(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146296
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】貨幣処理装置、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
G07D 11/24 20190101AFI20231004BHJP
【FI】
G07D11/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053419
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003177
【氏名又は名称】弁理士法人旺知国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平野 伶菜
(72)【発明者】
【氏名】濱田 卓郎
(72)【発明者】
【氏名】白崎 政実
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141BA06
3E141CA16
3E141CB04
3E141FH04
3E141FJ05
3E141GA07
(57)【要約】
【課題】経費の管理に係る手間を低減する。
【解決手段】複数の店舗SPの各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける入出金受付部11と、店舗SP毎に、入出金受付部11が入金を受け付けた非売上金を管理する現金管理部12と、を備える、ことを特徴とする貨幣処理装置1。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサービス区分の各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける受付部と、
前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた非売上金を管理する管理部と、
を備える、
ことを特徴とする貨幣処理装置。
【請求項2】
前記受付部は、
前記複数のサービス区分のうち、一のサービス区分について、
前記管理部の管理する非売上金の在高を超える、
前記一のサービス区分における非売上金の出金を拒否する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の貨幣処理装置。
【請求項3】
前記管理部は、
前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた売上金を管理する、
ことを特徴とする、請求項1または2に記載の貨幣処理装置。
【請求項4】
前記受付部は、
前記複数のサービス区分のうち、一のサービス区分について、
前記管理部の管理する売上金の在高を超える、
前記一のサービス区分における売上金の出金を拒否する、
ことを特徴とする、請求項3に記載の貨幣処理装置。
【請求項5】
前記受付部は、
前記複数のサービス区分の各々における非売上金に含まれる釣銭の入出金を受け付け、
前記管理部は、
前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた釣銭を管理する、
ことを特徴とする、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項6】
前記複数のサービス区分の各々に対して非売上金の入金額の上限値を設定可能な設定部、
を備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至5のうち何れか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項7】
前記複数のサービス区分の各々における非売上金の科目に関する管理項目を設定可能な設定部、
を備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至6のうち何れか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項8】
前記管理部は、
前記複数のサービス区分の各々における非売上金の入出金に関するユーザの権限を管理する、
ことを特徴とする、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の貨幣処理装置。
【請求項9】
貨幣処理装置のプロセッサを、
複数のサービス区分の各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける受付部と、
前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた非売上金を管理する管理部と、
して機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣処理装置、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
店舗等のサービス提供施設において、売上金を管理する貨幣処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術において、サービス提供者は、サービスの提供に係る経費等の非売上金を、貨幣処理装置による売上金の管理とは別個に、例えば、手元管理する必要があった。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、従来の技術と比較して、非売上金の管理に係る手間を低減することを可能とする技術の提供を、解決課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明に係る貨幣処理装置は、複数のサービス区分の各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける受付部と、前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた非売上金を管理する管理部と、を備える、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るプログラムは、貨幣処理装置のプロセッサを、複数のサービス区分の各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける受付部と、前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた非売上金を管理する管理部と、して機能させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来の技術と比較して、経費の管理に係る手間を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る商用施設CFの概要の一例を示す説明図である。
【
図2】貨幣処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】店舗管理テーブルTB1のデータ構成の一例を示す図である。
【
図4】現金管理テーブルTB2のデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】経費管理テーブルTB3のデータ構成の一例を示す図である。
【
図6】金種管理テーブルTB4のデータ構成の一例を示す図である。
【
図7】入出金履歴テーブルTB5のデータ構成の一例を示す図である。
【
図8】ユーザ管理テーブルTB6のデータ構成の一例を示す図である。
【
図9】貨幣処理装置1によるログイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】メニュー画面G1の概要の一例を示す説明図である。
【
図11】メニュー画面G1の概要の一例を示す説明図である。
【
図12】メニュー画面G1の概要の一例を示す説明図である。
【
図13】貨幣処理装置1による売上入金処理の一例を示すフローチャートである。
【
図14】売上入金額入力画面G2の概要の一例を示す説明図である。
【
図15】貨幣処理装置1による釣銭出金処理の一例を示すフローチャートである。
【
図16】貨幣処理装置1による売上回収処理の一例を示すフローチャートである。
【
図17】売上回収額入力画面G4の概要の一例を示す説明図である。
【
図18】貨幣処理装置1による経費入金処理の一例を示すフローチャートである。
【
図19】経費入金額入力画面G5の概要の一例を示す説明図である。
【
図20】貨幣処理装置1による経費出金処理の一例を示すフローチャートである。
【
図21】経費出金額入力画面G6の概要の一例を示す説明図である。
【
図22】貨幣処理装置1による経費科目設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図23】経費科目設定画面G7の概要の一例を示す説明図である。
【
図24】貨幣処理装置1によるユーザ設定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図25】変形例5に係る貨幣処理システムSys-Aの概要の一例を示す説明図である。
【
図26】変形例5に係る貨幣処理装置1Aの構成の一例を示すブロック図である。
【
図27】変形例5に係るサーバ装置9Aの構成の一例を示すブロック図である。
【
図28】変形例6に係る貨幣処理システムSys-Bの概要の一例を示す説明図である。
【
図29】変形例6に係る貨幣処理装置1Bの構成の一例を示すブロック図である。
【
図30】変形例6に係るサーバ装置9Bの構成の一例を示すブロック図である。
【
図31】変形例7に係る貨幣処理システムSys-Cの概要の一例を示す説明図である。
【
図32】変形例7に係るサーバ装置9Cの構成の一例を示すブロック図である。
【
図33】変形例9に係る現金管理テーブルTB2-H1のデータ構成の一例を示す図である。
【
図34】変形例9に係る現金管理テーブルTB2-H2のデータ構成の一例を示す図である。
【
図35】変形例10に係る貨幣処理装置1によるログイン処理の一例を示すフローチャートである。
【
図36】変形例10に係る店舗一覧画面G11の概要の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、各図において、各部の寸法及び縮尺は、実際のものと適宜に異ならせてある。また、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。
【0011】
<A.実施形態>
以下、本発明の実施形態を説明する。
【0012】
<1.貨幣処理装置の概要>
以下、
図1及び
図2を参照しつつ、貨幣処理装置1の概要について説明する。
【0013】
図1は、貨幣処理装置1の設置環境を説明するための説明図である。
【0014】
図1に例示するように、本実施形態において、貨幣処理装置1は、商用施設CFに設置される。ここで、商用施設CFとは、「複合施設」の一例であり、具体的には、ショッピングモール等の複合商業施設、百貨店、または、商店街等のような、サービス提供施設の集合である。
【0015】
図1に例示するように、本実施形態において、商用施設CFには、複数の店舗SPがテナントとして入店している場合を想定する。具体的には、本実施形態では、商用施設CFに対して、M個の店舗SP[1]~SP[M]がテナントとして入店している場合を想定する。ここで、値Mは、「M≧2」を満たす自然数である。
なお、本実施形態において、店舗SPとは、「サービス提供施設」の一例であり、商品の販売、または、役務の提供等の、サービスを行うための施設である。また、以下では、商用施設CFに対してテナントとして入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]のうち、m番目の店舗SPを、店舗SP[m]と称する場合がある。ここで、変数mは、「1≦m≦M」を満たす自然数である。
【0016】
図1に例示するように、店舗SP[m]では、スタッフSTが、商品の販売または役務の提供等のサービスを行い、当該サービスの対価として金銭CSを受領する。そして、スタッフSTは、サービスの対価として受領した金銭CSをレジRGに保管する。その後、スタッフSTは、レジRGに保管されている金銭CSを貨幣処理装置1に入金することで、貨幣処理装置1を用いて当該金銭CSを管理する。すなわち、本実施形態では、スタッフSTが、貨幣処理装置1のユーザとしての役割を有する場合を想定する。
【0017】
なお、以下では、店舗SP[m]に所属し、店舗SP[m]においてサービスを行うスタッフSTを、スタッフST[m]と称する。本実施形態では、店舗SP[m]において、1または複数名のスタッフST[m]が所属している場合を想定する。具体的には、本実施形態では、店舗SP[m]において、Nm名スタッフST[m]が所属している場合を想定する。ここで、値Nmは、「Nm≧1」を満たす自然数である。
また、以下では、店舗SP[m]に属するNm名のスタッフSTのうち、n番目のスタッフSTを、スタッフST[m][n]と称する場合がある。すなわち、以下では、店舗SP[m]に所属するNm名スタッフST[m]を、スタッフST[m][1]~ST[m][Nm]と称する場合がある。ここで、変数nは、「1≦n≦Nm」を満たす自然数である。
また、以下では、店舗SP[m]に設置されたレジRGを、レジRG[m]と称する場合がある。
【0018】
図2は、貨幣処理装置1の構成の一例を示すブロック図である。
【0019】
図2に例示するように、貨幣処理装置1は、制御部10と、記憶部20と、表示操作部30と、通信部40と、情報読取部50と、入出金部60と、現金収納部70と、を備える。
【0020】
表示操作部30は、貨幣処理装置1のユーザからの指示の入力を受け付けると共に、表示領域において各種情報を表示するためのハードウェアである。表示操作部30としては、例えば、タッチパネルを採用することができる。なお、表示操作部30として、貨幣処理装置1のユーザからの指示の入力を受け付ける操作入力装置とは別個に、表示領域において各種情報を表示する表示装置を設けてもよい。
通信部40は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方または双方を介して貨幣処理装置1の外部に存在する外部装置との間の通信を実行するためのハードウェアである。
情報読取部50は、貨幣処理装置1のユーザの有するICカード等の情報記憶媒体から情報を読み取るためのハードウェアである。
【0021】
入出金部60は、貨幣処理装置1の外部から貨幣処理装置1の内部に対して紙幣及び硬貨等の金銭CSを入金すること、並びに、貨幣処理装置1の内部において管理されている金銭CSを貨幣処理装置1の外部に出金すること、を行うためのハードウェアである。
現金収納部70は、入出金部60から入金された金銭CSを収納するためのハードウェアである。
【0022】
制御部10は、貨幣処理装置1の各部を制御するためのハードウェアであり、プロセッサを含んで構成される。ここで、プロセッサは、1または複数のCPU(Central Processing Unit)を含む。但し、プロセッサは、1または複数のCPUに加え、または、1または複数のCPUのうち一部または全部に替えて、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、または、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の、ハードウェアを含んで構成されるものであってもよい。
【0023】
記憶部20は、制御部10が具備するプロセッサの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリと、各種情報を記憶するEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含む。
【0024】
図2に例示するように、記憶部20は、店舗管理情報DSを記憶した店舗管理テーブルTB1と、現金管理情報DCを記憶した現金管理テーブルTB2と、経費管理情報DMを記憶した経費管理テーブルTB3と、金種管理情報DTを記憶した金種管理テーブルTB4と、入出金履歴情報DRを記憶した入出金履歴テーブルTB5と、ユーザ管理情報DUを記憶したユーザ管理テーブルTB6と、を格納している。なお、店舗管理情報DS、現金管理情報DC、経費管理情報DM、金種管理情報DT、入出金履歴情報DR、及び、ユーザ管理情報DUについては後述する。また、記憶部20は、貨幣処理装置1の各部を制御するための制御プログラムPGを記憶している。
【0025】
図2に例示するように、制御部10が具備するプロセッサは、記憶部20に記憶された制御プログラムPGを実行し、当該制御プログラムPGに従って動作することで、入出金受付部11、現金管理部12、及び、管理条件設定部13として機能することが可能である。
