(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146482
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】媒体案内装置、画像形成装置、画像読取装置および後処理装置
(51)【国際特許分類】
B65H 5/36 20060101AFI20231004BHJP
B65H 5/06 20060101ALI20231004BHJP
G03G 15/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B65H5/36
B65H5/06 N
G03G15/00 455
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053679
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】花本 勝彦
【テーマコード(参考)】
2H072
3F049
3F101
【Fターム(参考)】
2H072AA09
2H072AA16
2H072AA24
2H072AA29
2H072AA32
2H072CA01
2H072CB03
2H072CB07
2H072JA02
2H072JA04
3F049AA03
3F049CA33
3F049DA14
3F049DB02
3F049DB04
3F049EA22
3F049EA24
3F049EA27
3F049LA01
3F049LB01
3F101FA03
3F101FB02
3F101FB04
3F101FC05
3F101FE02
3F101FE11
3F101FE17
3F101FE22
3F101LA01
3F101LB01
(57)【要約】
【課題】湾曲経路において媒体の円滑な搬送を担保しながら媒体の後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制することができる媒体案内装置を提供する。
【解決手段】
媒体案内装置35は、湾曲経路6Aに設けられる上流側ローラー対42および下流側ローラー対43と、頂点部6Tよりも上流側で湾曲経路6Aの径方向の外側から出没する第1リブ44と、頂点部6Tよりも下流側で湾曲経路6Aの径方向の内側から出没する第2リブ45と、第1リブ44と第2リブ45とを連動させる連動部46と、を備え、上流側ローラー対42で搬送される用紙Pが下流側ローラー対43から離れている第1搬送状態S1である場合、連動部46は、第1リブ44を退避させ、第2リブ45を突出させ、用紙Pが下流側ローラー対43で搬送される第2搬送状態である場合、連動部46は、第1リブ44を突出させ、第2リブ45を退避させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を湾曲させながら搬送させる湾曲経路を含む搬送路において前記湾曲経路の頂点部よりも前記媒体の搬送方向の上流側に設けられ、前記媒体を挟みながら回転することで搬送する上流側ローラー対と、
前記搬送路において前記頂点部よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記媒体を挟みながら回転することで搬送する下流側ローラー対と、
前記上流側ローラー対よりも前記搬送方向の下流側かつ前記頂点部よりも前記搬送方向の上流側において前記湾曲経路の径方向の外側から前記湾曲経路に出没可能に設けられ、前記湾曲経路に突出した状態で前記媒体に接触する第1リブと、
前記下流側ローラー対よりも前記搬送方向の上流側かつ前記頂点部よりも前記搬送方向の下流側において前記湾曲経路の径方向の内側から前記湾曲経路に出没可能に設けられ、前記湾曲経路に突出した状態で前記媒体に接触する第2リブと、
前記第1リブと前記第2リブとを連動させて前記湾曲経路に出没させる連動部と、を備え、
前記上流側ローラー対に挟まれながら搬送される前記媒体が前記下流側ローラー対から離れている第1搬送状態である場合、前記連動部は、前記第1リブを前記湾曲経路から退避させ、前記第2リブを前記湾曲経路に突出させ、
前記媒体が前記下流側ローラー対に挟まれながら搬送される第2搬送状態である場合、前記連動部は、前記第1リブを前記湾曲経路に突出させ、前記第2リブを前記湾曲経路から退避させることを特徴とする媒体案内装置。
【請求項2】
前記連動部は、
前記第1リブに取り付けられ、第1軸周りに回動可能に設けられた第1リンク部と、
前記第2リブに取り付けられ、第2軸周りに回動可能に設けられ、前記第1リンク部に対して回動可能かつスライド可能に連結された第2リンク部と、
前記第1リブまたは前記第2リブを直接的または間接的に付勢する付勢部材と、を有し、
前記第1搬送状態である場合、前記付勢部材の付勢力は、前記第1リブを前記湾曲経路から退避させると共に前記第2リブを前記湾曲経路に突出させるように前記第1リンク部と前記第2リンク部とを回動させ、
前記第2搬送状態である場合、前記第2リブは搬送される前記媒体に押圧されて前記第2リンク部を回動させながら前記付勢部材の付勢力に抗して前記湾曲経路から退避し、前記第1リンク部は前記第2リンク部に対して相対的にスライドしながら前記第1リブを前記湾曲経路に突出させるように回動することを特徴とする請求項1に記載の媒体案内装置。
【請求項3】
前記連動部は、
前記第1リブを前記湾曲経路に出没させる駆動部と、
前記湾曲経路から退避した前記第2リブを検知する検知部と、
前記第2リブを前記湾曲経路に突出するように付勢する付勢部材と、を有し、
前記第1搬送状態である場合、前記駆動部は前記第1リブを前記湾曲経路から退避させ、前記第2リブは前記付勢部材に付勢されて前記湾曲経路に突出し、
前記第2搬送状態である場合、前記第2リブは搬送される前記媒体に押圧されて前記付勢部材の付勢力に抗して前記湾曲経路から退避し、前記検知部が退避した前記第2リブを検知したことに基づいて、前記駆動部は前記第1リブを前記湾曲経路に突出させることを特徴とする請求項1に記載の媒体案内装置。
【請求項4】
前記連動部は、
前記第1リブを前記湾曲経路に出没させる第1駆動部と、
前記第2リブを前記湾曲経路に出没させる第2駆動部と、
前記下流側ローラー対が前記媒体を搬送していることを検知する検知部と、を有し、
前記第1搬送状態である場合、前記第1駆動部は前記第1リブを前記湾曲経路から退避させ、前記第2駆動部は前記第2リブを前記湾曲経路に突出させ、
前記第2搬送状態である場合、前記検知部が前記下流側ローラー対による前記媒体の搬送を検知したことに基づいて、前記第1駆動部は前記第1リブを前記湾曲経路に突出させ、前記第2駆動部は前記第2リブを前記湾曲経路から退避させることを特徴とする請求項1に記載の媒体案内装置。
【請求項5】
前記第1リブと前記第2リブとは、前記媒体に接触して軸心周りに回転可能に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の媒体案内装置。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の媒体案内装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の媒体案内装置を備えていることを特徴とする画像読取装置。
