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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146743
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】認証装置及び認証装置の駆動方法
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3233 20160101AFI20231004BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231004BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231004BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20231004BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231004BHJP
   G06V 40/13 20220101ALI20231004BHJP
【FI】
G09G3/3233
G09G3/20 611Z
G09G3/20 631H
G09G3/20 611H
G09F9/30 338
G09F9/33
G09F9/00 366A
G06V40/13
G09G3/20 691E
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054103
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 匡孝
【テーマコード(参考)】
5C080
5C094
5C380
5G435
【Fターム(参考)】
5C080AA06
5C080AA07
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD05
5C080DD21
5C080FF11
5C080GG15
5C080GG17
5C080HH09
5C080HH13
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ06
5C094AA51
5C094BA03
5C094BA23
5C094BA27
5C094CA19
5C094DB04
5C380AA01
5C380AA03
5C380AB06
5C380AB24
5C380AB29
5C380AB34
5C380BA39
5C380BB01
5C380BE14
5C380CA24
5C380CA32
5C380CB16
5C380CB17
5C380CC04
5C380CC07
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC37
5C380CC48
5C380CC66
5C380CD015
5C380CE01
5C380CF06
5C380CF48
5C380CF49
5C380CF61
5C380CF68
5C380DA09
5G435BB04
5G435CC09
5G435DD10
5G435EE49
(57)【要約】
【課題】PUFを利用した認証装置の駆動方法及び認証装置を提供すること。
【解決手段】認証装置は、第1のトランジスタ、第1のトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたソース信号線、第1のトランジスタのソース電極に電気的に接続された電源線、第1のトランジスタのドレイン電極に第1の電極が接続された光電変換素子、及び、ゲート電極とドレイン電極との間に接続された容量素子、を含む表示装置と、ドレイン電極をリセットし、ゲート電極を初期化すると共に、容量素子に第1のトランジスタの閾値電圧に相当する第1の電荷を蓄積させ閾値電圧を補正し、ゲート電極に光電変換素子を発光させる信号を送信し、第1の電荷にデータに相当する第2の電荷を加え、光電変換素子を発光させると共に、第1の電荷及び第2の電荷に相当する電圧を読み出し、電圧を用いてPUF-IDを生成する駆動を制御する制御回路と、を有する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも第1のトランジスタ、前記第1のトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたソース信号線、前記第1のトランジスタのソース電極に電気的に接続された電源線、前記第1のトランジスタのドレイン電極に第1の電極が接続された光電変換素子、及び、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に接続された容量素子、を含む表示装置と、
前記ドレイン電極をリセットし、前記第1のトランジスタのゲート電極を初期化すると共に、前記容量素子に前記第1のトランジスタの閾値に相当する第1の電荷を蓄積させ、前記第1のトランジスタの閾値を補正する第4の期間、前記第4の期間ののち、前記ゲート電極に前記光電変換素子を発光させる画像データを含む信号を送信し、前記容量素子の前記第1の電荷に前記画像データに相当する第2の電荷を加える第5の期間、及び、前記第5の期間ののち、前記光電変換素子を発光させると共に、前記第1の電荷及び前記第2の電荷に相当する電圧を読み出し、前記電圧を用いてPUF-IDを生成する第6の期間、における駆動を制御する制御回路と
を有する認証装置。
【請求項2】
指紋を検出し、指紋情報を生成可能な検出装置をさらに有する請求項1に記載の認証装置。
【請求項3】
前記制御回路は、PUF-ID生成回路を有し、
前記PUF-ID生成回路は、登録要求を受信すると第1のPUF-IDを生成し、認証要求を受信すると第2のPUF-IDを生成し、
前記PUF-IDは、前記第1のPUF-IDと前記第2のPUF-IDとを含む、
請求項2に記載の認証装置。
【請求項4】
前記検出装置は、前記登録要求を受信すると第1の指紋情報を検出し、前記認証要求を受信すると第2の指紋情報を検出し、
前記指紋情報は、前記第1の指紋情報と前記第2の指紋情報とを含む、
請求項3に記載の認証装置。
【請求項5】
前記制御回路は、比較回路と、判定回路と、を有し、
前記比較回路は、前記第1のPUF-ID及び前記第1の指紋情報と、前記第2のPUF-ID及び前記第2の指紋情報とを比較し、比較結果を生成し、
前記判定回路は、前記比較結果を用いて個体認証を行う、
請求項4に記載の認証装置。
【請求項6】
前記表示装置は、読み書き選択回路を、さらに有し、
前記読み書き選択回路は、前記ゲート電極に電気的に接続された第2のトランジスタ及び第3のトランジスタを有し、
前記第1のトランジスタを用いて画像を表示するとき、前記制御回路は前記第2のトランジスタをオンにし、前記第3のトランジスタをオフにし、前記ゲート電極に前記画像データを含む信号を送信し、
前記PUF-IDを生成するとき、前記制御回路は前記第2のトランジスタをオフにし、前記第3のトランジスタをオンにし、前記ゲート電極から前記電圧を含む読み出しデータを含む読み出し信号を受信する、
請求項4に記載の認証装置。
【請求項7】
少なくとも第1のトランジスタ、前記第1のトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたソース信号線、前記第1のトランジスタのソース電極に電気的に接続された電源線、前記第1のトランジスタのドレイン電極に第1の電極が接続された光電変換素子、及び、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に接続された容量素子、を含む表示装置と、
前記表示装置のPUF-IDを生成する制御回路と、
を有する認証装置の駆動方法であって、
前記ドレイン電極をリセットし、前記第1のトランジスタのゲート電極を初期化すると共に、前記容量素子に前記第1のトランジスタの閾値電圧に相当する第1の電荷を蓄積させ、前記第1のトランジスタの閾値電圧を補正し、
前記ゲート電極に前記光電変換素子を発光させる画像データを含む信号を送信し、前記容量素子の前記第1の電荷に前記画像データに相当する第2の電荷を加え、
前記光電変換素子を発光させると共に、前記第1の電荷及び前記第2の電荷に相当する電圧を読み出し、前記電圧を用いてPUF-IDを生成すること、
を含む認証装置の駆動方法。
【請求項8】
指紋を検出し指紋情報を生成すること、さらに含む請求項7に記載の認証装置の駆動方法。
【請求項9】
登録要求を受信すると第1のPUF-IDを生成し、
認証要求を受信すると第2のPUF-IDを生成することを含み、
前記PUF-IDは、前記第1のPUF-IDと前記第2のPUF-IDとを含む、
請求項8に記載の認証装置の駆動方法。
【請求項10】
前記登録要求を受信すると第1の指紋情報を検出し、
前記認証要求を受信すると第2の指紋情報を検出することを含み、
前記指紋情報は、前記第1の指紋情報と前記第2の指紋情報とを含む、
請求項9に記載の認証装置の駆動方法。
【請求項11】
前記第1のPUF-ID及び前記第1の指紋情報と、前記第2のPUF-ID及び前記第2の指紋情報とを比較し、比較結果を生成し、
前記比較結果を用いて個体認証を行う、
請求項10に記載の認証装置の駆動方法。
【請求項12】
前記表示装置は、前記ゲート電極に電気的に接続された第2のトランジスタ及び第3のトランジスタを有する読み書き選択回路を、さらに有し、
前記第1のトランジスタを用いて画像を表示するとき、前記第2のトランジスタをオンにし、前記第3のトランジスタをオフにし、前記ゲート電極に前記画像データを含む信号を送信し、
前記PUF-IDを生成するとき、前記第2のトランジスタをオフにし、前記第3のトランジスタをオンにし、前記ゲート電極から前記電圧を含む読み出しデータを含む読み出し信号を受信することを含む、
請求項11に記載の認証装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、認証装置及び認証装置の駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路を有する電子部品、前記電子部品を備えた電子機器、又はそれらを利用したシステムにおいて、第三者による侵入、攻撃、データの流出、データの改ざんなどの不正利用が問題となっている。
【0003】
当該電子部品、当該電子機器、又はそれらを利用したシステムの不正利用を防止するため、例えば、特許文献1及び特許文献2には、PUF(Physical Unclonable Function)を用いて、固体撮像装置の個体の認証を強化し、安全性を確保可能な固体撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-180003号公報
【特許文献2】国際公開第2016/167076号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、近年、複数の画素のそれぞれを発光素子で形成した表示装置が注目されている。発光素子は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、微小な発光ダイオード(マイクロLED)、有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)素子等である。当該表示装置においても、当該表示装置を用いた不正利用を抑制するため、個体の認証を強化するとともに安全性を確保することは重要である。よって、本発明の課題の一つは、表示装置を用いた不正利用を抑制するため、PUFを利用した認証装置を提供することを課題の一つとする。また、本発明の課題の一つは、表示装置を用いた不正利用を抑制するため、PUFを利用した認証装置の駆動方法を提供することを課題の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
認証装置は、少なくとも第1のトランジスタ、前記第1のトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたソース信号線、前記第1のトランジスタのソース電極に電気的に接続された電源線、前記第1のトランジスタのドレイン電極に第1の電極が接続された光電変換素子、及び、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に接続された容量素子、を含む表示装置と、前記ドレイン電極をリセットし、前記第1のトランジスタのゲート電極を初期化すると共に、前記容量素子に前記第1のトランジスタの閾値電圧に相当する第1の電荷を蓄積させ、前記第1のトランジスタの閾値電圧を補正する第4の期間、前記第4の期間ののち、前記ゲート電極に前記光電変換素子を発光させる画像データを含む信号を送信し、前記容量素子の前記第1の電荷に前記データに相当する第2の電荷を加える第5の期間、及び、前記第5の期間ののち、前記光電変換素子を発光させると共に、前記第1の電荷及び前記第2の電荷に相当する電圧を読み出し、前記電圧を用いてPUF-IDを生成する第6の期間、における駆動を制御する制御回路とを有する。
【0007】
少なくとも第1のトランジスタ、前記第1のトランジスタのゲート電極に電気的に接続されたソース信号線、前記第1のトランジスタのソース電極に電気的に接続された電源線、前記第1のトランジスタのドレイン電極に第1の電極が接続された光電変換素子、及び、前記ゲート電極と前記ドレイン電極との間に接続された容量素子、を含む表示装置と、前記表示装置のPUF-IDを生成する制御回路と、を有する認証装置の駆動方法であって、前記ドレイン電極をリセットし、前記第1のトランジスタのゲート電極を初期化すると共に、前記容量素子に前記第1のトランジスタの閾値電圧に相当する第1の電荷を蓄積させ、前記第1のトランジスタの閾値電圧を補正し、前記ゲート電極に前記光電変換素子を発光させる画像データを含む信号を送信し、前記容量素子の前記第1の電荷に前記画像データに相当する第2の電荷を加え、前記光電変換素子を発光させると共に、前記第1の電荷及び前記第2の電荷に相当する電圧を読み出し、前記電圧を用いてPUF-IDを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る認証装置の構成及びサーバーを示す模式図である。
図2】本発明の一実施形態に係る認証装置の構成を示す模式的な断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る表示装置及び制御装置の構成を示す模式図である。
図4】本発明の一実施形態に係る表示装置及び制御装置の構成を示す模式図である。
図5】本発明の一実施形態に係るドライバICの構成を示す模式図である。
図6】本発明の一実施形態に係る画素回路の構成を示す模式図である。
図7】本発明の一実施形態に係るサブ画素の回路構成を示す回路図である。
図8】本発明の一実施形態に係る認証装置のタイミングチャートを示す模式的な図である。
