(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147060
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20231004BHJP
G06Q 20/20 20120101ALI20231004BHJP
【FI】
G07G1/12 321L
G07G1/12 321A
G07G1/12 351D
G06Q20/20 370
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054603
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】302064762
【氏名又は名称】株式会社日本総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】豊田 修矢
【テーマコード(参考)】
3E142
5L055
【Fターム(参考)】
3E142DA04
3E142EA04
3E142FA18
3E142FA35
3E142GA03
3E142GA35
3E142JA01
5L055AA22
(57)【要約】
【課題】 電子マネー決済未対応のユーザに対してもお釣りを2次元コードとして渡すことが可能な情報処理システムを提供する。
【解決手段】 ユーザによる現金決済の際にお釣りが生じる場合、ユーザが受け取るべきお釣りの少なくとも一部に代えて、該少なくとも一部に応じた額の電子的価値情報を生成する生成処理部101と、生成処理部101により生成された電子的価値情報を対応付けたお釣りコード63を生成するコード生成部102と、コード生成部102により生成されたお釣りコード63をレシート6に印刷する印刷処理部103と、印刷処理部103により印刷されたレシート6を出力する出力処理部104と、出力処理部104により出力されたレシート6に基づいて、つぎの決済の際の決済処理を実行する決済処理部105とを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザによる現金決済の際にお釣りが生じる場合、ユーザが受け取るべきお釣りの少なくとも一部に代えて、該少なくとも一部に応じた額の電子的価値情報を生成する生成処理部と、
前記生成処理部により生成された前記電子的価値情報を対応付けたコードを生成するコード生成部と、
前記コード生成部により生成された前記コードを紙媒体に印刷する印刷処理部と、
前記印刷処理部により印刷された前記紙媒体であって、前記ユーザが受け取るべき前記紙媒体を出力する出力処理部と、
前記出力処理部により出力された前記紙媒体に基づいて、前記現金決済よりも後に生じうる決済の際の決済処理を実行する決済処理部とを含む、情報処理システム。
【請求項2】
前記印刷処理部は、前記紙媒体に、次回以降に利用可能な特典又はクーポン情報を更に印刷する、請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記生成処理部、前記コード生成部、前記印刷処理部、及び前記出力処理部は、前記決済処理部による前記決済の際に前記電子的価値情報の額に対してお釣りが生じる場合も、前記電子的価値情報及び前記コードを更新する態様で、機能する、請求項1又は2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記決済処理部による前記決済の際に前記電子的価値情報の額に対してお釣りが生じる場合、前記コード生成部は、新たな前記コードを生成するとともに、最新の前記コードを特定可能な番号情報を対応付ける、請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記番号情報の更新履歴を記憶する第1記憶部を更に含み、
前記決済処理部は、前記コードを読み取ることで得られる前記番号情報に基づいて、前記決済処理の可否を判定する、請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
初期コードと、前記初期コードを読み取ることで得られる識別情報又はユーザ入力に基づく識別情報と、前記番号情報の初期値とを対応付けて記憶する第2記憶部を更に含み、
前記コード生成部は、前記初期コードに基づいて、前記コードを前記識別情報に対応付けて生成する、請求項4又は5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記第2記憶部には、前記初期コードとともに再発行用コードが前記識別情報に対応付けて記憶され、
