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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146245
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】監視装置
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/196 20060101AFI20231004BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20231004BHJP
   A47G 29/122 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G08B13/196
G08B25/00 510M
A47G29/122 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053335
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 沙也加
(72)【発明者】
【氏名】山下 華妃
(72)【発明者】
【氏名】浅野 太貴
(72)【発明者】
【氏名】桜木 友喜
(72)【発明者】
【氏名】森 大樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 紀行
【テーマコード(参考)】
3K100
5C084
5C087
【Fターム(参考)】
3K100CA51
3K100CA60
3K100CC10
3K100CD03
5C084AA02
5C084AA03
5C084AA09
5C084AA13
5C084CC33
5C084DD11
5C084EE03
5C084EE04
5C084GG54
5C084GG65
5C084HH02
5C084HH03
5C084HH07
5C084HH12
5C087AA02
5C087AA12
5C087AA37
5C087AA42
5C087DD05
5C087DD24
5C087FF01
5C087FF04
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG10
5C087GG31
5C087GG35
5C087GG66
5C087GG70
(57)【要約】
【課題】監視領域内において、人物の挙動に基づいた報知を行うことを可能とする監視装置を提供する。
【解決手段】監視装置10は、所定の監視領域を含む範囲を撮影した画像を取得する画像取得部12と、取得した画像から、物体および人物を認識する画像認識部13と、物体および人物の少なくともいずれかを監視する監視モードを制御し、前記監視モード毎に前記物体または前記人物の認識結果を判定する監視制御部と、判定結果に基づいた報知を制御する報知制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の監視領域を含む範囲を撮影した画像を取得する画像取得部と、
前記画像から、物体および人物を認識する画像認識部と、
前記物体および前記人物の少なくともいずれかを監視する監視モードを制御し、前記監視モード毎に前記物体または前記人物の認識結果を判定する監視制御部と、
前記判定結果に基づいた報知を制御する報知制御部と、
を備える監視装置。
【請求項2】
前記監視制御部は、
前記物体の認識を行うよう画像認識部を制御する第1の監視モードと、
前記人物の認識を行うよう画像認識部を制御し、かつ、前記人物の移動元が、予め定められた所定方向以外であるか否かを判定する第2の監視モードと、
予め定められた所定時間以上に、前記人物が前記監視領域に留まるか否かを判定する第3の監視モードと、
による監視を制御し、
前記報知制御部は、前記第3の監視モードにおいて、前記所定時間以上に、前記人物が前記監視領域に留まっていると判定された場合、第1の態様による報知を制御する、
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記監視制御部は、前記第3の監視モードにおいて、さらに、前記人物の移動先が、予め定められた所定方向以外であるか否かを判定し、
前記報知制御部は、前記人物の移動先が、予め定められた所定方向以外である場合、前記第1の態様とは異なる第2の態様による報知を制御する、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記画像認識部は、前記第3の監視モードにおいて、さらに、前記人物が前記物体に対して予め定められた所定行動をとったか否かを判定し、
前記報知制御部は、前記人物が前記物体に対して前記所定行動をとった場合、前記第1の態様とは異なる第3の態様による報知を制御する、
