(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146376
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】画像処理方法
(51)【国際特許分類】
G06V 10/26 20220101AFI20231004BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20231004BHJP
G06V 20/64 20220101ALI20231004BHJP
G06T 7/215 20170101ALI20231004BHJP
【FI】
G06V10/26
G06T7/00 C
G06V20/64
G06T7/215
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053525
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】517146563
【氏名又は名称】エイアイビューライフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【弁理士】
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【弁理士】
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】安川 徹
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA09
5L096BA02
5L096FA59
5L096FA60
5L096FA64
5L096FA66
5L096FA69
5L096FA77
5L096GA34
5L096HA03
5L096HA05
(57)【要約】
【課題】距離画像から精度よく移動体を追従すること。
【解決手段】本発明の画像処理装置10は、距離画像に対して、移動体を検出してラベルを付与すると共に、ラベルに対して移動体の距離画像情報である単独距離画像情報を関連付け、距離画像に基づいて所定の移動体が他の移動体と結合したと判断した場合に、所定の移動体のラベルに、単独距離画像情報を関連付けたまま、結合した移動体の結合状態における距離画像情報を結合距離画像情報として新たに関連付ける。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
距離画像に対して、移動体を検出してラベルを付与すると共に、当該ラベルに対して移動体の距離画像情報である単独距離画像情報を関連付け、
前記距離画像に基づいて所定の移動体が他の移動体と結合したと判断した場合に、所定の移動体の前記ラベルに、前記単独距離画像情報を関連付けたまま、結合した移動体の結合状態における距離画像情報を結合距離画像情報として新たに関連付ける、
画像処理方法。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理方法であって、
複数の移動体が結合したと判断した場合に、当該結合した移動体のそれぞれの前記ラベルに、結合した移動体の結合状態における同一の前記結合距離画像情報を新たに関連付ける、
画像処理方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の画像処理方法であって、
複数の移動体が結合したと判断した場合に、当該結合した移動体のそれぞれの前記ラベルに関連付けられている前記単独距離画像情報を、結合した時における各移動体の距離画像情報に更新する、
画像処理方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の画像処理方法であって、
複数の移動体が結合したと判断した場合であって、当該結合した移動体の前記ラベルに前記結合距離画像情報が関連付けられている場合に、当該結合距離画像情報を、結合した移動体の結合状態における同一の距離画像情報に更新する、
画像処理方法。
【請求項5】
請求項4に記載の画像処理方法であって、
複数の移動体が結合した結合移動体に他の移動体が結合したと判断した場合に、前記結合移動体に含まれる全ての移動体の前記ラベルに関連付けられている前記結合距離画像情報を、結合した移動体の結合状態における同一の距離画像情報に更新する、
画像処理方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理方法であって、
前記距離画像に基づいて、前記結合距離画像情報が関連付けられている移動体が複数の移動体に分離したと判断した場合に、分離前の移動体に関連付けられている前記単独距離画像情報と、分離後の移動体の距離画像情報と、に基づいて、分離後の移動体に属する単独移動体を選定する、
画像処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の画像処理方法であって、
分離後の移動体が複数の単独移動体からなる結合移動体である場合に、分離した移動体に属する単独移動体のそれぞれの前記ラベルに関連付けられている前記結合距離画像情報を、分離後の結合移動体の距離画像情報に更新する、
画像処理方法。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の画像処理方法であって、
