IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルネサスエレクトロニクス株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023014708
(43)【公開日】2023-01-31
(54)【発明の名称】半導体装置およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20230124BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20230124BHJP
【FI】
H01L29/78 652H
H01L29/78 652F
H01L29/78 652S
H01L29/78 653A
H01L29/78 658A
H01L29/78 658F
H01L29/78 652N
H01L29/78 658L
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021118820
(22)【出願日】2021-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】302062931
【氏名又は名称】ルネサスエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】眞利子 岳比郎
(72)【発明者】
【氏名】岡本 康宏
(72)【発明者】
【氏名】長瀬 仙一郎
(57)【要約】
【課題】半導体装置の耐圧を推定することができる半導体装置を提供する。
【解決手段】ウェハ状態の半導体装置PSDでは、半導体基板SUBにおける一方の主面に、素子領域EFRとスクライブ領域SRBとが規定されている。素子領域EFRには、半導体素子TREとして、縦型のMOSトランジスタが形成されている。スクライブ領域SRBには、n型カラム領域RNCとp型カラム領域RPCとが規定されている。n型カラム領域RNCには、n型カラム抵抗体NCRが形成されている。p型カラム領域RPCには、p型カラム抵抗体PCRが形成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面および第2主面を有し、前記第1主面に、第1領域、第2領域および第3領域がそれぞれ規定され、前記第2主面に、第1導電型の基板を含む第1導電型領域が配置された半導体基板と、
前記第1領域に形成された第1カラム構造体、前記第2領域に形成された第2カラム構造体および前記第3領域に形成された第3カラム構造体を含む、前記半導体基板に形成されたカラム構造体と、
前記半導体基板における前記第2主面上に形成された裏面電極と
を備え、
前記カラム構造体は、
前記第1主面から前記第2主面に向かって、前記半導体基板に形成された埋め込み絶縁体と、
前記半導体基板における、前記第1主面から前記第2主面に向かって距離を隔てられた深さ位置から前記第1導電型領域にわたって少なくとも形成された第1導電型の第1不純物領域と、
前記半導体基板における、前記深さ位置から前記第1導電型領域にわたって少なくとも形成され、前記埋め込み絶縁体と前記第1不純物領域とに接する第2導電型の第2不純物領域と
を有し、
前記第1カラム構造体では、
前記埋め込み絶縁体は、前記第1主面から見た平面視において、互いに距離を開けて島状に形成され、
前記第1不純物領域は、前記深さ位置よりも浅い位置から前記第1導電型領域にわたって形成され、
前記第1不純物領域によって第1抵抗体が形成され、
前記第2カラム構造体では、
前記埋め込み絶縁体は、前記第1主面から見た平面視において、第1方向に帯状に延在するように形成され、
前記第2不純物領域は、前記第1主面から前記第1導電型領域にわたって形成され、かつ、帯状に延在する前記埋め込み絶縁体に接し、
帯状に延在する前記埋め込み絶縁体の一端側と他端側との間に位置する前記第2不純物領域によって第2抵抗体が形成され、
前記第3カラム構造体では、前記半導体基板に、前記第1主面と前記第2主面との間で電流の導通を行う半導体素子が形成された、半導体装置。
【請求項2】
前記第1カラム構造体は、
第1カラム構造体第1部と、
前記第1カラム構造体第1部とは距離を隔てられた第1カラム構造体第2部と
を有し、
前記第1カラム構造体第1部における前記第1不純物領域と、前記第2カラム構造体第2部における前記第1不純物領域とが、前記半導体基板における前記第1導電型領域を介して電気的に接続された、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記半導体基板における前記第1主面では、スクライブ領域と前記スクライブ領域によって仕切られた素子領域とが規定され、
前記第1領域および前記第2領域は前記スクライブ領域に配置され、
前記第3領域は前記素子領域に配置された、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第2カラム構造体における前記埋め込み絶縁体が延在する前記第1方向は、前記スクライブ領域が延在する方向である、請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
第1主面および第2主面を有し、前記第2主面に第1導電型の基板が配置された半導体基板を用意する工程と、
前記半導体基板における前記第1主面に、第1領域および第2領域を含むスクライブ領域を規定するとともに、前記スクライブ領域によって仕切られた素子領域を規定する工程と、
前記スクライブ領域における前記第1領域に第1カラム構造体を形成する工程と、前記スクライブ領域における前記第2領域に第2カラム構造体を形成する工程と、前記素子領域に第3カラム構造体を形成する工程とを含む、カラム構造体を形成する工程と、
前記第3カラム構造体が配置される領域に、前記第1主面側と前記第2主面側との間で電流の導通を行う半導体素子を形成する工程と、
前記半導体基板の前記第2主面を研磨し、研磨処理が行われた前記半導体基板の前記第2主面上に裏面電極を形成する工程と、
前記スクライブ領域に沿って前記半導体基板をダイシングすることにより、前記半導体素子が形成された前記素子領域を半導体チップとして取り出す工程と
を備え、
前記カラム構造体を形成する工程は、
前記スクライブ領域における前記第1領域に複数の第1ディープトレンチを形成する工程と、前記スクライブ領域における前記第2領域に複数の第2ディープトレンチを形成する工程と、前記素子領域に複数の第3ディープトレンチを形成する工程とを含む、前記第1主面から前記第2主面に向かって複数のディープトレンチを形成する工程と、
前記複数のディープトレンチのそれぞれを介して第1導電型の第1不純物を導入することにより、前記スクライブ領域における前記第1領域、前記第2領域および前記素子領域のそれぞれに、前記第1主面から前記基板に向かって第1導電型の第1不純物領域を形成する工程と、
前記複数のディープトレンチのそれぞれを介して第2導電型の第2不純物を導入することにより、前記複数の第1ディープトレンチ、前記複数の第2ディープトレンチおよび前記複数の第3ディープトレンチのそれぞれの内壁面に、第2導電型の第2不純物領域を形成する工程と、
前記複数のディープトレンチ内に絶縁体を充填することにより、前記第2不純物領域に接するように埋め込み絶縁体を形成する工程と
を含み、
前記第1カラム構造体を形成する工程は、前記複数の第1ディープトレンチを互いに距離を開けて形成する工程を含み、
