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  • 特開-焚火台用五徳 図1
  • 特開-焚火台用五徳 図2
  • 特開-焚火台用五徳 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014707
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】焚火台用五徳
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/10 20060101AFI20230124BHJP
   F24B 1/182 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
F24C15/10 J
F24C15/10 F
F24C15/10 P
F24B1/182
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118817
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】521319281
【氏名又は名称】大澤 智秀
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】大澤 智秀
(57)【要約】
【課題】焚火台の上に載置して火力の異なる調理を同時に行うことが可能な焚火台用五徳を提供する。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明にかかる焚火台用五徳100の代表的な構成は、加熱対象物を載置する天面110と、天面より下方に配置され天面を通過不能な下部枠120と、天面および下部枠の外側または内側に沿って上下方向に延びた複数の脚130とを備え、下部枠には切れ目124が形成されていて、脚の下部を脚の弾性により開くことが可能であることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱対象物を載置する天面と、
前記天面より下方に配置され該天面を通過不能な下部枠と、
前記天面および下部枠の外側または内側に沿って上下方向に延びた複数の脚とを備え、
前記下部枠には切れ目が形成されていて、前記脚の下部を該脚の弾性により開くことが可能であることを特徴とする焚火台用五徳。
【請求項2】
前記脚を4本備え、
前記下部枠は2つの前記切れ目によって2つの下部枠片に分割されていて、
前記2つの下部枠片はそれぞれ2本の脚に接合されていることを特徴とする請求項1に記載の焚火台用五徳。
【請求項3】
前記複数の脚は下方に開口するコの字形の線材を複数組み合わせて構成されていて、
前記複数の脚の各々は隣接するコの字形の線材の端部を接合して構成されていて、
前記複数のコの字形の線材の中間部は前記天面に沿う多角形を形成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の焚火台用五徳。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として焚火台の上に設置される五徳に関する。
【背景技術】
【0002】
五徳は、熱源の上に設置して、鍋や焼き網などの調理器具や食材を乗せるために用いられる支持具である。熱源としては例えばキッチンコンロ、囲炉裏、火鉢、七輪などにおいて用いられているが、屋外用の焚火台においても五徳が用いられる場合がある。
【0003】
例えば特許文献1には、焚火台の上に設置する五徳の発明が開示されている。特許文献1には周辺部を中央部より高くした五徳が提案されていて、これにより調理容器が安定に保持できると述べている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-032897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
焚き火において燃料は薪か炭が用いられるが、ガスバーナーに比べて火力の調整が難しい。また屋外調理は短時間で済ませる必要がある場合が多く、食材や調理内容に応じて細かく火力を調節することはできない。熱源が長方形のバーベキューコンロのように面積が広いものであれば、焼き網の中央部は火力が強く、外周部は火力が弱くなるので、焼き網上の位置で火力を調節することが可能である。しかし焚火台は七輪に似た形状をしていて、加熱面積が狭く、火力の差が小さいため、同時に強火調理と弱火調理をすることは難しい。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、焚火台の上に載置して火力の異なる調理を同時に行うことが可能な焚火台用五徳を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる焚火台用五徳の代表的な構成は、加熱対象物を載置する天面と、天面より下方に配置され天面を通過不能な下部枠と、天面および下部枠の外側または内側に沿って上下方向に延びた複数の脚とを備え、下部枠には切れ目が形成されていて、脚の下部を脚の弾性により開くことが可能であることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、脚が天面および下部枠に沿っているため、複数の五徳を上下方向に積み重ね(スタック)して使用することができる。上に乗せた五徳の下部枠が下になった五徳の天面に乗るため、すなわち天面と下部枠の高さの差が、積み重ねた五徳の天面の高さに相当する。これにより、火力の異なる調理を同時に行うことが可能となる。
【0009】
また、脚を4本備え、下部枠は2つの切れ目によって2つの下部枠片に分割されていて、2つの下部枠片はそれぞれ2本の脚に接合されていることが好ましい。これにより、両手で2つの下部枠片を横に押し引きして脚先をずらすことができ、下に置いた五徳の上に容易に重ねることが可能となる。
