IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

特開2023-146287ガスメータおよびガスメータ消費電力管理システム
<>
  • 特開-ガスメータおよびガスメータ消費電力管理システム 図1
  • 特開-ガスメータおよびガスメータ消費電力管理システム 図2
  • 特開-ガスメータおよびガスメータ消費電力管理システム 図3
  • 特開-ガスメータおよびガスメータ消費電力管理システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146287
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】ガスメータおよびガスメータ消費電力管理システム
(51)【国際特許分類】
   G01F 3/22 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
G01F3/22 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053397
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】内村 一哉
(72)【発明者】
【氏名】横畑 光男
【テーマコード(参考)】
2F030
【Fターム(参考)】
2F030CB01
2F030CC13
2F030CD08
2F030CE07
2F030CE09
2F030CE17
2F030CE21
2F030CF11
(57)【要約】
【課題】動作不能に至ることを未然に防ぐことが可能なガスメータおよびガスメータ消費電力管理システムを提供する。
【解決手段】ガスメータは、複数の需要家宅の各々に設置されるガスメータであって、加速度を検出する加速度センサと、制御装置と、加速度センサおよび制御装置に電力を供給するバッテリと、を備え、制御装置は、加速度センサにより検出された加速度に基づき通常モードからバッテリにおける消費電力が通常モードよりも大きい少なくとも1つ以上の演算モードに移行し、消費電力に関わる値の積算値が、予め定められた想定積算値を超えた際に警告信号を出力する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の需要家宅の各々に設置されるガスメータであって、
加速度を検出する加速度センサと、
制御装置と、
前記加速度センサおよび前記制御装置に電力を供給するバッテリと、を備え、
前記制御装置は、
前記加速度センサにより検出された加速度に基づき通常モードから前記バッテリにおける消費電力が前記通常モードよりも大きい少なくとも1つ以上の演算モードに移行し、
前記消費電力に関わる値の積算値が、予め定められた想定積算値を超えた際に警告信号を出力する、ガスメータ。
【請求項2】
前記制御装置は、前記積算値として少なくとも1つ以上の前記演算モードにおける前記制御装置の動作時間の積算値が、前記想定積算値として予め定められた想定積算動作時間を超えた際に警告信号を出力する、請求項1に記載のガスメータ。
【請求項3】
前記需要家宅に設置されたガス機器に供給されるガスが通流する流路に設けられて前記流路を通流するガスの流量を計測する計測部と、
前記流路をガスが通流可能な開放状態から前記流路内のガスの流れを遮断する閉鎖状態へと切り替える遮断部と、
前記制御装置の動作時間の前記積算値についての閾値を記憶する記憶部と、をさらに備え、
前記制御装置は、前記演算モードにおける前記制御装置の動作時間の前記積算値が前記閾値に達した際に警告信号を出力又は前記遮断部により前記流路を前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替える、請求項2に記載のガスメータ。
【請求項4】
需要家宅に対応するガスメータおよび前記ガスメータとの間で通信可能なセンターサーバを備えるガスメータ消費電力管理システムであって、
前記ガスメータは、
加速度を検出する加速度センサと、
前記センターサーバとの通信を行う通信部と、
ガスメータ制御部と、
前記加速度センサ、前記通信部および前記ガスメータ制御部に電力を供給するバッテリと、を備え、
前記ガスメータ制御部は、前記加速度センサにより検出された加速度に基づき通常モードから前記バッテリにおける消費電力が前記通常モードよりも大きい少なくとも1つ以上の演算モードに移行し、且つ、前記消費電力に関わる値の積算値を前記センターサーバに送信し、
前記センターサーバは、