【請求項8】
請求項1ないし4のいずれか1項に記載の媒体案内装置を備えていることを特徴とする後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送される媒体を案内する媒体案内装置、画像形成装置、画像読取装置および後処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に記載の画像形成装置では、用紙搬送路に沿って搬送される用紙を案内する用紙案内装置が設けられていた。この用紙案内装置は、搬送ローラーに接触して従動回転する案内ローラーと、浮動シャフトを介して案内ローラーに支持される可動リブと、を備えていた。搬送ローラーの直径の増減が生じると、案内ローラーと可動リブは用紙搬送路に対して出没し、搬送ローラーと案内ローラーとのニップに対する可動リブを適正な位置に保つとされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、湾曲した搬送路(湾曲経路)の上流側と下流側とにローラー対が設けられた構成について考える。用紙は、上流側ローラー対に挟まれながら搬送(ニップ搬送)され、湾曲経路の外径面に沿って湾曲しながら搬送される(以下、「第1の状態」という。)。搬送が進み、用紙が上流側ローラー対でのニップ搬送を継続されながら下流側ローラー対でもニップ搬送され始めると、その用紙は湾曲経路の外径面から径方向の内側に引き寄せられて内径面に沿って搬送され始める(以下、「第2の状態(前期)」という。)。更に搬送が進み、用紙の後端が上流側ローラー対を通過し(ニップ搬送が終了し)、下流側ローラー対でニップ搬送された状態(以下、「第2の状態(後期)」という。)になると、湾曲した用紙自身のコシによって、用紙の後端が湾曲経路の径方向の外側に跳ね上がる。すると、用紙の後端が湾曲経路の外径面に叩きつけられ、衝突音が発生する。
【0005】
第1の状態では、湾曲経路の上流側が広い経路とされ、湾曲経路の下流側において径方向の内側から用紙を押さえるリブが有ることが好ましい。これにより、湾曲経路の外径面に沿った用紙の搬送を阻害せず、円滑な用紙の搬送を担保することができる。これに対し、第2の状態(前期、後期)では、湾曲経路の下流側が広い経路とされ、湾曲経路の上流側において径方向の外側から用紙を押えるリブが有ることが好ましい。これにより、用紙の後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制することができる。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の技術は、搬送ローラーの直径の大小に関わらず、ニップに対する可動リブの位置を一定にするものであるため、特許文献1に記載の技術を湾曲経路に適用しても、第1の状態と第2の状態との両状態において円滑な用紙の搬送を担保しながら、用紙の後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制することはできなかった。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮し、湾曲経路において媒体の円滑な搬送を担保しながら媒体の後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制することができる媒体案内装置、画像形成装置、画像読取装置および後処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る媒体案内装置は、媒体を湾曲させながら搬送させる湾曲経路を含む搬送路において前記湾曲経路の頂点部よりも前記媒体の搬送方向の上流側に設けられ、前記媒体を挟みながら回転することで搬送する上流側ローラー対と、前記搬送路において前記頂点部よりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記媒体を挟みながら回転することで搬送する下流側ローラー対と、前記上流側ローラー対よりも前記搬送方向の下流側かつ前記頂点部よりも前記搬送方向の上流側において前記湾曲経路の径方向の外側から前記湾曲経路に出没可能に設けられ、前記湾曲経路に突出した状態で前記媒体に接触する第1リブと、前記下流側ローラー対よりも前記搬送方向の上流側かつ前記頂点部よりも前記搬送方向の下流側において前記湾曲経路の径方向の内側から前記湾曲経路に出没可能に設けられ、前記湾曲経路に突出した状態で前記媒体に接触する第2リブと、前記第1リブと前記第2リブとを連動させて前記湾曲経路に出没させる連動部と、を備え、前記上流側ローラー対に挟まれながら搬送される前記媒体が前記下流側ローラー対から離れている第1搬送状態である場合、前記連動部は、前記第1リブを前記湾曲経路から退避させ、前記第2リブを前記湾曲経路に突出させ、前記媒体が前記下流側ローラー対に挟まれながら搬送される第2搬送状態である場合、前記連動部は、前記第1リブを前記湾曲経路に突出させ、前記第2リブを前記湾曲経路から退避させる。
【0009】
この場合、前記連動部は、前記第1リブに取り付けられ、第1軸周りに回動可能に設けられた第1リンク部と、前記第2リブに取り付けられ、第2軸周りに回動可能に設けられ、前記第1リンク部に対して回動可能かつスライド可能に連結された第2リンク部と、前記第1リブまたは前記第2リブを直接的または間接的に付勢する付勢部材と、を有し、前記第1搬送状態である場合、前記付勢部材の付勢力は、前記第1リブを前記湾曲経路から退避させると共に前記第2リブを前記湾曲経路に突出させるように前記第1リンク部と前記第2リンク部とを回動させ、前記第2搬送状態である場合、前記第2リブは搬送される前記媒体に押圧されて前記第2リンク部を回動させながら前記付勢部材の付勢力に抗して前記湾曲経路から退避し、前記第1リンク部は前記第2リンク部に対して相対的にスライドしながら前記第1リブを前記湾曲経路に突出させるとよい。
【0010】
他の場合、前記連動部は、前記第1リブを前記湾曲経路に出没させる駆動部と、前記湾曲経路から退避した前記第2リブを検知する検知部と、前記第2リブを前記湾曲経路に突出するように付勢する付勢部材と、を有し、前記第1搬送状態である場合、前記駆動部は前記第1リブを前記湾曲経路から退避させ、前記第2リブは前記付勢部材に付勢されて前記湾曲経路に突出し、前記第2搬送状態である場合、前記第2リブは搬送される前記媒体に押圧されて前記付勢部材の付勢力に抗して前記湾曲経路から退避し、前記検知部が退避した前記第2リブを検知したことに基づいて、前記駆動部は前記第1リブを前記湾曲経路に突出させてもよい。
【0011】
他の場合、前記連動部は、前記第1リブを前記湾曲経路に出没させる第1駆動部と、前記第2リブを前記湾曲経路に出没させる第2駆動部と、前記下流側ローラー対が前記媒体を搬送していることを検知する検知部と、を有し、前記第1搬送状態である場合、前記第1駆動部は前記第1リブを前記湾曲経路から退避させ、前記第2駆動部は前記第2リブを前記湾曲経路に突出させ、前記第2搬送状態である場合、前記検知部が前記下流側ローラー対による前記媒体の搬送を検知したことに基づいて、前記第1駆動部は前記第1リブを前記湾曲経路に突出させ、前記第2駆動部は前記第2リブを前記湾曲経路から退避させてもよい。
