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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146769
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】画像形成装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231004BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20231004BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231004BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
B41J29/38 204
B41J29/38 301
B41J29/42 F
G03G21/00 386
G03G21/00 510
H04N1/00 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054136
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】天木 毬江
(72)【発明者】
【氏名】三上 敦
(72)【発明者】
【氏名】今井 智也
(72)【発明者】
【氏名】井上 大地
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061AQ06
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ24
2C061CQ30
2C061CQ34
2C061HJ07
2C061HK11
2C061HN04
2C061HN21
2C061HV13
2C061HV14
2H270LA54
2H270LA78
2H270MH04
2H270NC13
2H270QB03
2H270QB07
2H270QB24
2H270RB01
2H270RC02
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB40
5C062AB49
5C062AC05
5C062AC58
5C062AD02
5C062AD05
(57)【要約】
【課題】部品交換時のカウンタのリセット操作の漏れや誤りを減らすことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置は、障害の有無およびカバーの開閉を検知して、開閉された自装置のカバーの位置を示す画像を表示部140に表示させ、予め定められた障害の発生が無く、消耗品に関連するカバーが開かれた後に閉じられた場合に、開閉された自装置のカバーの位置および消耗品の位置を示す画像を表示部140に表示させ、この画像において指定された消耗品に関して設定されたカウンタのリセット操作を受け付け可能とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
障害の有無およびカバーの開閉を検知し、
予め定められた障害の発生が無く、消耗品に関連するカバーが開かれた後に閉じられた場合に、当該消耗品の情報を表示装置に表示させ、当該消耗品に関して設定されたカウンタのリセット操作を受け付け可能とすることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、消耗品に関する予め定められた条件を満たして、開かれているカバーが閉じられた場合と、当該条件を満たさずに当該カバーが閉じられた場合とで、前記表示装置に異なる表示をさせることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記カバーの開閉に応じて、開いたカバーを示す情報を前記表示装置に表示させ、
前記条件を満たして前記カバーが閉じられた場合、前記消耗品の情報を表示させ、
前記条件を満たさずに前記カバーが閉じられた場合、前記開いたカバーを示す情報の表示を消すことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記条件は、前記消耗品ごとに定められた方法で計算された当該消耗品の交換時期に関する条件であることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記消耗品の情報を前記表示装置に表示させた状態で、予め定められた事象が発生した場合、当該消耗品の情報の表示を消すことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記事象の発生により前記消耗品の情報の表示を消した場合、次に画像形成処理が実行される際に、前記カウンタのリセット操作を受け付けていないことをユーザに通知することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
表示装置に操作画面を表示させて当該操作画面によりユーザの操作を受け付け、
第1の動作モードにおいて、開閉された自装置のカバーの位置を示す画像を前記表示装置に表示させ、
第2の動作モードにおいて、開閉された自装置のカバーの位置および消耗品の位置を示す画像を前記表示装置に表示させ、当該画像において指定された消耗品に関して設定されたカウンタのリセット操作を受け付け可能とすることを特徴とする、画像形成装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、予め定められた条件を満たして、開かれているカバーが閉じられると、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ移行することを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記条件は、装置に予め定められた障害が発生しておらず、何れかの前記消耗品について、消耗品ごとに定められた方法で計算された当該消耗品の交換時期に達していること、
