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特開2023-147002プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147002
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】プログラム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/00 20180101AFI20231004BHJP
   G16H 10/60 20180101ALI20231004BHJP
【FI】
G16H20/00
G16H10/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054500
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】本宮 明日香
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
5L099AA22
(57)【要約】
【課題】ユーザがストレス状態にあると判定した場合に、当該ユーザの口座からの出金に関する情報を出力することが可能となるプログラム等を提供すること。
【解決手段】一つの側面に係るプログラムは、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定し、前記ストレス状態にあると判定した場合に、前記ユーザの口座からの出金に関する情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。これにより、ユーザがストレス状態にあると判定した場合に、当該ユーザの口座からの出金に関する情報を出力することが可能となる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがストレス状態にあるか否かを判定し、
前記ストレス状態にあると判定した場合に、前記ユーザの口座からの出金に関する情報を出力する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項2】
前記出金に関する情報に含まれる出金額を、キャッシュレス決済サービスにおける前記ユーザのアカウントに関連付けられる残高に対してチャージする
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記出金に関する情報に含まれる出金額を、前記ユーザの貯蓄用の口座から普通預金の口座に出金する
請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記出金に関する情報に含まれる出金額を出金する場合に、ストレス解消に関するアドバイス情報を出力する
請求項1から3までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項5】
前記ユーザの心拍変動、血圧、及び体温の少なくとも1つを含む生体データを取得し、
取得した生体データに基づき、前記ストレス状態にあるか否かを判定する
請求項1から4までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項6】
前記心拍変動のデータを取得し、
取得した心拍変動のデータに応じた交感神経及び副交感神経の緊張度の比率に基づき、前記ストレス状態にあるか否かを判定する
請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記ユーザの生理周期を示す生理情報を取得し、
取得した生理情報に基づき、前記ストレス状態にあるか否かを判定する
請求項1から6までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項8】
スケジュールを管理するスケジューラから、前記ユーザのスケジュールを示すスケジュールデータを取得し、
取得したスケジュールデータに基づき、前記ストレス状態にあるか否かを判定する
請求項1から7までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項9】
前記ユーザにより閲覧されたニュース情報を取得し、
取得したニュース情報に基づき、前記ストレス状態にあるか否かを判定する
請求項1から8までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項10】
前記ストレス状態にあると判定した場合に、前記ユーザのストレスレベルを判定し、
判定したストレスレベルに応じて、前記出金に関する情報に含まれる出金額を変更する
請求項1から9までのいずれかひとつに記載のプログラム。
【請求項11】
ユーザがストレス状態にあるか否かを判定する判定部と、
前記ストレス状態にあると判定した場合に、前記ユーザの口座からの出金に関する情報を出力する出力部と
を備える情報処理装置。
【請求項12】
ユーザがストレス状態にあるか否かを判定し、
前記ストレス状態にあると判定した場合に、前記ユーザの口座からの出金に関する情報を出力する
処理をコンピュータに実行させる情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ストレス等によるメンタルヘルスの判定技術の開発が盛んに進められている。例えば特許文献1には、被験者(ユーザ)の前頭部又は側頭部の表面の3つの異なる位置に取り付けられたセンサを用いて取得した該被験者の脳電位信号に基づいて、上記被験者のストレス状態を判定するストレス判定装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-118908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、ユーザがストレス状態にあると判定した場合に、ストレスを解消するための出金処理を行うことができないという問題がある。
【0005】
一つの側面では、ユーザがストレス状態にあると判定した場合に、当該ユーザの口座からの出金に関する情報を出力することが可能となるプログラム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係るプログラムは、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定し、前記ストレス状態にあると判定した場合に、前記ユーザの口座からの出金に関する情報を出力する処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、ユーザがストレス状態にあると判定した場合に、当該ユーザの口座からの出金に関する情報を出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】メンタルと金融との連動システムの概要を示す説明図である。
図2】サーバの構成例を示すブロック図である。
図3】ユーザDB及び口座情報DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図4】出金履歴DB及び判定結果DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図5】ユーザ端末の構成例を示すブロック図である。
図6】ストレス状態の判定画面の一例を示す説明図である。
図7】ストレス状態に応じて出金に関する情報を出力する際の処理手順を示すフローチャージである。
図8】ストレス状態を判定する処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
図9】実施形態2における判定結果DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図10】実施形態2におけるストレス状態を判定する処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
図11】実施形態3における判定結果DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図12】実施形態3におけるストレス状態を判定する処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
図13】実施形態4における判定結果DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図14】実施形態4におけるストレス状態を判定する処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
図15】実施形態5におけるサーバの構成例を示すブロック図である。
図16】アドバイス情報DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図17】ストレス解消の案内画面の一例を示す説明図である。
図18】出金の場合にアドバイス情報を出力する際の処理手順を示すフローチャージである。
図19】実施形態6における判定結果DBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
図20】ストレスレベルに応じて出金額を変更する際の処理手順を示すフローチャージである。
図21】ストレスレベルに応じて出金額を変更する際の処理手順を示すフローチャージである。
図22】実施形態6におけるストレス状態の判定画面の一例を示す説明図である。
図23】ストレス状態の再度判定画面の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
実施形態1は、ユーザがストレス状態にあると判定した場合に、当該ユーザの口座からの出金に関する情報を出力する形態に関する。図1は、メンタルと金融との連動システムの概要を示す説明図である。本実施形態のシステムは、情報処理装置1及び情報処理端末2を含み、各装置はインターネット等のネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0011】
情報処理装置1は、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置である。情報処理装置1は、例えばサーバ装置、パーソナルコンピュータまたは汎用のタブレットPC(パソコン)等である。本実施形態において情報処理装置1はサーバ装置であるものとし、以下では簡潔のためサーバ1と読み替える。