前記ガスメータから取得した前記積算値が、予め定められた想定積算値を超えた際に警告信号を出力する警告部を備える、ガスメータ消費電力管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスメータおよびガスメータ消費電力管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、省電力モードおよび当該省電力モードよりも消費電力の大きい演算モードで動作する感震センサが知られている(特許文献1)。この感震センサにおいては、加速度測定部により測定された加速度に基づき地震が発生したと判定される場合に、省電力モードから上記加速度に基づき地震指標値を演算する演算モードに移行する。一方、地震が発生していないと判定される場合には省電力モードに維持される。これにより、動作モードが常に演算モードになることを避けることができ、消費電力の低減に寄与するとのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6666023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ガスメータは屋外に設置されるものであるがゆえ、例えば自動車や列車等の通過による振動、暴風雨による振動、更にはガス流路内をガスが通流する際の共振振動などに起因する多くのノイズの影響を受ける。そのため、これらの予期せぬ振動に基づく加速度の変化をきっかけにして、省電力モードから測定モードへの移行を繰り返すことがある。その結果、消費電力が大きくなってしまうことがあった。このため、ガスメータの電池切れが予期せず起こり動作不能が生じることがあった。
【0005】
そこで、本発明は、動作不能に至ることを未然に防ぐことが可能なガスメータおよびガスメータ消費電力管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のガスメータは、複数の需要家宅の各々に設置されるガスメータであって、加速度を検出する加速度センサと、制御装置と、前記加速度センサおよび前記制御装置に電力を供給するバッテリと、を備え、前記制御装置は、前記加速度センサにより検出された加速度に基づき通常モードから前記バッテリにおける消費電力が前記通常モードよりも大きい少なくとも1つ以上の演算モードに移行し、前記消費電力に関わる値の積算値が、予め定められた想定積算値を超えた際に警告信号を出力するものである。
【0007】
本発明に従えば、加速度センサにより検出された加速度が所定値以上になったときに、通常モードから演算モードに移行し、当該演算モードにおいて上記加速度に基づき地震指標値が算出される。演算モードでは通常モードよりもバッテリの消費電力が大きくなる。例えば自動車や列車の通過による振動等に起因する多くのノイズを受けて加速度センサにより検出される加速度が所定値以上になることが多くなれば、これに伴い演算モードに移行する回数が多くなる。この場合、消費電力に関わる値の積算値が想定積算値を超えた際に警告信号が例えばセンターサーバに出力される。これにより、センターサーバは、消費電力が大きくなって、将来的な早い時期に電気切れが起こりそうなガスメータを早期発見することができる。これによって、ガスメータの電池切れ(バッテリ切れ)が予期せず起こることを防ぐことができ、ガスメータが動作不能に陥ることを未然に防ぐことが可能となる。
【0008】
上記発明において、前記制御装置は、前記積算値として少なくとも1つ以上の前記演算モードにおける前記制御装置の動作時間の積算値が、前記想定積算値として予め定められた想定積算動作時間を超えた際に警告信号を出力してもよい。
【0009】
上記構成に従えば、上記動作時間が増えることにより消費電力が大きくなってしまい、その結果ガスメータの電池切れが予期せず起こることを未然に防ぐことができる。
【0010】
上記発明において、ガスメータは、前記需要家宅に設置されたガス機器に供給されるガスが通流する流路に設けられて前記流路を通流するガスの流量を計測する計測部と、前記流路をガスが通流可能な開放状態から前記流路内のガスの流れを遮断する閉鎖状態へと切り替える遮断部と、前記制御装置の動作時間の前記積算値についての閾値を記憶する記憶部と、をさらに備え、前記制御装置は、前記演算モードにおける前記制御装置の動作時間の前記積算値が前記閾値に達した際に警告信号を出力又は前記遮断部により前記流路を前記開放状態から前記閉鎖状態に切り替えてもよい。
【0011】
上記構成に従えば、演算モードにおける制御装置の動作時間の積算値が閾値に達した際に、警告信号が出力又は遮断部によるガスの流路の遮断が行われる。この場合、ガスメータの電池切れが予期せず起きて当該ガスメータの保安機能が働かなくなる前にガスメータを安全な状態に移行させることができる。
【0012】
