(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146280
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】点呼用端末及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20231004BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053386
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】石原 由理
(72)【発明者】
【氏名】山崎 正彦
(72)【発明者】
【氏名】福地 弘之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA10
(57)【要約】
【課題】ドライバーのなりすましを防止し、かつアルコール検知器がない場合にも対応可能な点呼用端末等を提供する。
【解決手段】点呼用端末2は、ドライバーの点呼を行うためのものである。点呼用端末2は、運転免許証のICチップに記憶されたデータに基づき、予め登録されたドライバーであるか否かを点呼時に判定する本人確認手段230と、点呼時にアルコール検知器によって測定されたドライバーのアルコール濃度を取得するアルコール検査手段240と、点呼時のアルコール検査を実施するか実施しないかの設定を受け付ける設定受付手段220と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライバーの点呼を行うための点呼用端末であって、
運転免許証のICチップに記憶されたデータに基づき、予め登録されたドライバーであるか否かを点呼時に判定する本人確認手段と、
点呼時にアルコール検知器によって測定されたドライバーのアルコール濃度を取得するアルコール検査手段と、
点呼時のアルコール検査を実施するか実施しないかの設定を受け付ける設定受付手段と、
を備えることを特徴とする点呼用端末。
【請求項2】
前記設定受付手段は、アルコール検査を実施するか実施しないかを設定する前に、認証情報による認証を行い、
且つ、アルコール検査を実施すると設定されている場合に、アルコール検査を実施するか実施しないかを設定する際には、前記認証情報とは別の認証情報による認証を行うことを特徴とする請求項1に記載の点呼用端末。
【請求項3】
前記点呼用端末は、点呼時に所定の確認項目に対する回答の入力を受け付ける確認項目入力受付手段を更に備え、
前記確認項目入力受付手段は、アルコール検査を実施しない場合でも前記回答の入力を受け付けることを特徴とする請求項1に記載の点呼用端末。
【請求項4】
前記点呼用端末は、アルコール検査を含む点呼結果を所定の送信先に送信する送信手段を更に備え、
前記設定受付手段は、前記点呼結果が正常な場合、その点呼結果を点呼時に前記送信先に送信するかしないかを設定可能であり、
前記送信手段は、前記点呼結果が正常でない場合、その点呼結果を点呼時に強制的に前記送信先に送信することを特徴とする請求項1に記載の点呼用端末。
【請求項5】
前記送信手段は、過去の指定期間の前記点呼結果を、点呼履歴として前記送信先に送信することが可能であることを特徴とする請求項4記載の点呼用端末。
【請求項6】
ドライバーの点呼を行うための点呼用端末を、
運転免許証のICチップに記憶されたデータに基づき、予め登録されたドライバーであるか否かを点呼時に判定する本人確認手段と、
点呼時にアルコール検知器によって測定されたドライバーのアルコール濃度を取得するアルコール検査手段と、
点呼時のアルコール検査を実施するか実施しないかの設定を受け付ける設定受付手段と、
を備える点呼用端末として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運送業等で実施されるドライバーの点呼を支援する点呼用端末等に関する。
【背景技術】
【0002】
運送業等の事業者は、ドライバーが車両に乗務する前後に対面等で点呼を実施している。例えば乗務前の出庫時点呼では、運転者からの日常点検の報告、運転者本人の健康状態、酒気帯びの有無についての報告、確認を行い、安全を確保するために必要な指示を行っている。
【0003】
このような点呼業務を支援し、リモート点呼による業務効率化を実現するため、特許文献1には、点呼時の確認項目の回答欄を含む点呼内容記録画面を表示し、各確認項目に対する回答の入力を受け付けるシステムについて開示されている。また特許文献2には、上記画面において点呼の中断を指示する「中断」ボタンを備え、任意のタイミングで点呼の中断を行えるようにしたシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6988527号公報
【特許文献2】特開2020-042328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
飲酒運転の取り締まりを強化するため、道路交通法施行規則が改正され、自家用車と同じ白ナンバープレートの車両を保有する事業者(白ナンバー事業者)も、目視でアルコール検査を行うことが義務付けられる予定となっている。また、将来的にはアルコール検知器を使用した確認も必要となる予定である。
【0006】
こうした状況下でアルコール検知器が品薄になって入手困難となったり、アルコール検知器が故障してしまった場合に、点呼そのものが実施できないのは業務上差し支えがある。また、コンピュータシステムを利用してアルコール検査を実施する場合、なりすまし等の不正が行われるおそれがあり、ドライバー自身の本人確認も重要である。
【0007】