【0012】
これらの場合、前記第1リブと前記第2リブとは、前記媒体に接触して軸心周りに回転可能に設けられてもよい。
【0013】
本発明に係る画像形成装置は、上記したいずれかの媒体案内装置を備えている。
【0014】
本発明に係る画像読取装置は、上記したいずれかの媒体案内装置を備えている。
【0015】
本発明に係る後処理装置は、上記したいずれかの媒体案内装置を備えている。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、湾曲経路において媒体の円滑な搬送を担保しながら媒体の後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る複写機の内部構造を示す概略図(正面図)である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る媒体案内装置を示す正面図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係る媒体案内装置(第1搬送状態)を示す正面図である。
【
図4】本発明の第1実施形態に係る媒体案内装置(第2搬送状態(前期))を示す正面図である。
【
図5】本発明の第1実施形態に係る媒体案内装置(第2搬送状態(後期))を示す正面図である。
【
図6】本発明の第2実施形態に係る媒体案内装置(第1搬送状態)を示す正面図である。
【
図7】本発明の第2実施形態に係る媒体案内装置(第2搬送状態)を示す正面図である。
【
図8】本発明の第3実施形態に係る媒体案内装置(第1搬送状態)を示す正面図である。
【
図9】本発明の第3実施形態に係る媒体案内装置(第2搬送状態)を示す正面図である。
【
図10】本発明の第1~第3実施形態の第1変形例に係る複写機の内部構造を示す概略図(正面図)である。
【
図11】本発明の第1~第3実施形態の第2変形例に係る複写機(後処理装置を含む)の内部構造を示す概略図(正面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、図面に示すFr、Rr、L、R、U、Dは、前、後、左、右、上、下を示している。本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0019】
[複合機]
図1を参照して、複合機1について説明する。
図1は複合機1の内部構造を示す概略図(正面図)である。
【0020】
複合機1は、用紙P(媒体)に電子写真方式で画像を形成する画像形成装置1Aと、原稿の画像を光学的に読み取り電子データに変換する画像読取装置1Bと、を備えている。
【0021】
[画像形成装置]
画像形成装置1Aは、略直方体状の外観を構成する装置本体2を備えている。装置本体2の下部には用紙Pを収容する給紙カセット3が着脱可能に設けられ、装置本体2の上面には排紙トレイ4が設けられている。なお、媒体の一例としての用紙Pは、紙製に限らず、樹脂製のシート(フィルム)等、弾性的に撓むことができるものであればよい。また、画像形成装置1Aの説明においては、用紙Pが搬送される方向を「搬送方向」と呼び、「上流」および「下流」並びにこれらに類する用語は、搬送方向における「上流」および「下流」並びにこれらに類する概念を指すものとする。
【0022】
画像形成装置1Aは、トナーコンテナ10と、感光体ドラム11と、帯電装置12と、現像装置13と、転写ローラー14と、光走査装置15と、定着装置16と、を備えている。トナーコンテナ10は、装置本体2の左上部に配置され、例えば、黒色のトナー(現像剤)を収容している。感光体ドラム11は、給紙カセット3から排紙トレイ4まで延びた第1の搬送路5の中間部に設けられ、モーター(図示せず)によって軸周りに回転駆動される。帯電装置12、現像装置13および転写ローラー14は感光体ドラム11の周囲に画像形成プロセス順に配置されている。転写ローラー14は、下側から感光体ドラム11に接触して転写ニップを形成している。光走査装置15は、感光体ドラム11よりも上方に設けられている。定着装置16は、第1の搬送路5の下流側に設けられている。
【0023】
第1の搬送路5の上流側は略U字状に湾曲しており、湾曲部分の上流端部には給紙カセット3に収容された用紙Pを第1の搬送路5に繰り出す給紙ローラー対40が設けられている。第1の搬送路5の湾曲部分の下流端部には搬送ローラー対41が設けられ、搬送ローラー対41よりも下流側にはレジストローラー対43が設けられている。レジストローラー対43は、搬送される用紙Pを一時的に塞き止めて、用紙Pの傾きを補正(スキュー補正)する。また、装置本体2の内部には、第1の搬送路5の下流側で分岐し、第1の搬送路5の上流側に合流する第2の搬送路6が設けられている。第2の搬送路6には、用紙Pを搬送するための複数の搬送ローラー対42が設けられている。
【0024】
[画像形成処理]
画像形成装置1Aの動作について説明する。複合機1を統括制御する制御装置(図示せず)は、例えば、外部端末から入力された画像データに基づいて、以下のように画像形成処理を実行する。
【0025】
帯電装置12は感光体ドラム11の表面を帯電させ、光走査装置15は画像データに基づいた走査光を出射して感光体ドラム11の表面に静電潜像を形成する。現像装置13は、トナーコンテナ10から供給されたトナーを用いて感光体ドラム11の表面にトナー像を現像する。給紙ローラー対40は、給紙カセット3から用紙Pを1枚ずつ第1の搬送路5に送り出す。用紙Pは、第1の搬送路5に沿って搬送され、レジストローラー対43でスキュー補正され、転写ニップに進入する。転写ローラー14は転写ニップを通過する用紙Pに感光体ドラム11上のトナー像を転写し、定着装置16は用紙Pにトナー像を熱定着させる。片面印刷の場合、用紙Pは排紙トレイ4に排出される。
【0026】
両面印刷の場合、用紙Pは、第1の搬送路5の下流端部でスイッチバックして第2の搬送路6に送られ、搬送ローラー対42によって搬送されて再び第1の搬送路5に戻される。その後、上記と同様の工程を経て用紙Pの裏面に画像が形成され、両面印刷された用紙Pが排紙トレイ4に排出される。
【0027】
[画像読取装置]
画像読取装置1Bは、読取部20と、原稿搬送装置21と、を備えている。読取部20は、装置本体2の上面に取り付けられ、排紙空間を挟んで排紙トレイ4の上方に配置されている。原稿搬送装置21は、読取部20の上面に取り付けられている。
【0028】
<読取部>
読取部20は、光学走査ユニット22と、反射ユニット23と、イメージセンサー24と、を有している。光学走査ユニット22は、コンタクトガラス25Aやプラテンガラス25Bに載せられた原稿に光を照射する。反射ユニット23は、原稿で反射した光をイメージセンサー24に向けて反射させる。プラテンガラス25B上の原稿を読み取る場合、光学走査ユニット22と反射ユニット23とは、原稿からイメージセンサー24までの光路長が一定となるように移動する。イメージセンサー24は、入力された光を光電変換する。
【0029】
<原稿搬送装置>
