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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023146970
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】脱穀装置の扱胴
(51)【国際特許分類】
   A01F 12/22 20060101AFI20231004BHJP
【FI】
A01F12/22 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054449
(22)【出願日】2022-03-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-08
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002321
【氏名又は名称】弁理士法人永井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上加 郁朗
(72)【発明者】
【氏名】二神 伸
(72)【発明者】
【氏名】渡部 寛樹
(72)【発明者】
【氏名】内山 龍介
(72)【発明者】
【氏名】黒木 慎
【テーマコード(参考)】
2B094
【Fターム(参考)】
2B094AA03
2B094AA11
2B094DA04
2B094EA04
2B094EB12
2B094EB14
2B094EB20
2B094FA05
2B094FB01
2B094FC02
2B094FC03
2B094GB05
(57)【要約】
【課題】バーフレームの剛性を高めて、バーフレームの変形を抑制することができる脱穀装置の扱胴を提案する。
【解決手段】前後方向に延在する回転軸(30)の前部に第1支持部材(41)を設け、回転軸(30)の後部に第2支持部材(35)を設け、第1支持部材(41)の後面と第2支持部材(35)の前面に、回転軸(30)から径方向に所定の距離を隔てた位置に、周方向に所定の間隔を隔てて複数の前後方向に延在するバーフレーム(50)を架設し、相互に隣接するバーフレーム(50)を、前後方向に所定の間隔を隔てて複数の連結部材(56)で連結し、連結部材(56)の外周面に扱歯(57)を立設させた。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延在する回転軸(30)の前部に第1支持部材(41)を設け、該回転軸(30)の後部に第2支持部材(35)を設け、
前記第1支持部材(41)の後面と第2支持部材(35)の前面に、前記回転軸(30)から径方向に所定の距離を隔てた位置に、周方向に所定の間隔を隔てて複数の前後方向に延在するバーフレーム(50)を架設し、
相互に隣接する前記バーフレーム(50)を、前後方向に所定の間隔を隔てて複数の連結部材(56)で連結し、
該連結部材(56)の外周面に扱歯(57)を立設させたことを特徴とする脱穀装置の扱胴。
【請求項2】
前記バーフレーム(50)の前後方向の中間部を、前記回転軸(30)の前後方向の中間部に設けられた第3支持部材(33)で支持した請求項1記載の脱穀装置の扱胴。
【請求項3】
前記回転軸(30)の軸心視において、周方向に隣接する回転方向の下手側に位置する前記連結部材(56)を、回転方向の上手側に位置する前記連結部材(56)よりも、側面視において、所定の間隔を隔てて後方に設けた請求項1又は2記載の脱穀装置の扱胴。
【請求項4】
前記バーフレーム(50)と連結部材(56)を、前記バーフレーム(50)の内周部に設けたステー(51)を介して連結し、
平面視において、前記ステー(51)をバーフレーム(50)に直交させて周方向に延在させた請求項1~3のいずれか1項に記載の脱穀装置の扱胴。
【請求項5】
前記バーフレーム(50)と連結部材(56)を、前記バーフレーム(50)の内周部に設けたステー(51)を介して連結し、
平面視において、前記ステー(51)の回転方向の下手部を上手側よりも後方に位置させて周方向に延在させた請求項1~3のいずれか1項に記載の脱穀装置の扱胴。
【請求項6】
前記扱歯(57)を回転方向の上手側に位置する上手扱歯(57A)と下手側に位置する下手扱歯(57B)で形成し、