分離前の移動体に関連付けられている前記単独距離画像情報が分離後の一の移動体の距離画像情報に対応する場合に、当該一の移動体に分離前の移動体の前記ラベルと前記単独距離画像情報とを関連付け、当該ラベルに関連付けられている前記結合距離画像情報を破棄する、
画像処理方法。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれかに記載の画像処理方法であって、
前記距離画像に基づいて、前記結合距離画像情報が関連付けられていない移動体が複数の移動体に分離したと判断した場合に、分離前の移動体に関連付けられている前記単独距離画像情報が分離後の一の移動体の距離画像情報に対応する場合に、当該一の移動体に分離前の移動体の前記ラベルと前記単独距離画像情報とを関連付け、分離後の他の移動体に新たな前記ラベルを付与して当該ラベルに対して当該他の移動体の距離画像情報を新たな前記単独距離画像情報として関連付ける、
画像処理方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の画像処理方法であって、
移動体の前記距離画像情報は、前記距離画像から検出できる移動体の重心位置、高さ、体積の少なくとも1つの情報を含む、
画像処理方法。
【請求項11】
距離画像に対して、移動体を検出してラベルを付与すると共に、当該ラベルに対して移動体の距離画像情報である単独距離画像情報を関連付ける手段と、
前記距離画像に基づいて所定の移動体が他の移動体と結合したと判断した場合に、所定の移動体の前記ラベルに、前記単独距離画像情報を関連付けたまま、結合した移動体の結合状態における距離画像情報を結合距離画像情報として新たに関連付ける手段と、
を備えた画像処理装置。
【請求項12】
情報処理装置に、
距離画像に対して、移動体を検出してラベルを付与すると共に、当該ラベルに対して移動体の距離画像情報である単独距離画像情報を関連付け、
前記距離画像に基づいて所定の移動体が他の移動体と結合したと判断した場合に、所定の移動体の前記ラベルに、前記単独距離画像情報を関連付けたまま、結合した移動体の結合状態における距離画像情報を結合距離画像情報として新たに関連付ける、
処理を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離画像から移動体を検出する処理を行う画像処理方法及び画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の人口が増加し、介護の需要が高まっている。一方で、介護には、多くの介護者が必要となり、介護者の作業負担や人件費の増加という問題が生じる。そこで、特許文献1に記載のような、距離画像センサで撮影した距離画像を用いて、被介護者といった人物を監視する監視システムが開発されている。
【0003】
特許文献1に開示の監視システムでは、距離画像からベッドの位置を抽出し、また、人物の領域を検出し、人物の動作を判別している。具体的に、ベッドの位置は、ベッドの長手方向及び短手方向における高さの度数分布から求めている。また、人物の動作は、所定の高さ位置に対する物体の位置検出することで、臥床の状態、上半身を起こした状態、起立の状態、といった人の動作を判別している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述したように距離画像から人物の動作を検出する場合には、人物自体を移動体として追従する必要がある。ところが、人物といった移動体を追従する際には、複数の人物が重なったり離れたりすることで、追従している移動体の結合と分離が繰り返されることがある。このように移動体が結合や分離を繰り返すと、移動体の追従が困難となり、移動体の動作を精度よく検出することが困難となる。
【0006】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、距離画像から移動体の追従が困難となることによって精度よく移動体の動作を検出することができない、ことを解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態である画像処理方法は、
距離画像に対して、移動体を検出してラベルを付与すると共に、当該ラベルに対して移動体の距離画像情報である単独距離画像情報を関連付け、
前記距離画像に基づいて所定の移動体が他の移動体と結合したと判断した場合に、所定の移動体の前記ラベルに、前記単独距離画像情報を関連付けたまま、結合した移動体の結合状態における距離画像情報を結合距離画像情報として新たに関連付ける、
という構成をとる。
【0008】
また、上記画像処理方法では、
複数の移動体が結合したと判断した場合に、当該結合した移動体のそれぞれの前記ラベルに、結合した移動体の結合状態における同一の前記結合距離画像情報を新たに関連付ける、
という構成をとる。
【0009】
また、上記画像処理方法では、
複数の移動体が結合したと判断した場合に、当該結合した移動体のそれぞれの前記ラベルに関連付けられている前記単独距離画像情報を、結合した時における各移動体の距離画像情報に更新する、
という構成をとる。
【0010】
また、上記画像処理方法では、
複数の移動体が結合したと判断した場合であって、当該結合した移動体の前記ラベルに前記結合距離画像情報が関連付けられている場合に、当該結合距離画像情報を、結合した移動体の結合状態における同一の距離画像情報に更新する、
という構成をとる。
【0011】
また、上記画像処理方法では、
