恐れはない。
【0608】
ちなみに、後述する安全装置作動管理処理(S1512)において、安全装置の作動条件(差玉カウンタが所定値「0」(=第2基準値)に到達)を満たし、安全装置作動フラグがON状態に設定されたとしても、大当り遊技中(又は小当り遊技中)の場合には、遊技停止状態に制御しない(遊技停止フラグをON状態に設定しない)ように構成されている。そのため、大当り遊技中(又は小当り遊技中)に、安全装置の作動条件(差玉カウンタが所定値「0」(=第2基準値)に到達)を満たした場合には、大当り遊技(又は小当り遊技)が終了した後に、遊技停止状態に制御される(遊技停止フラグがON状態に設定される)ように構成されている。これは、大当り遊技中(又は小当り遊技中)に遊技停止状態に制御されてしまうことで、大当り遊技(小当り遊技)が中止/中断されてしまい、遊技者が本来獲得可能であった利益を獲得できなくなるといった不利益を被ることを防止するためである。
【0609】
このような点に配慮した結果、大当り遊技中(又は小当り遊技中)においては、安全装置作動フラグがON状態に設定されているが、遊技停止フラグはOFF状態であるという状況が生じ得るので、S1530においては、先のS1529において遊技停止フラグはON状態ではないと判定された場合であっても、安全装置作動フラグがON状態であるか否かを判定するように構成されている。
【0610】
ただし、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であっても、遊技停止状態に制御する(遊技停止フラグをON状態に設定する)ように構成してもよい。例えば、ラウンド遊技の実行中に、安全装置の作動条件(差玉カウンタが所定値「0」(=第2基準値)に到達)を満たした場合には、実行中のラウンド遊技が終了した時点で、遊技停止状態に制御する(遊技停止フラグがON状態に設定する)ように構成することが望ましい。このように構成すれば、遊技者は少なくとも実行中のラウンド遊技で獲得可能な利益を獲得することができるとともに、大当り終了(又は小当り終了)を待たずして、即座に遊技停止状態へと移行させることが可能となる。
【0611】
差玉カウンタ計数処理(S1531)を終えると、安全装置計数処理(S1528)を終了し、再び
図4-1-4のフローチャートに示すメインループ内領域外処理(S1020)に回帰する。その後、S1048~S1049の処理を実行し、メインループ内領域外処理(S1020)を終了するが、S1048~S1049の処理については、前述した
図2-5に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0612】
(安全装置作動管理処理_安全装置1)
続いて、
図4-1-3に示すタイマ割込み処理(S1024~S1045、S1509~S1512)において実行される安全装置作動管理処理(S1512)について説明する。安全装置作動管理処理(S1512)は、S1509において、遊技停止フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)に実行される。すなわち、安全装置作動管理処理(S1512)は、遊技停止状態ではない場合(遊技停止フラグがOFF状態)に実行される処理となっており、この安全装置作動管理処理(S1512)において、遊技停止状態に制御するか否かの判定処理などが行われる。
【0613】
図4-1-6は、安全装置作動管理処理(S1512)のフローチャートを示している。安全装置作動管理処理(S1512)が実行されると、まず、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であるか否かの判定が行われる(S1513)。その結果、安全装置作動フラグがON状態であると判定された場合(=5AH)には、S1519の処理へと移行する。一方、安全装置作動フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、S1514の処理へと移行する。
【0614】
安全装置作動フラグは、S1514の処理において差玉カウンタが第2基準値(所定値「0」)に到達していると判定された場合にON状態に設定される(S1521)。安全装置作動フラグがON状態に設定されると、安全装置が作動することを警告するための安全装置作動警告コマンドが演出制御部540に送信される(S1522)。
【0615】
演出制御部540は、安全装置作動警告コマンドを受信すると、画像表示手段に安全装置が作動する旨を伝えるための報知画像(報知メッセージ)を表示する。これにより、遊技者に対して、安全装置が作動することを報知可能となっている。また、画像表示手段31のみならず、ランプ63a、64a、スピーカー19a、19b、19c、19dなどを使用して安全装置が作動することを報知する報知演出を実行するようにしてもよい。また、画像表示手段31、ランプ63a、64a、スピーカー19a、19b、19c、19dの全部又は複数種類の組み合わせ又はいずれか1つを使用して、安全装置が作動する旨の報知演出を実行するようにしてもよい。また、安全装置が作動する旨の報知画像や報知演出は、遊技停止状態となるまでは継続して実行されることが望ましい。また、遊技停止状態となった後も継続して実行するようにしてもよい。
【0616】
S1522の処理が終わると、安全装置作動管理処理(S1512)を終了する。ちなみに、差玉カウンタが第2基準値(所定値「0」)に到達していると判定された場合には、後述するS1518の処理を実行しないように構成されているが、これは差玉カウンタが第2基準値(所定値「0」)に到達し、安全装置作動フラグがON状態に設定されると、以降の安全装置作動管理処理(S1512)において、差玉記憶バッファを使用(参照)することがないためである。そのため、S1518の処理を回避することで不要な処理の実行を削減している。
【0617】
一方、S1514の処理において差玉カウンタが第2基準値(所定値「0」)に到達していないと判定された場合には、差玉カウンタが第1基準値(所定値「10000」)以下か否かの判定が行われる(S1515)。ここで、差玉カウンタが第1基準値(所定値「10000」)以下ではないと判定された場合には、使用領域内RWMに設けられた差玉記憶バッファに差玉カウンタの値が格納される(S1518)。S1518の処理が終わると、安全装置作動管理処理(S1512)を終了する。
【0618】
一方、S1515の処理において、差玉カウンタが第1基準値(所定値「10000」)以下である判定された場合には、差玉記憶バッファが第1基準値(所定値「10000」)以上か否かの判定が行われる(S1516)。ここで、差玉記憶バッファが第1基準値(所定値「10000」)以上ではないと判定された場合には、使用領域内RWMに設けられた差玉記憶バッファに差玉カウンタの値を格納して(S1518)、安全装置作動管理処理(S1512)を終了する。一方、差玉記憶バッファが第1基準値(所定値「10000」)以上であると判定された場合には、安全装置が作動する可能性が接近していることを予告するための安全装置作動予告コマンドを演出制御部に送信(S1517)した後、差玉記憶バッファに差玉カウンタの値を格納(S1518)し、安全装置作動管理処理(S1512)を終了する。
【0619】
演出制御部540が安全装置作動予告コマンドを受信すると、画像表示手段31に安全装置が作動する可能性が接近している旨を伝えるための予告画像(予告メッセージ、現在の差玉カウンタの値、差玉カウンタが第2基準値(所定値「0」に到達するまでの残り数など)を表示する。これにより、遊技者に対して、安全装置が作動する可能性が接近していることを報知可能となっている。また、画像表示手段31のみならず、ランプ63a、64a、スピーカー19a、19b、19c、19dなどを使用して安全装置が作動する可能性が接近していることを予告する予告演出を実行するようにしてもよい。また、画像表示手段31、ランプ63a、64a、スピーカー19a、19b、19c、19dの全部又は複数種類の組み合わせ又はいずれか1つを使用して、安全装置が作動する可能性が接近していることを予告する予告演出を実行するようにしてもよい。また、安全装置が作動する可能性が接近していることを予告する予告画像や予告演出は、所定の実行時間が経過した場合に終了するように構成することが望ましい。これにより、画像表示手段31に表示される遊技に関する表示(背景画像、保留画像、装飾図柄、エラー画像など)を可能な限り妨げないように構成することができる。また、これに限らず安全装置が作動するまで(安全装置作動フラグがON状態に設定、又は演出制御部が安全装置作動警告コマンドを受信するまで)は、安全装置が作動する可能性が接近していることを予告する予告画像や予告演出を継続して実行するようにしてもよい。また、安全装置が作動する可能性が接近していることを予告する予告画像や予告演出の実行中に、演出制御部540が安全装置作動警告コマンドを受信した場合には、その時点で安全装置が作動する可能性が接近していることを予告する予告画像や予告演出を終了し、安全装置が作動する旨の報知画像や報知演出を実行するように構成することが望ましい。
【0620】
ここで、S1516において、差玉記憶バッファが第1基準値(所定値「10000」)以上であると判定された場合にのみ安全装置作動予告コマンドを演出制御部540に送信するようにしているのは、安全装置計数処理(S1528)により差玉カウンタが更新された結果、差玉カウンタの値が第1基準値(所定値「10000」)を下回ったタイミングにおいてのみ、安全装置作動予告コマンドを演出制御部540に送信するようにするためである。差玉記憶バッファの更新処理はS1518において行われており、S1518で差玉記憶バッファに現在の差玉カウンタの値が格納されるが、S1518の処理はS1516の実行タイミングよりも後であるため、先に実行されるS1516の判定タイミングにおいては、差玉記憶バッファには未だ前回(更新前)の差玉カウンタの値が格納されていることになる。そのため、まずS1515において、差玉カウンタが第1基準値(所定値「10000」)以下であると判定し、且つS1516で、差玉記憶バッファの値が第1基準値(所定値「10000」)以上であると判定することで、差玉カウンタが第1基準値(所定値「10000」)を下回ったタイミングを特定することが可能となっている。
【0621】
ちなみに、差玉カウンタが更新された結果、差玉カウンタの値が第1基準値(所定値「10000」)を下回ったタイミングのみならず、差玉カウンタの値が第1基準値(所定値「10000」)以下であることを条件に、安全装置作動予告コマンドを演出制御部540に送信するように構成してもよい。この場合には、差玉カウンタの値が第1基準値(所定値「10000」)以下であれば、安全装置作動管理処理(S1512)が実行される度に、演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドが随時送信されることとなる。このように、演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを随時送信するように構成すれば、演出制御部540は、安全装置作動予告コマンドを受信する度に、安全装置が作動する可能性が接近していることを予告する予告画像や予告演出の内容を更新することができるので、例えば、リアルタイムで現在の差玉カウンタに関する値を表示することが可能となる。また、これに限らず、所定単位毎(例:1000発毎)に演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを送信するように構成してもよい。また、差玉カウンタが更新された結果、差玉カウンタの値が第1基準値(所定値「10000」)を上回ったタイミングで、安全装置作動予告解除コマンドを演出制御部540に送信するように構成してもよい。これにより、差玉カウンタの値が第1基準値(所定値「10000」)を上回った場合には、安全装置作動予告解除コマンドにより、その時点で安全装置が作動する可能性が接近していることを予告する予告画像や予告演出を終了するように構成することができる。
【0622】
また、安全装置作動警告コマンドに基づく報知演出と、安全装置作動予告コマンドに基づく予告演出に関して、画像表示手段31に表示される報知画像と予告画像の表示態様(表示内容)を異ならせることが望ましい。また、ランプ63a、64a及びスピーカー19a、19b、19c、19dによる報知態様についても異ならせておくことが望ましい。これにより、安全装置作動警告コマンドに基づく報知演出と、安全装置作動予告コマンドに基づく予告演出の内容を区別することが容易となる。また、その場合、安全装置作動警告コマンドに基づく報知演出の方が、安全装置作動予告コマンドに基づく予告演出よりも、画像表示手段31に表示される表示態様(表示内容)が派手(表示領域が大きい、表示位置が表示領域の真ん中に近い、表示レイヤーが高いなど)であったり、ランプ63a、64aの表示態様が派手(点滅速度が速いなど)に構成されていることが望ましい。また、スピーカー19a、19b、19c、19dによる報知音を伴う場合には、安全装置作動警告コマンドに基づく報知演出の方が、安全装置作動予告コマンドに基づく予告演出よりも、再生音量や再生時間が長くなるように構成されていることが望ましい。また、安全装置作動警告コマンドに基づく報知演出及び/又は安全装置作動予告コマンドに基づく予告演出については、遊技に関する演出画像よりも表示レイヤーが低くなるように構成してもよい。これにより、安全装置作動警告コマンドに基づく報知演出及び/又は安全装置作動予告コマンドに基づく予告演出により遊技に関する演出画像の視認性が損なわれることを防止することができる。また、安全装置作動警告コマンドに基づく報知演出については、遊技に関する演出画像よりも表示レイヤーが高くなるようにし、安全装置作動予告コマンドに基づく予告演出については遊技に関する演出画像よりも表示レイヤーが低くなるように構成してもよい。
【0623】
このように、安全装置作動管理処理(S1512)において、S1513で安全装置作動フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、前述したS1514~S1518、S121~S1522の処理が実行される。これらは、安全装置が未だ未作動の状態(差玉カウンタが第2基準値(所定値「0」)に到達していない状態)で実行される処理となっている。
【0624】
一方、S1513で安全装置作動フラグがON状態であると判定された場合(=5AH)には、S1519~S1520の処理が実行される。これらは、安全装置が作動可能な状態(差玉カウンタが第2基準値(所定値「0」)に到達している状態)で実行される処理となっている。以下に、S1519~S1520の処理について説明する。
【0625】
S1519では、現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であるか否かが判定される。ここで、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、安全装置作動管理処理(S1512)を終了する。一方、大当り遊技中(又は小当り遊技中)ではないと判定された場合には、遊技停止状態に制御するためにの処理を行う遊技停止処理(S1520)へと移行する。
【0626】
遊技停止処理(S1520)が実行されると、
図4-1-7のフローチャートに示すS1523~S1527の処理が行われる。遊技停止処理(S1520)が実行されると、まず遊技停止フラグの設定(S1523)が行われる。ここで遊技停止フラグが設定されることで、以降のタイマ割込み処理において、遊技停止状態とするための必要処理(S1510~S1511)が実行されるとともに、タイマ割込み処理の一部の遊技処理(S1025~S1037、S1512)の実行が回避され、これにより遊技停止状態に制御されることとなる。
【0627】
続いて、安全装置作動フラグをクリアする(S1524)。この時点では、既に遊技停止フラグの設定が行われており(S1523)、一旦遊技停止フラグが設定されると、以降の処理では安全装置作動フラグを参照することがないためクリアする。ちなみに、安全装置作動フラグは、RWMクリア処理(S1011)を伴う電源投入処理が実行されるか、本処理(S1524)が実行されない限りクリアされることはない。そのため、仮に、安全装置作動フラグがON状態(5AH)に設定された状態で電源遮断し、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合であっても、安全装置作動フラグは電断復帰後もON状態(5AH)を維持する。このように、一度、安全装置作動フラグがON状態(5AH)に設定されれば、いかなる状況下においても、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理では安全装置作動フラグをクリアすることができず、さらに言えば、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理では安全装置作動フラグがON状態(5AH)であることに基づいて実行される遊技停止処理(S1520)の実行を回避することができないように構成されている。
【0628】
続いて、演出制御部540に対して遊技停止コマンドを送信する(S1526)。演出制御部540は、遊技停止コマンドを受信すると、画像表示手段31に遊技停止状態である旨を示す報知画像(報知メッセージ)を表示する。これにより、遊技者に対して、遊技停止状態であることを報知可能となっている。また、画像表示手段31のみならず、ランプ63a、64a、スピーカー19a、19b、19c、19dなどを使用して遊技停止状態である旨を報知するようにしてもよい。また、画像表示手段31、ランプ63a、64a、スピーカー19a、19b、19c、19dの全部又は複数種類の組み合わせ又はいずれか1つを使用して、遊技停止状態である旨を報知するようにしてもよい。また、遊技停止状態であることを示す報知画像や各種報知に関しては、遊技停止状態中は継続的に行われることが望ましい。さらに、遊技停止状態が解除されるまでは報知を継続することが望ましく、例えば、遊技停止状態中に電源遮断が行われ、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合には、再び遊技停止状態に制御されるとともに、遊技停止状態であることを示す報知画像や各種報知が実行されることが望ましい。また、遊技停止状態中に、画像表示手段31に遊技に関するリザルト演出画像(出玉情報や大当り遊技の連荘回数等の表示)を表示するようにしてもよい。この際、表示されるリザルト演出画像は、遊技停止状態に制御される際に獲得していた出玉数の情報や、遊技停止状態に制御される際に継続していた大当り遊技の連荘回数であることが望ましい。これにより、遊技停止状態となるまでの遊技結果を遊技者に対して報知することができる。また、遊技停止状態に制御される際に、大当り遊技の連荘が継続していない場合や、獲得済みの出玉数の情報がない場合(≒大当り遊技中以外の遊技状態で安全装置が作動(差玉カウンタが第2基準値(所定値「0」に到達)してしまった場合)には、リザルト演出画像を表示しないようにしてもよいし、リザルト演出画像として、大当り遊技の連荘継続や獲得済みの出玉数の情報がない旨(例:「継続回数0回」、「獲得出玉数0個」など)を表示するようにしても良い。
【0629】
ちなみに、遊技停止状態中に電源遮断が行われ、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合には、S1526の処理が行われないので演出制御部540に対して遊技停止コマンドが送信されることはないが、このような状況においても、遊技停止コマンドが送信されるように構成してもよい。これにより、遊技停止状態中に電源遮断が行われ、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合であっても、遊技停止コマンドに基づく報知画像や各種報知を実行することが可能となる。
【0630】
また、遊技停止状態中に電源遮断が行われ、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合には、演出制御部540に対して遊技停止コマンドが送信されないように構成してもよい。この場合には、遊技停止コマンドに基づく報知画像や各種報知が実行されないので、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理の前後で遊技停止状態における報知態様を異ならせることができる。このように構成することで、ホール従業員等が遊技停止状態中に、不正な電源投入処理が行われた痕跡がないかを容易に確認することが可能となる。また、この場合、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた後の遊技停止状態においては、遊技停止コマンドに基づく報知画像や各種報知が実行されないものの、遊技停止状態には制御されているため、例えば、画像表示手段31に装飾図柄100、101、102やミニ図柄103aなどが停止態様で表示されるが、新たな装飾図柄変動遊技やミニ図柄変動遊技については実行されることがない。また、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理の前の遊技停止状態においては、画像表示手段31に装飾図柄100、101、102やミニ図柄103aなどを表示することなく、例えば黒背景画像に重ねて遊技停止状態である旨を示す報知画像(報知メッセージ)を表示するように構成してもよい。これにより、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理の前後の遊技停止状態における報知態様の違いをより明確なものとすることが可能となる。しかしながら、これに限らず、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理の前の遊技停止状態においても、画像表示手段31に装飾図柄100、101、102やミニ図柄103aなどを停止態様で表示してもよく、それらに重なるように、遊技停止状態である旨を示す報知画像(報知メッセージ)を表示するようにしてもよい。
【0631】
また、遊技停止状態中に電源遮断が行われ、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合において、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理の前はリザルト演出画像を表示し、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理の後は、リザルト演出画像を表示しない(又は大当り遊技の連荘継続や獲得済みの出玉数の情報がない旨(例:「継続回数0回」、「獲得出玉数0個」など)を表示する)ように構成してもよい。このように構成することで、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理の前後で遊技停止状態における報知態様を異ならせることができるので、ホール従業員等が遊技停止状態中に、不正な電源投入処理が行われた痕跡がないかを容易に確認することが可能となる。
【0632】
また、遊技停止状態中に電源遮断が行われ、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理がなされた場合において、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理の前後で遊技停止状態における報知態様が同じとなるように構成してもよい。このように構成することにより、例えば、ホール営業中に停電等が発生し、遊技停止状態中に電源遮断してしまった場合であっても、電源遮断からの復帰後も、電源遮断前と共通の報知態様で遊技停止状態に制御されるため、遊技者に不信感を与えたり、不用意に困惑させてしまう恐れを低減することができる。また、電源投入処理の前後で遊技停止状態における報知画像や各種報知の報知態様を共通にする一方、リザルト演出画像の表示内容については異ならせるように構成してもよい(例えば、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理の後はリザルト演出画像を表示しない又は、大当り遊技の連荘継続や獲得済みの出玉数の情報がない旨(例:「継続回数0回」、「獲得出玉数0個」)を表示するなど)。
【0633】
S1526の処理が終わると、最後に発射停止処理(S1527)を実行して、遊技停止処理(S1520)を終了する。ちなみに、遊技停止状態(遊技停止フラグをON状態に設定された状態)に制御された場合には、タイマ割込み処理のS1510においてソレノイドポートがクリアされることで発射制御信号が非出力状態(OFF状態)となり、発射の停止制御が行われるため、同様の処理の重複を避けるために、遊技停止処理(S1520)においては、発射停止処理(S1527)の実行を省略するように構成してもよい。
【0634】
このようにして、遊技停止処理(S1520)を終えると、安全装置作動管理処理(S1512)に回帰するとともに、同処理(S1512)を終了する。
【0635】
ちなみに、S1519において、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、安全装置作動管理処理(S1512)を終了することで、大当り遊技中(又は小当り遊技中)の場合には、遊技停止処理(S1520)が回避され、遊技停止状態に制御しない(遊技停止フラグをON状態に設定しない)ように構成されている。これにより、大当り遊技中(又は小当り遊中)に遊技停止状態に制御されてしまうことがなく、大当り遊技(小当り遊技)が中止/中断されないので、遊技者が本来獲得可能であった利益を獲得できなくなるといった不利益を被ることを防止することができる。
【0636】
ただし、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であっても、遊技停止処理(S1520)を実行することで、遊技停止状態に制御する(遊技停止フラグをON状態に設定する)ように構成してもよい。この場合、S1519では、ラウンド遊技の実行中か否かを判定するようにし、ラウンド遊技の実行中ではないことを条件に、遊技停止処理(S1520)を実行し、遊技停止状態に制御する(遊技停止フラグがON状態に設定する)ように構成することが望ましい。このように構成すれば、遊技者は少なくとも実行中のラウンド遊技で獲得可能な利益を獲得することができるとともに、大当り終了(又は小当り終了)を待たずして、即座に遊技停止状態へと移行させることが可能となる。また、ラウンド遊技の実行中か否かを問わず(S1519の処理を省略して)、安全装置作動フラグがON状態に設定された場合(差玉カウンタが第2基準値(所定値「0」)に到達した場合)には、即座に遊技停止処理(S1520)を実行するように構成してもよい。
【0637】
次に、
図4-2-1~
図4-2-3を用いて、安全装置を搭載した主制御部520の制御フローに関する変更形態(実施形態1-2)について以下に詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0638】
(領域外遊技開始設定処理_安全装置2)
図4-2-1を参照して、領域外遊技開始設定処理(S1503)に関する変更形態について説明する。
図4-2-1は領域外遊技開始設定処理(S1503)の変更形態に関するフローチャートを示している。なお、S1536~S1537、S1539の処理については、前述した
図4-1-2に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0639】
S1538の処理では、作動状態フラグをクリア(「0」に設定)している。作動状態フラグは、差玉カウンタの値に応じて種々の値が設定されるものであり、後述する安全装置作動管理処理(S1512)の変更形態や、安全装置計数処理(S1528)の変更形態において、作動状態フラグが参照されることで、作動状態フラグの設定値に応じて、安全装置に関する種々の処理が実行されることとなる。
【0640】
このように、電源投入時に実行される領域外遊技開始設定処理(S1503)において、作動状態フラグを「0」に設定(S1538)することで、電源投入が行われる毎に、作動状態フラグをクリアした状態で遊技に関する各処理を開始するように構成されている。
【0641】
(安全装置計数処理_安全装置2)
図4-2-2を参照して、安全装置計数処理(S1528)に関する変更形態について説明する。
図4-2-2は安全装置計数処理(S1528)の変更形態に関するフローチャートを示している。
【0642】
S1540では、作動状態フラグの値が「3」か否かの判定が行われる。その結果、作動状態フラグの値が「3」であると判定された場合、安全装置計数処理(S1528)の処理を終了する。一方、作動状態フラグの値が「3」ではないと判定された場合には、差玉カウンタ計数処理(S1541)の処理へと移行する。
【0643】
差玉カウンタ計数処理(S1541)では、賞球が発生したと判定された場合に差玉カウンタから賞球数に応じた値を加算するための加算処理が行われ、アウトが発生したと判定された場合に差玉カウンタからアウト数に応じた値を減算するための減算処理が行われる。なお、前述した差玉カウンタ計数処理(S1531)とは、賞球が発生したと判定された場合に減算処理ではなく加算処理を行う点と、アウトが発生したと判定された場合に加算処理ではなく減算処理を行う点とで異なるが、それ以外の内容については、前述した差玉カウンタ計数処理(S1531)に関する内容と同様であるため詳細な説明は割愛する。
【0644】
次に、S1542にて、差玉カウンタが第2基準値(195000)以上か否かの判定が行われる。その結果、第2基準値以上であると判定された場合には、S1546の処理へと移行する。一方、第2基準値以上ではないと判定された場合には、S1543の処理へと移行する。
【0645】
S1543の処理へと移行した場合は、差玉カウンタが第1基準値(185000)以上か否かの判定が行われる。その結果、第1基準値以上であると判定された場合には、S1549にて作動状態フラグが「1」に設定される。一方、第1基準値以上ではないと判定された場合には、S1549にて作動状態フラグが「0」に設定される。
【0646】
また、S1542にて、差玉カウンタが第2基準値以上であると判定され、S1546の処理へと移行した場合は、現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であるか否かが判定される。その結果、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、S1547にて作動状態フラグが「2」に設定される。一方、大当り遊技中(又は小当り遊技中)ではないと判定された場合には、S1548にて作動状態フラグが「3」に設定される。
【0647】
このように、安全装置計数処理(S1528)では、差玉カウンタの値や現在の遊技状態に応じて作動状態フラグの設定(「0」~「3」)が行われる。安全装置計数処理(S1528)にて、設定された作動状態フラグは、自身の設定値(「0」~「3」)に応じて、以下の状態を示すフラグとして活用される。
【0648】
作動状態フラグ=「0」の場合には、差玉カウンタ=「0~184499」であることを示す。作動状態フラグ=「1」の場合には、差玉カウンタ=「184500~194999」であることを示す。作動状態フラグ=「2」の場合には、差玉カウンタ=「195000以上」且つ現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であることを示す。作動状態フラグ=「3」の場合には、差玉カウンタ=「195000以上」且つ現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)以外の遊技状態であることを示す。
【0649】
ここで設定された作動状態フラグは、後述する
図4-2-3の安全装置作動管理処理(S1512)にて参照され、その設定値(「0」~「3」)に応じて、安全装置に関する種々の設定処理が行われるように構成される。
【0650】
ちなみに、本実施例においては、S1540で作動状態フラグの値が「3」ではないと判定された場合にのみ、差玉カウンタ計数処理(S1541)を実行するように構成されているので、作動状態フラグ=「2」の場合でも、差玉カウンタ計数処理(S1541)が実行される。そのため、差玉カウンタが第2基準値(195000)に到達した場合であっても、現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であれば、S1541により差玉カウンタの値が更新されるので、例えば、意図的に賞球の獲得を避けアウト数の増加を図ることで、差玉カウンタの値が第2基準値(195000)以下となるように調整することが可能となっている。このように構成することで、安全装置の発動を遅延させることができるので、例えば、今回の大当り遊技(又は小当り遊技)での安全装置の発動を回避させ、次回以降の大当り遊技(又は小当り遊技)での発動を図ることができる。ただし、このような遅延行為を防止するために、作動状態フラグの値が「2」以上ではないと判定された場合(差玉カウンタ=「0」、「1」の場合)にのみ、差玉カウンタ計数処理(S1541)を実行するように構成してもよい。
【0651】
(安全装置作動管理処理_安全装置2)
次に、
図4-2-3を参照して、安全装置作動管理処理(S1512)に関する変更形態について説明する。
図4-2-3は安全装置計数処理(S1512)の変更形態に関するフローチャートを示している。
【0652】
安全装置作動管理処理(S1512)が実行されると、まず、作動状態フラグの値が「3」か否かの判定が行われる(S1550)。その結果、作動状態フラグの値が「3」であると判定された場合、遊技停止処理(S1551)が実行される。一方、作動状態フラグの値が「3」ではないと判定された場合には、遊技停止処理(S1551)の実行が回避され、S1552の処理へと移行する。
【0653】
ここで、参照される作動状態フラグは、
図4-2-2に示す安全装置計数処理(S1528)で作成されており、作動状態フラグ=「3」の場合には、差玉カウンタ=「195000以上」且つ現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)以外の遊技状態であることを示している。つまり、作動状態フラグ=「3」の場合には、安全装置が作動可能な条件を満たしており、遊技停止状態に制御可能であることを示している。また、作動状態フラグ=「3」以外の場合(作動状態フラグ=「0」、「1」、「2」の場合)には、安全装置が作動不能であり、遊技停止状態に制御不能であることを示している。
【0654】
そのため、S1550においては、作動状態フラグの値が「3」であると判定された場合にのみ、遊技停止処理(S1551)を実行することで、遊技停止状態に制御するように構成されている。また、この際実行される遊技停止処理(S1551)については、前述した
図4-1-7に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0655】
次に、S1552の処理へと移行した場合には、作動状態フラグの値が「1」→「2」に変化したタイミングか否かの判定が行われる。その結果、作動状態フラグの値が「1」→「2」に変化したタイミングであると判定された場合には、演出制御部540に対して安全装置作動警告コマンドが送信される(S1553)。一方、作動状態フラグの値が「1」→「2」に変化したタイミングではないと判定された場合には、S1553の実行が回避され、S1554の処理へと移行する。
【0656】
ここで、作動状態フラグ=「1」の場合とは差玉カウンタ=「184500~194999」であり、作動状態フラグ=「2」の場合とは差玉カウンタ=「195000」以上且つ現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であることを示している。すなわち、S1552にて判定される作動状態フラグの値が「1」→「2」に変化したタイミングとは、差玉カウンタの値が「184500」以上「195000」未満の状態から「195000」以上に変化し且つ現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であることを意味している。
【0657】
換言すれば、大当り遊技(又は小当り遊技)中に差玉カウンタの値が「195000」に到達した場合に作動状態フラグが「1」→「2」に設定されるので、このようなタイミングにおいてのみ、演出制御部540に対して安全装置作動警告コマンドを送信するように構成されている(S1553)。そのため、作動状態フラグが「1」→「2」に設定され、一度S1553の処理が行われた後(作動状態フラグ=「2」となった後)は、演出制御部540に対して安全装置作動警告コマンドが送信されることはない。しかしながら、差玉カウンタ計数処理(S1541)により差玉カウンタの値が更新された結果、作動状態フラグが「2」→「1」に変化し、さらに差玉カウンタの値が更新された結果、再び作動状態フラグが「1」→「2」に変化した場合には、演出制御部540に対して安全装置作動警告コマンドが送信されるように構成されている。ただし、これに限らず、再び作動状態フラグが「1」→「2」に変化した場合には、演出制御部540に対して安全装置作動警告コマンドを送信しないように構成してもよい。
【0658】
ちなみに、S1553において演出制御部540に対して送信する安全装置作動警告コマンドについては、前述したS1522に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0659】
次に、S1554の処理へと移行した場合には、作動状態フラグの値が「0」→「1」に変化したタイミングか否かの判定が行われる。その結果、作動状態フラグの値が「0」→「1」に変化したタイミングであると判定された場合には、演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドが送信される(S1555)。一方、作動状態フラグの値が「0」→「1」に変化したタイミングではないと判定された場合には、S1555の実行が回避され、安全装置作動管理処理(S1512)を終了する。
【0660】
ここで、作動状態フラグ=「0」の場合とは差玉カウンタ=「0~184499」であり、作動状態フラグ=「1」の場合とは差玉カウンタ=「184500~184999」であることを示している。すなわち、S1554にて判定される作動状態フラグの値が「0」→「1」に変化したタイミングとは、差玉カウンタの値が「0」以上「184499」以下の状態から「184500」以上に変化した状態であることを意味している。
【0661】
換言すれば、差玉カウンタの値が「184500」に到達した場合に作動状態フラグが「0」→「1」に設定されるので、このようなタイミングにおいてのみ、演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを送信するように構成されている(S1555)。そのため、作動状態フラグが「0」→「1」に設定され、一度S1555の処理が行われた後(作動状態フラグ=「1」となった後)は、演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドが送信されることはない。しかしながら、差玉カウンタ計数処理(S1541)により差玉カウンタの値が更新された結果、作動状態フラグが「1」→「0」に変化し、さらに差玉カウンタの値が更新された結果、再び作動状態フラグが「0」→「1」に変化した場合には、演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドが送信されるように構成されている。ただし、これに限らず、再び作動状態フラグが「0」→「1」に変化した場合には、演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを送信しないように構成してもよい。
【0662】
ちなみに、S1555において演出制御部540に対して送信する安全装置作動予告コマンドについては、前述したS1517に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0663】
S1555の処理が完了すると、安全装置作動管理処理(S1512)を終了する。
【0664】
次に、
図4-3-1~
図4-3-3を用いて、安全装置を搭載した主制御部520の制御フローに関する変更形態(実施形態1-3)について以下に詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0665】
(領域外遊技開始設定処理_安全装置3)
図4-3-1を参照して、領域外遊技開始設定処理(S1503)に関する変更形態について説明する。
図4-3-1は領域外遊技開始設定処理(S1503)の変更形態に関するフローチャートを示している。なお、S1558~S1559、S1561の処理については、前述した
図4-1-2に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0666】
S1560の処理では、安全装置作動フラグをクリア(「0」に設定)している。安全装置作動フラグは、後述する安全装置計数処理(S1528)において、差玉カウンタの値が所定値(「0」)であると判定された場合に設定される。
【0667】
本実施例においては、RWMクリア処理(S1011)を伴う電源投入処理、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理のいずれの場合であっても、本処理(S1560)において安全装置作動フラグがクリアされるように構成されている。そのため、安全装置作動フラグがON状態(5AH)に設定された場合であっても、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理を行うことで、大当り遊技(又は小当り遊技)や図柄変動遊技の情報を維持したまま、安全装置作動フラグをクリアすることが可能となっている。これにより、例えば、差玉カウンタが所定値(0)に到達し、遊技停止状態に制御することが可能な状態(例:大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態)となっても、バックアップ復帰処理(S1014)を伴う電源投入処理を行うことで、電断復帰後も遊技を継続した状態で、遊技停止状態に制御されることを回避することが可能となっている。
【0668】
このように、電源投入時に実行される領域外遊技開始設定処理(S1503)において、安全装置作動フラグをクリア(「0」に設定)(S1560)することで、電源投入が行われる毎に、安全装置作動フラグをクリアした状態で遊技に関する各処理を開始するように構成されている。
【0669】
(タイマ割込み処理_安全装置3)
次に、
図4-3-2を参照して、
図4-1-3に示すタイマ割込み処理に関する変更形態について説明する。
図4-3-2はタイマ割込み処理の変更形態に関するフローチャートを示している。なお、S1025~S1045、S1509~S1511の処理については、前述した
図4-1-3に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0670】