側面視において、前記下手扱歯(57B)を上手扱歯(57A)よりも連結部材(56)の外周面における後部に設けた請求項1~5のいずれか1項に記載の脱穀装置の扱胴。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインの脱穀装置の扱胴に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、扱胴を穀稈の搬送を行う搬送螺旋を備えるインペラと穀稈を脱穀する扱歯を有するロータで形成し、扱歯を装着する前後方向に延在するバーフレームの前後部をインペラの後板とロータの後板に架設する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-187327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術においては、インペラからロータに多量の穀稈が搬送されてきた場合に、バーフレームに大きな荷重が加わってバーフレームが変形する恐れがあった。
【0005】
そこで、本発明の主たる課題は、バーフレームの剛性を高めて、バーフレームの変形を抑制することができる脱穀装置の扱胴を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決した本発明は次のとおりである。
すなわち、請求項1記載の発明は、前後方向に延在する回転軸(30)の前部に第1支持部材(41)を設け、該回転軸(30)の後部に第2支持部材(35)を設け、前記第1支持部材(41)の後面と第2支持部材(35)の前面に、前記回転軸(30)から径方向に所定の距離を隔てた位置に、周方向に所定の間隔を隔てて複数の前後方向に延在するバーフレーム(50)を架設し、相互に隣接する前記バーフレーム(50)を、前後方向に所定の間隔を隔てて複数の連結部材(56)で連結し、該連結部材(56)の外周面に扱歯(57)を立設させたことを特徴とする脱穀装置の扱胴である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記バーフレーム(50)の前後方向の中間部を、前記回転軸(30)の前後方向の中間部に設けられた第3支持部材(33)で支持した請求項1記載の脱穀装置の扱胴である。
【0008】
請求項3記載の発明は、前記回転軸(30)の軸心視において、周方向に隣接する回転方向の下手側に位置する前記連結部材(56)を、回転方向の上手側に位置する前記連結部材(56)よりも、側面視において、所定の間隔を隔てて後方に設けた請求項1又は2記載の脱穀装置の扱胴である。
【0009】
請求項4記載の発明は、前記バーフレーム(50)と連結部材(56)を、前記バーフレーム(50)の内周部に設けたステー(51)を介して連結し、平面視において、前記ステー(51)をバーフレーム(50)に直交させて周方向に延在させた請求項1~3のいずれか1項に記載の脱穀装置の扱胴である。
【0010】
請求項5記載の発明は、前記バーフレーム(50)と連結部材(56)を、前記バーフレーム(50)の内周部に設けたステー(51)を介して連結し、平面視において、前記ステー(51)の回転方向の下手部を上手側よりも後方に位置させて周方向に延在させた請求項1~3のいずれか1項に記載の脱穀装置の扱胴である。
【0011】
請求項6記載の発明は、前記扱歯(57)を回転方向の上手側に位置する上手扱歯(57A)と下手側に位置する下手扱歯(57B)で形成し、側面視において、前記下手扱歯(57B)を上手扱歯(57A)よりも連結部材(56)の外周面における後部に設けた請求項1~5のいずれか1項に記載の脱穀装置の扱胴である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1記載の発明によれば、前後方向に延在する回転軸(30)の前部に第1支持部材(41)を設け、回転軸(30)の後部に第2支持部材(35)を設け、第1支持部材(41)の後面と第2支持部材(35)の前面に、回転軸(30)から径方向に所定の距離を隔てた位置に、周方向に所定の間隔を隔てて複数の前後方向に延在するバーフレーム(50)を架設し、相互に隣接するバーフレーム(50)を、前後方向に所定の間隔を隔てて複数の連結部材(56)で連結し、連結部材(56)の外周面に扱歯(57)を立設させたので、バーフレーム(50)の剛性が高くなり、穀稈の脱穀時にバーフレーム(50)に加わる負荷によってバーフレーム(50)が変形するのを抑制することができる。
【0013】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明による効果に加えて、バーフレーム(50)の前後方向の中間部を、回転軸(30)の前後方向の中間部に設けられた第3支持部材(33)で支持したので、バーフレーム(50)の変形をより抑制することができる。