複数の移動体が結合した結合移動体に他の移動体が結合したと判断した場合に、前記結合移動体に含まれる全ての移動体の前記ラベルに関連付けられている前記結合距離画像情報を、結合した移動体の結合状態における同一の距離画像情報に更新する、
という構成をとる。
【0012】
また、上記画像処理方法では、
前記距離画像に基づいて、前記結合距離画像情報が関連付けられている移動体が複数の移動体に分離したと判断した場合に、分離前の移動体に関連付けられている前記単独距離画像情報と、分離後の移動体の距離画像情報と、に基づいて、分離後の移動体に属する単独移動体を選定する、
という構成をとる。
【0013】
また、上記画像処理方法では、
分離後の移動体が複数の単独移動体からなる結合移動体である場合に、分離した移動体に属する単独移動体のそれぞれの前記ラベルに関連付けられている前記結合距離画像情報を、分離後の結合移動体の距離画像情報に更新する、
という構成をとる。
【0014】
また、上記画像処理方法では、
分離前の移動体に関連付けられている前記単独距離画像情報が分離後の一の移動体の距離画像情報に対応する場合に、当該一の移動体に分離前の移動体の前記ラベルと前記単独距離画像情報とを関連付け、当該ラベルに関連付けられている前記結合距離画像情報を破棄する、
という構成をとる。
【0015】
また、上記画像処理方法では、
前記距離画像に基づいて、前記結合距離画像情報が関連付けられていない移動体が複数の移動体に分離したと判断した場合に、分離前の移動体に関連付けられている前記単独距離画像情報が分離後の一の移動体の距離画像情報に対応する場合に、当該一の移動体に分離前の移動体の前記ラベルと前記単独距離画像情報とを関連付け、分離後の他の移動体に新たな前記ラベルを付与して当該ラベルに対して当該他の移動体の距離画像情報を新たな前記単独距離画像情報として関連付ける、
という構成をとる。
【0016】
また、上記画像処理方法では、
移動体の前記距離画像情報は、前記距離画像から検出できる移動体の重心位置、高さ、体積の少なくとも1つの情報を含む、
という構成をとる。
【0017】
また、本発明の一形態である画像処理装置は、
距離画像に対して、移動体を検出してラベルを付与すると共に、当該ラベルに対して移動体の距離画像情報である単独距離画像情報を関連付ける手段と、
前記距離画像に基づいて所定の移動体が他の移動体と結合したと判断した場合に、所定の移動体の前記ラベルに、前記単独距離画像情報を関連付けたまま、結合した移動体の結合状態における距離画像情報を結合距離画像情報として新たに関連付ける手段と、
を備えた、
という構成をとる。
【0018】
また、本発明の一形態であるプログラムは、
情報処理装置に、
距離画像に対して、移動体を検出してラベルを付与すると共に、当該ラベルに対して移動体の距離画像情報である単独距離画像情報を関連付け、
前記距離画像に基づいて所定の移動体が他の移動体と結合したと判断した場合に、所定の移動体の前記ラベルに、前記単独距離画像情報を関連付けたまま、結合した移動体の結合状態における距離画像情報を結合距離画像情報として新たに関連付ける、
処理を実行させる、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0019】
本発明は、以上のように構成されることにより、距離画像から移動体の追従が容易となり、移動体の動作を精度よく検出するができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態1における情報処理システムの構成を示す概略図である。
【
図2】
図1に開示した監視サーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】
図1に開示した監視サーバによる距離画像の処理の様子を示す図である。
【
図4】
図1に開示した監視サーバによる距離画像の処理の様子を示す図である。
【
図5】
図1に開示した監視サーバによる距離画像の処理の様子を示す図である。
【
図6】
図1に開示した監視サーバによる距離画像の処理の様子を示す図である。
【
図7】
図1に開示した監視サーバによる距離画像の処理の様子を示す図である。
【
図8】
図1に開示した監視サーバによる距離画像の処理の様子を示す図である。
【
図9】
図1に開示した監視サーバの処理動作を示すフローチャートである。
【
図10】
図1に開示した監視サーバの処理動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図10を参照して説明する。
図1乃至
図2は、情報処理システムの構成を示す図である。
図3乃至
図10は、情報処理システムの処理動作を説明するための図である。以下、各図を参照して、情報処理システムの構成及び動作を説明する。
【0022】
本発明における情報処理システムは、被介護者や被監視者といった監視対象となる人物Pの行動を監視するための情報処理システムである。そして、情報処理システムは、監視サーバ10と、距離画像カメラVと、監視端末30と、携帯端末40と、を備えて構成されている。
【0023】
上記距離画像カメラV(撮影装置)は、監視対象となる人物Pが横たわるベッドWが配置された領域である部屋R1(第一領域)内の距離画像を撮影可能な位置に配置されている。例えば、距離画像カメラVは、医療施設や介護施設、住宅などの部屋R1の天井に設けられ、部屋R1の大部分が画像内に収まる位置に配置されている。なお、距離画像カメラVは、必ずしも天井に設置されていることに限定されず、壁やスタンドなど、いかなる場所に設置されていてもよい。但し、部屋R1に設置されるベッドWは、布団などのいかなる寝床であってもよい。