S1562では、現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であるか否かが判定される。ここで、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、S1563~S1564の処理の実行が回避され、S1044の処理へと移行する。一方、大当り遊技中(又は小当り遊技中)ではないと判定された場合には、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であるか否かの判定処理(S1563)が行われる。
【0671】
S1562により、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、S1563~S1564の処理の実行が回避されるように構成することで、大当り遊技中(又は小当り遊技中)は、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であるか否かにかかわらず、遊技停止フラグをON状態(5AH)に設定しない(遊技停止状態に制御しない)ように制御される。これにより、大当り遊技(又は小当り遊技)中に遊技停止状態に制御されてしまうことで、大当り遊技(小当り遊技)が中止/中断されてしまい、遊技者が本来獲得可能であった利益を獲得できなくなるといった不利益を被ることを防止することが可能となっている。
【0672】
しかしながら、これに限らず、S1562において、ラウンド遊技の実行中か否かを判定条件とするように構成してもよい。このように構成すれば、ラウンド遊技の実行中はS1563~S1564の処理の実行が回避されるため(ラウンド遊技の実行中は遊技停止状態に制御されることがないため)、仮に大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態に設定されたとしても、遊技者は少なくとも実行中のラウンド遊技で獲得可能な利益を獲得することができるとともに、大当り終了(又は小当り終了)を待たずして、即座に遊技停止状態へと移行させることが可能となる。
【0673】
S1562にて、大当り遊技中(又は小当り遊技中)ではないと判定された場合には、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であるか否かの判定処理(S1563)が行われる。その結果、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であると判定された場合には、遊技停止フラグの設定が行われる(S1564)。一方、安全装置作動フラグがON状態(5AH)ではないと判定された場合には、S1564の処理の実行が回避され、S1044の処理へと移行する。
【0674】
ここで、安全装置作動フラグは、安全装置計数処理(S1528)において、差玉カウンタの値が所定値(「0」)であると判定された場合にON状態(5AH)に設定されるように構成されている。換言すれば、安全装置作動フラグがON状態とは、差玉カウンタが所定値(「0」)に到達し、安全装置が発動(機能)可能な状態であることを示している。そのため、S1563にて、安全装置作動フラグがON状態(5AH)ではないと判定された場合とは、差玉カウンタが所定値(「0」)に到達しておらず、安全装置が発動(機能)可能な状態ではないことを示しており、このような場合には、遊技停止状態に制御する必要はないので、S1564の処理の実行を回避している。
【0675】
一方、S1563にて、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であると判定された場合とは、差玉カウンタが所定値(「0」)に到達し、安全装置が発動(機能)可能な状態を示しており、このような場合には、遊技停止状態に制御するために、S1564の処理を実行する。
【0676】
このように、本実施例では、S1562の処理で大当り遊技中(又は小当り遊技中)ではないと判定され且つS1563の処理で安全装置作動フラグがON状態(5AH)であると判定された場合にのみ、遊技停止状態に制御するためのS1564の処理が実行されるように構成されている。そのため、差玉カウンタが所定値(「0」)に到達し、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であったとしても、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であれば、S1563~S1564の処理が実行されないので、大当り遊技(又は小当り遊技)が終了するまでは、遊技停止状態に制御されることはない。
【0677】
さらに、本実施例では、前述した領域外遊技開始設定処理(S1503)にて、電源投入時には必ず差玉カウンタが初期化され(S1559)、安全装置作動フラグがクリアされる(S1560)ように構成されているので、大当り遊技中(又は小当り遊技中)に電源リセット(電源遮断→電源投入)を行うことで、大当り遊技(又は小当り遊技)の終了後に、遊技停止フラグの設定(S1564)が行われてしまうことを回避することができる(電源リセットにより、安全装置作動フラグがOFF状態となることで、S1563によりS1564の処理の実行が回避される)。そのため、電源リセット時には、大当り遊技(又は小当り遊技)の終了後も遊技停止状態とならず、電源投入後、差玉カウンタの計数処理を初期値から再開することが可能となっている。
【0678】
また、本実施例では、タイマ割込み処理において、安全装置作動管理処理(S1512)を実行しない構成となっている。そのため、安全装置作動管理処理(S1512)において実行される差玉カウンタの値の判定(S1514~S1515)、安全装置作動フラグの設定(S1521)、安全装置作動警告コマンドの送信(S1522)、安全装置作動予告コマンドの送信(S1517)、遊技停止処理(S1520)のうち、差玉カウンタの値の判定(S1514~S1515)、安全装置作動フラグの設定(S1521)、安全装置作動警告コマンドの送信(S1522)、安全装置作動予告コマンドの送信(S1517)の処理を、後述する安全装置計数処理(S1528)において実行するように構成している。このように、使用領域内プログラムに設けられたタイマ割込み処理の一部を、使用領域外プログラムに設けられた安全装置計数処理(S1528)へと移行させることで、使用領域内プログラムの容量を削減している。また、本実施例においては、遊技停止処理(S1520)については実行されないように構成されている。そのため、遊技停止コマンドの送信(S1526)や発射停止処理(S1527)などは実行されないが、例えば遊技停止フラグの設定が行われる(S1564)際に、遊技停止コマンドの送信(S1526)や発射停止処理(S1527)などを行うように構成してもよい。
【0679】
(安全装置計数処理_安全装置3)
次に、
図4-3-3を参照して、安全装置計数処理(S1528)に関する変更形態について説明する。
図4-3-3は安全装置計数処理(S1528)の変更形態に関するフローチャートを示している。
【0680】
安全装置計数処理(S1528)が実行されると、まず、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であるか否かの判定が行われる(S1565)。その結果、安全装置作動フラグがON状態であると判定された場合(=5AH)には、S1566~S1575の処理の実行を回避し、安全装置計数処理(S1528)を終了する。一方、安全装置作動フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、S1566の処理へと移行する。
【0681】
安全装置作動フラグは、差玉カウンタの値が所定値(「0」)であると判定された場合にON状態(5AH)に設定されるため(S1570)、S1565にて、すでに安全装置作動フラグがON状態の場合には、差玉カウンタの計数にかかる処理(S1566~S1575)が不要となるので、実行が回避されるように構成されている。
【0682】
S1565において、安全装置作動フラグがON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、ループ数の設定処理が行われる(S1566)。ここで設定されるループ数には、各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)の数に応じた値(「7」)が設定される。
【0683】
そして、各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)の賞球数が夫々規定された差玉カウンタ計数テーブル(図示せず)を用いて、ループ数の値が「7」の場合には特別図柄1始動口38の賞球数(1)を、ループ数の値が「6」の場合には特別図柄2始動口39の賞球数(1)を、ループ数の値が「5」の場合には左上入賞口40及び左中入賞口41の賞球数(5)を、ループ数の値が「4」の場合には左下入賞口42の賞球数(5)を、ループ数の値が「3」の場合には右入賞口43の賞球数(2)を、ループ数の値が「2」の場合には上大入賞口44の賞球数(15)を、ループ数の値が「1」の場合には下大入賞口45の賞球数(10)を夫々、入賞があった場合に差玉カウンタ計数テーブルから取得して、差玉カウンタから賞球数を減算するように構成されている。
【0684】
ループ数の設定処理(S1566)を終えると、次に、アウト数の加算処理が実行される(S1567)。ここでは、アウトスイッチ47aに入球があったかを判定し、入球があったと判定された場合にのみ、発生したアウト数に応じた値(1アウト=1個)を差玉カウンタから減算するように構成されている。ここで、アウトスイッチ47aに入球があったかの判定に際しては、使用領域内RWMに記憶されたアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を参照する。ちなみに、使用領域内RWMに記憶されたアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)は、使用領域内プログラムであるタイマ割込み処理内の入力管理処理(S1026)で作成される。しかしながら、これに限らず、使用領域外RWMに記憶されたアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を参照するようにしてもよい。ちなみに、使用領域外RWMに記憶されたアウトスイッチ47aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)は、使用領域外プログラムである領域外スイッチ更新処理(S1535)で作成される。
【0685】
アウト数の加算処理(S1567)を終えると、次に、賞球数の減算処理が実行される(S1568)。ここでは、前述した通り、ループ数及び差玉カウンタ計数テーブルを用いて、現在のループ数に応じた入賞口に入賞があったと判定された場合にのみ、差玉カウンタから入賞に伴う賞球数を減算するように構成されている。ここで、アウトスイッチ47aに入球があったかの判定に際しては、使用領域内RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を参照する。ちなみに、使用領域内RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)は、使用領域内プログラムであるタイマ割込み処理内の入力管理処理(S1026)で作成される。しかしながら、これに限らず、使用領域外RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)を参照するようにしてもよい。ちなみに、使用領域外RWMに記憶された各入賞スイッチ38a、39a、40a、42a、43a、44a、45aのスイッチ入力データ(スイッチのエッジデータ)は、使用領域外プログラムである領域外スイッチ更新処理(S1535)で作成される。
【0686】
賞球数の減算処理(S1568)を終えると、次に差玉カウンタの値が所定値(「0」)であるか否かの判定が行われる(S1569)。その結果、差玉カウンタの値が所定値(「0」)であると判定された場合には、S1570~S1571の処理を実行する。一方、差玉カウンタの値が所定値(「0」)ではないと判定された場合には、S1570~S1571の処理の実行を回避し、S1572の処理へと移行する。
【0687】
S1569にて、差玉カウンタの値が所定値(「0」)であると判定された場合には、安全装置作動フラグをON状態に設定する(S1570)。さらに、安全装置が作動することを警告するための安全装置作動警告コマンドを演出制御部540に送信する(S1571)。
【0688】
ちなみに、S1571において演出制御部540に対して送信する安全装置作動警告コマンドについては、前述したS1522に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0689】
次に、S1572の処理では、差玉カウンタの値が所定値(「10000」)以下か否かの判定が行われる。その結果、差玉カウンタの値が所定値(「10000」)以下であると判定された場合には、S1573の処理を実行する。一方、差玉カウンタの値が所定値(「10000」)ではないと判定された場合には、S1573の処理の実行を回避し、S1574の処理へと移行する。
【0690】
S1572にて、差玉カウンタの値が所定値(「10000」)以下であると判定された場合には、安全装置が作動する可能性が接近していることを予告するための安全装置作動予告コマンドを演出制御部540に送信する(S1573)。
【0691】
ちなみに、S1573において演出制御部540に対して送信する安全装置作動予告コマンドについては、前述したS1517に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0692】
次に、S1574の処理では、ループ数の減算処理が行われ(S1574)、その後、S1575によりループ数が「0」であると判定された場合には、安全装置計数処理(S1528)を終了し、ループ数が「0」ではないと判定された場合には、S1568の処理へと移行し、再びS1568~S1575の処理を実行する。
【0693】
このように、安全装置計数処理(S1528)では、S1568~S1575の処理をループ数が「0」になるまで繰り返し実行することで、現在のループ数(「7」~「1」)に応じて、差玉カウンタ計数テーブルに規定された各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)の賞球数を選択し、入賞があった場合には、差玉カウンタから選択した賞球数を減算するように構成されている。また、差玉カウンタから賞球数を減算した結果に応じて、安全装置作動フラグの設定及び演出制御部540に対して必要なコマンドの送信を行うように構成されている。
【0694】
S1568~S1575の処理をループ数が「0」になるまで繰り返し実行する際、例えば、現在のループ数が「4」で、左下入賞口42に入賞があったと判定された場合、差玉カウンタ計数テーブルに規定された左下入賞口42の賞球数(5)を取得し、差玉カウンタから取得した賞球数(5)を減算する。その結果、差玉カウンタが所定値(「0」)に到達した場合には、安全装置作動フラグをON状態に設定し、安全装置作動警告コマンドを演出制御部540に対して送信する。このような場合には、既に安全装置作動フラグがON状態に設定されているため、それ以上の計数処理は必要ないが、本実施例においては、ループ数が「0」となるまでは、引き続きS1568~S1575の処理を繰り返すように構成している。これにより、プログラムの分岐処理を省略し、プログラム容量を削減している。ただし、これに限らず、安全装置作動フラグがON状態に設定された時点で、残りのループ数の有無にかかわらず、安全装置計数処理(S1528)を終了するように構成してもよい。この場合には、残りのループ数に応じた不要な繰り返し処理の実行を回避することができる。
【0695】
また、本実施例の安全装置計数処理(S1528)では、差玉カウンタから賞球数を減算するためのループ処理(S1568~S1575)に先立って、差玉カウンタからアウト数を加算するための処理(S1567)を実行するように構成されているが、これは、計数処理の結果、差玉カウンタの値に矛盾が生じない様にするためとなっている。例えば、先に差玉カウンタから賞球数を減算するためのループ処理(S1568~S1575)を実行した場合、最終的に差玉カウンタの値が「0」となったとする。この場合、差玉カウンタの値が「0」に到達したので、安全装置作動フラグがON状態に設定されるが、その後、差玉カウンタからアウト数を加算するための処理(S1567)が実行されることで、差玉カウンタの値が「0」から「1」に更新される。その結果、差玉カウンタの値が「1」であるにもかかわらず(差玉カウンタの値が「0」ではないのに)、安全装置作動フラグがON状態に設定されるという矛盾が生じてしまう。一方、本実施例のように、先に差玉カウンタからアウト数を加算するための処理(S1567)を実行するように構成すれば、後に差玉カウンタから賞球数を減算するためのループ処理(S1568~S1575)を実行した結果、最終的な差玉カウンタの値は「1」となるので、安全装置作動フラグがON状態に設定されることがなく、前述のような矛盾が生じることがない。このように、差玉カウンタから賞球数を減算するためのループ処理(S1568~S1575)に先立って、差玉カウンタからアウト数を加算するための処理(S1567)を実行することで、計数処理上の矛盾を回避することが可能となるとともに、安全装置作動フラグの設定が次回以降の安全装置計数処理(S1528)に先送りされ、遊技停止状態の開始を遅延させることができるので、遊技者に対して可能な限り遊技可能状態を付与することが可能となっている。
【0696】
次に、
図4-4-1~
図4-4-2を用いて、安全装置を搭載した主制御部520の制御フローに関する変更形態(実施形態1-4)について以下に詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0697】
(タイマ割込み処理_安全装置4)
次に、
図4-4-1を参照して、
図4-3-2に示すタイマ割込み処理に関する変更形態について説明する。
図4-4-1はタイマ割込み処理の変更形態に関するフローチャートを示している。なお、S1025~S1045、S1510~S1511の処理については、前述した
図4-3-2に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0698】
S1575では、遊技停止フラグがON状態(5AH)であるか否かを判定する。その結果、ON状態であると判定された場合(=5AH)には、S1576の処理へと移行する。一方、ON状態ではないと判定された場合(≠5AH)には、S1576、S1510~S1511の処理の実行が回避され、S1025の処理へと移行する。
【0699】
S1576では、現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であるか否かが判定される。ここで、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、S1510~S1511の処理の実行が回避され、S1025の処理へと移行する。一方、大当り遊技中(又は小当り遊技中)ではないと判定された場合には、S1510~S1511の処理が実行される。
【0700】
このように、本実施例においては、S1575にて遊技停止フラグがON状態(5AH)であると判定され且つS1576にて現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)ではないと判定された場合にのみ、遊技停止状態に制御するための処理(S1510~S1511)が実行されるように構成されている。
【0701】
S1577では、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であるか否かの判定処理が行われる。その結果、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であると判定された場合には、遊技停止フラグの設定が行われる(S1578)。一方、安全装置作動フラグがON状態(5AH)ではないと判定された場合には、S1578の処理の実行が回避され、S1044の処理へと移行する。
【0702】
本実施例においては、前述した
図4-3-2のタイマ割込み処理とは異なり、遊技停止フラグの設定に際して大当り遊技中(又は小当り遊技中)であるか否かの判定を行っておらず、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であることのみを条件に、遊技停止フラグの設定を行うように構成している(S1577~S1578)。そのため、
図4-3-2のタイマ割込み処理では、大当り遊技中(又は小当り遊技中)に電源リセット(電源遮断→電源投入)を行うことで、大当り遊技(又は小当り遊技)の終了後に、遊技停止フラグの設定(S1564)が行われてしまうことを回避することが可能であったが、本実施例においては、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であっても遊技停止フラグの設定が行われるので、大当り遊技中(又は小当り遊技中)に電源リセット(電源遮断→電源投入)を行ったとしても、遊技停止フラグの設定を回避することができないように構成されている。さらに、本実施例においては、大当り遊技中(又は小当り遊技中)に遊技停止フラグの設定(S1578)が行われたとしても、S1576にて、現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)である場合には、遊技停止状態に制御するための処理(S1510~S1511)が回避されるため、大当り遊技(又は小当り遊技)が中断/中止されてしまうことはない。ただし、これに限らず、大当り遊技(又は小当り遊技)が中断/中止されるように構成してもよい。
【0703】
また、本実施例では、タイマ割込み処理において、安全装置作動管理処理(S1512)を実行しない構成となっている。そのため、前述した
図4-3-3の安全装置計数処理(S1528)を実行することで、差玉カウンタの値の判定(S1514~S1515)、安全装置作動フラグの設定(S1521)、安全装置作動警告コマンドの送信(S1522)、安全装置作動予告コマンドの送信(S1517)の処理を行うように構成される。また、本実施例においては、遊技停止処理(S1520)が行われないことで、遊技停止コマンドの送信(S1526)や発射停止処理(S1527)などが実行されないが、例えば遊技停止状態に制御するための処理(S1510~S1511)を実行する際に、遊技停止コマンドの送信(S1526)や発射停止処理(S1527)などを行うように構成してもよい。
【0704】
(タイマ割込み内領域外処理_安全装置4)
次に、
図4-4-2を参照して、
図4-1-4に示すタイマ割込み内領域外処理(S1040)に関する変更形態について説明する。
図4ー4-2はタイマ割込み内領域外処理(S1040)の変更形態に関するフローチャートを示している。なお、本実施例においては、S1579~S1580の処理が追加されているだけで、それ以外の処理(S1050~S1055、S1532~S1535)については、前述した
図4-1-4に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0705】
S1579では、現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であるか否かが判定される。ここで、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、使用領域外LED更新処理(S1052)へと移行する。一方、大当り遊技中(又は小当り遊技中)ではないと判定された場合には、S1533の処理へと移行する。
【0706】
また、S1580では、現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であるか否かが判定される。ここで、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、領域外スイッチ更新処理(S1535)へと移行する。一方、大当り遊技中(又は小当り遊技中)ではないと判定された場合には、S1054の処理へと移行する。
【0707】
ここで、本実施例におけるタイマ割込み処理では、前述した通り、遊技停止フラグの設定に際して大当り遊技中(又は小当り遊技中)であるか否かの判定を行っておらず、安全装置作動フラグがON状態(5AH)であることのみを条件に、遊技停止フラグの設定を行うように構成されている(S1577~S1578)。そのため、大当り遊技中(又は小当り遊技中)であっても遊技停止フラグがON状態(5AH)となる可能性があるため、S1576により大当り遊技中(又は小当り遊技中)は遊技停止状態に制御するための処理(S1510~S1511)が実行されないようにしている。
【0708】
そこで、タイマ割込み内領域外処理(S1040)に関しても、大当り遊技中(又は小当り遊技中)は、遊技停止状態とならないように制御する必要があり、例えば、遊技停止フラグがON状態(5AH)であっても、S1579により現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、S1533の処理を回避することで、大当り遊技中(又は小当り遊技中)に、性能表示LEDが消灯状態に制御されないようにしている。
【0709】
また、S1580により現在の遊技状態が大当り遊技中(又は小当り遊技中)であると判定された場合には、S1535の処理を実行することで、大当り遊技中(又は小当り遊技中)に、性能表示LEDに表示するベース値の更新を行わないように制御されないようにしている。
【0710】
ここまで説明した安全装置を搭載した主制御部の制御フローに関して、各実施形態(実施形態1-1、実施形態1-2、実施形態1-3、実施形態1-4)に関する記載については、1または複数を組み合わせた構成としてもよい。また、各実施形態において記載した内容は、個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。
【0711】
次に、
図5-1-1を用いて、本発明の特徴部分である安全装置の作動に関するタイムチャート(実施形態2-1)について詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0712】
(大当り遊技中に安全装置が作動した場合)
図5-1-1では、大当り遊技が開始され(ST1)、その大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態となり(ST2)その後、ラウンド遊技が終了し(ST3)、安全装置が発動し(ST4)、遊技停止状態となり遊技機1の電源が遮断される(ST5)までの一連の流れをタイムチャートにより示している。さらに、
図5-5-1では、ST1~ST5の経過の中で主制御部520、演出制御部540、払出制御部510が夫々、以下に示す各種機能をどのように制御するかを示している。
【0713】
図5-1-1では、主制御部520により制御される各種機能として、図柄表示装置76に関する機能(特別図柄表示用LED76a、76b、特別図柄記憶表示用LED76c、76d、普通図柄変動表示用LED76e、普通図柄記憶表示用LED76f、右打ち表示用LED76g等各種LEDの点灯制御)、性能表示LED521に関する機能(7セグ表示器の点灯制御、入賞数及びアウト数のカウント処理、ベース値の算出処理)、電チューサポートに関する機能(特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の作動制御)、大入賞口44、45に関する機能(大入賞口開閉ソレノイド70、71の作動制御)、外部端子に関する機能(セキュリティ信号の出力制御)、安全装置に関する機能(差玉計数処理)、試射試験信号に関する機能(安全装置作動前信号、安全装置作動信号の出力制御)について記載している。
【0714】
また、演出制御部540により制御される各種機能として、変動表示装置95に関する機能(特別図柄変動LED、普通図柄変動LEDの点灯制御)、画像表示手段31に関する機能(ミニ図柄103a、右打ち表示、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御)、LED63a、64aに関する機能(安全装置作動報知に関する点灯制御)、可動物30a、30bに関する機能(可動演出の実行制御)、調整機能(音量調整ボタン16、光量調整ボタン17の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0715】
また、払出制御部510により制御される各種機能として、払出制御機能(玉貸ボタン20、返却ボタン21の有効・無効の切替制御、賞球払出動作に関する実行制御)、発射制御機能(発射制御の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0716】
図5-1-1に示す実施例では、遊技状態が大当り遊技状態から遊技停止状態に遷移する例を示している。ここで示す大当り遊技は、1ラウンド遊技(1R遊技)から10ラウンド遊技(10R遊技)まで、各ラウンド遊技の間にラウンド間インターバル(INT)を設ける形で構成され、最後に大当り終了インターバル(大当り終了INT)が実行される。このようにして大当り遊技が終了すると、即座に遊技停止状態へと遷移する。このように、大当り遊技の終了後に遊技停止状態に制御されるのは、大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態(≒差玉カウンタが所定値に到達)に制御されているためである。
【0717】
次に、ST1~ST5の経過において、主制御部520により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0718】
図柄表示装置76の特別図柄変動表示用LED76a、76bは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、当たり態様(大当り停止発光パターン)で停止表示される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄変動表示用LED76a、76bは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)、非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、特別図柄変動表示用LED76a、76bが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0719】
次に、特別図柄記憶表示用LED76c、76dは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、現在の保留記憶数に応じた表示態様で点灯表示される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄記憶表示用LED76c、76dは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)、非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して、保留記憶が消滅し、次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0720】
次に、普通図柄変動表示用LED76eは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、抽選結果が当りの場合には当り表示(当り停止発光パターン)で停止表示される。
図5-1-1に示す実施例では、当り表示(当り停止発光パターン)で停止表示される例を示しているが、抽選結果がハズレの場合にはハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されることとなる。また、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示される場合に限らず、右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)が遊技球を検出していない場合には、普通図柄変動表示用LED76eは、前回の抽選結果を示す表示態様で停止表示されることとなる。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄変動表示用LED76eは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、普通図柄変動表示用LED76eが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0721】
また、
図5-1-1に示す実施例では、普通図柄変動表示用LED76eが当り表示(当り停止発光パターン)で停止表示されているタイミングで安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御されている。このように安全装置が発動(ST4)した場合には、当り表示(当り停止発光パターン)の停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして、即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、当り表示(当り停止発光パターン)に限らず、ハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されている場合にも同様に、ハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)の停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして、即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示されている場合には、変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして、即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0722】
次に、普通図柄記憶表示用LED76fは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、現在の普通図柄保留記憶数に応じた表示態様で点灯表示される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄記憶表示用LED76fは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、普通図柄記憶表示用LED76fが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して、普通図柄保留記憶が消滅し、次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0723】
次に、右打ち表示用LED76gは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、右打ち発射が有利であることを示す表示態様で点灯表示される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、右打ち表示用LED76gは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、右打ち表示用LED76gが非表示(消灯状態)に制御されることで、右打ち発射が有利な状態ではなくなったことを示している。
【0724】
次に、性能表示LED521の7セグ表示器は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、ベース値の表示制御が行われている。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、7セグ表示器は消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、7セグ表示器が消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))に制御されることで、遊技が不能な状態にもかかわらず現在のベース値を表示してしまうことを防止している。ここで、
図5-1-1に示す実施例では、遊技停止状態に制御された場合には7セグ表示器を消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))としたが、これに限らず遊技停止状態においてもベース値の表示制御が行われるように構成してもよい。これにより、遊技停止状態においてもベース値の確認を行うことが可能となる。
【0725】
次に、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、有効に実行される。ここで、大当り遊技中は入賞数のカウント処理をは行わず、アウト数のカウント処理のみ実行される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は実行されない。このように、遊技停止状態において性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行しないのは、遊技停止状態が遊技不能に構成されているからであり、そのような状況下では、そもそも入賞及びアウトが発生することがないと考えられるためである。そこで、入賞数及びアウト数のカウント処理を無効とすることで、不正な入賞数及びアウト数をカウントし、ベース値を不正に操作されることを防止している。また、遊技停止状態では、入賞口38、39、40、41、42、43、44、45に遊技球が入球したとしても、遊技者に対して賞球の払出が行われることがないため、入賞にかかるベース値のカウント処理も行わないことが望ましい。ただし、遊技停止状態においても、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行するようにしてもよく、この場合には少なくとも遊技停止状態においても遊技球の発射を有効としておくことが望ましい。また、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行する場合であっても、遊技者に対して賞球の払出が行われることはない。
【0726】
次に、性能表示LED521のベース値算出処理は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、有効に実行される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)、性能表示LED521のベース値算出処理は実行されない。このように、遊技停止状態において性能表示LED521のベース値算出処理を実行しないのは、遊技停止状態が遊技不能に構成されているからであり、そのような状況下では、そもそも入賞及びアウトが発生することがないと考えられるためである。そこで、ベース値算出処理を無効とすることで、不正な入賞数及びアウト数に基づくベース値を算出し、ベース値を不正に操作されることを防止している。また、遊技停止状態では、入賞口38、39、40、41、42、43、44、45に遊技球が入球したとしても、遊技者に対して賞球の払出が行われることがないため、入賞にかかるベース値の算出処理も行わないことが望ましい。ただし、遊技停止状態においても、性能表示LED521のベース値算出処理を実行するようにしてもよく、この場合には少なくとも遊技停止状態においても遊技球の発射を有効としておくことが望ましい。また、性能表示LED521のベース値算出処理を実行する場合であっても、遊技者に対して賞球の払出が行われることはない。
【0727】
次に、電チューサポート機能の作動にかかる特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の開閉制御は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、有効に実行され、普通図柄変動表示用LED76eの変動結果に応じて、特別図柄2始動口39を開放状態または閉鎖状態に制御する。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72がOFF状態に制御されることで、特別図柄2始動口39を閉鎖状態に制御する。
図5-1-1に示す実施例では、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72がON状態に制御され、特別図柄2始動口39が開放状態となっている際に安全装置が発動(ST4)している。この場合、予め設定された開放時間の経過を待たずして、特別図柄2始動口39が閉鎖状態に制御される。このように、安全装置が発動(ST4)した場合には、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72をOFF状態に制御し、特別図柄2始動口39を閉鎖状態にすることで、その後の遊技停止状態において特別図柄2始動口39に遊技球が入球してしまうことを防止している。そして、安全装置の発動(ST4)を契機に特別図柄2始動口39が閉鎖状態に制御されると、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)、閉鎖状態が維持される。
【0728】
次に、大入賞口44、45を開閉するための大入賞口開閉ソレノイド70、71の開閉制御は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、有効に実行され、ラウンド遊技の進行に応じて開放状態または閉鎖状態に制御される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、大入賞口開閉ソレノイド70、71は常にOFF状態に制御される。そして遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)、大入賞口44、45の閉鎖状態を維持するように制御される。このように安全装置が発動(ST4)した場合には、大入賞口開閉ソレノイド70、71をOFF状態に制御し、大入賞口44、45を閉鎖状態にすることで、その後の遊技停止状態において大入賞口44、45に遊技球が入球してしまうことを防止している。
【0729】
次に、外部端子のセキュリティ信号の出力制御は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、未出力状態に制御される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、セキュリティ信号が出力状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)セキュリティ信号の出力を維持するように制御される。このように安全装置が発動(ST4)した場合には、セキュリティ信号を出力状態に制御することで、ホールコンピュータに対して遊技停止状態となったことを通知可能に構成されている。