【0010】
複数の脚は下方に開口するコの字形の線材を複数組み合わせて構成されていて、複数の脚の各々は隣接するコの字形の線材の端部を接合して構成されていて、複数のコの字形の線材の中間部は天面に沿う多角形を形成することが好ましい。脚が2本の線材を接合して構成されるため、熱や衝撃による変形に対して強くすることができる。また脚部だけでもユニット構造になっているため、全体の剛性を高めることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、焚火台の上に載置して火力の異なる調理を同時に行うことが可能な焚火台用五徳を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施形態にかかる焚火台用五徳の全体斜視図である。
図2】焚火台用五徳の3面図である。
図3】本実施形態の焚火台用五徳の使用態様図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0014】
図1は本実施形態にかかる焚火台用五徳の全体斜視図、図2は焚火台用五徳の3面図である。
【0015】
図1および図3に示すように、本実施形態にかかる焚火台用五徳100は、調理器具や食材などの加熱対象物を載置する天面110と、天面110より下方に配置された下部枠120、および脚130を備えている。焚火台用五徳100はステンレス鋼の線材および板材を溶接により接合して構成されている。
【0016】
天面110の外形は本実施形態では円形をしていて、円形の外周縁112の中に、線材で構成された網部114と、網部の外側に配置された板部116から構成される。網部114の中央には円形の開口114aを設けていて、焚火台10(図3参照)から焚火台用五徳100を外すことなく焚火台10に薪や炭を入れることができる。
【0017】
下部枠120は天面110を通過不能な形状となっている。通過不能とは、平面視において重なり合うこと、すなわち衝突することを意味していて、端的な例としては同じ外形(本実施形態では径が同じ円形)とすることができる。天面110と下部枠120の外径形状は、互いに通過不能であればよく、円同士以外にも、円と多角形、または多角形同士であってもよい。
【0018】
脚130は本実施形態では4本備えられている。脚130は天面110および下部枠120の外側に沿って上下方向に延びている。脚130を天面110および下部枠120に溶接などによって接合することにより、天面110と下部枠120を所定の高さ間隔をあけて連結している。脚130の下端(先端)は下部枠120よりも下方に突出している。なお本実施形態においては脚130は天面110および下部枠120の外側に沿わせているが、内側に沿わせてもよい。また脚130は4本に限らず、6本などであってもよい。
【0019】
ここで図1に示すように、下部枠120は2つの切れ目124によって2つの下部枠片122に分割されている。そして4本の脚130は、2つの下部枠片122にそれぞれ2本の脚130が接合されている。これにより、両手で2つの下部枠片122を横に押し引きすると、脚130の線材の弾性により、脚130を2本ずつ、その下部を開くことができる。
【0020】
なお脚を6本とする場合には、2つの下部枠片122に3本ずつの脚130を接合する。両手で下部枠片122を押し引きすることを考えると、下部枠120の分割数は2つであることが好ましい。
【0021】
脚130は下方に開口するコの字形の線材132を複数組み合わせて構成されている。コの字形の線材132の両側の折れている部分を端部132aと称し、端部132a同士を接合する部分を中間部132bと称する。1つの脚130は、隣接するコの字形の線材132の端部132aを2本接合して構成されている。脚130が2本の端部132aを接合して構成されるため、熱や衝撃による変形に対して強くすることができる。また脚部(すべてのコの字形の線材132)だけでもユニット構造になっているため、全体の剛性を高めることができる。
【0022】
中間部132bは天面110に沿う多角形を形成する。本実施形態では4つのコの字形の線材132をつきあわせているので、多角形は四角形になる。脚130が6本(コの字形の線材132が6つ)の場合は、多角形は六角形になる。この多角形を成す中間部132bによって、天面110を堅牢に支持することが可能である。
【0023】
図3は本実施形態の焚火台用五徳の使用態様図である。上記構成によれば、脚130が天面110および下部枠120に沿っているため、すなわち脚130が天面110および下部枠120とずれているから、複数の五徳100を上下方向に積み重ね(スタック)して使用することができる。五徳100を積み重ねることにより、火力の異なる調理を同時に行うことが可能となる。このとき上に乗せた五徳100の下部枠120が下になった五徳100の天面110に乗るため、天面110と下部枠120の高さの差が、積み重ねた五徳100の天面110の高さに相当する。
【0024】
また特に、下部枠片122に切れ目124が形成されていることから、積み重ねるときに、両手で2つの下部枠片122を横に押して脚130の先をずらす(広げる)ことができ、下に置いた五徳100の上に容易に重ねることが可能となる。
【0025】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は斯かる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0026】
本発明は、主として焚火台の上に設置される五徳として利用することができる。
【符号の説明】
【0027】
10…焚火台、100…五徳、110…天面、114…網部、114a…開口、116…板部、120…下部枠、122…下部枠片、124…切れ目、130…脚、132…コの字形の線材、132a…端部、132b…中間部
図1
図2
図3