前記第2カラム構造体を形成する工程は、前記第1主面からの平面視において、前記複数の第2ディープトレンチのうち、少なくとも一つの前記第2ディープトレンチを、前記スクライブ領域が延在する方向に沿って帯状に形成する工程を含み、
前記カラム構造体および前記半導体素子を形成した後、かつ、前記半導体基板の前記第2主面を研磨する前に、
前記第1カラム構造体における前記第1不純物領域の第1抵抗値を測定する工程と、
前記第2カラム構造体における前記第2不純物領域の第2抵抗値を測定する工程と、
前記第1抵抗値と前記第2抵抗値との比を算出することによって、前記素子領域の耐圧を見積もる工程と
を備えた、半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記第1カラム構造体を形成する工程では、
第1カラム構造体第1部と、前記第1カラム構造体第1部とは距離を隔てられた第1カラム構造体第2部とが形成され、
前記第1不純物領域を形成する工程では、前記第1カラム構造体第1部における前記第1不純物領域と、前記第1カラム構造体第2部における前記第1不純物領域とが、前記半導体基板における前記第2主面に配置された前記基板を含む、前記第2主面に形成された第1導電型領域を介して電気的に接続され、
前記第1カラム構造体における前記第1不純物領域の前記第1抵抗値を測定する工程では、前記第1抵抗値として、前記第1カラム構造体第1部における前記第1不純物領域と、前記第1カラム構造体第2部における前記第1不純物領域との間の抵抗値が測定され、
前記第2カラム構造体における前記第2不純物領域の前記第2抵抗値を測定する工程では、前記第2抵抗値として、前記第1主面から見た平面視において帯状に延在する前記第2ディープトレンチの前記内壁面に形成された前記第2不純物領域の一端側と他端側との間の抵抗値が測定される、請求項5記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記第1抵抗値を測定する工程および前記第2抵抗値を測定する工程のそれぞれでは、二端子法が用いられる、請求項5または6に記載の半導体装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置およびその製造方法に関し、たとえば、スーパージャンクション構造を備えた半導体装置に好適に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
たとえば、縦型のMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ等の半導体素子を備えたパワー系の半導体装置では、pn接合を周期的に配置させたスーパージャンクション構造が知られている。スーパージャンクション構造では、p型カラム層とn型カラム層とによって、pn接合が周期的に配置されている。
【0003】
スーパージャンクション構造を備えた半導体装置では、pn接合が周期的に配置されることで、半導体装置の耐圧(接合耐圧)が確保される。従来、半導体装置の耐圧は、p型カラム層を形成する際のp型の不純物のドーズ量と、n型カラム層を形成する際のn型の不純物のドーズ量とのドーズ量比に基づいて、耐圧が見積もられていた。なお、このようなスーパージャンクション構造を備えたパワー系の半導体装置を開示した特許文献として、たとえば、特許文献1および特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-33148号公報
【特許文献2】特開2014-154596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体装置におけるn型カラム層とp型カラム層とは、半導体基板に形成された比較的深い溝(ディープトレンチ)を介して、n型の不純物とp型の不純物とをそれぞれ注入することによって、自己整合的に半導体基板に形成されることになる。このため、ディープトレンチの形状に依存して、不純物の分布等にばらつきが生じることがある。不純物の分布等にばらつきが生じると、実際の半導体装置の耐圧もばらついてしまうことになる。
【0006】
ドーズ量比から耐圧を見積もる手法では、たとえ、不純物の分布等にばらつきが生じたとしても、耐圧は一義的に見積もられることになる。パワー系の半導体装置として、耐圧が比較的低い低耐圧の半導体装置の場合、不純物の分布のばらつきに伴って耐圧がばらついたとしても、その影響は小さい。このため、低耐圧の半導体装置に対しては、ドーズ量比から耐圧を見積もる手法が有効とされた。
【0007】
今後、この種の半導体装置としては、中耐圧以上(たとえば、80V以上)の耐圧を有する半導体装置が求められている。中耐圧以上の耐圧が要求される半導体装置の場合、不純物の分布等のばらつきに起因して耐圧がばらついた場合には、その耐圧のばらつきを無視することができなくなる。
【0008】
このため、中耐圧以上の耐圧が要求される半導体装置に対しては、耐圧を見積もるための新たな手法が求められる。すなわち、不純物の分布等のばらつきが反映されないドーズ量比から耐圧を見積もる手法に替わる新たな手法が求められる。
【0009】
発明者らは、新たな手法として、完成した半導体装置(半導体素子)の耐圧を測定する手法を考えた。この手法では、半導体装置の耐圧をより正確に測定することが可能になる。ところが、この手法によって、半導体装置の耐圧を測定する場合には、ウェハプロセスが完了した後に、半導体基板の裏面を研磨し、裏面電極を形成する必要がある。
【0010】
このため、ウェハプロセスが完了してから半導体装置の耐圧を測定するまでに時間(日数)を要することになる。そうすると、半導体装置の良・不良の判断が遅れてしまい、その結果、不良の半導体装置を検出するのが遅れることになる。
【0011】
そこで、ウェハプロセスが完了してから半導体装置の耐圧を測定するまでの時間を短縮するために、発明者らは、他の新たな手法として、耐圧を測定するためのTEG(Test Element Group)を形成する手法を考えた。TEGとして、スーパージャンクション構造を有する半導体素子に対応した、耐圧測定用の半導体素子が形成される。TEGは、製品となる半導体素子が形成される領域を避けて、スクライブ領域に形成される。
【0012】
スクライブ領域は素子領域を仕切る領域である。スクライブ領域は、最終的には、ダイシングが行われる領域であり、平面視的に帯状に延在する。このことで、TEGが配置される領域では、特に、スクライブ領域の幅方向の制約を受けてしまい、幅方向に十分な長さを確保することができない。
【0013】
このため、TEGが配置された領域において、耐圧を測定する際に広がる空乏層のうち、特に、スクライブ領域の幅方向に広がろうとする空乏層に起因して、TEG(半導体素子)がブレークダウンを起こしてしまう場合があることがわかった。
【0014】
このため、中耐圧以上の耐圧が要求される半導体装置の場合、従来のTEGによる耐圧測定では、耐圧を正確に測定することができず、半導体装置の耐圧を測定する新たな手法が求められている。
【0015】
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付の図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