【0024】
距離画像カメラVは、画素値を距離値とした距離画像を撮影するものである。例えば、距離画像カメラVは、赤外線レーザをターゲットに投射した際の往復の時間から距離を計測する形式のものであってもよく、いかなる方式の撮影装置であってもよい。そして、距離画像カメラVは、一定の時間間隔で、あるいは、撮影指示を受けたタイミングで、距離画像を撮影し、かかる距離画像を後述する監視サーバ10に送信する機能を有する。なお、後述する監視サーバ10の機能については、上記距離画像カメラVに搭載することもできる。つまり、距離画像カメラVに搭載された情報処理装置にて監視サーバ10の機能を実現してもよい。
【0025】
上記監視端末30(監視装置)は、被介護者である人物Pの介護を行う介護者や、監視する監視者であるユーザUが操作する情報処理端末である。監視端末30は、介護者などのユーザUが在籍する監視ルームR2など、人物Pの部屋R1(第一領域)とは離れた場所(第二領域)に設置されており、複数のユーザUによって操作可能である。監視端末30は、表示画面に距離画像を表示すると共に、監視に関する操作指示を入力可能とし、かかる操作指示を監視サーバ10に送信したり、監視サーバ10から発せられる人物Pの状態の通知を受信して、ユーザUに報知する機能を有する。
【0026】
上記携帯端末40(監視装置)は、上記ユーザUが保持して操作するスマートフォンなどの情報処理端末である。携帯端末40は、監視サーバ10と無線通信を介して接続される通信可能であり、介護者などのユーザUが在籍する監視ルームR2や他の被介護者の部屋など、人物Pの部屋R1(第一領域)とは離れた場所(第二領域)に位置し、複数のユーザUによって操作可能である。携帯端末40は、表示画面に距離画像を表示すると共に、監視に関する操作指示を入力可能とし、かかる操作指示を監視サーバ10に送信したり、監視サーバ10から発せられる人物Pの状態の通知を受信して、ユーザUに報知する機能を有する。
【0027】
上記監視サーバ10(画像処理装置)は、距離画像カメラVからの距離画像を用いて人物Pの部屋における当該人物Pの特定の動作状態を検知する機能を主に有する。そして、監視サーバ10は、演算装置及び記憶装置を有する1台又は複数台の情報処理装置で構成される。具体的に、監視サーバ10は、
図2に示すように、演算装置がプログラムを実行することで構築された、画像取得部11、動作検知部12、通知部13、を備えている。また、監視サーバ10は、記憶装置に形成された、判定基準記憶部16、追従情報記憶部17を備えている。以下、各構成について詳述するが、併せて、監視サーバ10による距離画像の処理の様子を
図3乃至
図8を参照して説明すると共に、監視サーバ10の動作を
図9及び
図10のフローチャートを参照して説明する。なお、監視サーバ10の機能については、上記距離画像カメラVに搭載することもできる。つまり、距離画像カメラVに搭載された情報処理装置にて監視サーバ10の機能を実現してもよい。
【0028】
上記画像取得部11は、上述したように距離画像カメラVにて撮影されたベッドWを含む部屋R1内の距離画像を、当該距離画像カメラVから取得する。そして、取得した距離画像を動作検知部12に渡すことで、当該距離画像は後述する処理に用いられる。なお、画像取得部11は、常に取得した距離画像をそのまま監視端末30や携帯端末40に送信し、監視端末30や携帯端末40の表示装置に表示するよう出力してもよい。
【0029】
上記動作検知部12(追従処理部)は、距離画像内における人物Pを検出する処理を行う。具体的に、動作検知部12は、まず、時間的に前後する距離画像の差分を用いて、かかる差分が所定値よりも小さい箇所を背景部分として検出する(
図9のステップS1)。例えば、部屋R1の距離画像において、床面や壁面、ベッドWといった固定物が映る箇所は、背景部分として検出される。このとき、動作検知部12は、検出した背景部分から、ベッドW(寝床)の領域であるベッド領域を検出する。例えば、動作検知部12は、距離画像から、所定の高さ位置に水平方向に所定の広さをもって広がる平面を検出し、かかる平面のうち、予め記憶しているベッド情報に対応する平面領域をベッド領域として検出する。例えば、ベッド情報は判定基準記憶部16に記憶されており、当該ベッド情報には、ベッドの広さや矩形である外形の長辺及び短辺の長さ、床面からの高さ、といった情報が含まれる。そして、動作検知部12は、特に、ベッド領域の外形を形成する端であるエッジ部分を検出する。例えば、動作検知部12は、ベッドWの外形付近に位置する箇所であって、近隣する画素同士の距離値が急激に変化する直線形状の箇所を、エッジ部分として検出する。
【0030】
そして、動作検知部12は、新たに撮影された距離画像の各画素において背景部分と距離の差分を算出し、かかる差分が所定値よりも大きい箇所に移動する物体(移動体)が存在することを検出する(
図9のステップS2)。そして、動作検知部12は、さらに、検出した物体の形状や大きさ等に基づいて人物Pを検出して、その後に順次撮影される距離画像において人物Pを追従する(
図9のステップS3)。例えば、動作検知部12は、検出した物体の形状(一例として、アスペクト比)や、物体間の位置関係や体積比(面積比)などから、頭部と胴体部との対といった複数の人体部位からなる人物Pを検出する。そして、例えば、動作検知部12は、新たな距離画像に対して、人体部位の形状をパターンマッチングしたり、部位の特徴点のオプティカルフローなども用いて、同一と判断できる人物Pの部位(頭部や胴体部など)を追従する。このとき、動作検知部12は、新たな距離画像に対して、直前に検出した人物Pの位置の近隣に存在する物体を検出して、パターンマッチングなどを用いて追従する。