前記コード生成部は、前記再発行用コードに基づいて、前記番号情報に応じた最新の前記コードを再発行可能である、請求項6に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第2記憶部は、ユーザ入力に基づいて、前記識別情報に対応付けて通知先情報を更に記憶し、
前記決済処理部による前記決済処理が実行された場合に、前記決済処理に係る前記コードに対応付けられている前記識別情報に係る前記通知先情報に基づいて、前記決済処理に関する情報を通知する通知処理部を更に含む、請求項6又は7に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載される決済システムでは、登録された商品の価格を合計することで決済金額を算定し、利用者による貨幣の入金を受け付け、入金された貨幣の合計額である受付金額と決済金額との差分をお釣り金額として算定する。その後、お釣り金額と通知先を符号化した2次元コードを生成し、表示又は印刷により出力することが開示されている。そして、お釣りとして2次元コードを受け取った顧客は、受け取った2次元コードをスマートフォンなどの端末装置で読み取って電子マネー管理サーバに送信することで、お釣り金額を顧客の電子マネー口座にチャージすることができる。このような決済システムによれば、お釣りの受け渡しが簡略化されるので、店舗における釣銭管理の手間を軽減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の決済システムでは、お釣りを2次元コードとして渡せる顧客が、電子マネー口座を有する電子マネー決済対応ユーザに限定されてしまう。
【0005】
そこで、1つの側面では、本発明は、電子マネー決済未対応のユーザに対してもお釣りを2次元コードとして渡すことが可能な情報処理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)1つの態様では、ユーザによる現金決済の際にお釣りが生じる場合、ユーザが受け取るべきお釣りの少なくとも一部に代えて、該少なくとも一部に応じた額の電子的価値情報を生成する生成処理部と、前記生成処理部により生成された前記電子的価値情報を対応付けたコードを生成するコード生成部と、前記コード生成部により生成された前記コードを紙媒体に印刷する印刷処理部と、前記印刷処理部により印刷された前記紙媒体であって、前記ユーザが受け取るべき前記紙媒体を出力する出力処理部と、前記出力処理部により出力された前記紙媒体に基づいて、前記現金決済よりも後に生じうる決済の際の決済処理を実行する決済処理部とを含むことを特徴とする。
【0007】
(2)上記(1)の態様において、好ましくは、前記印刷処理部は、前記紙媒体に、次回以降に利用可能な特典又はクーポン情報を更に印刷することを特徴とする。
【0008】
(3)上記(1)又は(2)の態様において、好ましくは、前記生成処理部、前記コード生成部、前記印刷処理部、及び前記出力処理部は、前記決済処理部による前記決済の際に前記電子的価値情報の額に対してお釣りが生じる場合も、前記電子的価値情報及び前記コードを更新する態様で、機能することを特徴とする。
【0009】
(4)上記(1)から(3)のいずれかの態様において、好ましくは、前記決済処理部による前記決済の際に前記電子的価値情報の額に対してお釣りが生じる場合、前記コード生成部は、新たな前記コードを生成するとともに、最新の前記コードを特定可能な番号情報を対応付けることを特徴とする。
【0010】
(5)上記(4)の態様において、好ましくは、前記番号情報の更新履歴を記憶する第1記憶部を更に含み、前記決済処理部は、前記コードを読み取ることで得られる前記番号情報に基づいて、前記決済処理の可否を判定することを特徴とする。
【0011】
(6)上記(4)又は(5)の態様において、好ましくは、初期コードと、前記初期コードを読み取ることで得られる識別情報又はユーザ入力に基づく識別情報と、前記番号情報の初期値とを対応付けて記憶する第2記憶部を更に含み、前記コード生成部は、前記初期コードに基づいて、前記コードを前記識別情報に対応付けて生成することを特徴とする。
【0012】
(7)上記(6)の態様において、好ましくは、前記第2記憶部には、前記初期コードとともに再発行用コードが前記識別情報に対応付けて記憶され、前記コード生成部は、前記再発行用コードに基づいて、前記番号情報に応じた最新の前記コードを再発行可能であることを特徴とする。
【0013】