【0012】
情報処理端末2は、出金に関する情報の受信及び表示等を行う端末装置である。情報処理端末2は、例えばスマートフォン、携帯電話、アップルウォッチ(Apple Watch:登録商標)等のウェアラブルデバイス、タブレット、パーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末2をユーザ端末2と読み替える。
【0013】
本実施形態に係るサーバ1は、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定する。サーバ1は、当該ユーザがストレス状態にあると判定した場合、当該ユーザの口座からの出金に関する情報をユーザ端末2に出力する。サーバ1は、出金に関する情報に含まれる出金額を、キャッシュレス決済サービスにおける当該ユーザのアカウントに関連付けられる残高に対してチャージする。
【0014】
なお、ストレス状態の判定処理または出金に関する情報の出力処理はユーザ端末2側で行われても良い。
【0015】
図2は、サーバ1の構成例を示すブロック図である。サーバ1は、制御部11、記憶部12、通信部13、入力部14、表示部15、読取部16及び大容量記憶部17を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0016】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、または量子プロセッサ等の演算処理装置を含む。制御部11は、記憶部12に記憶された制御プログラム1P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、サーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。
【0017】
なお、制御プログラム1Pは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、図2では制御部11を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0018】
記憶部12はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1P又はデータ等を記憶している。また、記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。通信部13は通信に関する処理を行うための通信モジュールである。
【0019】
入力部14は、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン等の入力デバイスであり、受け付けた操作情報を制御部11へ出力する。表示部15は、液晶ディスプレイ又は有機EL(electroluminescence)ディスプレイ等であり、制御部11の指示に従い各種情報を表示する。
【0020】
読取部16は、CD(Compact Disc)-ROM又はDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読取部16を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶部17に記憶しても良い。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御部11が制御プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶部17に記憶しても良い。さらにまた、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでも良い。
【0021】
大容量記憶部17は、例えばHDD(Hard disk drive:ハードディスク)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)等の記録媒体を備える。大容量記憶部17は、ユーザDB(database)171、口座情報DB172、出金履歴DB173及び判定結果DB174を含む。
【0022】
ユーザDB171は、ユーザに関する情報を記憶している。口座情報DB172は、ユーザの口座情報を記憶している。出金履歴DB173は、ユーザの口座からの出金履歴を記憶している。判定結果DB174は、ユーザのストレス状態を判定した判定結果を記憶している。
【0023】
なお、本実施形態において記憶部12及び大容量記憶部17は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、大容量記憶部17は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、大容量記憶部17はサーバ1に接続された外部記憶装置であっても良い。
【0024】
サーバ1は、種々の情報処理及び制御処理等をコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良い。また、サーバ1は、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されても良いし、クラウドサーバを用いて実現されても良い。
【0025】
図3は、ユーザDB171及び口座情報DB172のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
ユーザDB171は、ユーザID列、氏名列、年齢列及び性別列を含む。ユーザID列は、各ユーザを識別するために、一意に特定されるユーザのIDを記憶している。氏名列は、ユーザの氏名を記憶している。年齢列は、ユーザの年齢を記憶している。性別列は、ユーザの性別を記憶している。なお、ユーザDB171に記憶された情報に関しては、ユーザID、氏名、年齢及び性別に限るものではない。例えば、ユーザの職業、収入または住所等の情報をユーザDB171に記憶しても良い。
【0026】
口座情報DB172は、ユーザID列、金融機関コード列、支店コード列、口座番号列、名義列は、預金種類列及び口座種別列を含む。ユーザID列は、ユーザを特定するユーザIDを記憶している。金融機関コード列は、ユーザが有する口座の金融機関コードを記憶している。支店コード列は、口座の支店コードを記憶している。口座番号列は、口座の口座番号を記憶している。名義列は、口座の名義を記憶している。
【0027】
預金種類列は、口座の預金の種類を記憶している。預金の種類は、普通預金、定期預金、貯蓄預金、当座預金、外貨預金またはチャージ専用等を含む。なお、預金の種類は、上述した種類に限らず、例えば無利息普通預金、仕組預金(金融機関の定めに従って運用される預金)、通知預金(引き出しを行う際に事前の通知が必要な預金)、または暗号資産(仮想通貨)のウォレットに換金できる預金等を含んでも良い。
【0028】
口座種別列は、口座の種別を記憶している。本実施形態での口座は、出金の難易度の高い順に、第1口座、第2口座及び第3口座に分類される。第1口座(貯蓄用の口座)は、預金加入時に一定金額と一定期間とを決めて利用する定期預金等の口座であり、すなわち、一定期間を満たす金額に対して一定期間以上維持された期間(満期日)まで基本的に引き出さない口座である。第2口座(普通預金の口座)は、自由に入出金ができる普通預金等の口座であり、すなわち、普段使いにおける適切な口座である。
【0029】
第3口座は、ユーザの専用に割り当てられたチャージ専用のアカウント(口座)であり、例えば、PayPay(登録商標)のアカウント、またはメルペイ(登録商標)のアカウント等であっても良い。また、第3口座は、資産運用口座(例えば、投資信託口座)、電車もしくはバス等で利用可能な交通系電子マネー(例えば、Suica(登録商標))、またはスーパーもしくはコンビニエンスストア等で利用可能な流通系電子マネー(例えば、楽天Edy(登録商標))等を含む。ユーザが利用する金融機関の口座から、第3口座にチャージすることができる。なお、上述した口座の分類に限らず、実際のニーズに応じて、適切な口座の種別(例えば、第1口座及び第2口座のみ)が設けられても良い。
【0030】
図4は、出金履歴DB173及び判定結果DB174のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
出金履歴DB173は、履歴ID列、出金額列、出金元口座列、出金先口座列及び出金日時列を含む。履歴ID列は、各出金履歴のデータを識別するために、一意に特定される出金履歴のデータのIDを記憶している。出金額列は、口座から出金された金額を記憶している。出金元口座列は、出金元となる口座の口座番号を記憶している。出金先口座列は、出金先となる口座の口座番号を記憶している。出金日時列は、口座から出金された日時情報を記憶している。
【0031】
判定結果DB174は、ユーザID列、心拍列、血圧列、体温列、ストレス状態列及び判定日時列を含む。ユーザID列は、ユーザを特定するユーザIDを記憶している。心拍列は、ユーザの心拍変動(Heart Rate Variability ; HRV)データを記憶している。血圧列は、ユーザの血圧データを記憶している。体温列は、ユーザの体温データを記憶している。
【0032】
ストレス状態列は、ユーザがストレス状態にあるか否かを示す情報を記憶している。例えばストレス状態列には、ユーザがストレス状態にある場合に「あり」が記憶され、ユーザがストレス状態にない場合に「なし」が記憶されても良い。判定日時列は、ストレス状態を判定した日時情報を記憶している。
【0033】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であっても良い。
【0034】
図5は、ユーザ端末2の構成例を示すブロック図である。ユーザ端末2は、制御部21、記憶部22、通信部23、入力部24及び表示部25を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0035】
