(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146549
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
H04L 51/21 20220101AFI20231004BHJP
G06F 3/04842 20220101ALI20231004BHJP
G06F 40/205 20200101ALI20231004BHJP
G06F 40/279 20200101ALI20231004BHJP
G06Q 10/10 20230101ALI20231004BHJP
【FI】
H04L51/21
G06F3/04842
G06F40/205
G06F40/279
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053778
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】堀金 隆一
【テーマコード(参考)】
5B091
5E555
5L049
【Fターム(参考)】
5B091CA01
5E555AA09
5E555BA02
5E555BB02
5E555BC17
5E555CA02
5E555CB03
5E555CB34
5E555CC03
5E555DB03
5E555DB51
5E555DC07
5E555DC14
5E555DD07
5E555EA24
5E555FA00
5L049AA20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電子文書の付属するメッセージに応じた操作が読み手に求められる場合に比して、作業上の負担を軽減するプログラム、情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】文書管理システムにおいて、方法は、解析に、形態素解析に代表される自然言語処理を使用し、ユーザ端末を操作するユーザAが電子文書のユーザBへの送信を指示し、ユーザBがユーザ端末の操作を通じてデータベースから電子文書を取得する。取得した電子文書に申し送りメッセージが付加されている場合、文書表示部114が画面上に申し送りメッセージを表すアイコンを表示し、申し送り操作部115が申し送りメッセージのアイコンをクリックする操作を検知し、解析/実行部116に対してそれに対応する処理を依頼する。解析/実行部は、申し送りメッセージの文字列を解析し、解析の結果の実行を決定し、文書表示部114の表示を制御して解析の結果を表示に反映させる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
電子文書に付属するメッセージの文字列を解析する機能と、
解析の結果に基づいて、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【請求項2】
前記実行する機能は、予め定めた操作の検出を条件に、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記予め定めた操作は、前記メッセージを指定する又は開く操作である、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記予め定めた操作は、前記メッセージに含まれる前記文字列の指定である、
請求項2に記載のプログラム。
【請求項5】
前記実行する機能は、前記文字列の内容に、前記電子文書の閲覧に関する内容が含まれる場合、前記処理を実行する、
請求項1~4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記実行する機能は、前記文字列の内容にページ番号が含まれる場合、前記電子文書の当該ページを表示する処理を実行する、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記文字列のうち、前記電子文書の閲覧に関する内容を示す文字列の表示態様を、他の文字列の表示態様と異なるように表示する機能
をさらに有する、請求項5又は6に記載のプログラム。
【請求項8】
前記実行する機能は、前記文字列の内容に、前記電子文書の閲覧に関する内容が含まれない場合、前記処理を実行しない、
請求項1又は5に記載のプログラム。
【請求項9】
前記メッセージは、前記電子文書に対して1対1に紐付けられている、
請求項1~8のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記実行する機能は、ユーザにより指定された特定の文字列の解析の結果に基づいて、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する、
請求項1~9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記メッセージと前記電子文書との紐付けは、データベースにより管理される、
請求項1~10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項12】
前記メッセージは、前記データベースにおいて、前記電子文書とは別領域で管理される、
請求項11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記メッセージは、ファイル形式であり、前記電子文書とともに電子メールに添付されている、
請求項1~10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記メッセージは、前記電子文書を添付する電子メールの本文に含まれる、
請求項1~10のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項15】
プロセッサを有し、
前記プロセッサは、
電子文書に付属するメッセージの文字列を解析し、
解析の結果に基づいて、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する、
情報処理装置。
【請求項16】
電子文書を管理するコンピュータにより実行される情報処理方法であって、
前記電子文書を閲覧するユーザからの操作に基づいて、当該電子文書に付属するメッセージの文字列を解析する処理と、
解析の結果に基づいて、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する処理と、