【0026】
入出金受付部11(「受付部」の一例)は、入出金部60を制御することで、貨幣処理装置1への金銭CSの入金と、貨幣処理装置1からの金銭CSの出金とを受け付ける。具体的には、入出金受付部11は、表示操作部30を操作する貨幣処理装置1のユーザからの指示の入力に基づいて、入出金部60に対して、貨幣処理装置1への金銭CSの入金と、貨幣処理装置1からの金銭CSの出金とを、実行させる。
【0027】
現金管理部12(「管理部」の一例)は、貨幣処理装置1に入金された金銭CSを管理する。
管理条件設定部13(「設定部」の一例)は、表示操作部30を操作する貨幣処理装置1のユーザからの指示の入力に基づいて、現金管理部12による金銭CSの管理に関する条件を設定する。
【0028】
<2.貨幣処理装置が管理する情報>
以下、
図3乃至
図8を参照しつつ、貨幣処理装置1が管理する各種情報について説明する。
【0029】
<2.1.店舗管理情報DS>
図3は、店舗管理情報DSを記憶する店舗管理テーブルTB1のデータ構成の一例を示す図である。
【0030】
図3に例示するように、店舗管理テーブルTB1は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]と1対1に対応するM個のレコードを有する。店舗管理テーブルTB1が有する各レコードは、店舗IDと、店舗管理情報DSと、を含む。
【0031】
ここで、店舗IDとは、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]の中から、各店舗SP[m]を一意に識別するための識別情報である。
また、店舗管理情報DSとは、例えば、店舗名称情報DS1と、店舗種別情報DS2と、を含む情報である。このうち、店舗名称情報DS1とは、店舗SP[m]の名称を示す情報である。また、店舗種別情報DS2とは、店舗SP[m]の種別を示す情報である。
なお、以下では、店舗管理テーブルTB1が有するM個のレコードのうち、店舗SP[m]に対応するm番目のレコードに記憶された店舗管理情報DSを、店舗管理情報DS[m]と称する場合がある。また、以下では、各種情報が、M個の店舗SP[1]~SP[M]のうち、m番目の店舗SP[m]に対応する情報である場合には、当該情報に対して、添え字[m]を付して表すことがある。
【0032】
<2.2.現金管理情報DC>
図4は、現金管理情報DCを記憶する現金管理テーブルTB2のデータ構成の一例を示す図である。
【0033】
図4に例示するように、現金管理テーブルTB2は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]と1対1に対応するM個のレコードを有する。現金管理テーブルTB2が有する各レコードは、店舗SP[1]~SP[M]の中から店舗SP[m]を一意に識別するための店舗IDと、店舗SP[m]に対応する現金管理情報DC[m]と、を含む。
【0034】
ここで、現金管理情報DC[m]とは、例えば、店舗在高情報DCA[m]と、売上金在高情報DCB[m]と、釣銭在高情報DCC[m]と、経費在高情報DK[m]と、経費科目情報DKK[m]と、を含む情報である。
【0035】
このうち、店舗在高情報DCA[m]とは、店舗SP[m]が貨幣処理装置1に対して入金した金銭CSの総額を示す情報である。本実施形態において、店舗在高情報DCA[m]の示す在高は、以下で説明する売上金在高情報DCB[m]の示す在高と、釣銭在高情報DCC[m]の示す在高と、経費在高情報DK[m]の示す在高との合計である。
また、売上金在高情報DCB[m]とは、店舗SP[m]が貨幣処理装置1に対して入金した金銭CSのうち、店舗SP[m]における売上金の在高を示す情報である。
また、釣銭在高情報DCC[m]とは、店舗SP[m]が貨幣処理装置1に対して入金した金銭CSのうち、店舗SP[m]において準備されている釣銭(釣銭準備金)の在高を示す情報である。
また、経費在高情報DK[m]とは、店舗SP[m]が貨幣処理装置1に対して入金した金銭CSのうち、店舗SP[m]において備品の購入等に用いる経費(小口金)の在高を示す情報である。なお、本実施形態では、「非売上金」の一例が「経費」である場合を説明する。また、本実施形態では、「釣銭」が「非売上金」に含まれない態様を例示して説明する。
【0036】
なお、本実施形態では、店舗SP[m]における経費に対して、用途等に応じて1または複数の科目が設定されている場合を想定する。そして、経費科目情報DKK[m]は、例えば、店舗SP[m]における経費に設定された1または複数の科目と1対1に対応する1または複数の科目IDと、当該1または複数の科目と1対1に対応する1または複数の科目在高情報DKB[m]と、を含む情報である。
【0037】
ここで、科目IDとは、店舗SP[m]における経費に設定された1または複数の科目の中から、各科目を一意に識別するための識別情報である。また、科目在高情報DKB[m]とは、店舗SP[m]における経費の在高のうち、各科目における経費の在高を示す情報である。
【0038】
以下では、店舗SP[m]における経費に対して設定されている科目の個数が、Qm個である場合を想定する。ここで、値Qmは、「Qm≧1」を満たす自然数である。そして、以下では、経費科目情報DKK[m]が有するQm個の科目在高情報DKB[m]を、それぞれ、科目在高情報DKB[m][1]~DKB[m][Qm]と称する場合がある。また、以下では、経費科目情報DKK[m]が有するQm個の科目在高情報DKB[m][1]~DKB[m][Qm]のうち、q番目の科目に対応する科目在高情報DKB[m]を、科目在高情報DKB[m][q]と称する場合がある。ここで、変数qは、「1≦q≦Qm」を満たす自然数である。すなわち、科目在高情報DKB[m][q]は、店舗SP[m]における経費の在高のうち、q番目の科目に対応する経費の在高を示す情報である。
【0039】
<2.3.経費管理情報DM>
図5は、経費管理情報DMを記憶する経費管理テーブルTB3のデータ構成の一例を示す図である。
【0040】
図5に例示するように、経費管理テーブルTB3は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]と1対1に対応するM個のレコードを有する。経費管理テーブルTB3が有する各レコードは、店舗SP[1]~SP[M]の中から店舗SP[m]を一意に識別するための店舗IDと、店舗SP[m]に対応する経費管理情報DM[m]と、を含む。
【0041】
ここで、経費管理情報DM[m]とは、例えば、経費上限情報DL[m]と、経費科目管理情報DX[m]と、を含む情報である。
【0042】
このうち、経費上限情報DL[m]とは、店舗SP[m]における経費として、店舗SP[m]が貨幣処理装置1に入金可能な金銭CSの上限額を示す情報である。
また、経費科目管理情報DX[m]とは、店舗SP[m]における経費に設定されているQm個の科目の各々の管理内容を示す情報である。具体的には、経費科目管理情報DX[m]は、店舗SP[m]における経費に設定されているQm個の科目と1対1に対応するQm個の科目個別管理情報DXXを有する。以下では、経費科目管理情報DX[m]が有するQm個の科目個別管理情報DXXのうち、q番目の科目個別管理情報DXXを、科目個別管理情報DXX[m][q]と称する。
【0043】
ここで、科目個別管理情報DXX[m][q]とは、例えば、店舗SP[m]における経費に設定されているQm個の科目のうちq番目の科目に対応する科目IDと、当該科目IDに対応する科目の名称と、入金上限情報DX1[m][q]と、出金上限情報DX2[m][q]と、科目権限情報DX3[m][q]と、を含む情報である。
【0044】
このうち、入金上限情報DX1[m][q]とは、店舗SP[m]におけるq番目の科目に係る経費として、店舗SP[m]が貨幣処理装置1に入金可能な金銭CSの上限額を示す情報である。なお、本実施形態において、上述した経費上限情報DL[m]は、店舗SP[m]に係るQm個の入金上限情報DX1[m][1]~DX1[m][Qm]の示すQm個の上限額の合計値に設定されていることとする。
【0045】
また、出金上限情報DX2[m][q]とは、店舗SP[m]におけるq番目の科目に係る経費として、店舗SP[m]のスタッフST[m][n]が貨幣処理装置1から出金可能な金銭CSの上限額を示す情報である。具体的には、出金上限情報DX2[m][q]とは、店舗SP[m]のスタッフST[m][n]が、1営業日または1週間等の所定期間において、店舗SP[m]におけるq番目の科目に係る経費として、貨幣処理装置1から出金可能な金銭CSの上限値を示す情報であってもよい。なお、出金上限情報DX2[m][q]の示す上限額は、入金上限情報DX1[m][q]の示す上限額以下の値に設定されることとする。
【0046】
また、科目権限情報DX3[m][q]とは、店舗SP[m]におけるq番目の科目に係る経費の入出金が可能なスタッフST[m][n]の権限を示す情報である。なお、本実施形態では、科目権限情報DX3[m][q]が、店舗SP[m]におけるq番目の科目に係る経費の入出金が可能なスタッフST[m][n]の権限を示す場合を例示するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。科目権限情報DX3[m][q]において、店舗SP[m]におけるq番目の科目に係る経費の入出が可能なスタッフST[m][n]の権限と、店舗SP[m]におけるq番目の科目に係る経費の出金が可能なスタッフST[m][n]の権限とが、異なる権限として、個別に定められてもよい。
【0047】
<2.4.金種管理情報DT>
図6は、金種管理情報DTを記憶する金種管理テーブルTB4のデータ構成の一例を示す図である。
【0048】
図6に例示するように、金種管理テーブルTB4は、貨幣処理装置1において管理可能な複数の金種(例えば、一万円券、五千円券、二千円券、千円券、五百円硬貨、百円硬貨、五十円硬貨、十円硬貨、五円硬貨、及び、一円硬貨)と1対1に対応する複数のレコードを有する。金種管理テーブルTB4が有する各レコードは、金種IDと、金種管理情報DTと、を含む。
【0049】
ここで、金種IDとは、貨幣処理装置1において管理可能な複数の金種の中から、各金種を一意に識別するための識別情報である。
また、金種管理情報DTとは、例えば、金種IDに対応する金種の名称(金種名称)と、金種別数量情報DT1と、金種別在高情報DT2と、を含む情報である。
【0050】
このうち、金種別数量情報DT1とは、貨幣処理装置1内に保管された、金種IDに対応する紙幣または貨幣の数量を示す情報である。また、金種別在高情報DT2とは、貨幣処理装置1内に保管された、金種IDに対応する紙幣または貨幣の金額の合計値を示す情報である。
【0051】
<2.5.入出金履歴情報DR>
図7は、入出金履歴情報DRを記憶する入出金履歴テーブルTB5のデータ構成の一例を示す図である。
【0052】
図7に例示するように、入出金履歴テーブルTB5は、商用施設CFに属するスタッフSTによる貨幣処理装置1に対する全ての入出金操作と1対1に対応する1または複数のレコードを有する。入出金履歴テーブルTB5が有する各レコードは、操作IDと、入出金履歴情報DRと、を含む。
【0053】
ここで、操作IDとは、商用施設CFに属するスタッフSTによる貨幣処理装置1に対する全ての入出金操作の中から、各入出金操作を一意に識別するための識別情報である。
また、入出金履歴情報DRとは、例えば、操作IDに対応する入出金操作を行ったスタッフSTに係るユーザIDと、当該スタッフSTが属する店舗SPに対応する店舗IDと、操作日時情報DR1と、操作種別情報DR2と、取扱金額情報DR3と、取扱金種情報DR4と、を含む情報である。
【0054】
このうち、ユーザIDとは、商用施設CFに属する複数のスタッフSTの中から、各スタッフSTを一意に識別するための識別情報である。
また、操作日時情報DR1とは、操作IDに係る入出金操作が実行された日時を示す情報である。
【0055】
また、操作種別情報DR2とは、例えば、種別IDと、科目IDと、を含む情報である。
ここで、種別IDとは、貨幣処理装置1に対する全ての種類の入出金操作の中から、各入出金操作の種類を一意に識別するための識別情報である。すなわち、本実施形態において、操作種別情報DR2は、操作IDに係る入出金操作の種類に対応する種別IDを含む。なお、本実施形態では、説明の便宜上、貨幣処理装置1に対する入出金操作として、売上金を入金する売上入金操作、釣銭準備金を出金する釣銭出金操作、売上金を回収する売上回収操作、経費を入金する経費入金操作、及び、経費を出金する経費出金操作、の5種類の入出金操作が存在する場合を想定する。
また、本実施形態において、操作種別情報DR2は、種別IDの示す入出金操作が、経費の入出金に係る操作(経費入金操作または経費出金操作)である場合に、当該入出金操作に係る経費の科目に対応する科目IDを含む。なお、本実施形態では、一例として、入出金操作に係る経費の科目が複数存在する場合、操作種別情報DR2には当該複数の科目に対応する複数の科目IDが設定されることとする。また、本実施形態では、一例として、種別IDの示す入出金操作が、売上入金操作である場合等、経費の入出金に係る操作では無い場合に、操作種別情報DR2に含まれる科目IDには「Null値」が設定されることとする。
【0056】
また、取扱金額情報DR3とは、操作IDに係る入出金操作において入出金された金銭CSの金額を示す情報である。
また、取扱金種情報DR4とは、例えば、操作IDに係る入出金操作において入出金された金銭CSに含まれる1または複数の金種に対応する1または複数の金種IDと、操作IDに係る入出金操作において入出金された金銭CSに含まれる各金種の数量と、を示す状である。
【0057】
<2.6.ユーザ管理情報DU>
図8は、ユーザ管理情報DUを記憶するユーザ管理テーブルTB6のデータ構成の一例を示す図である。
【0058】
図8に例示するように、ユーザ管理テーブルTB6は、商用施設CFに属する複数のスタッフSTと1対1に対応する複数のレコードを有する。ユーザ管理テーブルTB6が有する各レコードは、ユーザIDと、ユーザ管理情報DUと、を含む。
【0059】
このうち、ユーザ管理情報DUとは、例えば、ユーザIDに係るスタッフSTの名称(ユーザ名)と、当該スタッフSTの所属する店舗SPに対応する店舗IDと、ユーザ権限情報DUKと、を含む情報である。
ここで、ユーザ権限情報DUKとは、ユーザIDに係るスタッフST(ユーザ)が有する権限を示す情報である。本実施形態では、スタッフSTが有する権限として、店舗SPの担当者に相当する権限である「Rank-B」の権限、店舗SPの管理者に相当する権限である「Rank-A」の権限、及び、商用施設CFの責任者に相当する権限である「Rank-S」の権限の、3種類の権限が存在する場合を、一例として想定する。
なお、本実施形態では、一例として、ユーザIDに係るスタッフSTが、商用施設CFに入店する店舗SP[1]~SP[M]の何れにも属していない場合には、当該ユーザIDに対応するユーザ管理情報DUに含まれる店舗IDには「Null値」が設定されることとする。また、本実施形態では、一例として、商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有するスタッフSTが、店舗SP[1]~SP[M]の何れにも属していない場合を想定する。
【0060】
<3.貨幣処理装置の動作>
本実施形態に係る貨幣処理装置1は、ログイン処理、売上入金処理、釣銭入金処理、釣銭出金処理、売上回収処理、経費入金処理、経費出金処理、経費科目設定処理、及び、ユーザ設定処理、を含む多様な処理を実行することができる。以下、
図9乃至
図24を参照しつつ、貨幣処理装置1が、各種処理を行う場合の動作について説明する。
【0061】
<3.1.ログイン処理>
図9は、貨幣処理装置1が、ログイン処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0062】
ここで、ログイン処理とは、スタッフST(貨幣処理装置1のユーザ)を、貨幣処理装置1にログインさせ、貨幣処理装置1が有する表示操作部30に対して、メニュー画面G1を表示させる処理である。なお、本実施形態では、一例として、貨幣処理装置1の有する表示操作部30に対してスタッフSTが接触した場合に、ログイン処理が開始される場合を想定する。また、本実施形態では、一例として、商用施設CFに属する複数のスタッフSTの各々が、当該スタッフSTに対応するユーザIDが記録されたICカードを所持している場合を想定する。
【0063】
図9に例示するように、ログイン処理が開始されると、制御部10は、表示操作部30に対して、スタッフSTにログインを促すログイン画面G0(図示省略)を表示させる(S101)。
【0064】
次に、制御部10は、情報読取部50が、スタッフSTが有するICカードを検出したか否かを判定する(S103)。
