(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146413
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】混雑度推定装置、混雑度推定システム、混雑度推定方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/04 20230101AFI20231004BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053578
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】309036221
【氏名又は名称】三菱重工機械システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(74)【代理人】
【識別番号】100196689
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 康一郎
(72)【発明者】
【氏名】石川 和志
(72)【発明者】
【氏名】家氏 策
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
5L049DD01
5L049DD02
(57)【要約】
【課題】混雑度推定の精度を向上させることができる混雑度推定装置、混雑度推定システム、混雑度推定方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】混雑度推定装置は、複数の利用者が滞在可能な施設内において、利用者が集中する主要空間の利用者が検知部により検知されることによって取得される検知情報を受信する受信部と、検知情報に基づいて、利用者の利用者タイプを判別する判別部と、利用者タイプに基づいて、施設の混雑度を推定する推定部と、を備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者が滞在可能な施設内において、前記利用者が集中する主要空間の前記利用者が検知部により検知されることによって取得される検知情報を受信する受信部と、
前記検知情報に基づいて、前記利用者の利用者タイプを判別する判別部と、
前記利用者タイプに基づいて、前記施設の混雑度を推定する推定部と、
を備える混雑度推定装置。
【請求項2】
前記検知情報に基づいて、前記利用者の入退出時刻を計測する入退出時刻計測部と、
前記利用者の入退出時刻から前記利用者の滞在時間を算出する滞在時間算出部と、
前記検知情報に基づいて、前記利用者の人数情報を算出する人数情報算出部と、
前記利用者タイプ毎に滞在平均時間を算出する滞在平均時間算出部と、
前記人数情報に基づいて、前記主要空間の許容人数を算出する許容人数算出部と、
をさらに備え、
前記判別部は、前記利用者タイプを、前記利用者が子供連れであるか否かまたは前記利用者がベビーカーを使用しているか否かで判別し、
前記推定部は、前記入退出時刻、前記滞在平均時間、及び前記許容人数に基づいて前記混雑度を推定する、
請求項1に記載の混雑度推定装置。
【請求項3】
前記利用者タイプ別に想定される前記滞在時間として規定された利用者タイプ別滞在時間を参照して前記利用者の予想滞在時間を算出する予想滞在時間算出部をさらに備え、
前記推定部は、前記予想滞在時間に基づいて未来の前記混雑度を推定する、
請求項2に記載の混雑度推定装置。
【請求項4】
前記人数情報、前記滞在時間、及び前記利用者タイプを分析して、前記混雑度の推定に必要な処理にフィードバックする分析部をさらに備える、
請求項2又は3に記載の混雑度推定装置。
【請求項5】
前記判別部は、前記検知情報に含まれる身長情報に基づいて子供を判別する、
請求項2から4の何れか一項に記載の混雑度推定装置。
【請求項6】
前記判別部は、前記検知情報に含まれる前記利用者の外見情報から、前記利用者がベビーカーを使用しているか否かを判別する、
請求項2から5の何れか一項に記載の混雑度推定装置。
【請求項7】
前記混雑度を外部に通知する通知部をさらに備える、請求項1から6の何れか一項に記載の混雑度推定装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の混雑度推定装置と、
前記検知部と、
を備える混雑度推定システム。
【請求項9】
前記検知部は、前記利用者の外見情報を点群データとして取得する、
請求項8に記載の混雑度推定システム。
【請求項10】
前記検知部は、3D-LiDARであり、前記検知情報を前記混雑度推定装置に逐次送信する、
請求項8又は9に記載の混雑度推定システム。
【請求項11】
複数の利用者が滞在可能な施設内において、前記利用者が集中する主要空間の前記利用者が検知部により検知されることによって取得される検知情報を受信するステップと、
前記検知情報に基づいて、前記利用者の利用者タイプを判別するステップと、
前記利用者タイプに基づいて、前記施設の混雑度を推定するステップと、
を有する混雑度推定方法。
【請求項12】
複数の利用者が滞在可能な施設内において、前記利用者が集中する主要空間の前記利用者が検知部により検知されることによって取得される検知情報を受信するステップと、
前記検知情報に基づいて、前記利用者の利用者タイプを判別するステップと、
前記利用者タイプに基づいて、前記施設の混雑度を推定するステップと、
