(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146792
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】枝豆収穫機
(51)【国際特許分類】
A01D 41/02 20060101AFI20231004BHJP
A01D 41/12 20060101ALI20231004BHJP
A01D 45/00 20180101ALI20231004BHJP
【FI】
A01D41/02 B
A01D41/12
A01D45/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054173
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(71)【出願人】
【識別番号】599118768
【氏名又は名称】株式会社斎藤農機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】木下 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊樹
(72)【発明者】
【氏名】村上 健太
(72)【発明者】
【氏名】岩切 雅也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正志
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 満
(72)【発明者】
【氏名】高橋 草太
【テーマコード(参考)】
2B074
2B075
【Fターム(参考)】
2B074AA02
2B074AB01
2B074AC02
2B074AD09
2B074AF02
2B074AG04
2B074BA19
2B074CH01
2B074DA01
2B074DA02
2B074DA06
2B075AA01
2B075FA01
2B075FA03
2B075FA04
2B075FA05
2B075FA07
2B075GA05
(57)【要約】
【課題】引き抜き搬送装置を上下揺動させた場合でも、引き抜き搬送装置からフィードチェーンへの枝豆の受け渡しを円滑に行うことが可能な枝豆収穫機が要望されている。
【解決手段】枝豆収穫機は、枝豆Eを後方に向けて搬送するフィードチェーン16を有し、フィードチェーン16による搬送中の枝豆Eを脱莢する脱莢装置3と、脱莢装置3の前方に脱莢装置3に対して上下揺動可能に設けられ、圃場から枝豆Eを引き抜いて脱莢装置3に向けて搬送する引き抜き搬送装置4と、引き抜き搬送装置4の底部に沿って延びる状態で、引き抜き搬送装置4からフィードチェーン16への枝豆Eの受け渡し部Pに設けられ、引き抜き搬送装置4からフィードチェーン16に受け渡される枝豆Eを案内するガイド部材22と、を備えている。ガイド部材22の一端部は、引き抜き搬送装置4に支持され、ガイド部材22の他端部は、脱莢装置3に支持されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枝豆を後方に向けて搬送するフィードチェーンを有し、前記フィードチェーンによる搬送中の枝豆を脱莢する脱莢装置と、
前記脱莢装置の前方に前記脱莢装置に対して上下揺動可能に設けられ、圃場から枝豆を引き抜いて前記脱莢装置に向けて搬送する引き抜き搬送装置と、
前記引き抜き搬送装置の底部に沿って延びる状態で、前記引き抜き搬送装置から前記フィードチェーンへの枝豆の受け渡し部に設けられ、前記引き抜き搬送装置から前記フィードチェーンに受け渡される枝豆を案内するガイド部材と、を備え、
前記ガイド部材の一端部は、前記引き抜き搬送装置に支持され、前記ガイド部材の他端部は、前記脱莢装置に支持されている枝豆収穫機。
【請求項2】
前記ガイド部材は、前記引き抜き搬送装置に支持される第一ガイド部と、前記脱莢装置に支持される第二ガイド部と、前記第一ガイド部と前記第二ガイド部とを連結するヒンジ部と、を有し、