原稿搬送装置21は、原稿押え部26と、供給トレイ27と、排出トレイ28と、搬送部29と、を有している。なお、画像読取装置1Bの説明においては、原稿が搬送される方向を「搬送方向」と呼び、「上流」および「下流」並びにこれらに類する用語は、搬送方向における「上流」および「下流」並びにこれらに類する概念を指すものとする。
【0030】
原稿押え部26は、読取部20の上面後部にヒンジ(図示せず)を介して回動可能(開閉可能)に取り付けられている。供給トレイ27は搬送部29から右斜め上方に向かって延設され、排出トレイ28は原稿押え部26の上面に設けられている。供給トレイ27は、排出トレイ28から上方に離れた位置に配置されている。
【0031】
搬送部29の内部には、供給トレイ27から排出トレイ28までを結ぶように略U字状に湾曲した原稿搬送路30が形成されている。原稿搬送路30の上流端部には、供給トレイ27に積載された原稿を1枚ずつ分離して原稿搬送路30に繰り出す原稿繰り出し部31が設けられている。原稿搬送路30の中間部(原稿繰り出し部31からコンタクトガラス25Aまでの間)には複数の原稿搬送ローラー対32が設けられ、原稿搬送路30の下流端部には原稿排出ローラー対33が設けられている。
【0032】
[画像読取処理]
画像読取装置1Bの動作について説明する。原稿押え部26を閉じた状態で供給トレイ27に原稿がセットされた場合、制御装置は、以下のように画像読取処理を実行する。なお、供給トレイ27に積載される原稿はシート状であるが、プラテンガラス25Bに積載される原稿はシート状に限らず、冊子やカード等であってもよい。
【0033】
原稿繰り出し部31は供給トレイ27にセットされた原稿を原稿搬送路30に送り出す。原稿は、原稿搬送ローラー対32によってコンタクトガラス25A上に搬送される。光学走査ユニット22は、コンタクトガラス25A上を通過する原稿に光を照射し、原稿で反射した光はイメージセンサー24に入力されて電気信号に変換される。これにより、原稿の画像が、画像データとして読み取られる。原稿排出ローラー対33は、コンタクトガラス25Aを通過した原稿を排出トレイ28に送り出す。
【0034】
次に、原稿押え部26を開き、プラテンガラス25B上に原稿がセットされた場合、制御装置は、以下のように画像読取処理を実行する。光学走査ユニット22は、右方向に移動しながらプラテンガラス25B上の原稿に光を照射する。原稿で反射した光がイメージセンサー24に入力されて電気信号に変換されることで、原稿の画像が画像データとして読み取られる。
【0035】
以上のように読み取られた画像データは制御装置の記憶部に記憶され、制御部装置は既に説明した画像形成処理(印刷)を実行する。なお、画像データは、印刷されずに、外部端末に保存されることもある。
【0036】
ところで、複合機1は、オフィス等の限られたスペースに設置することを考慮して小型化されることが好ましい。このため、小型化された画像形成装置1Aでは、用紙Pを搬送するための搬送路5,6が蛇行するように形成されることが多い(
図1参照)。具体的な一例としては、第2の搬送路6の下流側(第1の搬送路5との合流部分を含む。)には、用紙Pを湾曲させながら搬送させる湾曲経路6Aが形成されている。上記した複数の搬送ローラー対42のうち最下流に配置された搬送ローラー対42は湾曲経路6Aの上流側(または第2の搬送路6直線部分の終端部でもよい)に設けられ、レジストローラー対43は湾曲経路6Aの下流側(または第1の搬送路5の直線部分でもよい)に設けられている。なお、湾曲経路6Aとは、第2の搬送路6の下流側(第1の搬送路5の一部を含む)で用紙Pが湾曲しながら搬送される範囲(例えば
図2に二点鎖線で示す範囲)を指している。また、湾曲経路6Aとは、円弧状の経路であってもよいし、複数の直線経路が細かく折れ曲がりながら連なる折線状の経路であってもよいし、これらの組み合わせであってもよく、用紙P(媒体)が湾曲しながら搬送され得る経路であればよい。また、本明細書の説明では、搬送ローラー対42を上流側ローラー対42と呼び、レジストローラー対43を下流側ローラー対43と呼ぶこととする。
【0037】
上流側ローラー対42および下流側ローラー対43は、用紙Pを挟みながら回転することで(用紙Pを)搬送する(以下、「ニップ搬送」ともいう。)。なお、各ローラー対42,43では、一方のローラーがモーター等で駆動され、他方のローラーが従動されるが、これに限らず、両ローラーが駆動されてもよい。また、本明細書の説明では、用紙Pが、上流側ローラー対42にニップ搬送され、下流側ローラー対43から離れている(下流側ローラー対43にニップ搬送されていない)状態を、第1搬送状態S1と呼ぶ(
図3参照)。一方で、用紙Pが、上流側ローラー対42にニップ搬送されているか否かに関わらず、下流側ローラー対43にニップ搬送される状態を、第2搬送状態S2と呼ぶ(
図4および
図5参照)。
【0038】
第1搬送状態S1では、用紙Pは、自身のコシによって湾曲経路6Aの径方向の外側の面(外径面6B)に沿って湾曲しながら搬送される(
図3参照)。次に、第1搬送状態S1から第2搬送状態S2になり始める(第2搬送状態S2の前期)、すなわち、用紙Pが上流側ローラー対42でのニップ搬送を継続されながら下流側ローラー対43でもニップ搬送され始めると、用紙Pは、下流側ローラー対43による搬送力を受けて、湾曲経路6Aの外径面6Bから径方向の内側に引き寄せられ、湾曲経路6Aの内径面6Cに沿って搬送され始める(
図4参照)。更に用紙Pの搬送が進み、用紙Pの後端が上流側ローラー対42を通過し(上流側ローラー対42でのニップ搬送が終了し)、下流側ローラー対43でニップ搬送された状態(第2搬送状態S2の後期)になると、内径面6Cに沿って湾曲した用紙Pのコシ(復元力)によって、用紙Pの後端が湾曲経路6Aの径方向の内側から外側に跳ね上がる(
図5参照)。すると、用紙Pの後端が湾曲経路6Aの外径面6Bに叩きつけられ、衝突音が発生する。
【0039】
第1搬送状態S1では、湾曲経路6Aの上流側が広い経路とされ、湾曲経路6Aの下流側において径方向の内側から用紙Pを押さえることが好ましい。これにより、湾曲経路6Aの外径面6Bに沿った用紙Pの搬送を阻害せず、円滑な用紙Pの搬送を担保することが可能になる。これに対し、第2搬送状態S2では、湾曲経路6Aの下流側が広い経路とされ、湾曲経路6Aの上流側において径方向の外側から用紙Pを押えることが好ましい。これにより、用紙Pの後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制することが可能になる。そこで、画像形成装置1Aでは、湾曲経路6Aにおいて用紙Pの円滑な搬送を担保しながら用紙Pの後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制する媒体案内装置35が備えられている。
【0040】
[媒体案内装置]
図2および
図3を参照して、第1実施形態に係る媒体案内装置35について説明する。
図2は媒体案内装置35を示す正面図である。
図3は媒体案内装置35(第1搬送状態S1)を示す正面図である。
【0041】
図2に示すように、媒体案内装置35は、上流側ローラー対42と、下流側ローラー対43と、第1リブ44と、第2リブ45と、連動部46と、を備えている。