【0014】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明による効果に加えて、回転軸(30)の軸心視において、周方向に隣接する回転方向の下手側に位置する連結部材(56)を、回転方向の上手側に位置する連結部材(56)よりも、側面視において、所定の間隔を隔てて後方に設けたので、扱胴に搬送されてきた穀稈を扱胴の後方に効率良く搬送することができる。
【0015】
請求項4記載の発明によれば、請求項1~3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、請求項3記載の発明による効果に加えて、バーフレーム(50)と連結部材(56)を、バーフレーム(50)の内周部に設けたステー(51)を介して連結し、平面視において、ステー(51)をバーフレーム(50)に直交させて周方向に延在させたので、バーフレーム(50)の剛性がより高くなり、穀稈の脱穀時にバーフレーム(50)に加わる負荷によってバーフレーム(50)が変形するのをより抑制することができる。
【0016】
請求項5記載の発明によれば、請求項1~3のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、バーフレーム(50)と連結部材(56)を、バーフレーム(50)の内周部に設けたステー(51)を介して連結し、平面視において、ステー(51)の回転方向の下手部を上手側よりも後方に位置させて周方向に延在させたので、扱胴に搬送されてきた穀稈を扱胴の後方により効率良く搬送することができる。
【0017】
請求項6記載の発明によれば、請求項1~5のいずれか1項に記載の発明による効果に加えて、扱歯(57)を回転方向の上手側に位置する上手扱歯(57A)と下手側に位置する下手扱歯(57B)で形成し、側面視において、下手扱歯(57B)を上手扱歯(57A)よりも連結部材(56)の外周面における後部に設けたので、扱胴に搬送されてきた穀稈を扱胴の後方にさらに効率良く搬送することができる。また、穀稈が上手扱歯(57A)と下手扱歯(57B)に絡まるのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】コンバインの正面図である。
図2】コンバインの左側面図である。
図3】コンバインの平面図である。
図4】脱穀装置の前後方向の縦断面図である。
図5】扱胴の前方斜視図である。
図6】扱胴の後方斜視図である。
図7】扱胴の左側面図である。
図8】扱歯ユニットを説明する(a)は平面図、(b)は正面図である。
図9】バーフレームに扱歯ユニットを固定する説明図である。
図10】扱歯ユニットの位置の説明図であり、扱胴の側面の展開図である。
図11】バーフレームの(a)は本実施形態のステー、(b)は他の実施形態のステー、(c)はさらに他の実施形態のステーを説明する平面図である。
図12】他の扱胴の前方斜視図である。
図13】他の扱胴の左側面図である。
図14】第1設置形態の扱歯ユニットを説明する扱胴の側面の展開図である。
図15】第2設置形態の扱歯ユニットを説明する扱胴の側面の展開図である。
図16】第3設置形態の扱歯ユニットを説明する扱胴の側面の展開図である。
図17】第4設置形態の扱歯ユニットを説明する扱胴の側面の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1~3に示すように、汎用コンバインは、機体フレーム1の下側に土壌面を走行する左右一対のクローラからなる走行装置2が設けられ、機体フレーム1の前側に圃場の穀稈を収穫する刈取前処理装置3が設けられ、刈取前処理装置3の後方左側に収穫された穀稈を脱穀・選別処理する脱穀装置4が設けられ、刈取前処理装置3の後方右側に操縦者が搭乗する操縦部5が設けられている。
【0020】
操縦部5の下側にエンジンを内装するエンジンルーム6が設けられ、操縦部5の後側に脱穀・選別処理された穀粒を貯留するグレンタンク7が設けられ、グレンタンク7の後側に穀粒を外部に排出する排出オーガ8が設けられている。
【0021】
刈取前処理装置3は、圃場の穀稈を起立させながら後側に搬送する搬送装置3Aと、搬送装置3Aの後側下部に搬送された穀稈の株元を切断する刈刃装置3Bと、搬送装置3Aの後側に搬送された穀稈を左側に寄せ集めるオーガ装置3Cと、寄せ集められた穀稈を脱穀装置4に搬送するフィーダハウス3Dから構成されている。