(8)上記(6)又は(7)の態様において、好ましくは、前記第2記憶部は、ユーザ入力に基づいて、前記識別情報に対応付けて通知先情報を更に記憶し、前記決済処理部による前記決済処理が実行された場合に、前記決済処理に係る前記コードに対応付けられている前記識別情報に係る前記通知先情報に基づいて、前記決済処理に関する情報を通知する通知処理部を更に含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
1つの側面では、本発明によれば、電子マネー決済未対応のユーザに対してもお釣りを2次元コードとして渡すことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理システムで使用するユーザカードの図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの店舗端末が発行するレシートの図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略動作を示すブロック図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図6】(a)はカード情報記憶部の記憶内容を示す図、(b)はお釣りコード情報記憶部の記憶内容を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係る情報処理システムのお釣りコード付きレシートを発行する際の動作フローである。
【
図8】本発明の一実施形態に係る情報処理システムのお釣りコード付きレシートで決済をする際の動作フローである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る情報処理システムのお釣りコード付きレシートを再発行する際の動作フローである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(情報処理システムの概要)
以下、添付図面を参照しながら本発明の一実施形態について詳細に説明する。まず、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1の概要について、
図1~
図4を参照して説明する。なお、以下に示す2次元コードは、2次元コードリーダなどで読み取り可能なコードデータであって、図面では、2次元コードの一例としてQRコード(登録商標)を示しているが、使用する2次元コードはQRコードに限定されない。
【0017】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1は、複数の店舗で使用される複数の店舗端末2と、インターネットなどのネットワーク3を介して、複数の店舗端末2と通信可能に接続される情報処理装置4とを備える。
【0018】
情報処理システム1は、お釣りに係る決済サービス(以下、お釣り決済サービス)を提供する。このお釣り決済サービスでは、
図2に示すユーザカード5(図面では「神カード」と称する場合がある)や
図3に示すレシート6(紙媒体)が用いられる。
【0019】
図2に示すユーザカード5は、初めてお釣り決済サービスを利用するユーザに渡されるものであり、例えば、店舗端末2が設置された店舗のスタッフから買い物客であるユーザに渡される。ユーザカード5には、
図2に示すように、2次元コードからなる初期コード51と、2次元コードからなる再発行用コード52と、ユーザ番号とが印刷されている。初期コード51は、ユーザを特定するためのコードデータであり、情報処理システム1内においてユーザ番号(識別情報)に対応付けされている。再発行用コード52は、ユーザがレシート6を紛失し、レシート6の再発行を要求する際に必要となるコードデータであり、情報処理システム1内においてユーザ番号に対応付けされている。なお、本実施形態のユーザカード5は、紛失したレシート6の再発行を可能とするためにユーザに渡されるものであり、レシート6の再発行を認めない場合は、ユーザカード5を省略してもよい。
【0020】
図3に示すレシート6は、ユーザによる店舗での現金決済の際にお釣りが生じる場合、店舗端末2から出力され、ユーザに渡されるものである。レシート6には、
図3に示すように、決済情報61と、店舗クーポン62と、2次元コードからなるお釣りコード63とが印刷されている。決済情報は、ユーザによる店舗での現金決済の内訳であり、購入商品、購入金額、値引額、小計金額、合計金額、お預り金額、お釣り金額などを含む。店舗クーポンは、次回以降に利用可能な特典やクーポン情報を含む。お釣りコード63は、ユーザに釣銭を渡す代わりにレシート6に印刷される2次元コードであり、情報処理システム1内においてお釣りの額に応じた電子的価値情報に対応付けられる。