【0031】
ここで、
図3乃至
図8を参照して、本実施形態における動作検知部12による追従処理の具体例を説明する。なお、以下では、動作検知部12は、
図3の符号Tに示すように、人物Pの頭部及び胴体部である部位を組み合わせて1つの移動体Tとして認識し、かかる移動体Tを追従対象として追従することとしている。但し、動作検知部12は、人物Pの頭部や胴体部といった各部位のみを追従対象である移動体Tとして追従してもよい。そして、本実施形態では、特に、距離画像上で複数の移動体Tが重なって1つの移動体Tに結合したものとして認識される場合と、距離画像上で1つとして認識されていた移動体Tが複数に分離したものとして認識される場合を説明する。
【0032】
まず、
図4を参照して、それぞれ単独な2つの移動体Tが重なって1つの移動体Tに結合されたものとして認識される場合を説明する。
図4の上側左図では、動作検知部12により、移動体A(所定の移動体)と移動体B(他の移動体)の2つの移動体が追従されていることとする(
図9のステップ3)。このとき、動作検知部12は、各移動体A,Bにそれぞれ異なるラベルを付与し、検出された各移動体A,Bの距離画像に基づく距離画像情報をそれぞれ算出する。例えば、各移動体A,Bの距離画像情報としては、各移動体A,B部分として抽出された距離画像を基に算出された、各移動体A,Bの重心位置、高さ、体積、が算出される。但し、各移動体A,Bの距離画像情報は、重心位置、高さ、体積、のうち、少なくとも1つの情報であってもよく、各移動体A,B部分として抽出された距離画像から算出されるいかなる値であってもよい。そして、動作検知部12は、各移動体A,Bを追従する度に、ラベルに距離画像情報を関連付けて追従情報記憶部17に記憶する。このとき、ラベルに関連付けられる距離画像情報は、単独距離画像情報として記憶される。
図4の上側左図の例では、移動体Aの情報として、ラベルA、単独距離画像情報(重心位置A、高さA、体積A)が関連付けられて記憶され、移動体Bの情報として、ラベルB、単独距離画像情報(重心位置B、高さB、体積B)が関連付けられて記憶される。なお、同様に、
図4の下側左図に示すように、移動体Cと移動体Dについても、それぞれラベルと単独距離画像情報が関連付けられて記憶されることとする。
【0033】
その後、移動体Aと移動体Bを追従し、
図4の上側右図に示すように、移動体Aと移動体Bとの距離dが近づき、移動体Aと移動体Bとが結合して結合移動体Eになったと判断されたとする。このとき、動作検知部12は、例えば、抽出した移動体A,B間の距離dに基づいて、移動体が分離しているか、結合しているかを判断する(
図9のステップS4)。一例として、動作検知部12は、移動体A,B同士の距離dが50cm以下に近づいた場合には、これらの移動体A,Bが1つに結合したと判断する(
図9のステップS4で「結合」)。なお、動作検知部12による移動体が結合したか否かの判断は、いかなる判断基準で行われてもよく、当該判断基準は、判定基準記憶部16に記憶されていることとする。
【0034】
そして、動作検知部12は、1つに結合した結合移動体Eを構成する各移動体A,Bに、それぞれ結合移動体Eの距離画像情報である結合距離画像情報を新たに関連付ける処理を行う。具体的に、動作検知部12は、まず、結合移動体Eに結合された各移動体A,Bのラベルに、結合距離画像情報が関連付けられているかを調べる。すると、各移動体A,Bにはまだ結合距離画像情報が関連付けられていないため、結合前の各移動体A,Bは単独移動体であると判断する(
図9のステップS5でYes)。そして、動作検知部12は、移動体A,Bの結合状態における結合移動体Eの距離画像に基づく距離画像情報を算出し、かかる距離画像情報を結合距離画像情報として、各移動体A,Bの各ラベルにそれぞれ関連付ける(
図9のステップS6)。
図4の上側右図の例では、結合移動体Eを構成する各移動体A,Bの各ラベルA,Bに、それぞれ結合移動体Eの距離画像情報として、結合移動体E部分の距離画像から重心位置E、高さE、体積Eを算出し、各ラベルA,Bそれぞれに同一の結合距離画像情報(重心位置E、高さE、体積E)を関連付けて、追従情報記憶部17に記憶する。
【0035】
また、動作検知部12は、結合移動体Eに結合される前の各移動体A,Bが単独移動体であるため、各ラベルA,Bに関連付けられている単独距離画像情報を、結合したときにおける各移動体A,Bの距離画像情報に更新する(
図9のステップS7)。つまり、動作検知部12は、各移動体A,Bの各ラベルA,Bに関連付けられている単独距離画像情報を、関連付けられた状態のままとし、情報の内容を更新する。
図4の上側右図の例では、結合したときの移動体Aの距離画像情報が(重心位置A’、高さA’、体積A’)と算出されると、かかる距離画像情報に、ラベルAに関連付けられている単独距離画像情報が更新されることとなる。また、移動体Bについても同様に、単独距離画像情報が、結合したときの移動体Bの距離画像情報(重心位置B’、高さB’、体積B’)に更新される。なお、動作検知部12は、結合直前の各移動体A,Bの距離画像情報を、単独距離画像情報として更新してもよい。
【0036】
このようにして、