本発明はこのような課題に鑑みてなされたもので、ドライバーのなりすましを防止し、かつアルコール検知器がない場合にも対応可能な点呼用端末等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した課題を解決するための第1の発明は、ドライバーの点呼を行うための点呼用端末であって、運転免許証のICチップに記憶されたデータに基づき、予め登録されたドライバーであるか否かを点呼時に判定する本人確認手段と、点呼時にアルコール検知器によって測定されたドライバーのアルコール濃度を取得するアルコール検査手段と、点呼時のアルコール検査を実施するか実施しないかの設定を受け付ける設定受付手段と、を備えることを特徴とする点呼用端末である。
【0009】
本発明によれば、運転免許証から読み取ったデータを用いてユーザの本人確認を行うため、点呼時のなりすましを防ぐことができる。また、アルコール検知器が入手できない場合等にアルコール検査を非実施として点呼を行うことが可能となり、様々な状況に柔軟に対応可能な点呼用端末を提供できる。
【0010】
前記設定受付手段は、アルコール検査を実施するか実施しないかを設定する前に、認証情報による認証を行い、且つ、アルコール検査を実施すると設定されている場合に、アルコール検査を実施するか実施しないかを設定する際には、前記認証情報とは別の認証情報による認証を行うことが望ましい。
これにより、アルコール検査の設定に関し、実施から非実施に切り替える際には特別の権限を要することとなり、誰でも自由に非実施とはできないため、不正な検査回避を防止する観点から好ましい。
【0011】
前記点呼用端末は、点呼時に所定の確認項目に対する回答の入力を受け付ける確認項目入力受付手段を更に備え、前記確認項目入力受付手段は、アルコール検査を実施しない場合でも前記回答の入力を受け付けることが望ましい。
本発明ではアルコール検査を実施しない場合にも他の点呼業務が実施されるが、その例として、確認項目の回答などが可能である。
【0012】
前記点呼用端末は、アルコール検査を含む点呼結果を所定の送信先に送信する送信手段を更に備え、前記設定受付手段は、前記点呼結果が正常な場合、その点呼結果を点呼時に前記送信先に送信するかしないかを設定可能であり、前記送信手段は、前記点呼結果が正常でない場合、その点呼結果を点呼時に強制的に前記送信先に送信することが望ましい。
これにより点呼結果の報告について柔軟な運用が可能となり、且つ、点呼結果が好ましくない場合には担当者等に強制的に報告されるため、点呼結果の隠滅等の不正を防止できる。
【0013】
前記送信手段は、過去の指定期間の前記点呼結果を、点呼履歴として前記送信先に送信することが可能であることも望ましい。
これにより、点呼時にその結果を送信しない場合でも、ある一定期間の点呼結果を取りまとめて点呼履歴として担当者等に報告することが可能になる。
【0014】
第2の発明は、ドライバーの点呼を行うための点呼用端末を、運転免許証のICチップに記憶されたデータに基づき、予め登録されたドライバーであるか否かを点呼時に判定する本人確認手段と、点呼時にアルコール検知器によって測定されたドライバーのアルコール濃度を取得するアルコール検査手段と、点呼時のアルコール検査を実施するか実施しないかの設定を受け付ける設定受付手段と、を備える点呼用端末として機能させるためのプログラムである。
第2の発明は、第1の発明の点呼用端末のプログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明により、ドライバーのなりすましを防止し、かつアルコール検知器がない場合にも対応可能な点呼用端末等を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図4】管理者データ30、ドライバーデータ40、点呼結果データ50を示す図。
【
図5】点呼用端末2における各種設定等を示すフローチャート。
【
図6】免許証読取画面100と管理者メニュー画面110を示す図。
【
図7】管理者登録等の処理について示すフローチャート。
【
図9】ドライバー登録等の処理について示すフローチャート。
【
図10】ドライバーリスト画面300、ドライバー登録画面310を示す図。
【
図11】各種設定の処理の概略を示すフローチャート。
【
図14】選択画面500と送信項目設定画面510を示す図。
【
図15】デバイス設定の処理を示すフローチャート。
【
図16】選択画面600、パスワード入力画面610、アルコール検査設定画面620を示す図。
【
図17】確認項目設定の処理を示すフローチャート。
【
図19】各種履歴送信の処理を示すフローチャート。
【
図21】点呼用端末2を用いた点呼業務を示すフローチャート。
【
図22】免許証読取画面100、点呼画面120、体温測定画面130、検査画面140を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0018】
(1.点呼システム1)
図1は、本発明の実施形態に係る点呼用端末2を含む点呼システム1を示す図である。点呼システム1は、運送業等でドライバーの点呼を行う際に利用されるシステムであり、点呼用端末2と担当者端末5とがネットワークを介して通信可能に接続される。
【0019】
点呼用端末2は、ドライバーが点呼に用いるコンピュータ端末であり、例えばスマートフォンやタブレット端末等の携帯端末が用いられる。
【0020】
図2は点呼用端末2のハードウェア構成を示す図である。点呼用端末2は、例えば、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24、表示部25、カメラ26、音声入出力部27、ICリーダライタ28、周辺機器I/F(インタフェース)部29等をバスを介して接続した構成を有する。ただし、
図2に示す構成は一例であり、点呼用端末2は用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
【0021】