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記監視装置に発生する異常を検出する異常検出部をさらに備え、
前記報知制御部は、前記第3の監視モードにおいて、前記異常を検出した場合、前記第1の態様とは異なる第4の態様による報知を制御する、
請求項2乃至4のうちいずれか1項に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
戸建て住宅やマンション等の玄関前の床面の一部または全部を居住者の不在時に配達された宅配物の配置領域として利用し、更にこの配置領域において宅配物の監視を行う宅配物保管システムが知られている。(例えば特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-217029号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載される宅配物保管システムは、宅配物を配置可能な配置領域を監視し、当該配置領域内の状態変化、例えば宅配物の移動や喪失,増加等を判定可能な判定手段と、所定の荷物または宅配業者の集配エリアを担当する従業員などの個人を特定する認証手段と、報知手段と、を備えている。しかしながら、配置領域内において認識された人物がどのような挙動を取るかを認識することは想定されておらず、人物の挙動に基づいた監視を行うことが望まれる。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、監視領域内における人物の挙動に基づいた報知を行うことを可能とする監視装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る監視装置は、所定の監視領域を含む範囲を撮影した画像を取得する画像取得部と、取得した画像から、物体および人物を認識する画像認識部と、物体および人物の少なくともいずれかを監視する監視モードを制御し、前記監視モード毎に前記物体または前記人物の認識結果を判定する監視制御部と、に基づいた報知を制御する報知制御部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、監視領域内において、人物の挙動に基づいた報知を行うことを可能とする監視装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1に係る監視装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態1に係る監視装置の第1の監視モード処理手順の一例を示すフローチャートである。
図3】実施形態1に係る監視装置の第2の監視モード処理手順の一例を示すフローチャートである。
図4】実施形態1に係る監視装置の第3の監視モード処理手順の一例を示すフローチャートである。
図5】実施形態2に係る監視装置の構成の一例を示すブロック図である。
図6】実施形態2に係る監視装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図7】実施形態3に係る監視装置の構成の一例を示すブロック図である。
図8】実施形態3に係る監視装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図9】実施形態4に係る監視装置の構成の一例を示すブロック図である。
図10】実施形態4に係る監視装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、特許請求の範囲に係る発明を以下の実施形態に限定するものではない。また、実施形態で説明する構成の全てが課題を解決するための手段として必須であるとは限らない。説明の明確化のため、以下の記載および図面は、適宜、省略、および簡略化がなされている。
【0010】
<実施形態1>
図1を用いて、本発明の実施形態1について説明する。図1は、実施形態1に係る監視装置10の構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
監視装置10は、置き配検知部11と、画像取得部12と、画像認識部13と、監視制御部14と、報知制御部15と、を備える。置き配検知部11は、画像取得部12と画像認識部13の機能によって代替されてもよい。
【0012】
置き配検知部11は、戸建て住宅、マンション、ビル、その他の建物等の玄関前または庭の一部などの、所定の監視領域に置き配があったこと、言い換えると、配達物が置かれたことを検知する。後述する画像取得部12が取得した画像を、後述する画像認識部13が配達物である物体として認識した場合に、配達物が置かれたと検知するほか、撮影された監視領域において、床面や庭の一部が認識できなくなったことをもって、配達物が置かれたと検知してもよい。また画像に依らず、所定の領域に予め設置された重量センサなどのセンシング結果に基づいて、配達物が置かれたと検知してもよい。
