(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146661
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】生体情報測定用デバイス
(51)【国際特許分類】
G01K 13/20 20210101AFI20231004BHJP
A61B 5/01 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
G01K13/20 341G
A61B5/01 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022053966
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 真実
(72)【発明者】
【氏名】小俣 景子
【テーマコード(参考)】
2F056
4C117
【Fターム(参考)】
2F056HD01
2F056HD02
2F056HD03
4C117XB01
4C117XC14
4C117XC15
4C117XD22
4C117XD26
4C117XE23
4C117XH02
4C117XH16
(57)【要約】
【課題】測定時の違和感を抑制しつつ、精度よい測定を可能にすることができる生体情報測定用デバイスを提案する。
【解決手段】本開示に係る生体情報測定用デバイスは、ユーザの胴体部を測定の対象とした温度センサが露出する第1の筐体面を胴体部に向けて配置され、ユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、第1の方向に対応する第1の曲率半径RWS、第2の方向に対応する第2の曲率半径RWL、及び第1の方向及び第2の方向に直交する第3の方向における温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTとの関係を示す式1:第1の曲率半径RWS/厚みT≦6、式2:第2の曲率半径RWL/厚みT≦10、及び式3:(第1の曲率半径RWS+第2の曲率半径RWL)/厚みT≦17のうち、少なくとも式1及び式2を満たすか、または式3を満たす。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの胴体部を測定の対象とした温度センサが露出する第1の筐体面を有し、前記測定の際に前記第1の筐体面を前記胴体部に向けて配置される生体情報測定用デバイスであって、
前記測定の際に前記ユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、前記第1の方向と交差し、前記ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、
前記第1の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第1の交点とし、前記第1の方向に沿って前記第1の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線で結んだ交点を第2の交点とした際に、
前記第1の曲線の曲率半径及び前記第2の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第1の曲率半径RWSと、前記第1の方向及び前記第2の方向に直交する第3の方向における前記温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTとの関係を示す下記の式1、
前記第2の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第3の交点とし、前記第2の方向に沿って前記第3の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線で結んだ交点を第4の交点とした際に、
前記第3の曲線の曲率半径及び前記第4の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第2の曲率半径RWLと、前記厚みTとの関係を示す下記の式2、及び
前記第1の曲率半径RWS及び前記第2の曲率半径RWLの合計と前記厚みTとの関係を示す下記の式3のうち、
少なくとも式1及び式2を満たすか、または式3を満たす、生体情報測定用デバイス。
式1:第1の曲率半径RWS/厚みT≦6
式2:第2の曲率半径RWL/厚みT≦10
式3:(第1の曲率半径RWS+第2の曲率半径RWL)/厚みT≦17
【請求項2】
ユーザの胴体部を測定の対象とした温度センサが露出する第1の筐体面を有し、前記測定の際に前記第1の筐体面を前記胴体部に向けて配置される生体情報測定用デバイスであって、
前記測定の際に前記ユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、前記第1の方向と交差し、前記ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、
前記第1の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第1の交点とし、前記第1の方向に沿って前記第1の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線で結んだ交点を第2の交点とした際に、前記第1の曲線の曲率半径及び前記第2の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径を第1の曲率半径RWSとし、
前記第2の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第3の交点とし、前記第2の方向に沿って前記第3の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線で結んだ交点を第4の交点とした際に、前記第3の曲線の曲率半径及び前記第4の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径を第2の曲率半径RWLとした場合、
前記第1の曲率半径RWS及び前記第2の曲率半径RWLのいずれも100以下であり、かつ、前記第1の方向及び前記第2の方向に直交する第3の方向における前記温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTが10mm以上である、生体情報測定用デバイス。
【請求項3】
ユーザの胴体部を測定の対象とした温度センサが露出する第1の筐体面を有し、前記測定の際に前記第1の筐体面を前記胴体部に向けて配置される生体情報測定用デバイスであって、
前記測定の際に前記ユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、前記第1の方向と交差し、前記ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、
前記第1の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る直線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第1の交点とし、前記第1の方向に沿って前記第1の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る直線で結んだ交点を第2の交点とした際に、