一実施の形態に係る半導体装置は、半導体基板とカラム構造体と裏面電極とを備えている。半導体基板は、第1主面および第2主面を有し、第1主面に、第1領域、第2領域および第3領域がそれぞれ規定され、第2主面に、第1導電型の基板を含む第1導電型領域が配置されている。カラム構造体は、半導体基板に形成された、第1領域に形成された第1カラム構造体、第2領域に形成された第2カラム構造体および第3領域に形成された第3カラム構造体を含む。裏面電極は、半導体基板における第2主面上に形成されている。カラム構造体は、埋め込み絶縁体と第1導電型の第1不純物領域と第2導電型の第2不純物領域とを有する。埋め込み絶縁体は、第1主面から前記第2主面に向かって、半導体基板に形成されている。第1不純物領域は、半導体基板における、第1主面から第2主面に向かって距離を隔てられた深さ位置から第1導電型領域にわたって少なくとも形成されている。第2不純物領域は、半導体基板における、深さ位置から第1導電型領域にわたって少なくとも形成され、埋め込み絶縁体と第1不純物領域とに接する。第1カラム構造体では、埋め込み絶縁体は、第1主面から見た平面視において、互いに距離を開けて島状に形成されている。第1不純物領域は、深さ位置よりも浅い位置から第1導電型領域にわたって形成されている。第1不純物領域によって第1抵抗体が形成されている。第2カラム構造体では、埋め込み絶縁体は、第1主面から見た平面視において、第1方向に帯状に延在するように形成されている。第2不純物領域は、第1主面から第1導電型領域にわたって形成され、かつ、帯状に延在する埋め込み絶縁体に接している。帯状に延在する埋め込み絶縁体の一端側と他端側との間に位置する第2不純物領域によって第2抵抗体が形成されている。第3カラム構造体では、半導体基板に、第1主面と第2主面との間で電流の導通を行う半導体素子が形成されている。
【0017】
他の実施の形態に係る半導体装置の製造方法は、以下の工程を備えている。第1主面および第2主面を有し、第2主面の側に第1導電型の基板が配置された半導体基板を用意する。半導体基板における第1主面に、第1領域および第2領域を含むスクライブ領域を規定するとともに、スクライブ領域によって仕切られた素子領域を規定する。カラム構造体を形成する。カラム構造体を形成する工程は、スクライブ領域における第1領域に第1カラム構造体を形成する工程と、スクライブ領域における第2領域に第2カラム構造体を形成する工程と、素子領域に第3カラム構造体を形成する工程とを含む。第3カラム構造体が配置される領域に、第1主面側と第2主面側との間で電流の導通を行う半導体素子を形成する。半導体基板の第2主面を研磨し、研磨処理が行われた半導体基板の第2主面上に裏面電極を形成する。スクライブ領域に沿って半導体基板をダイシングすることにより、半導体素子が形成された素子領域を半導体チップとして取り出す。カラム構造体を形成する工程は、以下の工程を含む。スクライブ領域における第1領域に複数の第1ディープトレンチを形成する工程と、スクライブ領域における第2領域に複数の第2ディープトレンチを形成する工程と、素子領域に複数の第3ディープトレンチを形成する工程とを含む、第1主面から第2主面に向かって複数のディープトレンチを形成する。複数のディープトレンチのそれぞれを介して第1導電型の第1不純物を導入することにより、スクライブ領域における第1領域および第2領域ならびに素子領域のそれぞれに、第1主面から基板に向かって第1導電型の第1不純物領域を形成する。複数のディープトレンチのそれぞれを介して第2導電型の第2不純物を導入することにより、複数の第1ディープトレンチ、複数の第2ディープトレンチおよび複数の第3ディープトレンチのそれぞれの内壁面に、第2導電型の第2不純物領域を形成する。複数のディープトレンチ内に絶縁体を充填することにより、第2不純物領域に接するように埋め込み絶縁体を形成する。第1カラム構造体を形成する工程は、複数の第1ディープトレンチを互いに距離を開けて形成する工程を含む。第2カラム構造体を形成する工程は、第1主面からの平面視において、複数の第2ディープトレンチのうち、少なくとも一つの第2ディープトレンチを、スクライブ領域が延在する方向に沿って帯状に形成する工程を含む。カラム構造体および半導体素子を形成した後、かつ、半導体基板の第2主面を研磨する前に、以下の工程を備えている。第1カラム構造体における第1不純物領域の第1抵抗値を測定する。第2カラム構造体における第2不純物領域の第2抵抗値を測定する。第1抵抗値と第2抵抗値との比を算出することによって、素子領域の耐圧を見積もる。
【発明の効果】
【0018】
一実施の形態に係る半導体装置によれば、中耐圧以上の耐圧が要求される半導体装置の耐圧を見積もることができる。
【0019】
他の実施の形態に係る半導体装置の製造方法によれば、中耐圧以上の耐圧が要求される半導体装置の耐圧を見積もることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態に係る、ウェハ状態の半導体装置の平面構造の一例を示す部分平面図である。
図2】同実施の形態において、素子領域に形成された半導体素子の平面構造の一例を示す部分平面図である。
図3】同実施の形態において、図2に示される断面線III-IIIにおける部分断面図である。
図4】同実施の形態において、スクライブ領域に規定されたn型カラム領域に形成されたn型カラム抵抗体の平面構造の一例を示す部分平面図である。
図5】同実施の形態において、図4に示される断面線V-Vにおける部分断面である。
図6】同実施の形態において、スクライブ領域に規定されたp型カラム領域に形成されたp型カラム抵抗体の平面構造の一例を示す部分平面図である。
図7】同実施の形態において、図5に示される断面線VII-VIIにおける部分断面図である。
図8】同実施の形態において、半導体装置の製造方法の一工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図9】同実施の形態において、図8に示す工程の後に行われる工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図10】同実施の形態において、図9に示す工程の後に行われる工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図11】同実施の形態において、図10に示す工程の後に行われる工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図12】同実施の形態において、図11に示す工程の後に行われる工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図13】同実施の形態において、図12に示す工程の後に行われる工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図14】同実施の形態において、図13に示す工程の後に行われる工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図15】同実施の形態において、図14に示す工程の後に行われる工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図16】同実施の形態において、図15に示す工程の後に行われる工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図17】同実施の形態において、図16に示す工程の後に行われる、n型カラム抵抗体の抵抗値を測定する工程を示す断面図である。