【0013】
画像取得部12は、所定の監視領域を含む範囲を撮影する監視カメラ20からの画像を取得する。画像取得部12は、監視カメラ20を含めて構成されてもよく、別体である監視カメラ20と接続され、監視カメラ20から出力される出力信号を取得する、入力インタフェース部であってもよい。
【0014】
画像認識部13は、画像取得部12が取得した画像から、画像認識技術を用い、配達物である物体、及び、人物を認識する。画像認識部13は、複数の画像認識用の学習済モデルを備えており、後述する監視制御部14が設定する監視モードに基づいて学習済モデルを設定し、認識対象物を認識する画像認識処理を行う。
【0015】
画像認識用の学習済モデルとは、例えば、配達物である物体認識用の学習モデルとして、物体を撮影した画像と、その物体が配達物である場合に1、配達物ではない場合に0とする教師データとを一対のセットとした入力データをニューラルネットワークに入力して、機械学習させた学習済モデルである。
画像認識部13は、例えば、設定された配達物である物体認識用の学習済モデルに画像を入力し、入力した画像に配達物が撮影されている可能性を、1から0の間の値として出力する。出力値が1に近いほど、入力された画像に配達物が撮影されている可能性が高く、出力値が0に近いほど、入力された画像に配達物が撮影されている可能性が低い。この出力値が予め定められた閾値である、例えば0.8以上である場合、画像認識部13は、画像取得部12が取得した画像に、配達物が撮影されていると判定する。
後述する人物認識用の学習済モデルや不審者認識用の学習済モデルも、同様の機械学習を行った学習済モデルとして、画像認識部13に備えられる。または、図示しない通信部を介して、図示しない外部サーバと通信を行い、適した画像認識用の学習済モデルをダウンロードする形態であってもよい。
【0016】
監視制御部14は、以下の監視モードを備える。
(A)画像認識部13を配達物である物体の認識を行うよう制御する、第1の監視モード
(B)画像認識部13を人物の認識を行うよう制御し、かつ、認識された人物の移動先が、予め定められた所定方向以外であるか否かを判定する、第2の監視モード
(C)画像認識部13を人物の認識を行うよう制御し、かつ、認識された人物が、所定時間以上に監視領域に留まるか否かを判定する、第3の監視モード
【0017】
第1の監視モードにおいて、監視制御部14は、画像認識部13が画像を認識する際に優先的に用いる学習済モデルを、配達物である物体認識用の学習済モデルに設定する。言い換えると、画像認識部13が優先的に認識する対象を、配達物である物体とする。このとき、画像認識部13が劣後的に用いる学習済モデルを、人物とする。
優先的に用いる学習済モデルとは、画像取得部12が1秒あたりに30枚(30フレーム)取得した画像に対し、相対的に多い枚数となる、例えば20枚~25枚の画像に対して行う画像認識処理に用いる学習済モデルを指す。また劣後的に用いる学習済モデルとは、相対的に少ない枚数となる、例えば5枚~10枚の画像に対して行う画像認識処理に用いる学習済モデルを指す。
このように、優先的に用いる画像認識用の学習済モデルによって画像認識処理を行う画像の枚数を、劣後的に用いる画像認識用の学習済モデルによる画像認識処理を行う画像の枚数よりも多く設定する。なおこのとき、劣後的に認識する対象を設定せず、優先的に認識する対象を認識することに全ての画像枚数を振り分けてもよい。
第1の監視モードにおいて、画像認識部13が配達物である物体を認識した場合、監視制御部14は、監視モードを第2の監視モードに移行させる。
また上述したように、第1の監視モードにおいて、監視制御部14は、置き配検知部11が配達物である置き配を検知するよう制御し、置き配検知部が置き配を検知した場合、監視モードを第2の監視モードに移行させても良い。
【0018】
第2の監視モードにおいて、監視制御部14は、画像認識部13が画像を認識する際に優先的に用いる学習済モデルを、人物認識用の学習済モデルに設定し、画像認識部13が画像を認識する際に劣後的に用いる学習済モデルを、配達物である物体認識用の学習済モデルに設定する。言い換えると、監視制御部14は、画像認識部13の設定を制御し、画像認識部13が優先的に認識する対象を人物とし、劣後的に認識する対象を配達物である物体とする。
人物認識用の学習済モデルとは、例えば、撮影された画像と、その画像に人物が撮影されている場合に1、人物が撮影されていない場合に0とする教師データと、を一対のセットとした入力データをニューラルネットワークに入力して、機械学習させた学習済モデルである。
【0019】
また第2の監視モードにおいて、監視制御部14は、画像認識部13が認識した人物の移動元となる方向を特定し、移動元方向が予め定められた所定方向以外であるか否かを判定する。