であることを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記第2の動作モードにおいて予め定められた事象が発生した場合、前記カウンタのリセット操作を受け付けていない場合であっても、前記第1の動作モードへ移行することを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記事象の発生により前記第1の動作モードへ移行した場合、次に画像形成処理が実行される際に、前記カウンタのリセット操作を受け付けていないことをユーザに通知することを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記事象は、前記第1の動作モードで実行される処理の実行指示が行われたことであることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記事象は、自装置が電源オフとなったことであることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記事象は、自装置が節電モードに移行したことであることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項15】
前記事象は、自装置に対する操作が行われずに設定時間が経過したことであることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項16】
コンピュータに、
障害の有無およびカバーの開閉を検知する機能と、
予め定められた障害の発生が無く、消耗品に関連するカバーが開かれた後に閉じられた場合に、当該消耗品の情報を表示装置に表示させる機能と、
前記情報が表示された前記消耗品に関して設定されたカウンタのリセット操作を受け付ける機能と、
を実現させることを特徴とする、プログラム。
【請求項17】
コンピュータに、
表示装置に操作画面を表示させて当該操作画面によりユーザの操作を受け付ける機能と、
第1の動作モードにおいて、開閉された自装置のカバーの位置を示す画像を前記表示装置に表示させる機能と、
第2の動作モードにおいて、開閉された自装置のカバーの位置および消耗品の位置を示す画像を前記表示装置に表示させ、当該画像において指定された消耗品に関して設定されたカウンタのリセット操作を受け付ける機能と、
を実現させることを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置には、消耗品の交換時期をユーザに通知する仕組みが設けられている。一例として、センサ等で消耗品の状態を監視し、交換が必要な状態が検知された場合に通知することが行われる。また、他の一例として、交換推奨時期を定めておき、最終交換日時に基づいて交換時期を特定し通知することが行われる。後者の場合、部品が交換された際に、交換推奨時期までの経過日時やジョブの実行数を計数するためのカウンタをユーザ操作等によりリセットすることが必要となる。
【0003】
特許文献1には、画像形成装置の操作モードとして部品交換作業を行うためのオペレータメンテナンスモードおよびサービスモードを用意し、ユーザ操作により通常モードから移行するこれらのモードにおいて、交換部品リストを表示すること、この表示上で、交換部品リストから選択された部品に関するカウンタをクリアする操作が行われること等が開示されている。
【0004】
特許文献2には、部品の交換を要するイベントの発生を検知した場合、部品の交換を行わせるためのガイダンスを通知し、交換を行うために開かれたカバーが閉状態となったことと、交換が完了したことの指示の入力を受け付けたことを条件として、ガイダンスの通知を終了させる画像形成装置が開示されている。
【0005】
先行技術文献3には、前カバーが開のときに消耗品を新品に交換した旨を登録するためのボタンが表示され、ボタン操作により消耗品の使用量を示すカウンタ値をリセットすると共に新品の消耗品に対する画像安定化処理が実行される画像形成装置が開示されている。また、この装置において、ボタン操作後に前カバーが閉じられると、その時点で待機中のジョブが存在していても、まず画像安定化処理を実行し、その後に待機中のジョブが順次実行され、前カバーが閉のときには、ボタン操作が禁止されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許4974837号公報
【特許文献2】特開2019-184797号公報
【特許文献3】特開2010-156737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
状態を検知できない消耗品に関しては、部品が交換された際に、交換推奨時期までの経過日時やジョブの実行数等を計数するためのカウンタが、ユーザ操作等によりリセットされる。しかし、装置の状態がカバーの開き状態や意図的な操作により移行したモード等の特別な状態の時にカウンタのリセット操作を受け付けることとすると、リセット漏れやリセット対象の間違い等により正しいリセット操作が行われずに通常状態に戻った場合に、正しく交換推奨時期を特定することができなくなる。
【0008】
本発明は、装置の状態に基づいて消耗品の情報を表示することにより、部品交換時のカウンタのリセット操作の漏れや誤りを減らすことができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に係る本発明は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
障害の有無およびカバーの開閉を検知し、
予め定められた障害の発生が無く、消耗品に関連するカバーが開かれた後に閉じられた場合に、当該消耗品の情報を表示装置に表示させ、当該消耗品に関して設定されたカウンタのリセット操作を受け付け可能とすることを特徴とする、画像形成装置である。
請求項2に係る本発明は、
