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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146865
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20231004BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054281
(22)【出願日】2022-03-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-10-11
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】中村 翔太
(72)【発明者】
【氏名】川端 秀明
(72)【発明者】
【氏名】小頭 秀行
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】店舗等の施設において提供される一又は複数のサービスの中からユーザがいずれかのサービスを利用する手間を削減できるようにする。
【解決手段】情報処理装置1は、メッセージの送信先を識別するための送信先識別情報と、提供場所又は提供主体の提供サービスと、を関連付けた情報を取得する提供者情報取得部122と、メッセージの送信元を識別するための送信元識別情報と、ユーザの利用可能サービスと、を関連付けた情報を取得するユーザ情報取得部123と、送信元識別情報に対応するユーザ端末が送信先識別情報を宛先として送信したメッセージを受信する受信部121と、メッセージの宛先である送信先識別情報に関連付けられた提供サービスであり、かつメッセージの送信元である送信元識別情報に関連付けられた利用可能サービスであるサービスを示す情報を、送信元識別情報を宛先として送信する送信部127と、を有する。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
提供場所又は提供主体に対するメッセージの送信先を識別するための送信先識別情報と、前記提供場所において提供されるサービス又は前記提供主体によって提供されるサービスである提供サービスと、を関連付けた提供者情報を取得する提供者情報取得部と、
ユーザが送信するメッセージの送信元を識別するための送信元識別情報と、前記ユーザが利用可能なサービスである利用可能サービスと、を関連付けたユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記送信元識別情報に対応するユーザ端末が前記送信先識別情報を宛先として送信したメッセージを受信する受信部と、
前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスを示すサービス情報を、前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報を宛先として送信する送信部と、
を有する、情報処理装置。
【請求項2】
前記ユーザ情報取得部は、前記ユーザ端末において前記ユーザが指定したサービスを前記利用可能サービスとして示す前記ユーザ情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記受信部は、前記ユーザ端末が前記送信先識別情報を宛先として送信した前記メッセージであって、前記ユーザ端末において前記ユーザが指定したサービスを示す前記メッセージを受信し、
前記ユーザ情報取得部は、前記メッセージが示すサービスを前記利用可能サービスとして示す前記ユーザ情報を取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報取得部は、前記送信元識別情報を用いてメッセージを送受信するためのメッセージサービスを提供する装置から、前記メッセージサービスに対して前記ユーザが指定したサービスを示す情報を取得し、前記メッセージサービスに対して前記ユーザが指定したサービスを前記利用可能サービスとして示す前記ユーザ情報を取得する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報取得部は、前記情報処理装置とは異なる装置から前記ユーザの利用が許可されたサービスを示す情報を取得し、前記ユーザの利用が許可されたサービスを前記利用可能サービスとして示す前記ユーザ情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供場所又は前記提供主体と、前記ユーザと、の少なくとも一方に関連付けられた自治体を示す自治体情報を取得する自治体情報取得部をさらに有し、
前記送信部は、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスであって、前記自治体に対応するサービスを示す前記サービス情報を送信する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記送信部は、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスの提供を受けるためのアプリケーションを起動するための起動情報を含む前記サービス情報を送信する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記送信部は、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスに基づいて生成した前記起動情報と、前記情報処理装置とは異なる装置から受信した前記起動情報と、の少なくとも一方を含む前記サービス情報を送信する、
