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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147063
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/02 20060101AFI20231004BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20231004BHJP
   G02F 1/13 20060101ALI20231004BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20231004BHJP
   H10K 59/10 20230101ALI20231004BHJP
   H05B 33/14 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
H05B33/02
G09F9/30 349E
G09F9/30 349C
G09F9/30 338
G02F1/13 505
H05B33/14 A
H01L27/32
H05B33/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054606
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三村 広二
【テーマコード(参考)】
2H088
3K107
5C094
【Fターム(参考)】
2H088EA32
2H088HA02
2H088JA06
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC31
3K107CC32
3K107EE01
3K107EE21
3K107EE26
5C094AA01
5C094DA11
5C094EA02
5C094ED14
5C094ED15
(57)【要約】
【課題】本開示は、表示性能を向上できる表示装置を提供する。
【解決手段】本開示に係る表示装置は、第1の透明ディスプレイと、第1の円偏光フィルタと透過率制御部材とを有する。第1の円偏光フィルタは、第1の透明ディスプレイの前面側に配される。第1の円偏光フィルタは、非適正な偏光状態の光を減衰させる。透過率制御部材は、第1の透明ディスプレイの背面側に配される。透過率制御部材は、光の透過率を制御可能である。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の透明ディスプレイと、
前記第1の透明ディスプレイの前面側に配され、非適正な偏光状態の光を減衰させる第1の円偏光フィルタと、
前記第1の透明ディスプレイの背面側に配され、光の透過率を制御可能である透過率制御部材と、
を備えた表示装置。
【請求項2】
前記透過率制御部材は、透光状態と遮光状態とを切り替え可能である
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1の円偏光フィルタは、
前記第1の透明ディスプレイの前面側に配され、光を直線偏光に変換可能である第1の偏光層と、
前記第1の偏光層と前記第1の透明ディスプレイとの間に配され、直線偏光を円偏光に変換可能である第2の偏光層と、
を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第1の円偏光フィルタの前面側に配され、光の反射を抑制する反射抑制層をさらに備えた
請求項1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1の透明ディスプレイと前記透過率制御部材との間に配され、直線偏光を円偏光に変換可能である第3の偏光層をさらに備えた
請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記透過率制御部材は、
前記第1の透明ディスプレイの背面側に配され、光を直線偏光に変換可能である第4の偏光層と、
前記第1の透明ディスプレイと前記第4の偏光層との間に配され、直線偏光を円偏光に変換可能である第5の偏光層と、
を有する
請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
前記透過率制御部材は、透過率を独立して制御可能な複数の領域を含む
請求項1に記載の表示装置。
【請求項8】
前記透過率制御部材は、
透過率制御層と、
前記透過率制御層の前面に沿って第1の方向に配列された複数の第1の電極膜と、
前記透過率制御層の背面に沿って第2の方向に配列された複数の第2の電極膜と、
を有する
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記透過率制御部材を間にして前記第1の透明ディスプレイの反対側に配される第2の透明ディスプレイと、
前記第2の透明ディスプレイの前面側に配され、非適正な偏光状態の光を減衰させる第2の円偏光フィルタと、
