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特開2023-146604計画作成装置、計画作成プログラムおよび計画作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146604
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】計画作成装置、計画作成プログラムおよび計画作成方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 19/418 20060101AFI20231004BHJP
   B21B 1/08 20060101ALI20231004BHJP
   B21B 37/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
B21B1/08 Z
B21B37/00 272
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053863
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】前久 景星
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 栄利
(72)【発明者】
【氏名】本馬 剛徳
【テーマコード(参考)】
3C100
4E002
4E124
【Fターム(参考)】
3C100AA12
3C100AA16
3C100AA18
3C100BB15
3C100BB39
3C100EE10
4E002AC11
4E002BB09
4E002BD06
4E002CB08
4E002CB09
4E124AA09
4E124AA17
4E124DD11
4E124EE21
(57)【要約】
【課題】複数の鋼片から1種類以上の形鋼を切り出す際の製造計画の精度を高める。
【解決手段】計画作成装置(100)は、鋼材の注文情報を取得する情報取得部(31)と、鋼片および鋼材を製造する際の制約を示す制約条件を設定する条件設定部(33)と、注文情報および制約条件に基づいて、各鋼片から切り出す鋼材の種類および数量を規定した取合せパターン、および取合せパターン毎の数量を含む製造計画を作成する計画作成部(34)と、作成された製造計画を出力する出力部(2)と、を備え、制約条件には、圧延に用いるローラの状態と、ローラを用いて製造される鋼片の形状との関係を規定した鋼片形状条件が含まれる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鋼片から1種類以上の鋼材を切り出す際の製造計画を作成する計画作成装置であって、
前記鋼材の注文情報を取得する情報取得部と、
前記鋼片および前記鋼材を製造する際の制約を示す制約条件を設定する条件設定部と、
取得した前記注文情報および設定された前記制約条件に基づいて、各鋼片から切り出す前記鋼材の種類および数量を規定した取合せパターン、および前記取合せパターン毎の数量を含む前記製造計画を作成する計画作成部と、
作成された前記製造計画を出力する出力部と、
を備え、
前記条件設定部が設定する前記制約条件には、圧延に用いるローラの状態と、前記状態を有する前記ローラを用いて製造される前記鋼片の形状との関係を規定した鋼片形状条件が含まれる、
計画作成装置。
【請求項2】
前記鋼片形状条件は、前記ローラによる初期状態からの前記鋼片の圧延累積指標と前記鋼片の形状指標との関係である、請求項1に記載の計画作成装置。
【請求項3】
前記圧延累積指標は、前記ローラを用いて製造される前記鋼片の累積本数であり、
前記形状指標は、前記鋼片の長さである、請求項2に記載の計画作成装置。
【請求項4】
前記圧延累積指標と前記形状指標との関係を、過去の製造実績に基づいて算出する算出部をさらに備える、請求項2または3に記載の計画作成装置。
【請求項5】
前記算出部は、前記累積本数が第一本数以下では前記長さが第一長さ、前記累積本数が第一本数超では前記第一長さより短い第二長さとなるよう、前記長さを離散的に算出する、
請求項4に記載の計画作成装置。
【請求項6】
前記条件設定部が設定する前記制約条件には、前記鋼片から複数種類の鋼材を切り出す場合に、前記鋼片から切り出した前記鋼材を種類毎に載置する置場の数に関する置場条件が含まれる、請求項1~5のいずれか一項に記載の計画作成装置。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか一項に記載の計画作成装置としてコンピュータを機能させるための計画作成プログラムであって、
前記情報取得部、前記条件設定部、前記計画作成部および前記出力部としてコンピュータを機能させるための計画作成プログラム。