制御部21はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部22に記憶された制御プログラム2P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、ユーザ端末2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、図5では制御部21を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0036】
記憶部22はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部21が処理を実行するために必要な制御プログラム2P又はデータ等を記憶している。また、記憶部22は、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0037】
通信部23は通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して、サーバ1等と情報の送受信を行う。入力部24は、キーボード、マウスまたは表示部25と一体化したタッチパネルでも良い。表示部25は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21の指示に従い各種情報を表示する。
【0038】
続いて、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定する処理を説明する。なお、本実施形態では、生体データに基づくストレス状態の判定処理を説明する。生体データは、ユーザの心拍変動(心拍数)データ、血圧データ、及び体温データの少なくとも1つを含む。なお、生体データには、脈拍数、呼吸数、心電データ、発汗量、血中酸素濃度、歩数または歩行速度等が含まれても良い。
【0039】
生体データは任意の方法で取得されても良い。一つの例として、サーバ1は、ユーザが身に着けているウェアラブルデバイス等の生体センサにより測定された心拍数または血圧データ等を取得する。または、サーバ1は、例えばユーザに体温計を装備させ、当該体温計からの体温データを取得する。サーバ1は、取得した生体データを用いてストレス状態を判定する。
【0040】
先ず、心拍変動のデータに基づくストレス状態の判定処理を説明する。例えばユーザ端末2は、ユーザが身に着けている脈波センサから得られる出力波形を基に、脈波の波形からR-R間隔(R-R interval:RRI)変動の解析を行った後に、RRI変動を等時間間隔データに変換するため所定の再サンプリング周波数でスプライン補間を行い、統計解析を行うことにより、心拍変動の時系列データ(RRI時系列データ)を算出する。ユーザ端末2は、算出した心拍変動の時系列データをサーバ1に送信する。
【0041】
サーバ1は、ユーザ端末2から送信された心拍変動の時系列データを受信する。サーバ1は、受信した心拍変動の時系列データから、周期構造を抽出するためにRRI変動のパワースペクトル密度(Power Spectral Density)を解析する。パワースペクトル密度は、時系列データのパワーを各周波数成分に分解して表したものである。パワースペクトル密度は、例えば周波数スペクトル解析として高速フーリエ変換法により算出されても良い。
【0042】
サーバ1は、パワースペクトル密度を解析することにより、心拍変動の時系列データから、呼吸変動に対応する高周波変動(High Frequency;HF)成分、及び血圧変動であるメイヤー波(Mayer Wave)に対応する低周波変動(Low Frequency;LF)成分を抽出する。呼吸変動を反映する高周波成分は、副交感神経が緊張(活性化)している場合のみに心拍変動に現れる一方、低周波成分は、交感神経が緊張している場合、または副交感神経が緊張している場合に心拍変動に現れる。
【0043】
交感神経(LF成分)及び副交感神経(HF成分)の緊張状態のバランスによって、HFの変動波とLFの変動波との現れる大きさが変わってくるため、心拍変動から自律神経のバランスを推定することができる。このように、交感神経及び副交感神経の緊張の程度またはバランスに基づき、交感神経が緊張状態である場合、ストレスが高い状態と判断される。または、副交感神経が緊張状態である場合、ストレスが低い状態と判断される。これに従って、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率に基づき、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定することができる。
【0044】
ユーザがストレス状態にない場合、副交感神経が活性化しているため、呼吸変動を示すHF成分と血圧変動を示すLF成分との両方が現れる。ユーザがストレス状態にある場合、交感神経が活性化しているため、LF成分が現れる一方、HF成分は減少している。このように、ユーザがストレス状態にない場合、相対的にHF成分が大きくなるため、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率(LF/HF)は小さくなる。逆に、ユーザがストレス状態にある場合、HF成分に対してLF成分が大きくなるため、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率(LF/HF)は大きくなる。すなわち、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率が高い場合に交感神経優位を示し、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率が低い場合に副交感神経優位を示している。
【0045】
サーバ1は、心拍変動の時系列データから抽出されたLF成分及びHF成分に基づき、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率それぞれを算出する。サーバ1は、算出したそれぞれの比率から平均比率を算出する。サーバ1は、算出した平均比率が所定の閾値以上である場合、ユーザがストレス状態にあると判定する。逆に、サーバ1は、当該平均比率が所定の閾値未満である場合、ユーザがストレス状態にないと判定する。
【0046】
サーバ1は、例えばLF成分の測定値が643.67であり、HF成分の測定値が347.19である場合、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率(LF/HF)が1.85であると算出する。サーバ1は、算出した交感神経及び副交感神経の緊張度の比率(例えば、1.85)が所定の閾値(例えば、2.0)未満である場合、ユーザがストレス状態にないと判定する。
【0047】
サーバ1は、判定した判定結果を判定結果DB174に記憶する。具体的には、サーバ1は、ユーザIDに対応付けて、心拍変動のデータ、ストレス状態及び判定日時を一つのレコードとして判定結果DB174に記憶する。
【0048】
次に、血圧データに基づくストレス状態の判定処理を説明する。ユーザがストレスを感じたり、ストレスを感じなかったりすることもあるため、血圧変動の一因になる。ユーザ端末2は、ユーザが身に着けている血圧センサから血圧データを取得し、取得した血圧データをサーバ1に送信する。血圧データは、血圧値及び測定日時等を含む。血圧値は、収縮期血圧SBP(Systolic Blood Pressure)と拡張期血圧DBP(Diastolic Blood Pressure)等を含む。
【0049】
サーバ1は、ユーザ端末2から送信された血圧データを受信する。サーバ1は、ユーザIDに基づき、当該ユーザの年齢及び性別をユーザDB171から取得する。サーバ1は、取得した年齢、性別及び血圧データに基づき、例えば、年齢と性別と高血圧との相関を示す参照用の血圧データを参照し、当該ユーザの血圧が高いか否かを判定する。サーバ1は、ユーザの血圧値が所定の高血圧の範囲に含まれる場合、当該ユーザがストレス状態にあると判定する。
【0050】
そして、体温データに基づくストレス状態の判定処理を説明する。ユーザが精神的なストレスを感じていると、交感神経の働きが活発になるため、体温が上がる場合がある。例えば、ユーザがストレスにより37度以上の発熱が出て、病院で検査をしても病気が見つからず、身体に異常が見られない場合、ストレス性高体温症または心因性発熱と呼ばれる。従って、体温データを用いてストレス状態を判定することができる。
【0051】
具体的には、ユーザ端末2は、ユーザに装備させた体温計から体温データ、及び当該ユーザの平熱を取得する。なお、ユーザ端末2は、ユーザが体温測定を行った結果の記録データを記憶部22に記憶した場合、記憶した過去のデータから平熱を算出しても良い。ユーザ端末2は、取得した体温データ及び平熱をサーバ1に送信する。
【0052】
サーバ1は、ユーザ端末2から送信された体温データ及び平熱を受信する。サーバ1は、受信したユーザの体温データが平熱以上であり、または、当該体温データが所定の閾値(例えば、37度)を超えた場合、当該ユーザがストレス状態にあると判定する。それ以外の場合、サーバ1は、当該ユーザがストレス状態にないと判定する。
【0053】
なお、心拍変動のデータ、血圧データまたは体温データの組み合わせデータにより、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定しても良い。例えば、サーバ1は、心拍変動のデータに基づいてストレス状態にあると判定し、且つ、血圧データに基づいてストレス状態にあると判定した場合、ユーザがストレス状態にあると判定しても良い。
【0054】
なお、心拍変動のデータ、血圧データ及び体温データの他に、例えば、脈拍数、呼吸数、心電データまたは発汗量等のいずれか、あるいは組み合わせによって、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定しても良い。
【0055】
なお、上述の生体データに基づくストレス状態の判定処理に限るものではない。例えば、機械学習により生成された学習済みモデルを利用し、ユーザのストレス状態を推定(判定)することができる。例えばサーバ1は、生体データ(心拍変動、血圧または体温等のいずれか、あるいは組み合わせ)を入力した場合に、ユーザがストレス状態にあるか否かを推定した推定結果を出力するよう学習された第1学習モデルに、生体データを入力して当該ユーザのストレス状態の推定結果を出力しても良い。
【0056】