図4の上側に示すように2つの単独移動体A、Bが1つの結合移動体Eに結合した場合に、各移動体A,Bの各ラベルA,Bに、それぞれ結合移動体Eの距離画像情報(重心位置E、高さE、体積E)が新たな結合距離画像情報として関連付けられる。また、各移動体A,BのラベルA,Bそれぞれにもともと関連付けられていた単独距離画像情報は、結合時における各移動体A,Bの距離画像情報にそれぞれ更新される。なお、
図4の下側に示す2つの単独移動体C,Dが1つの結合移動体Fに結合した場合も同様に、各移動体C,Dの各ラベルC,Dに、新たな結合距離画像情報を関連付け、もともと関連付けられていた単独距離画像情報を更新する。
【0037】
次に、
図5を参照して、2つの結合移動体E,Fが1つの結合移動体Gに結合されたものとして認識される場合を説明する。
図5の左図では、動作検知部12により、結合移動体Eと結合移動体Fの2つの結合移動体が追従されていることとする(
図9のステップ3)。このとき、動作検知部12は、各結合移動体E,Fを追従する度に、各結合移動体E,Fの距離画像に基づく距離画像情報をそれぞれ算出し、各結合移動体E,Fに属する各単独移動体A,B,C,Dの各ラベルA,B,C,Dにそれぞれ関連付けられている結合距離画像情報を、対応する結合移動体E,Fについて算出した距離画像情報に更新する。例えば、動作検知部12は、結合移動体Eについては、これに属する各移動体A,Bの各ラベルA,Bにそれぞれ関連付けられている結合距離画像情報(重心位置E、高さE、体積E)を、結合移動体Eを追従する度に当該結合移動体Eの距離画像情報に更新する。
【0038】
その後、
図5の右図に示すように、結合移動体Eと結合移動体Fとの距離dが近づき、結合移動体Eと結合移動体Fとが結合して新たな結合移動体Gになったと判断されたとする。このとき、動作検知部12は、例えば、抽出した結合移動体E,F間の距離dに基づいて、移動体同士が分離しているか、結合しているかを判断する(
図9のステップS4)。ここでは、結合移動体E,F同士の距離dが閾値以下に近づいたため、これらが1つに結合したと判断する(
図9のステップS4で「結合」)。
【0039】
すると、動作検知部12は、1つに結合した結合移動体Gを構成する各単独移動体A,B,C,Dにそれぞれ関連付けられている結合距離画像情報を更新する処理を行う。具体的に、動作検知部12は、まず、結合移動体Gに結合された各単独移動体A,B,C,Dのラベルに、結合距離画像情報が関連付けられているかを調べる。すると、各単独移動体A,B,C,Dに既に結合距離画像情報が関連付けられているため、結合前の各結合移動体E,Fはそれぞれ結合移動体であると判断する(
図9のステップS5でNo)。そして、動作検知部12は、結合状態における結合移動体Gの距離画像に基づく距離画像情報を算出し、かかる距離画像情報を、各移動体A,B,C,Dの各ラベルA,B,C,Dに関連付けられている結合距離画像情報として更新する(
図9のステップS8)。
図5の右図の例では、結合移動体G部分の距離画像から重心位置G、高さG、体積Gを算出し、結合移動体Gを構成する各単独移動体A,B,C,Dの各ラベルA,B,C,Dに関連付けられている結合距離画像情報を、それぞれ結合移動体Gの距離画像情報に更新する。つまり、各ラベルA,B,C,D(但し、
図5にはラベルC,Dを省略)それぞれに関連付けられている結合距離画像情報を、同一の距離画像情報(重心位置E、高さE、体積E)に更新する。なお、ここでは、各単独移動体A,B,C,Dの各ラベルA,B,C,Dに関連付けられている単独距離画像情報は更新されない。
【0040】
このように、動作検知部12は、単独移動体A,B,C,Dが結合を繰り返す場合であっても、各単独移動体A,B,C,Dの各ラベルに、それぞれが属する結合移動体の距離画像情報を関連付けて更新するだけで、単独移動体と結合移動体とを区別して追従することができる。
【0041】
なお、上記では、2つの移動体が結合する場合を例示しているが、3つ以上の移動体が同時に結合する場合にも、上述と同様の処理が適用可能である。例えば、3つの移動体が結合した場合には、結合移動体に属する全ての単独移動体のラベルに、結合移動体の距離画像情報を新たに関連付けるか更新すればよい。
【0042】
次に、
図6及び
図7を参照して、上述したように1つの移動体として結合されたと認識された結合移動体が、再度、2つの移動体に分離したと認識される場合を説明する。
図6の左図では、動作検知部12により、上述した結合移動体Gである1つの移動体が追従されていることとする(
図9のステップ3)。このとき、結合移動体Gは、4つの単独移動体A,B,C,Dで構成されており、各単独移動体A,B,C,Dの各ラベルA,B,C,Dに、それぞれ結合移動体Gの距離画像情報(重心位置G、高さG、体積G)が関連付けられている。なお、各単独移動体A,B,C,Dの各ラベルA,B,C,Dには、移動体自身の単独距離画像情報も関連付けられている。
【0043】
その後、
図6の右図に示すように、結合移動体Gが、相互に距離dが離れた移動体H及び移動体Iに分離したと判断されたとする。例えば、動作検知部12は、個別の物体として検出した移動体H,I間の距離dに基づいて、移動体が分離しているか、結合しているかを判断する(
図9のステップS4)。一例として、動作検知部12は、移動体H,I同士の距離dが50cmを超えた場合には、結合移動体Gが2つの移動体H,Iに分離したと判断する(
