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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146295
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】モータ及び回転翼装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/10 20060101AFI20231004BHJP
   H02K 7/14 20060101ALI20231004BHJP
   H02K 1/22 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
H02K5/10
H02K7/14 A
H02K1/22 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053418
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100110733
【弁理士】
【氏名又は名称】鳥野 正司
(74)【代理人】
【識別番号】100120846
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 雅也
(72)【発明者】
【氏名】大塚 誠
【テーマコード(参考)】
5H601
5H605
5H607
【Fターム(参考)】
5H601AA12
5H601CC01
5H601CC15
5H601DD02
5H601DD10
5H601DD11
5H601DD18
5H601DD23
5H601DD47
5H601EE18
5H601GA02
5H601GB05
5H601GB12
5H601GB33
5H601GB48
5H601GC02
5H601GC12
5H601JJ05
5H601KK08
5H605AA02
5H605AA03
5H605BB05
5H605BB17
5H605BB19
5H605CC01
5H605DD16
5H605EB10
5H607AA05
5H607AA06
5H607BB01
5H607BB14
5H607BB17
5H607BB25
5H607CC01
5H607DD05
5H607FF04
5H607GG08
(57)【要約】
【課題】防塵防水性に優れたアウターロータ構造のモータ、及びそれを用いた回転翼装置を提供する。
【解決手段】本発明のモータ1は、シャフト4と、2つの軸受6a,6bと、シャフト4に2つの軸受6a,6bのぞれぞれを介して支持された第1のホルダ33及び第2のホルダ34を有するロータ3と、第3のホルダ23、第3のホルダ23を介してシャフト4に支持されたステータコア21、及び、ステータコア21に巻回されたコイル22を有するステータ2と、を備え、ロータ3は、第1のホルダ33及び第2のホルダ34に支持された磁性部材35を備え、第1のホルダ33、第2のホルダ34及び磁性部材35は、外部と区切られた内部空間10を形成しており、ステータ2は、内部空間10にある。また、本発明の回転翼装置は、モータ1と、プロペラと、第1のホルダ33とプロペラとを連結するアタッチメント51と、を有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャフトと、
2つの軸受と、
前記シャフトに前記2つの軸受のぞれぞれを介して支持された第1のホルダ及び第2のホルダを有するロータと、
第3のホルダ、該第3のホルダを介して前記シャフトに支持されたステータコア、及び、該ステータコアに巻回されたコイルを有するステータと、
を備え、
前記ロータは、前記第1のホルダ及び前記第2のホルダに支持された磁性部材を備え、
前記第1のホルダ、前記第2のホルダ及び前記磁性部材は、外部と区切られた内部空間を形成しており、
前記ステータは、前記内部空間にある、モータ。
【請求項2】
前記シャフトは筒状であり、
前記コイルから引き出された引出線は、前記シャフトの内部を通過している、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
軸方向において、前記シャフトの前記第1のホルダ側の端部、及び、前記ステータが、前記第1のホルダと離間した位置にあり、かつ、当該第1のホルダに覆われている、請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項4】
請求項1~3の何れか一項に記載のモータと、
プロペラと、
前記第1のホルダと前記プロペラとを連結するアタッチメントと、
を有する回転翼装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ及び回転翼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドローン(UAV=Unmanned aerial vehicle)には、小型(例えば、直径φ80~130mm程度のサイズ)で高出力のモータが要求される。したがって、ドローンに用いるモータは、出力密度を高くすることが容易で、トルク定数が出しやすいアウターロータ構造を採用するケースが多い(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