図9図7に示される第1の期間及び図16に示される第4の期間における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図10図7に示される第1の期間及び図16に示される第4の期間における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図11図7に示される第1の期間及び図16に示される第4の期間における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図12図7に示される第2の期間及び図16に示される第5の期間における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図13図7に示される第2の期間及び図16に示される第5の期間における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図14図7に示される第2の期間及び図16に示される第5の期間における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図15図7に示される第3の期間及び図16に示される第6の期間における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図16】本発明の一実施形態に係る認証装置のタイミングチャートを示す模式的な図である。
図17図16に示される第6の期間における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図18図16に示される第6の期間における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図19図16に示される第6の期間以降における画素回路及び読み書き選択回路を示す模式図である。
図20図20(A)は本発明の一実施形態に係る認証装置の断面の一部を示す模式図であり、図20(B)は図20(A)のA1とA2に沿った断面を示す端部断面図である。
図21】本発明の一実施形態に係る認証装置を用いた認証方法を示すフローチャートである。
図22】本発明の一実施形態に係る認証装置を用いた認証方法を示すフローチャートである。
図23】本発明の第2実施形態に係る認証装置の構成を示す模式的な断面図である。
図24】本発明の第2実施形態に係る検出装置及び制御装置の構成を示す模式図である。
図25】本発明の第2実施形態に係る認証装置の構成を示す模式的な断面図である。
図26】本発明の第3実施形態に係る認証装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状、構成等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。なお、各要素に対する「第1」、「第2」と付記された文字は、各要素を区別するために用いられる便宜的な標識であり、特段の説明がない限りそれ以上の意味を有さない。
【0010】
<1.第1実施形態>
<1-1.認証装置10の構成>
図1は、本発明の一実施形態に係る認証装置10の構成及びサーバー500を示す模式図である。図2は、本発明の一実施形態に係る認証装置10の構成を示す模式的な断面図である。認証装置10の構成は図1及び図2に示された構成に限定されない。
【0011】
図1に示されるように、認証装置10は、表示装置100、検出装置200、及び制御装置300を有する。表示装置100及び検出装置200は、検出装置200に電気的に接続されている。サーバー500は、少なくとも、比較回路350、判定回路360、及び記憶回路370を有する。比較回路350は、判定回路360に電気的に接続され、比較回路350及び判定回路360は、記憶回路370に電気的に接続されている。認証装置10は、サーバー500に電気的に接続されている。
【0012】
認証装置10はサーバー500と無線ネットワークを介した双方向通信によって電気的に接続されていてもよい。認証装置10がサーバー500と無線ネットワークを介した双方向通信によって接続されるとき、例えば、認証装置10は持ち運びが可能となる。
【0013】
サーバー500は、一例として、無線ネットワークを介して、認証装置10にアプリケーション又はプログラムを提供するコンピュータである。例えば、認証装置10からサーバー500にアプリケーションの提供に関する要求があった場合、サーバー500はアプリケーションのインストールファイルを認証装置10に提供する。ユーザーは、認証装置10にアプリケーションをインストールし、認証装置10にインストールされたアプリケーションを利用することができる。例えば、サーバー500は、ユーザー又は認証装置10から、動作モードに関するアプリケーション又はプログラムの提供に関する要求があると、サーバー500はアプリケーションのインストールファイル又はプログラムを認証装置10に提供する。これによって、ユーザーは、認証装置10にアプリケーションをインストールし、認証装置10にインストールされたアプリケーションを利用することで、認証装置10に動作モードに関するプログラムを実行させることができる。また、詳細は後述されるが、サーバー500は本実施形態において、動作モードは、例えば、認証装置10に画像を表示するための駆動方法を用いた駆動モード、認証装置10のPUF-IDを生成するための駆動方法を用いた駆動モード、認証装置10を用いた認証方法を用いた認証モードなどである。
【0014】
表示装置100は、表示部104、及び表示部104に配置された複数の画素120を有する。検出装置200は、少なくとも、検出部204を有する。制御装置300は、PUF-ID生成回路310、表示装置制御回路320、検出装置制御回路330、及び記憶回路340を有する。
【0015】
表示装置100は、表示部104、及び表示部104に配置された複数の画素120を有する。表示装置100は、画像データ信号を受信し、表示部104に画像を表示する。また、表示装置100は、複数の画素120の特性を含む読み出しデータ信号を生成する。検出装置200は、検出部204を有する。検出装置200は、検出部204を用いて読み出しデータ信号を受信すると共に、読み出した複数の読み出しデータ信号を検出装置制御回路330に送信する。検出装置制御回路330は、複数の読み出しデータ信号を用いて、例えば、被検出体(例えば、ユーザー自身の指、ユーザー自身の指紋情報、タッチペン)を検出する。
【0016】
PUF-ID生成回路310は、表示装置100、検出装置200、表示装置制御回路320、検出装置制御回路330、及び記憶回路340に電気的に接続される。PUF-ID生成回路310は、例えば、表示装置100から複数の読み出しデータ信号を受信し、複数の読み出しデータ信号を用いて表示装置100に固有の識別子(Identifer、ID)、即ち、PUF-IDを生成する。また、PUF-ID生成回路310は、生成したPUF-IDを含む信号(PUF-ID信号)を記憶回路340に送信する。
【0017】
表示装置制御回路320は、表示装置100、検出装置200、及び検出装置制御回路330に電気的に接続される。表示装置制御回路320は、例えば、画像データ信号、走査信号、電源電圧などの回路の動作を制御する信号を生成する。また、表示装置制御回路320は、例えば、表示装置100に複数の画像データ信号を送信し、表示装置100から複数の読み出しデータ信号を読み出し、読み出した複数の読み出しデータ信号をPUF-ID生成回路310に送信する。
【0018】
検出装置制御回路330は、表示装置100、検出装置200、及び記憶回路340に電気的に接続される。検出装置200は、例えばOPD(Organic photo daiode)やPIN(Posotive Intrinsic Negative)フォトダイオードなどの光電変換素子を用いるものであり、検出装置制御回路330は、例えば、検出装置200より出力される光電変換素子から出力される信号(電荷)に応じた信号(電圧)から、指紋情報などの生体情報に関する信号を生成する。
【0019】
記憶回路340は、例えば、比較回路350に電気的に接続される。記憶回路340は、例えば、揮発性メモリ(図示は省略)、及び記憶回路340を制御するメモリ制御回路342を有する。メモリ制御回路342は、PUF-ID信号及び検出信号を受信し、各信号に含まれる情報を紐付けし、格納する。例えば、メモリ制御回路342は、ユーザーからの要求に基づき、PUF-ID信号及び検出信号に含まれる情報(例えば、PUF-ID、指紋情報など)を紐付けし、記憶回路340に格納する。また、メモリ制御回路342は、ユーザーからの要求に基づき、PUF-ID信号及び検出信号に含まれる情報(例えば、PUF-ID、指紋情報など)を比較回路350に送信することを制御する。
【0020】
比較回路350は、判定回路360に電気的に接続される。詳細は後述されるが、比較回路350は、ユーザーからの要求に基づき、PUF-ID信号及び検出信号を受信し、PUF-ID信号及び検出信号に含まれる情報を比較し、比較結果を生成する。例えば、比較回路350は、紐付けされた第1のPUF-ID及び第1の指紋情報と、紐付けされた第2のPUF-ID及び第2の指紋情報とを比較し、比較結果を生成する。また、比較回路350は、ユーザーからの要求に基づき、比較結果を判定回路360に送信する。このとき、比較回路350は、比較結果を記憶回路370に送信してもよい。記憶回路370は比較結果を格納する。比較結果は、例えば、第1のPUF-ID及び第1の指紋情報と、第2のPUF-ID及び第2の指紋情報とが一致している情報、又は、一致していない情報(不一致である情報)を含む。なお、記憶回路370は、例えば、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含む。
【0021】
詳細は後述されるが、判定回路360は、比較結果を受信し、比較結果を用いて、比較結果が一致しているか否(不一致)かを判定する。例えば、第1のPUF-ID及び第1の指紋情報と、第2のPUF-ID及び第2の指紋情報とが一致している情報を含む場合、判定回路360は、情報は一致していると判定(第1の判定結果)し、第1のPUF-ID及び第1の指紋情報と、第2のPUF-ID及び第2の指紋情報とが一致していない情報を含む場合、判定回路360は、情報は不一致であると判定(第2の判定結果)する。判定回路360は、第1の判定結果及び第2の判定結果を記憶回路370に送信してもよい。記憶回路370は第1の判定結果及び第2の判定結果を格納する。
【0022】
また、図2に示されるように、認証装置10は、干渉フィルタ800、偏光板900、粘着シート1000、粘着シート1010、粘着シート1020、及びコリメータ1100を、さらに有する。
【0023】
検出装置200、コリメータ1100、干渉フィルタ800、表示装置100、及び偏光板900は、Z方向に対して下から上に向かってこの順番に配置される。具体的には、コリメータ1100は検出装置200の上層に配置される。粘着シート1020はコリメータ1100と検出装置200との間に配置され、コリメータ1100と検出装置200とを接着する。干渉フィルタ800はコリメータ1100の上層に配置される。粘着シート1010は干渉フィルタ800とコリメータ1100との間に配置され、干渉フィルタ800とコリメータ1100とを接着する。表示装置100は干渉フィルタ800の上層に配置される。粘着シート1000は表示装置100と干渉フィルタ800との間に配置され、表示装置100と干渉フィルタ800とを接着する。偏光板900は表示装置100の上層に配置される。偏光板900は粘着シートを含み、偏光板900は当該粘着シートを用いて表示装置100に接着される。
【0024】
第1実施形態では、X方向はY方向に交差し、Z方向はX方向及びY方向(XY平面)に交差する。また、第1実施形態では、X方向は第1の方向と呼ばれ、Y方向は第2の方向と呼ばれ、Z方向は第3の方向と呼ばれる。
【0025】
干渉フィルタ800は、例えば、複数の誘電体を積層した多層膜を有する。干渉フィルタ800は、例えば、誘電体と検出装置200の界面で発生する反射光の干渉現象を利用し、特定の光の波長を透過する。認証装置10は、干渉フィルタ800を有することによって、透過する光の帯域を狭くすることができる。その結果、例えば、認証装置10は、指紋の凸凹を鮮明に検出することができる。よって、認証装置10を用いることによって、認証の精度を向上させることができる。
【0026】
コリメータ1100は、例えば、反射光を平行光に変えることができる。詳細は後述されるが、コリメータ1100は、例えば、マイクロレンズ274(図20参照)を透過した光(透過光)を用いて反射した光(反射光)を平行光に変えて、当該平行光をコリメータ1100の下層に位置する検出装置200に伝送する。
【0027】
認証装置10では、偏光板900は、例えば、円偏光板を用いることができる。
【0028】
<1-2.表示装置100及び制御装置300の構成>
図3及び図4は、本発明の一実施形態に係る表示装置100及び制御装置300の構成を示す模式図である。表示装置100及び制御装置300の構成は、図3及び図4に示された構成に限定されない。図1及び図2と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0029】
図3に示されるように、表示装置100は、表示部104、及び周辺部116に大別される。表示装置100は、基板102、ドライバIC106、走査信号線駆動回路108、フレキシブルプリント回路(FPC、Flexible Printed Circuit)基板112、複数の画素120、配線124、及び配線126を有する。上述のとおり、表示部104は、複数の画素120を含む。周辺部116は、ドライバIC106、走査信号線駆動回路108、端子部111、FPC基板112、及び複数の配線124を含む。複数の配線126は、表示部104及び周辺部116の両方に含まれる。端子部111は、複数の端子114、及び複数の端子118を含む。走査信号線駆動回路108、複数の端子114、複数の端子118、及び複数の画素120は、基板102の上面に配置される。ドライバIC106は、FPC基板112の上面に配置される。
【0030】
複数の画素120は、X方向と、X方向に交差するY方向にマトリクス状に配列される。複数の画素120のそれぞれは、複数のサブ画素120A、120B、120Cを含む。例えば、サブ画素120Aは赤色に発光する発光素子RLEDを有し、サブ画素120Bは緑色に発光する発光素子GLEDを有し、サブ画素120Cは青色に発光する発光素子BLEDを有する。
【0031】
認証装置10では、一例として、走査信号線駆動回路108が基板102の上面に配置され、ICチップであるドライバIC106がFPC基板112の上面に配置される。走査信号線駆動回路108及びドライバIC106は、実施形態1で示される配置に限定されない。例えば、ドライバIC106が基板102の上面に配置されてよく、ドライバIC106に含まれる駆動回路の一部又は全部が基板102の上面に直接形成されてもよい。また、走査信号線駆動回路108に含まれる駆動回路の一部又は全部が基板102とは異なる回路基板の上に形成され、当該回路基板がFPC基板112の上面に配置されてよい。詳細は後述されるが、基板102の上面には、発光素子RLED、発光素子GLED、発光素子BLED、及び、発光素子を制御するための各種半導体素子が形成される。
【0032】