続いて、ユーザがストレス状態にある場合、当該ユーザの口座からの出金に関する情報を出力する処理を説明する。出金に関する情報は、例えば、出金元の口座情報、出金先の口座情報、出金額または出金日時等を含む。
【0057】
口座情報は、金融機関コード、支店コード、口座番号、名義、預金種類(例えば、定期預金、普通預金、貯蓄預金、当座預金またはチャージ専用)または口座種別(例えば、第1口座、第2口座または第3口座)等を含む。出金額は、予め決められた金額(例えば、5000円)であっても良く、または、出金元の口座の残高に応じて決められても良い。例えば出金元の口座の残高が3000円である場合、出金額は3000円であっても良い。
【0058】
サーバ1は、出金に関する情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信された出金に関する情報を受信し、受信した出金に関する情報を画面に表示する。ユーザ端末2は、ユーザによる出金指示を受け付けた場合、受け付けた出金指示をサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信された出金指示に応じて、出金処理を行う。
【0059】
出金処理の一つの例として、サーバ1は、キャッシュレス決済サービスにおけるユーザのアカウント(第3口座)に関連付けられる残高に対し、出金額をチャージする。キャッシュレス決済は、例えば、二次元コード決済、電子マネー決済、クレジットカード決済、デビットカード決済または仮想通貨決済等を含む。二次元コード決済は、例えばQRコード(登録商標)決済等であっても良い。
【0060】
具体的には、サーバ1はユーザIDに基づき、口座種別が「第2口座」である口座情報、及び口座種別が「第3口座」である口座情報を口座情報DB172から取得する。サーバ1は、所定の出金額を取得する。サーバ1は、キャッシュレス決済サービスを通じて、取得した出金額をユーザの第2口座から引き落として第3口座に対応するアカウント宛にチャージする処理を行う。
【0061】
サーバ1は、出金履歴を出金履歴DB173に記憶する。具体的には、サーバ1は履歴IDを割り振る。サーバ1は、割り振った履歴IDに対応付けて、出金額、出金元(第2口座)の口座情報、出金先(第3口座)の口座情報及び出金日時を一つのレコードとして出金履歴DB173に記憶する。
【0062】
また、出金処理のもう一つの例として、先ず、サーバ1は、ユーザの第1口座(貯蓄用の口座)から第2口座(普通預金の口座)に出金する。具体的には、サーバ1は、ユーザIDに基づき、口座種別が「第1口座」である口座情報、口座種別が「第2口座」である口座情報、及び口座種別が「第3口座」である口座情報を口座情報DB172から取得する。サーバ1は、金融機関の決済プラットフォーム等を利用し、所定の出金額をユーザの第1口座から引き落として第2口座に入金する処理を行う。次に、サーバ1は、キャッシュレス決済サービスを通じて、所定の出金額を入金された当該第2口座からチャージ専用の第3口座に対応するアカウント宛にチャージする処理を行う。
【0063】
サーバ1は、出金履歴を出金履歴DB173に記憶する。具体的には、サーバ1は履歴IDを割り振り、割り振った履歴IDに対応付けて、出金額、出金元(第1口座)の口座情報、出金先(第2口座)の口座情報及び出金日時を一つのレコードとして出金履歴DB173に記憶する。また、サーバ1は履歴IDを割り振り、割り振った履歴IDに対応付けて、出金額、出金元(第2口座)の口座情報、出金先(第3口座)の口座情報及び出金日時を一つのレコードとして出金履歴DB173に記憶する。
【0064】
なお、上記決済処理は一例であってこれに限定されず、他の処理によって出金の決済を行うようにしても良い。
【0065】
図6は、ストレス状態の判定画面の一例を示す説明図である。当該画面は、チェックボタン11a、結果表示欄11b、はいボタン11c及びいいえボタン11dを含む。
【0066】
チェックボタン11aは、ストレス状態をチェック(判定)するボタンである。なお、図6では、心拍変動のデータを利用するが、これに限らず、血圧または体温等の他の種類の生体データを利用しても良い。結果表示欄11bは、ストレス状態のチェック結果を表示する表示欄である。はいボタン11cは、ストレスの解消を受け付けるボタンである。いいえボタン11dは、ストレスの解消の拒否を受け付けるボタンである。
【0067】
ユーザ端末2は、チェックボタン11aのタッチ(クリック)操作を受け付けた場合、例えば、ユーザ端末2に搭載されている測定用のアプリケーションを通じて、心拍変動の時系列データを取得する。測定用のアプリケーションは、例えば、APPLE’S IOS HEALTH KIT(登録商標)、またはGOOGLE FIT(登録商標)等であっても良い。なお、心拍変動の時系列データは、腕等の人体(血管がある部分)に接触して血流を感知して動作する心拍センサ、または心拍センサを備えるウェアラブル装置等を用いて取得されても良い。
【0068】
ユーザ端末2は、ユーザIDに対応付けて、取得した心拍変動の時系列データをサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信されたユーザID及び心拍変動の時系列データを受信する。サーバ1は、受信した心拍変動の時系列データから、パワースペクトル密度を解析することにより、HF成分及びLF成分を抽出する。
【0069】
サーバ1は、抽出したLF成分及びHF成分に基づき、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率それぞれを算出する。サーバ1は、算出したそれぞれの比率から平均比率を算出する。サーバ1は、算出した平均比率に基づいて、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定する。サーバ1は、ユーザIDに対応付けて、ユーザの氏名をユーザDB171から取得する。サーバ1は、ユーザID、氏名及びストレス状態の判定結果を含むチェック結果をユーザ端末2に送信する。
【0070】
ユーザ端末2は、サーバ1から送信されたチェック結果を受信する。ユーザ端末2は、チェック結果に含まれるストレス状態の判定結果に応じて、予め決められたコメントを記憶部22から取得する。例えば、ユーザがストレス状態にある場合、コメントが「ストレスが溜ってきています。解消しましょう!」であっても良い。または、ユーザがストレス状態にない場合、コメントが「心身はリラックスした穏やかな状態です!」であっても良い。ユーザ端末2は、ユーザID、氏名及びコメントを結果表示欄11bに表示する。
【0071】
ユーザ端末2は、はいボタン11cのタッチ操作を受け付けた場合、後述する案内画面(図17)に遷移する。ユーザ端末2は、いいえボタン11dのタッチ操作を受け付けた場合、例えば、ホーム画面または前の画面に遷移する。
【0072】
図7は、ストレス状態に応じて出金に関する情報を出力する際の処理手順を示すフローチャージである。ユーザ端末2の制御部21は、ユーザのストレス状態を判定するための対象データを取得する(ステップS201)。対象データは、例えば心拍変動のデータ、血圧データまたは体温データ等である。制御部21は、取得した対象データを通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS202)。
【0073】
サーバ1の制御部11は、ユーザ端末2から送信された対象データを通信部13により受信する(ステップS101)。制御部11は、受信した対象データに基づき、ストレス状態を判定する処理のサブルーチンを実行する(ステップS102)。なお、ストレス状態の判定処理のサブルーチンに関しては後述する。制御部11は、判定処理のサブルーチンから得られた判定結果に基づき、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定する(ステップS103)。制御部11は、ユーザがストレス状態にないと判定した場合(ステップS103でNO)、ステップS101の処理に戻る。
【0074】
制御部11は、ユーザがストレス状態にあると判定した場合(ステップS103でYES)、ストレス状態の判定結果を大容量記憶部17の判定結果DB174に記憶する(ステップS104)。具体的には、制御部11は、ユーザIDに対応付けて、対象データ(例えば、心拍変動のデータ、血圧データまたは体温データ)、ストレス状態及び判定日時を一つのレコードとして判定結果DB174に記憶する。
【0075】
制御部11は、ユーザの出金元の口座情報及び出金先の口座情報を特定する(ステップS105)。具体的には、制御部11はユーザIDに基づき、口座種別が「第2口座」である口座情報を出金元の口座情報とし、口座種別が「第3口座」である口座情報を出金先の口座情報として大容量記憶部17の口座情報DB172から取得する。
【0076】
制御部11は、ユーザの口座からの出金に関する情報(出金元の口座情報、出金先の口座情報、出金額または出金日時等)を通信部13によりユーザ端末2に送信する(ステップS106)。ユーザ端末2の制御部21は、サーバ1から送信された出金に関する情報を通信部23により受信する(ステップS203)。制御部21は、受信した出金に関する情報を表示部25により表示する(ステップS204)。
【0077】
制御部21は、ユーザによる出金指示を入力部24により受け付けた場合(ステップS205)、受け付けた出金指示を通信部23によりサーバ1に送信する(ステップS206)。出金指示には、出金に関する情報等が含まれる。サーバ1の制御部11は、ユーザ端末2から送信された出金指示を通信部13により受信する(ステップS107)。
【0078】
制御部11は、受信した出金指示に応じて、チャージ処理を行う(ステップS108)。具体的には、制御部11はキャッシュレス決済サービスを通じて、出金指示に含まれる出金額を、ユーザの出金元の口座から出金先の口座に対応するアカウント宛にチャージする。
【0079】
制御部11は、出金履歴を大容量記憶部17の出金履歴DB173に記憶し(ステップS109)、処理を終了する。具体的には、制御部11は履歴IDを割り振る。制御部11は、割り振った履歴IDに対応付けて、出金額、出金元の口座情報、出金先の口座情報及び出金日時を一つのレコードとして出金履歴DB173に記憶する。
【0080】
