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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146241
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】飲食物取扱い装置
(51)【国際特許分類】
   A47G 23/08 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
A47G23/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053329
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】390010319
【氏名又は名称】株式会社石野製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石野 晴紀
(72)【発明者】
【氏名】川口 岳宏
(72)【発明者】
【氏名】北村 鉄治
(72)【発明者】
【氏名】山田 直志
【テーマコード(参考)】
3B115
【Fターム(参考)】
3B115AA23
3B115CB07
3B115CB11
3B115DC18
(57)【要約】
【課題】厨房エリアと客席エリアとの境界沿いにコンベアの搬送路が延在する場合であっても、厨房エリアから客席エリアへ物品を容易に受け渡し可能な飲食物取扱い装置を開示する。
【解決手段】飲食店の厨房エリアと客席エリアとの境界沿いに、搬送路の少なくとも一部分である所定部分が延在するように配置される搬送装置と、搬送路のうち少なくとも所定部分を搬送路の両側から覆い隠す壁部と、壁部のうち所定部分に対応する位置に形成される電動式の扉であって、搬送路よりも厨房エリア側に配置される厨房側電動扉、及び、搬送路よりも客席エリア側に配置される客席側電動扉と、厨房側電動扉及び客席側電動扉の開閉制御を行う制御部と、を備え、制御部は、客席エリア側で開操作が行われると、厨房側電動扉を閉じた状態で客席側電動扉を開き、厨房エリア側で開操作が行われると、厨房側電動扉と客席側電動扉の両方を開く、飲食物取扱い装置である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲食店の厨房エリアと客席エリアとの境界沿いに、搬送路の少なくとも一部分である所定部分が延在するように配置される搬送装置と、
前記搬送路のうち少なくとも前記所定部分を前記搬送路の両側から覆い隠す壁部と、
前記壁部のうち前記所定部分に対応する位置に形成される電動式の扉であって、
前記搬送路よりも前記厨房エリア側に配置される厨房側電動扉、及び、
前記搬送路よりも前記客席エリア側に配置される客席側電動扉と、
前記厨房側電動扉及び前記客席側電動扉の開閉制御を行う制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記客席エリア側で開操作が行われると、前記厨房側電動扉を閉じた状態で前記客席側電動扉を開き、
前記厨房エリア側で開操作が行われると、前記厨房側電動扉と前記客席側電動扉の両方を開く、
飲食物取扱い装置。
【請求項2】
前記厨房側電動扉は、前記搬送路上へ開く、
請求項1に記載の飲食物取扱い装置。
【請求項3】
前記厨房側電動扉は、前記厨房エリア側の扉面に配置されるローラを有しており、前記客席エリア側の扉面が前記搬送路へ倒れるように開く、
請求項1又は2に記載の飲食物取扱い装置。
【請求項4】
前記搬送装置は、使用済みの食器を搬送する、
請求項1から3の何れか一項に記載の飲食物取扱い装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記開操作が行われると、前記所定部分への前記搬送路上の搬送物の進入を前記搬送装置の停止によって防ぐ、
請求項1から4の何れか一項に記載の飲食物取扱い装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲食物取扱い装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年は労働者の確保が社会的に困難となってきており、飲食店においても飲食物や食器を取り扱う各種の自動機が普及している(例えば、特許文献1-2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-137186号公報