図9のステップS4で「分離」)。但し、動作検知部12による移動体が分離したか否かの判断は、いかなる判断基準で行われてもよく、当該判断基準は、判定基準記憶部16に記憶されている。
【0044】
その後、
図10のフローチャートに示す分離処理に進む。動作検知部12は、分離した各移動体H,Iの距離画像に基づく距離画像情報をそれぞれ算出する。この場合、移動体Hの距離画像情報(重心位置H、高さH、体積H)と、移動体Iの距離画像情報(重心位置I、高さI、体積I)と、を算出する。そして、動作検知部12は、分離した各移動体H,Iの距離画像情報と、分離前の結合距離画像Gを構成する各単独移動体A,B,C,Dの単独距離画像情報と、のマッチングを行う(
図10のステップS11)。具体的に、動作検知部12は、各単独移動体A,B,C,Dの単独距離画像情報と、分離した各移動体H,Iの距離画像情報と、の比較を行い、それぞれが相互に対応するか否かを調べる。さらに、動作検知部12は、複数の単独移動体A,B,C,Dの組み合わせと、各移動体H,Iと、の比較も行い、複数の単独移動体の組み合わせが、各移動体H,Iに対応するかも調べる。このとき、動作検知部12は、各移動体の距離画像情報である重心位置、高さ、体積を総合的に比較することで、移動体同士が対応するか否かを調べる。例えば、単独移動体Aの単独距離画像情報(重心位置A’、高さA’、体積A’)と、分離した移動体Hから算出された距離画像情報(重心位置H、高さH、体積H)と、を総合的に比較して、相互に対応するか、つまり、マッチするかを調べる。あるいは、2つの単独移動体A,Bの単独距離画像情報(重心位置A’、高さA’、体積A’)(重心位置B’、高さB’、体積B’)の組み合わせと、分離した移動体Hから算出された距離画像情報(重心位置H、高さH、体積H)と、を総合的に比較して、相互に対応するかを調べる。一例として、距離画像情報の各要素(重心位置、高さ、体積)にそれぞれ重み付けを行い、これらがマッチする度合いをスコア化し、スコアが閾値を超えた場合に、両移動体が相互に対応するものとして判断する。これにより、分離した各移動体H,Iにそれぞれ属する単独移動体A,B,C,Dを選定する(
図10のステップS12)。
【0045】
ここで、
図6の例においては、上述した距離画像情報の比較により、分離した移動体Hは、単独移動体A,Bの組み合わせが属する結合移動体であると判断され、分離した移動体Iは、単独移動体C,Dの組み合わせが属する結合移動体であると判断されたとする(
図10のステップS13でNo)。この場合、動作検知部12は、分離後の各結合移動体H,Iの算出した距離画像情報を、それに属する単独移動体のラベルに関連付けられている結合距離画像情報として更新する(
図10のステップS8)。例えば、結合移動体Hについては、これに属する各単独移動体A,Bの各ラベルA,Bに関連付けられている結合距離画像情報を、それぞれ分離後の移動体Hの距離画像情報(重心位置H、高さH、体積H)に更新する。なお、図示しないが、移動体Iについても同様に、これに属する各単独移動体C,Dの各ラベルC,Dに関連付けられている結合距離画像情報を、それぞれ分離後の移動体Iの距離画像情報(重心位置I、高さI、体積I)に更新する。
【0046】
次に、
図7に示すように、結合移動体Hが、相互に距離dが離れた移動体A及び移動体Bに分離した場合を説明する。動作検知部12は、分離した各移動体A,Bの距離画像に基づく距離画像情報をそれぞれ算出し、分離前の結合距離画像Hを構成する各単独移動体A,Bの単独距離画像情報と、のマッチングを行う(
図10のステップS11)。ここでは、分離した移動体A,Bには、それぞれ単独移動体A,Bが対応すると選定されたとする(
図10のステップS12)。すると、分離後の各移動体A,Bは、単独移動体であり(
図10のステップS13でYes)、分離前の移動体Hに属する単独移動体から選定されたものであることとなる(
図10のステップS14でYes)。この場合、動作検知部12は、分離後の各単独移動体A,Bに対して、分離前の単独移動体A,Bに関連付けられているラベルA,Bと単独距離画像情報とを関連付けて引き継ぐ。このとき、動作検知部12は、分離後の距離画像に基づいて各単独移動体A,Bの距離画像情報を算出し、かかる距離画像情報を各移動体の単独距離画像情報として更新する(
図10のステップS15)。さらに、動作検知部12は、分離前に各単独移動体A,Bの各ラベルA,Bに関連付けられていた結合距離画像情報を破棄する。これにより、例えば、
図7に示すように、分離後の単独移動体Aには、分離前の単独移動体AのラベルAと単独距離画像情報が引き継がれつつ、当該単独距離画像情報は分離後の単独移動体Aの距離画像情報(重心位置A、高さA、体積A)に更新され、結合距離画像情報は破棄される。
【0047】
このようにして、
図7に示すように結合移動体Hから分離した単独移動体A,Bは、元の単独移動体A,Bと同一のラベルA,Bと距離画像情報を引き継ぐことができる。その結果、一度は結合したものの、元の単独移動体A,Bとして追従を継続することができる。
【0048】
なお、上記では、結合移動体Hが2つの単独移動体A,Bの結合によるものであり、かかる2つの単独移動体A,Bが結合移動体Hから分離する場合を例示したが、結合移動体が3つ以上の移動体の結合によるものであり、かかる3つ以上の移動体が結合移動体から分離する場合にも、上述と同様の処理が適用可能である。その場合、例えば、分離後の3つ以上の単独移動体のそれぞれに、分離前の各単独移動体の各ラベルと単独距離画像情報とが引き継がれることとなる。