【0021】
お釣りコード63から読み取り可能なコードデータには、管理番号(番号情報)と、取引時刻と、ユーザ番号と、残高情報とが含まれる。管理番号は、今回の決済を特定するための情報である。例えば、初期値を「001」とし、決済毎にインクリメントされる。取引時刻は、今回の決済を行った時刻を特定するための情報である。ユーザ番号は、今回の決済を行ったユーザを特定するための情報である。残高情報は、今回の取引により生じたお釣りの額を特定するための情報である。なお、お釣りコード63は、レシート6の最下部に切り離し可能に印刷されており、お釣りコード63と一緒に切り離し可能な領域には、文字情報とし、残高情報、管理番号及び取引時刻が印刷されている。
【0022】
お釣りコード63は、残高分の現金と同等の価値を有し、次回の決済で使用することができる。店舗スタッフがユーザからお釣りコード63を受け取ると、お釣りコード63を店舗端末2で読み取り、その残高分を今回の購入合計金額から差し引く。また、お釣りコード63を使用した決済において、さらにお釣りが生じた場合は、
図4に示すように、新たなお釣り金額に応じたお釣りコード63’が印刷されたレシート6を発行する。なお、お釣りコード63を発行する際や、お釣りコード63による決済を実行する際には、
図4に示すように、店舗端末2と情報処理装置4との間でお釣りコード63に関する情報の受け渡しが行われる。この情報には、発行するお釣りコード63の管理番号、取引時刻、ユーザ番号、残高情報や、決済に使用するお釣りコード63の管理番号、取引時刻、ユーザ番号、残高情報などが含まれる。
【0023】
このようなお釣り決済サービスによれば、お釣りの代わりにレシート6に印刷されたお釣りコード63は、次回の決済で使用できるので、電子マネー決済未対応のユーザに対してもお釣りをお釣りコード63として渡すことができる。その結果、レジにおけるお釣りの受け渡しを減らし、店舗における釣銭管理の手間を軽減できる。また、ユーザは、お釣りコード63が印刷されたレシート6を保管し、次回の買い物に持参するので、レシート6にお釣りコード63と一緒に印刷されている店舗クーポン62の利用を促進できる。また、お釣りコード63には、残高情報が含まれるので、店舗端末2は、通信障害などで情報処理装置4と通信できないオフライン状態でも、お釣りコード63での決済を実行することができる。ただし、この場合は、使用可能なお釣りコード63であるか否かを店舗端末2側のみで照合するために、使用可能なお釣りコード63の管理番号を店舗端末2側で記憶し、かつこの記憶データを情報処理装置4側の記憶データと定期的に同期させる必要がある。
【0024】
(情報処理システムの機能構成)
つぎに、情報処理システム1の機能構成及び記憶情報について、
図5及び
図6を参照して説明する。なお、
図5及び
図6に示す情報処理システム1の機能構成及び記憶情報には、店舗端末2側に配置されるものと、情報処理装置4側に配置されるものとが含まれるが、これらの配置構成は任意に変更できるため、配置場所を区別することなく説明する。
【0025】
図5に示すように、情報処理システム1は、ハードウェアとソフトウェアとの協働により実現される機能構成として、生成処理部101と、コード生成部102と、印刷処理部103と、出力処理部104と、決済処理部105と、通知処理部106と、を備える。また、各種の情報を記憶する記憶部として、カード情報記憶部120(第2記憶部)と、お釣りコード情報記憶部140(第1記憶部)と、を備える。
【0026】
図6の(a)に示すように、カード情報記憶部120は、ユーザカード5に関する情報を記憶する。記憶するユーザカード5に関する情報には、カードIDと、ユーザ番号と、初期コード51と、再発行用コード52とが含まれる。なお、カード情報記憶部120は、ユーザ入力による各種のユーザ情報(例えば、ユーザ氏名、ユーザ住所、ユーザ通知先など)をユーザ番号に対応付けて記憶してもよい。
【0027】
図6の(b)に示すように、お釣りコード情報記憶部140は、レシート6に印刷されるお釣りコード63に関する情報を記憶する。記憶するお釣りコード63に関する情報には、ユーザ番号と、管理番号と、残高情報と、決済日時(取引時刻)とが含まれる。
【0028】