一方、ドローンは、屋外で使用されることが多く、ドローンに用いるモータには、防塵性能や防水性能が求められる。しかし、アウターロータ構造は、回転体が外側にある為、固定子と回転子との空間ギャップを覆うことが難しい。また、固定子と回転子との空間ギャップを何らかの部材で覆う構造とした場合、モータ全体として大型化してしまい、総重量も重くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-22326号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、防塵防水性に優れたアウターロータ構造のモータ、及びそれを用いた回転翼装置を提供することを課題の一例とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、例えば、以下の本発明の一態様により解決される。即ち、本発明のモータの一態様は、シャフトと、
2つの軸受と、
前記シャフトに前記2つの軸受のぞれぞれを介して支持された第1のホルダ及び第2のホルダを有するロータと、
第3のホルダ、該第3のホルダを介して前記シャフトに支持されたステータコアと、及び、該ステータコアに巻回されたコイルを有するステータと、
を備え、
前記ロータは、前記第1のホルダ及び前記第2のホルダに支持された磁性部材を備え、
前記第1のホルダ、前記第2のホルダ及び前記磁性部材は、外部と区切られた内部空間を形成しており、
前記ステータは、前記内部空間にある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一例である実施形態にかかるモータの斜視図である。
図2】本発明の一例である実施形態にかかるモータから、アタッチメントと、ロータの上側のホルダと、を除した斜視図である。
図3】本発明の一例である実施形態にかかるモータの縦断面図であり、図4におけるA-A断面図に相当する。
図4】本発明の一例である実施形態にかかるモータの横断面図であり、図3におけるB-B断面図である。
図5】本発明の一例である実施形態にかかるモータの断面斜視図であり、図3におけるB-B断面にかかる断面斜視図に相当する。
図6】本発明の一例である実施形態にかかる回転翼装置の斜視図である。
図7】本発明の一例である実施形態にかかる回転翼装置からプロペラが軸線方向に外れた状態を示す縦分解断面図であり、図6におけるC-C断面図に相当する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態にかかるモータについて、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の一例である実施形態にかかるモータ1の斜視図である。本実施形態の説明において、モータ1の回転軸である軸線x方向において、矢印a方向を上側aとし、矢印b方向を下側bとする。なお、本実施形態の説明において、上側乃至下側と云う時は、図面における上下関係を意味し、重力方向における上下関係とは、必ずしも一致しない。
【0009】
また、図2は、モータ1から、アタッチメント51と、ロータ3の上側aのホルダ33と、を除した斜視図であり、図3は、軸線xを含む断面にかかるモータ1の縦断面図である。さらに、図4は、軸線xと垂直な断面にかかるモータ1の横断面図であり、図5は、図4と同じ断面にかかるモータ1の断面斜視図である。
【0010】
図3は、図4におけるA-A断面図に相当し、図4及び図5は、図3におけるB-B断面図に相当する。本実施形態の説明では、軸線xに垂直な径方向において、軸線xから遠ざかる方向(図4の矢印c方向)を外側cとし、軸線xに向かう方向(図4の矢印d方向)を内側dとする。
【0011】
図1図5に示されるように、本実施形態にかかるモータ1は、シャフト4と、2つの軸受6a,6bと、ロータ3と、ステータ2と、を備える。
ロータ3は、軸受6aを介してシャフト4に支持された上側aの第1のホルダ(以下、「上側ロータホルダ」と称する。)33と、軸受6bを介してシャフト4に支持された下側bの第2のホルダ(以下、「下側ロータホルダ」と称する。)34と、上側ロータホルダ(第1のホルダ)33及び下側ロータホルダ(第2のホルダ)34に支持された磁性部材35を有する。
【0012】
シャフト4は、中空の筒状(本実施形態では円筒状)であり、シャフト4の軸方向が軸線x方向と一致している。シャフト4は、開口する上側aの端部である上端部4aと、開口する下側bの端部である下端部4bと、を有している。シャフト4の周面(側面)には、複数(本実施形態においては3か所)の貫通孔41が設けられている(貫通孔の数に制限はなく、1つだけであっても構わない。)。シャフト4の下端部4b近傍には、ベース52が取り付けられている。
【0013】
ベース52は、中心にシャフト4が嵌め込まれて取り付けられる円形に貫通した開口522を有するドーナツ状の円盤である。開口522の近傍では、上側aの面が上側aに突出した突出部521となっており、下側bの面が上側aに陥没した凹部523となっている。
