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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146710
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】エア搬送装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 53/66 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
B65G53/66 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054050
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】井川 弘大
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 大輝
(72)【発明者】
【氏名】田中 遥子
【テーマコード(参考)】
3F047
【Fターム(参考)】
3F047AA03
3F047AA12
3F047AB02
3F047CC01
3F047CC04
(57)【要約】
【課題】搬送物の詰まりを抑止できるエア搬送装置の提供。
【解決手段】搬送物を送り出すロータリーバルブ4と、ロータリーバルブ4から送り出された搬送物を空気搬送する搬送手段5と、搬送手段5の搬送経路内が搬送物で塞がれた閉塞状態を検知する閉塞検知手段6と、ロータリーバルブ4のローター40の回転速度を制御する回転速度制御手段7とを備え、回転速度制御手段7は、閉塞検知手段6が閉塞状態を検知していない閉塞非検知状態と、閉塞検知手段6が閉塞状態を検知している閉塞検知状態とでロータリーバルブ4のローター40の回転速度を切り替え、閉塞非検知状態の場合に第1の基準速度又は第1の基準速度より遅い第2の基準速度を回転速度に設定し、閉塞検知状態の場合に第1の基準速度と第2の基準速度よりも遅い低速度を回転速度に設定する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物が投入されるホッパと、
前記ホッパ内の前記搬送物を送り出すロータリーバルブと、
前記ロータリーバルブから送り出された前記搬送物を空気搬送する搬送手段と、
前記搬送手段における前記搬送物の搬送経路内が前記搬送物により塞がれている閉塞状態を検知する閉塞検知手段と、
前記ロータリーバルブのローターの回転速度を制御する回転速度制御手段と、を備え、
前記回転速度制御手段は、前記閉塞検知手段が前記閉塞状態を検知していない閉塞非検知状態である場合と、前記閉塞検知手段が前記閉塞状態を検知している閉塞検知状態である場合とで前記ロータリーバルブのローターの回転速度を切り替えるように構成され、前記閉塞検知手段が前記閉塞非検知状態である場合は、前記回転速度として第1の基準速度と第1の基準速度よりも遅い第2の基準速度のうちの何れか一方の速度を設定し、前記閉塞検知手段が前記閉塞検知状態である場合は、前記回転速度として前記第1の基準速度と前記第2の基準速度よりも遅い低速度を設定する、
エア搬送装置。
【請求項2】
前記回転速度制御手段は、
前記閉塞検知手段が前記閉塞非検知状態であると前記回転速度を前記第1の基準速度に設定し、前記閉塞検知手段が前記閉塞検知状態であると前記回転速度を前記低速度に設定する第1の切替処理と、
前記閉塞検知手段が前記閉塞非検知状態であると前記回転速度を前記第2の基準速度に設定し、前記閉塞検知手段が前記閉塞検知状態であると前記回転速度を前記低速度に設定する第2の切替処理と、を実行可能であり、
実行する処理を、前記ロータリーバルブの駆動中に前記第1の切替処理又は前記第2の切替処理に変更可能である、
請求項1に記載のエア搬送装置。
【請求項3】
前記回転速度制御手段は、
前記第1の基準速度Vn1と、前記低速度Vc1とに基づいて、下式(1)により前記第2の基準速度Vn2を導出するように構成される、
請求項1、又は請求項2に記載のエア搬送装置。
【数1】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気搬送を行うエア搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、特許文献1に開示されているような、粉粒体を空気搬送するエア搬送装置(移送装置)が知られている。
【0003】