をさらに備えた
請求項1に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
透明ディスプレイを有する表示装置は、透明ディスプレイで画像を表示させたり、背面からの外光を透過させたりすることができる。表示装置では、表示性能を向上することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-184089号公報
【特許文献2】特開2004-226942号公報
【特許文献3】国際公開第2020/121779号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、表示性能を向上できる表示装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示に係る表示装置は、第1の透明ディスプレイと第1の円偏光フィルタと透過率制御部材とを有する。第1の円偏光フィルタは、第1の透明ディスプレイの前面側に配される。第1の円偏光フィルタは、非適正な偏光状態の光を減衰させる。透過率制御部材は、第1の透明ディスプレイの背面側に配される。透過率制御部材は、光の透過率を制御可能である。
【発明の効果】
【0006】
本開示に係る表示装置によれば、表示性能を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態に係る表示装置の概略構成を示す平面図。
図2】実施形態における画素領域の構成の一例を示す平面図。
図3】実施形態における画素領域の構成の他の例を示す平面図。
図4】実施形態に係る表示装置の構成を示す断面図。
図5】実施形態に係る表示装置の光学特性を示す断面図。
図6】実施形態の第1の変形例に係る表示装置の構成を示す断面図。
図7】実施形態の第1の変形例に係る表示装置の光学特性を示す断面図。
図8】実施形態の第2の変形例に係る表示装置の構成を示す断面図。
図9】実施形態の第2の変形例に係る表示装置の光学特性を示す断面図。
図10】実施形態の第3の変形例に係る表示装置の構成を示す断面図。
図11】実施形態の第4の変形例に係る表示装置の構成を示す断面図。
図12】実施形態の第5の変形例に係る表示装置の概略構成を示す平面図。
図13】実施形態の第5の変形例に係る表示装置の構成を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、本開示に係る表示装置の実施形態について説明する。
【0009】
(実施形態)
実施形態にかかる表示装置は、透明ディスプレイを有し、透明ディスプレイで画像を表示させたり背面からの外光を透過させたりすることができるが、表示性能を向上するための工夫が施される。例えば、表示装置1は、図1に示すように構成され得る。図1は、表示装置1の概略構成を示す平面図である。
【0010】
表示装置1は、表示領域DR及び周辺領域(図示せず)を有する。表示領域DRは、画像が表示される領域である。表示領域DRは、例えば、表示面と所定の厚さとを有する平板状の領域である。平板状とは、扁平な直方体状とも言い換えられる。表示領域DRは、平板状の領域には限られず、曲面を有していてもよい。周辺領域は、表示領域DRの周辺に配され、表示領域DRを制御するための回路等が配置される領域である。以下では、表示面に垂直な方向をZ軸とし、表示面内に互いに直交する2方向をX方向及びY方向とする。
【0011】
表示装置1は、透明ディスプレイ10(図4参照)を有し、表示領域DRに画像を表示させたり、表示領域DRで背面(-Z側の面)からの光を透過させウィンドウとして機能させたりすることができる。
【0012】
表示領域DRでは、図1に示すように、複数の画素領域PR(1,1)~PR(m,n)が配列される。複数の画素領域PR(1,1)~PR(m,n)のそれぞれは、互いに区別しない場合、単に画素領域PRと表記される。表示領域DRにおいて、複数の画素領域PRは、2次元的に配列されてもよい。2次元的な配列は、マトリックス状の配列でもよい。図1では、複数の画素領域PR(1,1)~PR(m,n)がXY方向にm行×n列で配列される構成が例示される。m,nは、それぞれ、2以上の任意の整数である。
【0013】
表示装置1が透明ディスプレイ10を有することに対応し、各画素領域PRは、図2又は図3に示すように、概ね透明に構成される。図2は、画素領域PRの構成の一例を示すXY平面図である。図3は、画素領域PRの構成の他の例を示すXY平面図である。
【0014】
画素領域PRは、透明領域2、発光領域3及び配線領域4を有する。透明領域2、発光領域3及び配線領域4は、いずれも遮光されない。透明領域2及び発光領域3は、互いにXY方向に隣接する位置に配される。配線領域4は、透明領域2及び発光領域3の間及び周囲に配される。配線領域4は、発光領域3を制御するための制御線等の配線が配置される。
【0015】