を有する情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子文書に対するコメントの種類を表す属性の付与により、結論の確認を容易にする技術が記載されている。
特許文献2には、受け手に対する指示又は依頼を含むメッセージに対するユーザの認識漏れを防止する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-16288号公報
【特許文献2】特開2007-199768号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子文書に付されるメッセージには、読み手に対する要望が含まれることがある。例えば電子文書内の特定のページや部位の閲覧や関連する他の電子文書の閲覧がメッセージを通じて求められることがある。ただし、要望の実現には、読み手であるユーザ自身の操作が必要である。
【0005】
本発明は、電子文書の付属するメッセージに応じた操作が読み手に求められる場合に比して、作業上の負担を軽減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、コンピュータに、電子文書に付属するメッセージの文字列を解析する機能と、解析の結果に基づいて、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する機能と、を実現させるためのプログラムである。
請求項2に記載の発明は、前記実行する機能は、予め定めた操作の検出を条件に、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する、請求項1に記載のプログラムである。
請求項3に記載の発明は、前記予め定めた操作は、前記メッセージを指定する又は開く操作である、請求項2に記載のプログラムである。
請求項4に記載の発明は、前記予め定めた操作は、前記メッセージに含まれる前記文字列の指定である、請求項2に記載のプログラムである。
請求項5に記載の発明は、前記実行する機能は、前記文字列の内容に、前記電子文書の閲覧に関する内容が含まれる場合、前記処理を実行する、請求項1~4のいずれか1項に記載のプログラムである。
請求項6に記載の発明は、前記実行する機能は、前記文字列の内容にページ番号が含まれる場合、前記電子文書の当該ページを表示する処理を実行する、請求項5に記載のプログラムである。
請求項7に記載の発明は、前記文字列のうち、前記電子文書の閲覧に関する内容を示す文字列の表示態様を、他の文字列の表示態様と異なるように表示する機能をさらに有する、請求項5又は6に記載のプログラムである。
請求項8に記載の発明は、前記実行する機能は、前記文字列の内容に、前記電子文書の閲覧に関する内容が含まれない場合、前記処理を実行しない、請求項1又は5に記載のプログラムである。
請求項9に記載の発明は、前記メッセージは、前記電子文書に対して1対1に紐付けられている、請求項1~8のいずれか1項に記載のプログラムである。
請求項10に記載の発明は、前記実行する機能は、ユーザにより指定された特定の文字列の解析の結果に基づいて、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する、請求項1~9のいずれか1項に記載のプログラムである。
請求項11に記載の発明は、前記メッセージと前記電子文書との紐付けは、データベースにより管理される、請求項1~10のいずれか1項に記載のプログラムである。
請求項12に記載の発明は、前記メッセージは、前記データベースにおいて、前記電子文書とは別領域で管理される、請求項11に記載のプログラムである。
請求項13に記載の発明は、前記メッセージは、ファイル形式であり、前記電子文書とともに電子メールに添付されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のプログラムである。
請求項14に記載の発明は、前記メッセージは、前記電子文書を添付する電子メールの本文に含まれる、請求項1~10のいずれか1項に記載のプログラムである。
請求項15に記載の発明は、プロセッサを有し、前記プロセッサは、電子文書に付属するメッセージの文字列を解析し、解析の結果に基づいて、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する、情報処理装置である。
請求項16に記載の発明は、電子文書を管理するコンピュータにより実行される情報処理方法であって、前記電子文書を閲覧するユーザからの操作に基づいて、当該電子文書に付属するメッセージの文字列を解析する処理と、解析の結果に基づいて、前記電子文書の閲覧に関する処理を実行する処理と、を有する情報処理方法である。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によれば、電子文書の付属するメッセージに応じた操作が読み手に求められる場合に比して、作業上の負担を軽減できる。
請求項2記載の発明によれば、メッセージの解析を実行するタイミングをユーザが決定できる。
請求項3記載の発明によれば、簡易な操作で実行を指示できる。
請求項4記載の発明によれば、文字列の確認後に実行を指示できる。
請求項5記載の発明によれば、文字列の内容に応じて処理の実行を制御できる。
請求項6記載の発明によれば、文字列に含まれるページ番号に応じて処理の実行を制御できる。
請求項7記載の発明によれば、ユーザによる確認を容易にできる。
請求項8記載の発明によれば、文字列の内容に応じて処理の実行を制御できる。
請求項9記載の発明によれば、解析の対象を、特定の種類のメッセージに限定できる。
請求項10記載の発明によれば、実行を希望する文字列をユーザが選択できる。
請求項11記載の発明によれば、解析の対象を、データベースにより管理されるメッセージに限定できる。
請求項12記載の発明によれば、管理上の自由度を高めることができる。
請求項13記載の発明によれば、電子メールによるメッセージの受け渡しを可能にできる。
請求項14記載の発明によれば、電子メールによるメッセージの受け渡しを可能にできる。
請求項15記載の発明によれば、電子文書の付属するメッセージに応じた操作が読み手に求められる場合に比して、作業上の負担を軽減できる。