【請求項8】
複数の鋼片から1種類以上の鋼材を切り出す際の製造計画を作成する計画作成方法であって、
前記鋼材の注文情報を取得するステップと、
前記鋼片および前記鋼材を製造する際の制約を示す制約条件を設定するステップと、
取得した前記注文情報および設定された前記制約条件に基づいて、各鋼片から切り出す前記鋼材の種類および数量を規定した取合せパターン、および前記取合せパターン毎の数量を含む前記製造計画を作成するステップと、
作成された前記製造計画を出力するステップと、
を有し、
前記制約条件を設定するステップにおいて設定する前記制約条件には、圧延に用いるローラの状態と、前記状態を有する前記ローラを用いて製造される前記鋼片の形状との関係を規定した鋼片形状条件が含まれる、
計画作成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、計画作成装置、計画作成プログラムおよび計画作成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
形鋼等の鋼材の製造工程は、一般に、圧延工程と、切断工程と、を有する。圧延工程は、ローラを用いて加熱したスラブを長手方向に伸ばし、半製品(以下、鋼片)を成形する工程である。切断工程は、圧延工程で成形された鋼片から短い板状の最終製品(以下、形鋼)を複数切り出す工程である。鋼材の製造は、顧客毎に注文内容の異なる受注生産方式で行われる。一方、製造コストを下げるためには、一度に製造する形鋼の数を多くする必要がある。このため、各鋼片から、どの種類の形鋼をどのくらいの数だけ切り出すかを定めた計画(以下、製造計画)を適切に立てておくことが重要となる。
【0003】
この製造計画は、製造する形鋼の種類がある程度多く(例えば10種類程度に)なると、計画担当者(人)の手で行うのが困難となる。そこで、従来、計画担当者に代わって機械が製造計画を作成するための各種技術が提案されている。例えば特許文献1には、鋼板製品の注文情報に基づき作成した第一板取計画を素材鋼板に適用したときに、素材鋼板の有効長さが不足する場合であり、且つ第一板取計画における最も軽い鋼板製品の長さが不足する有効長さ以上の場合に、最も軽い鋼板製品を除外して、第二板取計画を作成する板取再作成工程を有する板取方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-101590号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来の方法は、切断工程での屑量の最小化のみを目的としたものである。このため、上記特許文献1に記載された従来の技術を用いて製造計画を立てても、切断工程において、鋼片から計画通りの数の形鋼を切り出せないことが依然として起こり得る。このことの主な原因には、例えば鋼片を圧延するローラが圧延を繰り返す度に摩耗することで鋼片に加わる圧力が低下していき、複数の鋼片のうち終盤に成形される鋼片が計画通りの長さに伸びないこと等がある。一部の形鋼を計画通りに切り出すことができないと、もう1本余計に鋼片を製造する必要が生じるため、製造コストが増加してしまう。
本発明の一態様は、複数の鋼片から1種類以上の形鋼を切り出す際の製造計画の精度を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る計画作成装置は、複数の鋼片から1種類以上の鋼材を切り出す際の製造計画を作成する計画作成装置であって、前記鋼材の注文情報を取得する情報取得部と、前記鋼片および前記鋼材を製造する際の制約を示す制約条件を設定する条件設定部と、取得した前記注文情報および設定された前記制約条件に基づいて、各鋼片から切り出す前記鋼材の種類および数量を規定した取合せパターン、および前記取合せパターン毎の数量を含む前記製造計画を作成する計画作成部と、作成された前記製造計画を出力する出力部と、を備え、前記条件設定部が設定する前記制約条件には、圧延に用いるローラの状態と、前記状態を有する前記ローラを用いて製造される前記鋼片の形状との関係を規定した鋼片形状条件が含まれる。
【0007】
本発明の各態様に係る計画作成装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを前記計画作成装置が備える各部(ソフトウェア要素)として動作させることにより前記計画作成装置をコンピュータにて実現させる計画作成装置の計画作成プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0008】
