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特開2023-1464吊具及びこれを用いた吊下げ棚、腕木又は箱状物セット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023001464
(43)【公開日】2023-01-06
(54)【発明の名称】吊具及びこれを用いた吊下げ棚、腕木又は箱状物セット
(51)【国際特許分類】
   A47G 29/00 20060101AFI20221226BHJP
   F16B 12/10 20060101ALI20221226BHJP
   F16B 2/20 20060101ALI20221226BHJP
   A47F 5/00 20060101ALI20221226BHJP
【FI】
A47G29/00 G
F16B12/10 A
F16B2/20 B
A47F5/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102205
(22)【出願日】2021-06-21
(71)【出願人】
【識別番号】520359114
【氏名又は名称】HDサービス合同会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121795
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴亀 國康
(72)【発明者】
【氏名】間所 正樹
【テーマコード(参考)】
3B118
3J022
3J024
3K100
【Fターム(参考)】
3B118BB12
3J022DA11
3J022EA32
3J022EC22
3J022FB12
3J022HB02
3J022HB06
3J024CA16
3K100AF12
(57)【要約】
【課題】工具を要することなく、容易に支柱等に形成することができる吊具及びこれを用いた吊下げ棚、腕木又は箱状物セットを提供する。
【解決手段】本発明に係る吊具は、表面に棚、腕木又は箱状物を一体に係合する本体係合部と、裏面に支柱の前面に当接する凹面部と、係止窓部を備える基板と、前記支柱の後面から前記基板の係止窓部に係合して前記支柱を挟持するとともに、前記基板を前記支柱に保持するスナップバンドと、を有する吊具であって、前記スナップバンドは、U字状又はコ字状のばね力を有するバンド部と端部の頭部とを備え、その左右頭部の外幅間隔は平常時に前記係止窓部の内幅より大きく、押圧時に前記係止窓部の内幅より小さくなるようになっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面に棚、腕木又は箱状物を一体に係合する本体係合部と、裏面に支柱の前面に当接する凹面部と、係止窓部を備える基板と、
前記支柱の後面から前記基板の係止窓部に係合して前記支柱を挟持するとともに、前記基板を前記支柱に保持するスナップバンドと、を有する吊具であって、
前記スナップバンドは、U字状又はコ字状のばね力を有するバンド部と端部の頭部とを備え、その左右頭部の外幅は平常時に前記係止窓部の内幅より大きく、押圧時に前記係止窓部の内幅より小さくなる吊具。
【請求項2】
基板は、凹面部に滑り止めを備えることを特徴とする請求項1に記載の吊具。
【請求項3】
基板の本体係合部は、凸状であって上底が下底より小さい台形状の蟻柄形状をなし、棚、腕木又は箱状物に備えられた柄穴が前記上底側から嵌入されるようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊具。
【請求項4】
基板の本体係合部は、差込み部と止め部を備える凸状であって、
前記差込み部は、棚、腕木又は箱状物に備えられた差込み穴に上方から前記止め部まで嵌入されるようになっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の吊具。
【請求項5】
スナップバンドは、基板を挟んで頭部に対向する抜け防止凸条を有することを特徴とする請求項1~4の何れか一項に記載の吊具。
【請求項6】
スナップバンドは、バンド部と頭部の間に内方に彎曲した曲がり部を有していることを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の吊具。
【請求項7】
請求項1~6の何れか一項に記載の吊具は、さらに、基板の係止窓部に係合したスナップバンドの左右頭部の内幅が狭まるのを規制するバンドロックを有することを特徴とする吊具。
【請求項8】
請求項1~6の何れか一項に記載の吊具と、