前記プロセッサは、消耗品に関する予め定められた条件を満たして、開かれているカバーが閉じられた場合と、当該条件を満たさずに当該カバーが閉じられた場合とで、前記表示装置に異なる表示をさせることを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に係る本発明は、
前記プロセッサは、
前記カバーの開閉に応じて、開いたカバーを示す情報を前記表示装置に表示させ、
前記条件を満たして前記カバーが閉じられた場合、前記消耗品の情報を表示させ、
前記条件を満たさずに前記カバーが閉じられた場合、前記開いたカバーを示す情報の表示を消すことを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項4に係る本発明は、
前記条件は、前記消耗品ごとに定められた方法で計算された当該消耗品の交換時期に関する条件であることを特徴とする、請求項2に記載の画像形成装置である。
請求項5に係る本発明は、
前記プロセッサは、前記消耗品の情報を前記表示装置に表示させた状態で、予め定められた事象が発生した場合、当該消耗品の情報の表示を消すことを特徴とする、請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項6に係る本発明は、
前記プロセッサは、前記事象の発生により前記消耗品の情報の表示を消した場合、次に画像形成処理が実行される際に、前記カウンタのリセット操作を受け付けていないことをユーザに通知することを特徴とする、請求項5に記載の画像形成装置である。
請求項7に係る本発明は、
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
表示装置に操作画面を表示させて当該操作画面によりユーザの操作を受け付け、
第1の動作モードにおいて、開閉された自装置のカバーの位置を示す画像を前記表示装置に表示させ、
第2の動作モードにおいて、開閉された自装置のカバーの位置および消耗品の位置を示す画像を前記表示装置に表示させ、当該画像において指定された消耗品に関して設定されたカウンタのリセット操作を受け付け可能とすることを特徴とする、画像形成装置である。
請求項8に係る本発明は、
前記プロセッサは、予め定められた条件を満たして、開かれているカバーが閉じられると、前記第1の動作モードから前記第2の動作モードへ移行することを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項9に係る本発明は、
前記条件は、装置に予め定められた障害が発生しておらず、何れかの前記消耗品について、消耗品ごとに定められた方法で計算された当該消耗品の交換時期に達していること、であることを特徴とする、請求項8に記載の画像形成装置である。
請求項10に係る本発明は、
前記プロセッサは、前記第2の動作モードにおいて予め定められた事象が発生した場合、前記カウンタのリセット操作を受け付けていない場合であっても、前記第1の動作モードへ移行することを特徴とする、請求項7に記載の画像形成装置である。
請求項11に係る本発明は、
前記プロセッサは、前記事象の発生により前記第1の動作モードへ移行した場合、次に画像形成処理が実行される際に、前記カウンタのリセット操作を受け付けていないことをユーザに通知することを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置である。
請求項12に係る本発明は、
前記事象は、前記第1の動作モードで実行される処理の実行指示が行われたことである
ことを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置である。
請求項13に係る本発明は、
前記事象は、自装置が電源オフとなったことであることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置である。
請求項14に係る本発明は、
前記事象は、自装置が節電モードに移行したことであることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置である。
請求項15に係る本発明は、
前記事象は、自装置に対する操作が行われずに設定時間が経過したことであることを特徴とする、請求項10に記載の画像形成装置である。
請求項16に係る本発明は、
コンピュータに、
障害の有無およびカバーの開閉を検知する機能と、
予め定められた障害の発生が無く、消耗品に関連するカバーが開かれた後に閉じられた場合に、当該消耗品の情報を表示装置に表示させる機能と、
前記情報が表示された前記消耗品に関して設定されたカウンタのリセット操作を受け付ける機能と、
を実現させることを特徴とする、プログラムである。
請求項17に係る本発明は、
コンピュータに、
表示装置に操作画面を表示させて当該操作画面によりユーザの操作を受け付ける機能と、
第1の動作モードにおいて、開閉された自装置のカバーの位置を示す画像を前記表示装置に表示させる機能と、
第2の動作モードにおいて、開閉された自装置のカバーの位置および消耗品の位置を示す画像を前記表示装置に表示させ、当該画像において指定された消耗品に関して設定されたカウンタのリセット操作を受け付ける機能と、
を実現させることを特徴とする、プログラムである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、装置の状態に基づいて消耗品の情報を表示することにより、部品交換時のカウンタのリセット操作の漏れや誤りを減らすことができる。
請求項2の発明によれば、消耗品に関する条件に応じて表示を変更しない構成と比較して、消耗品に関する条件を満たしたか否かの情報をユーザに示すことができる。
請求項3の発明によれば、消耗品に関する条件に応じて表示を変更しない構成と比較して、条件を満たさない場合に、通常の状態に戻ったことを示唆することができる。
請求項4の発明によれば、消耗品の交換時期に関する条件に応じて表示を変更しない構成と比較して、消耗品の交換時期の情報をユーザに示すことができる。