複数の配線124は、例えば、複数のサブ画素120A、120B、120Cに電気的に接続される。また、複数の配線124は複数の端子114と1対1で電気的に接続される。複数の配線124と同様に、複数の配線126は、例えば、複数の端子118と1対1で電気的に接続される。ドライバIC106は、例えば、複数の端子114と電気的に接続される。端子部111(複数の端子114及び複数の端子118)は、FPC基板112と電気的に接続され、制御装置300と電気的に接続される。
【0033】
走査信号線駆動回路108及びドライバIC106は、制御装置300から供給される信号及び電源電圧を用いて、各画素120が有するトランジスタ(図7参照)を駆動させ、例えば、発光素子RLEDを発光または非発光させる。その結果、表示装置100は、表示部104に画像を表示することができる。また、走査信号線駆動回路108及びドライバIC106は、制御装置300から供給される信号及び電源電圧を用いて、各画素120が有するトランジスタ(図7参照)を駆動させ、各画素120の特性を含む読み出しデータ信号を読み出すことができる。
【0034】
図4に示されるように、走査信号線駆動回路108は、表示部104内のn行目に位置する複数の画素回路130に、共通に、走査信号SG(n)、発光制御信号BG(n)、初期化制御信号IG(n)、リセット信号RG(n)、及び第1リセット信号VL1を供給する。第1リセット信号VL1は、表示部104内のn行目に位置する複数の画素回路130に、電圧Vrstを供給する。基準電位線PVSSは、複数の画素回路130に、共通に、基準電位VSSを供給する。詳細は後述されるが、画素回路130は、画素120を駆動するための回路である。
【0035】
ドライバIC106は、表示部104内のm列目に位置する複数の画素回路130に、共通に、画像データ信号SL(m)、及び第2リセット信号VL2を供給する。第2リセット信号VL2は、表示部104内のm列目に位置する複数の画素回路130に、電圧Viniを供給する。第1の駆動電源線PVDD1は、表示部104内のm列目に位置する複数の画素回路130に、第1の駆動電圧VDDH1(図6参照)を供給する。第2の駆動電源線PVDD2は、表示部104内のm列目に位置する複数の画素回路130に、第2の駆動電圧VDDH2(図6参照)を供給する。第3の駆動電源線PVDD3は、表示部104内のm列目に位置する複数の画素回路130に、第3の駆動電圧VDDH3(図6参照)を供給する。認証装置10では、画像データ信号の電圧はVsig(m)、又はVsig(n)と呼ばれる。画像データ信号SL(m)は、表示部104で表示される画像に基づき決定される。数値mは6以上の任意の整数であり、数値nは1以上の任意の整数である。
【0036】
認証装置10では、一例として、電圧Vrst及び電圧Viniは固定電圧であるが、電圧Vrst及び電圧Viniは時間経過とともに変化してもよい。また、認証装置10では、一例として、走査信号線駆動回路108が複数の画素回路130にリセット信号RGを供給し、ドライバIC106が複数の画素回路130に第2リセット信号VL2を供給するが、走査信号線駆動回路108及びドライバIC106が供給する信号はここで示される例に限定されない。例えば、ドライバIC106が複数の画素回路130にリセット信号RGを供給してよく、走査信号線駆動回路108が複数の画素回路130に第2リセット信号VL2を供給してもよい。認証装置10では、電圧Vrstはリセット電圧と呼ばれることがあり、電圧Viniは初期化電圧と呼ばれることがある。
【0037】
<1-3.ドライバIC106の構成>
図5は、本発明の一実施形態に係るドライバIC106の構成を示す模式図である。ドライバIC106の構成は、図5に示された構成に限定されない。図1図4と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0038】
ドライバIC106は、読み書き選択回路107及び電源生成回路109を有する。読み書き選択回路107は、複数の選択回路400を含む。複数の選択回路400のそれぞれは読み出し端子402、書き込み端子404、データ信号線接続端子406、読み出し制御端子408、書き込み制御端子410、第1のトランジスタ411及び第2のトランジスタ413を有する。第1のトランジスタ411のゲート電極は読み出し制御端子408に電気的に接続され、第1のトランジスタ411の第1の電極はデータ信号線接続端子406に電気的に接続され、第1のトランジスタ411の第2の電極は読み出し端子402に電気的に接続される。第2のトランジスタ413のゲート電極は書き込み制御端子410に電気的に接続され、第2のトランジスタ413の第1の電極はデータ信号線接続端子406に電気的に接続され、第2のトランジスタ413の第2の電極は書き込み端子404に電気的に接続される。
【0039】
選択回路400は、データ信号線接続端子406からデータ信号線409に、データ信号SL(1)を供給する。また、選択回路400はデータ信号線409からデータ信号線接続端子406にデータ信号SL(1)を受信する。データ信号SLは、画像データを含む画像データ信号WDS、及び、画素120の特性を含む読み出しデータ信号RDSを含む。読み出し制御信号RCSは表示装置制御回路320(図7参照)から読み出し制御端子408に供給される。読み出しデータ信号RDSはデータ信号線409からPUF-ID生成回路310(図7参照)に供給される。書き込み制御信号WCSは表示装置制御回路320(図7参照)から書き込み制御端子410に供給される。画像データ信号WDSは表示装置制御回路320(図7参照)からデータ信号線409に供給される。
【0040】
選択回路400Aは、選択回路400と同様に、データ信号線409Aにデータ信号SL(m-5)を供給し、データ信号線409Aからデータ信号SL(m-5)を受信する。データ信号SL(m-5)は、画像データを含む画像データ信号WDSA、及び、画素120の特性を含む読み出しデータ信号RDSAを含む。読み出し制御信号RCSAは表示装置制御回路320(図7参照)から読み出し制御端子408に供給される。読み出しデータ信号RDSAはデータ信号線409からPUF-ID生成回路310(図7参照)に供給される。書き込み制御信号WCSAは表示装置制御回路320(図7参照)から書き込み制御端子410に供給される。画像データ信号WDSAは表示装置制御回路320(図7参照)からデータ信号線409Aに供給される。
【0041】
なお、表示装置制御回路320は、DAコンバータ322(図7参照)を有する。表示装置制御回路320は、DAコンバータ322を用いて、アナログの画像データ信号WDSを生成する。また、PUF-ID生成回路310は、積分回路312(図7参照)及びADコンバータ314を有する。PUF-ID生成回路310は、積分回路312を用いて読み出しデータ信号RDSAに含まれる電圧を所定の時間において積分した後に、ADコンバータ314を用いて、積分された電圧をデジタル信号に変換することができる。PUF-ID生成回路310は、デジタル信号に変換されたデータ(情報)を用いて、表示装置100に固有のPUF-IDを生成することができる。
【0042】
電源生成回路109は、走査信号線駆動回路108及びドライバIC106を駆動するための電圧を生成し、供給する。また、電源生成回路109は、画素回路130を駆動するための電圧を生成し、画素回路130に直接供給してもよい。電源生成回路109は、例えば、電圧Vrst、電圧Vini、第1の駆動電圧VDDH1、第2の駆動電圧VDDH2、及び第3の駆動電圧VDDH3を生成する。第1リセット信号VL1は電圧Vrstを含み、第2リセット信号線VL2は電圧Viniを含む。第1リセット信号VL1は第1リセット電圧線415に供給され、第2リセット信号VL2は第2リセット電圧線414に供給され、第1の駆動電圧VDDH1は第1の駆動電源線PVDD1に供給され、第2の駆動電圧VDDH2は第2の駆動電源線PVDD2に供給され、第3の駆動電圧VDDH3は第3の駆動電源線PVDD3に供給される。
【0043】
読み書き選択回路107は、例えば、端子114及び配線124を介して、第2リセット信号線VL2を第2リセット電圧線414に供給してよく、端子114及び配線124を介して、データ信号SL(m-5)をデータ信号線409Aに供給してよく、端子114及び配線124を介して、第1の駆動電圧VDDH1を第1の駆動電源線PVDD1に供給してもよい。電源生成回路109は、例えば、端子118及び配線126を介して、第1リセット信号VL1を走査信号線駆動回路108に供給してよい。
【0044】
なお、読み書き選択回路107が直接基板102の上面に配置されてよく、読み出し制御信号RCS及びRCSA、書き込み制御信号WCS及びWCSA、画像データ信号WDS及びWDSAが、表示装置制御回路320から端子114又は端子118に供給されてよく、読み出しデータ信号RDS及びRDSAが、端子114又は端子118からPUF-ID生成回路310(図7参照)に供給されてもよい。
【0045】
<1-4.画素回路130の構成>
図6は、本発明の一実施形態に係る画素回路130の構成を示す模式図である。図7は、本発明の一実施形態に係るサブ画素120Aの回路構成を示す回路図である。図6及び図7は、図4に示されたn行m列の画素120の画素回路130の構成を示している。画素回路130の構成は、図6及び図7に示される構成に限定されない。図1図5と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0046】
画素回路130は、画素120を駆動するための回路である。図6に示されるように、画素回路130は、発光素子駆動部110R、110G、110Bを有する。発光素子駆動部110Rはサブ画素120Aに含まれる発光素子RLEDに電気的に接続され、発光素子駆動部110Gはサブ画素120Bに含まれる発光素子GLEDに電気的に接続され、発光素子駆動部110Bはサブ画素120Cに含まれる発光素子BLEDに電気的に接続される。
【0047】
発光素子駆動部110R、110G、110Bのそれぞれは、走査信号SG(n)、発光制御信号BG(n)、初期化制御信号IG(n)、リセット信号RG(n)、第1リセット信号VL1、第2リセット信号VL2、及び基準電位VSSを供給される。発光素子駆動部110Rは第1の駆動電圧VDDH1及びデータ信号SL(m-5)を供給され、発光素子駆動部110Gは第2の駆動電圧VDDH2及びデータ信号SL(m-4)を供給され、発光素子駆動部110Bは第3の駆動電圧VDDH3及びデータ信号SL(m-3)を供給される。発光素子駆動部110R、110G、110Bにおいて、発光素子、供給される駆動電圧及びデータ信号SL以外の構成は同様である。よって、以下の説明においては、主に、発光素子駆動部110Rに関連する構成を説明する。
【0048】
認証装置10では、発光素子駆動部110R、110G、110Bのそれぞれに独立に駆動電圧を供給することができるため、発光素子RLED、発光素子GLED、及び発光素子BLEDに供給される電流を独立に制御することができる。その結果、表示装置100は、各発光素子を最適に発光させることができ、各発光素子の特性を精度よく取得することができると共に各発光素子の特性を用いて表示装置100に固有のPUF-IDを生成することができる。
【0049】
図7に示されるように、発光素子駆動部110Rは、駆動トランジスタDRT、選択トランジスタSST(第1スイッチ)、初期化トランジスタIST(第2スイッチ)、リセットトランジスタRST(第3スイッチ)、発光制御トランジスタBCT(第4スイッチ)、容量素子(第1の容量素子)SC1、容量素子(第2の容量素子)SC2、発光素子RLED、アノード容量Cad及び付加容量Cledを含む。これらのトランジスタのそれぞれは、第1電極(ゲート電極)と、第2電極及び第3電極からなる一対の電極(ソース電極、ドレイン電極)を有する。容量素子SC1、容量素子SC2、アノード容量Cad及び付加容量Cledのそれぞれは、一対の電極を有する。なお、付加容量Cledは、発光素子RLEDの寄生容量であってよく、発光素子RLEDと並列に設けられた容量素子と発光素子RLEDの寄生容量とを含んでもよい。
【0050】
発光素子RLEDを駆動する電源として、第1の駆動電源線PVDD1から第1の駆動電圧VDDH1が供給され、基準電位線PVSSから基準電圧VSSが供給され、リセット信号VL1から電圧Vrstが供給される。電圧Vrstは、基準電位VSS及び第1の駆動電圧VDDH1より小さい。
【0051】
駆動トランジスタDRTは、入力された画像データ信号SL(m)を用いて、発光素子RLEDに電流を流し、発光素子RLEDを発光させる機能を有する。選択トランジスタSSTは、駆動トランジスタDRTに画像データ信号SL(m)を供給する機能を有する。また、選択トランジスタSSTは、駆動トランジスタDRTの特性をデータ信号線409Aに読み出す機能を有する。初期化トランジスタISTは、駆動トランジスタDRTの第1の電極(ゲート電極)620などに電圧Viniを供給し、駆動トランジスタDRTをリセットする機能を有する。発光制御トランジスタBCTは、第1の駆動電源線PVDD1と駆動トランジスタDRTとの接続、非接続を制御する。発光制御トランジスタBCTは、駆動トランジスタDRTと発光素子RLED、及び駆動トランジスタDRTと付加容量Cledとの電気的な接続、非接続を制御するといってもよい。即ち、発光制御トランジスタBCTは、発光素子RLEDの発光、非発光を制御する機能を有する。
【0052】
リセットトランジスタRSTは、駆動トランジスタDRTの第2の電極610(ソース電極610)、発光素子RLEDの第1の電極660、及び容量素子SC1の第2の電極650に電圧Vrstを供給し、駆動トランジスタDRTの第2の電極610(ソース電極610)、発光素子RLEDの第1の電極660、及び容量素子SC1の第2の電極650をリセットする機能を有する。発光素子RLEDの第1の電極660は、例えば、アノード電極である。
【0053】
容量素子SC1は、駆動トランジスタDRTの閾値電圧に相当する電荷(第1の電荷)を保持する機能を有する。また、容量素子SC1は、サブ画素120Aが発光するために駆動トランジスタDRTの第1の電極620(ゲート電極620)に入力する画像データに相当する電荷(第2の電荷)を保持する機能を有する。即ち、容量素子SC1は、入力された画像データ信号SL(m)を保持するための機能を有する。
【0054】
容量素子SC2は、駆動トランジスタDRTのゲート電極620と駆動トランジスタDRTのソース電極610との間に接続され、駆動トランジスタDRTのゲート電極620と駆動トランジスタDRTのソース電極610との間の容量である。
【0055】
表示装置100は、画像データ信号SL(m)を保持するものとして、容量素子SC1などの容量素子を有するが、画像データ信号SL(m)を保持するものは容量素子でなくてもよい。例えば、信号又は電圧を保持可能な素子は、SRAMのように2値のデータを保持可能な素子であってもよい。
【0056】
発光素子RLEDは、ダイオード特性を有する。付加容量Cledは、発光素子RLEDが含む容量である。アノード容量Cadは、発光素子RLEDの第1の電極660と第1の駆動電源線PVDD1との間に形成される容量である。なお、表示装置100では、付加容量Cledと容量素子SC1又は容量素子SC2とによって、画像データ信号SL(m)を保持してもよい。