図8は、ストレス状態を判定する処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。なお、図8では、心拍変動のデータに基づくストレス状態の判定処理を説明する。
【0081】
サーバ1の制御部11は、例えば高速フーリエ変換法を利用し、ステップS101の処理により受信した心拍変動の時系列データからRRI変動のパワースペクトル密度を解析する(ステップS01)。制御部11は、パワースペクトル密度を解析することにより、心拍変動の時系列データからLF成分及びHF成分を抽出する(ステップS02)。制御部11は、抽出したLF成分及びHF成分に基づき、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率(LF/HF)それぞれを算出する(ステップS03)。
【0082】
制御部11は、算出したそれぞれの比率から平均比率を算出する(ステップS04)。
制御部11は、算出した平均比率が所定の閾値(例えば、2.0)以上であるか否かを判定する(ステップS05)。制御部11は、平均比率が所定の閾値未満であると判定した場合(ステップS05でNO)、ユーザがストレス状態にないと判定する(ステップS07)。制御部11は、ストレス状態の判定処理のサブルーチンを終了してリターンする。
【0083】
制御部11は、平均比率が所定の閾値以上であると判定した場合(ステップS05でYES)、ユーザがストレス状態にあると判定する(ステップS06)。制御部11は、ストレス状態の判定処理のサブルーチンを終了してリターンする。
【0084】
本実施形態によると、ユーザにストレス状態にある場合、当該ユーザの口座からの出金に関する情報を出力することが可能となる。
【0085】
本実施形態によると、キャッシュレス決済サービスにおけるユーザのアカウントに関連付けられる残高に対して出金額をチャージすることが可能となる。
【0086】
本実施形態によると、ユーザの生体データに基づき、当該ユーザがストレス状態にあるか否かを判定することが可能となる。
【0087】
本実施形態によると、ストレスを解消するための出金によって、ユーザの買い物等による罪悪感を減らすことが可能となる。
【0088】
(実施形態2)
実施形態2は、ユーザの生理周期を示す生理情報に基づき、当該ユーザがストレス状態にあるか否かを判定する形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。
【0089】
生理情報は、生理周期、前回生理開始日または検温データ等を含む。生理周期は、月経期、卵胞期(低温期)、排卵期、黄体期(高温期)が繰り返される生理サイクルによって成り立っており、また、生理サイクル内での経時変化に応じて、基礎体温または女性ホルモン(例えば、エストロゲン及びプロゲステロン)の含有量も変化する。
【0090】
検温データは、基礎体温の経時変化を示す体温データであり、起床時にユーザが体温を日々計測されても良く、または毎日同じ状況下(例えば、朝食の前)で測定されても良い。なお、生理周期、前回生理開始日及び検温データの他に、生理情報は、例えば血液または唾液から検出された女性ホルモンの量であるホルモン含有量を含んでも良い。
【0091】
図9は、実施形態2における判定結果DB174のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。なお、図4と重複する内容については説明を省略する。判定結果DB174は、生理周期列、前回生理開始日列及び検温データ列を含む。生理周期列は、ユーザの生理周期を記憶している。前回生理開始日列は、ユーザの前回の生理開始日を記憶している。検温データ列は、基礎体温表等に記録されたユーザの検温データを記憶している。
【0092】
サーバ1は、検温データに基づき、ユーザの生理情報で示される生理周期(過去の生理周期)及び前回生理開始日と照合することにより、月経期、低温期、排卵期または高温期を判定する。サーバ1は、生理周期が高温期または月経期であると判定した場合、当該ユーザがストレス状態にあると判定する。または、サーバ1は、生理周期が低温期または排卵期であると判定した場合、当該ユーザがストレス状態にないと判定する。
【0093】
また、生理が起きるのは脳のホルモンの分泌を調整している視床下部及び下垂体から分泌されたホルモンによって生理が始まり、生理周期がコントロールされている。ユーザがストレスを感じた場合、ホルモンの分泌バランスが乱れることで生理周期が乱れ、生理不順が生じることがある。
【0094】
サーバ1は、検温データに基づき、生理周期及び前回生理開始日と照合することにより、ユーザの生理周期が乱れたか否かを判定する。例えばサーバ1は、推定したユーザの生理周期が正常(例えば、28日)より長いまたは短い場合、当該ユーザの生理周期が乱れたと判定する。また、サーバ1は、検温データに基づいて高温期を検出できない場合、または、検出された高温期が所定の期間(例えば、12日)より短い場合、当該ユーザの生理周期が乱れたと判定する。サーバ1は、ユーザの生理周期が乱れたと判定した場合、当該ユーザがストレス状態にあると判定しても良い。
【0095】
図10は、実施形態2におけるストレス状態を判定する処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。サーバ1の制御部11は、ステップS101の処理により受信した生理情報(生理周期、前回生理開始日または検温データ等)に基づき、ユーザの生理周期を推定する(ステップS11)。
【0096】
制御部11は、推定した生理周期が乱れたか否かを判定する(ステップS12)。例えば制御部11は、推定した生理周期が正常より長いまたは短い場合、当該ユーザの生理周期が乱れたと判定しても良い。制御部11は、推定した生理周期が乱れたと判定した場合(ステップS12でYES)、ユーザがストレス状態にあると判定する(ステップS13)。制御部11は、ストレス状態の判定処理のサブルーチンを終了してリターンする。
【0097】
制御部11は、推定した生理周期が乱れていないと判定した場合(ステップS12でNO)、前回生理開始日及び検温データ等に基づき、生理周期が高温期または月経期であるか否かを判定する(ステップS14)。制御部11は、生理周期が高温期または月経期である場合(ステップS14でYES)、ステップS13の処理に遷移する。制御部11は、生理周期が高温期ではなく、月経期でもない場合(ステップS14でNO)、ユーザがストレス状態にないと判定する(ステップS15)。制御部11は、ストレス状態の判定処理のサブルーチンを終了してリターンする。
【0098】
なお、上述の生理情報に基づくストレス状態の判定処理に限るものではない。例えば、機械学習により生成された学習済みモデルを利用し、ユーザのストレス状態を推定(判定)することができる。例えばサーバ1は、生理情報(生理周期、前回生理開始日または検温データ等)を入力した場合に、ユーザがストレス状態にあるか否かを推定した推定結果を出力するよう学習された第2学習モデルに、生理情報を入力して当該ユーザのストレス状態の推定結果を出力しても良い。
【0099】
本実施形態によると、ユーザの生理情報に基づき、当該ユーザがストレス状態にあるか否かを判定することが可能となる。
【0100】
(実施形態3)
実施形態3は、ユーザのスケジュールを示すスケジュールデータに基づき、当該ユーザがストレス状態にあるか否かを判定する形態に関する。なお、実施形態1~2と重複する内容については説明を省略する。
【0101】
スケジュールデータは、各時間帯に対応付けるイベント(タスク)情報等を含む。イベント情報は、例えば会議、セミナーまたは飲み会等を含む。なお、イベント情報には、電車、バス、飛行機、船舶等の交通手段の利用日時、出発地または到着地等の情報が含まれても良い。スケジュールデータは、ユーザが自ら入力しても良く、またはユーザ端末2上でのスケジュールを管理するスケジューラ(例えば、カレンダーアプリケーション)から取得されても良い。
【0102】
図11は、実施形態3における判定結果DB174のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。なお、図4と重複する内容については説明を省略する。判定結果DB174は、日付列、時間帯列及びイベント列を含む。日付列は、イベントを行う日付を記憶している。時間帯列は、イベントを行う時間帯を記憶している。イベント列は、イベントの内容を記憶している。
【0103】
サーバ1は、ユーザ端末2上でのスケジューラからユーザのスケジュールデータを取得する。サーバ1は、取得したスケジュールデータから、イベントの種類及び数を取得する。サーバ1は、取得したイベントの種類に基づき、ストレス要因となるイベントが存在するか否かを判定する。ストレス要因となるイベントは、例えば、会議、セミナー、出張または研究会等のストレスを感じやすい行事である。例えばサーバ1は、イベントの種類が会議であり、且つ、ストレス状態の判定対象日における会議の数が所定数(例えば、3)以上である場合、ユーザがストレス状態にあると判定しても良い。
【0104】
または、サーバ1は、イベントの種類が、交通手段を利用する出張である場合、ユーザがストレス状態にあると判定しても良い。または、サーバ1は、イベントの種類が宴会または飲み会等である場合、ユーザがストレス状態にないと判定しても良い。更にまた、サーバ1は、連続で行われた複数のイベントにおける休憩時間の合計(累積の休憩時間)が所定の閾値(例えば、45分)未満である場合、ユーザがストレス状態にあると判定しても良い。
【0105】
図12は、実施形態3におけるストレス状態を判定する処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。サーバ1の制御部11は、ステップS101の処理により受信したスケジュールデータから、イベントの種類及び数を取得する(ステップS21)。制御部11は、取得したイベントの種類に基づき、ストレス要因となるイベント(会議、セミナー、出張または研究会等)が存在するか否かを判定する(ステップS22)。
【0106】
制御部11は、ストレス要因となるイベントが存在していないと判定した場合(ステップS22でNO)、ユーザがストレス状態にないと判定する(ステップS23)。制御部11は、ストレス状態の判定処理のサブルーチンを終了してリターンする。制御部11は、ストレス要因となるイベントが存在していると判定した場合(ステップS22でYES)、ストレス要因となるイベントの数が所定数(例えば、3)以上であるか否かを判定する(ステップS24)。