ステップS103における判定の結果が否定の場合、制御部10は、ステップS103の処理を繰り返し実行する。
ステップS103における判定の結果が肯定の場合、制御部10は、情報読取部50がICカードから読み取ったユーザIDを取得する(S105)。
【0065】
次に、制御部10は、ユーザ管理テーブルTB6を参照することで、ステップS105において取得したユーザIDに対応するユーザ管理情報DUを取得する(S107)。
そして、制御部10は、店舗管理テーブルTB1を参照することで、ステップS107において取得したユーザ管理情報DUに含まれる店舗IDに対応する店舗管理情報DSを取得する(S109)。
次に、制御部10は、ステップS107において取得したユーザ管理情報DUと、ステップS109において取得した店舗管理情報DSと、に基づいて、表示操作部30に対して、スタッフSTの有する権限に応じた表示内容を有するメニュー画面G1を表示させる(S111)。
【0066】
以下、
図10乃至
図12を参照しつつ、メニュー画面G1を説明する。
【0067】
図10は、メニュー画面G1のうち、メニュー画面G1-Aの一例を示す図である。ここで、メニュー画面G1-Aとは、貨幣処理装置1にログインしたスタッフSTが、店舗SPの管理者に相当するRank-Aの権限を有している場合に、表示操作部30に表示されるメニュー画面G1である。なお、
図10では、貨幣処理装置1にログインしたスタッフSTが、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]である場合を想定する。
【0068】
図11は、メニュー画面G1のうち、メニュー画面G1-Bの一例を示す図である。ここで、メニュー画面G1-Bとは、貨幣処理装置1にログインしたスタッフSTが、店舗SPの担当者に相当するRank-Bの権限を有している場合に、表示操作部30に表示されるメニュー画面G1である。なお、
図11では、貨幣処理装置1にログインしたスタッフSTが、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]である場合を想定する。
【0069】
図12は、メニュー画面G1のうち、メニュー画面G1-Sの一例を示す図である。ここで、メニュー画面G1-Sとは、貨幣処理装置1にログインしたスタッフSTが、商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有している場合に、表示操作部30に表示されるメニュー画面G1である。なお、
図12では、貨幣処理装置1にログインしたスタッフSTが、M個の店舗SP[1]~SP[M]の何れにも属さないスタッフSTである場合を想定する。
【0070】
図10乃至
図12に例示するように、メニュー画面G1は、スタッフSTに関する情報を表示するスタッフ情報表示領域A11と、スタッフSTが実行可能な操作を選択するための操作メニュー表示領域A12と、貨幣処理装置1からログアウトするためのログアウトボタンB10と、を備える。
【0071】
本実施形態において、制御部10は、スタッフSTが店舗SPに所属する場合に、店舗管理情報DSに基づいて、スタッフ情報表示領域A11のうち領域A111において、スタッフSTの所属する店舗SPの名称を表示させる。また、制御部10は、スタッフSTが店舗SPに所属していない場合に、領域A111において、スタッフSTの所属する商用施設CFの名称を表示させる。
また、制御部10は、ユーザ管理情報DUに基づいて、スタッフ情報表示領域A11のうち領域A112において、スタッフSTの名称(ユーザ名)を表示させる。
また、制御部10は、ユーザ管理情報DUに基づいて、スタッフ情報表示領域A11のうち領域A113において、スタッフSTの有する権限を表示させる。
【0072】
また、本実施形態において、制御部10は、操作メニュー表示領域A12において、スタッフSTが貨幣処理装置1に対して実行を指示することが可能な複数の処理に対応する複数のメニューボタンを表示させる。具体的には、制御部10は、操作メニュー表示領域A12において、貨幣処理装置1に売上入金処理を実行させることを指示し、スタッフSTが売上入金操作を行うことを可能とするための売上入金ボタンB11と、貨幣処理装置1に釣銭出金処理を実行させることを指示し、スタッフSTが釣銭出金操作を行うことを可能とするための釣銭出金ボタンB12と、貨幣処理装置1に売上回収処理を実行させることを指示し、スタッフSTが売上回収操作を行うことを可能とするための売上回収ボタンB13と、貨幣処理装置1に経費入金処理を実行させることを指示し、スタッフSTが経費入金操作を行うことを可能とするための経費入金ボタンB14と、貨幣処理装置1に経費出金処理を実行させることを指示し、スタッフSTが経費出金操作を行うことを可能とするための経費出金ボタンB15と、貨幣処理装置1に経費科目設定処理を実行させることを指示し、スタッフSTが科目に係る設定を行うことを可能とするための経費科目設定ボタンB16と、貨幣処理装置1にユーザ設定処理を実行させることを指示し、スタッフSTがユーザに係る設定を行うことを可能とするためのユーザ設定ボタンB17と、のうち、スタッフSTが実行を指示することが可能な処理に応じたメニューボタンを表示させる。なお、図示は省略するが、制御部10は操作メニュー表示領域A12において、貨幣処理装置1に釣銭入金処理を実行させることを指示し、スタッフSTが釣銭入金処理を行うことを可能とするための釣銭入金ボタンを表示してもよい。
【0073】
本実施形態では、一例として、スタッフSTが店舗SPの管理者に相当するRank-Aの権限を有する場合、スタッフSTは、貨幣処理装置1に対して、売上入金処理と、釣銭出金処理と、経費入金処理と、経費出金処理と、経費科目設定処理とを実行させることができる場合を想定する。このため、制御部10は、
図10に例示するように、スタッフSTが店舗SPの管理者に相当するRank-Aの権限を有する場合、操作メニュー表示領域A12において、売上入金ボタンB11と、釣銭出金ボタンB12と、経費入金ボタンB14と、経費出金ボタンB15と、経費科目設定ボタンB16とを、表示させる。
【0074】
また、本実施形態では、一例として、スタッフSTが店舗SPの担当者に相当するRank-Bの権限を有する場合、スタッフSTは、貨幣処理装置1に対して、売上入金処理と、釣銭出金処理と、経費入金処理と、経費出金処理とを、実行させることができる場合を想定する。このため、制御部10は、
図11に例示するように、スタッフSTが店舗SPの担当者に相当するRank-Bの権限を有する場合、操作メニュー表示領域A12において、売上入金ボタンB11と、釣銭出金ボタンB12と、経費入金ボタンB14と、経費出金ボタンB15とを、表示させる。
【0075】
また、本実施形態では、一例として、スタッフSTが商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有する場合、スタッフSTは、貨幣処理装置1に対して、売上回収処理と、ユーザ設定処理とを、実行させることができる場合を想定する。このため、制御部10は、
図12に例示するように、スタッフSTが商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有する場合、操作メニュー表示領域A12において、売上回収ボタンB13と、ユーザ設定ボタンB17とを、表示させる。
【0076】
<3.2.売上入金処理>
図13は、貨幣処理装置1が、売上入金処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0077】
ここで、売上入金処理とは、店舗SPの売上金を貨幣処理装置1に入金する処理である。本実施形態では、メニュー画面G1において、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]によって売上入金ボタンB11が選択された場合に、売上入金処理が開始される場合を想定する。なお、
図13では、メニュー画面G1(メニュー画面G1-Aまたはメニュー画面G1-B)において、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]が売上入金ボタンB11を選択し、店舗SP[m]の売上金を貨幣処理装置1に入金する場合を想定する。
【0078】
図13に例示するように、制御部10は、売上入金処理が開始されると、表示操作部30に対して売上入金額入力画面G2を表示させる(S201)。
【0079】
図14は、売上入金額入力画面G2の一例を示す図である。ここで、売上入金額入力画面G2とは、貨幣処理装置1にログインしたスタッフST[m][n]が、貨幣処理装置1に入金する店舗SP[m]の売上金の金額を入力するための画面である。
【0080】
図14に例示するように、売上入金額入力画面G2は、上述したスタッフ情報表示領域A11と、スタッフST[m][n]が貨幣処理装置1に入金する予定の売上金の金額を入力するための売上入金額入力領域A22と、貨幣処理装置1への売上金の入金の実行を指示する入金実行ボタンB20と、を備える。
【0081】
本実施形態において、制御部10は、現金管理テーブルTB2に記憶されている現金管理情報DC[m]に含まれる売上金在高情報DCB[m]に基づいて、売上入金額入力領域A22のうち領域A221において、貨幣処理装置1が管理する店舗SP[m]の売上金の在高を表示させる。
また、制御部10は、売上入金額入力領域A22のうち入力領域A222に対して、売上金の入金予定額を入力可能な入力欄を表示させる。そして、制御部10は、スタッフST[m][n]が入力領域A222に表示された入力欄を用いて、売上金の入金予定額を入力した場合、当該入力された入金予定額を表示操作部30から取得する。なお、本実施形態では、店舗SP[m]の売上金を、店舗SP[m]に所属するスタッフST[m][n]が、入力領域A222から手動で入力する場合を例示して説明するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、貨幣処理装置1は、レジRG[m]から、店舗SP[m]の売上金に関する情報を取得してもよい。または、貨幣処理装置1は、レジRG[m]を管理する管理装置から、店舗SP[m]の売上金に関する情報を取得してもよい。更には、貨幣処理装置1は、レジRG[m]を管理する管理装置から、店舗SP[m]における経費に関する情報、及び、店舗SP[m]における釣銭に関する情報の、一方または両方を取得してもよい。
そして、制御部10は、売上入金額入力領域A22のうち領域A223において、領域A221に表示されている店舗SP[m]の売上金の在高と、入力領域A222から入力された店舗SP[m]の売上金の入金予定額との合計値(入金後の売上金の在高)を表示させる。
【0082】
図13に例示するように、制御部10は、売上入金額入力画面G2の入力領域A222に売上金の入金予定額が入力された状態で、売上入金額入力画面G2の入金実行ボタンB20が選択されたか否かを判定する(S203)。
ステップS203における判定の結果が否定の場合、制御部10は、ステップS203の処理を繰り返し実行する。
ステップS203における判定の結果が肯定の場合、制御部10は、表示操作部30に対して、売上入金要求画面G21(図示省略)を表示させる(S205)。ここで、売上入金要求画面G21とは、ステップS201で入力された金額の金銭CSを入出金部60より入金することを、スタッフST[m][n]に対して要求する画面である。
【0083】
次に、制御部10の入出金受付部11は、入出金部60を制御することで、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]からの売上金の入金を受け付ける(S207)。すなわち、本実施形態において、入出金受付部11は、商用施設CFに設けられたM個の店舗SP[1]~SP[M]において、店舗SP毎に区分して、売上金の入金を受け付ける。なお、本実施形態において、店舗SPによる区分は、「サービス区分」の一例である。
【0084】
その後、制御部10の入出金受付部11は、ステップS207において入出金部60より入金された金銭CSが、ステップS201において売上入金額入力画面G2より入力された金額と等しいか否かを判定する(S209)。なお、貨幣処理装置1が、レジRG[m]または管理装置から、店舗SP[m]の売上金に関する情報を取得する場合、入出金受付部11は、レジRG[m]等から取得した情報の示す売上金と、ステップS207において入出金部60より入金された金銭CSとが等しいか否かを判定してもよい。
ステップS209における判定の結果が否定の場合、制御部10は、表示操作部30に対して、売上入金エラー画面G22(図示省略)を表示させ、入出金部60に入金された金銭CSを、入出金部60より返却する(S211)。ここで、売上入金エラー画面G22とは、ステップS207において入出金部60より入金された金銭CSが、ステップS201において売上入金額入力画面G2より入力された金額と異なることを通知するための画面である。
【0085】
ステップS209における判定の結果が肯定の場合、制御部10の現金管理部12は、ステップS201において売上入金額入力画面G2より入力された金額、または、ステップS207において入出金部60より入金された売上金に基づいて、現金管理テーブルTB2に記憶された現金管理情報DC[m]を更新する(S213)。具体的には、本実施形態において、現金管理部12は、ステップS213において、店舗SP[m]に対応する店舗在高情報DCA[m]の示す在高に対して、入出金部60より入金された売上金の金額を加算し、また、店舗SP[m]に対応する売上金在高情報DCB[m]の示す在高に対して、入出金部60より入金された売上金の金額を加算する。すなわち、本実施形態において、現金管理部12は、商用施設CFに設けられたM個の店舗SP[1]~SP[M]において、店舗SP毎に区分して、入出金受付部11が入金を受け付けた売上金を管理する。
【0086】
また、制御部10の現金管理部12は、ステップS207において入出金部60より入金された売上金に基づいて、金種管理テーブルTB4に記憶された金種管理情報DTを更新する(S215)。具体的には、現金管理部12は、ステップS215において、ステップS207において入出金部60より入金された売上金に含まれる1または複数の金種に対応する1または複数の金種管理情報DTの各々について、金種別数量情報DT1の示す数量に対して、入金された売上金に含まれる当該金種の数量を加算し、金種別在高情報DT2の示す在高に対して、入金された売上金に含まれる当該金種の合計金額を加算する。
【0087】
また、制御部10の現金管理部12は、入出金履歴テーブルTB5に新たにレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、ステップS207において入出金部60より入金された売上金に応じた入出金履歴情報DRを記憶させる(S217)。
具体的には、現金管理部12は、ステップS217において、まず、入出金履歴テーブルTB5に新たなレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、操作IDを付与する。次に、現金管理部12は、ステップS217において、追加したレコードに対して、ステップS207において入出金部60より売上金を入金したスタッフST[m][n]のユーザIDを記憶させ、当該スタッフST[m][n]の属する店舗SP[m]の店舗IDを記憶させ、当該売上金の入金が実行された時刻を操作日時情報DR1として記憶させ、売上入金操作が実行されたことを示す種別IDを含む情報を操作種別情報DR2として記憶させ、当該売上金の金額を取扱金額情報DR3として記憶させ、当該売上金に含まれる1または複数の金種及び各金種の数量を取扱金種情報DR4として記憶させる。
【0088】
その後、制御部10は、表示操作部30に対して、売上入金完了画面G23(図示省略)を表示させ(S219)、売上入金処理を終了させる。ここで、売上入金完了画面G23とは、売上入金処理が完了したことを通知するための画面である。
【0089】
以上のように、本実施形態において、貨幣処理装置1は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]を対象として、店舗SP毎に売上金の入金を受け付け、また、店舗SP毎に売上金を管理する。すなわち、本実施形態によれば、商用施設CFにおける売上金を店舗SP毎に区分して管理することが可能となる。つまり、本実施形態によれば、店舗SP毎に貨幣処理装置1を導入する態様と比較して、商用施設CF及び各店舗SPにおける売上金の管理に係るコストを低減することが可能となる。
【0090】
<3.3.釣銭出金処理及び釣銭入金処理>
図15は、貨幣処理装置1が、釣銭出金処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0091】