【0057】
初期化トランジスタISTのゲート電極は、初期化制御線416に電気的に接続される。初期化制御線416には、初期化制御信号IG(n)が供給される。初期化トランジスタISTは、初期化制御信号IG(n)に供給される信号によって、導通状態、非導通状態が制御される。初期化制御信号IG(n)に供給される信号がローレベル(Low Level、Lレベル)のとき、初期化トランジスタISTは、非導通状態となる。初期化制御信号IG(n)に供給される信号がハイレベル(High Level、Hレベル)のとき、初期化トランジスタISTは、導通状態となる。初期化トランジスタISTのソース電極は、第2リセット電圧線414に電気的に接続される。第2リセット電圧線414には、第2リセット信号VL2が供給される。初期化トランジスタISTのドレイン電極は、駆動トランジスタDRTのゲート電極620、選択トランジスタSSTのドレイン電極、及び容量素子SC1の第1の電極640に電気的に接続される。容量素子SC1の第2の電極は、駆動トランジスタDRTのソース電極610、リセットトランジスタRSTのドレイン電極、発光素子RLEDの第1の電極660、及び付加容量Cledの第1の電極に電気的に接続される。
【0058】
選択トランジスタSSTのゲート電極は、走査信号線420に電気的に接続される。走査信号線420には、走査信号SG(n)が供給される。選択トランジスタSSTは、走査信号SG(n)に供給される信号によって、導通状態、非導通状態が制御される。走査信号SG(n)に供給される信号がLレベルのとき、選択トランジスタSSTは、非導通状態となる。走査信号SG(n)に供給される信号がHレベルのとき、選択トランジスタSSTは、導通状態となる。選択トランジスタSSTのソース電極は、データ信号線409に電気的に接続される。データ信号線409には、画像データ信号SL(m)が供給される。第1実施形態では、データ信号線409はデータ信号線409Aであり、画像データ信号SL(m)は画像データ信号SL(m-5)である。
【0059】
発光制御トランジスタBCTのゲート電極は、発光制御線418に電気的に接続される。発光制御線418には、発光制御信号BG(n)が供給される。発光制御トランジスタBCTは、発光制御信号BG(n)に供給される信号によって、導通状態、非導通状態が制御される。発光制御信号BG(n)に供給される信号がLレベルのとき、発光制御トランジスタBCTは、非導通状態となる。発光制御信号BG(n)に供給される信号がHレベルのとき、発光制御トランジスタBCTは、導通状態となる。発光制御トランジスタBCTのドレイン電極は、第1の駆動電源線PVDD1に電気的に接続される。第1の駆動電源線PVDD1は駆動電源線428である。発光制御トランジスタBCTのソース電極は、駆動トランジスタDRTのドレイン電極630と電気的に接続される。
【0060】
リセットトランジスタRSTのゲート電極は、第1リセット信号線412に電気的に接続される。第1リセット信号線412には、リセット信号RG(n)が供給される。リセットトランジスタRSTは、リセット信号RG(n)に供給される信号によって、導通状態、非導通状態が制御される。リセット信号RG(n)に供給される信号がLレベルのとき、リセットトランジスタRSTは、非導通状態となる。リセット信号RG(n)に供給される信号がHレベルのとき、リセットトランジスタRSTは、導通状態となる。リセットトランジスタRSTのソース電極は、第1リセット信号VL1が供給される。
【0061】
発光素子RLEDの第2の電極670、及び付加容量Cledの第2の電極は、基準電圧線PVSSに電気的に接続される。基準電圧線PVSSは、例えば、カソード電極に電気的に接続される。
【0062】
初期化トランジスタISTのドレイン電極、選択トランジスタSSTのドレイン電極、駆動トランジスタDRTのゲート電極620、容量素子SC2の第1の電極、及び容量素子SC1の第1の電極は、第1ノードDRTGに電気的に接続される。リセットトランジスタRSTのドレイン電極、駆動トランジスタDRTのソース電極610、容量素子SC1の第2の電極、容量素子SC2の第2の電極、発光素子RLEDの第1の電極660、及び付加容量Cledの第1の電極は、第2ノードDRTSに電気的に接続される。駆動トランジスタDRTのドレイン電極630、及び発光制御トランジスタBCTのソース電極は、第3ノードDRTDに電気的に接続される。
【0063】
表示装置100では、第1リセット信号線412は、各画素に共通の電圧Vrstを供給するため、第1の共通電極と呼ばれる場合がある。第2リセット電圧線414は、各画素に共通の電圧Viniを供給するため、第2の共通電極と呼ばれる場合がある。
【0064】
表示装置100では、導通状態とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極とが導通し、トランジスタがオン(ON)の状態を示すものとし、非導通状態とは、トランジスタのソース電極とドレイン電極とが非導通となり、トランジスタがオフ(OFF)の状態を示すものとする。なお、各トランジスタにおいて、ソース電極とドレイン電極とは、各電極に供給される電圧又は電位に応じて、入れ替わる場合がある。また、トランジスタがオフの状態であっても、リーク電流などのように、わずかに電流が流れることは、当業者であれば容易に理解できることである。
【0065】
図7に示される各トランジスタは、チャネル領域にシリコンやゲルマニウムなどの14族元素、或いは半導体特性を示す酸化物を有することができる。例えば、各トランジスタのチャネル領域は、低温ポリシリコン(LTPS)を有する。表示装置100では、各トランジスタは、薄膜トランジスタ(TFT)を用いて形成され、nチャネル型の電界効果トランジスタを有する。各トランジスタはnチャネル型の電界効果トランジスタとpチャネル型の電界効果トランジスタとを有してもよく、pチャネル型の電界効果トランジスタのみを有してもよい。表示装置100は、用途や仕様に応じて、適宜、トランジスタの構成、保持容量の接続、電源電圧などを適合させるとよい。
【0066】
一部のトランジスタは隣接する複数の画素間で共有されてもよい。例えば、リセットトランジスタRSTは、各行に1つ、走査信号線駆動回路108内に設けてもよく、複数の行に1つ、走査信号線駆動回路108内に設けてもよく、各行に1つ、周辺部116に設けてもよく、複数の行に1つ、周辺部116に設けてもよい。
【0067】
<1-5.認証装置10に画像を表示するための駆動方法>
図8は、本発明の一実施形態に係る認証装置10に画像を表示するためのタイミングチャートを示す模式的な図である。図9図11は、図7に示される第1の期間における画素回路130及び読み書き選択回路107を示す模式図である。図12図14は、図7に示される第2の期間における画素回路130及び読み書き選択回路107を示す模式図である。図15は、図7に示される第3の期間における画素回路130及び読み書き選択回路107を示す模式図である。認証装置10の駆動方法は、図8図15示される駆動方法に限定されない。図1図7と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0068】
ここでは、n行目の走査信号線420に電気的に接続する複数の画素120を駆動するための認証装置10の駆動方法を説明する。図8に示されるように、認証装置10に画像を表示するための駆動方法は、第1の期間、第2の期間、及び第3の期間を含む。第1の期間は、リセット動作、初期化動作及び閾値補正動作を含み、第2の期間は、データ書き込み動作を含み、第3の期間は発光動作を含む。図8は、一例として、n行目の走査信号線420に電気的に接続する複数の画素回路130を駆動するためのタイミングチャートを示す。図9図15は、n行目m列目のサブ画素120Aの発光素子駆動部110R及び読み書き選択回路107Aの動作状態を示す。認証装置10は、図8に示される駆動方法を、1行目の複数の画素回路130から最終行の複数の画素回路130まで繰り返し実行する。その結果、認証装置10は、表示装置100に画像を表示することができる。なお、図8に示される画像を表示するためのタイミングチャートでは、一例として、全ての期間において、読み出し制御信号RCSAにはローレベルが供給され、第1の駆動電源線PVDD1には第1の駆動電圧VDDH1が供給され、データ信号SL(m-5)には電圧Vsig(m-5)が供給され、第2リセット信号VL2には電圧Viniが供給され、第1リセット信号VL1には電圧Vrstが供給される。
【0069】
<1-5-1.第1の期間のリセット動作>
リセット動作は、発光素子駆動部110Rの第1ノードDRTG及び第2ノードDRTSをリセットし、サブ画素120Aをリセット状態にする動作である。時刻t11~時刻t13において、認証装置10はリセット動作を実行する。
【0070】
図8又は図9を用いて、各種信号の時刻t11~時刻t12におけるタイミングを説明する。図8に示されるように、時刻t11~時刻t12では、リセット信号RG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、リセット信号RG(n)にはハイレベルが供給される。発光制御信号BG(n)はハイレベルからローレベルに変化し、発光制御信号BG(n)にはローレベルが供給される。初期化制御信号IG(n)、走査信号SG(n)、及び書き込み制御信号WCSAはローレベルが供給される。よって、図9に示されるように、初期化トランジスタIST、選択トランジスタSST、発光制御トランジスタBCT、第1のトランジスタ411、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)である。一方、リセットトランジスタRSTは導通状態(ON)である。なお、駆動トランジスタDRTは、非導通状態(OFF)であるとするが、導通状態(ON)であってもよい。リセット動作では、第1の駆動電源線PVDD1から発光素子RLEDの第1の電極660への電流が発光制御トランジスタBCTによって遮断される。
【0071】
その結果、図8又は図9に示されるように、発光素子RLEDが非発光となると共に、第3ノードDRTD、第2ノードDRTSなどに残留していた電荷が駆動トランジスタDRT及びリセットトランジスタRSTを通じて引き抜かれ、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧が電圧V2aから電圧Vrstに低下し、電圧Vrstに固定される。駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG、容量素子SC1の第1の電極640)の電圧は、1つ前のフレームで書き込んだデータ信号の電圧V1aから電圧V1bに低下し、電圧V1bに固定される。
【0072】
電圧V1aは第1の駆動電圧VDDH1より小さく、かつ、電圧Vsig(m-5)より大きく、電圧V2aは電圧Vsig(m-5)より小さく、かつ、電圧Viniより大きい。電圧Viniは電圧V2aより小さく、かつ、基準電圧VSSより大きく、電圧V1bは基準電圧VSSより小さく、かつ、電圧Vrstより大きい。
【0073】
図8又は図10を用いて、各種信号の時刻t12~時刻t13におけるタイミングを説明する。図8に示されるように、時刻t12~時刻t13では、リセット信号RG(n)はハイレベルを維持し、発光制御信号BG(n)、走査信号SG(n)、及び書き込み制御信号WCSAはローレベルを維持する。初期化制御信号IG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、初期化制御信号IG(n)にはハイレベルが供給される。よって、図10に示されるように、選択トランジスタSST、発光制御トランジスタBCT、第1のトランジスタ411、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)である。一方、初期化トランジスタIST、駆動トランジスタDRT、及びリセットトランジスタRSTは導通状態(ON)である。
【0074】
図8又は図10に示されるように、時刻t12~時刻t13では、第1の駆動電源線PVDD1から発光素子RLEDの第1の電極660への電流が発光制御トランジスタBCTによって遮断され、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)が電圧Vrstに固定されている。また、初期化トランジスタISTを介して、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG、容量素子SC1の第1の電極640)の電圧は電圧V1bから電圧Viniに上昇し、電圧Viniに固定される。即ち、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)及び駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)がリセット(初期化)される。
【0075】
<1-5-2.第1の期間の初期化動作及び閾値補正動作>
初期化動作及び閾値補正動作は、発光素子駆動部110Rの第1ノードDRTG及び第2ノードDRTSを初期化し、第1ノードDRTG及び第2ノードDRTSの間に接続された容量素子SC1に、駆動トランジスタDRTの閾値電圧Vthに相当する電荷を保持させる動作である。時刻t12~時刻t14において、認証装置10は初期化動作及び閾値補正動作を実行する。時刻t11~時刻t13までの初期化動作及び閾値補正動作は、リセット動作と同様であるから、ここでの説明は省略される。認証装置10は初期化動作及び閾値補正動作を実行する。
【0076】
図8又は図11を用いて、各種信号の時刻t13~時刻t14におけるタイミングを説明する。図8に示されるように、時刻t13~時刻t14では、リセット信号RG(n)はハイレベルからローレベルに変化し、リセット信号RG(n)にはローレベルが供給される。発光制御信号BG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、発光制御信号BG(n)にはハイレベルが供給される。初期化制御信号IG(n)はハイレベルを維持し、走査信号SG(n)、及び書き込み制御信号WCSAはローレベルを維持する。よって、図11に示されるように、選択トランジスタSST、リセットトランジスタRST、第1のトランジスタ411、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)である。一方、発光制御トランジスタBCT、及び初期化トランジスタISTは導通状態(ON)である。なお、駆動トランジスタDRTは、第1ノードDRTG、第2ノードDRTS、及び第3ノードDRTDに供給される電圧に応じて、導通状態(ON)から非導通状態(OFF)に変化する。
【0077】
初期化動作及び閾値補正動作では、発光制御トランジスタBCTが第1の駆動電源線PVDD1(駆動電源線428)に電気的に接続され、駆動トランジスタDRTの第3の電極630(第3ノードDRTD)には第1の駆動電圧VDDH1が供給される。その結果、駆動トランジスタDRTに、第1の駆動電源線PVDD1から発光素子RLEDの第1の電極660の方向へ、電流が流れる(駆動トランジスタDRTは導通状態)。したがって、駆動トランジスタDRTのソース電極610及び保持容量素子SC1の第2の電極650(即ち、第2ノードDRTS)が充電される。