【特許文献2】特開2004-290623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
飲食物を厨房から客席へ搬送したり、或いは、使用済みの食器を客席から厨房へ搬送したりする形態としては、例えば、客席沿いに設けられた搬送用のコンベアに飲食物或いは使用済みの食器を載せて搬送する形態が挙げられる。このような形態の場合、厨房エリアと客席エリアとの境界沿いにコンベアの搬送路が延在するような配置構成を不可避的に採らざるを得ない場合がある。ところが、厨房エリアと客席エリアとの境界沿いにコンベアの搬送路が延在すると、例えば、厨房エリアから客席エリアへ飲食物等の物品を直に渡したい場合に不便である。
【0005】
そこで、本願は、厨房エリアと客席エリアとの境界沿いにコンベアの搬送路が延在する場合であっても、厨房エリアから客席エリアへ物品を容易に受け渡し可能な飲食物取扱い装置を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、飲食店の厨房エリアと客席エリアとの境界沿いに延在する搬送路を両側から覆い隠す壁部に電動式の扉を形成し、客席エリア側で開操作が行われると、厨房側電動扉を閉じた状態で客席側電動扉を開き、厨房エリア側で開操作が行われると、厨房側電動扉と客席側電動扉の両方を開くことにした。
【0007】
詳細には、本発明は、飲食店の厨房エリアと客席エリアとの境界沿いに、搬送路の少なくとも一部分である所定部分が延在するように配置される搬送装置と、搬送路のうち少なくとも所定部分を搬送路の両側から覆い隠す壁部と、壁部のうち所定部分に対応する位置に形成される電動式の扉であって、搬送路よりも厨房エリア側に配置される厨房側電動扉、及び、搬送路よりも客席エリア側に配置される客席側電動扉と、厨房側電動扉及び客席側電動扉の開閉制御を行う制御部と、を備え、制御部は、客席エリア側で開操作が行われると、厨房側電動扉を閉じた状態で客席側電動扉を開き、厨房エリア側で開操作が行われると、厨房側電動扉と客席側電動扉の両方を開く、飲食物取扱い装置である。
【0008】
上記の飲食物取扱い装置によれば、厨房エリアと客席エリアとの境界沿いに搬送装置の搬送路の少なくとも一部分が延在しているにも関わらず、厨房エリア側で開操作を行えば、客席側電動扉と厨房側電動扉の両方が開くため、当該部分において厨房エリアから客席エリアへ物品を直に渡すことが可能となる。よって、厨房エリアから客席エリアへ物品を容易に受け渡し可能である。
【0009】
なお、厨房側電動扉は、搬送路上へ開いてもよい。これによれば、厨房側電動扉と客席側電動扉との間の部分を何れかの電動扉で搬送路上の他の部分から仕切ることができる。
【0010】
また、厨房側電動扉は、厨房エリア側の扉面に配置されるローラを有しており、客席エリア側の扉面が搬送路へ倒れるように開いてもよい。これによれば、厨房エリア側から客席エリア側へ渡す物品をローラに載せることができるため、物品を容易に渡すことができる。
【0011】
また、搬送装置は、使用済みの食器を搬送してもよい。これによれば、客席エリア側で開操作を行って客席側電動扉を開くことにより、客席エリア側から使用済みの食器を搬送装置の搬送路へ載せることが可能となる。
【0012】
また、制御部は、開操作が行われると、所定部分への搬送路上の搬送物の進入を搬送装置の停止によって防いでもよい。これによれば、開操作に応じて搬送装置が停止するので、厨房側電動扉と客席側電動扉の少なくとも何れか一方が開いている状態において、当該所定部分に搬送路上の搬送物が進入することを防ぐことができる。
【発明の効果】
【0013】
上記の飲食物取扱い装置であれば、厨房エリアと客席エリアとの境界沿いにコンベアの搬送路が延在する場合であっても、厨房エリアから客席エリアへ物品を容易に受け渡し可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、実施形態に係る飲食物取扱い装置を上方から示した図である。
図2図2は、実施形態に係る飲食物取扱い装置を客席エリア側から厨房エリア側へ向かって側方に見た図である。
図3図3は、客席側壁部に設けられた客席側開口部付近を客席エリア側から見た図である。
図4図4は、開閉システムの部分を示した第1の図である。
図5図5は、開閉システムの部分を示した第2の図である。
図6図6は、開閉システムの部分を示した第3の図である。
図7図7は、開閉システムの部分を示した第4の図である。
図8図8は、開閉システムの部分を示した第5の図である。
図9図9は、開閉システムの部分を示した第6の図である。