また、本発明の他の態様に係る計画作成方法は、複数の鋼片から1種類以上の鋼材を切り出す際の製造計画を作成する計画作成方法であって、前記鋼材の注文情報を取得するステップと、前記鋼片および前記鋼材を製造する際の制約を示す制約条件を設定するステップと、取得した前記注文情報および設定された前記制約条件に基づいて、各鋼片から切り出す前記鋼材の種類および数量を規定した取合せパターン、および前記取合せパターン毎の数量を含む前記製造計画を作成するステップと、作成された前記製造計画を出力するステップと、を有し、前記制約条件を設定するステップにおいて設定する前記制約条件には、圧延に用いるローラの状態と、前記状態を有する前記ローラを用いて製造される前記鋼片の形状との関係を規定した鋼片形状条件が含まれる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、複数の鋼片から1種類以上の形鋼を切り出す際の製造計画の精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】形鋼の製造工程の一部を示す図である。
図2】本発明一態様の実施形態に係る計画作成装置が作成する製造計画の概要を示す図である。
図3】同実施形態に係る計画作成装置の機能的構成を示すブロック図である。
図4】同実施形態に係る計画作成装置が取得する過去の製造実績を示すグラフ、および同計画作成装置が算出する累積本数と鋼片の長さとの関係を示すグラフである。
図5】同実施形態に係る計画作成装置の一部動作を示す図である。
図6】従来の計画作成装置が作成した製造計画を示す図、制約条件を考慮して人が作成した製造計画を示す図、および同実施形態に係る計画作成装置が作成した製造計画の一例を示す図である。
図7】本発明他の態様の実施形態に係る計画作成方法の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0012】
[計画作成装置]
まず、本発明の一の態様である計画作成装置100の一実施形態について、詳細に説明する。図1は形鋼の製造工程の一部を示す図である。図2は計画作成装置100が作成する製造計画の概要を示す図である。図3は計画作成装置100の機能的構成を示すブロック図である。図4は計画作成装置100が取得する過去の製造実績を示すグラフ、および同計画作成装置100が算出する累積本数と鋼片の長さとの関係を示すグラフである。図5は計画作成装置100の一部動作を示す図である。なお、ここでは、形鋼を製造する場合を例に説明するが、本発明は、形鋼以外の鋼材を製造する場合に適用してもよい。
【0013】
計画作成装置100は、複数の鋼片から1種類以上の形鋼を切り出す際の製造計画を作成するためのものである。本実施形態に係る計画作成装置100は、複数の鋼片から長さの異なる複数種類の形鋼Sa,Sb,Sc・・を切り出す際の製造計画を作成するためのものである。鋼片は、スラブ等の鋳片といった圧延対象を圧延したものである。形鋼以外の鋼材を切り出す場合、鋳片はブルームやビレットの場合もある。形鋼Sa,Sb,Sc・・の製造工程は、図1に示したように、圧延工程と、切断工程と、仕分け工程と、を有する。圧延工程は、ローラRを用いて加熱したスラブS0などの鋳片を長手方向に伸ばし、長い板状の鋼片Sを成形する工程である。切断工程は、圧延工程で成形された鋼片Sから短い板状の形鋼Sa,Sb,Sc・・を複数切り出す工程である。仕分け工程は、切断工程で切り出した形鋼Sa,Sb,Sc・・を、置場P1,P2・・PM(棚)に種類別に載置していく工程である。形鋼Sa,Sb,Sc・・の種類には、長さ及び断面形状(幅および高さの少なくとも一方)の少なくとも一方の相違も含まれる。
【0014】
製造計画は、計画対象となる注文を受けた全ての形鋼Sa,Sb,Sc・・を切り出すのに必要な鋼片Sの本数(総数)を決定する計画である。この製造計画では、図2に示したように、第一の数(例えば数百~数千)の形鋼Sa,Sb,Sc・・に対応する第一の数の仮想形鋼を、第一の数より少ない第二の数(例えば数十~数百)の取合せパターン群(取合せパターン1×採用数+取合せパターン2×採用数・・取合せパターンm×採用数)に集約することにより、取合せパターン毎に決定した採用数の合計となる必要な鋼片Sの本数を決定する。取合せパターンは、1つの鋼片から切り出す形鋼Sa,Sb,Sc・・の種類(長さ)、この種類の順序、および種類毎の各形鋼Sa,Sb,Sc・・の切り出し数である。この製造計画の作成においては、製造する際の種々の制約条件を満たしつつ、注文を受けた全ての形鋼Sa,Sb,Sc・・を切り出せるよう、各形鋼Sa,Sb,Sc・・の取合せパターン、および各取合せパターンの採用数(数量)の組み合わせを決定する。計画作成装置100は、図3に示したように、入力部1と、出力部2と、演算部3と、を備える。
【0015】
〔入力部〕