前記温度センサの先端と前記第1の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線の曲率半径、及び前記温度センサの先端と前記第2の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第1の曲率半径RWSと、前記第1の方向及び前記第2の方向に直交する第3の方向における前記温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTとの関係を示す下記の式1、
前記第2の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る直線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第3の交点とし、前記第2の方向に沿って前記第3の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る直線で結んだ交点を第4の交点とした際に、
前記温度センサの先端と前記第3の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線の曲率半径、及び前記温度センサの先端と前記第4の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第2の曲率半径RWLと、前記厚みTとの関係を示す下記の式2、及び
前記第1の曲率半径RWS及び前記第2の曲率半径RWLの合計と前記厚みTとの関係を示す下記の式3のうち、
少なくとも式1及び式2を満たすか、または式3を満たす、生体情報測定用デバイス。
式1:第1の曲率半径RWS/厚みT≦6
式2:第2の曲率半径RWL/厚みT≦10
式3:(第1の曲率半径RWS+第2の曲率半径RWL)/厚みT≦17
【請求項4】
ユーザの胴体部を測定の対象とした温度センサが露出する第1の筐体面を有し、前記測定の際に前記第1の筐体面を前記胴体部に向けて配置される生体情報測定用デバイスであって、
前記測定の際に前記ユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、前記第1の方向と交差し、前記ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、
前記第1の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る直線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第1の交点とし、前記第1の方向に沿って前記第1の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る直線で結んだ交点を第2の交点とした際に、前記温度センサの先端と前記第1の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線の曲率半径、及び前記温度センサの先端と前記第2の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径を第1の曲率半径RWSとし、
前記第2の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る直線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第3の交点とし、前記第2の方向に沿って前記第3の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る直線で結んだ交点を第4の交点とした際に、前記温度センサの先端と前記第3の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線の曲率半径、及び前記温度センサの先端と前記第4の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径を第2の曲率半径RWLとした場合、
前記第1の曲率半径RWS及び前記第2の曲率半径RWLのいずれも100以下であり、かつ、前記第1の方向及び前記第2の方向に直交する第3の方向における前記温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTが10mm以上である、生体情報測定用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体情報測定用デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
健康状態を把握するために装着する各種測定センサは、皮膚ないし、衣類表面に接触した測定方法を用いている。例えば、温度を測定(計測)するために所定の高さで突出した皮膚温度センサ(単に「温度センサ」ともいう)が、ユーザの皮膚に若干めり込んだ状態で接触することにより皮膚温度を測定する技術等が知られている(下記の特許文献1等)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術には改善の余地がある。例えば、皮膚へのめり込みを低減してユーザに与える違和感を低減させ、装着感を向上させるために、温度センサの突出長を短縮した場合、筐体と皮膚温度センサの位置関係から温度センサが皮膚表面から浮くこと等により、安定した温度測定が難しい場合がある。このように、ユーザに与える違和感と測定精度とはトレードオフの関係にあり、測定時の違和感を抑制しつつ、精度よい測定を可能にすることが望まれている。
【0005】
そこで、本開示では、測定時の違和感を抑制しつつ、精度よい測定を可能にすることができる生体情報測定用デバイスを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本開示に係る生体情報測定用デバイスは、ユーザの胴体部を測定の対象とした温度センサが露出する第1の筐体面を有し、前記測定の際に前記第1の筐体面を前記胴体部に向けて配置される生体情報測定用デバイスであって、前記測定の際に前記ユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、前記第1の方向と交差し、前記ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、前記第1の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第1の交点とし、前記第1の方向に沿って前記第1の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線で結んだ交点を第2の交点とした際に、前記第1の曲線の曲率半径及び前記第2の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第1の曲率半径RWSと、前記第1の方向及び前記第2の方向に直交する第3の方向における前記温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTとの関係を示す下記の式1、前記第2の方向に沿って前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線で結んだ前記第1の筐体面の交点を第3の交点とし、前記第2の方向に沿って前記第3の交点と前記温度センサを挟む位置にあり、前記温度センサの先端と前記第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線で結んだ交点を第4の交点とした際に、前記第3の曲線の曲率半径及び前記第4の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第2の曲率半径RWLと、前記厚みTとの関係を示す下記の式2、及び前記第1の曲率半径RWS及び前記第2の曲率半径RWLの合計と前記厚みTとの関係を示す下記の式3のうち、少なくとも式1及び式2を満たすか、または式3を満たす。