制御部21は、CPU、ROM、RAM等を有する。CPUは、記憶部22やROM等の記録媒体に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バスを介して接続された各部を制御して点呼用端末2の後述する各処理を実現する。ROMは不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。RAMは揮発性メモリであり、記憶部22やROM等の記録媒体からロードしたプログラムやデータを一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0022】
記憶部22はフラッシュメモリ等であり、制御部21が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS等が格納される。特に本実施形態では、後述する処理を点呼用端末2に実行させるためのアプリケーションプログラム、およびその際に用いる管理者データ、ドライバーデータ、点呼結果データ等が記憶部22に格納される。管理者データ、ドライバーデータ、点呼結果データについては後述する。
【0023】
通信部23は、点呼用端末2の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワークを介した担当者端末5等との通信を行う。
【0024】
入力部24は、表示部25に設けられたタッチパネル等であり、入力されたデータや操作指示を制御部21に送信する。
【0025】
表示部25は、液晶パネル等のディスプレイ等を備え、制御部21の指示に従って後述する各画面をディスプレイに表示する。
【0026】
カメラ26は、例えばCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等の撮像素子を用いたエリアカメラである。カメラ26は、点呼時にアルコール検査を行う際、ドライバーの姿を撮影する。
【0027】
音声入出力部27は、音声の入力に用いるマイクや音声の出力に用いるスピーカを備える。
【0028】
ICリーダライタ28は、アンテナを通じ、運転免許証4のICチップとの間で非接触式の通信を行う。なお、ICリーダライタ28は、周辺機器I/F部29を介して通信可能に接続された外付けのものであってもよい。
【0029】
周辺機器I/F部29は、周辺機器を接続するためのポートであり、USB、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信等を含む。制御部21は、周辺機器I/F部29を介してアルコール検知器3などの周辺機器との間でデータの送受信を行う。
【0030】
アルコール検知器3は、ドライバーの呼気のアルコール濃度を測定する機器である。アルコール検知器3は特に限定されないが、本実施形態では、アルコール濃度の測定の他、体温測定機能を有するものとする。
【0031】
担当者端末5は、点呼業務の担当者が使用するコンピュータ端末であり、例えば制御部、記憶部、通信部等を備えた一般的なパーソナルコンピュータを用いることができる。
【0032】
図3は、点呼用端末2の機能を示す図である。
図3に示すように、点呼用端末2の制御部21は、登録受付手段210、設定受付手段220、本人確認手段230、アルコール検査手段240、確認項目入力受付手段250、送信手段260等を有する。
【0033】
登録受付手段210は、点呼用端末2の制御部21が、ドライバーや管理者の登録および登録内容の変更を受け付けるものである。
【0034】
設定受付手段220は、点呼用端末2の制御部21が、点呼業務に関する各種の設定を受け付けるものである。特に本実施形態では、点呼時のアルコール検査を実施するか実施しないかの設定を受け付けることが可能になっている。
【0035】
本人確認手段230は、点呼用端末2の制御部21が、運転免許証4のICチップに記憶されたデータをICリーダライタ28を用いて読み取り、当該データに基づき本人確認を行うものである。
【0036】
アルコール検査手段240は、点呼用端末2の制御部21が、点呼業務の一環として、アルコール検知器3を用いて測定されたドライバーのアルコール濃度を取得するアルコール検査を実施するものである。
【0037】
確認項目入力受付手段250は、点呼用端末2の制御部21が、点呼業務の一環として、予め設定されている所定の確認項目についてドライバーの回答の入力を受け付けるものである。
【0038】
送信手段260は、点呼用端末2の制御部21が、通信部23を介して担当者端末5に各種のデータを送信するものである。送信するデータは、点呼結果や上記の設定、登録および登録内容の変更に関する報告メール等である。
【0039】
(2.管理者データ30、ドライバーデータ40、点呼結果データ50)
図4(a)は、点呼用端末2の記憶部22に記録される管理者データ30を示す図である。管理者データ30は、点呼用端末2の管理者について、管理者ID31、管理者名32、パスワード33等の管理者情報を記録したものである。
【0040】
図4(b)は、点呼用端末2の記憶部22に記録されるドライバーデータ40を示す図である。ドライバーデータ40は、ドライバーについて、ドライバー名41、運転免許証4の交付年月日42、有効期限43等のドライバー情報を記録したものである。
【0041】
図4(c)は、点呼用端末2の記憶部22に記録される点呼結果データ50を示す図である。点呼結果データ50は、点呼時の確認項目に対する回答51、ドライバーの体温52、アルコール濃度53、ドライバー画像54等の点呼結果を記録したものである。
【0042】
(3.点呼用端末2の処理)