【0014】
開口522に嵌め込まれたシャフト4の下端部4bは、ベース52の凹部523内に位置している。そして、シャフト4における凹部523の底面524の直下の位置には、スナップリング42が取り付けられ、シャフト4の上下ab方向への移動が規制される。なお、必要に応じ、スナップリング42に代えて金属ワッシャを用いてもよい。
【0015】
ベース52は、モータ1を所望の箇所に取り付けるための部材である。したがって、本実施形態にかかるモータ1において、ステータ2とともに固定子の一部になっている。換言すれば、本実施形態にかかるモータ1において、シャフト4は固定軸であり、回転子を構成する部材は、ロータ3である。
【0016】
ステータ2は、シャフト4に固定された第3のホルダ(以下、「ステータホルダ」と称する。)23と、ステータホルダ23を介してシャフト4に支持されたステータコア21と、ステータコア21に巻回されたコイル22と、を有する。ロータ3は、ステータ2に対して回転する。
【0017】
ステータコア21は、例えば、珪素鋼板等の積層体となっており、シャフト4と同軸上に配された円環部(コア)21bと、円環部21bから外側cへ向かって放射状に延びるように形成される複数のティース部21aと、ティース部21aの外側cの端部で周方向に張り出した突出部21cと、からなる。
【0018】
コイル22は、複数のティース部21aの各々の周囲に巻き回されている。ステータコア21とコイル22とは、絶縁体で形成されたインシュレータ(不図示)によって絶縁されている。なお、インシュレータに代えて、ステータコアの表面に絶縁膜を塗装することで、ステータコアとコイルとを絶縁しても構わない。
【0019】
ステータホルダ23は、筒状の内周部23dと、内周部23dから外側cへ向かって放射状に延びる複数のスポーク部23eと、複数のスポーク部23eの外側cの端部と内周が繋がる円環状の外周部23cと、を有する。ステータホルダ23は、内周部23dの内周面がシャフト4に固定され、外周部23cの外周面がステータコア21の円環部21bの内周面に固定されている。即ち、ステータコア21は、ステータホルダ23を介してシャフト4に支持されている。
【0020】
ステータホルダ23の内周部23dにおける、シャフト4の貫通孔41に対応する箇所には、軸線x方向の上側aの端部の位置が下側bに後退した凹み部23bが設けられている。この凹み部23bによって、シャフト4の貫通孔41の開口面積が、以下に説明する目的に照らして適切な分だけ確保されている。
【0021】
ステータ2におけるコイル22から引き出された引出線(不図示)は、貫通孔41からシャフト4の内部に進み、シャフト4の内部を通過して、シャフト4の下端部4bから外部に導かれる。そして、引出線は、不図示の電源装置や制御装置等に接続されるようになっている。
【0022】
2つの軸受6a,6bは、シャフト4におけるステータホルダ23の上側aと下側bに、内周部23dと接した状態で取り付けられている。ただし、軸受6a,6bと内周部23dとの間は、離間していても構わない。なお、以下の説明において、単に「軸受6」と記載されている場合には、特に断りが無い限り、2つの軸受6a,6bに共通する内容の説明である(軸受6の構成部材である、下記の外輪61、内輪62及びベアリングボール63についても同様である。)。
【0023】
軸受6は、外輪61a,61bと、内輪62a,62bと、外輪61及び内輪62間に介在するベアリングボール63a,63bと、からなる、いわゆるボールベアリングである。ベアリングボール63が外輪61と内輪62との間で転がることにより、外輪61に対する内輪62の回転抵抗が大幅に少なくなるようになっている。軸受6は、その機能から、例えば、鉄等の硬質の金属やセラミックの部材で形成されている。
【0024】
2つの軸受6a,6bの内輪62には、シャフト4が嵌め込まれるとともに固定されている。一方、2つの軸受6a,6bの外輪61a,61bには、ロータ3の上側ロータホルダ33及び下側ロータホルダ34が取り付けられている。したがって、ロータ3は、軸受6aにより、シャフト4に対して回転可能に支持されている。
【0025】
下側ロータホルダ34は、中心に軸受6bが嵌め込まれて取り付けられる円形に貫通した開口341を有するドーナツ状の円盤である。一方、上側ロータホルダ33は、中心に軸受6aが嵌め込まれて取り付けられる円形の凹部331を有する円盤である。上側ロータホルダ33は、凹部331の底332が閉塞されているため、下側ロータホルダ34とは異なり、貫通する開口が無い。
【0026】
上側ロータホルダ33及び下側ロータホルダ34は、軸受6a,6bとの接触部よりも外側cの形状が、上下方向(矢印ab方向)におおよそ対称となっている。また、上側ロータホルダ33及び下側ロータホルダ34は、ともにステータ2と離間した状態になっている。
【0027】