式1:第1の曲率半径RWS/厚みT≦6
式2:第2の曲率半径RWL/厚みT≦10
式3:(第1の曲率半径RWS+第2の曲率半径RWL)/厚みT≦17
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、測定時の違和感を抑制しつつ、精度よい測定を可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る生体情報測定用デバイスの一例を示す図である。
【
図2】生体情報測定用デバイスの第1の筐体面側の平面図である。
【
図3】生体情報測定用デバイスの配置の一例を示す図である。
【
図4】第1の曲率半径及び厚みの一例を示す図である。
【
図5】第2の曲率半径及び厚みの一例を示す図である。
【
図6】生体情報測定用デバイスを用いた測定結果を示す図である。
【
図7】第1の交点及び第2の交点の一例を示す図である。
【
図8】第3の交点及び第4の交点の一例を示す図である。
【
図9】第1の交点及び第2の交点の他の一例を示す図である。
【
図10】第1の交点及び第2の交点が同じ曲率半径上にない場合を示す図である。
【
図12】生体情報測定用デバイスの配置の他の一例を示す図である。
【
図14】温度センサの先端を通る直線の一例を示す図である。
【
図15】直線により決定される第1の交点及び第2の交点の一例を示す図である。
【
図16】第1の曲率半径の導出の他の一例を示す図である。
【
図17】直線により決定される第3の交点及び第4の交点の一例を示す図である。
【
図18】第2の曲率半径の導出の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0010】
(1.実施形態)
(1-1.実施形態に係る生体情報測定用デバイスの一例)
まず、
図1及び
図2を用いて、生体情報測定用デバイスの構成について説明する。
図1は、実施形態に係る生体情報測定用デバイスの一例を示す図である。
図2は、生体情報測定用デバイスの第1の筐体面側の平面図である。例えば、
図2は、生体情報測定用デバイス100を上面視した図である。以下に示す例では、体温(温度)の測定の対象となるユーザ10の胴体部11がユーザの胸部である場合を一例として説明する。なお、体温(温度)の測定の対象となるユーザ10の身体的部位は、胸部以外の胴体部等任意の部位であってもよいが、この点については後述する。
【0011】
図1及び
図2に示す生体情報測定用デバイス100は、ユーザ10の生体情報の測定処理を実行するデバイスである。生体情報測定用デバイス100は、ユーザ10の体温(温度)を測定する機能を有する測定機器である。例えば、生体情報測定用デバイス100は、ユーザ10が上半身に着用(装着)する下着(
図3の下着200等)など衣服により保持され、定期的(例えば毎晩決まった時刻)にユーザの体温(温度)を測定する。
図2に示すように、生体情報測定用デバイス100は、ユーザ10の胴体部11(
図1ではユーザ10の胸部)を測定の対象とした温度センサ120が露出する第1の筐体面111を有する。生体情報測定用デバイス100は、測定の際に第1の筐体面111を胴体部11(
図1ではユーザ10の胸部)に向けて配置される。
【0012】
図1では、生体情報測定用デバイス100は、第1の筐体面111をユーザ10の胴体部11側へ向けて配置される。第1の幅WSは、ユーザ10の幅方向(左右方向)に沿う第1の方向の幅を示す。また、第2の幅WLは、ユーザ10の身長方向(上下方向)に沿う第2の方向の幅(高さ)を示す。すなわち、生体情報測定用デバイス100は、第1の幅WSをユーザの左右方向に沿わせ、第2の幅WLをユーザの上下方向に沿わせて配置される。
【0013】
なお、
図1及び
図2では、第2の幅WLが第1の幅WSよりも長い場合を一例として示すが、式1及び式2を満たすか、または式3を満たせば、第1の幅WS及び第2の幅WLの関係は任意の関係であってもよい。例えば、式1及び式2を満たすか、または式3を満たせば、第1の幅WSが第2の幅WLよりも長くてもよいし、第1の幅WSと第2の幅WLとが同じであってもよい。
【0014】
生体情報測定用デバイス100は、筐体110と温度センサ120とを有する。筐体110は、内部に生体情報の測定に用いられる各種の構成要素を収納する。筐体110は、第1の筐体面111を有する。第1の筐体面111は、温度センサ120が露出する開口を有する。
【0015】
温度センサ120は、測定対象の温度を検知するセンサである。例えば、温度センサ120は、ユーザ10の体温(温度)を測定する温度センサである。温度センサ120は、先端が第1の筐体面111の開口から突出するように配置される。温度センサ120は、第1の筐体面111から突出した先端によりユーザ10の体温(温度)を検知する。
【0016】
なお、生体情報測定用デバイス100は、温度センサ120以外に、筐体110内に各種の情報処理を行う構成を有してもよい。例えば、生体情報測定用デバイス100は、以下のような構成を有してもよい。
【0017】
例えば、生体情報測定用デバイス100は、ネットワークインタフェースコントローラ等によって実現される通信部を有してもよい。生体情報測定用デバイス100は、通信部により、ネットワークと有線又は無線で接続され、ネットワークを介して、外部装置との間で情報の送受信を行う。例えば、生体情報測定用デバイス100は、測定結果を収集するクラウドサーバ等のサーバ装置やユーザ10によって利用されるスマートフォン、タブレット端末等のユーザ端末との間で、無線通信等により相互にデータの送受信が可能である。
【0018】
生体情報測定用デバイス100は、通信部により、ユーザ10の体温(温度)のデータをユーザ端末またはサーバ装置に送信する。例えば、生体情報測定用デバイス100は、通信部により、ユーザ10が利用するユーザ端末から発せられる体温(温度)のデータの送信要求等を受信してもよい。この場合、生体情報測定用デバイス100は、体温(温度)のデータの送信要求を受信した時点で、それまでに蓄積したユーザ10の体温(温度)のデータをユーザ10が利用するユーザ端末に送信する。
【0019】
生体情報測定用デバイス100は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される記憶部を有してもよい。生体情報測定用デバイス100は、温度センサ120により測定したユーザ10の体温(温度)のデータを記憶部に記憶する。
【0020】
生体情報測定用デバイス100は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、生体情報測定用デバイス100内部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される制御部を有してもよい。生体情報測定用デバイス100は、制御部の制御により温度センサ120によって検知された体温(温度)を測定する。
【0021】
生体情報測定用デバイス100は、ユーザから各種操作を受け付ける入力部(例えばタッチパネル等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば液晶ディスプレイ等)を有してもよい。なお、上述した生体情報測定用デバイス100の構成は一例に過ぎず、生体情報測定用デバイス100は、所望の機能に応じて任意の構成を有してもよい。
【0022】
(1-2.生体情報測定用デバイスの配置例)
ここで、
図3を用いて、ユーザ10の胴体部11への配置態様の一例を説明する。