監視制御部14は、画像認識部13が人物を認識した画像内の領域を特定し、画像取得部12が時系列的に連続して取得する複数の画像における、人物が認識された領域を時系列的に連続して追跡することにより、人物が監視カメラ20の撮影領域である監視領域内に流入してきた際の、移動元方向を特定する。
また監視制御部14は、画像認識部13が認識した人物の移動元方向が、予め定めた所定方向であるか否かを判定する。予め定めた所定方向とは、監視領域における、例えば玄関などの、居住者または関係者のみが出入りする方向である。
第2の監視モードにおいて、画像認識部13が認識した人物の移動元が、玄関などの所定方向ではない場合、認識した人物が居住者ではない可能性がある。第2の監視モードにおいて、画像認識部13が人物を認識し、かつ、人物の移動元が予め定めた所定方向でないと判定した場合、監視制御部14は、監視モードを第3の監視モードに移行させる。
【0020】
第3の監視モードにおいて、監視制御部14は、画像認識部13が画像を認識する際に優先的に用いる学習済モデルを、第2の監視モードと同様に、人物認識用の学習済モデルに設定し、画像認識部13が画像を認識する際に劣後的に用いる学習済モデルを、配達物である物体認識用の学習済モデルに設定する。言い換えると、監視制御部14は、画像認識部13の設定を制御し、画像認識部13が優先的に認識する対象を人物とし、劣後的に認識する対象を配達物である物体とする。
【0021】
また第3の監視モードにおいて、監視制御部14は、画像認識部13が人物を認識した画像内の領域を特定し、画像取得部12が時系列的に連続して取得する複数の画像における、人物が認識される領域を時系列的に連続して追跡することにより、人物が監視領域に留まっている時間を算出する。
第3の監視モードにおいて、画像認識部13が人物を認識し、かつ、人物が予め定めた所定時間以上の間、監視領域に留まっていることが算出された場合、監視制御部14は、後述する報知制御部15に報知を行わせる指示を出力する。所定時間とは、例えば1秒や3秒などの値であるが、監視カメラ20の設置位置や撮影画角などに応じて、ユーザが設定可能であることが好ましい。
【0022】
報知制御部15は、監視制御部14からの出力に基づいて、監視モードが第3の監視モードであり、かつ、監視制御部14が所定時間以上に人物が監視領域に留まったと判定した場合、報知態様を第1の態様に決定し、第1の態様による報知を行う。第1の態様とは、例えば、「御用ですか」「ご用件は」などの、認識された人物に対する問いかけとなる発話である。報知制御部15は、決定された態様による報知を、監視領域に向けて設置したスピーカ30から出力させる。
【0023】
次に、上述した実施形態1に係る監視装置10の第1の監視モードにおける処理手順を、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0024】
初めに、ステップS10において、監視制御部14は、監視モードを第1の監視モードに設定し、画像認識部13にて認識する対象を、配達物である物体に設定する。その後ステップS11に進む。
【0025】
ステップS11において、画像取得部12は、監視領域を撮影する監視カメラ20から画像を取得する。画像取得部12は、取得した画像を画像認識部13に供給し、ステップS12に進む。
【0026】
ステップS12において、画像認識部13は、取得した画像から、設定された認識対象物を認識する処理を行う。監視モードが第1のモードであるので、画像認識部13は、優先的に認識するよう設定された認識対象物である物体を認識する処理を、取得された画像のうち、相対的に多い一部の画像に対して行う。画像認識部13が物体を認識した場合(S12でYes)、ステップS13に進む。画像認識部13が物体を認識しない場合(S12でNo)、ステップS11に戻り、処理を再度実行する。
なおステップS12において、画像認識部13が物体を認識する処理に換えて、置き配検知部11が、監視領域に配達物が置かれたことを任意のセンサによって検知してもよい。この場合、置き配検知部11が物体を検知した場合(S12でYes)、ステップS13に進む。置き配検知部11が物体を検知しない場合(S12でNo)、ステップS11に戻り、処理を再度実行する。
【0027】
ステップS13において、監視制御部14は監視モードを第2の監視モードに設定し、第1の監視モードにおけるフローを終了する。
【0028】
次に、上述した実施形態1に係る監視装置の第2の監視モードにおける処理手順を、図3に示すフローチャートを参照して説明する。
【0029】
初めに、ステップS21における処理は、第1の監視モードにおけるステップS11処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0030】