入力部1は、他の装置からデータや信号を受信する通信モジュール、他の装置と接続される端子、記録媒体から情報を読み込むドライブ、ユーザが操作可能な操作機器の少なくともいずれかで構成されている。操作機器には、キーボード、マウスおよびタッチパネルの少なくともいずれかが含まれる。
【0016】
〔出力部〕
出力部2は、他の装置(表示装置等)へデータや信号を送信する通信モジュール、他の装置と接続される端子、記録媒体へ情報を書き込むドライブ、および画像を表示するディスプレイなどの表示装置の少なくともいずれかで構成されている。
【0017】
〔演算部〕
演算部3は、情報取得部31と、算出部32と、条件設定部33と、計画作成部34と、出力制御部35と、を備える。
【0018】
(情報取得部)
情報取得部31は、形鋼Sa,Sb,Sc・・の注文情報を取得する。本実施形態に係る情報取得部31は、入力部1を介して複数の注文情報を取得する。各注文情報には、下記表1に示したように、製造する形鋼Sa,Sb,Sc・・の長さと、製造する形鋼Sa,Sb,Sc・・の本数が含まれる。表1の注文ID「1」、「2」・・は、種類の異なる各形鋼の符号「Sa」、「Sb」・・に対応する(ただし、同一種類の複数の型鋼が一つの纏まりに集約されており、IDは各纏まりと対応している場合、または同一種類の型鋼に対し複数の注文先から注文を受けることを許容する場合)。また、各注文情報は、IDによって識別可能となっている。
【0019】
【表1】
【0020】
本実施形態に係る情報取得部31は、過去の製造実績も取得する。ローラRは、圧延の繰り返しに伴って摩耗するなど使用に伴って状態が変化するが、この情報取得部31が取得する過去の製造実績は、その時々の圧延時(使用時)のローラRの状態と、このローラRの状態で製造された鋼片Sの形状との関係を示す実績データである。具体的には、ローラRの状態を、ローラRに対する圧延の影響の初期状態からの累積を示すことが可能な、例えば製造した鋼片Sの累積本数Nなどとなる圧延累積指標で判定し、鋼片Sの形状を、例えば鋼片Sの長さや厚みなどとなる鋼片Sの形状指標で判定しても良い。上記のローラRの初期状態は、例えば、新品または交換してから所定回数以下しか使用されていない状態など、ローラRに摩耗が生じていないか、摩耗があったとしてもその影響が無視できるほど小さい状態である。上記の所定回数は、例えば後述する図4のNaであっても良い。
【0021】
本実施形態では、情報取得部31は、初期状態から、ローラRを用いて製造される鋼片Sの累積本数Nと、累積本数Nに対応する鋼片Sの長さ(以下、鋼片長さL)との複数の組を、過去の製造実績として取得する。なお、情報取得部31は、過去の製造実績として、鋼片Sの累積本数Nと、当該累積本数目の鋼片Sを圧延する際の鋼片Sの長さあるいは厚みと初期状態のローラRの場合に想定される長さあるいは厚みとの差分(形状指標)と、の複数の組を取得するようになっていてもよい。
【0022】
(算出部)
算出部32は、上記の過去の製造実績に基づいて、ローラRの状態と鋼片Sの形状との関係を算出する。より具体的には、上記の関係は、図4上図に示すように、累積本数Nと鋼片Sの鋼片長さLとの関係であってもよい。横軸を累積本数N、縦軸を鋼片長さLとするグラフに過去の製造実績をプロットすると、例えば図4上段に示したようなグラフ(関係)が得られる。なお、図4上段のグラフは、製造実績の複数のプロットに対して直線で近似したものであり、全体として折れ線で近似されている。このグラフからは、累積本数Nが一定数Naを超えた辺りから、鋼片長さLが減少する傾向を読み取ることができる。また、グラフからは、上記の一定数Na以降は、鋼片長さLの減少傾向が概ね一定である(ある傾きをもった直線で表現できる)ことを読み取ることができる。なお、上記の関係を示す近似線は、曲線で近似してもよい。
【0023】
あるいは、図4下段に示したように、上記の関係を、グラフが階段状になる階段関数で近似してもよい。図4下図は、図4上図において、取り得る累積本数Nの範囲を複数に区分し、区分した範囲毎に対して鋼片の長さを規定して作成したものである。すなわち、複数の累積本数Nの範囲の境界を累積本数Ni(i=0、1、2、・・・)とし、この累積本数Niおよび各累積本数Niに対応する鋼片長さLiとした時に、想定する鋼片Sの長さが、実際の鋼片Sの長さよりも長くならないように、累積本数Niが第一本数N0以下では鋼片長さLiが第一長さL0、第一本数N0超では第一長さL0より短い第二長さL1となるよう(可視化した場合に階段状となるように)、長さを離散的に算出する。また、本実施形態に係る算出部32は、更に、累積本数Niが第一本数N0より多い第二本数N1超では第二長さL1より短い第三長さL2、第二本数N1より多い第三本数N2超では第三長さL2より短い第四長さL3となるよう、鋼片長さLiを離散的に算出する。
