(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014699
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】納品書、請求書、領収書等の自動発行システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/04 20120101AFI20230124BHJP
【FI】
G06Q30/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118799
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】510280970
【氏名又は名称】ワークアップ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 周一
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB11
5L049BB56
(57)【要約】
【課題】オンライン店舗で行われた商品売買取引について、納品書、請求書、または領収書の発行を、購入者の操作によって行うことを可能にするシステムの提供を目的とする。
【解決手段】取引情報を格納する取引情報記憶手段と、取引情報記憶手段に格納された特定の取引情報に対応するURLを生成する、URL生成手段と、URL生成手段によって生成されたURLへのアクセスに応じて、取引情報記憶手段に格納された特定の取引情報を取得する、取引情報取得手段と、取引情報取得手段によって取得された取引情報を、所定の書類形式に変換する電子書類生成手段とを含む、電子書類発行システムを提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引情報を格納する取引情報記憶手段と、
前記取引情報記憶手段に格納された特定の取引情報に対応するURLを生成する、URL生成手段と、
前記URL生成手段によって生成されたURLへのアクセスに応じて、前記取引情報記憶手段に格納された特定の取引情報を取得する、取引情報取得手段と、
前記取引情報取得手段によって取得された取引情報を、所定の書類形式に変換する電子書類生成手段と
を含む、電子書類発行システム
【請求項2】
前記取引情報記憶手段に格納されていない情報を、前記電子書類生成手段によって生成された電子書類に書き込むことが可能な、情報書込み手段をさらに含む、請求項1に記載の電子書類発行システム。
【請求項3】
取引の発生に応じて、取引情報を前記取引情報記憶手段に格納する、取引情報処理手段と、
前記URL生成手段によって生成されたURLを取引当事者に通知する、URL通知手段と
をさらに含む、請求項1または2に記載の電子書類発行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン店舗で行われた商品売買取引について、納品書、請求書、または領収書の発行を、購入者の操作によって行うことを可能にするシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
取引内容の確認や経理作業上の要請のため、商取引には、納品書、請求書、および領収書等の書類の発行が伴う。オンライン店舗を通じた商取引であっても、これらの書類は、商品と同梱して、又は後日に紙媒体で送付される場合がある。この場合、販売者には、取引内容を確認し、但し書き等を書き加え、印刷するという作業が発生する。あるいは、電子的に書類を発行する場合もあるが、この場合も販売者には、印刷を除いて同様の作業が発生する。
【0003】
購入者の観点では、書類が紙媒体であると、商品を受け取った後、時間が経ってから経理作業を行う場合、書類を探す手間を要することや、紛失して再発行を依頼しなければならないことがある。また、但し書きの記載内容の伝達など、さらなる手間を要する場合がある。
【0004】
特許文献1には、領収書または請求書の発行依頼を受ける発行依頼受付手段と、発行依頼に関する情報等と商品の注文情報とを関連付けて保持する保持手段と、書類の発行可能状態を判定する判定手段と、書類の発行可否一覧画面を生成する生成手段と、書類についての発行処理要求を受け付ける発行処理要求受付手段とを備える、書類発行システムが開示されている。しかしながら、発行される書類は、販売者側の作業者がFAXにより、または紙媒体として送付することが想定されている。そのため、購入者の操作によって、書類を電子的に発行するためのものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
商取引では、納品書、請求書、および領収書等の書類の発行作業が発生する。この際、名義、但し書きの記載内容等を購入者が指定することもある。販売者は従来、取引内容を確認し、購入者の要望に応じた書類を作成して送付する必要があるが、これには労力と時間を要する。さらに、オンライン店舗で取引が行われる場合には、購入者と販売者との意思疎通に時間差が発生することがあり、やり取りに時間がかかるなどの問題がある。
【0007】
本発明は、オンライン店舗で行われた商品売買取引について、納品書、請求書、または領収書の発行を、購入者の操作によって行うことを可能にするシステムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態では、
取引情報を格納する取引情報記憶手段と、
取引情報記憶手段に格納された特定の取引情報に対応するURLを生成する、URL生成手段と、
URL生成手段によって生成されたURLへのアクセスに応じて、取引情報記憶手段に格納された特定の取引情報を取得する、取引情報取得手段と、
取引情報取得手段によって取得された取引情報を、所定の書類形式に変換する電子書類生成手段と
