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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146414
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】レーダー受信機
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/285 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
G01S7/285
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053579
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012087
【氏名又は名称】株式会社光電製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 寛治
(72)【発明者】
【氏名】西原 幸伸
(72)【発明者】
【氏名】林 大介
【テーマコード(参考)】
5J070
【Fターム(参考)】
5J070AB01
5J070AH25
5J070AH31
5J070AH35
5J070AH40
5J070AK40
(57)【要約】
【課題】位相成分を失わない同調技術を提供する。
【解決手段】本発明のレーダー受信機は、周波数変換部、帯域制限部、A/D変換部、周波数解析部、アナログ局部発振部、デジタル局部発振部、IQ変換部を備える。周波数解析部は、送受弁別器から漏洩送信信号が出力されている時間領域の信号に対し、デジタルIF信号の周波数を解析する。アナログ局部発振部は、周波数解析部が解析した結果に基づいて、周波数を調整した局部発振信号を出力する。デジタル局部発振部は、周波数解析部が解析した結果に基づいて、デジタルIF信号と同じ周波数のデジタル局部発振信号を出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送受弁別器からの信号と局部発振信号とを入力信号とし、受信IF信号を出力する周波数変換部と、
前記受信IF信号の帯域を制限し、帯域制限受信IF信号を出力する帯域制限部と、
前記帯域制限受信IF信号をデジタル信号に変換し、デジタルIF信号を出力するA/D変換部と、
前記送受弁別器から漏洩送信信号が出力されている時間領域の信号に対し、前記デジタルIF信号の周波数を解析する周波数解析部と、
前記周波数解析部が解析した結果に基づいて、周波数を調整した局部発振信号を出力するアナログ局部発振部と、
前記周波数解析部が解析した結果に基づいて、前記デジタルIF信号と同じ周波数のデジタル局部発振信号を出力するデジタル局部発振部と、
前記デジタルIF信号と前記デジタル局部発振信号を入力とし、ベースバンドのI信号とQ信号を出力するIQ変換部
を備えるレーダー受信機。
【請求項2】
請求項1記載のレーダー受信機であって、
前記帯域制限部は、前記受信IF信号の帯域を、前記A/D変換部がデジタル信号に変換可能な最大帯域以下に制限する
ことを特徴とするレーダー受信機。
【請求項3】
請求項1または2記載のレーダー受信機であって、
前記周波数解析部は、
アナログ局部発振部の周波数を、送信信号の最低周波数から受信IF信号の周波数を減算した周波数から、高い周波数に変更しながら受信IF信号を検出し、
受信IF信号を検出したときに、当該受信IF信号に対応するイメージ信号を受信し得る上側の局部発振周波数でもデジタルIF信号を得ることができるかを確認し、
上側の局部発振周波数でデジタルIF信号が確認できなかった場合には、先に検出した受信IF信号をイメージ信号と判定し、より低い周波数に存在する受信IF信号を検出する
ことを特徴とするレーダー受信機。
【請求項4】
請求項1または2記載のレーダー受信機であって、
前記周波数解析部は、
アナログ局部発振部の周波数を、送信信号の最高周波数から受信IF信号の周波数を加算した周波数から、低い周波数に周波数を変更しながら受信IF信号を検出し、
受信IF信号を検出したときに、当該受信IF信号に対応するイメージ信号を受信し得る下側の局部発振周波数でもデジタルIF信号を得ることができるかを確認し、
下側の局部発振周波数でデジタルIF信号が確認できなかった場合には、先に検出した受信IF信号をイメージ信号と判定し、より高い周波数に存在する受信IF信号を検出する
ことを特徴とするレーダー受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動同調機能を有するレーダー受信機に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶に搭載するレーダーでは、送信信号であるRF(無線周波数:Radio Frequency)信号の生成にマグネトロンを用いる場合が多いが、マグネトロンは発振周波数が不安定である。受信機において適切な受信IF(中間周波数:Intermediate Frequency)信号を得るためには、局部発振器の周波数により決定する受信RF周波数を送信信号の周波数に同調させる必要がある。同調にはユーザーがボリューム等により自ら受信周波数を調整する手動同調と、受信機内部の信号処理により送信周波数を推定して、ユーザーの手を介さずに受信周波数を決定する自動同調があるが、当然自動同調の方が利便性は高い。