次に、点呼用端末2が実行する処理について説明する。点呼用端末2が実行する処理には、大きく分けて、各種の設定、登録および登録内容の変更(各種設定等という)と点呼業務の2つがあり、以下それぞれについて説明する。ユーザは、点呼用端末2において管理者モードとドライバーモードとを切り替え、管理者として前者の処理を行い、ドライバーとして後者の処理を行うことができる。
【0043】
(3-1;各種設定等)
図5は、点呼用端末2における各種設定等の概略を示すフローチャートである。
図5の各ステップは、点呼用端末2の制御部21が点呼用端末2の各部を制御して実行される。
【0044】
点呼用端末2は、まず、ユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを起動し、免許証読取画面を表示部25に表示させる(S101)。
【0045】
図6(a)は、S101で表示される免許証読取画面100を示す図である。免許証読取画面100には、ドライバー名表示欄101と、運転免許証4を点呼用端末2や外付けのICリーダライタ28にかざす旨のインストラクション102等が表示される。また図中符号103は、管理者として各種設定等を行うためのリンクである。
【0046】
インストラクション102に応じて運転免許証4を点呼用端末2や外付けのICリーダライタ28にかざすと、後述する点呼業務が開始されるが、ここではユーザがリンク103を選択するものとする。これにより、ユーザが管理者として各種設定等を行う管理者モードに移行する。
【0047】
この際、点呼用端末2は、まず表示部25にログイン画面(不図示)を表示し、認証情報として、管理者ID31とパスワード33の入力を受け付ける(S102)。
【0048】
点呼用端末2は、上記認証情報による認証を行った後(S103)、管理者モードにログインし、表示部25に
図6(b)に示す管理者メニュー画面110を表示する(S104)。なお、認証が失敗した場合は、エラー画面(不図示)を表示してログイン画面に戻る。
【0049】
管理者メニュー画面110では、管理者モードにおいて利用できる機能が選択可能に一覧表示される。本実施形態では、「管理者リスト」ボタン111、「ドライバーリスト」ボタン112、「各種設定」ボタン113、「各種履歴送信」ボタン114が選択可能に一覧表示される。その他、管理者メニュー画面110には、ログアウトして免許証読取画面100に戻るためのリンクLOなども表示される。このリンクLOは他の画面でも表示されることがあり、その場合は同じ符号LOを付して説明を省略する。
【0050】
ユーザは、管理者情報の登録または登録内容の変更を行う場合、管理者メニュー画面110において、「管理者リスト」ボタン111を選択する。点呼用端末2は、「管理者リスト」ボタン111が選択されると(S105;Yes)、管理者情報の登録または登録内容の変更に係る処理(管理者登録等という)を行う(S106)。
【0051】
一方、ドライバー情報の登録または登録内容の変更を行う場合は、管理者メニュー画面110において、「ドライバーリスト」ボタン112を選択する。点呼用端末2は、「ドライバーリスト」ボタン112が選択されると(S107;Yes)、ドライバー情報の登録または登録内容の変更に係る処理(ドライバー登録等という)を行う(S108)。
【0052】
また、点呼業務について各種の設定を行う場合は、管理者メニュー画面110において、「各種設定」ボタン113を選択する。点呼用端末2は、「各種設定」ボタン203が選択されると(S109;Yes)、点呼業務についての各種の設定に係る処理(各種設定という)を行う(S110)。
【0053】
また、点呼結果や各種設定等の履歴を送信する場合は、管理者メニュー画面110において、「各種履歴送信」ボタン204を選択する。点呼用端末2は、「各種履歴送信」ボタン204が選択されると(S111;Yes)、点呼結果や各種設定等の履歴の送信に係る処理(各種履歴送信という)を行う(S112)。
【0054】
ユーザは、管理者モードからログアウトする場合、管理者メニュー画面110においてリンクLOを選択する。点呼用端末2は、リンクLOが選択されると、ログアウト(S113)して処理を終了する。
【0055】
以下、前記した管理者登録等(S106)、ドライバー登録等(S108)、点呼業務についての各種設定(S110)、各種履歴送信(S112)の内容について説明する。
【0056】
(3-1-1;管理者登録等)
図7は、S106における管理者登録等の処理について示すフローチャートである。本実施形態では、S106において、まず
図8に示す管理者リスト画面200を表示部25に表示する(S201)。
【0057】
管理者リスト画面200には、管理者ID31と管理者名32が管理者リストとして一覧表示される。その他、管理者リスト画面200には、各管理者についての「詳細」ボタン201、「新規登録」ボタン202等が表示される。図中符号BKは前画面に戻るためのボタン、符号MNは
図6(b)の管理者メニュー画面110に戻るためのボタンである。同様の機能を有するボタンは他の画面でも現れることがあり、その場合は同じ符号BK、MNを付して説明を省略する。
【0058】
ユーザは、管理者の登録を行う場合、「新規登録」ボタン202を選択する(S202;新規登録)。すると、表示部25には管理者登録を行うための管理者登録画面(不図示)が表示され、点呼用端末2は、当該画面上で管理者情報(管理者ID31、管理者名32、パスワード33)の入力を受け付ける(S203)。そして、入力された管理者情報を管理者データ30として登録し(S204)、管理者情報の登録内容を含む報告メールを生成して担当者端末5に送信する(S205)。
【0059】
ユーザは、登録済みの管理者情報を変更する場合、管理者リスト画面200において、変更対象の管理者についての「詳細」ボタン201を選択する(S202;登録内容変更)。すると、表示部25には、管理者情報の変更(削除含む)を行うための変更画面(不図示)が表示され、点呼用端末2は、当該画面上で管理者情報の変更を受け付けて(S206)、管理者情報の登録内容を変更後の内容に更新し(S207)、変更後の内容を含む報告メールを生成して担当者端末5に送信する(S205)。