【0024】
累積本数Niと鋼片長さLiとの関係を図4下図のように階段状とすることで、よりユーザが直観的に理解しやすいシンプルなものとすることができる。その結果、ユーザは、累積本数Niと鋼片長さLiを管理(人の手による設定、変更を含む)しやすくなる。なお、ここでは、算出部32が4つの鋼片長さL0~L3を算出する場合を例に説明したが、算出部32は、また、2つまたは3つの鋼片長さL0~L3を算出するようになっていてもよいし、5つ以上の鋼片長さを算出するようになっていてもよい。上記情報取得部31が、他の装置から累積本数Niおよび鋼片長さLiを取得するよう構成されている場合、演算部3は、算出部32を備えていなくてもよい。
【0025】
そして、算出部32は、上述したように算出したローラRの状態と鋼片Sの形状との関係を、次に説明する条件設定部33に出力することで、この関係を考慮した製造計画の作成が行われるようにする。
【0026】
なお、他の実施形態において、算出部32が過去の製造実績に基づく演算を行わない場合、情報取得部31は、過去の製造実績を取得しなくてもよい。また、その場合、情報取得部31は、他の装置から、当該他の装置が行った過去の製造実績に基づく演算結果(ローラRの状態と鋼片Sの形状との関係)を取得するよう構成されていてもよいし、経験などに基づいて作成された累積本数Nおよび鋼片長さLの関係を取得するよう構成されてもよい。このような場合には、計画作成装置100は、算出部32を備えていなくても良い。
【0027】
ここで、上述したように、ローラRの状態と鋼片Sの形状との関係を求める理由について説明する。
ローラRは、圧延の繰り返しに伴って摩耗していくなど、使用に伴って状態が変化する。例えば、ローラRが摩耗すると、その分だけ、同じ圧力の設定に対する圧下力が減少するので、圧延後に得られた鋼片の長さは、初期状態のローラRを用いた場合に想定される長さ(想定長)よりも短くなり、厚みは想定よりも厚くなり得る。つまり、ローラRの状態が変化すると、ローラRによる圧延により製造される鋳片Sの形状は想定通りとならならず、許容範囲を逸脱する虞がある。
【0028】
一方、製造計画の作成にあたっては、鋳片などの母材を圧延して製造される鋼片Sの例えば長さなど形状(圧延後の母材の形状)を想定し、この想定された形状の鋳片Sを前提に、取合せパターンの種類および数量などを決定する。しかしながら、ローラRによる圧延によって製造された鋼片Sの実際の形状が、上述のように許容範囲を逸脱していた場合、実際の鋼片Sの長さが足りないというような状況になるために、製造できない形鋼が生じる場合がある。つまり、製造計画の作成を、鋼片の長さなどの形状が、初期状態のローラRによる製造で得られるものを前提に行うと、現実の鋼片Sの例えば長さが想定(期待)通りの長さになっていない場合には、作成した製造計画で定めた取合せパターン通りに形鋼を切り出すことができない可能性がある。
【0029】
そこで、本発明者らは、製造実績から、ローラRの状態と鋼片Sの形状との関係を予め求めると共に、製造計画の作成においては、この関係を制約条件として用いることに思い至った。このようにすれば、製造計画の作成時に用いる鋼片Sの本数に応じて、鋼片Sの形状を規定できるようになるので、ローラの状態の変化に伴う鋼片Sの形状変化を考慮した製造計画の作成が可能となる。よって、上述したような、製造計画に従った場合に形鋼の切り出しができないという事態の発生防止を図ることが可能となる。
以下、製造計画の作成について、説明を続ける。
【0030】
(条件設定部)
条件設定部33は、鋼片Sおよび形鋼Sa,Sb,Sc・・を製造する際の制約を示す制約条件を設定する。条件設定部33が設定する制約条件には、上述した鋼片Sの製造(圧延)に用いるローラRの状態と、この状態を有するローラを用いて製造される鋼片Sの形状との関係を規定した条件(以下、鋼片形状条件)が含まれる。本実施形態に係る鋼片形状条件は、ローラRによる初期状態からの鋼片Sの圧延累積指標(前述)と、鋼片Sの形状指標(前述)との関係を規定した条件である。より具体的には、鋼片形状条件は、ローラRが行う圧延の累積本数Nと、圧延される鋼片長さLと、の関係である(図4参照)。
【0031】
また、本実施形態に係る条件設定部33が設定する制約条件には、鋼片から複数種類の形鋼を切り出す場合に、鋼片Sから切り出した形鋼Sa,Sb,Sc・・を種類毎に一時的に載置する各置場の数に関する置場条件が含まれる。一の置場P1,P2・・には、図1に示したように、同じ長さの形鋼Sa,Sb,Sc・・のみ載置することができる。すなわち、条件設定部33は、同時に仕分けることのできる(一本の鋼片Sから切り出すことのできる)形鋼Sa,Sb,Sc・・の種類はn種類まで、といった内容の置場条件を設定する。