図3は、生体情報測定用デバイスの配置の一例を示す図である。
図3では、生体情報測定用デバイス100の配置前の下着200を「下着200
1」と記載し、生体情報測定用デバイス100の配置後の下着200を「下着200
2」と記載する。なお、生体情報測定用デバイス100の配置前の下着200
1、及び生体情報測定用デバイス100の配置後の下着200
2について、特に区別せずに説明する場合は「下着200」と記載する。
【0023】
図3に示すように、下着200は、ユーザ10の胴体部11(
図3ではユーザ10の胸部)に装着され、ユーザ10の胴体部11の少なくとも一部を覆う。例えば、下着200は、いわゆるブラジャーであり、例えば夜間に着用されるブラジャー(ナイトブラジャー)であってもよい。なお、ここでは下着と記載したが、下着200は、バンドや腹巻のようなものであってもよい。例えば、下着200は、生体情報測定用デバイス100を保持可能な部材であれば、どのような部材であってもよく、「下着」は「保持部材」と読み替えてもよい。例えば、下着200は、性別に依らず使用される部材(保持部材)であってもよく、男性用のバンドタイプの部材(保持部材)であってもよい。
【0024】
下着200は、生体情報測定用デバイス100を保持する保持部210を有する。保持部210は、ユーザ10の胴体部11へ装着時に、ユーザ10の胴体部11の幅方向(左右方向)の略中央に位置する箇所に設けられる。保持部210は、生体情報測定用デバイス100の温度センサ120を露出させる開口部211を有する。保持部210の開口部211は、下着200がユーザ10の胴体部11へ装着時にユーザ10の胴体部11へ臨む向きに配置される。
【0025】
図3の下着200
2に示すように、下着200は、第1の筐体面111を開口部211側へ向けて生体情報測定用デバイス100を保持部210に保持する。これにより、生体情報測定用デバイス100は、温度センサ120を開口部211から露出させて、保持部210に保持される。生体情報測定用デバイス100の配置後の下着200(下着200
2)がユーザ10の胴体部11へ装着され、温度センサ120がユーザ10の胴体部11へ接触することにより、生体情報測定用デバイス100は、ユーザ10の体温(温度)を検知する。なお、
図3に示す配置態様は一例に過ぎず、ユーザ10の胴体部11への生体情報測定用デバイス100の配置態様はどのような態様であってもよい。
【0026】
(1-3.曲率半径及び厚み)
ここから、
図4及び
図5を用いて、曲率半径及び厚みについて説明する。
図4は、第1の曲率半径及び厚みの一例を示す図である。例えば、
図4は、第1の方向に交差する方向(第2の方向)から生体情報測定用デバイス100を側面視した図である。
図5は、第2の曲率半径及び厚みの一例を示す図である。例えば、
図5は、第2の方向に交差する方向(第1の方向)から生体情報測定用デバイス100を側面視した図である。
図4及び
図5は、生体情報測定用デバイス100の形状の一例を示す図である。
【0027】
図4に示す第1の曲率半径RWSは、第1の幅WSの方向(第1の方向)に対応する曲率半径である。
図4では、第1の曲率半径RWSは、第1の方向に沿って温度センサ120の先端と第1の筐体面111の両端を通る曲線である曲線C1の曲率半径に対応する。なお、第1の曲率半径RWSは、生体情報測定用デバイス100のサイズ、形状等に応じて導出されるが、第1の曲率半径RWSの導出の詳細については後述する。
【0028】
また、
図5に示す第2の曲率半径RWLは、第2の幅WLの方向(第2の方向)に対応する曲率半径である。
図5では、第2の曲率半径RWLは、第2の方向に沿って温度センサ120の先端と第1の筐体面111の両端を通る曲線である曲線C3の曲率半径に対応する。なお、第2の曲率半径RWLは、生体情報測定用デバイス100のサイズ、形状等に応じて導出されるが、第2の曲率半径RWLの導出の詳細については後述する。
【0029】
図4及び
図5に示す厚みTは、第1の方向及び第2の方向に直交する第3の方向(筐体110の厚み方向)における温度センサ120の先端を含む長さに対応する。
図4及び
図5では、厚みTは、第1の筐体面111の裏面である第2の筐体面112から温度センサ120の先端までの長さに対応する。なお、厚みTは、後述する支持体130の有無等に応じて導出されるが、厚みTの導出の詳細については後述する。
【0030】
(1-4.生体情報測定用デバイスを用いた測定結果の一例)
ここで、各サイズの生体情報測定用デバイスの数値及びその生体情報測定用デバイスを用いた測定結果の一覧を
図6に示す。
図6は、生体情報測定用デバイスを用いた測定結果を示す図である。
【0031】
図6に示す実施例#1~#11の11個の測定結果は、各々に対応するサイズで構成した生体情報測定用デバイス100を用いた場合の測定結果を示す。また、
図6に示す比較例#1、#2の2個の測定結果は、各々に対応するサイズで構成された従来のデバイスを用いた場合の測定結果を示す。
【0032】
図6の一覧の「サイズ(単位mm)」は、デバイスのサイズの数値をmm(ミリメートル)単位で示す。「縦R」は、デバイスが配置された際に被験者の身長方向(上下方向)に沿うデバイスの曲率半径に対応する。例えば、生体情報測定用デバイス100では、「縦R」は第2の曲率半径RWLに対応する。また、「横R」は、デバイスが配置された際に被験者の幅方向(左右方向)に沿うデバイスの曲率半径に対応する。例えば、生体情報測定用デバイス100では、「横R」は第1の曲率半径RWSに対応する。
【0033】
「全厚(筐体厚+センサ高さ+パッド)」は、デバイスの厚み方向の長さに対応し、筐体厚、センサ高さ、及びパッドの厚みを加算した値となる。なお、ここでいうパッドは、支持体130(
図11参照)に対応するが詳細は後述する。例えば、パッドがある場合、「全厚」は、センサの先端からパッドの底面までの長さに対応する。なお、
図6では、実施例#2、#7のみがパッドが設けられる場合に対応し、それ以外は全てパッドがない場合に対応する。また、パッドがない場合、「全厚」は、センサの先端から筐体の底面までの長さに対応する。例えば、生体情報測定用デバイス100では、「全厚」は厚みTに対応する。
【0034】
「センサ高さのみ」は、デバイスの厚み方向におけるセンサのうち筐体から突出した部分の長さに対応する。例えば、生体情報測定用デバイス100では、「センサ高さのみ」は、第3の方向における第1の筐体面111から温度センサ120の先端までの長さに対応する。「筐体厚のみ」は、デバイスの厚み方向における筐体の長さに対応する。例えば、生体情報測定用デバイス100では、「筐体厚のみ」は、第3の方向における第2の筐体面112から第1の筐体面111までの長さに対応する。「パッド」は、デバイスの厚み方向におけるパッドの長さに対応する。例えば、「パッド」は、支持体130の厚みに対応する。
【0035】
図6の一覧の「比率計算」は、デバイスのサイズを基に計算された比率を示す。「縦R/全厚」は、縦Rの値を全厚の値で除した値を示す。例えば、生体情報測定用デバイス100では、「縦R/全厚」は、第2の曲率半径RWLを厚みTで除した値に対応する。「横R/全厚」は、横Rの値を全厚の値で除した値を示す。例えば、生体情報測定用デバイス100では、「横R/全厚」は、第1の曲率半径RWSを厚みTで除した値に対応する。「(縦R+横R)/全厚」は、縦Rの値と横Rの値との合算値を全厚の値で除した値を示す。例えば、生体情報測定用デバイス100では、「縦R+横R/全厚」は、第2の曲率半径RWL及び第1の曲率半径RWSの合算値を厚みTで除した値に対応する。
【0036】
なお、デバイスのサイズの一例を以下に記載する。例えば、