【0078】
また、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)の電圧は電圧Viniに固定されている。駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧が、電圧Vrstから電圧V2bに上昇する。ここで、電圧V2bは、Vini-Vthであり、電圧Vrstより大きく、基準電圧VSSより小さい。駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧が、電圧V2b(=Vini-Vth)になると、駆動トランジスタDRTのゲート電極620とソース電極610との間の電圧が閾値電圧Vthとなるため、駆動トランジスタDRTは非導通状態となる。
【0079】
認証装置10(表示装置100)は、初期化動作及び閾値補正動作によって、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間(容量素子SC1)に、駆動トランジスタDRTの閾値値電圧Vthに相当する電荷を保持することができる。その結果、認証装置10(表示装置100)は、駆動トランジスタDRTの閾値電圧を補正することができる。なお、このとき、発光素子RLEDの第1の電極660と第2の電極670との間には、{(Vini-Vth)-PVSS}の電圧が供給されている。しかし、この電圧は発光素子RLEDの発光開始電圧を上回っていないため、電流は発光素子RLEDに流れない。よって、発光素子RLEDは非発光(状態)である。
【0080】
<1-5-3.第2の期間のデータ書き込み動作>
データ書き込み動作は、発光素子駆動部110Rの第1ノードDRTGに、画像データを供給し(書き込み)、発光素子RLEDが、画像データに応じた電圧を用いて発光可能な状態にする動作である。第2の期間は、時刻t14~時刻t31であり、時刻t22~時刻t23において、認証装置10はデータ書き込み動作を実行する。
【0081】
図8又は図12を用いて、各種信号の時刻t14~時刻t22におけるタイミングを説明する。図8に示されるように、時刻t14~時刻t22では、初期化制御信号IG(n)はハイレベルからローレベルに変化し、初期化制御信号IG(n)にはローレベルが供給される。リセット信号RG(n)、走査信号SG(n)、及び書き込み制御信号WCSAは、ローレベルを維持する。また、時刻t21において、発光制御信号BG(n)はハイレベルからローレベルに変化し、発光制御信号BG(n)にはローレベルが供給される。よって、図12に示されるように、初期化トランジスタIST、選択トランジスタSST、駆動トランジスタDRT、リセットトランジスタRST、第1のトランジスタ411、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)である。一方、発光制御トランジスタBCTは導通状態(ON)から非導通状態(OFF)に変化する。
【0082】
各トランジスタが非導通状態になることに応じて、容量素子SC1、及び容量素子SC2の容量カップリングにより、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)の電圧は電圧Viniから電圧V1cに低下し、電圧V1cに固定される。また、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧は電圧V2bから電圧V2cに低下し、電圧V2cに固定される。電圧(V1c-V2c)は、電圧(Vini-Vth)と同一又は略同一であり、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間(容量素子SC1)に、駆動トランジスタDRTの閾値電圧Vthに相当する電荷を保持している。なお、電圧V1cは基準電圧VSSより大きく、かつ、電圧Viniより小さく、電圧V2cは基準電圧VSSより小さく、かつ、電圧Vrstより大きい。
【0083】
図8又は図13を用いて、各種信号の時刻t22~時刻t23におけるタイミングを説明する。時刻t22~時刻t23では、認証装置10(表示装置100)は、データ書き込み動作を実行する。図8に示されるように、走査信号SG(n)、及び書き込み制御信号WCSAは、ローレベルからハイレベルに変化し、走査信号SG(n)、及び書き込み制御信号WCSAにはハイレベルが供給される。リセット信号RG(n)、発光制御信号BG(n)、及び初期化制御信号IG(n)は、ローレベルを維持する。
【0084】
よって、図13に示されるように、発光制御トランジスタBCT、初期化トランジスタIST、駆動トランジスタDRT、リセットトランジスタRST、及び第1のトランジスタ411は非導通状態(OFF)である。一方、選択トランジスタSST、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)から導通状態(ON)に変化する。選択トランジスタSST、及び第2のトランジスタ413が導通状態になると、表示装置制御回路320は、画像データ信号WDSAを、書き込み端子404に供給する。画像データ信号WDSAは、書き込み端子404、第2のトランジスタ413、データ信号線接続端子406、データ信号線409A、及び選択トランジスタSSTを経由して、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)に送信される。
【0085】
ここで、画像データ信号WDSAは、データ信号SL(m-5)である。データ信号SL(m-5)は、電圧Vsig(m-5)を含み、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)の電圧は、電圧V1cから電圧Vsig(m-5)に上昇し、電圧Vsig(m-5)に固定される。一方、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧は電圧V2cから電圧V2dに上昇し、電圧V2dに固定される。ここで、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、V1c-V2cから、Vsig(m-5)-V2dに変化する。電圧(V1c-V2c)は、電圧(Vini-Vth)と同一又は略同一であるから、例えば、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、{Vsig(m-5)-(Vini-Vth)}となる。よって、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、駆動トランジスタDRTの閾値電圧のばらつきが反映された電圧となる。なお、電圧V2dは基準電圧VSSより大きく、かつ、電圧Viniより小さい。
【0086】
図8又は図14を用いて、各種信号の時刻t23~時刻t31におけるタイミングを説明する。図8に示されるように、時刻t23~時刻t31において、走査信号SG(n)、及び書き込み制御信号WCSAは、ハイレベルからローレベルに変化し、走査信号SG(n)、及び書き込み制御信号WCSAにはローレベルが供給される。また、リセット信号RG(n)、発光制御信号BG(n)、及び初期化制御信号IG(n)は、ローレベルを維持する。よって、図14に示されるように、発光制御トランジスタBCT、初期化トランジスタIST、駆動トランジスタDRT、リセットトランジスタRST、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)である。一方、選択トランジスタSST、及び第2のトランジスタ413は導通状態(ON)から非導通状態(OFF)に変化する。
【0087】
選択トランジスタSST、及び第2のトランジスタ413が非導通状態になると、全てのトランジスタが非導通状態になる。各トランジスタが非導通状態になることに応じて、容量素子SC1、及び容量素子SC2の容量カップリングにより、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)の電圧は電圧Vsig(m-5)から電圧V1dに低下し、電圧V1dに固定される。また、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧は電圧V2dから電圧V2eに低下し、電圧V2eに固定される。なお、電圧V1dは電圧Viniより大きく、かつ、電圧Vsig(m-5)より小さく、電圧V2eは基準電圧VSSより小さく、かつ、電圧Vrstより大きい。
【0088】
時刻t31において、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、Vsig(m-5)-V2dから、V1d-V2eに変化する。例えば、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、{Vsig(m-5)-(Vini-Vth)}を維持する。
【0089】
<1-5-4.第3の期間の発光動作>
発光動作は、発光素子RLEDが画像データに応じた電圧を用いて発光する動作であり、即ち、認証装置10(表示装置100)が表示部104に画像を表示する動作である。第3の期間は、時刻t31~時刻t34である。
【0090】
図8又は図15を用いて、各種信号の時刻t31~時刻t34におけるタイミングを説明する。図8に示されるように、時刻t31~時刻t34において、発光制御信号BG(n)はローレベルからハイレベルに変化し、発光制御信号BG(n)にはハイレベルが供給される。また、リセット信号RG(n)、初期化制御信号IG(n)、走査信号SG(n)、及び書き込み制御信号WCSAは、ローレベルを維持する。よって、図15に示されるように、初期化トランジスタIST、選択トランジスタSST、リセットトランジスタRST、第1のトランジスタ411、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)である。一方、発光制御トランジスタBCTは非導通状態(OFF)から導通状態(ON)に変化する。
【0091】
図8又は図15に示されるように、発光制御トランジスタBCTが導通状態(ON)になることに伴い、発光制御トランジスタBCTが第1の駆動電源線PVDD1(駆動電源線428)に電気的に接続され、駆動トランジスタDRTの第3の電極630(第3ノードDRTD)には第1の駆動電圧VDDH1が供給される。その結果、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧は、電圧V2eから電圧V2fに上昇し、電圧V2fに固定される。また、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧が電圧V2fに上昇したことに伴い、容量素子SC1、及び容量素子SC2の容量カップリングにより、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)の電圧は、電圧V1dから電圧V1eに上昇し、電圧V1eに固定される。
【0092】
駆動トランジスタDRTに、第1の駆動電源線PVDD1から発光素子RLEDの第1の電極660の方向へ、電流が流れる(駆動トランジスタDRTは導通状態)。したがって、駆動トランジスタDRTのソース電極610及び保持容量素子SC1の第2の電極650(即ち、第2ノードDRTS)が充電される。第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、V1d-V2eから、V1e-V2fに変化する。電圧(V1e-V2f)は、電圧(V1d-V2e)と同一又は略同一であり、例えば、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、{Vsig(m-5)-(Vini-Vth)}を維持する。第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、駆動トランジスタDRTのゲート電極620とソース電極610との間の電圧Vgsである。電圧Vgsは、駆動トランジスタDRTの閾値電圧Vthを補正された電圧である。
【0093】
画像データの電圧Vsig(m-5)及び補正された閾値電圧に応じた電圧Vgsとを用いて、駆動トランジスタDRTに流れる電流が発光素子RLEDに流れ、発光素子RLEDは発光(Emit)する。
【0094】
このとき、例えば、駆動トランジスタDRTのゲート電極620の電圧V1e(即ち、第1ノードDRTGの電圧)は、Vsig(m-5)-(Vini-Vth)+Vledである。ここで、電圧Vledは、発光素子RLEDの第1の電極660と第2の電極670との間の電圧であり、容量値Csは容量素子SC1の容量値であり、容量値Cledは付加容量Cledの容量値であり、容量値Cadはアノード容量Cadの容量値である。
【0095】
以上説明したように、サブ画素120Aの発光素子駆動部110Rの一連の動作が完了する。発光素子駆動部110Rと同様に、サブ画素120Bの発光素子駆動部110Gの動作、及びサブ画素120Cの発光素子駆動部110B動作も完了する。当該動作を走査信号線の1行目の各サブ画素から最終行のサブ画素まで完了すると、1つのサブフレーム期間(例えば、第1のサブフレーム期間)の動作が完了し、同様の動作を複数のサブフレーム期間(例えば、第2のサブフレーム期間、第3のサブフレーム期間・・・)で繰り返し実行することで、1フレーム期間内での1画面の画像となる。当該動作を繰り返し、表示装置100の表示部104に画像が表示される。
【0096】
<1-6.認証装置10のPUF-IDを生成するための駆動方法>
図16は、本発明の一実施形態に係る認証装置10のPUF-IDを生成するためのタイミングチャートを示す模式的な図である。図9図11は、図16に示される第4の期間における画素回路130及び読み書き選択回路107を示す模式図である。図12図14は、図16に示される第5の期間における画素回路130及び読み書き選択回路107を示す模式図である。図15は、図16に示される第6の期間における画素回路130及び読み書き選択回路107を示す模式図である。図17図19は、図16に示される第6の期間における画素回路130及び読み書き選択回路107を示す模式図である。認証装置10の駆動方法は、図8図19に示される駆動方法に限定されない。図1図15と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0097】
図16に示される第4の期間、第5の期間、及び、第6の期間の一部は、図8図15に示される第1の期間、第2の期間、第3の期間の一部と同様であるから、ここでの説明は省略される。図16に示される認証装置10の駆動方法は、時刻t32以降の動作において、図8に示される認証装置10の駆動方法と異なるため、ここでは、主に、時刻t32以降の動作を説明する。
【0098】
<1-6-1.第6の期間のデータ読み出し及びPUFデータ取得動作>
データ読み出し及びPUFデータ取得動作(以降、PUFデータ取得動作)は、表示装置100に固有のPUFデータを取得し、PUF-IDを生成する動作である。第6の期間は、時刻t31~時刻t34である。時刻t31~時刻t32の動作は、「1-5-4.第3の期間の発光動作」において説明された動作と同様であるから、ここでの説明は省略される。