【0042】
<上流側ローラー対、下流側ローラー対>
図2に示すように、上流側ローラー対42(搬送ローラー対42)は、第2の搬送路6において湾曲経路6Aの頂点部6Tよりも上流側に設けられている。下流側ローラー対43(レジストローラー対43)は、第2の搬送路6において頂点部6Tよりも下流側に設けられている。具体的には、上流側ローラー対42は、湾曲経路6Aの上流端から僅かに下流側に設けられ、下流側ローラー対43は、湾曲経路6Aの下流端部(または第1の搬送路5の直線部分)に設けられている。なお、湾曲経路6Aの頂点部6Tとは、
図2で言えば、最も左方に突き出した部分を指しているが、厳密に1点のみを指すものではなく、ある程度の範囲を含む部分を指している。
【0043】
<第1リブ、第2リブ>
第1リブ44は上流側ローラー対42と頂点部6Tとの間に配置され、第2リブ45は頂点部6Tと下流側ローラー対43との間に配置されている。第1リブ44は、上流側ローラー対42よりも下流側かつ頂点部6Tよりも上流側において湾曲経路6Aの径方向の外側から湾曲経路6Aに出没可能に設けられている。第2リブ45は、下流側ローラー対43よりも上流側かつ頂点部6Tよりも下流側において湾曲経路6Aの径方向の内側から湾曲経路6Aに出没可能に設けられている。第1リブ44および第2リブ45は、それぞれ、略円柱状(略円板状)に形成され、湾曲経路6Aに突出した状態で用紙Pに接触する(または接触可能に設けられる)。詳細は後述するが、第1リブ44と第2リブ45とは、用紙Pに接触して軸心周りに回転可能に設けられている。なお、言うまでもないが、湾曲経路6Aの外径面6Bおよび内径面6Cには、第1リブ44および第2リブ45を出没させるための開口が穿設されている。
【0044】
<連動部>
連動部46は、用紙Pの搬送を阻害しないように装置本体2(湾曲経路6A)の後部(または前部)に設けられている。連動部46は、第1リブ44と第2リブ45とを連動させて湾曲経路6Aに出没させる機能を有している。具体的には、
図3に示すように、連動部46は、所謂リンク機構であって、第1リンク部51と、第2リンク部52と、付勢部材53と、を有している。
【0045】
(第1リンク部)
第1リンク部51は、例えば、金属板でL字状(またはT字状)に形成され、第1リブ44に取り付けられている。第1リブ44は、第1リンク部51の一端部に軸周りに回転可能に支持されている。第1リンク部51の屈曲部分には第1軸51Aが設けられ、第1リンク部51は第1軸51Aを介して装置本体2(または湾曲経路6Aを構成する部材)に支持されている。第1リンク部51は、第1軸51A周りに回動可能に設けられている。第1リンク部51の他端側には、略円柱状の連動凸部51Bが突設されている。
【0046】
(第2リンク部)
第2リンク部52は、例えば、金属板でI字状に形成され、第2リブ45に取り付けられている。第2リブ45は、第2リンク部52の一端部に軸周りに回転可能に支持されている。第2リンク部52の一端側には第2軸52Aが設けられ、第2リンク部52は第2軸52Aを介して装置本体2(または湾曲経路6Aを構成する部材)に支持されている。第2リンク部52は、第2軸52A周りに回動可能に設けられている。第2リンク部52の中間から他端側には、斜めに延びた連動溝部52Bが穿設されている。連動溝部52Bには、第1リンク部51の連動凸部51Bがスライド可能に差し込まれる。連動凸部51Bが連動溝部52Bに差し込まれることで、第2リンク部52は、第1リンク部51に対して回動可能かつスライド可能に連結される。
【0047】
(付勢部材)
付勢部材53は、所謂引張りコイルスプリングであって、第2リンク部52の他端部と装置本体2との間に架設されている。付勢部材53は、第2リンク部52の他端部を径方向の内側に付勢している(引っ張っている)。換言すれば、付勢部材53は、第2リンク部52を介して間接的に第2リブ45を湾曲経路6Aに突出させる方向に付勢している。なお、付勢部材53は、第2リンク部52に係合した第1リンク部51を介して間接的に第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させる方向に付勢していると捉えてもよい。
【0048】
[媒体案内装置の作用]
次に、
図3ないし
図5を参照して、媒体案内装置35の作用、つまり、第1リブ44および第2リブ45の動作について説明する。
図4は媒体案内装置35(第2搬送状態S2(前期))を示す正面図である。
図5は媒体案内装置35(第2搬送状態S2(後期))を示す正面図である。
【0049】
<第1搬送状態>
まず、用紙Pが上流側ローラー対42にニップ搬送されているが、下流側ローラー対43にはニップ搬送されていない第1搬送状態S1について説明する。
図3に示すように、第1搬送状態S1である場合、連動部46は、第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させ、第2リブ45を湾曲経路6Aに突出させる。具体的には、付勢部材53の付勢力は、第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させると共に第2リブ45を湾曲経路6Aに突出させるように第1リンク部51と第2リンク部52とを回動させる。この際、第1リンク部51の連動凸部51Bは、第2リンク部52の連動溝部52Bの他端(第2リブ45とは反対側)に突き当たっている。なお、第1リブ44が湾曲経路6Aから退避するとは、第1リブ44が完全に湾曲経路6Aから退避することを要求するものではなく、湾曲経路6Aの外径面6Bから僅かに突き出す程度は許容する意味である。また、第2リブ45が湾曲経路6Aに突出するとは、用紙Pの搬送を阻害せず、用紙Pに軽く接触し、用紙Pを湾曲経路6Aの外径面6Bに沿わせる状態を意味する。また、用紙Pが搬送されていない場合(画像形成処理が実行されず停止した状態)でも、第1搬送状態S1となっている。
【0050】
第1リブ44は湾曲経路6Aから退避しているため、湾曲経路6Aの上流側では内径面6Cと外径面6Bとの間隔が広く確保される。これにより、円滑に用紙Pを湾曲経路6Aに進入することができる。湾曲経路6Aに進入した用紙Pは、湾曲経路6Aの外径面6Bに押し当てられ、外径面6Bに沿って(接触して)湾曲しながら搬送される。第2リブ45は、湾曲経路6Aに突出しているため、外径面6Bに沿って搬送される用紙Pの内面に接触する(または接触可能とされる(常時接触しなくてもよい))。これにより、湾曲経路6Aの外径面6Bに沿って搬送される用紙Pを案内することができる。なお、第2リブ45は、用紙Pに接触すると軸周りに回転しながら用紙Pを案内する。
【0051】
<第2送状態>
次に、用紙Pが下流側ローラー対43にニップ搬送されている第2搬送状態S2について説明する。
図4に示すように、第2搬送状態S2である場合、連動部46は、第1リブ44を湾曲経路6Aに突出させ、第2リブ45を湾曲経路6Aから退避させる。詳細に説明すると、第2搬送状態S2の前期では、用紙Pは、上流側ローラー対42でのニップ搬送を継続されながら下流側ローラー対43でもニップ搬送され始めると、湾曲経路6Aの外径面6Bから径方向の内側に引き寄せられて内径面6Cに沿って搬送され始める。すると、第2リブ45は、