を混雑度推定装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、混雑度推定装置、混雑度推定システム、混雑度推定方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
GPS(Global Positioning System)等の普及により、各個人の位置情報を各種サービスに利用する動きがでてきている。
例えば、特許文献1には、利用できる位置情報のデータが少ない場合でも、施設単位の混雑度を推定することができる施設混雑度情報提供装置が開示されている。施設混雑度情報提供装置は、滞在人数と滞在平均時間との対応関係及び現在の滞在情報をそれぞれ取得し、これらに基づいて混雑度を推定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、混雑度推定の精度についてさらなる改善が求められていた。
【0005】
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、混雑度推定の精度を向上させることができる混雑度推定装置、混雑度推定システム、混雑度推定方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様によれば、混雑度推定装置は、複数の利用者が滞在可能な施設内において、前記利用者が集中する主要空間の前記利用者が検知部により検知されることによって取得される検知情報を受信する受信部と、前記検知情報に基づいて、前記利用者の利用者タイプを判別する判別部と、前記利用者タイプに基づいて、前記施設の混雑度を推定する推定部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様によれば、混雑度推定システムは、上記の混雑度推定装置と、前記検知部と、を備える。
【0008】
本開示の一態様によれば、混雑度推定方法は、複数の利用者が滞在可能な施設内において、前記利用者が集中する主要空間の前記利用者が検知部により検知されることによって取得される検知情報を受信するステップと、前記検知情報に基づいて、前記利用者の利用者タイプを判別するステップと、前記利用者タイプに基づいて、前記施設の混雑度を推定するステップと、を有する。
【0009】
本開示の一態様によれば、プログラムは、複数の利用者が滞在可能な施設内において、前記利用者が集中する主要空間の前記利用者が検知部により検知されることによって取得される検知情報を受信するステップと、前記検知情報に基づいて、前記利用者の利用者タイプを判別するステップと、前記利用者タイプに基づいて、前記施設の混雑度を推定するステップと、を混雑度推定装置のコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示の混雑度推定装置、混雑度推定システム、混雑度推定方法、及びプログラムによれば、混雑度推定の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の実施形態に係る混雑度推定システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本開示の実施形態に係る施設内の主要空間の一例であるレストランを示す図である。
【
図3】本開示の実施形態に係る検知部によって検知される利用者の点群データを示す図である。
【
図4】本開示の実施形態に係る検知部によって検知されるベビーカーの点群データを示す図である。
【
図5】本開示の実施形態に係る混雑度推定システムの全体構成、及び混雑度推定装置の機能構成を示す図である。
【
図6】本開示の実施形態に係る混雑度推定装置のプロセッサの機能構成を示す図である。
【
図7】本開示の実施形態に係る混雑度推定装置の処理に係るデータベースの一例を示す図である。
【
図8】本開示の実施形態に係る混雑度推定装置の処理の一例を示す第1のフローチャート図である。
【
図9】本開示の実施形態に係る混雑度推定装置の処理の一例を示す第2のフローチャート図である。
【
図10】本開示の実施形態に係る混雑度推定装置の処理の一例を示す第3のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の位置実施形態に係る混雑度推定システム10及び混雑度推定装置20について、図を参照しながら説明する。
図1は、本開示の実施形態に係る混雑度推定システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、混雑度推定システム10は、検知部11と、混雑度推定装置20と、制御装置12と、外部装置13とを備えている。
【0013】
混雑度推定システム10、及び混雑度推定装置20は、複数の利用者が滞在可能な施設1の混雑度を推定するために用いられる。本実施形態では、複数の利用者Aが滞在可能な施設1として、高速道路に併設されたサービスエリア(SA)を例に説明する。
【0014】
施設1内には、施設1の利用者が集中する主要空間S1が複数設けられている。主要空間S1毎に、利用者Aの許容人数が異なる。本実施形態では、施設1内の主要空間S1として、レストラン2と、通路3と、イベント会場4とが設けられている。つまり主要空間S1とは、施設1の主たる目的を提供する空間、またはこの空間へ出入りする箇所である。通路3は、レストラン2とイベント会場4を接続している。
混雑度推定装置20は、主要空間S1毎に情報を収集・処理し、施設1全体の混雑度を推定する。以下では、混雑度推定装置20が、主要空間S1のうちレストラン2の情報を収集・処理する場合を例に説明する。
【0015】