生成処理部101は、ユーザによる現金決済の際にお釣りが生じる場合、ユーザが受け取るべきお釣りの少なくとも一部に代えて、少なくとも一部に応じた額の電子的価値情報を生成する。例えば、生成処理部101は、お釣りが低額(例えば、1000円未満の硬貨)である場合、ユーザが受け取るべきお釣りのすべてに応じた額の電子的価値情報を生成する。一方、生成処理部101は、お釣りが高額(例えば、1001円以上)である場合、ユーザが受け取るべきお釣りの一部(例えば、1000円未満の硬貨部分)に応じた額の電子的価値情報を生成し、残りのお釣り(例えば、1000円単位の紙幣)は現金で渡すものとできる。なお、生成処理部101は、お釣りが高額であっても、ユーザが受け取るべきお釣りのすべてに応じた額の電子的価値情報を生成してもよい。
【0029】
コード生成部102は、生成処理部101により生成された電子的価値情報を対応付けたお釣りコード63を生成する。ここで生成されるお釣りコード63には、管理番号と、取引時刻と、ユーザ番号と、残高情報とが含まれる。なお、コード生成部102が生成したお釣りコード63(レシート6)は、他のユーザに譲渡してもよい。また、コード生成部102は、ユーザからの指定(例えば、1コードあたりの上限額指定や均等分割指定)に基づき、あるいは事前に設定した条件(1コードあたりの上限額設定)に基づき、生成処理部101により生成された電子的価値情報を分割し、それに対応した複数のお釣りコード63(複数のレシート6)を生成してもよい。この場合、複数のお釣りコード63ごとに残高が管理される。また、複数のお釣りコード63の一部あるいは全部を、他のユーザに譲渡してもよい。また、通知処理部106は、譲渡後の決済については、元の保有者(譲渡者)に通知をしてもいいし、お釣りコード63の譲受者に通知をしてもよい。また、お釣りコード63を分割して生成するときは、お釣りコード情報記憶部140に新たに枝番を設けて管理するようにしてもよい。また、お釣りコード63を譲渡する場合は、譲受人を示す新たなユーザ情報を追加してもよいし、元の譲渡人のユーザ情報のままで残高を管理してもよい。
コード生成部102は、決済に際してユーザからユーザカード5が提示された場合、ユーザカード5の初期コード51に基づいてユーザ番号を特定し、ユーザ番号及び電子的価値情報に対応付けたお釣りコード63を生成する。
【0030】
また、コード生成部102は、お釣りコード63を紛失したユーザからユーザカード5が提示された場合、ユーザカード5の再発行用コード52に基づいて、ユーザ番号や最新のお釣りコード63(紛失したお釣りコード63)に関する情報を特定する。その後、コード生成部102は、紛失したお釣りコード63の管理番号を無効(又は残高情報を0)にし、紛失したお釣りコード63分の残高情報に対応付けられた新たな管理番号のお釣りコード63を生成する。
【0031】
また、コード生成部102は、お釣りコード63を使用した決済においてお釣りが生じる場合、今回のお釣り金額に対応付けられた新たな管理番号のお釣りコード63を生成する。
【0032】
印刷処理部103は、コード生成部102により生成されたお釣りコード63をレシート6に印刷する。なお、お釣りコード63は、レシート6に印刷せず、レシート6から分離された紙媒体に印刷してもよい。
【0033】
出力処理部104は、印刷処理部103により印刷されたお釣りコード63付きのレシート6を出力する(
図3参照)。
【0034】
決済処理部105は、出力処理部104により出力されたお釣りコード63付きのレシート6に基づいて、次回以降の買い物の決済処理を実行する。例えば、お釣りコード63に含まれる管理番号や残高情報に基づいて決済処理の可否を判定し、決済可能と判定した場合に決済処理を実行する。この決済でお釣りが発生した場合は、再び、生成処理部101、コード生成部102、印刷処理部103及び出力処理部104によって、新たなお釣りコード63が印刷されたレシート6が発行される。
【0035】
通知処理部106は、決済処理部105による決済処理が実行された場合に、決済処理に係るお釣りコード63に対応付けられているユーザの通知先情報に基づいて、決済処理に関する情報をユーザに通知する。このようなお釣りコード使用通知によれば、ユーザは、紛失したお釣りコード63が不正に使われたことを知ることができる。また、ユーザがお釣りコード63を家族や他人にプレゼントした場合、お釣りコード使用通知に基づいて、プレゼントしたお釣りコード63が使われたことを確認できる。
【0036】
(情報処理システムの動作フロー)
つぎに、情報処理システム1の動作手順について、
図7~
図9を参照して説明する。
【0037】
