(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023147128
(43)【公開日】2023-10-12
(54)【発明の名称】電話遠隔制御システム、電話遠隔制御方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/00 20060101AFI20231004BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20231004BHJP
H04Q 3/58 20060101ALI20231004BHJP
【FI】
H04M3/00 A
G06F21/31
H04Q3/58 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022054707
(22)【出願日】2022-03-29
(71)【出願人】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】瀧 比佐男
(72)【発明者】
【氏名】會田 淳一
【テーマコード(参考)】
5K049
5K201
【Fターム(参考)】
5K049AA15
5K049BB05
5K049BB17
5K049FF36
5K049KK02
5K201AA05
5K201AA09
5K201CB05
5K201CB11
5K201EA08
5K201EC03
5K201ED02
5K201EF09
5K201FB01
5K201FB02
5K201FB05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】媒体を用いた操作をすることなく内線番号を設定してログインでき、かつ、簡易な操作で遠隔ログアウトする電話遠隔制御システム及び方法を提供する。
【解決手段】システムは、第1の電話機は、利用者の内線番号を第2の電話機に移動させるためのフリーシーティング機能を設定するキー設定部と、ログイン操作を受け付けて第1の電話機による通話を制御し、内線番号と第1のキー情報とを交換機に送信する電話機制御部とを有する。交換機は、受け取った内線番号と第1のキー情報とフリーシーティング機能の使用状況とを対応付けた電話機情報と、ログインされた第1の電話機をログアウトさせるための第2のキー情報と認証情報とを記憶する記憶部と、第1の電話機に対して第1のキー情報による内線番号でのログインを許可し、第2の電話機から解除情報を受け取り、フリーシーティング機能を解除し、第1の電話機をログアウトさせる交換機制御部とを、有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フリーアドレスを有した第1の電話機と、前記第1の電話機とは異なる場所に設置された第2の電話機と、ネットワークを介した前記第1の電話機と前記第2の電話機との間の通話の接続を制御する交換機と、を有した電話遠隔制御システムであって、
前記第1の電話機は、
前記第1の電話機に設定された利用者の内線番号を前記第2の電話機に移動させるためのフリーシーティング機能、を設定するキー操作を受け付けるキー設定部と、
入力部から入力された前記内線番号による通話を行うためのログイン操作を受け付けて前記第1の電話機による通話を制御し、前記内線番号と前記キー操作により設定された第1のキー情報とを前記交換機に送信する電話機制御部と、を有し、
前記交換機は、
前記第1の電話機から受け取った前記内線番号と前記第1のキー情報と前記内線番号による前記フリーシーティング機能の使用状況とを対応付けた電話機情報と、前記ログイン操作によりログインされた前記第1の電話機をログアウトさせるための第2のキー情報と、前記第1の電話機で前記ログイン操作を行った利用者であることを認証するための認証情報と、を記憶する記憶部と、
前記第1のキー情報により前記内線番号が前記第1の電話機に設定されたことを前記電話機情報に登録し、前記第1の電話機に対して前記第1のキー情報による前記内線番号でのログインを許可する交換機制御部と、を有し、
前記交換機の前記交換機制御部は、前記第2の電話機から、前記第2のキー情報と前記認証情報と前記内線番号とを対応付けた解除情報を受け取り、当該解除情報と前記記憶部に記憶されている前記第2のキー情報と前記認証情報とに基づいて、前記第1の電話機に設定されている前記内線番号による前記フリーシーティング機能を解除し、前記第1の電話機をログアウトさせる、
ことを特徴とする電話遠隔制御システム。
【請求項2】
前記交換機の前記交換機制御部は、前記第1の電話機の通話状態を監視し、前記第1の電話機から、通話中を解除した旨の情報を受け取った場合に、前記第1の電話機に設定されている前記内線番号による前記フリーシーティング機能を解除し、前記第1の電話機をログアウトさせる、
ことを特徴とする請求項1に記載の電話遠隔制御システム。
【請求項3】
前記交換機の前記交換機制御部は、前記第1の電話機から、通話中であるためにフリーシーティング機能の解除ができない旨の応答を受け取った場合に、前記第2の電話機に対して、規制情報を送信し、前記フリーシーティング機能の解除はできない旨を通知する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電話遠隔制御システム。
【請求項4】
フリーアドレスを有した第1の電話機と、前記第1の電話機とは異なる場所に設置された第2の電話機と、ネットワークを介した前記第1の電話機と前記第2の電話機との間の通話の接続を制御する交換機と、を有した電話遠隔制御システムで行われる電話遠隔制御方法であって、
