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特開2023-146427サウンディング参照信号の高精度な測定のための端末装置、基地局装置、制御方法、およびプログラム
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  • 特開-サウンディング参照信号の高精度な測定のための端末装置、基地局装置、制御方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146427
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】サウンディング参照信号の高精度な測定のための端末装置、基地局装置、制御方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04B 7/06 20060101AFI20231004BHJP
   H04W 72/20 20230101ALI20231004BHJP
   H04W 88/02 20090101ALI20231004BHJP
【FI】
H04B7/06 984
H04W72/04 136
H04W88/02 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053610
(22)【出願日】2022-03-29
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度総務省、「日米産学連携を通じた5G高度化の国際標準獲得のための無線リンク技術の研究開発」、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】599108264
【氏名又は名称】株式会社KDDI総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】神渡 俊介
(72)【発明者】
【氏名】大関 武雄
(72)【発明者】
【氏名】菅野 一生
(72)【発明者】
【氏名】山崎 浩輔
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067DD34
5K067EE02
5K067EE10
5K067KK03
(57)【要約】
【課題】多数のアンテナを有する端末装置に対して適切な通信制御を実行可能とすること。
【解決手段】複数のアンテナを有する端末装置は、その複数のアンテナのうちの4つ以下のアンテナを含む第1のグループに対するサウンディング参照信号(SRS)に関する第1の設定と、その複数のアンテナのうちの第1のグループに属しない4つ以下のアンテナを含む第2のグループに対する第1の設定と異なるSRSに関する第2の設定とを取得し、第1のグループに属するアンテナにおいて第1の設定を用いてSRSを送信し、第2のグループに属するアンテナにおいて第2の設定を用いてSRSを送信する。第2の設定は、第1の設定と異なるリソースエレメントでSRSを送信することを指定する設定を含む。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナを有する端末装置であって、
前記複数のアンテナのうちの4つ以下のアンテナを含む第1のグループに対するサウンディング参照信号(SRS)に関する第1の設定と、前記複数のアンテナのうちの前記第1のグループに属しない4つ以下のアンテナを含む第2のグループに対する前記第1の設定と異なるSRSに関する第2の設定であって、前記第1の設定と異なるリソースエレメントでSRSを送信することを指定する設定を含んだ前記第2の設定とを、基地局装置から取得する取得手段と、
前記第1のグループに属するアンテナにおいて前記第1の設定を用いてSRSを送信し、前記第2のグループに属するアンテナにおいて前記第2の設定を用いてSRSを送信する送信手段と、
を有することを特徴とする端末装置。
【請求項2】
前記第1の設定は、前記第2の設定において指定される前記SRSが送信されるべきリソースエレメントと時間領域において異なるリソースエレメントを、前記SRSが送信されるべきリソースエレメントとして指定する情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記第1のグループおよび前記第2のグループを含んだ複数のグループに前記複数のアンテナを割り当てるグループ化手段と、
前記グループ化手段によって前記複数のアンテナが割り当てられた前記複数のグループの情報を前記基地局装置へ通知する通知手段と、
をさらに有し、
前記取得手段は、前記基地局装置から、当該通知に基づく前記複数のグループのそれぞれに対する前記SRSに関する設定を取得する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記通知手段は、前記端末装置が有する前記複数のアンテナに含まれるアンテナの数をさらに通知する、ことを特徴とする請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記複数のグループの情報は、当該複数のグループのそれぞれに属するアンテナを特定可能な情報を含む、ことを特徴とする請求項3又は4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記複数のアンテナの数を示す情報を前記基地局装置へ通知する通知手段をさらに有し、
前記取得手段は、前記基地局装置から、前記第1のグループおよび前記第2のグループを含んだ複数のグループにそれぞれが対応する前記SRSに関する複数の設定を取得し、
前記複数の設定は、それぞれ、前記複数のグループにそれぞれ含まれるべきアンテナの数を指定する情報を含み、