請求項7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記送信部は、前記ユーザ端末において前記ユーザが指定したプロトコルを用いて、前記サービス情報を送信する、
請求項1から8のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記提供場所又は前記提供主体と、前記ユーザと、の少なくとも一方によって指定されたサービスの優先度を取得する優先度取得部をさらに有し、
前記送信部は、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスである複数のサービスの中から、前記優先度に従って抽出した一又は複数のサービスを示す前記サービス情報を送信する、
請求項1から9のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記送信部は、前記優先度取得部が前記提供場所又は前記提供主体によって指定された前記優先度及び前記ユーザによって指定された前記優先度の両方を取得した場合に、前記ユーザによって指定された前記優先度に従って抽出した一又は複数のサービスを示す前記サービス情報を送信する、
請求項10に記載の情報処理装置。
【請求項12】
プロセッサが実行する、
提供場所又は提供主体に対するメッセージの送信先を識別するための送信先識別情報と、前記提供場所又は前記提供主体において提供されるサービスである提供サービスと、を関連付けた提供者情報を取得するステップと、
ユーザが送信するメッセージの送信元を識別するための送信元識別情報と、前記ユーザが利用可能なサービスである利用可能サービスと、を関連付けたユーザ情報を取得するステップと、
前記送信元識別情報に対応するユーザ端末が前記送信先識別情報を宛先として送信したメッセージを受信するステップと、
前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスを示すサービス情報を、前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報を宛先として送信するステップと、
を有する、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等の施設において提供されるサービスに関する情報を管理するための情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、店舗に設置された装置において、店舗において提供される複数の決済サービスの中からユーザが利用を希望する決済サービスの選択を受け付け、選択された決済サービスを用いて決済を行うための2次元コードを表示する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2021-2220号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、店舗においてユーザが複数のサービスの中から利用を希望するサービスを都度選択し、さらに選択したサービスに対応するアプリケーションを起動して2次元コードを読み取る手間が掛かるという問題があった。
【0005】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、店舗等の施設において提供される一又は複数のサービスの中からユーザがいずれかのサービスを利用する手間を削減できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様の情報処理装置は、提供場所又は提供主体に対するメッセージの送信先を識別するための送信先識別情報と、前記提供場所において提供されるサービス又は前記提供主体によって提供されるサービスである提供サービスと、を関連付けた提供者情報を取得する提供者情報取得部と、ユーザが送信するメッセージの送信元を識別するための送信元識別情報と、前記ユーザが利用可能なサービスである利用可能サービスと、を関連付けたユーザ情報を取得するユーザ情報取得部と、前記送信元識別情報に対応するユーザ端末が前記送信先識別情報を宛先として送信したメッセージを受信する受信部と、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスを示すサービス情報を、前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報を宛先として送信する送信部と、を有する。
【0007】
前記ユーザ情報取得部は、前記ユーザ端末において前記ユーザが指定したサービスを前記利用可能サービスとして示す前記ユーザ情報を取得してもよい。
【0008】
前記受信部は、前記ユーザ端末が前記送信先識別情報を宛先として送信した前記メッセージであって、前記ユーザ端末において前記ユーザが指定したサービスを示す前記メッセージを受信し、前記ユーザ情報取得部は、前記メッセージが示すサービスを前記利用可能サービスとして示す前記ユーザ情報を取得してもよい。
【0009】