図2は、本開示の実施形態に係る施設内の主要空間の一例であるレストランを示す図である。
図2に示すように、レストラン2には、駐車場から直接レストラン2に出入りするための第1の出入口2aと、通路3からレストラン2に出入りするための第2の出入口2aとが設けられている。また、第1の出入口2aの付近には、待機空間S2が設けられている。待機空間S2は、レストラン2の外側に設けられている。待機空間S2は、第1の出入口2aを介して、レストラン2に接続されている。
【0016】
本実施形態では、主要空間S1毎に検知部11が設けられている。
検知部11は、利用者Aを検知して検知情報を取得する。検知情報は、例えば、各利用者Aの外見情報等を含む。本実施形態では、検知部11は、例えば3次元での距離を測定するセンサである。より具体的には、検知部11は、3D-LiDAR(Light Detection And Ranging)である。このため、本実施形態では、検知部11は、各利用者Aの位置と距離を動線の途切れなく取得することができる。
【0017】
図3は、本開示の実施形態に係る検知部によって検知される利用者の点群データを示す図である。
図3に示すように、検知部11は、利用者Aの外見情報、及び物体の外見情報を点群データとして取得する。点群データには、各利用者Aの身長Lや、各物体のサイズ等の情報が反映される。
【0018】
図4は、本開示の実施形態に係る検知部によって検知されるベビーカーBの点群データを示す図である。
図4では、ベビーカーを押す人物は、シルエットのみ図示され、人物を示す点群データは省略されている。
検知部11は、利用者がベビーカーBを使用している場合、ベビーカーBも点群データとして取得することができる。
図4に示すように、検知部11により点群データとして取得されたベビーカーBのタイヤB1は、ベビーカーBのうちタイヤB1以外の部分と区別可能な個別の点群データとして取得される。
検知部11は、検知情報を混雑度推定装置20に逐次送信する。本実施形態では、検知部11は、例えば50msecに1回の間隔で検知情報を取得し、混雑度推定装置20に送信する。検知部11が検知情報を取得・送信する頻度は、適宜変更可能である。
【0019】
図2に戻り、混雑度推定装置20は、いわゆるセンタサーバ(コンピュータ)である。混雑度推定装置20は、検知部11から送信された検知情報を処理し、主要空間S1毎に利用者Aの人数情報や、利用者Aの子連れの有無等を判別する。さらに、混雑度推定装置20は、検知情報を処理することによって得た各主要空間S1の情報に基づいて、施設1全体の混雑度を推定する。本実施形態では、混雑度推定装置20は、施設1の現在の混雑度を推定し、混雑率を算出する。また、本実施形態の混雑度推定装置20は、予想滞在時間も算出し、予想滞在時間に基づいて施設1の未来の混雑度を推定することができる。未来の混雑度も、混雑率として算出される。混雑度推定装置20の機能構成については後に詳述する。
混雑度推定装置20は、検知情報を処理することよって得られる、施設1の混雑度や予想滞在時間等の情報を制御装置12に送信する。
【0020】
制御装置12は、施設1内の各システム及び機器を制御する制御室内に設置されている。制御装置12は、表示部12aを備える。
表示部12aは、混雑度推定装置20からの送信される、施設1の混雑度や予想滞在時間等の情報を表示する。表示部12aに表示された情報は、制御室内のユーザに視認される。
制御装置12は、混雑度推定装置20からの情報や、混雑度推定装置20からの情報に基づくその他の情報を外部装置13に送信する。本実施形態では、制御装置12は、外部装置13に情報を送信するか否かを選択することができる。
【0021】
外部装置13として、例えば高速道路本線に設置された本線掲示板、交通システム用のアンテナ等が挙げられる。本線掲示板は、例えば制御装置12からの情報に基づいて、施設1の混雑度や予想滞在時間等の情報を表示する。アンテナは、例えば制御装置12からの情報に基づいて、高速道路本線を走行する車両のカーナビに施設1の混雑度や予想滞在時間等の情報をリアルタイムで送信する。つまり、このアンテナとは、高速道路を走行する車両に対して情報を伝達する装置である。
【0022】
(混雑度推定装置の機能構成)
混雑度推定装置20の機能構成について、
図5を参照しながら説明する。
図5は、開示の実施形態に係る混雑度推定システムの全体構成、及び混雑度推定装置の機能構成を示す図である。
図5に示すように、混雑度推定装置20は、プロセッサ21と、メインメモリ22と、ストレージ23と、通信インタフェース24とを備えている。
【0023】
プロセッサ21は、例えばCPUであり、混雑度推定装置20の各処理を実行する。プロセッサ21の機能について後述する。
【0024】
メインメモリ22は、プロセッサ21の動作に必要なメモリ領域を有する。
【0025】
ストレージ23は、いわゆる補助記憶装置である。
ストレージ23の例としては、磁気ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ23は、コンピュータのバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、通信インタフェース24又は通信回線を介して混雑度推定装置20(コンピュータ)に接続される外部メディアであってもよい。
【0026】
通信インタフェース24は、混雑度推定装置20の外部に設置された検知部11及び制御装置12と情報の送受信を行うためのインタフェースである。
【0027】