請求項16記載の発明によれば、電子文書の付属するメッセージに応じた操作が読み手に求められる場合に比して、作業上の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る文書管理システムの構成例を説明する図である。
【
図2】データベースによるデータの管理例を説明する図である。(A)は電子文書の管理例を示し、(B)は電子文書に付属する情報の管理例を示す。
【
図3】文書管理装置及びユーザ端末のハードウェア上の構成例を示す図である。(A)は文書管理装置の構成例を示し、(B)はユーザ端末の構成例を示す。
【
図4】電子文書の閲覧に関係する文書管理装置の機能上の構成例を説明する図である。
【
図5】文書管理システムで実行される処理シーケンスの一例を説明する図である。
【
図6】ユーザ端末の表示装置に表示される操作画面の一例を説明する図である。
【
図7】申し送りメッセージの追加の様子を説明する図である。(A)は申し送りメッセージが付加される前のサムネイルの表示例を示し、(B)は申し送りメッセージの入力に用いる画面の一例を示し、(C)は申し送りメッセージが付加された後のサムネイルの表示例を示す。
【
図8】申し送りメッセージの操作例を説明する図である。(A)は閲覧の対象であるサムネイルの表示例を示し、(B)は申し送りメッセージのアイコンが指定された様子を示し、(C)は申し送りメッセージに記載された内容の表示例を示す。
【
図9】ユーザBによる申し送りメッセージの内容のマウスオーバーにより表示される画面例を説明する図である。
【
図10】申し送りメッセージと表示の他の例を説明する図である。
【
図11】申し送りメッセージの他の操作例を説明する図である。(A)は閲覧の対象であるサムネイルの表示例を示し、(B)は申し送りメッセージのアイコンが指定された様子を示し、(C)は申し送りメッセージに記載された内容の表示例を示す。
【
図12】申し送りメッセージの他の操作例を説明する図である。(A)は申し送りメッセージのアイコンが指定された様子を示し、(B)は申し送りメッセージに記載された内容の表示例を示す。
【
図13】申し送りメッセージの内容のうち重要な文字列に下線を付した図である。
【
図14】申し送りメッセージの内容のうち重要な文字列の色を変更した図である。
【
図15】実施の形態2に係る文書管理システムの構成例を説明する図である。
【
図16】申し送りメッセージがファイルとして添付された電子メールを開いた画面を説明する図である。(A)は申し送りメッセージを表すファイルがマウスカーソルKでマウスオーバーされた様子を示し、(B)は申し送りメッセージがプレビュー表示された状態を示す。
【
図17】申し送りメッセージが電子メールの本文に記述された電子メールを開いた画面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
<実施の形態1>
<システム構成>
図1は、実施の形態1に係る文書管理システム1の構成例を説明する図である。
図1に示す文書管理システム1は、ネットワークNに接続された文書管理装置10とユーザ端末20A、20Bで構成されている。
説明の都合上、
図1に示す文書管理システム1は、ユーザAが操作するユーザ端末20AとユーザBが操作するユーザ端末20Bのみを有している。もっとも、文書管理システム1は、3台以上のユーザ端末を有してもよい。
以下では、ユーザ端末20A、20Bを区別しない場合、ユーザ端末20と表記する。
【0010】
本実施の形態における文書管理装置10は、サーバ型の端末(以下「サーバ」という。)であり、電子文書の管理に使用される。
文書管理装置10は、例えばファイルサーバやデータベースサーバでもよい。もっとも、文書管理装置10は、デスクトップ型の端末やノート型の端末でもよく、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末でもよい。すなわち、文書管理装置10は、後述する機能の実行が可能であれば、端末の形態は問わない。
また、文書管理装置10は、1台の端末である必要はなく、複数台の端末の連携として実現してもよい。
文書管理装置10は、クラウドサーバでもイントラサーバでもよい。
【0011】
文書管理装置10による電子文書の管理には、例えば電子文書の記憶、電子文書に付属する情報の記憶、電子文書の閲覧に関する管理がある。電子文書に付属する情報には、電子文書の読み書きに対する権限の有無、電子文書の属性情報、電子文書のアップロード及びダウンロードの履歴、電子文書に対する操作の履歴、電子文書の閲覧の履歴等も含まれる。
本実施の形態における文書管理装置10には、電子文書の記憶に使用するデータベース11と、電子文書に付属する情報の管理に使用するデータベース12が設けられている。
【0012】
もっとも、データベース11とデータベース12の両方又は一方は、文書管理装置10とは独立に設けてもよい。例えばデータベース11とデータベース12は、ネットワークN上に設けてもよい。
あるユーザから別のユーザへの申し送りは、電子文書に付属する情報の一例である。このため、本実施の形態の場合、申し送りは、電子文書とは別領域に管理される。
本実施の形態における文書管理装置10は、情報処理装置の一例である。
【0013】
本実施の形態におけるユーザ端末20は、デスクトップ型の端末やノート型の端末であり、電子文書の閲覧等に使用される。もっとも、ユーザ端末20は、例えばスマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末でもよい。
ネットワークNには、例えば有線LAN(=Local Area Network)や無線LANを使用する。もっとも、ネットワークNとして、インターネットを使用してもよいし、5Gその他の移動体通信システムを使用してもよい。
【0014】
本実施の形態における電子文書は、ファイル形式で記憶される。
電子文書には、例えばアプリケーションプログラム(以下「アプリ」又は「プログラム」という。)で作成された文書、スキャナにより電子化された文書が含まれる。
アプリで作成された文書には、例えばワードプロセッサで作成された文書、表計算アプリで作成された文書、プレゼンテーションアプリで作成された文書、電子メールアプリで作成された文書、データベースアプリで作成された文書がある。
【0015】
電子化された文書には、例えばファクシミリで送信する又は受信した文書、カメラで撮像された文書がある。