本発明のガスメータ消費電力管理システムは、需要家宅に対応するガスメータおよび前記ガスメータとの間で通信可能なセンターサーバを備えるガスメータ消費電力管理システムであって、前記ガスメータは、加速度を検出する加速度センサと、前記センターサーバとの通信を行う通信部と、ガスメータ制御部と、前記加速度センサ、前記通信部および前記ガスメータ制御部に電力を供給するバッテリと、を備え、前記ガスメータ制御部は、前記加速度センサにより検出された加速度に基づき通常モードから前記バッテリにおける消費電力が前記通常モードよりも大きい少なくとも1つ以上の演算モードに移行し、且つ、前記消費電力に関わる値の積算値を前記センターサーバに送信し、前記センターサーバは、前記ガスメータから取得した前記積算値が、予め定められた想定積算値を超えた際に警告信号を出力する警告部を備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、動作不能に至ることを未然に防ぐことが可能なガスメータおよびガスメータ消費電力管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るガスメータを含むガスメータ消費電力管理システムを示すブロック図である。
図2図1のガスメータの構成要素を示すブロック図である。
図3】制御装置の想定動作時間の経時変化線と実動作時間の経時変化線を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係るガスメータ消費電力管理システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態に係るガスメータおよびガスメータ消費電力管理システムについて図面を参照しながら説明する。以下に説明するガスメータおよびガスメータ消費電力管理システムは本発明の一実施形態に過ぎない。従って、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で追加、削除および変更が可能である。
【0016】
(第1実施形態)
図1は本実施形態に係るガスメータ13を含むガスメータ消費電力管理システム100を示すブロック図である。図2図1のガスメータ13の構成要素を示すブロック図である。
【0017】
図1に示すように、ガスメータ消費電力管理システム100はセンターサーバ10および複数の需要家宅20を含む。なお、図1では4つの需要家宅20を例示しているが、地震保安システム100において需要家宅20は複数であればよく、3つ以下であってもよく、5つ以上であってもよい。
【0018】
各需要家宅20には、一例として、2つのガス容器11と、切替器12と、ガスメータ13と、2つのガス機器14とが設けられる。需要家宅20の例としては、病院、学校、自治体施設、介護施設、一般家庭および商業施設等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、ガスを使用し得る建物であれば需要家宅20に包含される。
【0019】
ガス容器11はガスボンベとも呼ばれ、当該ガス容器11内にはLPガス(液化石油ガス)等のガスが充填されている。以下の説明では、LPガスを単にガスと記載する。なお、ここでのガス供給は、ガス容器11からガス機器14へガスを供給する態様を例示しているが、地下に埋設された導管を通じて各需要家宅20へガスを供給する態様としてもよい。切替器12は2つのガス容器11のうち一方のガス容器11内のガスが需要家宅20に供給されるようにガス供給路の切り替えを行う。これにより、2つのガス容器11のうち一方のガス容器11内でガス切れが生じても、他方のガス容器11内のガスがガス機器14に供給され得る。
【0020】
ガスメータ13は通信部13aを有する。通信部13aはセンターサーバ10に対して無線により通信を行う機能を有する。通信部13aとセンターサーバ10との無線通信方式としては、例えばインターネットやLAN、又はLPWA(Low Power Wide Area)等の通信ネットワークを用いることができる。通信部13aは、需要家宅20におけるガスの使用量の情報を、使用された日付情報、当該需要家宅20を特定するIDおよび当該需要家宅20の所在地域情報と併せてセンターサーバ10に定期的に送信する。なお、通信部13aは、ガスメータ13に内蔵せず、外付けの子機として構成し、ガスメータ13と通信するようにしてもよい。
【0021】
ガス機器14は、例えばガスコンロ、ガス給湯器、又はガスファンヒーター等であるが、これらに限定されるものではなく、ガスを消費する機器であればガス機器14に包含される。
【0022】
センターサーバ10は、制御装置1と、記憶部4と、通信部5とを有する。制御装置1は、CPU(Central Processing Unit)とプログラムを記憶したメモリ(ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory))とを含むマイクロコントローラ、又は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成される。記憶部4としては各種メモリ又はハードディスク等を用いることができる。
【0023】
図2に示すように、ガスメータ13は上述の通信部13aの他に、制御装置13b、加速度センサ13c、各種情報を記憶する記憶部13d、遮断部13e、計測部13f、バッテリ13hおよび筐体である本体部15を備える。