前記ユーザ情報取得部は、前記送信元識別情報を用いてメッセージを送受信するためのメッセージサービスを提供する装置から、前記メッセージサービスに対して前記ユーザが指定したサービスを示す情報を取得し、前記メッセージサービスに対して前記ユーザが指定したサービスを前記利用可能サービスとして示す前記ユーザ情報を取得してもよい。
【0010】
前記ユーザ情報取得部は、前記情報処理装置とは異なる装置から前記ユーザの利用が許可されたサービスを示す情報を取得し、前記ユーザの利用が許可されたサービスを前記利用可能サービスとして示す前記ユーザ情報を取得してもよい。
【0011】
前記情報処理装置は、前記提供場所又は前記提供主体と、前記ユーザと、の少なくとも一方に関連付けられた自治体を示す自治体情報を取得する自治体情報取得部をさらに有し、前記送信部は、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスであって、前記自治体に対応するサービスを示す前記サービス情報を送信してもよい。
【0012】
前記送信部は、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスの提供を受けるためのアプリケーションを起動するための起動情報を含む前記サービス情報を送信してもよい。
【0013】
前記送信部は、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスに基づいて生成した前記起動情報と、前記情報処理装置とは異なる装置から受信した前記起動情報と、の少なくとも一方を含む前記サービス情報を送信してもよい。
【0014】
前記送信部は、前記ユーザ端末において前記ユーザが指定したプロトコルを用いて、前記サービス情報を送信してもよい。
【0015】
前記情報処理装置は、前記提供場所又は前記提供主体と、前記ユーザと、の少なくとも一方によって指定されたサービスの優先度を取得する優先度取得部をさらに有し、前記送信部は、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスである複数のサービスの中から、前記優先度に従って抽出した一又は複数のサービスを示す前記サービス情報を送信してもよい。
【0016】
前記送信部は、前記優先度取得部が前記提供場所又は前記提供主体によって指定された前記優先度及び前記ユーザによって指定された前記優先度の両方を取得した場合に、前記ユーザによって指定された前記優先度に従って抽出した一又は複数のサービスを示す前記サービス情報を送信してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様の情報処理方法は、プロセッサが実行する、提供場所又は提供主体に対するメッセージの送信先を識別するための送信先識別情報と、前記提供場所又は前記提供主体において提供されるサービスである提供サービスと、を関連付けた提供者情報を取得するステップと、ユーザが送信するメッセージの送信元を識別するための送信元識別情報と、前記ユーザが利用可能なサービスである利用可能サービスと、を関連付けたユーザ情報を取得するステップと、前記送信元識別情報に対応するユーザ端末が前記送信先識別情報を宛先として送信したメッセージを受信するステップと、前記メッセージの宛先である前記送信先識別情報に関連付けられた前記提供サービスであり、かつ前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報に関連付けられた前記利用可能サービスであるサービスを示すサービス情報を、前記メッセージの送信元である前記送信元識別情報を宛先として送信するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、店舗等の施設において提供される一又は複数のサービスの中からユーザがいずれかのサービスを利用する手間を削減できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態に係る情報処理システムの模式図である。
図2】実施形態に係る情報処理システムのブロック図である。
図3】例示的な提供者情報、ユーザ情報及び自治体情報の模式図である。
図4】情報処理装置及びユーザ端末が実行する処理を説明するための模式図である。
図5】例示的なサービス情報を表示しているユーザ端末の模式図である。
図6】例示的なサービス情報を表示しているユーザ端末の模式図である。
図7】実施形態に係る情報処理システムが実行する情報処理方法のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[情報処理システムSの概要]
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの模式図である。情報処理システムSは、情報処理装置1と、ユーザ端末2と、を含む。情報処理システムSは、複数のユーザ端末2を含んでもよい。情報処理システムSは、その他のサーバ、端末等の機器を含んでもよい。
【0021】
情報処理装置1は、施設においてユーザに対して提供されるサービスである提供サービスに関する情報を管理するコンピュータである。提供サービスが提供される施設は、例えば、店舗や公共施設等である。提供サービスは、例えば、電子決済等の決済サービスやSNS(Social Networking Service)等のメッセージサービスであり、提供場所としての施設において提供され、又は施設の運営者等の提供主体によって提供される。情報処理装置1は、ユーザ端末2との間で、無線通信又は有線通信をする。
【0022】