前記移送装置は、搬送物としての粉粒体が投入されるサイロ本体と、サイロ本体から排出される粉粒体を受け入れるロータリーフィーダーと、粉粒体を搬送するための空気を発生させるルーツブロアーと、ロータリーフィーダーから送り出される粉粒体とルーツブロアーで発生させた空気とが供給される移送配管と、ロータリーフィーダーの回転数を制御する制御装置とを備えており、サイロ本体から移送配管に送り出された粉粒体がルーツブロアーで発生させた空気の流れに乗って搬送されるようになっている。
【0004】
また、前記移送装置では、移送配管内の圧力が規定値よりも高くなると制御装置がロータリーフィーダーの回転数を下げ、移送配管内の圧力が規定値よりも低くなると制御装置がロータリーフィーダーの回転数を上げるように構成されている。
【0005】
そのため、前記移送装置は、移送配管内が粉粒体によって閉塞されても、制御装置がロータリーフィーダーの回転数を下げることによって、移送配管内が粉粒体で閉塞されている状態を解除できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-334875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記従来の移送装置では、制御装置によってロータリーフィーダーの回転数を下げることで移送配管内が粉粒体で閉塞されている状態を解除できたとしても、ロータリーフィーダーの回転数が元に戻れば再び移送配管内が粉粒体で閉塞される傾向が高いため、移送配管内が搬送物で閉塞される頻度が高くなることで搬送物の搬送効率が低下することが問題となっている。
【0008】
そこで、本発明は、かかる実情に鑑み、搬送効率の低下を防止できるエア搬送装置の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のエア搬送装置は、
搬送物が投入されるホッパと、
前記ホッパ内の前記搬送物を送り出すロータリーバルブと、
前記ロータリーバルブから送り出された前記搬送物を空気搬送する搬送手段と、
前記搬送手段における前記搬送物の搬送経路内が前記搬送物により塞がれている閉塞状態を検知する閉塞検知手段と、
前記ロータリーバルブのローターの回転速度を制御する回転速度制御手段と、を備え、
前記回転速度制御手段は、前記閉塞検知手段が前記閉塞状態を検知していない閉塞非検知状態である場合と、前記閉塞検知手段が前記閉塞状態を検知している閉塞検知状態である場合とで前記ロータリーバルブのローターの回転速度を切り替えるように構成され、前記閉塞検知手段が前記閉塞非検知状態である場合は、前記回転速度として第1の基準速度と第1の基準速度よりも遅い第2の基準速度のうちの何れか一方の速度を設定し、前記閉塞検知手段が前記閉塞検知状態である場合は、前記回転速度として前記第1の基準速度と前記第2の基準速度よりも遅い低速度を設定する。
【0010】
上記構成のエア搬送装置では、搬送経路が閉塞状態であると、閉塞検知手段が閉塞検知状態になる。
【0011】
閉塞検知手段が閉塞検知状態である場合、ローターの回転速度は、回転速度制御手段によって第1の基準速度及び第2の基準速度よりも遅い低速度に設定されるため、ロータリーバルブから送り出される搬送物の量が制限され、これにより、搬送経路の閉塞状態が解除されるようになっている。
【0012】
また、前記エア搬送装置では、搬送経路が搬送物によって閉塞されていない状態(平常状態)であると、閉塞検知手段が閉塞非検知状態になる。
【0013】
閉塞検知手段が閉塞非検知状態である場合に設定できる第2の基準速度は、低速度よりも速く且つ第1の基準速度よりも遅い速度であるため、閉塞検知手段が閉塞非検知状態である場合にローターの回転速度を第2の基準速度に設定すれば、閉塞状態に陥りにくい状態でロータリーバルブから送り出される搬送物の量を増加させることができる。
【0014】
このように、前記エア搬送装置は、搬送物が搬送経路内を閉塞する頻度を下げることによって搬送効率の低下を防止できるようになっている。
【0015】
本発明のエア搬送装置において、
前記回転速度制御手段は、
前記閉塞検知手段が前記閉塞非検知状態であると前記回転速度を前記第1の基準速度に設定し、前記閉塞検知手段が前記閉塞検知状態であると前記回転速度を前記低速度に設定する第1の切替処理と、
前記閉塞検知手段が前記閉塞非検知状態であると前記回転速度を前記第2の基準速度に設定し、前記閉塞検知手段が前記閉塞検知状態であると前記回転速度を前記低速度に設定する第2の切替処理と、を実行可能であり、
実行する処理を、前記ロータリーバルブの駆動中に前記第1の切替処理又は前記第2の切替処理に変更可能であるようにしてもよい。
【0016】
上記構成のエア搬送装置によれば、搬送物の搬送を停止させずにロータリーバルブの駆動(運転)の仕方を変更できるため、搬送物の搬送効率の低下を抑制することができる。
【0017】
本発明のエア搬送装置において、
前記回転速度制御手段は、