【0022】
図4に示すように、脱穀装置4は、穀稈を脱穀する扱室10と、脱穀された穀粒を選別する選別室20から形成されている。
【0023】
扱室10の前後壁には、フィーダハウス3Dから搬送されてくる穀稈を脱穀する扱胴11が架設され、扱胴11の下側には、扱胴11の外周下部に沿って半円弧形状に形成された受網12が設けられている。また、扱胴11の上部は、開閉可能な扱胴カバー13で覆われており、扱胴カバー13の内周部には、穀稈を扱室10の後部に案内する送塵板が設けられている。
【0024】
選別室20の上部には、扱室10から漏下してくる穀粒を選別処理する揺動選別装置21が設けられている。揺動選別装置21の下部には、前側から順に、揺動選別装置21に選別風を送風する唐箕25と、唐箕25の後方に選別風の送風方向を変更する風割26と、揺動選別装置21から漏下してくる穀粒をグレンタンク7に搬送する1番螺旋27と、揺動選別装置21の後部から漏下してくる枝梗等が付着した穀粒を揺動選別装置21の前部の選別棚に再搬送する2番螺旋28が設けられている。
【0025】
図5~7に示すように、扱胴11は、扱室10の前後壁に回転自在に架設される回転軸30と、回転軸30の前部に支持された円錐台形状のインペラ31と、インペラ31の後側に設けられたロータ32から形成されている。
【0026】
インペラ31は、円形状の前板40と、前板40よりも径が大きい円形状の後板(請求項の「第1支持部材」)41と、前板40と後板41の外周部を連結する側板42から形成されている。なお、本実施形態では前板40と後板41は円形形状に形成しているが六角形状等に形成することもできる。
【0027】
側板42の外周面には、インペラ31の前部に搬送された穀稈をインペラ31の後部に搬送する上下一対の搬送螺旋43が立設されている。これにより、インペラ31に移送されてきた穀稈をインペラ31の前部から後部に効率よく搬送してロータ32に移送することができる。
【0028】
搬送螺旋43の前面には、円周方向に所定角度を隔てて側板42と搬送螺旋43の前面下部を連結する略三角形状の補強リブ44が設けられている。これにより、搬送螺旋43の剛性を高めて、穀稈から搬送螺旋43に加わる負荷による搬送螺旋43の変形を抑制することができる。
【0029】
回転軸30の中間部には中間板(請求項の「第3支持部材」)33が設けられ、回転軸30の後部には後板(請求項の「第2支持部材」)35が設けられている。中間板33は、回転軸30の前後方向の中間部に設けられた左右方向の縦断面が六角形状の中間支持部材34の外周面に立設している。なお、本実施形態では中間板33と後板35は円形形状に形成しているが六角形状等に形成することもできる。
【0030】
回転軸30の軸心から径方向に所定の距離隔てて、周方向に60度間隔を隔てて前後方向に延在する6本のバーフレーム50が設けられている。バーフレーム50の前部は後板41の後面に固定され、バーフレーム50の中間部はステー36を介して中間支持部材34の外周面に固定され、バーフレーム50の後部は後板35の前面に固定されている。
【0031】
バーフレーム50と、これに隣接するバーフレーム50は、前後方向に所定の間隔を隔てて設けられた扱歯ユニット55で連結されている。図8に示すように、扱歯ユニット55は、チャンネル鋼からなる扱歯支持部(請求項の「連結部材」)56と、扱歯支持部56の外周面と内周面を貫通して設けられた丸鋼からなる2本の扱歯57から形成されている。また、扱歯支持部56の上手部には上手開口部56Aが形成され、下手部には下手開口部56Bが形成されている。
【0032】
扱歯ユニット55は、扱歯支持部56の開口部を後方に位置させてバーフレーム50に固定されている。これにより、ロータ32に搬送されてきた穀稈が扱歯支持部56に絡み付くのを抑制することができる。また、回転軸30の軸心視において、扱歯ユニット55の扱歯支持部56が、インペラ31の後板41の外周部よりも内側に設けるのが好ましい。これにより、ロータ32に搬送されてきた穀稈が扱歯支持部56に絡み付くのをより抑制することができる。
【0033】
回転方向の上手側に位置する上手扱歯57Aは、回転方向の下手側に位置する下手扱歯57Bよりも扱歯支持部56の前側に固定されている。また、上手扱歯57Aの先端部は基部よりも回転方向の上手側に位置させ、下手扱歯57Bの先端部は基部よりも回転方向の下手側に位置させて形成されている。これにより、ロータ32に搬送されてきた穀稈の穀粒を脱穀する打穀性能と、穀稈をロータ32の後方に搬送する送り性能を高めることができる。