前記送信手段は、前記複数のグループのそれぞれに対して、指定された数のアンテナを前記複数のアンテナの中から割り当て、前記複数のアンテナのそれぞれにおいて、当該アンテナに割り当てられたグループに対応する設定を用いて前記SRSを送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項7】
前記複数のアンテナの数を示す情報と当該複数のアンテナをそれぞれ特定する情報とを前記基地局装置へ通知する通知手段をさらに有し、
前記取得手段は、前記基地局装置から、前記第1のグループおよび前記第2のグループを含んだ複数のグループにそれぞれ対応する前記SRSに関する複数の設定と、前記複数のアンテナがそれぞれ前記複数のグループのいずれに割り当てられたかを指定する情報とを取得し、
前記送信手段は、前記複数のアンテナのそれぞれにおいて、当該アンテナが割り当てられたグループに対応する前記SRSに関する設定を用いて前記SRSを送信する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の端末装置。
【請求項8】
基地局装置であって、
端末装置が有する複数のアンテナのうちの4つ以下のアンテナを含む第1のグループに対するサウンディング参照信号(SRS)に関する第1の設定と、前記複数のアンテナのうちの前記第1のグループに属しない4つ以下のアンテナを含む第2のグループに対する前記第1の設定と異なるSRSに関する第2の設定であって、前記第1の設定と異なるリソースエレメントでSRSを送信することを指定する設定を含んだ前記第2の設定とを、前記端末装置へ通知する通知手段と、
前記第1のグループに属するアンテナにおいて送信されたSRSを前記第1の設定を用いて測定し、前記第2のグループに属するアンテナにおいて送信されたSRSを前記第2の設定を用いて測定する測定手段と、
を有することを特徴とする基地局装置。
【請求項9】
前記第1の設定は、前記第2の設定において指定される前記SRSが送信されるべきリソースエレメントと時間領域において異なるリソースエレメントを、前記SRSが送信されるべきリソースエレメントとして指定する情報を含む、ことを特徴とする請求項8に記載の基地局装置。
【請求項10】
前記端末装置によって前記複数のアンテナがそれぞれ割り当てられた、前記第1のグループおよび前記第2のグループを含んだ複数のグループの情報を、前記端末装置から取得する取得手段をさらに有し、
前記通知手段は、当該複数のグループの情報に基づいて前記複数のグループのそれぞれに対する前記SRSに関する設定を前記端末装置へ通知する、ことを特徴とする請求項8又は9に記載の基地局装置。
【請求項11】
前記取得手段は、前記端末装置が有する前記複数のアンテナに含まれるアンテナの数をさらに取得する、ことを特徴とする請求項10に記載の基地局装置。
【請求項12】
前記複数のグループの情報は、当該複数のグループのそれぞれに属するアンテナを特定可能な情報を含む、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の基地局装置。
【請求項13】
前記端末装置から、前記複数のアンテナの数を示す情報を取得する取得手段と、
前記第1のグループおよび前記第2のグループを含んだ複数のグループに含まれるべきアンテナの数を決定する決定手段と、
をさらに有し、
前記通知手段は、前記複数のグループに含まれるべきアンテナの数をそれぞれ指定する情報と、当該複数のグループのそれぞれが対応する前記SRSに関する複数の設定とを、前記端末装置へ通知する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の基地局装置。
【請求項14】
前記端末装置から、前記複数のアンテナの数を示す情報と当該複数のアンテナをそれぞれ特定する情報とを取得する取得手段と、
前記複数のアンテナを、前記第1のグループおよび前記第2のグループを含んだ複数のグループにそれぞれ割り当てる割り当て手段と、
をさらに有し、
前記通知手段は、前記端末装置へ、前記複数のグループにそれぞれ対応する前記SRSに関する複数の設定と、前記複数のアンテナがそれぞれ前記複数のグループのいずれに割り当てられたかを指定する情報とを通知する、
ことを特徴とする請求項8又は9に記載の基地局装置。
【請求項15】
複数のアンテナを有する端末装置によって実行される制御方法であって、
前記複数のアンテナのうちの4つ以下のアンテナを含む第1のグループに対するサウンディング参照信号(SRS)に関する第1の設定と、前記複数のアンテナのうちの前記第1のグループに属しない4つ以下のアンテナを含む第2のグループに対する前記第1の設定と異なるSRSに関する第2の設定であって、前記第1の設定と異なるリソースエレメントでSRSを送信することを指定する設定を含んだ前記第2の設定とを、基地局装置から取得することと、
前記第1のグループに属するアンテナにおいて前記第1の設定を用いてSRSを送信し、前記第2のグループに属するアンテナにおいて前記第2の設定を用いてSRSを送信することと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項16】
基地局装置によって実行される制御方法であって、
端末装置が有する複数のアンテナのうちの4つ以下のアンテナを含む第1のグループに対するサウンディング参照信号(SRS)に関する第1の設定と、前記複数のアンテナのうちの前記第1のグループに属しない4つ以下のアンテナを含む第2のグループに対する前記第1の設定と異なるSRSに関する第2の設定であって、前記第1の設定と異なるリソースエレメントでSRSを送信することを指定する設定を含んだ前記第2の設定とを、前記端末装置へ通知することと、