前記第1の基準速度Vn1と、前記低速度Vc1とに基づいて、下式(1)により前記第2の基準速度Vn2を導出するように構成されていてもよい。
【0018】
【数1】
【0019】
このようにすれば、第1の基準速度よりも低速度に近い回転速度でローターを回転させることができるため、搬送物が搬送経路内を閉塞する頻度を下げやすくなる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、本発明のエア搬送装置は、搬送効率の低下を防止できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るエア搬送装置の正面側の斜視図である。
図2図2は、同実施形態に係るエア搬送装置の背面側の斜視図である。
図3図3は、同実施形態に係るエア搬送装置の内部を右側面から見た図である。
図4図4は、同実施形態に係るエア搬送装置の内部を正面から見た図である。
図5図5は、同実施形態に係るエア搬送装置のホッパとロータリーバルブの拡大図である。
図6図6は、同実施形態に係るエア搬送装置の動作状態の説明図であって、基準モード時のローターの回転速度の推移の説明図である。
図7図7は、同実施形態に係るエア搬送装置の動作状態の説明図であって、低速モード時のローターの回転速度の推移の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態にかかるエア搬送装置について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0023】
本実施形態に係るエア搬送装置1は、図1図2に示すように、筐体2と、図3に示すように、筐体2に取り付けられており、搬送物が投入されるホッパ3と、ホッパ3に投入された搬送物を送り出すロータリーバルブ4と、ロータリーバルブ4から送り出された搬送物を空気搬送する搬送手段5と、図5に示すように、搬送手段における搬送物の搬送経路内が搬送物により塞がれている閉塞状態を検知する閉塞検知手段6と、ロータリーバルブ4のローター40の回転速度を制御する回転速度制御手段7と、を備えている。
【0024】
なお、搬送物とは、例えば、木材のペレット等のことである。
【0025】
ロータリーバルブ4は、前記ローター40と、ローター40を内装するハウジング41と、ローター40を回転させる駆動装置42(例えば、モーター等)と、を有する。
【0026】
ハウジング41には、ホッパ3内の搬送物を受け入れる受入口410と、搬送手段5に送り出される搬送物が通過する送出口411とが形成されている。
【0027】
本実施形態の搬送手段5は、図4に示すように、搬送物を搬送する空気を発生させる空気発生装置50と、ロータリーバルブ4から送り出された搬送物が投入される投入口510、及び空気発生装置50で発生させた空気が送り込まれる給気口511、空気とともに搬送物を排出する排出口512を有する混相機51と、空気発生装置50と給気口511とに接続される送風管52と、混相機51の排出口512に接続される排出管53と、を有する。
【0028】
搬送手段5の搬送経路とは、排出口512と排出管53の内部の空間とで形成される経路のことであり、閉塞状態とは排出口512や排出管53の内部で搬送物が滞留している状態のことである。
【0029】
搬送経路が閉塞状態になっていない平常状態である場合、ロータリーバルブ4から混相機51に送り出された搬送物は、空気発生装置50で発生させた空気の流れに乗って排出管53を通じて外部に排出される。
【0030】
一方で、搬送経路が閉塞状態である場合は、搬送経路内での搬送物の流れが滞るため、ロータリーバルブ4から送り出された搬送物が排出管53から外部に排出されにくくなり搬送経路内に堆積し易くなる。
【0031】
閉塞検知手段6は、図5に示すように、閉塞状態を検知するように構成されている。以下の説明において、閉塞検知手段6が閉塞状態を検知している状態を閉塞検知状態、閉塞検知手段6が閉塞状態を検知していない状態を閉塞非検知状態、と称する。
【0032】
閉塞検知手段6は、例えば、送風管52の内部の圧力を検出する圧力センサを有するように構成されていていればよい。このようにする場合、搬送経路が閉塞状態に陥ったことを検出する際の基準とする圧力基準値を設定し、送風管52の内部の圧力が圧力基準値を超えると、搬送経路が閉塞状態に陥ったことを示す信号を出力するように構成されていればよい。
【0033】
回転速度制御手段7は、閉塞検知手段6が閉塞非検知状態である場合と、閉塞検知手段6が閉塞検知状態である場合とでロータリーバルブ4のローター40の回転速度を切り替えるように構成されている。
【0034】