【0032】
なお、条件設定部33は、置場条件として、各置場P1,P2・・の容量(載置可能な形鋼Sa,Sb,Sc・・の本数)を更に設定するよう構成されていてもよい。また、条件設定部33は、鋼片形状条件、置場条件とは別に、その他条件を制約条件として設定するよう構成されていてもよい。その他条件には、圧延に関する条件(例えば圧下率)、並びに圧延および仕分け以外の作業(例えば切断)に関する条件の少なくとも一方が含まれる。また、条件設定部33は、一旦設定した制約条件(鋼片形状条件、置場条件およびその他条件の少なくともいずれか)を、例えばユーザにより入力部1等になされた操作に応じて修正できるよう構成されていてもよい。本実施形態では、上述の通り、鋼片形状条件および置場条件を用いているが、鋼片形状条件を用いずに置場条件を用いてもよい。
【0033】
(計画作成部)
計画作成部34は、取得した注文情報および設定された制約条件に基づいて、製造計画を作成する。具体的には、計画作成部34は、各鋼片Sから切り出す鋼材の種類および数量を規定した取合せパターン、および取合せパターン毎の数量、を含む前記製造計画を作成する。計画作成部34は、取合せパターンおよびその数量に加えて、必要な鋼片Sの総数を含む製造計画を作成してもよい。本実施形態に係る計画作成部34は、数理最適化を用いて製造計画を作成する。数理最適化用いる場合、現実問題を数理モデルとして記述する必要がある。本実施形態に係る計画作成部34は、取合せパターンの候補(以下、候補パターン)を複数列挙し、列挙した候補パターンの中から、製造計画に採用する最適な候補パターンを選択する、という数理モデルを用いる。このため、本実施形態に係る計画作成部34は、図3に示したように、列挙部341と、選択部342と、を備える。
【0034】
・列挙部
列挙部341は、図5左側に示したように、候補パターンを複数列挙する。本実施形態に係る列挙部341は、条件設定部33が設定した制約条件を満たす全ての候補パターンを列挙する。上述したように、制約条件の中には鋼片形状条件が含まれる。このため、本実施形態に係る列挙部341は、最大長(初期状態のローラRで圧延された場合の想定長)の鋼片Sの候補パターンの他、鋼片Sの長さがLi(i=1,2,・・)の場合の候補パターンも列挙する。図5左側のマトリクスは、一の行が1つの候補パターンを表している。また、例えば、置場P1,P2・・の数Mが3つ(3種類まで同時仕分け可能)という置場条件が設定されている場合、列挙部341は、例えば、上から3番目の枠で囲まれた行に示したような候補パターン(パターンm)を挙げる。この候補パターンは、L1mの形鋼を3本、L3mの形鋼を5本、Lnmの形鋼を1本含めることを示している。また、ここで例示した候補パターンは、最大長L0mの鋼片Sに対応するものである。このため、切り出される形鋼の長さの合計長は、L1×3+L3×5+Ln×1=L0m(最大長)となっている。
【0035】
・選択部
選択部342は、図5右側に示したように、上記列挙部341が列挙した複数の候補パターンの中から、注文を受けた全ての形鋼Sa,Sb,Sc・・を切り出すことが可能な、取合せパターンおよび各取合せパターンの採用数を製造計画として決定する。本実施形態に係る選択部342は、上記条件設定部33が設定した制約条件を満たしつつ、形鋼Sa,Sb,Sc・・の切り出し元となる鋼片Sの総数、および製造計画に含まれる取合せパターンの総数ができるだけ少なくなるように決定する。
【0036】
鋼片Sを圧延する際に、鋼片Sの先頭部と末尾部には、形鋼Sa,Sb,Sc・・として用いることができない(屑になる)部分がどうしても出来てしまう。また、一の鋼片Sが圧延されてから置場P1,P2・・に載置されるまでに要する時間は、鋼片Sの長さに関わらず概ね一定であることが分かっている。そこで、選択部342は、鋼片Sの総数を削減するような選択を行う。具体的には、選択部342は、個々の鋼片Sの長さができるだけ最大長になる、または最大長に近くなるような選択を行う。これにより、必要な鋼片の総数が減少し、先頭部および末尾部となる部分の数が少なくなる。その結果、屑量が削減され、歩留りを向上させることができる。また、全ての形鋼Sa,Sb,Sc・・を切り出すのに必要な時間が削減され、空いた時間を別の形鋼Sa,Sb,Sc・・の製造に回すことができるため、スループットが向上する。
【0037】