【0049】
次に、
図8を参照して、結合移動体ではない1つの移動体Aが2つの移動体A,Bに分離する場合を説明する。
図8の左図では、動作検知部12により、1つの移動体Aが追従されていることとする(
図9のステップ3)。このとき移動体Aには、当該移動体AのラベルAと単独距離画像情報(重心位置A、高さA、体積A)が関連付けられており、結合距離画像情報は関連付けられていないこととする。
【0050】
その後、
図8の右図に示すように、移動体Aが、相互に距離dが離れた移動体A及び移動体Bに分離したと判断されたとする。例えば、動作検知部12は、個別の物体として検出した移動体A,B間の距離dに基づいて、移動体が分離しているか、結合しているかを判断する(
図9のステップS4)。一例として、動作検知部12は、移動体A,B同士の距離dが50cmを超えた場合には、移動体Aが2つの移動体A,Bに分離したと判断する(
図9のステップS4で「分離」)。
【0051】
そして、動作検知部12は、分離した各移動体A,Bの距離画像に基づく距離画像情報をそれぞれ算出し、分離前の単独移動体Aの単独距離画像情報と、のマッチングを行う(
図10のステップS11)。ここでは、分離した移動体Aが、分離前の単独移動体Aとして選定されたとする(
図10のステップS13でYes,ステップS14でYes)。この場合、動作検知部12は、分離後の単独移動体Aに対して、分離前の単独移動体Aに関連付けられているラベルAと単独距離画像情報とを関連付けて引き継ぎ、さらに、単独距離画像情報を更新する(
図10のステップS15)。一方、分離した移動体Bは、分離前の移動体には結合距離画像情報が関連付けられていないため、単独移動体ではあるものの(
図10のステップS13でYes)、分離前の単独移動体として選定されていないため(
図10のステップS14でNo)、新規の単独移動体であると言える。このため、動作検知部12は、移動体Bに対して、新たにラベルBを付与し、その時の移動体Bの距離画像情報(重心位置B、高さB、体積B)を新たな単独距離画像情報としてラベルBに関連付けて記憶する。
【0052】
このようにして、
図8に示すように移動体Aから分離した移動体A,Bの一方には、分離前の移動体Aと同一のラベルと単独距離画像情報を引き継ぐことができ、他方には新たなラベルBと新たな単独距離画像情報を付与できる。その結果、分離した一方の移動体Aの追従を継続することができ、他方の移動体Bについても追従を行うことができる。
【0053】
なお、上記では、1つの移動体Aが2つの移動体A,Bに分離する場合を例示したが、1つの移動体が3つ以上の移動体に分離する場合にも上述と同様の処理が適用可能である。その場合、例えば、分離後の1つの移動体に分離前の移動体のラベルと単独距離画像情報を引き継ぎ、残りの2つ以上の移動体のそれぞれには、分離前の移動体のラベルとは異なるラベルであり、分離した移動体間においてもそれぞれ異なるラベルを付与することとなる。
【0054】
その後、動作検知部12は、追従した各移動体Tに対応する人物Pについて、当該人物Pの人体部位(頭部や胴体部など)の位置関係に基づいて、かかる人物Pの動作状態を検出する。一例として、動作検知部12は、頭部から検出できる人物Pの高さと、胴体部から検出できる重心位置と、距離画像内のベッドWと、の位置関係に基づいて、人物Pの動作状態を検出し、かかる動作状態が予め設定された特定の動作状態であるか否かを判定する。このとき、動作検知部12は、例えば、人物PがベッドWの境界に位置する状態や、人物PがベッドWから離れてうずくまっている状態、人物PがベッドWから離れて横たわっている状態、である場合には、人物Pの動作状態が異常と判断できる可能性のある特定の動作状態であると判定する。なお、上述したように人物Pの高さ、重心位置、ベッドWなどとの位置関係に基づいて人物Pの動作状態が特定の動作状態であると判断する基準は、予め判定基準記憶部16に記憶されていることとする。
【0055】
上記通知部13は、上述したように動作検知部12にて人物Pが特定の動作状態であると判定すると、ユーザUに対して人物Pが異常状態である可能性がある旨の通知を行う。例えば、通知部13は、監視端末30や携帯端末40に対して、人物Pが異常状態である可能性があることを通知する通知情報を送信する。但し、本発明で判定する特定の動作状態は、上述した状態に限定されず、他の動作状態を特定の動作状態として判定してもよい。例えば、人物PがベッドWに立つ状態(立位状態)、人物PがベッドW上に座っている状態(起き上がり状態)、を異常と判断できる可能性のある特定の動作状態として判定してもよい。
【0056】
以上のように、本発明によると、距離画像上において人物が重なったり離れたりすることで追従している移動体が結合したり分離した場合であっても、各人物を適切に追従することができる。その結果、追従後の人物の動作をより精度よく検出することができる。
【0057】
なお、上述したプログラムは、記憶装置に記憶されていたり、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0058】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0059】
10 監視サーバ
11 画像取得部
12 動作検知部
13 通知部
16 判定基準記憶部
17 追従情報記憶部
30 監視端末
40 携帯端末
P 人物
T 移動体
U ユーザ
V 距離画像カメラ
W ベッド