前記引き抜き搬送装置の上下揺動に追従して、前記第一ガイド部が前記ヒンジ部を介して前記第二ガイド部に対して上下揺動するように構成されている請求項1に記載の枝豆収穫機。
【請求項3】
前記受け渡し部は、機体前後方向で前記引き抜き搬送装置の搬送終端部と前記フィードチェーンの搬送始端部とが重複する位置に設けられ、
前記ヒンジ部は、機体前後方向で前記受け渡し部に対応する位置に位置している請求項2に記載の枝豆収穫機。
【請求項4】
前記ガイド部材の他端部は、前記脱莢装置に遊嵌状態で支持されている請求項1から3の何れか一項に記載の枝豆収穫機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枝豆収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、枝豆収穫機として、例えば、特許文献1に記載の枝豆収穫機が知られている。従来の枝豆収穫機は、枝豆を後方に向けて搬送するフィードチェーン(文献では「搬送チェーン〔22〕」)を有し、フィードチェーンによる搬送中の枝豆を脱莢する脱莢装置(文献では「分離部〔5〕」)と、脱莢装置の前方に脱莢装置に対して上下揺動可能に設けられ、圃場から枝豆を引き抜いて脱莢装置に向けて搬送する引き抜き搬送装置(文献では「収穫部〔3〕」)と、引き抜き搬送装置の底部に沿って延びる状態で、引き抜き搬送装置からフィードチェーンへの枝豆の受け渡し部に設けられ、引き抜き搬送装置からフィードチェーンに受け渡される枝豆を案内するガイド部材(文献では「株元ガイド部〔77〕」)と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の枝豆収穫機では、ガイド部材の一端部が機体(文献では「機体〔1〕」)に支持され、ガイド部材の他端部が脱莢装置に支持されている。このため、引き抜き搬送装置を上下揺動させると、引き抜き搬送装置とガイド部材との上下間隔が変化することになる。この場合、枝豆の搬送姿勢の悪化を招いて、引き抜き搬送装置からフィードチェーンへの枝豆の受け渡しを円滑に行うことができない虞がある。
【0005】
上記状況に鑑み、引き抜き搬送装置を上下揺動させた場合でも、引き抜き搬送装置からフィードチェーンへの枝豆の受け渡しを円滑に行うことが可能な枝豆収穫機が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の特徴は、枝豆を後方に向けて搬送するフィードチェーンを有し、前記フィードチェーンによる搬送中の枝豆を脱莢する脱莢装置と、前記脱莢装置の前方に前記脱莢装置に対して上下揺動可能に設けられ、圃場から枝豆を引き抜いて前記脱莢装置に向けて搬送する引き抜き搬送装置と、前記引き抜き搬送装置の底部に沿って延びる状態で、前記引き抜き搬送装置から前記フィードチェーンへの枝豆の受け渡し部に設けられ、前記引き抜き搬送装置から前記フィードチェーンに受け渡される枝豆を案内するガイド部材と、を備え、前記ガイド部材の一端部は、前記引き抜き搬送装置に支持され、前記ガイド部材の他端部は、前記脱莢装置に支持されていることにある。
【0007】
本特徴構成によれば、引き抜き搬送装置が上下揺動すると、ガイド部材が引き抜き搬送装置に追従することになる。これにより、引き抜き搬送装置とガイド部材との上下間隔が一定に保たれるため、引き抜き搬送装置を上下揺動させた場合でも、引き抜き搬送装置からフィードチェーンへの枝豆の受け渡しを円滑に行うことができる。
【0008】
さらに、本発明において、前記ガイド部材は、前記引き抜き搬送装置に支持される第一ガイド部と、前記脱莢装置に支持される第二ガイド部と、前記第一ガイド部と前記第二ガイド部とを連結するヒンジ部と、を有し、前記引き抜き搬送装置の上下揺動に追従して、前記第一ガイド部が前記ヒンジ部を介して前記第二ガイド部に対して上下揺動するように構成されていると好適である。
【0009】
本特徴構成によれば、引き抜き搬送装置の上下揺動に追従して、第一ガイド部がヒンジ部を介して第二ガイド部に対して揺動することになる。これにより、引き抜き搬送装置と第一ガイド部との上下間隔を、確実に一定に保つことができる。