ここで、釣銭出金処理とは、店舗SPの釣銭(釣銭準備金)を貨幣処理装置1から出金する処理である。本実施形態では、メニュー画面G1において、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]によって釣銭出金ボタンB12が選択された場合に、釣銭出金処理が開始される場合を想定する。なお、
図15では、メニュー画面G1(メニュー画面G1-Aまたはメニュー画面G1-B)において、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]が釣銭出金ボタンB12を選択し、店舗SP[m]の釣銭準備金を貨幣処理装置1から出金する場合を想定する。
【0092】
図15に例示するように、制御部10は、釣銭出金処理が開始されると、表示操作部30に対して釣銭出金額入力画面G3(図示省略)を表示させる(S301)。ここで、釣銭出金額入力画面G3とは、貨幣処理装置1にログインしたスタッフST[m][n]が、貨幣処理装置1から出金する店舗SP[m]の釣銭準備金の金額と、当該釣銭準備金を構成する1または複数の金種の各々の数量とを、入力するための画面である。
【0093】
図15に例示するように、制御部10の入出金受付部11は、釣銭出金額入力画面G3から入力された釣銭準備金が、出金可能であるか否かを判定する(S303)。具体的には、入出金受付部11は、ステップS303において、以下の第1の釣銭出金条件と、第2の釣銭出金条件との双方が満たされるか否かを判定する。
ここで、第1の釣銭出金条件とは、釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金の金額が、現金管理テーブルTB2に記憶された現金管理情報DC[m]に含まれる釣銭在高情報DCC[m]の示す釣銭準備金の在高以下であるという条件である。
また、第2の釣銭出金条件とは、釣銭出金額入力画面G3より入力された各金種の数量が、金種管理テーブルTB4に記憶された金種管理情報DTに含まれる金種別数量情報DT1の示す数量以下であるという条件である。
【0094】
ステップS303における判定の結果が否定の場合、すなわち、釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金の金額が、釣銭在高情報DCC[m]の示す釣銭準備金の在高を超える場合、または、釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金に含まれる各金種の数量が、金種別数量情報DT1の示す数量を超える場合、入出金受付部11は、釣銭出金入力エラー画面G31(図示省略)を表示する(S305)。ここで、釣銭出金入力エラー画面G31とは、釣銭の出金を拒否する旨を通知するための画面である。
【0095】
ステップS303における判定の結果が肯定の場合、すなわち、釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金の金額が、釣銭在高情報DCC[m]の示す釣銭準備金の在高以下である場合、または、釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金に含まれる各金種の数量が、金種別数量情報DT1の示す数量以下である場合、制御部10の現金管理部12は、ステップS301において釣銭出金額入力画面G3より入力された金額に基づいて、現金管理テーブルTB2に記憶された現金管理情報DC[m]を更新する(S307)。具体的には、本実施形態において、現金管理部12は、ステップS307において、店舗在高情報DCA[m]の示す在高から、釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金の金額を減算し、また、釣銭在高情報DCC[m]の示す在高から、釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金の金額を減算する。すなわち、本実施形態において、現金管理部12は、商用施設CFに設けられたM個の店舗SP[1]~SP[M]において、店舗SP毎に区分して、釣銭準備金を管理する。
【0096】
また、制御部10の現金管理部12は、ステップS301において釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金に含まれる各金種の数量に基づいて、金種管理テーブルTB4に記憶された金種管理情報DTを更新する(S309)。具体的には、現金管理部12は、ステップS309において、釣銭出金額入力画面G3より入力された1または複数の金種に対応する1または複数の金種管理情報DTの各々について、金種別数量情報DT1の示す数量に対して、釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金に含まれる当該金種の数量を減算し、金種別在高情報DT2の示す在高に対して、釣銭出金額入力画面G3より入力された釣銭準備金に含まれる当該金種の合計金額を減算する。
【0097】
次に、制御部10の入出金受付部11は、入出金部60を制御することで、釣銭出金額入力画面G3より入力された金額の釣銭準備金を、貨幣処理装置1から出金させる(S311)。つまり、本実施形態において、入出金受付部11は、店舗SP毎に区分して、釣銭準備金の出金を受け付ける。
【0098】
次に、制御部10の現金管理部12は、入出金履歴テーブルTB5に新たにレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、ステップS311で入出金部60より出金された釣銭準備金に応じた入出金履歴情報DRを記憶させる(S313)。
具体的には、現金管理部12は、ステップS313において、まず、入出金履歴テーブルTB5に新たなレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、操作IDを付与する。次に、現金管理部12は、ステップS313において、追加したレコードに対して、ステップS301において釣銭出金額入力画面G3より釣銭準備金の金額を入力したスタッフST[m][n]のユーザIDを記憶させ、当該スタッフST[m][n]の属する店舗SP[m]の店舗IDを記憶させ、ステップS311において釣銭準備金の出金が実行された時刻を操作日時情報DR1として記憶させ、売上入金操作が実行されたことを示す種別IDを含む情報を操作種別情報DR2として記憶させ、当該釣銭準備金の金額を取扱金額情報DR3として記憶させ、当該釣銭準備金に含まれる1または複数の金種及び各金種の数量を取扱金種情報DR4として記憶させる。
【0099】
その後、制御部10は、表示操作部30に対して、釣銭出金完了画面G32を表示させ(S315)、釣銭出金処理を終了させる。ここで、釣銭出金完了画面G32とは、釣銭出金処理が完了したことを通知するための画面である。
【0100】
以上のように、本実施形態において、貨幣処理装置1は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]を対象として、店舗SP毎に区分して釣銭準備金の出金を受け付け、また、店舗SP毎に区分して釣銭準備金を管理する。すなわち、本実施形態によれば、商用施設CFにおける釣銭準備金を店舗SP毎に区分して管理することが可能となる。つまり、本実施形態によれば、店舗SP毎に貨幣処理装置1を導入する態様と比較して、商用施設CF及び各店舗SPにおける釣銭準備金の管理に係るコストを低減することが可能となる。
【0101】
なお、本実施形態に係る貨幣処理装置1は、上述のとおり、釣銭入金処理を実行する。釣銭入金処理は、例えば、メニュー画面G1において、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]によって釣銭入金ボタンが選択された場合に開始される。
【0102】
釣銭入金処理において、スタッフST[m][n]は、表示操作部30を用いて、貨幣処理装置1に入金する釣銭準備金の金額と、当該釣銭準備金を構成する1または複数の金種の各々の数量とを入力する。そして、釣銭入金処理において、制御部10の入出金受付部11は、スタッフST[m][n]が入出金部60から釣銭準備金を入金した場合、入金された釣銭準備金の金額が、表示操作部30から入力された金額と等しく、且つ、入金された釣銭準備金を構成する1または複数の金種の各々の数量が、表示操作部30から入力された数量と等しいか否かを判定する。そして、当該判定の結果が肯定の場合、制御部10の入出金受付部11は、釣銭準備金の入金を受け付ける。つまり、本実施形態において、入出金受付部11は、店舗SP毎に区分して釣銭準備金の入金を受け付ける。
そして、釣銭準備金が入金された場合、制御部10の現金管理部12は、入金された釣銭準備金に基づいて、現金管理情報DC[m]を更新する。具体的には、制御部10の現金管理部12は、現金管理情報DC[m]のうち釣銭在高情報DCC[m]の示す在高に、入金された釣銭準備金の金額を加算する。つまり、本実施形態において、現金管理部12は、店舗SP毎に区分して釣銭準備金を管理する。また、制御部10の現金管理部12は、釣銭準備金が入金された場合、入金された釣銭準備金に基づいて、金種管理情報DT、及び、入出金履歴情報DRを更新する。
【0103】
<3.4.売上回収処理>
図16は、貨幣処理装置1が、売上回収処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0104】
ここで、売上回収処理とは、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]のうち、一部または全部の店舗SPにおける売上金を貨幣処理装置1から回収(出金)する処理である。本実施形態では、メニュー画面G1において、商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有するスタッフSTによって、売上回収ボタンB13が選択された場合に、売上回収処理が開始される場合を想定する。なお、
図16では、メニュー画面G1(メニュー画面G1-S)において、商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有するスタッフSTが、売上回収ボタンB13を選択し、1または複数の店舗SP[m]における売上金を貨幣処理装置1から回収する場合を想定する。
【0105】
図16に例示するように、制御部10は、売上回収処理が開始されると、表示操作部30に対して売上回収額入力画面G4を表示させる(S401)。
【0106】
図17は、売上回収額入力画面G4の一例を示す図である。ここで、売上回収額入力画面G4とは、Rank-Sの権限を有するスタッフSTが、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]の各々からの売上金の回収額を入力するための画面である。
【0107】
図17に例示するように、売上回収額入力画面G4は、上述したスタッフ情報表示領域A11と、売上回収額入力領域ABと、回収実行ボタンB40と、を備える。
このうち、回収実行ボタンB40は、貨幣処理装置1からの売上金の回収の実行を指示するためのボタンである。
また、売上回収額入力領域ABは、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]と1対1に対応する、M個の個別回収額入力領域ABK[1]~ABK[M]を備える。以下では、M個の個別回収額入力領域ABK[1]~ABK[M]のうち、店舗SP[m]に対応する個別回収額入力領域ABKを、個別回収額入力領域ABK[m]と称する。
【0108】
本実施形態において、制御部10は、現金管理テーブルTB2に記憶されている現金管理情報DC[m]に含まれる売上金在高情報DCB[m]に基づいて、個別回収額入力領域ABK[m]のうち領域ABK1[m]において、貨幣処理装置1が管理する店舗SP[m]の売上金の在高を表示させる。
また、制御部10は、個別回収額入力領域ABK[m]のうち入力領域ABK2[m]に対して、売上金の回収予定額を入力可能な入力欄を表示させる。そして、制御部10は、スタッフSTが入力領域ABK2[m]に表示された入力欄を用いて、売上金の回収予定額を入力した場合、当該入力された回収予定額を表示操作部30から取得する。
そして、制御部10は、個別回収額入力領域ABK[m]のうち領域ABK3[m]において、領域ABK1[m]に表示されている店舗SP[m]の売上金の在高から、入力領域ABK2[m]から入力された店舗SP[m]の売上金の回収予定額を減算した減算値(回収後の売上金の在高)を表示させる。
【0109】
図16に例示するように、制御部10の入出金受付部11は、売上回収額入力画面G4から入力された売上金の回収予定額が、回収可能な金額であるか否かを判定する(S403)。具体的には、入出金受付部11は、ステップS403において、売上回収額入力画面G4より入力された店舗SP[m]における売上金の回収予定額が、現金管理テーブルTB2に記憶された現金管理情報DC[m]に含まれる売上金在高情報DCB[m]の示す売上金の在高以下であるか否かを判定する。
【0110】
ステップS403における判定の結果が否定の場合、すなわち、売上回収額入力画面G4より入力された店舗SP[m]における売上金の回収予定額が、売上金在高情報DCB[m]の示す売上金の在高を超える場合、制御部10は、売上回収入力エラー画面G41(図示省略)を表示する(S405)。ここで、売上回収入力エラー画面G41とは、売上金の出金を拒否する旨を通知するための画面である。
【0111】
ステップS403における判定の結果が肯定の場合、制御部10の現金管理部12は、ステップS401において売上回収額入力画面G4より入力された金額に基づいて、現金管理テーブルTB2に記憶された現金管理情報DC[m]を更新する(S407)。具体的には、本実施形態において、現金管理部12は、ステップS407において、店舗在高情報DCA[m]の示す在高から、売上回収額入力画面G4より入力された店舗SP[m]における売上金の回収予定額を減算し、また、売上金在高情報DCB[m]の示す在高から、売上回収額入力画面G4より入力された店舗SP[m]における売上金の回収予定額を減算する。すなわち、本実施形態において、現金管理部12は、商用施設CFに設けられたM個の店舗SP[1]~SP[M]において、店舗SP毎に、売上金を管理する。
【0112】
次に、制御部10の入出金受付部11は、入出金部60を制御することで、売上回収額入力画面G4より入力された金額の店舗SP[m]における売上金を、貨幣処理装置1から回収させる(S409)。すなわち、本実施形態において、入出金受付部11は、店舗SP毎に区分して売上金の出金を受け付ける。なお、入出金受付部11は、売上回収額入力画面G4より入力された店舗SP[m]における売上金の回収予定額が「0円」の場合、売上回収処理において、店舗SP[m]における売上金の回収を行わない。
【0113】
次に、制御部10の現金管理部12は、ステップS409において回収された売上金に含まれる各金種の数量に基づいて、金種管理テーブルTB4に記憶された金種管理情報DTを更新する(S411)。具体的には、現金管理部12は、ステップS411において、ステップS409において回収された売上金に含まれる1または複数の金種に対応する1または複数の金種管理情報DTの各々について、金種別数量情報DT1の示す数量に対して、回収された売上金に含まれる当該金種の数量を減算し、金種別在高情報DT2の示す在高に対して、回収された売上金に含まれる当該金種の合計金額を減算する。
【0114】
次に、制御部10の現金管理部12は、入出金履歴テーブルTB5に新たにレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、ステップS409において回収された売上金に応じた入出金履歴情報DRを記憶させる(S413)。
具体的には、現金管理部12は、ステップS413において、まず、入出金履歴テーブルTB5に新たなレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、操作IDを付与する。次に、現金管理部12は、ステップS413において、追加したレコードに対して、ステップS401において売上回収額入力画面G4より売上金の回収予定額を入力したスタッフSTのユーザIDを記憶させ、当該スタッフSTに応じた店舗IDを記憶させ、ステップS409において売上金の回収が実行された時刻を操作日時情報DR1として記憶させ、売上回収操作が実行されたことを示す種別IDを含む情報を操作種別情報DR2として記憶させ、当該回収された売上金の金額を取扱金額情報DR3として記憶させ、当該回収された売上金に含まれる1または複数の金種及び各金種の数量を取扱金種情報DR4として記憶させる。
【0115】
その後、制御部10は、表示操作部30に対して、売上回収完了画面G42を表示させ(S415)、売上回収処理を終了させる。ここで、売上回収完了画面G42とは、売上回収処理が完了したことを通知するための画面である。