図7は、情報処理システム1のお釣りコード63付きレシート6を発行する際の動作手順を示している。この図に示すように、ユーザは、会計時にお釣りが出る場合、ユーザカード5を店舗スタッフに提示する(S101)。店舗スタッフは、受け取ったユーザカード5の初期コード51を店舗端末2に読み取らせる(S102)。店舗端末2は、初期コード51を読み取ると、お釣り金額に応じた電子的価値情報を生成した後(S103)、次回決済用のお釣りコード63を生成する(S104)。つぎに、店舗端末2は、生成したお釣りコード63に関する決済完了情報を情報処理装置4に送信する(S105)。情報処理装置4は、決済完了情報を受信すると、受信した決済完了情報に基づいてお釣りコード情報記憶部140の情報を更新する(S106)。その後、店舗端末2は、次回決済用のお釣りコード63が印刷されたレシート6を出力する(S107)。ユーザは、購入した商品又はサービスとともに次回決済用のお釣りコード63が印刷されたレシート6を受け取る(S108)。
【0038】
図8は、情報処理システム1のお釣りコード63付きレシート6で決済をする際の動作手順を示している。この図に示すように、ユーザは、会計時にお釣りコード63が印刷されたレシート6を店舗スタッフに提示する(S201)。店舗スタッフは、受け取ったお釣りコード63を店舗端末2に読み取らせる(S202)。店舗端末2は、お釣りコード63を読み込むと、お釣りコード63に含まれるユーザ番号に応じた最新情報を情報処理装置4から取得する(S203)。店舗端末2は、読み取ったお釣りコード63の管理番号と、情報処理装置4に記憶されている最新の管理番号とを比較し、両者が一致するか否かを判断する(S204)。店舗端末2は、両者が一致しないと判断した場合、所定のエラー処理を実行し(S205)、両者が一致すると判断した場合、ステップS206に進む。店舗端末2は、ステップS206において、お釣りコード63の電子的価値情報の額、又は追加で支払われた現金との総額に対して、今回の決済でお釣りが発生するか否かを判断する。店舗端末2は、お釣りが発生しないと判断した場合、所定の通常決済処理を実行する(S207)。また、店舗端末2は、お釣りが発生すると判断した場合、次回決済用のお釣りコード63を生成する(S208)。つぎに、店舗端末2は、生成したお釣りコード63に関する決済完了情報を情報処理装置4に送信する(S209)。情報処理装置4は、決済完了情報を受信すると、受信した決済完了情報に基づいてお釣りコード情報記憶部140の情報を更新する(S210)。その後、店舗端末2は、次回決済用のお釣りコード63が印刷されたレシート6を出力する(S211)。ユーザは、購入した商品又はサービスとともに次回決済用のお釣りコード63が印刷されたレシート6を受け取る(S212)。
【0039】
図9は、情報処理システム1のお釣りコード63付きレシート6を再発行する際の動作手順を示している。この図に示すように、ユーザは、お釣りコード63付きレシート6を紛失した場合、その旨を店舗スタッフに伝え、ユーザカード5を提示する(S301)。店舗スタッフは、受け取ったユーザカード5の再発行用コード52を店舗端末2に読み取らせる(S302)。店舗端末2は、再発行用コード52を読み取ると、再発行用コード52に対応付けられたユーザ番号に関する最新情報を情報処理装置4から取得する(S303)。店舗端末2は、ユーザ番号に関する最新情報に基づいて、最新の残高情報(紛失したお釣りコードの残高と同じ)に応じた電子的価値情報のお釣りコード63が印刷されたレシート6を出力する(S304)。ユーザは、再発行されたお釣りコード63付きのレシート6を受け取る(S305)。
【0040】
以上、実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
【0041】
例えば、実施例では、お釣りコード63、初期コード51及び再発行用コード52を2次元コードとしたが、2次元コードに限定されるものではなく、1次元コードや3次元以上のコードとしてもよい。
【0042】
また、レシート情報は、紙に印刷するだけでなく、電子的に利用者の携帯端末に受信し、買い物時に最新の受信レシートを提示する態様で利用するようにしてもよい。あるいは、家計簿や会計ソフトと連携するためにレシート情報を取得したアプリの一機能として利用されてもよい。最新レシートの表示は、携帯端末のウィジェットなどで簡単に画面表示できるようにしておくとよい。
【符号の説明】
【0043】
1 情報処理システム
2 店舗端末
3 ネットワーク
4 情報処理装置
5 ユーザカード
51 初期コード
52 再発行用コード
6 レシート
61 決済情報
62 店舗クーポン
63 お釣りコード
101 生成処理部
102 コード生成部
103 印刷処理部
104 出力処理部
105 決済処理部
106 通知処理部
120 カード情報記憶部
140 お釣りコード情報記憶部