【0730】
次に、安全装置にかかる差玉カウンタの差玉計数処理は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまでの間、有効に実行される。差玉計数処理が実行されることで、差玉カウンタが所定値に到達し、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)差玉計数処理が実行されることはない。これは、一度安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合には、その後の差玉カウンタの値にかかわらず、大当り遊技の終了後に遊技停止状態に遷移することとなるため、差玉計数処理の実行は不要であると考えられるためである。ただしこれに限らず、差玉カウンタの差玉計数処理を実行するように構成してもよい。具体的には、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった後、安全装置が発動(ST4)するまでの間、有効に実行するように構成してもよいし、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)の間、有効に実行するように構成してもよい。ただし、いずれの場合であっても、一度OFF状態からON状態に設定された安全装置作動フラグが、差玉カウンタの差玉計数処理を実行した結果、再度ON状態からOFF状態に変化することがないように構成することが望ましい。これにより、安全装置作動フラグがON状態となった後、入賞数及びアウト数をコントロールすることで、安全装置作動フラグを変化させ(ON状態→OFF状態)、安全装置の発動を遅延・中止させるという行為を防止することが可能となる。
【0731】
次に、試射試験信号にかかる安全装置作動前信号の出力処理は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、出力可能状態に制御される。ここで、出力可能状態とは、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合に出力されるように制御されていることを意味しており、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合には、その時点から試射試験信号として安全装置作動前信号が出力されることとなる。
【0732】
ここで、試射試験信号とは、遊技機1の検定試験において必要な情報を外部の試験装置に対して出力するための信号である。そのため、市場に出荷されホールに設置された遊技機1から、これらの信号が外部に出力されることはない。安全装置作動前信号は、前述した通り、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合に出力され、この安全装置作動前信号が出力されることで、安全装置の発動(ST4)が近づいていることを試験装置に対して報知することが可能となっている。ちなみに、
図5-1-1に示す実施例では、大当り遊技の開始(ST1)以降に、安全装置作動前信号が出力可能となるように記載しているが、実際には大当り遊技の開始(ST1)前であっても、安全装置作動前信号は出力可能な状態となっている。
【0733】
また、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)して、安全装置作動前信号が出力された後、所定の条件が不成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)を下回る)となった場合には、安全装置作動前信号を出力状態から未出力状態に制御することが望ましい。またこの際、出力状態から未出力状態へと即座に切り替えるように構成してもよいし、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)出力状態を維持した後、未出力状態に切り替えるように構成してもよい。またその後、再度所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合には、安全装置作動前信号を出力状態に制御する。またこれに限らず、安全装置作動前信号が出力された後、所定の条件が不成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)を下回る)となった場合であっても、安全装置作動前信号を出力状態のまま維持するように構成してもよい。
【0734】
安全装置作動前信号の出力処理は、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、出力状態から未出力状態へ切り替えられる。この際、出力状態から未出力状態へと即座に切り替えるように構成してもよいし、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)出力状態を維持した後、未出力状態に切り替えるように構成してもよい。そしてその後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)未出力状態が維持される。前述したように、安全装置作動前信号は、安全装置の発動(ST4)が近づいていることを試験装置に対して報知することが目的であるため、既に安全装置が発動(ST4)している遊技停止状態においては出力する必要がないため、未出力状態としておくことが望ましい。
【0735】
また、安全装置作動前信号の出力処理を、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまで出力可能な状態とし、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった後は、未出力状態に制御するように構成してもよい。この際、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となったことを契機に、出力状態から未出力状態へと即座に切り替えるように構成してもよいし、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)出力状態を維持した後、未出力状態に切り替えるように構成してもよい。このように構成することで、安全装置作動前信号により、安全装置作動フラグがON状態となるための条件の成立(差玉カウンタの値が所定値(例:95000)に到達)が近づいていることを試験装置に対して事前に報知することが可能となる。
【0736】
また、安全装置作動前信号は、差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合に出力することとしたが、差玉カウンタの値が所定値(例:90000)を上回っている間は常に出力するように構成してもよいし、差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合に、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)だけ出力するように構成してもよい。
【0737】
次に、試射試験信号にかかる安全装置作動信号の出力処理は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、未出力状態に制御される。そして、安全装置が発動(ST4)した後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)の間、出力状態に維持される。ただしこれに限らず、安全装置が発動(ST4)した後、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)だけ出力するように構成してもよい。このように安全装置が発動(ST4)した後、遊技停止状態に制御された場合に安全装置作動信号が出力されることで、試験装置に対して安全装置が発動したこと(≒遊技停止状態に制御されたこと)を報知することが可能となっている。
【0738】
また、安全装置作動信号は、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となったことを契機に出力するように構成してもよい。この際、出力状態から未出力状態へと即座に切り替えるように構成してもよいし、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)出力状態を維持した後、未出力状態に切り替えるように構成してもよい。またこの場合には、安全装置作動信号を出力するタイミングで、安全装置作動前信号の出力を停止させることが望ましい。ただしこれに限らず、安全装置作動前信号の出力を安全装置の発動(ST4)タイミングまで維持するように構成してもよい。
【0739】
次に、ST1~ST5の経過において、演出制御部540により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0740】
変動表示装置95の特別図柄変動LEDは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、停止表示態様(停止発光パターン又は停止消灯パターン)で表示される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄変動LEDは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示(消灯状態)を維持するように制御される(停止表示態様が停止消灯パターンの場合には、遊技停止状態後も消灯を維持)。このように遊技停止状態では、特別図柄変動LEDが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0741】
次に、普通図柄変動LEDは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、普通図柄変動遊技の抽選結果(普通図柄変動表示用LED76eの変動態様)に対応(同期)して、変動表示態様または停止表示態様で表示される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄変動表示用LED76eは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)、非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、普通図柄変動表示用LED76eが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して、次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0742】
また、
図5-1-1に示す実施例では、普通図柄変動表示用LED76eが停止表示態様で表示されているタイミングで、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御されている。このように安全装置が発動(ST4)した場合には、停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして、即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示されている場合には、変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして、即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0743】
次に、画像表示手段31に表示するミニ図柄103aは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、停止表示態様(「777」などの当たり停止パターン)で表示される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、ミニ図柄103aは非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示状態を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、画像表示手段31のミニ図柄103aが非表示状態に制御されることで、遊技者に対して次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0744】
次に、画像表示手段31に表示する右打ち表示は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、右打ち発射が有利であることを示す表示態様(右打ち発射を促す表示態様)で表示される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、右打ち表示は非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示状態を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、右打ち表示が非表示状態に制御されることで、右打ち発射が有利な状態ではなくなったことを示している。
【0745】
次に、画像表示手段31に表示するエラー表示は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)、エラー内容(RWM初期化、球詰まり、補給切れ、計数異常、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等)を報知可能な状態に制御される。ここで、エラー表示に関しては、遊技停止状態においても報知可能としているのは、遊技停止状態においても発生中のエラー内容を正確に通知するためである。そのため、大当り遊技中にエラー表示が行われている場合、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御されたとしても、表示中のエラー表示に関しては継続して表示を行うように構成される。このように、安全装置の発動(ST4)後も継続してエラー表示が行われることで、遊技停止状態に移行後も発生中のエラー内容の把握及び解除を容易に行うことができる。
【0746】
また、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された後に新たに発生したエラーに関しては、新たにエラー表示(エラー報知)が実行されないように構成することが望ましい。これは、遊技停止状態に制御されると、その後の遊技行為が制限されるため、そのような状況下ではエラーが発生する可能性が低く(そもそもゴト行為が行われる可能性が低い)、新たなエラー表示(エラー報知)を実行する必要性が低いと考えられるためである。ただしこれに限らず、遊技停止状態において、新たに発生したエラーに関するエラー表示(エラー報知)を実行するように構成してもよい。この場合には、遊技停止状態においても発生したエラー内容を正確に通知することが可能となる。また、特定のエラー(球詰まり、補給切れ、計数異常等の遊技者の利益に影響を与えるもの)に関してのみ、遊技停止状態に制御された後に新たに発生した場合であってもエラー表示(エラー報知)を実行するように構成してもよい。また、特定のエラーは上述のものに限らず、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等のゴト行為に関連するものであってもよい。
【0747】
また、エラー表示は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)エラー内容を報知可能としたが、これに限らず、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、エラー内容を報知可能としてもよい。この場合、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合にはエラー表示は非表示とし、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示状態を維持するようにしてもよい。この場合、大当り遊技中に行われているエラー表示がある場合には、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態となったタイミングで即座に非表示に切り替えるようにしてもよいし、予め定められた表示時間(例:30s)だけ遊技停止状態となった後も表示を継続するように構成してもよい。
【0748】
また、前述の内容はエラー表示のみに限らず、LEDや音声を利用したエラー報知に対しても同様に適用してもよい。例えば、エラー表示だけでなくLEDや音声を利用してエラー報知を行っている場合には、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)エラー報知を可能に構成してもよい。また、前述したその他の構成についてもLEDや音声を利用したエラー報知に対して同様に適用してもよい。
【0749】
また、エラー表示のみを、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御されその後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)エラー表示可能に構成し、LEDや音声を利用したエラー報知については、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、エラー報知可能に構成してもよい。例えば、特定のエラー(RWM初期化、球詰まり、補給切れ、計数異常、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等)が発生している場合に、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御されるまでは、エラー表示、LED又は/及び音声によりエラー報知を行い、遊技停止状態に制御された後は、エラー表示のみを行い、LED又は/及び音声については、遊技停止状態に制御されたことを示す遊技停止状態報知態様(LED:点灯パターンor消灯パターン、音:報知音あり、報知音なしでもよい)に制御してもよい。これにより、エラー表示の報知と遊技停止状態に制御されていることの報知を適切に行うことができる。またこの時、画像表示手段31には、エラー表示と遊技停止状態に制御されていることを示す遊技停止状態報知画像を表示するように構成してもよい。また、LEDや音声を利用したエラー報知については、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)エラー報知可能に構成し、エラー表示については、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、エラー表示可能に構成してもよい。
【0750】
また、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでに表示するエラー表示と、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)に表示するエラー表示の表示態様を異ならせるように構成してもよい。これにより、遊技状態に応じたエラー表示を行うことが可能となる。具体的には、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでに表示するエラー表示は、遊技に関するその他の情報表示画像との配置関係を意識した表示箇所、表示サイズ、表示内容とし、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)に表示するエラー表示は、表示に関する制約が比較的少ないので、表示箇所、表示サイズ、表示内容を識別しやすい態様で表示するように構成してもよい。例えば、遊技停止状態(安全装置作動後)では、背景画像が黒ベタ画像となることで、遊技中(安全装置が作動する前)よりも、エラー表示内容が識別しやすいように構成してもよい。
【0751】
次に、画像表示手段31に表示する保留表示104a、105aは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留画像表示を行うように制御される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、画像表示手段31の保留表示は非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、画像表示手段31の保留表示104a、105aが非表示状態に制御されることで、遊技者に対して保留記憶が消滅し次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0752】
次に、画像表示手段31に表示する特別図柄記憶個数表示106a、106bは、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留個数表示(例「0」~「4」のいずれかの数値を表示)を行うように制御される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、画像表示手段31の特別図柄記憶個数表示106a、106bは非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)非表示状態を維持するように制御される。このように遊技停止状態では、画像表示手段31の特別図柄記憶個数表示106a、106bが非表示状態に制御されることで、遊技者に対して保留記憶個数が消滅し次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0753】
また、特別図柄記憶個数表示106a、106bについては、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合であっても表示状態を継続するように構成してもよい。この場合、安全装置が発動(ST4)する前は、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留個数表示(例「0」~「4」のいずれかの数値を表示)とし、安全装置が発動(ST4)した後は、保留記憶数がないことを示す「0」表示に切り替えて表示することが望ましい。
【0754】
画像表示手段31に表示する保留表示104a、105a又は特別図柄記憶個数表示106a、106bに関して、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、いずれか一方の表示のみを非表示状態に制御し、他方の表示については表示状態を継続するように構成してもよい。例えば、保留表示104a、105aについては非表示状態とし、特別図柄記憶個数表示106a、106bは表示状態としてもよいし、その逆としてもよい。
【0755】
次に、画像表示手段31に表示するモード表示について、大当り遊技の開始(ST1)からラウンド遊技が終了(ST3)するまでの間、現在の遊技状態(例:大当り遊技状態である旨や大当り遊技状態の種別(10ラウンド大当りなど))を示す表示画像を表示するように制御される。ラウンド遊技が終了(ST3)したタイミングから、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)の間は、モード表示が非表示状態に制御される。また、モード表示は現在の遊技状態に限らず、次回の遊技状態(遊技停止状態とならなかった場合に、大当り終了後に移行する予定だったモード表示(通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態など、それらを示唆する表示画像)であってもよい。いずれにしても、ラウンド遊技が終了(ST3)したタイミングから、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)の間は、モード表示が非表示状態に制御されることが望ましい。これにより、遊技停止状態となる場合には、現在の遊技状態が制限されることや次回の遊技状態が生起しないことを示唆することが可能となっている。
【0756】
また、モード表示については、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、表示可能に構成してもよい。この場合、例えば、大当り終了INT中において、次回の遊技状態(遊技停止状態とならなかった場合に、大当り終了後に移行する予定だったモード表示(通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態など、それらを示唆する表示画像)を表示してもよい。これにより、実際には大当り終了INT後、安全装置が発動(ST4)することで遊技停止状態に移行するが、遊技停止状態に移行される前に安全装置が発動しなかった場合に移行する予定であったモード表示を遊技者に対して告知することが可能となる。
【0757】
次に、画像表示手段31に表示する安全装置作動表示は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまでの間、安全装置作動フラグがON状態となる契機が迫っていることを示唆する作動予告表示を表示可能に制御される。作動予告表示は、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)を満たした場合に表示が開始されるように構成され、表示が開始されると安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまでの間、継続的に表示するように構成される。また、作動予告表示を開始した後、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000))が不成立(差玉カウンタの値が所定値(90000)を下回る等)となった場合には、作動予告表示は非表示状態となるように制御される。また、作動予告表示は、現在の差玉カウンタの値に基づく数値を表示するように構成されており、例えば「現在の差玉数/950000(安全装置作動フラグがON状態となる所定値)」のように、現在の差玉数が常に更新表示され、安全装置作動フラグがON状態となるまでの数値をリアルタイムに把握可能に表示される。また、差玉数のカウントに関しては、常時更新に限らず、例えば、所定単位(10、100、1000など)毎に更新されるように構成してもよい。また、更新単位を変更するように構成してもよく、例えば、所定値(95000)に近づくにつれて更新単位を変更(例:1000→100→10)するように構成してもよい。また、作動予告表示を行うに際しては、主制御部520から演出制御部540に対してアウト数及び賞球数に関する情報をコマンド送信し、演出制御部540は受信したアウト数及び賞球数に関する情報を用いて、現在の差玉数に関する計数処理を行うように構成してもよい。この場合、主制御520にて、アウト及び/又は入賞を検出する度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよいし、所定の条件(例:主制御部520から演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを送信した場合)を満たした後、主制御部520は発生したアウト及び/又は入賞を検出する度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよい。また、主制御部520から演出制御部540に対して計数済みの差玉数に関する情報をコマンド送信し、演出制御部540は受信した差玉数に関する情報を用いて、現在の差玉数に関する計数処理を行うように構成してもよい。この場合、主制御部520にて、差玉数の計数処理を行う度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよいし、安全装置作動予告コマンドに差玉数の情報を付加する形でコマンド送信を行うようにしてもよい。また、所定の条件(例:主制御部520から演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを送信した場合)を満たした後、主制御部520にて差玉数の計数処理を行う度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよい。
【0758】
また、作動予告表示に関しては上述の内容に限らず、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)を満たした場合に表示が開始された後、所定時間(例:30s)経過後に非表示状態となるように構成してもよい。また、所定時間(例:60s)毎に表示状態と非表示状態を繰り返すように構成してもよい。また、作動予告表示を開始した後、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000))が不成立(差玉カウンタの値が所定値(90000)を下回る等)となった場合であっても作動予告表示の表示を継続するように構成してもよい。この場合、所定の条件が不成立となってから、所定時間(例:30s)だけ表示を継続し、所定時間が経過した際に未だ所定の条件が不成立であった場合には、非表示状態に制御するように構成してもよい。また、所定の条件が不成立となってから所定時間が経過した際(又は所定時間の経過前)に、再度所定の条件が成立した場合には、所定時間が経過しても表示状態を継続するように構成してもよい。
【0759】
また、作動予告表示は所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)を満たした場合に表示が開始されるとしたが、その他にも条件(差玉カウンタの値が所定値(例:80000)に達した場合など)を有し、複数の条件の中から、ホール従業員又は遊技者が選択できるように構成してもよい。ホール関係者のみが選択できるように構成する場合には、遊技機1背面側に配置された主制御基板52や演出制御基板53、54、55、56などに選択スイッチを設けたり、所定の操作で移行可能なホール用メニュー画面において選択できるように構成してもよい。また、遊技者も選択できるように、非遊技中及び/又は遊技中において、遊技機1前側に配置された中押しボタン14aや十字ボタン18の操作で選択できるように構成してもよい。
【0760】
また、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000))が不成立(差玉カウンタの値が所定値(90000)を下回る等)となった場合にのみ表示する不成立時作動予告表示があってもよく、この不成立時作動予告表示によって、例えば、所定値(90000)を下回ったため作動予告表示を終了する旨を通知するように構成してもよい。
【0761】
また、作動予告表示は、現在の差玉カウンタの値に基づく数値を表示するものとしたが、これに限らず、安全装置作動フラグがON状態となる契機が近づいていることを示す表示(例:「まもなく安全装置が作動します」、「まもなく安全装置作動フラグが設定されます」など)を行うようにしてもよい。
【0762】
また、
図5-1-1に示す実施例では、大当り遊技の開始(ST1)から作動予告表示が可能となるように記載しているが、これに限らず、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)が成立した場合には、大当り遊技の開始(ST1)前であっても作動予告表示の表示を開始するように構成してもよい。また、大当り遊技の開始(ST1)前に関しても、作動予告表示の表示、非表示の制御に関しては前述内容と同様の構成を採用するようにしてもよい。
【0763】
画像表示手段31に表示する安全装置作動表示は、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となり、安全装置が発動(ST4)するまでの間、安全装置が作動することを報知する作動警告表示を表示可能に制御される。作動警告表示は、所定の条件(安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合≒差玉カウンタの値が所定値(例:95000)に達した場合)を満たした場合に表示が開始されるように構成され、表示が開始されると安全装置が発動(ST4)するまでの間、継続的に表示するように構成される。ただしこれに限らず、所定の条件(安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合≒差玉カウンタの値が所定値(例:95000)に達した場合)を満たした場合に表示を開始し、所定時間(例:30s)経過後に非表示状態となるように構成してもよい。また、所定時間(例:60s)毎に表示状態と非表示状態を繰り返すように構成してもよい。
【0764】
また、作動警告表示の開始条件(安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合≒差玉カウンタの値が所定値(例:95000)に達した場合)は、一度その条件が成立すると、その後不成立(安全装置作動フラグがOFF状態又は/及び差玉カウンタの値が所定値(例:95000)を下回る)となることがないように構成されているが、ROMやRAMの改変を行うゴトや不具合等により、仮に不成立となってしまった場合であっても、作動警告表示の表示は非表示状態とせずに表示状態を継続させることが望ましい。この場合、所定の条件が不成立となってから、所定時間(例:30s)だけ表示を継続し、所定時間が経過した際に未だ所定の条件が不成立であった場合には、非表示状態に制御するように構成してもよい。また、所定の条件が不成立となってから所定時間が経過した際(又は所定時間の経過前)に、再度所定の条件が成立した場合には、所定時間が経過しても表示状態を継続するように構成してもよい。これにより、ゴト行為や不具合が発生したとしても作動警告表示を継続させることが可能となる。また、仮に不成立状態となった場合には、その後、安全装置を作動(ST4)させて、遊技停止状態に制御することが望ましい。ただしこれに限らず、安全装置を作動させないことで、遊技停止状態に制御しないように構成してもよい。
【0765】
また、作動警告表示は、例えば「まもなく安全装置が作動します」などの表示内容であってもよいし、「この大当り遊技の終了後に安全装置が作動します」など作動タイミングを示唆する表示内容であってもよい。また、「差玉数が95000に達したため、安全装置が作動します」などの差玉数の到達値を示唆する表示内容であってもよい。また、これらの表示内容を組み合わせた表示内容としてもよい。
【0766】
また、作動警告表示の開始条件(安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合≒差玉カウンタの値が所定値(例:95000)に達した場合)は、作動警告表示の表示を開始するが、この際、作動予告表示の表示を行っていた場合には、表示中の作動予告表示を非表示状態にして作動警告表示の表示を開始する。これにより、安全装置作動フラグがON状態となる可能性があることを示唆する作動予告表示から安全装置作動フラグがON状態(≒安全装置が発動する)となったことを示唆する作動警告表示へと報知内容をシフトさせることが可能となる。また、作動予告表示と作動警告表示は、表示位置や表示サイズなどが共通の表示態様となるように構成してもよいし、表示位置や表示サイズなどを異ならせた表示態様となるように構成してもよい。表示位置や表示サイズを異ならせる場合には、作動予告表示よりも作動警告表示の方が、表示位置が画像表示手段の中央寄り、表示サイズ(表示領域)が大きくなるように構成することが望ましい。但し、これに限らず作動予告表示を前述の構成としてもよい。
【0767】
また、安全装置作動表示に関しては、作動予告表示又は作動警告表示のいずれか一方の表示のみを行うように構成してもよい。例えば、作動予告表示のみを行う場合には、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまでの間、作動予告表示を表示可能とし、その後、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合には非表示状態となるように制御してもよい。また、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、作動予告表示を表示可能とし、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった後も作動予告表示を表示するように構成してもよい。また、作動警告表示のみを行う場合には、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となり、安全装置が発動(ST4)するまでの間、作動警告表示を表示可能としてもよい。この場合には作動予告表示が行われないので、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまでは安全装置の作動に関する報知は一切行われない。
【0768】
画像表示手段31に表示する安全装置作動表示は、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、非表示状態に制御される。
図5-1-1の実施例では、表示中の作動警告表示を安全装置の発動(ST4)タイミング(≒遊技停止状態の開始タイミング)で非表示状態としている。このように安全装置が発動(ST4)した後は、作動警告表示を表示する必要性が低いため非表示状態に制御することが望ましい。またこの際、作動警告表示に替えて作動中表示(例:「安全装置が作動中です」や「遊技停止状態中です」など)の表示を行うように構成してもよい。
【0769】
次に、画像表示手段31に表示する演出表示として、大当り遊技の開始(ST1)からラウンド遊技の終了(ST3)までラウンド演出が表示される。ラウンド演出は、実行中のラウンド遊技の情報(例:1R目など)や、ラウンド遊技中の演出表示(キャラクタ画像などラウンド進行中に表示する演出表示)や、獲得遊技球数などにより構成されている。
図5-1-1に示す実施例では、大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合であってもラウンド演出を実行可能な構成となっている。これにより、安全装置の作動、非作動に影響されないラウンド演出を実行することが可能となっている。
【0770】
しかしながら、前述の構成に限らず、大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合にはラウンド演出の実行を制限するように構成してもよい。例えば、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合には、ラウンド遊技中の演出表示を特別な演出表示(大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態となった場合にのみ表示される特別演出)に変更してもよい。また、獲得遊技球数の表示を非表示状態に制御したり、表示状態を維持したまま、それ以上の更新は行わないようにしてもよい。このように、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合に、ラウンド演出に対して何かしらの変化を与えるようにすることで、遊技者に対して安全装置の作動を認識させることができる。
【0771】
また、獲得遊技球数に関して、差玉カウンタが所定値(95000)に到達した場合に、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるが、この所定値(95000)よりも獲得遊技球数の表示限界値の方が大となるように構成してもよい(例:99999)。これにより、大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった後もラウンド遊技が残されている場合に、所定値(95000)以上の獲得遊技球数の更新表示を引き続き実行することが可能となる。さらに、獲得遊技球数の表示限界値は、大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった後に未実行となる可能性がある最大ラウンド遊技数(10R分)で獲得可能な遊技球数(例:1500)を、所定値に足した値(例:96500)以上であることが望ましい。ただし、現状表示している桁数が繰り上がらない値(例:99999)を表示限界値とすることが好ましく、これにより表示更新制御に負荷をかけないように構成することが可能となる。またこれに限らず、獲得遊技球数の表示限界値と所定値(95000)とを同じ値としてもよい。また、獲得遊技球数の表示限界値の方が所定値(95000)よりも大となるように構成しつつ、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合には、獲得遊技球数の表示や更新処理を停止するように構成してもよい。
【0772】
また、作動予告表示にて、現在の差玉数を表示している場合に、差玉数が所定値(95000)に到達した場合には作動予告表示による差玉数の更新は終了させるが、獲得遊技球数の更新は継続させることが望ましい。作動予告表示では、「現在の差玉数(95000)/95000」が表示された時点で更新が終了(この時、所定時間作動予告表示の表示を継続させてもよいし、終了させてもよい。また、いずれの場合であっても作動警告表示を開始させるように構成してもよい。)する一方、獲得遊技球数に関しては入賞が生じたことを契機に更新させることで、作動予告表示により表示可能な限界値(95000)よりも獲得遊技球数の表示限界値の方が大となるように構成してもよい(例:99999)。また、作動警告表示についても、現在の差玉数を表示している場合に同様の構成とすることは差し支えない。
【0773】
画像表示手段31に表示する演出表示として、ラウンド遊技の終了(ST3)から安全装置が発動(ST4)するまでの大当り終了INT期間において、エンディング演出が実行される。エンディング演出では、大当り遊技が終了した旨を報知したり、大当り遊技が終了した後に移行するモード表示の表示が行われる。ここで、大当り遊技の終了後に安全装置が発動(ST4)する場合には、安全装置が発動(ST4)しない時には実行されない特別なエンディング演出を実行するように構成してもよい。特別なエンディング演出では、大当り遊技の終了後に遊技停止状態に制御される旨の報知や多数の遊技球を獲得したことを称賛する旨の報知を行うように構成してもよい。
【0774】
また、大当り遊技の終了後に安全装置が発動(ST4)する場合であっても、安全装置が発動(ST4)しない時と同様のエンディング演出を実行するように構成してもよい。この場合には、大当り遊技の終了後に移行する可能性のあったモード表示が実行されることととなるが、実際には遊技停止状態に移行することとなる。これにより、遊技者は遊技停止状態に移行する場合であっても移行可能性のあったモードを知ることが可能となる。また、このようにエンディング演出において、移行する可能性のあるモード表示を実行したとしても作動警告表示によりエンディング演出中も安全装置が作動する旨の報知を行うことで、遊技者が大当り終了後の移行先を誤認しないように構成することが可能となっている。