【0099】
図16又は図17を用いて、各種信号の時刻t32~時刻t33におけるタイミングを説明する。図16に示されるように、時刻t32~時刻t33において、走査信号SG(n)及び読み出し制御信号RCSAはローレベルからハイレベルに変化し、走査信号SG(n)及び読み出し制御信号RCSAにはハイレベルが供給される。発光制御信号BG(n)はハイレベルを維持し、リセット信号RG(n)、初期化制御信号IG(n)、及び書き込み制御信号WCSAは、ローレベルを維持する。よって、図17に示されるように、発光制御トランジスタBCTは導通状態(ON)であり、初期化トランジスタIST、リセットトランジスタRST、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)である。一方、選択トランジスタSST及び第1のトランジスタ411は非導通状態(OFF)から導通状態(ON)に変化する。また、駆動トランジスタDRTは、第1ノードDRTG、第2ノードDRTS、及び第3ノードDRTDに供給される電圧に応じて、非導通状態(OFF)から導通状態(ON)に変化する。
【0100】
図16又は図17に示されるように、発光制御トランジスタBCTが導通状態(ON)になることに伴い、発光制御トランジスタBCTが第1の駆動電源線PVDD1(駆動電源線428)に電気的に接続され、駆動トランジスタDRTの第3の電極630(第3ノードDRTD)には第1の駆動電圧VDDH1が供給される。選択トランジスタSST及び第1のトランジスタ411が導通状態(ON)に変化した事により、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)の電荷が引き抜かれる。その結果、第1ノードDRTGの電圧が低下し、駆動トランジスタDRTの駆動能力が低下する。ここで、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧は、駆動トランジスタDRTに流れる電流と発光素子RLEDに流れる電流とが釣り合うような電圧になる。駆動トランジスタDRTに流れる電流が低下すると、第2ノードDRTSの電圧が低下する。その結果、第2ノードDRTSDRTSの電圧は、電圧V2fから電圧V2gに低下する。また、第2ノードDRTSの電圧が電圧V2gに低下したことに伴い、容量素子SC1、及び容量素子SC2の容量カップリングにより、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)の電圧は、例えば、電圧V1eから電圧Vsig(m-5)に低下し、電圧Vsig(m-5)に固定される。
【0101】
以上のようにして、駆動トランジスタDRTに、第1の駆動電源線PVDD1から発光素子RLEDの第1の電極660の方向へ、電流が流れる(駆動トランジスタDRTは導通状態)。したがって、駆動トランジスタDRTのソース電極610及び保持容量素子SC1の第2の電極650(即ち、第2ノードDRTS)が充電される。第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、V1e-V2fから、Vsig(m-5)-V2gに変化する。電圧(V1e-V2f)は、電圧(V1d-V2e)と同一又は略同一であり、例えば、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、{Vsig(m-5)-(Vini-Vth)}を維持する。第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、駆動トランジスタDRTのゲート電極620とソース電極610との間の電圧Vgsである。電圧Vgsは、駆動トランジスタDRTの閾値電圧Vthを補正された電圧である。
【0102】
ここで、例えば、初期化トランジスタIST又は選択トランジスタSSTのゲート電極の電圧が変化した瞬間に、初期化トランジスタIST又は選択トランジスタSSTと駆動トランジスタDRTのゲート電極620との間の容量(図示は省略)とのカップリングによって、初期化トランジスタIST又は選択トランジスタSSTのドレイン電極の電圧(即ち、第1ノードDRTGの電圧)が瞬間的に変化する場合がある。このことは、所謂、フィードスルーと呼ばれ、この瞬間的な電圧はフィードスルーに伴う電圧である。詳細な説明は省略するが、第1ノードDRTGの電圧は、この瞬間的な電圧はフィードスルーに伴う電圧(ここでは、フィードスルー電圧と呼ぶ)を含んでもよい。
【0103】
時刻t32~時刻t33において、駆動トランジスタDRTは、各電極に印加される電圧に応じて電流を流し、駆動トランジスタDRTに流れる電流と同等の電流が発光素子RLEDに流れ、発光素子RLEDは発光(Emit)する。
【0104】
また、「1-5-4.第3の期間の発光動作」において説明したとおり、駆動トランジスタDRTのゲート電極620の電圧V1e(即ち、第1ノードDRTGの電圧)は、例えば、Vsig(m-5)-(Vini-Vth)+Vledである。選択トランジスタSST、及び第1のトランジスタ411が導通状態になると、表示装置100は、電圧Vsig(m-5)-(Vini-Vth)+Vled×Cs/(Cs+Cad+Cled)を含む読み出しデータ信号RDSAを、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)、選択トランジスタSST、データ信号線409A、データ信号線接続端子406、第2のトランジスタ413、及び読み出し端子402を経由して、PUF-ID生成回路310に送信する。
【0105】
即ち、PUF-ID生成回路310は、第1ノードDRTGの電圧を含む読み出しデータを読み出し、サブ画素120Aに固有のPUFデータを取得する。また、読出しデータは、駆動トランジスタDRTの閾値電圧Vthを含む情報(データ)を含むため、PUF-ID生成回路310(認証装置10)は、画素毎の閾値電圧(すなわち、閾値電圧のばらつき)を取得することができる。以上のとおり、認証装置10は、第6の期間のデータ読み出し及びPUFデータ取得動作を実行する。
【0106】
<1-6-2.第6の期間の時刻t33~時刻t34における動作>
時刻t33~時刻t34では、表示装置100は、データ読み出し及びPUFデータ取得動作を停止する動作である。
【0107】
図16又は図18を用いて、各種信号の時刻t33~時刻t34におけるタイミングを説明する。図16に示されるように、時刻t33~時刻t34において、走査信号SG(n)及び読み出し制御信号RCSAはハイレベルからローレベルに変化し、走査信号SG(n)及び読み出し制御信号RCSAにはローレベルが供給される。発光制御信号BG(n)はハイレベルを維持し、リセット信号RG(n)、初期化制御信号IG(n)、及び書き込み制御信号WCSAは、ローレベルを維持する。よって、図18に示されるように、発光制御トランジスタBCTは導通状態(ON)であり、初期化トランジスタIST、リセットトランジスタRST、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)である。一方、選択トランジスタSST及び第1のトランジスタ411は導通状態(ON)から非導通状態(OFF)に変化する。また、駆動トランジスタDRTは、第1ノードDRTG、第2ノードDRTS、及び第3ノードDRTDに供給される電圧に応じて、導通状態(ON)から非導通状態(OFF)に変化する。
【0108】
図16又は図18に示されるように、発光制御トランジスタBCTが導通状態(ON)を続けることに伴い、発光制御トランジスタBCTが第1の駆動電源線PVDD1(駆動電源線428)に電気的に接続され、駆動トランジスタDRTの第3の電極630(第3ノードDRTD)には第1の駆動電圧VDDH1が供給され続けている。よって、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧は電圧V2gに固定され続け、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)の電圧は電圧Vsig(m-5)に固定され続ける。また、選択トランジスタSST及び第1のトランジスタ411が非導通状態(OFF)に変化することに伴い、駆動トランジスタDRTのゲート電極620の電圧Vsig(m-5)はPUF-ID生成回路310に送信されない。
【0109】
以上のようにして、駆動トランジスタDRTに、第1の駆動電源線PVDD1から発光素子RLEDの第1の電極660の方向へ、電流が流れる(駆動トランジスタDRTは導通状態)。したがって、第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、{Vsig(m-5)-(Vini-Vth)}を維持する。第1ノードDRTGと第2ノードDRTSの間の電圧は、駆動トランジスタDRTのゲート電極620とソース電極610との間の電圧Vgsである。電圧Vgsは、駆動トランジスタDRTの閾値電圧Vthを補正された電圧である。
【0110】
時刻t33~時刻t34において、駆動トランジスタDRTは、各電極に印加される電圧に応じて電流を流し、駆動トランジスタDRTに流れる電流と同等の電流が発光素子RLEDに流れ、発光素子RLEDは発光(Emit)する。
【0111】
<1-7.時刻t34以降における動作>
時刻t34以降では、表示装置100は、発光を停止する動作である。
【0112】
図16又は図19を用いて、各種信号の時刻t34におけるタイミングを説明する。図19に示されるように、時刻t34以降において、発光制御信号BG(n)はハイレベルからローレベルに変化し、発光制御信号BG(n)にはローレベルが供給される。リセット信号RG(n)、初期化制御信号IG(n)、走査信号SG(n)、読み出し制御信号RCSA、及び書き込み制御信号WCSAは、ローレベルを維持する。よって、図19に示されるように、初期化トランジスタIST、リセットトランジスタRST、選択トランジスタSST、第1のトランジスタ411、及び第2のトランジスタ413は非導通状態(OFF)である。一方、発光制御トランジスタBCTは導通状態(ON)から非導通状態(OFF)に変化する。
【0113】
図16又は図19に示されるように、発光制御トランジスタBCTが非導通状態(OFF)になることに伴い、第1の駆動電源線PVDD1から発光素子RLEDの第1の電極660への電流が発光制御トランジスタBCTによって遮断される。その結果、例えば、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧は、電圧V2gから基準電圧VSSに低下し、基準電圧VSSに固定される。また、駆動トランジスタDRTのソース電極610(第2ノードDRTS)の電圧が基準電圧VSSに低下したことに伴い、容量素子SC1、及び容量素子SC2の容量カップリングにより、駆動トランジスタDRTのゲート電極620(第1ノードDRTG)の電圧は、例えば、電圧Vsig(m-5)から電圧V1fに低下し、電圧V1fに固定される。
【0114】
以上のようにして、第1の駆動電源線PVDD1から発光素子RLEDの第1の電極660への電流が発光制御トランジスタBCTによって遮断される。したがって、発光素子RLEDは非発光となる。
【0115】
以上説明したように、サブ画素120Aの発光素子駆動部110Rの一連の動作が完了する。発光素子駆動部110Rと同様に、サブ画素120Bの発光素子駆動部110Gの動作、及びサブ画素120Cの発光素子駆動部110B動作も完了する。当該動作を走査信号線の1行目の各サブ画素から最終行のサブ画素まで完了すると、1つのサブフレーム期間(例えば、第1のサブフレーム期間)の動作が完了する。同様の動作を複数のサブフレーム期間(例えば、第2のサブフレーム期間、第3のサブフレーム期間・・・)で繰り返し実行する。こうして、1フレーム期間内における、表示装置100から、読み出しデータを読み出し、表示装置100に固有のPUFデータを取得することができる。
【0116】
PUF-ID生成回路310は、例えば、取得した複数のPUFデータ(読み出しデータ信号RDSAに含まれる電圧)をシリアルに積分回路312に送信する。積分回路312は、取得した複数のPUFデータを所定の時間において積分した後に、ADコンバータ314を用いて、積分された電圧をデジタル信号に変換する。続いて、PUF-ID生成回路310は、デジタル信号に変換されたデータ(情報)を用いて、認証装置10(表示装置100)に固有のPUF-IDを生成することができる。
【0117】
また、近年、複数の画素のそれぞれを発光素子で形成した表示装置が注目されている。発光素子は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)、微小な発光ダイオード(マイクロLED)、有機エレクトロルミネッセンス(Electro Luminescence:EL)素子等である。当該表示装置においても、当該表示装置を用いた不正利用を抑制するため、個体の認証を強化するとともに安全性を確保することは重要である。よって、本発明の課題の一つは、表示装置を用いた不正利用を抑制するため、PUFを利用した認証装置を提供することを課題の一つとする。また、本発明の課題の一つは、表示装置を用いた不正利用を抑制するため、PUFを利用した認証装置の駆動方法を提供することを課題の一つとする。
【0118】
本発明の一実施形態に係る認証装置10及び認証装置10の駆動方法では、発光素子LEDを備える表示装置100を用いて、閾値を補正し、閾値補正に伴う電荷に相当する電圧を含む読み出し信号を読み出し、当該電圧を用いて、発光素子LEDを備える表示装置100に固有のPUF-IDを生成することができる。その結果、生成されたPUF-IDを用いて認証装置10を管理することによって、当該表示装置を用いた不正利用を抑制することが可能である。また、本発明の一実施形態に係る認証装置10及び認証装置10の駆動方法では、当該表示装置に固有のPUF-IDを用いて認証装置10を管理することができるため、個体の認証を強化するとともに安全性を確保することができる。
【0119】
<1-8.コリメータ1100の構成>
図20(A)及び図20(B)を用いて、本発明の一実施形態に係る認証装置10に含まれるコリメータ1100の構成を説明する。図20(A)は本発明の一実施形態に係る認証装置10の断面の一部を示す模式図であり、図20(B)は図20(A)のA1とA2に沿った断面を示す端部断面図である。
【0120】
「1-1.認証装置10の構成」において説明したとおり、検出装置200は、粘着シート1020を用いて、コリメータ1100に接着される。図20(A)又は図20(B)に示されるように、コリメータ1100は検出装置200の上面に積層され、コリメータ1100の表面は複数のマイクロレンズ274を有する。また、検出装置200は、検出部204に複数の光電変換素子252を有する。複数の光電変換素子252のそれぞれのZ方向上方には、複数のマイクロレンズ274のそれぞれが1対1で配置されている。
【0121】