透明領域2及び発光領域3は、XY面積が互いに均等でもよいし、XY面積が互いに異なっていてもよい。透明領域2は、光を透過する領域である。言い換えると、透明領域2は、表示領域DRの透過率を確保するための領域である。発光領域3には、複数の発光画素が配される。図2では、発光領域3にR画素、G画素、B画素が配される構成が例示される。図3では、発光領域3にR画素、G画素、B画素、W画素が配される構成が例示される。R画素は、発光スペクトルの中心波長がR(赤色)に対応した画素である。G画素は、発光スペクトルの中心波長がG(緑色)に対応した画素である。B画素は、発光スペクトルの中心波長がB(青色)に対応した画素である。W画素は、発光スペクトルの中心波長がW(白色、すなわち可視領域全体)に対応した画素である。以下では、画素領域の構成が図2の場合を中心に説明するが、画素領域の構成が図3の場合についても同様に適用できる。
【0016】
表示装置1は、図4に示すように、表示性能を向上可能に構成される。図4は、表示装置1の構成を示す断面図である。図4では、表示領域DRにおける1つの画素領域PRについての構成を例示する。図4は、図2をA-A線で切った場合の断面を示す。
【0017】
表示装置1は、透明ディスプレイ10、円偏光フィルタ20、透過率制御部材30及び反射抑制層40を有する。透明ディスプレイ10は、XY方向に平板状に延びる。透明ディスプレイ10では、複数の画素領域PRの2次元的な配列(図1参照)に対応して、複数の発光画素が2次元的に配列され、画像を表示可能である。
【0018】
円偏光フィルタ20は、透明ディスプレイ10の前面側(+Z側)に配される。円偏光フィルタ20は、非適正な偏光状態の光を減衰させる。反射抑制層40は、円偏光フィルタ20の前面側(+Z側)に配される。反射抑制層40は、光の反射を抑制する。これにより、透明ディスプレイ10に対して+Z側から侵入する外光に対して、反射抑制層40及び円偏光フィルタ20の2段階で観察者側(+Z側)への反射を抑制できる。この結果、外光の反射光による観察者像の映り込みを抑制でき、透明ディスプレイ10の表示画像の視認性を向上できる。
【0019】
透過率制御部材30は、透明ディスプレイ10の背面側(-Z側)に配される。透過率制御部材30は、光の透過率を制御可能である。透過率制御部材30は、透光状態と遮光状態とを切り替え可能である。これにより、透明ディスプレイ10に対して-Z側から侵入する外光に対して、透過率制御部材30及び円偏光フィルタ20の2段階で表示装置1の観察者側(+Z側)へ透過・遮光を制御できる。これにより、外光を受け得る場所において透明ディスプレイ10で画像を表示する際に透過率制御部材30を遮光状態にすることなどにより、透明ディスプレイ10の表示画像の明所コントラストを向上できる。
【0020】
反射抑制層40は、透明ディスプレイ10の前面10a側(+Z側)に配され、主としてXY方向に板状に延び、X方向を長手方向とする略矩形状を有してもよい。反射抑制層40は、円偏光フィルタ20の前面20aを覆う。これにより、反射抑制層40は、透明ディスプレイ10の前面10aに入射する光の反射を抑制でき、透明ディスプレイ10の画像表示時の視認性を確保できる。
【0021】
反射抑制層40は、低反射光学フィルムが円偏光フィルタ20の前面20aに貼り合わされることによって形成される膜であってもよいし、低反射光学処理が円偏光フィルタ20の前面20aに施されることによって形成される膜であってもよい。低反射光学フィルムは、例えば、AG(Anti Glare)フィルムでもよいし、AR(Anti Reflection)フィルムでもよいし、LR(Low Reflection)フィルムでもよいし、モスアイフィルムでもよい。AGフィルムは、微細凹凸構造を有する防眩層により反射光を拡散させて目立たなくすることができ、主として正反射光を抑制できる。ARフィルムは、多層膜により反射光を打ち消し合わせて反射光を少なくさせることができ、正反射光及び拡散反射光を抑制できる。多層膜は、屈折率の異なる誘電体膜が互に接触するように複数回積層されて構成され得る。LRフィルムは、より層数の少ない多層膜により反射光を打ち消し合わせて反射光を少なくさせることができ、正反射光及び拡散反射光を抑制できる。モスアイフィルムは、所定形状の格子が所定ピッチで周期的に設けられたモスアイ構造により反射光を減衰させて目立たなくすることができ、主として正反射光を抑制できる。低反射光学処理は、反射抑制層40となるべき物質を所定の形態で円偏光フィルタ20の前面20aにコーティングする処理である。低反射光学処理は、例えば、AG処理でもよいし、AR処理でもよいし、AGAR処理でもよい。AG処理は、AGコーディングとも呼ばれ、AR処理は、ARコーティングとも呼ばれ、AGAR処理は、AGARコーティングとも呼ばれる。
【0022】