次に、プロセッサ21の機能について説明する。プロセッサ21は、所定のプログラムに従って動作することにより、以下の機能を発揮する。
【0028】
図6は、開示の実施形態に係る混雑度推定装置のプロセッサの機能構成を示す図である。
図6に示すように、プロセッサ21は、受信部30、判別部31、入退出時刻計測部32、滞在時間算出部33、人数情報算出部34、滞在平均時間算出部35、許容人数算出部36、予想滞在時間算出部37、推定部38、通知部39、及び分析部40としての機能を有する。
【0029】
受信部30は、主要空間S1の利用者が検知部11により通知されることによって取得される検知情報を受信する。
【0030】
判別部31は、検知情報に基づいて、利用者Aの利用者タイプを判別する。本実施形態では、判別部31は、利用者タイプを、利用者Aが子供連れであるか否かまたは利用者Aがベビーカーを使用しているか否かで判別する。なお、判別部31は、利用者タイプを、利用者Aが子供連れであるか否か、利用者Aがベビーカーを使用しているか否かのいずれか一方で判別してもよい。
判別部31は、検知情報に含まれる身長情報に基づいて子供A1を判別する。
また、判別部31は、検知情報に含まれる利用者Aの外見情報から、利用者AがベビーカーBを使用しているか否かを判別する。
【0031】
入退出時刻計測部32は、検知情報に基づいて、利用者Aの入退出時刻を計測する。
【0032】
滞在時間算出部33は、利用者Aの入退出時刻から利用者Aの滞在時間を算出する。
【0033】
人数情報算出部34は、検知情報に基づいて、利用者Aの人数情報を算出する。
【0034】
滞在平均時間算出部35は、利用者タイプ毎に滞在平均時間を算出する。
【0035】
許容人数算出部36は、利用者Aの人数情報に基づいて、主要空間S1の許容人数を算出する。
【0036】
予想滞在時間算出部37は、利用者タイプ別に想定される滞在時間として規定された利用者タイプ別滞在時間を参照して利用者の予想滞在時間を算出する。
【0037】
図7は、本開示の実施形態に係る混雑度推定装置の処理に係るデータベースの一例を示す図である。
本実施形態では、利用者タイプ別滞在時間は、
図7に示すデータベースに保存されている。
図7のデータベースは、例えばストレージ23に保存されている。利用者タイプ別時間は、大人のみ、子供連れ、ベビーカー使用者、の3種類存在する。利用者タイプ別時間は、主要空間S1毎に異なる。
図7では、主要空間S1がレストラン2の場合について、利用者タイプ別時間の具体例が記載されている。利用者タイプ別時間を参照した予想滞在時間の算出については、後に詳述する。
【0038】
判別部31、入退出時刻計測部32、滞在時間算出部33、人数情報算出部34、滞在平均時間算出部35、許容人数算出部36、予想滞在時間算出部37の各処理は、主要空間S1毎に行われる。すなわち、主要空間S1毎に、入退出時刻、滞在時間、人数情報、滞在平均時間、許容人数、及び予想滞在時間が算出される。
【0039】
推定部38は、利用者タイプに基づいて、施設1の混雑度を推定する。本実施形態では、推定部38は、入退出時刻、及び利用者タイプ毎に計算された滞在平均時間、及び主要空間S1の許容人数に基づいて、施設1の現在の混雑度を推定する。また、本実施形態では、推定部38は、予想滞在時間に基づいて施設1の未来の混雑度を推定することも可能である。
【0040】
通知部39は、施設1の混雑度を外部に通知する。本実施形態では、通知部39は、制御装置12に施設1の混雑度を通知する。
【0041】
分析部40は、各機能部によって算出された情報を分析する。本実施形態では、分析部40は、例えば人数情報、滞在時間、及び利用者タイプを分析して、混雑度の推定に必要な処理にフィードバックする。
【0042】
(混雑度推定装置の処理フロー)
以下、
図8から
図10を参照しながら、混雑度推定装置20の処理の流れについて説明する。
【0043】
図8は、本開示の実施形態に係る混雑度推定装置20の処理の一例を示す第1のフローチャート図である。
まず、受信部30が検知部11から送信された検知情報を受信する(ステップS10)。なお、本実施形態では、主要空間S1毎に検知情報が取得・処理される。また、以下に続く混雑度推定装置20の処理の流れの説明では、特に言及しない限り、主要空間S1がレストラン2の場合を例に説明するものとする。
【0044】
続いて、判別部31が検知情報に基づいて、利用者Aの利用者タイプを判別する(ステップS11)。ステップS11では、判別部31は、まず、検知情報に含まれる身長情報に基づいて、検知対象の人物の中から、子供A1を判別する。
【0045】
図9は、本開示の実施形態に係る混雑度推定装置の処理の一例を示す第2のフローチャート図である。
判別部31が、子供A1を判別する際、
図9に示すフローが実行される。判別部31は、身長L(
図3参照)が所定の閾値以下であるかを判定する(ステップS110)。本実施形態では、所定の閾値は、例えば120cmに設定されている。なお、所定の閾値は、適宜変更可能である。身長Lが所定の閾値以下である場合(ステップS110;YES)、判別部31は、判別対象の人物を子供と判別する(ステップS111)。また、身長Lが所定の閾値以下でない場合(ステップS110;NO)、判別部31は、判別対象の人物を大人A2と判別する(ステップS112)。判別部31は、子供A1か大人A2かの判別結果と、人物間の距離に基づいて、利用者Aが大人A2のみか子供連れかを判別する。
判別部31が判別対象の人物が子供A1か大人A2かを判別した後、検知部11の検知エリア内の物体がベビーカーであるかを判定する。