より具体的に説明すると、回転速度制御手段7は、閉塞検知手段6が閉塞非検知状態である場合は、回転速度として第1の基準速度と基準速度よりも遅い第2の基準速度のうちの何れか一方の速度を設定し 、閉塞検知手段6が閉塞検知状態である場合は、回転速度として第1の基準速度と第2の基準速度よりも遅い低速度を設定する。
【0035】
なお、回転速度制御手段7は、第1の基準速度と低速度とに基づいて第2の基準速度を設定するように構成されており、第1の基準速度をVn1、低速度をVc1、第2の基準速度をVn2とした場合、下式(1)によって第2の基準速度Vn2を導出して設定するように構成されている。
【0036】
【数2】
【0037】
回転速度制御手段7は、閉塞検知手段6が閉塞検知状態である場合のローター40の回転速度低速度に設定可能である。
【0038】
本実施形態の回転速度制御手段7は、ローター40の回転速度を制御するモードとして、閉塞検知手段6が閉塞非検知状態である場合のローター40の回転速度を第1の基準速度に設定し、且つ閉塞検知手段6が閉塞検知状態である場合のローター40の回転速度を低速度に設定する第1の切替処理(基準モードと称する)と、閉塞検知手段6が閉塞非検知状態である場合のローター40の回転速度を第2の基準速度に設定し、且つ閉塞検知手段6が閉塞検知状態である場合のローター40の回転速度を低速度に設定する第2の切替処理(低速モードと称する)とを実行可能であり、実行する処理(モード)を基準モード又は低速モードに変更可能である。
【0039】
なお、基準モードの低速度と低速モードの低速度とは、同じ速度であっても異なる速度であってもよいが、本実施形態では同じ速度となっている。本実施形態では、基準モードの低速度を第1の低速度と称し、低速モードの低速度を第2の低速度と称する。
【0040】
また、回転速度制御手段7は、基準モードと低速モードのうち実行する方の処理を自動的に変更できるように構成されていてもよいし、基準モードと低速モードのうち実行する方の処理を手動で変更できるように構成されていてもよい。
【0041】
本実施形態に係るエア搬送装置1の構成は、以上の通りである。続いて、エア搬送装置1の動作を説明する。
【0042】
回転速度制御手段7のモードとして基準モードが選択されている場合、搬送経路が平常状態であれば、閉塞検知手段6が閉塞非検知状態に切り替わっており、ローター40の回転速度には第1の基準速度Vn1が設定されている(図6のt1までの区間参照)。
【0043】
そして、搬送経路が平常状態から閉塞状態に切り替わると、閉塞検知手段6が閉塞非検知状態から閉塞検知状態に切り替わり、ローター40の回転速度には第1の低速度Vc1が設定される(図6のt1からt2までの区間参照)。
【0044】
搬送経路が閉塞状態から平常状態に戻ると、閉塞検知手段6が閉塞検知状態から閉塞非検知状態に切り替わり、ローター40の回転速度には再び第1の基準速度が設定される(図6のt2以降の区間参照)。
【0045】
回転速度制御手段7のモードとして低速モードが選択されている場合は、搬送経路が閉塞状態であれば、閉塞検知手段6が閉塞検知状態に切り替わっており、ローター40の回転速度には第2の低速度Vc2が設定されている(図7のt3までの区間参照)。
【0046】
そして、搬送経路が閉塞状態から平常状態に戻ると、閉塞検知手段6が閉塞検知状態から閉塞非検知状態に切り替わり、ローター40の回転速度には第2の基準速度Vn2が設定される(図7のt3以降の区間参照)。
【0047】
以上のように、本実施形態に係るエア搬送装置1によれば、搬送経路が閉塞状態である場合は閉塞検知手段が閉塞検知状態になり、ローター40の回転速度が回転速度制御手段7によって第1の基準速度Vn1及び第2の基準速度Vn2よりも遅い低速度(基準モードにおいては第1の低速度Vc1、低速モードにおいては第2の低速度Vc2)に設定されるため、ロータリーバルブ4から送り出される搬送物の量が制限され、これにより、搬送経路の閉塞状態が解除されるようになっている。
【0048】
また、エア搬送装置1では、搬送経路が搬送物によって閉塞されていない状態(平常状態)であると、閉塞検知手段が閉塞非検知状態になり、この場合においては、ローターの回転速度を第1の基準速度Vn1、又は低速度(第1の低速度Vc1、及び第2の低速度Vc2)よりも速く且つ第1の基準速度Vn1よりも遅い第2の基準速度Vn2に設定可能である
【0049】
本実施形態では、回転速度制御手段7により低速モードが選択されていれば、閉塞検知手段6が閉塞非検知状態である場合にローター40の回転速度が第2の基準速度Vn2に設定されるため、第2の低速度Vc2でローター40を回転させている状態よりもロータリーバルブ4から送り出される搬送物の量を増加させることができる。
【0050】