前記第1の電話機のキー設定部が、前記第1の電話機に設定された利用者の内線番号を前記第2の電話機に移動させるためのフリーシーティング機能、を設定するキー操作を受け付け、
前記第1の電話機の電話機制御部が、入力部から入力された前記内線番号による通話を行うためのログイン操作を受け付けて前記第1の電話機による通話を制御し、前記内線番号と前記キー操作により設定された第1のキー情報とを前記交換機に送信し、
前記交換機の記憶部が、前記第1の電話機から受け取った前記内線番号と前記第1のキー情報と前記内線番号による前記フリーシーティング機能の使用状況とを対応付けた電話機情報と、前記ログイン操作によりログインされた前記第1の電話機をログアウトさせるための第2のキー情報と、前記第1の電話機で前記ログイン操作を行った利用者であることを認証するための認証情報と、を記憶し、
前記交換機の交換機制御部が、前記第1のキー情報により前記内線番号が前記第1の電話機に設定されたことを前記電話機情報に登録し、前記第1の電話機に対して前記第1のキー情報による前記内線番号でのログインを許可し、
前記交換機の前記交換機制御部が、前記第2の電話機から、前記第2のキー情報と前記認証情報と前記内線番号とを対応付けた解除情報を受け取り、当該解除情報と前記記憶部に記憶されている前記第2のキー情報と前記認証情報とに基づいて、前記第1の電話機に設定されている前記内線番号による前記フリーシーティング機能を解除し、前記第1の電話機をログアウトさせる、
ことを特徴とする電話遠隔制御方法。
【請求項5】
前記交換機の前記交換機制御部が、前記第1の電話機の通話状態を監視し、前記第1の電話機から、通話中を解除した旨の情報を受け取った場合に、前記第1の電話機に設定されている前記内線番号による前記フリーシーティング機能を解除し、前記第1の電話機をログアウトさせる、
ことを特徴とする請求項4に記載の電話遠隔制御方法。
【請求項6】
前記交換機の前記交換機制御部が、前記第1の電話機から、通話中であるためにフリーシーティング機能の解除ができない旨の応答を受け取った場合に、前記第2の電話機に対して、規制情報を送信し、前記フリーシーティング機能の解除はできない旨を通知する、
ことを特徴とする請求項4に記載の電話遠隔制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話遠隔操作システム、電話遠隔操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、政府が推進する「働き方改革」やコロナ禍におけるテレワークの拡大もあり、フリーアドレスオフィスが注目されている。フリーアドレスオフィスは、固定座席がなく自由度が高いため柔軟にチーム編成できることに加え、テレワークで在宅中の社員の座席を別の社員が利用できる等のメリットがある。また、オフィス内の座席が減少することで執務エリアの省スペース化も実現でき経費削減につながる。さらに、座席の削減に伴い固定電話の数も減少し、限られた内線をフリーアドレス環境下で有効活用することが求められている。
【0003】
フリーアドレスの普及に伴い、増加する企業の課題として電話の取次ぎがある。取引先から電話がかかってきた際に担当者の座席が日々変わってしまうため取り次ぎが難しくなってしまう。また、取引先からの電話を取った人も担当者をその都度探す必要があり、業務効率が悪くなるばかりでなく相手に電話を待たせることになってしまう。このように、フリーアドレスでは定まった座席がないため担当者の内線も固定で割振れず、電話の取次ぎがスムーズにいかないという課題がある。省スペース化によりオフィス内の座席が減少する中、限られた固定電話に自由に内線を登録できれば、従来と同様にスムーズな取次ぎが可能になる。内線番号を固定電話に柔軟に割り振ることができる上、担当者と内線番号が紐づいているのでスムーズに電話を取り次ぐことができる。また、内線登録は工事会社等による作業を必要とせずに電話機のみで登録できればユーザにとっても使い勝手が良い。
【0004】
このように、固定電話に自由に内線を登録するものとして、例えば、特許文献1に記載された技術がある。特許文献1では、固有ID情報に紐付けられた内線番号が他の第2固定電話機に使用(登録)されているか使用状況をチェックし、固有ID情報に紐付けられた内線番号が第2固定電話機に使用されている場合、第2固定電話機の内線データにおける内線番号の内線設定を解除し、前記固有ID情報に紐付けされた第1利用者の内線番号を新たに使用したい第1固定電話機に設定する、と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1では、固定電話に設定された内線番号のログアウトを忘れた場合、他の電話機から同じ内線番号を設定することで、それまで使用していた固定電話に設定された同じ内線番号を強制的に解除している。この場合、当該設定された内線番号の電話機を使用している他人に解除通知が送信されるため、当該他人の通話が一時的に阻害されてしまう。さらに、入退室管理システムと連携している場合には、入退室管理システムにより強制ログアウトされてしまうため、再入室時に再度ログイン操作が必要となり、操作が煩雑となる。さらに、上記特許文献1では、空きの電話機に内線番号を登録する際に、ICカードを電話機のICカードリーダに読み込ませることで内線登録を行う必要があるため、内線番号の登録のために媒体を所持しなければならなかった。
【0007】