【0046】
図10は、本開示の実施形態に係る混雑度推定装置の処理の一例を示す第3のフローチャート図である。
判別部31が、ベビーカーBを判別する際、
図10に示すフローが実行される。まず、判別部31が、判別対象の物体にタイヤB1を示す点群データが3つ、又は4つあるかを判定する(ステップS113)。判別対象の物体にタイヤB1を示す点群データが3つ、又は4つない場合(ステップS113;NO)、判別部31は、判別対象の物体をベビーカーBでないと判別する(ステップS114)。判別対象の物体にタイヤB1を示す点群データが3つ、又は4つある場合(ステップS113;YES)、判別部31が、判別対象の物体の点群データの形状が、ベビーカーBの諸元値と類似しているかを判定する(ステップS115)。判別対象の物体の点群データの形状が、ベビーカーBの諸元値と類似していない場合(ステップS115;NO)、判別部31は、判別対象の物体をベビーカーBでないと判別する(ステップS114)。判別対象の物体の点群データの形状が、ベビーカーの諸元値と類似している場合(ステップS115;YES)、判別部31が、判別対象の物体の点群データが、大人A2に隣接しているかを判定する(ステップS116)。判別対象の物体の点群データが、大人A2に隣接していない場合(ステップS116;NO)、判別部31は、判別対象の物体をベビーカーBでないと判別する(ステップS114)。判別対象の物体の点群データが、大人A2に隣接している場合(ステップS116;YES)、判別部31は、判別対象の物体をベビーカーBであると判別する(ステップS117)。判別部31は、ベビーカーBか否かの判別結果に基づいて、ベビーカーBに隣接する大人A2である利用者AがベビーカーBの使用者か否かを判別する。
このようにして、判別部31が利用者タイプを判別した後、
図8のフローに戻る。
【0047】
続いて、入退出時刻計測部32が、検知情報に基づいて、利用者Aの入退出時刻を計測する(ステップS12)。具体的に、入退出時刻計測部32は、利用者Aが待機空間S2からレストラン2、または通路3からレストラン2に移動した時刻を利用者Aの入場時刻とて計測し、利用者Aがレストラン2から待機空間S2、またはレストラン2から通路3に移動した時刻を退出時刻として計測する。
【0048】
続いて、滞在時間算出部33が、利用者Aの入退出時刻から利用者Aの滞在時間を算出する(ステップS13)。
【0049】
続いて、人数情報算出部34が、検知情報に基づいて、利用者Aの人数情報を算出する(ステップS14)。なお、ステップS14は、ステップS12の前に行われてもよい。
【0050】
続いて、滞在平均時間算出部35が、各利用者Aの滞在時間及び利用者タイプ毎の人数情報に基づいて、利用者タイプ毎に滞在平均時間を算出する(ステップS15)。
【0051】
続いて、許容人数算出部36が、人数情報算出部34によって算出された利用者Aの人数情報に基づいて、主要空間S1の許容人数を算出する(ステップS16)。例えば、許容人数算出部36は、予め設定された主要空間S1の収容可能人数と、収容空間S1内に実際に存在する利用者Aの人数との差分から、主要空間S1の許容人数を算出する。許容人数算出部36は、主要空間S1の許容人数を算出する際、各利用者Aの利用者タイプを参照してもよい。
【0052】
続いて、予想滞在時間算出部37が、利用者タイプ別に想定される滞在時間として規定された利用者タイプ別滞在時間を参照して利用者Aの予想滞在時間を算出する(ステップS17)。
【0053】
本実施形態では、予想滞在時間算出部37は、
図7のデータベースに保存された、利用者タイプ別滞在時間を参照して予想滞在時間を算出する。予想滞在時間算出部37は、該当する利用者タイプ別滞在時間と、加算時間とを合計して予想滞在時間を算出する。なお、利用者タイプが子供連れ、及びベビーカー使用者の両方に該当する場合、時間が長い方の利用者タイプ別時間を予想滞在時間の算出に使用する。また、加算時間とは、主要空間S1の条件、及び状況によって決まる時間である。レストラン2の場合、加算時間は、例えば料理の提供時間が主に考慮されて設定される。なお、通路3やイベント会場4の場合、加算時間は、例えば混雑状況等が主に考慮されて設定される。
【0054】
図7示す例において、4人のグループがレストラン2を利用する時、このグループ内に子供1人、ベビーカー使用者1人が含まれる場合の予想滞在時間は、20分(利用者タイプ別滞在時間:子供連れ、またはベビーカー使用者)+15分(加算時間)=35分と算出される。
【0055】
続いて、推定部38が利用者タイプに基づいて、施設1の混雑度を推定する(ステップS18)。本実施形態では、推定部38は、入退出時刻、及び利用者タイプ毎に計算された滞在平均時間、及び主要空間S1の許容人数に基づいて施設1の現在の混雑度を推定する。さらに、推定部38は、予想滞在時間に基づいて施設1の未来の混雑度を推定する。推定部38が、混雑度を推定する際、入退出時刻、滞在平均時間、及び主要空間S1の許容人数等の情報は、主要空間S1毎に処理される。推定部38は、施設1の現在、及び未来の混雑率を、例えば80%等の具体的な混雑率として算出する。なお、推定部38は、混雑度を、施設1全体だけでなく主要空間S1毎に算出してもよい。
【0056】