前記第1のグループに属するアンテナにおいて送信されたSRSを前記第1の設定を用いて測定し、前記第2のグループに属するアンテナにおいて送信されたSRSを前記第2の設定を用いて測定することと、
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1から7のいずれか1項に記載の端末装置として機能させるためのプログラム。
【請求項18】
コンピュータを、請求項8から14のいずれか1項に記載の基地局装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数のアンテナを有する端末装置による参照信号の送信のための制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)において、端末装置から基地局装置へサウンディング参照信号(SRS)を送信することが規定されている。そのSRSの観測結果に基づいて、端末装置から上りリンクの信号を送信する際のビームの設定制御等を行うことができる。なお、SRSの送信設定は、端末装置ごとに行われ、端末装置は、自装置が有するアンテナの数を基地局装置へ通知し、基地局装置から、そのアンテナの本数に応じたSRSの設定が端末装置へ通知される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、SRSの設定は、最大で4つのアンテナまでしか対応することができない。一方で、端末装置の高度化により、アンテナ数が5つ以上となることが想定される。このため、5つ以上のアンテナを有する端末装置に対して、SRSに基づく通信制御を適切に行うことができない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、多数のアンテナを有する端末装置に対する適切な通信制御を可能とする技術を提供する。
【0005】
本発明の一態様による端末装置は、複数のアンテナを有する端末装置であって、前記複数のアンテナのうちの4つ以下のアンテナを含む第1のグループに対するサウンディング参照信号(SRS)に関する第1の設定と、前記複数のアンテナのうちの前記第1のグループに属しない4つ以下のアンテナを含む第2のグループに対する前記第1の設定と異なるSRSに関する第2の設定であって、前記第1の設定と異なるリソースエレメントでSRSを送信することを指定する設定を含んだ前記第2の設定とを、基地局装置から取得する取得手段と、前記第1のグループに属するアンテナにおいて前記第1の設定を用いてSRSを送信し、前記第2のグループに属するアンテナにおいて前記第2の設定を用いてSRSを送信する送信手段と、を有する。
【0006】
本発明の一態様による基地局装置は、端末装置が有する複数のアンテナのうちの4つ以下のアンテナを含む第1のグループに対するサウンディング参照信号(SRS)に関する第1の設定と、前記複数のアンテナのうちの前記第1のグループに属しない4つ以下のアンテナを含む第2のグループに対する前記第1の設定と異なるSRSに関する第2の設定であって、前記第1の設定と異なるリソースエレメントでSRSを送信することを指定する設定を含んだ前記第2の設定とを、前記端末装置へ通知する通知手段と、前記第1のグループに属するアンテナにおいて送信されたSRSを前記第1の設定を用いて測定し、前記第2のグループに属するアンテナにおいて送信されたSRSを前記第2の設定を用いて測定する測定手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、多数のアンテナを有する端末装置に対する適切な通信制御を実行することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システムの構成例を示す図である。
図2】装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】端末装置の機能構成例を示す図である。
図4】基地局装置の機能構成例を示す図である。
図5】システムにおいて実行される処理の流れの例を示す図である。
図6】システムにおいて実行される処理の流れの例を示す図である。
図7】システムにおいて実行される処理の流れの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
(システム構成)
図1に、本実施形態に係る無線通信システムの構成例を示す。本無線通信システムは、例えば第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)の第5世代(5G)無線通信規格に準拠したセルラ通信システムである。なお、これは一例であり、例えば、ロングタームエボリューション(LTE)や5G以降のセルラ通信システムであってもよいし、セルラ以外の無線通信システムであってもよい。本無線通信システムは、例えば、基地局装置101と端末装置111とを含む。なお、図1では、説明を簡単にするために1つの基地局装置101と1つの端末装置111のみが示されているが、基地局装置および端末装置は、当然に多数存在しうる。
【0011】
本実施形態では、端末装置111が、複数のアンテナを有する。図1では、端末装置111が、8個のアンテナ121~128を有している場合の例を示している。なお、基地局装置101も当然に複数のアンテナを有しうるが、本実施形態に関係しないため、図1には示していない。また、以下では、用語「アンテナ」を使用するが、この用語は、「アンテナポート」と読み替えられてもよい。
【0012】