ステップS22において、画像認識部13は、取得した画像から、設定された認識対象物を認識する処理を行う。監視モードが第2のモードであるので、画像認識部13は、優先的に認識するよう設定された認識対象物である人物を認識する処理を、取得された画像のうち、相対的に多い一部の画像に対して行う。画像認識部13が人物を認識した場合(S22でYes)、ステップS23に進む。画像認識部13が人物を認識しない場合(S22でNo)、ステップS21に戻り、処理を再度実行する。
【0031】
ステップS23において、監視制御部14は、画像認識部13が認識した人物の移動元となる方向を特定し、移動元方向が予め定められた所定方向であるか否かを判定する。監視制御部14が、人物の移動元方向が予め定められた所定方向であると判定した場合(S23でYes)、ステップS25に進む。監視制御部14が、人物の移動元方向が予め定められた所定方向であると判定しない場合(S23でNo)、認識された人物は居住者でない可能性があり、ステップS24に進む。
【0032】
ステップS24において、監視制御部14は監視モードを第3の監視モードに設定し、第2の監視モードにおけるフローを終了する。
【0033】
ステップS25において、監視制御部14は、認識された人物は居住者である可能性が高いため、監視モードを第1の監視モードに戻す。具体的には、第1の監視モードのステップS10に戻り、物体の認識処理及び人物の認識処理を繰り返す。
【0034】
次に、上述した実施形態1に係る監視装置の第3の監視モードにおける処理手順を、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
【0035】
初めに、ステップS31及びステップS32における処理は、第2の監視モードにおけるステップS21及びステップS22の処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0036】
ステップS33において、監視制御部14は、画像認識部13が認識した人物が監視領域に留まる時間を算出する。監視制御部14が、人物が監視領域に滞留する時間が予め定めた所定値以上であると判定した場合(S33でYes)、ステップS34に進む。人物が監視領域に滞留する時間が予め定めた所定値以上であると判定しない場合(S33でNo)、人物が立ち去ったため、第3の監視モードによる処理を終了する。
なおこのとき、画像認識部13は、物体の認識も劣後的に行い、物体が認識されていないことを判定することができる。認識された人物が立ち去り、かつ、認識されていた配達物である物体が認識されなくなった場合に、報知制御部15を制御し、報知を行う形態があってもよい。
【0037】
ステップS34において、監視制御部14は、人物が監視領域に滞留する時間が予め定めた所定値以上であることを報知制御識部15に出力し、報知制御識部15は、報知態様を第1の態様に決定する。次にステップS35に進む。
【0038】
ステップS35において、報知制御識部15は、決定した態様による報知を行い、第3の監視モードによる処理を終了する。
【0039】
上述したように、実施形態1によれば、監視装置10は、認識された状況に基づいて、適切に監視モードを制御し、画像認識に用いる学習するモデルを切り替えて優先的に画像認識処理を行う対象を設定することで、監視すべき適切な認識対象物を、より正確または迅速に認識することができる。また画像取得部12が時系列的に連続的に取得する複数の各画像それぞれに、認識する対象物を個別に設定することで、各画像で認識すべき認識対象の種類を抑制し、画像認識の処理を軽減することができ、適切な監視及び報知を低負荷で実現することができる。
【0040】
<実施形態2>
本発明の実施形態2について、図5を用いて説明する。実施形態2に係る監視装置10aは、実施形態1に係る監視装置10と、以下の点で異なる構成を有する。すなわち、監視制御部14aは、第3の監視モードにおいて、画像認識部13によって優先的に認識された人物の移動先が、予め定められた所定方向以外であるか否かを判定する機能、及び、画像認識部13によって劣後的に認識された配達物である物体が、認識されなくなったことを判定する機能を有する。また報知制御部15aは、監視制御部14aからの指示出力により、人物の移動先が、予め定められた所定方向以外であり、かつ、配達物である物体が認識されなくなった場合に、第2の態様による報知を行う。監視装置10aにおいて、置き配検知部11,画像取得部12および画像認識部13は、実施形態1に係る監視装置10と同様の構成および機能を有するため、その詳細な説明は省略する。
【0041】
監視制御部14aは、第3の監視モードにおいて、認識された人物の移動先が、予め定められた玄関などの所定方向以外であるか否かを判定する。監視制御部14aは、画像認識部13が人物を認識した画像内の領域を特定し、画像取得部12が時系列的に連続して取得する複数の画像における、人物が認識される領域を時系列的に連続して追跡することにより、人物が監視領域から流出した方向、言い換えると、人物の移動先方向を特定して、人物の移動先が、予め定められた玄関などの所定方向以外であるか否かを判定する。