【0775】
また、画像表示手段31に表示する演出表示として、大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態(ST2)となったタイミングからラウンド遊技の終了(ST3)までの間、エンディング演出開始前演出を実行するように構成してもよい。エンディング演出開始前演出は、前述したエンディング演出が実行される前の導入演出の役割を担うものであり、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となったことを開始条件とすることで、ラウンド遊技が終了(ST3)するまでの比較的長い演出時間を利用して大当り遊技の終了後に遊技停止状態に制御される旨の報知やその導入内容、多数の遊技球を獲得したことを称賛する旨の報知やその導入内容などを行うように構成される。また、エンディング演出開始前演出を行う場合、画像表示手段31に表示する特定の表示物(例:保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示など)の表示を制限することが望ましい。すなわち、エンディング演出開始前演出を実行することで、遊技者に対して大当り遊技の終了後、遊技停止状態に制御されることが報知されるので、遊技停止状態に移行する場合には不要となる特定の表示物(例:保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示など)については、エンディング演出開始前演出中から非表示状態に制御することが望ましい。また、これらの表示物を非表示状態とすることで、画像表示手段31の表示領域に余裕が生まれるのでエンディング演出開始前演出を表示するための表示領域を確保することが可能となる。
【0776】
画像表示手段31に表示する演出表示として、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技停止状態となった旨を報知可能な遊技停止画面を表示する。遊技停止画面は、画像表示手段31の表示領域全面に黒ベタの背景画像を表示する黒色背景画像と遊技停止状態に制御されていることを示すメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)により構成される。このように、遊技停止状態となった場合には、画像表示手段31に遊技停止画像が表示されることで、遊技者に対して遊技停止状態に制御されていることを報知可能に構成されている。また、遊技停止画面では、所定の遊技情報(獲得した特典情報や履歴情報など)を記憶するための二次元コードを表示するように構成してもよい。これにより、遊技停止前に獲得した特典情報や蓄積した履歴情報を取得することが可能となる。
【0777】
次に、LEDを用いた安全装置作動報知は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまでの間、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を白色発光させる作動予告報知を実行する。この作動予告報知により、安全装置作動フラグがON状態となる契機が迫っていることを示唆することが可能となっている。ここで、作動予告報知を盤側LED63aの一部又は全部を用いて行う場合には、枠側LED64aの一部又は全部については実行中の大当り遊技(≒ラウンド遊技)に応じた発光演出を実行するように構成してもよい。また、作動予告報知を枠側LED64aの一部又は全部を用いて行う場合には、盤側LED63aの一部又は全部については実行中の大当り遊技(≒ラウンド遊技)に応じた発光演出を実行するように構成してもよい。
【0778】
また、作動予告報知は、開始条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)に、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を白色発光させるとしたが、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:91000)に達した場合))を満たした場合に、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を白色発光から異なる発光態様(例:黄色発光など)に変更するように構成してもよい。また、さらに別の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:92000)に達した場合))盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を黄色発光から異なる発光態様(例:緑色発光など)に変更するように構成してもよい。このように、差玉カウンタの値が所定値(95000)に達するまで、所定単位毎(1000)に発光態様を変更させるように構成してもよい。また、発光態様の変更については、発光色だけでなく発光種別(点灯、点滅、遅い点滅、早い点滅など)を変更させるものであってもよい。
【0779】
ここで、作動予告報知については、前述した作動予告表示と同期(対応)して実行されるように制御される。そのため、特筆しない限り、作動予告表示の実行時には作動予告報知も実行されているものとする。また、作動予告報知は、前述した作動予告表示に関する種々の実行内容と同期(対応)して実行可能に構成される。ただし、必ずしも作動予告表示と同期(対応)して実行される必要はなく、例えば、作動予告表示の終了後も作動予告報知を実行するように構成してもよい。また、作動予告報知の終了後も作動予告表示を実行するように構成してもよい。このように、作動予告表示の実行期間(又は実行タイミング)と、作動予告報知の実行期間(又は実行タイミング)とを異ならせるように構成してもよい。また、少なくとも作動予告表示と作動予告報知のいずれか一方を、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまでの間に実行可能となるように構成してもよい。これにより、いずれか一方(画像表示手段31またはLED)が不具合などにより実行できない場合や、何れか一方を用いて大当り遊技演出(ラウンド遊技演出)を実行する場合においても、遊技者に対して安全装置作動フラグがON状態となる契機が迫っていることを示唆することが可能となっている。
【0780】
また、作動予告表示の開始条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)と作動予告報知の開始条件とを、共通の開始条件としてもよい。また異なる開始条件としてもよい。異なる開始条件とする場合、差玉カウンタを用いて、差玉カウンタが所定値(85000)又は所定値(91000)に達した場合に作動予告報知を実行するようにし、作動予告表示の実行前後から作動予告報知が実行可能となるように構成してもよい。
【0781】
LEDを用いた安全装置作動報知は、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となり、安全装置が発動(ST4)するまでの間、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を赤色発光させる作動警告報知を実行する。この作動警告報知により、安全装置が作動することを報知することが可能となっている。ここで、作動警告報知を盤側LED63aの一部又は全部を用いて行う場合には、枠側LED64aの一部又は全部については、実行中の大当り遊技(≒ラウンド遊技)に応じた発光演出を実行するように構成してもよい。また、作動警告報知を枠側LED64aの一部又は全部を用いて行う場合には、盤側LED63aの一部又は全部については、実行中の大当り遊技(≒ラウンド遊技)に応じた発光演出を実行するように構成してもよい。
【0782】
ここで、作動警告報知については、前述した作動警告表示と同期(対応)して実行されるように制御される。そのため、特筆しない限り、作動警告表示の実行時には作動警告報知も実行されているものとする。また、作動警告報知は、前述した作動警告表示に関する種々の実行内容と同期(対応)して実行可能に構成される。ただし、必ずしも作動警告表示と同期(対応)して実行される必要はなく、例えば、作動警告表示の終了後も作動警告報知を実行するように構成してもよい。また、作動警告報知の終了後も作動警告表示を実行するように構成してもよい。このように、作動警告表示の実行期間(又は実行タイミング)と、作動警告報知の実行期間(又は実行タイミング)とを異ならせるように構成してもよい。また、少なくとも作動警告表示と作動警告報知のいずれか一方を、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となり、安全装置が発動(ST4)するまでの間に実行可能となるように構成してもよい。これにより、いずれか一方(画像表示手段31またはLED)が不具合などにより実行できない場合や何れか一方を用いて大当り遊技演出(ラウンド遊技演出)を実行する場合においても、遊技者に対して安全装置が作動することを報知することが可能となっている。
【0783】
また、作動予告報知は盤側LED63a及び/又は枠側LED64aにより白色発光で、作動警告報知は盤側LED63a及び/又は枠側LED64aにより赤色発光で、夫々異なる発光態様で行われる。このように発光態様を異ならせることで、作動予告報知から作動警告報知に切り替わったことを識別可能に構成している。ただしこれに限らず、同様の発光態様で構成してもよい。また、同様の発光態様で構成する場合であっても、作動予告表示と作動警告表示の表示内容を異ならせておくことで、安全装置作動フラグがON状態(ST2)になったことを識別可能に構成することが可能である。
【0784】
また、作動予告報知と作動警告報知とで、共通のLED(盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの全部または一部)を利用して報知を行うように構成してもよい。また、異なるLED(盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの全部または一部)を利用して報知を行うように構成してもよい。いずれの場合であっても、作動予告報知と作動警告報知とで発光態様を異ならせておくことで、作動予告報知から作動警告報知に切り替わったことを識別可能に構成しておくことが望ましい。
【0785】
また、作動予告表示中は作動予告報知を実行し、作動警告表示中は作動警告報知を実行しないように構成してもよい。このように構成することで、作動予告表示中は作動予告報知が実行されることで、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの全部または一部による発光演出(実行中の大当り遊技(≒ラウンド遊技)に応じた発光演出)が制限されて安全装置の作動に関する報知が優先される一方、作動警告表示中は、作動警告報知を実行しないことで、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの全部または一部により実行中の大当り遊技(≒ラウンド遊技)に応じた発光演出が実行され、安全装置の作動に関する報知よりも発光演出が優先させることができる。これにより、安全装置の作動前後(安全装置作動フラグがON状態(ST2)となる前後)で、夫々優先すべき内容を適切に報知することが可能となっている。
【0786】
また、作動予告表示に関して、作動予告表示の表示を開始した後に、遊技者による遊技が中断又は中止され非遊技状態となった場合、非遊技状態においても作動予告表示の表示を継続するように構成してもよい。ここで、非遊技状態とは、特別図柄変動が行われていない状態のことであり、例えば、大当り遊技中に作動予告表示が開始された場合には、その大当り遊技中に安全装置が作動せずに大当り遊技が終了し、その後、所定の遊技状態(確変遊技状態や通常遊技状態や時短遊技状態など)へと移行した際に、遊技者による遊技が中断又は中止されることで非遊技状態に制御される。非遊技状態では、装飾図柄100、101、102の停止画像や音量/光量の調整画像、メニュー画像などの表示を行う待機画面、非遊技状態(又は待機画面)が開始されてから所定時間(例:180s)経過後に、機種紹介用のデモムービーや、遊技へののめり込みを防止するための注意喚起表示などが行われる。この際、待機画面やデモムービー、注意喚起表示などと共に作動予告表示を実行するように構成してもよい。また、作動予告表示は、待機画面やデモムービー、注意喚起表示よりも優先的に表示することが望ましく、具体的には待機画面やデモムービー、注意喚起表示に重ねて(表示レイヤーが上位)作動予告表示を実行するようにしてもよい。これにより、非遊技状態であっても作動予告表示の確認が可能となるため、これから遊技を開始しようとする遊技者が、遊技を開始する直前に作動予告表示の内容を把握することができる。また、待機画面やデモムービー、注意喚起表示に重ねて(表示レイヤーが上位)作動予告表示を実行するとしたが、これに限らず、デモムービー及び/又は注意喚起表示を作動予告表示よりも優先的(作動予告表示に重ねて表示)に実行するように構成してもよい。また、デモムービー及び/又は注意喚起表示の実行中は、作動予告表示が非表示状態となるように制御してもよい(待機画面では作動予告表示を表示)。これにより、デモムービーによる機種紹介や注意喚起表示の視認性が妨げられないので、遊技者に対して必要な情報を適切に報知することが可能となる。
【0787】
また、非遊技状態中においても、作動予告報知が作動予告表示と同期(対応)して実行されるように制御してもよい。また、非遊技状態中においては、作動予告報知を実行せずに作動予告表示のみを実行するように構成してもよい。また、非遊技状態中において作動予告報知を実行する場合には、差玉カウンタの値が変動したとしても所定単位毎(1000)に発光態様を変更させないように構成してもよい。また、遊技中(大当り遊技中など)と同様に所定単位毎(1000)に発光態様を変更させるように構成してもよい。
【0788】
また、非遊技中の作動予告報知と遊技中の作動予告報知とで、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの発光態様を異ならせるように構成してもよい。このように発光態様を異ならせることで、作動予告報知の発光態様により非遊技中か遊技中かが識別容易となるように構成している。また、これに限らず同様の発光態様で構成してもよい。
【0789】
LEDを用いた安全装置作動報知は、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部が消灯状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)、消灯状態を維持するように制御される。このように遊技停止状態となった場合には、各LED(盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの全部または一部)の発光演出を停止させることにより、これ以上の遊技が行われないことを示唆するように構成されている。ただし、遊技停止状態中にエラー表示を実行する場合には、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部をエラー表示の内容に応じたエラー発光態様で発光制御するように構成してもよい。また、遊技停止状態中にエラー表示を実行する場合であっても、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を消灯状態に制御するように構成してもよい。
【0790】
次に、可動物30a、30bによる可動演出は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)原点位置のまま停止制御される。このように、安全装置が作動する可能性のある大当り遊技中は、可動物30a、30bによる可動演出を実行しないように制御する。これにより、可動演出により可動物30a、30bが演出位置(画像表示手段31の前側)に移動することで、安全装置作動表示(作動予告表示、作動警告表示)や遊技停止画面などが可動物30a、30bにより隠蔽(視認性を阻害)されてしまう恐れがなく、遊技者に対して安全装置に関する報知を確実に行うことが可能となる。ただしこれに限らず、安全装置が作動する可能性のある大当り遊技中であっても可動物30a、30bによる可動演出を実行するように構成してもよい。この場合、例えば、安全装置が発動(ST4)するタイミングで可動演出が実行されていた場合には、遊技停止状態に制御されるとともに、実行中の可動演出を中止し、可動物30a、30bを演出位置(または可動中の位置)から原点位置へと移動させるように制御することが望ましい。これにより、遊技停止状態に制御された際に画像表示手段31に表示される遊技停止画面の視認性が可動物30a、30bにより阻害されることを防止することができる。また、安全装置が発動(ST4)するタイミングで可動演出が実行されていた場合には、実行中の可動演出を中止することとしたが、これに限らず、実行中の可動演出が終了した後に可動物30a、30bを演出位置(または可動中の位置)から原点位置へと移動させるように制御してもよい。
【0791】
次に、調整機能として音量調整ボタン16は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、音量調整操作が有効となるように制御される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)音量調整操作が無効となるように制御される。このように、遊技停止状態となった場合には、音量調整操作を無効とすることで、遊技者が遊技停止状態に制御されていることに気づき易くすることが可能となる。また、例えば、安全装置が発動(ST4)するタイミングで音量調整操作が行われ、画像表示手段31に現在の音量設定を示す音量設定情報が表示されていた場合には、遊技停止状態に制御されるとともに表示中の音量設定情報を非表示状態として、遊技停止画面を表示するように制御することが望ましい。これにより、遊技停止状態に制御された際に画像表示手段31に表示される遊技停止画面の視認性が音量設定情報により阻害されることを防止することができる。またこれに限らず、安全装置が発動(ST4)するタイミングで、画像表示手段31に音量設定情報が表示されていた場合であっても、遊技停止状態に制御された後、所定時間(例:5s)だけ遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)音量設定情報を表示するようにしてもよい。ただし、遊技停止状態中に、音量設定情報が表示されている間も音量調整操作は無効となるように制御されることが望ましい。また、遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)音量設定情報を表示する際に、遊技停止画面としてメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)や二次元コードが表示されている場合には、それらと重ならない位置に音量設定情報を表示することが望ましい。
【0792】
次に、調整機能として光量調整ボタン17は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、光量調整操作が有効となるように制御される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)光量調整操作が無効となるように制御される。このように、遊技停止状態となった場合には、光量調整操作を無効とすることで、遊技者が遊技停止状態に制御されていることに気づき易くすることが可能となる。また、例えば、安全装置が発動(ST4)するタイミングで光量調整操作が行われ、画像表示手段31に現在の光量設定を示す光量設定情報が表示されていた場合には、遊技停止状態に制御されるとともに表示中の光量設定情報を非表示状態として、遊技停止画面を表示するように制御することが望ましい。これにより、遊技停止状態に制御された際に画像表示手段31に表示される遊技停止画面が、光量設定情報により阻害される(視認性を低下させられる)ことを防止することができる。またこれに限らず、安全装置が発動(ST4)するタイミングで、画像表示手段31に光量設定情報が表示されていた場合であっても、遊技停止状態に制御された後、所定時間(例:5s)だけ遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)光量設定情報を表示するようにしてもよい。ただし、遊技停止状態中に、光量設定情報が表示されている間も光量調整操作は無効となるように制御されることが望ましい。また、遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)光量設定情報を表示する際に、遊技停止画面としてメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)や二次元コードが表示されている場合には、それらと重ならない位置に光量設定情報を表示することが望ましい。
【0793】
次に、ST1~ST5の経過において、払出制御部510により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0794】
払出制御として玉貸ボタン20は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)玉貸操作が有効となるように制御される。これにより、遊技停止状態に制御される前だけでなく遊技停止状態に制御された後も玉貸ボタン20の操作により貸出処理が行われ、遊技者に対して遊技球の付与が可能となるように構成されている。
【0795】
次に、払出制御として返却ボタン21は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)返却操作が有効となるように制御される。これにより、遊技停止状態に制御される前だけでなく遊技停止状態に制御された後も返却ボタン21の操作により度数表示器62aの残高情報のクリア処理が行われ、遊技者に対して遊技球残高の返却が可能となるように構成されている。
【0796】
このように、遊技停止状態においても玉貸ボタン20による玉貸操作や返却ボタン21による返却操作が有効となるように制御されることで、遊技停止状態に移行した後も遊技球の玉貸及び返却を行うことができるので、遊技者は遊技停止前から事前に獲得した遊技球の返却操作を行う必要がなく、遊技停止状態となった後これまでの遊技で獲得した遊技球の返却操作を行うことが可能となる。
【0797】
次に、払出制御として賞球払出動作は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)し、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)獲得した賞球の払出動作が有効となるように制御される。これにより、遊技停止状態に制御される前だけでなく、遊技停止状態に制御された後も賞球払出装置23が作動することにより、遊技球の払出動作が実行され、遊技者に対して遊技球の払出が実行可能に構成される。そのため、安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御されたタイミングで未だ遊技球の払出が完了していない場合であっても、遊技停止状態に制御された後に賞球払出装置23による未払いの賞球に関する遊技球の払出動作を実行することができる。ただし、遊技停止状態中は、入賞にかかる賞球の払出に関する処理が行われないため(主制御部520から払出制御部510に対して払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)の送信が行われないため)、遊技停止状態中に各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)への入球が発生したとしても、新たな入賞に基づく賞球については、賞球払出装置23による払出動作が実行されることはない。
【0798】
次に、発射制御として遊技球の発射は、大当り遊技の開始(ST1)から安全装置が発動(ST4)するまでの間、有効に実行される。安全装置が発動(ST4)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)発射制御は無効となるように制御される。これにより、遊技停止状態では、遊技球の発射が不可能な状態に制御されるので、遊技停止状態となったことを遊技者に対して気づかせることができる。また、遊技停止状態中は、遊技に関する処理(抽選処理、図柄変動処理、入賞及び賞球処理など)が実行されないため、遊技者にとって遊技球を発射するメリットが一切なく、発射制御を停止させておくことが望ましい。ただしこれに限らず、遊技停止状態に制御された場合にも、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST5)発射制御が有効となるように制御してもよい。これにより、遊技停止状態となった後、ホール関係者により発射制御の動作チェックを行うことができる。また、発射予定の遊技球が発射レール上に滞留している場合、発射を停止させてしまうと、遊技者がその遊技球を回収することが不可能な状態となってしまうので、これを防止するために遊技停止状態中も発射制御を有効とすることで、発射レール上に滞留している遊技球の回収が可能(意図的にファール球となる発射強度で発射することで回収可能)となるように構成してもよい。
【0799】
また、前述したように、主制御部520については、遊技停止状態中は実行中のプログラム処理が一部制限されるが、払出制御部510は遊技停止状態中も実行中のプログラム処理が制限されることがない。これは、前述したように遊技停止状態中も払出制御部510により玉貸ボタン20による玉貸操作や返却ボタン21による返却操作、賞球払出動作を有効に制御する必要があるためである。ただしこれに限らず、払出制御部510においても一部(複数を含む)又は全部のプログラム処理(玉貸操作、返却操作、賞球払出動作)について制限するように構成してもよい。
【0800】
また、図示しないが、大当り遊技の開始(ST1)の前に設けられた大当り開始前インターバル期間中に、差玉カウンタが所定値(95000)に到達して安全装置作動フラグがON状態となった場合には、即座に安全装置を発動させ、遊技停止状態に制御することが望ましい。これにより、大当り遊技の開始前に遊技停止状態に制御させることができる。これは、大当り開始前インターバル期間については、未だ大当り遊技状態ではないため、大当り遊技が終了するのを待って安全装置を作動させる必要性が低いためである。またこれに限らず、大当り開始前インターバル期間中に、差玉カウンタが所定値(95000)に到達して安全装置作動フラグがON状態となった場合であっても、大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態となった際と同様に、大当り遊技の終了後に遊技停止状態に制御するように構成してもよい。これにより、大当り開始前インターバルにおいて、これから開始される大当り遊技に関する遊技説明(例:右打ちを開始してくださいなど)を行う場合に、安全装置が発動することで大当り遊技が開始されない(遊技説明を行ったにもかかわらず大当り遊技が開始されない)という矛盾が生じてしまうことを防止することが可能となる。
【0801】
次に、
図5-2-1を用いて、本発明の特徴部分である安全装置の作動に関するタイムチャート(実施形態2-2)について詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0802】
(図柄変動遊技中に安全装置が作動した場合1)
図5-2-1では、特別図柄の図柄変動が開始され(ST1)、その図柄変動中に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動し(ST2)、遊技停止状態となり遊技機の電源が遮断される(ST3)までの一連の流れをタイムチャートにより示している。さらに、図〇5-2-1では、ST1~ST3の経過の中で、主制御部520、演出制御部540、払出制御部510が夫々、以下に示す各種機能をどのように制御するかを示している。
【0803】
図5-2-1では、主制御部520により制御される各種機能として、図柄表示装置76に関する機能(特別図柄表示用LED76a、76b、特別図柄記憶表示用LED76c、76d、普通図柄変動表示用LED76e、普通図柄記憶表示用LED76f、右打ち表示用LED76g等各種LEDの点灯制御)、性能表示LED521に関する機能(7セグ表示器の点灯制御、入賞数及びアウト数のカウント処理、ベース値の算出処理)、電チューサポートに関する機能(特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の作動制御)、大入賞口44、45に関する機能(大入賞口開閉ソレノイド70、71の作動制御)、外部端子に関する機能(セキュリティ信号の出力制御)、安全装置に関する機能(差玉計数処理)、試射試験信号に関する機能(安全装置作動前信号、安全装置作動信号の出力制御)について記載している。
【0804】
また、演出制御部540により制御される各種機能として、変動表示装置95に関する機能(特別図柄変動LED、普通図柄変動LEDの点灯制御)、画像表示手段31に関する機能(ミニ図柄103a、右打ち表示、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御)、LED63a、64aに関する機能(安全装置作動報知に関する点灯制御)、可動物30a、30bに関する機能(可動演出の実行制御)、調整機能(音量調整ボタン16、光量調整ボタン17の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0805】
また、払出制御部510により制御される各種機能として、払出制御機能(玉貸ボタン20、返却ボタン21の有効・無効の切替制御、賞球払出動作に関する実行制御)、発射制御機能(発射制御の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0806】
図5-2-1に示す実施例では、右打ちが有利な遊技状態(ここでは特別図柄の変動遊技が実行可能な低確率高ベース状態、高確率高ベース状態など)において、特別図柄の図柄変動中に遊技停止状態に遷移する例を示している。右打ち遊技は、特別図柄の変動遊技が実行可能な右打ち遊技状態であり、右打ち遊技中に安全装置作動フラグがON状態(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)に制御されることで遊技停止状態に制御される。
【0807】
また、
図5-2-1に示す実施例では、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)、その時点で即座に安全装置が発動し(ST2)、遊技停止状態に制御されるように構成されている。このように、特別図柄の変動遊技が実行可能な遊技状態(大当り遊技、小当り遊技以外の遊技状態)においては、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)、実行中の特別図柄の変動遊技があったとしても、その終了を待たずに即座に安全装置を発動(ST2)させ、遊技停止状態に制御するように構成されている。
【0808】
次に、ST1~ST3の経過において、主制御部520により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0809】
図柄表示装置76の特別図柄変動表示用LED76a、76bは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっている。その後、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄変動表示用LED76a、76bは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、特別図柄変動表示用LED76a、76bが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0810】
ここでは、特別図柄変動表示用LED76a、76bが変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示を行っている場合に、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値に到達)、その時点で即座に安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されるように構成されている。そのため、安全装置作動フラグがON状態且つ安全装置が発動(ST2)した場合には、特別図柄変動表示用LED76a、76bが変動表示中であったとしても、残りの変動表示時間の経過を待たずして、その時点で変動表示を終了し、即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0811】
また、安全装置作動フラグがON状態且つ安全装置が発動(ST2)した場合に、特別図柄変動表示用LED76a、76bが停止表示態様(大当り停止発光パターン、小当り停止発光パターン、ハズレ停止発光パターンなど)であったとしても、予め定められた停止表示時間(例:500ms)の経過を待たずして、その時点で停止表示を終了し、即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0812】
次に、特別図柄記憶表示用LED76c、76dは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、現在の保留記憶数に応じた表示態様で点灯表示される。その後、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄記憶表示用LED76c、76dは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して、保留記憶が消滅し次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0813】
次に、普通図柄変動表示用LED76eは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、抽選結果が当りの場合には当り表示(当り停止発光パターン)で停止表示される。
図5-2-1に示す実施例では、当り表示(当り停止発光パターン)で停止表示される例を示しているが、抽選結果がハズレの場合にはハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されることとなる。また、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示される場合に限らず、右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)が遊技球を検出していない場合には、普通図柄変動表示用LED76eは、前回の抽選結果を示す表示態様で停止表示されることとなる。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄変動表示用LED76eは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、普通図柄変動表示用LED76eが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して、次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0814】
また、
図5-2-1に示す実施例では、普通図柄変動表示用LED76eが当り表示(当り停止発光パターン)で停止表示されているタイミングで、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されている。このように、安全装置が発動(ST2)した場合には、当り表示(当り停止発光パターン)の停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、当り表示(当り停止発光パターン)に限らず、ハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されている場合にも同様に、ハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)の停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示されている場合には、変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0815】
次に、普通図柄記憶表示用LED76fは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、現在の普通図柄保留記憶数に応じた表示態様で点灯表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄記憶表示用LED76fは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、普通図柄記憶表示用LED76fが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して、普通図柄保留記憶が消滅し次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0816】
次に、右打ち表示用LED76gは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、右打ち発射が有利であることを示す表示態様で点灯表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、右打ち表示用LED76gは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、右打ち表示用LED76gが非表示(消灯状態)に制御されることで、右打ち発射が有利な状態ではなくなったことを示している。
【0817】
次に、性能表示LED521の7セグ表示器は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、ベース値の表示制御が行われている。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、7セグ表示器は消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、7セグ表示器が消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))に制御されることで、遊技が不能な状態にもかかわらず現在のベース値を表示してしまうことを防止している。ここで、
図5-2-1に示す実施例では、遊技停止状態に制御された場合には、7セグ表示器を消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))としたが、これに限らず遊技停止状態においてもベース値の表示制御が行われるように構成してもよい。これにより、遊技停止状態においてもベース値の確認を行うことが可能となる。
【0818】
ちなみに、性能表示LED521の7セグ表示器が動作確認表示を実行している際に、安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合も、7セグ表示器は消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))を維持するように制御される。このように、動作確認表示の実行時間が未だ残っていたとしても、7セグ表示器は消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))に制御されることとなる。ただしこれに限らず、動作確認表示の実行時間が残っている場合には動作確認表示を継続するように構成してもよい。これにより、遊技停止状態に制御する場合であっても、性能表示LED521の7セグ表示器が正常に動作するか否かをチェックすることが可能となる。
【0819】
次に、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。ここで、右打ち遊技中(ここでは特別図柄の変動遊技が実行可能な低確率高ベース状態、高確率高ベース状態など)は、入賞数のカウント処理を行わず、アウト数のカウント処理のみ実行される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は実行されない。このように、遊技停止状態において、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行しないのは、遊技停止状態が遊技不能に構成されているからであり、そのような状況下では、そもそも入賞及びアウトが発生することがないと考えられるためである。そこで、入賞数及びアウト数のカウント処理を無効とすることで、不正な入賞数及びアウト数をカウントし、ベース値を不正に操作されることを防止している。また、遊技停止状態では、入賞口38、39、40、41、42、43、44、45に遊技球が入球したとしても、遊技者に対して賞球の払出が行われることがないため、入賞にかかるベース値のカウント処理も行わないことが望ましい。ただし、遊技停止状態においても、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行するようにしてもよく、この場合には少なくとも遊技停止状態においても遊技球の発射を有効としておくことが望ましい。また、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行する場合であっても、遊技者に対して賞球の払出が行われることはない。
【0820】
次に、性能表示LED521のベース値算出処理は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)性能表示LED521のベース値算出処理は実行されない。このように、遊技停止状態において、性能表示LED521のベース値算出処理を実行しないのは、遊技停止状態が遊技不能に構成されているからであり、そのような状況下では、そもそも入賞及びアウトが発生することがないと考えられるためである。そこで、ベース値算出処理を無効とすることで、不正な入賞数及びアウト数に基づくベース値を算出し、ベース値を不正に操作されることを防止している。また、遊技停止状態では、入賞口38、39、40、41、42、43、44、45に遊技球が入球したとしても、遊技者に対して賞球の払出が行われることがないため、入賞にかかるベース値の算出処理も行わないことが望ましい。ただし、遊技停止状態においても、性能表示LED521のベース値算出処理を実行するようにしてもよく、この場合には少なくとも遊技停止状態においても遊技球の発射を有効としておくことが望ましい。また、性能表示LED521のベース値算出処理を実行する場合であっても、遊技者に対して賞球の払出が行われることはない。