【0116】
以上のように、本実施形態において、貨幣処理装置1は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]を対象として、店舗SP毎に区分して売上金の回収額を区分して管理する。すなわち、本実施形態によれば、商用施設CFにおける売上金を店舗SP毎に区分して管理することが可能となる。つまり、本実施形態によれば、店舗SP毎に貨幣処理装置1を導入する態様と比較して、商用施設CF及び各店舗SPにおける売上金の管理に係るコストを低減することが可能となる。
【0117】
<3.5.経費入金処理>
図18は、貨幣処理装置1が、経費入金処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0118】
ここで、経費入金処理とは、貨幣処理装置1に対して店舗SPにおける経費(小口金)を入金する処理である。本実施形態では、メニュー画面G1において、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]によって経費入金ボタンB14が選択された場合に、経費入金処理が開始される場合を想定する。なお、
図18では、メニュー画面G1(メニュー画面G1-Aまたはメニュー画面G1-B)において、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]が経費入金ボタンB14を選択し、店舗SP[m]の経費(小口金)を貨幣処理装置1に対して入金する場合を想定する。
【0119】
図18に例示するように、制御部10は、経費入金処理が開始されると、表示操作部30に対して経費入金額入力画面G5を表示させる(S501)。
【0120】
図19は、経費入金額入力画面G5の一例を示す図である。ここで、経費入金額入力画面G5とは、貨幣処理装置1にログインしたスタッフST[m][n]が、貨幣処理装置1に入金する店舗SP[m]の経費(小口金)の金額を入力するための画面である。
【0121】
図19に例示するように、経費入金額入力画面G5は、上述したスタッフ情報表示領域A11と、経費入金額入力領域AKと、入金実行ボタンB50と、を備える。
このうち、入金実行ボタンB50は、貨幣処理装置1への経費の入金の実行を指示するためのボタンである。
また、経費入金額入力領域AKは、店舗SP[m]が有するQm個の経費の科目と1対1に対応する、Qm個の個別入金額入力領域AKK[m][1]~AKK[m][Qm]を備える。以下では、Qm個の個別入金額入力領域AKK[m][1]~AKK[m][Qm]のうち、q番目の科目に対応する個別入金額入力領域AKKを、個別入金額入力領域AKK[m][q]と称する。
【0122】
本実施形態において、制御部10は、現金管理テーブルTB2に記憶されている現金管理情報DC[m]に含まれる経費科目情報DKK[m]のうち、科目在高情報DKB[m][q]に基づいて、個別入金額入力領域AKK[m][q]のうち領域AKK1[m][q]において、貨幣処理装置1が管理する店舗SP[m]のq番目の科目に対応する経費の在高を表示させる。
【0123】
また、制御部10は、個別入金額入力領域AKK[m][q]のうち入力領域AKK2[m][q]に対して、経費の入金予定額を入力可能な入力欄を表示させる。そして、制御部10は、スタッフST[m][n]が入力領域AKK2[m][q]に表示された入力欄を用いて、経費の入金予定額を入力した場合、当該入力された入金予定額を表示操作部30から取得する。
【0124】
なお、本実施形態において、制御部10は、経費管理情報DM[m]に含まれる科目個別管理情報DXX[m][q]のうち、科目権限情報DX3[m][q]に基づいて、入力領域AKK2[m][q]に対する入力欄の表示及び非表示を切り替えることとする。具体的には、制御部10は、貨幣処理装置1にログインしているスタッフST[m][n]が、科目権限情報DX3[m][q]の示す、q番目の科目に係る経費を入金する権限を有している場合に限り、入力領域AKK2[m][q]に対して入力欄を表示し、貨幣処理装置1にログインしているスタッフST[m][n]が、科目権限情報DX3[m][q]の示す、q番目の科目に係る経費を入金する権限を有していない場合には、入力領域AKK2[m][q]に対して入力欄を表示しない。つまり、本実施形態において、貨幣処理装置1にログインしているスタッフST[m][n]が、q番目の科目に係る経費を入金する権限を有していない場合には、当該スタッフST[m][n]は、q番目の科目に係る経費の入金予定額を入力できないことになる。
【0125】
そして、制御部10は、個別入金額入力領域AKK[m][q]のうち領域AKK3[m][q]において、領域AKK1[m][q]に表示されている店舗SP[m]の経費の在高と、入力領域AKK2[m][q]から入力された店舗SP[m]の経費の入金予定額とを合計した合計値(入金後の経費の在高)を表示させる。
【0126】
図18に例示するように、制御部10の入出金受付部11は、経費入金額入力画面G5から入力された経費の入金予定額が、入金可能であるか否かを判定する(S503)。具体的には、入出金受付部11は、ステップS503において、経費入金額入力画面G5より入力された店舗SP[m]におけるq番目の科目に対応する経費の入金予定額が、経費管理テーブルTB3に記憶された経費科目管理情報DX[m]に含まれる入金上限情報DX1[m][q]の示す経費の入金限度額以下であるか否かを判定する。
【0127】
ステップS503における判定の結果が否定の場合、すなわち、経費入金額入力画面G5より入力された店舗SP[m]におけるq番目の科目に対応する経費の入金予定額が、入金上限情報DX1[m][q]の示す経費の入金限度額を超える場合、入出金受付部11は、経費入金入力エラー画面G51(図示省略)を表示する(S505)。ここで、経費入金入力エラー画面G51とは、経費の入金を拒否する旨を通知するための画面である。
【0128】
ステップS503における判定の結果が肯定の場合、制御部10は、表示操作部30に対して、経費入金要求画面G52(図示省略)を表示させる(S507)。ここで、経費入金要求画面G52とは、ステップS501で入力された経費の合計額の金銭CSを入出金部60より入金することを、スタッフST[m][n]に対して要求する画面である。
【0129】
次に、制御部10の入出金受付部11は、入出金部60を制御することで、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]からの経費の入金を受け付ける(S509)。すなわち、本実施形態において、入出金受付部11は、商用施設CFに設けられたM個の店舗SP[1]~SP[M]において、店舗SP毎に区分して、経費の入金を受け付ける。換言すれば、本実施形態において、入出金受付部11は、店舗SP毎に区分して、非売上金の入金を受け付ける。
【0130】
その後、制御部10の入出金受付部11は、ステップS509において入出金部60より入金された金銭CSと、ステップS501において経費入金額入力画面G5より入力された1または複数の科目に対応する経費の入金予定額の合計値とが、等しいか否かを判定する(S511)。
ステップS511における判定の結果が否定の場合、制御部10は、表示操作部30に対して、経費入金エラー画面G53(図示省略)を表示させ、入出金部60に入金された金銭CSを、入出金部60より返却する(S513)。ここで、経費入金エラー画面G53とは、ステップS509において入出金部60より入金された金銭CSと、ステップS501において経費入金額入力画面G5より入力された1または複数の科目に対応する経費の入金予定額の合計値とが、異なることを通知するための画面である。
【0131】
ステップS511における判定の結果が肯定の場合、制御部10の現金管理部12は、ステップS501において経費入金額入力画面G5より入力された金額に基づいて、現金管理テーブルTB2に記憶された現金管理情報DC[m]を更新する(S515)。
【0132】
具体的には、本実施形態において、現金管理部12は、ステップS515において、店舗SP[m]に対応する店舗在高情報DCA[m]の示す在高に対して、経費入金額入力画面G5より入力された1または複数の科目に対応する経費の入金予定額の合計値を加算し、また、店舗SP[m]に対応する経費在高情報DK[m]の示す在高に対して、経費入金額入力画面G5より入力された1または複数の科目に対応する経費の入金予定額の合計値を加算する。すなわち、本実施形態において、現金管理部12は、商用施設CFに設けられたM個の店舗SP[1]~SP[M]において、店舗SP毎に区分して、経費を管理する。換言すれば、本実施形態において、現金管理部12は、店舗SP毎に区分して、非売上金を管理する。
【0133】
また、本実施形態において、現金管理部12は、ステップS515において、科目在高情報DKB[m][q]の示す在高に対して、経費入金額入力画面G5より入力された1または複数の科目に対応する経費のうち、入力領域AKK2[m][q]のより入力されたq番目の科目に対応する経費を加算する。すなわち、本実施形態において、現金管理部12は、店舗SP[m]において、科目毎に、経費を管理する。換言すれば、本実施形態において、現金管理部12は、科目毎に区分して、非売上金を管理する。
【0134】
次に、制御部10の現金管理部12は、ステップS509において入金された経費に含まれる各金種の数量に基づいて、金種管理テーブルTB4に記憶された金種管理情報DTを更新する(S517)。具体的には、現金管理部12は、ステップS511において、ステップS509において入金された経費に含まれる1または複数の金種に対応する1または複数の金種管理情報DTの各々について、金種別数量情報DT1の示す数量に対して、入金された経費に含まれる当該金種の数量を減算し、金種別在高情報DT2の示す在高に対して、入金された経費に含まれる当該金種の合計金額を減算する。
【0135】
次に、制御部10の現金管理部12は、入出金履歴テーブルTB5に新たにレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、ステップS509において入金された経費に応じた入出金履歴情報DRを記憶させる(S519)。
具体的には、現金管理部12は、ステップS519において、まず、入出金履歴テーブルTB5に新たなレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、操作IDを付与する。次に、現金管理部12は、ステップS519において、追加したレコードに対して、ステップS501において経費入金額入力画面G5より経費の入金予定額を入力したスタッフST[m][n]のユーザIDを記憶させ、当該スタッフSTに応じた店舗IDを記憶させ、ステップS509において経費の入金が実行された時刻を操作日時情報DR1として記憶させ、経費入金操作が実行されたことを示す種別IDと、入金された経費に対応する1または複数の科目IDと、含む情報を操作種別情報DR2として記憶させ、ステップS509において入金された経費の金額を取扱金額情報DR3として記憶させ、ステップS509において入金された経費に含まれる1または複数の金種及び各金種の数量を取扱金種情報DR4として記憶させる。
【0136】
その後、制御部10は、表示操作部30に対して、経費入金完了画面G54を表示させ(S521)、経費入金処理を終了させる。ここで、経費入金完了画面G54とは、売上回収処理が完了したことを通知するための画面である。
【0137】
このように、本実施形態によれば、貨幣処理装置1は、店舗SP[m]のq番目の科目に対応する経費の入金予定額が、入金上限情報DX1[m][q]の示す経費の入金限度額を超える場合に、経費の入金を拒否する。このため、本実施形態によれば、経費の入金額に制限を設けていない態様と比較して、経費として必要な金額を超える過剰な金銭CSを貨幣処理装置1において管理することを防止し、店舗SP[m]における資金効率を向上させることが可能となる。
【0138】
<3.6.経費出金処理>
図20は、貨幣処理装置1が、経費出金処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0139】
ここで、経費出金処理とは、店舗SP[m]の経費を貨幣処理装置1から出金する処理である。本実施形態では、メニュー画面G1において、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]によって経費出金ボタンB15が選択された場合に、経費出金処理が開始される場合を想定する。なお、
図20では、メニュー画面G1(メニュー画面G1-Aまたはメニュー画面G1-B)において、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]が経費出金ボタンB15を選択し、店舗SP[m]の経費を貨幣処理装置1から出金する場合を想定する。
【0140】
図20に例示するように、制御部10は、経費出金処理が開始されると、表示操作部30に対して経費出金額入力画面G6を表示させる(S601)。
【0141】
図21は、経費出金額入力画面G6の一例を示す図である。ここで、経費出金額入力画面G6とは、貨幣処理装置1にログインしたスタッフST[m][n]が、貨幣処理装置1から出金する店舗SP[m]の経費(小口金)の金額を入力するための画面である。
【0142】
図21に例示するように、経費出金額入力画面G6は、上述したスタッフ情報表示領域A11と、経費出金額入力領域ALと、出金実行ボタンB60と、を備える。
このうち、出金実行ボタンB60は、貨幣処理装置1からの経費の出金の実行を指示するためのボタンである。
また、経費出金額入力領域ALは、店舗SP[m]が有するQm個の経費の科目と1対1に対応する、Qm個の個別出金額入力領域ALK[m][q]~ALK[m][q]を備える。以下では、Qm個の個別出金額入力領域ALK[m][1]~ALK[m][Qm]のうち、q番目の科目に対応する個別出金額入力領域ALKを、個別出金額入力領域ALK[m][q]と称する。
【0143】
本実施形態において、制御部10は、現金管理テーブルTB2に記憶されている現金管理情報DC[m]に含まれる科目在高情報DKB[m][q]に基づいて、個別出金額入力領域ALK[m][q]のうち領域ALK1[m][q]において、貨幣処理装置1が管理する店舗SP[m]のq番目の科目に対応する経費の在高を表示させる。
【0144】
また、制御部10は、個別出金額入力領域ALK[m][q]のうち入力領域ALK2[m][q]に対して、経費の出金予定額を入力可能な入力欄を表示させる。そして、制御部10は、スタッフST[m][n]が入力領域ALK2[m][q]に表示された入力欄を用いて、経費の出金予定額を入力した場合、当該入力された出金予定額を表示操作部30から取得する。
【0145】
なお、本実施形態において、制御部10は、経費管理情報DM[m]に含まれる科目個別管理情報DXX[m][q]のうち、科目権限情報DX3[m][q]に基づいて、入力領域ALK2[m][q]に対する入力欄の表示及び非表示を切り替えることとする。具体的には、制御部10は、貨幣処理装置1にログインしているスタッフST[m][n]が、科目権限情報DX3[m][q]の示す、q番目の科目に係る経費を出金する権限を有している場合に限り、入力領域ALK2[m][q]に対して入力欄を表示し、貨幣処理装置1にログインしているスタッフST[m][n]が、科目権限情報DX3[m][q]の示す、q番目の科目に係る経費を出金する権限を有していない場合には、入力領域ALK2[m][q]に対して入力欄を表示しない。つまり、本実施形態において、貨幣処理装置1にログインしているスタッフST[m][n]が、q番目の科目に係る経費を出金する権限を有していない場合には、当該スタッフST[m][n]は、q番目の科目に係る経費の出金予定額を入力できないことになる。
【0146】
そして、制御部10は、個別出金額入力領域ALK[m][q]のうち領域ALK3[m][q]において、領域ALK1[m][q]に表示されている店舗SP[m]の経費の在高から、入力領域ALK2[m][q]から入力された店舗SP[m]の経費の出金予定額を減算した減算値(出金後の経費の在高)を表示させる。
【0147】
図20に例示するように、制御部10の入出金受付部11は、経費出金額入力画面G6から入力された経費の出金予定額が、出金可能であるか否かを判定する(S603)。具体的には、入出金受付部11は、ステップS603において、経費出金額入力画面G6より入力された店舗SP[m]におけるq番目の科目に対応する経費の出金予定額が、経費管理テーブルTB3に記憶された経費科目管理情報DX[m]に含まれる出金上限情報DX2[m][q]の示す経費の出金限度額以下であるか否かを判定する。
【0148】