図4に白抜き矢印で示すように搬送される用紙Pに押圧されて第2リンク部52を(
図4で時計回りに)回動させながら付勢部材53の付勢力に抗して湾曲経路6Aから退避する。第2リンク部52が第2軸52Aを中心に回動することで、第1リンク部51は、連動凸部51Bを第2リンク部52の連動溝部52Bに沿って第2リブ45の側にスライドさせながら、第1軸51Aを中心に(
図4で反時計回りに)回動する。つまり、第1リンク部51は、第2リンク部52に連動し、第2リンク部52に対して相対的にスライドしながら第1リブ44を湾曲経路6Aに突出させるように回動する。この際、第1リンク部51の連動凸部51Bは、第2リンク部52の連動溝部52Bの一端(第2リブ45の側)に突き当たっている。
【0052】
なお、第2リブ45が湾曲経路6Aから退避するとは、第2リブ45が完全に湾曲経路6Aから退避することを要求するものではなく、湾曲経路6Aの内径面6Cから僅かに突き出す程度は許容する意味である。また、第1リブ44が湾曲経路6Aに突出するとは、用紙Pの搬送を阻害せず、用紙Pに軽く接触し、用紙Pを湾曲経路6Aの内径面6Cに沿わせる状態を意味する。
【0053】
第2搬送状態S2の前期では、第2リブ45が湾曲経路6Aから退避しているため、湾曲経路6Aの下流側では内径面6Cと外径面6Bとの間隔が広く確保される。これにより、湾曲経路6Aの内径面6Cに沿った(接触した)円滑な用紙Pの搬送を担保することができる。また、第1リブ44は、湾曲経路6Aに突出しているため、内径面6Cに沿って搬送される用紙Pの外面に接触する(または接触可能とされる(常時接触しなくてもよい))。これにより、湾曲経路6Aの内径面6Cに沿って搬送される用紙Pを案内することができる。なお、第1リブ44は、用紙Pに接触すると軸周りに回転しながら用紙Pを案内する。
【0054】
図5に示すように、用紙Pの後端が上流側ローラー対42を通過して第2搬送状態S2の後期になると、内径面6Cに沿って湾曲した用紙Pのコシ(復元力)によって、用紙Pの後端が湾曲経路6Aの径方向の外側に跳ね上がろうとする(
図5に破線で示す矢印参照)。しかし、上記したように、第1リブ44が湾曲経路6Aに突出しているため、用紙Pの後側は第1リブ44に接触して跳ね上がりを阻止される。
【0055】
用紙Pの搬送が進み、用紙Pによる第2リブ45の押し込みが解除されると、第2リンク部52は、付勢部材53に付勢されて第2リブ45を湾曲経路6Aに突出させるように(
図3で反時計回りに)回動する。第1リンク部51は、第2リンク部52に連動して第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させるように(
図3で時計回りに)回動する。
【0056】
以上説明した第1実施形態に係る媒体案内装置35では、第1搬送状態S1である場合、連動部46は、第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させ、第2リブ45を湾曲経路6Aに突出させる構成とした(
図3参照)。この構成によれば、第1リブ44が湾曲経路6Aの外径面6Bに沿って搬送される用紙P(媒体)の障害になることがない。また、第2リブ45が径方向の内側から用紙Pに接触することで、湾曲経路6Aの外径面6Bに沿って搬送される用紙Pを案内することができる。また、媒体案内装置35では、第2搬送状態S2である場合、連動部46は、第1リブ44を湾曲経路6Aに突出させ、第2リブ45を湾曲経路6Aから退避させる構成とした(
図4および
図5参照)。この構成によれば、第1リブ44が径方向の外側から用紙Pに接触することで、上流側ローラー対42を通過した用紙Pの後側が跳ね上がらないように押さえることができる。また、第2リブ45が湾曲経路6Aの内径面6Cに沿って搬送される用紙Pの障害になることがない。これにより、湾曲経路6Aにおいて用紙Pの円滑な搬送を担保しながら用紙Pの後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制することができる。
【0057】
また、第1実施形態に係る媒体案内装置35では、連動部46がリンク機構を含み、用紙Pが下流側ローラー対43にニップ搬送されて湾曲経路6Aの外径面6Bから内径面6Cに引き寄せられる力を利用して、リンク機構を作動させる構成とした。この構成によれば、モーター等の動力源を用いることなく、第1リブ44と第2リブ45とを連動させて出没状態を相反させるように作動させることができる。また、2つのリブ44,45の作動タイミングを検知するセンサーや動力源やセンサーを制御するコントローラー等も不要になる。これにより、媒体案内装置35の製造コストや消費電力等のランニングコストを低減することができる。
【0058】
また、第1実施形態に係る媒体案内装置35によれば、各リブ44,45は用紙Pに接触しながら回転するため、用紙Pの搬送を阻害することがなく、円滑な用紙Pの搬送を担保することができる。
【0059】
なお、第1実施形態に係る媒体案内装置35では、付勢部材53が第2リンク部52を引く引張りコイルバネであったが、配置を変えることで、第2リンク部52を押す圧縮コイルバネを採用することもできる(図示せず)。また、付勢部材53は、第2リンク部52に代えて、第1リンク部51を引くまたは押すように設けられてもよい(図示せず)。また、付勢部材53は、コイルバネに限らず、板バネやゴム等の弾性体であってもよい(図示せず)。
【0060】
また、第1実施形態に係る媒体案内装置35では、付勢部材53が第2リンク部52を介して間接的に第2リブ45を付勢していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1リブ44(または第2リブ45)が回転不能に設けられた場合、付勢部材53は、第1リブ44(または第2リブ45)に接続され、第1リブ44(または第2リブ45)を直接的に付勢してもよい(図示せず)。
【0061】
また、第1実施形態に係る媒体案内装置35では、第1リンク部51に連動凸部51Bが設けられ、第2リンク部52に連動溝部52Bが設けられていたが、これに限らず、第1リンク部51に連動溝部52Bが設けられ、第2リンク部52に連動凸部51Bが設けられてもよい(図示せず)。
【0062】
また、第1実施形態に係る媒体案内装置35では、連動部46が他の動力源を用いることなく、第1リブ44と第2リブ45とを連動させて出没させる構造であったが、本発明はこれに限定されない。例えば、付勢部材53が省略され、連動部46がソレノイド等の駆動部(図示せず)を備えてもよい(第1実施形態の変形例)。この場合、例えば、ソレノイドのプランジャーの先端は、第1リンク部51または第2リンク部52に回転可能に連結され、ソレノイドは、制御装置に駆動制御されてプランジャーを往復移動させることで、各リンク部51,52を揺動させ、各リブ44,45を出没させてもよい(図示せず)。また、連動部46は、例えば、反射型や透過型の光センサー等の検知部を備え、検知部が、下流側ローラー対43を通過した用紙Pを検知したタイミングで、ソレノイド等の駆動部を駆動制御するとよい。