を含む、電子書類発行システムを提供する。
【0009】
本発明のさらなる実施形態では、取引情報記憶手段に格納されていない情報を、電子書類生成手段によって生成された電子書類に書き込むことが可能な、情報書込み手段をさらに含む、電子書類発行システムを提供する。
【0010】
本発明の別のさらなる実施形態では、
取引の発生に応じて、取引情報を取引情報記憶手段に格納する、取引情報処理手段と、
URL生成手段によって生成されたURLを取引当事者に通知する、URL通知手段と
をさらに含む、電子書類発行システムを提供する。
【0011】
本発明の使用者は、購入者の操作によって電子書類を発行するためのURLを、個別の書類の要否にかかわらず、すべての商品購入者に通知する。商品購入者は、当該URLにアクセスすることによって、販売者の応答を待つことなく、所望の書類を入手することができる。また、但し書きのような個別の事情への対応についても、購入者単独で完結させることができる。
【発明の効果】
【0012】
オンライン店舗での商取引について、取引情報に関係する書類の発行作業および問い合わせを低減し、店舗運営を効率化することができる。また、応答に伴うタイムロスを排除し、購入者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の電子書類発行システムを示す概略図である。
【
図2】本発明に用いる情報処理装置の例示的なハード構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の電子書類発行システムにおける、情報の送受信および処理のプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は特許請求の範囲によって規定され、本明細書に記載する実施形態は、本発明を不当に限定することを意図するものではない。
【0015】
<システム構成>
図1は、本発明の電子書類発行システムを示す概略図である。情報提供データベース101には、オンライン店舗における商取引の取引情報を格納することができる。取引情報としては、例えば、取引の日時、購入者名、送付先、購入された商品の名称、取引数量、商品価格、値引き情報や消費税率、支払い方法などが挙げられる。
【0016】
情報提供データベース101は、情報提供サーバ102と接続され、情報の送受信が可能である。接続の方法は、インターネットまたはイントラネットのような有線または無線通信であってもよく、あるいは、情報提供サーバ102がデータベース機能を備え、情報提供データベース101の全体または一部を内蔵してもよい。
【0017】
情報提供サーバ102は、情報提供データベース101への情報の格納および更新、ならびに電子書類の発行に関する情報処理を行う。このほか、オンライン店舗情報、商品情報、電子商取引などに関係する情報を、ユーザ端末103との間で送受信してもよい。情報提供サーバ102は、コンピュータプログラムを通じて、これらの情報処理を行う。このプログラムは、URL生成手段104、取引情報取得手段105、および電子書類生成手段106を備える。このプログラムはさらに、情報書込み手段107、取引情報処理手段108、およびURL通知手段109を備えてもよい。
【0018】
ユーザ端末103は、購入者となりうる個人または法人が保有する通信機器、例えば、PC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン、タブレット等を指す。情報提供サーバ102とユーザ端末103とは、インターネットを介して、必要に応じて情報の送受信が可能となる。
【0019】
URL生成手段104とは、特定の取引に対応する情報資源を、URL(Uniform Resource Locator)に関連付ける手段である。取引情報取得手段105とは、指定された取引情報を、情報提供データベース101内を検索して取得する手段である。電子書類生成手段106とは、取引情報のうちの必要項目を所定のフォーマットに挿入して、納品書、請求書、および領収書などの形式に整えられた電子書類を生成する手段である。
【0020】
情報書込み手段107とは、取引情報に含まれない項目を、電子書類に追記する手段である。取引情報処理手段108とは、新たな取引が発生した際に、その取引の情報を情報提供データベース101に自動的に格納する手段である。URL通知手段109とは、URL生成手段104によって生成されたURLを、取引当事者、すなわち購入者または販売者の一方または両方に通知する手段である。
【0021】
情報提供サーバ102またはユーザ端末103として用いられうる情報処理装置の例示的なハード構成を、
図2に示す。情報処理装置は、CPU(Central Processing Unit)201、入力装置202、主記憶装置203、出力装置204、補助記憶装置205、クロック装置206、および通信装置209を備える。
【0022】
CPU201は中央処理装置とも呼ばれ、システム内の各装置に命令を送り、その動作を制御する制御装置207と、デジタルデータの演算処理を行う演算装置208とを備える。
【0023】
CPU201は、主記憶装置203または補助記憶装置205に記憶されているプログラムと共働して、本発明の各手段として機能する。さらに、CPU201は、主記憶装置203や補助記憶装置205に情報を格納する格納手段や、これらに格納されている情報を更新する更新手段として機能する。
【0024】
制御装置207は、クロック装置206が発するクロックのタイミングに従い、入力装置202から入力されたデータ、または主記憶装置203に予め与えられた手順(例えばプログラムやソフトウエア)を読み込む。入力されたデータおよび読み込んだ内容は、演算装置208の制御に基づいて、主記憶装置203、出力装置204、および補助記憶装置205等の内部の機器や外部の機器等に送信される。
