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  • 特開-プライバシー保護システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146846
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】プライバシー保護システム
(51)【国際特許分類】
   G10K 11/175 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
G10K11/175
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054255
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】天保 美咲
【テーマコード(参考)】
5D061
【Fターム(参考)】
5D061FF05
(57)【要約】
【課題】会話音の音量を正確に把握し、漏洩リスクを報知することのできるプライバシー保護システムを提供する。
【解決手段】本発明のプライバシー保護システム(1)は、個室と、個室内の会話音を受音する内側マイク(2)と、個室外の暗騒音を受音する外側マイク(3)と、個室内から個室外へ透過する透過音の音圧レベルおよび個室外の暗騒音の音圧レベルの関係から、漏洩リスクの高さに応じて分類された複数のクラスを有するスピーチプライバシー分類を記憶する記憶手段(4)と、内側マイクが受音する会話音から算出される実際の透過音と、外側マイクが受音した暗騒音との関係から、スピーチプライバシー分類のどのクラスに該当するのかを判別する判別手段(52)と、判別手段に判別されたクラスが漏洩リスクの高いクラスであることを、個室内の使用者に知らせる報知手段(6)とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個室と、
前記個室内の会話音を受音する内側マイクと、
前記個室外の暗騒音を受音する外側マイクと、
前記個室内から前記個室外へ透過する透過音の音圧レベルおよび前記個室外の暗騒音の音圧レベルの関係から、漏洩リスクの高さに応じて分類された複数のクラスを有するスピーチプライバシー分類を記憶する記憶手段と、
前記内側マイクが受音する会話音から算出される実際の透過音と、前記外側マイクが受音した暗騒音との関係から、前記スピーチプライバシー分類のどのクラスに該当するのかを判別する判別手段と、
前記判別手段に判別されたクラスが漏洩リスクの高いクラスであることを、前記個室内の使用者に知らせる報知手段とを備える、プライバシー保護システム。
【請求項2】
前記報知手段は、前記使用者に知らせる報知信号を複数有し、
前記報知手段は、前記判別手段によって漏洩リスクの低いクラスであると判別された場合には、漏洩リスクの高いクラスとは異なる報知信号を使用者に知らせる、請求項1に記載のプライバシー保護システム。
【請求項3】
前記報知手段は、前記使用者に視覚的な変化を知らせる視覚情報報知手段を含む、請求項1または2に記載のプライバシー保護システム。
【請求項4】
前記報知手段は、前記使用者に振動を与える振動付与手段を含む、請求項1~3のいずれかに記載のプライバシー保護システム。
【請求項5】
前記判別手段によって漏洩リスクの高いクラスであると判別された際に、前記透過音をマスキングする音を発生するマスキング音発生手段をさらに備える、請求項1~4のいずれかに記載のプライバシー保護システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に、会議ブースにおけるプライバシー保護システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィス空間では、会議ブースなどの個室で対面会議またはウェブ会議が行われる。会議では機密事項を扱うことがあるため、個室外の者に聞かれたくないというニーズがある。
【0003】
会議ブースからの音漏れを、個室を使用する者(以下、「使用者」という)に対し報知するものとして、GNオーディオジャパン株式会社製のノイズガイドが知られている。ノイズガイドは、音量を測定する測定部と、測定された音量に合わせて色を変化させる表示部とを備える。これにより、ノイズガイドは、表示部に示される色によって会話音量を下げるよう促すことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながらノイズガイドは、所定のエリア内の全ての音に基づいて表示部の色を変えるため、測定部が受音した音が会議ブースの会話音由来のものであるか、環境音であるか不明であった。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、環境音を除いた会話音量を正確に把握し、漏洩リスクを報知することのできるプライバシー保護システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施の形態に係るプライバシー保護システムは、個室と、個室内の会話音を受音する内側マイクと、個室外の暗騒音を受音する外側マイクと、個室内から個室外へ透過する透過音の音圧レベルおよび個室外の暗騒音の音圧レベルの関係から、漏洩リスクの高さに応じて分類された複数のクラスを有するスピーチプライバシー分類を記憶する記憶手段と、内側マイクが受音する会話音から算出される実際の透過音と、外側マイクが受音した暗騒音との関係から、スピーチプライバシー分類のどのクラスに該当するのかを判別する判別手段と、判別手段に判別されたクラスが漏洩リスクの高いクラスであることを、個室内の使用者に知らせる報知手段とを備える。
