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  • 特開-防火防災WEB管理台帳システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146313
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】防火防災WEB管理台帳システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231004BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053442
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】522125331
【氏名又は名称】株式会社ウェックス
(74)【代理人】
【識別番号】100093115
【弁理士】
【氏名又は名称】佐渡 昇
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 淳司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高セキュリティ環境でのサービス提供が可能な防火防災WEB管理台帳システムを提供する。
【解決手段】防火防災WEB管理台帳システム1において、点検実施者が行う防火防災設備の保守に関する保守情報を入力し、第1情報サーバ10に送信する点検実施者用端末30、点検実施者用端末30から送信された情報を受信し記憶するとともに第2情報サーバ20に対して特定の情報のみを送信する第1情報サーバ10及び点検委託者用端末40からの閲覧要求および/またはダウンロード要求に応じて、第1情報サーバ10から送信される特定の情報のみの公開を許す第2情報サーバ20を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワーク(N)を介して相互に接続可能な点検実施者用端末(30)と、第1情報サーバ(10)と、第2情報サーバ(20)と、点検委託者用端末(40)とを備えたシステムであって、
前記点検実施者用端末(30)は、
点検実施者が行う防火防災設備の保守に関する保守情報を入力可能な保守情報入力手段(31)と、
この保守情報入力手段(31)により入力された前記保守情報を前記第1情報サーバ(10)に送信可能かつ第1情報サーバ(10)および第2情報サーバ(20)との間での情報の送受信が可能な点検実施者用端末側送受信手段(32)とを有し、

前記第1情報サーバ(10)は、
前記点検実施者用端末(30)から送信された前記保守情報を受信し、その保守情報を記憶する第1情報記憶手段(11)と、
前記点検実施者用端末(30)との間での情報の送受信が可能であり、前記第2情報サーバ(20)に対して特定の情報のみを送信可能とする第1情報サーバ側送受信手段(12)とを有し、

前記第2情報サーバ(20)は、
前記点検実施者用端末(30)および前記点検委託者用端末(40)との間での情報の送受信を可能とする第2情報サーバ側送受信手段(22)と、
前記点検委託者用端末(40)からの閲覧要求および/またはダウンロード要求に応じて、前記第1情報サーバ(10)から送信される前記特定の情報のみの公開を許す特定情報公開手段(22)とを有し、

前記点検委託者用端末(40)は、
前記第2情報サーバ(20)に前記特定の情報の公開を要求可能な要求手段(41)と、前記第2情報サーバ(20)から送信された前記特定の情報を受信し、この特定の情報を出力可能な情報出力手段(42)とを有していることを特徴とする防火防災WEB管理台帳システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記保守情報および特定の情報には写真、画像、動画が含まれることを特徴とする防火防災WEB管理台帳システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防火防災WEB管理台帳システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に見られるように、
「通信ネットワークを介して接続される点検実施者用端末と、情報サーバと、点検委託者用端末と、
前記点検実施者用端末は、点検実施者が行う防火設備の保守に関する保守情報を入力する保守情報入力手段と、この保守情報入力手段により入力された前記保守情報を前記情報サーバに送信する点検実施者用端末側送信手段とを有し、
前記情報サーバは、前記点検実施者用端末から送信された前記保守情報を受信し、この保守情報を記憶する情報記憶手段と、前記点検委託者用端末からの求めに応じて前記情報記憶手段により記憶された前記保守情報を前記点検委託者用端末に送信する情報サーバ側送信手段とを有し、
前記点検委託者用端末は、前記情報サーバに前記保守情報の送信を要求する要求手段と、前記情報サーバから送信された前記保守情報を受信し、この保守情報を出力する保守情報出力手段とを有していることを特徴とする防火管理システム」(同文献請求項1)
が知られている。
この防火管理システムによれば、点検実施者が行った防火設備の保守情報を、随時、閲覧および取り出すことができ、しかも保守情報を一括して保管することができる
【0003】
しかし、この防火管理システムによると、一つの共通の情報サーバに対して点検実施者と点検委託者とが共にアクセス可能であり、セキュリティ面で不正アクセスやサイバー攻撃への脆弱性に関しては常に対策を更新していく必要があり、書き換え、削除、データの不正アクセスのリスクがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3136363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、高セキュリティ環境でのサービス提供が可能な防火防災WEB管理台帳システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の防火防災WEB管理台帳システムは、
通信ネットワーク(N)を介して相互に接続可能な点検実施者用端末(30)と、第1情報サーバ(10)と、第2情報サーバ(20)と、点検委託者用端末(40)とを備えたシステムであって、
前記点検実施者用端末(30)は、
点検実施者が行う防火防災設備の保守に関する保守情報を入力可能な保守情報入力手段(31)と、
この保守情報入力手段(31)により入力された前記保守情報を前記第1情報サーバ(10)に送信可能かつ第1情報サーバ(10)および第2情報サーバ(20)との間での情報の送受信が可能な点検実施者用端末側送受信手段(32)とを有し、