【0024】
計測部13fは需要家宅20に設置されたガス機器14に供給されるガスが通流する流路13rに設けられる。計測部13fはガス容器11から流路13rを介してガス機器14に供給されるガスの流量を計測する。すなわち、計測部13fは需要家宅20におけるガスの使用量を計測する。一例として、計測部13fはガスが流れる管路内での超音波の伝搬速度から流量を計測する超音波式流量計であってもよい。
【0025】
遮断部13eは流路13rをガスが通流可能な開放状態から流路13r内のガスの流れを遮断する閉鎖状態へと切り替える。バッテリ13hは、通信部13a、制御装置13b、加速度センサ13c、記憶部13d、遮断部13e、および計測部13fにそれぞれ電力を供給する。
【0026】
加速度センサ13cは例えば圧電素子等を用いた公知のセンサである。加速度センサ13cは本体部15内に設けられる。具体的には、加速度センサ13cは例えば本体部15内に設けられたプリント配線基板である制御基板に設けられる。加速度センサ13cは、振動が生じた際に、例えば相互に直交する3軸の各加速度軸における加速度をそれぞれ検出する。
【0027】
記憶部13dは、制御装置13bの実動作時間と比較される想定積算動作時間と閾値を予め記憶する。なお、想定積算動作時間および上記閾値については後述する。
【0028】
制御装置13bは加速度センサ13cにより検出された加速度を受信する。制御装置13bは加速度センサ13cにより検出された加速度が閾値以上になる場合に通常モードから少なくとも1つ以上の演算モードに移行する。本実施形態において演算モードは複数あってもよい。制御装置13bは演算モードにおいて加速度に基づき地震指標値を算出する。制御装置13bは、地震指標値として例えば建物に対してどの程度の被害が生じるかを数値化したものとして一般に用いられるSI(Spectral Intensity)値、震度、マグニチュード、振幅又は変位等、地震の規模を比較可能な各種値を算出することができる。バッテリ13hにおいて上記のような演算モードにおける消費電力は通常モードにおける消費電力よりも大きい。
【0029】
制御装置13bは、演算モードにおける当該制御装置13bの動作時間の積算値が、記憶部13dに記憶されている想定積算動作時間を超えた際に警告信号を出力する。以下、図面を参照しつつ詳しく説明する。
【0030】
図3は制御装置13bの想定動作時間の経時変化線K1と実動作時間の経時変化線K2を示す図である。図3に示すように、想定動作時間の経時変化線K1は経過年数に対して制御装置13bの想定動作時間を対応させたものである。
【0031】
想定動作時間の経時変化線K1は、ガスメータ13の使用開始から例えば10年の時間が経過したときに、制御装置13bの想定動作時間が閾値Tsに達するように定められる。
【0032】
制御装置13bは演算モードにおける当該制御装置13bの動作時間を計測する。制御装置13bは、経時変化線K2において演算モードにおける当該制御装置13bの動作時間の積算値が、記憶部13dに記憶されている想定積算動作時間を超えた際に警告信号を出力する。図3では、制御装置13bは時間T1に警告信号を出力する。この警告信号はセンターサーバ10に送信されてもよいし、ガス事業者に送信されてもよい。
【0033】
制御装置13bは演算モードにおける制御装置13bの動作時間の積算値が、記憶部13dに記憶されている閾値Tsに達した時間T2において警告信号を出力する。この警告信号はセンターサーバ10に送信されてもよいし、ガス事業者に送信されてもよい。或いは、制御装置13bは上記の時間T2において遮断部13eにより流路13rを開放状態から閉鎖状態に切り替える。
【0034】
ここで、制御装置13bは加速度センサ13cにより検出された加速度が閾値以上になるときに通常モードから複数の演算モードに移行する場合には、以下の処理を実行する。即ち、制御装置13bは、演算モードごとに、当該制御装置13bの動作時間をそれぞれ積算する。そして、制御装置13bは、演算モードごとに、一の演算モードにおける積算動作時間に重み付けを行って得た積算相当時間が想定積算値を超えた場合に警告等を実行する。上記の重み付けは、例えば、各演算モードにおける消費電力の比率であってもよい。
【0035】
記憶部13dに記憶される上述の閾値Tsは固定値であってもよいし、変動値であってもよい。閾値Tsを変動値とする場合には、例えばセンターサーバ10等の外部との通信の回数等に基づき閾値Tsを変動させることができる。
【0036】