第3の監視モードにおいて、画像認識部13が人物を認識し、かつ、配達物である物体が認識されなくなった場合であって、さらに監視制御部14aが認識された人物の移動先が所定方向以外であると判定した場合、監視制御部14aは、後述する報知制御部15aに報知を行わせる指示を出力する。
【0042】
報知制御部15aは、監視制御部14aからの出力に基づいて、報知態様を第2の態様に決定し、第2の態様による報知を行う。第2の態様とは、例えば、「泥棒」「配達物を返してください」などの、認識された人物に対する警告となる文言を用いた発話である。報知制御部15aは、決定された態様による報知を、監視領域に向けて設置したスピーカ30から出力させる。
【0043】
次に、上述した実施形態2に係る監視装置の第3の監視モードにおける処理手順を、図6に示すフローチャートを参照して説明する。
【0044】
初めに、ステップS41及びステップS42における処理は、実施形態1の第3の監視モードにおけるステップS31及びステップS32の処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0045】
ステップS43において、監視制御部14aは、画像認識部13が認識した人物の移動先となる方向を特定し、移動先方向が予め定められた所定方向であるか否かを判定する。監視制御部14aが、人物の移動先方向が予め定められた所定方向であると判定した場合(S43でYes)、ステップS47に進む。監視制御部14aが、人物の移動先方向が予め定められた所定方向であると判定しない場合(S43でNo)、認識された人物は居住者でない可能性があり、ステップS44に進む。
【0046】
ステップS44において、画像認識部13は、取得した画像から劣後的に認識するよう設定された認識対象物である物体を認識する処理を、取得された画像枚数のうち、相対的に少ない一部の枚数の画像に対して行う。画像認識部13が物体を認識している場合(S44でYes)、人物が立ち去っており、配達物である物体が引き続き認識されているため、ステップS41に戻り、処理を再度実行する。画像認識部13が物体を認識しない場合(S22でNo)、人物が立ち去っており、かつ、物体も認識されなくなっているため、ステップS45に進む。
【0047】
ステップS45において、監視制御部14aは、報知制御識部15aを制御し、報知制御識部15aは報知態様を第2の態様に決定する。次にステップS46に進む。
【0048】
ステップS46において、報知制御識部15aは、決定した態様による報知を行い、第3の監視モードによる処理を終了する。
【0049】
ステップS47において、認識された人物は居住者である可能性が高いため、監視モードを第1の監視モードに戻す。具体的には、第1の監視モードのステップS10に戻り、物体の認識処理及び人物の認識処理を繰り返す。
【0050】
なお、第2の実施形態において、ステップS43以前に、第1の実施形態におけるステップS33の処理を行う形態があってもよい。すなわち、第3の監視モードにおいて、画像認識部13が認識した人物の移動元が所定方向以外であることを認識し、その場合に、画像認識部13が認識した人物の移動先となる方向が所定方向であるか否かを判定する処理を行うこととしてもよい。
【0051】
上述したように、実施形態2によれば、監視装置10aは、認識された人物の移動先が所定方向以外であるか否かの判定に基づいた、適切な報知を行うことができる。
【0052】
<実施形態3>
本発明の実施形態3について、図7を用いて説明する。実施形態3に係る監視装置10bは、実施形態1に係る監視装置10と、以下の点で異なる構成を有する。すなわち、監視制御部14bは、第3の監視モードにおいて画像認識部13の設定を制御し、画像認識部13が認識する対象を、不審者に設定する。不審者とは、例えば、配達物である物体を手に取る、物体に対してかがみこむ、物体の近傍に留まる、等の、予め定められた所定行動をとった人物を指す。また報知制御部15bは、監視制御部14bからの指示出力により、第3の態様による報知を行う。監視装置10bにおいて、置き配検知部11,画像取得部12および画像認識部13は、実施形態1に係る監視装置10と同様の構成および機能を有するため、その詳細な説明は省略する。
【0053】
監視制御部14bは、第3の監視モードにおいて、画像認識部13が画像を認識する際に優先的に用いる学習済モデルを、不審者認識用の学習済モデルに設定し、画像認識部13が画像を認識する際に劣後的に用いる学習済モデルを、配達物である物体認識用の学習済モデルに設定する。不審者認識用の学習済モデルとは、例えば、不審者認識用の学習モデルとして、人物を撮影した画像と、その人物が不審者であるとされる場合に1、不審者ではないとされる場合に0とする教師データと、を一対のセットとした入力データをニューラルネットワークに入力して、機械学習させた学習済モデルである。