円偏光フィルタ20は、偏光層21及び偏光層22を有する。偏光層21は、透明ディスプレイ10の前面側(+Z側)に配され、反射抑制層40の-Z側に配される。偏光層21は、光を直線偏光に変換可能である。偏光層21は、具体的には、ランダムな方向に振動する光を、一定方向に振動する直線偏光に変換可能である。偏光層21は、例えば、直線偏光層を含む。偏光層21は、偏光板を含んでもよいし、水平配向したゲストホスト液晶材料が封入されて構成されてもよい。水平方向(X方向)を0°とし、垂直方向(Y方向)を90°とすると、偏光層21は、吸収軸が0°で透過軸が90°であってもよい。偏光層22は、Z方向における偏光層21と透明ディスプレイ10との間に配される。偏光層22は、直線偏光を円偏光に変換可能である。偏光層22は、λ/4位相差板を含んでもよいし、遅相軸と45°配置になるように配向された液晶材料が封入されて構成されてもよい。
【0023】
例えば、図5に示すように、外光が+Z側から入射した場合、外光が反射抑制層40を通過し、ランダムな方向に振動する光として偏光層21に入射し得る。偏光層21は、入射した光を傾き90°の直線偏光に変換する。偏光層21によって変換された傾き90°の直線偏光は、偏光層22に入射する。偏光層22は、傾き90°の直線偏光を右円偏光に変換する。右円偏光は、光の進行方向上流側から見た場合に偏光面が右回りに旋回する光である。このとき、画素領域PRでは、透明領域2、発光領域3、配線領域4がそれぞれ遮光されていない(図2図3参照)。そのため、図5に示す偏光層22から出射する右円偏光は、透明基板11(後述)を透過した後、発光画素14(後述)や配線領域4の配線などで反射されることにより、左円偏光に変わる。左円偏光は、光の進行方向上流側から見た場合に偏光面が左回りに旋回する光である。左円偏光は、透明基板11を透過した後、偏光層22によって左円偏光から傾き0°の直線偏光に変換される。偏光層22によって変換された傾き0°の直線偏光は、偏光層21に入射する。偏光層21の吸収軸が0°であるため、傾き0°の直線偏光は、偏光層21でその大部分が吸収される。これにより、円偏光フィルタ20は、+Z側から侵入した外光による内部反射光を非適正な偏光状態の光として減衰させることができる。
【0024】
一方、表示すべき画像に応じた発光画素14(後述)からの光は、透明基板11(後述)を透過した後、偏光層21で傾き90°の直線偏光に変換される。偏光層21で変換された傾き90°の直線偏光は、偏光層21に入射する。偏光層21の透過軸が90°であるため、傾き90°の直線偏光は、偏光層21を透過し反射抑制層40をさらに透過して観察者の眼球に到達する。これにより、円偏光フィルタ20は、発光画素14からの光を適正な偏光状態の光として通過させることができ、観察者に透明ディスプレイ10の画像を視認させることができる。
【0025】
図4に示す透明ディスプレイ10は、透明基板11、透明基板12、薄膜トランジスタ13、発光画素14、透過層15、絶縁層16、絶縁層17及び絶縁膜18を有する。
【0026】
透明基板11は、発光画素14の+Z側に配され、XY方向に板状に延び、X方向を長手方向とする略矩形状を有する。透明基板11は、透光性を有する。透明基板11は、SiOを含む無機ガラスで形成されていてもよいし、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、PC(ポリカーボネート)等の透明樹脂を含む有機フィルムで形成されていてもよい。
【0027】
透明基板12は、発光画素14の-Z側に配され、XY方向に板状に延び、X方向を長手方向とする略矩形状を有する。透明基板12は、透光性を有する。透明基板12は、SiOを含む無機ガラスで形成されていてもよいし、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、PC(ポリカーボネート)等の透明樹脂を含む有機フィルムで形成されていてもよい。
【0028】
薄膜トランジスタ13は、Z方向における発光画素14と透明基板12との間に配される。薄膜トランジスタ13は、ゲート電極13g、ドレイン電極13d、ソース電極13sを有する。ゲート電極13gは、配線(図示せず)を介して制御回路(図示せず)に接続される。ソース電極13sは、発光画素14に接続される。薄膜トランジスタ13は、ゲート電極13gにアクティブレベルの信号が供給された際にオンして、発光画素14へ電圧を印加する。薄膜トランジスタ13は、ゲート電極13gにノンアクティブレベルの信号が供給された際にオフして、発光画素14への電圧印加を遮断する。
【0029】
発光画素14は、画素領域PRにおける発光領域3(図2図3参照)に配される。発光画素14は、発光層14a、透明電極14b、透明電極14c、透明電極14dを有する。発光層14aは、Z方向における透明電極14b及び透明電極14cの間でXY方向に延びる。発光層14aにおける+Z側の面は、透明電極14bに接触する。発光層14aにおける-Z側の面は、透明電極14cに接触する。透明電極14cは、透明電極14dを介して薄膜トランジスタ13に接続される。発光層14aは、例えば有機EL材料又は無機EL材料などの、電圧が印加された際に発光可能な材料で形成される。透明電極14b、透明電極14c、透明電極14dは、例えばITOなどの透明導電性材料で形成される。