図6に示す実施例#1、#4、#5、#9の各々の生体情報測定用デバイス100は、長幅に対応する第2の幅WLが50mmであり、短幅に対応する第1の幅WSが40mmである。また、
図6に示す実施例#3の生体情報測定用デバイス100は、長幅に対応する第2の幅WLが48mmであり、短幅に対応する第1の幅WSが37mmである。
【0037】
図6の一覧の「結果」は、デバイスを用いた測定の結果を示す。「被験者#1」は、第1の被験者の場合の測定の結果に対応する。「被験者#2」は、第2の被験者の場合の測定の結果に対応する。「被験者#3」は、第3の被験者の場合の測定の結果に対応する。このように、
図6では、3人の被験者を対象とした測定の結果を示す。被験者の体形や寝相により、浮きやすさが変わるため、
図6に示す測定では各条件で、被験者3名により、3日日間就寝中に着用評価を実施した。「結果」における判断方法では、就寝中に3割以上浮いた(接触が悪い)と判断した日が一日もなかった場合は浮きなしと判断し、3割以上浮いた(接触が悪い)と判断した日が1日でもあった場合は浮きありと判断した。
図6に示す「結果」において、「〇」は浮きなしを示し、「×」は浮きありを示す。なお、
図6に示す測定では、浮きの判断を接触センサにより行ったが、浮きの判断は接触センサを用いる方法に限らず、どのような方法でもよい。また、「結果」における「-」は、測定結果は未取得であることを示す。
【0038】
図6の一覧に示すように、生体情報測定用デバイス100に対応する実施例#1~#11の11個の測定結果では、「結果」が「×」となるものはなかった。また、従来のデバイスに対応する比較例#1、#2の2個の測定結果は、いずれも「結果」が「×」となるものが含まれた。例えば、従来のデバイスに対応する比較例#1の測定では、被験者#3の結果が「×」となった。また、従来のデバイスに対応する比較例#2の測定では、被験者#1~#3の全被験者の結果が「×」となった。このように、
図6に示す測定結果では、従来のデバイスでは測定が難しい場合があるが、実施例#1~#11の11個の各々に対応するサイズで構成した生体情報測定用デバイス100では、精度よく測定が可能であることが示された。
【0039】
図6の一覧に示すように、生体情報測定用デバイス100は、第1の曲率半径RWSを厚みTで除した値が6以下である第1条件、及び第2の曲率半径RWLを厚みTで除した値が10以下である第2条件の両方を満たすか、または第1の曲率半径RWSと第2の曲率半径RWLとの合算値を厚みTで除した値が17以下である第3の条件を満たすように構成されることが望ましい。
【0040】
なお、生体情報測定用デバイス100は、第1条件、第2条件及び第3条件の全てを満たすように構成されてもよい。また、生体情報測定用デバイス100は、第1の曲率半径RWS及び第2の曲率半径RWLのいずれも100以下であり、かつ、厚みTが10mm以上であるように構成されることが望ましい。
【0041】
上述した範囲のサイズで構成された生体情報測定用デバイス100は、温度センサ120の突出寸法を短縮し、皮膚へのめり込みを低減して装着感を向上させた場合でも、安定して精度良く皮膚温度を測定することが可能である。このように、生体情報測定用デバイス100は、測定時の違和感を抑制しつつ、精度よい測定を可能にすることができる。したがって、生体情報測定用デバイス100は、生体皮膚表面に温度センサ120を接触させて、生体情報を取得する際に、安定した接触状態の維持をするこが可能となる。
【0042】
なお、生体情報測定用デバイス100は、以下に示すようなデバイス形状の範囲が望ましい。大きさ(縦、横)、厚みは、装着した時の痛みや、違和感に影響するため、例えば、生体情報測定用デバイス100の縦(第2の幅WLに対応)は、20mm~60mmが好ましく、より好ましくは40mm~50mmである。また、生体情報測定用デバイス100の横(第1の幅WSに対応)は20mm~50mmが好ましく、より好ましくは30mm~40mmである。また、生体情報測定用デバイス100の厚み(厚みTに対応)は、7.5mm~20mmが好ましく、より好ましくは12mm~15mmである。
【0043】
また、センサのみ(筐体から露出しているセンサ部)の高さは、以下の範囲が望ましい。筐体から露出しているセンサ部の高さは、装着した時の痛みや、違和感に影響するため、例えば、生体情報測定用デバイス100の温度センサ120が露出している高さは、0.1mm~5.0mmが好ましく、より好ましくは0.5m~3.5mmである。
【0044】
(1-5.曲率半径の導出)
(1-5-1.2つの交点が同一の曲率半径にある場合)
ここから、曲率半径の導出(算出)について説明する。まず、
図7及び
図8を用いて、上述した例のように第1の筐体面111の中央部分から温度センサ120が露出している場合における曲率半径の導出の一例を説明する。
図7は、第1の交点及び第2の交点の一例を示す図である。
図8は、第3の交点及び第4の交点の一例を示す図である。
【0045】
なお、上述した内容と同様の点については、同様の符号を付すなどにより適宜説明を省略する。例えば、
図7に示す第1の幅WS、
図8に示す第2の幅WLは、上述した第1の幅WS、第2の幅WLと同様であるため説明を省略する。以下に示す交点の決め方としては、例えば
図7及び
図8に示すように、第1の筐体面111と温度センサ120で曲率半径を描く場合に最大となる点を交点とする。
【0046】
図7では、第1の幅WSの方向(第1の方向)に沿う第1の筐体面111の2つの交点(交点P1及び交点P2)を決める例を示す。
図7中の交点P1は、第1の方向に沿って温度センサ120の先端と第1の筐体面111とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線(
図7では曲線C1)で結んだ第1の筐体面111の交点である第1の交点に対応する。また、
図7中の交点P2は、第1の方向に沿って第1の交点である交点P1と温度センサ120を挟む位置にあり、温度センサ120の先端と第1の筐体面111とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線(
図7では曲線C1)で結んだ交点である第2の交点に対応する。
【0047】
このように、
図7の例では、第1の曲線及び第2の曲線が同一の曲線C1となる場合を示し、第1の交点である交点P1と、第2の交点である交点P2とが同じ曲率半径上にある。そのため、
図7の例では、曲線C1の曲率半径を第1の曲率半径RWSとする。
【0048】
図8では、第2の幅WLの方向(第2の方向)に沿う第1の筐体面111の2つの交点(交点P3及び交点P4)を決める例を示す。
図8中の交点P3は、第2の方向に沿って温度センサ120の先端と第1の筐体面111とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線(
図8では曲線C3)で結んだ第1の筐体面111の交点である第3の交点に対応する。また、
図8中の交点P4は、第3の方向に沿って第3の交点である交点P3と温度センサ120を挟む位置にあり、温度センサ120の先端と第1の筐体面111とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線(
図8では曲線C3)で結んだ交点である第4の交点に対応する。
【0049】
このように、
図8の例では、第3の曲線及び第4の曲線が同一の曲線C3となる場合を示し、第3の交点である交点P3と、第4の交点である交点P4とが同じ曲率半径上にある。そのため、
図8の例では、曲線C3の曲率半径を第2の曲率半径RWLとする。
【0050】