電子文書の内容は、例えば文字、画像、プログラム、各種の設定を含む。ここでの画像には、サムネイルや検索結果を表示する画面を含めてもよい。
【0016】
図2は、データベース11及び12によるデータの管理例を説明する図である。(A)は電子文書の管理例を示し、(B)は電子文書に付属する情報の管理例を示す。
図2(A)に示すように、電子文書は、階層構造化された領域で管理される。
図2(A)の場合、電子文書A(すなわちdocumentA)は、「/dir1/dir11/documentA」で特定される領域に格納されている。
電子文書に付属する情報は、電子文書の識別子(すなわちID)に紐づけて管理されている。
図2(B)の場合、電子文書は、識別子121と、電子文書のパス名122と、申し送りの内容123と、属性124で管理されている。
【0017】
ここでの「申し送り」は、ユーザが電子文書に付加するテキストで記述されたメッセージである。以下では、「申し送りメッセージ」ともいう。
本実施の形態の場合、申し送りメッセージは、電子文書と1対1に対応付けてデータベース12に記憶される。申し送りメッセージは、電子文書を閲覧するユーザへの要望、依頼、注意等の記述に用いられる。
【0018】
本実施の形態の場合、申し送りメッセージは、電子文書を共有する他のユーザへの通知を想定する。例えばユーザAとユーザBが電子文書「documentA」を共有する場合に、ユーザAが申し送りメッセージを登録し、登録された電子文書「documentA」を閲覧するユーザBが付属する申し送りメッセージを確認する使い方を想定する。
また、ユーザAは、自身による次回の閲覧を想定して申し送りメッセージを登録してもよい。もっとも、申し送りメッセージは、特定の読み手は想定する必要はない。
【0019】
申し送りメッセージは、電子文書に付属するメッセージの一例である。また、申し送りメッセージに含まれるテキストメッセージは文字列の一例である。
図2(B)の場合、識別子121が「1」の電子文書「documentA」には、申し送りメッセージの内容123として「3ページ目を参照」が記憶されている。また、識別子121が「2」の電子文書「documentB」には、申し送りメッセージの内容123として「
図5を参照」が記憶されている。ここでの内容123が、申し送りメッセージに含まれるテキストメッセージである。
【0020】
<端末の構成>
図3は、文書管理装置10及びユーザ端末20のハードウェア上の構成例を示す図である。(A)は文書管理装置10の構成例を示し、(B)はユーザ端末20の構成例を示す。
図3(A)に示す文書管理装置10は、装置全体の動作を制御するプロセッサ101と、BIOS(=Basic Input Output System)等が記憶されたROM(=Read Only Memory)102と、プロセッサ101のワークエリアとして用いられるRAM(=Random Access Memory)103と、補助記憶装置104と、通信モジュール105を有している。なお、プロセッサ101と他のデバイスとは、バス等の信号線を通じて接続されている。
【0021】
プロセッサ101と、ROM102と、RAM103は、いわゆるコンピュータとして機能する。
プロセッサ101は、プログラムの実行を通じ、各種の機能を実現する。例えばプロセッサ101は、電子文書の管理に関する処理を実行する。
補助記憶装置104は、例えばハードディスク装置や半導体ストレージである。補助記憶装置104には、OS(=Operating System)等のプログラムの他、データベース11、12(
図1参照)の記憶に使用される。
通信モジュール105は、ネットワークNに接続されたユーザ端末20等との通信を可能にするデバイスである。通信モジュール105には、イーサネット(登録商標)、WiFi(登録商標)その他の任意の通信規格に準拠したモジュールが使用される。
【0022】
図3(B)に示すユーザ端末20は、装置全体の動作を制御するプロセッサ201と、BIOS等が記憶されたROM202と、プロセッサ201のワークエリアとして用いられるRAM203と、補助記憶装置204と、表示装置205と、入力受付装置206と、通信モジュール207を有している。なお、プロセッサ201と他のデバイスとは、バス等の信号線を通じて接続されている。
【0023】
プロセッサ201と、ROM202と、RAM203は、いわゆるコンピュータとして機能する。
プロセッサ201は、プログラムの実行を通じ、各種の機能を実現する。例えばプロセッサ201は、電子文書の閲覧に関する処理を実行する。なお、本実施の形態におけるユーザ端末20は、電子文書の閲覧専用ではないので、プロセッサ201は、閲覧以外の処理も実行する。
【0024】
補助記憶装置204は、例えばハードディスク装置や半導体ストレージである。補助記憶装置204には、OS等のプログラムの他、電子文書等が記憶される。
表示装置205は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(=ElectroLuminescent)ディスプレイである。表示装置205には、作業の対象である電子文書が表示される。ここでの電子文書は複数のユーザにより共有される電子文書に限らない。
入力受付装置206は、例えばキーボードやマウスを用いたユーザからの入力を受け付ける装置である。入力受付装置206は、マウスカーソルの位置決めや移動、クリック等の入力を受け付ける。
通信モジュール207は、ネットワークNに接続されたユーザ端末20等との通信を可能にするデバイスである。通信モジュール207には、イーサネット(登録商標)、WiFi(登録商標)その他の任意の通信規格に準拠したモジュールが使用される。
【0025】
<電子文書の閲覧に関係する機能>
図4は、電子文書の閲覧に関係する文書管理装置10の機能上の構成例を説明する図である。
図4には、電子文書を共有するユーザAとユーザBに対応するユーザ端末20A、20Bも描いている。
以下では、ユーザAやユーザBの入力と関連付けて各機能部の内容を説明する。なお、各機能部は、プロセッサ101によるプログラムの実行を通じて実現される。
【0026】
文書表示部111、申し送り追加/編集部112、文書受け渡し部113は、電子文書の送り元となるユーザAの操作に関連する機能部である。
文書表示部111は、ユーザ端末20Aの表示装置205(
図3参照)に、閲覧の対象である電子文書を表示させる機能部である。閲覧の対象である電子文書は、ユーザ端末20Aから指定される。