ステップS603における判定の結果が否定の場合、すなわち、経費出金額入力画面G6より入力された店舗SP[m]におけるq番目の科目に対応する経費の出金予定額が、出金上限情報DX2[m][q]の示す経費の出金限度額を超える場合、入出金受付部11は、経費出金入力エラー画面G61(図示省略)を表示する(S605)。ここで、経費出金入力エラー画面G61とは、経費の出金を拒否する旨を通知するための画面である。
【0149】
ステップS603における判定の結果が肯定の場合、制御部10の現金管理部12は、ステップS601において経費出金額入力画面G6より入力された金額に基づいて、現金管理テーブルTB2に記憶された現金管理情報DC[m]を更新する(S607)。
【0150】
具体的には、本実施形態において、現金管理部12は、ステップS607において、店舗SP[m]に対応する店舗在高情報DCA[m]の示す在高から、経費出金額入力画面G6より入力された1または複数の科目に対応する経費の出金予定額の合計値を減算し、また、店舗SP[m]に対応する経費在高情報DK[m]の示す在高から、経費出金額入力画面G6より入力された1または複数の科目に対応する経費の出金予定額の合計値を減算する。すなわち、本実施形態において、現金管理部12は、商用施設CFに設けられたM個の店舗SP[1]~SP[M]において、店舗SP毎に区分して、経費を管理する。換言すれば、本実施形態において、現金管理部12は、店舗SP毎に区分して、非売上金を管理する。
【0151】
また、本実施形態において、現金管理部12は、ステップS607において、科目在高情報DKB[m][q]の示す在高から、経費出金額入力画面G6より入力された1または複数の科目に対応する経費のうち、入力領域ALK2[m][q]のより入力されたq番目の科目に対応する経費を減算する。すなわち、本実施形態において、現金管理部12は、店舗SP[m]において、科目毎に区分して、経費を管理する。換言すれば、本実施形態において、現金管理部12は、科目毎区分してに非売上金を管理する。
【0152】
次に、制御部10の入出金受付部11は、入出金部60を制御することで、経費出金額入力画面G6より入力された店舗SP[m]における1または複数の科目に対応する経費を、貨幣処理装置1から出金させる(S609)。すなわち、本実施形態において、入出金受付部11は、店舗SP毎に区分して、経費の出金を受け付ける。換言すれば、本実施形態において、入出金受付部11は、店舗SP毎に区分して、非売上金の出金を受け付ける。
【0153】
次に、制御部10の現金管理部12は、ステップS609において出金された経費に含まれる各金種の数量に基づいて、金種管理テーブルTB4に記憶された金種管理情報DTを更新する(S611)。具体的には、現金管理部12は、ステップS611において、ステップS609において出金された経費に含まれる1または複数の金種に対応する1または複数の金種管理情報DTの各々について、金種別数量情報DT1の示す数量に対して、出金された経費に含まれる当該金種の数量を減算し、金種別在高情報DT2の示す在高に対して、出金された経費に含まれる当該金種の合計金額を減算する。
【0154】
次に、制御部10の現金管理部12は、入出金履歴テーブルTB5に新たにレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、ステップS609において出金された経費に応じた入出金履歴情報DRを記憶させる(S613)。
具体的には、現金管理部12は、ステップS613において、まず、入出金履歴テーブルTB5に新たなレコードを追加し、当該追加したレコードに対して、操作IDを付与する。次に、現金管理部12は、ステップS613において、追加したレコードに対して、ステップS601において経費出金額入力画面G6より経費の出金予定額を入力したスタッフSTのユーザIDを記憶させ、当該スタッフSTに応じた店舗IDを記憶させ、ステップS609において経費の出金が実行された時刻を操作日時情報DR1として記憶させ、経費出金操作が実行されたことを示す種別IDと、出金された経費に対応する1または複数の科目IDと、含む情報を操作種別情報DR2として記憶させ、ステップS609において出金された経費の金額を取扱金額情報DR3として記憶させ、ステップS609において出金された経費に含まれる1または複数の金種及び各金種の数量を取扱金種情報DR4として記憶させる。
【0155】
その後、制御部10は、表示操作部30に対して、経費出金完了画面G62を表示させ(S615)、経費出金処理を終了させる。ここで、経費出金完了画面G62とは、経費出金処理が完了したことを通知するための画面である。
【0156】
以上のように、本実施形態において、貨幣処理装置1は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]を対象として、店舗SP毎に区分して経費の入金及び出金を受け付け、また、店舗SP毎に経費を売上金及び釣銭準備金と区分して管理する。すなわち、本実施形態によれば、商用施設CFにおける経費を店舗SP毎に売上金と区分して管理することが可能となる。つまり、本実施形態によれば、経費を手元管理する従来の態様と比較して、商用施設CF及び各店舗SPにおける経費の管理に係るコストを低減することが可能となる。また、本実施形態によれば、店舗SP毎に貨幣処理装置1を個別に導入する態様と比較して、商用施設CF及び各店舗SPにおける経費の管理に係るコストを低減することが可能となる。
【0157】
また、本実施形態において、貨幣処理装置1は、店舗SP[m]における経費を、当該店舗SP[m]において設定されている科目毎に区分して管理することが可能となる。このため、本実施形態によれば、店舗SP[m]における経費を、科目毎に区分することなく全ての科目を一括で管理する態様と比較して、店舗SP[m]における経費の利用状況を細やかに把握することが可能となる。
【0158】
また、本実施形態によれば、貨幣処理装置1は、店舗SP[m]のq番目の科目に対応する経費の出金予定額が、出金上限情報DX2[m][q]の示す経費の出金限度額を超える場合に、経費の出金を拒否する。このため、本実施形態によれば、経費の出金額に制限を設けていない態様と比較して、経費として管理が必要な最低金額を常に貨幣処理装置1において確保することを可能とし、店舗SP[m]における経費が不足する可能性を低減させることが可能となる。
【0159】
<3.7.経費科目設定処理>
図22は、貨幣処理装置1が、経費科目設定処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0160】
ここで、経費科目設定処理とは、店舗SP[m]の経費の科目に係る管理項目を設定する処理である。本実施形態では、メニュー画面G1において、店舗SPの管理者に相当するRank-Aの権限を有するスタッフSTによって経費科目設定ボタンB16が選択された場合に、経費科目設定処理が開始される場合を想定する。なお、
図22では、メニュー画面G1(メニュー画面G1-A)において、店舗SP[m]の管理者に相当するRank-Aの権限を有するスタッフST[m][n]が、経費科目設定ボタンB16を選択し、店舗SP[m]の経費の科目に係る管理項目を設定する場合を想定する。
【0161】
図22に例示するように、制御部10は、経費科目設定処理が開始されると、表示操作部30に対して経費科目設定画面G7を表示させる(S701)。
【0162】
図23は、経費科目設定画面G7の一例を示す図である。ここで、経費科目設定画面G7とは、貨幣処理装置1にログインしたスタッフST[m][n]が、店舗SP[m]の経費の科目に係る管理項目を設定するための画面である。
【0163】
図23に例示するように、経費科目設定画面G7は、上述したスタッフ情報表示領域A11と、経費科目設定領域AMと、決定ボタンB70と、追加ボタンB71と、削除ボタンB72と、を備える。
【0164】
このうち、決定ボタンB70は、経費科目設定画面G7において表示されている内容により、経費の科目に係る管理項目を設定することを指示するためのボタンである。また、追加ボタンB71は、店舗SP[m]の経費の科目を追加するためのボタンである。また、削除ボタンB72は、店舗SP[m]の経費の科目を削除するためのボタンである。
【0165】
また、経費科目設定領域AMは、店舗SP[m]が有するQm個の経費の科目と1対1に対応する、Qm個の個別科目設定領域AMK[m][1]~AMK[m][Qm]を備える。以下では、Qm個の個別科目設定領域AMK[m][1]~AMK[m][Qm]のうち、q番目の科目に対応する個別科目設定領域AMKを、個別科目設定領域AMK[m][q]と称する。なお、本実施形態では、説明の便宜上、追加ボタンB71によって科目が追加された場合、追加後の科目の個数を、Qm個として表現する。また、本実施形態では、説明の便宜上、削除ボタンB72によって科目が削除された場合、削除後の科目の個数を、Qm個として表現する。
【0166】
本実施形態において、制御部10は、個別科目設定領域AMK[m][q]のうち領域AMK1[m][q]に対して、店舗SP[m]の経費のq番目の科目の名称(「科目に係る管理項目」の一例)を入力可能な入力欄を表示させる。そして、制御部10は、決定ボタンB70が選択された場合であって、スタッフST[m][n]が領域AMK1[m][q]に表示された入力欄を用いて、店舗SP[m]の経費のq番目の科目の名称を入力した場合において、当該入力された科目の名称を表示操作部30から取得する。
【0167】
また、制御部10は、個別科目設定領域AMK[m][q]のうち領域AMK2[m][q]に対して、店舗SP[m]のq番目の科目に係る経費の入金限度額(「科目に係る管理項目」の一例)を入力可能な入力欄を表示させる。そして、制御部10は、決定ボタンB70が選択された場合であって、スタッフST[m][n]が領域AMK2[m][q]に表示された入力欄を用いて、経費の入金限度額を入力した場合において、当該入力された入金限度額を表示操作部30から取得する。
【0168】
また、制御部10は、個別科目設定領域AMK[m][q]のうち領域AMK3[m][q]に対して、店舗SP[m]のq番目の科目に係る経費の出金限度額(「科目に係る管理項目」の一例)を入力可能な入力欄を表示させる。そして、制御部10は、決定ボタンB70が選択された場合であって、スタッフST[m][n]が領域AMK3[m][q]に表示された入力欄を用いて、経費の出金限度額を入力した場合において、当該入力された出金限度額を表示操作部30から取得する。
【0169】
また、制御部10は、個別科目設定領域AMK[m][q]のうち領域AMK4[m][q]に対して、店舗SP[m]のq番目の科目に係る経費を入出金する権限(「科目に係る管理項目」の一例)を入力可能なプルダウンメニューを表示させる。ここで、本実施形態では、一例として、領域AMK4[m][q]に表示されるプルダウンメニューが、店舗SP[m]のq番目の科目に係る経費の入出金の権限を、店舗SPの管理者に相当するRank-Aの権限を有するスタッフST[m][n]に限定するか、または、店舗SPの管理者に相当するRank-Aの権限を有するスタッフST[m][n]に加えて、店舗SPの担当者に相当するRank-Bの権限を有するスタッフST[m][n]に対しても付与するかを、選択するためのプルダウンメニューである場合を想定する。そして、制御部10は、決定ボタンB70が選択された場合であって、スタッフST[m][n]が領域AMK4[m][q]に表示されたプルダウンメニューを用いて、経費の入出金に係る権限を入力した場合において、当該入力された権限を表示操作部30から取得する。
【0170】
図22に例示するように、制御部10の管理条件設定部13は、経費科目設定画面G7において、追加ボタンB71または削除ボタンB72を用いた科目の追加または削除があった場合に、当該科目の追加または削除に応じて、現金管理情報DC[m]の経費科目情報DKK[m]を更新する(S703)。
また、制御部10の管理条件設定部13は、経費科目設定画面G7の経費科目設定領域AMにおける入力結果に基づいて、経費管理情報DM[m]を更新する(S705)。具体的には、制御部10は、経費科目設定画面G7の領域AMK1[m][q]に科目の名称が入力された場合、当該入力結果に基づいて、経費管理情報DM[m]のうち科目個別管理情報DXX[m][q]の有する科目の名称を更新する。また、制御部10は、経費科目設定画面G7の領域AMK2[m][q]に経費の入金限度額が入力された場合、当該入力結果に基づいて、経費管理情報DM[m]のうち科目個別管理情報DXX[m][q]の有する入金上限情報DX1[m][q]を更新する。また、制御部10は、経費科目設定画面G7の領域AMK3[m][q]に経費の出金限度額が入力された場合、当該入力結果に基づいて、経費管理情報DM[m]のうち科目個別管理情報DXX[m][q]の有する出金上限情報DX2[m][q]を更新する。また、制御部10は、経費科目設定画面G7の領域AMK4[m][q]に経費の入出金に係る権限が入力された場合、当該入力結果に基づいて、経費管理情報DM[m]のうち科目個別管理情報DXX[m][q]の有する科目権限情報DX3[m][q]を更新する。
【0171】
その後、制御部10は、表示操作部30に対して、経費科目設定完了画面G71を表示させ(S707)、経費科目設定処理を終了させる。ここで、経費科目設定完了画面G71とは、経費科目設定処理が完了したことを通知するための画面である。
【0172】
<3.8.ユーザ設定処理>
図24は、貨幣処理装置1が、ユーザ設定処理を行う場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0173】
ここで、ユーザ設定処理とは、貨幣処理装置1のユーザの登録、変更、及び、削除を行うための処理である。本実施形態では、メニュー画面G1において、商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有するスタッフSTによって、ユーザ設定ボタンB17が選択された場合に、ユーザ設定処理が開始される場合を想定する。なお、
図24では、メニュー画面G1(メニュー画面G1-S)において、商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有するスタッフSTが、ユーザ設定ボタンB17を選択し、貨幣処理装置1のユーザの登録、変更、または、削除を行う場合を想定する。
【0174】
図24に例示するように、制御部10は、ユーザ設定処理が開始されると、表示操作部30に対してユーザ設定画面G8(図示省略)を表示させる(S801)。
【0175】
ここで、ユーザ設定画面G8とは、貨幣処理装置1のユーザの登録、変更、または、削除に係る情報を入力するための画面である。本実施形態では、貨幣処理装置1にログインしたRank-Sの権限を有するスタッフSTが、ユーザ設定画面G8において、貨幣処理装置1のユーザの登録、変更、または、削除に係る情報を入力する。
【0176】
次に、制御部10は、ユーザ設定画面G8において入力された情報に基づいて、ユーザ管理情報DUを更新する(S803)。
そして、制御部10は、表示操作部30に対して、ユーザ設定完了画面G81を表示させ(S808)、ユーザ設定処理を終了させる。ここで、ユーザ設定完了画面G81とは、ユーザ設定処理が完了したことを通知するための画面である。
【0177】
<4.実施形態の結び>
以上において説明したように、本実施形態に係る貨幣処理装置1は、店舗SP毎に売上金及び経費の入金及び出金を受け付け、店舗SP毎に経費を管理する。このため、本実施形態によれば、貨幣処理装置1により、売上金とともに経費を管理することが可能となるため、貨幣処理装置1を用いずに経費を手元管理する態様と比較して、経費の管理に係る手間を低減することが可能となる。また、本実施形態によれば、貨幣処理装置1を、複数の店舗SPで共用するものとして導入することが可能となるため、複数の店舗SPの各々に対して貨幣処理装置1を導入する態様と比較して、経費の管理に係るコストを低減することが可能となる。
【0178】
<B.変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲内で適宜に併合され得る。なお、以下に例示する変形例において作用や機能が実施形態と同等である要素については、以上の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
【0179】
<変形例1>
上述した実施形態では、管理条件設定部13が、店舗SP[m]の経費の入金限度額を科目毎に設定する態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。管理条件設定部13は、店舗SP[m]の経費の科目毎の入金限度額の設定に加え、または、店舗SP[m]の経費の科目毎の入金限度額の設定に替えて、店舗SP[m]の経費全体における入金限度額を設定可能であってもよい。この場合、制御部10は、経費科目設定画面G7において、店舗SP[m]の経費全体の入金限度額を入力可能な入力欄を表示させてもよい。そして、この場合、管理条件設定部13は、店舗SP[m]の経費全体の入金限度額を入力可能な入力欄への入力結果に基づいて、経費管理情報DM[m]のうち経費上限情報DL[m]を更新してもよい。