本発明は、媒体を用いた操作を必要とすることなく内線番号を設定してログインでき、かつ内線番号を強制解除することなく簡易な操作で遠隔ログアウトが可能な電話遠隔制御システム、電話遠隔制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる電話遠隔制御システムは、フリーアドレスを有した第1の電話機と、前記第1の電話機とは異なる場所に設置された第2の電話機と、ネットワークを介した前記第1の電話機と前記第2の電話機との間の通話の接続を制御する交換機と、を有した電話遠隔制御システムであって、前記第1の電話機は、前記第1の電話機に設定された利用者の内線番号を前記第2の電話機に移動させるためのフリーシーティング機能、を設定するキー操作を受け付けるキー設定部と、入力部から入力された前記内線番号による通話を行うためのログイン操作を受け付けて前記第1の電話機による通話を制御し、前記内線番号と前記キー操作により設定された第1のキー情報とを前記交換機に送信する電話機制御部と、を有し、前記交換機は、前記第1の電話機から受け取った前記内線番号と前記第1のキー情報と前記内線番号による前記フリーシーティング機能の使用状況とを対応付けた電話機情報と、前記ログイン操作によりログインされた前記第1の電話機をログアウトさせるための第2のキー情報と、前記第1の電話機で前記ログイン操作を行った利用者であることを認証するための認証情報と、を記憶する記憶部と、前記第1のキー情報により前記内線番号が前記第1の電話機に設定されたことを前記電話機情報に登録し、前記第1の電話機に対して前記第1のキー情報による前記内線番号でのログインを許可する交換機制御部と、を有し、前記交換機の前記交換機制御部は、前記第2の電話機から、前記第2のキー情報と前記認証情報と前記内線番号とを対応付けた解除情報を受け取り、当該解除情報と前記記憶部に記憶されている前記第2のキー情報と前記認証情報とに基づいて、前記第1の電話機に設定されている前記内線番号による前記フリーシーティング機能を解除し、前記第1の電話機をログアウトさせる、ことを特徴とする電話遠隔制御システムとして構成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、媒体を用いた操作を必要とすることなく内線番号を設定してログインでき、かつ内線番号を強制解除することなく簡易な操作で遠隔ログアウトが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態における電話遠隔制御システムの構成例を示す図である。
【
図2】電話機、PBXの機能的な構成を示す図である。
【
図3】フリーシーティング機能を使用するためのログイン操作を行うログインシーケンスの例を示す図である。
【
図4】電話機に保持される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図3に示したログイン操作を行った電話機からログアウト操作を行うログアウトシーケンスの例を示す図である。
【
図6】電話機に保持される情報の一例を示す図である。
【
図7】フリーシーティング機能を登録前(あるいは設定解除後)の電話機のLCD、ランプ、キーの各設定、フリーシーティング機能を登録後の電話機のLCD、ランプ、キーの各設定の一例を示す図である。
【
図8】遠隔でログアウト操作を行うログアウトシーケンスの例を示す図である。
【
図9】通話中の場合において、遠隔でログアウト操作を行うログアウトシーケンスの例を示す図である。
【
図10】通話中の場合において、遠隔でログアウト操作を行うログアウトシーケンスの他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の記載および図面は、本発明を説明するための例示であって、説明の明確化のため、適宜、省略および簡略化がなされている。本発明は、他の種々の形態でも実施する事が可能である。特に限定しない限り、各構成要素は単数でも複数でも構わない。
【0012】
図面において示す各構成要素の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
【0013】
以下の説明では、「データベース」、「テーブル」、「リスト」等の表現にて各種情報を説明することがあるが、各種情報は、これら以外のデータ構造で表現されていてもよい。データ構造に依存しないことを示すために「XXテーブル」、「XXリスト」等を「XX情報」と呼ぶことがある。識別情報について説明する際に、「識別情報」、「識別子」、「名」、「ID」、「番号」等の表現を用いた場合、これらについてはお互いに置換が可能である。
【0014】
同一あるいは同様な機能を有する構成要素が複数ある場合には、同一の符号に異なる添字を付して説明する場合がある。ただし、これらの複数の構成要素を区別する必要がない場合には、添字を省略して説明する場合がある。
【0015】
また、以下の説明では、プログラムを実行して行う処理を説明する場合があるが、プログラムは、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit))によって実行されることで、定められた処理を、適宜に記憶資源(例えばメモリ)および/またはインターフェースデバイス(例えば通信ポート)等を用いながら行うため、処理の主体がプロセッサとされてもよい。同様に、プログラムを実行して行う処理の主体が、プロセッサを有するコントローラ、装置、システム、計算機、ノードであってもよい。プログラムを実行して行う処理の主体は、演算部であれば良く、特定の処理を行う専用回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit))を含んでいてもよい。