【0030】
透過層15は、画素領域PRにおける透明領域2(図2図3参照)に配される。透過層15は、透光性を有する。透過層15は、SiOを含む無機ガラスで形成されていてもよいし、PMMA(ポリメタクリル酸メチル樹脂)、PC(ポリカーボネート)等の透明樹脂を含む有機フィルムで形成されていてもよい。
【0031】
絶縁層16は、Z方向における発光画素14と透明基板12との間に配され、発光画素14と透明基板12とを互いに絶縁させる。絶縁層16は、Z方向における透過層15と透明基板12との間に配され、透過層15と透明基板12とを互いに絶縁させる。絶縁層17は、Z方向における透明基板11と発光画素14との間に配され、透明基板11と発光画素14とを互いに絶縁させる。絶縁層17は、Z方向における透明基板11と透過層15との間に配され、透明基板11と透過層15とを互いに絶縁させる。絶縁膜18は、XY方向における発光画素14と透過層15との間に配され、発光画素14と透過層15とを互いに絶縁させる。
【0032】
透過率制御部材30は、透過率制御層31、透明電極32及び透明電極33を有する。透過率制御層31は、Z方向における透明電極32及び透明電極33の間でXY方向に延びる。透過率制御層31における+Z側の面は、透明電極32に接触する。透過率制御層31における-Z側の面は、透明電極33に接触する。透過率制御層31は、電圧印加に応じて透過率を制御可能である。透過率制御層31は、電圧印加の有無によって透過率が制御可能な構成を有してもよい。透過率制御層31は、電圧印加の有無によって透光状態と遮光状態とを切り替え可能な構成を有してもよい。例えば、透過率制御層31は、コレステリック液晶材料に2色性色素が加えられたゲストホスト液晶が封入されて構成されてもよい。透過率制御層31は、ツイスト液晶材料に2色性色素が加えられたゲストホスト液晶が封入されて構成されてもよい。2色性色素は、吸収特性に異方性を有する色素である。透明電極32及び透明電極33は、それぞれ、ITOなどの透明導電性材料で形成され得る。
【0033】
これにより、透過率制御層31は、透明電極32及び透明電極33間に電圧が印加されることで、透光状態に切り替えられ、電圧印加を解除することで、遮光状態に切り替えられ得る。
【0034】
また、透過率制御層31は、電圧印加に応じた直線偏光層としての機能をさらに持たせることもできる。例えば、透過率制御層31は、電圧印加時に水平配向となるように配向処理が施された、2色性色素が加えられたゲストホスト液晶が封入されて構成されてもよい。ただし、液晶はカイラル材を含まない。あるいは、透過率制御層31は、上下基板間で90°ツイスト配向させた液晶に2色性色素が加えられたゲストホスト液晶が封入されて構成されてもよい。透過率制御層31が電圧印加に応じた直線偏光層としての機能をさらに持つことで、次のように、透過率制御層31を通過する光の遮光性能を向上できる。
【0035】
例えば、外光が-Z側から入射した場合、透明電極32及び透明電極33間の電圧印加が解除されていれば、外光が透過率制御層31で遮光される。透明電極32及び透明電極33間に電圧が印加されていれば、図5に示すように、外光が透過率制御層31で傾き0°の直線偏光に変換され透過率制御層31から出射される。傾き0°の直線偏光は、透明基板12、透過層15、透明基板11、偏光層22を透過し、偏光層21へ入射する。偏光層21の吸収軸が0°であるため、傾き0°の直線偏光は、偏光層21でその大部分が吸収される。これにより、円偏光フィルタ20は、-Z側から侵入した外光による内部透過光を非適正な偏光状態の光として減衰させることができる。
【0036】
なお、透過率制御層31が直線偏光層としての機能を有しなくてもよい。この場合、透過率制御層31が直線偏光層としての機能を果たす場合と比較すると遮光性能は下がるが、透過率制御層31を通過した光の一部が偏光層21で遮光され得る。
【0037】
また、透明電極32,33は、それぞれ、図1に示すように、複数の画素領域PRについて共通化されていてもよい。これにより、透過率制御層31の透過率を複数の画素領域PRについて一括して制御できる。透過率制御層31を複数の画素領域PRについて一括して透光状態・遮光状態間で切り替えることができる。
【0038】
以上のように、実施形態では、表示装置1において、透明ディスプレイ10の前面側に円偏光フィルタ20を配し、透明ディスプレイ10の背面側に透過率制御部材30を配する。これにより、透明ディスプレイ10に対して+Z側から侵入する外光に対して、反射抑制層40及び円偏光フィルタ20の2段階で観察者側(+Z側)への反射を抑制でき、外光の反射光による観察者像の映り込みを抑制できる。また、透明ディスプレイ10に対して-Z側から侵入する外光に対して、透過率制御部材30及び円偏光フィルタ20の2段階で観察者側(+Z側)への透過・遮光を制御でき、透明ディスプレイ10の表示画像の明所コントラストを向上できる。したがって、表示装置1の表示性能を向上できる。