請求項5の発明によれば、事象発生時にも消耗品の情報の表示を継続する構成と比較して、発生した事象に関する情報の表示が困難となる不都合を抑制することができる。
請求項6の発明によれば、通知を行わずに画像形成処理を実行する構成と比較して、カウンタのリセット操作が完了していないことをユーザに知らせることができる。
請求項7の発明によれば、消耗品をリスト表示する構成と比較して、カウンタをリセットする対象の消耗品を直感的に把握することができる。
請求項8の発明によれば、特別なモード移行の操作を設定する構成と比較して、ユーザに意識させずにモード移行を実行させることができる。
請求項9の発明によれば、障害および消耗品の交換時期に関する条件に応じて動作モードを変更しない構成と比較して、不必要なモード移行を抑制することができる。
請求項10の発明によれば、事象発生時にも第2の動作モードを継続する構成と比較して、発生した事象に関する情報の表示が困難となる不都合を抑制することができる。
請求項11の発明によれば、通知を行わずに画像形成処理を実行する構成と比較して、カウンタのリセット操作が完了していないことをユーザに知らせることができる。
請求項12の発明によれば、通常の処理の実行指示が行われた際にも第2の動作モードを継続する構成と比較して、指示された通常の処理を直ちに実行ことができる。
請求項13の発明によれば、自装置が電源オフとなっても第2の動作モードを継続する構成と比較して、次に自装置が起動した際に直ちに通常の処理を開始することができる。
請求項14の発明によれば、自装置が節電モードに移行しても第2の動作モードを継続する構成と比較して、節電モードから復帰した際に直ちに通常の処理を開始することができる。
請求項15の発明によれば、自装置への操作が行われない場合に第2の動作モードを継続する構成と比較して、自律的に第1モードに復帰することができる。
請求項16の発明によれば、本発明のプログラムをインストールしたコンピュータにおいて、装置の状態に基づいて消耗品の情報を表示することにより、部品交換時のカウンタのリセット操作の漏れや誤りを減らすことができる。
請求項17の発明によれば、本発明のプログラムをインストールしたコンピュータにおいて、消耗品をリスト表示する構成と比較して、カウンタをリセットする対象の消耗品を直感的に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態が適用される画像形成装置の構成例を示す図である。
図2】通常モードにおける停止状態の画像形成装置を表示した画面の例を示す図である。
図3】通常モードにおける一部のカバーが開いた状態の画像形成装置を表示した画面の例を示す図である。
図4】消耗品交換モードにおけるUI画面の例を示す図である。
図5】消耗品交換モードにおいて消耗品の選択操作が行われた場合のUI画面の例を示す図である。
図6図5のUI画面に確認ウィンドウが表示された状態を示す図である。
図7】画像形成装置の消耗品交換モードに関する動作を示すフローチャートである。
図8】画像形成装置の消耗品交換モードに関する動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0013】
<装置構成>
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置の構成を示す図である。画像形成装置100は、制御部110と、記憶部120と、操作部130と、表示部140と、画像読み取り部150と、画像形成部160と、通信部170と、画像処理部180とを備える。これらの各機能部は、バス101に接続され、このバス101を介してデータの授受を行う。
【0014】
制御部110は、画像形成装置100における上記の各機能部を制御する。また、制御部110は、各種のデータ処理を実行する機能部である。制御部110は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)111と、記憶手段であるRAM(Random Access Memory)112およびROM(Read Only Memory)113とを備える。RAM112は、主記憶装置(メイン・メモリ)であり、CPU111が演算処理を行う際の作業用メモリとして用いられる。ROM113にはプログラムや予め用意された設定値等のデータが保持されており、CPU111はROM113から直接プログラムやデータを読み込んで処理を実行する。また、プログラムやデータは、記憶部120にも記憶される。CPU111は記憶部120に格納されたプログラムをRAM112に読み込んで実行する。
【0015】
本実施形態では、制御部110のCPU111がプログラムを読み込んで実行することにより、後述する各種の機能を実現する。本実施形態において実現される機能には、後述する各動作モードにおけるUI(User Interface)画面の表示制御やUI画面による操作の受け付け機能、消耗品の交換時期や補充時期を算出するために用いられるカウンタ機能等が含まれる。これらの機能の詳細については後述する。なお、以下の説明において、状態に応じて交換を要する消耗品(例えば、感光体ドラム)の交換と、状態に応じて補充を要する消耗品(例えば、トナーや用紙)の補充とを合わせて「交換」と記す。ただし、交換と補充とを分けて、「交換および補充」、「交換または補充」等と記載する場合がある。
【0016】
記憶部120は、上記のようにCPU111が実行するためのプログラムやデータを記憶する他、画像読み取り部150により読み取った画像のデータ等、各種の動作により生成された種々のデータを記憶する機能部である。記憶部120は、例えば、磁気ディスク装置やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置により実現される。
【0017】
操作部130は、ユーザの操作を受け付ける機能部である。操作部130は、例えば、ハードウェアキーや、指等で押圧または触れた位置に応じた制御信号を出力するタッチセンサ等により構成される。タッチセンサと表示部140を構成する液晶ディスプレイとを組み合わせたタッチパネルとして構成しても良い。