【0034】
図9に示すように、扱歯ユニット55の扱歯支持部56の上手部は、扱歯ユニット55の上手側に位置するバーフレーム50から回転軸30に向かって延在するステー51に、上手開口部56Aを挿通するボルト等の締結手段によって着脱自在に固定され、扱歯ユニット55の扱歯支持部56の下手部は、扱歯ユニット55の下手側に位置するバーフレーム50から回転軸30に向かって延在するステー51に、下手開口部56Bを挿通するボルト等の締結手段によって着脱自在に固定されている。これにより、バーフレーム50と、これに隣接するバーフレーム50を扱歯ユニット55で連結して、バーフレーム50の剛性を高めて、打穀時に発生する衝撃によりバーフレーム50の変形を抑制することができる。
【0035】
図10に示すように、扱歯ユニット55は、前後方向に所定の間隔を隔てて、回転方向をバーフレーム50に対して直交させて設けられている。また、回転方向の下手側に位置する扱歯ユニット55は、隣接する上手側に位置する扱歯ユニット55よりも扱歯ユニット55の前後方向の長さ後側に設けられている。これにより、一連の扱歯ユニット55は、回転方向の上手側から下手側に向かって所定の傾斜を付けて設けられるので、ロータ32に搬送されてきた穀稈をロータ32の後方に効率良く搬送することができる。なお、バーフレーム50とこれに隣接するバーフレーム50の間に設けられる複数の扱歯ユニット55を連結して一体化することもできる。これにより、扱歯ユニット55をバーフレーム50に容易に装着することができる。
【0036】
<ステー>
図11(a)に示すように、本実施形態のステー51は、前後方向に所定の間隔を隔てて、バーフレーム50に対して直交する周方向に延在して形成されている。これにより、扱歯ユニット55の長手方向の長さを短くして、バーフレーム50の剛性を高めて、打穀時に発生する衝撃によりバーフレーム50の変形を抑制することができる。
【0037】
図11(b)に示すように、他実施形態のステー51は、前後方向に所定の間隔を隔てて、ステー51の上手部が下手部よりも前側に位置するようにバーフレーム50に対して所定の傾斜角度を持たせて周方向に延在して形成されている。これにより、ロータ32に搬送されてきた穀稈をロータ32の後方により効率良く搬送することができる。
【0038】
図11(c)に示すように、さらに他実施形態のステー51の中間部は、前後方向に所定の間隔を隔てて、バーフレーム50に対して直交する方向に延在させて形成し、ステー51の上手端部と下手端部をバーフレーム50に対して所定の傾斜角度を持たせて延在させて形成している。これにより、扱歯ユニット55をバーフレーム50に対してより傾斜させて設けることができるので、ロータ32に搬送されてきた穀稈をロータ32の後方にさらに効率良く搬送することができる。
【0039】
<他の扱胴>
図12,13には、他の実施形態の扱胴11Aが図示されている。本実施形態の扱胴11と同一部材には同一符号を付して説明を省略する。
【0040】
扱胴11Aは、扱室10の前後壁に回転自在に架設される回転軸30と、回転軸30の前部に支持された円錐台形状のインペラ31と、インペラ31の後側に設けられたロータ60から形成されている。
【0041】
ロータ60は、前後方向に二分割されてインペラ31の後側に設けられたロータ60Aと、ロータ60Aの後側に設けられたロータ60Bから形成されている。なお、前後方向に二分割せず一体として形成することもできる。
【0042】
ロータ60Aは、インペラ31の後板41と回転軸30の中間部に設けられた中間板33の間に設けられ、ロータ60Bは、回転軸30の中間板33と後板35の間に設けられている。
【0043】
ロータ60Aは、前後方向に延在する6本のバーフレーム61と、前後方向に延在する3本の前後フレーム62と、前後フレーム62に前後方向に所定の間隔を隔てて支持されたリングフレーム63から形成されている。また、リングフレーム63の外周部には、周方向に所定の間隔を隔てて、扱歯ユニット64が外周部に向けて立設している。
【0044】
ロータ60Bは、前後方向に延在する6本のバーフレーム61と、前後方向に延在する3本の前後フレーム62と、前後フレーム62に前後方向に所定の間隔を隔てて支持されたリングフレーム63から形成されている。また、リングフレーム63の外周部には、周方向に所定の間隔を隔てて、扱歯ユニット64が外周部に向けて立設している。