ユーザ端末2は、提供サービスを利用するユーザに関連付けられた情報端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。ユーザ端末2は、情報を表示する液晶ディスプレイ等の表示部と、ユーザによる操作を受け付けるタッチパネル等の操作部と、ユーザの操作に応じて撮像をする撮像部と、を有する。ユーザ端末2は、情報処理装置1から受信した情報を表示部上に表示し、ユーザによって行われた操作に対応する情報を情報処理装置1に送信する。
【0023】
本実施形態に係る情報処理システムSが実行する処理の概要を以下に説明する。情報処理装置1は、提供場所又は提供主体に対するメッセージの送信先を識別するための送信先識別情報(以下、送信先ID)(共通番号ともいう)と、提供場所において提供されるサービス又は提供主体によって提供されるサービスである提供サービスと、を関連付けた提供者情報を予め記憶している。送信先IDは、例えば電話番号である。
【0024】
また、情報処理装置1は、ユーザが送信するメッセージの送信元を識別するための送信元識別情報(以下、送信元ID)と、ユーザが利用可能なサービスである利用可能サービスと、を関連付けたユーザ情報を予め記憶している。送信元IDは、例えば電話番号である。
【0025】
施設には、提供場所又は提供主体に対応する送信先IDを所定の規則に従って符号化することによって生成されたコードCが配置されている。ユーザ端末2は、ユーザによる操作部の操作に応じてコードCを撮像し、コードCの撮像画像を所定の規則に従って復号することによって、コードCが示す送信先IDを取得する(a)。ユーザ端末2は、取得した送信先IDを宛先としてメッセージを送信する(b)。メッセージは、メッセージの送信元であるユーザ端末2に対応する送信元IDと、メッセージの宛先である送信先IDと、に関連付けられている。
【0026】
情報処理装置1は、ユーザ端末2が送信したメッセージを受信する。情報処理装置1は、提供者情報において送信先IDに関連付けられた提供サービスであり、かつユーザ情報において送信元IDに関連付けられた利用可能サービスであるサービスを特定する。情報処理装置1は、特定したサービスを示すサービス情報を、送信元IDを宛先として送信する(c)。
【0027】
ユーザ端末2は、情報処理装置1からサービス情報を受信し、表示部上に表示する。ユーザ端末2は、ユーザによる操作部の操作に応じて、サービス情報が示すサービスを利用するためのアプリケーションを起動する。
【0028】
このように、情報処理装置1は、ユーザ端末2から提供場所又は提供主体に関連付けられた1つの送信先IDを宛先としたメッセージを受信することにより、提供場所又は提供主体の提供サービスとユーザの利用可能サービスとで共通するサービスを自動的に抽出してユーザに提示する。ユーザは利用を希望するサービスのコードCを選択してからメッセージを送信する必要がないため、情報処理装置1は、ユーザが施設において提供されるサービスを利用する手間を削減できる。
【0029】
[情報処理システムSの構成]
図2は、本実施形態に係る情報処理システムSのブロック図である。図2において、矢印は主なデータの流れを示しており、図2に示したもの以外のデータの流れがあってよい。図2において、各ブロックはハードウェア(装置)単位の構成ではなく、機能単位の構成を示している。そのため、図2に示すブロックは単一の装置内に実装されてよく、あるいは複数の装置内に分かれて実装されてよい。ブロック間のデータの授受は、データバス、ネットワーク、可搬記憶媒体等、任意の手段を介して行われてよい。
【0030】
情報処理装置1は、記憶部11と、制御部12とを有する。情報処理装置1は、2つ以上の物理的に分離した装置が有線又は無線で接続されることにより構成されてもよい。また、情報処理装置1は、コンピュータ資源の集合であるクラウドによって構成されてもよい。
【0031】
情報処理装置1の記憶部11は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ハードディスクドライブ等を含む記憶媒体である。記憶部11は、制御部12が実行するプログラムを予め記憶している。また、記憶部11は、サービスの提供場所又は提供主体に関する提供者情報を予め記憶している。また、記憶部11は、サービスを利用するユーザに関するユーザ情報を予め記憶している。また、記憶部11は、提供場所又は提供主体と、ユーザと、の少なくとも一方に関連付けられた自治体に関する自治体情報を予め記憶している。記憶部11は、情報処理装置1の外部に設けられてもよく、その場合にネットワークを介して制御部12との間でデータの授受を行ってもよい。
【0032】
情報処理装置1の制御部12は、受信部121と、提供者情報取得部122と、ユーザ情報取得部123と、優先度取得部124と、自治体情報取得部125と、サービス情報生成部126と、送信部127と、を有する。制御部12は、例えばCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部11に記憶されたプログラムを実行することにより、受信部121、提供者情報取得部122、ユーザ情報取得部123、優先度取得部124、自治体情報取得部125、サービス情報生成部126及び送信部127として機能する。制御部12の機能の少なくとも一部は電気回路によって実行されてもよい。また、制御部12の機能の少なくとも一部は、制御部12がネットワーク経由で実行されるプログラムを実行することによって実現されてもよい。