【0821】
次に、電チューサポート機能の作動にかかる特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の開閉制御は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行され、普通図柄変動表示用LED76eの変動結果に応じて、特別図柄2始動口39を開放状態または閉鎖状態に制御する。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72がOFF状態に制御されることで、特別図柄2始動口39を閉鎖状態に制御する。
図5-2-1に示す実施例では、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72がON状態に制御され、特別図柄2始動口39が開放状態となっている際に安全装置が発動(ST2)している。この場合、予め設定された開放時間の経過を待たずして、特別図柄2始動口39が閉鎖状態に制御される。このように、安全装置が発動(ST2)した場合には、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72をOFF状態に制御し、特別図柄2始動口39を閉鎖状態にすることで、その後の遊技停止状態において、特別図柄2始動口39に遊技球が入球してしまうことを防止している。そして、安全装置の発動(ST2)を契機に、特別図柄2始動口39が閉鎖状態に制御されると、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)閉鎖状態が維持される。
【0822】
次に、大入賞口44、45を開閉するための大入賞口開閉ソレノイド70、71の開閉制御は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)閉鎖状態に制御される。そのため、ST1~ST3の間、大入賞口開閉ソレノイド70、71は常にOFF状態に制御される。このように、遊技停止状態においても、大入賞口開閉ソレノイド70、71をOFF状態に制御し、大入賞口44、45を閉鎖状態にすることで、遊技停止状態中に大入賞口44、45に遊技球が入球してしまうことを防止している。
【0823】
次に、外部端子のセキュリティ信号の出力制御は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、未出力状態に制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、セキュリティ信号が出力状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)セキュリティ信号の出力を維持するように制御される。このように、安全装置が発動(ST2)した場合には、セキュリティ信号を出力状態に制御することで、ホールコンピュータに対して遊技停止状態となったことを通知可能に構成されている。
【0824】
次に、安全装置にかかる差玉カウンタの差玉計数処理は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。差玉計数処理が実行されることで、差玉カウンタが所定値に到達し、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)差玉計数処理が実行されることはない。これは、一度安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合には、その後の差玉カウンタの値にかかわらず、遊技停止状態に遷移することとなるため、差玉計数処理の実行は不要であると考えらえるためである。ただしこれに限らず、差玉カウンタの差玉計数処理を実行するように構成してもよい。具体的には、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)の間、有効に実行するように構成してもよい。ただし、いずれの場合であっても、一度OFF状態からON状態に設定された安全装置作動フラグが、差玉カウンタの差玉計数処理を実行した結果、再度ON状態からOFF状態に変化することがないように構成することが望ましい。これにより、安全装置作動フラグがON状態となった後、入賞数及びアウト数をコントロールすることで、安全装置作動フラグを変化させ(ON状態→OFF状態)、安全装置の発動を遅延・中止させるという行為を防止することが可能となる。
【0825】
次に、試射試験信号にかかる安全装置作動前信号の出力処理は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、出力可能状態に制御される。ここで、出力可能状態とは、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合に出力されるように制御されていることを意味しており、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合には、その時点から試射試験信号として安全装置作動前信号が出力されることとなる。
【0826】
ここで、安全装置作動前信号は、前述した通り、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合に出力され、この安全装置作動前信号が出力されることで、安全装置の発動(ST2)が近づいていることを試験装置に対して報知することが可能となっている。ちなみに、
図5-2-1に示す実施例では、特別図柄の変動開始(ST1)以降に、安全装置作動前信号が出力可能となるように記載しているが、特別図柄の変動開始(ST1)前であっても安全装置作動前信号は出力可能な状態となっている。
【0827】
安全装置作動前信号の出力処理は、安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、出力状態から未出力状態へ切り替えられる。この際、出力状態から未出力状態へと即座に切り替えるように構成してもよいし、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)出力状態を維持した後、未出力状態に切り替えるように構成してもよい。そしてその後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)未出力状態が維持される。前述したように、安全装置作動前信号は、安全装置の発動(ST2)が近づいていることを試験装置に対して報知することが目的であるため、既に安全装置が発動している遊技停止状態においては、出力する必要がないため未出力状態としておくことが望ましい。
【0828】
また、安全装置作動前信号の出力処理を、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまで出力可能な状態とし、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった後は、未出力状態に制御するように構成してもよい。この際、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となったことを契機に出力状態から未出力状態へと即座に切り替えるように構成してもよいし、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)出力状態を維持した後、未出力状態に切り替えるように構成してもよい。このように構成することで、安全装置作動前信号により安全装置作動フラグがON状態となるための条件の成立(差玉カウンタの値が所定値(例:95000)に到達)が近づいていることを試験装置に対して事前に報知することが可能となる。
【0829】
次に、試射試験信号にかかる安全装置作動信号の出力処理は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、未出力状態に制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)の間、出力状態に維持される。ただし、これに限らず安全装置が発動(ST2)した後、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)だけ出力するように構成してもよい。このように、安全装置が発動(ST2)した後、遊技停止状態に制御された場合に、安全装置作動信号が出力されることで試験装置に対して安全装置が発動したこと(≒遊技停止状態に制御されたこと)を報知することが可能となっている。
【0830】
次に、ST1~ST3の経過において、演出制御部540により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0831】
変動表示装置95の特別図柄変動LEDは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、特別図柄変動遊技の抽選結果(特別図柄変動表示用LED76a、76bの変動態様)に対応(同期)して、変動表示態様または停止表示態様で表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄変動LEDは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される(停止表示態様が停止消灯パターンの場合には、遊技停止状態後も消灯を維持)。このように、遊技停止状態では、特別図柄変動LEDが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0832】
次に、普通図柄変動LEDは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、普通図柄変動遊技の抽選結果(普通図柄変動表示用LED76eの変動態様)に対応(同期)して、変動表示態様または停止表示態様で表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄変動LEDは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、普通図柄変動LEDが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0833】
また、
図5-2-1に示す実施例では、普通図柄変動LEDが停止表示態様で表示されているタイミングで、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されている。このように、安全装置が発動(ST2)した場合には、停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示されている場合には、変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0834】
次に、画像表示手段31に表示するミニ図柄103aは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(「↓↓↓」や「7↓7」などの数字図柄を用いたスクロール表示による数字図柄変動表示)で表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、ミニ図柄103aは非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、画像表示手段31のミニ図柄103aが非表示状態に制御されることで、遊技者に対して次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0835】
次に、画像表示手段31に表示する右打ち表示は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、右打ち発射が有利であることを示す表示態様(右打ち発射を促す表示態様)で表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、右打ち表示は非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、右打ち表示が非表示状態に制御されることで右打ち発射が有利な状態ではなくなったことを示している。
【0836】
次に、画像表示手段31に表示するエラー表示は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー内容(RWM初期化、球詰まり、補給切れ、計数異常、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等)を報知可能な状態に制御される。ここで、エラー表示に関しては、遊技停止状態においても報知可能としているのは、遊技停止状態においても発生中のエラー内容を正確に通知するためである。そのため、大当り遊技中にエラー表示が行われている場合、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されたとしても、表示中のエラー表示に関しては継続して表示を行うように構成される。このように、安全装置の発動(ST2)後も継続してエラー表示が行われることで、遊技停止状態に移行後も発生中のエラー内容の把握及び解除を容易に行うことができる。
【0837】
また、エラー表示は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー内容を報知可能としたが、これに限らず、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、エラー内容を報知可能としてもよい。この場合、遊技停止状態に制御されると、エラー表示を非表示とし、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するようにしてもよい。また、実行中のエラー表示がある場合には、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態となったタイミングで即座に非表示に切り替えるようにしてもよいし、予め定められた表示時間(例:30s)だけ遊技停止状態となった後も表示を継続するように構成してもよい。
【0838】
また、前述の内容はエラー表示のみに限らず、LEDや音声を利用したエラー報知に対しても同様に適用してもよい。例えば、エラー表示だけでなくLEDや音声を利用してエラー報知を行っている場合には、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー報知を可能に構成してもよい。また、前述したその他の構成についてもLEDや音声を利用したエラー報知に対して同様に適用してもよい。
【0839】
また、エラー表示のみを特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー表示可能に構成し、LEDや音声を利用したエラー報知については、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、エラー報知可能に構成してもよい。例えば、特定のエラー(RWM初期化、球詰まり、補給切れ、計数異常、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等)が発生している場合に、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されるまでは、エラー表示、LED又は/及び音声によりエラー報知を行い、遊技停止状態に制御された後は、エラー表示のみを行い、LED又は/及び音声については、遊技停止状態に制御されたことを示す遊技停止状態報知態様(LED:点灯パターンor消灯パターン、音:報知音あり、報知音なしでもよい)となるように制御してもよい。これにより、エラー表示の報知と遊技停止状態に制御されていることの報知を適切に行うことができる。また、この時、画像表示手段31には、エラー表示と遊技停止状態に制御されていることを示す遊技停止状態報知画像を表示するように構成してもよい。また、LEDや音声を利用したエラー報知については、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー報知可能に構成し、エラー表示については、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、エラー表示可能に構成してもよい。
【0840】
また、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間に表示するエラー表示と、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)に表示するエラー表示の表示態様を異ならせるように構成してもよい。これにより、遊技状態に応じたエラー表示を行うことが可能となる。具体的には、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間に表示するエラー表示は、遊技に関するその他の情報表示画像との配置関係を意識した表示箇所、表示サイズ、表示内容とし、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)に表示するエラー表示は、表示に関する制約が比較的少ないので、表示箇所、表示サイズ、表示内容を識別しやすい態様で表示するように構成してもよい。例えば、遊技停止状態(安全装置作動後)では、背景画像が黒ベタ画像となることで、遊技中(安全装置が作動する前)よりも、エラー表示内容が識別しやすいように構成してもよい。
【0841】
次に、画像表示手段31に表示する保留表示104a、105aは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留画像表示を行うように制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、画像表示手段31の保留表示104a、105aは非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、画像表示手段31の保留表示104a、105aが非表示状態に制御されることで、遊技者に対して、保留記憶が消滅し次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0842】
次に、画像表示手段31に表示する特別図柄記憶個数表示106a、106bは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留個数表示(例「0」~「4」のいずれかの数値を表示)を行うように制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、画像表示手段31の保留個数表示は非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、画像表示手段31の保留個数表示が非表示状態に制御されることで、遊技者に対して、保留記憶個数が消滅し次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0843】
また、特別図柄記憶個数表示106a、106bについては、安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合であっても表示状態を継続するように構成してもよい。この場合、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)する前は、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留個数表示(例「0」~「4」のいずれかの数値を表示)とし、安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)した後は、保留記憶数がないことを示す「0」表示に切り替えて表示することが望ましい。
【0844】
画像表示手段31に表示する保留表示104a、105a又は特別図柄記憶個数表示106a、106bに関して、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、いずれか一方の表示のみを非表示状態に制御し、他方の表示については表示状態を継続するように構成してもよい。例えば、保留表示104a、105aについては非表示状態とし、特別図柄記憶個数表示106a、106bは表示状態としてもよいし、その逆としてもよい。
【0845】
次に、画像表示手段31に表示するモード表示について、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、現在の遊技状態(例:右打ち遊技中の変動表示の遊技モードを示す表示など)を示す表示画像を表示するように制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)の間はモード表示が非表示状態に制御される。これにより、遊技停止状態となる場合には、現在の遊技状態が制限されることや次回の遊技状態が生起しないことを示唆することが可能となっている。
【0846】
次に、画像表示手段31に表示する安全装置作動表示は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、安全装置作動フラグがON状態となる契機が迫っていることを示唆する作動予告表示を表示可能に制御される。作動予告表示は、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)を満たした場合に表示が開始されるように構成され、表示が開始されると安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、継続的に表示するように構成される。また、作動予告表示を開始した後、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000))が不成立(差玉カウンタの値が所定値(90000)を下回る等)となった場合には、作動予告表示は非表示状態となるように制御される。また、作動予告表示は、現在の差玉カウンタの値に基づく数値を表示するように構成されており、例えば「現在の差玉数/950000(安全装置作動フラグがON状態となる所定値)」のように、現在の差玉数が常に更新表示され、安全装置作動フラグがON状態となるまでの数値をリアルタイムに把握可能に表示される。また、差玉数のカウントに関しては、常時更新に限らず、例えば、所定単位(10、100、1000など)毎に更新されるように構成してもよい。また、更新単位を変更するように構成してもよく、例えば、所定値(95000)に近づくにつれて更新単位を変更(例:1000→100→10)するように構成してもよい。また、作動予告表示を行うに際しては、主制御部520から演出制御部540に対してアウト数及び賞球数に関する情報をコマンド送信し、演出制御部540は受信したアウト数及び賞球数に関する情報を用いて、現在の差玉数に関する計数処理を行うように構成してもよい。この場合、主制御520にて、アウト及び/又は入賞を検出する度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよいし、所定の条件(例:主制御部520から演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを送信した場合)を満たした後、主制御部520は発生したアウト及び/又は入賞を検出する度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよい。また、主制御部520から演出制御部540に対して計数済みの差玉数に関する情報をコマンド送信し、演出制御部540は受信した差玉数に関する情報を用いて、現在の差玉数に関する計数処理を行うように構成してもよい。この場合、主制御部520にて、差玉数の計数処理を行う度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよいし、安全装置作動予告コマンドに差玉数の情報を付加する形でコマンド送信を行うようにしてもよい。また、所定の条件(例:主制御部520から演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを送信した場合)を満たした後、主制御部520にて差玉数の計数処理を行う度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよい。
【0847】
また、
図5-2-1に示す実施例では、特別図柄の変動開始(ST1)から作動予告表示が可能となるように記載しているが、これに限らず、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)が成立した場合には、特別図柄の変動開始(ST1)前であっても作動予告表示の表示を開始するように構成してもよい。また、特別図柄の変動開始(ST1)前に関しても、作動予告表示の表示/非表示の制御に関しては前述内容と同様の構成を採用するようにしてもよい。
【0848】
画像表示手段31に表示する安全装置作動表示は、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には非表示状態に制御される。
図5-2-1の実施例では、表示中の作動予告表示を安全装置の発動(ST2)タイミング(≒遊技停止状態の開始タイミング)で非表示状態としている。このように、安全装置が発動(ST2)した後は、作動予告表示を表示する必要性が低いため、非表示状態に制御することが望ましい。またこの際、作動予告表示に替えて作動中表示(例:「安全装置が作動中です」や、「遊技停止状態中です」など)の表示を行うように構成してもよい。
【0849】
ここで、右打ち遊技中(又は特別図柄の変動表示中)は、安全装置作動表示として作動予告表示のみが行われ、作動警告表示が実行されることはない。これは、右打ち遊技中(又は特別図柄の変動表示中)に安全装置作動フラグがON状態に設定された場合には、その時点で即座に安全装置が発動(ST2)するように制御されるためである。このように、安全装置作動フラグがON状態に設定された後、安全装置が発動(ST2)するまでに所定期間が生じないため、この間に行われる作動警告表示が実行されることはない。
【0850】
また、右打ち遊技中(又は特別図柄の変動表示中)に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技停止状態の開始とともに「差玉数が95000に達したため、安全装置が作動します」などの作動警告表示を表示するように構成してもよい。また、遊技停止状態の開始とともに「特別図柄の変動表示を強制終了しました」や「「普通図柄の変動表示を強制終了しました」」などの特別図柄や普通図柄の変動中止を報知するための変動中止表示を表示するように構成してもよい。このように、大当り遊技中に遊技停止状態に制御される場合と、右打ち遊技中(又は特別図柄の変動表示中)に遊技停止状態に制御される場合とで、安全装置作動表示(作動予告表示、作動警告表示など)を異ならせるように構成してもよい。
【0851】
次に、画像表示手段31に表示する演出表示として、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、装飾図柄100、101、102による通常変動演出(非リーチ状態での変動演出)やリーチ演出(リーチ状態での変動演出)などが実行可能に構成される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技停止状態となった旨を報知可能な遊技停止画面を表示する。遊技停止画面は、画像表示手段31の表示領域全面に黒ベタの背景画像を表示する黒色背景画像と、遊技停止状態に制御されていることを示すメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)により構成される。このように、遊技停止状態となった場合には、画像表示手段31に遊技停止画像が表示されることで、遊技者に対して遊技停止状態に制御されていることを報知可能に構成されている。また、遊技停止画面では、所定の遊技情報(獲得した特典情報や履歴情報など)を記憶するための二次元コードを表示するように構成してもよい。これにより、遊技停止前に獲得した特典情報や蓄積した履歴情報を取得することが可能となる。
【0852】
ここで、
図5-2-1に示す実施例では、リーチ演出の実行中に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されるが、この場合、実行中のリーチ演出は、遊技停止状態となるタイミングで終了し即座に遊技停止画面に切り替えられる。このように、遊技停止状態に制御する場合には、実行中の演出表示(通常変動演出、リーチ演出)については中止/中断するように構成されている。
【0853】
また、実行中の特別図柄の変動表示の結果が大当り変動パターンであった場合には、画像表示手段31には大当り変動パターンに応じた演出表示(例:大当り時通常変動演出パターン、大当り時リーチ演出パターン)が実行されることとなるが、この際、例えば、左装飾図柄100、中装飾図柄101、右装飾図柄102が全て同じ図柄で揃う大当り表示態様で表示を行うなど、大当り遊技の生起を示唆する内容の演出報知を行う場合がある。このような大当り遊技の生起を示唆する内容の演出報知を行っている場合であっても、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、実行中の演出報知は遊技停止状態となるタイミングで終了することとなる。
【0854】
そのため、本来なら(安全装置が発動しなかった場合には)実行される予定であった大当り遊技は生起されることなく遊技停止状態に制御されることとなるため、遊技者に不利益を感じさせる可能性がある。そこで、右打ち遊技中(特別図柄の変動遊技中)は、作動予告表示として現在の差玉カウンタの値が把握可能な表示を行うことが望ましく、これにより、遊技者は差玉カウンタの値が所定値(95000)に達しないように遊技球の発射をコントロールすることができるので、大当り変動遊技の実行中に遊技停止状態に制御されるという状況を回避することが可能となり、生起予定の大当り遊技を享受することが可能となる。また、作動予告表示の内容は前述のものに限らず、例えば「発射を停止してください 大当り遊技が実行されない可能性があります」などのように、遊技の仕方によっては大当り遊技を損失する可能性がある旨を表示するようにしてもよい。
【0855】
次に、LEDを用いた安全装置作動報知は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を白色発光させる作動予告報知を実行する。この作動予告報知により、安全装置作動フラグがON状態となる契機が迫っていることを示唆することが可能となっている。ここで、作動予告報知を盤側LED63aの一部又は全部を用いて行う場合には、枠側LED64aの一部又は全部については、実行中の演出表示(通常変動演出、リーチ演出など)に応じた発光演出を実行するように構成される。また、作動予告報知を枠側LED64aの一部又は全部を用いて行う場合には、盤側LED63aの一部又は全部については、実行中の演出表示(通常変動演出、リーチ演出など)に応じた発光演出を実行する。
【0856】
また、作動予告報知は、開始条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)に、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を白色発光させるとしたが、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:91000)に達した場合))を満たした場合に、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を白色発光から異なる発光態様(例:黄色発光など)に変更するように構成してもよい。また、さらに別の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:92000)に達した場合))盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を黄色発光から異なる発光態様(例:緑色発光など)に変更するように構成してもよい。このように、差玉カウンタの値が所定値(95000)に達するまで、所定単位毎(1000)に発光態様を変更させるように構成してもよい。また、発光態様の変更については、発光色だけでなく発光種別(点灯、点滅、遅い点滅、早い点滅など)を変更させるものであってもよい。
【0857】
ここで、作動予告報知については、前述した作動予告表示と同期(対応)して実行されるように制御される。そのため、特筆しない限り、作動予告表示の実行時には作動予告報知も実行されているものとする。また、作動予告報知は、前述した作動予告表示に関する種々の実行内容と同期(対応)して実行可能に構成される。ただし、必ずしも作動予告表示と同期(対応)して実行される必要はなく、例えば、作動予告表示の終了後も作動予告報知を実行するように構成してもよい。また、作動予告報知の終了後も作動予告表示を実行するように構成してもよい。このように、作動予告表示の実行期間(又は実行タイミング)と作動予告報知の実行期間(又は実行タイミング)とを異ならせるように構成してもよい。また、少なくとも作動予告表示と作動予告報知のいずれか一方を、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間に実行可能となるように構成してもよい。これにより、いずれか一方(画像表示手段31またはLED)が不具合などにより実行できない場合や、何れか一方を用いて演出表示(通常変動演出、リーチ演出など)を実行する場合においても、遊技者に対して安全装置作動フラグがON状態となる契機が迫っていることを示唆することが可能となっている。
【0858】
LEDを用いた安全装置作動報知は、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部が消灯状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)消灯状態を維持するように制御される。このように遊技停止状態となった場合には、各LED(盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの全部または一部)の発光演出を停止させることにより、これ以上の遊技が行われないことを示唆するように構成されている。ただし、遊技停止状態中にエラー表示を実行する場合には、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部をエラー表示の内容に応じたエラー発光態様で発光制御するように構成してもよい。また、遊技停止状態中にエラー表示を実行する場合であっても、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を消灯状態に制御するように構成してもよい。
【0859】
次に、可動物30a、30bによる可動演出は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、可動可能な状態で制御される。
図5-2-1に示す実施例においては、演出表示が通常変動演出を実行している期間からリーチ演出を実行する期間の前半部分においては、可動物30a、30bが原点位置に位置するように制御され、リーチ演出の後半部分において演出位置へと可動するように制御される。可動物30a、30bによる可動演出は演出表示の内容に応じて決定されるように構成されており、本実施例においては、リーチ演出の後半部分に可動物30a、30bによる可動演出が実行されることで、遊技者に対して特別図柄の変動表示の結果が大当りである旨を報知可能に構成されている。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、実行中の可動演出を中止し、可動物30a、30bを演出位置(または可動中の位置)から原点位置へと移動させる原点復帰動作が実行される。これにより、遊技停止状態に制御された際に画像表示手段31に表示される遊技停止画面の視認性が可動物30a、30bにより阻害されることを防止することができる。また、安全装置が発動(ST2)するタイミングで実行中の可動演出を中止することとしたが、これに限らず、実行中の可動演出が終了した後に可動物30a、30bを演出位置(または可動中の位置)から原点位置へと移動させるための原点復帰動作を実行するように構成してもよい。
【0860】
次に、調整機能として音量調整ボタン16は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、音量調整操作が有効となるように制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)音量調整操作が無効となるように制御される。このように、遊技停止状態となった場合には、音量調整操作を無効とすることで、遊技者が遊技停止状態に制御されていることに気づき易くすることが可能となる。また、例えば、安全装置が発動(ST2)するタイミングで音量調整操作が行われ、画像表示手段31に現在の音量設定を示す音量設定情報が表示されていた場合には、遊技停止状態に制御されるとともに表示中の音量設定情報を非表示状態として、遊技停止画面を表示するように制御することが望ましい。これにより、遊技停止状態に制御された際に画像表示手段31に表示される遊技停止画面の視認性が音量設定情報により阻害されることを防止することができる。また、これに限らず、安全装置が発動(ST2)するタイミングで、画像表示手段31に音量設定情報が表示されていた場合であっても、遊技停止状態に制御された後、所定時間(例:5s)だけ遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)音量設定情報を表示するようにしてもよい。ただし、遊技停止状態中に、音量設定情報が表示されている間も音量調整操作は無効となるように制御されることが望ましい。また、遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)音量設定情報を表示する場合には、遊技停止画面としてメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)や二次元コードが表示されている場合には、それらと重ならない位置に音量設定情報を表示することが望ましい。
【0861】
次に、調整機能として光量調整ボタン17は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、光量調整操作が有効となるように制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)光量調整操作が無効となるように制御される。このように、遊技停止状態となった場合には、光量調整操作を無効とすることで、遊技者が遊技停止状態に制御されていることに気づき易くすることが可能となる。また例えば、安全装置が発動(ST2)するタイミングで光量調整操作が行われ、画像表示手段31に現在の光量設定を示す光量設定情報が表示されていた場合には、遊技停止状態に制御されるとともに表示中の光量設定情報を非表示状態として、遊技停止画面を表示するように制御することが望ましい。これにより、遊技停止状態に制御された際に画像表示手段に表示される遊技停止画面が光量設定情報により阻害される(視認性を低下させられる)ことを防止することができる。また、これに限らず、安全装置が発動(ST2)するタイミングで画像表示手段31に光量設定情報が表示されていた場合であっても、遊技停止状態に制御された後、所定時間(例:5s)だけ遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)光量設定情報を表示するようにしてもよい。ただし、遊技停止状態中に、光量設定情報が表示されている間も光量調整操作は無効となるように制御されることが望ましい。また、遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)光量設定情報を表示する場合には、遊技停止画面としてメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)や二次元コードが表示されている場合には、それらと重ならない位置に光量設定情報を表示することが望ましい。
【0862】
次に、ST1~ST3の経過において、払出制御部510により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0863】
払出制御として玉貸ボタン20は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)玉貸操作が有効となるように制御される。これにより、遊技停止状態に制御される前だけでなく遊技停止状態に制御された後も玉貸ボタン20の操作により貸出処理が行われ、遊技者に対して遊技球の付与が可能となるように構成されている。
【0864】
次に、払出制御として返却ボタン21は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)返却操作が有効となるように制御される。これにより、遊技停止状態に制御される前だけでなく、遊技停止状態に制御された後も返却ボタン21の操作により度数表示器62aの残高情報のクリア処理が行われ、遊技者に対して遊技球残高の返却が可能となるように構成されている。
【0865】
このように、遊技停止状態においても玉貸ボタン20による玉貸操作や返却ボタン21による返却操作が有効となるように制御されることで、遊技停止状態に移行した後に遊技球の玉貸及び返却を行うことができるので、例えば、遊技者は遊技停止前から、事前に獲得した遊技球の返却操作を行う必要がなく、遊技停止状態となった後これまでの遊技で獲得した遊技球の返却操作を行うことが可能となる。
【0866】
次に、払出制御として賞球払出動作は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)獲得した賞球の払出動作が有効となるように制御される。これにより、遊技停止状態に制御される前だけでなく、遊技停止状態に制御された後も賞球払出装置23が作動することにより、遊技球の払出動作が実行され、遊技者に対して遊技球の払出が実行可能に構成される。そのため、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されたタイミングで未だ遊技球の払出が完了していない場合であっても、遊技停止状態に制御された後に賞球払出装置23による未払いの賞球に関する遊技球の払出動作を実行することができる。ただし、遊技停止状態中は入賞にかかる賞球の払出に関する処理が行われないため(主制御部520から払出制御部510に対して払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)の送信が行われないため)遊技停止状態中に各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)への入球が発生したとしても、新たな入賞に基づく賞球については賞球払出装置23による払出動作が実行されることはない。