【0016】
プログラムは、プログラムソースから計算機のような装置にインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布サーバまたは計算機が読み取り可能な記憶メディアであってもよい。プログラムソースがプログラム配布サーバの場合、プログラム配布サーバはプロセッサと配布対象のプログラムを記憶する記憶資源を含み、プログラム配布サーバのプロセッサが配布対象のプログラムを他の計算機に配布してもよい。また、以下の説明において、2以上のプログラムが1つのプログラムとして実現されてもよいし、1つのプログラムが2以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0017】
図1は、本実施の形態における電話遠隔制御システムの構成例を示す図である。電話遠隔制御システムは、利用者が使用していた電話機を遠隔で制御するシステムである。
図1に示すように、電話遠隔制御システム1000は、利用者が操作する電話機100(
図1では、100A、100B)と、電話機間の通話を制御する交換機(PBX:Private branch exchange)200とが、インターネット網等の一般的なネットワークNにより接続されている。
【0018】
電話機100は、利用者が内線や外線の通話を行うための電話機であり、ハードウェアとしては、一般的な電話機(例えば、多機能電話機やPHS)を用いることができる。
【0019】
PBX200は、電話機100の内線同士の接続や、外線から内線への転送、内線から外線への接続等を行う交換機であり、ハードウェアとしては、一般的な電話機を用いることができる。
【0020】
図2は、電話機100、PBX200の機能的な構成を示す図である。まず、電話機100について説明する。
図2に示すように、電話機100は、表示制御部101、状態制御部102、呼制御部103、音声制御部104、IP制御部105を有する。呼制御部103は、ランプ情報1031、キー情報1032をメモリ等の記憶媒体から読み出して保持する。ランプ情報1031は、ランプ107が滅灯、あるいは点灯しているのかを示す表示情報であり、キー情報1032に対応付けて保持される。キー情報1032は、フリーシーティング機能を使用中であるか否かを示す情報であり、ランプ情報1031に対応付けて保持される。例えば、キー情報1032として、フリーシーティング機能をファンクションキーにより使用している場合には、ファンクションキー「F1」に対応付けて、ランプ情報1031「点灯」が記憶される。また、フリーシーティング機能を使用中でない場合は、ファンクションキーが設定されていないことを示す「-」に対応付けて、ランプ情報1031「滅灯」が記憶される。
【0021】
さらに電話機100は、内線番号等の通話情報を表示するディスプレイであるLCD106と、上記フリーシーティング機能を使用中であるか否かを表示するランプ107と、フリーシーティング機能を使用する際、あるいは使用を解除する際に押下するファンクションキー(フリーシーティングキー)108と、プロセッサ109とを有する。フリーシーティング(FS)機能とは、ある電話機に設定した内線番号を、別の電話機に移動させる機能であり、例えば、フリーアドレスのIP電話機を、利用者のIP電話機として使用するものである。
【0022】
プロセッサ109は、電話機100の各種機能を制御する演算装置である。プロセッサ109が、所定のプログラムを実行することにより、表示制御部101、状態制御部102、呼制御部103、音声制御部104、IP制御部105をはじめとする電話機100の各機能を実現することができる。電話機100に記憶され、あるいは処理に用いられる様々なデータは、プロセッサ109が図示しないメモリから読み出して利用することにより実現可能である。表示制御部101、状態制御部102、呼制御部103、音声制御部104、IP制御部105といった電話機100が有する各部の具体的な動作については、シーケンスを用いて後述するが、以下に説明していない動作については、電話機100として一般的な動作を行っているものとする。
【0023】
PBX200は、記憶領域201、呼制御部202、IP制御部203、プロセッサ204を有する。記憶領域201は、認証番号2011、解除キー情報2012、電話機情報2013を保持する。電話機情報2013は、内線番号2014、使用状況2015、キー情報2016を保持する。
【0024】
認証番号2011は、フリーシーティング機能を解除するための情報であり、PBX200にあらかじめ保持されている。認証番号2011は、例えば、4桁の数値「9999」で表すことができ、利用者ごとに定められる。つまり、認証番号2011は、電話機100でログイン操作を行った利用者であることを認証するための認証情報である。
【0025】
解除キー情報2012は、フリーシーティング機能を解除するための情報であり、PBX200にあらかじめ保持されている。解除キー情報2012は、電話機100のファンクションキーのうち、あらかじめフリーシーティング機能を解除する際に使用するキー(例えば、F10のファンクションキー)として記憶されている。
【0026】
電話機情報2013は、電話機100のフリーシーティング機能の使用に関する設定を記憶した情報である。電話機情報2013には、内線番号2014、使用状況2015、キー情報2016を含む。
【0027】