【0033】
以下、情報処理システムSが実行する処理について詳細に説明する。情報処理装置1の記憶部11は、提供者情報、ユーザ情報及び自治体情報を予め記憶している。図3(a)~図3(c)は、例示的な提供者情報、ユーザ情報及び自治体情報の模式図である。
【0034】
図3(a)に示す提供者情報は、例えば、提供場所又は提供主体に対するメッセージの送信先を識別するための送信先IDと、提供場所において提供されるサービス又は提供主体によって提供されるサービスである提供サービスと、提供者側優先度と、を関連付けた情報である。
【0035】
送信先IDは、提供場所又は提供主体に割り当てられた、電子的なメッセージの宛先として用いられる識別情報である。送信先IDは、例えば、電話番号、電子メールアドレス、SNS等のメッセージサービスのアカウント等である。情報処理装置1は、送信先IDを宛先として送信されたメッセージを受信する。
【0036】
提供サービスは、提供場所において提供されるサービス、又は提供主体によって提供されるサービスである。提供サービスは、例えば、提供場所又は提供主体がユーザから代金の支払いを受けるために用いられる決済サービス、ユーザと提供場所又は提供主体との間でメッセージの送受信を行うためのメッセージサービス等である。提供サービスは、例えば、提供主体が利用する情報端末において提供主体が指定したサービスである。
【0037】
提供者側優先度は、複数の提供サービスの中から一又は複数の提供サービスを選択するために用いられる値である。本実施形態では、複数の提供サービスの中で、提供者側優先度の値が小さい提供サービスほど優先的に選択される。また、複数の提供サービスの中で、提供者側優先度の値が大きい提供サービスほど優先的に選択されてもよい。提供者情報は、提供者側優先度を含まなくてもよい。
【0038】
図3(b)に示すユーザ情報は、例えば、ユーザが送信するメッセージの送信元を識別するための送信元IDと、ユーザが利用可能なサービスである利用可能サービスと、ユーザ側優先度と、を関連付けた情報である。
【0039】
送信元IDは、ユーザに割り当てられた、電子的なメッセージの宛先として用いられる識別情報である。送信元IDは、例えば、電話番号、電子メールアドレス、SNS等のメッセージサービスのアカウント等である。送信元IDが設定されたユーザ端末2は、当該送信元IDを宛先としたメッセージを受信する。
【0040】
利用可能サービスは、ユーザが利用可能なサービスである。利用可能サービスは、例えば、提供場所又は提供主体の提供サービスとなり得る決済サービスやメッセージサービス等である。利用可能サービスは、例えば、ユーザ端末2においてユーザが指定したサービスである。
【0041】
ユーザ側優先度は、複数の利用可能サービスの中から一又は複数の利用可能サービスを選択するために用いられる値である。本実施形態では、複数の利用可能サービスの中で、ユーザ側優先度の値が小さい利用可能サービスほど優先的に選択される。また、複数の利用可能サービスの中で、ユーザ側優先度の値が大きい利用可能サービスほど優先的に選択されてもよい。ユーザ情報は、ユーザ側優先度を含まなくてもよい。
【0042】
後述のサービス情報生成部126は、提供者情報及びユーザ情報に基づいて、提供場所又は提供主体の提供サービスとユーザの利用可能サービスとで共通するサービスを特定することができる。
【0043】
図3(c)に示す自治体情報は、例えば、自治体と、当該自治体において提供されるサービスと、当該サービスにおける当該自治体のアカウントと、を関連付けた情報である。自治体は、都道府県や市区町村等、提供場所又は提供主体と、ユーザと、の少なくとも一方に関連付けられ得る所定の単位の領域である。
【0044】
自治体において提供されるサービスは、例えば、提供場所又は提供主体の提供サービスとなり得る決済サービスやメッセージサービス等である。自治体のアカウントは、例えば、自治体において提供されるサービスにおいて自治体に割り当てられた識別情報である。
【0045】
後述のサービス情報生成部126は、自治体情報に基づいて、提供場所又は提供主体と、ユーザと、の少なくとも一方に関連付けられた自治体に応じたサービス情報を生成することができる。
【0046】
提供者情報、ユーザ情報及び自治体情報は、ここに示した具体的な情報に限られず、その他の情報を含んでもよい。提供者情報、ユーザ情報及び自治体情報は、情報処理装置1の記憶部11ではなく、情報処理装置1とは異なる装置に予め記憶されてもよい。図3(a)~図3(c)に示す各情報は、視認性のために文字列によって表されているが、バイナリ値、コード値等によって表されてもよい。
【0047】
図4は、情報処理装置1及びユーザ端末2が実行する処理を説明するための模式図である。提供場所である施設には、提供場所又は提供主体に対応する送信先ID(共通番号)を所定の規則に従って符号化することによって生成されたコードCが配置されている。送信先IDは、例えば、所定の数字列であるプレフィックスと、提供場所又は提供主体ごとに異なる数字列であるコードと、を結合した電話番号である。また、送信先IDは、電子メールアドレスの文字列、又はSNS等のメッセージサービスのアカウントの文字列であってもよい。
【0048】