【0063】
[他の実施形態]
以下、
図6ないし
図9を参照して、他の実施形態について説明する。
図6は第2実施形態に係る媒体案内装置36(第1搬送状態S1)を示す正面図である。
図7は第2実施形態に係る媒体案内装置36(第2搬送状態S2)を示す正面図である。
図8は第3実施形態に係る媒体案内装置37(第1搬送状態S1)を示す正面図である。
図9は第3実施形態に係る媒体案内装置37(第2搬送状態S2)を示す正面図である。なお、以下の説明(変形例も含む。)では、上記した第1実施形態に係る媒体案内装置35と同一または対応する構成については同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0064】
[第2実施形態]
図6に示すように、第2実施形態に係る媒体案内装置36では、連動部47が、リンク機構に代えて、駆動部61と、検知部62と、付勢部材63と、を有している。
【0065】
(駆動部)
駆動部61は、例えば、駆動軸61Aの回転角度を制御可能なサーボモーターである。駆動部61は、複合機1の制御装置に電気的に接続され、制御装置によって制御される。駆動部61の駆動軸61Aにはアーム部61Bが取り付けられ、アーム部61Bの先端部には第1リブ44が回転可能に支持されている。駆動部61は、アーム部61B(駆動軸61A)を揺動させることで、第1リブ44を湾曲経路6Aに出没させる。
【0066】
(検知部)
検知部62は、例えば、発光部と受光部とが対向して配置された透過型光センサーであって、第2リブ45の近傍に設けられている。検知部62は、複合機1の制御装置に電気的に接続され、検知信号を制御装置に送信する。上記した第2リブ45は、支持部64に回転可能に支持され、支持部64は、第2リブ45を湾曲経路6Aに出没させるように装置本体2にスライド可能に支持されている。第2リブ45が湾曲経路6Aから退避すると、支持部64に形成された遮光片64Aが発光部と受光部との間に入り、発光部から出射された光を遮る(
図7参照)。これにより、検知部62は、湾曲経路6Aから退避した第2リブ45を検知する。
【0067】
(付勢部材)
付勢部材63は、例えば、圧縮コイルスプリングであって、支持部64に巻き付くように設けられている。付勢部材63の一端は支持部64のフランジ部64Bに当接し、付勢部材63の他端は装置本体2に当接している。付勢部材63は、支持部64を介して第2リブ45を湾曲経路6Aに突出するように付勢する。
【0068】
なお、制御装置は、複合機1の構成部品であるが、媒体案内装置36または駆動部61の構成部品であると捉えてもよい。また、複合機1の制御装置とは別に媒体案内装置36(駆動部61)の専用の制御装置を設け、駆動部61および検知部62は専用の制御装置に制御されてもよい(図示せず)。
【0069】
[媒体案内装置の作用]
次に、媒体案内装置36(連動部47)の作用について簡単に説明する。
【0070】
図6に示すように、第1搬送状態S1である場合、駆動部61は第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させ、第2リブ45は付勢部材63に付勢されて湾曲経路6Aに突出している。具体的には、検知部62は、湾曲経路6Aから退避した第2リブ45(遮光片64A)を検知していないことを示す検知信号を制御装置に送信し、制御装置は、検知部62からの検知信号(検知結果)を受け、駆動部61を回動制御して第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させる(または退避した状態を保持する。)。
【0071】
図7に示すように、第2搬送状態S2である場合、第2リブ45は搬送される用紙Pに押圧されて付勢部材63の付勢力に抗して湾曲経路6Aから退避し、検知部62が退避した第2リブ45(遮光片64A)を検知したことに基づいて、駆動部61は第1リブ44を湾曲経路6Aに突出させる。具体的には、検知部62は、湾曲経路6Aから退避した第2リブ45を検知したことを示す検知信号を制御装置に送信し、制御装置は、検知部62からの検知信号(検知結果)を受け、駆動部61を回動制御して第1リブ44を湾曲経路6Aに突出させる(または突出した状態を保持する。)。
【0072】
用紙Pの搬送が進み、用紙Pによる第2リブ45の押し込みが解除されると、第2リブ45は、付勢部材63に付勢されて湾曲経路6Aに突出する(
図6参照)。検知部62は第2リブ45を検知しなくなるため、制御装置は、駆動部61を回動制御して第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させる(
図6参照)。
【0073】
以上説明した第2実施形態に係る媒体案内装置36では、第1搬送状態S1では、駆動部61が第1リブ44を退避させ、第2リブ45が付勢部材63に付勢されて突出し、第2搬送状態S2では、駆動部61が第1リブ44を突出させ、第2リブ45が用紙Pに押されて退避する構成とした。この構成によれば、湾曲経路6Aにおいて用紙Pの円滑な搬送を担保しながら用紙Pの後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制することができる等、第1実施形態に係る媒体案内装置35と同様の効果を得ることができる。また、第2実施形態に係る媒体案内装置36によれば、第2リブ45の出没動作とは別に、第1リブ44が駆動部61の駆動力を受けて出没する構成であるため、例えば、第1リブ44を突出させるタイミングを早く(または遅く)したり、用紙Pの厚さ(コシ)や種類に応じて第1リブ44の突出量(突出させないことも含む)を調整したりすることもできる。
【0074】
なお、第2実施形態に係る媒体案内装置36(連動部47)では、駆動部61が、サーボモーターであったが、これに限らず、例えば、プランジャーを往復移動可能なソレノイドであってもよい(図示せず)。また、検知部62は、透過型光センサーに限らず、例えば、遮光片64Aで反射した光を検知する反射型光センサーであってもよいし、支持部64によって押されるマイクロスイッチ等であってもよい(図示せず)。また、付勢部材63は、コイルバネに限らず、例えば、板バネやゴム等の弾性体であってもよい(図示せず)。
【0075】
[第3実施形態]
図8に示すように、第3実施形態に係る媒体案内装置37では、連動部48が、第1駆動部71と、第2駆動部72と、検知部73と、を有している。
【0076】
(第1駆動部、第2駆動部)
第1駆動部71(第1駆動軸71A、第1アーム部71B)および第2駆動部72(第2駆動軸72A、第2アーム部72B)は、それぞれ、第2実施形態に係る媒体案内装置36の駆動部61(駆動軸61A、アーム部61B)と同様の構造である、第1駆動部71は第1リブ44を湾曲経路6Aに出没させ、第2駆動部72は第2リブ45を湾曲経路6Aに出没させる。
【0077】
(検知部)
検知部73は、例えば、発光部と受光部とが並設された反射型光センサーであって、下流側ローラー対43の下流側近傍に設けられている。検知部73は、複合機1の制御装置に電気的に接続され、検知信号を制御装置に送信する。用紙Pの先端部が下流側ローラー対43を通過すると、発光部から出射された光が用紙Pに反射して受光部に入射する。これにより、検知部73は、下流側ローラー対43が用紙Pを搬送していることを検知する。