【0045】
図14に示すように、扱歯ユニット64は、平鋼からなる扱歯支持部65と、扱歯支持部65の外周面に設けられた丸鋼からなる2本の扱歯66から形成されている。第1設置形態の扱歯ユニット64は、リングフレーム63の外周部に周方向に所定の間隔を隔てて設けられている。また、リングフレーム63の後側に隣接するリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64は、前側のリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64に対して回転方向の下手側に1/2間隔ずらした位置に設けられている。これにより、一連の扱歯ユニット64は、回転方向の上手側から下手側に向かって所定の傾斜を付けて設けられるので、ロータ60に搬送されてきた穀稈をロータ60の後方に効率良く搬送することができる。
【0046】
図15に示すように、第2設置形態の扱歯ユニット64は、リングフレーム63の外周部に周方向に所定の間隔を隔てて、前側の扱歯66よりも後側の扱歯66を回転方向の下手側に位置させて設けられている。また、リングフレーム63の後側に隣接するリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64は、回転方向の同一位置に設けられている。これにより、ロータ60に搬送されてきた穀稈の穀粒を脱穀する打穀性能が高まり、また、穀稈が扱歯66に絡み付くのを抑制することができる。
【0047】
図16に示すように、第3設置形態の扱歯ユニット64は、リングフレーム63の外周部に周方向に所定の間隔を隔てて、前側の扱歯66よりも後側の扱歯66を回転方向の下手側に位置させて設けられている。また、リングフレーム63の後側に隣接するリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64は、リングフレーム63の外周部に周方向に所定の間隔を隔てて設けられている。さらに、リングフレーム63の後側に隣接するリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64は、前側のリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64に対して回転方向の下手側に1/2間隔ずらした位置に設けられている。これにより、ロータ60に搬送されてきた穀稈をロータ60の後方に効率良く搬送することができ、また、穀稈の穀粒を脱穀する打穀性能も高めることができる。
【0048】
図17に示すように、第4設置形態の扱歯ユニット64は、前側から数えて1~3本のリングフレーム63の外周部に周方向に所定の間隔を隔てて、前側の扱歯66よりも後側の扱歯66を回転方向の下手側に位置させて設けられている。また、前側から数えて4,5本のリングフレーム63の外周部に外周部に周方向に所定の間隔を隔てて設けられている。
【0049】
前側から数えて1~3本のリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64は、リングフレーム63の後側に隣接するリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64は、前側のリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64に対して回転方向の下手側に1/2間隔ずらした位置に設けられている。また、前側から数えて4,5本のリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64は、リングフレーム63の後側に隣接するリングフレーム63に設けられた扱歯ユニット64は、回転方向の同一位置に設けられている。これにより、ロータ60に搬送されてきた穀稈をロータ60の後方に効率良く搬送することができ、また、穀稈の穀粒を脱穀する打穀性能も高めることができる。さらに、扱歯ユニット64をリングフレーム63に装着する作業負担を軽減することができる。
【符号の説明】
【0050】
30 回転軸
33 中間板(第3支持部材)
35 後板(第2支持部材)
41 後板(第1支持部材)
50 バーフレーム
51 ステー
56 扱歯支持部(連結部材)
57 扱歯
57A 上手扱歯
57B 下手扱歯
図1
図2
図3
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図17