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特開2023-146258無線装置、無線装置の制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146258
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】無線装置、無線装置の制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/04 20060101AFI20231004BHJP
   H03F 1/32 20060101ALI20231004BHJP
   H03F 3/24 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
H04B1/04 R
H03F1/32
H03F3/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053355
(22)【出願日】2022-03-29
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人情報通信研究機構、「革新的情報通信技術研究開発委託研究/次世代の5次元モバイルインフラ技術の研究開発/衛星利用回線高性能化技術」委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】301072650
【氏名又は名称】NECスペーステクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀典
【テーマコード(参考)】
5J500
5K060
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA41
5J500AC22
5J500AC92
5J500AF07
5J500AF08
5J500AF14
5J500AK16
5J500AK33
5J500AK34
5J500AS14
5J500AT01
5J500AT03
5J500ND02
5J500NG03
5J500NG06
5J500NH07
5J500NM05
5J500NN16
5K060BB07
5K060CC04
5K060HH06
5K060HH09
5K060HH36
5K060KK06
5K060LL24
(57)【要約】
【課題】多素子アンテナにおいて、回路規模の増大を抑制してデジタルディストーションを実現する。
【解決手段】実施形態に係る無線装置10は、送信信号を放射する、複数のアンテナ素子を含む多素子アンテナ11と、複数のアンテナ素子の少なくとも1つの第1アンテナ素子により取り出された送信信号の漏れ信号を用いて、多素子アンテナ11から放射される送信信号の歪補償をする歪補償部20と、歪補償部20によって歪補償されたアンテナ素子毎の送信信号をそれぞれ増幅する複数の増幅器12とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号を放射する、複数のアンテナ素子を含む多素子アンテナと、
複数のアンテナ素子の少なくとも1つの第1アンテナ素子により取り出された、前記送信信号の漏れ信号を用いて、前記多素子アンテナから放射される送信信号の歪補償をする歪補償部と、
前記歪補償部によって歪補償されたアンテナ素子毎の送信信号をそれぞれ増幅する複数の増幅器と、
を含む、無線装置。
【請求項2】
前記歪補償部は、
前記漏れ信号と、該漏れ信号に対応しており前記歪補償部によって歪補償が行われる前の送信信号との差分に基づき、前記送信信号の歪補償を行う、
請求項1に記載の無線装置。
【請求項3】
前記第1アンテナ素子により取り出された漏れ信号の強度に基づき、前記多素子アンテナから放射された放射電力を算出する放射電力算出部と、
算出された前記多素子アンテナの放射電力に基づいて、多素子アンテナ11の放射電力の校正を行うための校正情報を生成する校正情報生成部と、
をさらに備える、
請求項1又は2に記載の無線装置。
【請求項4】
送信信号を放射する、複数のアンテナ素子を含む多素子アンテナの少なくとも1つの第1アンテナ素子により前記送信信号の漏れ信号を取り出し、
前記送信信号の漏れ信号を用いて、前記多素子アンテナから放射される送信信号の歪補償を行い、
前記歪補償されたアンテナ素子毎の送信信号をそれぞれ対応する増幅器で増幅する、
無線装置の制御方法。
【請求項5】
多素子アンテナの複数のアンテナ素子毎の送信信号をそれぞれ対応する増幅器で増幅する無線装置に、
送信信号を放射する、前記複数のアンテナ素子の少なくとも1つの第1アンテナ素子により前記送信信号の漏れ信号を取り出す処理と、
前記送信信号の漏れ信号を用いて、前記多素子アンテナから放射される送信信号の歪補償を行う処理と、
前記歪補償されたアンテナ素子毎の送信信号をそれぞれ対応する増幅器で増幅する処理と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線装置、無線装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多値変調方式を用いた通信においては、ピーク対平均電力比((Peak to Average Power Ratio:PAPR)が大きくなり、増幅器をバックオフ動作させて、線形領域で動作させる必要がある。しかしながら、増幅器をバックオフ動作させると、電力付加効率が低下するという問題がある。そこで、増幅器がより小さなバックオフ動作で使用できるよう、歪補償を行うことが一般的になっている。