【0039】
なお、円偏光フィルタ20は、偏光層21及び偏光層22の間に1/2位相差板をさらに有してもよい。1/2位相差板は、直線偏光をその偏光面が90°回転された直線偏光に変換可能である。これにより、円偏光フィルタ20の透過帯域を広帯域化できる。
【0040】
また、実施形態の第1の変形例として、図6に示すように、表示装置1iにおいて、-Z側からの外光の遮光性能を向上させるための改良が施されてもよい。図6は、実施形態の第1の変形例に係る表示装置1iの構成を示す断面図である。
【0041】
表示装置1iは、表示装置1(図4参照)に対して、偏光層50iをさらに有する。偏光層50iは、Z方向における透明ディスプレイ10と透過率制御部材30との間に配される。偏光層50iは、直線偏光を円偏光に変換可能である。偏光層50iは、λ/4位相差板を含んでもよいし、遅相軸と45°配置になるように配向された液晶材料が封入されて構成されてもよい。
【0042】
例えば、外光が-Z側から入射した場合、透明電極32及び透明電極33間の電圧印加が解除されていれば、外光が透過率制御層31で遮光される。透明電極32及び透明電極33間に電圧が印加されていれば、図7に示すように、外光が透過率制御層31で傾き0°の直線偏光に変換される。透過率制御層31によって変換された傾き0°の直線偏光は、偏光層50iに入射する。図7は、実施形態の第1の変形例に係る表示装置1iの光学特性を示す断面図である。傾き0°の直線偏光は、偏光層50iで左円偏光に変換される。左円偏光は、透過層15、透明基板11を透過し、偏光層22に入射する。左円偏光は、偏光層22で傾き0°の直線偏光に変換される。偏光層22で変換された傾き0°の直線偏光は、偏光層21に入射する。偏光層21の吸収軸が0°であるため、傾き0°の直線偏光は、偏光層21でその大部分が吸収される。これにより、円偏光フィルタ20は、-Z側から侵入した外光による内部透過光を非適正な偏光状態の光として減衰させることができる。
【0043】
なお、透過率制御層31が直線偏光層としての機能を有しなくてもよい。この場合、透過率制御層31が直線偏光層としての機能を果たす場合と比較すると遮光性能は下がるが、透過率制御層31を通過した光の一部が偏光層50iで左円偏光に変換され偏光層21で遮光され得る。
【0044】
このように、実施形態の第1の変形例では、表示装置1iにおいて、透明ディスプレイ10に対して-Z側から侵入する外光に対して、透過率制御部材30、偏光層50i及び円偏光フィルタ20の多段階で観察者側(+Z側)への透過・遮光を制御でき、透明ディスプレイ10の表示画像の明所コントラストをさらに向上できる。
【0045】
また、実施形態の第2の変形例として、図8に示すように、表示装置1jにおいて、-Z側からの外光の遮光性能を向上させるための改良が施されてもよい。図8は、実施形態の第2の変形例に係る表示装置1jの構成を示す断面図である。
【0046】
表示装置1jは、透過率制御部材30(図4参照)に代えて、透過率制御部材30jを有する。透過率制御部材30jは、偏光層34及び偏光層35を有する。偏光層34は、透明ディスプレイ10の背面側(-Z側)に配される。偏光層34は、光を直線偏光に変換可能である。偏光層34は、偏光板を含んでもよい。偏光層34は、吸収軸が0°で透過軸が90°であってもよい。
【0047】
偏光層35は、Z方向における透明ディスプレイ10と偏光層34との間に配される。偏光層35は、直線偏光を円偏光に変換可能である。偏光層35は、透過率制御層351、透明電極352及び透明電極353を有する。透過率制御層351は、Z方向における透明電極352及び透明電極353の間でXY方向に延びる。透過率制御層351における+Z側の面は、透明電極352に接触する。透過率制御層351における-Z側の面は、透明電極353に接触する。透過率制御層351は、電圧印加の有無で透過率が制御可能な構成を有する。透過率制御層351は、電圧印加の有無で透光状態と遮光状態とを切り替え可能であり且つ直線偏光を円偏光に変換可能な構成を有してもよい。
【0048】
例えば、透過率制御層351は、電圧非印加時に遅相軸と45°配置になるように水平配向された液晶材料が封入されて構成されてもよい。透明電極352及び透明電極353は、それぞれ、ITOなどの透明導電性材料で形成され得る。
【0049】
これにより、透過率制御部材30jは、透明電極352及び透明電極353間に電圧が印加されることで、透光状態に切り替えられ、電圧印加を解除することで、遮光状態に切り替えられ得る。
【0050】
あるいは、透過率制御層351は、電圧印加時に遅相軸と45°配置になるように垂直配向された液晶材料が封入されて構成されてもよい。透明電極352及び透明電極353は、それぞれ、ITOなどの透明導電性材料で形成され得る。
【0051】