【0007】
好ましくは、報知手段は、使用者に知らせる報知信号を複数有している。報知手段は、判別手段によって漏洩リスクの低いクラスであると判別された場合には、漏洩リスクの高いクラスとは異なる報知信号を使用者に知らせる。
【0008】
好ましくは、報知手段は、使用者に視覚的な変化を知らせる視覚情報報知手段を含む。
【0009】
好ましくは、報知手段は、使用者に振動を与える振動付与手段を含む。
【0010】
好ましくは、判別手段によって漏洩リスクの高いクラスであると判別された際に、透過音をマスキングする音を発生するマスキング音発生手段をさらに備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、環境音を除いた会話音を正確に把握し、漏洩リスクを報知することのできるプライバシー保護システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施の形態に係るプライバシー保護システムの機能を示すブロック図である。
図2】本実施の形態に係るプライバシー保護システムのフローチャートである。
図3】本実施の形態の記憶手段が記憶するスピーチプライバシー分類を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本実施の形態のプライバシー保護システムについて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0014】
(構成について)
はじめに、図1を参照して、本実施の形態に係るプライバシー保護システム1(以下の説明において、単に「システム」ともいう)の構成について説明する。
【0015】
本実施の形態に係るプライバシー保護システム1は、個室と、個室内の会話音を受音する内側マイク2と、個室外の暗騒音を受音する外側マイク3と、内側マイク2および外側マイク3と電気的に接続され、会話音に基づく報知を行うか否かの判別処理を行う制御手段5と、制御手段5が判別処理を行うのに必要な情報を記憶する記憶手段4と、制御手段5に判別されたクラスが漏洩リスクの高いクラスであることを個室内の使用者に知らせる報知手段6と、制御手段5によって判別されたクラスが漏洩リスクの高いクラスである際に、透過音をマスキングする音を発生するマスキング音発生手段7とを備える。
【0016】
個室は、一人以上の者が対面会議を行ったり、ウェブ会議を行うことのできる会議スペースであり、たとえばオフィス空間に設けられるブースである。個室は、たとえば壁と、開閉扉を有する仕切り壁とを含む。本実施の形態の個室は、仕切り壁を介して廊下と隣接している。
【0017】
個室の仕切り壁は、遮音性能を有していることが好ましい。遮音性能は、壁に入る音(入射音)の音圧レベルと、壁を透過する音(透過音)の音圧レベルとの差から算出することができる。
【0018】
内側マイク2は、たとえば全方位からの集音が可能なマイクであり、個室内において会話音を受音可能な任意の位置に設けられる。会話音は、対面会議における会話音や、ウェブ会議におけるスピーカ音を含む。内側マイク2により検出された会話音信号は、個室の使用中、継続して制御手段5に送信される。
【0019】
外側マイク3は、たとえば全方位からの集音が可能なマイクであり、個室外において暗騒音を受音可能であり、個室に近接した任意の位置に設けられる。暗騒音は、個室内からの会話音を含まない。したがって、暗騒音は、内側マイク2の入力がない間、たとえば会議開始前や、個室内の会話が途切れている間に測定される。外側マイク3により検出された暗騒音信号は、会議開始前に制御手段5に送信される。
【0020】
記憶手段4は、制御手段5における処理を実行するのに必要な情報を記憶する記憶装置であり、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置(図示せず)であってもよいし、クラウドサーバ(図示せず)により実現されてもよい。記憶手段4は、個室の仕切り壁の遮音性能に基づく遮音性能値41と、漏洩リスクの指標であるスピーチプライバシー分類42とを記憶する。
【0021】
遮音性能値41は、個室の壁(仕切り壁)の遮音性能に基づく値である。遮音性能値41は、記憶手段4に予め入力されることが望ましい。本実施の形態の個室の遮音性能値は20dBである。遮音性能値41は、後述する制御手段5の透過音量算出手段51において「実際の透過音」を算出する際に用いられる。
【0022】
なお、遮音性能値41を事前入力によらない場合、内側マイク2と外側マイク3を用いることで算出したものを遮音性能値41として記憶させることも可能である。