また、温度センサ120の露出位置が第1の筐体面111の中央部分でない場合であっても、第1の交点である交点P1と、第2の交点である交点P2とが同じ曲率半径上にあれば、
図7に示す場合と同様に、曲線C1の曲率半径を第1の曲率半径RWSとする。この場合の例を
図9に示す。
図9は、第1の交点及び第2の交点の他の一例を示す図である。
【0051】
図9では、第1の幅WSの方向(第1の方向)の一方に寄せて温度センサ120が配置される場合を示す。なお、曲線C1の導出等については、
図7と同様であるため詳細な説明は省略する。また、第2の幅WLの方向(第2の方向)の一方に寄せて温度センサ120が配置される場合であっても、第3の交点と第4の交点とが同じ曲率半径上にあれば、
図8に示す場合と同様に、第3の曲線(
図8では曲線C3)の曲率半径を第2の曲率半径RWLとする。
【0052】
(1-5-2.2つの交点が同一の曲率半径にない場合)
また、2つの交点が同一の曲率半径にない場合、各交点に対応する曲線の曲率半径のうち、最大のものを曲率半径として用いる。この点について、
図10を用いて説明する。
図10は、第1の交点及び第2の交点が同じ曲率半径上にない場合を示す図である。
【0053】
図10では、第1の幅WSの方向(第1の方向)に沿う第1の筐体面111の2つの交点(交点P1及び交点P2)を決める例を示す。
図10中の交点P1は、第1の方向に沿って温度センサ120の先端と第1の筐体面111とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線(
図10では曲線C1)で結んだ第1の筐体面111の交点である第1の交点に対応する。また、
図10中の交点P2は、第1の方向に沿って第1の交点である交点P1と温度センサ120を挟む位置にあり、温度センサ120の先端と第1の筐体面111とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線(
図10では曲線C2)で結んだ交点である第2の交点に対応する。
【0054】
このように、
図10の例では、第1の曲線である曲線C1と、第2の曲線である曲線C2とが異なる場合を示し、第1の交点である交点P1と、第2の交点である交点P2とが同じ曲率半径上にはない。そのため、曲線C1の曲率半径と曲線C2の曲率半径のうち、最大の曲率半径が第1の曲率半径RWSとなる。
図10の例では、曲線C1の曲率半径の方が曲線C2の曲率半径よりも大きいため、曲線C1の曲率半径が第1の曲率半径RWSとなる。
【0055】
なお、2つの交点が同一の曲率半径にない場合における第2の幅WLの方向(第2の方向)の曲率半径(第2の曲率半径RWL)の導出についても、
図10に示す第1の曲率半径RWSの導出と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0056】
(1-6.支持体)
上述したように生体情報測定用デバイス100においては、筐体110を指示する支持体130が用いられてもよい。この点について、
図11を用いて説明する。
図11は、支持体の一例を示す図である。例えば、
図11は、支持体130が設けられた生体情報測定用デバイス100を側面視した図である。
【0057】
図11に示すように、支持体130は、第2の筐体面112側に重ねて配置される。
図11のように支持体130が設けられる場合、厚みTは、第2の筐体面112と対向する面の反対側の面である支持体130の底面から温度センサ120の先端までの長さに対応する。
【0058】
支持体130は、樹脂等の任意の材料により形成される固定用ベルトなどであってもよいし、衣類などの保持部分にブラジャーのパッドのように追加されてもよいし、もともと衣類の生地を厚めに作製する方法で構成されてもよい。例えば、支持体130は、
図6で説明したパッドであってもよい。例えば、生体情報測定用デバイス100は、下着200のような部材によりユーザ10の胴体部11に配置(装着)されるので、生体情報測定用デバイス100には支持体130等の生地の厚みが加わる。したがって、厚みTは、その厚みを考慮した厚みであってもよい。例えば、筐体110に支持体130が重ねて配置される場合、厚みTは、支持体130の厚みを加味した厚みとしてもよい。例えば、デバイスの厚み確保のために、支持体130を装着部側に筐体110に重ねて配置し、デバイスの厚みが確保されてもよい。
【0059】
(1-6-1.支持体を設けた生体情報測定用デバイスの配置例)
ここで、
図12を用いて、ユーザ10の胴体部11への配置態様の一例を説明する。
図12は、生体情報測定用デバイスの配置の他の一例を示す図である。
図12では、支持体130の配置前の下着200を「下着200
11」と記載し、支持体130のみ配置された状態の下着200を「下着200
12」と記載し、生体情報測定用デバイス100の配置後の下着200を「下着200
13」と記載する。なお、生体情報測定用デバイス100の配置前の下着200
11、下着200
12及び下着200
13について、特に区別せずに説明する場合は「下着200」と記載する。なお、
図3等、上述した内容と同様の点については適宜説明を省略する。
【0060】
図12の下着200
12に示すように、下着200は、支持体130を保持部210に保持する。また、
図12の下着200
13に示すように、下着200は、支持体130に重ねて、生体情報測定用デバイス100を保持部210に保持する。例えば、下着200は、支持体130側へ第2の筐体面112を向け、第1の筐体面111を開口部211側へ向けて生体情報測定用デバイス100を保持部210に保持する。これにより、生体情報測定用デバイス100は、温度センサ120を開口部211から露出させて、保持部210に保持される。生体情報測定用デバイス100の配置後の下着200(下着200
13)がユーザ10の胴体部11へ装着され、温度センサ120がユーザ10の胴体部11へ接触することにより、生体情報測定用デバイス100は、ユーザ10の体温(温度)を検知する。なお、
図12に示す配置態様は一例に過ぎず、ユーザ10の胴体部11への生体情報測定用デバイス100の配置態様はどのような態様であってもよい。
【0061】
(1-7.直線を用いた曲率半径の導出)
曲率半径の導出は、上記した例に限られず、曲率半径は、直線を用いて導出されてもよい。この点について以下説明する。まず、
図13及び
図14を用いて、曲率半径の導出における温度センサ120に関する点について説明する。
図13は、温度センサの先端の一例を示す図である。
図14は、温度センサの先端を通る直線の一例を示す図である。なお、上述した内容と同様の点については適宜説明を省略する。
【0062】
図13に示すように、温度センサ120の先端(面)の中心を通り筐体110の厚み方向に沿う線M1と、温度センサ120の最表面(先端面)に沿う線F1との交点が温度センサ120の先端点MPに決定される。また、
図14に示すように、先端点MPを通る直線Lを第1の筐体面111に近づくように傾けていくことにより、直線Lと第1の筐体面111との交点が決定される。
図14では、一方(
図14では左側)を下げるように直線Lを傾けていき、点線で示す直線Lが第1の筐体面111に接した箇所(点)が交点として用いられる。
【0063】
まず、
図15及び
図16を用いて、第1の幅WSの方向(第1の方向)に沿う第1の筐体面111の2つの交点(交点P1及び交点P2)を、直線を用いて決める例を示す。
図15は、直線により決定される第1の交点及び第2の交点の一例を示す図である。
図16は、第1の曲率半径の導出の他の一例を示す図である。
【0064】
図15中の交点P1は、第1の方向に沿って温度センサ120の先端点MPと第1の筐体面111とを通る直線L1で結んだ第1の筐体面111の交点である第1の交点に対応する。例えば、