前記吊具の本体係合部に係合する吊下体係合部を備えるとともに、基板の係止窓部に係止されたスナップバンドの左右頭部の内幅が狭まるのを規制するバンドロック部を備える棚、腕木又は箱状物と、を有してなる吊下げ棚、腕木又は箱状物セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支柱、ポール、三脚等に装着される吊下げ棚、腕木又は箱状物を形成するための吊具及びこれを用いた吊下げ棚、腕木又は箱状物セットに関する。
【背景技術】
【0002】
家庭において支柱、ポール、三脚等(支柱等)を利用した吊棚やハンガーを容易に形成することができれば便宜である。また、野外でキャンプをする場合に、テントの支柱等にランタンやゴミ袋等所要のものを吊り下げて使用に供することができれば便宜である。また、野外撮影や測量を行う場合は、交換レンズ、計測器、コントローラ、バッテリー等の
種々の部品を要し、これらの部品はまとまって手近に収納され、迅速な利用に供されることが求められる。かかる要請に対し、支柱等を利用した棚、収納ケース等の装着具が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1に、丸棒の長手方向に四角柱状の連結チップを嵌挿列設し、連結チップの相互当接部に形成された周溝に、コ字形の固定金具の下端内曲部を介入して連結チップ外側に固定金具を抱着するとともに固定金具の反対側に臨ませた保持金具におけるコ字形片の両側スリットを、前記固定金具の両側に突設した舌片に係止して保持金具を固定金具に固着し、しかして最上部の連結チップに抑え蓋を設けることを特徴とする組立式ポールハンガーが提案されている。この組立式ポールハンガーは、列設する連結チップの周溝に抱着したコ字形の固定金具に、ポールの反対側から棚、ハンガー等として利用することができる保持金具が固着されるようになっており、多目的利用に供することができるとされる。
【0004】
特許文献2に、曲折部を介して連設された4つの平板からなる板状体を折り曲げ、面ファスナにより固定してなる三角柱状の固定台と、その固定台を三脚の脚に固縛するベルトと、前記固定台に面ファスナを介して載置固定される収納本体と、を有してなる三脚用アクセサリーケースが提案されている。この三脚用アクセサリーケースは、天体望遠鏡や測量機器等の重量用の三脚から比較的軽量なカメラ用の三脚まで広く利用することができ、必要な物品の持ち運びにも便宜であるとされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-147020号公報
【特許文献2】特開2014-98793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
野外や家庭で支柱等に棚、収納ケース等を形成する場合は、工具を要しないことが好ましい。かかる観点から、特許文献1に記載の組立式ポールハンガーや特許文献2に記載の三脚用アクセサリーケースは好ましい。しかしながら、特許文献1に記載の組立式ポールハンガーは、連結チップを支柱に嵌挿列設させなければならないので、組立・分解が面倒であるという問題がある。特許文献2に記載の三脚用アクセサリーケースは、三脚に収納本体を固定するのにベルトを用いており、各種形状の支柱に対し必ずしも所定の固縛力で装着できない恐れがある。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点及び要請に鑑み、工具を要することなく、容易に支柱等に形成することができる吊具及びこれを用いた吊下げ棚、腕木又は箱状物セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る吊具は、表面に棚、腕木又は箱状物を一体に係合する本体係合部と、裏面に支柱の前面に当接する凹面部と、係止窓部を備える基板と、前記支柱の後面から前記基板の係止窓部に係合して前記支柱を挟持するとともに、前記基板を前記支柱に保持するスナップバンドと、を有する吊具であって、前記スナップバンドは、U字状又はコ字状のばね力を有するバンド部と端部の頭部とを備え、その左右頭部の外幅間隔は平常時に前記係止窓部の内幅より大きく、押圧時に前記係止窓部の内幅より小さくなるようになっている。
【0009】
上記発明において、基板は、凹面部に滑り止めを備えるのがよい。
【0010】
また、基板の本体係合部は、凸状であって上底が下底より小さい台形状の蟻柄形状をなし、棚、腕木又は箱状物に備えられた柄穴が前記上底側から嵌入されるようになっているものとすることができる。または、基板の本体係合部は、差込み部と止め部を備える凸状であって、前記差込み部は、棚、腕木又は箱状物に備えられた差込み穴に上方から前記止め部まで差し込まれるようになっているものとすることができる。
【0011】
また、スナップバンドは、基板を挟んで頭部に対向する抜け防止凸条を有するのがよい。スナップバンドは、バンド部と頭部の間に内方に彎曲した曲がり部を有しているものとすることができる。
【0012】