図10図10は、開閉システムの部分を示した第7の図である。
図11図11は、下げ搬送装置の開閉システム付近を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本願発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態は、本願発明の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。下記に示す各実施形態や変形例は、例えば、寿司や飲料物、そばやうどんといった丼物、から揚げや天ぷらといった各種の飲食物を提供する飲食店に好適である。
【0016】
図1は、実施形態に係る飲食物取扱い装置を上方から示した図である。飲食物取扱い装置1は、飲食店内において飲食物を搬送したり、使用済みの食器を搬送したりする装置であり、厨房エリア2と客席エリア3との境界に沿って延在する搬送路を形成する下げ搬送装置4や、厨房エリア2から客席エリア3の客席テーブルTへ飲食物を搬送する飲食物搬送装置7を備えている。下げ搬送装置4の終端部分には、下げ搬送装置4によって運ばれるバスボックス8をスタッフSが持ち上げやすくするための昇降装置9が配置されている。また、飲食物取扱い装置1には、下げ搬送装置4が形成する搬送路の両側から搬送路を
覆い隠す厨房側壁部5及び客席側壁部6が備わっている。昇降装置9は省略されていてもよい。
【0017】
厨房側壁部5及び客席側壁部6は、厨房エリア2と客席エリア3との境界部分に位置する。そして、客席側壁部6の飲食物搬送装置7同士の中間点付近に客席側開口部6Hが形成され、厨房側壁部5の客席側開口部6Hに対応する位置にも厨房側開口部5Hが形成されている。厨房側開口部5Hと客席側開口部6Hは、厨房エリア2と客席エリア3との間で飲食物等の物品を受け渡す部位として機能する。また、客席側開口部6Hは、使用済みの食器を入れたバスボックス8を客席エリア3から下げ搬送装置4へ載せるための部位として機能する。そして、飲食物取扱い装置1には、厨房側開口部5Hと客席側開口部6Hの扉を自動で開閉する開閉システム10が備わっている。
【0018】
下げ搬送装置4は、厨房エリア2で用意された飲食物を厨房エリア2の各客席テーブルTへ搬送する飲食物搬送装置7と干渉しないように、飲食物搬送装置7の下側に設置されている。図2は、実施形態に係る飲食物取扱い装置1を客席エリア3側から厨房エリア2側へ向かって側方に見た図である。図2に示されるように、下げ搬送装置4は、飲食物搬送装置7の下側を通るように設置されている。よって、客席エリア3から下げ搬送装置4へバスボックス8を載せるための客席側開口部6Hも、客席エリア3の床面に比較的近い位置となっている。
【0019】
図3は、客席側壁部6に設けられた客席側開口部6H付近を客席エリア3側から見た図である。客席側開口部6Hの床面からの高さと、飲食物搬送装置7の床面からの高さとを見比べると判るように、客席側開口部6Hは、飲食物搬送装置7よりも床面に近い位置となっている。客席エリア3に居るスタッフSは、客の飲食後に客席テーブルTに残る使用済みの食器をバスボックス8へ入れる。そして、スタッフSは、客席側開口部6H付近に設置される押しボタン等の操作スイッチ類を操作して開閉システム10の客席側電動扉11を開き、客席側開口部6Hの中にバスボックス8を入れる。
【0020】
厨房エリア2側においても客席エリア3側の操作と基本的に同様であり、厨房エリア2に居るスタッフSが、厨房側開口部5H付近に設置される押しボタン等の操作スイッチ類を操作すると、客席側電動扉11と厨房側開口部5Hに設けられている電動扉が開き、厨房エリア2側から厨房側開口部5Hと客席側開口部6Hを通じて客席エリア3側へ飲食物等の物品を渡すことが可能となる。
【0021】
図4は、開閉システム10の部分を示した第1の図である。図4では、開閉システム10が見えやすいように、厨房側壁部5や客席側壁部6の図示を省略している(図5図10においても同様である)。図4に示されるように、開閉システム10には、客席側開口部6Hを開閉するための客席側電動扉11と、厨房側開口部5Hを開閉するための厨房側電動扉12が備わっている。開閉システム10は、客席エリア3側に配置される操作スイッチ、厨房エリア2側に配置される操作スイッチ、操作スイッチにおける操作に応じて客席側電動扉11や厨房側電動扉12を開閉させるための制御装置、駆動機構等を備えている。駆動機構としては、例えば、電磁ソレノイド、電動モータ、エアシリンダ、その他が挙げられる。開閉システム10は、例えば、厨房エリア2側に配置される操作スイッチが押されると、厨房側電動扉12と客席側電動扉11を開く。また、開閉システム10は、例えば、客席エリア3側に配置される操作スイッチが押されると、客席側電動扉11のみを開く。開閉システム10は、厨房側電動扉12や客席側電動扉11が開く際、下げ搬送装置4に設けられたセンサ等によりバスボックス8の有無を検知し、バスボックス8が客席側電動扉11と厨房側電動扉12との間にある場合は当該バスボックス8を下げ搬送装置4で通過させてから厨房側電動扉12と客席側電動扉11を開くようにしてもよい。また、開閉システム10は、厨房側電動扉12や客席側電動扉11が開いている際にバスボ