内線番号2014は、フリーシーティング機能が設定されている電話機の内線番号を示す情報である。使用状況2015は、電話機100に対するフリーシーティング機能の設定状況(登録完了、解除完了、-(未設定))を示す情報である。キー情報2016は、電話機100のどのファンクションキー(例えば、F1)を用いてフリーシーティング機能が設定されたのかを示す情報である。
【0028】
プロセッサ204は、PBX200の各種機能を制御する演算装置である。プロセッサ204が、所定のプログラムを実行することにより、呼制御部202、IP制御部203をはじめとするPBX200の各機能を実現することができる。PBX200に記憶され、あるいは処理に用いられる様々なデータは、プロセッサ204が図示しないメモリから読み出して利用することにより実現可能である。呼制御部202、IP制御部203といったPBX200が有する各部の具体的な動作については、シーケンスを用いて後述するが、以下に説明していない動作については、PBX200として一般的な動作を行っているものとする。
【0029】
図3は、利用者が電話機100の受話器を取り、フリーシーティング機能を使用して通話を行うためのログイン操作を行うログインシーケンスの例を示す図である。以下のログインシーケンスでは、未使用の電話機100(IP電話機A)に内線番号「30002」を登録する際の動作を例に説明する。
【0030】
図3に示すように、まず、初期状態として、電話機100は、内線番号(仮番号)「90000」でログインされている状態にあるものとする(S301)。このときの、PBX200、電話機100に保持される情報を
図4に示す。この時点では、仮番号でログイン中の状態であるため、内線通話等、電話機としての機能は設定されていない。
図4では、PBX200には、左から、内線番号、使用状況、キー情報の順に、「90000、-、-」が電話機情報2013として設定されている。「-」は未使用あるいは未設定をあらわす。
【0031】
内線番号は電話機100に設定されている内線番号である。使用状況は、電話機100がフリーシーティング機能を使用しているか否かを示す情報である。キー情報は、フリーシーティング機能が電話機100のどのキーに割り当てられているかを示す情報である。また、電話機100についてもPBX200と同様に、内線表示、ランプ情報、キー情報の順に、「90000、-、-」が設定されている。内線表示は、電話機100に設定されている内線番号がLCD106に表示されている情報である。ランプ情報は、電話機のランプ107の状態を示す情報である。キー情報は、フリーシーティング機能が割り当てられている電話機100のファンクションキーを示す情報である。
【0032】
その後、電話機100からフリーシーティングキー108が押下されると(S302)、状態制御部102が、押下されたファンクションキーのキー情報(例えば、ファンクションキー「F1」)を、呼制御部103に出力し、IP制御部105が、当該キー情報をPBX200に送信する(S303)。
【0033】
PBX200のIP制御部203は、電話機100から上記キー情報を受け取ると、当該キー情報で識別されるファンクションキーを点滅させる指示を送信する(S304)。電話機100のIP制御部105が当該指示を受け取ると、呼制御部103は、表示制御部101に対して、ファンクションキー「F1」に対応付けて設置されているランプ107を点滅させる指示を出力し、表示制御部101が当該ランプ107を点滅させる。S304が終了した時点では、
図4に示すように、PBX200ではキー情報2016(F1)が更新されて保持され、電話機100ではキー情報1032(F1)およびランプ情報1031(点滅)が更新されて保持される。
【0034】
この状態で、利用者は、自身の内線番号「30002」を、図示しないプッシュボタンを押下してダイヤルすると(S305)、呼制御部103が当該内線番号をIP制御部105に出力し、IP制御部105は、その内線番号をPBX200に送信する(S306)。
【0035】
PBX200のIP制御部203は、電話機100から上記内線番号を受け取ると、電話機100に、S304で「点滅」を指示したファンクションキーに対して「点灯」する指示を送信するとともに(S307)、フリーシーティング機能の「登録完了」を示す旨の情報を送信する(S308)。
【0036】
利用者は、図示しない受話器を置く等のオンフック操作を行うと(S309)、電話機100の呼制御部103は、その操作信号をIP制御部105に出力し、IP制御部105は、上記操作信号をPBX200に送信する(S310)。
【0037】
電話機100から上記操作信号を受け取ると、PBX200のIP制御部203は、当該電話機に対するフリーシーティング機能の登録が完了した旨の通知を送信する(S311)。これにより、電話機100は、これまでの設定を記憶して確定させ、ファンクションキーによるフリーシーティング機能の登録を完了させる(S312)。この時点では、
図4に示すように、PBX200の内線番号、使用状況、キー情報には、それぞれ「30002、登録完了、F1」が電話機情報2013として記憶され、電話機100の内線番号、ランプ情報1031、キー情報1032には、それぞれ、「30002、点灯、F1」が記憶されることとなる。
【0038】
フリーシーティング機能が登録されると、電話機100のIP制御部105は、登録した内線番号(例えば、「30002」)でのログイン要求をPBX200に送信し(S313)、PBX200のIP制御部203は、保持している電話機100についての電話機情報2013として、「30002、登録完了、F1」を送信してログイン要求に対して許可する応答をする(S314)。