【0027】
申し送り追加/編集部112は、申し送りメッセージの追加や編集を受け付ける機能部である。申し送りメッセージの入力や編集は、ユーザ端末20Aの表示装置205の表示を通じて実行される。
追加を受け付けた場合、申し送り追加/編集部112は、受け付けた申し送りメッセージを、データベース12(
図1参照)の対応する領域に記憶する。
編集を受け付けた場合、申し送り追加/編集部112は、編集後の申し送りメッセージの内容で、データベース12(
図1参照)の記憶を変更する。
【0028】
文書受け渡し部113は、ユーザBへの電子文書の送信を受け付ける機能部である。本実施の形態の場合、送信先に指定されたユーザBには、ユーザAからの電子文書の送信を受け付けた旨だけが通知される。例えば電子文書が記憶されている場所を示すディレクトリパスがユーザBに通知される。通知には、例えば電子メールやショートメッセージを使用する。
送信の対象である電子文書がデータベース11に記憶されていない場合、文書受け渡し部113は、電子文書をユーザ端末20Aから取得してデータベース11(
図1参照)に記憶する。
【0029】
文書表示部114、申し送り操作部115、解析/実行部116は、電子文書の送り先となるユーザBの操作に関連する機能部である。
文書表示部114は、ユーザ端末20Bの表示装置205(
図3参照)に、ユーザAから受け取った電子文書を表示させる機能部である。電子文書に申し送りメッセージが付加されている場合、申し送りメッセージの存在も表示装置205に表示される。
この他、文書表示部114は、申し送りメッセージに対する操作に応じた処理の結果も表示する。操作に応じた処理の結果は、解析/実行部116から与えられる。
【0030】
申し送り操作部115は、申し送りメッセージに対する操作を受け付ける機能部である。
受け付けた操作が、申し送りメッセージに対する予め定めた操作である場合、申し送り操作部115は、申し送りメッセージに対応する処理を解析/実行部116に依頼する。
予め定めた操作には、例えばマウスカーソルを申し送りメッセージの上に重ねるマウスオーバー、申し送りメッセージを指定する操作、申し送りメッセージを開く操作がある。
【0031】
もっとも、予め定めた操作は、申し送りメッセージに記述されたテキストメッセージに対する操作であってもよい。予め定めた操作は、例えば申し送りメッセージに記述されたテキストメッセージが指定されることと規定してもよい。
なお、申し送りメッセージに、テキストメッセージが複数含まれる場合には、いずれかのテキストメッセージが指定されたことを予め定めた操作として規定してもよい。
【0032】
解析/実行部116は、申し送りメッセージに含まれるテキストメッセージを解析する機能と、解析の結果に基づいて、電子文書の閲覧に関する処理を実行する機能を含む機能部である。以下では、テキストメッセージを解析する機能を「解析部」と表記し、電子文書の閲覧に関する処理を実行する機能を「実行部」と表記する。
解析部は、申し送りメッセージに含まれるテキストメッセージを解析し、解析の結果を実行部に与える。解析には、例えば形態素解析に代表される自然言語処理を使用する。
解析部による解析は、申し送りメッセージに含まれるテキストメッセージの全てを対象とする場合、指定された特定のテキストメッセージのみを対象とする場合、テキストメッセージのうち指定された一部分だけを対象とする場合がある。
【0033】
実行部は、指定された申し送りメッセージを解析した結果が、電子文書の閲覧に関する処理を規定していた場合、当該処理を実行する。すなわち、実行部は、ユーザBが閲覧している電子文書の表示を制御する。
換言すると、実行部が電子文書の閲覧に関する処理を実行する場合とは、予め定めた操作を実行部が検出した場合とも言える。
本実施の形態では、申し送り操作部115と解析/実行部116の機能を分離しているが、特定の機能として分離する必要はない。
【0034】
一方、指定された申し送りメッセージを解析した結果が、電子文書の閲覧に関する処理を規定していない場合、実行部は、電子文書の表示を制御しない。実行部が電子文書の表示を制御しないということは、電子文書の表示は、閲覧中のユーザの操作にのみ依存することを意味する。
ちなみに、電子文書の閲覧に関する処理を規定する場合には、例えば共有するユーザの範囲を規定する場合、電子文書を外部に送信する場合の注意を規定する場合がある。
【0035】
<処理シーケンス>
図5は、文書管理システム1で実行される処理シーケンスの一例を説明する図である。図中に示す記号のSはステップを意味する。
まず、ユーザ端末20A(
図1参照)を操作するユーザAが、申し送りメッセージを入力する(ステップ1)。例えば「3ページ目を参照」が入力される。
ここでの入力は、ユーザ端末20Aから申し送り追加/編集部112に与えられる。
入力が確定すると、申し送り追加/編集部112は、指定された電子文書に、申し送りメッセージを紐付ける(ステップ2)。具体的には、データベース12(
図2(B)参照)に申し送りメッセージの内容123が記憶される。
【0036】
申し送りメッセージが電子文書に紐付けられると、文書表示部111は、申し送りメッセージのアイコンを表示に反映する(ステップ3)。本実施の形態では、申し送りメッセージを表すアイコンを、紐付け先の電子文書の近くに表示するが、紐付け先の電子文書を、申し送りメッセージが紐付けられていない他の電子文書とは異なる態様で表示してもよい。例えば電子文書の枠の色や輝度を他の電子文書と異なる態様で表示してもよい。なお、ステップ3を実行せず、電子文書が操作の対象に指定された場合に、アイコン等を表示してもよい。
【0037】
図5の例では、この後、ユーザ端末20Aを操作するユーザAが、電子文書のユーザBへの送信を指示する(ステップ4)。ここでの指示は、例えばデータベース11に与えられる。また、不図示の電子メール等を通じ、データベース11は、ユーザBに電子文書の送信を通知する。
以上が、電子文書の送り元となるユーザAに関連して実行される処理である。
【0038】
次に、ユーザBが、ユーザ端末20Bの操作を通じ、データベース11から電子文書を取得する(ステップ5)。
取得した電子文書に申し送りメッセージが付加されている場合、文書表示部114は、画面上に申し送りメッセージを表すアイコンを表示する。