以上述べたように、本実施形態のガスメータ13においては、加速度センサ13cにより検出された加速度が所定値以上になったときに、通常モードから演算モードに移行し、当該演算モードにおいて上記加速度に基づき地震指標値が算出される。演算モードでは通常モードよりも消費電力が大きくなる。例えば自動車や列車の通過による振動等に起因する多くのノイズを受けて加速度センサ13cにより検出される加速度が所定値以上になることが多くなれば、これに伴い演算モードに移行する回数が多くなる。これに対して、ガスメータ13では演算モードにおける制御装置13bの動作時間の積算値が想定積算動作時間を超えた際に警告信号がセンターサーバ10に出力される。これにより、センターサーバ10は、消費電力が大きくなって、将来的な早い時期に電池切れが起こりそうなガスメータ13を早期発見することができる。これによって、ガスメータ13の電池切れが予期せず起こることを防ぐことができ、ガスメータ13が動作不能に陥ることを未然に防ぐことが可能となる。
【0037】
(第2実施形態)
図4は本実施形態に係るガスメータ消費電力管理システム100Aを示すブロック図である。第2実施形態に係るガスメータ消費電力管理システム100Aは基本的に第1実施形態と同じであるが、センターサーバ10が演算モードにおける制御装置13bの動作時間の積算値と想定積算動作時間との比較を行う点で第1実施形態と異なる。なお、以下では、第2実施形態において第1実施形態の構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付与し、特筆する場合を除き説明を省略する。
【0038】
図4に示すように、ガスメータ消費電力管理システム100Aはセンターサーバ10Aおよび複数の需要家宅20を含む。需要家宅20にはガスメータ13Aが設けられる。ガスメータ13Aはガスメータ制御部13gを有する。
【0039】
ガスメータ制御部13gは加速度センサ13cにより検出された加速度を受信する。ガスメータ制御部13gは加速度センサ13cにより検出された加速度が閾値以上になる場合に通常モードから演算モードに移行する。ガスメータ制御部13gは演算モードにおいて加速度に基づき地震指標値を算出する。
【0040】
ガスメータ制御部13gは演算モードにおける当該ガスメータ制御部13gの動作時間を計測する。ガスメータ制御部13gは演算モードにおけるガスメータ制御部13gの動作時間の積算値をセンターサーバ10Aに送信する。
【0041】
センターサーバ10Aは、警告部1Aと、記憶部4と、通信部5とを有する。記憶部4は、ガスメータ13Aのガスメータ制御部13gの実動作時間と比較される想定積算動作時間と閾値を予め記憶する。
【0042】
警告部1Aはガスメータ13Aから通信部5を介して上記動作時間の積算値を取得する。警告部1Aは取得した上記動作時間の積算値が、記憶部4に記憶されている想定積算動作時間を超えた際に警告信号を出力する。この警告信号はガス事業者に送信される。
【0043】
また、警告部1Aは演算モードにおけるガスメータ制御部13gの動作時間の積算値が、記憶部4に記憶されている閾値に達した際にガス事業者に対して警告信号を出力する。或いは、警告部1Aはガスメータ制御部13gの動作時間の積算値が上記閾値に達した際に、遮断部13eにより流路13rを開放状態から閉鎖状態に切り替えるようガスメータ13Aに通知する。
【0044】
本実施形態のガスメータ消費電力管理システム100Aにおいては、センターサーバ10Aは演算モードにおけるガスメータ制御部13gの動作時間の積算値が想定積算動作時間を超えた際に警告信号をガス事業者に出力する。これにより、ガス事業者は、バッテリ13hにおける消費電力が大きくなって、将来的な早い時期に電池切れが起こりそうなガスメータ13を早期発見することができる。これによって、ガスメータ13Aの電池切れが予期せず起こることを防ぐことができ、ガスメータ13Aが動作不能に陥ることを未然に防ぐことが可能となる。
【0045】
(変形例)
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。例えば以下の通りである。
【0046】
上記実施形態では、バッテリ13hにおける消費電力に関わる値の積算値として、演算モードにおける制御装置13bの動作時間の積算値を用いたが、これに限定されるものではない。バッテリ13hにおける消費電力に関わる値の積算値として、演算モードにおける制御装置13bの消費電流等を用いることができる。
【0047】
また、上記実施形態では、2つのガス容器11および2つのガス機器14を例示したが、これに限定されるものではなく、ガス容器11は1つ又は3つ以上でもよく、ガス機器14は1つ又は3つ以上でもよい。
【0048】
さらに、上記実施形態では、ガス容器11にガスの一例としてのLPガス(液化石油ガス)を充填したが、これに限定されるものではなく、ガス容器11に酸素等の他のガスを充填してもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 センターサーバ
13 ガスメータ
13a 通信部
13b 制御装置
13c 加速度センサ
13d 記憶部
13e 遮断部
13f 計測部
13g ガスメータ制御部
13h バッテリ
20 需要家宅
100,100A ガスメータ消費電力管理システム
図1
図2
図3
図4