図18】同実施の形態において、図16に示す工程の後に行われる、p型カラム抵抗体の抵抗値を測定する工程を示す断面図である。
図19】同実施の形態において、図17および図18に示す工程の後に行われる工程を示す、素子領域およびスクライブ領域の部分断面図である。
図20】比較例に係る半導体装置において、TEG領域に形成された縦型のMOSトランジスタを示す断面図である。
図21】同実施の形態において、スーパージャンクション構造におけるチャージバランスを説明するための部分断面図である。
図22】同実施の形態において、n型不純物のドーズ量とn型カラム抵抗体の抵抗値との関係の一例を示すグラフである。
図23】同実施の形態において、p型不純物のドーズ量とp型カラム抵抗体の抵抗値との関係の一例を示すグラフである。
図24】同実施の形態において、n型カラム抵抗体の抵抗値とp型カラム抵抗体の抵抗値との比と、耐圧との関係の一例を示すグラフである。
図25】同実施の形態において、n型カラム抵抗体の抵抗値とp型カラム抵抗体の抵抗値との比と、推定耐圧との関係の一例を示すグラフである。
図26】同実施の形態において、推定耐圧と実測定耐圧との関係の一例を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
実施の形態に係る半導体装置の一例として、半導体基板をダイシングする前のウェハ状態の半導体装置について説明する。
【0022】
図1に示すように、ウェハ状態の半導体装置PSDでは、半導体基板SUBにおける一方の主面(第1主面)に、素子領域EFRとスクライブ領域SRBとが規定されている。素子領域EFRの平面形状は、たとえば、四角形である。素子領域EFRは、スクライブ領域SRBによって仕切られている。スクライブ領域SRBは、所定の幅をもって一方向に帯状に延在するとともに、一方向と略直交する他の方向に帯状に延在するように規定されている。
【0023】
素子領域EFR(第3領域)には、半導体素子TREとして、たとえば、縦型のMOSトランジスタが形成されている。スクライブ領域SRBには、n型カラム領域RNC(第1領域)とp型カラム領域RPC(第2領域)とが規定されている。n型カラム領域RNCには、n型カラム抵抗体NCRが形成されている。p型カラム領域RPCには、p型カラム抵抗体PCRが形成されている。後述するように、n型カラム抵抗体NCRとp型カラム抵抗体PCRとが、半導体装置PSDの耐圧の推定に寄与する。
【0024】
なお、この実施の形態では、図1に示すように、素子領域EFRに対して、n型カラム領域RNCが一のスクライブ領域SRBに規定され、p型カラム領域RPCが他のスクライブ領域SRBに規定された場合について説明するが、このような配置態様に限られない。たとえば、素子領域EFRに対して、一のスクライブ領域SRBに、n型カラム領域RNCとp型カラム領域RPCとの双方を規定してもよい。具体的には、素子領域EFRに対して、一のスクライブ領域SRBに、n型カラム領域RNCとp型カラム領域RPCとが、互いに隣り合うように規定されていてもよい。
【0025】
次に、素子領域EFRの平面構造と断面構造とについて詳しく説明する。図2および図3に示すように、素子領域EFRには、埋め込み絶縁体ZOF、n型カラム層NCL(第1不純物領域)、p型カラム層PCL(第2不純物領域)および半導体素子TRE等が形成されている(第3カラム構造体)。
【0026】
図3に示すように、まず、半導体基板SUBにおける他方の主面(第2主面)には、他方の主面に配置されたn++型の基板NPSBと、n型層NFRとを含むn型領域NRが形成されている。後述するように、n型層NFRは、製造工程中において、n++型の基板NPSBから拡散したn型の不純物によって形成されている。埋め込み絶縁体ZOFは、半導体基板SUBの一方の主面からn型領域NRにわたって形成されている。埋め込み絶縁体ZOFは、ディープトレンチDTC内に形成されている。埋め込み絶縁体ZOFは、半導体基板SUBの一方の主面から見た平面視において、互いに距離を開けて島状(千鳥配置)に配置されている。
【0027】
半導体基板SUBには、半導体素子TREとして、縦型のMOSトランジスタが形成されている。半導体基板SUBの一方の主面(第1主面)から所定の深さ(深さ位置)にわたって、p型のベース拡散層BDLが形成されている。ベース拡散層BDLには、半導体基板SUBの一方の主面からベース拡散層BDLの底よりも浅い位置にわたって、n型のソース拡散層SDLが形成されている。
【0028】
半導体基板SUBの一方の主面から、ベース拡散層BDLを貫通するようにゲートトレンチTRCが形成されている。ゲートトレンチTRC内に、ゲート絶縁膜GIFを介在させて、ゲート電極TGELが形成されている。ゲートトレンチTRC(ゲート電極TGEL)の側方に、n型のソース拡散層SDLが配置されている。ゲート電極TGELは、半導体基板SUBの一方の主面から見た平面視において、メッシュ状に形成されている。メッシュ状に配置されたゲート電極TGELによって囲まれた領域に、埋め込み絶縁体ZOFが配置されている。
【0029】
n型カラム層NCLは、半導体基板SUBにおける、ベース拡散層BDLの底(深さ位置)からn型領域NRにわたって形成されている。p型カラム層PCLは、n型カラム層NCLと埋め込み絶縁体ZOFとの間に形成されている。p型カラム層PCLは、n型カラム層NCLと埋め込み絶縁体ZOFとに接するように形成されている。p型カラム層PCLは、半導体基板SUBにおける、ベース拡散層BDLの底(深さ位置)からn型領域NRにわたって形成されている。
【0030】
また、図3に示すように、半導体基板SUBの一方の主面に規定された素子領域EFRを覆うように、保護絶縁膜TPFおよび層間絶縁膜ILFが形成されている。層間絶縁膜ILFの上にソース電極SELが形成されている。ソース電極SELは、コンタクトCTNPを介して、ソース拡散層SDLおよびベース拡散層BDLと電気的に接続されている。また、層間絶縁膜ILFの上には、ゲート電極TGELと電気的に接続されたゲート電極パッド(図示せず)が形成されている。
【0031】
一方、図3に示すように、半導体基板SUBの他方の主面(第2主面)上には、裏面電極BELが形成されている。裏面電極BELは、半導体基板SUBにおける他方の主面(第2主面)に配置されたn++型の基板NPSBを含むn型領域NRと電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、このn++型の基板NPSBは、縦型のMOSトランジスタを構成するドレインである。この縦型のMOSトランジスタでは、ゲート電極TGELに所望の電圧を印加することによって、ソース電極SELと裏面電極BELとの間で、電流の導通が行われる。
【0032】
次に、n型カラム領域RNCの平面構造と断面構造とについて詳しく説明する。図4および図5に示すように、スクライブ領域SRBには、n型カラム領域RNC1とn型カラム領域RNC2との2つのn型カラム領域RNCが規定されている。n型カラム領域RNC1とn型カラム領域RNC2とは、スクライブ領域SRBが延在する方向に距離を開けて規定されている。n型カラム領域RNC1およびn型カラム領域RNC2のそれぞれには、n型カラム層NCLN(第1不純物領域)、p型カラム層PCLN(第2不純物領域)および埋め込み絶縁体ZOF等が形成されている(第1カラム構造体、第1カラム構造体第1部、第1カラム構造体第2部)。
【0033】