【0003】
歪補償には、アナログ素子を用いたアナログ方式と、DSP(Digital Signal Processor)等のデジタル信号処理装置を使用したデジタル方式があるが、昨今ではデジタルプリディストーションが主流となっている。
【0004】
特許文献1には、複数の増幅器を備える場合に、各増幅器から出力された信号の歪の大きさを監視し、その大きさに応じてフィードバック信号の切り替え間隔を制御する無線装置が開示されている。この無線装置では、複数のパス(増幅系統)はそれぞれ、歪補償係数を用いて送信信号の非線形歪を補償するプリディストーション部、及び歪補償された送信信号を増幅する増幅器を備えている。
【0005】
特許文献1では、フィードバック信号と、フィードバック信号に対応する歪補償前の送信信号との差分を求め、差分を抑える歪補償係数を求めて歪補償係数を更新し、複数のパスから出力された複数の送信信号の歪の大きさに応じて、切り替え部で選択される各フィードバック信号の選択時間の長さを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-214826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
LEO(Low Earth Orbit)コンステレーション通信やMIMO(Multiple-Input Multiple-Output)技術を使用した通信においては、フェーズドアレイ技術を用いたビーム制御が採用されている。このビーム制御は、多素子アンテナを使用し、各アンテナ素子から放射するビームの位相を調整することで実現する手法が一般的である。また、このケースでは、多数のアンテナ素子各々に対し、増幅器を具備させるものが主流である。このような多素子アンテナでデジタルプリディストーションを行う場合、多数の増幅器の各々にフィードバック回路を設けると、回路規模が大きくなりコストが増大してしまう。
【0008】
本開示の目的は、多素子アンテナにおいて、回路規模の増大を抑制してデジタルディストーションを実現することが可能な無線装置、無線装置の制御方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様に係る無線装置は、送信信号を放射する、複数のアンテナ素子を含む多素子アンテナと、複数のアンテナ素子の少なくとも1つの第1アンテナ素子により取り出された、前記送信信号の漏れ信号を用いて、前記多素子アンテナから放射される送信信号の歪補償をする歪補償部と、前記歪補償部によって歪補償されたアンテナ素子毎の送信信号をそれぞれ増幅する複数の増幅器とを含むものである。
【0010】
一態様に係る無線装置の制御方法は、送信信号を放射する、複数のアンテナ素子を含む多素子アンテナの少なくとも1つの第1アンテナ素子により前記送信信号の漏れ信号を取り出し、前記送信信号の漏れ信号を用いて、前記多素子アンテナから放射される送信信号の歪補償を行い、前記歪補償されたアンテナ素子毎の送信信号をそれぞれ対応する増幅器で増幅する。
【0011】
一態様に係るプログラムは、多素子アンテナの複数のアンテナ素子毎の送信信号をそれぞれ対応する増幅器で増幅する無線装置に、送信信号を放射する、前記複数のアンテナ素子の少なくとも1つの第1アンテナ素子により前記送信信号の漏れ信号を取り出す処理と、前記送信信号の漏れ信号を用いて、前記多素子アンテナから放射される送信信号の歪補償を行う処理と、前記歪補償されたアンテナ素子毎の送信信号をそれぞれ対応する増幅器で増幅する処理とを実行させるものである。
【発明の効果】
【0012】
上記態様によれば、多素子アンテナにおいて、回路規模の増大を抑制してデジタルディストーションを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態1に係る無線装置の構成を示す図である。
図2】実施形態1に係る無線装置の制御方法を示すフロー図である。
図3】実施形態2に係る無線装置の構成を示す図である。
図4】多素子アンテナから放射される送信信号のビーム方向が正面方向(0°)である場合のアンテナパターンの一例を示す図である。
図5図4の時の、隣接アンテナ素子からの漏れ信号の強度の一例を示す図である。
図6】実施形態3に係る無線装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下では、本開示の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一又は対応する要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
実施形態は、複数のアンテナ素子を含む多素子アンテナを用いた無線装置における歪補償技術に関する。実施形態では、歪補償技術として、デジタルプリディストーション(DPD)方式が用いられる。DPD方式は、補償される増幅器とは異なる素子を用いて歪を発生させて、増幅器において発生する非線形歪を打ち消す方式である。
【0016】
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る無線装置10の構成を示す図である。図1に示すように、無線装置10は、多素子アンテナ11、増幅器12、歪補償部20を含む。多素子アンテナ11は、複数のアンテナ素子a1を含む。無線装置10は、情報を符号化して送信信号を生成し、無線送信処理を施して、多素子アンテナ11を介して空間へ放射する。無線送信に際して、複数のアンテナ素子a1から放射される信号には位相差が与えられ、ビームフォーミングが実行される。
【0017】