混雑度の推定後、通知部39が、施設1の混雑度を外部に通知する(ステップS19)。本実施形態では、通知部39は、制御装置12に施設1の混雑度を通知する。通知部39は、施設1の混雑度を示す混雑率(%)とともに、予想滞在時間を制御装置12に通知する。制御装置12に通知された施設1の混雑率(%)や予想滞在時間等の情報は、制御装置12のユーザによって選択されて外部装置13(本線掲示板、交通システム用のアンテナ等)に送信される。これにより、施設1の混雑率(%)や予想滞在時間等の情報が外部装置13を介して、走行中の車両の運転手、及び乗員に通知される。車両の運転手、及び乗員は、通知された情報に基づいて、施設1を利用するか否か、及び施設1を利用するタイミングを判断することができる。
【0057】
混雑度の通知後、分析部40が、各機能部によって算出された情報を分析する(ステップS20)。本実施形態では、分析部40は、例えば人数情報、滞在時間、及び利用者タイプを分析して、混雑度の推定に必要な処理にフィードバックする。具体的には、分析部40は、人数情報、及び滞在時間、利用者タイプを、人数内訳(例えば、人数**人のうち、子供**人、ベビーカー**人)ごとに、例えばストレージ23に保存して、平均結果を各機能部に返す等の処理を行う。分析部40のフィードバックにより、混雑度の演算方法に補正が加えられ、
図7に示すデータベース内の情報が適切な値に更新される。通知部39が、混雑度を外部に通知すると、
図8に示すフローが終了する。
【0058】
混雑度推定装置20は、受信部30で検知情報を常時受信しており、一定時間置き(例えば1分間に1回)に処理を開始する。このようにして、混雑度推定装置20は、一定時間置きに
図8のフローチャートに示す一連の処理を繰り返し実行する。
【0059】
(作用効果)
以上のように、混雑度推定装置20は、検知情報を受信する受信部30と、検知情報に基づいて、利用者Aの利用者タイプを判別する判別部31と、利用者タイプに基づいて、施設1の混雑度を推定する推定部38と、を備える。
【0060】
利用者Aの滞在時間は、各々の事情に応じて異なることが予想される。本実施形態によれば、混雑度推定装置20は、利用者タイプの情報を加味して施設1の混雑度を推定することができる。これにより、混雑度推定装置20の混雑度推定の精度を向上させることができる。
【0061】
また、混雑度推定装置20は、検知情報に基づいて、利用者Aの入退出時刻を計測する入退出時刻計測部32と、利用者Aの入退出時刻から利用者Aの滞在時間を算出する滞在時間算出部33と、検知情報に基づいて、利用者Aの人数情報を算出する人数情報算出部34と、利用者タイプ毎に滞在平均時間を算出する滞在平均時間算出部35と、利用者Aの人数情報に基づいて、主要空間S1の許容人数を算出する許容人数算出部36と、をさらに備え、判別部31は、利用者タイプを、利用者Aが子供連れであるか否かまたは利用者AがベビーカーBを使用しているか否かで判別し、推定部38は、入退出時刻、滞在平均時間、及び主要空間S1の許容人数に基づいて混雑度を推定する。
【0062】
利用者Aが子連れ、又は利用者Aがベビーカーを使用している場合、利用者Aの滞在時間は長くなる傾向にある。本実施形態によれば、混雑度推定装置20は、利用者Aが子連れ、及び利用者Aがベビーカーを使用しているか否かを、利用者タイプとして判別し、混雑度の推定に加味することができる。また、混雑度推定装置20は、利用者タイプに加えて、入退出時刻、及び滞在平均時間、及び主要空間S1の許容人数の情報を加味して、施設1の混雑度を推定することができる。このように、混雑度推定装置20は、複数の要素を加味して、施設1の混雑度を推定することができる。したがって、混雑度推定装置20の混雑度推定の精度をより一層向上させることができる。
【0063】
また、混雑度推定装置20は、利用者タイプ別に想定される滞在時間として規定された利用者タイプ別滞在時間を参照して利用者Aの予想滞在時間を算出する予想滞在時間算出部37をさらに備え、推定部38は、予想滞在時間に基づいて未来の混雑度を推定する。
【0064】
このようにすることで、混雑度推定装置20は、未来の混雑度を推定することができる。
【0065】
また、混雑度推定装置20は、人数情報、滞在時間、及び利用者タイプを分析して、混雑度の推定に必要な処理にフィードバックする分析部40をさらに備える。
【0066】
このようにすることで、混雑度推定装置20の混雑度推定の精度をより一層向上させることができる。
【0067】
また、判別部31は、検知情報に含まれる身長情報に基づいて子供A1を判別する。
【0068】
このようにすることで、混雑度推定装置20は、身長Lという明確な基準で子供A1を判別することができる。これにより、混雑度推定装置20は、明確、かつ簡易に利用者タイプが子連れか否かを判別することができる。したがって、混雑度推定装置20は、効率良く混雑度推定を行うことができる。
【0069】
また、判別部31は、検知情報に含まれる利用者Aの外見情報から、利用者AがベビーカーBを使用しているか否かを判別する。
【0070】
このようにすることで、混雑度推定装置20は、外見情報という明確な基準でベビーカーBの使用の有無を判別することができる。これにより、混雑度推定装置20は、明確、かつ簡易に利用者AがベビーカーBを使用しているか否かを判別することができる。したがって、混雑度推定装置20は、効率良く混雑度推定を行うことができる。
【0071】
また、混雑度推定装置20は、混雑度を外部に通知する通知部39をさらに備える。
【0072】
このようにすることで、混雑度推定装置20は、推定した混雑度を外部に通知することで、施設1をこれから利用しようとする人に、実際に施設1を利用するか否か、及び施設1を利用するタイミングを判断する際に有益な情報を提供することができる。