図20(B)に示されるように、コリメータ1100では、有機絶縁層254、第1の遮光層256、IRカットフィルタ262、有機樹脂層264、第2の遮光層266、有機絶縁層272、及び、マイクロレンズ274が、Z方向に下方から上方に向かって、この順番で積層されている。
【0122】
第1の遮光層256は、導電膜258及び導電膜258に開孔されたピンホールに設けられた有機樹脂膜260を含む。また、第2の遮光層266は、有機樹脂層268及び有機樹脂層268に開孔されたピンホールに設けられた有機樹脂層270を含む。導電膜258に開孔されたピンホールは、有機樹脂層268に開孔されたピンホールより小さく、平行光が光電変換素子252に効率よく集光される。
【0123】
なお、有機樹脂層268は所謂ブラックマトリクスであり、黒い樹脂を用いて形成される。有機絶縁層272は透明又は半透明な樹脂を用いて形成される。
【0124】
<1-9.認証装置10を用いた認証方法>
図21は、本発明の一実施形態に係る認証装置10を用いた認証方法のうち、PUF-ID及び第1の指紋情報を登録する方法を示すフローチャートである。図22は、図21に示されるフローチャートを用いて登録されたPUF-ID及び第1の指紋情報を認証する方法を示すフローチャートである。認証装置10の認証方法は、図21及び図22に示される認証方法に限定されない。図1図20と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0125】
図21を用いて、第1のPUF-ID(第1ID)と指紋情報の紐付け及び登録について説明する。図21に示されるように、第1のPUF-ID(第1ID)と指紋情報の紐付け及び登録が開始されると、例えば、ステップ101(S101)において、認証装置10のユーザーは、認証装置10に第1IDとタッチした指紋(Finger Print、FP)の情報(第1指紋情報)を登録するように要求(登録要求)する。例えば、ユーザーが表示装置100の表示部104近傍をタッチすることに伴い、認証装置10の検出装置200は登録要求を受信する。登録要求は表示装置制御回路320及び検出装置制御回路330に送信され、表示装置制御回路320及び検出装置制御回路330は登録要求を処理する。登録要求は、サーバー500にも送信され、サーバー500は登録要求を処理する。
【0126】
ステップ103(S103)において、表示装置制御回路320は、表示装置100からPUFデータを取得すると共に第1IDを生成するように、表示装置100及びPUF-ID生成回路310に、第1の制御信号を送信する。表示装置100及びPUF-ID生成回路310は、第1の制御信号を受信し、例えば、「1-5.認証装置10に画像を表示するための駆動方法」、「1-6.認証装置10のPUF-IDを生成するための駆動方法」、及び「1-7.時刻t34以降における動作」を用いて、PUFデータを取得すると共に第1IDを生成する。
【0127】
ステップ105(S105)において、例えば、第1IDが記憶回路340に格納され、第1IDは認証装置10に登録される。
【0128】
ステップ107(S107)において、検出装置200の検出部204は、表示装置100の表示部104近傍をタッチしたユーザーの第1指紋情報を検出し、第1指紋情報を含む検出信号を生成する。検出装置200は、第1指紋情報を含む検出信号を、検出装置制御回路330に送信する。検出装置制御回路330は、第1指紋情報を含む検出信号を受信する。
【0129】
ステップ109(S109)において、検出装置制御回路330は、例えば、記憶回路340から、第1IDを読み出し、第1IDと第1指紋情報を紐付けする。また、検出装置制御回路330は、紐付けされた第1IDと第1指紋情報を記憶回路340に送信する。紐付けされた第1IDと第1指紋情報は記憶回路340及び記憶回路370に送信されると共に格納され、認証装置10及びサーバー500に登録される。
【0130】
なお、ステップ105(S105)において、生成された第1IDが記憶回路370に送信されると共に格納され、第1IDはサーバー500に登録されてもよい。続く、ステップ107(S107)において、検出装置200は、第1指紋情報を含む検出信号を、記憶回路370に送信してもよい。さらに、ステップ109(S109)において、サーバー500では、例えば、記憶回路370から、第1ID及び第1指紋情報が読み出され、第1IDと第1指紋情報が紐付けされたのち、紐付けされた第1IDと第1指紋情報が記憶回路370に送信されてもよい。
【0131】
以上のように、紐付けされた第1IDと第1指紋情報の登録が終了する。
【0132】
続いて、図22を用いて、紐付けされた第1ID及び第1指紋情報と、紐付けされた第2ID及び第2指紋情報との認証について説明する。図22に示されるように、第2のPUF-ID(第2ID)と指紋情報の紐付け及び認証が開始されると、例えば、ステップ201(S201)において、認証装置10のユーザーは、認証装置10に第2IDとタッチした指紋(Finger Print、FP)の情報(第2指紋情報)を登録し、認証するように要求(認証要求)する。例えば、ユーザーが表示装置100の表示部104近傍をタッチすることに伴い、認証装置10の検出装置200は認証要求を受信する。認証要求は表示装置制御回路320及び検出装置制御回路330に送信され、表示装置制御回路320及び検出装置制御回路330は認証要求を処理する。認証要求は、サーバー500にも送信され、サーバー500は認証要求を処理する。
【0133】
ステップ203(S203)、ステップ205(S205)、ステップ207(S207)、及びステップ209(S209)は、ステップ103(S103)、ステップ105(S105)、ステップ107(S107)、及びステップ109(S109)において、第1ID、及び第1指紋情報を、それぞれ、第2ID、及び第2指紋情報に置き換えた処理であるから、ここでの詳細な説明は省略される。
【0134】
ステップ209(S209)に続いて、ステップ211(S211)において、サーバー500は、ユーザーからの認証要求に基づく第2の制御信号を受信する。サーバー500内の比較回路350は、ユーザーからの認証要求に基づく第2の制御信号を受信すると共に、記憶回路370から、あらかじめ登録されていた紐付けされた第1ID及び第1指紋情報、及び、紐付けされた第2ID及び第2指紋情報とを読み出す。比較回路350は、あらかじめ登録されていた紐付けされた第1ID及び第1指紋情報と、紐付けされた第2ID及び第2指紋情報とを比較し、比較結果を生成する。また、比較回路350は、当該比較結果を判定回路360に送信する。
【0135】
続いて、ステップ213(S213)において、判定回路360は、比較結果を受信し、比較結果を用いて、あらかじめ登録されていた紐付けされた第1のPUF-ID及び第1の指紋情報と、紐付けされた第2のPUF-ID及び第2の指紋情報とが一致しているか否(不一致)かを判定する。例えば、あらかじめ登録されていた紐付けされた第1のPUF-ID及び第1の指紋情報と、紐付けされた第2のPUF-ID及び第2の指紋情報とが一致している情報を含む場合、判定回路360は、情報は一致していると判定(ステップS213においてYES)し、認証装置10はステップ215(S215)を実行する。あらかじめ登録されていた紐付けされた第1のPUF-ID及び第1の指紋情報と、紐付けされた第2のPUF-ID及び第2の指紋情報とが一致していない情報を含む場合、判定回路360は、情報は不一致であると判定(ステップS213においてNO)し、認証装置10はステップ217(S217)を実行する。
【0136】
ステップ215(S215)において、判定回路360は、比較結果が一致している情報(第1の判定結果)を含む第1の比較信号を、例えば、表示装置制御回路320に送信する。表示装置制御回路320は、第1の比較信号に基づき、一致(例えば、認証成功)を表示部104に出力する(表示する)ように表示装置100を制御する。
【0137】
ステップ217(S217)において、判定回路360は、比較結果が一致していない情報(第2の判定結果)を含む第2の比較信号を、例えば、表示装置制御回路320に送信する。表示装置制御回路320は、第2の比較信号に基づき、不一致(例えば、認証失敗)を表示部104に出力する(表示する)ように表示装置100を制御する。
【0138】
以上のように、紐付けされた第1ID及び第1指紋情報と、紐付けされた第2のPUF-ID及び第2の指紋情報との認証が終了する。
【0139】
以上説明されたように、本発明の一実施形態に係る認証装置10及び認証装置10の駆動方法では、PUF-ID生成回路310を用いて、表示装置100の固有のPUF-IDとユーザーの指紋情報とを紐付けし、登録することができる。また、認証装置10及び認証装置10の駆動方法では、PUF-ID生成回路310を用いて、表示装置100の固有のPUF-IDとユーザーの指紋情報とを照合し、認証に利用することができる。したがって、当該表示装置100を用いた不正利用を抑制することが可能であると共に、個体の認証を強化し安全性を確保することができる。
【0140】
<2.第2実施形態>
図23は、第2実施形態に係る認証装置10Aの構成を示す模式的な断面図である。図24は、第2実施形態に係る検出装置200A及び制御装置300の構成を示す模式図である。図25は、第2実施形態に係る認証装置10Aの構成を示す模式的な断面図である。認証装置10Aの構成は、図23図25に示される構成に限定されない。図1図22と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0141】
認証装置10Aは、認証装置10と比較して、干渉フィルタ800、粘着シート1000、粘着シート1010、粘着シート1020、及びコリメータ1100を有していない。また、認証装置10Aでは、図23に示されるように、表示装置100、粘着シート1030、検出装置200A、及び偏光板900が、Z方向に対して下から上に向かってこの順番に配置される点において、認証装置10と異なる。認証装置10Aにおいて、それ以外の点は、認証装置10と同様であるから、第2実施形態では、主に認証装置10と異なる点が説明される。
【0142】
図24に示されるように、検出装置200Aは、検出部204、検出部204に配置された複数の第2の電極218及び第1の電極220を有する。第2の電極218はRx電極と呼ばれ、第1の電極220はTx電極と呼ばれる。また、検出装置200Aは、基板202、FPC基板212、端子部206、配線214、及び配線216を有する。端子部206は、複数の端子210、及び複数の端子208を含む。複数の端子210、複数の端子208、配線214、配線216、複数の第2の電極218及び複数の第1の電極220は、基板202の上面に配置される。検出装置200Aは、表示装置100とは個別に、制御装置300に電気的に接続される。
【0143】
認証装置10Aにおいても、偏光板900は、例えば、円偏光板を用いることができる。
【0144】
複数の第1の電極220は、上面視においてX方向(行方向)と平行に配置され、複数の第2の電極218、上面視においてY方向(列方向)と平行に配置される。
【0145】
複数の配線216は、例えば、複数の第2の電極218に電気的に接続される。また、複数の配線216は複数の端子208と1対1で電気的に接続される。複数の配線216と同様に、複数の配線214は、例えば、複数の第1の電極220に電気的に接続される。複数の第1の電極220は、例えば、複数の端子210と1対1で電気的に接続される。例えば、第2の電極218は、配線216、端子208、及びFPC基板212を経由して、検出装置制御回路330に電気的に接続される。また、第1の電極220は、配線214、端子210、及びFPC基板212を経由して、検出装置制御回路330に電気的に接続される。
【0146】
複数の第2の電極218及び複数の第1の電極220は、検出装置制御回路330から供給される信号を用いて、読み出しデータを読み出し、検出装置200Aは被検出体を検出することができる。
【0147】
複数の端子208及び複数の端子210は、検出装置200Aの一つの辺に並ぶように形成することができる。このため、単一のFPC基板212を用いて、読み出しを制御する信号及び読み出し信号を、第1の電極220及び第2の電極218に供給する、又は、第1の電極220及び第2の電極218から受信することができる。
【0148】
例えば、検出装置制御回路330は、読み出しを制御する信号を一つ以上生成することができる。また、当該生成された信号は、複数の同じ信号であってもよいし、お互いに異なる複数の信号であってもよいし、同じ信号とお互いに異なる複数の信号であってもよい。
【0149】
ここで、検出装置200Aを、相互容量方式を例に、簡単に説明する。例えば、相互容量方式において、被検出体が検出装置200Aに触れることで、第1の電極220及び第2の電極218における寄生容量から、被検出体と第1の電極220と第2の電極218との間に生ずる容量が減算される。読み出しを制御する信号を用いて、この変化を読み取ること(読み出し信号を生成すること)で、被検出体の指紋情報を取得することができる。また、被検出体が検出装置200Aに触れた位置が検出される。なお、検出装置200Aの動作は、ここで説明した例に限定されない。検出装置200Aの動作は、自己容量方式を用いてもよい。
【0150】
例えば、検出装置200Aは、ユーザーの指紋情報を取得し、当該指紋情報を含む信号を検出装置制御回路330に供給する。検出装置制御回路330は、当該指紋情報を含む信号を記憶回路340に送信し、指紋情報を記憶回路340に格納させることができる。
【0151】
続いて、図25を用いて、認証装置10Aの断面について、説明する。表示装置100において、半導体膜70A、70Bが、基板102の上面に、任意の構成である下地層201を介して、設けられる。
【0152】
発光素子駆動部110Rの駆動トランジスタDRT及び選択トランジスタSSTが、下地層201の上側に設けられる。駆動トランジスタDRTは、半導体膜70A、ゲート絶縁層230、ゲート電極72A(620、DRTG)、ソース電極84A(610)、ドレイン電極86A(630)を含む。駆動トランジスタSSTは、半導体膜70B、ゲート絶縁層230、ゲート電極72B、ソース電極84B、ドレイン電極86Bを含む。ソース電極又はドレイン電極は、半導体膜70A、70Bに不純物を注入することで形成されてもよい。ドレイン電極86Bはデータ信号線409Aに電気的に接続される。ゲート電極72Bは、走査信号線420に電気的に接続される。
【0153】
ゲート電極72A、72Bのそれぞれは、ゲート絶縁層230を間に挟んで、半導体膜70A、70Bと重畳する。半導体膜がゲート電極に重なる領域が各トランジスタのチャネル領域である。各半導体膜はチャネル領域を挟むようにソース及びドレイン領域を有してもよい。絶縁層232がゲート電極上に設けられる。
【0154】
ソース電極84A(610)、ドレイン電極86A(630)、ソース電極84B、ドレイン電極86Bのそれぞれは、絶縁層232又はゲート絶縁層230の一部を露出した開口部74A,76A,74B、76Bを介して、半導体膜70A、70Bのそれぞれと電気的に接続される。
【0155】