コードCは、例えば、2次元コード、バーコード等である。コードCは、紙等に印刷されて施設に掲示され、又は施設に設置された表示装置に表示されている。ユーザ端末2は、ユーザによる操作部の操作に応じてコードCを撮像し、コードCの撮像画像を所定の規則に従って復号することによって、コードCが示す送信先IDを取得する。また、ユーザ端末2は、コードCに代えて、紙等に印刷され又は表示装置に表示された送信先IDを撮像し、送信先IDの撮像画像に対して既知の画像認識処理を行うことによって、送信先IDを取得してもよい。
【0049】
ユーザ端末2には、メッセージの送信に用いる送信元IDが予め設定されている。ユーザ端末2は、取得した送信先IDを宛先としてメッセージを送信する。ユーザ端末2が送信するメッセージは、メッセージの送信元であるユーザ端末2に対応する送信元IDと、メッセージの宛先である送信先IDと、に関連付けられている。メッセージは、空の内容であってもよく、所定の内容を含んでもよい。ユーザ端末2が送信したメッセージは、例えば、アグリゲータ装置、メッセージ中継装置等の情報処理装置1とは異なる装置を介して、情報処理装置1に到達する。
【0050】
情報処理装置1において、受信部121は、ユーザ端末2が送信先IDを宛先として送信したメッセージを受信する。提供者情報取得部122は、受信部121が受信したメッセージの宛先である送信先IDに関連付けられた提供者情報を、記憶部11から取得する。また、提供者情報取得部122は、情報処理装置1が通信可能な他の装置から、受信部121が受信したメッセージの宛先である送信先IDに関連付けられた提供者情報を取得してもよい。
【0051】
ユーザ情報取得部123は、受信部121が受信したメッセージの送信元であるユーザ端末2に対応する送信元IDに関連付けられたユーザ情報を、記憶部11から取得する。また、ユーザ情報取得部123は、情報処理装置1が通信可能な他の装置から、受信部121が受信したメッセージの送信元であるユーザ端末2に対応する送信元IDに関連付けられたユーザ情報を取得してもよい。
【0052】
ユーザ情報取得部123は、例えば、送信元IDを用いてメッセージを送受信するためのメッセージサービスに対してユーザが指定したサービスを利用可能サービスとして示すユーザ情報を取得してもよい。この場合に、ユーザ情報取得部123は、SNS等のメッセージサービスを提供する装置から、送信元IDに対応するユーザが指定したサービスを示す情報を取得し、取得した情報が示すサービスを利用可能サービスとして送信元IDと関連付けたユーザ情報を生成する。これにより、情報処理装置1は、ユーザによるメッセージサービスの設定に基づいて、ユーザの利用可能サービスを自動的に設定できる。
【0053】
また、ユーザ情報取得部123は、例えば、ユーザの利用が許可されたサービスを利用可能サービスとして示すユーザ情報を取得してもよい。この場合に、ユーザは、例えば、ユーザ端末2において情報処理装置1とは異なる装置に対してサービスを利用するための設定を行うことによって、当該サービスの利用が許可される。情報処理装置1とは異なる装置は、例えば、決済サービスを提供する装置や、メッセージサービスを提供する装置である。ユーザ情報取得部123は、情報処理装置1とは異なる装置から、ユーザの利用が許可されたサービスを示す情報を取得し、取得した情報が示すサービスを利用可能サービスとして示すユーザ情報を生成する。これにより、情報処理装置1は、ユーザがサービスの利用が許可されているか否かに応じて、ユーザの利用可能サービスを自動的に設定できる。
【0054】
また、ユーザ情報取得部123は、例えば、ユーザ端末2が送信先IDを宛先として送信したメッセージが示すサービスを利用可能サービスとして示すユーザ情報を取得してもよい。この場合に、ユーザ端末2は、ユーザから一又は複数のサービスの指定を受け付け、送信先IDを宛先として指定されたサービスを示すメッセージを送信する。情報処理装置1において、受信部121は、ユーザ端末2が送信先IDを宛先として送信したメッセージであって、ユーザ端末2においてユーザが指定したサービスを示すメッセージを受信する。ユーザ情報取得部123は、受信部121が受信したメッセージが示すサービスを利用可能サービスとして送信元IDと関連付けたユーザ情報を生成する。これにより、情報処理装置1は送信先IDを宛先としたメッセージの中でユーザの利用可能サービスを受け付けることができるため、ユーザは送信先IDに対応する提供場所又は提供主体ごとに利用可能サービスを切り替えることができる。
【0055】
優先度取得部124は、提供場所又は提供主体と、ユーザと、の少なくとも一方によって指定された優先度を取得する。優先度取得部124は、例えば、提供者情報取得部122が取得した提供者情報が含む提供者側優先度と、ユーザ情報取得部123が取得したユーザ情報が含むユーザ側優先度と、を取得する。
【0056】
自治体情報取得部125は、提供場所又は提供主体と、ユーザと、の少なくとも一方に関連付けられた自治体を示す自治体情報を、記憶部11から取得する。自治体情報取得部125は、例えば、受信部121が受信したメッセージの宛先である送信先IDに予め関連付けられた、提供場所又は提供主体が属する自治体を特定する。また、自治体情報取得部125は、例えば、受信部121が受信したメッセージの送信元であるユーザ端末2に対応する送信元IDに予め関連付けられた、ユーザが属する自治体を特定する。
【0057】
自治体情報取得部125は、記憶部11において、特定した自治体に関連付けられた自治体情報を取得する。また、自治体情報取得部125は、情報処理装置1が通信可能な他の装置から、特定した自治体に関連付けられた自治体情報を取得してもよい。