【0010】
さらに、本発明において、前記受け渡し部は、機体前後方向で前記引き抜き搬送装置の搬送終端部と前記フィードチェーンの搬送始端部とが重複する位置に設けられ、前記ヒンジ部は、機体前後方向で前記受け渡し部に対応する位置に位置していると好適である。
【0011】
本特徴構成によれば、第一ガイド部がヒンジ部を介して第二ガイド部に対して上下揺動しても、受け渡し部における、引き抜き搬送装置と第一ガイド部との上下間隔が一定に保たれることになる。これにより、引き抜き搬送装置を上下揺動させた場合でも、引き抜き搬送装置からフィードチェーンへの枝豆の受け渡しを、より円滑に行うことができる。
【0012】
さらに、本発明において、前記ガイド部材の他端部は、前記脱莢装置に遊嵌状態で支持されていると好適である。
【0013】
本特徴構成によれば、ガイド部材が引き抜き搬送装置に追従した際に、ガイド部材の他端部と脱莢装置との間で、こじれが生じないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】引き抜き搬送装置からフィードチェーンへの枝豆の受け渡し部及びその周辺構造を示す左側面図である。
【
図4】引き抜き搬送装置からフィードチェーンへの枝豆の受け渡し部及びその周辺構造を示す平面図である
【
図5】引き抜き搬送装置を上昇させた状態におけるガイド部材を示す左側面図である。
【
図6】第一ガイド部と第二ガイド部との連結部を示す平面一部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、矢印Fの方向を「機体の前側」、矢印Bの方向を「機体の後側」、矢印Lの方向を「機体の左側」、矢印Rの方向を「機体の右側」とする。
【0016】
〔枝豆収穫機の全体構成〕
図1及び
図2には、枝豆収穫機を示している。本収穫機は、走行機体1と、運転者が搭乗する運転部2と、枝豆Eを脱莢する脱莢装置3と、圃場から枝豆Eを引き抜いて脱莢装置3に向けて搬送する引き抜き搬送装置4と、枝豆Eを横倒れ姿勢に変更する姿勢変更装置5と、莢eを回収する回収部6と、を備えている。
【0017】
走行機体1は、クローラ走行装置7と、クローラ走行装置7に支持される機体フレーム8と、を備えている。運転部2は、走行機体1の前部における機体左右方向の一方側(右側)の箇所に設けられている。引き抜き搬送装置4は、走行機体1の前部における機体左右方向の他方側(左側)の箇所に設けられている。脱莢装置3は、引き抜き搬送装置4の後方に設けられている。回収部6は、運転部2及び脱莢装置3の右方に設けられている。
【0018】
走行機体1が前進するのに伴って、圃場の枝豆Eが引き抜き搬送装置4によって引き抜かれて脱莢装置3に向けて搬送されることになる。そして、引き抜き搬送装置4からの枝豆Eが姿勢変更装置5によって横倒れ姿勢に変更されて、引き抜き搬送装置4から脱莢装置3に受け渡されることになる。そして、枝豆Eが脱莢装置3によって脱莢された後、莢eが回収部6に回収される一方、枝や葉屑が脱莢装置3の後端部から圃場に排出されることになる。
【0019】
引き抜き搬送装置4は、脱莢装置3の前方に脱莢装置3に対して上下揺動可能に設けられている。引き抜き搬送装置4は、前下がりに傾斜する状態で設けられている。引き抜き搬送装置4は、機体左右方向に沿って延びる揺動軸心X1周りで上下揺動可能に構成されている。引き抜き搬送装置4と機体フレーム8とに亘って、引き抜き搬送装置4を上下揺動させるための油圧シリンダ9が設けられている。引き抜き搬送装置4は、圃場から作物を引き抜いて後方に向けて搬送する、左右の第一搬送ベルト10及び左右の第二搬送ベルト11を備えている。第一搬送ベルト10は、従動プーリ12及び従動プーリ13に巻き付けられている。第二搬送ベルト11は、従動プーリ14及び駆動プーリ15に巻き付けられている。駆動プーリ15に動力が伝達されることにより、従動プーリ14、駆動プーリ15を介して第二搬送ベルト11が搬送駆動されると共に、従動プーリ12、13を介して第一搬送ベルト10が搬送駆動されることになる。
【0020】