端末装置111は、複数のアンテナのそれぞれを用いて、サウンディング参照信号(SRS)を送信する。基地局装置101は、端末装置111に対して、そのSRSの送信のための設定を通知し、その後に送信されたSRSを、その設定を用いて測定する。設定は、例えば、どのリソースエレメントを使用してSRSを送信するかを指定する情報を含みうる。なお、リソースエレメントは、所定の周波数帯域幅を有する1つのサブキャリアおよび所定の時間幅を有する1つのOFDM(直交周波数分割多重)シンボルに相当する無線リソースである。そして、基地局装置101は、例えば、測定の結果に基づいて、端末装置111の複数のアンテナと、自装置のアンテナとの間の伝送路推定を行い、端末装置111が上りリンクにおいて使用すべきビームの設定を決定しうる。基地局装置101は、そのビームの設定を端末装置111へ通知することにより、上りリンクの通信を効率的に行うことが可能となる。なお、SRSは、上りリンクのビーム形成のためのみならず、例えば、アンテナの切り替え、上りリンクの信号に基づく測位などにも使用されうる。
【0013】
SRSの設定は、端末装置111に対して1つの設定情報が通知される。端末装置111は、アンテナの数を基地局装置101へ通知し、基地局装置101は、その数に応じてSRSの設定を決定する。1つのSRSの設定情報によって、最大で4つのアンテナでのSRSの設定が端末装置111へ通知される。このとき、SRSの設定情報によって指定されるSRSが送信されるべきリソースエレメントは共通しており、最大で4つのアンテナは、同じリソースエレメントを使用してSRSを送信する。なお、最大で4つのアンテナから送信されるシンボル系列は、1つのシンボル系列に対して位相シフトを施したものであり、位相シフト量の違いによって、最大で4つのアンテナのそれぞれから同じリソースエレメントで送信されるSRSが多重化される。
【0014】
ここで、図1に示すように、端末装置111が有するアンテナの数が4つを超える場合のSRSの設定方法について検討すると、最も単純には、4つのアンテナのそれぞれに適用される位相シフト量とは異なる位相シフト量を、5つ目以降のアンテナに対して適用することが想定される。しかし、この場合、多重化される系列が多数となることにより、基地局装置101において正確に分離できないことや、多数のアンテナから一斉に同じリソースエレメントでSRSを送信することで、1つのアンテナ当たりのSRSの送信電力が限定されることなどにより、基地局装置101における伝送路推定精度を十分に高くすることができないことが想定されうる。
【0015】
本実施形態では、このような事情に鑑み、端末装置111が有するアンテナの数が4つより多い場合に、基地局装置101が、その1つの端末装置111に対して、複数のSRSの設定を通知するようにしうる。例えば、基地局装置101は、端末装置111のアンテナ121~128のうち、アンテナ121~124に対する第1のSRSの設定と、アンテナ125~128に対する第2のSRSの設定を生成し、端末装置111へ通知しうる。このとき、複数の設定間で、使用されるリソースエレメントが異なるように設定される。これによれば、例えば5つ以上のアンテナにおいて、同じリソースエレメントでSRSを送信することがなくなるため、位相シフトの量による多重化が行われる場合と比較して基地局装置101における分離が容易となり、高精度な伝送路推定を行うことが可能となる。また、複数の設定のそれぞれにおいて、時間領域において異なるリソースエレメントが、SRSの送信に使用されるべきことが指定されうる。これにより、同じ時間リソースにおいて送信されるSRSの数を制限することができ、それに伴い、各アンテナから送信されるSRSの電力を十分に高く確保し、基地局装置101において高精度な伝送路推定を行うことが可能となる。
【0016】
なお、1つの設定に関連付けられるアンテナの数を4つ以下とすることにより、従来のSRSの設定を流用することができるが、1つの設定で5つ以上の所定数のアンテナに関する設定が行われてもよい。この場合、所定数を超えるアンテナを有する端末装置111については、そのアンテナ総数を所定数で除算した結果の値以上の最小の整数を特定し、端末装置111に対してその整数個の設定を適用することができる。例えば、所定数が5である場合、アンテナ121~125に関する第1の設定と、アンテナ126~128に関する第2の設定とが、端末装置111に通知され、適用されうる。
【0017】
このように、本実施形態では、端末装置111が有する複数のアンテナを、所定数(例えば4つ)以下のアンテナをそれぞれが含む複数のグループへとグループ化し、その複数のグループのそれぞれに対して別個のSRSの設定が基地局装置101から端末装置111へ通知されるようにする。そして、端末装置111は、複数のアンテナのそれぞれにおいて、そのアンテナが属するグループに対する設定を適用してSRSの送信を行う。すなわち、端末装置111は、例えば、アンテナ121~124に対してSRSの第1の設定を取得し、アンテナ125~128に対してSRSの第2の設定を取得した場合、アンテナ121~124において第1の設定を用いてSRSを送信し、アンテナ125~128において第2の設定を用いてSRSを送信する。基地局装置101は、アンテナ121~124のそれぞれから送信されたSRSを第1の設定に基づいて測定し、アンテナ125~128のそれぞれから送信されたSRSを第2の設定に基づいて測定する。これによれば、端末装置111が5つ以上のアンテナを有する場合に、その5つ以上のアンテナのそれぞれから送信されるSRSによる伝送路推定の精度を十分に高く確保することが可能となる。
【0018】
なお、端末装置111が有する複数のアンテナのグループ化は、端末装置111によって行われてもよいし、基地局装置101によって行われてもよい。
【0019】