図15では、先端点MPを通る直線L1を、一方(
図15では左側)を下げて第1の筐体面111に近づくように傾けていくことにより、直線L1と第1の筐体面111との交点P1が決定される。
【0065】
また、
図15中の交点P2は、第1の方向に沿って第1の交点である交点P1と温度センサ120を挟む位置にあり、温度センサ120の先端点MPと第1の筐体面111とを通る直線L2で結んだ交点である第2の交点に対応する。例えば、
図15では、先端点MPを通る直線L2を、他方(
図15では右側)を下げて第1の筐体面111に近づくように傾けていくことにより、直線L2と第1の筐体面111との交点P2が決定される。
【0066】
図16では、
図15に示すように決定した交点P1及び交点P2を用いて、第1の曲率半径RWSを導出する。
図16では、第1の方向に沿って温度センサ120の先端点MPと交点P1とを通る第1の曲線と、第1の方向に沿って温度センサ120の先端点MPと交点P2とを通る第2の曲線とが同一の曲線C1となる。このように、
図16の例では、第1の曲線及び第2の曲線が同一の曲線C1となる場合を示し、第1の交点である交点P1と、第2の交点である交点P2とが同じ曲率半径上にある。そのため、
図16の例では、曲線C1の曲率半径を第1の曲率半径RWSとする。
【0067】
次に、
図17及び
図18を用いて、第2の幅WLの方向(第2の方向)に沿う第1の筐体面111の2つの交点(交点P3及び交点P4)を、直線を用いて決める例を示す。
図17は、直線により決定される第3の交点及び第4の交点の一例を示す図である。
図18は、第2の曲率半径の導出の他の一例を示す図である。
【0068】
図17中の交点P3は、第2の方向に沿って温度センサ120の先端点MPと第1の筐体面111とを通る直線L3で結んだ第1の筐体面111の交点である第3の交点に対応する。例えば、
図17では、先端点MPを通る直線L3を、一方(
図17では左側)を下げて第1の筐体面111に近づくように傾けていくことにより、直線L3と第1の筐体面111との交点P3が決定される。
【0069】
また、
図17中の交点P4は、第2の方向に沿って第3の交点である交点P3と温度センサ120を挟む位置にあり、温度センサ120の先端点MPと第1の筐体面111とを通る直線L4で結んだ交点である第4の交点に対応する。例えば、
図17では、先端点MPを通る直線L4を、他方(
図17では右側)を下げて第1の筐体面111に近づくように傾けていくことにより、直線L4と第1の筐体面111との交点P4が決定される。
【0070】
図18では、
図17に示すように決定した交点P3及び交点P4を用いて、第2の曲率半径RWLを導出する。
図18では、第2の方向に沿って温度センサ120の先端点MPと交点P3とを通る第3の曲線と、第2の方向に沿って温度センサ120の先端点MPと交点P4とを通る第4の曲線とが同一の曲線C3となる。このように、
図18の例では、第3の曲線及び第4の曲線が同一の曲線C3となる場合を示し、第3の交点である交点P3と、第4の交点である交点P4とが同じ曲率半径上にある。そのため、
図18の例では、曲線C3の曲率半径を第2の曲率半径RWLとする。
【0071】
なお、2つの交点が同一の曲率半径にない場合における第1の曲率半径RWS及び第2の曲率半径RWLの導出は、直線を用いて交点を決定する点以外は、
図10で説明した導出と同様であるため詳細な説明を省略する。
【0072】
(2.その他の実施形態)
上述した実施形態に係る処理は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。例えば、上述した実施形態では、生体情報測定用デバイス100をユーザ10の胸部に配置してセンシングを行う場合を一例として説明したが、生体情報測定用デバイス100は、ユーザ10の胸部に限らず様々な部位に配置されてもよい。このように、生体情報測定用デバイス100は、ユーザ10の胸部に限らず、様々な部位の皮膚表面をセンシングしてもよい。上述した例では、ユーザの胸部のうち、胸部の中央部分(前胸部と心窩部との間の箇所)を体温(温度)の測定の対象とした場合を示したが、体温(温度)の測定の対象とする胸部は上記に限られない。例えば、生体情報測定用デバイス100は、前胸部、側胸部、腋窩(脇の下)、季肋部、心窩部、乳房等を含む任意の箇所を体温(温度)の測定の対象としてもよい。また、生体情報測定用デバイス100は、ユーザの胸部に限らず、ユーザの胴体部を体温(温度)の測定の対象としてもよい。例えば、生体情報測定用デバイス100は、ユーザの腹部を体温(温度)の測定の対象としてもよい。なお、上述した体温(温度)の測定の対象は一例に過ぎず、生体情報測定用デバイス100が体温(温度)を測定可能なユーザの身体的部位であれば、どのような部位でもよい。
【0073】
例えば、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0074】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0075】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0076】
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0077】
(3.本開示に係る生体情報測定用デバイスの効果)
上述してきたように、本開示に係る生体情報測定用デバイス(実施形態では生体情報測定用デバイス100)は、ユーザ(実施形態ではユーザ10)の胴体部(実施形態では胴体部11)を測定の対象とした温度センサ(実施形態では温度センサ120)が露出する第1の筐体面(実施形態では第1の筐体面111)を有し、測定の際に第1の筐体面を胴体部に向けて配置される生体情報測定用デバイスであって、測定の際にユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、第1の方向と交差し、ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、第1の方向に沿って温度センサの先端と第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線(実施形態では曲線C1)で結んだ第1の筐体面の交点を第1の交点(実施形態では交点P1)とし、第1の方向に沿って第1の交点と温度センサを挟む位置にあり、温度センサの先端と第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線(実施形態では曲線C1または曲線C2)で結んだ交点を第2の交点(実施形態では交点P2)とした際に、第1の曲線の曲率半径及び第2の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第1の曲率半径RWSと、第1の方向及び第2の方向に直交する第3の方向における温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTとの関係を示す式1、第2の方向に沿って温度センサの先端と第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線(実施形態では曲線C3)で結んだ第1の筐体面の交点を第3の交点(実施形態では交点P3)とし、第2の方向に沿って第3の交点と温度センサを挟む位置にあり、温度センサの先端と第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線(実施形態では曲線C3または曲線C4)で結んだ交点を第4の交点(実施形態では交点P4)とした際に、第3の曲線の曲率半径及び第4の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第2の曲率半径RWLと、厚みTとの関係を示す式2、及び第1の曲率半径RWS及び第2の曲率半径RWLの合計と厚みTとの関係を示す式3のうち、少なくとも式1及び式2を満たすか、または式3を満たす。