走行機体1が前進するのに伴って、圃場の枝豆Eが左右の第一搬送ベルト10によって引き抜かれて起立姿勢で後方に向けて搬送されることになる。そして、左右の第一搬送ベルト10から左右の第二搬送ベルト11に枝豆Eが受け渡されて、当該枝豆Eが左右の第二搬送ベルト11によって起立姿勢で脱莢装置3に向けて搬送されることになる。
図2において、引き抜き搬送装置4(左右の第一搬送ベルト10及び左右の第二搬送ベルト11)の機体左右方向の中心をCで示している。圃場から引き抜かれた枝豆Eは、起立姿勢で中心Cを通って後方に向けて搬送されることになる。
【0021】
脱莢装置3は、フィードチェーン16と、ガイドレール17と、上下の第一脱莢ローラ18と、上下の第二脱莢ローラ19と、支持フレーム20と、を備えている。フィードチェーン16及びガイドレール17は、脱莢装置3の左側部に設けられている。ガイドレール17は、フィードチェーン16の搬送経路に沿う状態で設けられている。ガイドレール17は、支持フレーム20に支持されている。ガイドレール17の前端部には、枝豆Eの株元をフィードチェーン16とガイドレール17との間に案内するガイド部材21が設けられている。
【0022】
引き抜き搬送装置4の後端部とフィードチェーン16の前端部との間には、引き抜き搬送装置4からフィードチェーン16への枝豆Eの受け渡し部Pが設けられている。受け渡し部Pは、機体前後方向で第二搬送ベルト11の後端部(搬送終端部)とフィードチェーン16の前端部(搬送始端部)とが重複する位置に設けられている。
【0023】
姿勢変更装置5は、揺動軸心X1で引き抜き搬送装置4と一体に上下揺動可能に構成されている。姿勢変更装置5は、第二搬送ベルト11の後端部及びフィードチェーン16の前端部と平面視で重複する状態で設けられている。姿勢変更装置5は、枝豆Eに係止作用する多数の爪5aを備えている。
【0024】
引き抜き搬送装置4からの枝豆Eは、姿勢変更装置5によって横倒れ姿勢に変更されながら、フィードチェーン16に受け渡されることになる。その際、引き抜き搬送装置4からの枝豆Eに爪5aが係止作用することにより、当該枝豆Eが横倒れ姿勢に変更されることになる。そして、枝豆Eがフィードチェーン16とガイドレール17とによって挟持された状態でフィードチェーン16によって後方に向けて搬送されることになる。そして、フィードチェーン16による搬送中の枝豆Eが、上側の第一脱莢ローラ18と下側の第一脱莢ローラ18とで挟まれて、上側の第二脱莢ローラ19と下側の第二脱莢ローラ19とで挟まれて、上下の第一脱莢ローラ18及び上下の第二脱莢ローラ19が回転駆動されることにより、莢eが枝からもぎ取られることになる。
【0025】
図3及び
図4に示すように、フィードチェーン16は、多数の左右のプレート16aと、多数のピン16bと、を備えている。ピン16bは、左側のプレート16aと右側のプレート16aとに亘って設けられている。ピン16bは、左側のプレート16aから左側に突出している。ピン16bの突出部が枝豆Eの株元に掻き込み作用することにより、枝豆Eの株元が後方に向けて掻き込まれることになる。
【0026】
〔ガイド部材〕
図3及び
図4に示すように、受け渡し部Pには、引き抜き搬送装置4からフィードチェーン16に受け渡される枝豆Eを案内するガイド部材22が、第二搬送ベルト11の底部に沿って延びる状態で設けられている。ガイド部材22は、引き抜き搬送装置4に支持される第一ガイド部23と、脱莢装置3に支持される第二ガイド部24と、第一ガイド部23と第二ガイド部24とを連結するヒンジ部25と、を備えている。ヒンジ部25は、機体前後方向で受け渡し部Pに対応する位置に位置している。具体的には、ヒンジ部25は、揺動軸心X1よりも後側に位置している。
【0027】
第一ガイド部23は、機体左右方向に沿って延びる揺動軸心X2周りで揺動可能なように、ヒンジ部25を介して第二ガイド部24に連結されている。第一ガイド部23は、丸棒部材によって構成されている。第一ガイド部23は、側面視で第二搬送ベルト11の下面に沿って後上がりに傾斜している。