端末装置111がアンテナのグループ化を行う場合について説明する。端末装置111は、自装置が有するアンテナの数に基づいて、アンテナをグループ化する。例えば、従来のように1つの設定において最大で4つのアンテナに関するSRSの設定が行われる場合、端末装置111は、端末装置111が有するアンテナの数をNとすると、ceil(N/4)を、グループの数として決定する。なお、ceil(x)は天井関数であり、引数xを超える最小の整数を返す変数である。一例において、端末装置111が8個のアンテナを有する場合、ceil(8/4)=2であるため、2つのグループにアンテナを割り当てることを決定する。また、端末装置111が10個のアンテナを有する場合、ceil(10/4)=3であるため、3つのグループにアンテナを割り当てることを決定する。なお、1つの設定において最大でM個(例えばM>4)のアンテナに関するSRSの設定が行われる場合、端末装置111は、端末装置111が有するアンテナの数をNとすると、ceil(N/M)を、グループの数として決定する。そして、端末装置111は、自装置が有する複数のアンテナを、その複数のグループのいずれかに割り当てる。一例として、端末装置111は、8個のアンテナ121~128を、アンテナ121~124を含んだ第1のグループと、アンテナ125~128を含んだ第2のグループの2つのグループに割り当てる。
【0020】
端末装置111は、グループ化によって得られた複数のグループの情報を、基地局装置101へ通知する。そして、基地局装置101は、端末装置111によって複数のアンテナがそれぞれ割り当てられた複数のグループの情報を含んだ通知を取得し、その通知に基づいて、各グループに対するSRSの設定を決定して端末装置111へ通知する。例えば、端末装置111から、基地局装置101に対して、2つのグループが形成されることが通知され、基地局装置111は、その2つのグループのうちの第1のグループに対するSRSに関する第1の設定と、第2のグループに対するSRSに関する第2の設定とを決定し、決定した第1の設定および第2の設定を端末装置111へ通知しうる。また、端末装置111は、複数のグループの情報として、その複数のグループにそれぞれ割り当てられたアンテナの数を基地局装置101へ通知してもよい。そして、基地局装置101は、各グループに関する設定を、その各グループに属するアンテナの数に応じて決定し、複数のグループのそれぞれに対応する複数の設定を端末装置111へ通知しうる。また、端末装置111は、複数のグループの情報として、その複数のグループにそれぞれ割り当てられたアンテナを特定可能な情報を基地局装置101へ通知してもよい。アンテナを特定可能な情報は、例えば、アンテナに対応するポート番号でありうる。この場合、基地局装置101は、各グループに関する設定として各アンテナでSRSを送信する際に使用すべき設定情報を、端末装置111へ通知しうる。
【0021】
続いて、端末装置111がアンテナのグループ化を行う別の処理について説明する。端末装置111は、例えば、自装置が有するアンテナの数を基地局装置101へ通知する。そして、基地局装置101は、そのアンテナの数に基づいて、端末装置111が有するアンテナがそれぞれ割り当てられるグループの数を決定し、その数の分だけSRSの設定を決定する。例えば、端末装置111が8個のアンテナを有する場合、端末装置111は、そのアンテナの数「8」を基地局装置101へ通知する。ここで従来のように1つの設定において最大で4つのアンテナに関するSRSの設定が行われる場合、基地局装置101は、ceil(8/4)=2であるため、2つのグループにアンテナが割り当てられることを決定する。そして、基地局装置101は、2つのグループのそれぞれに対応する2つのSRSの設定を決定し、端末装置111へ通知する。なお、基地局装置101は、例えば、SRSの設定のそれぞれに含まれるアンテナの数を柔軟に決定してもよい。例えば、基地局装置101は、それぞれ2つのアンテナに対応する4つのSRSの設定を決定して端末装置111へ通知してもよい。なお、基地局装置101は、各設定に対応するアンテナの数を指定する情報を、その設定に含めて、端末装置111へ通知してもよい。端末装置111は、複数のSRSの設定を受信すると、その設定に対応する数のアンテナを、その設定に対応するアンテナとしてグループ化する。例えば、端末装置111は、それぞれが4つのアンテナに対応する2つのSRSの設定を受信した場合、自装置が有するアンテナ121~128を、アンテナ121~124が属する第1のグループと、アンテナ125~128が属する第2のグループとにグループ化しうる。なお、端末装置111は、例えば、第1のグループのアンテナ数が4、第2のグループのアンテナ数が2、第3のグループのアンテナ数が2、のような設定情報を受信した場合、アンテナ121~128を、アンテナ121~124が属する第1のグループと、アンテナ125~126が属する第2のグループと、アンテナ127~128が属する第3のグループとにグループ化しうる。そして、端末装置111は、各アンテナにおいて、そのアンテナが属するグループの設定に基づいて、SRSを送信する。なお、各グループにおけるアンテナの数は、事前に定められたルールに基づいて特定されてもよく、この場合、基地局装置101は、端末装置111に対して、各グループの設定に対応するアンテナの数を指定する情報を通知しなくてもよい。
【0022】