【0078】
また、生体情報測定用デバイスは、ユーザの胴体部を測定の対象とした温度センサが露出する第1の筐体面を有し、測定の際に第1の筐体面を胴体部に向けて配置される生体情報測定用デバイスであって、測定の際にユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、第1の方向と交差し、ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、第1の方向に沿って温度センサの先端と第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線で結んだ第1の筐体面の交点を第1の交点とし、第1の方向に沿って第1の交点と温度センサを挟む位置にあり、温度センサの先端と第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線で結んだ交点を第2の交点とした際に、第1の曲線の曲率半径及び第2の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径を第1の曲率半径RWSとし、第2の方向に沿って温度センサの先端と第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線で結んだ第1の筐体面の交点を第3の交点とし、第2の方向に沿って第3の交点と温度センサを挟む位置にあり、温度センサの先端と第1の筐体面とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線で結んだ交点を第4の交点とした際に、第3の曲線の曲率半径及び第4の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径を第2の曲率半径RWLとした場合、第1の曲率半径RWS及び第2の曲率半径RWLのいずれも100以下であり、かつ、第1の方向及び第2の方向に直交する第3の方向における温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTが10mm以上である。
【0079】
また、生体情報測定用デバイスは、ユーザの胴体部を測定の対象とした温度センサが露出する第1の筐体面を有し、測定の際に第1の筐体面を胴体部に向けて配置される生体情報測定用デバイスであって、測定の際にユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、第1の方向と交差し、ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、第1の方向に沿って温度センサの先端と第1の筐体面とを通る直線(実施形態では直線L1)で結んだ第1の筐体面の交点を第1の交点とし、第1の方向に沿って第1の交点と温度センサを挟む位置にあり、温度センサの先端と第1の筐体面とを通る直線(実施形態では直線L2)で結んだ交点を第2の交点とした際に、温度センサの先端と第1の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線の曲率半径、及び温度センサの先端と第2の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第1の曲率半径RWSと、第1の方向及び第2の方向に直交する第3の方向における温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTとの関係を示す式1、第2の方向に沿って温度センサの先端と第1の筐体面とを通る直線(実施形態では直線L3)で結んだ第1の筐体面の交点を第3の交点とし、第2の方向に沿って第3の交点と温度センサを挟む位置にあり、温度センサの先端と第1の筐体面とを通る直線(実施形態では直線L4)で結んだ交点を第4の交点とした際に、温度センサの先端と第3の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線の曲率半径、及び温度センサの先端と第4の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径である第2の曲率半径RWLと、厚みTとの関係を示す式2、及び第1の曲率半径RWS及び第2の曲率半径RWLの合計と厚みTとの関係を示す式3のうち、少なくとも式1及び式2を満たすか、または式3を満たす。
【0080】
また、生体情報測定用デバイスは、ユーザの胴体部を測定の対象とした温度センサが露出する第1の筐体面を有し、測定の際に第1の筐体面を胴体部に向けて配置される生体情報測定用デバイスであって、測定の際にユーザの幅方向に沿う第1の方向の幅を第1の幅WSとし、第1の方向と交差し、ユーザの身長方向に沿う第2の方向の幅を第2の幅WLとした場合、第1の方向に沿って温度センサの先端と第1の筐体面とを通る直線で結んだ第1の筐体面の交点を第1の交点とし、第1の方向に沿って第1の交点と温度センサを挟む位置にあり、温度センサの先端と第1の筐体面とを通る直線で結んだ交点を第2の交点とした際に、温度センサの先端と第1の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第1の曲線の曲率半径、及び温度センサの先端と第2の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第2の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径を第1の曲率半径RWSとし、第2の方向に沿って温度センサの先端と第1の筐体面とを通る直線で結んだ第1の筐体面の交点を第3の交点とし、第2の方向に沿って第3の交点と温度センサを挟む位置にあり、温度センサの先端と第1の筐体面とを通る直線で結んだ交点を第4の交点とした際に、温度センサの先端と第3の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第3の曲線の曲率半径、及び温度センサの先端と第4の交点とを通る最大の曲率半径の曲線である第4の曲線の曲率半径のうち最大の曲率半径を第2の曲率半径RWLとした場合、第1の曲率半径RWS及び第2の曲率半径RWLのいずれも100以下であり、かつ、第1の方向及び第2の方向に直交する第3の方向における温度センサの先端を含む長さに対応する厚みTが10mm以上である。
【0081】
上記のように、本開示に係る生体情報測定用デバイスは、第1の幅WSと温度センサの先端の突出した部分の長さとに基づく第1の曲率半径RWS、第2の幅WLと温度センサの先端の突出した部分の長さとに基づく第2の曲率半径RWL、及び厚み方向の長さに対応する厚みTの関係を基に、ユーザに与える違和感を抑制しつつ、精度良く温度測定ができるサイズ、形状が規定される。これにより、生体情報測定用デバイスは、測定時の違和感を抑制しつつ、精度よい測定を可能にすることができる。
【0082】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 生体情報測定用デバイス
110 筐体
111 第1の筐体面
112 第2の筐体面
120 温度センサ
130 支持体
WS 第1の幅
WL 第2の幅
RWS 第1の曲率半径
RWL 第2の曲率半径
T 厚み