ユーザBによる申し送りメッセージのクリックは、申し送り操作部115により検出される。具体的には、申し送り操作部115は、申し送りメッセージのアイコンを開く操作と、申し送りメッセージをクリックする操作を検知する(ステップ6)。
【0039】
この操作を検知すると、申し送り操作部115は、解析/実行部116に対し、申し送りメッセージに対応する処理を依頼する(ステップ7)。
依頼を受け付けた解析/実行部116は、申し送りメッセージの文字列を解析し(ステップ8)、解析の結果の実行を決定する(ステップ9)。
この後、解析/実行部116は、文書表示部114の表示を制御し、解析の結果を表示に反映させる(ステップ10)。
【0040】
<操作画面例>
以下では、
図6~
図14を参照して、申し送りメッセージの実行に伴う操作画面例を説明する。
<一覧画面>
図6は、ユーザ端末20の表示装置205(
図3参照)に表示される操作画面300の一例を説明する図である。ここでの操作画面300は、ユーザ端末20Aとユーザ端末20Bの両方に表示される。
【0041】
図6の場合、文書管理装置10(
図1参照)で管理されている電子文書の一部に対応するサムネイルが一覧形式で表示されている。
図6では、電子文書を表すサムネイルにD1~D7の符号を付している。もっとも、電子文書の表示は、サムネイルの形式に限らない。例えば電子文書は表形式で表示してもよい。以下では、対応する電子文書を区別しない場合、サムネイルDと表記する。
【0042】
図6の場合、電子文書の先頭ページ等を縮小した画像がサムネイルDとして表示されている。
また、クリップのアイコンが付されているサムネイルDに対応する電子文書は複数のページで構成されることを表している。クリップのアイコンが付されていないサムネイルDに対応する電子文書は、1ページのみの電子文書である。
【0043】
図6に示す操作画面300の場合、申し送りメッセージが付加されている電子文書は2つである。具体的には、サムネイルD1とD6の2つである。
これらのサムネイルD1、D6にだけ、文書名301に加え、申し送りメッセージを表すアイコン302が示されている。
図6の場合、アイコン302は、吹き出し形状で表示されている。吹き出し形状のアイコン302の有無により、ユーザは、どの電子文書に申し送りメッセージが付加されているか否かを容易に確認することが可能である。アイコン302の形状は一例である。
なお、申し送りメッセージを表すアイコン302は、色付きで表示することが望ましい。色付きのアイコンの表示により、申し送りメッセージが付加されていることに気づきやすくなる。
【0044】
<ユーザAによる申し送りメッセージの追加>
図7は、申し送りメッセージの追加の様子を説明する図である。(A)は申し送りメッセージが付加される前のサムネイルDの表示例を示し、(B)は申し送りメッセージの入力に用いる画面310の一例を示し、(C)は申し送りメッセージが付加された後のサムネイルDの表示例を示す。
すなわち、
図7(A)~(C)に示す表示は、ユーザAが操作するユーザ端末20A(
図1参照)の表示装置205(
図3参照)に表示される。
【0045】
図7(A)では、マウスカーソルKにより、文書名301が「DocumentA」である電子文書のサムネイルDが、操作の対象に選択された状態を表している。
図7(B)に示す画面310は、不図示のボタンや右クリックの操作により申し送りメッセージの追加が指示された場合に表示される。
図7(B)に示す画面310には、申し送りメッセージの入力欄311と、「キャンセル」ボタン312と、入力を確定する「OK」ボタン313が配置されている。
【0046】
画面310には、「3ページ目を参照してください。」との文字列が入力されている。この状態で「OK」ボタン313が操作されると、例えば送信先を入力する画面が表示される。送信先の入力が確定すると、電子文書の送信が実行される。また、画面310に入力された文字列は、電子文書に紐付けてデータベース12(
図2(B)参照)に登録される。
図7(C)に示すサムネイルDには、申し送りメッセージを表すアイコン302が追加されている。
【0047】
<ユーザBによる申し送りメッセージの操作>
図8は、申し送りメッセージの操作例を説明する図である。(A)は閲覧の対象であるサムネイルDの表示例を示し、(B)は申し送りメッセージのアイコン302が指定された様子を示し、(C)は申し送りメッセージに記載された内容の表示例を示す。
すなわち、
図8(A)~(C)に示す表示は、ユーザBが操作するユーザ端末20B(
図1参照)の表示装置205(
図3参照)に表示される。
【0048】
図8(A)の場合、サムネイルDの下には、申し送りメッセージを表すアイコン302が表示されている。このため、ユーザBは、閲覧の対象とする電子文書には、申し送りメッセージが付加されていることを予め知ることが可能である。
図8(B)では、マウスカーソルKが、申し送りメッセージを表すアイコン302の上にマウスオーバーされた状態を表している。
【0049】
本実施の形態では、アイコン302へのマウスカーソルKのマウスオーバーが、申し送りメッセージを開く操作である。このため、アイコン302へのマウスカーソルKのマウスオーバーが検出されることで、
図8(C)に示す表示に切り替わる。
図8(C)では、アイコン302の内容が表示されている。すなわち、申し送りメッセージを開いた状態が示されている。
【0050】
図8(C)の場合、申し送りメッセージの作成者302A、申し送りメッセージが作成された日時302B、申し送りメッセージの内容302Cが示されている。
この例の場合、申し送りメッセージの作成者302Aが「ユーザA」であること、作成の日時302Bが「2021/12/23 16:19」であること、内容302Cが「3ページ目を参照してください。」であることが示されている。
【0051】
図8(C)では、内容302CをマウスカーソルKでマウスオーバーすることにより、内容302Cの解析と対応する処理(以下「解析等」という。)が実行される。
なお、アイコン302をマウスカーソルKでマウスオーバーすることにより、プロセッサ201(
図3参照)が内容302Cの解析等を実行してもよい。その場合には、
図8(C)の表示をスキップすることも可能である。
【0052】
もっとも、
図8(C)に示すように、内容302CへのマウスカーソルKのマウスオーバーを、申し送りメッセージの解析等の条件とする場合には、解析等を実行するタイミングのユーザBによる選択が可能である。