【0018】
表示部140は、ユーザに各種の情報を提示する情報画像、読み取りや出力等の処理対象となる画像のプレビュー画像、ユーザが操作を行うための操作画像等を表示する機能部である。表示部140は、例えば、液晶ディスプレイにより構成される。上記の操作部130と表示部140とを組み合わせて、ユーザが画像形成装置100に対して情報の入出力を行うためのユーザインタフェース手段として用い得る。
【0019】
画像読み取り部150は、原稿上の画像を光学的に読み取る機能部である。画像の読み取り方式としては、例えば、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED(Light Emitting Diode)光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式等が用いられる。
【0020】
画像形成部160は、用紙等の記録材に対して、画像形成材を用いて画像データに基づく画像を形成する機能部である。記録材に画像を形成する方式としては、例えば、画像形成材としてトナーを用い、感光体に付着させたトナーを記録材に転写して像を形成する電子写真方式が用いられる。
【0021】
通信部170は、外部装置との間で命令やデータを送受信する機能部である。通信部170としては、外部装置との通信方式に応じたインターフェイスが用いられる。外部装置との接続は、ネットワークを介して行っても良いし、直接接続により行っても良い。通信回線は、有線回線であっても無線回線であっても良い。
【0022】
画像処理部180は、演算手段であるプロセッサと作業用メモリとを備え、画像データが表す画像に色補正や階調補正等の画像処理を施す機能部である。なお、プロセッサとして制御部110のCPU111を、作業用メモリとして制御部110のRAM112を、それぞれ兼用しても良い。
【0023】
<動作モード>
本実施形態で用いられる画像形成装置100の動作モードについて説明する。画像形成装置100は動作モードとして、第1の動作モードの一例である通常モードと、第2の動作モードの一例である消耗品交換モードとを有している。通常モードは、画像形成装置100通常の動作状態にあるときの動作モードである。通常の動作状態とは、例えば、電源が投入されて画像形成装置100の各部が起動し、画像の印刷出力や読み取り等の通常の使用が可能となった状態等である。消耗品交換モードは、消耗品の交換に応じて必要な操作を受け付けるための動作モードである。
【0024】
消耗品は、画像形成装置100の使用に応じて劣化したり、消費したりされるため、適当な時期に交換したり補充したりすることが求められる。そのため、画像形成装置100には、消耗品の交換時期をユーザに通知する仕組みが設けられている。この種の仕組みとしては、例えば、センサ等で消耗品の状態を監視し、交換や補充が必要な状態が検知された場合に、ユーザに通知するものがある。ユーザへの通知は、例えば、表示部140に消耗品の交換を促すメッセージを表示する等の手段により行われる。この場合、対象の消耗品が交換または補充されると、これがセンサ等の監視手段により検知され、ユーザへの通知が消去される。
【0025】
一方、消耗品には、上記のような監視手段が設けられておらず、交換や補充が必要な状態を検知することができないものがある。この種の消耗品では、消耗品の種類に応じて交換や補充することが推奨される時期(「交換推奨時期」と呼ぶ)が予め定められる。そして、最後に消耗品の交換や補充が行われた時期(「最終交換日時」と呼ぶ)からの経過情報に応じて、消耗品ごとに交換または補充すべき時期(「交換時期」と呼ぶ)が特定される。経過情報とは、消耗品の交換時期を特定するために用いられる情報である。
【0026】
交換推奨時期および経過情報は、消耗品の種類に応じて設定される。例えば、時間経過に応じて劣化したり減少したりする消耗品であれば、交換推奨時期は、消耗品の交換後の経過時間によって定義される。そして、最終交換日時からの経過時間が、経過情報として用いられる。また、画像形成装置100におけるジョブの実行に応じて劣化したり減少したりする消耗品であれば、交換推奨時期は、消耗品の交換後のジョブの実行回数によって定義される。そして、最終交換日時の後におけるジョブの実行回数が、経過情報として用いられる。なお、これらの経過情報は例示に過ぎず、消耗品の種類に応じて様々な情報を経過情報として用いて良い。各消耗品の経過情報は、その消耗品の種類に応じて定められた方法で計算される。
【0027】
各消耗品の交換時期は、その消耗品の最終交換日時からの経過情報が交換推奨時期に到達した時期である。画像形成装置100は、各消耗品について、その消耗品の交換時期になるとユーザに通知する。ユーザへの通知は、例えば、表示部140に消耗品の交換を促すメッセージを表示する等の手段により行われる。
【0028】
上記のように監視手段のない消耗品では、交換や補充が行われると、その消耗品の次の交換時期までの経過情報を計数するためのカウンタをリセットする必要がある。このカウンタのリセットは、例えば消耗品の交換作業を行ったユーザの手作業等により行われる。本実施形態の画像形成装置100では、このユーザによるカウンタのリセット操作の漏れや誤りを低減させるために、消耗品交換モードを設けている。
【0029】
通常モードから消耗品交換モードへの移行は、画像形成装置100の筐体におけるカバーが開かれ、閉じられた際に予め定められた条件を満たしている場合に行われる。消耗品交換モードへの移行条件としては、消耗品が設置されている場所のカバーが開かれた際に、画像形成装置100に消耗品に関連する障害が発生していたこと、交換時期が近い消耗品があること、消耗品に関連する障害以外の障害が発生していないこと等が挙げられる。消耗品に関連する障害以外の障害としては、例えば、紙詰まり等がある。この条件を満たして画像形成装置100のカバーが閉じられると、画像形成装置100は通常モードから消耗品交換モードへ移行する。消耗品交換モードに移行すると、画像形成装置100は、表示部140に特定のUI画面を表示させ、このUI画面により、消耗品の位置等の情報を表示すると共に、ユーザによる消耗品の経過情報計数用のカウンタのリセット操作を受け付け可能となる。UI画面の詳細については後述する。