続いて、基地局装置101がアンテナのグループ化を行う場合について説明する。端末装置111は、自装置が有する複数のアンテナの数を示す情報と、その複数のアンテナのそれぞれを特定可能な情報を基地局装置101へ通知する。なお、端末装置111は、複数のアンテナのそれぞれを特定可能な情報を基地局装置101へ通知し、そのアンテナの数を示す情報については基地局装置101へ通知しなくてもよい。基地局装置101は、受信した複数のアンテナを特定可能な情報に基づいて、その複数のアンテナをグループ化する。各アンテナが属するグループは、基地局装置101が任意の事前に定められたルールに基づいて又はランダムに決定しうる。例えば、基地局装置101は、端末装置111から、アンテナ121~128をそれぞれ特定可能な情報を受信しうる。なお、このときに、基地局装置101は、端末装置111が有するアンテナの数が8であることを示す情報をさらに受信しうる。この場合、基地局装置101は、アンテナ121~128を、アンテナ121~124を含んだ第1のグループと、アンテナ125~アンテナ128を含んだ第2のグループとの2つのグループにグループ化しうる。別の例では、基地局装置101は、アンテナ121~128を、アンテナ121~124が属する第1のグループと、アンテナ125~126が属する第2のグループと、アンテナ127~128が属する第3のグループとの3つのグループにグループ化しうる。そして、基地局装置101は、各グループについてのSRSの設定を決定し、複数のグループのそれぞれについて、グループに含まれるアンテナを特定可能な情報とそのグループにおけるSRSの設定とを、端末装置111へ通知する。端末装置111は、その通知に基づいて、複数のアンテナがどのグループに属するかを特定し、その複数のアンテナのそれぞれにおいて、対応するグループの設定を用いてSRSを送信する。
【0023】
(装置構成)
続いて、上述のような処理を実行する基地局装置101及び端末装置111の構成について説明する。図2は、基地局装置101及び端末装置111のハードウェア構成例を示す図である。基地局装置101及び端末装置111は、一例において、プロセッサ201、ROM202、RAM203、記憶装置204、及び通信回路205を含んで構成される。プロセッサ201は、汎用のCPU(中央演算装置)や、ASIC(特定用途向け集積回路)等の、1つ以上の処理回路を含んで構成されるコンピュータであり、ROM202や記憶装置204に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、装置の全体の処理や、上述の各処理を実行する。ROM202は、基地局装置101及び端末装置111が実行する処理に関するプログラムや各種パラメータ等の情報を記憶する読み出し専用メモリである。RAM203は、プロセッサ201がプログラムを実行する際のワークスペースとして機能し、また、一時的な情報を記憶するランダムアクセスメモリである。記憶装置204は、例えば着脱可能な外部記憶装置等によって構成される。通信回路205は、例えば、他の装置との通信を行うための回路を含んで構成される。なお、図2では、1つの通信回路205が図示されているが、基地局装置101及び端末装置111は、複数の通信回路を有しうる。なお、本実施形態の端末装置111は、複数のアンテナを含んで構成され、その複数のアンテナが1つの通信回路205に接続されてもよいし、その複数のアンテナのうちの1つ以上が1つの通信回路205に接続されると共に他のアンテナが別の通信回路205に接続されてもよい。
【0024】
図3は、端末装置111の機能構成例を示す図である。端末装置111は、例えば、アンテナ情報通知部301、設定情報取得部302、及びSRS送信処理部303を含んで構成される。図3に示す機能は、例えば、プロセッサ201が、ROM202や記憶装置204に記憶されたプログラムを実行することによって実現されうる。なお、これは一例であり、図3に示す機能の一部または全部が、専用のハードウェアによって実現されてもよい。また、図3は、端末装置111が有する機能のうち、本実施形態に関連する機能のみを示しており、端末装置111は、例えばセルラ通信システムにおける端末装置が当然に有する機能など、図3に示す以外の機能を当然に有しうる。
【0025】
アンテナ情報通知部301は、端末装置111が有する複数のアンテナに関する情報を基地局装置101へ通知する。設定情報取得部302は、アンテナ情報通知部301によって通知した情報に応じて、複数のアンテナがグループ化された複数のグループのそれぞれについてのSRSの設定情報を、基地局装置101から受信する。SRS送信処理部303は、設定情報取得部302によって取得された設定情報に基づいて、複数のアンテナのそれぞれに対して、そのアンテナが属するグループに関するSRSの設定を適用して、複数のアンテナのそれぞれからSRSを送信する。
【0026】
一例において、アンテナ情報通知部301は、端末装置111が有する複数のアンテナを複数のグループに割り当て、その複数のグループに関する情報を基地局装置101へ通知する。なお、この複数のグループに関する情報は、アンテナの総数、グループに属するアンテナの数を示す情報、グループに属するアンテナを特定可能な情報等の追加の情報を含んでもよい。この場合、設定情報取得部302は、複数のグループに関する情報に基づいて、その複数のグループのそれぞれに関するSRSの設定情報を基地局装置101から取得する。SRS送信処理部303は、この設定情報に基づいて、アンテナ情報通知部301によって各グループに割り当てられたアンテナのそれぞれに対して、そのアンテナが属するグループに関するSRSの設定を適用して、SRSを送信する。ここでの設定情報は、例えば、各グループに属するアンテナの数に応じて生成されうる。なお、アンテナの総数によって各グループに属するアンテナの数が所定のルールで一意に決定されてもよく、この場合、アンテナの総数が基地局装置101へ通知されることにより、各グループに属するアンテナの数が通知されなくてもよい。また、各グループに属するアンテナを特定可能な情報が通知される場合は、アンテナ総数や各グループに属するアンテナの数が通知されなくてもよい。なお、各グループに属するアンテナを特定可能な情報が通知される場合には、各アンテナに個別の設定を含んだ、グループごとのSRSの設定情報が端末装置111へ通知されてもよい。また、各グループに、SRSの設定が可能な最大数のアンテナが属することを前提に設定が決定及び通知されてもよく、この場合、グループの数を特定可能な情報が基地局装置101へ通知されれば足りる。