【0073】
また、検知部11は、利用者Aの外見情報を点群データとして取得する。
【0074】
このようにすることで、検知部11は、検知情報の容量を抑えつつ、利用者Aの外見情報を精度よく取得することができる。これにより、検知部11は、検知情報を効率良く送信することができるとともに、混雑度推定装置20は、受信した検知情報を効率良く処理することができる。したがって、混雑度推定システム10は、混雑度推定をより一層効率良く実行することができる。
【0075】
また、検知部11は、3D-LiDARであり、検知情報を混雑度推定装置20に逐次送信する。
【0076】
このようにすることで、検知部11は、検知情報を混雑度推定装置20に逐次送信することができる。これにより、混雑度推定装置20は、リアルタイムで混雑度推定を行うことができる。したがって、混雑度推定システム10の混雑度推定の精度をより一層向上させることができる。
【0077】
以上のとおり、本開示に係る実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0078】
なお、上記の実施形態では、混雑度推定システム10、及び混雑度推定装置20が用いられる施設1として、サービスエリア(SA)を例に説明したが、これに限られるものではない。混雑度推定システム10、及び混雑度推定装置20が用いられる施設1は、例えばサービスエリア(PA)や、ハイウェイオアシス(HO)であってもよい。
【0079】
なお、上記の実施形態では、施設1内の主要空間S1として、レストラン2と、通路3と、イベント会場4とが設けられている場合を例に説明したが、これに限られるものではなく、例えば売店やドックランであってもよい。
【0080】
なお、上記の実施形態では、検知部11は、例えば3D-LiDAR等、3次元での距離を測定するセンサであるとしたが、これに限られるものではない。検知部11は、例えばカメラであって、検知情報として取得される情報は、単なる動画や静止画等であってもよい。
【0081】
なお、上記の実施形態では、混雑度推定装置20は、いわゆるセンタサーバ(コンピュータ)であるとしたが、これに限られるものではなく、例えばノートパソコン等持ち運び可能なコンピュータであってもよい。
【0082】
なお、上記の実施形態では、制御装置12が混雑度推定装置20から受信した施設1の混雑度等の情報を外部装置13に送信し、外部装置13は、制御装置12から送信された情報を表示する場合について説明したが、これに限られるものではない。外部装置13には、混雑度推定装置20から直接、施設1の混雑度等の情報が送信されてもよい。
【0083】
なお、上記の実施形態では、検知部11が主要空間S1(レストラン2等)内の利用者Aを検知して取得した検知情報に基づいて、施設1の混雑度を推定する場合について説明したが、これに限られるものではない。検知部11は、例えば主要空間S1が混雑して待機空間S2に利用者Aが待機している場合に、待機空間S2内の利用者Aの検知情報に基づいて、施設1の混雑度を推定してもよい。
【0084】
<付記>
各実施形態に記載の混雑度推定装置20、混雑度推定システム10、混雑度推定方法、及びプログラムは、例えば以下のように把握される。
【0085】
本開示の第1の態様によれば、混雑度推定装置20は、複数の利用者Aが滞在可能な施設1内において、前記利用者Aが集中する主要空間S1の前記利用者Aが検知部11により検知されることによって取得される検知情報を受信する受信部30と、前記検知情報に基づいて、前記利用者Aの利用者タイプを判別する判別部31と、前記利用者タイプに基づいて、前記施設1の混雑度を推定する推定部38と、を備える。
施設1の例として、例えばサービスエリア(SA)、サービスエリア(PA)や、ハイウェイオアシス(HO)等、高速道路に併設された無料休憩施設が挙げられる。
主要空間S1の例として、例えばレストラン2や、通路3、イベント会場4、売店、ドックラン等が挙げられる。
【0086】
利用者Aの滞在時間は、各々の事情に応じて異なることが予想される。本態様によれば、混雑度推定装置20は、利用者タイプの情報を加味して施設1の混雑度を推定することができる。これにより、混雑度推定装置20の混雑度推定の精度を向上させることができる。
【0087】
本開示の第2の態様によれば、第1の態様に係る混雑度推定装置20において、前記検知情報に基づいて、前記利用者Aの入退出時刻を計測する入退出時刻計測部32と、前記利用者の入退出時刻から前記利用者Aの滞在時間を算出する滞在時間算出部33と、前記検知情報に基づいて、前記利用者Aの人数情報を算出する人数情報算出部34と、前記利用者タイプ毎に滞在平均時間を算出する滞在平均時間算出部35と、前記人数情報に基づいて、前記主要空間S1の許容人数を算出する許容人数算出部36と、をさらに備え、前記判別部31は、前記利用者タイプを、前記利用者Aが子供連れであるか否かまたは前記利用者AがベビーカーBを使用しているか否かで判別し、前記推定部38は、前記入退出時刻、前記滞在平均時間、及び前記許容人数に基づいて前記混雑度を推定する。
【0088】
利用者Aが子連れ、又は利用者AがベビーカーBを使用している場合、利用者Aの滞在時間は長くなる傾向にある。本態様によれば、混雑度推定装置20は、利用者Aが子連れ、及び利用者がベビーカーを使用しているか否かを、利用者タイプとして判別し、混雑度の推定に加味することができる。また、混雑度推定装置20は、利用者タイプに加えて、入退出時刻、及び滞在平均時間、及び主要空間S1の許容人数の情報を加味して、施設1の混雑度を推定することができる。このように、混雑度推定装置20は、複数の要素を加味して、施設1の混雑度を推定することができる。したがって、混雑度推定装置20の混雑度推定の精度をより一層向上させることができる。