【0003】
レーダーシステムの基本的な構成を図1に示す。レーダーシステム900では、送信信号発振器として動作するマグネトロン910で生成した送信信号が、送受弁別器920を介してアンテナ930から放射される。アンテナ930の指向方向に存在する反射物からの反射波は受信信号としてアンテナ930に入力され、送受弁別器920を介してレーダー受信機800に入力される。レーダーシステム900は、送信から受信までの時間、アンテナ930の指向角によって反射物の位置を特定する。自動同調は、送信の際に送受弁別器920からレーダー受信機800へ漏洩する送信信号(漏洩送信信号)を解析して行われる場合が多い。
【0004】
自動同調の手法には、従来から漏洩送信信号の強度を観測して受信周波数を決定する手法が用いられる。しかし、強度から周波数を直接判定するので、受信周波数を変化させながら強度を観測する必要があり、同調に時間を要するという課題がある。電源投入直後などマグネトロン910の周波数安定度が特に悪い状況では、受信周波数の可変範囲も大きくする必要があり、この傾向はさらに顕著になる。
【0005】
この解決策として特許文献1に示された技術などがある。特許文献1では漏洩送信信号に対し、FFT(高速フーリエ変換:Fast Fourier Transform)などの周波数解析処理を施した上で受信周波数を決定している。レベルだけでなく周波数も解析することで、受信周波数を適切に制御し、同調の高速化を図ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-333481号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、特許文献1に示された技術では、受信信号を検波した後で表示に供する構成のため、受信信号に含まれる位相成分を表示処理(例えばクラッタ除去など)に活用することができない。受信信号の位相成分を活用するためには、IF信号をベースバンドのIQ信号に変換する方法が有効だが、同調が行われていない状態ではIF信号の周波数が未知なためIQ変換を適切に行うことができない。そこで、本発明は位相成分を失わない同調技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のレーダー受信機は、周波数変換部、帯域制限部、A/D変換部、周波数解析部、アナログ局部発振部、デジタル局部発振部、IQ変換部を備える。周波数変換部は、送受弁別器からの信号と局部発振信号とを入力信号とし、受信IF信号を出力する。「送受弁別器からの信号」にはアンテナから入力される受信信号と漏洩送信信号があり、漏洩送信信号はマグネトロンが送信信号を出力している時間にのみ存在する。帯域制限部は、受信IF信号の帯域を制限し、帯域制限受信IF信号を出力する。A/D変換部は、帯域制限受信IF信号をデジタル信号に変換し、デジタルIF信号を出力する。周波数解析部は、送受弁別器から漏洩送信信号が出力されている時間領域の信号に対し、デジタルIF信号の周波数を解析する。アナログ局部発振部は、周波数解析部が解析した結果に基づいて、周波数を調整した局部発振信号を出力する。デジタル局部発振部は、周波数解析部が解析した結果に基づいて、デジタルIF信号と同じ周波数のデジタル局部発振信号を出力する。IQ変換部は、デジタルIF信号とデジタル局部発振信号を入力とし、ベースバンドのI信号とQ信号を出力する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のレーダー受信機によれば、周波数解析部が、送受弁別器から漏洩送信信号が出力されている時間領域の信号に対し、デジタルIF信号の周波数を解析する。そして、周波数解析部が解析した結果に基づいて、アナログ局部発振部とデジタル局部発振部の周波数をそれぞれ制御する。このように対応させる周波数領域を分担した2種の局部発振器を用いることで、受信信号が有する位相成分を失うことなく高速な同調が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】レーダーシステムの基本的な構成を示す図。
図2】本発明のレーダー受信機の機能構成例を示す図。
図3】本発明のレーダー受信機の周波数解析部での処理フローの例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例0012】
図2に本発明のレーダー受信機の機能構成例を示す。図3に本発明のレーダー受信機の周波数解析部での処理フローの例を示す。レーダー受信機100は、図1のレーダー受信機800の代わりに使用する。レーダー受信機100は、周波数変換部110、帯域制限部120、A/D変換部130、周波数解析部140、アナログ局部発振部170、デジタル局部発振部160、IQ変換部150を備える。さらに、LPF181、182も備えればよい。LPF181、182は、ベースバンドの信号のみを通過させるローパスフィルタ(Low Pass Filter)である。