【0060】
(3-1-2;ドライバー登録等)
図9は、S108におけるドライバー登録等の処理について示すフローチャートである。本実施形態では、S108において、
図10(a)に示すドライバーリスト画面300を表示部25に表示する(S301)。ドライバーリスト画面300には、ドライバー名41がドライバーリストとして一覧表示される。その他、ドライバーリスト画面300には、各ドライバーについての「詳細」ボタン301、「新規登録」ボタン302等が表示される。
【0061】
ユーザは、ドライバーの登録を行う場合、「新規登録」ボタン302を選択する(S302;新規登録)。すると、表示部25には
図10(b)に示すドライバー登録画面310が表示され、点呼用端末2は、当該画面上でドライバー情報(ドライバー名41、運転免許証4の交付年月日42、有効期限43)の入力を受け付ける(S303)。
【0062】
S303において、ユーザは、入力欄311にドライバー名41を入力するとともに、「免許証登録」ボタン313を選択して免許証情報の入力を行う。「免許証登録」ボタン313が選択されると、表示部25には
図6(a)と同様のインストラクション102を行う免許証読取画面(不図示)が表示され、ユーザが運転免許証4を点呼用端末2にかざすと、ICリーダライタ28によって運転免許証4のICチップが読み取られ、運転免許証4の交付年月日42及び有効期限43が
図10(b)の免許証情報表示欄312に入力、表示される。
【0063】
なお、ドライバー登録画面310では、延長有効期限の入力を可能としてもよい。延長有効期限は、緊急事態等が生じた際に運転免許証4の有効期限43が一定期間延長された場合の、延長後の有効期限である。延長有効期限には、元の有効期限43から一定期間より先の日付は入力できないようにし、その日付を超える日付が入力された場合はエラーとする。
【0064】
ユーザがドライバー登録画面310の「登録」ボタン314を選択すると、点呼用端末2は、入力されたドライバー情報(ドライバー名41、交付年月日42、有効期限43、及び入力された場合には延長有効期限)をドライバーデータ40に登録し(S304)、ドライバー情報の登録内容を含む報告メールを生成して担当者端末5に送信する(S305)。なお、S304では、入力欄311や免許証情報表示欄312における空欄の存在、運転免許証4の有効期限43や延長有効期限に対する期限切れなどがある場合、エラーとして登録不可とする。
【0065】
ユーザは、登録済みのドライバー情報を変更する場合、ドライバーリスト画面300において、変更対象のドライバーについての「詳細」ボタン301を選択する(S302;登録内容変更)。すると、表示部25には、ドライバー情報の変更(削除含む)を行うための変更画面(不図示)が表示され、点呼用端末2は、当該画面上でドライバー情報の変更を受け付け(S306)、ドライバー情報の登録内容を変更後の内容に更新し(S307)、変更後の内容を含む報告メールを生成して担当者端末5に送信する(S305)。交付年月日42や有効期限43の変更に関しては、前記と同様、新規の運転免許証4のICチップを点呼用端末2に読み取らせることで、その運転免許証4の交付年月日42や有効期限43を新たな登録内容として更新することができる。
【0066】
(3-1-3;点呼業務についての各種設定)
図11は、S110における各種設定の処理の概略を示すフローチャートである。本実施形態では、S110において、まず
図12に示す選択画面400を表示部25に表示する(S401)。
【0067】
選択画面400には、メール送信の設定を行うための「メール設定」ボタン401、アルコール検知器3等のデバイスの設定を行うための「デバイス設定」ボタン402、点呼時の確認項目の設定を行うための「確認項目設定」ボタン403等が表示される。
【0068】
ユーザは、メール送信に関する設定を行う場合、「メール設定」ボタン401を選択する。点呼用端末2は、「メール設定」ボタン401が選択されると(S402;Yes)、メール送信の設定に係る処理(メール設定という)を行う(S403)。
【0069】
一方、アルコール検知器3等のデバイスの設定を行う場合は、「デバイス設定」ボタン402を選択する。点呼用端末2は、「デバイス設定」ボタン402が選択されると(S404;Yes)、アルコール検知器3等のデバイスの設定に係る処理(デバイス設定という)を行う(S405)。
【0070】
また、点呼時の確認項目の設定を行う場合は、「確認項目設定」ボタン403を選択する。点呼用端末2は、「確認項目設定」ボタン403が選択されると(S406;Yes)、確認項目の設定に係る処理(確認項目設定という)を行う(S407)。
【0071】
以下、メール設定(S403)、デバイス設定(S405)、確認項目設定(S407)のそれぞれの処理について説明する。
【0072】
(S403;メール設定)
図13は、S403におけるメール設定の処理を示すフローチャートである。本実施形態では、S403において、まず表示部25に
図14(a)に示す選択画面500を表示する(S4030)。
【0073】
選択画面500には、メールの送信先(担当者端末5)の設定を行うための「送信先設定」ボタン501、送信サーバに関する設定を行うための「送信サーバ設定」ボタン502、送信項目を設定するための「送信項目設定」ボタン503等が選択可能に表示される。
【0074】
ここで、「送信先設定」ボタン501が選択されると(S4031;Yes)、表示部25には送信先のメールアドレスを設定するための設定画面(不図示)が表示され、点呼用端末2は、当該画面上でメールアドレスの設定を受け付ける(S4032)。
【0075】