各アンテナ素子a1には、それぞれ増幅器12が設けられている。歪補償部20は、増幅器12において発生する非線形歪みを補償するデジタルプリディストーションを実行する。実施形態1のデジタルプリディストーションでは、歪補償部20は、複数のアンテナ素子a1の少なくとも1つのアンテナ素子b1により取り出された、送信信号の漏れ信号を用いて歪補償をする。各増幅器12は、歪補償部20によって歪補償されたアンテナ素子a1毎の送信信号をそれぞれ増幅する。
【0018】
図2は、実施形態1に係る無線装置10の制御方法を示すフロー図である。図2に示すように、歪補償部20は、送信信号を放射する、複数のアンテナ素子a1を含む多素子アンテナ11の少なくとも1つのアンテナ素子b1により送信信号の漏れ信号を取り出す(S11)。そして、歪補償部20は、送信信号の漏れ信号を用いて、多素子アンテナ11から放射される送信信号の歪補償を行う(S12)。その後、各増幅器12は、歪補償部20により歪補償されたアンテナ素子a1毎の送信信号をそれぞれ対応する増幅する(S13)。
【0019】
このように実施形態1によれば、多素子アンテナにおいて、各増幅器にフィードバック回路を設けることなく、回路規模の増大を抑制して、デジタルディストーションを実現することが可能となる。
【0020】
<実施形態2>
実施形態2は、上述した実施形態1の具体例である。図3は、実施形態2に係る無線装置10の構成を示す図である。図3に示すように、無線装置10は、多素子アンテナ11、増幅器12、信号処理部13、分配器14、分配器15、位相器16、歪補償部20を含む。なお、図3においては、通信相手へ信号を送信する処理に関連する構成を図示している。
【0021】
図3に示す例では、多素子アンテナ11は、16個のアンテナ素子a1が4×4のマトリクス状に配置された構成を有している。また、16個のアンテナ素子a1のうちの1つのアンテナ素子が、漏れ信号の検出に用いられる。この漏れ信号の検出に用いられるアンテナ素子を検出用アンテナ素子b1とする。なお、漏れ信号の検出に用いられるアンテナ素子の数は少なくとも1つであればよく、1つに限定されない。
【0022】
信号処理部13は、信号に対するベースバンド処理を実行する装置であり、例えば情報を符号化して送信信号を生成する。歪補償部20は、アンテナ素子a1ごとに設けられた増幅器12において発生する非線形歪みを補償するデジタルプリディストーションを実行する。歪補償部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はDSP(Digital Signal Processor)などを備えており、図3に示す構成要素の各種機能を実現する。デジタルプリディストーションにおいて、歪補償部20は、送信信号に増幅器12の非線形特性の逆特性を表す歪み補償係数を乗算する。
【0023】
以下、歪補償部20について詳述する。歪補償部20は、変調部21、DA(Digital to Analog)変換部22、周波数変換部23、周波数変換部24、AD(Analog to Digital)変換部25、信号比較部26を含む。変調部21は、送信信号を通信相手が復調可能な電波形式に変調して、変調送信信号を生成する。DA変換部22は、変調送信信号をDA変換してアナログ信号を生成する。DA変換部22により得られたアナログ信号は、周波数変換部23により周波数変換され、無線周波数の送信信号となる。
【0024】
周波数変換された送信信号は、分配器14、15でアンテナ素子a1の数分だけ分波される。ここでは、分配器14は送信信号を4分波し、分配器15は分配器14により分波された送信信号をさらに4分波する。分波された送信信号は、各送信経路を通過して、それぞれ異なるアンテナ素子a1に供給される。各送信経路には、位相器16、増幅器12がそれぞれ配置されている。
【0025】
位相器16は、図示しないビーム制御部からの位相制御情報に基づいて、各アンテナ素子a1の信号の位相をそれぞれシフトさせる。位相器16によって位相がシフトされた信号は、それぞれの送信経路に設けられた増幅器12により増幅され、各アンテナ素子a1から送信される。各アンテナ素子a1の位相が個別に調整されることで、多素子アンテナ11の指向性を調整することができる。
【0026】
なお、増幅器12による増幅の際には非線形歪みが発生するが、実施形態2においては、以下に説明するように、歪補償部20によって歪み補償が実行されているため、各アンテナ素子a1から送信された信号に含まれる非線形歪み成分は低減される。
【0027】
検出用アンテナ素子b1は、アンテナ素子a1から放射した送信ビームにより生じる漏れ信号を検出する。検出用アンテナ素子b1は、検出した漏れ信号をフィードバック信号としてフィードバックさせ、周波数変換部24に入力させる。周波数変換部24は、フィードバック信号を周波数変換して、ベースバンド周波数の信号へと変換する。AD変換部25は、周波数変換部24により変換された信号をAD変換して、デジタル信号にする。
【0028】
信号比較部26には、変調部21から出力された変調送信信号と、AD変換部25から出力されるデジタルのフィードバック信号とが入力される。信号比較部26は、変調送信信号とフィードバック信号とを比較して、増幅器12の非線形特性の逆特性を表す歪補償係数を求め、変調部21に送信する。変調部21は、求めた歪補償係数を送信信号に乗算する処理を行う。このように、歪補償係数が乗算された送信信号を増幅器12に入力することによって、増幅器12の歪補償を行い、線形特性の送信信号を得ることができる。
【0029】