【0867】
次に、発射制御として遊技球の発射は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)発射制御は無効となるように制御される。これにより、遊技停止状態では、遊技球の発射が不可能な状態に制御されるので、遊技停止状態となったことを遊技者に対して気づかせることができる。また、遊技停止状態中は、遊技に関する処理(抽選処理、図柄変動処理、入賞及び賞球処理など)が実行されないため、遊技者にとって遊技球を発射するメリットが一切なく、発射制御を停止させておくことが望ましい。ただしこれに限らず、遊技停止状態に制御された場合にも、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)発射制御が有効となるように制御してもよい。これにより、遊技停止状態となった後、ホール関係者により発射制御の動作チェックを行うことができる。また、発射予定の遊技球が発射レール上に滞留している場合、発射を停止させてしまうと、遊技者がその遊技球を回収することが不可能な状態となってしまうので、これを防止するために遊技停止状態中も発射制御を有効とすることで、発射レール上に滞留している遊技球の回収が可能(意図的にファール球となる発射強度で発射することで回収可能)となるように構成してもよい。
【0868】
また、前述したように、主制御部520については、遊技停止状態中は実行中のプログラム処理が一部制限されるが、払出制御部510は遊技停止状態中も実行中のプログラム処理が制限されることがない。これは、前述したように遊技停止状態中も払出制御部510により玉貸ボタン20による玉貸操作や返却ボタン21による返却操作、賞球払出動作を有効に制御する必要があるためである。ただし、これに限らず払出制御部510においても一部(複数を含む)又は全部のプログラム処理(玉貸操作、返却操作、賞球払出動作)について制限するように構成してもよい。
【0869】
次に、
図5-2-2を用いて、本発明の特徴部分である安全装置の作動に関するタイムチャート(実施形態2-3)について詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0870】
(図柄変動遊技中に安全装置が作動した場合2)
図5-2-2では、特別図柄の図柄変動が開始され(ST1)、その図柄変動中に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動し(ST2)、遊技停止状態となり遊技機1の電源が遮断される(ST3)までの一連の流れをタイムチャートにより示している。さらに、
図5-2-2では、ST1~ST3の経過の中で、主制御部520、演出制御部540、払出制御部510が夫々、以下に示す各種機能をどのように制御するかを示している。
【0871】
図5-2-2では、主制御部520により制御される各種機能として、図柄表示装置76に関する機能(特別図柄表示用LED76a、76b、特別図柄記憶表示用LED76c、76d、普通図柄変動表示用LED76e、普通図柄記憶表示用LED76f、右打ち表示用LED76g等各種LEDの点灯制御)、性能表示LED521に関する機能(7セグ表示器の点灯制御、入賞数及びアウト数のカウント処理、ベース値の算出処理)、電チューサポートに関する機能(特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の作動制御)、大入賞口44、45に関する機能(大入賞口開閉ソレノイド70、71の作動制御)、外部端子に関する機能(セキュリティ信号の出力制御)、安全装置に関する機能(差玉計数処理)、試射試験信号に関する機能(安全装置作動前信号、安全装置作動信号の出力制御)について記載している。
【0872】
また、演出制御部540により制御される各種機能として、変動表示装置95に関する機能(特別図柄変動LED、普通図柄変動LEDの点灯制御)、画像表示手段31に関する機能(ミニ図柄103a、右打ち表示、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御)、LED63a、64aに関する機能(安全装置作動報知に関する点灯制御)、可動物30a、30bに関する機能(可動演出の実行制御)、調整機能(音量調整ボタン16、光量調整ボタン17の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0873】
また、払出制御部510により制御される各種機能として、払出制御機能(玉貸ボタン20、返却ボタン21の有効・無効の切替制御、賞球払出動作に関する実行制御)、発射制御機能(発射制御の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0874】
図5-2-2に示す実施例では、左打ちが有利な遊技状態(ここでは特別図柄の変動遊技が実行可能な低確率低ベース状態、高確率低ベース状態など)において、特別図柄の図柄変動中に遊技停止状態に遷移する例を示している。左打ち遊技は、特別図柄の変動遊技が実行可能な左打ち遊技状態であり、左打ち遊技中に安全装置作動フラグがON状態(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)に制御されることで遊技停止状態に制御される。
【0875】
また、
図5-2-2に示す実施例では、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)、その時点で即座に安全装置が発動し(ST2)、遊技停止状態に制御されるように構成されている。このように、特別図柄の変動遊技が実行可能な遊技状態(大当り遊技、小当り遊技以外の遊技状態)においては、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)、実行中の特別図柄の変動遊技があったとしても、その終了を待たずに即座に安全装置を発動(ST2)させ、遊技停止状態に制御するように構成されている。
【0876】
次に、ST1~ST3の経過において、主制御部520により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0877】
なお、特別図柄表示用LED76a、76b、特別図柄記憶表示用LED76c、76d、普通図柄記憶表示用LED76f、性能表示LED521の7セグ表示器の点灯制御やベース値の算出処理、大入賞口開閉ソレノイド70、71の作動制御、セキュリティ信号の出力制御、差玉計数処理、安全装置作動前信号、安全装置作動信号の出力制御については、前述した
図5-2-1に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0878】
普通図柄変動表示用LED76eは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、抽選結果に応じた停止表示パターン(当り停止発光パターン、ハズレ停止パターン)で停止表示される。また、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示される場合に限らず、右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)が遊技球を検出していない場合には、普通図柄変動表示用LED76eは前回の抽選結果を示す表示態様で停止表示されることとなる。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄変動表示用LED76eは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、普通図柄変動表示用LED76eが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して、次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0879】
また、
図5-2-2に示す実施例では、普通図柄変動表示用LED76eが変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示されているタイミングで安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されている。このように、安全装置が発動(ST2)した場合には、変動表示態様(変動中発光パターン)の変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、当り表示(当り停止発光パターン)やハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されている場合にも同様に、停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0880】
次に、右打ち表示用LED76gは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)左打ち発射が有利であることを示す表示態様(非表示状態≒消灯状態)で表示される。このように、左打ち遊技中に安全装置が発動(ST2)した場合には、遊技停止状態においても右打ち表示用LED76gが引き続き非表示(消灯状態)で制御される。
【0881】
次に、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。ここで、左打ち遊技中は、入賞数のカウント処理及びアウト数のカウント処理が実行される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は実行されない。このように、遊技停止状態において、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行しないのは、遊技停止状態が遊技不能に構成されているからであり、そのような状況下では、そもそも入賞及びアウトが発生することがないと考えられるためである。そこで、入賞数及びアウト数のカウント処理を無効とすることで、不正な入賞数及びアウト数をカウントし、ベース値を不正に操作されることを防止している。また、遊技停止状態では、入賞口38、39、40、41、42、43、44、45に遊技球が入球したとしても遊技者に対して賞球の払出が行われることがないため、入賞にかかるベース値のカウント処理も行わないことが望ましい。ただし、遊技停止状態においても、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行するようにしてもよく、この場合には少なくとも遊技停止状態においても遊技球の発射を有効としておくことが望ましい。また、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行する場合であっても遊技者に対して賞球の払出が行われることはない。
【0882】
次に、電チューサポート機能の作動にかかる特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の開閉制御は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行され、普通図柄変動表示用LED76eの変動結果に応じて、特別図柄2始動口39を開放状態または閉鎖状態に制御する。
図5-2-2に示す実施例においては、普通図柄変動表示用LED76eが未だ変動中のため閉鎖状態に制御されている。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72がOFF状態に制御されることで、特別図柄2始動口39が閉鎖状態に制御される。
図5-2-2に示す実施例では、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72がOFF状態に制御され、特別図柄2始動口39が閉鎖状態となっている際に安全装置が発動(ST2)しているので、遊技停止状態中も引き続き、特別図柄2始動口39が閉鎖状態に制御される。これにより、遊技停止状態において特別図柄2始動口39に遊技球が入球してしまうことを防止している。
【0883】
次に、ST1~ST3の経過において、演出制御部540により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0884】
なお、特別図柄変動LED、ミニ図柄103a、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御、安全装置作動報知に関する点灯制御、可動演出の実行制御、音量調整ボタン16、光量調整ボタン17の有効・無効の切替制御については、前述した
図5-2-1に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0885】
普通図柄変動LEDは、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、普通図柄変動遊技の抽選結果(普通図柄変動表示用LED76eの変動態様)に対応(同期)して変動表示態様または停止表示態様で表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄変動LED76eは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では普通図柄変動LED76eが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0886】
また、
図5-2-2に示す実施例では、普通図柄変動LEDが変動表示態様で表示されているタイミングで、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されている。このように、安全装置が発動(ST2)した場合には、変動表示態様(変動中発光パターン)の変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、当り表示(当り停止発光パターン)やハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されている場合にも同様に、停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0887】
次に、画像表示手段31に表示する右打ち表示は、特別図柄の変動開始(ST1)から安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態に表示制御される。このように、左打ち遊技中に安全装置が発動(ST2)した場合には、遊技停止状態においても画像表示手段31に表示する右打ち表示については非表示に表示制御される。
【0888】
なお、ST1~ST3の経過において、払出制御部510により制御される各種機能の制御内容については、前述した
図5-2-1に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0889】
次に、
図5-3-1を用いて、本発明の特徴部分である安全装置の作動に関するタイムチャート(実施形態2-4)について詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0890】
(非遊技中に安全装置が作動した場合1)
図5-3-1では、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動し(ST2)、遊技停止状態となり遊技機1の電源が遮断される(ST3)までの一連の流れをタイムチャートにより示している。さらに、
図5-3-1では、ST1~ST3の経過の中で、主制御部520、演出制御部540、払出制御部510が夫々、以下に示す各種機能をどのように制御するかを示している。
【0891】
図5-3-1では、主制御部520により制御される各種機能として、図柄表示装置76に関する機能(特別図柄表示用LED76a、76b、特別図柄記憶表示用LED76c、76d、普通図柄変動表示用LED76e、普通図柄記憶表示用LED76f、右打ち表示用LED76g等各種LEDの点灯制御)、性能表示LED521に関する機能(7セグ表示器の点灯制御、入賞数及びアウト数のカウント処理、ベース値の算出処理)、電チューサポートに関する機能(特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の作動制御)、大入賞口44、45に関する機能(大入賞口開閉ソレノイド70、71の作動制御)、外部端子に関する機能(セキュリティ信号の出力制御)、安全装置に関する機能(差玉計数処理)、試射試験信号に関する機能(安全装置作動前信号、安全装置作動信号の出力制御)について記載している。
【0892】
また、演出制御部540により制御される各種機能として、変動表示装置95に関する機能(特別図柄変動LED、普通図柄変動LEDの点灯制御)、画像表示手段31に関する機能(ミニ図柄103a、右打ち表示、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御)、LED63a、64aに関する機能(安全装置作動報知に関する点灯制御)、可動物30a、30bに関する機能(可動演出の実行制御)、調整機能(音量調整ボタン16、光量調整ボタン17の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0893】
また、払出制御部510により制御される各種機能として、払出制御機能(玉貸ボタン20、返却ボタン21の有効・無効の切替制御、賞球払出動作に関する実行制御)、発射制御機能(発射制御の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0894】
図5-3-1に示す実施例では、右打ちが有利な遊技状態(ここでは特別図柄の変動遊技が実行可能な低確率高ベース状態、高確率高ベース状態など)において、特別図柄の非図柄変動中(非遊技中)に遊技停止状態に遷移する例を示している。右打ち遊技は、特別図柄の変動遊技が実行可能な右打ち遊技状態であり、右打ち遊技中に安全装置作動フラグがON状態(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)に制御されることで遊技停止状態に制御される。
【0895】
また、
図5-3-1に示す実施例では、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)その時点で即座に安全装置が発動し(ST2)、遊技停止状態に制御されるように構成されている。このように、特別図柄の変動遊技が実行可能な遊技状態(大当り遊技、小当り遊技以外の遊技状態)においては、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)、特別図柄の非図柄変動中(非遊技中)であったとしても即座に安全装置を発動(ST2)させ、遊技停止状態に制御するように構成されている。
【0896】
次に、ST1~ST3の経過において、主制御部520により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0897】
図柄表示装置76の特別図柄変動表示用LED76a、76bは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、ハズレ態様(ハズレ停止発光パターン)で停止表示される。その後、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄変動表示用LED76a、76bは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では特別図柄変動表示用LED76a、76bが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0898】
次に、特別図柄記憶表示用LED76c、76dは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態≒現在の保留記憶数が0であることを示す)で表示制御される。このように、遊技停止状態では特別図柄記憶表示用LED76c、76dが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して保留記憶が消滅し、次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0899】
次に、図柄表示装置76の普通図柄変動表示用LED76eは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、ハズレ態様(ハズレ停止発光パターン)で停止表示される。また、ハズレ態様(ハズレ停止発光パターン)で停止表示される場合に限らず、右ゲートスイッチ46a(普通図柄始動口スイッチ)が遊技球を検出した場合には、普通図柄変動表示用LED76eは変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示されることとなる。安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄変動表示用LED76eは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では普通図柄変動表示用LED76eが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0900】
また、普通図柄変動表示用LED76eが変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示されているタイミングで、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、変動表示態様(変動中発光パターン)の変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、当り表示(当り停止発光パターン)やハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されている場合にも同様に、停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0901】
次に、普通図柄記憶表示用LED76fは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態≒現在の保留記憶数が0であることを示す)で表示制御される。このように、遊技停止状態では普通図柄記憶表示用LED76fが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して普通図柄保留記憶が消滅し、次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0902】
次に、右打ち表示用LED76gは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、右打ち発射が有利であることを示す表示態様で点灯表示される。その後、遊技停止状態に制御された場合には、右打ち表示用LED76gは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では右打ち表示用LED76gが非表示(消灯状態)に制御されることで、右打ち発射が有利な状態ではなくなったことを示している。
【0903】
次に、性能表示LED521の7セグ表示器は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、ベース値の表示制御が行われている。その後、遊技停止状態に制御された場合には、7セグ表示器は消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では7セグ表示器が消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))に制御されることで、遊技が不能な状態にもかかわらず現在のベース値を表示してしまうことを防止している。ここで、
図5-3-1に示す実施例では、遊技停止状態に制御された場合には、7セグ表示器を消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))としたが、これに限らず遊技停止状態においてもベース値の表示制御が行われるように構成してもよい。これにより、遊技停止状態においてもベース値の確認を行うことが可能となる。
【0904】
ちなみに、性能表示LED521の7セグ表示器が動作確認表示を実行している際に、安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合も、7セグ表示器は消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))を維持するように制御される。このように、動作確認表示の実行時間が未だ残っていたとしても、7セグ表示器は消灯状態(又はエラー表示(例:「E」表示))に制御されることとなる。ただしこれに限らず、動作確認表示の実行時間が残っている場合には動作確認表示を継続するように構成してもよい。これにより、遊技停止状態に制御する場合であっても、性能表示LED521の7セグ表示器が正常に動作するか否かをチェックすることが可能となる。
【0905】
次に、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。ここで、右打ち遊技中(ここでは特別図柄の変動遊技が実行可能な低確率高ベース状態、高確率高ベース状態など)は入賞数のカウント処理を行わず、アウト数のカウント処理のみ実行される。その後、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は実行されない。このように、遊技停止状態において、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行しないのは、遊技停止状態が遊技不能に構成されているからであり、そのような状況下では、そもそも入賞及びアウトが発生することがないと考えられるためである。そこで、入賞数及びアウト数のカウント処理を無効とすることで不正な入賞数及びアウト数をカウントし、ベース値を不正に操作されることを防止している。また、遊技停止状態では、入賞口に遊技球が入球したとしても遊技者に対して賞球の払出が行われることがないため、入賞にかかるベース値のカウント処理も行わないことが望ましい。ただし、遊技停止状態においても、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行するようにしてもよく、この場合には少なくとも遊技停止状態においても遊技球の発射を有効としておくことが望ましい。また、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理を実行する場合であっても遊技者に対して賞球の払出が行われることはない。
【0906】
次に、性能表示LED521のベース値算出処理は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。その後、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)性能表示LED521のベース値算出処理は実行されない。このように、遊技停止状態において性能表示LED521のベース値算出処理を実行しないのは、遊技停止状態が遊技不能に構成されているからであり、そのような状況下では、そもそも入賞及びアウトが発生することがないと考えられるためである。そこで、ベース値算出処理を無効とすることで不正な入賞数及びアウト数に基づくベース値を算出し、ベース値を不正に操作されることを防止している。また、遊技停止状態では、入賞口38、39、40、41、42、43、44、45に遊技球が入球したとしても、遊技者に対して賞球の払出が行われることがないため、入賞にかかるベース値の算出処理も行わないことが望ましい。ただし、遊技停止状態においても性能表示LED521のベース値算出処理を実行するようにしてもよく、この場合には少なくとも遊技停止状態においても遊技球の発射を有効としておくことが望ましい。また、性能表示LED521のベース値算出処理を実行する場合であっても遊技者に対して賞球の払出が行われることはない。
【0907】
次に、電チューサポート機能の作動にかかる特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の開閉制御は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行され、普通図柄変動表示用LED76eの変動結果に応じて、特別図柄2始動口39を開放状態または閉鎖状態に制御する。
図5-3-1に示す実施例においては、普通図柄変動表示用LED76eがハズレ態様(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されているため閉鎖状態に制御されている。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)特別図柄2始動口開閉ソレノイド72がOFF状態に制御されることで、特別図柄2始動口39が閉鎖状態に制御される。
図5-3-1に示す実施例では、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72がOFF状態に制御され、特別図柄2始動口39が閉鎖状態となっている際に安全装置が発動(ST2)しているので、遊技停止状態中も引き続き特別図柄2始動口39が閉鎖状態に制御される。これにより、遊技停止状態において特別図柄2始動口39に遊技球が入球してしまうことを防止している。
【0908】
また、非図柄変動中(非遊技中)に、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72がON状態に制御され、特別図柄2始動口39が開放状態となっている際に安全装置が発動(ST2)した場合には、予め設定された開放時間の経過を待たずして特別図柄2始動口39が閉鎖状態に制御される。このように、安全装置が発動(ST2)した場合には、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72をOFF状態に制御し、特別図柄2始動口39を閉鎖状態にすることで、その後の遊技停止状態において特別図柄2始動口39に遊技球が入球してしまうことを防止することができる。
【0909】
次に、大入賞口44、45を開閉するための大入賞口開閉ソレノイド70、71の開閉制御は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)閉鎖状態に制御される。そのため、ST1~ST3の間、大入賞口開閉ソレノイド70、71は常にOFF状態に制御される。このように、遊技停止状態においても大入賞口開閉ソレノイド70、71をOFF状態に制御し、大入賞口44、45を閉鎖状態にすることで、遊技停止状態中に大入賞口44、45に遊技球が入球してしまうことを防止している。
【0910】
次に、外部端子のセキュリティ信号の出力制御は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、未出力状態に制御される。遊技停止状態に制御された場合には、セキュリティ信号が出力状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)セキュリティ信号の出力を維持するように制御される。このように、安全装置が発動(ST2)した場合にはセキュリティ信号を出力状態に制御することで、ホールコンピュータに対して遊技停止状態となったことを通知可能に構成されている。
【0911】
次に、安全装置にかかる差玉カウンタの差玉計数処理は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。差玉計数処理が実行されることで、差玉カウンタが所定値に到達し、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)差玉計数処理が実行されることはない。これは、一度安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった場合には、その後の差玉カウンタの値にかかわらず遊技停止状態に遷移することとなるため、差玉計数処理の実行は不要であると考えらえるためである。ただしこれに限らず、差玉カウンタの差玉計数処理を実行するように構成してもよい。具体的には、安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)の間、有効に実行するように構成してもよい。ただし、いずれの場合であっても、一度OFF状態からON状態に設定された安全装置作動フラグが、差玉カウンタの差玉計数処理を実行した結果、再度ON状態からOFF状態に変化することがないように構成することが望ましい。これにより、安全装置作動フラグがON状態となった後、入賞数及びアウト数をコントロールすることで、安全装置作動フラグを変化させ(ON状態→OFF状態)、安全装置の発動を遅延・中止させるという行為を防止することが可能となる。
【0912】
次に、試射試験信号にかかる安全装置作動前信号の出力処理は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、出力可能状態に制御される。ここで、出力可能状態とは、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合に出力されるように制御されていることを意味しており、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合には、その時点から試射試験信号として安全装置作動前信号が出力されることとなる。
【0913】
ここで、安全装置作動前信号は、前述した通り、所定の条件が成立(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に到達)した場合に出力され、この安全装置作動前信号が出力されることで、安全装置の発動(ST2)が近づいていることを試験装置に対して報知することが可能となっている。ちなみに、
図5-3-1に示す実施例では、非図柄変動中(非遊技中)(ST1)となったタイミングから安全装置作動前信号が出力可能となるように記載しているが、非図柄変動中(非遊技中)(ST1)となる前であっても安全装置作動前信号は出力可能な状態となっている。
【0914】
安全装置作動前信号の出力処理は、安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、出力状態から未出力状態へ切り替えられる。この際、出力状態から未出力状態へと即座に切り替えるように構成してもよいし、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)出力状態を維持した後、未出力状態に切り替えるように構成してもよい。そして、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)未出力状態が維持される。前述したように、安全装置作動前信号は、安全装置の発動(ST2)が近づいていることを試験装置に対して報知することが目的であるため、既に安全装置が発動している遊技停止状態においては出力する必要がないため、未出力状態としておくことが望ましい。
【0915】
また、安全装置作動前信号の出力処理を、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となるまで出力可能な状態とし、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となった後は、未出力状態に制御するように構成してもよい。この際、安全装置作動フラグがON状態(ST2)となったことを契機に、出力状態から未出力状態へと即座に切り替えるように構成してもよいし、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)出力状態を維持した後、未出力状態に切り替えるように構成してもよい。このように構成することで、安全装置作動前信号により、安全装置作動フラグがON状態となるための条件の成立(差玉カウンタの値が所定値(例:95000)に到達)が近づいていることを試験装置に対して事前に報知することが可能となる。
【0916】
次に、試射試験信号にかかる安全装置作動信号の出力処理は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、未出力状態に制御される。その後、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機の電源が遮断されるまで(ST3)の間、出力状態に維持される。ただし、これに限らず安全装置が発動(ST2)した後、予め定められた所定時間(例:500ms、30sなど)だけ出力するように構成してもよい。このように、安全装置が発動(ST2)した後、遊技停止状態に制御された場合に、安全装置作動信号が出力されることで、試験装置に対して安全装置が発動したこと(≒遊技停止状態に制御されたこと)を報知することが可能となっている。
【0917】
次に、ST1~ST3の経過において、演出制御部540により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0918】
変動表示装置95の特別図柄変動LEDは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、特別図柄変動遊技の抽選結果(特別図柄変動表示用LED76a、76bの変動態様)に対応(同期)して、変動表示態様または停止表示態様で表示される。
図5-3-1に示す実施例においては、特別図柄変動遊技が実行されていないため、停止表示点灯パターン(又は停止消灯パターン)で表示制御されている。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、特別図柄変動LEDは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される(停止表示態様が停止消灯パターンの場合には、遊技停止状態後も消灯を維持)。このように、遊技停止状態では、特別図柄変動LEDが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0919】
次に、普通図柄変動LEDは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、普通図柄変動遊技の抽選結果(普通図柄変動表示用LED76eの変動態様)に対応(同期)して、変動表示態様または停止表示態様で表示される。
図5-3-1に示す実施例においては、普通図柄変動遊技が実行されていないため、停止表示点灯パターン(又は停止消灯パターン)で表示制御されている。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄変動LEDは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、普通図柄変動LEDが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0920】
また、
図5-3-1に示す実施例では、普通図柄変動LEDが停止表示点灯パターン(又は停止消灯パターン)で表示されているタイミングで安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されているが、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示されている場合には、変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0921】
次に、画像表示手段31に表示するミニ図柄103aは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、停止表示態様(「246」などのハズレ停止パターン)で表示される。遊技停止状態に制御された場合には、ミニ図柄103aは非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では画像表示手段31のミニ図柄103aが非表示状態に制御されることで、遊技者に対して次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0922】
次に、画像表示手段31に表示する右打ち表示は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、右打ち発射が有利であることを示す表示態様(右打ち発射を促す表示態様)で表示される。遊技停止状態に制御された場合には、右打ち表示は非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では右打ち表示が非表示状態に制御されることで、右打ち発射が有利な状態ではなくなったことを示している。
【0923】
次に、画像表示手段31に表示するエラー表示は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー内容(RWM初期化、球詰まり、補給切れ、計数異常、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等)を報知可能な状態に制御される。ここで、エラー表示に関しては、遊技停止状態においても報知可能としているのは、遊技停止状態においても発生中のエラー内容を正確に通知するためである。そのため、大当り遊技中にエラー表示が行われている場合、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されたとしても、表示中のエラー表示に関しては継続して表示を行うように構成される。このように、安全装置の発動(ST2)後も継続してエラー表示が行われることで、遊技停止状態に移行後も発生中のエラー内容の把握及び解除を容易に行うことができる。
【0924】
また、エラー表示は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー内容を報知可能としたが、これに限らず、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、エラー内容を報知可能としてもよい。この場合、遊技停止状態に制御されると、エラー表示は非表示とし、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するようにしてもよい。また、実行中のエラー表示がある場合には、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態となったタイミングで即座に非表示に切り替えるようにしてもよいし、予め定められた表示時間(例:30s)だけ遊技停止状態となった後も表示を継続するように構成してもよい。
【0925】