第3の監視モードにおいて、画像認識部13が不審者を認識した場合、監視制御部14bは、後述する報知制御部15bに報知を行わせる指示を出力する。
【0054】
報知制御部15bは、監視制御部14bからの出力に基づいて、報知態様を第3の態様に決定し、第3の態様による報知を行う。第3の態様とは、例えば、「何をしていますか」「離れてください」などの、認識された人物に対する警告となる発話である。第3の態様は、上述した第2の態様と同じ態様を含んでもよく、第2の態様と同一の態様であってもよい。報知制御部15bは、決定された態様による報知を、監視領域に向けて設置したスピーカ30から出力させる。
【0055】
次に、上述した実施形態3に係る監視装置の第3の監視モードにおける処理手順を、図8に示すフローチャートを参照して説明する。
【0056】
初めに、ステップS51における処理は、第1の監視モードにおけるステップS11処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0057】
ステップS52において、画像認識部13は、取得した画像から、優先的に認識するよう設定された認識対象物を認識する処理を行う。画像認識部13は、優先的に認識するよう設定された認識対象物である不審者を認識する処理を、取得された画像のうち、相対的に多い一部の画像に対して行う。画像認識部13が不審者を認識した場合(S52でYes)、ステップS53に進む。画像認識部13が不審者を認識しない場合(S52でNo)、ステップS51に戻り、処理を再度実行する。
【0058】
ステップS53において、画像認識部13は、取得した画像から、劣後的に認識するよう設定された認識対象物を認識する処理を行う。画像認識部13は、劣後的に認識するよう設定された認識対象物である物体を認識する処理を、取得された画像のうち、相対的に少ない一部の画像に対して行う。画像認識部13が物体を認識しない場合(S53でNo)、不審者が認識され、かつ、認識されていた物体が認識されなくなっているため、ステップS54に進む。画像認識部13が物体を継続して認識している場合(S52でYes)、ステップS51に戻り、処理を再度実行する。
【0059】
ステップS54において、監視制御部14bは、報知制御識部15bを制御し、報知制御識部15bは報知態様を第3の態様に決定する。次にステップS55に進む。
【0060】
ステップS55において、報知制御識部15bは、決定した態様による報知を行い、第3の監視モードによる処理を終了する。
【0061】
上述したように、実施形態3によれば、監視装置10bは、不審者であることの認識に基づいた、適切な報知を行うことができる。
【0062】
<実施形態4>
本発明の実施形態4について、図9を用いて説明する。実施形態4に係る監視装置10cは、実施形態1に係る監視装置10と、以下の点で異なる構成を有する。すなわち、監視装置10cに対する異常を検出する異常検出部16をさらに備える。異常検出部16は、監視装置10cに対する破壊、衝撃、暗幕がかけられたこと、及び、スプレー噴射による監視不能状態であることなどの異常を判定する。また監視制御部14cは、異常検出部16が検出した異常に基づいて報知制御部15cに報知を指示する出力を行い、報知制御部15cは、第4の態様による報知を行う。監視装置10cにおいて、置き配検知部11,画像取得部12及び画像認識部13は、実施形態1に係る監視装置10と同様の構成および機能を有するため、その詳細な説明は省略する。
【0063】
異常検出部16は、第3の監視モードにおいて、監視装置10cに生じた異常を、図示しない衝撃センサまたは加速度センサなどの公知のセンサからの出力や、画像取得部12によって取得された画像の大半の画素の輝度が均一になった(白や黒の暗幕がかけられた)こと、画像認識部13によってひびが認識されたこと、図示しない音声センサによって破壊音があったと判定されたことなどの、公知の技術によって検出し、検出結果を監視制御部14cに出力する。
【0064】
監視制御部14cは、異常検出部16が監視装置10cに生じた異常を検出した場合、報知制御部15cに、報知を行わせる指示を出力する。
【0065】
報知制御部15cは、監視制御部14cからの出力に基づいて、報知態様を第4の態様に決定し、第4の態様による報知を行う。第4の態様とは、例えば、「泥棒」「破壊されました」などの、認識された人物に対する警告や監視装置10の状況通告となる発話である。第4の態様は、上述した第2の態様や第3の態様と同じ態様を含んでもよく、第2の態様や第3の態様のいずれかと同一の態様であってもよい。報知制御部15cは、決定された態様による報知を、監視領域に向けて設置したスピーカ30から出力させる。
【0066】
次に、上述した実施形態4に係る監視装置の第3の監視モードにおける処理手順を、図10に示すフローチャートを参照して説明する。