一方、「送信サーバ設定」ボタン502が選択された場合は(S4033;Yes)、表示部25に送信サーバに関する設定(SSL;Secure Socket Layerの使用、不使用など)を行うための設定画面(不図示)が表示され、点呼用端末2は、当該画面上でこれらの設定を受け付ける(S4034)。
【0076】
「送信項目設定」ボタン503が選択された場合は(S4035;Yes)、表示部25に
図14(b)に示す送信項目設定画面510が表示され、点呼用端末2は、画面上の各送信項目について送信先に報告メールを自動送信するか否かの設定を受け付ける(S4036)。
【0077】
送信項目には、例えば点呼の正常完了時の報告メール(後述するS616)、新規管理者登録および管理者情報変更時の報告メール(S205)、新規ドライバー登録およびドライバー情報変更時の報告メール(S305)、本フローで報告メールの自動送信の有無を設定した際の報告メール(後述するS4038)、点呼時の確認項目の設定を行った際の報告メール(後述するS4073)、体温測定およびアルコール検査を実施するか否かの設定を行った際の報告メール(後述するS4059)等が含まれ、これらの送信項目ごとにON(送信する)、OFF(送信しない)の設定を行うための設定欄511が設けられる。
【0078】
ユーザは、設定欄511にてON、OFFを設定したうえで「保存」ボタン512を選択することで、後述するS4037の処理に移行する。なお、初期設定ではすべての送信項目についてONに設定されており、本実施形態の説明も、各送信項目の報告メールを担当者端末5に自動送信するものとして行っている。
【0079】
以上によりメールの送信先、送信サーバ、送信項目等の設定が行われると、点呼用端末2はそれらの設定内容を記憶部22に記録し(S4037)、当該設定内容を含む報告メールを担当者端末5に送信する(S4038)。
【0080】
(S405;デバイス設定)
図15は、S405におけるデバイス設定の処理を示すフローチャートである。本実施形態では、S405において、表示部25に
図16(a)に示す選択画面600を表示する(S4050)。この選択画面600では、「体温測定有無設定」ボタン601、「アルコール検査設定」ボタン602等が選択可能に表示される。
【0081】
選択画面600において、「体温測定有無設定」ボタン601が選択されると(S4051;Yes)、点呼用端末2は、体温測定有無設定画面(不図示)を表示部25に表示し、体温測定の有無(実施するか実施しないか)の設定を受け付ける(S4052)。
【0082】
一方、「アルコール検査設定」ボタン602が選択されると(S4053;Yes)、点呼用端末2は、現在のアルコール検査設定の内容がON(実施する)の場合(S4054;ON)、
図16(b)に示すパスワード入力画面610を表示し、認証情報として、パスワード入力欄611へのパスワードの入力を受け付ける(S4055)。入力すべきパスワードは、アルコール検査の設定変更用のパスワードであり、例えば、担当者が設定したパスワードとして記憶部22に記憶されている。このパスワードは、管理者モードにログインする際のパスワード33とは異なるものである。
【0083】
点呼用端末2は、パスワードによる認証を行った後(S4056)、
図16(c)に示すアルコール検査設定画面620を表示する。なお、認証が失敗する場合は、エラー画面(不図示)を表示し、パスワードの再入力を受け付ける。
【0084】
アルコール検査設定画面620では、アルコール検査のON(実施する)、OFF(実施しない)を設定欄621で設定でき、点呼用端末2は、その設定を受け付ける(S4057)。
【0085】
一方、現在のアルコール検査設定の内容がOFFの場合(S4054;OFF)は、パスワードによる認証無しにアルコール検査設定画面620を表示し、ユーザによるON、OFFの設定を受け付ける(S4057)。
【0086】
以上により体温測定、アルコール検査について実施するか実施しないかの設定が行われると、点呼用端末2はそれらの設定内容を記憶部22に記録し(S4058)、当該設定内容を含む報告メールを担当者端末5に送信する(S4059)。
【0087】
(S407;確認項目設定)
図17は、S407における確認項目設定の処理を示すフローチャートである。本実施形態では、S407において、まず
図18に示す確認項目一覧画面700を表示する(S4070)。確認項目一覧画面700には、点呼時の確認項目701が一覧表示される。
【0088】
確認項目一覧画面700において、「変更」ボタン702が選択されると、表示部25には設定画面(不図示)が表示され、点呼用端末2は、当該画面上で確認項目701の変更、追加、削除等の設定を受け付ける(S4071)。そして、その設定内容を記憶部22に記録し(S4072)、当該設定内容を含む報告メールを担当者端末5に送信する(S4073)。
【0089】
(3-1-4.各種履歴送信)
図19は、
図5のS112における各種履歴送信の処理を示すフローチャートである。本実施形態では、S112において、まず
図20に示す選択画面800を表示部25に表示する(S501)。選択画面800には、ドライバーの点呼結果の履歴を送信するための「ドライバー履歴」ボタン801、各種設定等の履歴を送信するための「設定履歴」ボタン802等が表示される。
【0090】
「ドライバー履歴」ボタン801が選択された場合(S502;ドライバー履歴)、点呼用端末2は、過去の期間を指定するための期間指定画面(不図示)を表示部25に表示し、当該画面上で期間の指定を受け付け(S503)、指定期間に記録された点呼結果(点呼履歴という)を担当者端末5にメール送信する(S504)。
【0091】