これにより、透過率制御部材30jは、透明電極352及び透明電極353間に電圧が印加されることで、遮光状態に切り替えられ、電圧印加を解除することで、透光状態に切り替えられ得る。
【0052】
例えば、外光が-Z側から入射した場合、透過率制御部材30jが透光状態に切り替えられていれば、図9に示すように、外光が偏光層34で傾き0°の直線偏光に変換される。偏光層34で変換された傾き0°の直線偏光は、偏光層34から偏光層35に入射する。図9は、実施形態の第2の変形例に係る表示装置1jの光学特性を示す断面図である。傾き0°の直線偏光は、偏光層35で左円偏光に変換される。左円偏光は、透過層15、透明基板11を透過し、偏光層22に入射する。左円偏光は、偏光層22で傾き0°の直線偏光に変換される。偏光層22で変換された傾き0°の直線偏光は、偏光層21に入射する。偏光層21の吸収軸が0°であるため、傾き0°の直線偏光は、偏光層21でその大部分が吸収される。これにより、円偏光フィルタ20は、-Z側から侵入した外光による内部透過光を非適正な偏光状態の光として減衰させることができる。
【0053】
なお、透過率制御層351が円偏光層としての機能を有しなくてもよい。例えば、透過率制御層351は、コレステリック液晶材料に2色性色素が加えられたゲストホスト液晶が封入されて構成されてもよいし、ツイスト液晶材料に2色性色素が加えられたゲストホスト液晶が封入されて構成されてもよい。この場合、透過率制御層351が円偏光層としての機能を果たす場合と比較すると遮光性能は下がるが、透過率制御層351を通過した光の一部が偏光層21で遮光され得る。
【0054】
このように、実施形態の第2の変形例では、表示装置1jにおいて、透明ディスプレイ10に対して-Z側から侵入する外光に対して、偏光層34、偏光層35及び円偏光フィルタ20の3段階で観察者側(+Z側)への透過・遮光を制御でき、透明ディスプレイ10の表示画像の明所コントラストをさらに向上できる。
【0055】
また、実施形態の第3の変形例として、図10に示すように、表示装置1kは、両面が独立して画像表示可能に構成されてもよい。図10は、実施形態の第3の変形例に係る表示装置1kの構成を示す断面図である。
【0056】
表示装置1kは、表示装置1(図4参照)に対して、透明ディスプレイ10k、円偏光フィルタ20k及び反射抑制層40kをさらに有する。透明ディスプレイ10k、円偏光フィルタ20k及び反射抑制層40kは、透過率制御部材30を中心として、透明ディスプレイ10、円偏光フィルタ20及び反射抑制層40と面対称な位置及び向きで配置される。
【0057】
透明ディスプレイ10kは、透明基板11k、透明基板12k、薄膜トランジスタ13k、発光画素14k、透過層15k、絶縁層16k、絶縁層17k及び絶縁膜18kを有する。透明基板11k、透明基板12k、薄膜トランジスタ13k、発光画素14k、透過層15k、絶縁層16k、絶縁層17k及び絶縁膜18kは、それぞれ、透過率制御部材30を中心とする面対称な位置及び向きで配置されること以外、実施形態における透明基板11、透明基板12、薄膜トランジスタ13、発光画素14、透過層15、絶縁層16、絶縁層17及び絶縁膜18と同様である。
【0058】
円偏光フィルタ20kは、偏光層21k及び偏光層22kを有する。偏光層21k及び偏光層22kは、それぞれ、透過率制御部材30を中心とする面対称な位置及び向きで配置されること以外、実施形態における偏光層21及び偏光層22と同様である。
【0059】
これにより、透明ディスプレイ10に対して+Z側から侵入する外光に対して、反射抑制層40及び円偏光フィルタ20の2段階で観察者側(+Z側)への反射を抑制できる。それとともに、透明ディスプレイ10に対して-Z側から侵入する外光に対して、反射抑制層40k及び円偏光フィルタ20kの2段階で観察者側(+Z側)への反射を抑制できる。この結果、表示装置1の+Z側の面と-Z側の面との両方において、外光の反射光による観察者像の映り込みを抑制でき、透明ディスプレイ10の表示画像の視認性を向上できる。
【0060】
また、透明ディスプレイ10に対して-Z側から侵入する外光に対して、円偏光フィルタ20k、透過率制御部材30及び円偏光フィルタ20の多段階で表示装置1kの観察者側(+Z側)へ透過・遮光を制御できる。透明ディスプレイ10に対して+Z側から侵入する外光に対して、円偏光フィルタ20、透過率制御部材30及び円偏光フィルタ20kの多段階で表示装置1の他の観察者側(-Z側)へ透過・遮光を制御できる。これにより、表示装置1kの+Z側の面と-Z側の面との両方において、外光を受け得る場所において透明ディスプレイ10で画像を表示する際に透過率制御部材30を遮光状態にすることなどにより、表示画像の明所コントラストを向上できる。
【0061】
このように、実施形態の第3の変形例では、表示装置1kの+Z側の面と-Z側の面との両方において、表示性能を向上できる。
【0062】