また、切断工程で切り出された複数の形鋼Sa,Sb,Sc・・は、置場P1,P2・・へ連続的に運ばれる。各置場P1,P2・・では、同じ長さの形鋼Sa,Sb,Sc・・を纏めて載置する必要がある。一方、置場の数Mは限られており、形鋼Sa,Sb,Sc・・の種類(長さ)がM+1以上になると、置場P1,P2・・からの形鋼Sa,Sb,Sc・・の払い出し(置場を空にする)が追い付かず、切断工程、延いては圧延工程を停止しなければならなくなる(切断工程以前のスループットが低下する)。そこで、選択部342は、採用する取合せパターン数ができるだけ少なくなるような選択を行う。具体的には、同一の取合せパターンをできるだけ多数採用するような選択を行う。これにより、置場P1,P2・・からの払い出しがスムーズに行われるようになり、切断工程以前のスループットが低下するのを防ぐことができる。
【0038】
なお、計画作成部34は、数理最適化以外の手法を用いて製造計画を作成するよう構成されていてもよい。例えば、計画作成部34は、過去の注文情報と過去の製造計画との関係を学習させた学習済みモデルに、新たな注文情報を入力したときに得られる情報を製造計画とするよう構成されていてもよい。また、計画作成部34は、IF文等を用いて製造計画を作成するように構成されていてもよい。
【0039】
(出力制御部)
出力制御部35は、作成された製造計画を出力するよう出力部2を制御する。その結果、出力部2は、作成された製造計画を出力する。本実施形態に係る出力制御部35は、製造計画を、例えば下記表2に示したような形で出力する。本実施形態に係る製造計画は、採用する取合せパターンの内容(形鋼Sa,Sb,Sc・・の種類(切り出し順)とそれぞれの切り出し数)を取合せパターン毎に示したものとなっている。また、本実施形態に係る製造計画は、各取合せパターンで切り出された複数の形鋼Sa,Sb,Sc・・の長さの合計(合計長)、および各取合せパターンの採用数(鋼片Sの数)を、取合せパターン毎に示している。各取合せパターンの採用数の合計は、鋼片Sの総数となる。なお、出力部2が、液晶パネルまたは表示装置と通信・接続する通信モジュール・端子で構成されている場合、出力制御部35は、製造計画を、例えば図6に示したような図の形で表示させるよう液晶パネルまたは表示装置を制御してもよい。
【0040】
【表2】
【0041】
〔計画作成装置その他〕
なお、上記計画作成装置100(以下、装置)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるための計画作成プログラム(以下、プログラム)であって、当該装置の各制御ブロック(特に演算部3に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えば演算部3)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0042】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0043】
〔作用効果〕
鋼片Sの圧延を繰り返していると、ローラRの摩耗(圧延時の圧力低下)が始まり、後の方に製造される鋼片Sが計画通りの長さに延びなくなる。よって、図6上段に示したように、全ての鋼片Sの長さが取合せパターンが最大長(L0m)以上であることを前提に製造計画を作成すると、実際の鋼片Sの長さが想定(期待)通りの長さになっていない場合には、取合せパターン通りに形鋼を切り出すことができない。こうなると、その取合せパターンに含まれる形鋼を全て製造するためには、もう1本余計に鋼片Sを用意する必要が生じるため、製造コストが増加してしまう。
【0044】
しかし、本実施形態に係る計画作成装置100は、鋼片形状条件を制約条件に含めることにより、ローラRの摩耗が考慮された製造計画を作成することができる。すなわち、図6下段に示したように、終盤に圧延される鋼片Sが短くなっていくことを前提とし、短くなった鋼片Sでも切り出すことが可能な形鋼Sa,Sb,Sc・・の種類及び本数を決定する。このため、この計画作成装置100によって作成された製造計画に従って形鋼Sa,Sb,Sc・・の製造を進めれば、実際の鋼片Sの長さが足りないという事態を防止することができる。そして、注文を受けた全ての形鋼Sa,Sb,Sc・・を、鋼片Sを追加することなく、計画通りに切り出す可能性を高めることができる。その結果、従来の計画作成装置を用いて製造計画を作成した場合に比べ、歩留りおよびスループットを向上させることができる。
【0045】
また、本実施形態に係る計画作成装置100は、置場条件を制約条件に含めることにより、置場P1,P2・・の数(同時に仕分けられる形鋼Sa,Sb,Sc・・の種類)を考慮した製造計画を作成することができる。すなわち、置場P1,P2・・の数がMしかない場合に、図6上段の破線の枠で囲った領域に示したように、M+1種類の形鋼が含まれる取合せパターン(パターン4)が含まれる計画が作成されることがない。置場条件が制約条件にないと、置場P1,P2・・からの形鋼Sa,Sb,Sc・・の払い出しが追い付かず、切断工程、延いては圧延工程を停止しなければならなくなる場合が生じ得る。しかし、予め置場P1,P2・・の数が考慮された製造計画を作成すれば、図6下段に示したように、採用する全ての取合せパターンにおいて、含まれる鋼材の種類が置場P1,P2・・の数以下となる。その結果、置場P1,P2・・からの払い出しがスムーズに行われるようになり、切断工程以前のスループットが低下するのを防ぐことができる。