前記第1情報サーバ(10)は、
前記点検実施者用端末(30)から送信された前記保守情報を受信し、その保守情報を記憶する第1情報記憶手段(11)と、
前記点検実施者用端末(30)との間での情報の送受信が可能であり、前記第2情報サーバ(20)に対して特定の情報のみを送信可能とする第1情報サーバ側送受信手段(12)とを有し、

前記第2情報サーバ(20)は、
前記点検実施者用端末(30)および前記点検委託者用端末(40)との間での情報の送受信を可能とする第2情報サーバ側送受信手段(22)と、
前記点検委託者用端末(40)からの閲覧要求および/またはダウンロード要求に応じて、前記第1情報サーバ(10)から送信される前記特定の情報のみの公開を許す特定情報公開手段(22)とを有し、

前記点検委託者用端末(40)は、
前記第2情報サーバ(20)に前記特定の情報の公開を要求可能な要求手段(41)と、前記第2情報サーバ(20)から送信された前記特定の情報を受信し、この特定の情報を出力可能な情報出力手段(42)とを有していることを特徴とする。
【0007】
この防火防災WEB管理台帳システムは、上記の構成となっているので、次のような使用が可能であり、後述のような作用効果が得られる。
【0008】
点検実施者は、点検実施者用端末を用いて、点検実施者が行う防火防災設備の保守に関する保守情報を入力し、第1情報サーバに送信し、第1情報サーバの第1情報記憶手段に記憶させることができる。
点検委託者は、点検委託者用端末を用いて、第2情報サーバに対し特定の情報の送信(公開)を要求し、第2情報サーバから送信された特定の情報を受信し、情報出力手段で閲覧したり、印刷したりして確認することができる。
そして、第2情報サーバの特定情報公開手段は、点検委託者用端末からの閲覧要求および/またはダウンロード要求に応じて、前記第1情報サーバから送信される前記特定の情報のみの公開を許すから、点検実施者により入力され第1情報サーバに記録された保守情報が、書き換えられたり削除されたりする不正アクセスが防止される。
以上のように、この防火防災WEB管理台帳システムによれば、高セキュリティ環境でのサービス提供が可能となる。
【0009】
この防火防災WEB管理台帳システムにおいては、
前記保守情報および特定の情報には写真、画像、動画が含まれる構成とすることができる。
このように構成すると、点検委託者は、保守情報を確認しやすくなる。すなわち、消防法で定められた点検結果報告書などの書類(PDFデータ等)だけでなく、写真データ・画像データ・動画データも閲覧する事ができる為、保守・工事アルバムや各種報告写真、操作説明や防災訓練の動画などを分かりやすい形で点検実施者と共有する事ができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る防火防災WEB管理台帳システムの実施の形態のシステム構成図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る防火防災WEB管理台帳システムの実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1に示すように、この実施の形態の防火防災WEB管理台帳システム1は、
通信ネットワークNを介して相互に接続可能な点検実施者用端末30と、第1情報サーバ10と、第2情報サーバ20と、点検委託者用端末40とを備えたシステムである。
【0013】
点検実施者用端末30は、
点検実施者が行う防火防災設備の保守に関する保守情報を入力可能な保守情報入力手段31と、
この保守情報入力手段31により入力された前記保守情報を前記第1情報サーバ10に送信可能かつ第1情報サーバ10および第2情報サーバ20との間での情報の送受信が可能な点検実施者用端末側送受信手段32とを有している。
【0014】
第1情報サーバ10は、
前記点検実施者用端末30から送信された前記保守情報を受信し、その保守情報を記憶する第1情報記憶手段11と、
前記点検実施者用端末30との間での情報の送受信が可能であり、前記第2情報サーバ20に対して特定の情報のみを送信可能とする第1情報サーバ側送受信手段12とを有している。