【0027】
また、別の例において、アンテナ情報通知部301は、端末装置111が有する複数のアンテナの総数を、基地局装置101へ通知する。そして、設定情報取得部302は、基地局装置101によって複数のアンテナがそれぞれ割り当てられるべきグループの数に対応する数のSRSの設定情報を基地局装置101から取得する。ここでの設定情報は、グループに属するアンテナの数と、そのグループにおいて使用されるSRSの設定を含む。SRS送信処理部303は、各グループに属するアンテナの数に応じて、端末装置111が有する複数のアンテナを各グループに割り当て、その複数のアンテナのそれぞれに対してそのアンテナが属するグループに関するSRSの設定を適用する。そして、SRS送信処理部303は、複数のアンテナにおいて、それぞれ適用された設定を用いてSRSを送信する。
【0028】
また、別の例において、アンテナ情報通知部301は、端末装置111が有する複数のアンテナをそれぞれ特定可能な情報を(また、必要に応じて、アンテナの総数の情報を)基地局装置101へ通知する。この場合、基地局装置101によって複数のアンテナがグループ化される。そして、設定情報取得部302は、複数のグループのSRSに関する設定情報と、その複数のグループに対して複数のアンテナのいずれが割り当てられているかを示す情報を、基地局装置101から取得する。SRS送信処理部303は、取得された設定情報に基づいて、各グループに割り当てられたアンテナのそれぞれに対して、そのアンテナが属するグループに関するSRSの設定を適用して、SRSを送信する。
【0029】
図4は、基地局装置101の機能構成例を示す図である。基地局装置101は、例えば、アンテナ情報取得部401、設定情報通知部402、及びSRS測定部403を含んで構成される。図4に示す機能は、例えば、プロセッサ201が、ROM202や記憶装置204に記憶されたプログラムを実行することによって実現されうる。なお、これは一例であり、図4に示す機能の一部または全部が、専用のハードウェアによって実現されてもよい。また、図4は、基地局装置101が有する機能のうち、本実施形態に関連する機能のみを示しており、基地局装置101は、例えばセルラ通信システムにおける基地局装置が当然に有する機能など、図4に示す以外の機能を当然に有しうる。
【0030】
アンテナ情報取得部401は、端末装置111が有する複数のアンテナに関する情報を端末装置111から取得する。設定情報通知部402は、アンテナ情報取得部401によって取得された情報に基づいて、複数のアンテナがグループ化された複数のグループのそれぞれについてのSRSの設定情報を生成し、端末装置111へ通知する。SRS測定403は、設定情報通知部402によって通知された設定情報を用いて、端末装置111の複数のアンテナのそれぞれから送信されたSRSを測定し、伝送路推定等の処理を実行する。
【0031】
一例において、アンテナ情報取得部401は、端末装置111が有する複数のアンテナがそれぞれ割り当てられた複数のグループに関する情報を端末装置111から取得する。設定情報通知部402は、複数のグループに関する情報に基づいて、その複数のグループのそれぞれに関するSRSの設定情報を生成し、端末装置111へ通知する。SRS測定部403は、この設定情報を用いて、端末装置111の複数のアンテナのそれぞれから送信されたSRSを測定する。なお、設定情報通知部402は、例えば、各グループに属するアンテナの数に応じて設定情報を生成しうる。
【0032】
また、別の例において、アンテナ情報取得部401は、端末装置111が有する複数のアンテナの総数を、端末装置111から取得する。そして、設定情報通知部402は、その複数のアンテナがそれぞれ割り当てられるべきグループの数に対応する数のSRSの設定情報を生成し、端末装置111へ通知する。なお、設定情報通知部402は、例えば、端末装置111が有する複数のアンテナの総数から、所定のルールに従ってグループの数を決定し、その数の分だけ、SRSに関する設定情報を生成し、端末装置111へ通知しうる。ここでの設定情報は、グループに属するアンテナの数と、そのグループにおいて使用されるSRSの設定を含む。SRS測定部403は、この設定情報を用いて、端末装置111の複数のアンテナのそれぞれから送信されたSRSを測定する。
【0033】
また、別の例において、アンテナ情報取得部401は、端末装置111が有する複数のアンテナをそれぞれ特定可能な情報を(また、必要に応じて、アンテナの総数の情報を)端末装置111から取得する。設定情報通知部402は、その複数のアンテナを、例えば所定のルールに従ってグループ化する。そして、設定情報通知部402は、その複数のアンテナがグループ化されて得られた複数のグループのそれぞれについてSRSに関する設定情報を生成して、その複数のグループに対して複数のアンテナのいずれが割り当てられているかを示す情報と共に、端末装置111へ通知する。SRS測定部403は、この設定情報を用いて、端末装置111の複数のアンテナのそれぞれから送信されたSRSを測定する。
【0034】
(処理の流れ)
続いて、基地局装置101と端末装置111との間で実行される処理の流れの例について説明する。なお、以下の処理例は一例であり、これら以外の手順によって、端末装置111が有するアンテナのグループ化及びグループに対するSRSの設定が行われてもよい。
【0035】