n型カラム領域RNC1では、半導体基板SUBにおける、一方の主面(第1主面)からベース拡散層BDLの底(深さ位置)よりも浅い位置にわたり、n型拡散層NDL1が形成されている。n型カラム領域RNC2では、半導体基板SUBにおける、一方の主面(第1主面)からベース拡散層BDLの底(深さ位置)よりも浅い位置にわたり、n型拡散層NDL2が形成されている。n型カラム領域RNC1およびn型カラム領域RNC2のそれぞれでは、n型カラム層NCLNは、半導体基板SUBにおける、ベース拡散層BDLの底(深さ位置)よりも浅い位置からn型領域NRにわたって形成されている。n型拡散層NDL1の不純物濃度は、n型カラム層NCLNの不純物濃度よりも高い。n型拡散層NDL2の不純物濃度は、n型カラム層NCLNの不純物濃度よりも高い。
【0034】
また、n型カラム領域RNC1およびn型カラム領域RNC2のそれぞれでは、p型カラム層PCLNは、半導体基板SUBにおける、ベース拡散層BDLの底(深さ位置)よりも浅い位置からn型領域NRにわたって形成されている。p型カラム層PCLNは、n型カラム層NCLNと埋め込み絶縁体ZOFとの間に形成されている。p型カラム層PCLNは、n型カラム層NCLNと埋め込み絶縁体ZOFとに接するように形成されている。n型カラム抵抗体NCRは、実質的にn型カラム層NCLNによって構成される。
【0035】
埋め込み絶縁体ZOFは、半導体基板SUBの一方の主面からn型領域NRにわたって形成されている。埋め込み絶縁体ZOFは、半導体基板SUBの一方の主面から見た平面視において、互いに距離を開けて島状(千鳥配置)に配置されている。半導体基板SUBの一方の主面に規定されたn型カラム領域RNCを覆うように、保護絶縁膜TPFおよび層間絶縁膜ILFが形成されている。
【0036】
層間絶縁膜ILFの上に電極ENが形成されている。電極ENは、電極EN1と電極EN2とを含む。電極EN1は、n型カラム領域RNC1に形成されている。電極EN2は、n型カラム領域RNC2に形成されている。電極EN1は、コンタクトCTNおよびn型拡散層NDL1を介してn型カラム層NCLNに電気的に接続されている。電極EN2は、コンタクトCTNおよびn型拡散層NDL2を介してn型カラム層NCLNに電気的に接続されている。
【0037】
n型カラム領域RNC1におけるn型カラム層NCLNと、n型カラム領域RNC2におけるn型カラム層NCLNとは、半導体基板SUBにおけるn++型の基板NPSB(n型領域NR)を介して電気的に接続されている。後述するように、たとえば、二端子法により、電極EN1と電極EN2との間に電流を流すことによって、n型カラム抵抗体NCR(n型カラム層NCLN)の抵抗値が測定される。
【0038】
次に、p型カラム領域RPCの平面構造と断面構造とについて詳しく説明する。図6および図7に示すように、スクライブ領域SRBには、p型カラム領域RPCが規定されている。p型カラム領域RPCには、n型カラム層NCLP(第1不純物領域)、p型カラム層PCLP(第2不純物領域)および埋め込み絶縁体ZOF等が形成されている(第2カラム構造体)。
【0039】
埋め込み絶縁体ZOFは、埋め込み絶縁体ZOFLを含む。埋め込み絶縁体ZOFLは、半導体基板SUBの一方の主面から見た平面視において、スクライブ領域SRBが延在する方向に沿って帯状に延在するように形成されている。埋め込み絶縁体ZOFL(ZOF)は、半導体基板SUBの一方の主面からn型領域NRにわたって形成されている。
【0040】
埋め込み絶縁体ZOFは、埋め込み絶縁体ZOFLを含む。埋め込み絶縁体ZOFLは、半導体基板SUBの一方の主面から見た平面視において、スクライブ領域SRBが延在する方向に沿って帯状に延在するように形成されている。埋め込み絶縁体ZOFL(ZOF)は、半導体基板SUBの一方の主面(第1主面)からn型領域NRにわたって形成されている。
【0041】
p型カラム層PCLPは、半導体基板SUBにおける一方の主面(第1主面)からn型領域NRにわたって形成されている。p型カラム層PCLPは、帯状に延在する埋め込み絶縁体ZOFLとn型カラム層NCLNとの間に形成されている。p型カラム層PCLPは、帯状に延在する埋め込み絶縁体ZOFLとn型カラム層NCLNとに接するように形成されている。
【0042】
また、p型カラム領域RPCでは、p型拡散層PDL1とp型拡散層PDL2とがそれぞれ形成されている。p型拡散層PDL1およびp型拡散層PDL2のそれぞれは、半導体基板SUBにおける一方の主面(第1主面)から所定の深さ(深さ位置)にわたって形成されている。p型拡散層PDL1とp型拡散層PDL2とは、スクライブ領域SRBが延在する方向に距離を隔てて形成されている。
【0043】
p型拡散層PDL1は、埋め込み絶縁体ZOFLの一端側において、p型カラム層PCLPに接している。p型拡散層PDL2は、埋め込み絶縁体ZOFLの他端側において、p型カラム層PCLPに接している。p型拡散層PDL1の不純物濃度は、p型カラム層PCLPの不純物濃度よりも高い。p型拡散層PDL2の不純物濃度は、p型カラム層PCLPの不純物濃度よりも高い。p型カラム抵抗体PCRは、実質的にp型カラム層PCLPによって構成される。
【0044】
n型カラム層NCLPは、半導体基板SUBにおける、ベース拡散層BDLの底(深さ位置)からn型領域NRにわたって形成されている。また、p型カラム領域RPCにおいて、p型拡散層PDL1とp型拡散層PDL2とが形成されていない領域では、n型カラム層NCLPは、半導体基板SUBの一方の主面からn型領域NRにわたって形成されている。
【0045】
半導体基板SUBの一方の主面に規定されたp型カラム領域RPCを覆うように、保護絶縁膜TPFおよび層間絶縁膜ILFが形成されている。層間絶縁膜ILFの上に、電極EPが形成されている。電極EPは、電極EP1と電極EP2とを含む。電極EP1は、コンタクトCTPおよびp型拡散層PDL1を介して、p型カラム層PCLPに電気的に接続されている。電極EP2は、コンタクトCTPおよびp型拡散層PDL2を介して、p型カラム層PCLPに電気的に接続されている。後述するように、たとえば、二端子法により、電極EP1と電極EP2との間に電流を流すことによって、p型カラム抵抗体PCR(p型カラム層PCLP)の抵抗値が測定される。
【0046】
なお、ここでは、ウェハ状態の半導体装置PSDを例に挙げて説明した。最終的に、半導体装置PSDとしては、スクライブ領域SRBをダイシングし、素子領域EFRを半導体チップとして取り出した態様の半導体装置PSDとなる。
【0047】
また、スクライブ領域SRBにn型カラム領域RNCとp型カラム領域RPCとを規定した場合を例に挙げて説明した。素子領域EFRの占有面積に、n型カラム領域RNCとp型カラム領域RPCとを規定する余裕があれば、素子領域EFRに、n型カラム領域RNCとp型カラム領域RPCとを配置してもよい。この場合には、半導体チップとして取り出された半導体装置PSDに、n型カラム抵抗体NCRとp型カラム抵抗体PCRとが残ることになる。
【0048】
次に、上述した半導体装置PSDの製造方法の一例について説明する。まず、n++型の基板NPSBおよびp型エピタキシャル層PELを有する半導体基板SUB(図8参照)を用意する。次に、半導体基板SUBの一方の主面に、素子領域EFRとスクライブ領域SRBとが規定される。
【0049】
また、スクライブ領域SRBには、n型カラム領域RNCとp型カラム領域RPCとが規定される(図1および図8参照)。なお、n型カラム領域RNCとp型カラム領域RPCとについては、構造の対称性を考慮し、製造工程を示す図面では、それぞれ、およそ半分の領域を示すこととする。