【0015】
第2情報サーバ20は、
前記点検実施者用端末30および前記点検委託者用端末40との間での情報の送受信を可能とする第2情報サーバ側送受信手段22と、
前記点検委託者用端末40からの閲覧要求および/またはダウンロード要求に応じて、前記第1情報サーバ10から送信される前記特定の情報のみの公開を許す特定情報公開手段22とを有している。
【0016】
点検委託者用端末40は、
前記第2情報サーバ20に前記特定の情報の公開を要求可能な要求手段41と、前記第2情報サーバ20から送信された前記特定の情報を受信し、この特定の情報を出力可能な情報出力手段42とを有している。
【0017】
この防火防災WEB管理台帳システム1は、上記の構成となっているので、次のような使用が可能であり、所望の作用効果が得られる。
【0018】
点検実施者は、点検実施者用端末30を用いて、点検実施者が行う防火防災設備の保守に関する保守情報を入力し、第1情報サーバ10に送信し、第1情報サーバの第1情報記憶手段11に記憶させることができる。
【0019】
点検委託者は、点検委託者用端末40を用いて、第2情報サーバ20に対し特定の情報の送信(公開)を要求し、第2情報サーバ20から送信された特定の情報を受信し、情報出力手段42で閲覧したり、印刷したりして確認することができる。
【0020】
そして、第2情報サーバ20の特定情報公開手段21は、点検委託者用端末40からの閲覧要求および/またはダウンロード要求に応じて、前記第1情報サーバ10から送信される前記特定の情報のみの公開を許すから、点検実施者により入力され第1情報サーバ10に記録された保守情報が、何者によって誤って書き換えられたり削除されたりすることが防止され不正アクセスが防止される。
【0021】
以上のように、この防火防災WEB管理台帳システムによれば、高セキュリティ環境でのサービス提供が可能となる。る。
【0022】
前記保守情報および特定の情報には写真、画像、動画が含まれる。
【0023】
このように構成すると、点検委託者は、保守情報を確認しやすくなる。すなわち、消防法で定められた点検結果報告書などの書類(PDFデータ等)だけでなく、写真データ・画像データ・動画データも閲覧する事ができる為、保守・工事アルバムや各種報告写真、操作説明や防災訓練の動画などを分かりやすい形で点検実施者と共有する事ができる。
【0024】
以下、さらに詳しく説明する。
通信ネットワークNは、公知のインターネットなどの広域情報通信網や、この広域情報通信網にLAN(ローカルエリアネットワーク)を接続したもの等で構成することができる。
【0025】
点検実施者用端末30は、点検実施者用端末30が備えるべき上記の機能を有する公知のパーソナルコンピュータや携帯情報端末(PDA)などの情報処理装置で構成できる。したがって、保守情報入力手段31は公知のパーソナルコンピュータやスマートホン等の携帯情報端末が備える入力装置31とディスプレイモニタで構成できる。また、点検実施者用端末側送受信手段32も、公知のパーソナルコンピュータや携帯情報端末が備える通信装置で構成することができる。点検実施者は、このシステム1の管理者によって発行されたIDとパスワードを点検実施者用端末30にて入力することで第1情報サーバ10および第2情報サーバ20にアクセスすることができる。
【0026】
点検実施者が行う防火防災設備の保守に関する保守情報としては、消防設備点検や修繕工事など年聞を通じた消防・防災活動に関する情報、各種対応報告や施工写真、提案・見積書、保守・工事アルバムや各種報告写真、操作説明や防災訓練の動画など保存すべき情報を挙げることができる。
また、以下のような各種書類の情報(この情報も保守情報であるといえる)も、点検実施者用端末30の操作により、第1情報サーバ10に記憶させることができる。
<行政への報告書類として>
・消防用設備点検結果報告書
・防火対象物点検結果報告書
・防災管理点検結果報告書
・防火設備検査報告書
・消防用設備着工届
・消防用設備設置届など