【0039】
電話機100のIP制御部105は、当該応答を受けると、登録した内線番号「30002」でログインを行い(S315)、
図4に示すように、これまでのキー情報1032の内容「F1」が、ファンクションキーによるフリーシーティング機能のへのログインが完了したことを示すキー情報1032の内容「F1(ログイン)」として更新され、保持される。これにより、フリーシーティング機能を登録した場合、PBX200と電話機100との間で同期をとることができる。
【0040】
続いて、
図3に示したログイン操作を行った電話機からログアウト操作を行う処理について説明する。
図5は、
図3に示したログイン操作を行った電話機からログアウト操作を行うログアウトシーケンスの例を示す図である。
【0041】
図5に示すように、電話機100は、
図3に示したログインシーケンスにより、内線番号「30002」でログインされている状態にあるものとする(S501)。このときの、PBX200、電話機100に保持される情報を
図6に示す。この時点では、
図4に示したS314と同じ情報を保持している。
【0042】
その後、電話機100のフリーシーティングキーとして設定されたファンクションキー108が押下されると(S502)、状態制御部102が、押下されたファンクションキーのキー情報(例えば、ファンクションキー「F1」)を、呼制御部103に出力し、IP制御部105が、そのキー情報をPBX200に送信する(S503)。
【0043】
PBX200のIP制御部203は、電話機100にフリーシーティング機能の「登録解除」の指示を送信するとともに(S504)、
図3で設定したキー情報のファンクションキーを「滅灯」させる指示を送信する(S505)。
【0044】
電話機100のIP制御部105は、これらの指示に従い、内線番号「30002」によるログインを解除してログアウトするとともに、これまでの設定を元に戻し、ファンクションキー「F1」に対応するランプ107を滅灯させ、当該ファンクションキーによるフリーシーティング機能の解除を完了させる(S506)。この時点では、
図6に示すように、PBX200では、内線番号、使用状況、キー情報は、それぞれ「-、解除完了、F1」が電話機情報2013として記憶される。また、電話機100では、それぞれ、内線番号、ランプ情報1031、キー情報1032には、それぞれ、「-、滅灯、F1(ログアウト)」が保持されることとなる。
【0045】
フリーシーティング機能が解除されると、電話機100のIP制御部105は、元の仮番号の内線番号(例えば、「90000」)でのログイン要求をPBX200に送信し(S507)、PBX200のIP制御部203は、保持している電話機100についての電話機情報2013をクリアした上で、内線番号、使用状況、キー情報「90000、-、-」を設定し、当該情報を電話機100に送信してログイン要求に対して許可する応答をする(S508)。
【0046】
電話機100のIP制御部105は、当該応答を受けると、元の仮番号の内線番号「90000」でログインを行い(S509)、
図5に示すように、これまで使用していたキー情報1031やランプ情報1032をクリアするように更新され、内線番号、ランプ情報1031、キー情報1032には、「90000、-、-」が保持される。これにより、フリーシーティング機能を解除した場合でも、PBX200と電話機100との間で同期をとることができる。
【0047】
図7は、フリーシーティング機能を登録前(あるいは設定解除後)の電話機100のLCD106、ランプ107、キー108の各設定、フリーシーティング機能を登録後の電話機100のLCD106、ランプ107、キー108の各設定の一例を示す図である。
図7の上段に示すように、フリーシーティング機能にログイン前の状態では、ランプ107は「滅灯」状態となっており、フリーシーティングキーであるファンクションキー108(例えば、F1)を押下して、利用者の内線番号「30002」をプッシュボタンで押下して入力することで、内線番号「30002」が登録され、当該ファンクションキーに対応するランプ107が「赤点灯」する。また、LCD106には、フリーシーティング機能仕様前の内線番号「90000」が表示されている。利用者は当該表示を確認することで、電話機100に内線番号が割り当てられていないことを把握することができる。
【0048】
そして、フリーシーティング機能を登録してログインした後は、
図7の下段に示すように、ランプ107が「赤点灯」状態となっており、LCD106には、登録された利用者の内線番号「30002」が表示される。利用者は当該表示を確認することで、電話機100が既に表示されている内線番号に割り当てられていることを把握することができる。
【0049】
図3~
図7を用いて説明したように、本システムでは、フリーシーティング機能を電話機100のファンクションキーにより設定することで実現しているため、従来のようにICカード等の媒体を用いる必要がなくなり、簡易な操作で内線番号を設定してログイン、あるいはログアウトができるようになる。
【0050】
続いて、このような設定を行った電話機100を用いて、遠隔ログアウトを行う場合について説明する。以下では、IP電話機B(電話機100B)からIP電話機A(電話機100A)を操作して、遠隔ログアウトする場合を例に説明する。
【0051】
図8は、遠隔でログアウト操作を行うログアウトシーケンスの例を示す図である。