【0180】
<変形例2>
上述した実施形態及び変形例1では、店舗SP[m]の経費の入金限度額が店舗SP[m]のスタッフST[m]により手動で設定される態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。店舗SP[m]の経費の入金限度額は、スタッフSTの人手を介さずに自動で設定されるものであってもよい。
例えば、制御部10は、現金管理情報DC[m]または入出金履歴情報DRに基づいて、経費上限情報DL[m]の示す店舗SP[m]全体の経費の入金限度額、及び、入金上限情報DX1[m][q]の示す店舗SP[m]のq番目の科目に係る経費の入金限度額の、一方または双方を算出してもよい。
【0181】
具体的には、制御部10は、経費在高情報DK[m]の示す経費の在高のうち、所定の期間における経費の在高の最大値と最小値との差分値に対して、所定のマージンを加算した値を、経費上限情報DL[m]の示す店舗SP[m]全体の経費の入金限度額として定めてもよい。また、制御部10は、入出金履歴情報DRの示す店舗SP[m]における経費出金額のうち、所定の期間における経費出金額の合計値に対して、所定のマージンを加算した値を、経費上限情報DL[m]の示す店舗SP[m]全体の経費の入金限度額として定めてもよい。
【0182】
<変形例3>
上述した実施形態並びに変形例1及び2において、貨幣処理装置1は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]のうち、何れかの店舗SP[m]に属する経費を管理するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、貨幣処理装置1は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]の何れにも属さない、商用施設CFの全体で共用する経費(以下、「施設共用経費」と称する)を管理可能であってもよい。例えば、現金管理部12は、入出金受付部11が入出金を受け付けた施設共用経費を示す情報を、記憶部20に記憶させることで、施設共用経費を管理してもよい。この場合、貨幣処理装置1に対する施設共用経費の入出金は、商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有するスタッフSTのみに許可されていてもよいし、または、商用施設CFの責任者に相当するRank-Sの権限を有するスタッフSTに加えて、店舗SPの管理者に相当するRank-Aの権限を有するスタッフSTに対しても許可されていてもよい。
【0183】
<変形例4>
上述した実施形態及び変形例1乃至3において、貨幣処理装置1は、店舗SP毎に売上金を管理するが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、貨幣処理装置1は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]の売上金を合算して管理してもよい。例えば、現金管理部12は、入出金受付部11が入出金を受け付けたM個の店舗SP[1]~SP[M]の売上金の合算値を示す情報を、記憶部20に記憶させることで、M個の店舗SP[1]~SP[M]の売上金の合算値を管理してもよい。
【0184】
<変形例5>
上述した実施形態及び変形例1乃至4において、店舗管理テーブルTB1、現金管理テーブルTB2、経費管理テーブルTB3、金種管理テーブルTB4、入出金履歴テーブルTB5、及び、ユーザ管理テーブルTB6は、貨幣処理装置1に設けられた記憶部20に記憶されているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。店舗管理テーブルTB1、現金管理テーブルTB2、経費管理テーブルTB3、金種管理テーブルTB4、入出金履歴テーブルTB5、及び、ユーザ管理テーブルTB6の一部または全部は、貨幣処理装置1の外部に設けられた装置に記憶されてもよい。
【0185】
図25は、本変形例に係る貨幣処理システムSys-Aの構成の一例を示す図である。
【0186】
図25に例示するように、貨幣処理システムSys-Aは、貨幣処理装置1Aと、ネットワークNWを介して貨幣処理装置1Aと通信可能なサーバ装置9Aと、を備える。
【0187】
図26は、貨幣処理装置1Aの構成の一例を示すブロック図である。
【0188】
図26に例示するように、貨幣処理装置1Aは、記憶部20に、店舗管理テーブルTB1、現金管理テーブルTB2、経費管理テーブルTB3、金種管理テーブルTB4、入出金履歴テーブルTB5、及び、ユーザ管理テーブルTB6が格納されてない点において、
図2に例示した実施形態に係る貨幣処理装置1と相違する。
【0189】
図27は、サーバ装置9Aの構成の一例を示すブロック図である。
【0190】
図27に例示するように、サーバ装置9Aは、制御部91と、記憶部92と、通信部93と、を備える。
このうち、制御部91は、サーバ装置9Aの各部を制御するためのハードウェアであり、プロセッサを含んで構成される。
また、記憶部92は、制御部91が具備するプロセッサの作業領域として機能するRAM等の揮発性メモリと、各種情報を記憶するEEPROM等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含む。
また、通信部93は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの一方または双方を介して、サーバ装置9Aの外部に存在する外部装置との間の通信を実行するためのハードウェアである。
【0191】
また、記憶部92は、店舗管理テーブルTB1、現金管理テーブルTB2、経費管理テーブルTB3、金種管理テーブルTB4、入出金履歴テーブルTB5、及び、ユーザ管理テーブルTB6を記憶している。また、記憶部92は、サーバ装置9Aの各部を制御するための制御プログラムPGS-Aを記憶している。制御部91が有するプロセッサは、記憶部92に記憶された制御プログラムPGS-Aを実行し、当該制御プログラムPGS-Aに従って動作することで、サーバ装置9Aの各部を制御する。
【0192】
以上のように、本変形例によれば、上述した実施形態と同様に、貨幣処理装置1Aにより、複数の店舗SPにおける経費を区分して管理することが可能となる。また、本変形例に係る貨幣処理装置1Aは、実施形態に係る貨幣処理装置1と比較して、記憶部20が記憶する情報量を低減させることができる。
【0193】
<変形例6>
上述した実施形態及び変形例1乃至5において、貨幣処理装置1及び貨幣処理装置1Aは、入出金受付部11、現金管理部12、及び、管理条件設定部13を備えているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。入出金受付部11、現金管理部12、及び、管理条件設定部13の一部または全部は、貨幣処理装置1の外部の装置に設けられてもよい。
【0194】
図28は、本変形例に係る貨幣処理システムSys-Bの構成の一例を示す図である。
【0195】
図28に例示するように、貨幣処理システムSys-Bは、貨幣処理装置1Bと、ネットワークNWを介して貨幣処理装置1Bと通信可能なサーバ装置9Bと、を備える。
【0196】
図29は、貨幣処理装置1Bの構成の一例を示すブロック図である。
【0197】
図29に例示するように、貨幣処理装置1Bは、制御部10の代わりに制御部10Bを備える点と、記憶部20に、店舗管理テーブルTB1、現金管理テーブルTB2、経費管理テーブルTB3、金種管理テーブルTB4、入出金履歴テーブルTB5、及び、ユーザ管理テーブルTB6が格納されてない点と、記憶部20に、制御プログラムPGの代わりに制御プログラムPG-Bが記憶されている点と、において、
図2に例示した実施形態に係る貨幣処理装置1と相違する。
【0198】
このうち、制御部10Bは、プロセッサを含んで構成される。制御部10Bが有するプロセッサは、記憶部20に記憶された制御プログラムPG-Bを実行し、当該制御プログラムPG-Bに従って動作することで、制御部10Bの各部を制御する。制御部10Bは、入出金受付部11と、現金管理部12と、管理条件設定部13とを備えない点において、実施形態に係る制御部10と相違する。
【0199】
図30は、サーバ装置9Bの構成の一例を示すブロック図である。
【0200】
図30に例示するように、サーバ装置9Bは、制御部91Bと、記憶部92と、通信部93と、を備える。このうち、制御部91Bは、サーバ装置9Bの各部を制御するためのハードウェアであり、プロセッサを含んで構成される。
【0201】
また、記憶部92は、店舗管理テールTB1、現金管理テーブルTB2、経費管理テーブルTB3、金種管理テーブルTB4、入出金履歴テーブルTB5、ユーザ管理テーブルTB6、及び、制御プログラムPGS-Bを記憶している。また、制御部91Bが有するプロセッサは、記憶部92に記憶された制御プログラムPGS-Bを実行し、当該制御プログラムPGS-Bに従って動作することで、入出金受付部11、現金管理部12、及び、管理条件設定部13として機能することが可能である。
【0202】
以上のように、本変形例によれば、上述した実施形態と同様に、貨幣処理装置1Bにより、複数の店舗SPにおける経費を区分して管理することが可能となる。また、本変形例に係る貨幣処理装置1Bは、実施形態に係る貨幣処理装置1と比較して、記憶部20が記憶する情報量を低減させることができる。また、本変形例では、実施形態に係る貨幣処理装置1が具備する制御部10と比較して、制御部10Bにおける処理負荷を低減させることができる。
【0203】
なお、本変形例では、サーバ装置9Bが、入出金受付部11、現金管理部12、及び、管理条件設定部13を備える場合を例示したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、貨幣処理装置1Bは、入出金受付部11、現金管理部12、及び、管理条件設定部13のうち、一部の機能を備えてもよい。具体的には、貨幣処理装置1Bは、入出金受付部11を備え、サーバ装置9Bは、現金管理部12及び管理条件設定部13を備えてもよい。
【0204】
<変形例7>
上述した変形例5及び6において、貨幣処理システムSys-A及び貨幣処理システムSys-Bは、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]に共通のサーバ装置9Aまたはサーバ装置9Bを備えているが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
【0205】
図31は、本変形例に係る貨幣処理システムSys-Cの構成の一例を示す図である。
【0206】
図31に例示するように、貨幣処理システムSys-Cは、貨幣処理装置1と、ネットワークNWを介して貨幣処理装置1と通信可能なM個のサーバ装置9C[1]~9C[M]と、を備える。
【0207】
図32は、サーバ装置9C[m]の構成の一例を示すブロック図である。
【0208】
図32に例示するように、サーバ装置9C[m]は、制御部91Cと、記憶部92Cと、通信部93と、を備える。
このうち、制御部91Cは、サーバ装置9C[m]の各部を制御するためのハードウェアであり、プロセッサを含んで構成される。
また、記憶部92Cは、制御部91Cが具備するプロセッサの作業領域として機能するRAM等の揮発性メモリと、各種情報を記憶するEEPROM等の不揮発性メモリとの、一方または双方を含む。
【0209】
また、記憶部92Cは、現金管理情報DC[m]、経費管理情報DM[m]、入出金履歴情報DR[m]、及び、制御プログラムPGS-Cを記憶している。ここで、入出金履歴情報DR[m]とは、店舗SP[m]に属するスタッフST[m][n]による入出金操作の履歴を示す情報であり、店舗SP[m]に対応する店舗IDを含む入出金履歴情報DRである。
また、制御部91Cが有するプロセッサは、記憶部92Cに記憶された制御プログラムPGS-Cを実行し、当該制御プログラムPGS-Cに従って動作することで、サーバ装置9C[m]の各部を制御する。
【0210】
以上のように、本変形例に係る貨幣処理システムSys-Cは、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]に対応する、M個のサーバ装置9C[1]~9C[M]を備えている。このため、本変形例によれば、商用施設CFに入店する各店舗SP[m]の運営主体は、当該店舗SP[m]に係る情報を、サーバ装置9C[m]を介して入手することが可能となる。また、本変形例によれば、各店舗SPに係る情報が、他の店舗SPの運営主体により入手される可能性を低減することが可能となる。
【0211】
<変形例8>
上述した実施形態及び変形例1乃至7では、貨幣処理装置1(または、貨幣処理装置1A、貨幣処理装置1B)が、商用施設CFにおける複数の店舗SPの各々における売上金と経費の入出金を受け付け、店舗SP毎に区分して経費を管理する場合を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。
貨幣処理装置1は、例えば、商用施設CF等の複合施設、または、店舗SP等のサービス提供施設に設置され、複合施設またはサービス提供施設において提供される商品の種類または役務の種類に応じて、経費を区分して管理してもよい。この場合、複合施設またはサービス提供施設において提供される商品の種類または役務の種類による区分が、「サービス区分」の一例となる。
また、貨幣処理装置1は、例えば、商用施設CF等の複合施設、または、店舗SP等のサービス提供施設に設置され、複合施設またはサービス提供施設におけるフロアーまたは区画に応じて、経費を区分して管理してもよい。この場合、複合施設またはサービス提供施設におけるフロアーまたは区画による区分が、「サービス区分」の一例となる。
また、貨幣処理装置1は、例えば、商用施設CF等の複合施設、または、店舗SP等のサービス提供施設に設置され、複合施設またはサービス提供施設におけるサービスの提供時間に応じて、経費を区分して管理してもよい。この場合、サービスの提供時間による区分が、「サービス区分」の一例となる。
また、貨幣処理装置1は、例えば、商用施設CF等の複合施設、または、店舗SP等のサービス提供施設に設置され、複合施設またはサービス提供施設においてサービスを提供するサービス提供主体に応じて、経費を区分して管理してもよい。ここで、サービス提供主体とは、サービスを提供する法人であってもよいし、サービスを提供するスタッフST(自然人)であってもよいし、サービスを提供する法人が有する組織であってもよいし、または、サービスを提供するスタッフSTに対してサービスの提供を委託する法人若しくは自然人であってもよい。この場合、サービス提供主体による区分が、「サービス区分」の一例となる。
【0212】
<変形例9>
上述した実施形態及び変形例1乃至8では、店舗SP等のサービス区分毎に管理される非売上金として、経費を具体例に挙げ、釣銭が非売上金に含まれない態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、経費と釣銭準備金とを非売上金として纏めて管理してもよい。
【0213】
図33は、本変形例のうち、第1の態様に係る現金管理テーブルTB2-H1のデータ構成一例を示す図である。なお、本変形例の第1の態様では、記憶部20または記憶部92等において、
図4で例示した現金管理テーブルTB2の代わりに、
図33に例示する現金管理テーブルTB2-H1が記憶されている場合を想定する。
【0214】
図33に例示するように、現金管理テーブルTB2-H1は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]と1対1に対応するM個のレコードを有する。現金管理テーブルTB2-H1が有する各レコードは、店舗IDと、店舗SP[m]に対応する現金管理情報DC-H1[m]と、を含む。ここで、現金管理情報DC-H1[m]とは、店舗在高情報DCA[m]と、売上金在高情報DCB[m]と、非売上金在高情報DHC[m]と、非売上金詳細情報DHH[m]と、を含む情報である。
このうち、非売上金在高情報DHC[m]とは、店舗SP[m]が貨幣処理装置1に対して入金した金銭CSのうち、経費の在高と釣銭準備金の在高との合計値を示す情報である。つまり、非売上金在高情報DHC[m]は、釣銭在高情報DCC[m]の示す在高と、経費在高情報DK[m]の示す在高との合計値を示す。
また、非売上金詳細情報DHH[m]とは、釣銭在高情報DCC[m]と、経費在高情報DK[m]と、経費科目情報DKK[m]とを含む情報である。