また、前述の内容はエラー表示のみに限らず、LEDや音声を利用したエラー報知に対しても同様に適用してもよい。例えば、エラー表示だけでなくLEDや音声を利用してエラー報知を行っている場合には、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー報知を可能に構成してもよい。また、前述したその他の構成についてもLEDや音声を利用したエラー報知に対して同様に適用してもよい。
【0926】
また、エラー表示のみを特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー表示可能に構成し、LEDや音声を利用したエラー報知については、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、エラー報知可能に構成してもよい。例えば、特定のエラー(RWM初期化、球詰まり、補給切れ、計数異常、断線、扉開放、入賞口エラー、電波エラー、磁気エラー等)が発生している場合に、遊技停止状態に制御されるまではエラー表示、LED又は/及び音声によりエラー報知を行い、遊技停止状態に制御された後はエラー表示のみを行い、LED又は/及び音声については、遊技停止状態に制御されたことを示す遊技停止状態報知態様(LED:点灯パターンor消灯パターン、音:報知音あり、報知音なしでもよい)に制御してもよい。これにより、エラー表示の報知と遊技停止状態に制御されていることの報知を適切に行うことができる。またこの時、画像表示手段31には、エラー表示と遊技停止状態に制御されていることを示す遊技停止状態報知画像を表示するように構成してもよい。また、LEDや音声を利用したエラー報知については、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)エラー報知可能に構成し、エラー表示については、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、エラー表示可能に構成してもよい。
【0927】
また、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間に表示するエラー表示と、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)に表示するエラー表示の表示態様を異ならせるように構成してもよい。これにより、遊技状態に応じたエラー表示を行うことが可能となる。具体的には、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間に表示するエラー表示は、遊技に関するその他の情報表示画像との配置関係を意識した表示箇所、表示サイズ、表示内容とし、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)に表示するエラー表示は、表示に関する制約が比較的少ないので、表示箇所、表示サイズ、表示内容を識別しやすい態様で表示するように構成してもよい。例えば、遊技停止状態(安全装置作動後)では、背景画像が黒ベタ画像となることで、遊技中(安全装置が作動する前)よりも、エラー表示内容が識別しやすいように構成してもよい。
【0928】
次に、画像表示手段31に表示する保留表示104a、105aは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留画像表示を実行可能に制御される。
図5-3-1に示す実施例では、特別図柄の保留記憶数がない状態なので、保留画像の表示は行われない(非表示状態)。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、画像表示手段31の保留表示は非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、画像表示手段31の保留表示76c、76dが非表示状態に制御されることで、遊技者に対して、保留記憶が消滅し次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0929】
次に、画像表示手段31に表示する特別図柄記憶個数表示106a、106bは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留個数表示(例「0」~「4」のいずれかの数値を表示)を行うように制御される。
図5-3-1に示す実施例では、特別図柄の保留記憶がない状態なので、現在の保留記憶数が0個であることを示す保留個数表示を行うように制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、画像表示手段31の保留個数表示は非表示状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、画像表示手段31の保留個数表示が非表示状態に制御されることで、遊技者に対して、保留記憶個数が消滅し次の特別図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0930】
また、特別図柄記憶個数表示106a、106bについては、安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合であっても表示状態を継続するように構成してもよい。この場合、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)する前は、特別図柄記憶表示用LED76c、76dが示す現在の保留記憶数に応じた保留個数表示(例「0」~「4」のいずれかの数値を表示)とし、安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)した後は、保留記憶数がないことを示す「0」表示に切り替えて表示することが望ましい。
【0931】
画像表示手段31に表示する保留表示104a、105a又は特別図柄記憶個数表示106a、106bに関して、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、いずれか一方の表示のみを非表示状態に制御し、他方の表示については表示状態を継続するように構成してもよい。例えば、保留表示104a、105aについては非表示状態とし、特別図柄記憶個数表示106a、106bは表示状態としてもよいし、その逆としてもよい。
【0932】
次に、画像表示手段31に表示するモード表示について、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、現在の遊技状態(例:右打ち遊技中の変動表示の遊技モードを示す表示など)を示す表示画像を表示するように制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)の間はモード表示が非表示状態に制御される。これにより、遊技停止状態となる場合には、現在の遊技状態が制限されることや次回の遊技状態が生起しないことを示唆することが可能となっている。
【0933】
次に、画像表示手段31に表示する安全装置作動表示は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、安全装置作動フラグがON状態となる契機が迫っていることを示唆する作動予告表示を表示可能に制御される。作動予告表示は、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)を満たした場合に表示が開始されるように構成され、表示が開始されると安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、継続的に表示するように構成される。また、作動予告表示を開始した後、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000))が不成立(差玉カウンタの値が所定値(90000)を下回る等)となった場合には、作動予告表示は非表示状態となるように制御される。また、作動予告表示は、現在の差玉カウンタの値に基づく数値を表示するように構成されており、例えば「現在の差玉数/950000(安全装置作動フラグがON状態となる所定値)」のように、現在の差玉数が常に更新表示され、安全装置作動フラグがON状態となるまでの数値をリアルタイムに把握可能に表示される。また、差玉数のカウントに関しては、常時更新に限らず、例えば、所定単位(10、100、1000など)毎に更新されるように構成してもよい。また、作動予告表示を行うに際しては、主制御部520から演出制御部540に対してアウト数及び賞球数に関する情報をコマンド送信し、演出制御部540は受信したアウト数及び賞球数に関する情報を用いて、現在の差玉数に関する計数処理を行うように構成してもよい。この場合、主制御520にて、アウト及び/又は入賞を検出する度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよいし、所定の条件(例:主制御部520から演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを送信した場合)を満たした後、主制御部520は発生したアウト及び/又は入賞を検出する度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよい。また、主制御部520から演出制御部540に対して計数済みの差玉数に関する情報をコマンド送信し、演出制御部540は受信した差玉数に関する情報を用いて、現在の差玉数に関する計数処理を行うように構成してもよい。この場合、主制御部520にて、差玉数の計数処理を行う度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよいし、安全装置作動予告コマンドに差玉数の情報を付加する形でコマンド送信を行うようにしてもよい。また、所定の条件(例:主制御部520から演出制御部540に対して安全装置作動予告コマンドを送信した場合)を満たした後、主制御部520にて差玉数の計数処理を行う度に演出制御部540に対してコマンド送信を行うようにしてもよい。
【0934】
また、
図5-3-1に示す実施例では、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)(ST1)となってから作動予告表示が可能となるように記載しているが、これに限らず、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)が成立した場合には、非図柄変動中(非遊技中)(ST1)となる前であっても作動予告表示の表示を開始するように構成してもよい。また、非図柄変動中(非遊技中)(ST1)となる前に関しても、作動予告表示の表示/非表示の制御に関しては前述内容と同様の構成を採用するようにしてもよい。
【0935】
画像表示手段31に表示する安全装置作動表示は、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、非表示状態に制御される。
図5-3-1の実施例では、表示中の作動予告表示を安全装置の発動(ST2)タイミング(≒遊技停止状態の開始タイミング)で非表示状態としている。このように、安全装置が発動(ST2)した後は、作動予告表示を表示する必要性が低いため、非表示状態に制御することが望ましい。またこの際、作動予告表示に替えて作動中表示(例:「安全装置が作動中です」や「遊技停止状態中です」など)の表示を行うように構成してもよい。
【0936】
ここで、非図柄変動中(非遊技中)は、安全装置作動表示として作動予告表示のみが行われ作動警告表示が実行されることはない。これは、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態に設定された場合には、その時点で即座に安全装置が発動(ST2)するように制御されるためである。このように、安全装置作動フラグがON状態に設定された後、安全装置が発動(ST2)するまでに所定期間が生じないため、この間に行われる作動警告表示が実行されることはない。
【0937】
また、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技停止状態の開始とともに「差玉数が95000に達したため、安全装置が作動します」などの作動警告表示を表示するように構成してもよい。また、遊技停止状態の開始とともに「普通図柄の変動表示を強制終了しました」などの普通図柄の変動中止を報知するための変動中止表示を表示するように構成してもよい。このように、大当り遊技中に遊技停止状態に制御される場合と、非図柄変動中(非遊技中)に遊技停止状態に制御される場合とで、安全装置作動表示(作動予告表示、作動警告表示など)を異ならせるように構成してもよい。また、右打ち遊技中(又は特別図柄の変動表示中)に遊技停止状態に制御される場合と、非図柄変動中(非遊技中)に遊技停止状態に制御される場合とで、安全装置作動表示(作動予告表示、作動警告表示など)を異ならせるように構成してもよい。
【0938】
次に、画像表示手段31に表示する演出表示として、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、装飾図柄の停止画像や音量/光量の調整画像、メニュー画像などの表示を行う待機画面や、非遊技状態(又は待機画面)が開始されてから所定時間(例:180s)経過後に、機種紹介用のデモムービーや遊技へののめり込みを防止するための注意喚起表示などを行うデモ画面の表示が行われる。
図5-3-1に示す実施例においては、デモ画面の表示中に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御される。遊技停止状態に制御された場合には、遊技停止状態となった旨を報知可能な遊技停止画面を表示する。遊技停止画面は、画像表示手段31の表示領域全面に黒ベタの背景画像を表示する黒色背景画像と、遊技停止状態に制御されていることを示すメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)により構成される。このように、遊技停止状態となった場合には、画像表示手段31に遊技停止画像が表示されることで、遊技者に対して遊技停止状態に制御されていることを報知可能に構成されている。また、遊技停止画面では、所定の遊技情報(獲得した特典情報や履歴情報など)を記憶するための二次元コードを表示するように構成してもよい。これにより、遊技停止前に獲得した特典情報や蓄積した履歴情報を取得することが可能となる。
【0939】
ここで、
図5-3-1に示す実施例では、デモ画面の表示中に安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されるが、この場合、実行中のデモ画面は、遊技停止状態となるタイミングで終了し、即座に遊技停止画面に切り替えられる。このように、遊技停止状態に制御する場合には、実行中の演出表示(待機画面、デモ画面)については中止/中断するように構成されている。
【0940】
また、非図柄変動中(非遊技中)に作動予告表示を行うように構成してもよく、この場合、作動予告表示は、待機画面やデモ画面(デモムービー、注意喚起表示など)よりも優先的に表示することが望ましい。また、作動予告表示については、非図柄変動中(非遊技中)となった後、所定時間経過後(例:180s)に表示を終了するように構成してもよい。また、待機画面では作動予告表示を実行する一方、デモ画面(デモムービー、注意喚起表示の何れか一方でもよい)では作動予告表示を実行しないように構成してもよい。また、非図柄変動中(非遊技中)中の演出表示として、待機画面の表示後にデモ画面の表示を行い、その後再び待機画面の表示を行うような場合には、再度表示する待機画面においては作動予告表示を行わないように構成してもよい。また、遊技者によるハンドル操作やハンドルタッチ、音量/光量調整ボタンの操作、操作手段(中押しボタン14a)の操作などが行われた場合に、実行中のデモ画面の表示に替えて待機画面の表示を行うようにしてもよく、このような場合にデモ画面に替えて表示する待機画面においては作動予告表示を行わないように構成してもよい。このように、非図柄変動中(非遊技中)に作動予告表示を制限することにより、新たに遊技を始めようとする遊技者の遊技意欲を減退させないようにすることが可能となる。ここで、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)になったタイミングで作動予告表示を制限しない理由としては、未だ既存の遊技者が遊技を行っている可能性が高いことが想定されるためであり、既存の遊技者に対しては作動予告表示が確認できるように構成することが望ましい。
【0941】
次に、LEDを用いた安全装置作動報知は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を白色発光させる作動予告報知を実行する。この作動予告報知により、安全装置作動フラグがON状態となる契機が迫っていることを示唆することが可能となっている。ここで、作動予告報知を盤側LED63aの一部又は全部を用いて行う場合には、枠側LED64aの一部又は全部については、実行中の演出表示(待機画面、デモ画面など)に応じた発光演出を実行するように構成される。また、作動予告報知を枠側LED64aの一部又は全部を用いて行う場合には、盤側LED63aの一部又は全部については、実行中の演出表示(待機画面、デモ画面など)に応じた発光演出を実行する。
【0942】
また、作動予告報知は、開始条件(差玉カウンタの値が所定値(例:90000)に達した場合)に、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を白色発光させるとしたが、所定の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:91000)に達した場合)を満たした場合に、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を白色発光から異なる発光態様(例:黄色発光など)に変更するように構成してもよい。また、さらに別の条件(差玉カウンタの値が所定値(例:92000)に達した場合)盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を黄色発光から異なる発光態様(例:緑色発光など)に変更するように構成してもよい。このように、差玉カウンタの値が所定値(95000)に達するまで、所定単位毎(1000)に発光態様を変更させるように構成してもよい。また、発光態様の変更については、発光色だけでなく発光種別(点灯、点滅、遅い点滅、早い点滅など)を変更させるものであってもよい。
【0943】
ここで、作動予告報知については、前述した作動予告表示と同期(対応)して実行されるように制御される。そのため、特筆しない限り、作動予告表示の実行時には作動予告報知も実行されているものとする。また、作動予告報知は、前述した作動予告表示に関する種々の実行内容と同期(対応)して実行可能に構成される。ただし、必ずしも作動予告表示と同期(対応)して実行される必要はなく、例えば、作動予告表示の終了後も作動予告報知を実行するように構成してもよい。また、作動予告報知の終了後も作動予告表示を実行するように構成してもよい。このように、作動予告表示の実行期間(又は実行タイミング)と、作動予告報知の実行期間(又は実行タイミング)とを異ならせるように構成してもよい。また、少なくとも作動予告表示と作動予告報知のいずれか一方を、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間に実行可能となるように構成してもよい。これにより、いずれか一方(画像表示手段31またはLED)が不具合などにより実行できない場合や何れか一方を用いて演出表示(待機画面、デモ画面など)を実行する場合においても、遊技者に対して安全装置作動フラグがON状態となる契機が迫っていることを示唆することが可能となっている。
【0944】
LEDを用いた安全装置作動報知は、安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部が消灯状態に制御され、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)消灯状態を維持するように制御される。このように遊技停止状態となった場合には、各LED(盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの全部または一部)の発光演出を停止させることにより、これ以上の遊技が行われないことを示唆するように構成されている。ただし、遊技停止状態中にエラー表示を実行する場合には、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部をエラー表示の内容に応じたエラー発光態様で発光制御するように構成してもよい。また、遊技停止状態中にエラー表示を実行する場合であっても、盤側LED63a及び/又は枠側LED64aの一部又は全部を消灯状態に制御するように構成してもよい。
【0945】
また、非図柄変動中(非遊技中)となった後、所定時間経過後(例:180s)に作動予告表示を終了するように構成した場合、作動予告報知については終了させないように構成してもよい(これとは逆に、作動予告表示を終了せずに、作動予告報知のみを終了するようにしてもよい)。また、非図柄変動中(非遊技中)の演出表示として、待機画面の表示後にデモ画面の表示を行い、その後再び待機画面の表示を行うような場合には、再度表示する待機画面においては、作動予告表示は行わずに作動予告報知のみを実行するように構成してもよい(これとは逆に、作動予告表示のみを行い、作動予告報知を行わないようにしてもよい)。また、デモ画面(デモムービー、注意喚起表示の何れか一方でもよい)では作動予告表示を実行せずに、作動予告報知のみを実行するように構成してもよい(これとは逆に、作動予告表示のみを実行し、作動予告報知実行しないようにしてもよい)。遊技者によるハンドル操作やハンドルタッチ、音量/光量調整ボタンの操作、操作手段(中押しボタン14a)の操作を契機に、実行中のデモ画面の表示に替えて待機画面を表示する場合には、作動予告報知を行わずに作動予告表示のみを実行するように構成してもよい(これとは逆に、作動予告表示のみを実行し、作動予告報知を実行しないようにしてもよい)。このように、作動予告表示又は作動予告報知のいずれか一方を制限することにより、新たに遊技を始めようとする遊技者の遊技意欲を可能な限り減退させないようにすることができる。
【0946】
また、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となったタイミング(ST1)から、実行中の作動予告表示及び作動予告報知を終了するように構成してもよい。また、実行中の作動予告表示又は作動予告報知のいずれか一方を終了するように構成してもよい。このように、作動予告表示又は作動予告報知を制限することにより、新たに遊技を始めようとする遊技者の遊技意欲を可能な限り減退させないようにすることができる。
【0947】
次に、可動物30a、30bによる可動演出は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、可動可能な状態で制御される。ここで、可動物30a、30bによる可動演出は、演出表示の内容に応じて決定されるように構成されており、
図5-3-1に示す実施例においては、演出表示として待機画面及びデモ画面が表示されており、これらを表示している際は可動物30a、30bによる可動演出を実行しないため原点位置で待機するように構成されている。仮に、待機画面及びデモ画面において可動演出を実行する場合には、原点位置から演出位置へと可動物30a、30bが移動することとなる。その後、遊技停止状態に制御された場合には、実行中の可動演出を中止し、可動物30a、30bを演出位置(または可動中の位置)から原点位置へと移動させる原点復帰動作が実行される。
図5-3-1に示す実施例においては、原点位置に待機しているので原点復帰動作が実行されることはないが、仮に可動演出が行われたいた場合には原点復帰動作が実行されることとなる。これにより、遊技停止状態に制御された際に画像表示手段31に表示される遊技停止画面の視認性が、可動物30a、30bにより阻害されることを防止することができる。また、安全装置が発動(ST2)するタイミングで実行中の可動演出を中止することとしたが、これに限らず、実行中の可動演出が終了した後に、可動物30a、30bを演出位置(または可動中の位置)から原点位置へと移動させるための原点復帰動作を実行するように構成してもよい。
【0948】
次に、調整機能として音量調整ボタン16は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、音量調整操作が有効となるように制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)音量調整操作が無効となるように制御される。このように、遊技停止状態となった場合には、音量調整操作を無効とすることで、遊技者が遊技停止状態に制御されていることに気づき易くすることが可能となる。また、例えば、安全装置が発動(ST2)するタイミングで音量調整操作が行われ、画像表示手段31に現在の音量設定を示す音量設定情報が表示されていた場合には、遊技停止状態に制御されるとともに表示中の音量設定情報を非表示状態として、遊技停止画面を表示するように制御することが望ましい。これにより、遊技停止状態に制御された際に画像表示手段31に表示される遊技停止画面が、音量設定情報により阻害される(視認性を低下させられる)ことを防止することができる。またこれに限らず、安全装置が発動(ST2)するタイミングで、画像表示手段31に音量設定情報が表示されていた場合であっても、遊技停止状態に制御された後、所定時間(例:5s)だけ遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)音量設定情報を表示するようにしてもよい。ただし、遊技停止状態中に、音量設定情報が表示されている間も音量調整操作は無効となるように制御されることが望ましい。また、遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)音量設定情報を表示する場合には、遊技停止画面としてメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)や二次元コードが表示されている場合には、それらと重ならない位置に音量設定情報を表示することが望ましい。
【0949】
次に、調整機能として光量調整ボタン17は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、光量調整操作が有効となるように制御される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)光量調整操作が無効となるように制御される。このように、遊技停止状態となった場合には、光量調整操作を無効とすることで、遊技者が遊技停止状態に制御されていることに気づき易くすることが可能となる。また、例えば、安全装置が発動(ST2)するタイミングで光量調整操作が行われ、画像表示手段31に現在の光量設定を示す光量設定情報が表示されていた場合には、遊技停止状態に制御されるとともに表示中の光量設定情報を非表示状態として、遊技停止画面を表示するように制御することが望ましい。これにより、遊技停止状態に制御された際に画像表示手段31に表示される遊技停止画面が、光量設定情報により阻害される(視認性を低下させられる)ことを防止することができる。また、これに限らず、安全装置が発動(ST2)するタイミングで、画像表示手段31に光量設定情報が表示されていた場合であっても、遊技停止状態に制御された後、所定時間(例:5s)だけ遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)光量設定情報を表示するようにしてもよい。ただし、遊技停止状態中に、光量設定情報が表示されている間も光量調整操作は無効となるように制御されることが望ましい。また、遊技停止画面に重ねて(表示レイヤーが上位となるように)光量設定情報を表示する場合には、遊技停止画面としてメッセージ表示画像(例:「遊技停止状態中です 係員を及びください」など)や二次元コードが表示されている場合には、それらと重ならない位置に光量設定情報を表示することが望ましい。
【0950】
また、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、演出表示として表示する待機画面やデモ画面の表示中に、音量調整が可能である旨を示す音量調整可能表示(例:「音量調整が可能です」)や光量調整が可能である旨を示す光量調整可能表示(例:「光量調整が可能です」)や、メニュー画面の操作が可能である旨を示すメニュー画面操作表示(例:「メニュー画面の操作が可能です」)などを表示するように構成してもよい。この場合、音量調整可能表示、光量調整可能表示、メニュー画面操作表示の実行中に、安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、音量調整可能表示、光量調整可能表示、メニュー画面操作表示の表示を終了させることが望ましい。
【0951】
次に、ST1~ST3の経過において、払出制御部510により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0952】
払出制御として玉貸ボタン20は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)玉貸操作が有効となるように制御される。これにより、遊技停止状態に制御される前だけでなく、遊技停止状態に制御された後も、玉貸ボタン20の操作により貸出処理が行われ、遊技者に対して遊技球の付与が可能となるように構成されている。
【0953】
次に、払出制御として返却ボタン21は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)返却操作が有効となるように制御される。これにより、遊技停止状態に制御される前だけでなく、遊技停止状態に制御された後も、返却ボタン21の操作により度数表示器62aの残高情報のクリア処理が行われ、遊技者に対して遊技球残高の返却が可能となるように構成されている。
【0954】
このように、遊技停止状態においても玉貸ボタン20による玉貸操作や返却ボタン21による返却操作が有効となるように制御されることで、遊技停止状態に移行した後に遊技球の玉貸及び返却を行うことができるので、例えば、遊技者は遊技停止前から事前に獲得した遊技球の返却操作を行う必要がなく、遊技停止状態となった後、これまでの遊技で獲得した遊技球の返却操作を行うことが可能となる。
【0955】
次に、払出制御として賞球払出動作は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)獲得した賞球の払出動作が有効となるように制御される。これにより、遊技停止状態に制御される前だけでなく、遊技停止状態に制御された後も、賞球払出装置23が作動することにより、遊技球の払出動作が実行され、遊技者に対して遊技球の払出が実行可能に構成される。そのため、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されたタイミングで未だ遊技球の払出が完了していない場合であっても、遊技停止状態に制御された後に、賞球払出装置23による未払いの賞球に関する遊技球の払出動作を実行することができる。ただし、遊技停止状態中は、入賞にかかる賞球の払出に関する処理が行われないため(主制御部520から払出制御部510に対して払出制御コマンド(賞球数指定コマンド)の送信が行われないため)、遊技停止状態中に各種入賞口(特別図柄1始動口38、特別図柄2始動口39、左上入賞口40、左中入賞口41、左下入賞口42、右入賞口43、上大入賞口44、下大入賞口45)への入球が発生したとしても、新たな入賞に基づく賞球については、賞球払出装置23による払出動作が実行されることはない。
【0956】
次に、発射制御として遊技球の発射は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)発射制御は無効となるように制御される。これにより、遊技停止状態では、遊技球の発射が不可能な状態に制御されるので、遊技停止状態となったことを遊技者に対して気づかせることができる。また、遊技停止状態中は、遊技に関する処理(抽選処理、図柄変動処理、入賞及び賞球処理など)が実行されないため、遊技者にとって遊技球を発射するメリットが一切なく、発射制御を停止させておくことが望ましい。ただしこれに限らず、遊技停止状態に制御された場合にも、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)発射制御が有効となるように制御してもよい。これにより、遊技停止状態となった後、ホール関係者により発射制御の動作チェックを行うことができる。また、発射予定の遊技球が発射レール上に滞留している場合、発射を停止させてしまうと、遊技者がその遊技球を回収することが不可能な状態となってしまうので、これを防止するために遊技停止状態中も発射制御を有効とすることで発射レール上に滞留している遊技球の回収が可能(意図的にファール球となる発射強度で発射することで回収可能)となるように構成してもよい。
【0957】
また、前述したように、主制御部については、遊技停止状態中は実行中のプログラム処理が一部制限されるが、払出制御部は遊技停止状態中も実行中のプログラム処理が制限されることがない。これは、前述したように遊技停止状態中も払出制御部により玉貸ボタンによる玉貸操作や返却ボタンによる返却操作、賞球払出動作を有効に制御する必要があるためである。ただし、これに限らず払出制御部においても一部(複数を含む)又は全部のプログラム処理(玉貸操作、返却操作、賞球払出動作)について制限するように構成してもよい。
【0958】
次に、
図5-3-2を用いて、本発明の特徴部分である安全装置の作動に関するタイムチャート(実施形態2-5)について詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0959】
(非遊技中に安全装置が作動した場合2)
図5-3ー2では、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動し(ST2)、遊技停止状態となり遊技機1の電源が遮断される(ST3)までの一連の流れをタイムチャートにより示している。さらに、
図5-3-2では、ST1~ST3の経過の中で、主制御部520、演出制御部540、払出制御部510が夫々、以下に示す各種機能をどのように制御するかを示している。
【0960】
図5-3-2では、主制御部520により制御される各種機能として、図柄表示装置76に関する機能(特別図柄表示用LED76a、76b、特別図柄記憶表示用LED76c、76d、普通図柄変動表示用LED76e、普通図柄記憶表示用LED76f、右打ち表示用LED76g等各種LEDの点灯制御)、性能表示LED521に関する機能(7セグ表示器の点灯制御、入賞数及びアウト数のカウント処理、ベース値の算出処理)、電チューサポートに関する機能(特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の作動制御)、大入賞口44、45に関する機能(大入賞口開閉ソレノイド70、71の作動制御)、外部端子に関する機能(セキュリティ信号の出力制御)、安全装置に関する機能(差玉計数処理)、試射試験信号に関する機能(安全装置作動前信号、安全装置作動信号の出力制御)について記載している。
【0961】
また、演出制御部540により制御される各種機能として、変動表示装置95に関する機能(特別図柄変動LED、普通図柄変動LEDの点灯制御)、画像表示手段31に関する機能(ミニ図柄103a、右打ち表示、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御)、LED63a、64aに関する機能(安全装置作動報知に関する点灯制御)、可動物30a、30bに関する機能(可動演出の実行制御)、調整機能(音量調整ボタン16、光量調整ボタン17の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0962】
また、払出制御部510により制御される各種機能として、払出制御機能(玉貸ボタン20、返却ボタン21の有効・無効の切替制御、賞球払出動作に関する実行制御)、発射制御機能(発射制御の有効・無効の切替制御)について記載している。
【0963】
図5-3-2に示す実施例では、左打ちが有利な遊技状態(ここでは特別図柄の変動遊技が実行可能な低確率低ベース状態、高確率低ベース状態など)において、特別図柄の非図柄変動中(非遊技中)に遊技停止状態に遷移する例を示している。左打ち遊技は、特別図柄の変動遊技が実行可能な左打ち遊技状態であり、左打ち遊技中に安全装置作動フラグがON状態(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)に制御されることで、遊技停止状態に制御される。
【0964】
また、
図5-3-2に示す実施例では、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)、その時点で即座に安全装置が発動し(ST2)、遊技停止状態に制御されるように構成されている。このように、特別図柄の変動遊技が実行可能な遊技状態(大当り遊技、小当り遊技以外の遊技状態)においては、安全装置作動フラグがON状態に設定されると(≒差玉カウンタが所定値(95000)に到達)、特別図柄の非図柄変動中(非遊技中)であったとしても即座に安全装置を発動(ST2)させ、遊技停止状態に制御するように構成されている。
【0965】
次に、ST1~ST3の経過において、主制御部520により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0966】
なお、特別図柄表示用LED76a、76b、特別図柄記憶表示用LED、性能表示LED521の7セグ表示器の点灯制御の点灯制御やベース値の算出処理、特別図柄2始動口開閉ソレノイド72の作動制御、大入賞口開閉ソレノイド70、71の作動制御、セキュリティ信号の出力制御、差玉計数処理、安全装置作動前信号、安全装置作動信号の出力制御については、前述した
図5-3-1に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0967】
図柄表示装置76の普通図柄変動表示用LED76eは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、普通図柄変動遊技の抽選結果(普通図柄変動表示用LEDの変動態様)に対応(同期)して変動表示態様または停止表示態様で表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄変動表示用LED76eは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、普通図柄変動表示用LED76eが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0968】
また、
図5-3-2に示す実施例では、普通図柄変動表示用LED76eが変動表示態様で表示されているタイミングで、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されている。このように、安全装置が発動(ST2)した場合には、変動表示態様(変動中発光パターン)の変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、当り表示(当り停止発光パターン)やハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されている場合にも同様に、停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0969】
次に、普通図柄記憶表示用LED76fは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、現在の普通図柄保留記憶数に応じた表示態様で点灯表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄記憶表示用LED76fは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、普通図柄記憶表示用LED76fが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して普通図柄保留記憶が消滅し、次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0970】
次に、性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、有効に実行される。ここで、左打ち遊技中は、入賞数のカウント処理及びアウト数のカウント処理が実行される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)性能表示LED521の入賞数及びアウト数のカウント処理は実行されない。
【0971】
次に、ST1~ST3の経過において、演出制御部540により制御される各種機能の制御内容について説明する。
【0972】
なお、特別図柄変動LED、ミニ図柄103a、エラー表示、保留表示104a、105a、特別図柄記憶個数表示106a、106b、モード表示、安全装置作動表示、演出表示に関する表示制御、安全装置作動報知に関する点灯制御、可動演出の実行制御、音量調整ボタン16、光量調整ボタン17の有効・無効の切替制御については、前述した
図5-3-1に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0973】
普通図柄変動LEDは、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)するまでの間、変動表示態様(変動中発光パターン)で点灯表示が可能となっており、普通図柄変動遊技の抽選結果(普通図柄変動表示用LED76eの変動態様)に対応(同期)して変動表示態様または停止表示態様で表示される。安全装置作動フラグがON状態に設定されるともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御された場合には、普通図柄変動LEDは非表示(消灯状態)となり、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示(消灯状態)を維持するように制御される。このように、遊技停止状態では、普通図柄変動LEDが非表示(消灯状態)に制御されることで、遊技者に対して次の普通図柄変動遊技が実行されない状態であることを示している。
【0974】
また、
図5-3-2に示す実施例では、普通図柄変動LEDが変動表示態様で表示されているタイミングで、安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御されている。このように、安全装置が発動(ST2)した場合には、変動表示態様(変動中発光パターン)の変動表示時間の経過(変動中の普通図柄変動遊技の変動終了)を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。また、当り表示(当り停止発光パターン)やハズレ表示(ハズレ停止発光パターン)で停止表示されている場合にも同様に、停止表示時間(確定表示時間)の経過を待たずして即座に非表示(消灯状態)に制御されることとなる。