<工事・サポート履歴として>
・作業完了報告書
・工事写真
・緊急対応情報
・サポート対応情報など

<点検実施者からの案内として>
・工事見積
・点検見積
・提案書
・工事点検の案内
・工程表など

<点検委託者が用意した書類として>
・防火対象物使用開始届
・防火管理者専任届
・消防計画
・消防訓練実施計画書
・自主チェック表
・特例認定書など

なお、以上のような書類情報は物件(建物)単位でまとめることができる。
【0027】
第1情報サーバ10は、第1情報サーバ10が備えるべき上記の機能を有する公知のサーバで構成することができる。したがって、第1情報記憶手段11は公知のサーバが備える例えばハードディスクで構成でき、第1情報サーバ側送受信手段12も公知のサーバが備える通信装置で構成することができる。
第2情報サーバ20に対して特定の情報のみを送信可能とする第1情報サーバ側送受信手段12は、公知のサーバが備える、送受信手段で構成することができる。
【0028】
第2情報サーバ20に対して送信を可能とする特定の情報としては、上述した情報、すなわち、
<行政への報告書類として>
・消防用設備点検結果報告書
・防火対象物点検結果報告書
・防災管理点検結果報告書
・防火設備検査報告書
・消防用設備着工届
・消防用設備設置届など

<工事・サポート履歴として>
・作業完了報告書
・工事写真
・緊急対応情報
・サポート対応情報など

<点検実施者からの案内として>
・工事見積
・点検見積
・提案書
・工事点検の案内
・工程表など

<点検委託者が用意した書類として>
・防火対象物使用開始届
・防火管理者専任届
・消防計画
・消防訓練実施計画書
・自主チェック表
・特例認定書など、
を挙げることができる。
【0029】
第2情報サーバ20は、第2情報サーバ20が備えるべき上記の機能を有する公知のサーバで構成することができる。したがって、第2情報サーバ側送受信手段12も公知のサーバが備える通信装置で構成することができる。
【0030】
特定情報公開手段21は、公知のサーバが備える特定情報公開手段で構成することができる。すなわち、第2情報サーバ20は情報閲覧のみ可能な公知のサーバで構成することができる。
具体的には、第1情報サーバ10および第2情報サーバ20は、プライバシーマーク(JIS Q 15001)、ISMS(JIS Q 27001等)、 ITSMS(JIS Q 20000-1等)を取得している公知のシステムを利用して構築することができる。
【0031】
点検委託者用端末40は、点検委託者用端末40が備えるべき上記の機能を有する公知のパーソナルコンピュータや携帯情報端末(PDA)などの情報処理装置で構成できる。したがって、要求手段41は公知のパーソナルコンピュータやスマートホン等の携帯情報端末が備える入力装置、ディスプレイモニタ、および通信装置で構成できる。また、変更後保守情報出力手段42も、公知のパーソナルコンピュータや携帯情報端末が備えるディスプレイモニタや、接続可能なプリンタで構成することができる。点検委託者は、このシステム1の管理者によって発行されたIDとパスワードを点検委託者用端末40にて入力することで第2情報サーバ20にのみアクセスすることができる。このシステムはスマートフォンに対応もしている為、パソコン端末が無い利用者にも情報公開可能である。
【0032】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において適宜変形実施可能である。
【符号の説明】
【0033】
1: 防火防災WEB管理台帳システム
10: 第1情報サーバ
11: 第1情報記憶手段
12: 第1情報サーバ側送受信手段
20: 第2情報サーバ
21: 特定情報公開手段
22: 第2情報サーバ側送受信手段
30: 点検実施者用端末
31: 保守情報入力手段
32: 点検実施者用端末側送受信手段
40: 点検委託者用端末
41: 要求手段
42: 情報出力手段
図1