「設定履歴」ボタン802が選択された場合(S502;設定履歴)も、点呼用端末2は、過去の期間を指定するための期間指定画面(不図示)を表示部25に表示し、当該画面上で期間の指定を受け付け(S505)、指定期間に行われた各種設定等の履歴を担当者端末5にメール送信する(S506)。
【0092】
以上が、ユーザが管理者モードとして行う処理である。一方、本実施形態では、前記したように、ユーザがドライバーモードとして点呼業務を行うので、その内容を以下説明する。
【0093】
(3-2.点呼業務)
図21は点呼用端末2を用いた点呼業務を示すフローチャートであり、各ステップの処理は点呼用端末2の制御部21が点呼用端末2の各部を制御して実行する。
【0094】
点呼時においても、点呼用端末2はユーザの操作に応じてアプリケーションプログラムを起動し、前記した免許証読取画面100を表示する(S601)。その後、ユーザは運転免許証4を点呼用端末2にかざし、点呼用端末2は、ICリーダライタ28により運転免許証4のICチップから交付年月日42、有効期限43のデータを読み取る(S602)。
【0095】
点呼用端末2は、運転免許証4から読み取った交付年月日42、有効期限43のデータをドライバーデータ40と照合し、上記交付年月日42、有効期限43の組み合わせと一致するレコードがあるか否か、すなわち、ユーザが予め登録されたドライバーであるか否かの判定により、ユーザの本人確認を行う(S603)。
【0096】
本人確認が成功すると、
図22(a)に示すように、免許証読取画面100のドライバー名表示欄101に、上記の交付年月日42、有効期限43の組み合わせに対応するドライバー名41が表示され、本人確認が成功した旨のチェック表示104が行われる。なお、本人確認が失敗する場合にはエラー画面(不図示)を表示して処理を終了する。この際、本人確認の失敗の旨を報告する報告メールを担当者端末5に送信することも可能である。
【0097】
またS603において、運転免許証4の有効期限43または前記の延長有効期限が切れている場合も、エラーとして処理を終了してよい。さらに、運転免許証4から読み取った交付年月日42、有効期限43の組み合わせと一致するレコードがドライバーデータ40に複数存在する場合には、それら複数のレコードのドライバー名41を一覧表示し、ユーザによるドライバー名41の選択を受け付けてもよい。
【0098】
次に、点呼用端末2は、
図22(b)に示す点呼画面120を表示部25に表示する(S604)。点呼画面120には、前記のS407(
図11参照)で設定された確認項目701とその○×による回答欄122、および「回答」ボタン123等が表示される。点呼用端末2は、各確認項目701について、回答欄122での回答の入力を受け付ける(S605)。
【0099】
点呼画面120で「回答」ボタン123が選択されると、点呼用端末2は、回答結果を点呼結果(
図4(c)の回答51)として記憶部22の点呼結果データ50に記録する(S606)。そして、点呼結果に基づいて運転の可否を判定し(S607)、運転を不可とする場合(S607;Nо)は、図示しないエラー画面を表示部25に表示し、点呼結果がエラーであること及びその点呼結果(確認項目に対する回答)を示す報告メールを担当者端末5に送信して(S608)処理を終了する。ドライバーは、この後、担当者による指示を待つことになる。
【0100】
一方、S607において運転を可とする場合(S607;Yes)、点呼用端末2は、アルコール検知器3とのペアリングを開始し(S609)、アルコール検知器3の体温測定機能によりドライバーの体温測定を行う(S610)。
【0101】
図22(c)は、S610において点呼用端末2に表示される体温測定画面130の例である。体温測定画面130では、「測定開始」ボタン131の選択によりアルコール検知器3による体温測定が開始され、アルコール検知器3から取得した体温132が表示されるとともに、測定結果の体温132が点呼結果(
図4(c)の体温52)として記憶部22の点呼結果データ50に記録される(S611)。
【0102】
点呼用端末2は、体温132が所定の閾値未満である場合(S612;Yes)、体温132が正常であるとして体温測定画面130にチェックマーク133を表示し、アルコール検査(S613)に移行する。一方、体温132が所定の閾値以上である場合(S612;No)は、図示しないエラー画面を表示部25に表示し、点呼結果がエラーであること及びその点呼結果(確認項目に対する回答と体温)を示す報告メールを担当者端末5に送信して(S608)処理を終了する。
【0103】
次に、点呼用端末2は、アルコール検知器3によりドライバーのアルコール検査を行う(S613)。S613では、表示部25に
図22(d)に示す検査画面140が表示され、「測定開始」ボタン141の選択によりアルコール検査が開始される。この際、点呼用端末2は、カメラ26を起動してインカメラでユーザを撮影し、カメラ26で撮像している映像142を表示部25に表示する。カメラ26は、ユーザの呼気がアルコール検知器3に吹き付けられ、アルコール濃度の測定が終わるまでユーザの撮影を行う。
【0104】
アルコール濃度の測定が終了すると、点呼用端末2は、アルコール検知器3によって測定されたアルコール濃度を取得するとともに、測定中に撮影した映像142からドライバー画像を静止画として切り出し、
図22(e)に示すようにアルコール濃度143とドライバー画像144を検査画面140に表示する。また、検査結果であるアルコール濃度143とドライバー画像144を、点呼結果(
図4(c)のアルコール濃度53、ドライバー画像54)として点呼結果データ50に記録する(S614)。ドライバー画像144の記録等により、他人によるなりすまし等の不正を防止することができる。
【0105】