【0215】
このように、本変形例の第1の態様に係る貨幣処理装置1では、店舗SP[m]において、経費及び釣銭準備金を含む非売上金を、売上金とは区分して管理する。よって、本変形例の第1の態様においても、実施形態と同様に、貨幣処理装置1を用いずに非売上金を手元管理する態様と比較して、非売上金の管理に係る手間を低減することができる。また、本変形例の第1の態様において、貨幣処理装置1は、店舗SP[m]毎に区分して非売上金を管理できるため、貨幣処理装置1を複数の店舗SPで共用するものとして導入することができ、非売上金の管理に係るコストを低減できる。
【0216】
図34は、本変形例のうち、第2の態様に係る現金管理テーブルTB2-H2のデータ構成一例を示す図である。なお、本変形例の第2の態様では、記憶部20または記憶部92等において、
図4に例示した現金管理テーブルTB2の代わりに、
図34に例示する現金管理テーブルTB2-H2が記憶されている場合を想定する。
【0217】
図34に例示するように、現金管理テーブルTB2-H2は、商用施設CFに入店するM個の店舗SP[1]~SP[M]と1対1に対応するM個のレコードを有する。現金管理テーブルTB2-H2が有する各レコードは、店舗IDと、店舗SP[m]に対応する現金管理情報DC-H2[m]と、を含む。ここで、現金管理情報DC-H2[m]とは、店舗在高情報DCA[m]と、売上金在高情報DCB[m]と、非売上金在高情報DHC[m]と、非売上金科目情報DHK[m]と、を含む情報である。
【0218】
なお、本変形例の第2の態様では、店舗SP[m]における非売上金に対して、複数の科目が設定されている場合を想定する。つまり、本変形例の第2の態様では、店舗SP[m]における非売上金に対して設定された科目の個数Qmが、「Qm≧2」を満たす自然数である場合を想定する。そして、本変形例の第2の態様では、店舗SP[m]における非売上金に対して、経費に係る1または複数の科目と、釣銭準備金に係る科目とが、設定されている場合を想定する。
【0219】
そして、本変形例の第2の態様において、非売上金科目情報DHK[m]は、店舗SP[m]における非売上金に設定されたQm個の科目と1対1に対応するQm個の科目IDと、当該Qm個の科目と1対1に対応するQm個の科目在高情報DHB[m][1]~[m][Qm]を有する。科目在高情報DHB[m][q]は、店舗SP[m]における非売上金の在高のうち、q番目の科目に対応する非売上金の在高を示す情報である。
【0220】
なお、本変形例の第2の態様において、貨幣処理装置1が有する管理条件設定部13は、店舗SP[m]の非売上金に設定された各科目の入金限度額と、出金限度額と、入出金の権限とを、設定可能であってもよい。
【0221】
このように、本変形例の第2の態様に係る貨幣処理装置1では、店舗SP[m]において、経費及び釣銭準備金を含む非売上金を、売上金とは区分して管理する。よって、本変形例の第2の態様においても、実施形態と同様に、貨幣処理装置1を用いずに非売上金を手元管理する態様と比較して、非売上金の管理に係る手間を低減することができる。また、本変形例の第2の態様において、貨幣処理装置1は、店舗SP[m]毎に区分して非売上金を管理できるため、貨幣処理装置1を複数の店舗SPで共用するものとして導入することができ、非売上金の管理に係るコストを低減できる。
【0222】
<変形例10>
上述した実施形態及び変形例1乃至9では、一の店舗SPに属するスタッフSTが、貨幣処理装置1を用いて、一の店舗SPに関する処理を行うことが可能であり、他の店舗SPに関する処理の実行が制限される態様を例示して説明したが、本発明はこのような態様に限定されるものではない。例えば、一の店舗SPに属するスタッフSTが、貨幣処理装置1を用いて、一の店舗SPに関する処理と、他の店舗SPに関する処理との両方を実行することを可能としてもよい。
【0223】
図35は、本変形例に係る貨幣処理装置1がログイン処理を実行する場合の、貨幣処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0224】
図35に例示するように、本変形例に係るログイン処理は、ステップS121、S123、S125、S127、及び、S129に係る処理を実行する点と、ステップS109に係る処理を実行しない点と、において、
図9で例示した実施形態に係るログイン処理と相違する。
【0225】
図35に例示するように、ログイン処理が開始されると、制御部10は、上述したステップS101~S107の処理を実行する。なお、本変形例において、制御部10が、ステップS107で参照するユーザ管理テーブルTB6に格納されたユーザ管理情報DUには、ログイン処理の実行を指示しているスタッフSTが所属する1または複数の店舗SPに対応する、1または複数の店舗IDが含まれていることとする。
【0226】
次に、制御部10は、店舗管理テーブルTB1を参照することで、ステップS107において取得したユーザ管理情報DUに含まれる1または複数の店舗IDに対応する、1または複数の店舗管理情報DSを取得する(S121)。
そして、制御部10は、ステップS107で取得したユーザ管理情報DUにおいて、複数の店舗IDが含まれているか否かを判定する(S123)。
ステップS123における判定の結果が否定の場合、制御部10は、処理をステップS111に進める。
ステップS123における判定の結果が肯定の場合、制御部10は、ステップS107において取得したユーザ管理情報DUに含まれる複数の店舗IDに対応する、複数の現金管理情報DCを取得する(S125)。
そして、制御部10は、ステップS107において取得したユーザ管理情報DUと、ステップS121において取得した複数の店舗管理情報DSと、ステップS125において取得した複数の現金管理情報DCと、に基づいて、表示操作部30に対して、スタッフSTの所属する複数の店舗SPに係る情報を示す店舗一覧画面G11を表示させる(S127)。
【0227】
図36は、店舗一覧画面G11の一例を示す図である。
【0228】
図36に例示するように、店舗一覧画面G11は、スタッフSTに関する情報を表示するスタッフ情報表示領域A11と、スタッフSTが所属する複数の店舗SPに関する情報を表示する店舗一覧表示領域ATと、を備える。なお、
図36では、スタッフSTが、複数の店舗SPに所属している場合を想定する。具体的には、
図36では、スタッフSTが、W個の店舗SPに所属している場合を想定する。ここで、値Wは、「2≦W≦M」を満たす自然数である。このため、制御部10は、店舗一覧画面G11のスタッフ情報表示領域A11に含まれる領域A111において、スタッフSTが所属するW個の店舗SPに対応する、W個の店舗名称を表示させる。
【0229】
店舗一覧表示領域ATは、スタッフSTが所属するW個の店舗SPに対応する、W個の店舗情報表示領域ATB[1]~ATB[W]を含む。このうち、店舗情報表示領域ATB[w]は、スタッフSTが所属するW個の店舗SPのうち、w番目の店舗SPに関する情報を表示するための領域である。ここで、変数wは、「1≦w≦W」を満たす自然数である。
【0230】
本変形例において、制御部10は、店舗情報表示領域ATB[w]に係る店舗SPに対応する現金管理情報DCに基づいて、店舗情報表示領域ATB[w]のうち表示領域ATB1[w]において、当該店舗SPの売上金の在高を表示させ、店舗情報表示領域ATB[w]のうち表示領域ATB2[w]において、当該店舗SPの釣銭準備金の在高を表示させ、店舗情報表示領域ATB[w]のうち表示領域ATB3[w]において、当該店舗SPの経費の在高を表示させる。また、制御部10は、店舗情報表示領域ATB[w]において、スタッフSTが所属するW個の店舗SPのうち、w番目の店舗SPを、スタッフSTに選択させるための選択ボタンBB[w]を表示させる。
【0231】
説明を
図35に戻す。
図35に例示するように、制御部10は、店舗一覧画面G11において、選択ボタンBB[1]~BB[W]のうち何れかの選択ボタンBB[w]が選択されたか否かを判定する(S129)。
ステップS129における判定の結果が否定の場合、制御部10は、ステップS129の処理を繰り返し実行する。
ステップS129における判定の結果が肯定の場合、制御部10は、処理をステップS111に進める。なお、制御部10は、ステップS111において、ステップS129で選択された選択ボタンBB[w]に対応する店舗SPに関する各種処理を行うためのメニュー画面G1を、表示操作部30に対して表示させる。
【0232】
このように、本変形例では、複数の店舗SPに所属するスタッフSTが、貨幣処理装置1を利用することができる。
また、本変形例では、複数の店舗SPに所属するスタッフSTが、貨幣処理装置1を利用する場合に、表示操作部30において、店舗一覧画面G11が表示される。このため、本変形例によれば、複数の店舗SPに所属するスタッフSTが、当該スタッフSTの所属する複数の店舗SPに関する情報を、速やかに入手することが可能となる。
【0233】
<C.付記>
上述した実施形態乃至変形例の記載から、本発明は例えば以下のように把握される。なお、各態様の理解を容易にするために、以下では、図面の参照符号を便宜的に括弧書きで付記するが、本発明を図示の態様に限定する趣旨ではない。
【0234】
<付記1>
本発明の一態様に係る貨幣処理装置は、複数のサービス区分(例えば、店舗SP)の各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける受付部(例えば、入出金受付部11)と、前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた非売上金を管理する管理部(例えば、現金管理部12)と、を備える、ことを特徴とする。
【0235】
本態様によれば、貨幣処理装置において、売上金の管理とともに、サービス区分毎の非売上金の管理が可能となるため、貨幣処理装置を用いずに非売上金を管理する態様と比較して、非売上金の管理に係る手間を低減することが可能となる。また、本態様によれば、サービス区分毎に非売上金を管理するため、貨幣処理装置を複数のサービス区分に共用のものとして導入することが可能となる。
【0236】
なお、上記態様において、「サービス区分」とは、例えば、サービスの内容に関する区分であってもよいし、サービスを提供する主体に関する区分であってもよいし、または、サービスを提供する施設に関する区分であってもよい。
ここで、「サービス」とは、例えば、商品の販売であってもよいし、または、役務の提供であってもよい。また、「サービス」とは、例えば、営利目的等の商用サービスであってもよいし、または、公共団体等による公共サービスであってもよい。
また、「サービスの内容に関する区分」とは、例えば、サービスにおいて提供される商品の種類による区分であってもよいし、または、サービスにおいて提供される役務の種類による区分であってもよい。
また、「サービスを提供する主体に関する区分」とは、例えば、サービスを提供する法人による区分であってもよいし、サービスを提供する法人が有する組織による区分であってもよいし、サービスを提供する自然人による区分であってもよいし、または、法人若しくは自然人に対してサービスの提供を委託する法人若しくは自然人による区分であってもよい。
また、「サービスを提供する施設に関する区分」とは、例えば、サービスが提供される複合施設内の施設若しくは場所による区分であってもよいし、サービスが提供される施設内のフロアーによる区分であってもよいし、サービスが提供される施設のフロアー内の区画による区分であってもよい。ここで、「複合施設」とは、例えば、ショッピングモール等の複合商業施設であってもよいし、または、商店街等のサービス提供施設が集合した地区であってもよい。
【0237】
<付記2>
本発明の他の態様に係る貨幣処理装置は、付記1に記載の貨幣処理装置であって、前記受付部は、前記複数のサービス区分のうち、一のサービス区分について、前記管理部の管理する非売上金の在高を超える、前記一のサービス区分における非売上金の出金を拒否する、ことを特徴とする。
【0238】
本態様によれば、貨幣処理装置からの、一のサービス区分における非売上金の出金を、一のサービス区分に係る非売上金の在高以下に抑えることができる。
【0239】
<付記3>
本発明の他の態様に係る貨幣処理装置は、付記1または2に記載の貨幣処理装置であって、前記管理部は、前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた売上金を管理する、ことを特徴とする。
【0240】
本態様によれば、サービス区分毎に売上金を管理するため、貨幣処理装置を複数のサービス区分に共用のものとして導入することが可能となる。
【0241】
<付記4>
本発明の他の態様に係る貨幣処理装置は、付記3に記載の貨幣処理装置であって、前記受付部は、前記複数のサービス区分のうち、一のサービス区分について、前記管理部の管理する売上金の在高を超える、前記一のサービス区分における売上金の出金を拒否する、ことを特徴とする。
【0242】
本態様によれば、貨幣処理装置からの、一のサービス区分における売上金の出金を、一のサービス区分に係る売上金の在高以下に抑えることができる。
【0243】
<付記5>
本発明の他の態様に係る貨幣処理装置は、付記1乃至4に記載の貨幣処理装置であって、前記受付部は、前記複数のサービス区分の各々における非売上金に含まれる釣銭の入出金を受け付け、前記管理部は、前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた釣銭を管理する、ことを特徴とする。
【0244】
本態様によれば、サービス区分毎に釣銭を管理するため、貨幣処理装置を複数のサービス区分に共用のものとして導入することが可能となる。
【0245】
<付記6>
本発明の他の態様に係る貨幣処理装置は、付記1乃至5に記載の貨幣処理装置であって、前記複数のサービス区分の各々に対して非売上金の入金額の上限値を設定可能な設定部、を備える、ことを特徴とする。
【0246】
本態様によれば、過剰な額の金銭が非売上金として貨幣処理装置で管理されることを抑制することが可能となる。
【0247】
<付記7>
本発明の他の態様に係る貨幣処理装置は、付記1乃至6に記載の貨幣処理装置であって、前記複数のサービス区分の各々における非売上金の科目に関する管理項目を設定可能な設定部、を備える、ことを特徴とする。
【0248】
本態様によれば、貨幣処理装置における細やかな非売上金の管理が可能となる。
【0249】
<付記8>
本発明の他の態様に係る貨幣処理装置は、付記1乃至7に記載の貨幣処理装置であって、前記管理部は、前記複数のサービス区分の各々における非売上金の入出金に関するユーザの権限を管理する、ことを特徴とする。
【0250】
本態様によれば、適正な権限を有するユーザによる非売上金の入出金が可能となる。
【0251】
<付記9>
本発明の一態様に係るプログラムは、貨幣処理装置のプロセッサを、複数のサービス区分の各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける受付部と、前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた非売上金を管理する管理部と、して機能させる、ことを特徴とする。
【0252】
<付記10>
本発明の一態様に係るサーバ装置は、貨幣処理装置と通信可能なサーバ装置であって、前記貨幣処理装置に対する、複数のサービス区分の各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける受付部と、前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた非売上金を管理する管理部と、を備える、ことを特徴とする。
【0253】
<付記11>
本発明の一態様に係る貨幣処理システムは、貨幣処理装置と、前記貨幣処理装置と通信可能なサーバ装置と、を備える貨幣処理システムであって、前記貨幣処理装置は、複数のサービス区分の各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける受付部を備え、前記サーバ装置は、前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた非売上金を管理する管理部を備える、ことを特徴とする。
【0254】
<付記12>
本発明の一態様に係る貨幣処理システムは、貨幣処理装置を備える貨幣処理システムであって、前記貨幣処理装置に対する、複数のサービス区分の各々における売上金と非売上金の入出金を受け付ける受付部と、前記サービス区分毎に、前記受付部が入金を受け付けた非売上金を管理する管理部と、を備える、ことを特徴とする。
【符号の説明】
【0255】
1…貨幣処理装置、10…制御部、11…入出金受付部、12…現金管理部、13…管理条件設定部、20…記憶部、30…表示操作部、40…通信部、50…情報読取部、60…入出金部、70…現金収納部。