【0975】
次に、画像表示手段31に表示する右打ち表示は、特別図柄の図柄変動が終了し、非図柄変動中(非遊技中)となり(ST1)、非図柄変動中(非遊技中)に安全装置作動フラグがON状態となるとともに安全装置が発動(ST2)し、遊技停止状態に制御され、その後、遊技機1の電源が遮断されるまで(ST3)非表示状態に表示制御される。このように、左打ち遊技中に安全装置が発動(ST2)した場合には、遊技停止状態においても画像表示手段31に表示する右打ち表示については非表示に表示制御される。
【0976】
なお、ST1~ST3の経過において、払出制御部510により制御される各種機能の制御内容については、前述した
図5-3-1に基づく記載内容と同様であるため説明は割愛する。
【0977】
ここまで説明した安全装置の作動に関するタイムチャートに関して、各実施形態(実施形態2-1、実施形態2-2、実施形態2-3、実施形態2-4、実施形態2-5)に関する記載については、1または複数を組み合わせた構成としてもよい。また、各実施形態において記載した内容は、個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。
【0978】
次に、
図6を用いて、本発明の特徴部分である安全装置の作動に関する大当り終了INTのタイムチャート(実施形態3-1)について詳述する。また、前述した実施形態に関する記載内容と、後述する実施形態に関する記載内容を組み合わせた構成としてもよい。このように、各実施形態の内容は個別の実施形態のみに限定されるものではなく、異なる実施形態において適用されるものであってもよい。また、前述までの記載と同様の内容については重複記載を避けるため、基本的には説明を割愛するものとする。
【0979】
(安全装置が作動する場合の大当り終了INTに関して)
図6では、大当り遊技におけるラウンド遊技の終了後に実行される大当り終了INTの演出内容に関する実施形態を示している。
【0980】
まず、
図6に示す初回(確変突入時)について説明する。ここでは、初回(確変突入時)の大当り遊技で実行される大当り終了INTの演出内容について示している。初回(確変突入時)の大当り遊技とは、左打ちが有利な遊技状態(低確率低ベース状態、高確率低ベース状態など)において、特別図柄の図柄変動結果が確率変動大当り(大当り遊技後に高確率高ベース状態に移行する大当り)であった場合に実行される大当り遊技のことを意味している。この大当り遊技の実行を契機として、遊技者にとって不利な左打ち遊技(低確率低ベース状態、高確率低ベース状態など)から遊技者にとって有利な右打ち遊技(高確率高ベース状態)へと移行することとなる。
【0981】
初回(確変突入時)の大当り遊技で実行される大当り終了INTでは、終了INT演出(モード突入表示)、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」、企業ロゴ表示が行われる。
【0982】
終了INT演出(モード突入表示)は、大当り終了INTの開始から所定時間(1s~10s)実行される。ここでは、大当り遊技が終了した旨を報知したり、大当り遊技が終了した後に移行するモード表示の表示が行われる。
【0983】
「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」は、大当り終了INTの途中から所定時間(6s~10s)実行される。「のめり込み防止表示」とは、遊技ののめり込みに関する注意喚起を行うものであり、「カード取り忘れ防止表示」とは、遊技者に対してプリペイドカードの取り忘れに関する注意喚起を行うものである。
【0984】
ここで、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」については、終了INT演出(モード突入表示)と並行して実行される。具体的には、大当り終了INTが開始すると、画像表示手段31の表示領域の全域を利用した終了INT演出(モード突入表示)が実行され、その実行途中(6s時点)から画像表示手段31の表示領域の一部を利用して「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」に関するメッセージ表示(例:「遊技へののめり込みに注意してください」、「プリペイドカードの取り忘れにご注意ください」など)が行われる。そして、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」は、終了INT演出(モード突入表示)とともに表示を終了する(10s時点)。
【0985】
企業ロゴ表示は、終了INT演出(モード突入表示)、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」の終了後から所定時間(11s~14s)実行される。企業ロゴ表示とは、当該遊技機1を製造した企業の広告表示を行うものである。
【0986】
次に、
図6に示す2回目以降(確変継続時)について説明する。ここでは、2回目以降(確変継続時)の大当り遊技で実行される大当り終了INTの演出内容を示している。2回目以降(確変継続時)の大当り遊技とは、右打ちが有利な遊技状態(高確率高ベース状態、低確率高ベース状態など)において、特別図柄の図柄変動結果が確率変動大当り(大当り遊技後に高確率高ベース状態に移行する大当り)であった場合に実行される大当り遊技のことを意味している。この大当り遊技の実行を跨いで、遊技者にとって有利な右打ち遊技が継続することとなる。
【0987】
終了INT演出(モード継続表示)は、大当り終了INTの開始から所定時間(1s~114s)実行される。ここでは、大当り遊技が終了した旨を報知したり、大当り遊技後に継続するモード表示の表示が行われる。また、大当り遊技を経て獲得した獲得遊技球数の表示なども行われる。
【0988】
ここで、2回目以降(確変継続時)の大当り遊技においては「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」、企業ロゴ表示が実行されない。これは、初回(確変突入時)の大当り遊技において、これらの表示が既に実行されているからであり、2回目以降(確変継続時)の大当り遊技で繰り返し実行されることがないように構成されている。
【0989】
次に、
図6に示す2回目以降エンディング演出1について説明する。ここでは、2回目以降(確変継続時)の大当り遊技において安全装置作動フラグがON状態となった場合に実行される大当り終了INTの演出内容を示している。
2回目以降(確変継続時)の大当り遊技において安全装置作動フラグがON状態となった場合には、終了INT演出(モード継続表示)と「安全装置作動警告表示」が並行して実行される。
【0990】
終了INT演出(モード継続表示)と「安全装置作動警告表示」は大当り終了INTの開始から所定時間(1s~14s)実行される。終了INT演出(モード継続表示)については、画像表示手段31の表示領域の全域を利用して実行され、「安全装置作動警告表示」については画像表示手段31の表示領域の一部を利用して実行される。
【0991】
ここで、「安全装置作動警告表示」とは、前述した作動警告表示のことであり、例えば「まもなく安全装置が作動します」などのメッセージ表示が行われる。より具体的には、終了INT演出(モード継続表示)が画像表示手段31の表示領域の全域で実行され、それらの表示の一部又は全部と重なるように「安全装置作動警告表示」によるメッセージが表示されることとなる。ここで、「安全装置作動警告表示」については、モード継続表示の表示文字(例:「〇〇モード継続」)とは重ならない位置に表示することが望ましい。これにより、比較的情報としての重要度が低い終了INT演出の一部(例:背景画像)とは重なるが、比較的情報としての重要度が高い表示文字(例:「〇〇モード継続」)とは重ならず、表示文字の視認性を低下させることなく「安全装置作動警告表示」を実行することが可能となる。また、表示文字(例:「〇〇モード継続」)の全部とは重ならないが、一部とは重なるように「安全装置作動警告表示」を実行するように構成してもよい。これにより、表示文字(例:「〇〇モード継続」の視認性を保った状態で「安全装置作動警告表示」を実行することが可能となる。
【0992】
ここで、「安全装置作動警告表示」は、前述までの各実施形態(実施形態2-1、実施形態2-2、実施形態2-3、実施形態2-4、実施形態2-5)に関する説明で記載した、演出制御部540により画像表示手段31に表示される安全装置作動表示のことであり、例えば、作動警告表示の実行に限らず作動予告表示を実行するものであってもよい。
【0993】
また、
図6に示す2回目以降エンディング演出1では、大当り遊技において安全装置作動フラグがON状態となり、大当り終了後に遊技停止状態に制御されるにもかかわらず、終了INT演出としてモード継続表示(例:「〇〇モード継続」)を実行するように構成されている。このようにモード継続表示(例:「〇〇モード継続」)を実行することで、実際には大当り終了後にモードが継続することはないが、今回の大当り遊技を契機に遊技モードが継続していたか否か(終了していたか否か)を遊技者に報知することが可能となっている。
【0994】
次に、
図6に示す初回&2回目以降エンディング演出2について説明する。ここでは、初回(確変突入時)又は2回目以降(確変継続時)の大当り遊技において安全装置作動フラグがON状態となった場合に実行される大当り終了INTの演出内容を示しており、例えば、
図5-1-1に示した大当り遊技中に実行されるエンディング演出において適用可能な実施形態となっている。そのため、実際には本実施形態のエンディング演出は、
図5-1-1に示した主制御部520、演出制御部540、払出制御部510の各種機能による動作と並行して実行されることとなる。
【0995】
初回&2回目以降エンディング演出2では、エンディング演出として、終了INT演出(モード突入表示or継続表示)、「のめり込み防止表示」や「カード取り忘れ防止表示」、企業ロゴ表示が行われるように構成されている。そして、これらの演出表示と並行して演出制御部540により「安全装置作動警告表示」が実行される。
【0996】
具体的には、終了INT演出(モード突入表示or継続表示)が大当り終了INTの開始から所定時間(1s~10s)実行され、「のめり込み防止表示」や「カード取り忘れ防止表示」が、大当り終了INTの途中から所定時間(6s~10s)終了INT演出と並行して実行され、その後、企業ロゴ表示が所定時間(11s~14s)実行される。
【0997】
また、演出制御部540による「安全装置作動警告表示」は、大当り終了INTの開始から終了まで(1s~14s)、これらの表示と並行して実行される。
【0998】
ここで、終了INT演出(モード突入表示or継続表示)については、今回の大当り遊技が初回(確変突入時)の大当り遊技の場合には、終了INT演出としてモード突入表示が実行され、2回目以降(確変継続時)の大当り遊技の場合には、終了INT演出として継続表示が実行されることとなる。
【0999】
また、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」、企業ロゴ表示については、本来は2回目以降(確変継続時)の大当り遊技では実行されないが、大当り遊技中に安全装置作動フラグがON状態となった場合においては、2回目以降(確変継続時)の大当り遊技であったとしても実行されるように構成している。これにより、遊技停止状態となる前の最後の大当り遊技において、「のめり込み防止表示」や「カード取り忘れ防止表示」といった注意喚起を実行できるとともに、企業ロゴ表示による広告宣伝が実行可能となっている。
【1000】
また、「安全装置作動警告表示」は、前述までの各実施形態(実施形態2-1、実施形態2-2、実施形態2-3、実施形態2-4、実施形態2-5)で示した、演出制御部540により画像表示手段31に表示される安全装置作動表示のことであり、例えば作動警告表示の実行に限らず作動予告表示を実行するものであってもよい。
【1001】
また、「安全装置作動警告表示」は、大当り終了INTの開始から終了まで(1s~14s)実行するものに限らず、例えば企業ロゴ表示のみと並行して実行される(11s~14s)ように構成してもよい。これにより、終了INT演出、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」などの実行中には「安全装置作動警告表示」が実行されないので、これらの表示の視認性の低下を防止することが可能となる。
【1002】
また、「安全装置作動警告表示」を終了INT演出、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」と並行して実行(1s~10s)するように構成してもよい。この場合には、企業ロゴ表示の実行中には「安全装置作動警告表示」が実行されないので、企業ロゴ表示の視認性の低下を防止することが可能となる。
【1003】
また、終了INT演出(モード突入表示or継続表示)に替えて、エンディング演出(リザルト表示演出)を実行するように構成してもよい。エンディング演出(リザルト表示演出)では、これまでの大当り遊技を通じて獲得した総獲得球数の情報や大当り遊技の連荘回数などが表示される。これにより、遊技停止状態に制御される直前の遊技結果を遊技者に対して報知することができる。またこの際、大当り遊技の連荘が継続していない場合や、獲得済みの出玉数の情報がない場合にはリザルト演出画像を表示しないようにしてもよいし、リザルト演出画像として、大当り遊技の連荘継続や獲得済みの出玉数の情報がない旨(例:「継続回数0回」、「獲得出玉数0個」など)を表示するようにしても良い。
【1004】
そして、終了INT演出(モード突入表示or継続表示)に替えて、エンディング演出(リザルト表示演出)を実行する場合にも、演出制御部540により「安全装置作動警告表示」を並行して実行するように構成してもよい。この場合、エンディング演出(リザルト表示演出)が大当り終了INTの開始から所定時間(1s~10s)実行され、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」が、大当り終了INTの途中から所定時間(6s~10s)リザルト表示演出と並行して実行され、その後、企業ロゴ表示が所定時間(11s~14s)実行され、演出制御部540による「安全装置作動警告表示」は、大当り終了INTの開始から終了まで(1s~14s)、これらの表示と並行して実行されることとなる。
【1005】
また、終了INT演出(モード突入表示or継続表示)に替えて、エンディング演出(リザルト表示演出)を実行する場合に「安全装置作動警告表示」を企業ロゴ表示のみと並行して実行される(11s~14s)ように構成してもい。また、企業ロゴ表示とは並行して実行せずに、エンディング演出(リザルト表示演出)、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」と並行して「安全装置作動警告表示」を実行(1s~10s)するように構成してもよい。
【1006】
また、
図6に示す初回&2回目以降エンディング演出3のように、初回(確変突入時)又は2回目以降(確変継続時)の大当り遊技において安全装置作動フラグがON状態となった場合に実行される大当り終了INTでは、エンディング演出(リザルト表示演出)のみを実行するように構成してもよい。この実施形態では、エンディング演出(リザルト表示演出)が大当り終了INTの開始から終了まで実行される(1s~14s)。また、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」、企業ロゴ表示については実行されない。そしてこの際、「安全装置作動警告表示」は、エンディング演出(リザルト表示演出)と並行して実行される(1s~14s)。
【1007】
また、これに限らず、初回&2回目以降エンディング演出3において、企業ロゴ表示を実行するように構成してもよい。この場合、エンディング演出(リザルト表示演出)が大当り終了INTの開始から所定時間(1s~10s)実行され、エンディング演出(リザルト表示演出)の終了後、企業ロゴ表示が大当り終了INTの終了まで(11s~14s)実行されることとなる。そして、この際、「安全装置作動警告表示」はエンディング演出(リザルト表示演出)及び企業ロゴ表示と並行して実行される(1s~14s)。
【1008】
また、これに限らず、初回&2回目以降エンディング演出3において、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」を実行するように構成してもよい。この場合、エンディング演出(リザルト表示演出)が大当り終了INTの開始から終了まで実行され(1s~14s)、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」が大当り終了INTの途中から所定時間(10s~14s)、エンディング演出(リザルト表示演出)と並行して実行される。そしてこの際、「安全装置作動警告表示」は、エンディング演出(リザルト表示演出)及び「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」と並行して実行される(1s~14s)。また、この場合、企業ロゴ表示は実行されない。
【1009】
また、これに限らず、初回&2回目以降エンディング演出3において、エンディング演出(リザルト表示演出)に替えて、終了INT演出(モード突入表示or継続表示)を実行するように構成してもよい。
【1010】
また、
図6に示す初回&2回目以降エンディング演出4のように、初回(確変突入時)又は2回目以降(確変継続時)の大当り遊技において安全装置作動フラグがON状態となった場合に実行される大当り終了INTでは、安全装置作動フラグがON状態とならなかった場合に実行される大当り終了INTに比べて大当り終了INT時間が長くなるように構成してもよい。この実施形態では、エンディング演出(リザルト表示演出)が大当り終了INTの開始から終了まで実行される(1s~21s)。また、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」、企業ロゴ表示については実行されない。そしてこの際、「安全装置作動警告表示」は、エンディング演出(リザルト表示演出)と並行して実行される(1s~21s)。
【1011】
このように、当り遊技において安全装置作動フラグがON状態となった場合に実行される大当り終了INTの演出時間を長くすることで、遊技停止状態に制御される前に遊技者に対して十分な余韻を与えることができるとともに、この時間を利用してエンディング演出(リザルト表示演出)を行うことで、遊技者の達成感をより高めることができる。
【1012】
また、これに限らず、初回&2回目以降エンディング演出4において、企業ロゴ表示を実行するように構成してもよい。この場合、エンディング演出(リザルト表示演出)が大当り終了INTの開始から所定時間(1s~17s)実行され、エンディング演出(リザルト表示演出)の終了後、企業ロゴ表示が大当り終了INTの終了まで(18s~21s)実行されることとなる。そしてこの際、「安全装置作動警告表示」は、エンディング演出(リザルト表示演出)及び企業ロゴ表示と並行して実行される(1s~14s)。
【1013】
また、これに限らず、初回&2回目以降エンディング演出4において、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」を実行するように構成してもよい。この場合、エンディング演出(リザルト表示演出)が大当り終了INTの開始から終了まで実行され(1s~21s)、「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」が大当り終了INTの途中から所定時間(13s~21s)、エンディング演出(リザルト表示演出)と並行して実行される。そしてこの際、「安全装置作動警告表示」は、エンディング演出(リザルト表示演出)及び「のめり込み防止表示」、「カード取り忘れ防止表示」と並行して実行される(1s~14s)。またこの場合、企業ロゴ表示は実行されない。
【1014】
また、これに限らず、初回&2回目以降エンディング演出4において、エンディング演出(リザルト表示演出)に替えて、終了INT演出(モード突入表示or継続表示)を実行するように構成してもよい。
【1015】
また、初回&2回目以降エンディング演出3、4において実行されるエンディング演出はリザルト表示演出に限らず、安全装置作動フラグがON状態とならなかった場合に実行される大当り終了INTでは実行されることのない特別なエンディング演出を実行するように構成してもよい。また、特別なエンディング演出とともにリザルト表示演出を実行するように構成してもよい。
【1016】
また、大当り終了INT中に安全装置作動フラグがON状態となった場合には、その時点で遊技停止状態に制御されるように構成してもよい。これにより、大当り終了INT中に実行される演出は、安全装置作動フラグがON状態となったタイミングで中止/中断され、即座に遊技停止状態に制御されることとなる。大当り終了INTについては、大入賞口44、45への入賞が可能なラウンド遊技が終了した後に実行されるため、このように安全装置作動フラグがON状態となったタイミングで中止/中断し、即座に遊技停止状態に制御したとしても遊技者が不利益を被ることがない。
【1017】
また、大当り終了INT中に安全装置作動フラグがON状態となった場合には、大当り遊技の終了後に、遊技停止状態に制御されるように構成してもよい。これにより、大当り終了INTの演出内容を遊技者に報知してから遊技停止状態に制御することができるので、例えば、「カードの取り忘れ防止表示」を表示できることにより、遊技停止状態に制御された後に、遊技者がプリペイドカードを取り忘れてしまうことを防止することができる。また、終了INT演出や「のめり込み防止表示」、企業ロゴについても中止/中断されることなく実行することが可能となるので、遊技者に対して表示演出に関する違和感や不快感を与えてしまうことを防止することができる。
【1018】
また、2回目以降エンディング演出1、初回&2回目以降エンディング演出2~4において、演出制御部540により実行される「安全装置作動警告表示」は、作動警告表示や作動予告表示に限らず、安全装置作動報知(作動予告報知、作動警告報知)であってもよい。また、安全装置作動表示(作動予告表示、作動警告表示)及び安全装置作動報知(作動予告報知、作動警告報知)の両方であってもよい。
【1019】
いずれにしても、2回目以降エンディング演出1、初回&2回目以降エンディング演出2~4については、
図5-1-1に示したエンディング演出において実行されるものであり、これらとその他の各種機能や演出内容との関係に関しては、
図5-1-1を参照するものとする。
【1020】
以上、説明した各実施形態について、好ましくは下記の構成(構成例1~7)とすることができる。なお括弧内は各実施形態における対応関係を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
【1021】
[構成例1]
(1)遊技中に乱数抽選(例:大当り抽選処理)で当選した場合に遊技者に有利な特別遊技(例:大当り遊技、小当り遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(例:主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
遊技実績に基づく第1所定情報(例:ベース値)を計数する計数処理を行う第1計数手段(例:主制御部520、性能表示LED集計除算処理(S1048))と、
前記第1所定情報を表示可能な特定表示手段(例:性能表示LED521)と、
遊技実績に基づく第2所定情報(例:賞球数とアウト数の差数)を計数する計数処理を行う第2計数手段(主制御部520、安全装置計数処理(S1528、S1512)、差玉カウンタ計数処理(S1531、S1541))と、
前記第2所定情報を記憶可能な第2所定情報記憶手段(例:差玉カウンタ)と、
前記第2所定情報記憶手段が記憶する前記第2所定情報が所定値となった場合に、前記遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段(主制御部520、遊技停止処理(S1520、S1509~S1511))と、
を備え、
前記遊技停止手段は、前記特別遊技中に前記第2所定情報記憶手段が記憶する前記第2所定情報が所定値となった場合、前記特別遊技の終了後に停止処理を実行するよう構成され、
前記特別遊技の終了後に停止処理を実行する場合、当該特別遊技中は、前記第2計数手段による計数処理を行わず、前記第1計数手段による計数処理を行う
ことを特徴とする遊技機。
また、上記[構成例1]について、(2)電源投入後に前記第2所定情報記憶手段をクリアする第2所定情報クリア手段(主制御部520、領域外遊技開始設定処理(S1503)、S1507、S1537、S1559)を備え、
前記遊技停止手段は、前記特別遊技中に電断し、前記第2所定情報クリア手段により前記第2所定情報記憶手段がクリアされた場合であっても、当該特別遊技の終了後に停止処理を実行可能としてもよい。
【1022】
[構成例2]
遊技中に乱数抽選(例:大当り抽選処理)で当選した場合に遊技者に有利な特別遊技(例:大当り遊技、小当り遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(例:主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
遊技実績に基づく第1所定情報(例:ベース値)を計数するための計数処理を行う第1計数手段(例:主制御部520、性能表示LED集計除算処理(S1048))と、
前記第1所定情報を表示可能な特定表示手段(例:性能表示LED521)と、
前記特定表示手段の表示制御を行う特定表示制御手段(例:主制御部520、使用領域外LED更新処理(S1052))と、
遊技実績に基づく第2所定情報(例:賞球数とアウト数の差数)を計数する計数処理を行う第2計数手段(例:主制御部520、安全装置計数処理(S1528、S1512)、差玉カウンタ計数処理(S1531、S1541))と、
前記第2所定情報を記憶可能な第2所定情報記憶手段(例:差玉カウンタ)と、
前記第2所定情報記憶手段が記憶する前記第2所定情報が所定値となった場合に、前記遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段(主制御部520、遊技停止処理(S1520、S1509~S1511))と、
を備え、
前記遊技停止手段により前記停止処理が実行された場合、前記特定表示制御手段により前記特定表示手段を非表示にした状態で、前記第1計数手段による前記計数処理は実行可能とした
ことを特徴とする遊技機。
【1023】
[構成例3]
遊技球が入球可能な開放状態と入球困難な閉鎖状態とに開閉可能な開閉手段(例:特別図柄2始動口39の可動片39b)と、
特別図柄抽選(例:大当り抽選処理)に基づく特別図柄変動(例:特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示)を実行する特別図柄変動実行手段(例:特別図柄1変動表示用LED76a、特別図柄2変動表示用LED76b、主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
前記特別図柄変動の結果が特定態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技(例:大当り遊技、小当り遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(例:主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
普通図柄抽選(例:当り抽選処理)に基づく普通図柄変動(例:普通図柄変動表示)を実行する普通図柄変動実行手段(例:普通図柄変動表示用LED76e、主制御部520、普通図柄管理処理(S1029))と、
前記普通図柄変動の結果が特定態様となった場合に前記開閉手段を開放状態に制御する開閉制御手段(例:主制御部520、普通電動役物管理処理(S1030))と、
遊技実績に基づく所定情報(例:賞球数とアウト数の差数)を計数する計数処理を行う計数手段(例:主制御部520、安全装置計数処理(S1528、S1512)、差玉カウンタ計数処理(S1531、S1541))と、
前記所定情報を記憶可能な所定情報記憶手段(例:差玉カウンタ)と、
前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段(主制御部520、遊技停止処理(S1520、S1509~S1511))と、
を備え、
前記特別遊技中は、前記特別図柄変動が実行不能である一方、前記普通図柄変動が実行可能に構成され、
前記特別遊技ではない非特別遊技中(例:低確率低ベース状態(通常遊技状態)、低確率高ベース状態(時短遊技状態)、高確率低ベース状態(潜確遊技状態)、高確率高ベース状態(確変遊技状態))は、前記特別図柄変動及び前記普通図柄変動が実行可能に構成され、
前記普通図柄変動実行手段は、前記特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合には、実行中の前記普通図柄変動を継続して実行可能である一方、前記非特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合には、実行中の前記普通図柄変動を終了する
ことを特徴とする遊技機。
【1024】
[構成例4]
図柄抽選(例:大当り抽選処理)に基づく図柄変動(例:特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示)を実行する図柄変動実行手段(例:特別図柄1変動表示用LED76a、特別図柄2変動表示用LED76b、主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
前記図柄変動の結果が特定態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技(例:大当り遊技、小当り遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(例:主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
遊技実績に基づく所定情報(例:賞球数とアウト数の差数)を計数する計数処理を行う計数手段(例:主制御部520、安全装置計数処理(S1528、S1512)、差玉カウンタ計数処理(S1531、S1541))と、
前記所定情報を記憶可能な所定情報記憶手段(例:差玉カウンタ)と、
前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段(主制御部520、遊技停止処理(S1520、S1509~S1511))と、
前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合に、前記停止処理に関する特別報知(例:作動警告表示、作動警告報知)を実行可能な報知手段(例:演出制御部540、画像表示手段31、盤側LED63a、枠側LED64a、スピーカー19a、19b、19c、19d)と、
を備え、
前記遊技停止手段は、前記特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合には、前記報知手段による前記特別報知を所定時間実行させた後、前記停止処理を実行する一方、前記特別遊技ではない非特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合には、前記報知手段による前記特別報知を実行させずに、前記停止処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
【1025】
[構成例5]
図柄抽選(例:大当り抽選処理)に基づく図柄変動(例:特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示)を実行する図柄変動実行手段(例:特別図柄1変動表示用LED76a、特別図柄2変動表示用LED76b、主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
前記図柄変動の結果が特定態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技(例:大当り遊技、小当り遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(例:主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
遊技実績に基づく所定情報(例:賞球数とアウト数の差数)を計数する計数処理を行う計数手段(例:主制御部520、安全装置計数処理(S1528、S1512)、差玉カウンタ計数処理(S1531、S1541))と、
前記所定情報を記憶可能な所定情報記憶手段(例:差玉カウンタ)と、
前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段(主制御部520、遊技停止処理(S1520、S1509~S1511))と、
前記図柄変動が実行される遊技モードに関するモード情報(例:モード表示、モード突入表示、モード継続表示)を報知する遊技モード報知手段(例:演出制御部540、画像表示手段31)と、
を備え、
前記遊技停止手段は、前記特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合には、前記遊技モード報知手段による前記モード情報の報知を実行させた後、前記停止処理を実行する
ことを特徴とする遊技機。
【1026】
[構成例6]
図柄抽選(例:大当り抽選処理)に基づく図柄変動(例:特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示)を実行する図柄変動実行手段(例:特別図柄1変動表示用LED76a、特別図柄2変動表示用LED76b、主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
前記図柄変動の結果が特定態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技(例:大当り遊技、小当り遊技)をを実行可能な特別遊技実行手段(例:主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
遊技実績に基づく所定情報(例:賞球数とアウト数の差数)を計数する計数処理を行う計数手段(例:主制御部520、安全装置計数処理(S1528、S1512)、差玉カウンタ計数処理(S1531、S1541))と、
前記所定情報を記憶可能な所定情報記憶手段(例:差玉カウンタ)と、
前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段(主制御部520、遊技停止処理(S1520、S1509~S1511))と、
前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合に、前記停止処理に関する特別報知(例:作動警告表示)を実行可能な特別報知手段(例:演出制御部540、画像表示手段31)と、
遊技に関するのめり込み又は遊技価値の取り忘れに関する注意喚起報知(例:のめり込み防止表示、カード取り忘れ防止表示)を実行可能な注意喚起報知手段(例:演出制御部540、画像表示手段31)と、
を備え、
前記特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合、前記特別報知と前記注意喚起報知とを実行可能であり、
記注意喚起報知が視認不能とならないように前記特別報知を実行する
とを特徴とする遊技機。
【1027】
[構成例7]
図柄抽選(例:大当り抽選処理)に基づく図柄変動(例:特別図柄1変動表示、特別図柄2変動表示)を実行する図柄変動実行手段(例:特別図柄1変動表示用LED76a、特別図柄2変動表示用LED76b、主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
前記図柄変動の結果が特定態様となった場合に遊技者に有利な特別遊技(例:大当り遊技、小当り遊技)を実行可能な特別遊技実行手段(例:主制御部520、特別図柄管理処理(S1031))と、
遊技実績に基づく所定情報(例:賞球数とアウト数の差数)を計数する計数処理を行う計数手段(例:主制御部520、安全装置計数処理(S1528、S1512)、差玉カウンタ計数処理(S1531、S1541))と、
前記所定情報が所定値となった場合に、遊技に関する処理を停止させる停止処理を行う遊技停止手段(主制御部520、遊技停止処理(S1520、S1509~S1511))と、
を備え、
前記遊技停止手段は、前記特別遊技中に前記所定情報記憶手段が記憶する前記所定情報が所定値となった場合、前記特別遊技の終了後に停止処理を実行するよう構成された
ことを特徴とする遊技機。
【1028】
以上、ここまで説明した
図1-1~
図3-3に記載の本実施例の遊技機に関する記載、
図4-1-1~
図4-4-2の安全装置を搭載した主制御部の制御フローの各実施形態(実施形態1-1、実施形態1-2、実施形態1-3、実施形態1-4)、
図5-1-1~
図5-3-2の安全装置の作動に関するタイムチャートの各実施形態(実施形態2-1、実施形態2-2、実施形態2-3、実施形態2-4、実施形態2-5)、
図6の安全装置の作動に関する大当り終了INTのタイムチャートの各実施形態(実施形態3-1)については、1または複数を組み合わせた構成としてもよい。また、各実施形態において記載した内容は、個別の実施形態のみに限定されるものではなく異なる実施形態において適用されるものであってもよい。
【1029】
また以上に説明した実施形態は、アレンジボール機、雀球遊技機等、遊技球を使用する弾球遊技機の他、遊技メダルを使用する回胴式遊技機や、遊技媒体(遊技球、遊技メダル等)を電磁的方法により管理する管理式遊技機(管理式パチンコ遊技機、管理式スロット遊技機)などであってもよい。
【産業上の利用可能性】
【1030】
本発明は、遊技機に有用である。
【符号の説明】
【1031】
1 遊技機
2 外枠
3 内枠
4 前枠
5 遊技枠5
6 外枠ヒンジ
7 内枠ヒンジ
8 遊技盤
8a 遊技領域
9 内枠開口部
10 前枠開口部
11 非透過装飾カバー
12 透過装飾カバー
13 発射ハンドルユニット
13a 発射ハンドル
13b ハンドルタッチセンサ
14 中押しボタンユニット
14a 中押しボタン押下部
14b 中押しボタン検出スイッチ
14c 中押しボタン検出スイッチ
14d 中押しボタン可動物モータ
15 上受け皿
16 音量調整ボタン
16a 音量ボタン上
16b 音量ボタン下
16c 音量ボタン上スイッチ
16d 音量ボタン下スイッチ
17 光量調整ボタン
17a 光量ボタン上
17b 光量ボタン下
17c 光量ボタン上スイッチ
17d 光量ボタン下スイッチ
18 十字ボタン
18a 上ボタン
18b 右ボタン
18c 下ボタン
18d 左ボタン
19a、19b、19c、19d スピーカー
19e 左上スピーカーカバー
19f 右上スピーカーカバー
19g 左下スピーカーカバー
19h 右下スピーカーカバー
19I 下スピーカーカバー
20 玉貸しボタン
21 返却ボタン
22 サイドユニット
22a ブロアデバイス
22b タッチデバイス
22c サイドユニット可動物モータ
22d サイドユニット位置検出スイッチ
22f 開口部
23 賞球払出装置
23a 貯留タンク
23b 払出モータ
23c 球計数スイッチ
23d 補給切れ検出スイッチ
23e 払出カセット
24 電源基板ケース
25 払出基板ケース
25a ケース放熱孔
26 主基板ケース
26a ケース放熱孔
27 演出基板ケース
27a ケース放熱孔
30 盤面側可動物モータ
30a 下可動物
30b 上可動物
31 LCDユニット
32 ドロワコネクタ
33 遊技球等貸出装置
34 発射停止スイッチ
35 枠開放スイッチ
35a 前枠開放スイッチ
35b 内枠開放スイッチ
36 球詰まり検出スイッチ
37a 発射ソレノイド
37b 玉送りソレノイド
38 特別図柄1始動口
38a 特別図柄1始動口スイッチ
39 特別図柄2始動口
39a 特別図柄2始動口スイッチ
39b 可動片
40 左上入賞口
40a 入賞口スイッチ
41 左中入賞口
42 左下入賞口
42a 入賞口スイッチ
43 右入賞口
43a 入賞口スイッチ
44 上大入賞口
44a 大入賞口スイッチ
44b 開閉板
45 下大入賞口
45a 大入賞口スイッチ
45b 開閉板
46 右ゲート
46a 右ゲートスイッチ
47 アウト口
47a アウトスイッチ
48 球抜きボタン
49a、49b、49c、49d 十字ボタン検出スイッチ
50 電源基板
51 払出発射制御基板
52 主制御基板
53 演出IF基板
54 液晶制御基板
55 液晶IF基板
56 ROM基板
60 外部端子板
61 バックアップ基板
62 度数表示基板
62a 度数表示器
63 盤側LED基板
63a 盤側LED
64 枠側LED基板
64a 枠側LED
70、71 大入賞口開閉ソレノイド
72 特別図柄2始動口開閉ソレノイド
73 磁気センサ
74 電波センサ
75 振動センサ
76 図柄表示装置
76a 特別図柄1変動表示用LED
76b 特別図柄2変動表示用LED
76c 特別図柄1記憶表示用LED
76d 特別図柄2記憶表示用LED
76e 普通図柄変動表示用LED
76f 普通図柄記憶表示用LED
76g 右打ち表示用LED
76h ラウンド表示用LED
76i、76j 状態表示用LED
77 盤側可動物位置検出スイッチ
80 ベニヤ板
81 ガイドレール
81a 内レール
81b 外レール
82 センター飾り
83 風車
84 左上コーナー飾り
85 右下コーナー飾り
86 開口部
87 庇部
87a 頂点部
88 左流下通路
89 右流下通路
90 球流下部
90a 樹脂釘
91 ステージ
91a 通過口
91b 落下経路
92 左サイド飾り
92a 台板
92b 球案内通路
93 特別図柄1始動口ユニット
93a 台板
94 センター役物ユニット
94a 台板
95 変動表示装置
96 遊技釘
100 左装飾図柄
100a キャラクタ部
100b 数字部
101 中装飾図柄
101a キャラクタ部
101b 数字部
102 左装飾図柄
102a キャラクタ部
102b 数字部
103a ミニ図柄
104 保留表示領域
104a 保留表示
104 未保留表示箇所
105 当該保留表示領域
105a 当該保留
106a 特別図柄1記憶個数表示
106b 特別図柄2記憶個数表示
500 電源スイッチ
510 払出制御部(払出CPU)
520 主制御部(主制御CPU)
521 性能表示LED
522 RWMクリアスイッチ
523 設定キースイッチ
530 可動物IC
531 音声用IC
532 音声用ROM
540 演出制御部(演出制御CPU)
541 VDP回路
542 制御用ROM
560 演出用ROM(CGROM)