点呼用端末2は、アルコール濃度143が所定の閾値未満である場合(S615;Yes)、アルコール濃度143が正常であるとして検査画面140にチェックマーク145を表示し、後述のS616の処理に移行する。一方、アルコール濃度143が所定の閾値以上である場合(S615;Nо)は、図示しないエラー画面を表示部25に表示し、点呼結果がエラーであること及びその点呼結果(確認項目に対する回答、体温、アルコール濃度等)を示す報告メールを担当者端末5に送信して(S608)処理を終了する。
【0106】
こうして本人確認、確認項目の回答、体温測定、アルコール検査を含む点呼業務を全て正常に完了すると、点呼用端末2は、点呼結果が正常であること及びその点呼結果(確認項目の回答、体温、アルコール濃度等)を示す報告メールを担当者端末5に送信し(S616)、処理を終了する。
【0107】
なお、本実施形態ではS616において報告メールを送信しているが、S4036(
図13参照)の設定内容によっては報告メールを送信しない場合もあり、この場合は、S504(
図19参照)の処理により指定期間の点呼結果の履歴をまとめて担当者端末5に送信することができる。ただし、確認項目の回答、体温、アルコール濃度がエラーであり正常でない場合は、S4036の設定に関わらず、S608において常に(強制的に)報告メールが送信される。これにより、点呼用端末2の破壊などによる点呼結果の隠滅を防止する。
【0108】
また、S405(
図11参照)のデバイス設定で体温測定またはアルコール検査、もしくはその双方がOFFに設定されている場合、その設定に応じて、体温測定またはアルコール検査、もしくはその双方の処理が省略される。ただしこの場合でも、アルコール検査や体温測定は別の場所で改めて実施されるものとする。
【0109】
以上説明したように、本実施形態に係る点呼用端末2は、運転免許証4から読み取ったデータを用いてユーザの本人確認を行うため、点呼時のなりすましを防ぐことができる。またアルコール検知器3が入手できない場合等にアルコール検査を非実施として点呼を行うことが可能となり、様々な状況に柔軟に対応可能な点呼用端末2を提供できる。
【0110】
また本実施形態では、管理者ID31やパスワード33を認証情報として入力することで、管理者モードにおいてアルコール検査を実施するか非実施とするかを設定可能であるが、実施から非実施への設定変更の際には、上記の認証情報とは別に、設定変更用のパスワードの入力を必要とする。そのため、アルコール検査の設定に関し、実施から非実施に切り替える際には特別の権限を要することとなり、誰でも自由に非実施とはできないため、不正な検査回避を防止する観点から好ましい。
【0111】
一方で、本実施形態では、アルコール検査を非実施とした場合にも、確認項目701への回答など他の点呼業務を実施することができ、アルコール検査は別の場所等で実施するものの、全体としてリモート点呼による業務効率化につながる。
【0112】
また本実施形態では、アルコール検査を含む点呼業務が正常に完了した場合、その点呼結果を報告メールとして担当者端末5に送信するかしないかを設定可能であり、点呼結果の報告について柔軟な運用が可能となるが、点呼結果が正常でない場合には、その設定に関わらず、強制的に報告メールを担当者端末5に送信することで、点呼結果の隠滅等の不正を防止できる。
【0113】
また本実施形態では、点呼結果を報告メールとして担当者端末5に送信しない場合でも、前記したS112(
図5参照)の処理により、指定期間の点呼結果の履歴をまとめて担当者等に報告することが可能になる。
【0114】
しかしながら、本発明は上記の実施形態に限定されない。例えば本実施形態では体温測定機能を有するアルコール検知器3を用いているが、体温測定機能を有しないアルコール検知器3と体温測定器を別々に用いてアルコール検査と体温測定を行っても良い。
【0115】
また点呼用端末2は、管理者モードやドライバーモードでの処理を行う際に、ドライバーデータ40に記録された運転免許証4の有効期限43を現在の日付と比較し、運転免許証4が有効な残日数を算出して表示部25に画面表示するようにしてもよい。
【0116】
また
図23の点呼システム1aに示すように、複数の点呼用端末2および複数の担当者端末5をサーバ9に通信可能に接続し、確認項目の回答等の点呼結果をサーバ9に送信して点呼結果データ50として記憶させたり、各種設定等の内容をサーバ9に送信して記録させたりしてもよい。
【0117】
これにより、複数の点呼用端末2、2、…から送信された情報がサーバ9に蓄積され、その他の必要な情報を点呼用端末2や担当者端末5から受信、記録することで、所定の形式の帳票を生成し、出力することも可能である。また複数の担当者端末5からサーバ9にアクセス可能とし、各ドライバーの点呼結果等を複数の事業所等で閲覧、管理することも可能となる。
【0118】
また本実施形態では、点呼用端末2がアプリケーションプログラムを実行することで前記の各処理を実行するものとしたが、本発明はこれに限定されず、例えば、アルコール検知器3と通信可能に接続されたスマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等のユーザ端末からウェブサーバ(不図示)が提供するウェブサイトにアクセスし、ウェブサイトを介して前記の各処理を実行する構成としてもよい。この場合、ウェブサーバが
図3の各機能を有する点呼用端末2として機能し、ユーザ端末や担当者端末5との間で必要なデータを送受信して前記した管理者モードやユーザモードでの処理を実行することができる。
【0119】
以上、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0120】
1、1a:点呼システム
2:点呼用端末
3:アルコール検知器
4:運転免許証
5:担当者端末
210:登録受付手段
220:設定受付手段
230:本人確認手段
240:アルコール検査手段
250:確認項目入力受付手段
260:送信手段
30:管理者データ
40:ドライバーデータ
50:点呼結果データ