【0058】
サービス情報生成部126は、提供者情報取得部122が取得した提供者情報と、ユーザ情報取得部123が取得したユーザ情報と、優先度取得部124が取得した優先度と、自治体情報取得部125が取得した自治体情報と、の少なくとも一部に基づいて、ユーザ端末2に送信するサービス情報を生成する。
【0059】
サービス情報生成部126は、例えば、提供者情報取得部122が取得した提供者情報が含む提供サービスであり、かつユーザ情報取得部123が取得したユーザ情報が含む利用可能サービスであるサービスを特定する。すなわち、サービス情報生成部126は、提供場所又は提供主体の提供サービスとユーザの利用可能サービスとで共通するサービスを特定する。サービス情報生成部126は、提供サービスと利用可能サービスとで共通する全てのサービスを特定し、又は提供サービスと利用可能サービスとで共通する所定数(1個又は複数個)のサービスを特定する。これにより、情報処理装置1は、提供場所又は提供主体の提供サービスとユーザの利用可能サービスとで共通するサービスを自動的に抽出することができる。
【0060】
また、サービス情報生成部126は、提供者情報取得部122が取得した提供者情報が含む提供サービスであり、かつユーザ情報取得部123が取得したユーザ情報が含む利用可能サービスである複数のサービスの中から、優先度取得部124が取得した優先度に従って一又は複数のサービスを抽出してもよい。この場合に、サービス情報生成部126は、例えば、提供サービスと利用可能サービスとで共通する複数のサービスの中から、提供者側優先度又はユーザ側優先度の値が小さい順に所定数(1個又は複数個)のサービスを抽出する。これにより、情報処理装置1は、予め指定された優先度に従ってユーザに提示するサービスを選択することができる。
【0061】
また、サービス情報生成部126は、優先度取得部124が提供者側優先度及びユーザ側優先度の両方を取得した場合に、提供者側優先度を用いずに、ユーザ側優先度に従って抽出した一又は複数のサービスを抽出することが望ましい。これにより、情報処理装置1は、ユーザの要望と提供場所又は提供主体の要望とを調整することができる。
【0062】
サービス情報生成部126は、特定した一又は複数のサービスを示すサービス情報を生成する。サービス情報生成部126は、例えば、特定した一又は複数のサービスそれぞれの提供を受けるためのアプリケーションを起動するための起動情報を含むサービス情報を生成する。起動情報は、例えば、ユーザ端末2においてサービスの提供を受けるためのアプリケーションを起動するためのURI(Uniform Resource Identifier)等のリンクである。サービス情報生成部126は、一又は複数のサービスそれぞれに対して予め定められた規則に従って起動情報を生成し、又は情報処理装置1が通信可能な他の装置から一又は複数のサービスそれぞれの起動情報を取得する。
【0063】
起動情報は、ユーザ端末2においてサービスの提供を受けるためのアプリケーションの中で、所定の画面(決済画面、登録画面等)を表示するためのディープリンクであることが望ましい。これにより、ユーザがサービスの提供を受けるために必要な操作を削減することができる。
【0064】
また、サービス情報生成部126は、自治体情報取得部125が取得した自治体情報が示す自治体に対応するサービスを示すサービス情報を生成してもよい。この場合に、サービス情報生成部126は、例えば、特定したサービスの提供を受けるためのアプリケーションにおいて、自治体情報取得部125が取得した自治体情報が含む自治体のアカウントを登録するための起動情報を含むサービス情報を生成する。これにより、情報処理装置1は、提供サービスと利用可能サービスとで共通するサービスを、さらに提供場所又は提供主体と、ユーザと、の少なくとも一方に関連付けられた自治体に応じて設定した上でユーザに提示することができる。
【0065】
送信部127は、サービス情報生成部126が生成したサービス情報を、受信部121が受信したメッセージの送信元である送信元IDを宛先として送信する。情報処理装置1が送信したメッセージは、例えば、アグリゲータ装置、メッセージ中継装置等の情報処理装置1とは異なる装置を介して、ユーザ端末2に到達する。
【0066】
送信部127は、ユーザ端末2においてユーザが指定したプロトコルを用いて、サービス情報を送信してもよい。この場合に、ユーザ端末2は、SMS(Short Message Service)、RCS(Rich Communication Services)等のプロトコルの指定をユーザから受け付け、指定されたプロトコルを示す情報を情報処理装置1に送信する。これにより、情報処理装置1は、ユーザが希望するプロトコルでサービス情報を送信することができる。
【0067】
送信元IDが設定されたユーザ端末2は、情報処理装置1が送信元IDを宛先として送信したサービス情報を受信し、表示部上に表示する。ユーザ端末2は、ユーザによる操作部の操作に応じて、サービス情報が示すサービスを利用するためのアプリケーションを起動する。
【0068】
図5図6は、例示的なサービス情報を表示しているユーザ端末2の模式図である。図5に例示したユーザ端末2は、複数の決済サービスを示すサービス情報S1を表示している。サービス情報S1は、複数の決済サービスそれぞれのアプリケーションにおいて決済画面を表示するためのディープリンクLを含む。ユーザ端末2は、ユーザがいずれかの決済サービスのディープリンクLを選択したことに応じて、選択された決済サービスを用いて提供場所又は提供主体に対して支払う代金を決済するための決済画面を表示する。