【0030】
一方、上記の条件を満たさずに画像形成装置100のカバーが閉じられた場合、画像形成装置100は通常モードから消耗品交換モードへ移行しない。通常モードでは、画像形成装置100のカバーが開いている状態を障害の一つとして、空いているカバーの位置をユーザに通知するための通知画面が表示部140に表示される。そして、カバーが閉じられると、通知画面は消去される。このため、画像形成装置100のカバーが閉じられた際に消耗品交換モードに移行するか否かに応じて、表示部140において異なる表示が行われる。
【0031】
消耗品交換モードに移行した後、表示部140に表示されたUI画面を用いて、消耗品の経過情報計数用のカウンタのリセット操作が行われると、カウンタがリセットされ、画像形成装置100は、消耗品交換モードから通常モードへ復帰する。また、リセット操作が行われない場合であっても、画像形成装置100において予め定められた事象が発生すると、画像形成装置100は、消耗品交換モードから通常モードへ復帰する。通常モードへ復帰する契機(「復帰契機」と呼ぶ)となる事象としては、その事象が発生した際に通常モードでの動作が求められるような種々の事象を設定して良い。例えば、画像の印刷出力等の通常モードで行われるジョブの実行が指示されたこと、画像形成装置100の電源がオフとなったこと、画像形成装置100が節電モードに移行したこと、リセット操作が行われずに予め設定された時間が経過したこと等として良い。これらの事象は例示に過ぎず、消耗品交換モードから通常モードへ移行することが望まれる様々な場面を想定して、復帰契機となる事象を設定して良い。
【0032】
<UI画面の表示例>
消耗品交換モードにおいて画像形成装置100の表示部140に表示されるUI画面について説明する。本実施形態では、表示部140に画像形成装置100の外観を模した画像(「装置画像」と呼ぶ)を表示し、開閉されたカバーの位置を示す。また、カバーに覆われた筐体内部の消耗品の位置を画像(「消耗品画像」と呼ぶ)で示し、この消耗品画像上で、リセット対象のカウンタの選択操作を受け付ける。以下、通常モードから消耗品交換モードへの移行の様子も含め、いくつかの場面における表示部140の表示画面を参照して説明する。なお、以下の説明において、消耗品には、上述した監視手段が設けられていないものとする。
【0033】
図2は、通常モードにおける停止状態の画像形成装置100を表示した画面の例を示す図である。図2には、画像形成装置100の装置画像141aと、テキスト領域142aとが表示されている。テキスト領域142aには、画像形成装置100の状態を示す「停止中です。」というメッセージが表示されている。図2に示す装置画像141aは、画像形成装置100を正面側から見た状態を示す。
【0034】
図3は、通常モードにおける一部のカバーが開いた状態の画像形成装置100を表示した画面の例を示す図である。図3には、開いているカバーの位置が示された装置画像141bと、テキスト領域142bとが表示されている。テキスト領域142bには、画像形成装置100の状態を示す「カバーが開いています。」というメッセージが表示されている。
【0035】
ここでは、画像形成装置100において、図2の装置画像141aと同じ向きで見た場合の右側の二つのカバーが開いているものとする。図3において、装置画像141bの該当するカバーは、他の部分とは異なる色で示される(図では、網掛けで表現している)。また、図3において、他の部分とは異なる色で示されたカバーの付近に、視覚的に注意を引くためのマーク(円で囲んだバツ印)を付すと共に、テキスト領域142bに、同じマークとユーザにカバーの確認を促すメッセージ「カバー確認(本体の正面カバー(右))」とを表示している。
【0036】
次に、通常モードから消耗品交換モードへの移行条件を満足せずに、開いていたカバーが閉じられると、画像形成装置100は、通常モードの停止状態に戻る。したがって、表示部140の表示は、図2に示した表示と同様になる。これに対し、消耗品交換モードへの移行条件を満足してカバーが閉じられた場合、画像形成装置100は、消耗品交換モードに移行する。そして、表示部140にUI画面が表示される。
【0037】
図4は、消耗品交換モードにおけるUI画面の例を示す図である。図4に示す例は、図3に示した状態から画像形成装置100が消耗品交換モードに移行した場合のUI画面を示している。図4には、開いた状態から閉じられたカバーの位置が示された装置画像141cと、テキスト領域142c、144aと、画像形成装置100の筐体内部における消耗品の設置位置が示された消耗品画像143aとが表示されている。テキスト領域142cには、画像形成装置100の動作モードであることを示す「消耗品交換モード」というメッセージが表示されている。また、テキスト領域144aには、消耗品の選択を促す「交換した消耗品を選択してください。」というメッセージが表示されている。
【0038】
図4に示す例では、装置画像141cにおいて、図3の例で異なる色(網掛け)で表示されていたカバーと同じカバーが、他の部分とは異なる色で表示される。また、UI画面では、図3に示したカバーの開き状態を報知する画面における開いたカバーの表示色とも異なる色で表示される(図では、図3とは異なる網掛けで表現している)。この異なる色で表示されたカバーは一度開けた後に閉じられたカバーなので、このUI画面の表示によって、カバーが開けられた際に内部に設置されている消耗品が交換されたり補充されたりした可能性があることがわかる。
【0039】