【0013】
周波数変換部110は、送受弁別器920からの信号と局部発振信号(後述するアナログ局部発振部170の出力)とを入力信号とし、受信IF信号を出力する。「送受弁別器920からの信号」には、アンテナ930で受信した受信信号(受信RF信号)と漏洩送信信号とがあり、漏洩送信信号はマグネトロンが送信信号を出力している時間にのみ存在する。
【0014】
帯域制限部120は、受信IF信号の帯域を制限し、帯域制限受信IF信号を出力する。後述する周波数解析部140では、マグネトロン910の周波数が変化しやすいことを考慮しながら受信IF信号に含まれる漏洩送信信号に相当する信号を検索する。一度に検索できる周波数の範囲が広い方が、容易に漏洩送信信号に相当する信号を検索できる。周波数解析部140での処理を考慮すると、帯域制限部120は、受信IF信号の帯域を、A/D変換部130がデジタル信号に変換可能な最大帯域内でできるだけ広い帯域に制限すればよい。
【0015】
A/D変換部130は、帯域制限受信IF信号をデジタル信号に変換し、デジタルIF信号を出力する。サンプリング定理に従うので、A/D変換部130のサンプリング数が1G/秒のときは帯域が500MHz以下であり、サンプリング数が500M/秒のときは帯域が250MHz以下である。上述の帯域制限部120が制限する帯域は、A/D変換部130の1秒間のサンプリング数に基づいて決めればよい。
【0016】
周波数解析部140は、送受弁別器920から漏洩送信信号が出力されている時間領域の信号に対し、デジタルIF信号の周波数を解析する(S30,S40)。ここで、RF信号とIF信号について説明する、例えばRF信号が10GHzであり、IF信号を0.1GHzとした場合、局部発振信号としては9.9GHzと10.1GHzが考えられる。9.9GHzの場合は、受信IF信号は送信信号と同相である。10.1GHzの場合は、受信IF信号は送信信号と逆相である。このように、受信IF信号には2つの生成方法がある。周波数変換部110では、所望の位相関係(同相もしくは逆相)の信号を受信IF信号とし、他方(逆相もしくは同相)の信号をイメージ信号と呼ぶことにする。次に、受信IF信号の位相を送信信号と同相とする場合と、逆相とする場合に分けて処理を説明する。
【0017】
まず、同相とする場合を説明する。周波数解析部140は、アナログ局部発振部170の周波数を、送信信号の最低周波数から受信IF信号の周波数を減算した周波数から、高い周波数に変更しながら受信IF信号を検出する(S310からS340)。具体的には、アナログ局部発振部170の周波数を、送信信号の最低周波数から受信IF信号の周波数を減算した周波数に設定する(S310)。例えば、想定し得るマグネトロン910の発振周波数範囲が9.3GHz~9.5GHzであり、受信IF信号が0.1GHzの場合、9.2GHzに設定する。周波数解析部140は、あらかじめ定めた閾値を超えるデジタルIF信号があるか解析する(S320)。デジタルIF信号がない場合(S330がNOの場合)は、アナログ局部発振部170の発振周波数を高い方向にシフトする(S340)。このときにシフトする周波数を帯域制限部120の帯域以内で大きく取ることで同調の高速化が可能になる。デジタルIF信号がある場合(S330がYESの場合)は、ステップS350に進む。ステップS350では、アナログ局部発振部170の発振周波数をあえてイメージ信号に同調させるように変更し(周波数を高くし)、上側の局部発振周波数でもデジタルIF信号を得ることができるかを確認する(S350)。上側の局部発振周波数でもデジタルIF信号が確認できた場合(ステップS350がYESの場合)はステップS40に進む。上側の局部発振周波数でデジタルIF信号が確認できなかった場合(ステップS350がNOの場合)には、先の判定(S330)ではイメージ信号を検出したとし、局部発振周波数をS330で検出した際の周波数から受信IF周波数の2倍低い周波数に設定する(S360)。そして、受信IF信号とイメージ信号が想定する周波数関係で存在することを確認し、ステップS40に進む。
【0018】
次に、逆相とする場合を説明する。周波数解析部140は、アナログ局部発振部170の周波数を、送信信号の最高周波数に受信IF信号の周波数を加算した周波数から、低い周波数に変更しながら受信IF信号を検出する(S310からS340)。具体的には、アナログ局部発振部170の周波数を、送信信号の最高周波数に受信IF信号の周波数を加算した周波数に設定する(S310)。例えば、想定し得るマグネトロン910の発振周波数範囲が9.3GHz~9.5GHzであり、受信IF信号が0.1GHzの場合、9.6GHzに設定する。周波数解析部140は、あらかじめ定めた閾値を超えるデジタルIF信号があるか解析する(S320)。デジタルIF信号がない場合(S330がNOの場合)は、アナログ局部発振部170の発振周波数を低い方向にシフトする(S340)。