上記の吊具は、さらに、基板の係止窓部に係合したスナップバンドの左右頭部の内幅が狭まるのを規制するバンドロックを有するのがよい。
【0013】
また、上記の吊具と、上記吊具の本体係合部に係合する吊下体係合部を備えるとともに、基板の係止窓部に係合されたスナップバンドの左右頭部の内側が狭まるのを規制するバンドロック部を備える棚、腕木又は箱状物により、各種の吊下げ棚、腕木又は箱状物セットを予め準備することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る吊具は、支柱等に容易に装着することができ、また、この吊具を用いて支柱等に装着される所要の棚、腕木又は箱状物を容易かつ安全に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る吊具の構成を示す説明図である。図1(a)は、吊具の斜視図、図1(b)は当該吊具を介して支柱に装着された吊下体の態様を示す図である。
図2図1に示す基板部分の構成を示す説明図である。図2(a)は大きな窓枠状の係止窓部を有する基板の例、図2(b)は2つの小さな窓枠状の係止窓部を有する基板の例を示す。
図3図1に示すスナップバンド部分の構成を示す説明図である。図3(a)はU字状のバンド部を有するスナップバンドの例、図3(b)は、コ字状のバンド部を有するスナップバンドの例を示す。
図4図1に示す吊下体の例を示す説明図である。
図5】基板の本体係合部と係合する吊下体の吊下体係合部の例を示す説明図である。
図6】バンドロックの各種例を示す説明図である。
図7】吊下体の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について図面を基に説明する。本発明に係る吊具の例を図1に示す。図1の吊具について、基板部分の構成を図2に、スナップバンド部分の構成を図3に示す。本吊具10は、図1に示すように、基板11とスナップバンド15を有している。図1(b)及び図2に示すように、基板11は、表面に棚、腕木又は箱状物(吊下体20)を一体に係合する本体係合部112と、裏面に支柱30の前面に当接する凹面部113と、係止窓部115を備えている。スナップバンド15は、支柱30の後面から基板11の係止窓部115に係合することにより、支柱30を挟持するとともに、基板11を支柱30に保持することができる。
【0017】
スナップバンド15は、図3に示すように、U字状又はコ字状のばね力を有するバンド部151と端部の頭部153とを備えている。スナップバンド15はバンド部151のばね力により、左右頭部の外幅は平常時に係止窓部115の内幅より大きく、押圧時に係止窓部115の内幅より小さくすることができる。すなわち、支柱30に基板11を装着するときは、スナップバンド15を支柱30の後面から差し入れ、先ず頭部153を押圧して基板11の係止窓部115をくぐらせ、次にその押圧力を解除してスナップバンド15を係止窓部115に係合させることができる。なお、支柱30に係合させたスナップバンド15は、吊下体20の重量によって水平状態から下方に傾斜する場合がある。この傾斜を所定の範囲に押さえるため、基板11を挟んで頭部153に対向する抜け防止凸条155を設けるのがよい。また、この抜け防止凸条155により、吊具10はスナップバンド15を係止窓部115に係合させ一体にした状態で保管することができる。
【0018】
吊下体20は、棚、腕木又は箱状物など種々のものを対象とすることができ、例えば、図4に示す箱状物を基板11を介して支柱30に装着することができる。この吊下体20は、吊下体本体201及び吊下体基板202を有しており、吊下体基板202には基板11の本体係合部112に係合する吊下体係合部205が設けられている。
【0019】
支柱30は、測量器機用の三脚や各種ポールなど立設することができる丸断面又は角断面を有する柱状物を使用することができる。しかしながら、本発明の支柱30は、水平方向に差し渡された梁状のものであっても適用することができる。
【0020】
基板11は、上述のように、本体係合部112、凹面部113及び係止窓部115を備えている。スナップバンド15が係合する基板11の係止窓部115は、種々の形態をとることができ、例えば、図2(a)に示すように1の大きな窓枠状のもの(a)であってもよく、図2(b)に示すように2つの小さなのぞき窓枠状のもの(b)であってもよい。図2(a)に示す形態の基板11はデザイン性に富んだ基板11を構成することができる。図2(b)に示す形態の基板は、係止窓部115の大きさ又はサイズ等をスナップバンド15に適した形状にする必要があるが、コンパクトな基板11を構成することができる。
【0021】