【0089】
本開示の第3の態様によれば、第2の態様に係る混雑度推定装置20において、前記利用者タイプ別に想定される前記滞在時間として規定された利用者タイプ別滞在時間を参照して前記利用者Aの予想滞在時間を算出する予想滞在時間算出部37をさらに備え、前記推定部38は、前記予想滞在時間に基づいて未来の前記混雑度を推定する。
【0090】
このようにすることで、混雑度推定装置20は、未来の混雑度を推定することができる。
【0091】
本開示の第4の態様によれば、第2又は第3の態様に係る混雑度推定装置20において、前記人数情報、前記滞在時間、及び前記利用者タイプを分析して、前記混雑度の推定に必要な処理にフィードバックする分析部40をさらに備える。
【0092】
このようにすることで、混雑度推定装置20の混雑度推定の精度をより一層向上させることができる。
【0093】
本開示の第5の態様によれば、第2から第4の何れか一の態様に係る混雑度推定装置20において、前記判別部31は、前記検知情報に含まれる身長情報に基づいて子供を判別する。
【0094】
このようにすることで、混雑度推定装置20は、身長Lという明確な基準で子供を判別することができる。これにより、混雑度推定装置20は、明確、かつ簡易に利用者タイプが子連れか否かを判別することができる。したがって、混雑度推定装置20は、効率良く混雑度推定を行うことができる。
【0095】
本開示の第6の態様によれば、第2から第5の何れか一の態様に係る混雑度推定装置20において、前記判別部31は、前記検知情報に含まれる前記利用者Aの外見情報から、前記利用者AがベビーカーBを使用しているか否かを判別する。
【0096】
このようにすることで、混雑度推定装置20は、外見情報という明確な基準でベビーカーBの使用の有無を判別することができる。これにより、混雑度推定装置20は、明確、かつ簡易に利用者AがベビーカーBを使用しているか否かを判別することができる。したがって、混雑度推定装置20は、効率良く混雑度推定を行うことができる。
【0097】
本開示の第7の態様によれば、第1から第6の何れか一の態様に係る混雑度推定装置20において、前記混雑度を外部に通知する通知部39をさらに備える。
【0098】
このようにすることで、混雑度推定装置20は、推定した混雑度を外部に通知することで、施設1をこれから利用しようとする人に、実際に施設1を利用するか否か、及び施設1を利用するタイミングを判断する際に有益な情報を提供することができる。
【0099】
本開示の第8の態様によれば、混雑度推定システム10は、第1から第7の何れかの混雑度推定装置20と、前記検知部11と、を備える。
【0100】
本開示の第9の態様によれば、第8の態様に係る混雑度推定システム10において、前記検知部11は、前記利用者の外見情報を点群データとして取得する。
【0101】
このようにすることで、検知部11は、検知情報の容量を抑えつつ、利用者Aの外見情報を精度よく取得することができる。これにより、検知部11は、検知情報を効率良く送信することができるとともに、混雑度推定装置20は、受信した検知情報を効率良く処理することができる。したがって、混雑度推定システム10は、混雑度推定をより一層効率良く実行することができる。
【0102】
本開示の第10の態様によれば、第8又は第9の態様に係る混雑度推定システム10において、前記検知部11は、3D-LiDARであり、前記検知情報を前記混雑度推定装置20に逐次送信する。
【0103】
このようにすることで、検知部11は、検知情報を混雑度推定装置20に逐次送信することができる。これにより、混雑度推定装置20は、リアルタイムで混雑度推定を行うことができる。したがって、混雑度推定システム10の混雑度推定の精度をより一層向上させることができる。
【0104】
本開示の第11の態様によれば、混雑度推定方法は、複数の利用者Aが滞在可能な施設1内において、前記利用者Aが集中する主要空間S1の前記利用者Aが検知部11により検知されることによって取得される検知情報を受信するステップと、前記検知情報に基づいて、前記利用者Aの利用者タイプを判別するステップと、前記利用者タイプに基づいて、前記施設1の混雑度を推定するステップと、を有する。
【0105】
本開示の第12の態様によれば、プログラムは、複数の利用者が滞在可能な施設1内において、前記利用者Aが集中する主要空間S1の前記利用者Aが検知部11により検知されることによって取得される検知情報を受信するステップと、前記検知情報に基づいて、前記利用者Aの利用者タイプを判別するステップと、前記利用者タイプに基づいて、前記施設1の混雑度を推定するステップと、を混雑度推定装置20のコンピュータに実行させる。
【符号の説明】
【0106】
1 施設
2 レストラン
2a 出入口
3 通路
4 イベント会場
10 混雑度推定システム
11 検知部
12 制御装置
12a 表示部
13 外部装置
20 混雑度推定装置
21 プロセッサ
22 メインメモリ
23 ストレージ
24 通信インタフェース
30 受信部
31 判別部
32 入退出時刻計測部
33 滞在時間算出部
34 人数情報算出部
35 滞在平均時間算出部
36 許容人数算出部
37 予想滞在時間算出部
38 推定部
39 通知部
40 分析部
S1 主要空間
S2 待機空間