【0050】
次に、素子領域EFRに位置するp型エピタキシャル層PELの表面から所定の深さのゲートトレンチが形成される。次に、熱酸化処理を行うことによって、ゲートトレンチ内に露出したp型エピタキシャル層PELの部分を含むp型エピタキシャル層PELの表面に、シリコン酸化膜が形成される。次に、ゲートトレンチ内を充填するように、たとえば、ポリシリコン膜が形成される。
【0051】
次に、p型エピタキシャル層PELの上面上に位置するポリシリコン膜の部分およびシリコン酸化膜の部分が除去される。これにより、図8に示すように、ゲートトレンチTRC内に残されたシリコン酸化膜の部分がゲート絶縁膜GIFとして形成される。また、ゲートトレンチTRC内に残されたポリシリコン膜の部分が、ゲート電極TGELとして形成される。
【0052】
次に、熱処理を行うことにより、p型エピタキシャル層PELの表面に、保護絶縁膜IPF(図9参照)が形成される。次に、図9に示すように、所定の写真製版処理とエッチング処理とを行うことによって、素子領域EFR、n型カラム領域RNCおよびp型カラム領域RPCのそれぞれに、ディープトレンチDTC(第1ディープトレンチ、第2ディープトレンチ、第3ディープトレンチ)が形成される。ディープトレンチDTCは、p型エピタキシャル層PELの表面からn++型の基板NPSBに向かって形成される。
【0053】
素子領域EFR、n型カラム領域RNCおよびp型カラム領域RPCのそれぞれでは、ディープトレンチDTCは、半導体基板SUBの主面から見た平面視において、互いに間隔を隔てて島状に形成される。p型カラム領域RPCでは、さらに、ディープトレンチDTCが、スクライブ領域SRBが延在する方向に沿って帯状に形成される(図6参照)。
【0054】
次に、図10に示すように、保護絶縁膜IPFおよびディープトレンチDTCを介して、n型の不純物が斜め注入される。この注入工程におけるn型の不純物のドーズ量は、たとえば、1.0×1014/cm~2.0×1014/cm程度である。次に、熱処理を行うことによって、素子領域EFRでは、n型カラム層NCLが形成される。n型カラム領域RNCでは、n型カラム層NCLNが形成される。この場合、n型カラム層NCLN(n型カラム抵抗体NCR)の抵抗値は、300Ω~600Ω程度になる。p型カラム領域RPCでは、n型カラム層NCLPが形成される。
【0055】
次に、図11に示すように、保護絶縁膜IPFおよびディープトレンチDTCを介して、p型の不純物が斜め注入される。この注入工程におけるp型の不純物のドーズ量は、たとえば、1.0×1014/cm~2.0×1014/cm程度である。p型の不純物は、ディープトレンチDTC内に露出した内壁面からp型エピタキシャル層PELの内部に向かって注入される。次に、熱処理を行うことによって、素子領域EFRでは、p型カラム層PCLが形成される。n型カラム領域RNCでは、p型カラム層PCLNが形成される。p型カラム領域RPCでは、p型カラム層PCLPが形成される。この場合、p型カラム層PCLP(p型カラム抵抗体PCR)の抵抗値は、20000Ω~30000Ω程度になる。
【0056】
次に、ディープトレンチDTCを埋め込むように、たとえば、CVD法によって、シリコン酸化膜(図示せず)が形成される。次に、たとえば、化学的機械研磨処理(CMP:Chemical Mechanical Polishing)を行うことによって、ディープトレンチDTC内に位置するシリコン酸化膜の部分を残して、半導体基板SUBの上面上に位置するシリコン酸化膜の部分が除去される。
【0057】
これにより、図12に示すように、素子領域EFR、n型カラム領域RNCおよびp型カラム領域RPCのそれぞれでは、ディープトレンチDTC内に埋め込み絶縁体ZOFが形成される。p型カラム領域RPCでは、さらに、スクライブ領域SRBが延在する方向に沿って帯状に形成されたディープトレンチDTC内に、埋め込み絶縁体ZOFLが形成される。埋め込み絶縁体ZOFは、平面視的に島状に形成される。
【0058】
埋め込み絶縁体ZOFLは、平面視的に、スクライブ領域SRBが延在する方向に沿って帯状に形成される。埋め込み絶縁体ZOFLは、帯状に延在するディープトレンチDTCの内壁面に形成されたp型カラム層PCLPに接する。
【0059】
次に、熱酸化処理を行うことにより、半導体基板SUBの表面が酸化されて、保護絶縁膜TPF(図13参照)が形成される。次に、所定の写真製版処理を行うことにより、フォトレジストパターンPR1(図13参照)が形成される。次に、図13に示すように、フォトレジストパターンPR1を注入マスクとして、p型の不純物が注入される。これにより、素子領域EFRでは、ベース拡散層BDLが形成される。
【0060】
p型カラム領域RPCでは、p型拡散層PDL1とp型拡散層PDL2とが形成される。p型拡散層PDL1とp型拡散層PDL2とは、p型カラム層PCLPに接することになる。その後、フォトレジストパターンPR1が除去される。
【0061】
次に、所定の写真製版処理を行うことにより、フォトレジストパターンPR2(図14参照)が形成される。次に、図14に示すように、フォトレジストパターンPR2を注入マスクとして、n型の不純物が注入される。これにより、素子領域EFRでは、ソース拡散層SDLが形成される。n型カラム領域RNCでは、n型拡散層NDL1とn型拡散層NDL2とが形成される。n型拡散層NDL1とn型拡散層NDL2とは、n型カラム層NCLNに接することになる。その後、フォトレジストパターンPR2が除去される。
【0062】
次に、半導体基板SUB(保護絶縁膜TPF)を覆うように、層間絶縁膜ILF(図15参照)が形成される。次に、その層間絶縁膜に、所定の写真製版処理およびエッチング処理が行われる。これにより、図15に示すように、素子領域EFRでは、ソース拡散層SDLおよびベース拡散層BDLを露出する開口部CHEが形成されれる。n型カラム領域RNCでは、n型拡散層NDL1、NDL2を露出する開口部CHNが形成される。p型カラム領域RPCでは、p型拡散層PDL1、PDL2を露出する開口部CHPが形成される。
【0063】
次に、たとえば、スパッタ法等によって、層間絶縁膜ILFを覆うように、アルミニウム膜(図示せず)が形成される。次に、そのアルミニウム膜に、所定の写真製版処理およびエッチング処理が行われる。これにより、図16に示すように、素子領域EFRでは、ソース電極SELおよび電極パッド(図示せず)等が形成される。ソース電極SELは、ソース拡散層SDLとベース拡散層BDLとに接する。
【0064】
n型カラム領域RNCでは、電極ENが形成される。電極ENは、電極EN1と電極EN2とを含む。電極EN1は、n型拡散層NDL1に接する。電極EN2は、n型拡散層NDL2に接する。p型カラム領域RPCでは、電極EPが形成される。電極EPは、電極EP1と電極EP2とを含む。電極EP1は、p型拡散層PDL1に接する。電極EP2は、p型拡散層PDL2に接する。
【0065】
その後、半導体基板SUBを覆うように、たとえば、シリコン窒化膜を形成することにより、パッシベーション膜PVFが形成される。これにより、半導体基板SUBの一方の主面に、半導体素子TRE等を形成する一連のウェハプロセスが完了する。一連のウェハプロセスの間に行われる熱処理等に伴って、n++型の基板NPSBに含まれるn型の不純物が半導体基板SUBの一方の主面側に徐々に拡散し、最終的に、n型層NFRが形成されることになる。半導体基板SUBの他方の主面では、n++型の基板NPSBとn型層NFRとによって、n型領域NRが形成されることになる。