図5は、第1の処理例を示す図である。本処理例では、端末装置111が、自装置の有する複数のアンテナをグループ化する(S501)。ここでは、端末装置111がアンテナ1~アンテナ8の8個のアンテナを有し、アンテナ1~アンテナ4を含んだ第1のグループと、アンテナ5~アンテナ8を含んだ第2のグループとに、そのアンテナ1~アンテナ8をグループ化したものとする。そして、端末装置111は、グループに関する情報を基地局装置101へ通知する(S502)。本処理例では、端末装置111は、例えば、グループ1にアンテナ1~アンテナ4が属すること、及びグループ2にアンテナ5~アンテナ8が属することを特定可能な情報を基地局装置101へ通知したものとする。基地局装置101は、この情報に基づいて、各グループに対するSRSの設定を決定する(S503)。ここで、第1のグループに対する設定Aと、第2のグループに対する設定Bとでは、SRSの送信に使用されるべきリソースエレメントが時間領域又は周波数領域の少なくともいずれかにおいて異なり、ここでは少なくとも時間領域において使用されるリソースエレメントが異なっているものとする。基地局装置101は、決定した設定を含んだ設定情報を、端末装置111へ通知する(S504)。ここでは、各グループに属するアンテナが基地局装置101へ通知されているため、基地局装置101は、各グループについてのSRSに関する設定に、アンテナ個別の設定を含めて端末装置111へ通知しうる。その後、端末装置111は、各グループに対応する設定を、そのグループに属するアンテナに適用して、SRSを送信する(S505、S506)。
【0036】
図6は、第2の処理例を示す図である。本処理例では、まず、端末装置111は、自装置が有するアンテナの総数を示す情報を基地局装置101へ通知する(S601)。基地局装置101は、アンテナの総数を示す情報を取得すると、その数のアンテナのそれぞれに対してSRS設定を行うために、アンテナがそれぞれ割り当てられるグループの数を決定し、そのグループのそれぞれに対してSRSに関する設定を決定する(S602)。そして、基地局装置101は、各グループに属するべきアンテナの数とSRSに関する設定情報とを端末装置111へと通知する(S603)。例えば、基地局装置101は、端末装置111のアンテナの総数が8である場合に、それぞれ4つのアンテナが属する2つのグループを定義し、その2つのグループのそれぞれについてのSRSに関する設定を決定し、端末装置111へ通知する。図6では、第1のグループ及び第2のグループについて、属すべきアンテナの数が両方とも4であること、及び、第1のグループについてのSRSの設定Aと第2のグループについてのSRSの設定Bが、端末装置111へ通知されている。なお、本処理例でも、第1のグループに対する設定Aと、第2のグループに対する設定Bとにおいて、少なくとも時間領域において使用されるリソースエレメントが異なっているものとする。端末装置111は、この通知に基づいて、自装置が有する複数のアンテナをグループ化する(S604)。すなわち、端末装置111は、複数のアンテナの中から、各グループに対して指定されたアンテナの数だけアンテナを選択して、その選択したアンテナをそのグループへ割り当てる。例えば、図6では、第1のグループ及び第2のグループのアンテナ数が両方とも4に指定されているため、端末装置111が、第1のグループにアンテナ1~アンテナ4を割り当て、第2のグループにアンテナ5~アンテナ8を割り当てたものとする。これにより、端末装置111は、アンテナ1~アンテナ4において、第1のグループに対するSRSの設定Aを用いてSRSを送信し(S605)、アンテナ5~アンテナ8において、第2のグループに対するSRSの設定Bを用いてSRSを送信する(S605)。
【0037】
図7は、第3の処理例を示す図である。本処理例では、端末装置111は、自装置が有する複数のアンテナをそれぞれ特定可能な情報を基地局装置101へ通知する(S701)。すなわち、端末装置111は、アンテナ1~アンテナ8をそれぞれ特定可能な情報を基地局装置101へ通知する。そして、基地局装置101は、この複数のアンテナのグループ化を行う(S702)。基地局装置101は、例えば、アンテナ1~アンテナ4を第1のグループとし、アンテナ5~アンテナ8を第2のグループとするグループ化を行ったものとする。そして、基地局装置101は、グループ化によって得られた各グループに対するSRSに関する設定を決定し(S703)、その情報を端末装置111へ通知する(S704)。ここでは、基地局装置101によって各グループに属するアンテナが決定されているため、基地局装置101は、各グループについてのSRSに関する設定に、アンテナ個別の設定を含めて端末装置111へ通知しうる。なお、本処理例でも、第1のグループに対する設定Aと、第2のグループに対する設定Bとにおいて、少なくとも時間領域において使用されるリソースエレメントが異なっているものとする。その後、端末装置111は、各グループに対応する設定を、そのグループに属するアンテナに適用して、SRSを送信する(S705、S706)。
【0038】
以上のようにして、端末装置111が有する複数のアンテナがグループ化され、それぞれのグループにおいて別個のリソースエレメントにおいてSRSが送信されるように、グループごとの設定が用意される。これにより、端末装置111が多数のアンテナを有する場合に、その多数のアンテナのそれぞれにおいてSRSを送信し、基地局装置101において、そのSRSに基づいて高精度な伝送路推定を行うことが可能となる。よって、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0039】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7