ックス8が客席側電動扉11と厨房側電動扉12との間に進入しないよう、厨房側電動扉12や客席側電動扉11を開く際に下げ搬送装置4を停止させてもよい。
【0022】
開閉システム10は、上記のような動作制御が可能であるため、例えば、厨房エリア2に居るスタッフSが飲食物Dを厨房エリア2から客席エリア3へ直接渡したいと考えた場合、厨房エリア2側に配置されている操作スイッチを当該スタッフSが押すことにより、厨房側開口部5Hと客席側開口部6Hを通じて厨房エリア2から客席エリア3へ飲食物Dを渡すことが可能となる。図5は、開閉システム10の部分を示した第2の図である。スタッフSが厨房エリア2側に配置されている操作スイッチを押すと、図5に示されるように厨房側電動扉12と客席側電動扉11が開く。よって、厨房エリア2に居るスタッフSは、厨房側開口部5Hと客席側開口部6Hを通じて厨房エリア2から客席エリア3へ飲食物Dを渡すことができる。開閉システム10の客席側電動扉11と厨房側電動扉12は、開閉システム10の部分から飲食物Dが無くなったことをセンサで検知すると自動的に閉まってもよいし、或いは、客席エリア3側に居るスタッフSによって客席エリア3側の操作スイッチが押されると自動的に閉まってもよい。
【0023】
また、開閉システム10は、上記のような動作制御が可能であるため、例えば、客席エリア3に居るスタッフSがバスボックス8を下げ搬送装置4へ載せたいと考えた場合、客席エリア3側に配置されている操作スイッチをスタッフSが押すことにより、客席側開口部6Hを通じて客席エリア3から下げ搬送装置4へバスボックス8を載せることが可能となる。図6は、開閉システム10の部分を示した第3の図である。例えば、客席テーブルTに残っている使用済みの食器を入れたバスボックス8が客席エリア3のスタッフSによって客席エリア3で用意されたものとする。この状態で客席エリア3側の操作スイッチが押されると、客席側電動扉11が開く。図7は、開閉システム10の部分を示した第4の図である。客席エリア3側に配置されている操作スイッチが押されると、図7に示されるように客席側電動扉11が開いた状態になるため、客席エリア3に居るスタッフSは、客席側開口部6Hを通じて下げ搬送装置4へバスボックス8を載せることが可能となる。
【0024】
本実施形態の飲食物取扱い装置1であれば、厨房エリア2と客席エリア3との境界沿いに下げ搬送装置4の搬送路が延在しているにも関わらず、開閉システム10により厨房エリア2から客席エリア3へ飲食物D或いはその他各種の物品を直に渡すことが可能である。このため、例えば、客席テーブルTに居る客へ飲食物Dを至急届けたい場合や、飲食物搬送装置7では搬送不能な飲食物Dを客席テーブルTに居る客へ届けたい場合に便利である。
【0025】
<第1変形例>
図8は、開閉システム10の部分を示した第5の図である。上記実施形態では、客席側電動扉11と厨房側電動扉12を両サイドにスライドさせる形で開いていたが、開閉システム10は、例えば、厨房側電動扉12を下げ搬送装置4の搬送路上へ開く形態であってもよい。これによれば、厨房側開口部5Hと客席側開口部6Hを通じて飲食物Dを厨房エリア2から客席エリア3へ渡す際、使用済みの食器が入ったバスボックス8と飲食物Dとの間を厨房側電動扉12で仕切ることが可能である。このため、厨房側開口部5Hと客席側開口部6Hを通じて飲食物Dを厨房エリア2から客席エリア3へ渡す際、バスボックス8に入っている使用済みの食器によって飲食物Dの衛生状態を損なう可能性を可及的に抑制することが可能となる。また、下げ搬送装置4によって搬送されるバスボックス8を客席エリア3側から厨房側電動扉12で見えない状態にすることができるため、使用済みの食器を客席エリア3の客の目に触れないようにすることができる。また、厨房側電動扉12がバスボックス8の進行を止めるストッパとしての役割を果たすこともできる。
【0026】
<第2変形例>