【0066】
次に、たとえば、二端子法によって、n型カラム領域RNCに形成されたn型カラム抵抗体NCRの抵抗値が測定される。図17に示すように、一方の端子を、電極EN1に接触させ、他方の端子を電極EN2に接触させる。抵抗測定器RMSから、一方の端子と他方の端子との間に所定の電流を流すことによって、電極EN1と電極EN2との間の抵抗値が測定される。すなわち、n型拡散層NDL1、n型カラム層NCLN、n++型の基板NPSB、n型カラム層NCLNおよびn型拡散層NDL2を電流が流れる際の抵抗値が、n型カラム抵抗体NCRの抵抗値として測定される。
【0067】
次に、たとえば、二端子法によって、p型カラム領域RPCに形成されたp型カラム抵抗体PCRの抵抗値が測定される。図18に示すように、一方の端子を、電極EP1に接触させ、他方の端子を電極EP2に接触させる。抵抗測定器RMSから、一方の端子と他方の端子との間に所定の電流を流すことによって、電極EP1と電極EP2との間の抵抗値が測定される。すなわち、p型拡散層PDL1、p型カラム層PCLNおよびp型拡散層PDL2を電流が流れる際の抵抗値が、p型カラム抵抗体PCRの抵抗値として測定される。
【0068】
後述するように、測定されたn型カラム抵抗体NCRの抵抗値とp型カラム抵抗体PCRの抵抗値とから、n型カラム抵抗体NCRの抵抗値とp型カラム抵抗体PCRの抵抗値との比が算出されて、半導体素子TREの耐圧が推定される。
【0069】
次に、電極パッド(図示せず)等の表面に、たとえば、メッキによって金膜(図示せず)が形成される。次に、半導体基板SUBの裏面に研磨処理が行われる。図19に示すように、半導体基板SUBの厚さが所望の厚さになるまで、半導体基板SUBの裏面側に位置するn++型の基板NPSBに研磨処理が行われる。
【0070】
次に、たとえば、スパッタ法によって、研磨処理が行われた半導体基板SUBの裏面上に裏面電極BELが形成される。その後、スクライブ領域SRBに沿って半導体基板SUBをダイシングすることによって、素子領域EFRが半導体チップとして取り出される。こうして、半導体装置PSDの主要部分が完成する。
【0071】
上述した半導体装置では、n型カラム抵抗体NCRの抵抗値とp型カラム抵抗体PCRの抵抗値との比に基づいて、半導体装置PSD(半導体素子TRE)の耐圧を見積もることができる。これについて、比較例に係る半導体装置と比較して説明する。
【0072】
前述したように、中耐圧以上(たとえば、80V以上)の耐圧が要求される半導体装置においては、n型カラム層を形成するためのn型の不純物のドーズ量と、p型カラム層を形成するためのp型の不純物のドーズ量との比から半導体装置の耐圧を見積もる手法では、注入の際の不純物の分布等のばらつきが反映されない。このため、不純物のドーズ量比から耐圧を見積もる手法に替わる手法が求められている。
【0073】
発明者らは、その手法として、まず、完成した半導体装置(半導体素子)の耐圧を実際に測定する手法を考えた。ところが、この手法では、ウェハプロセスが完了した後、裏面電極が形成されるまでに時間(日数)を要し、不良の半導体装置を検出するのが遅れてしまうことになる。そこで、発明者らは、耐圧を測定するためのTEGをスクライブ領域に形成する他の手法を考えた。
【0074】
比較例に係る半導体装置として、スクライブ領域SRBに規定されたTEG領域SMOSRに形成された半導体素子としてのMOSトランジスタTTREの断面構造の一例を、図20に示す。図20に示すように、TEG領域SMOSRでは、MOSトランジスタTTREのゲート電極TGELに電気的に接続される電極ELG、ソース拡散層SDLに電気的に接続される電極ELS、n++型の基板NPSB(ドレイン)に電気的に接続される電極ELDが形成されている。なお、図3等に示される半導体素子TRE等の構成と同一部材には同一符号を付し、必要である場合を除きその説明を繰り返さないこととする。
【0075】
特に、電極ELDと電気的に接続されているn型拡散層NDLは、平面視的に、MOSトランジスタTTREが形成された領域を取り囲むように形成されている。このため、スクライブ領域SRBの幅方向では、MOSトランジスタTTREとn型拡散層NDLとの距離が制限されることになる。
【0076】
このような制約のため、TEG領域SMOSRのMOSトランジスタTTREの耐圧を測定する際に広がる空乏層のうち、スクライブ領域SRBの幅方向に広がろうとする空乏層DPLの端が、n型拡散層NDLに接触する場合があることがわかった(点線枠WK参照)。その結果、MOSトランジスタTTREがブレークダウンを起こしてしまい、MOSトランジスタTTREの耐圧を正確に測定することができなくなることが判明した。
【0077】
比較例に係る半導体装置に対して、実施の形態に係る半導体装置PSDでは、n型カラム抵抗体NCRの抵抗値とp型カラム抵抗体PCRの抵抗値との比に基づいて、半導体素子TREの耐圧が見積もられる。
【0078】
スーパージャンクション構造を有する半導体装置PSD(半導体素子TRE)の耐圧は、周期的に配置されるpn接合を形成するp型カラム層PCLの電荷量Qpとn型カラム層NCLの電荷量Qnとのチャージバランスに依存する。すなわち、半導体素子TREの耐圧は、電荷量Qpと電荷量Qnとの比(Qp/Qn)に依存する。
【0079】
発明者らは、このチャージバランス(Qp/Qn)について、電荷量Qpの逆数がp型カラム層PCLの抵抗値に対応し、電荷量Qnの逆数がn型カラム層NCLの抵抗値に対応することに着目した。この知見に基づいて、発明者らは、素子領域EFRに形成された半導体装置PSD(半導体素子TRE)の耐圧を、スクライブ領域SRBに形成されたp型カラム層PCLPの抵抗値とn型カラム層NCLNの抵抗値との比に基づいて見積もる手法を見出した。
【0080】
これについて、詳しく説明する。図21に示すように、まず、チャージバランスについて説明する。p型カラム層PCLの不純物濃度をNa、n型カラム層NCLの不純物濃度をNd、p型カラム層PCLの幅をWp、n型カラム層NCLの幅をWn、p型カラム層PCLの電荷量をQp、n型カラム層NCLの電荷量をQnとする。QpとQnとは、以下の式で表される。
【0081】
Qp=Na×Wp
Qn=Nd×Wn
このとき、p型カラム層PCLとn型カラム層NCLとを完全に空乏化させる条件、すなわち、チャージバランスが取れた状態は以下の式で表される。
【0082】
Qp=Qn
また、n型カラム層NCLの抵抗値をRRN、p型カラム層PCLの抵抗値をRRPとすると、QnとQpとについて、以下の関係式が得られる。
【0083】
Qn=1/RRN
Qp=1/RRP
そうすると、素子領域では、チャージバランスについて、以下の関係式が得られる。
【0084】
Qp/Qn=RRN/RRP
一方、スクライブ領域SRBに形成される、n型カラム層NCLNを含むn型カラム抵抗体NCRの抵抗値は、素子領域EFRに形成されるn型カラム層NCLの抵抗値そのものではない。しかしながら、n型カラム層NCLNは、n型カラム層NCLを形成する工程と同じ工程において同時に形成されることから、n型カラム抵抗体NCRの抵抗値は、n型カラム層NCLの抵抗値に比例した抵抗値を有する。
【0085】