【0067】
初めに、ステップS61において、異常検出部16は監視装置10cに生じた異常を検出する処理を行う。異常検出部16が異常を検出した場合(S61でYes)、ステップS62に進む。異常検出部16が不審者を認識しない場合(S61でNo)、ステップS61に戻り、処理を再度実行する。
【0068】
ステップS62において、監視制御部14cは、報知制御識部15cを制御し、報知制御識部15cは報知態様を第4の態様に決定する。次にステップS63に進む。
【0069】
ステップS63において、報知制御識部15cは、決定した態様による報知を行い、第3の監視モードによる処理を終了する。
【0070】
上述したように、実施形態4によれば、監視装置10cは、監視装置10cに対する異常の検出に基づいた、適切な報知を行うことができる。
【0071】
<その他の実施形態>
本発明において上述した実施形態1乃至4に示す具体例等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。
なお本発明は、実施形態1乃至4に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
たとえば、実施形態2または実施形態3の監視装置10aまたは監視装置10bの構成に、実施形態4の異常検出部16が含まれるようにしてもよい。この場合、実施形態2または実施形態3の監視制御部14a及び監視制御部14bは、認識された人物の移動先方向や不審な行動の判定に加えて、異常検出部16が検出した異常にさらに基づいて、報知態様を決定し、報知を行う。
【0072】
また、実施形態1乃至4に示す報知制御部10、10a、10b、及び10cは、報知態様として発話の内容を決定し、決定された態様による報知を、監視領域に向けて設置したスピーカ30から出力させるものとしたが、例えば監視領域に向けて設置したブザーや点灯・点滅部材による報知であってもよい。この場合、報知態様としてブザー音の音圧の強弱や音の周波数の設定、または、点灯輝度の明暗や点滅周波数の設定を決定し、決定した報知態様による報知を行う。
【0073】
また、実施形態1乃至4に示す報知制御部10、10a、10b、及び10cは、報知態様として発話の内容を決定し、決定された態様による報知を、監視領域に向けて設置したスピーカ30から出力させるものとしたが、図示しない通信部を備えて、居住者が有する携帯機器や、管理会社、警察などに報知を行う形態であってもよい。この場合、報知態様として報知先の範囲や報知文言を決定し、決定した報知態様による報知を行う。
【0074】
上述の実施形態では、本発明をハードウェアの構成として説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明は、任意の処理を、プロセッサにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
【0075】
上述の例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体を含み、例えば、ハードディスクドライブ等の磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリを含む。半導体メモリは、書き換え可能な様々な種類のROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)とすることもでき、またSSD(Solid State Drive)として提供されるものも含む。また、プログラムは、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体によって電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介してコンピュータに供給されてもよく、例えば電気信号、光信号、及び電磁波を含む。
【0076】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置および方法における各処理の実行順序は、任意の順序で実現しうる。特許請求の範囲、明細書および図面中の動作フローに関して、便宜上「初めに」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順序で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0077】
10,10a,10b、10c 監視装置
11 置き配検知部
12 画像取得部
13 画像認識部
14,14a,14b,14c 監視制御部
15,15a,15b,15c 報知制御部
16 異常検出部
20 監視カメラ
30 スピーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10