図8(C)では、内容302Cの実行の前提として、ユーザBによる内容302Cに対する明示の操作を要求しているが、電子文書のサムネイルDへのマウスカーソルKのマウスオーバーを、申し送りメッセージの解析等の条件としてもよい。
【0053】
<ユーザBの操作に基づく処理の実行>
図9は、ユーザBによる申し送りメッセージの内容302C(
図8(C)参照)のマウスオーバーにより表示される画面例を説明する図である。
図9の場合、操作画面300で操作の対象に選択された電子文書「DocumentA」に対応するサムネイルDの右側に、電子文書の3ページ目がプロセッサ201(
図3参照)によりプレビュー表示された状態を表している。
ここでのプレビュー表示は、電子文書をプログラムにより開かなくても、内容を表示する機能をいう。換言すると、ユーザBの操作により電子文書を開かなくても、電子文書の内容が表示されることをいう。
【0054】
このため、
図9に示す電子文書の3ページ目の確認には、ユーザBが電子文書「DocumentA」を開き、3ページ目までスクロールする操作が不要になる。よって、ユーザBの作業上の負担が軽減される。
また、電子文書「DocumentA」の送り元であるユーザAが確認を求める事項を、ユーザBは、アイコン302や内容302CにマウスカーソルKをマウスオーバー等するだけで確認することが可能になる。
【0055】
図10は、申し送りメッセージと表示の他の例を説明する図である。
図10には、5つの例が記載されている。
例1は、電子文書の5ページ目の参照が申し送る内容である。この場合、参照するページの番号だけが前述の例と異なる。この例の場合、5ページ目がプレビュー表示される。
例2は、電子文書の3ページ目の右下の拡大表示が申し送る内容である。この場合、電子文書の3ページ目の右下が拡大された状態でプレビュー表示される。
【0056】
例3は、前バージョンの表示が申し送る内容である。この場合、前バージョンの電子文書がプレビュー表示される。
例4は、3ページ目と5ページ目の比較が申し送る内容である。この場合、電子文書の3ページ目と5ページ目が並んでプレビュー表示される。この例の場合、ユーザBは、2つのページを別々に開いて並べて表示する作業が不要になる。
例5は、4章の表示が申し送る内容である。この場合、電子文書の4章が検索されてプレビュー表示される。
【0057】
図11は、申し送りメッセージの他の操作例を説明する図である。(A)は閲覧の対象であるサムネイルDの表示例を示し、(B)は申し送りメッセージのアイコン302が指定された様子を示し、(C)は申し送りメッセージに記載された内容の表示例を示す。
図11には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図11(A)と(B)は、
図8(A)と(B)と同じである。
図11(C)の場合、申し送りメッセージに2つの内容302Cが含まれている。
図11(C)の場合、「3ページ目を参照してください。」と「6ページ目の図を参照してください。」の2つである。
【0058】
図11(C)のように2つの内容302Cが、異なる行に記述されている場合、マウスカーソルKがマウスオーバー等した行の内容302Cだけが実行される。
図11(C)の例では、上段の「3ページ目を参照してください。」に対応する処理だけが実行される。つまり、画面上に電子文書の3ページ目がプレビュー表示される。
図11(C)では、次に下段の「6ページ目の図を参照してください。」にマウスカーソルKがマウスオーバー等されると、画面上に6ページ目がプレビュー表示される。
【0059】
もっとも、マウスカーソルKがいずれかの行の内容302Cをマウスオーバー等すると、2つの内容302Cに対応する処理が順番に実行されてもよい。この際、実行の順番は、マウスオーバー等が検知された行とは関係なく、上段から下段側に実行されてもよい。この場合、上段側の内容302Cに対応する処理が実行され、次に下段側の内容302Cに対応する処理が実行される。
【0060】
一方、マウスオーバー等が検知された行の内容302Cに対応する処理を先に実行し、残る行の内容302Cに対応する処理を予め定めた時間後に実行してもよい。
例えば1つ目の内容302Cに関連するプレビュー表示から1分が経過すると、残る行の内容302Cがマウスオーバー等されなくても、残る行の内容302Cに対応する処理を実行してもよい。
または、1つ目の内容302Cに関連するプレビュー表示から予め定めた時間が経過すると、処理が実行されていない他の内容302Cが存在することをユーザBに通知するポップアップ表示等を実行してもよい。
【0061】
図12は、申し送りメッセージの他の操作例を説明する図である。(A)は申し送りメッセージのアイコン302が指定された様子を示し、(B)は申し送りメッセージに記載された内容の表示例を示す。
図12には、
図8との対応部分に対応する符号を付して示している。
図12(A)の例は、申し送りメッセージの内容302Cは1行に記述されているが、2つの事項が含まれる場合を表している。
【0062】
換言すると、1つの内容302Cに、複数の内容が含まれる場合である。
図12(A)の例は「3ページ目と5ページ目を参照してください。」であり、参照先のページが2つ含まれている。
複数のページを並列的に表示することも可能であるが、
図12(B)では、実行する内容を指定する例を表している。
図12(B)では、マウスドラッグにより「3ページ目」が選択されている。この場合、3ページ目だけがプレビュー表示される。範囲の指定により、実行される処理の内容の指定が可能になる。
【0063】
<申し送りメッセージの内容302Cの他の表示例>
前述の例では、内容302Cを構成する文字列の全てが同じ表示態様で表現されているが、閲覧に関連する内容を示す文字列を他の文字列と異なるように表示してもよい。
図13は、申し送りメッセージの内容302Cのうち重要な文字列に下線を付した図である。
図13に示す内容302Cは「修正した箇所は
P.3の文章と、
P.6の図です。」であり、「P.3」と「P.6」の2箇所に下線が付されている。
【0064】
図14は、申し送りメッセージの内容302Cのうち閲覧に関連する内容を示す文字列の色を変更した図である。
図14に示す内容302Cは「5ページ目を参照してください。」である。このうち「5ページ目を参照」の部分が赤色で表示され、「してください。」は黒色で表示されている。
なお、
図13及び