【0023】
スピーチプライバシー分類42は、個室内から個室外へ透過する透過音の音圧レベルおよび個室外の暗騒音の音圧レベルの関係から、漏洩リスクの高さに応じて分類された複数のクラスを有する。図3は、日本建築学環境基準(AIJES-S0003-2021)に基づいたスピーチプライバシーの測定・評価結果を示すグラフである。
【0024】
図3を参照して、グラフ中、1st、2nd、3rdとあるのが透過音の音圧レベル(dB)に基づいて分類されたクラスであり、y軸方向に大きくなるよう規定される。1、2、3、4とあるのが暗騒音の音圧レベル(dB)に基づいて分類されたクラスであり、x軸方向に大きくなるよう規定される。
【0025】
このように、スピーチプライバシー分類42は、「透過音の音圧レベル」および「暗騒音の音圧レベル」の各値に基づいて分類されたクラス情報を記憶する。各クラスは、「1st-1」、「1st―2」のように画分して表記される。また、図3中、クラス表記がない箇所は「漏洩リスクが非常に高いクラス」と見做すことができ、本明細書中では便宜的に「要報知クラス」と表記する。
【0026】
制御手段5は、透過音量算出手段51と、判別手段52と、指示手段53とを含む。なお、制御手段5は、プロセッサおよびメモリを含む情報処理装置であり、各構成51~53の機能は、典型的にはプロセッサがソフトウェアを実行することにより実現される。
【0027】
透過音量算出手段51は、内側マイク2で受音した会話音の音圧レベルから、記憶手段4に記憶された遮音性能値41に基づいた音圧レベルを差し引くことで、個室内からの透過音量を算出する。「透過音量」は、個室外において検出される会話音の音圧レベルであり、本実施の形態では、外側マイク3によらないで算出する。これにより、暗騒音を排除した正確な透過音(実際の透過音)に基づいて漏洩リスクを判断することができる。
【0028】
判別手段52は、内側マイク2が受音する会話音から算出される透過音と、外側マイク3が受音した暗騒音との関係から、会話音がスピーチプライバシー分類42のどのクラスに該当するのかを判別する。具体的には、予め測定された暗騒音量および透過音量算出手段51で算出された透過音量を、記憶手段4に記憶されたスピーチプライバシー分類42と照合することで、個室内の会話音量がどのクラスに該当するかを判別する。
【0029】
図3ならびに下記の表1、表2を参照して、判別手段52における判別方法について説明する。なお、記憶手段4より入力される遮音性能値41は20dBである。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
図3中、Aが示すのは、透過音量が40dB、暗騒音量が60dBである場合のクラスである。図3によれば、Aのクラスは「2nd-4」である。表2によれば、2ndクラスは「音声は聞こえるが、音声に集中しなくても内容は殆どわからない」程度の漏洩リスクであり、本実施の形態では、「漏洩リスクの低いクラス」、すなわち「報知不要なクラス」と見做す。
【0033】
図3中、Bが示すのは、透過音量が40dB、暗騒音量が50dBである場合のクラスである。図3によれば、Bのクラスは「3rd-3」である。また、Cが示すのは、透過音量が50dB、暗騒音量が60dBである場合におけるクラスであり、Cのクラスは「3rd-4」に相当する。表2によれば、3rdクラスは「音声は聞こえるが、音声に集中しないと内容は殆どわからない」程度の漏洩リスクであり、本実施の形態では、「漏洩リスクの低いクラス」、すなわち「報知不要なクラス」と見做す。
【0034】
なお、BとCとを比較すると、Cの方が透過音量が大きいにもかかわらず、報知は不要と判別されることがわかる。これは、暗騒音が大きいため、個室外における透過音量が聞こえにくくなることに基づく。
【0035】
また、図3中、Dが示すのは、透過音量が50dB、暗騒音量が50dBである場合の領域であり、「漏洩リスクの高いクラス」と見做す。また、「漏洩リスクの高いクラス」は、画分して表記されておらず、たとえば透過音量が30dB、暗騒音量が30dBである場合も含む。表2によれば、これらは「音声に集中しなくても内容がわかる」漏洩リスクであり、先述した「要報知クラス」と見做すことができ、指示手段53へ指示信号が送信される。
【0036】
指示手段53は、判別手段52で判別されたクラスに基づいて、個室内から個室外へ透過する透過音が「要報知クラス」にある場合、報知手段6に報知信号を送信する。
【0037】
報知手段6は、判別手段52に判別されたクラスが「漏洩リスクの高いクラス」であることを、個室内の使用者に報知する。本実施の形態では、報知手段6は使用者に知らせる報知信号61を有しており、「漏洩リスクの高いクラス」である場合、たとえば赤色に点灯することで使用者に会話音量を下げるように促す。
【0038】
マスキング音発生手段7は、判別手段52によって判別されたクラスが「漏洩リスクの高いクラス」である際に、透過音をマスキングする音を発生する。マスキングとは、2種類の音を同じ空間内に伝搬させた場合に、一方の音(会話音)が他方の音(マスキング音)によってかき消されて、会話音を聞き取りにくくする音である。
【0039】
(報知手段の変形例について)