また、スクライブ領域SRBに形成される、p型カラム層PCLPを含むp型カラム抵抗体PCRの抵抗値は、素子領域EFRに形成されるp型カラム層PCLの抵抗値そのものではない。しかしながら、p型カラム層PCLPは、p型カラム層PCLを形成する工程と同じ工程において同時に形成されることから、p型カラム抵抗体PCRの抵抗値は、p型カラム層PCLの抵抗値に比例した抵抗値を有する。
【0086】
このことから、スクライブ領域SRBに形成されるn型カラム抵抗体NCRの抵抗値をRNJとし、p型カラム抵抗体PCRの抵抗値をRPJとすると、素子領域EFRにおけるチャージバランスは、以下のような比例関係を有することがいえる。
【0087】
Qp/Qn∝RNJ/RPJ
次に、発明者らは、n型カラム抵抗体NCRの抵抗値とp型カラム抵抗体PCRの抵抗値とについて、ドーズ量との関係を評価した。n型カラム抵抗体NCR(n型カラム層NCL)を形成する際のn型の不純物のドーズ量と、n型カラム抵抗体NCRの抵抗値との関係を評価した結果を、図22に示す。p型カラム抵抗体PCR(p型カラム層PCL)を形成する際のp型の不純物のドーズ量と、p型カラム抵抗体PCRの抵抗値との関係を評価した結果を、図23に示す。
【0088】
図22に示すグラフの横軸は、n型の不純物のドーズ量であり、縦軸は、n型カラム抵抗体NCRの抵抗値である。図23に示すグラフの横軸は、p型の不純物のドーズ量であり、縦軸は、p型カラム抵抗体PCRの抵抗値である。図22および図23のそれぞれにおいて、丸印は平均値を示す。丸印に対して上方と下方とにそれぞれ示されている横線はエラーバーを示す。
【0089】
図22および図23に示すように、同一のn型(p型)の不純物のドーズ量に対して、n型カラム抵抗体NCR(p型カラム抵抗体PCR)の抵抗値には、多少のばらつきがあるものの、n型カラム抵抗体NCR(p型カラム抵抗体PCR)の抵抗値は、ドーズ量に比例していることがわかる。抵抗値のばらつきは、たとえば、ディープトレンチに起因する不純物の分布のばらつき等のウェハプロセスにおけるばらつきによるものと考えられる。言い換えれば、抵抗値のばらつきは、ウェハプロセスのばらつきの影響を受けた実効的なドーズ量を反映していると考えられる。
【0090】
次に、発明者らは、抵抗値の比と、実際の半導体素子の耐圧との関係を評価した。その結果を図24に示す。図24に示すグラフの横軸は、n型カラム抵抗体NCRの抵抗値とp型カラム抵抗体PCRの抵抗値との比である。n型カラム抵抗体NCRの抵抗値は、スクライブ領域に形成したn型カラム抵抗体NCRを二端子法によって測定した抵抗値である。p型カラム抵抗体PCRの抵抗値は、スクライブ領域に形成したp型カラム抵抗体PCRを二端子法によって測定した抵抗値である。縦軸は、素子領域に形成された半導体素子について測定した耐圧(実測値)である。
【0091】
さらに、図24に、p型カラム層PCLの電荷量Qpとn型カラム層NCLの電荷量Qnとの比(Qp/Qn)から理論的に導かれる、スーパージャンクション構造の耐圧のグラフを併せて示す。図24に示すように、抵抗値の比に対する半導体素子の耐圧(丸印参照)は、電荷量の比(Qp/Qn)から理論的に導かれるスーパージャンクション構造の耐圧のグラフに沿って位置していることがわかる。このことは、素子領域EFRに形成される半導体素子TREの耐圧を、電荷の比(Qp/Qn)に替えて、スクライブ領域SRBに形成されるn型カラム抵抗体NCRの抵抗値とp型カラム抵抗体PCRの抵抗値との比によって見積もることができることを意味する。
【0092】
こうして、発明者らは、スクライブ領域SRBにn型カラム抵抗体NCRとp型カラム抵抗体PCRとをそれぞれ形成し、それぞれの抵抗値の比(RNJ/RPJ)を算出することによって、素子領域EFRに形成される半導体素子TREの耐圧を見積もる手法を見出した。発明者らによって取得された、抵抗値の比(RNJ/RPJ)と推定耐圧との関係を表すグラフを、図25に示す。このグラフに基づいて、抵抗値の比(RNJ/RPJ)から半導体素子TREの耐圧を推定することができる。
【0093】
抵抗値の比(RNJ/RPJ)から見積もられる耐圧(推定耐圧)と、実際の半導体素子TREについて測定された耐圧(実測値)との関係を表すグラフを、図26に示す。抵抗値の比(RNJ/RPJ)から見積もられる推定耐圧は、実測した耐圧(実測値)に対して、±2~3%程度の範囲内にあることがわかり、非常に高い相関関係を有していることが確認された。
【0094】
この抵抗値の比(RNJ/RPJ)と推定耐圧との関係をあらかじめ取得しておくことで、半導体基板へのウェハプロセスが完了した時点において得られる抵抗値の比から、半導体素子TRE(半導体装置PSD)の耐圧を見積もることができる。これにより、ウェハプロセスが完了した時点で、所望の耐圧を満たさない不良の半導体素子を検出することができ、裏面研磨処理等を行う前に早期に不良の半導体素子を排除することができる。
【0095】
また、n型カラム抵抗体NCRおよびp型カラム抵抗体PCRのそれぞれの抵抗値を測定することで、n型カラム層NCL、NCLN、NCLPおよびp型カラム層PCL、PCLN、PCLPのそれぞれにおける不純物の分布等のばらつきを含む実効的なドーズ量を確認することができる。
【0096】
さらに、n型カラム抵抗体NCRおよびp型カラム抵抗体PCRのそれぞれの抵抗値を測定することによって半導体素子TREの耐圧を見積もることができ、TEG領域SMOSRのように空乏層の広がりを考慮する必要がない。これにより、半導体基板SUBにおいて、n型カラム領域RNCおよびp型カラム領域RPCの占有面積として、TEG領域SMOSRの占有面積よりも、小さくすることができる。
【0097】
さらに、n型カラム抵抗体NCRおよびp型カラム抵抗体PCRのそれぞれの抵抗値を測定する際には、一般的な抵抗測定器を使用することができ、生産コストの上昇を抑えることができる。
【0098】
なお、実施の形態において説明した半導体装置については、必要に応じて種々組み合わせることが可能である。
【0099】
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0100】
PSD 半導体装置、EFR 素子領域、TRE 半導体素子、SRB スクライブ領域、RNC、RNC1、RNC2 n型カラム領域、NCR n型カラム抵抗体、NCLN n型カラム層、PCLN p型カラム層、NDL1、NDL2 n型拡散層、CTN コンタクト、EN、EN1、EN2 電極、RPC p型カラム領域、PCR p型カラム抵抗体、NCLP n型カラム層、PCLP p型カラム層、PDL1、PDL2 p型拡散層、CTP コンタクト、EP、EP1、EP2 電極、NPSB 基板、NFR n型層、NR n型領域、PEL p型エピタキシャル層、SUB 半導体基板、TRC ゲートトレンチ、GIF ゲート絶縁膜、TGEL ゲート電極、DTC ディープトレンチ、ZOF、ZOFL 埋め込み絶縁体、PCL p型カラム層、NCL n型カラム層、IPF 保護絶縁膜、TPF 保護絶縁膜、BDL ベース拡散層、SDL ソース拡散層、NDL n型拡散層、ILF 層間絶縁膜、CHE、CHN、CHP 開口部、SEL ソース電極、DEL ドレイン電極、CTNP コンタクト、PVF パッシベーション膜、BEL 裏面電極、PR1、PR2 フォトレジストパターン、RMS 抵抗測定器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26