【0107】
制御部11は、当該イベントの数が所定数以上であると判定した場合(ステップS24でYES)、ユーザがストレス状態にあると判定する(ステップS25)。制御部11は、ストレス状態の判定処理のサブルーチンを終了してリターンする。制御部11は、当該イベントの数が所定数未満であると判定した場合(ステップS24でNO)、取得したスケジュールデータから休憩時間の合計を算出する(ステップS26)。
【0108】
制御部11は、算出した合計が所定の閾値(例えば、45分)未満であるか否かを判定する(ステップS27)。制御部11は、合計が所定の閾値未満であると判定した場合(ステップS27でYES)、ステップS25の処理に遷移する。制御部11は、合計が所定の閾値以上であると判定した場合(ステップS27でNO)、ステップS23の処理に遷移する。
【0109】
なお、上述のスケジュールデータに基づくストレス状態の判定処理に限るものではない。例えば、機械学習により生成された学習済みモデルを利用し、ユーザのストレス状態を推定(判定)することができる。例えばサーバ1は、1日分または数日分のスケジュールデータ(時間帯、及び当該時間帯に対応するイベント等)を入力した場合に、ユーザがストレス状態にあるか否かを推定した推定結果を出力するよう学習された第3学習モデルに、スケジュールデータを入力して当該ユーザのストレス状態の推定結果を出力しても良い。
【0110】
本実施形態によると、ユーザのスケジュールデータに基づき、当該ユーザがストレス状態にあるか否かを判定することが可能となる。
【0111】
(実施形態4)
実施形態4は、ユーザにより閲覧されたニュース情報に基づき、当該ユーザがストレス状態にあるか否かを判定する形態に関する。なお、実施形態1~3と重複する内容については説明を省略する。
【0112】
ユーザにより閲覧されたニュース情報(例えば、新聞記事)によって、ユーザの関心を引けるため、感情または気分に影響が与える場合がある。ネガティブなニュースは、人の負の感情を容易く膨らませる力を持っている。ユーザは、多すぎるネガティブなニュースを閲覧した場合、他者の苦しみを想像し、共感が行き過ぎると自分自身が心のバランスを失い、気分が落ち込む悲観的な心理面でのストレスが溜ってきている。
【0113】
図13は、実施形態4における判定結果DB174のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。なお、図4と重複する内容については説明を省略する。判定結果DB174は、ニュース情報列を含む。ニュース情報列は、ニュースの内容、またはニュースから抽出されたキーワード等を記憶している。
【0114】
ユーザ端末2は、ユーザのウェブブラウザまたはニュースアプリケーション等の閲覧履歴等から、当該ユーザが閲覧したニュース情報を取得する。ユーザ端末2は、取得したニュース情報をサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信されたニュース情報を受信する。サーバ1は、受信したニュース情報に基づき、ユーザが閲覧したニュースの種類を判定する。ニュースの種類は、例えば、ネガティブニュース、中立ニュース及びポジティブニュース等を含む。
【0115】
具体的には、サーバ1は、受信したニュース情報からキーワードのリストを抽出する。例えばニュース情報から、出現頻度が所定の出現頻度(例えば、10回)以上であるキーワードのリストが抽出されても良い。サーバ1は、抽出したキーワードのリストに対して形態素解析を行い、さらに、tf-idf(Term Frequency-Inverse Document Frequency)等、キーワードのリストに出現する各単語をスコアリングするアルゴリズムを利用し、ネガティブワードまたはポジティブワードを抽出する。
【0116】
ネガティブワードは、例えば「悲しい」、「苦しい」、「不満だ」、「不味い」、「困る」または「困惑する」等を含む。ポジティブワードは、例えば「幸運」、「最高」、「上手」、「感謝」、「頑張る」または「素晴らしい」等を含む。
【0117】
サーバ1は、ネガティブワードの数が所定数(例えば、10)以上であり、且つ、ポジティブワードの数が所定数(例えば、10)未満である場合、当該ニュースがネガティブニュースであると判定する。または、サーバ1は、ネガティブワードの数が所定数未満であり、且つ、ポジティブワードの数が所定数以上である場合、当該ニュースがポジティブニュースであると判定する。
【0118】
または、サーバ1は、ネガティブワードの数が所定数未満であり、且つ、ポジティブワードの数が所定数未満である場合、当該ニュースが中立ニュースであると判定する。更にまた、サーバ1は、ネガティブワードの数が所定数以上であり、且つ、ポジティブワードの数が所定数以上である場合、当該ニュースが中立ニュースであると判定する。
【0119】
サーバ1は、ユーザが閲覧した各ニュースに対し、上述した処理を行い、閲覧された各ニュースの種類を判定する。例えばサーバ1は、閲覧されたネガティブニュースの数が所定数(例えば、5)以上である場合、ユーザがスレス状態にあると判定する。逆に、サーバ1は、閲覧されたネガティブニュースの数が所定数未満である場合、ユーザがストレス状態にないと判定する。
【0120】
図14は、実施形態4におけるストレス状態を判定する処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。サーバ1の制御部11は、ステップS101の処理により受信したニュース情報から、一つのニュースを取得する(ステップS31)。制御部11は、例えば取得したニュースに対して形態素解析を行い、tf-idf等のアルゴリズムを利用し、ネガティブワードまたはポジティブワードを抽出する(ステップS32)。
【0121】
制御部11は、抽出したネガティブワードまたはポジティブワードに基づき、当該ニュースがネガティブニュースであるか否かを判定する(ステップS32)。例えば、ネガティブワードの数が所定数以上であり、且つ、ポジティブワードの数が所定数未満である場合、当該ニュースがネガティブニュースであると判定しても良い。制御部11は、当該ニュースがネガティブニュースでない場合(ステップS33でNO)、ステップS31の処理に戻る。
【0122】
制御部11は、当該ニュースがネガティブニュースである場合(ステップS33でYES)、ネガティブニュースの数を加算する(ステップS34)。制御部11は、ニュース情報から当該ニュースが最後のニュースであるか否かを判定する(ステップS35)。制御部11は、当該ニュースが最後のニュースでない場合(ステップS35でNO)、ステップS31の処理に戻る。制御部11は、当該ニュースが最後のニュースである場合(ステップS35でYES)、ネガティブニュースの数が所定数(例えば、5)以上であるか否かを判定する(ステップS36)。
【0123】
制御部11は、ネガティブニュースの数が所定数以上である場合(ステップS36でYES)、ユーザがストレス状態にあると判定する(ステップS37)。制御部11は、ストレス状態の判定処理のサブルーチンを終了してリターンする。制御部11は、ネガティブニュースの数が所定数未満である場合(ステップS36でNO)、ユーザがストレス状態にないと判定する(ステップS38)。制御部11は、ストレス状態の判定処理のサブルーチンを終了してリターンする。
【0124】
なお、上述のニュース情報に基づくストレス状態の判定処理に限るものではない。例えば、機械学習により生成された学習済みモデルを利用し、ユーザのストレス状態を推定(判定)することができる。例えばサーバ1は、ユーザの閲覧履歴から抽出されたニュース情報を入力した場合に、ユーザがストレス状態にあるか否かを推定した推定結果を出力するよう学習された第4学習モデルに、ニュース情報を入力して当該ユーザのストレス状態の推定結果を出力しても良い。
【0125】
本実施形態によると、ユーザにより閲覧されたニュース情報に基づき、当該ユーザがストレス状態にあるか否かを判定することが可能となる。
【0126】
なお、上述した各実施形態でのストレス状態の判定処理の他、生体データ、生理情報、スケジュールデータまたはニュース情報の任意の組み合わせ、順序でストレス状態が判定されても良い。例えば、生体データと生理情報との組み合わせ、生体データとスケジュールデータとの組み合わせ、生体データとニュース情報との組み合わせ、生理情報とスケジュールデータとの組み合わせ、生理情報とニュース情報との組み合わせ、またはスケジュールデータとニュース情報との組み合わせ等であっても良い。
【0127】
また、生体データと生理情報とスケジュールデータとの組み合わせ、生体データとスケジュールデータとニュース情報との組み合わせ、または生理情報とスケジュールデータとニュース情報との組み合わせ等であっても良い。更にまた、生体データと生理情報とスケジュールデータとニュース情報との組み合わせであっても良い。
【0128】
例えばサーバ1は、生体データとスケジュールデータとの組み合わせに対し、生体データに基づいてストレス状態にあると判定し、且つ、スケジュールデータに基づいてストレス状態にあると判定した場合、ユーザがストレス状態にあると判定しても良い。
【0129】
または、サーバ1は、組み合わせデータを用いたストレス状態の判定結果のうち、ストレス状態にある判定結果が所定数(例えば、3)以上である場合、ユーザがストレス状態にあると判定しても良い。
【0130】
なお、生体データを用いて学習された第1学習モデル、生理情報を用いて学習された第2学習モデル、スケジュールデータを用いて学習された第3学習モデル、または、ニュース情報を用いて学習された第4学習モデルの任意の組み合わせによって、ユーザがストレス状態にあるか否かを判定しても良い。
【0131】
(実施形態5)
実施形態5は、出金額を出金する場合、ストレス解消に関するアドバイス情報をユーザ端末2に出力する形態に関する。なお、実施形態1~4と重複する内容については説明を省略する。
【0132】
図15は、実施形態5におけるサーバ1の構成例を示すブロック図である。なお、図2と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。大容量記憶部17には、アドバイス情報DB175が含まれる。