図8に示すように、利用者は、ある場所(31階会議室)に設置された電話機100Aのフリーシーティング機能を使用して内線番号「30002」でログインし、電話機100Aには、フリーシーティング機能が設定されている(S801)。この状態で、当該利用者は、電話機100Aに対して、
図5に示したログアウトシーケンスを実行しないまま、31階会議室を退室X1したものとする。そして、当該利用者は、遠隔地にある別の場所(29階オフィス)に移動X2し、設置された別の電話機100Bを操作して、利用者自身の内線番号「30002」によりフリーシーティング機能を使用する操作X3を行う。具体的には、利用者は、フリーシーティングを解除するための解除キー情報(例えば、ファンクションキー「F10」等の値)および認証番号(例えば、プッシュボタンの入力値「9999」)、利用者自身の内線番号(例えば、内線番号「30002」)を入力し、状態制御部102が、入力されたこれらの情報(以下、解除情報)を、呼制御部103に出力し、IP制御部105が、上記解除情報を、PBX200に送信する(S802)。
【0052】
PBX200のIP制御部203は、電話機100Bから、上記解除情報を受け取ると、当該解除情報に含まれる認証番号が、記憶領域201に記憶されている認証番号2011と一致するか否かを判定して照合する。IP制御部203は、両者が一致すると判定した場合、利用者本人からの操作であると認証し、当該解除情報に含まれる内線番号の電話機100Aに、フリーシーティング機能の解除を指示するとともに(S803)、フリーシーティングキーとして設定されているファンクションキーを滅灯する指示を送信する(S804)。
【0053】
S803、S804について、以下具体的に説明する。S803を実行する時点では、PBX200に保持されている電話機100Aについての電話機情報2013は、
図4のレコード401のように、内線番号2014、使用状況2015、キー情報2016の順に、「30002」、「登録完了」、「F1」が設定された状態となっている。したがって、PBX200のIP制御部203は、電話機100Bから受け取った上記解除情報に含まれる内線番号「30002」に対応する電話機100Aに対して、S504、S505と同様に、電話機100Aにフリーシーティング機能の「登録解除」する指示を送信するとともに(S803)、フリーシーティング機能が設定されたファンクションキーを滅灯させる指示を送信する(S804)。
【0054】
その後、電話機100AのIP制御部105が当該指示を受け取ると、呼制御部103は、当該指示に従い、その時点での設定を元に戻し、ファンクションキー(例えば、「F1」)を滅灯させ、当該ファンクションキーによるフリーシーティング機能の解除を完了させる(S805)。これにより、フリーシーティング機能を割り当てたファンクションキーが解除され、
図6のレコード601のように、PBX200の電話機情報2013は、内線番号2014、使用状況2015、キー情報2016の順に、「90000、解除完了、-」に更新されて保持され、電話機100Aの内線番号、ランプ情報1031、キー情報1032は、「90000、滅灯、-」に更新されて保持される。以降、
図5に示したS507~S509と同様の処理を行い(S806~S808)、PBX200と電話機100との間で同期がとられた状態となる。
【0055】
図8では、利用者が使用していた電話機100Aが、他の利用者に使用されていない状態でのログアウト操作について説明したが、以下では、利用者が電話機100Aを使用している場合のログアウト操作について説明する。
【0056】
図9は、通話中の場合において、遠隔でログアウト操作を行うログアウトシーケンスの例を示す図である。以下では、S801~S803までの処理については、
図8に示した場合と同様であるため、ここではその説明を省略する。
図9に示すように、PBX200のIP制御部203は、電話機100Bから、解除キー情報(例えば、「F10」等の値)および認証番号(例えば、「9999」)、利用者自身の内線番号(例えば、内線番号「30002」)を受け取ると、当該解除情報に含まれる内線番号の電話機100Aに、フリーシーティング機能の解除を指示する(S803)。このとき、電話機100Aでは、当該指示よりも前に、通話が開始X4された状態となっている。このため、PBX200のIP制御部203は、電話機100Aから、通話中であるためにフリーシーティング機能の解除ができない旨(例えば、ビジートーン)の応答を受け取る(S901)。
【0057】
PBX200のIP制御部203は、上記応答を受け取ると、上記解除キー情報を送信した電話機100Bに対して、規制音(あるいは規制メッセージ)を送信し、当該タイミングでは、利用者の内線番号を用いたフリーシーティング機能の解除はできない旨を通知する(S902)。電話機100BのIP制御部105が当該通知を受け取ると、音声制御部104が、図示しない受話器を介して当該通知を出力する。当該電話機100Bを操作している利用者は、出力された上記通知を聞き取り、別のタイミングで電話機100Bを操作して、電話機100Bに対してS802の処理を実行し、以降の処理が行われる。そして、電話機100Bが、PBX200から上記解除はできない旨の通知を受け取らなくなると、
図8に示したS804以降の処理が実行されることとなる。
【0058】
このような処理により、ログアウト操作を忘れた電話機100Aが通話中であっても、利用者が上記通知を確認することで、通話中のタイミングを外して、遠隔でログアウト操作を行うことができる。したがって、従来のように、電話機を使用している他人に解除通知が送信されることによって通話が一時的に阻害されてしまうといった不都合をなくすことができる。