【0069】
図6(a)、図6(b)に例示したユーザ端末2は、メッセージサービスを示すサービス情報S2を表示している。図6(a)及び図6(b)では提供場所又は提供主体の属する自治体が異なっているため、サービス情報S2は、同じメッセージサービスにおいて異なる自治体に対応する情報として、各自治体のアカウントとメッセージを授受するための登録をするボタンを含んでいる。ユーザ端末2は、ユーザがボタンを選択したことに応じて、自治体のアカウントを登録する。
【0070】
[情報処理方法のシーケンス]
図7は、本実施形態に係る情報処理システムSが実行する情報処理方法のシーケンス図である。ユーザ端末2は、提供場所である施設に配置されたコードCを撮像し、コードCの撮像画像を所定の規則に従って復号することによって、コードCが示す送信先IDを取得する(S11)。ユーザ端末2は、取得した送信先IDを宛先としてメッセージを送信する(S12)。ユーザ端末2が送信したメッセージは、例えば、アグリゲータ装置、メッセージ中継装置等の情報処理装置1とは異なる装置を介して、情報処理装置1に到達する。
【0071】
情報処理装置1において、受信部121は、ユーザ端末2が送信先IDを宛先として送信したメッセージを受信する(S13)。提供者情報取得部122は、受信部121が受信したメッセージの宛先である送信先IDに関連付けられた提供者情報を、記憶部11から取得するとともに、ユーザ情報取得部123は、受信部121が受信したメッセージの送信元であるユーザ端末2に対応する送信元IDに関連付けられたユーザ情報を、記憶部11から取得する(S14)。提供者情報取得部122及びユーザ情報取得部123は、情報処理装置1が通信可能な他の装置から、提供者情報及びユーザ情報を取得してもよい。
【0072】
また、優先度取得部124は、提供場所又は提供主体と、ユーザと、の少なくとも一方によって指定された優先度を取得してもよい。また、自治体情報取得部125は、提供場所又は提供主体と、ユーザと、の少なくとも一方に関連付けられた自治体を示す自治体情報を、記憶部11から取得してもよい。
【0073】
サービス情報生成部126は、例えば、提供者情報取得部122が取得した提供者情報が含む提供サービスであり、かつユーザ情報取得部123が取得したユーザ情報が含む利用可能サービスであるサービスを特定する。すなわち、サービス情報生成部126は、提供場所又は提供主体の提供サービスとユーザの利用可能サービスとで共通するサービスを特定する(S15)。
【0074】
サービス情報生成部126は、特定した一又は複数のサービスを示すサービス情報を生成する。また、サービス情報生成部126は、提供者情報及びユーザ情報に加えて、優先度取得部124が取得した優先度及び自治体情報取得部125が取得した自治体情報を用いて、サービス情報を生成してもよい。
【0075】
送信部127は、サービス情報生成部126が生成したサービス情報を、受信部121が受信したメッセージの送信元である送信元IDを宛先として送信する(S16)。情報処理装置1が送信したメッセージは、例えば、アグリゲータ装置、メッセージ中継装置等の情報処理装置1とは異なる装置を介して、ユーザ端末2に到達する。
【0076】
送信元IDが設定されたユーザ端末2は、情報処理装置1が送信元IDを宛先として送信したサービス情報を受信し、表示部上に表示する(S17)。ユーザ端末2は、ユーザによる操作部の操作に応じて、サービス情報が示すサービスを利用するためのアプリケーションを起動する。
【0077】
[本実施形態の効果]
本実施形態に係る情報処理システムSにおいて、情報処理装置1は、ユーザ端末2から提供場所又は提供主体に関連付けられた1つの送信先IDを宛先としたメッセージを受信することにより、提供場所又は提供主体の提供サービスとユーザの利用可能サービスとで共通するサービスを自動的に抽出してユーザに提示する。ユーザは利用を希望するサービスのコードCを選択してからメッセージを送信する必要がないため、情報処理装置1は、ユーザが施設において提供されるサービスを利用する手間を削減できる。
【0078】
なお、本発明により、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献することが可能となる。
【0079】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【0080】
情報処理装置1及びユーザ端末2のプロセッサは、図7に示す情報処理方法に含まれる各ステップ(工程)の主体となる。すなわち、情報処理装置1及びユーザ端末2のプロセッサは、図7に示す情報処理方法を実行するためのプログラムを実行することによって、図7に示す情報処理方法を実行する。図7に示す情報処理方法に含まれるステップは一部省略されてもよく、ステップ間の順番が変更されてもよく、複数のステップが並行して行われてもよい。
【符号の説明】
【0081】
S 情報処理システム
1 情報処理装置
11 記憶部
12 制御部
121 受信部
122 提供者情報取得部
123 ユーザ情報取得部
124 優先度取得部
125 自治体情報取得部
126 サービス情報生成部
127 送信部
2 ユーザ端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7