図14に示す表示態様は一例であり、閲覧に関連する内容を示す文字列の文字フォントだけを太文字で表現してもよいし、フォントのサイズを大きくしてもよいし、文字列の背景色を変更してもよい。これらは、他の文字列とは表示態様が異なる表示の一例である。
【0065】
<実施の形態2>
本実施の形態では、申し送りメッセージが電子メールに添付される場合について説明する。
図15は、実施の形態2に係る文書管理システム1Aの構成例を説明する図である。
図15には、
図1との対応部分に対応する符号を付して示している。
図15に示す文書管理システム1Aは、文書管理装置10(
図1参照)に代えてメールサーバ30を配置している。本実施の形態の場合、メールサーバ30は、ユーザ端末20Aを操作するユーザAから、ユーザ端末20Bを操作するユーザBへの電子メールの送信を実行する。
【0066】
図16は、申し送りメッセージがファイルとして添付された電子メールを開いた画面を説明する図である。(A)は申し送りメッセージを表すファイルがマウスカーソルKでマウスオーバーされた様子を示し、(B)は申し送りメッセージがプレビュー表示された状態を示す。
本実施の形態の場合、ユーザ端末20Bには、前述した文書管理装置10(
図1参照)の機能、すなわち文書表示部114、申し送り操作部115、解析/実行部116(
図4参照)を実現するためのプログラムがインストールされている。本実施の形態におけるユーザ端末20Bは、情報処理装置の一例である。
【0067】
図16(A)には、電子メールを開いた画面320の表示例が示されている。宛先321はユーザBであり、本文322には「Bさんへ」、「Aです。電子文書を添付しますので、確認してください。」との文字列が記述されている。
なお、添付ファイルは、電子文書と申し送りメッセージの2つである。本実施の形態における申し送りメッセージはファイル形式である。また、申し送りメッセージは、電子文書に対して1対1に紐付けられた関係にある。
図16(A)では、マウスカーソルKが申し送りメッセージをマウスオーバーしている。もっとも、マウスカーソルKのダブルクリックにより添付ファイルを開いてもよい。
【0068】
図16(B)では、申し送りメッセージの添付ファイルがマウスオーバーされることで、申し送りメッセージのプレビュー画面330が表示された様子が表されている。表示の内容は、
図8(C)と同じである。すなわち、プレビュー画面330には、申し送りメッセージの作成者302Aと、申し送りメッセージが作成された日時302Bと、申し送りメッセージの内容302Cが示されている。もっとも、この例では、作成者302Aは、電子メールの送信者と同一であり、日時302Bは送信の日時と同じである。
【0069】
<実施の形態3>
本実施の形態では、申し送りメッセージが電子メールの本文に記述される場合について説明する。
本実施の形態も、
図15に示す文書管理システム1Aを想定する。
図17は、申し送りメッセージが電子メールの本文に記述された電子メールを開いた画面340を説明する図である。
図17に示す画面340の宛先321はユーザBである。本文322には「Bさんへ」、「Aです。電子文書を添付します。3ページ目を参照してください。」との文字列が記述されている。
図17では、申し送りメッセージの文字列がマウスカーソルKでマウスオーバーされることで、添付された電子文書の3ページ目のプレビュー表示が実行される。本文中の申し送りメッセージと、添付された電子文書は1対1に紐付けられている。
【0070】
<他の実施の形態>
(1)以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の技術的範囲は前述した実施の形態に記載の範囲に限定されない。前述した実施の形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0071】
(2)前述の実施の形態では、自然言語処理により申し送りメッセージを構成するテキストメッセージの内容を解析しているが、申し送りメッセージに含まれる特定の文字列を認識して予め定めた処理を実行してもよい。
特定の文字列には、例えばページ番号がある。ページ番号は、単なる数字ではなく、「P3」、「P.3」、「Page3」、「3ページ」、「3頁」等のように、電子文書の3ページ目を指定していることを示す文字列を想定する。特定の文字列は、事前に登録されている。これらの文字列が申し送りメッセージに含まれていた場合、電子文書の3ページ目をプレビュー表示又は開いて表示する処理を実行してもよい。ここでの特定の文字列を発見する処理も「解析」の一例である。
【0072】
(3)前述の実施の形態2及び3の場合には、文書管理装置10(
図1参照)に代えてメールサーバ30(
図15参照)を配置しているが、実施の形態1の場合と同様、文書管理装置10を配置し、例えば申し送りメッセージの解析及び実行に関する機能を文書管理装置10で実行してもよい。
【0073】
(4)前述した各実施の形態におけるプロセッサは、広義的な意味でのプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU等)の他、専用的なプロセッサ(例えばGPU(=Graphical Processing Unit)、ASIC(=Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(=Field Programmable Gate Array)、プログラム論理デバイス等)を含む。
また、前述した各実施の形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサが単独で実行してもよいが、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して実行してもよい。また、プロセッサにおける各動作の実行の順番は、前述した各実施の形態に記載した順番のみに限定されるものでなく、個別に変更してもよい。
【符号の説明】
【0074】
1、1A…文書管理システム、10…文書管理装置、11、12…データベース、20、20A、20B…ユーザ端末、101、201…プロセッサ、102、202…ROM、103、203…RAM、104、204…補助記憶装置、105、207…通信モジュール、111、114…文書表示部、112…申し送り追加/編集部、113…文書受け渡し部、115…申し送り操作部、116…解析/実行部、205…表示装置、206…入力受付装置