図3において、第二搬送ベルト11と第一ガイド部23との上下間隔をSで示している。第一ガイド部23は、前部分23aと、中間部分23bと、後部分23cと、を備えている。前部分23aは、平面視で機体前後方向に沿って一直線状に延びている。中間部分23bは、前部分23aの後端部から平面視で後側ほど中心C側に位置するように斜めに延びている。後部分23cは、平面視で機体前後方向に沿って一直線状に延びている。後部分23cは、中間部分23bの後端部から後側に向かって延びている。後部分23cは、フィードチェーン16(左側のプレート16a)に対して左側に位置し、かつ、平面視でピン16bの突出部と重複する状態で設けられている。
【0028】
ここで、引き抜き搬送装置4は、左右の支持フレーム26を備えている。左側の支持フレーム26には、左側の第二搬送ベルト11が支持されている。右側の支持フレーム26には、右側の第二搬送ベルト11が支持されている。第一ガイド部23の前端部は、支持フレーム27を介して左側の支持フレーム26に支持されている。すなわち、ガイド部材22の前端部は、引き抜き搬送装置4に支持されている。左側の支持フレーム26は、支持フレーム27が取り付けられる取り付け部26aを備えている。
【0029】
支持フレーム27は、第一支持部27aと、第二支持部27bと、第三支持部27cと、を備えている。第一支持部27aは、左側の支持フレーム26から機体横外側(左側)に向かって延びている。第一支持部27aは、取り付け部26aに固定されている。第二支持部27bは、第一支持部27aの左端部から後側に向かって延びている。第三支持部27cは、第二支持部27bの後端部から機体横内側(右側)に向かって延びている。第三支持部27cには、左側の第二搬送ベルト11を案内するローラ28が支持されている。すなわち、支持フレーム27は、ガイド部材22を支持する部材とローラ28を支持する部材を兼用している。
【0030】
第一支持部27aには、機体左右方向に長い長孔27dが形成されている。長孔27dには、第一ガイド部23の前端部が挿通されている。すなわち、ガイド部材22の前端部は、機体左右方向に移動可能なように、第一支持部27aに支持されている。第一ガイド部23と第二支持部27bとの間には、第一ガイド部23を右側に向けて付勢するバネ29が設けられている。前部分23aには、前部分23aから左側に向かって延びる支軸30が設けられている。支軸30には、バネ29が外嵌されている。支軸30は、第二支持部27bに遊嵌状態で支持されている。
【0031】
第二ガイド部24は、丸棒部材によって構成されている。第二ガイド部24は、平面視で機体前後方向に沿って一直線状に延びている。第二ガイド部24は、フィードチェーン16(左側のプレート16a)に対して左側に位置し、かつ、平面視でピン16bの突出部と重複する状態で設けられている。第二ガイド部24は、ガイド部材21に対して下側に位置し、かつ、平面視でガイド部材21と重複する状態で設けられている。第二ガイド部24は、前部分24aと、後部分24bと、を備えている。前部分24aは、側面視で第二搬送ベルト11の下面に沿って後上がりに傾斜している。後部分24bは、前部分24aの後端部から後側に向かって延びている。
【0032】
第二ガイド部24の後端部は、支持フレーム20の前端部に支持されている。すなわち、ガイド部材22の後端部は、脱莢装置3に支持されている。支持フレーム20の前端部には、第二ガイド部24の後端部を支持する支持部31が設けられている。支持部31は、上下方向に沿って延びる筒状に形成されている。第二ガイド部24の後端部には、第二ガイド部24の後端部から上側に向かって延びる支軸32が設けられている。支軸32は、支持部31に挿通され、かつ、支持部31に遊嵌状態で支持されている。すなわち、ガイド部材22の後端部は、脱莢装置3に遊嵌状態で支持されている。支軸32には、第二ガイド部24を下側に向けて付勢するバネ33が外嵌されている。
【0033】