【0025】
入力装置202は、各種データを入力するための装置であり、例えばキーボード、マウス、ポインティングディバイス、タッチパネル、マウスパッド、CCDカメラ、各種記憶媒体の読み取り装置等が挙げられる。
【0026】
主記憶装置203は、一般にメモリと呼ばれる装置であり、処理装置および内部記憶装置において、命令を実行するために使われるアドレス可能な記憶空間を指す。主記憶装置203は、主として半導体記憶素子により構成され、入力したプログラムやデータを格納、保持する。また、制御装置207の指示に従って、この格納保持されているデータを、例えばレジスタに読み出す。主記憶装置203を構成する半導体記憶素子としては、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)が挙げられる。
【0027】
出力装置204は、演算装置208の演算結果等を出力するための装置であり、例えばPC用ディスプレイ装置、スマートフォンやタブレットが備える表示画面、プリンタなどの印刷装置、音声出力装置等が該当する。
【0028】
補助記憶装置205は、主記憶装置203の記憶容量を補うための装置であり、例えば磁気ディスク装置、光ディスク装置、半導体ディスク装置等による、フロッピーディスク、ハードディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、MO等が該当する。補助記憶装置205は、各種データベースを構築するためのデータを格納するための記憶手段として機能する。
【0029】
通信装置209は、外部装置と通信を行うための装置であり、接続されるネットワークに応じて適宜データの送受信やデジタル-アナログ変換等を行う。ここで、上記各装置は、アドレスバスまたはデータバスにより相互に接続されている。
【0030】
<電子書類の発行に関する情報処理プロセス>
本発明の電子書類発行システムにおける、情報の送受信および処理のプロセスを
図3に示す。ステップ301において、ユーザ端末103は商品購入手続きを行い、情報提供サーバ102に取引情報が送信される。
図3においては、ユーザ端末103が情報提供サーバ102に情報を直接送信するように描かれているが、別のサーバ等を介して、情報提供サーバ102が取引情報を取得してもよい。
【0031】
ステップ302において、情報提供サーバ102は取引情報処理手段108によって、取引情報記憶手段として機能する情報提供データベース101に、ステップ301の取引の取引情報を格納する。ここで格納される取引情報としては、限定するものではないが、取引の日時、購入者名、送付先、購入された商品の名称、取引数量、商品価格、値引き情報や消費税率、支払い方法などが挙げられる。
【0032】
ステップ303において、情報提供サーバ102はURL生成手段104によって、ステップ301の取引および書類の種類に対応するURLを生成する。書類の種類は、納品書、請求書、または領収書のいずれかである。
【0033】
ステップ304において、情報提供サーバ102はURL通知手段109によって、ステップ303において生成されたURLを、ユーザ端末103に通知する。なお、
図3では取引当事者として、購入者のユーザ端末103を記載しているが、加えて、または代わりに、販売者の端末に通知してもよい。通知の方法としては、例えば、登録されたメールアドレスに、所定のメッセージとともにURLを送信することによって行うことができる。
【0034】
ステップ305において、ユーザ端末103は、ステップ304において通知されたURLにアクセスする。これに応答して、ステップ306において、情報提供サーバ102は取引情報取得手段105によって、情報提供データベース101内を検索し、当該URLに紐付けられた取引に関する取引情報を取得する。
【0035】
次いで、ステップ307において、情報提供サーバ102は電子書類生成手段106によって、当該URLに対応する種類の電子書類を生成する。電子書類の生成は、ステップ306において取得した取引情報のうち、必要な項目を所定のフォーマットに挿入することによって、達成することができる。
【0036】
ステップ308において、ユーザ端末103は情報提供サーバ102に追加の情報を送信し、情報提供サーバ102は情報書込み手段107によって、ステップ307において生成された電子書類に、追加の情報を書き込むことができる。追加の情報とは、但し書きの記載内容など、情報提供データベース101に格納されていない情報を指す。これにより、購入者は販売者に連絡することなく、単独で任意の情報が追加された書類を入手することができる。
【0037】
ステップ309において、情報提供サーバ102は、ユーザ端末103に、電子書類を送信する。購入者は、この電子書類をPDFとしてダウンロード、または紙への印刷などによって取得し、取引内容の確認や経理作業に用いることができる。
【0038】
<他の実施形態>
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出すことによっても、達成されることはいうまでもない。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実行されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
【0039】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることはいうまでもない。
【0040】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した
図3に示すプロセスを実行するプログラムコードが格納されることになる。
【0041】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。