【0059】
図9に示したログアウトシーケンスでは、ログアウト操作を忘れた利用者が操作する電話機100Bに対して規制音等の通知を行うことで、通話中の電話機100Aに対するログアウト操作を行うタイミングをずらすこととした。しかし、電話機100Aの通話が終了する時間は利用者にとって不確定であるため、何度もS802の処理を実行しなければならなく場合がある。そこで、
図10に示すように、PBX200のIP制御部203が、電話機100Aの通話状態を監視して呼び出しを継続し(S1001)、電話機100Bに対しては、待機音(あるいは待機メッセージ)を送信する(S1002)。PBX200のIP制御部203は、電話機100Aから、通話中を解除した旨(例えば、ビジートーンの解除信号)を受け取ると(S1003)、
図8のS804以降の処理を実行し、遠隔でログアウトさせる。このような処理により、電話機100Aが通話中であっても、当該通話が終了次第、自動的に遠隔ログアウトが可能となり、何度もS802の処理を実行する必要がなくなる。
【0060】
以上説明したように、本実施例における電話遠隔制御システム1000では、フリーアドレスを有した第1の電話機(例えば、電話機100A)と、上記第1の電話機とは異なる場所に設置された第2の電話機(例えば、電話機100B)と、ネットワークを介した上記第1の電話機と上記第2の電話機との間の通話の接続を制御する交換機(例えば、交換機200)と、を有した電話遠隔制御システムにおいて、上記第1の電話機は、上記第1の電話機に設定された利用者の内線番号を上記第2の電話機に移動させるためのフリーシーティング機能、を設定するキー操作を受け付けるキー設定部(例えば、ファンクションキー108、状態制御部102)と、入力部(例えば、プッシュボタン)から入力された上記内線番号による通話を行うためのログイン操作を受け付けて上記第1の電話機による通話を制御し、上記内線番号(例えば、内線番号「30002」)と上記キー操作により設定された第1のキー情報(例えば、ファンクションキー「F1」)とを上記交換機に送信する電話機制御部(例えば、IP制御部105)と、を有し、上記交換機は、上記第1の電話機から受け取った上記内線番号と上記第1のキー情報と上記内線番号による上記フリーシーティング機能の使用状況とを対応付けた電話機情報(例えば、電話機情報2013)と、上記ログイン操作によりログインされた上記第1の電話機をログアウトさせるための第2のキー情報(例えば、解除キー情報2012、ファンクションキー「F10」)と、上記第1の電話機で上記ログイン操作を行った利用者であることを認証するための認証情報(例えば、認証番号2011)と、を記憶する記憶部(例えば、記憶領域201)と、上記第1のキー情報により上記内線番号が上記第1の電話機に設定されたことを上記電話機情報に登録し、上記第1の電話機に対して上記第1のキー情報による上記内線番号でのログインを許可する交換機制御部(例えば、IP制御部203)と、を有し、上記交換機の上記交換機制御部は、
図8を用いて説明したように、上記第2の電話機から、上記第2のキー情報と上記認証情報と上記内線番号とを対応付けた解除情報を受け取り、当該解除情報と上記記憶部に記憶されている上記第2のキー情報と上記認証情報とに基づいて、上記第1の電話機に設定されている上記内線番号による上記フリーシーティング機能を解除し、上記第1の電話機をログアウトさせる。これにより、利用者がログアウト操作を忘れてしまった場合であっても、利用者が新たにログインしたい電話機から遠隔でログアウトすることができる。その際、あらかじめ定めておいた認証番号を入力して照合することにより、他人に勝手にログアウトされるのを防ぐことができる。
【0061】
また、上記交換機の上記交換機制御部は、
図10を用いて説明したように、上記第1の電話機の通話状態を監視し、上記第1の電話機から、通話中を解除した旨の情報(例えば、ビジートーンの解除信号)を受け取った場合に、上記第1の電話機に設定されている上記内線番号による上記フリーシーティング機能を解除し、上記第1の電話機をログアウトさせる。これにより、電話機100の通話が終了次第、自動的に遠隔ログアウトすることができる。
【0062】
また、上記交換機の上記交換機制御部は、上記第1の電話機から、通話中であるためにフリーシーティング機能の解除ができない旨の応答(例えば、ビジートーン)を受け取った場合に、上記第2の電話機に対して、規制情報(例えば、規制音(あるいは規制メッセージ))を送信し、上記フリーシーティング機能の解除はできない旨を通知する。これにより、通話中のタイミングを外して、遠隔でログアウト操作を行うことができる。
【0063】
以上、図面を用いて詳細に説明したが、本発明は上述の種々の例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で、さらに種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1000 電話遠隔制御システム
100 電話機
200 交換機(PBX)
101 表示制御部
102 状態制御部
103 呼制御部
1031 ランプ情報
1032 キー情報
104 音声制御部
105 IP制御部
106 LCD
107 ランプ
108 ファンクションキー(フリーシーティングキー)
109 プロセッサ
201 記憶領域
2011 認証番号
2012 解除キー情報
2013 電話機情報
2014 内線番号
2015 使用状況
2016 キー情報
202 呼制御部
203 IP制御部
204 プロセッサ
N ネットワーク