【0046】
このように、本実施形態に係る計画作成装置100によれば、鋼片形状条件および置場条件の少なくとも一方を制約条件に含めることで、複数の鋼片から1種類以上の形鋼を切り出す際の製造計画の精度を高めることができる。
【0047】
また、このような構成によれば、シミュレータSのシミュレーション精度が向上することにより、鋼材の製造ラインにおける各装置の動作効率が向上し、消費エネルギー量を低減することができる。これにより、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献できる。
【0048】
[情報予測方法]
次に、情報予測方法について説明する。図7は計画作成方法の流れを示すフローチャートである。
【0049】
計画作成方法は、複数の鋼片Sを製造し、前記鋼片Sから長さの異なる複数種類の形鋼Sa,Sb,Sc・・を切り出す際の製造計画を、プロセッサを用いて作成するためのものである。本実施形態に係る情報予測方法は、上記計画作成装置100を用いて行うようになっている。計画作成方法は、図7に示したように、情報取得ステップS1と、算出ステップS2と、条件設定ステップS3と、計画作成ステップS4と、出力ステップS5と、を有する。
【0050】
(情報取得ステップ)
初めの情報取得ステップS1では、形鋼Sa,Sb,Sc・・の注文情報を取得する。本実施形態に係る情報取得ステップS1では、上記計画作成装置100の情報取得部31が取得する。なお、情報取得ステップS1では、過去の製造実績や、他の装置が算出した累積本数Niおよび鋼片長さLiを取得してもよい。
【0051】
(算出ステップ)
算出ステップS2では、累積本数Niおよび鋼片長さLiを、過去の製造実績に基づいて算出する。本実施形態に係る算出ステップS2では、上記計画作成装置100の算出部32が算出する。なお、上記情報取得ステップS1で他の装置が算出した累積本数Niおよび鋼片長さLiを取得する場合、この算出ステップS2をスキップしてもよい。
【0052】
(条件設定ステップ)
注文情報を取得した後は、条件設定ステップS3に移る。条件設定ステップS3では、鋼片Sおよび形鋼Sa,Sb,Sc・・を製造する際の制約を示す制約条件を設定する。本実施形態に係る条件設定ステップS3では、上記計画作成装置100の条件設定部33が設定する。条件設定ステップS3で設定する制約条件には、鋼片SをローラRで圧延する際に生じる鋼片形状条件が含まれる。なお、この条件設定ステップS3では、上記置場条件を更に設定してもよいし、鋼片形状条件を設定せずに、置場条件を設定してもよい。また、この条件設定ステップS3では、制約条件の設定を、上記計画作成装置100の入力部1を用いて人が行ってもよい。
【0053】
(計画作成ステップ)
制約条件を設定した後は、計画作成ステップS4に移る。計画作成ステップS4では、取得した注文情報および設定された制約条件に基づいて、製造計画を作成する。具体的には、各鋼片から切り出す鋼材の種類および数量を規定した取合せパターン、および取合せパターン毎の数量を含む製造計画を作成する。製造計画には、必要な鋼片Sの本数(総数)が含まれてもよい。本実施形態に係る計画作成ステップS4では、上記計画作成装置100の計画作成部34が作成する。なお、製造計画の作成は、他の装置が行ってもよい。
を作成する。
【0054】
(出力ステップ)
製造計画を作成した後は、出力ステップS5に移る。出力ステップS5では、作成された製造計画を出力する。本実施形態に係る出力ステップS5では、上記計画作成装置100の出力部2が出力する。
【0055】
〔作用効果〕
以上説明してきた計画作成方法によれば、上記計画作成装置100と同様の作用効果を奏する。すなわち、この計画作成方法によれば、注文を受けた全ての形鋼Sa,Sb,Sc・・を、鋼片Sを追加することなく、計画通りに切り出す可能性を高めることができる。
【0056】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
100 計画作成装置
1 入力部
2 出力部
3 演算部
31 情報取得部
32 算出部
33 条件設定部
34 計画作成部
341 列挙部
342 選択部
35 出力制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7