また、消耗品画像143aには、装置画像141cで異なる色で示されているカバーに対応する筐体内部の様子が表示される。この筐体内部を示す消耗品画像143aには、実際の筐体内部における消耗品の配置に対応する位置に、その消耗品の画像が描かれている。消耗品交換モードのUI画面は、この消耗品画像143aに表示された消耗品に対するユーザの選択操作を受け付け可能である。消耗品の選択は、例えば、画像形成装置100の操作部130がタッチパネルで実現されている場合、ユーザがUI画面上で選択しようとする消耗品(言い換えれば、交換した消耗品)の画像部分をタッチすることにより行われる。ユーザによる消耗品の選択操作が行われると、選択された消耗品に対する経過情報計数用のカウンタのリセットが準備される。
【0040】
図5は、消耗品交換モードにおいて消耗品の選択操作が行われた場合のUI画面の例を示す図である。図5に示す例は、図4に示した状態からいくつかの消耗品が選択された状態のUI画面を示している。図5の消耗品画像143bにおいて、選択された消耗品は、選択されていない消耗品とは異なる色で表示される(図では、選択された消耗品を太線で表現している)。
【0041】
また、図5において、消耗品画像143bの右側のテキスト領域144bには、選択された消耗品の名称を示すテキストが表示されている。図5に示す例では、「トナーカートリッジ イエロー2」、「トナー回収ボトル1」等の消耗品が選択されたことが示されている。ユーザは、図5に示すUI画面を参照し、装置画像141cおよび消耗品画像143bに示される消耗品の位置情報と、テキスト領域144bに表示された消耗品の名称に基づき、自身が正しく消耗品の選択を行ったかを視覚的に確認し得る。また、テキスト領域144bの下部には、選択された消耗品に対する経過情報計数用のカウンタのリセットを実行するためのボタンオブジェクト145が表示される(図では、「カウンターリセットの実行」というテキストが表示されている)。ユーザがUI画面上でボタンオブジェクト145を選択すると、カウンタのリセットを実行するか確認するための別ウィンドウ(「確認ウィンドウ」と呼ぶ)が表示される。
【0042】
図6は、図5のUI画面に確認ウィンドウが表示された状態を示す図である。図6に示す確認ウィンドウ146には、「交換時期をリセットします。よろしいですか?」というメッセージ・テキストと、カウンタのリセットを実行するためのボタンオブジェクト146aおよび中止するためのボタンオブジェクト146bが表示されている。ボタンオブジェクト146aが選択されると、図5のUI画面で選択された消耗品に対応するカウンタのリセットが実行される。そして、画像形成装置100は、消耗品交換モードから通常モードに移行し、表示部140の画面は図2に示した状態に戻る。一方、ボタンオブジェクト146bが選択されると、表示部140の画面から確認ウィンドウ146が消去され、図5に示すUI画面に戻る。
【0043】
<画像形成装置100の動作>
図7および図8は、画像形成装置100の消耗品交換モードに関する動作を示すフローチャートである。画像形成装置100において何らかの障害が発生し、何れかのカバーが開かれると、各カバーに設けられたセンサからの信号により、制御部110(図1参照)がカバーの開き状態を検知する(S701)。そして、制御部110は、開いているカバーを示す画像(図3参照)を表示部140に表示する(S702)。また、制御部110は、発生した障害が消耗品に関連する障害か否かを判断する。消耗品に関連する障害は、例えば、トナー切れや用紙切れ、その他の消耗品の劣化による動作不良等である。例えば、予め記憶部120(図1参照)等に消耗品に関連する障害の情報を保持しておき、障害の発生が検知された際に、制御部110が、保持されている情報を参照して消耗品に関連する障害に該当するか否かを判断する。
【0044】
発生した障害が消耗品に関連する障害である場合(S703でYES)、制御部110は、消耗品交換モードに移行するため、モード制御機能における消耗品交換モードのフラグをONにする(S706)。そして、制御部110は、開いているカバーの情報(図では、「カバー開き箇所情報」と記載)を記憶部120やRAM112等の記憶手段に保持する(S707)。この場合、画像形成装置100のカバーが開けられた理由として、障害に関連する消耗品の交換のためであることが推定されるためである。
【0045】
これに対し、発生した障害が消耗品に関連する障害でない場合(S703でNO)、制御部110は、次に、交換時期が近い消耗品があるか否かを判断する。交換時期が近いとは、例えば、その消耗品に対する経過情報(カウンタ値)とその消耗品に設定された交換推奨時期との差分が予め定められた閾値よりも小さい場合等である。
【0046】
交換時期が近い消耗品がある場合(S704でYES)、制御部110は、次に、消耗品に関連する障害以外の障害(「他の障害」と呼ぶ)が発生していないかを判断する。他の障害としては、例えば、紙詰まり等が挙げられる。消耗品に関連する障害以外の全ての障害を対象とするのではなく、予め一部の障害を他の障害として設定しておき、発生した障害が設定された他の障害に該当するか否かを判断しても良い。
【0047】
他の障害が発生していない場合(S705でYES)、制御部110は、消耗品交換モードに移行するため、モード制御機能における消耗品交換モードのフラグをONにする(S706)。交換時期が近い消耗品があり、かつ他の障害が発生していないときに画像形成装置100のカバーが開けられた理由として、消耗品の交換のためであることが推定されるためである。そして、制御部110は、開いているカバーの情報(図では、「カバー開き箇所情報」と記載)を記憶部120やRAM112等の記憶手段に保持する(S707)。
【0048】
一方、発生した障害が消耗品に関連する障害ではなく(S703でNO)、かつ交換時期が近い消耗品がない場合(S704でNO)、画像形成装置100のカバーが開けられた理由は、消耗品を交換するためではないと推定される。したがって、制御部110は、消耗品交換モードに移行せず、モード制御機能における消耗品交換モードのフラグをONにしない。また、交換時期が近い消耗品があっても(S704でYES)、他の障害が発生している場合(S705でNO)、画像形成装置100のカバーが開けられた理由は、発生した他の障害を解消するためであると推定される。したがって、制御部110は、消耗品交換モードに移行せず、モード制御機能における消耗品交換モードのフラグをONにしない。