基板11の係止窓部115は、ばね力を有するスナップバンド15を係止窓部115に係合することができ、基板11が支柱30に装着されて吊下体20が支柱30に確実に保持される構造であればよい。基板11が安定して支柱30に保持されるように、基板11の凹面部113は、支柱30の当接面にならう形状であるのがよい。図2(a)に示す基板11の凹面部113は曲面状であり、以下に説明する図3(b)に示す基板11の凹面部113は皿状になっている。また、基板11を安定して支柱30に保持するには、図2(a)に示すように、基板11の凹面部113に滑り止め117を設けるのがよい。
【0022】
基板11は支柱30に装着され、その基板11を介して吊下体20が支柱30に吊り下げられる(装着される)。この吊下体20の装着において、吊下体20の吊下体係合部205が本体係合部112に係合する。かかる係合関係は、図5に示す各種構造を採用することができる。図5は、基板11は本体係合部112を有しており、その本体係合部112に吊下体20の吊下体基板202が嵌入される様子を示している。例えば、基板11の本体係合部112は、凸状であって上底が下底より小さい台形状の蟻柄形状とすることができる(図5(a))。この場合、吊下体係合部205はその蟻柄形状に対応する柄穴とされる。上記、本体係合部112と吊下体係合部205の蟻柄-柄穴(雄・雌)構造は、逆の雄雌構造にすることができる。
【0023】
図5(b)に示す本体係合部112は、差込み部112aと止め部112bを有する凸状をしている。吊下体20の吊下体基板202には上記差込み部112aが嵌入する差込み穴が設けられる。本体係合部112は差込み穴に上方から止め部112bまで差し込まれるようになっている。すなわち、吊下体基板202の差込み穴は、吊下体係合部205として機能する。図5(c)は、基板11の本体係合部112が箱状をしており、吊下体20の吊下体基板202が嵌入されるようになっている。図5(d)は、図5(a)の本体係合部112と吊下体係合部205の構造が逆の雄雌構造になっている。かかる本体係合部112と吊下体係合部205の構造は、吊下体20の形状、重量又は経済性等を考慮して適切な構造が選択される。
【0024】
スナップバンド15は、上述のように、バンド部151がU字状又はコ字状のものがあり、支柱30の形状に合わせて適当なものが使用される。支柱30が角断面を有する場合は図3(b)に示すスナップバンド15が使用される。このスナップバンド15は、バンド部151と頭部153の間に曲がり部154を有している。頭部153は縦長の形状を有している。このスナップバンド15は、係止窓部115が2つの小さなのぞき窓枠状のものに好適に使用することができる。
【0025】
本吊具10により吊下体20を支柱に装着する場合、吊下体20の重量や取扱い方によって、スナップバンド15の頭部153の外幅間隔が狭くなるような力が作用する場合がある。かかる力が作用してもスナップバンド15の頭部153の外幅間隔が狭くなるのを防止するバンドロックを設けるのがよい。バンドロック17は、図6に示す各種バンドロック17を使用することができる。例えば、図6(a)は、蟻柄形状のバンドロック17が基板11の柄穴118に係合するようになっている。バンドロック17は、スナップバンド15を基板11の係止窓部115に係合させた後、柄穴118に嵌入される。図6(b)は両側縁の彎曲部をスナップバンド15の頭部153に係合させる構造、図6(c)は両側縁の凹み部をナップバンド15の頭部153に噛ませる構造になっている。図6(d)は、支柱30が角断面を有する場合に使用されるスナップバンド15に設けるバンドロック17の例である。かかる吊具10は、バンドロック17の板厚又は形状を調整することにより、断面形状がある程度異なる支柱30に対して適用することができる。なお、吊下体20の吊下体基板202の板幅を適当にすることにより、吊下体基板202にバンドロック17の機能をもたせることができる。すなわち、かかる吊下体基板202は、バンドロック部を有する吊下体基板である(図5)。
【0026】
以上本発明に係る吊具10について説明した。本吊具10は、支柱30に各種吊下体20を装着することができる。このため、吊具10と吊下体20とをセット(吊下体セット)にして予め準備すれば、利用の便宜を図ることができる。図7は、吊下体セットの例である。図7(a)の吊下体20は、蓋又はカバーが設けられてなるケース(箱状物)の例である。図7(b)の吊下体20は棚の例である。
【符号の説明】
【0027】
10 吊具
11 基板
112 本体係合部
113 凹面部
115 係止窓部
117 滑り止め
118 柄穴
15 スナップバンド
151 バンド部
153 頭部
154 曲がり部
155 抜け防止凸条
17 バンドロック
20 吊下体
201 吊下体本体
202 吊下体基板
205 吊下体係合部
30 支柱
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7