図9は、開閉システム10の部分を示した第6の図である。上記実施形態や変形例では、厨房側電動扉12が垂直状態を保ったまま開閉する形態であったが、厨房側電動扉12は、例えば、客席エリア3側の扉面が下げ搬送装置4の搬送路へ倒れるように開いてもよい。図10は、開閉システム10の部分を示した第7の図である。図10では、厨房側電動扉12の客席エリア3側の扉面が下げ搬送装置4の搬送路側へ倒れた様子を示している。図10に示されるように、厨房側電動扉12の厨房エリア2側の扉面には、ローラ13が配置されている。ローラ13は、遊転可能な自在ローラであってもよいし、或いは、厨房側電動扉12が開くと作動する電動ローラであってもよい。厨房側電動扉12の厨房エリア2側の扉面には、このようなローラ13が設けられているため、厨房側電動扉12の客席エリア3側の扉面が下げ搬送装置4の搬送路側へ倒れるようにして開くと、厨房側開口部5Hと客席側開口部6Hとの間の部分には、ローラ13によって形成された厨房エリア2から客席エリア3へ向かう搬送路が設けられた状態となる。よって、厨房エリア2に居るスタッフSは、ローラ13を使って飲食物Dを厨房エリア2から客席エリア3へ容易に渡すことが可能である。また、厨房側電動扉12が下げ搬送装置4の搬送路上で横たわった状態となっているため、厨房側電動扉12がバスボックス8の進行を止めるストッパとしての役割を果たすこともできる。
【0027】
<その他の変形例>
また、上記の飲食物取扱い装置1は、その他各種の変形が可能である。
【0028】
例えば、上記実施形態や変形例では、厨房エリア2と客席エリア3との境界部分に延在する搬送路として下げ搬送装置4が形成するものを例示したが、厨房エリア2と客席エリア3との境界部分に延在する搬送路はこのような形態に限定されるものではない。厨房エリア2おと客席エリア3との境界部分に延在する搬送路としては、例えば、厨房エリア2に居るスタッフS同士で飲食物或いは食器を互いに渡すための搬送路や、客席エリア3全域を循環する飲食物搬送用の循環搬送路の一部、その他の各種搬送路が挙げられる。
【0029】
また、上記第2変形例では、厨房側電動扉12の厨房エリア2側の面にローラ13を設けた形態を例示したが、ローラ13の代わりにスライド用のガイドやリブ等を設けた形態であってもよいし、或いは、厨房側電動扉12がローラ13を省略した単なる平板状の扉であってもよい。
【0030】
また、上記実施形態や変形例では、厨房側開口部5Hや客席側開口部6Hが床面に比較的近い位置に例示されていたが、飲食物取扱い装置1は、このような形態に限定されるものではない。飲食物取扱い装置1は、例えば、厨房側開口部5Hや客席側開口部6Hを比較的高い位置に有していてもよい。
【0031】
また、下げ搬送装置4の開閉システム10付近には、バスボックス8を検知するためのセンサや、バスボックス8の進行を止めるためのストッパが設けられていてもよい。図11は、下げ搬送装置4の開閉システム10付近を示した図である。本変形例では、図11に示すように、下げ搬送装置4が形成する搬送路沿いに、バスボックス8が開閉システム10を通過したことを検知する光学センサ14や、バスボックス8が開閉システム10に進入するのを防止するためのストッパ15が設けられている。このような箇所に光学センサ14が設けられていれば、例えば、光学センサ14がバスボックス8を検知している間は開閉システム10で操作スイッチが押されても電動扉が開かないようにすることで、厨房側開口部5Hから入れる飲食物Dや、客席側開口部6Hから入れるバスボックス8が、下げ搬送装置4の搬送路上にあるバスボックス8と干渉するのを防ぐことができる。また、このような箇所にストッパ15が設けられていれば、例えば、開閉システム10が電動扉を開いている間にストッパ15が搬送路上へせり出すようにすることで、厨房側開口部5Hから飲食物Dを入れている最中や、客席側開口部6Hからバスボックス8を入れてい
る最中に、下げ搬送装置4の搬送路の上流側から搬送されてくるバスボックス8が開閉システム10に進入するのを防ぐことができる。
【符号の説明】
【0032】
S・・スタッフ
T・・客席テーブル
D・・飲食物
1・・飲食物取扱い装置
2・・厨房エリア
3・・客席エリア
4・・下げ搬送装置
5・・厨房側壁部
6・・客席側壁部
7・・飲食物搬送装置
8・・バスボックス
9・・昇降装置
10・・開閉システム
11・・客席側電動扉
12・・厨房側電動扉
13・・ローラ
14・・光学センサ
15・・ストッパ
5H・・厨房側開口部
6H・・客席側開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11