【0078】
[媒体案内装置の作用]
次に、媒体案内装置37(連動部48)の作用について簡単に説明する。
【0079】
図8に示すように、第1搬送状態S1である場合、第1駆動部71は第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させ、第2駆動部72は第2リブ45を湾曲経路6Aに突出させる。具体的には、検知部73は、用紙Pを検知していないことを示す検知信号を制御装置に送信し、制御装置は、検知部73からの検知信号(検知結果)を受け、第1駆動部71を回動制御して第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させ、第2駆動部72を回動制御して第2リブ45を湾曲経路6Aに突出させる(または退避・突出した状態を保持する。)
【0080】
図9に示すように、第2搬送状態S2である場合、検知部73が下流側ローラー対43による用紙Pの搬送を検知したことに基づいて、第1駆動部71は第1リブ44を湾曲経路6Aに突出させ、第2駆動部72は第2リブ45を湾曲経路6Aから退避させる。具体的には、検知部73は、用紙Pを検知したことを示す検知信号を制御装置に送信し、制御装置は、検知部73からの検知信号(検知結果)を受け、第1駆動部71を回動制御して第1リブ44を湾曲経路6Aに突出させ、第2駆動部72を回動制御して第2リブ45を湾曲経路6Aから退避させる(または退避・突出した状態を保持する。)
【0081】
用紙Pの搬送が進み、検知部73が用紙Pを検知しなくなると、制御装置は、第1駆動部71を回動制御して第1リブ44を湾曲経路6Aから退避させ、第2駆動部72を回動制御して第2リブ45を湾曲経路6Aに突出させる(
図8参照)。
【0082】
以上説明した第3実施形態に係る媒体案内装置37によれば、湾曲経路6Aにおいて用紙Pの円滑な搬送を担保しながら用紙Pの後端の跳ね上がりに伴う衝突音の発生を抑制することができる等、第1~第2実施形態に係る媒体案内装置35~36と同様の効果を得ることができる。
【0083】
なお、第3実施形態に係る媒体案内装置37(連動部48)では、第1駆動部71および第2駆動部72が、サーボモーターであったが、これに限らず、例えば、プランジャーを往復移動可能なソレノイドであってもよい(図示せず)。また、検知部73は、反射型光センサーに限らず、例えば、透過型光センサーであってもよいし、下流側ローラー対43が用紙Pを挟んだ際に変化する静電容量を検知する静電容量センサーであってもよいし、用紙Pを撮影するカメラ等であってもよい(図示せず)。また、第3実施形態に係る媒体案内装置37の検知部73を、第2実施形態に係る媒体案内装置36の検知部62として採用してもよい(図示せず)。
【0084】
なお、第1~第3実施形態に係る媒体案内装置35~37は、第2の搬送路6の下流側の湾曲経路6Aに設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、媒体案内装置35~37は、第1の搬送路5の上流側(給紙カセット3の近傍)で略U字状に湾曲する部分(
図1参照)に設けられてもよい。この場合、給紙ローラー対40が上流側ローラー対となり、搬送ローラー対41が下流側ローラー対となる。このように、用紙P等の媒体を湾曲させながら搬送させる経路であれば、如何なる経路であっても、媒体案内装置35~37を適用することができる。
【0085】
[第1変形例]
第1~第3実施形態に係る媒体案内装置35~37は、画像形成装置1Aに設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、
図10に示すように、媒体案内装置35~37は、画像読取装置1Bの略U字状に湾曲した原稿搬送路30に設けられてもよい(第1変形例)。この場合、湾曲部分の上流側に配置された原稿搬送ローラー対32が上流側ローラー対となり、湾曲部分の下流側に配置された原稿搬送ローラー対32が下流側ローラー対となる。
【0086】
[第2変形例]
図11に示すように、複合機1には、複数の用紙Pを揃えたり、揃えた複数の用紙Pにステープルを打って束ねたりする後処理装置7が取り付けられることがある。後処理装置7の内部には、画像形成装置1Aの第1の搬送路5から連続する後処理搬送路8が設けられている。第1~第3実施形態に係る媒体案内装置35~37は、後処理装置7の略U字状に湾曲した後処理搬送路8に設けられてもよい(第2変形例)。この場合、湾曲部分の上流側に配置された後処理ローラー対74が上流側ローラー対となり、湾曲部分の下流側に配置された後処理ローラー対74が下流側ローラー対となる。
【0087】
なお、第1~第3実施形態(各変形例を含む。以下同じ。)に係る媒体案内装置35~37では、第1リブ44および第2リブ45が、略円柱状に形成され、軸心周りに回転可能とされていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1リブ44と第2リブ45の少なくとも一方は、半円形状や台形状に形成されてもよいし、回転不能に設けられてもよい(図示せず)。また、1つの第1リブ44と1つの第2リブ45とが設けられていたが、これに限らず、例えば、複数の第1リブ44(複数の第2リブ45)が、前後方向に延びる軸に間隔をあけて取り付けられてもよい(図示せず)。
【0088】
また、上記した画像形成装置1Aは、モノクロプリンターであったが、これに限らず、カラープリンター、コピー機、ファクシミリ等であってもよい。また、画像形成装置1Aの画像形成方式が、電子写真式であったが、これに限らず、インクジェット式であってもよい。
【0089】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る媒体案内装置、画像形成装置、画像読取装置および後処理装置における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施態様に限定されるものではない。本発明は技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよく、特許請求の範囲は技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様を含んでいる。
【符号の説明】
【0090】
1 複合機
1A 画像形成装置
1B 画像読取装置
5 第1の搬送路(搬送路)
6 第2の搬送路(搬送路)
6A 湾曲経路
6T 頂点部
7 後処理装置
8 後処理搬送路(搬送路)
30 原稿搬送路(搬送路)
32 原稿搬送ローラー対
35,36,37 媒体案内装置
42 上流側ローラー対
43 下流側ローラー対
44 第1リブ
45 第2リブ
46,47,48 連動部
51 第1リンク部
51A 第1軸
52 第2リンク部
52A 第2軸
53,63 付勢部材
61 駆動部
62,73 検知部
71 第1駆動部
72 第2駆動部
74 後処理ローラー対
S1 第1搬送状態
S2 第2搬送状態