そのため、例えば、搬送経路が閉塞状態に陥りやすい環境である場合は、回転速度制御手段7で低速モードを選択しておけば、基準モードでローター40を回転させている状態に比べて搬送経路が閉塞状態に陥りにくくなり、また、搬送経路が閉塞状態から平常状態に復帰した後においては閉塞状態が再発しにくくなる。
【0051】
このように、エア搬送装置1は、搬送物が搬送経路内を閉塞する頻度を下げることによって搬送効率の低下を防止できるという優れた効果を奏し得る。
【0052】
また、回転速度制御手段7は、第1の基準速度Vn1と、第1の低速度Vc1とに基づいて、上式(1)により第2の基準速度Vn2を導出して設定するように構成されているため、第1の基準速度Vn1よりも第2の低速度Vc2に近い回転速度でローター40を回転させることができ、これにより、搬送物が搬送経路内を閉塞する頻度を下げやすくなる。
【0053】
なお、本発明に係るエア搬送装置1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0054】
上記実施形態において、閉塞検知手段6は、送風管52の内部の圧力に基づいてロータリーバルブ4の閉塞状態を検出するように構成されていたが、この構成に限定されない。閉塞検知手段6は、例えば、駆動装置42の負荷に基づいてロータリーバルブ4の閉塞状態を検出するように構成されていてもよい。
【0055】
上記実施形態の回転速度制御手段7は、ローター40の回転速度を制御するモードとして基準モードと低速モードの何れかのモードを選択可能とすることによって、閉塞検知手段6が閉塞非検知状態である場合に設定するローター40の回転速度と、閉塞検知手段6が閉塞検知状態である場合に設定するローター40の回転速度とを一括して切り替えるように構成されていたが、この構成に限定されない。
【0056】
回転速度制御手段7は、例えば、閉塞検知手段6が閉塞非検知状態である場合に設定するローター40の回転速度と、閉塞検知手段6が閉塞検知状態である場合に設定するローター40の回転速度とを個別に切り替えることができるように構成されていてもよい。
【0057】
上記実施形態において具体的に言及しなかったが、回転速度制御手段7は、基準モードと低速モードのうち実行する方のモードを自動的に変更するように構成される場合、ロータリーバルブ4の駆動中における基準モード又は低速モードへの変更が可能となるように構成されていてもよい。
【0058】
この場合、回転速度制御手段7は、基準モードでロータリーバルブ4を駆動させているときに、搬送経路が閉塞状態に陥った回数(すなわち、閉塞検知手段6が閉塞状態を検知した回数)が所定回数に達したときに、実行するモードを基準モードから低速モードへと自動的に変更するように構成されていればよい。
【0059】
また、回転速度制御手段7は、別の態様として、基準モードでロータリーバルブ4を駆動させているときにホッパ3の重量を測定し、搬送を開始した時点(例えば、エア搬送装置1を起動するスタートボタンを押した時点)から所定時間が経過した後にホッパ3の重量が所定の重量以上になっていれば(すなわち、搬送物の搬送効率が低下していれば)、実行するモードを基準モードから低速モードへと自動的に変更するように構成されていてもよい。なお、ホッパ3の重量を測定する場合は、重量センサ等を設ければよい。
【0060】
上記実施形態において具体的に言及しなかったが、回転速度制御手段7は、実行するモードを基準モード又は低速モードに手動で変更可能となるように構成されていてもよい。この場合においても、ロータリーバルブ4の駆動中に基準モード又は低速モードへの変更が可能となるように構成することができる。
【0061】
上記実施形態において具体的に言及しなかったが、回転速度制御手段7は、エア搬送装置1の起動時のみに実行するモードを基準モード又は低速モードに変更(選択)するように構成されていてもよい。この場合、基準モード又は低速モードへの変更は、自動的に行われるように構成されていてもよいし(すなわち、初期設定として基準モード又は低速モードの何れかを設定しておき、エア搬送装置1を起動する際に基準モード又は低速モードの何れかが自動的に選択されるようにしてもよいし)、手動で行うことができるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0062】
1…エア搬送装置、2…筐体、3…ホッパ、4…ロータリーバルブ、5…搬送手段、6…閉塞検知手段、7…回転速度制御手段、40…ローター、41…ハウジング、42…駆動装置、50…空気発生装置、51…混相機、52…送風管、53…排出管、410…受入口、411…送出口、511…給気口、512…排出口、Vc1…第1の低速度、Vc2…第2の低速度、Vn1…第1の基準速度、Vn2…第2の基準速度
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7