【0133】
アドバイス情報DB175は、ストレス解消に関するアドバイス情報を記憶している。アドバイス情報は、例えば、ストレス解消のための出金アドバイス、商品もしくはサービスの購入・申込に関する消費アドバイス、または、コンサート、運動もしくは旅行のような趣味娯楽に関する消費アドバイス等を含む。
【0134】
図16は、アドバイス情報DB175のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。アドバイス情報DB175は、アドバイスID列、出金額列及びアドバイス列を含む。アドバイスID列は、各アドバイス情報を識別するために、一意に特定されるアドバイス情報のIDを記憶している。出金額列は、出金額の範囲を記憶している。出金額の範囲は、例えば「5000円未満」及び「5000円以上」を含む。アドバイス列は、アドバイスの内容を記憶している。
【0135】
図17は、ストレス解消の案内画面の一例を示す説明図である。案内画面は、アドバイス表示欄12aを含む。アドバイス表示欄12aは、アドバイス情報を表示する表示欄である。
【0136】
サーバ1は、図6ではいボタン11cのタッチ操作を受け付けた場合、当該案内画面に遷移する。具体的には、サーバ1は、出金に関するに含まれる出金額に応じて、アドバイス情報DB175から該当するアドバイス情報を取得する。例えば、出金額が30000円である場合、サーバ1は、「5000円未満」に対応するアドバイス情報、及び「5000円以上」に対応するアドバイス情報をアドバイス情報DB175から取得しても良い。サーバ1は、取得したアドバイス情報をユーザ端末2に送信する。
【0137】
ユーザ端末2は、サーバ1から送信されたアドバイス情報を受信し、受信したアドバイス情報をアドバイス表示欄12aに表示する。図示のように、アドバイス表示欄12aは、アドバイス選択ラジオボタン12bからなる。ユーザ端末2は、アドバイス選択ラジオボタン12bを通じて、ユーザによるアドバイスの選択を受け付けた場合、該当する画面または外部のウェブサイトに遷移する。
【0138】
例えばユーザ端末2は、ユーザによる「スマホに○○円チャージしますのでご自由にお使いください。」とする出金アドバイスの選択を受け付けた場合、出金指示をサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信された出金指示に応じてチャージ(出金)処理を行う。
【0139】
なお、出金アドバイスに対し、複数の選択可能な出金先(第3口座)を画面に表示することができる。具体的には、サーバ1はユーザIDに基づき、口座種別が「第3口座」である複数の第3口座情報を口座情報DB172から取得する。例えばサーバ1は、PayPayアカウント情報、資産運用口座(例えば、投資信託口座)情報及び電子マネー(例えば、楽天Edy)情報を口座情報DB172から取得しても良い。
【0140】
サーバ1は、取得した複数の第3口座情報をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信された複数の第3口座情報を受信して画面に表示する(図示なし)。ユーザ端末2は、ユーザによる出金先対象となる第3口座の選択を受け付けた場合、選択された第3口座を含む出金指示をサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信された出金指示に応じてチャージ処理を行う。例えば、ユーザがPayPayアカウントを選択した場合、サーバ1はPayPayアカウントに対応するコード決済アプリケーションを経由して、所定の出金額のチャージ処理を行う。
【0141】
または、ユーザ端末2は、ユーザによる「***ホテルのスイーツ(○○円)を予約します。ご利用ください。」の選択を受け付けた場合、所定の予約サイトが提供する予約システムを用いて、スイーツの予約を受け付ける。
【0142】
図18は、出金の場合にアドバイス情報を出力する際の処理手順を示すフローチャージである。なお、図7と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。サーバ1の制御部11は、ステップS105の処理を実行した後に、出金額に応じて、該当するアドバイス情報を大容量記憶部17のアドバイス情報DB175から取得する(ステップS111)。制御部11は、出金に関する情報及びアドバイス情報を通信部13によりユーザ端末2に送信する(ステップS112)。
【0143】
ユーザ端末2の制御部21は、サーバ1から送信された出金に関する情報及びアドバイス情報を通信部23により受信する(ステップS211)。制御部21は、受信した出金に関する情報及びアドバイス情報を表示部25により表示し(ステップS212)、処理を終了する。
【0144】
本実施形態によると、出金額を出金する場合、ユーザに適したアドバイス情報をユーザ端末2に出力することが可能となる。
【0145】
(実施形態6)
実施形態6は、ユーザがストレス状態にある場合、当該ユーザのストレスレベルを判定し、判定したストレスレベルに応じて出金額を変更する形態に関する。なお、実施形態1~5と重複する内容については説明を省略する。
【0146】
図19は、実施形態6における判定結果DB174のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。なお、図4と重複する内容については説明を省略する。判定結果DB174は、ストレスレベル列を含む。ストレスレベル列は、ユーザのストレスレベルを記憶している。
【0147】
なお、本実施形態での判定結果DB174は、生体データ(例えば、心拍変動のデータ)を用いた例を説明したが、生理情報(実施形態2)、スケジュールデータ(実施形態3)またはニュース情報(実施形態4)に対応する判定結果DB174にも同様に適用することができる。
【0148】
ユーザがストレス状態にある場合、心拍変動のデータに基づいてストレスレベルを判定することができる。例えば、心拍変動のデータを利用した場合、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率(LF/HF)に応じて、予め3段階のストレスレベルを設けても良い。3段階のストレスレベルは、ストレスレベル1(ストレス低め)、ストレスレベル2(ストレス中間)及びストレスレベル3(ストレス高め)を含む。例えば、ストレスレベル1に対応する比率が2.0未満であり、ストレスレベル2に対応する比率が2.0以上5.0未満であり、ストレスレベル3に対応する比率が5.0以上であっても良い。
【0149】
サーバ1は、ユーザの心拍変動の時系列データをユーザ端末2から取得する。サーバ1は、取得した心拍変動の時系列データからRRI変動のパワースペクトル密度を解析し、HF成分及びLF成分を抽出する。サーバ1は、抽出したLF成分及びHF成分に基づき、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率それぞれを算出する。サーバ1は、算出したそれぞれの比率から平均比率を算出する。サーバ1は、算出した平均比率に基づき、該当するストレスレベルを判定する。
【0150】
なお、上述したストレスレベルの判定処理に限るものではない。例えば、サーバ1は、算出した交感神経及び副交感神経の緊張度の比率を、次いで1に標準化し、百分率に変換することにより、定量化でのストレスレベルを算出しても良い。
【0151】
また、生理情報に基づいてストレスレベルを判定することができる。例えば、生理周期に応じて、ストレスレベル1(高温期)、ストレスレベル2(月経期)及びストレスレベル3(生理周期が乱れた)を含む3段階のストレスレベルを設けても良い。サーバ1は、生理周期が高温期である場合にストレスレベル1を判定し、生理周期が月経期である場合にストレスレベル2を判定する。サーバ1は、生理周期が乱れた場合にストレスレベル3を判定する。
【0152】
また、スケジュールデータに基づいてストレスレベルを判定することができる。例えば、イベントの種類及び数に応じて2段階のストレスレベルを設けても良い。2段階のストレスレベルは、ストレス要因となるイベントの数が2以上4未満であるストレスレベル1、及び当該イベントの数が4以上であるストレスレベル2を含む。例えばサーバ1は、ストレス要因となるイベントの数が3である場合にストレスレベル1を判定する。
【0153】
更にまた、ニュース情報に基づいてストレスレベルを判定することができる。例えば、所定期間(例えば、2時間)内に閲覧されたネガティブニュースの数に応じて、2段階のストレスレベルを設けても良い。2段階のストレスレベルは、ネガティブニュースの数が5以上10未満であるストレスレベル1、及びネガティブニュースの数が10以上であるストレスレベル2を含む。例えばサーバ1は、ネガティブニュースの数が8である場合にストレスレベル1を判定する。
【0154】
なお、上述したストレスレベルの判定処理に限るものではない。例えば、機械学習により生成された学習済みモデルを利用し、ユーザのストレスレベルを推定(判定)することができる。
【0155】
例えばサーバ1は、生体データ(心拍変動、血圧または体温等のいずれか、あるいは組み合わせ)を入力した場合に、ユーザのストレスレベルを推定した推定結果を出力するよう学習された第1学習モデルに、生体データを入力して当該ユーザのストレスレベルの推定結果を出力しても良い。
【0156】
または、サーバ1は、生理情報(生理周期、前回生理開始日または検温データ等)を入力した場合に、ユーザのストレスレベルを推定した推定結果を出力するよう学習された第2学習モデルに、生理情報を入力して当該ユーザのストレスレベルの推定結果を出力しても良い。
【0157】
または、サーバ1は、1日分または数日分のスケジュールデータ(時間帯、及び当該時間帯に対応するイベント等)を入力した場合に、ユーザのストレスレベルを推定した推定結果を出力するよう学習された第3学習モデルに、スケジュールデータを入力して当該ユーザのストレスレベルの推定結果を出力しても良い。
【0158】
更にまた、サーバ1は、ユーザの閲覧履歴から抽出されたニュース情報を入力した場合に、ユーザのストレスレベルを推定した推定結果を出力するよう学習された第4学習モデルに、ニュース情報を入力して当該ユーザのストレスレベルの推定結果を出力しても良い。
【0159】