また、実施形態の第4の変形例として、図11に示すように、表示装置1nにおいて、両面が独立して画像表示可能に構成されるとともに、-Z側からの外光の遮光性能を向上させるための改良が施されてもよい。図11は、実施形態の第4の変形例に係る表示装置1nの構成を示す断面図である。
【0063】
表示装置1nは、表示装置1k(図10参照)に対して、偏光層50i,50nをさらに有する。偏光層50iは、Z方向における透明ディスプレイ10と透過率制御部材30との間に配される。偏光層50nは、Z方向における透明ディスプレイ10kと透過率制御部材30との間に配される。
【0064】
偏光層50i,50nは、それぞれ、直線偏光を円偏光に変換可能である。偏光層50i,50nは、それぞれ、λ/4位相差板を含んでもよいし、遅相軸と45°配置になるように配向された液晶材料が封入されて構成されてもよい。
【0065】
これにより、透明ディスプレイ10に対して-Z側から侵入する外光に対して、円偏光フィルタ20k、偏光層50n、透過率制御部材30、偏光層50i及び円偏光フィルタ20の多段階で表示装置1nの観察者側(+Z側)へ透過・遮光を制御できる。透明ディスプレイ10に対して+Z側から侵入する外光に対して、円偏光フィルタ20、偏光層50i、透過率制御部材30、偏光層50n及び円偏光フィルタ20kの多段階で表示装置1nの他の観察者側(-Z側)へ透過・遮光を制御できる。これにより、表示装置1nの+Z側の面と-Z側の面との両方において、外光を受け得る場所において透明ディスプレイ10で画像を表示する際に透過率制御部材30を遮光状態にすることなどにより、表示画像の明所コントラストをさらに向上できる。
【0066】
また、実施形態の第5の変形例として、図12及び図13に示すように、表示装置1pにおいて、透過率制御部材30は、透過率を独立して制御可能な複数の領域を含むように構成されてもよい。図12は、実施形態の第5の変形例に係る表示装置1pの概略構成を示す平面図である。図13は、実施形態の第5の変形例に係る表示装置1pの構成を示す断面図である。図13は、図12をB-B線で切った場合の断面を示す。
【0067】
透過率制御部材30pは、透明電極32及び透明電極33(図1図4参照)に代えて複数の透明電極32p-1~32p-3及び複数の透明電極33p-1~33p-3を有する。複数の透明電極32p-1~32p-3は、透過率制御層31の前面(+Z側の面)に沿ってそれぞれX方向に延びるとともに互いにY方向に配列されている。各透明電極32pは、透過率制御層31の前面に接触しており、透過率制御層31の前面を覆ってもよい。複数の透明電極33p-1~33p-3は、透過率制御層31の背面(-Z側の面)に沿ってそれぞれY方向に延びるとともに互いにX方向に配列されている。各透明電極33pは、透過率制御層31の背面に接触しており、透過率制御層31の背面を覆ってもよい。
【0068】
複数の透明電極32p-1~32p-3は、クリアランスCL1を介してY方向に配列されおり、互いに電気的に絶縁されている。クリアランスCL1は、例えば複数の透明電極32p-1~32p-3のうち隣接する2つの間に位置する間隙である。これにより、各透明電極32p-1~32p-3は、互いに独立して電圧印加され得る。
【0069】
複数の透明電極33p-1~33p-3は、クリアランスCL2を介してX方向に配列されおり、互いに電気的に絶縁されている。クリアランスCL2は、例えば複数の透明電極33p-1~33p-3のうち隣接する2つの間に位置する間隙である。これにより、各透明電極32p-1~32p-3は、互いに独立して電圧印加され得る。
【0070】
これにより、表示領域DRには、複数の透明電極32p-1~32p-3と複数の透明電極33p-1~33p-3とが交差する位置に複数のエリアAR(1,1)~AR(3,3)が形成される。図12では、一例として、3行×3列のエリアARが形成される構成が例示される。複数のエリアARは、複数の画素領域PRに対応する。各エリアは、1以上の画素領域PRを含んでもよく、例えば、3行×3列の画素領域PRを含んでもよい。複数のエリアARと透過率制御層31とが交差する位置に、透過率制御部材30における透過率を独立して制御可能な複数の領域が形成される。
【0071】
これにより、透過率制御部材30pは、表示領域DR内の複数のエリアARのそれぞれについて、互いに独立して透過率を制御できる。したがって、例えば、表示領域DRにおけるAR画像を表示するエリアAR(例えば、図12で斜線のハッチングが施されたエリアAR(1,2),AR(2,2),AR(3,2))が選択的に遮光状態にされ、他のエリアARが透光状態にされることで、外部の風景にAR画像を重畳して表示する場合の明所コントラストを向上できる。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
1,1i,1j,1k,1n,1p 表示装置
10,10k 透明ディスプレイ
20,20k 円偏光フィルタ
30,30j 透過率制御部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13