上側ロータホルダ33の凹部331には、軸線x方向において、ステータ2側の端部333と底332との間に段部334が形成されている。この段部334の内周部は、軸受6aの外形の大きさと略同じ大きさである。軸受6aは、この段部334に嵌め込まれ、固定されている。凹部331は、シャフト4の上端部4aを避けるように底332が上側aに後退しており、上端部4aと底332との間は、所定の距離だけ離れている。また、軸線x方向において、シャフト4の上端部4aに対向する位置には、上側ロータホルダ33が位置している。したがって、モータ1において、ステータ2及びシャフト4の上側a全体が、上側ロータホルダ33によって覆われている。
【0028】
上側ロータホルダ33の上側aの面には、回転力を伝える外部部材(後述するドローンの例によれば、プロペラ)を接続するためのアタッチメント51が取り付けられている。なお、アタッチメント51は、モータ1を構成する必須の部品でなくてもよく、ロータがアタッチメント51の機能を備えていても構わない。そのため、後述する、モータ1を用いた回転翼装置8の実施形態において、アタッチメント51について説明する。
【0029】
上側ロータホルダ33及び下側ロータホルダ34の外側cの外周部には、磁性部材35が支持されており、磁性部材35はステータ2を取り囲んだ状態になっている。磁性部材35は、軸線xを軸とする円筒状のロータヨーク32と、ロータヨーク32の内周面に取り付けられたマグネット31と、からなる。
【0030】
ロータヨーク32は、ロータヨーク32内部からの磁界の漏れを防ぐ機能を有し、磁性体により形成されている。ただし、特性上問題がなければ、ロータヨーク32を非磁性体で形成しても構わない。
【0031】
マグネット31は、ステータ2と対向するようにロータヨーク32の内周面に取り付けられている。マグネット31は環状を有しており、N極に着磁された領域と、S極に着磁された領域とが円周方向に沿って一定周期で交互に設けられている。
【0032】
なお、ロータヨーク32が非磁性体で形成されたものであったとしても、ロータヨーク32が磁性部材35の構成部品の1つであることに変わりはない。即ち、マグネット31と、マグネット31を支持するロータヨーク32と、で全体として、モータ1の構造部品としての磁性を示す部材(磁性部材35)を構成しているものと解される。
【0033】
ロータヨーク32は、円筒状(筒状)の主部32eから上側a及び下側bに向けて突出する、それぞれ複数(本実施形態においては、上下それぞれ12か所)の鉤爪状の係止部32a,32bを有する。一方、上側ロータホルダ33及び下側ロータホルダ34には、ロータヨーク32における係止部32a,32bに対応するそれぞれの位置に、係止部32a,32bの鉤爪形状に対応する段差状に切り欠かれた被係止部335,345が設けられている。
【0034】
ロータヨーク32の係止部32a,32bが、それぞれ、上側ロータホルダ33及び下側ロータホルダ34の被係止部335,345に引っ掛かり係止されることで、上側ロータホルダ33及び下側ロータホルダ34にロータヨーク32が固定され、磁性部材35が支持される。
【0035】
本実施形態にかかるモータ1は、既述の引出線を介してコイル22に、制御された所定の電気信号を入力すると、ステータコア21の外周端から生ずる磁気力の変化と、マグネット31の磁界との引力並びに斥力の相互作用によって、ロータ3が軸線xを中心にして回転する。
【0036】
本実施形態においては、係止部32a,32b及び被係止部335,345、並びにその近傍を含め、ロータヨーク32と上側ロータホルダ33との間や、下側ロータホルダ34との間は、隙間なく密閉された状態になっている。したがって、図3に示されるように、上側ロータホルダ33、下側ロータホルダ34及び磁性部材35は、外部と区切られた内部空間10を形成している。本実施形態においては、ステータ2が、この内部空間10にある。
【0037】
つまり、コイル22等の電気部品や電気配線を含むステータ2が、上側ロータホルダ33、下側ロータホルダ34及び磁性部材35に取り囲まれた状態になっている。そのため、外部からの水分や塵埃の侵入が上側ロータホルダ33、下側ロータホルダ34及び磁性部材35によって阻まれる。
【0038】
したがって、本実施形態にかかるモータ1は、アウターロータ構造でありながら、防塵防水性に優れている。しかも、本実施形態にかかるモータ1は、固定子と回転子との空間ギャップを、別途新たな部材を用いずに、回転子を構成する部材で覆っているため、モータ全体としての小型化が可能となり、総重量の増加も抑えられる。
【0039】
なお、内部空間10は、軸受6a,6b自身の部品としての気密性の不完全さや、シャフト4に設けられた貫通孔41の影響等により、完全な密閉空間にはなっていない。この内部空間10が、水分や塵埃の侵入が抑制される程度に外部と区切られていれば、本実施形態による優れた防塵防水性を期待することができる。
【0040】
また、本実施形態にかかるモータ1は、コイル22を含むステータ2がロータ3に取り囲まれた状態になっているが、シャフト4が筒状であり、コイル22から引き出された引出線がシャフト4の内部を通過しているため、当該引出線を外部に導くことができ、防塵防水性能を維持したまま、モータ1として必要なコイル22への給電ができるようになっている。
【0041】