有機絶縁層236は、導電層234上に設けられる。有機絶縁層236は、導電層234の一部を露出する開口部122を有する。導電層238、絶縁層240、及び導電層242は、この順に、有機絶縁層236上に設けられる。絶縁層240は、導電層234の一部を露出する開口部122を有する。導電層242は、開口部122を介して、導電層234と電気的に接続される。
【0156】
有機絶縁層244は、導電層242上に設けられる。有機絶縁層244は、開口部127と、開口部128とを有する。開口部127及び開口部128では、導電層242の一部が露出される。導電層246及び導電層248は、この順に、有機絶縁層244上に設けられる。導電層246は、開口部127を介して導電層242と電気的に接続される。また、導電層246は、開口部128を介して導電層242と電気的に接続される。
【0157】
有機絶縁層247は、発光素子RLEDが有機絶縁層247内に埋設されるように設けられる。なお、図示は省略するが、発光素子GLED、及び発光素子BLEDも、発光素子RLEDと同様に、有機絶縁層247内に埋設されるように設けられる。有機絶縁層247は、導電層248の一部が露出された開口部131を有する。導電層249は、有機絶縁層247上に設けられ、開口部131を介して電極248Bと電気的に接続される。
【0158】
絶縁層232は各トランジスタ上に設けられる。絶縁層232はトランジスタやその他の半導体素子に起因する凹凸を吸収し平坦な表面を与える機能を有する。絶縁層232は、膜表面の平坦性に優れるアクリル、ポリイミド等から選ばれた有機化合物材料を用いることができる。
【0159】
導電層234には、ソース電極84A(610)、ドレイン電極86A(630)、ソース電極84B、ドレイン電極86B(630)、データ信号線409A、第1の駆動電源線PVDD1、配線124,配線126などが設けられる。導電層234は、絶縁層232又はゲート絶縁層230の一部を露出した開口部によって、ゲート電極72A(620)、ゲート電極72Bと接続されてもよい。なお、ゲート電極72A(620)、ゲート電極72Bは、導電層234に対してゲート絶縁層230が設けられる側に設けられる。導電層234、及び各ゲート電極の材料として、例えば、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、銅(Cu)、またはタングステン(W)などの金属、又はこれらの合金を用いることができる。また、導電層234は、単層または積層とすることができる。
【0160】
導電層238には、例えば、容量素子SC1の第1の電極640及び容量素子SC2の第1の電極640が設けられる。導電層238の材料として、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)またはインジウム・亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料を用いることができる。
【0161】
導電層242は、導電層234と導電層246とを接続するための配線層として機能することができる。例えば、容量素子SC1の第2の電極650が導電層242に設けられる。導電層242の材料は、導電層234と同様の材料及び同様の構成を用いることができる。
【0162】
導電層246は、発光素子RLED、発光素子GLED、発光素子BLEDを実装するための電極パッドとして機能することができる。例えば、発光素子RLEDの第1の電極660が導電層246に設けられる。また、導電層246は、発光素子RLED、発光素子GLED、発光素子BLEDから出射された光を反射する反射層として機能することができる。導電層246の材料は、導電層234と同様の材料及び同様の構成を用いることができる。
【0163】
導電層248は、発光素子RLED、発光素子GLED、発光素子BLEDを接合するための接合層として機能することができる。導電層248として、例えば、銀ペースト、ハンダ、または異方性導電膜(ACF)を用いることができる。例えば、発光素子RLEDは電極248Aを用いて導電層246(660)に電気的に接続される。第1の電極660は導電層246を用いて形成される。
【0164】
導電層249は、発光素子RLEDの第1の電極660、発光素子GLEDの第1の電極660、発光素子BLEDの第1の電極660、即ち、カソード電極を引き回すための配線層として機能することができる。即ち、カソード電極に接続される又はカソード電極として機能する基準電圧線PVSSが導電層249に設けられる。また、導電層249は、発光素子RLED、発光素子GLED、発光素子BLEDから出射された光を透過する透過層として機能することができる。導電層249として、例えば、インジウム・スズ酸化物(ITO)またはインジウム・亜鉛酸化物(IZO)などの透明導電材料を用いることができる。
【0165】
絶縁層240は、導電層238と導電層242とを離隔し、絶縁化することができる。絶縁層240の材料として、例えば、酸化シリコン(SiO)、酸化窒化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、窒化酸化シリコン(SiN)、酸化アルミニウム(AlO)、酸化窒化アルミニウム(AlO)、窒化酸化アルミニウム(AlN)、または窒化アルミニウム(AlN)などの無機絶縁材料を用いることができる。ここで、SiOおよびAlOは、酸素(O)よりも少ない量の窒素(N)を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。また、SiNおよびAlNは、窒素よりも少ない量の酸素を含有するシリコン化合物およびアルミニウム化合物である。また、絶縁層240は、無機絶縁材料だけでなく、有機絶縁材料を用いることもできる。有機絶縁材料として、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などを用いることができる。絶縁層240は、無機絶縁層材料および有機絶縁材料が各々単独で用いられてもよく、これらが積層されてもよい。
【0166】
有機絶縁層236および有機絶縁層244は、それぞれの下方に位置する層の凹凸を平坦にすることができる有機絶縁層236および有機絶縁層244の各々の材料として、例えば、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはシロキサン樹脂などの有機樹脂を用いることができる。有機絶縁層236および有機絶縁層244の各々は、有機樹脂が単独で用いられてもよく、積層されていてもよい。
【0167】
有機絶縁層247は、導電層249を形成するにあたり、発光素子RLED、発光素子GLED、発光素子BLEDとの段差を低減し、平坦にすることができる。有機絶縁層247の材料として、例えば、感光性アクリルまたは感光性ポリイミドなどの感光性有機材料を用いることができる。
【0168】
表示装置100は、上述した積層構造を有することができる。表示装置100では、上述した積層構造を有し、表示装置100の長期信頼性の低下を抑制する。
【0169】
表示装置100の上面には、粘着シート1030を用いて、検出装置200Aが接着される。粘着シート1030は、導電層221が接着される。例えば、第1の電極220が導電層221に形成される。無機絶縁膜223が導電層221の上に形成される。無機絶縁膜223の上に、導電層225が形成される。例えば、第2の電極218が導電層225に形成される。導電層225の上に、有機絶縁層227が形成される。有機絶縁層227上に、偏光板900が配置される。認証装置10と同様に、偏光板900は粘着シートを含み、偏光板900は当該粘着シートを用いて検出装置200Aに接着されてよい。以上のように、認証装置10Aが形成される。
【0170】
<3.第3実施形態>
図26は、第3実施形態に係る認証装置10Bの構成を示す模式図である。認証装置10Bの構成は図26に示された構成に限定されない。図1図25と同一、又は類似する構成については、ここでの説明を省略する。
【0171】
<3-1.認証装置10Bの構成>
認証装置10では、比較回路350、及び判定回路360が制御装置300に含まれないのに対し、認証装置10Bでは、比較回路350、及び判定回路360が制御装置300Aに含まれる。認証装置10Bでは、それ以外の点は、認証装置10と同様であるから、第3実施形態では、主に認証装置10と異なる点が説明される。
【0172】
認証装置10Bは、例えば、無線ネットワークでサーバー(図示は省略)と通信可能に構成されている。サーバーは第1実施形態と同様に、アプリケーション又はプログラムなどを、認証装置10Bに提供することができる。認証装置10Bは、アプリケーション又はプログラムなどを、記憶回路340に格納することができる。また、認証装置10Bは、アプリケーション又はプログラムなどを用いて、認証装置10Bに画像を表示するための駆動方法を用いた駆動モード、認証装置10BのPUF-IDを生成するための駆動方法を用いた駆動モード、認証装置10Bを用いた認証方法を用いた認証モードなどを実行することができる。
【0173】
制御装置300Aは、比較回路350、及び判定回路360を含む。比較回路350は、判定回路360に電気的に接続され、比較回路350及び判定回路360は、記憶回路340に電気的に接続されている。記憶回路340は、記憶回路370と同様の構成及び機能を含む。
【0174】
<3-2.認証装置10Bを用いた認証方法>
認証装置10Bを用いた認証方法は、認証装置10を用いた認証方法と同様に、図21及び図22のフローチャートに基づく方法である。図21及び図22のフローチャートを用いて、認証装置10Bを用いた認証方法を説明する。認証装置10Bを用いた認証方法の説明では、認証装置10と異なる点が、説明される。
【0175】
ステップ101(S101)、ステップ103(S103)、ステップ105(S105)、ステップ107(S107)、ステップ201(S201)、ステップ203(S203)、ステップ205(S205)、ステップ207(S207)、ステップ209(S209)、ステップ213(S213)、ステップ215(S215)、及びステップ217(S217)は、認証装置10を用いた認証方法と同様であるから、第3実施形態での説明は省略される。
【0176】
ステップ109(S109)において、紐付けされた第1IDと第1指紋情報は記憶回路340に送信されると共に格納され、認証装置10Bに登録される。ステップ109(S109)ののち、紐付けされた第1IDと第1指紋情報の登録が終了する。
【0177】
ステップ211(S211)において、比較回路350は、ユーザーからの認証要求に基づく第2の制御信号を受信すると共に、記憶回路340から、あらかじめ登録されていた紐付けされた第1ID及び第1指紋情報、及び、紐付けされた第2ID及び第2指紋情報とを読み出す。比較回路350は、あらかじめ登録されていた紐付けされた第1ID及び第1指紋情報と、紐付けされた第2ID及び第2指紋情報とを比較し、比較結果を生成する。また、比較回路350は、当該比較結果を判定回路360に送信する。
【0178】
ステップ211(S211)ののち、ステップ213(S213)、及び、ステップ215(S215)又はステップ217(S217)の何れか一方が実行され、紐付けされた第1ID及び第1指紋情報と、紐付けされた第2のPUF-ID及び第2の指紋情報との認証が終了する。
【0179】
第3実施形態に係る認証装置10B及び認証装置10Bの駆動方法を用いた場合においても、第1実施形態と同様に、当該表示装置100を用いた不正利用を抑制することが可能であると共に、個体の認証を強化し安全性を確保することができる。
【0180】
本発明の実施形態として上述した各実施形態又は各実施形態の一部は、相互に矛盾しない限りにおいて、適宜組み合わせて実施することができる。
【0181】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる別の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0182】
10:認証装置、10A:認証装置、10B:認証装置、70A:半導体膜、70B:半導体膜、72A:ゲート電極、72B:ゲート電極、74A:開口部、74B:開口部、76A:開口部、76B:開口部、84A:ソース電極、84B:ソース電極、86A:ドレイン電極、86B:ドレイン電極、100:表示装置、102:基板、104:表示部、106:ドライバIC、107:読み書き選択回路、108:走査信号線駆動回路、109:電源生成回路、110B:発光素子駆動部、110G:発光素子駆動部、110R:発光素子駆動部、111:端子部、112:FPC基板、114:端子、116:周辺部、118:端子、120:画素、120A:サブ画素、120B:サブ画素、120C:サブ画素、130:画素回路、131:開口部、124:配線、126:配線、127:開口部、200:検出装置、200A:検出装置、201:下地層、202:基板、204:検出部、206:端子部、208:端子、210:端子、212:FPC、214:配線、216:配線、218:第2の電極(Rx)、220:第1の電極(Tx)、221:導電層、223:無機絶縁膜、225:導電層、227:有機絶縁層、230:ゲート絶縁層、232:絶縁層、234:導電層、236:有機絶縁層、238:導電層、240:絶縁層、242:導電層、244:有機絶縁層、246:導電層、247:有機絶縁層、248:導電層、248A:電極、248B:電極、249:導電層、250:検出素子ユニット、252:光電変換素子、254:有機絶縁層、256:第1の遮光層、258:導電膜、260:有機樹脂膜、262:IRカットフィルタ、264:有機樹脂層、266:第2の遮光層、268:有機樹脂層(ブラックマトリクス)、270:有機樹脂層、272:有機絶縁層(透明樹脂)、274:マイクロレンズ、300:制御装置、300A:制御装置、310:PUF-ID生成回路、312:積分回路、314:ADコンバータ、320:表示装置制御回路、322:DAコンバータ、330:検出装置制御回路、340:記憶回路、342:メモリ制御回路、350:比較回路、360:判定回路、370:記憶回路、400:選択回路、400A:選択回路、402:読み出し端子、404:書き込み端子、406:データ信号線接続端子、408:読み出し制御端子、409:データ信号線、409A:データ信号線、410:書き込み制御端子、411:第1のトランジスタ、412:第1リセット信号線、413:第2のトランジスタ、414:第2リセット電圧線、415:第1リセット電圧線、416:初期化制御線、418:発光制御線、420:走査信号線、428:駆動電源線、500:サーバー、800:干渉フィルタ、900:偏光板、1000:粘着シート、1010:粘着シート、1020:粘着シート、1030:粘着シート、1100:コリメータ、RLED:発光素子、BLED:発光素子、GLED:発光素子、RCS:読み出し制御信号、RCSA:読み出し制御信号、RDS:読み出しデータ信号、RDSA:読み出しデータ信号、WCS:書き込み制御信号、WCSA:書き込み制御信号、WDS:画像データ信号、WDSA:画像データ信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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