図4に示すように、左右の第二搬送ベルト11よって搬送されている枝豆Eは、起立姿勢で中心Cを通って後方に向けて搬送されることになる。そして、左右の第二搬送ベルト11よって搬送されている枝豆Eが、起立姿勢でガイド部材22(具体的には、第一ガイド部23のうち中間部分23bと後部分23cとの接続部付近)に接触し、姿勢変更装置5(
図3参照)によって横倒れ姿勢に変更されると、枝豆Eが横倒れ姿勢でガイド部材22とフィードチェーン16とによって挟持された状態でフィードチェーン16によって後方に向けて搬送されることになる。
【0034】
図5に示すように、引き抜き搬送装置4が揺動軸心X1周りで上下揺動すると、引き抜き搬送装置4の上下揺動に追従して、第一ガイド部23がヒンジ部25を介して第二ガイド部24に対して上下揺動することになる。その際、引き抜き搬送装置4が揺動軸心X1周りで上下揺動しても、第二搬送ベルト11と第一ガイド部23との上下間隔Sが変化することがない。なお、上下間隔Sは、
図3、5に示す箇所における第二搬送ベルト11と第一ガイド部23との上下間隔に限定されるものではない。すなわち、上下間隔Sは、第二搬送ベルト11と第一ガイド部23との間の上下間隔であれば、どの箇所の上下間隔であってもよい。
【0035】
〔ヒンジ部〕
図6に示すように、ヒンジ部25は、ボス34と、ピン35と、ブッシュ36と、Oリング37と、第一スラストカラー38と、第二スラストカラー39と、座金40と、ナット41と、を備えている。ガイド部材22は、ヒンジ部25を支持するための、第一ステー42、第二ステー43及び第三ステー44を備えている。
【0036】
ボス34は、第二ガイド部24の前端部に固定されている。ピン35は、第一ガイド部23の後端部に第一ガイド部23の後端部から左側に突出する状態で設けられている。ピン35は、ボス34に挿通された状態でナット41によって抜け止めされている。ピン35は、揺動軸心X2周りで回転可能なように、二つのブッシュ36を介してボス34に支持されている。すなわち、第一ガイド部23は、揺動軸心X2周りで揺動可能なように、ピン35を介してボス34に支持されている。
【0037】
左側のOリング37は、ピン35に外嵌された状態で、ピン35の左端部の外周面とボス34の左端部の内周面との間に設けられている。右側のOリング37は、ピン35に外嵌された状態で、ピン35の右端部の外周面とボス34の右端部の内周面との間に設けられている。左側の第一スラストカラー38及び左側の第二スラストカラー39は、ピン35に外嵌された状態で、ボス34の左端部と第二ステー43の後端部との間に設けられている。右側の第一スラストカラー38及び右側の第二スラストカラー39は、ピン35に外嵌された状態で、ボス34の右端部と第一ガイド部23の後端部との間に設けられている。第一スラストカラー38及び第二スラストカラー39は、何れも樹脂製であるが、互いに異なる材質である。
【0038】
第一ステー42は、第一ガイド部23に固定されている。第二ステー43は、第一ステー42にボルト45及びナット46によって固定されている。第二ステー43の後端部には、ピン35の左端部が支持されている。すなわち、ピン35は、第一ガイド部23及び第二ステー43によって両持ち支持されている。第三ステー44は、第二ガイド部24の前端部及びボス34に固定されている。
【0039】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、ヒンジ部25は、機体前後方向で受け渡し部Pに対応する位置に位置している。しかし、ヒンジ部25は、機体前後方向で受け渡し部Pに対応する位置以外の位置に位置していてもよい。
【0040】
(2)上記実施形態では、ガイド部材22の後端部は、脱莢装置3に遊嵌状態で支持されている。しかし、ガイド部材22の後端部は、脱莢装置3に固定状態で支持されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、枝豆収穫機に利用可能である。
【符号の説明】
【0042】
3 脱莢装置
4 引き抜き搬送装置
16 フィードチェーン
22 ガイド部材
23 第一ガイド部
24 第二ガイド部
25 ヒンジ部
E 枝豆
P 受け渡し部