次に、上記本実施形態にかかるモータ1を用いた回転翼装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。回転翼装置8は、例えば、ドローンの浮揚又は推進用の回転翼装置として用いられるものである。ドローンは、通常、回転翼装置を複数(例えば4つ)備えている。
【0042】
図6は、本発明の一例である実施形態にかかる回転翼装置8の斜視図であり、図7は、軸線xを含む断面にかかる回転翼装置8からプロペラ7を軸線x方向に外れたプロペラ7の取り付け前の状態を示す縦分解断面図である。図7は、図6におけるC-C断面図に相当する。
【0043】
図6図7に示されるように、本実施形態にかかる回転翼装置8は、上記実施形態に係るモータ1、プロペラ7、及び、モータ1における上側ロータホルダ(第1のホルダ)33とプロペラ7とを連結するアタッチメント51、を有する。アタッチメント51には、軸線xと同軸上に設けられた円柱状の凸部512と、上側ロータホルダ33に取り付けるための複数のネジ穴513と、外部部材を取り付けるための複数のネジ穴514と、が設けられている。
【0044】
アタッチメント51は、モータ1の上側ロータホルダ33に設けられたネジ穴336にネジ穴513を位置合わせして、両穴が連通した状態にした上で、ネジ等の取付具511により、上側ロータホルダ33に取り付けられる。
【0045】
プロペラ7には、長手方向の中心に孔部71が設けられており、孔部71の軸は、軸線xと一致する。孔部71の周囲には、等間隔に4つの取付孔72が設けられている。図7に示されるように、プロペラ7は、矢印b′方向に移動させて、アタッチメント51の凸部512を孔部71に挿し込む。そして、アタッチメント51のネジ穴514に取付孔72を位置合わせして、両穴が連通した状態にした上で、不図示のネジ等の取付具により、アタッチメント51に取り付けられる。
【0046】
以上のようにして、図6に示される本実施形態にかかる回転翼装置8が得られる。回転翼装置8は、モータ1を駆動させてロータ3を回転させると、アタッチメント51を介してプロペラ7が回転する。
【0047】
本実施形態にかかる回転翼装置8は、防塵防水性に優れるとともに、モータ全体としての小型化が実現でき、重量も抑えられたモータ1を用いているため、屋外で利用し、かつ、飛行のために軽量化が求められるドローンの用途に特に好適である。勿論、それ以外の用途にも採用可能であり、各用途に応じて、本実施形態にかかる回転翼装置8の優れた特性を活かすことができる。
【0048】
以上、本発明のモータ及び回転翼装置について、好ましい実施形態を挙げて説明したが、本発明のモータ及び回転翼装置は、上記の実施形態の構成に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態のモータ1においては、内部空間10を囲う、上側ロータホルダ33、下側ロータホルダ34及び磁性部材35からなる領域は、基本的に外部と遮蔽された状態になっているが、外気孔等の目的で、適宜貫通孔を設けても構わない。そのよな貫通孔を設けたとしても、内部空間10が、水分や塵埃の侵入が抑制される程度に外部と区切られていれば、本実施形態による優れた防塵防水性を期待することができる。
【0049】
また、上記の実施形態のモータ1においては、上側ロータホルダ(第1のホルダ)33及び下側ロータホルダ(第2のホルダ)34とともに、主としてロータヨーク32によって外部と区切って内部空間10を形成する構成を例に挙げたが、本発明はこれに限定されない。
【0050】
例えば、マグネット31として、軸線x方向の長さがロータヨーク32と同じものを用い、ロータヨーク32をこれよりも短い物や孔が開いたも物を用いたり、ロータヨーク無しの磁性部材35とし、マグネット31によって外部と区切って内部空間10を形成する構成としてもよい。
【0051】
その他、当業者は、従来公知の知見に従い、本発明のモータや回転翼装置を適宜改変することができる。かかる改変によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0052】
1…モータ、10…内部空間、2…ステータ、21…ステータコア、21a…ティース部、21b…円環部、21c…突出部、22…コイル、23…ステータホルダ(第3のホルダ)、23b…凹み部、23c…外周部、23d…内周部、23e…スポーク部、3…ロータ、31…マグネット、32…ロータヨーク、32e…主部、32a,32b…係止部、33…上側ロータホルダ(第1のホルダ)、34…下側ロータホルダ(第2のホルダ)、35…磁性部材、331…凹部、332…底、333…端部、334…段部、335,345…被係止部、336…ネジ穴、341…開口、4…シャフト、4a…上端部、4b…下端部、41…貫通孔、42…スナップリング、51…アタッチメント、511…取付具、512…凸部、513…ネジ穴、514…ネジ穴、52…ベース、521突出部、522開口、523凹部、524底面、6,6a,6b…軸受、61a,61b…外輪、62a,62b…内輪、63a,63b…ベアリングボール、7…プロペラ、71…孔部、72…取付孔、8…回転翼装置

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7