【0049】
次に、S701で開いていたカバーが閉じられると、各カバーに設けられたセンサからの信号により、制御部110がカバーの閉じ状態を検知し(S708)、画像形成装置100の全てのカバーが閉じられたか否かを判断する。開いているカバーが残っている場合(S709でNO)、まだカバーが開いているという障害が残っている状態なので、S708に戻る。
【0050】
全てのカバーが閉じられると(S709でYES)、制御部110は、消耗品交換モードのフラグがONか否かを判断する。フラグがOFFの場合(S710でNO)、消耗品交換モードでの動作は行わないので、表示部140の表示を通常モードの画像(図2参照)とする(S720)。
【0051】
消耗品交換モードのフラグがONの場合(S710でYES)、制御部110は、消耗品交換モードに移行し(S711)、表示部140に、消耗品交換モードにおけるUI画面(図4参照)を表示する(S712)。ユーザにより、UI画面において消耗品が選択され、リセット操作が行われると(S713でYES)、制御部110は、選択された消耗品のカウンタをリセットする(S714)。リセット操作とは、例えば、図4乃至図6を参照して説明した例では、図5でボタンオブジェクト145を選択し、図6でボタンオブジェクト146aを選択する操作である。
【0052】
制御部110は、選択された消耗品のカウンタをリセットした後、画像形成装置100の動作モードを通常モードへ移行させる(S719)。そして、制御部110は、表示部140の表示を通常モードの画像(図2参照)とする(S720)。
【0053】
また、制御部110は、表示部140にUI画面を表示すると、上記のカウンタのリセット操作を待つと共に、消耗品交換モードの終了の契機として設定された事象が生じたか否かを判断する。ここでは、通常モードで行われるジョブが実行されたこと、画像形成装置100の電源がオフとなったこと、画像形成装置100が節電モードに移行したこと、予め設定された時間が経過したことの4つの事象を検知するものとする。これらの事象の何れかが検知された場合(S715~S718の何れかでYES)、制御部110は、通常モードへ移行し(S719)、表示部140の表示を通常モードの画像(図2参照)とする(S720)。一方、これらの事象の何れも検知されない場合(S715~S718の何れもNO)、制御部110は、リセット操作またはこれらの事象が検知されるのを待つ。そして、設定時間に達すると、S718でYESに該当するので、制御部110は、通常モードへ移行し、通常モードの画像を表示する(S719、S720)。
【0054】
<カウンタがリセットされない場合の動作>
ここで、消耗品交換モードのUI画面で提示した消耗品のカウンタがリセットされずに通常モードに戻った場合について考える。例えば、図8におけるS714~S717の何れかの事象が発生したことにより通常モードへ移行した場合等である。この場合、リセットされるべきカウンタがリセットされていない可能性がある。そこで、制御部110は、これらの事象の発生により通常モードへ移行し、消耗品交換モードのUI画面の表示を消した場合、次に画像形成装置100によるジョブの実行が行われる際等の適当なタイミングで、カウンタのリセット操作を受け付けていないことをユーザに通知しても良い。具体的には、S715に示したジョブの実行後や次のジョブの実行時、S716で電源がOFFとなった画像形成装置100が起動された時、S717で節電モードに移行した画像形成装置100が通常モードへ復帰した時のタイミングで通知を行い得る。また、S718で設定時間が経過した後、定期的に、通知を行っても良い。ユーザへの通知は、例えば、メッセージを表示部140に表示することにより行われる。このとき、メッセージと共に、図5図6に示した消耗品交換モードのUI画面のように、対象の消耗品の位置を示す画像を表示部140に表示しても良い。ユーザは、この通知に応じて、画像形成装置100の操作部130を操作して表示部140に消耗品交換モードのUI画面を表示させ、カウンタのリセット操作を行っても良い。
【0055】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態には限定されない。例えば、上記の実施形態では、開いているカバーを示す画像(図3参照)において、開いたカバーを、装置画像の他の部分とは異なる色で示した。同様に、UI画面(図4参照)において、カウンタのリセット操作の対象となる消耗品の位置に対応する部分を、他の部分とは異なる色で示した。さらに、UI画面において、カウンタのリセットの対象として選択された消耗品を、他の消耗品と異なる色で示した。これらの表示態様は、それぞれ開いたカバーの位置、消耗品の位置、選択された消耗品を識別できる表示態様であれば良く、上記のように他と異なる表示色を用いる構成には限定しない。例えば、識別しようとするカバーや消耗品に関して、他の部分とは異なる明るさやコントラストで表示しても良い。
【0056】
また、上記の実施形態では、画像形成装置100の筐体のカバーが開閉された際、交換時期が近い消耗品があっても、他の障害が発生している場合は、消耗品交換モードに移行しないこととした。これに対し、交換時期が近い消耗品がある場合は、他の障害の有無に関わらず、カバーが閉じられた際に消耗品交換モードに移行するようにしても良い。その他、本発明の技術思想の範囲から逸脱しない様々な変更や構成の代替は、本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0057】
100…画像形成装置、110…制御部、111…CPU、112…RAM、113…ROM、120…記憶部、130…操作部、140…表示部、141a~141c…装置画像、143a~143b…消耗品画像、150…画像読み取り部、160…画像形成部、170…通信部、180…画像処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8