このときにシフトする周波数を帯域制限部120の帯域以内で大きく取ることで同調の高速化が可能になる。デジタルIF信号がある場合(S330がYESの場合)は、ステップS350に進む。ステップS350では、アナログ局部発振部170の発振周波数をあえてイメージ信号に同調させるように変更し(周波数を低くし)、下側の局部発振周波数でもデジタルIF信号を得ることができるかを確認する(S350)。下側の局部発振周波数でもデジタルIF信号が確認できた場合(ステップS350がYESの場合)はステップS40に進む。下側の局部発振周波数でデジタルIF信号が確認できなかった場合(ステップS350がNOの場合)には、先の判定(S330)ではイメージ信号を検出したとし、局部発振周波数をS330で検出した際の周波数から受信IF周波数の2倍高い周波数に設定する(S360)。そして、受信IF信号とイメージ信号が想定する周波数関係で存在することを確認し、ステップS40に進む。
【0019】
デジタル局部発振部160は、周波数解析部140が解析した結果に基づいて、デジタルIF信号と同じ周波数のデジタル局部発振信号を出力する(S40)。周波数解析部140は、送受弁別器920から漏洩送信信号が出力されている時間領域の信号に対し、デジタルIF信号の周波数を解析する(S410)。デジタル局部発振部160は、周波数解析部が解析した結果に基づいて、デジタルIF信号と同じ周波数のデジタル局部発振信号を出力する(S420)。
【0020】
マグネトロン910の発振周波数は温度等に依存して常に揺らぐので、以降も周波数解析と受信IF信号が存在することの確認を繰り返す。周波数解析部140は、繰り返し送受弁別器920から漏洩送信信号が出力されている時間領域の信号に対し、デジタルIF信号の周波数を解析し(S430)、デジタルIF信号が存在することを確認する(S440)。デジタルIF信号が存在する場合(ステップS440がYESの場合)は、ステップS410に戻る。デジタルIF信号が存在しない場合(ステップS440がNOの場合)は、アナログ局部発振部170の発振周波数を変更する(S450)。より具体的には、デジタルIF信号が存在しなくなるまでデジタルIF信号の周波数を計測しているので、存在しなくなる直前までのデジタルIF信号の傾向からアナログ局部発振部170の発振周波数を変更すればよい。
【0021】
アナログ局部発振部170は、周波数解析部140が解析した結果に基づいて、周波数を調整した局部発振信号を出力する。アナログ局部発振部170は、受信RF信号に対して受信IF信号だけ異なる周波数で発振し、局部発振信号を生成する。このような周波数で発振することで、周波数変換部110は、送受弁別器920からの信号と局部発振信号とを入力信号とし、受信IF信号を出力できる。
【0022】
IQ変換部150は、デジタルIF信号とデジタル局部発振信号を入力とし、ベースバンドのI信号を含む信号とQ信号を含む信号を出力する。また、LPF181、182は、ベースバンドの信号のみを通過させるローパスフィルタ(Low Pass Filter)である。LPF181からは受信I信号が出力され、LPF182からは受信Q信号が出力される。
【0023】
一般にデジタル局部発振部160の方がアナログ局部発振部170よりも周波数を変更する速度が速いことから、帯域制限部120の通過周波数帯域幅を広くすることで、周波数の同調の高速化が可能になる。最終的にレーダー受信機で必要とする狭い帯域への制限はLPF181、182で行えばよい。ただし、あまり追従性が高すぎると、わずかな周波数の変動にも過敏に反応し、レーダーの表示において違和感を生じさせることがある。したがって、レーダーの表示での違和感が生じるときは、違和感が生じない程度に緩やかに追従させればよい。
【0024】
本発明のレーダー受信機100によれば、周波数解析部140が、送受弁別器920から漏洩送信信号が出力されている時間領域の信号に対し、デジタルIF信号の周波数を解析する。そして、周波数解析部140が解析した結果に基づいて、アナログ局部発振部170とデジタル局部発振部160の周波数をそれぞれ制御する。このように対応させる周波数領域を分担した2種の局部発振器を用いることで、受信信号が有する位相成分を失うことなく高速な同調が可能となる。したがって、レーダーが受信した信号処理の高度化に寄与することが可能となる。例えば、物体の移動により生じるドップラー効果も検知しやすくなる。また、海面での反射の特徴も分析しやすくなる。さらに、帯域制限部120の通過帯域をA/D変換部130で許容可能な範囲で広くしてデジタル局部発振部160の対応周波数範囲を広くすることでより高速な発振周波数への追従が可能となる。
【符号の説明】
【0025】
100 レーダー受信機
110 周波数変換部
120 帯域制限部
130 A/D変換部
140 周波数解析部
150 IQ変換部
160 デジタル局部発振部
170 アナログ局部発振部
800 レーダー受信機
900 レーダーシステム
910 マグネトロン
920 送受弁別器
930 アンテナ
図1
図2
図3