報知手段6は、話者に知らせる報知信号61を複数有していてもよい。報知手段6は、判別手段52によって判別されたクラスが「漏洩リスクの低いクラス」である場合には、「漏洩リスクの高いクラス」とは異なる報知信号61aを話者に知らせる。
【0040】
複数の報知信号61を備える場合、たとえば表2に記載のクラスに対し、各々異なる報知信号61a,61b,61c,61dを付与することができる。たとえば、「漏洩リスクの低いクラス(1st)」から順に、緑色61a、黄色61b、橙色61c、赤色61dと発光することで、個室内の使用者に現在の会話音レベルを連続的に報知することができる。これにより、使用者に対し現状の会話音にどれだけの漏洩リスクがあるのかを認知させることができる。
【0041】
報知手段6は、使用者に視覚的な変化を知らせる視覚情報報知手段62を含む。視覚情報報知手段62は、たとえば個室自体の照明装置や、個室内のデスクに載置された発光部材など、種々のものを採用することができる。
【0042】
報知手段6は、使用者に振動を与える振動付与手段63を含む。振動付与手段63は、たとえば個室内のデスクや椅子などに振動を付与する振動モータなどであり、種々のものを採用することができる。
【0043】
なお、上述した報知手段61~63の各構成は、単独で設けられてもよいし、複数設けられることとしてもよい。
【0044】
なお、本実施の形態のプライバシー保護システム1は、個室と、廊下など隣接する個室外空間との間におけるプライバシーを保護するものであるが、複数の個室が連なって配置される場合、2つの個室間に本実施の形態のシステム1を採用することととしてもよい。
【0045】
(効果)
暗騒音の大きさは、会話音の聞こえやすさに寄与する。遮音性能値が20dBの場合を例に挙げると、図3に示すように、暗騒音が低い(たとえば30dB)場合、通常の会話音量(たとえば50dB)であっても、透過音量は30dBとなり、「要報知クラス」となる。このように、個室の使用者は、個室外における会話音の漏洩リスクを正確に把握することが困難である。本実施の形態のプライバシー保護システム1によれば、漏洩リスクを適切に報知することができるため、通常の会話音量であっても、さらに会話音量を下げるよう促すことができる。
【0046】
また、本実施の形態におけるプライバシー保護システム1は、内側マイクの入力がない間に暗騒音を取得しておくため、個室内から個室外へ透過する透過音の影響を除いた暗騒音を測定することができる。これにより、会話音の影響を除いた暗騒音を正確に把握することができ、会議中に外側マイク3が透過音を受音することで暗騒音量が実際よりも大きくなってしまうことを防止できる。
【0047】
(プライバシー保護システムの動作)
次に、図2を参照して、本実施の形態のプライバシー保護システム1の動作について説明する。図2は、本実施の形態のプライバシー保護システム1の動作を示すフローチャートである。
【0048】
本処理の開始時、すなわち会議開始時、内側マイク2で個室内の会話音を集音する(ステップS2)。なお、外側マイク3からの暗騒音の音信号は、本処理の開始後、内側マイク2の入力がない期間に取得され、判別手段52へ送信される。
【0049】
内側マイク2からの会話音の音信号は、透過音量算出手段51へ送信される。透過音量算出手段51は、入力された会話音量から記憶手段4に記録された遮音性能値41を差し引いて、個室内から個室外へ透過する透過音を算出する(ステップS3)。
【0050】
算出された透過音量は判別手段52へ送信される。判別手段52は、予め入力された暗騒音量の値と、会議中連続的に入力される透過音量の値を、記憶手段4に記憶されたスピーチプライバシー分類42と照合してクラス分類し、情報漏洩リスクが高いか否かを判別する(ステップS4)。
【0051】
情報漏洩リスクが高いと判別された場合(ステップS4にてYES)、判別手段52の判別結果に基づいて、指示手段53が個室内の使用者に対し漏洩リスクが高いことを報知する(ステップS5)。情報漏洩リスクが低いと判別された場合(ステップS4にてNO)、透過音量の算出処理を繰り返す。
【0052】
ステップS5で使用者に対する報知処理を行った後、会議期間中はステップS3~S5の判別処理を繰り返す。会議終了は、使用者がシステム1の電源を切ることなどにより判断し、上記処理を終了する。
【0053】
なお、個室内で議論される会議内容によって、必要とされるセキュリティレベルは様々である。したがって、使用者によって報知を要するクラスを適宜変更可能にしてもよい。たとえば、3rdクラスから「要報知クラス」と見做して報知してもよい。これにより、機密性の高い会議内容の情報漏洩を確実に防止することができる。
【0054】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
1 プライバシー保護システム、2 内側マイク、3 外側マイク、4 記憶手段、5 制御手段、6 報知手段、7 マスキング音発生手段、41 遮音性能値、42 スピーチプライバシー分類、51 透過音量算出手段、52 判別手段、53 指示手段、61 報知信号、62 視覚情報報知手段、63 振動付与手段。
図1
図2
図3