このように、実施形態2では、アンテナから放射された送信ビームの漏れ信号をフィードバックし、デジタルプリディストーションを行っている。また、送信用のアンテナ素子a1の1つもしくは複数を漏れ信号の検出アンテナとして使用して、アンテナから放射される送信ビームの漏れ信号を取り出している。これにより、フィードバック回路の最小化が可能となり、回路規模の増大を抑制して、多素子アンテナにおける歪補償が簡単にできるようになる。
【0030】
<実施形態3>
上記の漏れ信号は、アンテナ放射電力の校正にも使用できる。無線装置10に含まれるDA変換部、周波数変換部、増幅器等はアクティブ素子であり、一般的に、温度により利得が変化する。これに対し、アンテナ素子からの漏れ信号の温度による変化はほとんどない。したがって、常温で取得した校正データに合わせるように、例えば、DA変換部から出力する信号の強度を制御することで、アクティブ素子の利得が変化して特性が変わったとしても、多素子アンテナからの放射電力強度を一定に補正することができる。実施形態3に係る無線装置10は、放射電力の温度補正や故障検知に適用可能なものである。
【0031】
図6は、実施形態3に係る無線装置10の構成を示す図である。図6に示すように、実施形態3に係る無線装置10は、図3の構成に加えて、記憶部30、放射電力算出部31、校正情報生成部32を含む。図6において、図3と同一の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0032】
記憶部30は、例えば無線装置10の試験時に、多素子アンテナ11のアンテナパターンと、当該アンテナパターンを実現したときの漏れ信号の電力のデータとの関係を、校正データとして保存する。図4は、多素子アンテナから放射される送信信号のビーム方向が正面方向(0°)である場合のアンテナパターンの一例を示す図である。また、図5は、図4の時の、隣接アンテナ素子からの漏れ信号の強度の一例を示す図である。校正データは、これらの関係に基づき作成され得る。
【0033】
放射電力算出部31は、記憶部30に保存された校正データと、検出用アンテナ素子b1により取り出された漏れ信号の強度に基づき、実際に多素子アンテナ11から放射された放射電力を算出する。校正情報生成部32は、算出された放射電力の期待値との偏差から校正情報を生成し、信号処理部13に送信する。これにより、多素子アンテナ11は、校正された放射電力で送信信号を放射することが可能となる。
【0034】
なお、上述の機能を実現するプログラムは図示しない記憶装置に格納され得る。記憶装置は、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリ等の不揮発性記憶装置である。記憶装置は、無線装置10の各機能を実現するプログラムを記憶している。無線装置10がこのプログラムを実行することで、無線装置10が備える各機能が実現される。
【0035】
記憶装置は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等のメモリを含んでいてもよい。無線装置10は、上記プログラムを実行する際、これらのプログラムをメモリ上に読み出してから実行しても良いし、メモリ上に読み出さずに実行しても良い。また、記憶装置は、無線装置10が備える構成要素が保持する情報を保持してもよい。すなわち、この記憶装置は、図6の、校正データを保存する記憶部30に対応し得る。また、記憶装置は、校正情報生成部32が補正情報生成処理を行うために必要な情報を記憶してもよい。
【0036】
上述の例において、プログラムは、コンピュータに読み込まれた場合に、実施形態で説明された1又はそれ以上の機能をコンピュータに行わせるための命令群(又はソフトウェアコード)を含む。プログラムは、非一時的なコンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体に格納されてもよい。限定ではなく例として、コンピュータ可読媒体又は実体のある記憶媒体は、random-access memory(RAM)、read-only memory(ROM)、フラッシュメモリ、solid-state drive(SSD)又はその他のメモリ技術、CD-ROM、digital versatile disc(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク又はその他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ又はその他の磁気ストレージデバイスを含む。プログラムは、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体上で送信されてもよい。限定ではなく例として、一時的なコンピュータ可読媒体又は通信媒体は、電気的、光学的、音響的、またはその他の形式の伝搬信号を含む。
【0037】
なお、本開示は上記実施形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。また、本開示は、それぞれの実施形態を適宜組み合わせて実施されてもよい。
【符号の説明】
【0038】
10 無線装置
11 多素子アンテナ
12 増幅器
13 信号処理部
14 分配器
15 分配器
16 位相器
20 歪補償部
21 変調部
22 DA変換部
23 周波数変換部
24 周波数変換部
25 AD変換部
26 信号比較部
30 記憶部
31 放射電力算出部
32 校正情報生成部
a1 アンテナ素子
b1 検出用アンテナ素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6