ユーザのストレスが高いほど出金額が多くなるように処理が行われる。例えば、ストレスレベル1(ストレス低め)に対応する出金額が5000円であり、ストレスレベル2(ストレス中間)に対応する出金額が10000であり、ストレスレベル3(ストレス高め)に対応する出金額が15000円であっても良い。なお、各ストレスレベルに対応する出金額は予め記憶部12または大容量記憶部17に記憶されても良い。
【0160】
サーバ1は、例えば交感神経及び副交感神経の緊張度の比率に応じて、ユーザのストレスレベルを判定する。サーバ1は、判定したストレスレベルに対応する出金額を記憶部12または大容量記憶部17から取得する。サーバ1は、取得した出金額と所定の出金額(例えば、5000円)とが一致していない場合、所定の出金額を当該ストレスレベルに対応する出金額に変更する。
【0161】
図20及び図21は、ストレスレベルに応じて出金額を変更する際の処理手順を示すフローチャージである。なお、図7と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
【0162】
サーバ1の制御部11は、ユーザがストレス状態にあると判定した場合(ステップS103でYES)、当該ユーザのストレスレベルを判定する(ステップS121)。例えば、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率に応じて、予めストレスレベル1(比率:が2.0未満)、ストレスレベル2(比率が:2.0以上5.0未満)及びストレスレベル3(比率:5.0以上)が設けられる。制御部11は、算出した平均比率に基づいて、該当するストレスレベルを判定する。
【0163】
制御部11は、例えばストレスレベルに対応する出金額が記憶部12または大容量記憶部17に記憶された場合、判定したストレスレベルに対応する出金額を記憶部12または大容量記憶部17から取得する(ステップS122)。制御部11は、判定したストレスレベルに対応する出金額と所定の出金額(例えば、5000円)とが一致するか否かを判定する(ステップS123)。
【0164】
制御部11は、両者が一致していると判定した場合(ステップS123でYES)、後述するステップS125の処理に遷移する。制御部11は、両者が一致していないと判定した場合(ステップS123でNO)、所定の出金額を当該ストレスレベルに対応する出金額に変更する(ステップS124)。
【0165】
制御部11は、判定した判定結果を大容量記憶部17の判定結果DB174に記憶する(ステップS125)。具体的には、制御部11は、ユーザIDに対応付けて、対象データ(例えば、心拍変動のデータ、血圧データまたは体温データ)、ストレス状態、ストレスレベル及び判定日時を一つのレコードとして判定結果DB174に記憶する。制御部11は、ステップS105の処理を実行する。
【0166】
図22は、実施形態6におけるストレス状態の判定画面の一例を示す説明図である。なお、図6と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。
【0167】
サーバ1は、ユーザ端末2から送信された心拍変動の時系列データを用いて、ユーザのストレスレベルを判定する。具体的には、サーバ1は、心拍変動の時系列データから、パワースペクトル密度を解析することにより、HF成分及びLF成分を抽出する。サーバ1は、抽出したLF成分及びHF成分に基づき、交感神経及び副交感神経の緊張度の比率それぞれを算出する。サーバ1は、算出したそれぞれの比率から平均比率を算出する。サーバ1は、算出した平均比率を次いで1に標準化し、百分率に変換することにより、定量化でのストレスレベルを算出(判定)する。
【0168】
サーバ1は、ユーザIDに対応付けて、ユーザの氏名をユーザDB171から取得する。サーバ1は、ユーザID、氏名、及び百分率で示されるストレスレベルを含むチェック結果をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信されたチェック結果を受信する。ユーザ端末2は、百分率で示されるストレスレベルに基づき、円グラフを作成する。なお、円グラフに限らず、例えば棒グラフ、帯グラフ又は折れ線グラフ等の種々のグラフであっても良い。
【0169】
ユーザ端末2は、ストレスレベルに応じて、予め決められたコメントを記憶部22から取得する。例えば、百分率で示されるストレスレベルが50%以上である場合、コメントが「ストレスが溜ってきています。解消しましょう!」であっても良い。ユーザ端末2は、ユーザID、氏名、コメント及び円グラフを結果表示欄11bに表示する。
【0170】
本実施形態によると、生体データ、生理情報、スケジュールデータまたはニュース情報に基づき、ユーザのストレスレベルを判定することが可能となる。
【0171】
本実施形態によると、ユーザのストレスレベルに応じて、適当な出金額を変更することが可能となる。
【0172】
(実施形態7)
実施形態7は、出金額を出金してから所定の時間間隔が経過した場合、ユーザがストレス状態にあるか否かを再度判定する形態に関する。なお、実施形態1~6と重複する内容については説明を省略する。
【0173】
サーバ1は、ユーザがストレス状態にあると判定した場合、ストレスを解消するために出金処理を行う。サーバ1は、出金してから所定の時間間隔(例えば、6時間)が経過したか否かを判定する。サーバ1は、所定の時間間隔を経過したと判定した場合、ユーザがストレス状態にあるか否かを再度判定する。なお、出金処理及びストレス状態の判定処理に関しては、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。サーバ1は、再度判定した判定結果をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信された判定結果を受信して画面に表示する。
【0174】
図23は、ストレス状態の再度判定画面の一例を示す説明図である。当該画面は、再度チェックボタン13a及び結果表示欄13bを含む。再度チェックボタン13aは、ストレス状態を再度チェック(判定)するボタンである。結果表示欄13bは、ストレス状態の再度チェック結果を表示する表示欄である。
【0175】
サーバ1は、出金額を出金してから所定の時間間隔が経過したか否かを判定する。サーバ1は、所定の時間間隔を経過したと判定した場合、ストレス状態の再度判定画面をユーザ端末2に送信する。ユーザ端末2は、サーバ1から送信された再度判定画面を受信して表示する。
【0176】
ユーザ端末2は、再度チェックボタン13aのタッチ操作を受け付けた場合、例えば、ユーザ端末2に搭載されている測定用のアプリケーションを通じて、心拍変動の時系列データを取得する。なお、図23では、生体データの一種である心拍変動のデータの例を説明したが、これに限るものではない。例えば、血圧もしくは体温等の他の種類の生体データ、生理情報、スケジュールデータまたはニュース情報を利用しても良い。
【0177】
なお、ユーザ端末2は、ユーザからの指示に基づかず、出金から所定時間が経過した場合、生体データを自動計測しても良い。ユーザ端末2は、計測結果がストレスの解消方向に変化していると判定した場合、例えば「ストレスが解消されましたね!」といったメッセージを画面に表示する。このような処理を行うことにより、ユーザに対して変に意識させない状態で生体データを計測することができる。よって、ユーザがストレス解消の効果を実感することが可能となる。
【0178】
ユーザ端末2は、ユーザIDに対応付けて、取得した心拍変動の時系列データをサーバ1に送信する。サーバ1は、ユーザ端末2から送信されたユーザID及び心拍変動の時系列データを受信する。サーバ1は、受信した心拍変動の時系列データに基づき、ストレスレベルを再度判定する。
【0179】
サーバ1はユーザIDに基づき、出金前に判定された当該ユーザのストレスレベルを判定結果DB174から取得する。サーバ1は、ユーザIDに対応付けて、ユーザの氏名をユーザDB171から取得する。サーバ1は、ユーザID、氏名、出金前に判定されたストレスレベル、及び出金後に再度判定されたストレスレベルを含む再度チェック結果をユーザ端末2に送信する。ストレスレベルは、百分率で示されるデータである。
【0180】
ユーザ端末2は、サーバ1から送信された再度チェック結果を受信する。ユーザ端末2は、出金前に判定されたストレスレベルに基づき、第1円グラフを作成する。ユーザ端末2は、出金後に再度判定されたストレスレベルに基づき、第2円グラフを作成する。
【0181】
ユーザ端末2は、出金前に判定されたストレスレベルと、出金後に再度判定されたストレスレベルとを比較することにより、ユーザのストレスが解消できたか否かを判定する。ユーザ端末2は、ユーザのストレスが解消できたと判定した場合、予め決められたコメントを記憶部22から取得する。例えば、コメントが「ストレスレベルが78%から30%に減少しました。ストレスが解消できたようですね。またご利用ください!」であっても良い。
【0182】
ユーザ端末2は、ユーザID、氏名、コメント、第1円グラフ及び第2円グラフを結果表示欄13bに表示する。
【0183】
本実施形態によると、出金額を出金してから所定の時間間隔が経過した場合、ユーザがストレス状態にあるか否かを再度判定することが可能となる。
【0184】
本実施形態によると、ストレス状態を再度判定することにより、ストレスが解消したことを自覚でき、ユーザの安心感を高めることが可能となる。
【0185】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0186】
1 情報処理装置(サーバ)
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 入力部
15 表示部
16 読取部
17 大容量記憶部
171 ユーザDB
172 口座情報DB
173 出金履歴DB
174 判定結果DB
175 アドバイス情報DB
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
1P 制御プログラム
2 情報処理端末(ユーザ端末)
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 入力部
25 表示部
2P 制御プログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23